(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニットを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
F02M 21/06 20060101AFI20231121BHJP
F02M 21/02 20060101ALI20231121BHJP
F02D 19/02 20060101ALI20231121BHJP
F17C 13/04 20060101ALI20231121BHJP
F17C 7/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
F02M21/06 J
F02M21/02 F
F02D19/02
F17C13/04
F17C7/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530797
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2021082087
(87)【国際公開番号】W WO2022106511
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】102020214697.7
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヘラーソン ケマー
(72)【発明者】
【氏名】カイ ヴェーバー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン シュルテ メンティング
【テーマコード(参考)】
3E172
3G092
【Fターム(参考)】
3E172AB01
3E172AB04
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB13
3E172BB17
3E172BD03
3E172BD05
3E172EA02
3E172EA12
3E172EA22
3E172EA35
3E172EB02
3E172JA08
3G092AB08
3G092AB09
(57)【要約】
ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニット(11)を作動させる方法であって、ガス状の燃料を高い圧力下で複数の圧力タンク(3;3a;3b;3c)に提供し、これらの圧力タンク(3;3a;3b;3c)は、供給管路(7)を介して調量弁(12)に接続可能であり、この調量弁(12)を介してガス状の燃料を駆動ユニット(11)に放出することができる、方法。圧力タンクのうちの1つの圧力タンクは、高負荷用圧力タンク(3)として形成されており、この高負荷用圧力タンク(3)は、駆動ユニット(11)の高い負荷時にのみ供給管路(7)に接続され、その際に同時に、高負荷用圧力タンク(3)よりも低いガス圧が内部に生じている圧力タンク(3a;3b;3c)が、供給管路(7)から同時に切り離される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニット(11)を作動させる方法であって、
前記ガス状の燃料を高い圧力下で複数の圧力タンク(3;3a;3b;3c)に提供し、該圧力タンク(3;3a;3b;3c)は、供給管路(7)を介して調量弁(12)に接続可能であり、該調量弁(12)を介して前記ガス状の燃料を前記駆動ユニット(11)に放出することができる、
方法において、
前記圧力タンクのうちの1つの圧力タンクは、高負荷用圧力タンク(3)として形成されており、
前記高負荷用圧力タンク(3)を前記駆動ユニット(11)の高い負荷時にのみ前記供給管路(7)に接続し、同時に、前記高負荷用圧力タンク(3)よりも低いガス圧が内部に生じている前記圧力タンク(3a;3b;3c)を前記供給管路(7)から切り離す
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
残りの前記圧力タンク(3a;3b;3c)内の前記ガス圧が、高い負荷時に前記駆動ユニット(11)への燃料供給のためにもはや十分でない場合にのみ、前記高負荷用圧力タンク(3)を前記供給管路(7)に接続することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記圧力タンク(3;3a;3b;3c)の各々は、接続管路(4;4a;4b;4c)を介して前記供給管路(7)に接続可能であり、各々の接続管路(4;4a;4b;4c)内に遮断弁(5;5a;5b;5c)が配置されていることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記遮断弁(5;5a;5b;5c)は電気的に制御可能であることを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
複数の高負荷用圧力タンク(3)が存在しており、該複数の高負荷用圧力タンク(3)のうち、少なくとも1つの高負荷用圧力タンク(3)を前記駆動ユニット(11)の高い負荷時に前記供給管路(7)に接続することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
