(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】編組電極又は織電極
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20231122BHJP
A61N 1/06 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
A61B18/14
A61N1/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528413
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 US2021060408
(87)【国際公開番号】W WO2022109431
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518241986
【氏名又は名称】パルス バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Pulse Biosciences,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】トゥロフスキー,ローマン
(72)【発明者】
【氏名】コンノリー,リチャード,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C053
4C160
【Fターム(参考)】
4C053DD02
4C053DD08
4C160KK03
4C160KK12
4C160KK24
4C160KK38
4C160KK58
4C160MM33
4C160MM43
4C160MM53
(57)【要約】
本明細書には、漏斗形状の遠位向き端領域上に1つ以上の電極を有する漏斗形状部分を有する、電気アプリケータデバイスが記載されている。これらのデバイスは、編組体又は織体をそれ自体内に後退させて反転させ、漏斗を形成することによって、展開可能であり得る。これらのデバイスは、アブレーション手技などの医療手技を行うために使用され得る。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気アプリケータデバイスであって、前記デバイスは、
遠位端及び近位端を有する、編組体又は織体と、
前記編組体又は前記織体内に延在し、前記編組体又は前記織体の遠位取付部位に結合された、内側展開部材であって、前記編組体又は前記織体の遠位端領域を反転させて、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成するように移動可能であるように構成された、内側展開部材と、
前記遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域と、
第2の導電性領域であって、前記内側展開部材が近位に後退されたときに、前記遠位向き外側領域によって囲まれ、前記漏斗形状内にあるように構成された、第2の導電性領域と、を含む、電気アプリケータデバイス。
【請求項2】
電気アプリケータデバイスであって、前記デバイスは、
細長い外側部材と、
前記細長い外側部材内にあり、遠位向き外側領域を有する漏斗形状に拡張するために、前記細長い外側部材から出るように遠位に延出可能であるように構成された、編組体又は織体と、
前記漏斗形状の前記遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域と、
前記漏斗形状内にあり、前記遠位向き外側領域によって囲まれた、第2の導電性領域と、を含む、電気アプリケータデバイス。
【請求項3】
前記電気アプリケータデバイスが、双極電気アプリケータとして構成された、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記漏斗形状から近位に延在する、細長い近位本体を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記細長い近位本体の近位端領域に、前記第1の導電性領域及び前記第2の導電性領域と電気的に連通する、1つ以上の電気コネクタを更に含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記編組体又は前記織体が、導電性ワイヤを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の導電性領域が、前記導電性ワイヤの絶縁されていない部分から形成された、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記遠位向き外側領域より近位にある前記編組体又は前記織体の一部分が、電気的に絶縁されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2の導電性領域が、前記編組体又は前記織体の前記遠位取付部位より遠位にある、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第2の導電性領域が、固体材料又は固体を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2の導電性領域が、前記編組体又は前記織体の材料とは異なる、編組材料又は織材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2の導電性領域が、前記内側展開部材が近位に後退されるときに、半径方向に拡張し、及び/又は長手方向に平らになるように構成された、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第2の導電性領域が、前記編組体又は前記織体が前記漏斗形状に拡張するときに、半径方向に拡張するように構成された、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第2の導電性領域から近位に前記編組体又は前記織体内に延在し、前記漏斗形状の前記遠位向き外側領域に対する、前記第2の導電性領域の長手方向位置の調整を可能にするように構成された、位置決め部材を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記遠位向き外側領域上に形成された、第3以上の導電性領域を更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
外側部材を更に備え、前記編組体又は前記織体が、前記外側部材内に摺動可能に位置決めされ、前記漏斗形状の展開のために、前記外側部材から出るように遠位に延出するように構成された、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記遠位向き外側領域の外径が、前記外側部材の遠位端開口部に対して、前記編組体又は前記織体を延出させる又は後退させることによって、調整可能であるように構成された、請求項2又は16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記編組体又は前記織体が、ステンレス鋼又はニッケルチタン材料を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1の導電性領域及び前記第2の導電性領域が、展開されたときに同一平面上にある、請求項1~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記漏斗形状より近位にあり、前記漏斗形状を操縦するために曲げられるように構成された、曲げ領域を更に含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記第1の導電性領域の外径が、前記遠位向き外側領域を有する前記漏斗形状の拡張を調整することによって、調整されるように構成された、請求項1~16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記内側展開部材が、前記編組体又は前記織体の前記遠位端領域が反転することを防止するために、解放可能止め具に係合するように構成された、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記漏斗形状が、予め形成され、前記細長い外側部材内で展開されずに保持されるように構成された、請求項2に記載のデバイス。
【請求項24】
システムであって、
請求項1~23のいずれか一項に記載の電気アプリケータと、
少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを発生させるように構成された、パルス発生器と、を備え、前記電気アプリケータは、前記パルス発生器に電気的に結合するように構成された、システム。
【請求項25】
電気アプリケータデバイスであって、前記デバイスは、
編組体又は織体と、
第1の漏斗形状を形成する、又は形成するように構成された、前記編組体又は前記織体の第1の領域であって、前記第1の漏斗形状は、第1の遠位向き外側領域を有する、第1の領域と、
第2の漏斗形状を形成する、又は形成するように構成された、前記編組体又は前記織体の第2の領域であって、前記第2の漏斗形状は、第2の遠位向き外側領域を有する、第2の領域と、
前記第1の遠位向き外側領域の周りの少なくとも一部における、第1の導電性領域と、
前記第2の遠位向き外側領域の周りの少なくとも一部における、第2の導電性領域と、を含む、電気アプリケータデバイス。
【請求項26】
