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特表2023-549945キャップアセンブリ、電池、電力消費機器、電池セル及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】キャップアセンブリ、電池、電力消費機器、電池セル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20231121BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/375 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20231121BHJP
   H01M 50/559 20210101ALI20231121BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/152
H01M50/533
H01M50/35 101
H01M50/202 501C
H01M50/213
H01M50/375
H01M50/548 201
H01M50/559
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530681
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2021125104
(87)【国際公開番号】W WO2022142609
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011642712.5
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】蘇 華聖
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼ 承友
(72)【発明者】
【氏名】呉 譯晨
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011CC06
5H012AA01
5H012AA07
5H012BB02
5H012FF01
5H012FF08
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT03
5H040AT04
5H040AY03
5H040AY06
5H043AA04
5H043BA07
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA07
5H043CA08
5H043DA22
5H043GA22
5H043GA26
5H043HA08E
5H043JA03
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池技術分野に属するエンドキャップアセンブリ、電池、電力消費機器、電池セル及びその製造方法を提供した。ここで、エンドキャップアセンブリは、エンドキャップと、第一の電極端子と、第二の電極端子と、接続部材と、放圧機構とを含む。第一の電極端子は、エンドキャップに取り付けられ、第二の電極端子は、エンドキャップに取り付けられる。接続部材は、第一の電極端子と第二の電極端子とを接続するために用いられ、接続部材は、エンドキャップの第一の方向に電池セル内部から離れる側に位置する。放圧機構は、エンドキャップに設置され、放圧機構の少なくとも一部は、第一の電極端子と第二の電極端子との間に位置し、放圧機構は、電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セルの内部の圧力を逃すように構成される。このような構造のエンドキャップアセンブリは、エンドキャップの第一の電極端子と第二の電極端子との間の空間を効果的に利用しており、放圧機構の配列がより合理的になり、より大きなサイズの放圧機構を設置できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルに用いられるエンドキャップアセンブリであって、
エンドキャップと、
前記エンドキャップに取り付けられる第一の電極端子と、
前記エンドキャップに取り付けられる第二の電極端子と、
前記第一の電極端子と前記第二の電極端子とを接続するためのものであり、前記エンドキャップの第一の方向に前記電池セル内部から離れる側に位置する接続部材と、
前記エンドキャップに設置される放圧機構であって、前記放圧機構の少なくとも一部は、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子との間に位置し、前記放圧機構は、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記電池セルの内部の圧力を逃すように構成される放圧機構とを含む、エンドキャップアセンブリ。
【請求項2】
前記接続部材の前記第一の方向における投影は、前記放圧機構の少なくとも一部を覆う、請求項1に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項3】
前記放圧機構は、開放エリアを含み、前記放圧機構は、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に前記開放エリアから前記電池セルの内部の圧力を逃すように構成され、
前記接続部材の前記第一の方向における投影は、前記開放エリアの一部を覆い、前記開放エリアの第一の方向における投影は、前記接続部材の前記第一の方向における投影よりもはみ出す、請求項1又は2に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項4】
前記開放エリアは、第二の方向に沿って延び、前記接続部材は、第三の方向に沿って延び、
前記第一の方向、前記第二の方向と前記第三の方向は、二つずつ垂直である、請求項3に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項5】
前記開放エリアは、第一の開放領域と、第二の開放領域とを含み、前記第二の開放領域は、前記第一の開放領域の第二の方向における少なくとも一端に設置され、
前記接続部材の前記第一の方向における投影は、前記第一の開放領域の少なくとも一部を覆い、前記第二の開放領域の第一の方向における投影は、前記接続部材の前記第一の方向における投影よりもはみ出し、前記第二の開放領域の第三の方向における幅は、前記第一の開放領域の前記第三の方向における幅よりも大きく、
前記第一の方向、前記第二の方向と前記第三の方向は、二つずつ垂直である、請求項3又は4に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項6】
前記エンドキャップアセンブリは、前記放圧機構を覆うためのカバー部材をさらに含み、
前記エンドキャップの前記接続部材に近づく側には、前記カバー部材を収容するための第一の収容溝が設けられる、請求項1から5のいずれか1項に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項7】
前記カバー部材には、第一の貫通孔が設けられる、請求項6に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項8】
前記第一の電極端子と前記第二の電極端子との極性は、同じである、請求項1から7のいずれか1項に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項9】
前記エンドキャップアセンブリは、集電体をさらに含み、前記集電体は、前記第一の電極端子、第二の電極端子及び前記電池セルの電極アセンブリを接続するように構成され、
前記集電体には、排出通路が設置されており、
前記電池セルの熱暴走により発生した排出物は、前記排出通路と前記放圧機構を順に通じて前記電池セルの外に排出されて、前記電池セルの内部の圧力を逃すことができる、請求項8に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項10】
前記集電体は、複数の折り畳み部を含み、隣接する二つの前記折り畳み部の間ごとに折り目が形成されており、各前記折り畳み部には、第二の貫通孔が設置され、複数の前記第二の貫通孔は、前記排出通路を共同で形成する、請求項9に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項11】
複数の前記第二の貫通孔の前記第一の方向における投影は、前記放圧機構の前記第一の方向における投影と、少なくとも部分的に重なる、請求項10に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項12】
複数の前記第二の貫通孔の前記第一の方向における投影は、前記電極アセンブリの中心穴の前記第一の方向における投影と、少なくとも部分的に重なる、請求項10又は11に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項13】
前記第二の貫通孔が設置される少なくとも一つの前記折り畳み部の部位の前記折り目の延び方向における少なくとも一方側には、導流突出部が設置される、請求項10から12のいずれか1項に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項14】
前記複数の折り畳み部は、順に接続される第一の折り畳み部と、第二の折り畳み部と、第三の折り畳み部とを含み、
前記第一の折り畳み部は、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子に電気的に接続するように構成され、
前記第三の折り畳み部は、前記電極アセンブリに電気的に接続するために用いられ、
前記折り目の延び方向において、前記第一の折り畳み部と前記第三の折り畳み部の幅は、いずれも前記第二の折り畳み部の幅よりも大きく、