常に全ての高負荷用圧力タンク(3)を前記供給管路(7)に一緒に接続することを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記駆動ユニット(11)の高い負荷時には、前記複数の高負荷用圧力タンク(3)のうちの1つの高負荷用圧力タンク(3)が残りの前記圧力タンク(3a;3b;3c)に等しい前記ガス圧を有するようになるまで、前記1つの高負荷用圧力タンク(3)だけを前記供給管路(7)に接続し、次いで、次の前記高負荷用圧力タンク(3)を前記駆動ユニット(11)の高い負荷時に前記供給管路(7)に接続することを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項8】
ガス状の燃料により作動させられる前記駆動ユニット(11)は、内燃機関である、または電気モータへの給電を行う燃料電池であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記圧力タンク(3;3a;3b;3c)と前記調量弁(12)との間の前記供給管路(7)内に減圧器(10)が配置されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記供給管路(7)に複数の調量弁(12)が接続されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両に使用されることを目的として用いられる、ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニット、例えば、ガス状の燃料により作動させられる内燃機関またはガス状の燃料により作動させられる燃料電池を作動させる方法に関する。
【0002】
背景技術
ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニットは、先行技術に基づき公知である。一例として、例えば、液状の燃料の代わりにガス状の燃料、特に水素または天然ガスにより作動させられる内燃機関の形態で知られていてもよい。さらに、ガス状の燃料により作動させられる別の駆動ユニット、例えば、ガス状の燃料から電流を発生させ、この電流により電気式のモータを駆動することができる燃料電池が知られている。ガス状の燃料により作動させられる内燃機関と、電気モータユニットを備えた燃料電池とは、乗用車またはトラックを駆動するために使用されてもよいし、定置型の駆動ユニット、例えば発電機に使用されてもよい。ガス状の燃料は、常圧では体積あたり僅かなエネルギー密度しか有していないので、ガス状の燃料は強力に冷却され、ひいては、液化されるか、または数百barの圧力に圧縮され、相応の圧力容器内に貯蔵される。車両には、たいてい複数の圧力タンクが使用される。このことは種々の利点を有している。1つには、大きなガスタンクの場合には、著しく大きな肉厚および更なる安定化要素が必要となってしまうが、比較的小さな圧力タンク、例えば円筒形のガスボンベは、比較的小さな肉厚で製造することができる。もう1つには、小さな圧力タンクは車両内により簡単に配置することができ、これによって、与えられた構成スペースをより良好に利用することができる。このような配置形態は、例えば独国特許出願公開第102017212485号明細書に基づき公知である。
【0003】
ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニットに燃料供給するためには、ある程度のガス圧が必要となる。まさに駆動ユニットにかかる負荷が高い場合には、短い時間で極めて多くのガス状の燃料が供給されなければならない。このことは、ある程度の最低圧でのみ可能となる。より長い作動の結果、ガスタンクがすでに部分的に空になっていると、負荷が極めて高い場合でも、内燃機関またはガス状の燃料により作動させられる他の駆動ユニットに十分な燃料を供給するためには、引き続き提供されるガス圧ではもはや十分でなく、これによって、最大負荷をもはや要求することができなくなってしまう。
【0004】
発明の開示
発明の利点
ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニットを作動させるための本発明に係る方法は、駆動ユニットのより長い作動後でも、短い時間に多くのガス状の燃料を必要とする全負荷を要求することができるという利点を有している。本発明に係る方法では、ガス状の燃料が、高い圧力下で複数の圧力タンクに提供され、これらの圧力タンクが、供給管路を介して調量弁に接続可能であり、この調量弁を介して、ガス状の燃料を駆動ユニットに放出することができる。この場合、圧力タンクのうちの1つの圧力タンクが、高負荷用圧力タンクとして形成されており、この高負荷用圧力タンクが、駆動ユニットの高い負荷時にのみ供給管路に接続され、その際に同時に、高負荷用圧力タンクよりも低いガス圧が内部に生じている圧力タンクが、供給管路から切り離される。
【0005】
圧力タンクには、例えば、初めから700bar(70MPa)の圧力下の水素が充填される。駆動ユニットの作動によって、ガス状の燃料は徐々に消費され、相応して、圧力タンク内の圧力が減少する。全ての圧力タンクが一様に空にされると、圧力が全ての圧力タンクでも減少し、その後、臨界値を下回る。駆動ユニットが全負荷下で作動させられ、これによって、内燃機関において回転数が高くなると、短い時間に極めて多くのガス状の燃料が必要となり、この燃料が内燃機関の相応の燃焼室内に供給されなければならない。このために必要となる圧力を圧力タンクがもはや提供しなくなると、駆動ユニットの最大の出力をもはや要求することができなくなってしまう。
【0006】
