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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】表示装置用基板の回路製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/14 20060101AFI20231122BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20231122BHJP
   H05K 3/40 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
H05K3/14 B
H05K1/11 F
H05K3/40 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566569
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2021128842
(87)【国際公開番号】W WO2023065406
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111214038.5
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 通
【テーマコード(参考)】
5E317
5E343
【Fターム(参考)】
5E317AA22
5E317BB14
5E317CC18
5E317GG01
5E343AA02
5E343AA26
5E343BB25
5E343BB72
5E343DD20
5E343EE04
5E343ER16
5E343FF05
5E343FF07
5E343FF12
5E343FF14
5E343GG06
5E343GG08
5E343GG20
(57)【要約】
本願によれば、複数のスロットを有するマスクを基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップと、ジェット印刷によりジェット印刷原料を回路領域に付着するようにマスクにおける複数のスロットに印刷するステップと、マスクを基板から除去するステップと、複数の回路が形成されるように、回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させるステップと、を含む表示装置用基板の回路製造方法が開示される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、下面と、前記上面と前記下面との間に接続される側面と、少なくとも前記上面に設けられる表示領域及び回路領域とを有する表示装置用基板の回路製造方法であって、
複数のスロットを有するマスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップと、
ジェット印刷によりジェット印刷原料を前記回路領域に付着するように前記マスクにおける複数のスロットに印刷するステップと、
前記マスクを前記基板から除去するステップと、
複数の回路が形成されるように、前記回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させるステップと、を含む、
表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項2】
複数のスロットを有する前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップを行う前に、
レーザーエッチングにより、回路パターンを前記マスクに貫通させて複数の前記スロットが形成されるように前記回路パターンを前記マスクにエッチングするステップをさらに含む、
請求項1に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項3】
前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクを前記基板の回路領域に対応させ、前記マスクが前記回路領域における前記基板の表面に貼り合わされるように前記マスクの少なくとも両側に圧力を加えるステップを含む、
請求項1に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項4】
前記マスクを前記基板から除去するステップは、
前記マスクが前記基板から離脱するように前記マスクに加えられた圧力を解放するステップを含む、
請求項3に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項5】
前記回路領域は、前記上面から前記側面まで延在するように前記表示領域の周辺に隣接して設けられ、
前記マスクは、フレキシブル性材料からなり、少なくとも前記上面に位置する前記回路領域の部分と前記側面に位置する前記回路領域の部分とに貼り合わされる、
請求項1に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項6】