ここで、前記第二の貫通孔が設置される前記第二の折り畳み部の部位の前記折り目の延び方向における少なくとも一方側には、導流突出部が設置される、請求項10に記載のエンドキャップアセンブリ。
【請求項15】
電池セルであって、
開口を有するハウジングと、
前記ハウジング内に収容される電極アセンブリと、
前記開口に被せられるための請求項1から14のいずれか1項に記載のエンドキャップアセンブリとを含み、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子は、前記電極アセンブリに電気的に接続するように構成される、電池セル。
【請求項16】
電池であって、
筐体と、
前記筐体内に収容される請求項15に記載の電池セルとを含む、電池。
【請求項17】
請求項15に記載の電池セルを含む、電力消費機器。
【請求項18】
電池セルの製造方法であって、
開口を有するハウジングを提供することと、
電極アセンブリを提供することと、
エンドキャップアセンブリを提供することであって、エンドキャップアセンブリは、
エンドキャップと、
前記エンドキャップに取り付けられる第一の電極端子と、
前記エンドキャップに取り付けられる第二の電極端子と、
前記第一の電極端子と前記第二の電極端子とを接続するためのものであり、前記エンドキャップの第一の方向に前記電池セル内部から離れる側に位置する接続部材と、
前記エンドキャップに設置される放圧機構であって、前記放圧機構の少なくとも一部は、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子との間に位置し、前記放圧機構は、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記電池セルの内部の圧力を逃すように構成される放圧機構とを含むことと、
前記電極アセンブリを前記ハウジング内に収容することと、
前記エンドキャップを前記開口に被せることとを含み、
ここで、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子は、前記電極アセンブリに電気的に接続するように構成される、電池セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年12月30日に提案された名称が「エンドキャップアセンブリ、電池、電力消費機器、電池セル及びその製造方法」の中国特許出願202011642712.5の優先権を主張しており、この出願のすべての内容は、援用により本明細書に取り込まれる。
【0002】
本出願は、電池技術分野に関し、具体的には、エンドキャップアセンブリ、電池、電力消費機器、電池セル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
車両に比較的に多く使用される電池は、一般的には、リチウムイオン電池であり、リチウムイオン電池は、再充電可能な電池として、体積が小さく、エネルギー密度が高く、パワー密度が高く、サイクル使用回数が多く、貯蔵時間が長い利点などを有する。
【0004】
再充電可能な電池は、一般的には、ハウジングと、エンドキャップアセンブリと、電極アセンブリとを含み、エンドキャップアセンブリは、ハウジングに被せられ、電極アセンブリと電解液のために密閉される空間を提供し、電極アセンブリの電気エネルギーは、エンドキャップアセンブリの電極端子によってハウジングの外に引き出されることができる。
【0005】
電池の取り付け性を確保するために、一般的には、エンドキャップアセンブリに放圧機構を設置し、電池の内部圧力又は温度が閾値に達した時に、放圧機構によって電池内部の圧力を逃すことができる。放圧機構の配列位置は、電池の内部圧力を逃す放圧機構の能力に直接に影響を及ぼす。
【0006】
そのため、どのように放圧機構をより合理的に配列するかは、電池技術において早急な解決が待たれる問題となる。
【発明の概要】
【0007】
本出願の実施例は、エンドキャップアセンブリ、電池、電力消費機器、電池セル及びその製造方法を提供しており、放圧機構の配列は、より合理的になる。
【0008】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルに用いられるエンドキャップアセンブリを提供し、このエンドキャップアセンブリは、エンドキャップと、第一の電極端子と、第二の電極端子と、接続部材と、放圧機構とを含み、前記第一の電極端子は、前記エンドキャップに取り付けられ、前記第二の電極端子は、前記エンドキャップに取り付けられ、前記接続部材は、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子とを接続するために用いられ、前記接続部材は、前記エンドキャップの第一の方向に前記電池セル内部から離れる側に位置し、前記放圧機構は、前記エンドキャップに設置され、前記放圧機構の少なくとも一部は、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子との間に位置し、前記放圧機構は、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記電池セルの内部の圧力を逃すように構成される。
【0009】
上記方案では、放圧機構は、エンドキャップに設置され、放圧機構の少なくとも一部は、第一の電極端子と第二の電極端子との間に位置し、エンドキャップの第一の電極端子と第二の電極端子との間の空間を効果的に利用し、放圧機構の配列は、より合理的になり、より大きなサイズの放圧機構を設置することができる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記接続部材の前記第一の方向における投影は、前記放圧機構の少なくとも一部を覆う。
【0011】
上記方案では、接続部材の第一の方向における投影は、放圧機構の少なくとも一部を覆い、放圧機構は、接続部材によって占有されるエンドキャップにおける空間を効果的に利用しており、エンドキャップにおける空間をより合理的に利用できる。
【0012】
いくつかの実施例では、前記放圧機構は、開放エリアを含み、前記放圧機構は、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に前記開放エリアから前記電池セルの内部の圧力を逃すように構成され、前記接続部材の前記第一の方向における投影は、前記開放エリアの一部を覆い、前記開放エリアの第一の方向における投影は、前記接続部材の前記第一の方向における投影よりもはみ出す。
【0013】
上記方案では、接続部材の第一の方向における投影は、開放エリアの一部を覆い、開放エリアの第一の方向における投影は、接続部材の第一の方向における投影よりもはみ出しており、即ち開放エリアは、第一の方向において接続部材によって完全に遮蔽されなく、それによって開放エリアを介して電池セルの内部圧力を逃すプロセスは、より円滑になる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記開放エリアは、前記第二の方向に沿って延び、前記接続部材は、第三の方向に沿って延び、前記第一の方向、第二の方向と前記第三の方向は、二つずつ垂直である。
【0015】
上記方案では、開放エリアの延び方向、接続部材の延び方向と第一の方向との三者は、二つずつ垂直であり、このような構造により、開放エリアの接続部材によって遮蔽される領域は、より小さく、さらに開放エリアを介して電池セルの内部圧力を逃すプロセスの円滑性を向上させる。
【0016】
いくつかの実施例では、前記開放エリアは、前記第一の開放領域と、第二の開放領域とを含み、前記第二の開放領域は、前記第一の開放領域の第二の方向における少なくとも一端に設置され、前記接続部材の前記第一の方向における投影は、前記第一の開放領域の少なくとも一部を覆い、前記第二の開放領域の第一の方向における投影は、前記接続部材の前記第一の方向における投影よりもはみ出し、前記第二の開放領域の第三の方向における幅は、前記第一の開放領域の前記第三の方向における幅よりも大きく、前記第一の方向、前記第二の方向と前記第三の方向は、二つずつ垂直である。
【0017】
上記方案では、接続部材によって遮蔽されていない第二の開放領域の第三の方向における幅は、少なくとも一部が接続部材によって遮蔽される第一の開放領域の第三の方向における幅よりも大きく、このような構造は、さらに開放エリアを介して電池セルの内部圧力を逃すプロセスの円滑性を向上させる。
【0018】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリは、前記放圧機構を覆うためのカバー部材をさらに含み、前記エンドキャップの前記接続部材に近づく側には、前記カバー部材を収容するための第一の収容溝が設けられる。
【0019】
上記方案では、カバー部材は、放圧機構を覆い、放圧機構に対して非常に良い保護の役割を果たすことができる。エンドキャップの接続部材に近づく側には、第一の収容溝が設けられ、カバー部材は、第一の収容溝内に収容されてもよく、カバー部材が占有するエンドキャップの外部空間を小さくすることができる。
【0020】
いくつかの実施例では、前記カバー部材には、第一の貫通孔が設けられる。
【0021】
上記方案では、カバー部材には、第一の貫通孔が設けられ、第一の貫通孔は、圧力のバランスを取る役割を果たして、カバー部材と放圧機構の間の領域の圧力と外圧のバランスを取る。
【0022】
いくつかの実施例では、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子との極性は、同じである。
【0023】
上記方案では、第一の電極端子と第二の電極端子との極性は、同じであり、即ち接続部材は、極性が同じである二つの電極端子に接続され、接続部材は、電気エネルギーを集める役割を果たし、電池セルとバスバー部材との接続面積を大きくすることができる。
【0024】