したがって、本発明によれば、1つ以上の圧力タンクを高負荷用圧力タンクとして機能させ、駆動ユニットを全負荷下または高い負荷下で作動させたい場合にのみ供給管路に接続することが提案される。より低い圧力が生じている残りの圧力タンクは、全負荷時には供給管路から切り離される。次いで、駆動ユニットのより低い出力が再び要求されると、複数の高負荷用圧力タンク(または1つの高負荷用圧力タンク)が供給管路から再び切り離され、残りの圧力タンクが供給管路に接続される。なぜならば、この作動点では、より低いガス圧で十分であるからである。こうして、すでに部分的に空にされた圧力タンクでも、別の構造上の手段、例えば介装された圧縮機なしで、駆動ユニットの最大の出力を要求することができるようにするために必要となる十分に高いガス圧が常に提供される。
【0007】
本発明に係る方法の一改良形態では、残りの圧力タンク内のガス圧が、高い負荷時に駆動ユニットへの燃料供給のためにもはや十分でない場合にのみ、高負荷用圧力タンクが供給管路に接続される。これによって、高負荷用圧力タンクがその十分なガス圧を可能な限り長く維持し、ひいては、駆動ユニットの最も高い負荷状況を実現するために使用されることが確保される。
【0008】
本発明に係る方法の一改良形態では、圧力タンクの各々が、接続管路を介して供給管路に接続可能であり、各々の接続管路内に遮断弁が配置されている。好ましくは電気的に制御可能である遮断弁によって、各々の圧力タンクを個々に供給管路に接続する、または供給管路から切り離すことが可能となる。このことは、どれか1つの圧力タンクの破損時に相応の接続を遮断することができるようにするために、安全性の観点からも望ましい。遮断弁の自由な制御可能性によって、1つ以上の圧力タンクを高負荷用圧力タンクとして機能させることができる。つまり、この圧力タンクが、駆動ユニットの最大負荷時または全負荷時にしか使用されないのに対して、残りの圧力タンクは、通常作動用に設けられている。
【0009】
本発明に係る方法の一改良形態では、複数の高負荷用圧力タンクが存在しており、これら複数の高負荷用圧力タンクのうち、少なくとも1つの高負荷用圧力タンクが、駆動ユニットの高い負荷下で供給管路に接続される。例えば2つの圧力タンクが高負荷用圧力タンクとして設けられていると、駆動ユニットの全負荷の場合、まず、一方の高負荷用圧力タンクだけを供給管路に接続することができる。この高負荷用圧力タンク内のガス貯蔵量が使い尽くされた後には、この役割を第2の高負荷用圧力タンクが引き受ける。これによって、駆動ユニットに提供される高い圧力レベルをより長い時間にわたって高負荷用圧力タンク内に維持することができる。代替的には、常に全ての高負荷用圧力タンクが、供給管路に一緒に接続されることが特定されていてもよい。
【0010】
複数の高負荷用圧力タンクが設けられていて、その都度ただ1つの高負荷用圧力タンクが供給管路に接続される場合には、駆動ユニットの全負荷に際して、当該ただ1つの高負荷用圧力タンク内に、駆動ユニットの通常の作動負荷時に使用される残りの圧力タンクに等しいガス圧が生じるまで、ただ1つの高負荷用圧力タンクが空にされる。
【0011】
方法の有利な改良形態では、ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニットが、内燃機関である、または電気モータに電流を供給する燃料電池である。両方の事例では、機能を維持するために、規定の圧力下のガス状の燃料が必要となり、これによって、本発明に係る方法により、持続的な作動と、圧力タンク内の既存のガス状の燃料の最適な使用とが確保されている。
【0012】
本発明に係る方法の改良形態では、圧力タンクと調量弁との間の供給管路内に減圧器が配置されている。この減圧器によって、駆動ユニットの作動点に応じて、調量弁を作動させるための最適なガス圧が生じる。圧力タンク内の圧力が過度に減少した場合には、減圧器が停止させられてもよく、これによって、調量弁において圧力タンクの十分な圧力が使用される。
【0013】
本発明に係る方法の改良形態では、例えば、内燃機関の複数のシリンダにガス状の燃料を供給する、または複数の燃料電池にもガス状の燃料を供給するために、複数の調量弁が設けられていて、供給管路に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面には、本発明に係る方法により作動させることができる装置の種々異なる実施例が示してある。
【
図1】ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニットを、この駆動ユニットに燃料供給するための圧力タンクアセンブリと共に概略的に示す図である。
【
図2】個々の圧力タンクの代替的な回路を備えた圧力タンクアセンブリの別の実施例を示す図である。
【
図3】本発明に係る方法を説明するためのフローチャートである。
【0015】
実施例の説明
本発明に係る方法を説明するために、
図1には、ガス状の燃料により作動させられる駆動ユニットが概略的に示してある。この駆動ユニット11は、本実施例では内燃機関として形成されていて、4つの燃焼室14を備えている。これらの燃焼室14内には、それぞれ1つの調量弁12が開口している。この調量弁12を介して、ガス状の燃料を各々の燃焼室14内に調量供給することができ、そこで、ガス状の燃料は燃焼し、公知のように、それぞれ1つのピストンを運動させる。駆動ユニット11にガス状の燃料を供給するために、圧力タンクアセンブリ1が設けられている。この圧力タンクアセンブリ1は複数の圧力タンク3,3a,3b,3cを備えている。これらの圧力タンク3,3a,3b,3cのうち、圧力タンク3は高負荷用圧力タンク3として使用される。この高負荷用圧力タンク3は、それ以外の点では残りの圧力タンク3a,3b,3cと構造的に異なっていない。これらの圧力タンク3,3a,3b,3cは、実質的に円筒形の高圧ガス容器の形態で形成されている。圧力タンク3,3a,3b,3cの内部のガス圧は、それぞれ1つの圧力センサ15,15a,15b,15cによって測定される。この圧力センサ15,15a,15b,15cはその測定値を、