前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクの内面が前記上面及び前記側面における前記基板の回路領域に対応して貼り合わされるように、折曲装置を用いて前記マスクを折り曲げるステップを含む、
請求項5に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項7】
前記回路領域は、さらに前記側面から前記下面まで延在し、
前記マスクは、さらに前記下面に位置する前記回路領域の部分に貼り合わされ、
前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクの一部が前記基板の下面に貼り合わされるように前記折曲装置を用いて前記マスクを折り曲げるステップをさらに含む、
請求項6に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項8】
複数の回路が形成されるように前記回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させるステップは、
前記ジェット印刷原料が硬化されて複数の回路が形成されるように前記基板の回路領域における前記ジェット印刷原料を焼き付けるステップを含む、
請求項1に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項9】
前記マスクにおける少なくとも一つのスロットは、幅が10μm以上であり、
各前記スロットの深さは、同じである、
請求項1に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項10】
前記マスクは、エポキシ樹脂系接着剤フィルム又はスチールメッシュからなる、
請求項1に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項11】
上面と、下面と、前記上面と前記下面との間に接続される側面と、少なくとも前記上面に設けられる表示領域及び前記表示領域の周辺に隣接して設けられる回路領域とを有する表示装置用基板の回路製造方法であって、
前記側面は、垂直面、斜面又は円弧面であり、
複数のスロットを有するマスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップと、
ジェット印刷によりジェット印刷原料を前記回路領域に付着するように前記マスクにおける複数のスロットに印刷するステップと、
前記マスクを前記基板から除去するステップと、
複数の回路が形成されるように、前記回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させるステップと、を含む、
表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項12】
複数のスロットを有する前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップを行う前に、
レーザーエッチングにより、回路パターンを前記マスクに貫通させて複数の前記スロットが形成されるように前記回路パターンを前記マスクにエッチングするステップをさらに含む、
請求項11に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項13】
前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクを前記基板の回路領域に対応させ、前記マスクが前記回路領域における前記基板の表面に貼り合わされるように前記マスクの少なくとも両側に圧力を加えるステップを含む、
請求項11に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項14】
前記マスクを前記基板から除去するステップは、
前記マスクが前記基板から離脱するように前記マスクに加えられた圧力を解放するステップを含む、
請求項13に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項15】
前記回路領域は、前記上面から前記側面まで延在し、
前記マスクは、フレキシブル性材料からなり、少なくとも前記上面に位置する前記回路領域の部分と前記側面に位置する前記回路領域の部分とに貼り合わされる、
請求項11に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項16】
前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクの内面が前記上面及び前記側面における前記基板の回路領域に対応して貼り合わされるように、折曲装置を用いて前記マスクを折り曲げるステップを含む、
請求項15に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項17】
前記回路領域は、さらに前記側面から前記下面まで延在し、
前記マスクは、さらに前記下面に位置する前記回路領域の部分に貼り合わされ、
前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクの一部が前記基板の下面に貼り合わされるように前記折曲装置を用いて前記マスクを折り曲げるステップをさらに含む、
請求項16に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項18】