いくつかの実施例では、前記エンドキャップアセンブリは、集電体をさらに含み、前記集電体は、前記第一の電極端子、第二の電極端子及び前記電池セルの電極アセンブリを接続するように構成され、前記集電体には、排出通路が設置されており、前記電池セルの熱暴走により発生した排出物は、前記排出通路と前記放圧機構を順に通じて前記電池セル外に排出されて、前記電池セルの内部の圧力を逃すことができる。
【0025】
上記方案では、集電体には、排出通路が設けられ、電池セルが熱暴走した時、電池セル内部の排出物は、順に排出通路と放圧機構を介して電池セルの外に排出され、電池セルの熱暴走により発生した排出物をタイムリーに排出できることを確保して、電池セルの内部圧力を逃す目的を達成することができる。
【0026】
いくつかの実施例では、前記集電体は、複数の折り畳み部を含み、隣接する二つの前記折り畳み部の間ごとに折り目が形成されており、各前記折り畳み部には、第二の貫通孔が設置され、複数の前記第二の貫通孔は、前記排出通路を共同で形成する。
【0027】
上記方案では、集電体は、複数の折り畳み部を含む折り畳み構造であり、集電体をエンドキャップと電極アセンブリの間に配置することを容易にし、集電体が占有する空間を小さくする。各折り畳み部には、第二の貫通孔が設けられ、集電体が折り畳まれる状態において、複数の第二の貫通孔は、排出通路を共同で形成することができる。
【0028】
いくつかの実施例では、複数の前記第二の貫通孔の前記第一の方向における投影は、前記放圧機構の前記第一の方向における投影と、少なくとも部分的に重なる。
【0029】
上記方案では、複数の第二の貫通孔の第二の方向における投影は、放圧構造の第一の方向における投影と少なくとも部分的に重なり、集電体の排出物に対する阻害作用を小さくしており、排出物が排出通路と放圧機構とを介して外に排出されるプロセスの円滑性を向上させることによって、排出物が電池セル外に排出されることを容易にすることができる。
【0030】
いくつかの実施例では、複数の前記第二の貫通孔の前記第一の方向における投影は、前記電極アセンブリの中心穴の前記第一の方向における投影と、少なくとも部分的に重なる。
【0031】
上記方案では、複数の第二の貫通孔の第一の方向における投影が、電極アセンブリの中心穴の第一の方向における投影と少なくとも部分的に重なることで、排出通路と電極アセンブリの中心穴は、直通通路を共同で形成し、電極アセンブリの中心穴の軸方向における両側の圧力のバランスを取り、電極アセンブリのエンドキャップに近づく側の圧力が高すぎることにより放圧機構が破損されるリスクを低減することができる。
【0032】
いくつかの実施例では、前記第二の貫通孔が設置される少なくとも一つの前記折り畳み部の部位の前記折り目の延び方向における少なくとも一方側には、導流突出部が設置される。
【0033】
上記方案では、折り畳み部に導流突出部を設置することで、第二の貫通孔が設置される折り畳み部の部位の流通路面積を大きくすることができる。
【0034】
いくつかの実施例では、前記複数の折り畳み部は、順に接続される第一の折り畳み部と、第二の折り畳み部と、第三の折り畳み部とを含み、前記第一の折り畳み部は、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子に電気的に接続するように構成され、前記第三の折り畳み部は、前記電極アセンブリに電気的に接続するために用いられ、前記折り目の延び方向において、前記第一の折り畳み部と前記第三の折り畳み部の幅は、いずれも前記第二の折り畳み部の幅よりも大きく、ここで、前記第二の貫通孔が設置される前記第二の折り畳み部の部位の前記折り目の延び方向における少なくとも一方側には、導流突出部が設置される。
【0035】
上記方案では、第一の折り畳み部と第三の折り畳み部の幅は、いずれも第二の折り畳み部の幅よりも大きく、第一の折り畳み部が第一の電極端子と第二の電極端子とに接続されやすく、第三の折り畳み部が電極アセンブリに接続されやすいことを確保すると同時に、第二の折り畳み部の幅を比較的小さくし、集電体の材料を節約することができる。第二の折り畳み部に導流突起を設置することで、第二の貫通孔が設置される第二の折り畳み部の部位の流通路面積を大きくすることができる。
【0036】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルを提供し、この電池セルは、ハウジングと、電極アセンブリと、第一の態様のいずれか一つの実施例によるエンドキャップアセンブリとを含み、前記ハウジングは、開口を有し、前記電極アセンブリは、前記ハウジング内に収容され、前記エンドキャップは、前記開口に被せられるために用いられ、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子は、前記電極アセンブリに電気的に接続するように構成される。
【0037】
上記方案では、電池セルにおける放圧機構は、エンドキャップの第一の電極端子と第二の電極端子との間の空間を効果的に利用しており、放圧機構の配列は、より合理的になり、より大きなサイズの放圧機構を設置することができる。
【0038】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、電池を提供し、この電池は、筐体と、第二の態様のいずれか一つの実施例による電池セルとを含み、前記電池セルは、前記筐体内に収容される。
【0039】
第四の態様によれば、本出願の実施例は、電力消費機器を提供し、前記電力消費機器は、第二の態様のいずれか一つの実施例による電池セルを含む。
【0040】
第五の態様によれば、本出願の実施例は、電池セルの製造方法をさらに提供し、この製造方法は、
開口を有するハウジングを提供することと、電極アセンブリを提供することと、エンドキャップと、第一の電極端子と、第二の電極端子と、接続部材と、放圧機構とを含むエンドキャップアセンブリを提供することであって、前記第一の電極端子は、前記エンドキャップに取り付けられ、第二の電極端子は、前記エンドキャップに取り付けられ、前記接続部材は、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子とを接続するために用いられ、前記接続部材は、前記エンドキャップの第一の方向に前記電池セル内部から離れる側に位置し、前記放圧機構は、前記エンドキャップに設置され、前記放圧機構の少なくとも一部は、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子との間に位置し、前記放圧機構は、前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して前記電池セルの内部の圧力を逃すように構成されることと、前記電極アセンブリを前記ハウジング内に収容することと、前記エンドキャップを前記開口に被せることとを含み、ここで、前記第一の電極端子と前記第二の電極端子は、前記電極アセンブリに電気的に接続するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、理解すべきこととして、以下の図面は、本出願のいくつかの実施例のみを示すため、本出願の範囲に対する限定と見なされるべきではなく、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることもできる。
【0042】
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の構造概略図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による電池セルの分解図である。
図4】本出願のいくつかの実施例によるエンドキャップアセンブリの分解図である。
図5】本出願のまた別のいくつかの実施例によるエンドキャップアセンブリの分解図である。
図6】本出願のいくつかの実施例による接続部材と第一の電極端子と第二の電極端子の接続概略図である。
図7図4に示すエンドキャップアセンブリの平面図である。
図8図5に示すエンドキャップアセンブリの平面図である。
図9図5に示すエンドキャップアセンブリのエンドキャップの構造概略図である。
図10】本出願のいくつかの実施例によるカバー部材、放圧機構とエンドキャップの接続概略図である。
図11】本出願のいくつかの実施例によるエンドキャップアセンブリの断面図である。
図12】本出願のいくつかの実施例による電池セルの局所断面図である。
図13】本出願のいくつかの実施例によるエンドキャップアセンブリの集電体(展開状態にある)の構造概略図である。
図14】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本出願の実施例の目的、技術案と利点をより明確にするために、以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭に記述し、明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0044】
特に定義されない限り、本出願に使用されるすべての技術用語と科学用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本出願では出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図していない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本出願の明細書と特許請求の範囲又は上記図面における用語である「第一」、「第二」などは、特定の順序又は主従関係を記述するためのものではなく、異なる対象を区別するためのものである。
【0045】
本出願に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。