図1に概略的に記入した制御装置9に伝送する。
【0016】
駆動ユニット11にガス状の燃料を供給するために、全ての圧力タンク3,3a,3b,3cは、接続管路4,4a,4b,4cを介して供給管路7に接続されている。この供給管路7は、個々の調量弁12に向かって分岐している。接続管路4,4a,4b,4c内には、それぞれ1つの遮断弁5,5a,5b,5cが配置されている。この遮断弁5,5a,5b,5cは電気的に制御可能であり、電気的な接続線路8を介して制御装置9に接続されている。これによって、個々の遮断弁5,5a,5b,5cを互いに独立して開閉することができる。供給管路7内には、減圧器10が配置されている。この減圧器10によって、圧力タンクから供給されるガス状の燃料が過度に高いガス圧を有しているときに、調量弁に対するガス状の燃料の所要のガス圧を調整することができる。
【0017】
駆動ユニットを作動させて、この駆動ユニットにガス状の燃料を供給するための本発明に係る方法を
図3のフローチャートに基づき詳しく説明する。第1のステップ100では、駆動ユニットが作動させられ、つまり、例えば内燃機関が始動させられる。第2のステップ200では、少なくとも1つの圧力タンク3a,3b,3cの遮断弁、一般的には内燃機関の通常の負荷状態において、遮断弁5a,5b,5cのうちの1つの遮断弁が開放されるのに対して、高負荷用圧力タンク3の遮断弁5は閉鎖されたままである。
【0018】
次のステップ300では、圧力タンク3a,3b,3cの圧力閾値が、最も高い負荷時に駆動ユニット11への燃料供給をもはや保証しない予め設定された閾値を下回っているかどうかがチェックされる。このことは、個々の圧力センサ15a,15b,15cが測定して制御装置9に伝送する圧力に基づき行われる。圧力タンク3a,3b,3c内の圧力が十分である場合には(分岐「N」)、遮断弁5が閉鎖されたままである(ステップ600)と共に遮断弁5a,5b,5cは開放されたままであり、これによって、圧力タンク3a,3b,3cからガス状の燃料が、駆動ユニット、本実施例では内燃機関に引き続き供給される。しかしながら、圧力タンク3a,3b,3c内の圧力が閾値を下回ってしまった場合には(分岐「J」)、後続のステップ400において、駆動ユニット11が高負荷状態にあるかどうかがチェックされる。ノーの場合には(分岐「N」)、遮断弁5a,5b,5cが開放されたままであると共に遮断弁5は閉鎖されたままである。イエスの場合には(分岐「J」)、ステップ500において、遮断弁5a,5b,5cが閉鎖され、遮断弁5が開放され、これによって、高負荷用圧力タンク3からガス状の燃料が高い圧力下で供給管路7に流入し、そこから調量弁12へと流れる。減圧器10は、ガス圧が過度に高い場合にしか使用されない。次いで、方法ステップは、ステップ300での圧力タンク3a,3b,3c内の圧力閾値のチェックとなり、駆動ユニット11の全負荷または最も高い負荷がもはや生じていないことが制御装置により認識されるまで、後続のステップが再度実行される。このことが確認されると、ステップ600において、高負荷用圧力タンクの遮断弁5が閉鎖され、圧力タンク3a,3b,3cの遮断弁5a,5b,5cが再び開放される。
【0019】
図2には、圧力タンク3a,3b,3cの代替的な回路が示してある。遮断弁5a,5b,5cを備えた各々の接続管路4a,4b,4cを供給管路に直接接続する代わりに、本実施例では、接続管路4a,4b,4cが、1つの後続の接続管路4’に開口している。この接続管路4’内には、正常遮断弁6が配置されている。この場合、供給管路7への圧力タンク3a,3b,3cの接続が、正常遮断弁6によって中断されてもよいのに対して、遮断弁5a,5b,5cは、全負荷の場合でも常時開放されたままである。
【0020】
本明細書に示した圧力タンクアセンブリ1内には、4つの圧力タンク3,3a,3b,3cが設けられている。これらの圧力タンクのうち、1つの圧力タンクは高負荷用圧力タンク3として形成されている。この高負荷用圧力タンク3は、残りの圧力タンク3a,3b,3cと構造的に異なっている必要はなく、その使用の点でのみ区別され、これによって、全負荷時に駆動ユニットへの燃料供給を引き受ける高負荷用圧力タンクを成している。また、より多くの個数の圧力タンクを使用し、これらの圧力タンクのうちの1つよりも多くの圧力タンクを高負荷用圧力タンクとして機能させることが特定されていてもよい。例えば2つの圧力タンクが高負荷用圧力タンクとして設けられている場合には、まず、一方の高負荷用圧力タンクが、駆動ユニットの全負荷に際して、この高負荷用圧力タンク内の圧力レベルがもはや十分でなくなるまで所要のガス状の燃料圧を提供する役割を引き受けることができる。その後、第2の高負荷用圧力タンクを使用し、この第2の高負荷用圧力タンクによって、全負荷の場合にも、駆動ユニットが内燃機関の場合には回転数が極めて高い場合にも、駆動ユニット11への燃料供給を確保することができる。
【国際調査報告】