前記第1の漏斗形状又は前記第2の漏斗形状のうちの一方が、他方を同心円状に囲むように構成された、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記編組体又は前記織体から近位に延在する、細長い近位本体を更に含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記細長い近位本体の近位端領域に、前記第1の導電性領域及び前記第2の導電性領域と電気的に連通する、一対の電気コネクタを更に含む、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記編組体又は前記織体内に延在し、前記編組体又は前記織体の遠位端に結合された、内側展開部材を更に含み、前記内側展開部材が、前記編組体又は前記織体を反転させて、前記第1の漏斗形状及び前記第2の漏斗形状のうちの少なくとも1つ、又は、前記第1の漏斗形状及び前記第2の漏斗形状の両方を形成するために、近位に後退されるように構成された、請求項25~28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記第1の遠位向き外側領域によって囲まれ、前記第1の漏斗形状内にある、第3の導電性領域を更に含む、請求項25~29のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
外側部材を更に含み、前記編組体又は前記織体が、前記外側部材内に摺動可能に位置決めされ、前記第1の漏斗形状及び前記第2の漏斗形状を展開するために、前記外側部材から出るように遠位に延出するように構成された、請求項25~30のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記編組体又は前記織体の前記第1の領域と、前記編組体又は前記織体の前記第2の領域との間の前記編組体又は前記織体上に、ネック部材を更に含む、請求項25~31のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記編組体又は前記織体を反転させて前記第2の漏斗形状を形成するために、近位に後退されるように構成された、第2の内側展開部材を更に含む、請求項25に記載のデバイス。
【請求項34】
前記編組体又は前記織体の前記第1の領域が、前記編組体又は前記織体の前記第2の領域と連続している、請求項25~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記第1の導電性領域及び前記第2の導電性領域が同一平面上にない、請求項25~34のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記第1の導電性領域及び前記第2の導電性領域が電気的に結合された、請求項25~35のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項37】
電気アプリケータデバイスであって、前記デバイスは、
遠位に延在する管腔を有する、編組体又は織体と、
前記編組体又は前記織体内に延在し、前記編組体又は前記織体の遠位端に結合された、内側展開部材であって、前記内側展開部材は、前記編組体又は前記織体の遠位端領域を、前記編組体又は前記織体の管腔内に反転させて、第1の遠位向き外側領域を有する第1の漏斗形状を形成するために、近位に後退されるように構成され、前記編組体又は前記織体の第2の領域は、前記編組体又は前記織体の前記管腔内に反転して、前記第1の漏斗形状を同心円状に囲み、第2の遠位向き外側領域を含む、第2の漏斗形状を形成するように構成された、内側展開部材と、
前記第1の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域と、
前記第2の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第2の導電性領域と、
前記編組体又は前記織体の前記遠位端より遠位にある、第3の伝導性領域であって、前記第2の遠位向き外側領域によって囲まれ、前記第2の漏斗形状内にあるように構成された、第3の伝導性領域と、を含む、電気アプリケータデバイス。
【請求項38】
システムであって、
請求項25~37のいずれか一項に記載の電気アプリケータと、
少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを発生させるように構成された、パルス発生器と、を備え、前記電気アプリケータは、前記パルス発生器に電気的に結合するように構成された、システム。
【請求項39】
組織を治療する方法であって、前記方法は、
編組漏斗形状又は織漏斗形状の遠位向き外側領域上の第1の導電性領域が標的組織に接触し、前記編組漏斗形状又は前記織漏斗形状の前記遠位向き外側領域によって囲まれた第2の導電性領域が前記標的組織に接触するように、前記標的組織に接して電気アプリケータを位置決めすることと、
少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを、前記第1の導電性領域及び前記第2の導電性領域から前記標的組織に印加することと、を含む、方法。
【請求項40】
位置決めすることが、前記電気アプリケータの内側展開部材を近位に後退させて、前記電気アプリケータの編組体又は織体の遠位端領域を反転させて、前記遠位向き外側領域を有する前記漏斗形状を形成することによって、前記電気アプリケータを展開することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
位置決めすることが、前記編組漏斗形状又は前記織漏斗形状を外側部材から出して展開することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記内側展開部材から前記編組体又は前記織体を通って近位に延在する、細長い位置決め部材を使用して、前記第2の導電性領域の長手方向位置を調整することを更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記編組漏斗形状又は前記織漏斗形状を外側部材から出るように延出又は後退させることによって、前記遠位向き外側領域の外径を調整することを更に含む、請求項39~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
ポイントごとのアブレーションのために、前記第1の導電性領域を前記第2の導電性領域と同一平面上に位置決めするように、前記編組漏斗形状又は前記織漏斗形状を外側部材から出るように延出又は後退させることによって、前記遠位向き外側領域の外径を調整することを更に含む、請求項39~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記複数の電気パルスが、単極構成で前記電気アプリケータから印加される、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記複数の電気パルスを印加することが、前記複数の電気パルスをシングルショットの一部として印加することを含み、前記複数の電気パルスが、前記標的組織に円周方向に印加され、前記複数の電気パルスの印加後、前記電気アプリケータを前記標的組織から除去することを更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
治療される前記組織が、静脈、動脈、脈管、心臓、気管、咽頭、喉頭、気管支、尿管、尿道、卵管、頸部、子宮、腸、膵臓、膵管、肝臓及び肝管、直腸、食道、胃、鼻腔、精嚢、気管支、並びに声帯のうちの1つである、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記方法が、子宮内膜症を治療する方法であり、前記組織が、女性生殖系組織である、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
組織を治療する方法であって、前記方法は、
遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成するために、電気アプリケータの編組体又は織体の遠位端領域を反転させるように、前記電気アプリケータの内側展開部材を近位に後退させることと、
前記漏斗形状内の前記遠位向き外側領域によって囲まれた、第2の導電性領域も標的組織に接触するように、前記遠位向き外側領域上の第1の導電性領域を、前記標的組織に接して位置決めすることと、
少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを、前記第1の導電性領域及び前記第2の導電性領域から前記標的組織に印加することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2020年11月23日に出願された「BRAIDED OR WOVEN ELECTRODES」と題された米国仮特許出願第63/117,433号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(参照による援用)
本明細書に記載されている全ての公開物及び特許出願は、個々の公開物又は特許出願ごとに参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
(発明の分野)
本明細書には、患者を治療するための医療手術を行うために使用され得る、医療装置(例えば、デバイス、システムなど)及び方法が記載されている。具体的には、本明細書には、中心電極も含み得る1つ以上の漏斗形状電極を有する、電気アプリケータが記載されている。
【背景技術】
【0004】
生物細胞の電子操作について、短い、高電界強度の電気パルスが記載される。例えば、電気パルスは、基底細胞癌、扁平上皮癌及び黒色腫を含むが、これらに限定されない、腫瘍などの動物(ヒトを含む)組織の治療に使用することができる。針電極及びプレート電極を含む、組織の治療用の様々な異なるアプリケータ、例えば、電極が記載される。