【0046】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に明確に規定、限定されていない限り、用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「付設」は、広義に理解されるべきであり、例えば固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよく、二つの要素内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0047】
本出願の実施例では、同じ符号が同じ部材を表し、且つ簡潔のため、異なる実施例では、同じ部材に対する詳細な説明を省略する。理解すべきこととして、図面に示す本出願の実施例における様々な部材の厚さ、長さ、幅などのサイズ、及び集積装置の全体的な厚さ、長さ、幅などのサイズは、例示的な説明だけであり、本出願に対するいかなる限定をも構成すべきではない。
【0048】
本出願に出現された「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指す。
【0049】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。電池セルは、円筒体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよく、本出願の実施例は、これにも限定しない。電池セルは、一般的にはパッケージングの方式に応じて、筒型電池セル、直方体四角形電池セル及びパウチ電池セルという三つの種類に分けられ、本出願の実施例は、これにも限定しない。
【0050】
本出願の実施例に言及された電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。例えば、本出願に言及された電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的には一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又は他の異物による電池セルの充電又は放電への影響を回避することができる。
【0051】
電池セルは、電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは、正極板と、負極板と、セパレータとにより構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することで作動する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗覆されており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗覆された正極集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗覆されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗覆された負極集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はケイ素などであってもよい。大電流を流しても溶断しないことを確保するために、正極タブの数が複数であり、且つ積層されており、負極タブの数が複数であり、且つ積層されている。セパレータの材質は、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(Polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。なお、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本出願の実施例は、これに限らない。
【0052】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えばエネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電倍率などの性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0053】
電池セルにとっては、主な安全上の危険は、充電と放電プロセスに起因し、同時に適切な環境温度設計にも起因し、不必要な損失を効果的に回避するために、電池セルに対して一般的には三種類の保護手段がある。具体的には、保護手段は、少なくともスイッチ素子、適切なセパレータ材料の選択及び放圧機構を含む。スイッチ素子とは、電池セル内の温度又は抵抗が一定の閾値に達する時に電池に充電又は放電を停止させることができる素子である。セパレータは、正極板と負極板とを隔離するためのものであり、温度が一定の数値に上昇する時にその上に付着されるミクロンオーダー(ひいてはナノメートルオーダー)の微細穴を自動的に溶解でき、それによって金属イオンがセパレータ上を通過できなくなり、電池セルの内部反応を停止させる。
【0054】
放圧機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が所定閾値に達する時に作動して内部圧力又は温度を逃す素子又は部材である。この閾値設計は、設計需要によって異なる。前記閾値は、電池セルにおける正極板、負極板、電解液とセパレータのうちの一つ又は複数の材料に依存し得る。放圧機構は、防爆弁、防爆プレート、空気弁、放圧弁又は安全弁などのような形式をも採用でき、且つ具体的に感圧又は感温の素子又は構造を採用でき、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が所定閾値に達すると、放圧機構が動作を実行し、又は放圧機構に設けられる脆弱構造が破壊され、それによって内部圧力又は温度を逃すための開口又は通路が形成される。
【0055】
本出願に言及された「作動」とは、放圧機構が動作したり一定の状態に活性化されたりすることによって、電池セルの内部圧力及び温度が逃されることである。放圧機構による動作は、放圧機構のうちの少なくとも一部の破裂、破粋、引き裂き又は開きなどを含んでもよいが、それらに限らない。放圧機構の作動時、電池セルの内部の高温高圧物質は、排出物として、作動する部位から外へ排出される。この方式により、圧力又は温度が制御可能である場合に電池セルに圧力及び温度の放出を発生させることができ、それによって潜在的でより深刻な事故の発生を回避する。
【0056】
本出願に言及された電池セルからの排出物は、電解液、溶解又は分裂された正負極板、セパレータの破片、反応により発生した高温高圧気体、火炎などを含むが、それらに限らない。
【0057】
電池セル上の放圧機構は、電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、短絡、過充電などの現象が発生すると、電池セル内部が熱暴走することで圧力又は温度が急激に上昇する可能性がある。このような場合に、放圧機構の作動によって内部圧力及び温度を外にリリースして、電池セルの爆発、発火を防止することができる。
【0058】
発明者は、電池セルにおいて、放圧機構が一般的に電極端子を設置する孔に配置され、放圧機構の大きさが電極端子のサイズによって制限され、放圧機構の配列が不合理であり、電池セルに大きなサイズの放圧機構を配置することができなくなり、それによって放圧機構の放圧能力が比較的悪いことを発見した。
【0059】
そこで、本出願の実施例は、技術案を提供し、放圧機構の少なくとも一部を第一の電極端子と第二の電極端子との間に設置することによって、エンドキャップの第一の電極端子と第二の電極端子との間の空間を効果的に利用し、より大きなサイズの放圧機構を設置し、放圧機構の放圧能力を向上させることができる。
【0060】
本出願の実施例に記述された技術案は、電池及び電池を使用する電力消費機器に適用される。
【0061】
電力消費機器は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えばゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具と電気飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研削電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば電気ドリル、電気グラインダ、電気レンチ、電気ドライバ、電気ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機と電気カンナなどを含む。本出願の実施例は、上記電力消費機器を特に制限しない。
【0062】
以下の実施例は、説明の便宜上、電力消費機器が車両であることを例にして説明する。
【0063】
図1を参照すると、図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の構造概略図である。車両1000の内部には、電池100が設置され、電池100は、車両1000の底部又は頭部又は後尾に設置されてもよい。電池100は、車両1000への給電に用いられてもよく、例えば電池100は、車両1000の操作電源としてもよい。
【0064】
車両1000はさらに、コントローラ200と、モータ300とを含んでもよく、コントローラ200は、モータ300に給電する電池100を制御するためのものであり、例えば車両1000の起動、ナビゲーションと走行時の作動電力消費需要に用いられる。
【0065】
本出願のいくつかの実施例では、電池100は、車両1000の操作電源だけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することができる。
【0066】
図2を参照すると、図2は、本出願のいくつかの実施例による電池100の構造概略図である。電池100は、筐体10と、筐体10内に収容される電池セル20とを含む。
【0067】
筐体10は、電池セル20のために密閉空間11を提供するために用いられる。いくつかの実施例において、筐体10は、第一の部分12と、第二の部分13とを含んでもよく、第一の部分12と第二の部分13は、互に被せられて、電池セル20を収容するための密閉空間11を区画する。無論、第一の部分12と第二の部分13の接続箇所は、シール部材(図示せず)によってシールし、シール部材は、シールリング、シーラントなどであってもよい。