複数の回路が形成されるように前記回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させるステップは、
前記ジェット印刷原料が硬化されて複数の回路が形成されるように前記基板の回路領域における前記ジェット印刷原料を焼き付けるステップを含む、
請求項11に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項19】
前記マスクにおける少なくとも一つのスロットは、幅が10μm以上であり、
各前記スロットの深さは、同じである、
請求項11に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【請求項20】
前記マスクは、エポキシ樹脂系接着剤フィルム又はスチールメッシュからなる、
請求項11に記載の表示装置用基板の回路製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野に関し、特に表示装置用基板の回路製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、表示パネルは、表示範囲を最大化するために、高い画面占有率、狭い額縁の需要がますます高まることにより、チップやその他の部品のボンディング(bonding)に残される位置が絶えず圧迫されるため、裏面ボンディングの方法が派生した。裏面ボンディングの方法を実現するためには、チップやその他の部品を基板の裏面にボンディングし、基板の表裏における回路をオンにする必要がある。したがって、回路製造用のサイドプリントプロセスが登場した。従来のサイドプリントプロセスは、成形方式とレーザーマーキング方式の二種類に分けることができる。しかしながら、成形方式による回路の製造では、精度の向上が難しく、かつ、歩留まりが低く、レーザーマーキング方式による基板における成膜では、均一性の制御が難しく、かつ、基板における直接レーザーマーキングによる金属の飛散や酸化の問題は、解決が難しく、また、下方膜層に損傷を与えやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
の問題は、風雨雷ではなく、長年蓄積してきた粉塵である。太陽光パネルに付着した粉塵又はその他の付着物は、パネルの透過率に影響し、光電効率を妨げるため、パネルが太陽光を直接に取得する効率に深刻な影響を与え、パネルのエネルギー吸収及び変換効率を低下させ、発電効率を低下させる。本願によれば、従来の基板周辺領域における回路製造方法に存在する金属の飛散の問題を解決するために、表示装置用基板の回路製造方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本願によれば、以下の技術的手段が提供される。
【0005】
本願の実施例によれば、上面と、下面と、前記上面と前記下面との間に接続される側面と、少なくとも前記上面に設けられる表示領域及び回路領域とを有する表示装置用基板の回路製造方法であって、
複数のスロットを有するマスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップと、
ジェット印刷によりジェット印刷原料を前記回路領域に付着するように前記マスクにおける複数のスロットに印刷するステップと、
前記マスクを前記基板から除去するステップと、
複数の回路が形成されるように、前記回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させるステップと、を含む表示装置用基板の回路製造方法が提供される。
【0006】
さらに、複数のスロットを有する前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップを行う前に、
レーザーエッチングにより、回路パターンを前記マスクに貫通させて複数の前記スロットが形成されるように前記回路パターンを前記マスクにエッチングするステップをさらに含む。
【0007】
さらに、前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクを前記基板の回路領域に対応させ、前記マスクが前記回路領域における前記基板の表面に貼り合わされるように前記マスクの少なくとも両側に圧力を加えるステップを含む。
【0008】
さらに、前記マスクを前記基板から除去するステップは、
前記マスクが前記基板から離脱するように前記マスクに加えられた圧力を解放するステップを含む。
【0009】
さらに、前記回路領域は、前記上面から前記側面まで延在するように前記表示領域の周辺に隣接して設けられ、
前記マスクは、フレキシブル性材料からなり、少なくとも前記上面に位置する前記回路領域の部分と前記側面に位置する前記回路領域の部分とに貼り合わされる。
【0010】
さらに、前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクの内面が前記上面及び前記側面における前記基板の回路領域に対応して貼り合わされるように、折曲装置を用いて前記マスクを折り曲げるステップを含む。
【0011】
さらに、前記回路領域は、さらに前記側面から前記下面まで延在し、