【0005】
より大きな表面積を治療することを含めて、体内で(例えば、最小限に又は非侵襲的に)又は侵襲的に操作され得る電極を用いて、より大きな組織領域を含む、患者の組織を治療できることが特に有利であろう。しかしながら、高い治療電圧及び非常に速いパルス時間のために、そのようなパルスナノ秒エネルギーデバイスの送達のためのアプリケータは、組織を損傷すること、又は別様に患者を害することを回避するように構成されなければならない。高電圧デバイスが体内に挿入されることが意図される場合、高電圧エネルギーを供給する危険性(電気ショック、アーク放電、火傷、内部器官損傷及び心不整脈を含む、そのような危険性)は、更により深刻である。
【0006】
したがって、上述のリスクを軽減しながら、患者を治療するために高電圧のサブマイクロ秒の電気パルスを印加することができる、細長い可撓性アプリケータを含むアプリケータ(電極デバイス、電気アプリケータなど)などのデバイスを提供することが有益であろう。
【発明の概要】
【0007】
本明細書には、(例えば、アプリケータカテーテル、アプリケータスコープ、チューブなどとして構成された、細長いアプリケータツールなどの器具及びデバイスを含む)装置、及び、それらを使用して、非標的組織を傷つける危険性を最小限に抑えるか又は回避しながら、短い、高電界強度の電気パルスを含むが、これに限定されない、治療エネルギーをより効果的に印加することができる、患者の治療のための方法が記載されている。いくつかの例では、これらの装置は、脈管(例えば、血管)又は他の体腔内で使用され得る。これらのアプリケータは、本明細書では、電極デバイス又は電気アプリケータと称されてもよく、低侵襲性手技のために使用されてもよく、例えば、限定ではないが、癌(及び他の種類の異常な組織増殖)などの様々な状態、障害、及び疾患の治療に特に好適であってもよい。これらの用途はまた、ロボットシステムなどの、様々な完全に自動化されたシステム及び部分的に自動化されたシステムとともに使用するのに、特に好適であり得る。具体的には、本明細書に記載の装置は、本明細書でより詳細に説明するように、様々な異なる発生器システムとともに使用することができる(例えば、カテーテル装置、カテーテルアプリケータ先端部、内視鏡、腹腔鏡などの)装置として構成され得る。
【0008】
一般に、一態様によれば、本明細書に記載の電気アプリケータは、導電性領域、例えば、電極を含む遠位向き端部(例えば、漏斗の開口部)を有する、1つ以上の漏斗形状を形成する、編組体又は織体を含む。これらの漏斗形状電極は、漏斗の外側の遠位向き縁部によって囲まれ得る、第2の導電性領域(例えば、電極)を含み得る。これらの例のいずれにおいても、第2の導電性領域は、漏斗の遠位向き端領域上の導電性領域と同じ平面内にあってもよい。いくつかの例では、漏斗形状に対して中心に位置決めされ得る第2の導電性領域は、電極の相対的な長手方向位置が、漏斗の遠位向き端領域に対して調整されることを可能にする、細長い部材に結合されてもよい。
【0009】
いくつかの例では、電気アプリケータは、外側漏斗形状内に同心円状に、第2の(又はそれ以上の)漏斗形状電極を含む。
【0010】
これらのデバイスのいずれも、漏斗形状及び第2の(例えば、中心の)電極を含む遠位端が、デバイスの近位端から操縦可能であるように構成され得る。例えば、本明細書に記載のデバイスは、1つ以上のワイヤ又は腱によって制御可能に曲げられ得る、編組体又は織体より近位に、曲げ領域を含み得る。
【0011】
これらのデバイスのいずれも、展開前(例えば、体内、又は身体への送達直前)に漏斗形状が形成されるように構成され得る。展開する前に、漏斗形状を形成する織材料又は編組材料は、少なくとも部分的に、導電性材料から形成され得る材料のチューブであってもよい。漏斗の遠位向き端領域を形成する織材料又は編組材料の領域は、絶縁されていなくてもよく、一方、他の領域は、絶縁されていてもよい(例えば、漏斗の遠位向き開口部より近位及び/又は遠位の領域)。
【0012】
漏斗形状は、例えば、内側展開部材(例えば、プラー、カニューレなど)を、最初に管状体として形成され得、本明細書では編組体又は織体と称され得る、織材料又は編組材料上の遠位取付部位に結合することによって、形成され得る。細長い展開部材は、編組体又は織体の内部管腔を通過し得る。編組体又は織体の近位端は、ワイヤ、カニューレ、チューブなどの、別の細長い部材、又はデバイスの別の部分に結合され得る。代替的又は追加的に、編組材料又は織材料は、外側カニューレ内に保持され得る。デバイスの編組体又は織体は、展開部材を引くこと、及び/又は展開部材を押すことによって、漏斗形状に展開され得る。例えば、展開部材を近位に引くこと、及び/又は編組材料又は織材料の近位端に結合された部材を駆動することにより、編組材料又は織材料を展開し得、そのため、編組材料又は織材料は、半径方向に曲がり、それ自体の中に(例えば、編組材料又は織材料のチューブの管腔の中に)反転し、フレア状漏斗形状を形成する。漏斗の遠位向き端部(大端部)は、この遠位向き端領域の全部又は一部分が電気的に露出されるように、例えば、電極を形成するように構成され得る。いくつかの例では、遠位向き端領域の全周が露出され、遠位端において又はその付近に外周電極を形成する。いくつかの例では、複数の露出(例えば、非絶縁)領域が、漏斗形状の周囲に位置決めされ得る。各非絶縁領域は、各々が互いに絶縁(及び分離)され得る、別個の電極を形成してもよい。これらの電極は、別個にアドレス可能であってもよく(例えば、デバイスの近位端における電気接点に結合される)、又はそれらは、ともに電気的に結合されてもよい。デバイスが、別個にアドレス可能な複数の電極を含む場合、これらの電極は互いに絶縁され得る。
【0013】
例えば、本明細書に記載されるのは、電気アプリケータであって、遠位端及び近位端を有する、編組体又は織体と、編組体又は織体内に延在し、編組体又は織体の遠位取付部位に結合された、内側展開部材であって、編組体又は織体の遠位端領域を反転させて、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成するように移動可能であるように構成された、内側展開部材と、遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域と、第2の導電性領域であって、内側展開部材が近位に後退されたときに、遠位向き外側領域によって囲まれ、漏斗形状内にあるように構成された、第2の導電性領域と、を含む、電気アプリケータである。
【0014】
これらのデバイスのいずれも、漏斗形状から近位に延在する、細長い近位本体を含み得る。この細長い本体は、可撓性若しくは剛性であり得、又は、長さの一部分にわたって(例えば、遠位端付近で)可撓性であり得、かつ、長さの別の部分にわたって(例えば、近位端付近で)剛性であり得る。細長い本体は、デバイスの遠位端領域における導電性接点(電極)を、近位端領域における1つ以上の電気接点に電気的に接続する、1つ以上の導電体を含み、封入し、及び/又は収容することができる。これらの近位電気接点は、デバイスから電気エネルギーを印加するための、パルス発生器と結合するように構成され得る。具体的には、近位端におけるこれらの電気接点は、少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを発生させるように構成された、パルス発生器に結合するように構成され得る。したがって、これらのデバイスのいずれも、細長い近位本体の近位端領域に、第1の導電性領域及び第2の導電性領域と電気的に連通する、一対の電気コネクタを含み得る。
【0015】
本明細書に記載のデバイスは、少なくとも部分的に、導電性ワイヤから形成される、編組体又は織体を含み得る。導電性ワイヤは、例えば、ステンレス鋼又は形状記憶材料(例えば、ニッケル-チタン合金などの形状記憶合金)であってもよい。個々のワイヤは、上述のように、絶縁され得る。第1の導電性領域は、編組体又は織体を形成する、導電性ワイヤの絶縁されていない部分から形成され得る。いくつかの変形例では、漏斗形状が展開されたときに、遠位向き外側領域より近位の編組体又は織体の少なくとも一部分は、電気的に絶縁される。
【0016】
第2の導電性領域は、編組体又は織体の遠位取付部位より遠位に位置決めされ得る。デバイスが展開されると、漏斗形状を形成するために、この第2の導電性領域は、漏斗の遠位向き開口部内に(又は、少なくとも部分的にその中に)位置決めされ得る。
【0017】
いくつかの例では、第2の導電性領域は、内側展開部材が近位に後退されたときに、半径方向に拡張されるように構成され得る。例えば、第2の導電性領域はまた、半径方向に平らになる(又は、拡張する)ように近位に引っ張られ、第2の導電性領域用の大きな接点を形成し得る、編組材料又は織材料(又は、第2の編組材料若しくは織材料)からも形成され得る。
【0018】
一般に、これらのデバイスは、双極デバイス及び/又は単極デバイスとして構成され得、双極電気アプリケータ又は単極電気デバイスのいずれかとして動作され得る。
【0019】
第2の導電性領域から近位に編組体又は織体内に延在し、漏斗形状の遠位向き外側領域に対する、第2の導電性領域の長手方向位置の調整を可能にするように構成された、位置決め部材を更に含む、請求項1に記載のデバイス。
【0020】
上述のように、漏斗の外側遠位向き端領域上の導電性領域は、単一の導電性領域(例えば、電極)として構成され得、又は、導電性領域は、第1の遠位向き外側領域上の電極とは別個の、追加の導電性領域(例えば、第3以上の導電性領域)を含み得る。これら別個の導電性領域は、互いに電気的に絶縁され得る。