【0068】
第一の部分12と第二の部分13は、様々な形状、例えば、直方体、円筒体などであってもよい。第一の部分12は、一方側が開口する中空構造であってもよく、第二の部分13は、一方側が開口する中空構造であってもよく、第二の部分13の開口側は、第一の部分12の開口側に被せられることにより、密閉空間11を有する筐体10を形成する。無論、図2に示すように、第一の部分12が、一方側が開口する中空構造であり、第二の部分13が、板状構造であるとしてもよく、第二の部分13は、第一の部分12の開口側に被せられることにより、密閉空間11を有する筐体10を形成する。
【0069】
電池100では、電池セル20は、一つであってもよく、複数であってもよい。電池セル20が複数である場合、複数の電池セル20どうしは、直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、複数の電池セル20において、直列接続もあるし、並列接続もある。複数の電池セル20間は、直接直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続され、それから、複数の電池セル20から構成される全体は、筐体10内に収容され、無論、複数の電池セル20は、まず直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されて電池モジュールを構成してから、複数の電池モジュールは、直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されて一つの全体を構成し、筐体10内に収容されてもよい。電池セル20は、円筒体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈することができる。図2は、電池セル20が円筒体を呈する場合を例示的に示した。
【0070】
いくつかの実施例では、電池100はさらに、バスバー部材(図示せず)を含んでもよく、複数の電池セル20の間に、バスバー部材によって電気的な接続を実現して、複数の電池セル20の直列接続又は並列接続又は直並列接続を実現してもよい。
【0071】
図3を参照すると、図3は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の分解図である。電池セル20は、ハウジング21と、電極アセンブリ22と、エンドキャップアセンブリ23とを含んでもよい。ハウジング21は、開口211を有し、電極アセンブリ22は、ハウジング21内に収容され、エンドキャップアセンブリ23は、開口211を塞ぐために用いられる。
【0072】
ハウジング21は、様々な形状、例えば、円筒体、直方体などであってもよい。ハウジング21の形状は、電極アセンブリ22の具体的な形状に基づいて決定されてもよい。例えば、電極アセンブリ22が円筒体構造である場合、ハウジング21は、円筒体構造を選択することができ、電極アセンブリ22が直方体構造である場合、ハウジング21は、直方体構造を選択することができる。図3は、ハウジング21と電極アセンブリ22が円筒体である場合を例示的に示した。
【0073】
ハウジング21の材質は、様々なものであり得て、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などであってもよく、本出願の実施例は、これを特に制限しない。
【0074】
電極アセンブリ22は、正極板(図示せず)と、負極板(図示せず)と、セパレータ(図示せず)とを含んでもよい。電極アセンブリ22は、正極板、セパレータと負極板を捲回することで形成された捲回型構造であってもよく、正極板、セパレータと負極板を積層して配置することで形成された積層型構造であってもよい。電極アセンブリ22は、正極タブ(図示せず)と、負極タブ(図示せず)とをさらに含み、正極板において正極活物質層が塗覆されていない正極集電体は、正極タブとされてもよく、負極板において負極活物質層が塗覆されていない負極集電体は、負極タブとされてもよい。
【0075】
エンドキャップアセンブリ23は、ハウジング21の開口211を塞ぐために用いられて、一つの密閉される収容空間(図示せず)を形成し、収容空間は、電極アセンブリ22を収容するために用いられる。収容空間は、さらに電解質、例えば電解液を収容するために用いられる。エンドキャップアセンブリ23は、電極アセンブリ22の電気エネルギーを出力する部材とされて、エンドキャップアセンブリ23における電極端子は、電極アセンブリ22に電気的に接続するために用いられ、即ち電極端子は、電極アセンブリ22のタブに電気的に接続され、例えば、電極端子は、タブと集電体238(図11を参照)によって接続されて、電極端子とタブの電気的な接続を実現する。
【0076】
説明すべきこととして、ハウジング21の開口211は、一つであってもよく、二つであってもよい。ハウジング21の開口211が一つである場合、エンドキャップアセンブリ23も、一つであってもよく、エンドキャップアセンブリ23には、二つの電極端子が設置されることができ、二つの電極端子は、それぞれ電極アセンブリ22の正極タブと負極タブに電気的に接続されるために用いられ、エンドキャップアセンブリ23における二つの電極端子は、それぞれ正極電極端子と負極電極端子である。図3に示すように、ハウジング21の開口211が二つである場合、例えば、二つの開口211は、ハウジング21の対向する両側に設置される場合、エンドキャップアセンブリ23も、二つであってもよく、二つのエンドキャップアセンブリ23は、それぞれハウジング21の二つの開口211の部分を閉塞する。このような場合に、一つのエンドキャップアセンブリ23における電極端子は正極電極端子であり、電極アセンブリ22の正極タブに電気的に接続されるために用いられ、他のエンドキャップアセンブリ23における電極端子は負極電極端子であり、電極アセンブリ22の負極板に電気的に接続されるために用いられるものとしてもよい。
【0077】
いくつかの実施例では、図3に示すように、電池セル20はさらに、タブ(図示せず)に固定される保護部材25を含んでもよく、保護部材25は、タブとハウジング21を絶縁隔離するために用いられる。一つの保護部材25により、電極アセンブリ22の正極タブを、ハウジング21に接触させることがなく、別の保護部材25により、電極アセンブリ22の負極タブを、ハウジングに接触させることがない。例示的には、保護部材25は、タブに接着されるテープである。
【0078】
図4図5を参照すると、図4は、本出願のいくつかの実施例によるエンドキャップアセンブリ23の分解図であり、図5は、本出願のまた別のいくつかの実施例によるエンドキャップアセンブリ23の分解図であり、エンドキャップアセンブリ23は、エンドキャップ231と、第一の電極端子232と、第二の電極端子233と、接続部材234と、放圧機構235とを含んでもよい。
【0079】
第一の電極端子232は、エンドキャップ231に取り付けられ、第二の電極端子233は、エンドキャップ231に取り付けられ、接続部材234は、第一の電極端子232と第二の電極端子233とを接続するために用いられる。接続部材234は、エンドキャップ231の第一の方向Zに電池セル20(図3を参照)の内部から離れる側に位置する。放圧機構235は、エンドキャップ231に設置され、放圧機構235の少なくとも一部は、第一の電極端子232と第二の電極端子233の間に位置し、放圧機構235は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セル20の内部の圧力を逃すように構成される。
【0080】
上記構造のエンドキャップアセンブリ23における放圧機構235は、エンドキャップ231の第一の電極端子232と第二の電極端子233の間の空間を効果的に利用し、放圧機構235の配列は、より合理的になり、より大きなサイズの放圧機構235を設置して、放圧機構の放圧能力を向上させることができる。
【0081】
エンドキャップアセンブリ23におけるエンドキャップ231は、ハウジング21(図3を参照)の開口211を塞ぐために用いられる。エンドキャップ231は、様々な形状であり、例えば円形、長四角形などであってもよい。エンドキャップ231の形状は、ハウジング21の形状によって異なり、ハウジング21が円筒体構造である場合、円形エンドキャップ231を選択することができ、ハウジング21が直方体構造である場合、四角形エンドキャップ231を選択することができる。図4図5は、エンドキャップ231が円形である場合を例示している。
【0082】
本出願の実施例で言及する第一の方向Zは、エンドキャップ231の厚さ方向であり、エンドキャップ231が円形構造である場合、第一の方向Zもエンドキャップ231の軸方向である。
【0083】
説明すべきこととして、エンドキャップアセンブリ23の第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0084】
いくつかの実施例では、第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性は、同じである場合、接続部材234は、極性が同じである二つの電極端子に接続され、接続部材234は、電気エネルギーを集める役割を果たし、電池セル20とバスバー部材との接続面積を大きくすることができる。
【0085】
第一の電極端子232と第二の電極端子233は、ともに電極アセンブリ22の正極タブに電気的に接続されるための正極電極端子であってもよく、第一の電極端子232と第二の電極端子233は、ともに電極アセンブリ22の負極タブに電気的に接続されるための負極電極端子であってもよい。
【0086】