前記マスクは、さらに前記下面に位置する前記回路領域の部分に貼り合わされ、
前記マスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップは、
前記マスクの一部が前記基板の下面に貼り合わされるように前記折曲装置を用いて前記マスクを折り曲げるステップをさらに含む。
【0012】
さらに、複数の回路が形成されるように前記回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させるステップは、
前記ジェット印刷原料が硬化されて複数の回路が形成されるように前記基板の回路領域における前記ジェット印刷原料を焼き付けるステップを含む。
【0013】
さらに、前記マスクにおける少なくとも一つのスロットは、幅が10μm以上であり、
各前記スロットの深さは、同じである。
【0014】
さらに、前記マスクは、エポキシ樹脂系接着剤フィルム又はスチールメッシュからなる。
【0015】
本願によれば、上面と、下面と、前記上面と前記下面との間に接続される側面と、少なくとも前記上面に設けられる表示領域及び前記表示領域の周辺に隣接して設けられる回路領域とを有する表示装置用基板の回路製造方法であって、
前記側面は、垂直面、斜面又は円弧面であり、
複数のスロットを有するマスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせるステップと、
ジェット印刷によりジェット印刷原料を前記回路領域に付着するように前記マスクにおける複数のスロットに印刷するステップと、
前記マスクを前記基板から除去するステップと、
複数の回路が形成されるように、前記回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させるステップと、を含む表示装置用基板の回路製造方法がさらに提供される。
【発明の効果】
【0016】
本願によれば、表示装置用基板の回路製造方法が提供される。まず、レーザーにより回路パターンを有するマスクを調製し、次に、前記マスクを前記基板の回路領域(すなわち周辺領域)に位置合わせして貼り合わせ、位置合わせした後に前記マスクの回路パターンのスロット内にジェット印刷原料が充填されるようにジェット印刷プロセスによりジェット印刷を行い、その後、離型して硬化させて回路製造を完了させるため、回路製造の効率及び精度を向上させることができ、歩留まりを増加させ、回路の均一性を改善することができ、従来の成形方式、レーザーマーキング方式又はその他の方式による回路製造の精度制限、金属の飛散、基板への損傷しやすさ及びプロセスの複雑さなどの問題を効果的に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下は、実施例の説明に必要とされる図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明の図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎない。当業者にとって、創造的な作業なしにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0018】
図1】本願の実施例に係る表示装置用基板の構造を示す概略図である。
図2】本願の実施例に係る表示装置用基板の回路製造方法のフローチャートである。
図3図2の基板の回路製造方法を示す概略図である。
図4】本願の実施例に係る基板と位置合わせして貼り合わせた後のマスクを示す側面概略図である。
図5】本願の別の実施例に係る基板と位置合わせして貼り合わせた後のマスクを示す側面概略図である。
図6】本願の別の実施例に係る基板と位置合わせして貼り合わせた後のマスクを示す側面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の各実施例の説明は、本願の実施可能な特定の実施例を説明するために添付の図面を参照する。例えば、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「側面」などの本願に言及される方向用語は、添付の図面の方向のみを参照する。したがって、使用される方向用語は、本願を説明し、理解するために使用され、本願を制限するものではない。図において、構造が類似するユニットは、同じ符号で示される。なお、図面では、明確な理解及び説明の便宜のために、いくつかの層及び領域の厚さが誇張されている。すなわち、図面に示す各構成要素の寸法及び厚さは任意に示されるが、本願はこれに限定されない。
【0020】
本願の実施例は、表示装置用基板の回路製造方法であり、前記基板は、液晶表示装置や有機発光表示装置の駆動基板に用いることができる。具体的には、本願の基板には、アレイ状に配列され、表示ユニットの表示を制御するための薄膜トランジスタが設けられてもよい。本願の基板には、一般的な薄膜トランジスタアレイ基板と同様に、例えば、データ線や走査線など、対応するチップに接続される様々なルーティングがさらに設けられる。
【0021】