【0021】
これらのデバイスのいずれも、外側部材を含むように構成され得るか、又は、外側部材とともに動作され得る。デバイスは、拡張された漏斗の外径をユーザが制御することを可能にし得る、外側部材を通して展開され得る。例えば、編組体又は織体は、外側部材内に摺動可能に位置決めされ得、漏斗形状の展開のために、外側部材から出るように遠位に延出するように構成され得る。いくつかの例では、このことは、外側部材から出てどれだけ遠くに漏斗が展開されるかを調整することによって、漏斗(したがって、第1の導電性領域/電極)の直径が調整されることを可能にし得る。例えば、遠位向き外側領域の外径は、外側部材の遠位端開口部に対して、編組体又は織体を延出させる又は後退させることによって、調整されるように構成され得る。
【0022】
例えば、電気アプリケータは、細長い外側部材と、細長い外側部材から延在するか又は延出可能である、編組体又は織体と、編組体又は織体の遠位取付部位に結合された、内側展開部材であって、編組体又は織体を反転させて、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成するために、近位に後退されるように構成された、内側展開部材と、遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域であって、遠位向き外側領域より近位の編組体又は織体の領域が、電気的に絶縁されている、第1の導電性領域と、第2の導電性領域であって、内側展開部材が近位に後退されたときに、遠位向き外側領域によって囲まれ、漏斗形状内にあるように構成された、第2の導電性領域と、第1の導電性領域及び第2の導電性領域と電気的に連通する、デバイスの近位端における1つ以上の電気コネクタと、を含み得る。
【0023】
本明細書に記載のデバイスのいずれも、システムの一部であり得る。例えば、システムは、本明細書に記載の電気アプリケータのいずれかと、少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを発生させるように構成された、パルス発生器と、を含み得、電気アプリケータは、パルス発生器に電気的に結合するように構成される。
【0024】
本明細書にはまた、2つ以上の漏斗を有するデバイス(例えば、電気アプリケータ)も記載されている。例えば、電気アプリケータは、編組体又は織体と、編組体又は織体の第1の領域から形成された、第1の漏斗形状であって、第1の遠位向き外側領域を有する、第1の漏斗形状と、編組体又は織体の第2の領域から形成された、第2の漏斗形状であって、第1の漏斗形状を同心円状に囲み、第2の遠位向き外側領域を含む、第2の漏斗形状と、第1の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域と、第2の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第2の導電性領域と、を含み得る。
【0025】
第1の漏斗形状及び第2の漏斗形状は、同じ織材料又は編組材料から形成されてもよく、又は別個の織材料又は編組材料から形成されてもよい。別個の編組材料又は織材料が使用される場合、これら別個の材料は、(例えば、ネック領域などのコネクタによって)ともに結合されてもよい。いくつかの例では、同じ領域の編組材料又は織材料が使用されてもよいが、編組材料又は織材料を形成する異なる撚り線(例えば、ワイヤ、糸など)が、遠位端において、電気接点及び導電性領域(例えば、電極)に電気的に結合されてもよい。
【0026】
これらのデバイスのいずれも、上述のように、第2の漏斗形状から近位に延在する、細長い近位本体を含み得る。例えば、細長い近位本体部分は、本明細書に記載のように、ハンドル及び/又はコネクタ(例えば、高電圧コネクタ)であってもよい。本明細書に記載のデバイスは、第1の導電性領域及び第2の導電性領域と電気的に連通する、細長い近位本体の近位端領域に、1つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上など)の電気コネクタを含み得る。
【0027】
いくつかの例では、デバイスは、編組体又は織体内に延在し、編組体又は織体の遠位端に結合された、内側展開部材を含み得、内側展開部材は、第1の漏斗形状、又は第1の漏斗形状及び第2の漏斗形状を形成するために、編組体又は織体を、編組体又は織体の管腔の中へ反転させるように、近位に後退されるように構成される。同じ内側展開部材又は異なる内側展開部材は、第1の漏斗形状及び第2の漏斗形状の両方を展開するように構成されてもよい。例えば、内側展開部材は、編組体又は織体の遠位端において取付領域に結合され得、編組体又は織体(例えば、チューブ)の近位端に対して、近位に内側展開部材を引くことにより、第1の漏斗形状及び第2の漏斗形状の両方を形成し得る。いくつかの例では、デバイスは、外側部材を含み(又は、それとともに動作するように構成され)、編組体又は織体は、外側部材内に摺動可能に位置決めされ得、第1の漏斗形状及び第2の漏斗形状を展開するために、外側部材から出るように遠位に延出するように構成され得る。
【0028】
これらの例のいずれも、第1の漏斗形状のネックを形成するように構成された、編組体又は織体上のネック部材を含み得る。いくつかの例では、第2の内側展開部材は、編組体又は織体内に延在してもよく、ネック部材に結合されてもよく、第2の展開部材は、編組体又は織体を反転させて、第2の漏斗形状を形成するために、近位に後退されるように構成される。
【0029】
編組体又は織体の第1の領域は、編組体又は織体の第2の領域と連続し得る。第1の導電性領域及び第2の導電性領域は、同一平面上にあってもよく、又は同一平面上になくてもよい。
【0030】
上述したように、第1の導電性領域及び第2の導電性領域は、電気的に結合されてもよく、又は電気的に分離されてもよい。
【0031】
したがって、これらの電気アプリケータは、それぞれの外面上に導電性領域(電極)を有する、同心円状に配置された2つの漏斗を含み得る。例えば、電気アプリケータは、遠位に延在する管腔を有する、編組体又は織体と、編組体又は織体内に延在し、編組体又は織体の遠位端に結合された、内側展開部材であって、内側展開部材は、編組体又は織体の遠位端領域を、編組体又は織体の管腔内に反転させて、第1の遠位向き外側領域を有する第1の漏斗形状を形成するために、近位に後退されるように構成され、編組体又は織体の第2の領域は、編組体又は織体の管腔内に反転して、第1の漏斗形状を同心円状に囲み、第2の遠位向き外側領域を含む、第2の漏斗形状を形成するように構成された、内側展開部材と、第1の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域と、第2の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第2の導電性領域と、編組体又は織体の遠位端より遠位にある、第3の伝導性領域であって、第2の遠位向き外側領域によって囲まれ、第2の漏斗形状内にあるように構成された、第3の伝導性領域と、を含み得る。
【0032】
本明細書に記載のデバイス(及び/又はシステム)のいずれも、(展開可能ではなく)予め形成された漏斗を含むように構成されてもよい。したがって、これらのデバイスは、上述のように、必ずしも内側展開部材を含まなくてもよい。いくつかの例では、これらのデバイスは、予め拡張された、又は折り畳まれてカテーテル内に保持されるかのいずれかである、漏斗を代わりに含み得、カテーテルから遠位に延出されて拡張し得る。これらのデバイスは、任意選択的に、デバイスの漏斗形状内に、第2の導電性領域を含み得る。
【0033】
例えば、電気アプリケータは、細長い外側部材と、細長い外側部材内にあり、遠位向き外側領域を有する漏斗形状に拡張するために、細長い外側部材から出るように遠位に延出可能であるように構成された、編組体又は織体と、漏斗形状の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域と、漏斗形状内にあり、遠位向き外側領域によって囲まれた、第2の導電性領域と、を含み得る。
【0034】
上述のように、これらのデバイスのいずれも、漏斗形状から近位に延在する、細長い近位本体を含み得る。いくつかの例では、デバイスは、細長い近位本体の近位端領域に、第1の導電性領域及び第2の導電性領域と電気的に連通する、一対の電気コネクタを含む。
【0035】
編組体又は織体は、導電性ワイヤを含み得る。第1の導電性領域は、編組体又は織体を形成する、導電性ワイヤの絶縁されていない部分から形成され得る。遠位向き外側領域より近位にある編組体又は織体の一部分は、電気的に絶縁され得る。
【0036】
これらの例のいずれにおいても、第2の導電性領域は、編組体又は織体が漏斗形状に拡張するときに、半径方向に拡張するように構成され得る。第2の導電性領域(例えば、電極)は、第1の導電性領域と同一平面上にあってもよい(例えば、漏斗の遠位向き端領域上)。これらのデバイスのいずれも、第2の導電性領域から近位に編組体又は織体内に延在し、漏斗形状の遠位向き外側領域に対する、第2の導電性領域の長手方向位置の調整を可能にするように構成された、細長い位置決め部材を含み得る。
【0037】
一般に、遠位向き外側領域の外径は、外側部材の遠位端開口部に対して、編組体又は織体を延出させる又は後退させることによって、調整されるように構成され得る。更に、例のいずれにおいても、本開示の装置/デバイスは、標的組織に接してデバイスの位置決め及びセンタリングを改善するように構成された、センタリングガイド/センタリング特徴を備えてもよく、又はそれとともに使用されてもよい。
【0038】