本実施例では、電池セル20におけるエンドキャップアセンブリ23は、二つであってもよく、一つのエンドキャップアセンブリ23における電極端子は、正極電極端子であり、他のエンドキャップアセンブリ23における電極端子は、負極電極端子である。無論、二つのエンドキャップアセンブリ23の構造は、同じであってもよく、差異が存在してもよく、例えば、一つのエンドキャップアセンブリ23には、放圧機構235が設けられ、他のエンドキャップアセンブリ23には、放圧機構235が設置されない。
【0087】
第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性が同じである場合、接続部材234は、第一の電極端子232と第二の電極端子233が接続部材234にバスバーするように、第一の電極端子232と第二の電極端子233とを接続する導体であってもよい。二つの電池セル20がバスバー部材(図示せず)によって直列接続又は並列接続を実現する場合、バスバー部材は、接続部材234に接続され、例えば、バスバー部材は、接続部材234に溶接されてもよい。
【0088】
いくつかの実施例では、第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性は、逆であり、第一の電極端子232と第二の電極端子233とのうちの一つは、正極電極端子であり、電極アセンブリ22の正極タブに電気的に接続されるために用いられ、もう一つは、負極電極端子であり、電極アセンブリ22の負極タブに電気的に接続されるために用いられる。
【0089】
本実施例では、電池セル20におけるエンドキャップアセンブリ23は、一つであってもよい。
【0090】
第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性が逆である場合、接続部材234は、第一の電極端子232と第二の電極端子233の間に接続され、第一の電極端子232と第二の電極端子233を固定する役割を果たす。
【0091】
理解すべきこととして、第一の電極端子232と第二の電極端子233は、接続部材234によって電気的な接続を実現しなくてもよい。例えば、図6を参照すると、図6は、本出願のいくつかの実施例による接続部材234が第一の電極端子232と第二の電極端子233に接続される構造概略図である。接続部材234は、複数のセグメントの構造であり、接続部材234は、第一の導電セグメント2341と、第二の導電セグメント2342と、絶縁セグメント2343とを含み、第一の導電セグメント2341と第二の導電セグメント2342は、絶縁セグメント2343によって接続されて、第一の導電セグメント2341と第二の導電セグメント2342とを隔離する。第一の導電セグメント2341は、第一の電極端子232に接続され、第二の導電セグメント2342は、第二の電極端子233に接続される。第一の導電セグメント2341は、一つのバスバー部材(図示せず)と接続して固定するために用いられ、第二の導電セグメント2342は、別のバスバー部材と接続して固定するために用いられる。
【0092】
いくつかの実施例では、図7図8を参照すると、図7は、図4に示すエンドキャップアセンブリ23の平面図であり、図8は、図5に示すエンドキャップアセンブリ23の平面図であり、接続部材234の第一の方向Z(図4図5を参照)における投影は、放圧機構235の少なくとも一部を覆い、つまり、第一の方向Zに、放圧機構235の少なくとも一部は、接続部材234によって遮蔽されることで、放圧機構235は、エンドキャップ231における接続部材234によって占有される空間を効果的に利用しており、エンドキャップ231における空間をより合理的に利用している。
【0093】
放圧機構235は、様々な構造であってもよく、放圧機構235は、防爆弁、防爆プレート、空気弁、放圧弁又は安全弁などであってもよく、放圧機構235は、エンドキャップ231における脆弱な部分であってもよい。放圧機構235が作動するということは、放圧機構235における一部が破壊されること、例えばそれは、放圧機構235が防爆プレートであり、その一部が電池セル20の内部の圧力の作用により破壊されることであってもよい。また、放圧機構235が作動するということは、放圧機構235における一部が開かれること、例えばそれは、放圧機構235が放圧弁であり、放圧弁の放圧穴が開かれることであってもよい。
【0094】
いくつかの実施例では、放圧機構235は、開放エリア2351を含み、放圧機構235は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に開放エリア2351から電池セル20の内部の圧力を逃すように構成される。接続部材234の第一の方向Zにおける投影は、開放エリア2351の一部を覆い、開放エリア2351の第一の方向Zにおける投影は、接続部材234の第一の方向Zにおける投影よりもはみ出している。即ち開放エリア2351の少なくとも一部は接続部材234によって遮蔽されないため、開放エリア2351を通じて電池セル20の内部の圧力を逃すプロセスをより円滑に行うことができる。
【0095】
開放エリア2351は、放圧機構235の作動時に開放される部分である。例えば、放圧機構235は、エンドキャップ231の脆弱な部分であって、開放エリア2351はその脆弱な部分であり、また例えば、放圧機構235は、放圧弁であって、開放エリア2351はその放圧弁の放圧穴であり、さらに例えば、放圧機構235は、防爆プレートであって、開放エリア2351はその防爆プレートが破壊される部分である。
【0096】
いくつかの実施例では、図4図5に示すように、放圧機構235は、防爆プレートであり、エンドキャップ231には、排出穴2312が設けられ、防爆プレートは、エンドキャップ231に固定され、排出穴2312を塞ぐ。電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時、防爆プレートの排出穴2312に位置する範囲内の領域が破壊され、電池100内部の排出物は、エンドキャップ231の排出穴2312を通じて排出されることによって、電池セル20の内部の圧力を逃すことができる。理解すべきこととして、防爆弁の排出穴2312の穴壁により限定される範囲以内に位置する領域は、開放エリア2351である。説明の便宜上、以下に言及される放圧機構235は、いずれも防爆プレートを例にしており、放圧機構235の開放エリア2351は、いずれも防爆プレートの開放エリア2351を例にする。
【0097】
例示的には、エンドキャップ231は、円形であり、排出穴2312は、エンドキャップ231の中心位置に設置される。
【0098】
いくつかの実施例では、開放エリア2351は、第二の方向Xに沿って延び、接続部材234は、第三の方向Yに沿って延び、第一の方向Z、第二の方向Xと第三の方向Yは、二つずつ垂直である。このような構造により、開放エリア2351が接続部材234により遮蔽される領域は、より小さく、さらに開放エリア2351を介して電池セル20の内部の圧力を逃すプロセスの円滑性を向上させる。
【0099】
防爆プレートの開放エリア2351は、防爆プレートの排出穴2312の穴壁により限定される範囲以内に位置する領域であるため、開放エリア2351の延び方向(第二の方向X)は、排出穴2312の延び方向である。
【0100】
いくつかの実施例では、図7に示すように、エンドキャップ231における排出穴2312の第三の方向Yにおける幅は、第二の方向Xに沿って略一定に保たれ、例示的には、排出穴2312は、ストリップ形の穴である。接続部材234は、第三の方向Yに沿って延びるブロック状の部材である。第一の電極端子232と第二の電極端子233は、第三の方向Yに沿って間隔をあけて配置され、且つそれぞれ排出穴2312の第三の方向Yにおける両側に位置する。
【0101】
いくつかの実施例では、図8に示すように、開放エリア2351は、第一の開放領域2351aと、第二の開放領域2351bとを含み、第二の開放領域2351bは、第一の開放領域2351aの第二の方向Xにおける少なくとも一端に設置される。接続部材234の第一の方向Z(図5を参照)における投影は、第一の開放領域2351aの少なくとも一部を覆い、即ち第一の方向Zに、第一の開放領域2351aの少なくとも一部は、接続部材234によって遮蔽される。第二の開放領域2351bの第一の方向Zにおける投影は、接続部材234の第一の方向Zにおける投影よりもはみ出しており、即ち第二の方向Xにおいて、第二の開放領域2351bの少なくとも一部は、接続部材234によって遮蔽されていない。第二の開放領域2351bの第三の方向Yにおける幅は、第一の開放領域2351aの第三の方向Yにおける幅よりも大きい。このような構造は、開放エリア2351の面積を大きくしており、さらに開放エリア2351を通じて電池セル20の内部の圧力を逃すプロセスの円滑性を向上させる。
【0102】
図9を参照すると、図9は、図5に示すエンドキャップアセンブリ23のエンドキャップ231の構造概略図であり、排出穴2312は、互いに連通する第一の穴部2312aと、第二の穴部2312bとを含む。第二の穴部2312bは、第一の穴部2312aの第二の方向Xにおける少なくとも一端に設置される。第一の穴部2312aは、第一の開放領域2351a(図8を参照)に対応し、第二の穴部2312bは、第二の開放領域2351b(図8を参照)に対応する。
【0103】
例示的には、第一の開放領域2351aの両端には、いずれも第二の開放領域2351bが設けられる。第二の方向Xに、第一の開放領域2351aの両端がそれぞれ接続部材234の両側よりもはみ出すことで、接続部材234の第一の方向Zにおける投影は、第一の開放領域2351aの一部のみを覆う。つまり、接続部材234は、第一の方向Zにおいて第一の開放領域2351aの一部のみを遮蔽する。理解すべきこととして、第一の穴部2312aの両端には、いずれも第二の穴部2312bが設けられる。
【0104】
第二の開放領域2351bは、様々な形状、例えば、円形、矩形又は楕円形などであってもよい。図8は、第二の開放領域2351bが楕円形である場合を例示している。
【0105】