図1を参照して、図1は、本願の実施例に係る表示装置用基板1の構造を示す概略図である。図1に示すように、本願の基板1は、上面11と、下面12と、上面11と下面12との間に接続される側面13と、を含む。少なくとも基板1の上面11には、表示領域101及び回路領域102が設けられ、表示領域101には、発光用の画素ユニットが設けられる。なお、基板1の側面13は、垂直面、傾斜面又は円弧面であってもよく、実際のニーズに応じて決定することができる。本実施例において、回路領域102は、基板1の周辺領域に位置するように表示領域101に隣接して設けられ、かつ、狭い額縁設計のニーズに適合するために幅が0.3mm未満であってもよい。なお、本願の実施例では、配線のスペースを節約し、ひいては表示領域101の範囲を拡大するために基板1の下面12(すなわち裏面)に表示又はタッチを制御するチップ(図示せず)が設けられる。
【0022】
図2及び図3を参照して、図2は、本願の実施例に係る表示装置用基板1の回路製造方法のフローチャートである。図3は、図2の基板1の回路製造方法を示す概略図である。図2に示すように、本願の表示装置用基板1の回路製造方法は、ステップS10~S40を含む。
【0023】
ステップS10:複数のスロットを有するマスクを前記基板の回路領域に位置合わせして貼り合わせる。図3に示すように、マスク2を基板1の回路領域102に対応させ、マスク2が回路領域102における基板1の表面に貼り合わされるようにマスク2の対向する両側に圧力を加える。具体的には、マスク2の内面が上面11、側面13及び下面12における基板1の回路領域102に対応して貼り合わされるように、例えば、チップオンフィルム(chip on film,COF)用の折曲装置などの折曲装置(図示せず)を用いてマスク2を折り曲げる。本願の実施例において、回路領域102は、基板1の上面11から側面13及び下面12まで延在するものであり、すなわち、前記折曲装置により、マスク2が二回折り曲げられて基板1の回路領域102に対応する構造を形成する。その後、マスク2のスロット21が回路領域102の所定位置に対応するように、固定装置4によりマスク2の対向する両側を基板1に挟持する。以上の方法により、マスク2は、一部が回路領域102における基板1の上面11に貼り合わされ、その他の部分が基板1の側面13及び下面12にそれぞれ貼り合わされる。
【0024】
なお、本願のマスク2は、位置合わせして貼り合わせる過程において、マスク2のスロット21が回路領域102の位置に正確に対応するように位置合わせプロセスを採用し、前記固定装置4によりマスク2を圧着するものであり、位置合わせして貼り合わせることを実現するために追加の粘着材を用いる必要がない。
【0025】
また、本願の回路製造方法は、ステップS10を行う前に、マスクに前記マスクが貫通されるように複数のスロットを形成するステップを含む。具体的には、図3に示すように、折り曲げて貼り合わせることに有利となるように、エポキシ樹脂系接着剤フィルムやスチールメッシュなどのフレキシブル性の特性を有する材料を用いてマスク2を調製し、レーザー機3を用いてレーザーエッチングにより、回路パターンをマスク2に貫通させて複数のスロット21が形成されるように必要な回路パターンをマスク2にエッチングする。本願では、レーザーによるマスクのエッチングにより、パターン化されたスロットが形成された後にスロットの辺縁の火傷や鋸歯状跡を引き起こすことなく、迅速にパターン化してスロットを形成するだけではなく、さらにエッチングの精度を向上させることができるため、従来のフォトリソグラフィプロセスよりも優れたマスク調製効果が提供される。
【0026】
本願の実施例において、回路領域102は、基板1の上面11から側面13に沿って下面12まで延在するように基板1の周辺領域に設けられる。すなわち、本願のマスク2の大きさは、回路領域102の範囲に依存する。具体的には、本願のマスク2は、回路領域102をカバーするマスク2の範囲が回路領域102の面積以上となるように平坦な面にエポキシ樹脂系接着剤フィルム又はスチールメッシュからなるシート状のマスク2を形成することによって調製される。マスク2は、レーザーエッチングによりスロット21を形成するので、各スロット21は、同じ深さを有することを保証することができ、かつ、スロット21の幅及びスロット21間の間隔は、全て所定値に適合することを保証することができる。また、本実施例において、図4に示すように、レーザーエッチングによって形成されるスロット21により、各スロット21の幅W1が10ミクロンの狭い幅に達することが実現でき、かつ、隣接する二つのスロット21間の最小間隔D1も10ミクロンに達することができるので、現在の高密度回路レイアウトのニーズを満たすために基板1の回路領域102に多くの回路を配置することができる。
【0027】
ステップS20:ジェット印刷によりジェット印刷原料を前記回路領域に付着するように前記マスクにおける複数のスロットに印刷する。具体的には、図3に示すように、ジェット印刷機5を用いてマスク2における複数のスロット21にジェット印刷原料50を印刷し、ここで、ジェット印刷原料50は、銀ペーストであるが、これに限定されない。別の実施例において、ジェット印刷原料50は、銅ペーストであってもよい。なお、ジェット印刷原料は、良好な導電性及び付着性を有する材料であることが好ましい。
【0028】