例えば、本明細書に記載されるのは、電気アプリケータであって、編組体又は織体と、第1の漏斗形状を形成する、又は形成するように構成された、編組体又は織体の第1の領域であって、第1の漏斗形状は、第1の遠位向き外側領域を有する、第1の領域と、第2の漏斗形状を形成する、又は形成するように構成された、編組体又は織体の第2の領域であって、第2の漏斗形状は、第2の遠位向き外側領域を有する、第2の領域と、第1の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の導電性領域と、第2の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第2の導電性領域と、を含む、電気アプリケータである。第1の漏斗形状は、第2の漏斗形状を同心円状に囲み得るか、又は、第2の漏斗形状は、第1の漏斗形状を同心円状に囲み得る。これらのデバイスのいずれも、編組体又は織体から近位に延在する、細長い近位本体を含み得る。これらのデバイスのいずれも、細長い近位本体の近位端領域に、第1の導電性領域及び第2の導電性領域と電気的に連通する、一対の電気コネクタを含み得る。
【0039】
いくつかの例では、デバイスは、編組体又は織体内に延在し、編組体又は織体の遠位端に結合された、内側展開部材を含み得、内側展開部材は、編組体又は織体を反転させて、第1の漏斗形状及び第2の漏斗形状のうちの少なくとも一方、又は、第1の漏斗形状及び第2の漏斗形状の両方を形成するために、近位に後退されるように構成される。
【0040】
これらのデバイスのいずれも、第1の遠位向き外側領域によって囲まれ、第1の漏斗形状内にある、第3の伝導性領域を含み得る。装置は、第1の漏斗形状、第2の漏斗形状又は第3の漏斗形状の遠位向き端部上の電極間(例えば、第1と第2との間、第1と第3との間、又は第2と第3との間)にエネルギーを印加してもよい。第1の導電性領域及び第2の導電性領域は、電気的に結合されてもよい。
【0041】
これらのデバイスのいずれも、外側部材を含み得、編組体又は織体が、外側部材内に摺動可能に位置決めされ、第1の漏斗形状及び第2の漏斗形状を展開するために、外側部材から出るように遠位に延出するように構成される。デバイスは、編組体又は織体の第1の領域と、編組体又は織体の第2の領域との間の編組体又は織体上に、ネック部材を含み得る。
【0042】
第2の内側展開部材が含まれ得、編組体又は織体を反転させて第2の漏斗形状を形成するために、近位に後退されるように構成され得る。
【0043】
編組体又は織体の第1の領域は、編組体又は織体の第2の領域と連続し得る。いくつかの例では、第1の導電性領域及び第2の導電性領域は同一平面上にない。
【0044】
また、本明細書には、本明細書に記載のこれらのデバイス及びシステムのうちのいずれかを使用する方法も記載されている。例えば、これらのデバイスのうちのいずれかを使用して組織を治療する方法は、編組漏斗形状又は織漏斗形状の遠位向き外側領域上の第1の導電性領域が標的組織に接触し、編組漏斗形状又は織漏斗形状の遠位向き外側領域によって囲まれた第2の導電性領域が標的組織に接触するように、標的組織に接して電気アプリケータを位置決めすることと、少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを、第1の導電性領域及び第2の導電性領域から標的組織に印加することと、を含み得る。
【0045】
本方法はまた、例えば、電気アプリケータの内側展開部材を近位に後退させて、電気アプリケータの編組体又は織体の遠位端領域を反転させて、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成することによって、電気アプリケータを位置決めする前に、電気アプリケータを展開することも含み得る。
【0046】
また、これらの方法のいずれも、第2の導電部材から編組体又は織体を通って近位に延在する、細長い位置決め部材を使用して、第2の導電性領域の長手方向位置を調整することも含み得る。例えば、本明細書に記載の方法は、外側カテーテルなどの外側部材から出るように編組漏斗形状又は織物漏斗形状を展開することを含み得る。
【0047】
本明細書に記載の方法は、追加的又は代替的に、編組漏斗形状又は織漏斗形状を外側部材から出るように延出又は後退させることによって、遠位向き外側領域の外径を調整することを含み得る。
【0048】
複数の電気パルスは、単極構成で電気アプリケータから印加されてもよい。代替的に、複数の電気パルスは、双極構成で電気アプリケータから印加されてもよい。
【0049】
本明細書に記載の方法のいずれにおいても、複数の電気パルスを印加することは、複数の電気パルスをシングルショットの一部として印加することを含み得る。例えば、これらの方法は、標的組織にシングルショットの治療を適用することであって、複数の電気パルスが標的組織に円周方向に(例えば、標的組織の周囲に、又は、標的組織に対して円形に)印加される、適用することと、複数の電気パルスの印加後、電気アプリケータを標的組織から除去することと、を含み得る。場合によっては、電気アプリケータは、身体から完全に除去されてもよく、又は、別の標的組織に接して、例えば、身体の別の部分に再位置決めされてもよい。したがって、本明細書に記載の装置は、有利なことに、再位置決めすること、及び標的組織へ治療を適用することの複数のステップを必要とせずに、シングルショットで標的組織の大きな領域に治療を適用し得る。
【0050】
これらの方法は、静脈、動脈、脈管、心臓、気管、咽頭、喉頭、気管支、尿管、尿道、卵管、頸部、子宮、腸、膵臓、膵管、肝臓及び肝管、直腸、食道、胃、鼻腔、精嚢、気管支、並びに声帯/声帯ひだのうちの1つ以上を含む、標的を治療するために使用され得る。一例では、本方法は、子宮内膜症を治療する方法であってもよく、組織は、女性生殖器系組織(例えば、卵巣、卵管、子宮を支持する靭帯(子宮仙骨靭帯)、後部盲嚢、すなわち子宮と直腸との間の空間、前部盲嚢、すなわち子宮と膀胱との間の空間、子宮の外面、骨盤腔の内層、場合によっては腸、直腸、膀胱、膣、頸部、及び/又は外陰部であってもよい。
【0051】
例えば、組織を治療する方法は、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成するために、電気アプリケータの編組体又は織体の遠位端領域を反転させるように、電気アプリケータの内側展開部材を近位に後退させることと、漏斗形状内の遠位向き外側領域によって囲まれた、第2の導電性領域も標的組織に接触するように、遠位向き外側領域上の第1の導電性領域を、標的組織に接して位置決めすることと、少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを、第1の導電性領域及び第2の導電性領域から標的組織に印加することと、を含み得る。
【0052】
本明細書に記載の装置は、手動制御又は自動(例えば、ロボット支援)制御用に構成され得る。いくつかの変形例では、これらの装置は、ロボット医療処置システム又はロボット外科手術システムなどのロボットシステムの可動(例えば、ロボット)アーム上に装着又は結合されるように構成されたシステムに、組み込まれてもよい。記載の便宜上、本開示は、これらをロボットシステムと称し得るが、そのようなロボットシステムは、任意のロボット医療処置システム(美容用途を含む)を網羅するように意図され、誘導を有するロボットシステムを含み得ると、理解されるものとする。いくつかの変形例では、器具は、外科手術又は他の医療手技中に、ロボットシステムによって誘導及び制御され得る。例えば、本明細書に記載のデバイスは、ロボットシステムの1つ以上の動作チャネルを通して使用されてもよい。
【0053】
上述したように、これらの装置のいずれも、アプリケータデバイスの近位端が、例えば、第1の電極及び第2の電極のコンピュータ制御作動のために、ロボットアームに結合するように適合されるように構成され得る。代替的又は追加的に、アプリケータデバイスの近位端は、パルス発生器のハンドルに結合するように適合され得、パルス発生器は、同様に、ロボットアームに接続するように適合され得る。
【0054】
本明細書に記載の装置は、一般に、マイクロ秒、ナノ秒、ピコ秒などのパルスを安全かつ確実に送達するように構成され得、サブマイクロ秒のパルス電界と称され得る、0.1ナノ秒(ns)~1000ナノ秒未満、又は1ピコ秒などのより短いパルス幅を有する電界を含み得る。このパルスエネルギーは、1~5キロボルト/センチメートル(kV/cm)、10kV/cm、20kV/cm、100kV/cm又はそれ以上などの、高いピーク電圧を有し得る。生体細胞の治療は、0.1/秒(Hz)~10,000Hzの範囲の周波数で多数の周期的パルスを使用し得、例えば、癌性腫瘍、前癌性腫瘍又は良性腫瘍、及び他の標的組織などの罹患組織、不必要な組織又は異常増殖において、調節された細胞死(例えば、アポトーシス)を誘発し得る。そのような腫瘍、病変又は標的組織を、高電圧のサブマイクロ秒のパルスエネルギーで選定的に治療すると、その非熱的性質のために、周囲組織の正常細胞に実質的に影響を及ぼすことなく、腫瘍細胞又は標的組織細胞内に、調整された細胞死を引き起こすことができる。被験体は、患者(ヒト、又は動物を含む非ヒト)であり得る。ユーザは、本明細書に記載の装置を被験体上で動作させ得る。ユーザは、医師(医者、外科医など)、医療技術者、看護師、又は他の医療提供者であってもよい。
【0055】
したがって、高電圧で、高速(例えば、マイクロ秒又はサブマイクロ秒)の電気パルスの印加は、例えば、0.1ナノ秒(ns)~1000ナノ秒のパルス幅を有する、電気パルス列を印加することを含み得る。高電圧で高速の電気パルスを印加することは、例えば、1キロボルト/センチメートル(kV/cm)~100kV/cmのピーク電圧を有する、サブマイクロ秒の電気パルス列を印加することを含み得る。高電圧で高速の電気パルスを印加することは、例えば、0.1/秒(Hz)~10,000Hzの周波数で、サブマイクロ秒の電気パルス列を印加することを含み得る。