上記各実施例から分かるように、接続部材234の第一の方向Zにおける投影は、放圧機構235の少なくとも一部を覆うことにより、エンドキャップ231における接続部材234によって占有される空間を効果的に利用することができる。他の実施例において、接続部材234の第一の方向Zにおける投影は、放圧機構235を覆わなくてもよく、つまり、第一の方向Zにおいて、放圧機構235は、接続部材234によって遮蔽されなくてもよい。このような場合に、例示的には、接続部材234は、円弧形の構造であってもよく、接続部材234の両端は、それぞれ第一の電極端子232と第二の電極端子233に接続され、接続部材234の位置する円弧の軸線は、第一の方向Zに沿って配置される。
【0106】
いくつかの実施例では、図4図5に示すように、エンドキャップアセンブリ23はさらに、第一の絶縁部材236を含んでもよい。第一の絶縁部材236の少なくとも一部は、接続部材234とエンドキャップ231の間に設置されて、エンドキャップ231と接続部材234とを隔離する。
【0107】
第一の絶縁部材236は、絶縁の役割を果たし、第一の絶縁部材236は、絶縁材質であり、それは、ゴム、プラスチックなどの材質で作られてもよく、プラスチックは、PBT(Polybutylene terephthalate、ポリブチレンテレフタレート)、PET(Polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PA(Polyamide、ポリアミド)などであってもよい。
【0108】
いくつかの実施例では、第一の絶縁部材236のエンドキャップ231から離れる側には、凹溝2361が設けられる。接続部材234は、凹溝2361内に設けられて、第一の絶縁部材236とエンドキャップ231の沿面距離を大きくする。
【0109】
説明すべきこととして、エンドキャップアセンブリ23に第一の絶縁部材236が設置される場合、第一の絶縁部材236の第一の方向Zにおける投影が放圧機構235の開放エリア2351の一部を覆い、開放エリア2351の第一の方向Zにおける投影が第一の絶縁部材236の第一の方向Zにおける投影よりもはみ出しており、即ち放圧機構235が第一の方向Zにおいて第一の絶縁部材236によって完全に遮蔽されていないものでもよい。
【0110】
いくつかの実施例では、図10を参照すると、図10は、本出願のいくつかの実施例によるカバー部材237、放圧機構235とエンドキャップ231の接続概略図である。エンドキャップアセンブリ23はさらに、放圧機構235を覆うためのカバー部材237を含んでもよい。エンドキャップ231の接続部材234に近づく側には、カバー部材237を収容するための第一の収容溝2311が設けられており、カバー部材237が占有するエンドキャップ231の外部空間を小さくすることができる。
【0111】
例示的には、カバー部材237と放圧機構235は、それぞれ排出穴2312の両端が塞がれることで、カバー部材237は放圧機構235を覆っており、カバー部材237は、放圧機構235に対して非常に良い保護役割を果たし、外部の物質が排出穴2312内に入って放圧機構235を汚染し、破壊するリスクを低減することができる。
【0112】
説明すべきこととして、放圧機構235を介して電池セル20内部の圧力を逃すプロセスにおいて、カバー部材237はエンドキャップ231から離脱するものであってもよく、またカバー部材237が破壊されて、電池セル20の内部の圧力を逃すプロセスの円滑性を確保することであってもよい。
【0113】
例示的には、カバー部材237は、シート状構造であり、カバー部材237は、接着の方式でエンドキャップ231に固定することができる。
【0114】
いくつかの実施例では、カバー部材237には、第一の貫通孔2371が設けられ、第一の貫通孔2371は、圧力のバランスを取る役割を果たして、カバー部材237と放圧機構235との間の領域の圧力と外圧とのバランスを取ることができ、カバー部材237と放圧機構235との間の領域(排出穴2312内部領域)の圧力が過大になることによって、遮蔽する部材が放圧機構235の作動前にエンドキャップ231から離脱し、又は破壊されるリスクを低減する。
【0115】
例示的には、カバー部材237は、シート状構造であり、第一の収容溝2311の深さは、カバー部材237の厚さよりも大きい。カバー部材237は、エンドキャップ231における第一の収容溝2311内に収容された後、カバー部材237と第一の絶縁部材236との隙間を大きくして、第一の貫通孔2371が第一の絶縁部材236により塞がれるリスクを低減する。
【0116】
いくつかの実施例では、エンドキャップ231の接続部材234から離れる側には、放圧機構235が占有するエンドキャップ231の外部空間を小さくするように、放圧機構235を収容するための第二の収容溝2313が設けられてもよい。
【0117】
いくつかの実施例では、図4図5に示すように、エンドキャップアセンブリ23はさらに、集電体238を含んでもよい。集電体238は、第一の電極端子232、第二の電極端子233及び電池セル20の電極アセンブリ22(図3を参照)を接続するように構成される。
【0118】
説明すべきこととして、エンドキャップアセンブリ23における第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性が同じである場合、第一の電極端子232と第二の電極端子233がいずれも負極電極端子であることを例にすると、エンドキャップアセンブリ23は、一つの集電体238を含んでもよく、集電体238の一端は、第一の電極端子232と第二の電極端子233に接続され、集電体238の他端は、電極アセンブリ22の負極タブに接続される。エンドキャップアセンブリ23における第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性が逆である場合、第一の電極端子232が正極電極端子であり、第二の電極端子233が負極電極端子であることを例にすると、エンドキャップアセンブリ23は、二つの集電体238を含んでもよく、一つの集電体238の一端は、第一の電極端子232に接続され、この集電体238の他端は、電極アセンブリ22の正極タブに接続され、別の集電体238の一端は、第二の電極端子233に接続され、この集電体238の他端は、電極アセンブリ22の負極タブに接続される。図4図5は、第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性が同じである場合を例示的に示した。
【0119】
いくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23はさらに、第二の絶縁部材239を含んでもよい。第二の絶縁部材239の少なくとも一部は、エンドキャップ231と集電体238との間に設置されて、エンドキャップ231と集電体238とを隔離する。
【0120】
第二の絶縁部材239は、絶縁の役割を果たし、第二の絶縁部材239は、絶縁材質であり、それは、ゴム、プラスチックなどの材質で作られてもよく、プラスチックは、PBT(Polybutylene terephthalate、ポリブチレンテレフタレート)、PET(Polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)、PA(Polyamide、ポリアミド)などであってもよい。
【0121】
いくつかの実施例では、図11を参照すると、図11は、本出願のいくつかの実施例によるエンドキャップアセンブリ23の断面図であり、第一の電極端子232と第二の電極端子233の極性が同じであることを例にすると、接続部材234、第一の絶縁部材236、エンドキャップ231、第二の絶縁部材239及び集電体238は、第一の電極端子232第二の電極端子233を介してかしめられる。
【0122】
ここで、図4図5に示すように、接続部材234、第一の絶縁部材236、エンドキャップ231、第二の絶縁部材239及び集電体238には、いずれも第一の電極端子232と第二の電極端子233が通過するカシメ穴240が設けられる。
【0123】
いくつかの実施例では、エンドキャップアセンブリ23はさらに、シールリング241を含んでもよい。第一の電極端子232とエンドキャップ231の間および第二の電極端子233とエンドキャップ231の間には、いずれもシールリング241が設けられて、エンドキャップ231におけるカシメ穴240をシールする。
【0124】
いくつかの実施例では、図11を参照し続けると、集電体238には、排出通路2381が設置されている。電池セル20の熱暴走により発生した排出物は、順に排出通路2381と放圧機構235を通じて電池セル20の外に排出されて、電池セル20の内部の圧力を逃すことができる。つまり、電池セル20が熱暴走した時、電池セル20の内部の排出物は、順に排出通路2381と放圧機構235とから電池セル20の外に排出することができ、電池セル20の熱暴走により発生した排出物がタイムリーに排出されることを確保し、電池セル20の内部圧力を逃す目的を達成することができる。
【0125】
説明すべきこととして、電池セル20の熱暴走により発生した排出物は、順に排出通路2381と放圧機構235を通じて電池セル20の外に排出することができ、ここで、電池セル20の熱暴走により発生した排出物が順に排出通路2381と放圧機構235とから電池セル20の外に排出されるだけであることを限定するものではなく、排出物は、他の経路から電池セル20の外に排出することができ、例えば、一部の排出物は、直接放圧機構235を通じて電池セル20の外に排出されるようにしてもよい。
【0126】
いくつかの実施例では、図13を併せて参照すると、集電体238は、複数の折り畳み部2382を含み、隣接する二つの折り畳み部2382の間ごとに折り目2383が形成されており、各折り畳み部2382には、第二の貫通孔2384が設置され、複数の第二の貫通孔2384は、排出通路2381を共同で形成する。
【0127】