ジェット印刷を行う前に、付着に有利となるように適切な粘度を有するジェット印刷原料を調製し、制御ユニット(図示せず)によりジェット印刷機5の印刷速度や印刷経路などのパラメータを設定する。ジェット印刷過程において、ジェット印刷機5は、所定の印刷経路でジェット印刷を行い、ジェット印刷が完了した後、ジェット印刷原料50は、スロット21に対応する基板1の表面に付着し、かつ、マスク2の外面と同一平面上にあるように、マスク2におけるスロット21に完全に充填される。
【0029】
ステップS30:前記マスクを前記基板から除去する。具体的には、図3に示すように、ジェット印刷機5による印刷が完了した後、マスク2が基板1から離脱するようにマスク2に加えられた圧力を解放する。すなわち、マスク2が自然に離脱するように、マスク2を固定し圧力を加えるための前記固定装置4をマスク2から除去する。過程が容易であり、離型が迅速であるだけではなく、粘着性物質を別途処理する必要がなく、基材に損傷を与えることはない。
【0030】
ステップS40:複数の回路が形成されるように、前記回路領域におけるジェット印刷原料を硬化させる。具体的には、図3に示すように、ジェット印刷原料50が硬化されて複数の回路が形成されるように基板1の回路領域102におけるジェット印刷原料50を焼き付ける。本実施例において、前記焼き付けは、特定の温度条件下でジェット印刷原料50を硬化させることにより、マスク2の回路パターンに従って基板1の回路領域102における複数の回路を形成することである。
【0031】
以上のステップにより、本願の実施例に係る表示装置用基板の回路製造方法が完了する。すなわち、本願の実施例に係る基板の回路製造方法は、基板の周辺領域に用いられるサイドプリント回路製造方法である。回路製造が完了した後、チップは、本願の回路領域102の回路に電気的に接続されるように基板1の下面12のボンディング位置に接着又は他のボンディングプロセスによってボンディングすることができるため、裏面ボンディングの目的が実現される。
【0032】
図5を参照して、図5は、本願の別の実施例の基板1と位置合わせして貼り合わせた後のマスク2’の側面を示す概略図である。図5に示す実施例と上記実施例との違いは、図5のマスク2’を基板1の上面11の回路領域102’にのみ位置合わせして貼り合わせる点であり、その他の上記実施例と同様の説明はここでは省略する。具体的には、図5の基板1の回路領域102’は、基板1の上面11にのみ定義され、基板1の側面13及び下面12まで延在していない。図5のマスク2’は、回路領域102’の範囲に対応して設けられるので、基板1の上面11の回路領域102’に対応する構造のみを有し、側面13及び下面12の回路領域102’に対応する構造を含まない。これによれば、図5に示す実施例の基板の回路製造方法は、上述した他の実施例と同様の効果を達成することができる。
【0033】
図6を参照して、図6は、本願の別の実施例の基板と位置合わせして貼り合わせた後のマスク2’’の側面を示す概略図である。図6に示す実施例と上記実施例との違いは、図6のマスク2’’を基板1の上面11及び側面13の回路領域102’’にのみ位置合わせして貼り合わせる点であり、その他の上記実施例と同様の説明はここでは省略する。具体的には、図6の基板1の回路領域102’’は、基板1の上面11及び側面13にのみ定義され、基板1の下面12まで延在していない。したがって、図6のマスク2’’は、回路領域102’’に対応して設けられており、基板1の上面11及び側面13の回路領域102’’に対応する構造のみを有し、下面12の回路領域102’’に対応する構造を含まない。これによれば、図6に示す実施例の基板の回路製造方法は、上述した他の実施例と同様の効果を達成することができる。
【0034】
以上説明したように、本願によれば、表示装置用基板の回路製造方法が提供される。まず、レーザーにより回路パターンを有するマスクを調製し、次に、前記マスクを前記基板の回路領域(すなわち周辺領域)に位置合わせして貼り合わせ、位置合わせした後に前記マスクの回路パターンのスロット内にジェット印刷原料が充填されるようにジェット印刷プロセスによりジェット印刷を行い、その後、離型して硬化させて回路製造を完了させるため、回路製造の効率及び精度を向上させることができ、歩留まりを増加させ、回路の均一性を改善することができ、従来の成形方式、レーザーマーキング方式又はその他の方式による回路製造の精度制限、金属の飛散、基板への損傷しやすさ及びプロセスの複雑さなどの問題を効果的に解決することができる。
【0035】
上記実施例では、各実施例の説明にそれぞれ重点を置いており、ある実施例において詳述されていない部分については、他の実施例の関連説明を参照することができる。
【0036】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本明細書では、具体例を適用して本発明の原理及び実施形態を説明した。以上の実施例の説明は、本発明の技術的手段及びそのコア思想の理解を助けるためだけであり、当業者は、依然として前記各実施例に記載された技術的手段を変更したり、その技術的特徴の一部を同等に置き換えたりすることができ、これらの修正又は置換は、本発明の各実施例の技術的手段の範囲から対応する技術的手段の本質を逸脱させるものではないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】