【0056】
これらの装置のいずれも、パルス発生器とともに使用することができる。例えば、本明細書に記載されるのは、組織を治療するためのシステムであって、本明細書に記載のような細長いアプリケータツール(例えば、1つ以上の電極が延出するように構成された、関節運動する遠位端領域を有する細長い本体)と、コネクタ、例えば、細長いアプリケータツールをパルス発生器に結合するように適合された、高電圧コネクタと、少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを発生させるように構成され、高電圧コネクタに接続するように構成されたポートを備える、パルス発生器と、を含み得る、システムである。
【0057】
一般に、これらの装置のいずれも、少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを発生させるように構成されたパルス発生器を含むシステムと併せて、又はその一部として使用されてもよく、パルス発生器は、高電圧コネクタによって装置に接続するように構成されてもよい。
【0058】
本明細書に記載の装置は、追加的又は代替的に、漏斗形状を形成するように反転することなく、半径方向外向きに拡張して延在する、編組体又は織体とともに動作し得るように構成されてもよい。内側展開領域は、編組体又は織体内に延在してもよく、編組体又は織体の遠位取付部位に結合されてもよく、そのため、内側展開部材を近位に後退させることにより、編組体又は織体を半径方向に拡張させ得る。内側展開部材は、編組体又は織体を折り畳む(例えば、編組体又は織体の半径方向の拡張を低減させる)ように遠位に延出し得る。編組体又は織体の外面上の1つ以上の導電性領域(中心領域、又は1つ以上の周辺領域を含む)が含まれてもよく、本明細書に記載のように、ナノ秒パルス電界を含むエネルギーを印加するために使用されてもよい。これらのデバイスのいずれも、内側展開領域上にあり得、編組体若しくは織体上の導電性領域の遠位に位置決めされ得、及び/又は編組体若しくは織体内に位置決めされ得る、1つ以上の中心導電性領域(電極)を更に含んでもよい。中心電極は、編組体又は織体の外面から双極エネルギーを印加するために使用されてもよい。
【0059】
反転することなく、半径方向に拡張するように編組体又は織体が構成されているデバイスは、例えば、デバイスの遠位端がナビゲートされる、体腔の側面に対してエネルギーを印加するために使用されてもよい。拡張された編組体又は織体は、管腔の壁に対して駆動され得、壁に適合し得、電気的に良好に接触し得る。いくつかの例では、本明細書に記載のように、ナノ秒パルス電界が印加されてもよい。
【0060】
これらの例では、内側展開部材は、編組体又は織体が反転することを防止するために、(例えば、止め具によって)制限され得る。いくつかの変形例では、装置は、編組体又は織体が、半径方向に拡張されるが、(例えば、体腔の側面にエネルギーを印加するために)反転されない構成と、編組体又は織体が、上述のように、漏斗形状を形成するために、遠位端において反転される構成との両方で、動作するように構成され得る。したがって、いくつかの例では、内側展開部材は、編組体又は織体が漏斗内に反転するのを防止するために、解放可能止め具に係合し得、この止め具を解放して、編組体又は織体の反転を可能にし得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本開示の新規の特徴は、以下の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本開示の特徴及び利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、及びその添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【
図1A】本明細書に記載のように、漏斗形状電極を有する電気アプリケータ(例えば、アプリケータデバイス)の一例を図示する。
図1Aは、外側部材から出るように遠位に延在し、編組メッシュ又は織メッシュ(ここでは、織メッシュとして示される)が、遠位から近位にわずかに延在する、自己拡張するチューブ内に延在する、非展開構成の電気アプリケータの織体を示す。
【
図1B】本明細書に記載のように、漏斗形状電極を有する電気アプリケータ(例えば、アプリケータデバイス)の一例を図示する。
図1Bは、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成する、展開構成の電気アプリケータ(
図1A)の側面図である。
【
図2A】漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を示す。
図2Aでは、電極は、
図1Bに示されるものなどの、展開された電気アプリケータとして、透視の視点から示されている。
【
図2B】漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を示す。
図2Bは、端の視点からの、
図2Aのアプリケータデバイスを示す。
【
図3A】漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を図示する。
図3Aは、細長い外側カテーテルから延在する、展開構成の電気アプリケータを示す。
【
図3B】漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を図示する。
図3Bは、電気アプリケータの側面図である。
【
図3C】漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を図示する。
図3Cは、展開された電気アプリケータの遠位向き端部を示す端面図である。
【
図4A】
図1A~
図1B及び
図2A~
図2Bに示されるものと同様の、電気アプリケータの実験結果を示す画像である。本例では、電気アプリケータは、組織モデル、例えば、スライスされたジャガイモ上で、単極電極として動作された(エネルギーは、複数の部位に印加された)。
図4Aでは、200ns(8Hz)の100個のパルスを5kVで印加した23時間後の組織モデルが示されている。
【
図4B】
図1A~
図1B及び
図2A~2Bに示されるものと同様の、電気アプリケータの実験結果を示す画像である。本例では、電気アプリケータは、動物組織上で、単極電極として動作された(エネルギーは、異なるパラメータで複数の部位に印加された)。
図4Bでは、5kV又は7kVのいずれかで、200ns(6Hz)の100個のパルスを印加した4~4.5時間後の組織が示されている。
【
図5A】
図1A~
図1B及び
図2A~
図2Bに示されるものと同様の、本例では双極電極として動作されている、電気アプリケータの実験結果を示す画像である。
図5Aでは、200ns(8Hz)の100個のパルスを12kVで印加した23時間後の組織モデルが示されている。
【
図5B】
図1A~
図1B及び
図2A~
図2Bに示されるものと同様の、双極電極として動物組織上で動作されている(エネルギーは、異なるパラメータで複数の部位に印加された)、電気アプリケータの実験結果を示す画像である。
図5Bでは、10kV又は12kVのいずれかで、200ns(6Hz)の100個のパルスを印加した5~4.5時間後の組織が示されている。
【
図6A】遠位向き漏斗形状の電極領域が、例えば、1つ以上の腱を使用して操縦されるように構成された、本明細書に記載のような電気アプリケータの別の変形例を図示する。
図6Aは、漏斗形状の電極領域が、デバイスの長軸において遠位に向いた状態で展開されている、中立位置にある電気アプリケータを示す。
【
図6B】遠位向き漏斗形状の電極領域が、例えば、1つ以上の腱を使用して操縦されるように構成された、本明細書に記載のような電気アプリケータの別の変形例を図示する。
図6Bは、漏斗形状が下向きの状態で操縦された、電気アプリケータを示す。
【
図6C】遠位向き漏斗形状の電極領域が、例えば、1つ以上の腱を使用して操縦されるように構成された、本明細書に記載のような電気アプリケータの別の変形例を図示する。
図6Cは、遠位向き漏斗形状の電極領域を操縦又は方向付けるために、遠位端領域で曲がる、電気アプリケータの例を示す。
【
図7A】ナノ秒パルスを試験組織(例えば、ジャガイモ)に印加するために使用される、本開示の電気アプリケータの効果を図示する。
図7Aでは、ナノ秒パルスを印加した24時間後の試験組織の表面が示されている。
【
図7B】ナノ秒パルスを試験組織(例えば、ジャガイモ)に印加するために使用される、本開示の電気アプリケータの効果を図示する。
図7Bは、
図7Aの同じサンプル組織の、組織への浸透を示す、試験組織の断面の両側を示す。
【
図8A】漏斗形状内の第2の導電性領域(例えば、第2の電極)が、デバイスが展開されると、折り畳むように構成された、漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を図示する。
図8Aは、非展開構成のデバイスを示す。
【
図8B】漏斗形状内の第2の導電性領域(例えば、第2の電極)が、デバイスが展開されると、折り畳むように構成された、漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を図示する。
図8Bは、展開構成のデバイスを示す。
【