集電体238は、折り畳み構造であり、集電体238をエンドキャップ231と電極アセンブリ22の間に配置し、集電体238が占有する空間を小さくすることを容易にする。集電体238は、折り畳み状態(図5を参照)と展開状態(図4を参照)とを有し、折り畳み状態で、複数の第二の貫通孔2384は、排出通路2381を共同で形成することができる。
【0128】
説明すべきこととして、排出通路2381は他の構造であってもよく、例えば、集電体238は折り畳まれていないシート状構造であってもよく、この集電体238は平らに設置され、このような場合、排出通路2381は集電体238における穴又は切り欠きであってもよい。
【0129】
いくつかの実施例では、複数の第二の貫通孔2384の第一の方向Zにおける投影は、放圧機構235の第一の方向Zにおける投影と少なくとも部分的に重なる。即ち、複数の第一の貫通孔2371は、第一の方向Zにおいて放圧機構235とほぼ位置を重なり合わせている。このような構造は、集電体238の電池セル20内の排出物に対する阻害作用を小さくしており、排出物が排出通路2381と放圧機構235とから外に排出されるプロセスの円滑性を向上させており、排出物は電池セル20の外に排出されやすくなる。
【0130】
例示的には、複数の第二の貫通孔2384は、第一の方向Zにおいて放圧機構235の開放エリア2351(図7図8を参照)にほぼ位置を重なり合わせており、理解すべきこととして、複数の第二の貫通孔2384は、第一の方向Zにおいてエンドキャップ231における排出穴2312と位置を重なり合わせている。
【0131】
いくつかの実施例では、第二の絶縁部材239には、第三の貫通孔2391が設けられ、第三の貫通孔2391は、一つであってもよく、複数であってもよい。第一の方向Zにおいて少なくとも一つの通気孔は、排出通路2381と放圧機構235にほぼ位置を重なり合わせており、第二の絶縁部材239の電池セル20内の排出物に対する阻害作用を小さくして、排出物が排出通路2381を介して順調に放圧機構235に到達することを容易にする。
【0132】
いくつかの実施例では、図12を参照すると、図12は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の局所断面図であり、複数の第二の貫通孔2384の第一の方向Zにおける投影は、電極アセンブリ22の中心穴221の第一の方向Zにおける投影と少なくとも部分的に重なる。即ち、複数の第二の貫通孔2384は、第一の方向Zにおいて電極アセンブリ22の中心穴221にほぼ位置を重なり合わせている。このような構造により、排出通路2381と電極アセンブリ22の中心穴221は、直通通路を共同で形成し、電極アセンブリ22の中心穴221の軸方向における両側の圧力のバランスを取り、電極アセンブリ22のエンドキャップ231に近づく側の圧力が高すぎることによって放圧機構235が破損されるリスクを低減することができる。
【0133】
例えば、電池セル20が落下すると、電極アセンブリ22は慣性の作用によりエンドキャップ231に対して変位し、電極アセンブリ22とエンドキャップ231との間の空間が圧縮され、電極アセンブリ22とエンドキャップ231との間の領域の圧力が上昇し、排出通路2381と電極アセンブリ22の中心穴221が直通通路を共同で形成するため、電極アセンブリ22とエンドキャップ231との間の媒体(例えばガス)が集電体238の排出通路2381を介して電極アセンブリ22の中心穴221に入り、最終的に電極アセンブリ22のエンドキャップ231から離れる側に達することによって、電極アセンブリ22の中心穴221の軸方向の両側における圧力のバランスを取る目的を達成することができる。
【0134】
いくつかの実施例では、図13を参照すると、図13は、本出願のいくつかの実施例によるエンドキャップアセンブリ23の集電体238(展開状態にある)の構造概略図である。第二の貫通孔2384が設置される集電体238の少なくとも一つの折り畳み部2382の部位の折り目2383の延び方向における少なくとも一方側には、導流突出部2385が設置されていて、第二の貫通孔2384が設置される折り畳み部2382の部位の流通路面積が大きくされている。
【0135】
集電体238における折り畳み部2382は、二つ、三つ、四つなどであってもよい。
【0136】
いくつかの実施例では、図13に示すように、集電体238は、第一の折り畳み部2382aと、第二の折り畳み部2382bと、第三の折り畳み部2382cとを含み、第一の折り畳み部2382a、第二の折り畳み部2382bと第三の折り畳み部2382cは、順に接続され、第一の折り畳み部2382aは、第一の電極端子232(図11を参照)と第二の電極端子233(図11を参照)に電気的に接続されるために用いられる。第三の折り畳み部2382cは、電極アセンブリ22(図12を参照)に電気的に接続されるために用いられる。
【0137】
いくつかの実施例では、図13に示すように、折り目2383の延び方向において、第一の折り畳み部2382aと第三の折り畳み部2382cの幅は、いずれも第二の折り畳み部2382bの幅よりも大きく、このような構造は、第一の折り畳み部2382aが第一の電極端子232と第二の電極端子233に接続されやすくなり、第三の折り畳み部2382cが電極アセンブリ22に接続されやすくすることを確保すると同時に、第二の折り畳み部2382bの幅は、比較的に小さくなり、集電体238の材料を節約できるようにする。
【0138】
いくつかの実施例では、第二の貫通孔2384が設置される第二の折り畳み部2382bの部位の折り目2383の延び方向における少なくとも一方側には、導流突出部2385が設置されており、第二の貫通孔2384が設置される第二の折り畳み部2382bの部位の流通路面積を大きくする。
【0139】
例示的には、第二の貫通孔2384が設置される第二の折り畳み部2382bの部位の折り目2383の延び方向における両側には、いずれも導流突出部2385が設けられる。
【0140】
図14を参照すると、図14は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の製造方法のフローチャートであり、電池セル20の製造方法、以下のステップを含む。
【0141】
S100では、開口211を有するハウジング21を提供する。
【0142】
S200では、電極アセンブリ22を提供する。
【0143】
S300では、エンドキャップアセンブリ23を提供し、エンドキャップアセンブリ23は、エンドキャップ231と、第一の電極端子232と、第二の電極端子233と、接続部材234と、放圧機構235とを含み、第一の電極端子232は、エンドキャップ231に取り付けられ、第二の電極端子233は、エンドキャップ231に取り付けられ、接続部材234は、第一の電極端子232と第二の電極端子233とを接続するために用いられ、接続部材234は、エンドキャップ231の第一の方向Zに電池セル20内部から離れる側に位置し、放圧機構235は、エンドキャップ231に設置され、放圧機構235の少なくとも一部は、第一の電極端子232と第二の電極端子233の間に位置し、放圧機構235は、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に作動して電池セル20の内部の圧力を逃すように構成される。
【0144】
S400では、電極アセンブリ22をハウジング21内に収容する。
【0145】
S500では、エンドキャップアセンブリ23のエンドキャップ231をハウジング21の開口211に被せる。
【0146】
ここで、第一の電極端子232と第二の電極端子233は、電極アセンブリ22に電気的に接続されるように構成される。
【0147】
説明すべきこととして、上記電池セル20の製造方法に基づいて電池セル20を組み立てる場合、ステップS100、S200、S300を実行する順に対して制限しなく、例えば、まず、ステップS300を実行し、即ちエンドキャップアセンブリ23を提供し、それからステップS200を実行してもよい。
【0148】
上記電池セル20の製造方法によって製造された電池セル20に関連する構造は、上記各実施例による電池セル20を参照すればよい。
【0149】
説明すべきこととして、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせられる可能である。
【0150】
以上の実施例は、本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、様々な変更と変化が可能である。本出願の精神と原則の範囲内で行われた任意の修正、同等の置き換え、改良などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0151】
10-筐体、11-密閉空間、12-第一の部分、13-第二の部分、20-電池セル、21-ハウジング、211-開口、22-電極アセンブリ、221-中心穴、23-エンドキャップアセンブリ、231-エンドキャップ、2311-第一の収容溝、2312-排出穴、2312a-第一の穴部、2312b-第二の穴部、2313-第二の収容溝、232-第一の電極端子、233-第二の電極端子、234-接続部材、2341-第一の導電セグメント、2342-第二の導電セグメント、2343-絶縁セグメント、235-放圧機構、2351-開放エリア、2351a-第一の開放領域、2351b-第二の開放領域、236-第一の絶縁部材、2361-凹溝、237-カバー部材、2371-第一の貫通孔、238-集電体、2381-排出通路、2382-折り畳み部、2382a-第一の折り畳み部、2382b-第二の折り畳み部、2382c-第三の折り畳み部、2383-折り目、2384-第二の貫通孔、2385-導流突出部、239-第二の絶縁部材、2391-第三の貫通孔、240-カシメ穴、241-シールリング、25-保護部材、100-電池、200-コントローラ、300-モータ、1000-車両、Z-第一の方向、X-第二の方向、Y-第三の方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】