図9A】非展開構成で示される、一対の漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を図示する。
図9Aでは、非展開の細長い編組材料又は織材料が、拡張されている(例えば、外側部材、例えば、カテーテルの外側)が、内側展開部材を近位に後退させて、下記の
図10A~
図10Bで示されるような、一対の同心漏斗を形成する前の、斜視図で示されている。
【
図9B】非展開構成で示される、一対の漏斗形状電極を有する電気アプリケータの別の例を図示する。
図9Bは、
図9Aの非展開デバイスの側面図を示す。
【
図10A】組織を治療するために使用される一対の漏斗形状電極を各々が有する、電気アプリケータの断面の例を示す。
図10Aは、(例えば、幽門洞アブレーションのために)組織を治療するために使用される、各々がその上に電極を有する、一対の漏斗を含む、電気アプリケータを示す。
【
図10B】組織を治療するために使用される一対の漏斗形状電極を各々が有する、電気アプリケータの断面の例を示す。
図10Bは、例えば、幽門洞をアブレーションするために使用される(幽門洞口をアブレーションすることを含むが、これに限定されない)、
図10Aに示されるものと同様の、遠位向き端領域上に電極を備えた一対の漏斗を有する、電気アプリケータの別の例を示す。
【
図10C】
図10A及び10Bに示されるものと同様だが、デバイスから遠位に延在するセンタリングガイドを有する、アプリケータの例を図示する。
【
図10D】
図10A及び10Bに示されるものと同様だが、デバイスから遠位に延在するセンタリングガイドを有する、アプリケータの例を図示する。
【
図11A】第1の外径を有する漏斗形状電極を有する、電気アプリケータの一例を示す。
【
図11B】示されるように、より小さい外径に外径が収縮されるように、外側カテーテル内に部分的に後退された、
図11Aのデバイスを示す。
【
図12A】長手方向位置に対して調整可能に位置決めされ得る、第2の導電性領域(電極)を伴う漏斗形状電極を有する、電気アプリケータの例を示す。
図12Aは、非展開構成の電気アプリケータを示す。
【
図12B】長手方向位置に対して調整可能に位置決めされ得る、第2の導電性領域(電極)を伴う漏斗形状電極を有する、電気アプリケータの例を示す。
図12Bは、編組体又は織体が、漏斗形状を形成するように、それ自体の上に戻して反転され、1つ以上の電極が遠位向き端領域上にある、展開構成のデバイスを示す。
【
図13A】漏斗を形成する編組材料又は織材料が、漏斗形状に予め形成されているが、(
図13A~
図13Bに示すように)非展開折り畳み構成に保持され、(
図13C1及び
図13C2に示すように)カテーテルから出るように遠位に延出され、拡張することを可能にする、漏斗形状の電気アプリケータの別の例を図示する。
【
図13B】漏斗を形成する編組材料又は織材料が、漏斗形状に予め形成されているが、(
図13A~
図13Bに示すように)非展開折り畳み構成に保持され、(
図13C1及び
図13C2に示すように)カテーテルから出るように遠位に延出され、拡張することを可能にする、漏斗形状の電気アプリケータの別の例を図示する。
【
図13C】漏斗を形成する編組材料又は織材料が、漏斗形状に予め形成されているが、(
図13A~
図13Bに示すように)非展開折り畳み構成に保持され、(
図13C1及び
図13C2に示すように)カテーテルから出るように遠位に延出され、拡張することを可能にする、漏斗形状の電気アプリケータの別の例を図示する。
【
図13D】漏斗を形成する編組材料又は織材料が、漏斗形状に予め形成されているが、(
図13A~
図13Bに示すように)非展開折り畳み構成に保持され、(
図13C1及び
図13C2に示すように)カテーテルから出るように遠位に延出され、拡張することを可能にする、漏斗形状の電気アプリケータの別の例を図示する。
図13Dは、
図13A~
図13Cのデバイスの遠位端面図を示す。
【
図14】
図13A~13Dに示されるものと同様の、漏斗形状の電気アプリケータの例である。
【
図15】高電圧で高速のパルス電気エネルギーの送達のための、本開示の電気アプリケータと、パルス発生器と、を含む、システムの一例を図示する。
【
図16】本明細書に記載の装置のうちのいずれかを使用してエネルギーを印加することによって、患者を治療する方法の一例を概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本明細書には、漏斗形状の遠位向き端領域上に1つ以上の電極を含み得る漏斗形状を有する、電気エネルギーを組織に送達するためのアプリケータが記載されている。追加の電極は、遠位向き漏斗形状の開口部内に位置決めされ得る。これらのアプリケータは、単極動作又は双極動作のために構成され得、具体的には、高電圧のサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒、ピコ秒など)の電気エネルギーなどの、ナノ秒パルスエネルギーの標的組織への送達を含む、組織を治療するために使用され得る。
【0063】
本明細書に記載の電気アプリケータは、概して、遠位向き漏斗形状を形成する、又は遠位向き漏斗形状を形成するように展開されるように構成された、本体を含み得る。この本体は、編組材料及び/又は織材料から形成され得る。編組材料又は織材料は、本体の大部分にわたって絶縁され得るが、漏斗形状の遠位向き端領域上などに1つ以上の導電性領域(例えば、電極)を形成するように露出され得る、導電性材料であってもよい。材料は、例えば、導電性ポリマー、形状記憶合金(例えば、ニチノールなどのニッケルチタン材料)、ステンレス鋼などであってもよい。材料は、ポリマー材料で絶縁され得る。材料は、1つ以上の撚り線若しくはフィラメント、又は撚り線若しくはフィラメント(ワイヤを含む)の束から形成され得る。いくつかの変形例では、編組材料又は織材料は、導電性材料からなる1つ以上の撚り線が、遠位導電性領域を形成するために含まれている、非導電性材料(例えば、ポリマー材料)から形成されるか非導電性材料である。いくつかの変形例では、編組材料又は織材料の大部分又は全部は、伝導性材料から形成される。本明細書に提供される例の多数は、本体を形成する(例えば、漏斗形状を形成する)編組材料又は織材料を含むが、本明細書に提供される例のいずれも、代わりに、材料のレーザ切断シートなどの材料のシートを使用してもよい。編組材料及び/又は織材料は、繊維材料(天然繊維、合成繊維などを含む)、ポリマー材料などであってもよい。例えば、織材料、編組材料又は編み材料を形成する材料(例えば、撚り線)は、モノフィラメントポリマー、マルチフィラメントポリマー、NiTiフィラメント、放射線不透過性金属中心を有するNiTiチューブ、コバルトクロム合金フィラメント、放射線不透過性金属中心を有するコバルトクロム合金チューブ、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンのうちの1つ以上であってもよい。材料のシート(例えば、材料の固体シート)は、ポリマー材料(例えば、PTFE)、シリコーン材料、ポリウレタン、形状記憶合金、ステンレス鋼などのうちの1つ以上であってもよい。シートは、押出成形、接着などされ得る。シートは、細孔及び/又は突起を形成するために切断され得る。例えば、シートは、1つ以上のレーザ切断突出部を含み得る。これらの装置のいずれも、親水性コーティング及び/若しくは疎水性コーティングでコーティングされ得、並びに/又は細孔を含み得る。
【0064】
いくつかの変形例では、漏斗形状を形成する本体は、織られてもよい。織体は、(例えば、8~100本、10~70本、20~60本などの)複数の撚り線を含み得る。上述したように、撚り線の一部又は全部は、絶縁され得る導電性材料から形成され得る。絶縁体は、遠位向き端領域、及び、いくつかの例では、遠位向き端領域の外側又は端部においてなど、導電性領域又は電極を形成する領域にわたって、除去され得る。同様に、本体は、編組材料、例えば、本体の材料を形成するように編組される、複数の撚り線から形成され得る。織体領域は、編組によって同等に形成され得る(及び、「編組」体領域と称される)。いくつかの変形例では、本体は、編みフィラメントなどの、編み材料から形成され得る。したがって、一般に、これらの編組体領域、編み体領域、織体領域(レーザ切断シートからのものを含む)の全ては、「編組又は織」体又は「編組又は織」材料と称され得る。
【0065】
本明細書に記載の電気アプリケータは、(例えば、ユーザによって)手持ち式であり得る細長い近位領域を含み得、又は、ロボットシステムの可動アームに結合され得、及び、電気アプリケータの動作は、コンピュータ制御式を含む、少なくとも部分的に自動化又は完全に自動化され得る。
【0066】
本明細書に記載の電気アプリケータのいずれも、電気アプリケータがより細い外径を有し、及び/又は、外側カテーテル若しくはカニューレなどの外側部材内に保持され得る、非展開状態から、電気アプリケータが拡張されて漏斗形状を形成する、展開状態に展開するように構成され得る。いくつかの例では、電気アプリケータは、近位端が集められ、かつ、遠位端が集められた、チューブのように成形された、編組体又は織体を含む。近位端は、カニューレ又はカテーテルなどの細長い部材と連続していてもよいし、細長い部材に結合されていてもよい。遠位端は、編組体又は織体が取り付けられる細長い本体内を通過する、細長いプラー又はプッシャ(例えば、マイクロカテーテル、ガイドワイヤなど)に結合されてもよく、このプラーは、内側展開部材と称され得る。
【0067】
例えば、
図1Aは、非展開(又は、後述のように、部分的に展開された)状態で示される漏斗本体を形成するように構成された、電気アプリケータ10の一例を図示する。本例では、編組体又は織体12は、拡張構成を有するように形状設定され得る、織形状記憶合金材料(例えば、NITINOL)から形成され、例えば、反転されていない編組体又は織体の中間領域は、フレア状である。編組体又は織体の中間領域31は、この領域に1つ以上の導電性材料を含むことによって、導電性領域(例えば、電極)として構成され得る。第1の導電性領域は、電極又は編組電極と称され得る。本例では、第1の導電性領域は、近位領域及び遠位領域では絶縁され得るが、編組体又は織体の本中間領域31にわたって電気的に露出され得る、編組体又は織体のワイヤの一部又は全部から形成され得る。電気的に露出した領域は、1つ以上の導電性領域を形成し得る。電気的に露出された領域は、互いに接触して単一の連続した電極を形成し得るか、又は、電気的に露出された領域は、絶縁領域によって互いに分離されて、編組体又は織体上に複数の電極を形成し得る。例えば、第1の導電性領域は、編組体又は織体を形成するワイヤであり得るか、又は編組体又は織体を形成するワイヤに加えられ得る、導電性ワイヤの複数の露出した(絶縁されていない)領域から形成され得る。
図1A~
図1Bに示すように、編組体又は織体の中間領域31におけるワイヤが、本領域の周辺の全て又は一部の周りで露出される場合、漏斗形状が形成される場合(後述、及び
図1Bに示されるように)、漏斗形状の遠位向き端部は、導電性領域を形成し得る。編組体又は織体の残りは、例えば、個々のワイヤごとに電気絶縁コーティングで絶縁することによって、又はそれらを集合的に絶縁することによって、電気的に絶縁され得る。これにより、例えば、心内膜用又は体腔内で使用される場合のように、他の(非標的組織)及び/又は血液又は体液と接触し得る、印加された電気エネルギーの短絡を防止し得る。
【0068】
本明細書に記載のデバイスのいずれにおいても、1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つなど)の導電性領域は、
図1B及び
図2Aに示すように反転されるとき、編組体又は織体の上又は周囲に形成され得る。各領域は、編組体又は織体を形成する同じワイヤから形成され得るか、又は編組体又は織体に結合される、1つ以上の追加のワイヤから形成され得る。各導電性領域(電極)は、デバイスの近位端領域において、電気接点と電気的に結合され得る。例えば、編組体又は織体上の導電性領域が、編組体又は織体を形成するワイヤから形成される変形例では、これらのワイヤは、編組体又は織体の近位端において、デバイスの近位端における又はその付近の電気コネクタに、電気的に結合され得る。いくつかの例では、編組体又は織体を形成するワイヤは、漏斗形状から近位に延在する細長い近位本体50の長さに沿って、下方に延在してもよい。
【0069】
図1Aでは、編組体又は織体の遠位端が集められ、内側展開部材16に結合された、コレットに結合される。編組体又は織体の近位端14はまた、集められ、
図1A及び
図2Aの外側カテーテル22内で近位に延在する、細長い近位本体50に結合される。これらの例のいずれにおいても、別の導電性領域、例えば、電極又は中心電極は、漏斗形状によって形成された、開口部内に含まれてもよい。
図1Aでは、電極40は、編組体又は織体の集められた遠位端(例えば、遠位コレット26)に結合(例えば、機械的に結合)されてもよい。この電極は、第2の導電性領域(又は中心導電性領域、若しくは中心電極)と称され得る。いくつかの例では、中心導電性領域40は、漏斗形状の遠位向き開口部と同じ平面内に、したがって、漏斗形状55の遠位向き外側領域の上及び周囲の1つ以上の電極30と同じ平面内に、位置決めされるように構成される。中心導電性領域40は、遠位向き面を除いて、完全に電気的に絶縁されてもよい。
【0070】
電気アプリケータデバイス全体は、単極動作及び/又は双極動作のために構成され得る。例えば、電気アプリケータデバイスは、少なくとも部分的に、遠位向き外側領域の周囲の1つ以上の導電性領域を、中心電極40と電気的に結合することによって、単極動作のために構成され得る。例えば、導電性領域は、編組体又は織体12を形成するワイヤに、電気的に結合され得る(単極構成)。代替的に、中心電極は、パルス発生器に別個に電気的に接続され得、反対の極性を有するように構成され得る(双極構成)。
【0071】
図1A~
図1Bに示される例では、編組体又は織体上の1つ以上の導電性領域は、漏斗形状の端部、例えば、遠位端領域34上に形成される。いくつかの変形例では、導電性領域は、近位にわずかに延在してもよく、及び/又は遠位向き縁部上にあってもよく、及び/又は漏斗形状内に延在してもよい。いくつかの例では、1つ以上の導電性領域は、遠位向き外側領域の遠位向き縁部上にある。
【0072】
図1Aでは、中間領域はまた、
図1Bに示すように、編組体又は織体を通って延在する内側展開部材16が、近位に引っ張られるときに、反転するように構成され、遠位向き遠位端領域を有する漏斗形状又は漏斗55を形成する。第1の導電性領域は、編組体又は織体全体の周囲に延在し得るか、又は、漏斗形状55の遠位端領域34の周囲に部分的にのみ延在し得る。
【0073】
図1A~
図1Bの電気アプリケータは、双極動作のために構成され得る。
図1Aでは、展開前のアプリケータが示されており、編組体又は織体12が遠位及び近位に延在している。内側展開部材16は、編組体又は織体の遠位端に結合され、中心電極40への電気接続を収容することもできる。この電極の側面27は絶縁されている。デバイスは、
図1Bに示すように、内側展開部材を近位に引くことにより、完全に展開され得る。
【0074】
図2Aは、漏斗形状本体を形成した編組体又は織体12を含む、
図1A~
図1Bに示されるものと同様の、電気アプリケータデバイスの別の例の正面斜視図を示す。遠位端26は、(例えば、漏斗形状を展開するために、内側展開部材を引くことにより)引っ張られ、編組体又は織体のこの遠位端を、編組体又は織体自体の中に反転させてもよい。本例では、形状は漏斗形状(外向きにフレア状、又はトランペット形状とも称され得る)であるが、漏斗形状55の内側は、編組体又は織体自体の中に反転された、編組体又は織体の端部によって、少なくとも部分的に遮断される。
図2Bは、漏斗によって形成された、遠位向き開口部の端面図を示す。
【0075】
これらの例のいずれにおいても、漏斗形状は、より円筒形の遠位端領域34を形成するために、高いカラム強度を提供し得る、(
図1Bに示すように)高カラム強度領域95の端部において、近位に引っ張ることによって圧縮され得、組織を押すデバイスの能力を改善する。したがって、漏斗形状55は、展開前及び/又は展開後に、圧縮下で保持され得る。漏斗本体(編組体又は織体)を形成するワイヤは、互いに対して積み重ねられ得る。
図2A及び
図2Bは、それぞれ、この高カラム強度領域95を形成するように圧縮されて示された漏斗形状を有する、上面斜視図及び正面(端面)図を示す。
【0076】
図2A~
図2Bにおける漏斗形状55の遠位端領域34はまた、遠位向き端部の周囲に少なくとも部分的に配置された、1つ以上の電極30を含む。いくつかの変形例では、中心導電性領域40は、1つ以上の細長い部材(例えば、ガイドワイヤ、スコープなど)が、デバイスの中央を通過することを可能にするように、開口し得る(例えば、リング形状であり得る。
【0077】
図3Aは、編組体又は織体が、細長い近位本体50から延在する近位端で集められ、結合された、展開構成で示される電気アプリケータの別の例を図示する。内側展開部材16は、編組体又は織体12の集められた遠位端にも結合されている、コレット51に結合される。本例では、コレットはまた、中心導電性領域40にも接続されている。
図3B及び
図3Cは、遠位向き外側領域を有する漏斗内に形成された編組体又は織体とともに展開された状態で示される、電気アプリケータの同様の例を示す。
図3B~
図3Cでは、中心電極(中心導電性領域40)は開口しており、別のデバイス又は材料(例えば、流体)が適用され得る、通路又はチャネルを形成し得る。
【0078】
図1A~
図1B、
図2A~
図2B及び
図3A~
図3Cでは、電気アプリケータデバイスは各々、NiTiワイヤ、ステンレス鋼などの導電性ワイヤを使用して構築され得る、編組電極を含む。例えば、電気的に絶縁されたNiTiワイヤ又は他の導電性材料は、編組体又は織体を形成する撚り線の一部又は全部のために使用されてもよい。編組体又は織体は、編組体又は織体の所望の外径を設定するために、編組後に所望の直径及び形状設定された、金属マンドレル上に構築され得る。編組体又は織体は、示されるように、電極アセンブリ内に形成されてもよく、編組体又は織体は、細長い部材(例えば、細長い近位本体、いくつかの例では、カテーテル)の遠位端上に結合されることができ、又は、細長い部材を含まない、デバイスの一部として使用されてもよい。反転可能な電極は、編組体又は織体の遠位端に取り付けられ得る引張機構(例えば、ロッド、ワイヤ、カテーテル、マイクロカテーテルなどの内側展開部材)を引っ張ることによって、展開構成に形成され得る。引張機構が作動されると、編組体又は織体の遠位端は、近位に引っ張られ、編組体又は織体をそれ自体の上で内側に反転させ、1つ以上の導電性領域(電極)が形成され得る遠位向き端部(又は遠位向き縁部)を有し得る、漏斗形状の輪郭を形成する。中心電極もまた含まれ得、上述のように、形成された漏斗の最大直径とほぼ同じ平面上に位置するように構成され得る。
【0079】
図1Aの編組体又は織体は、編組体又は織体全体が小さい直径を有するように、編組体又は織体の拡張を制約する外側カニューレ(図示せず)内に本体が最初に保持され得るため、部分的に展開されているとみなされ得る。編組体又は織体が、例えば、内側展開部材が編組体又は織体の集められた遠位端に固定される変形例において、内側展開部材を押すことによって、及び/又は、編組体又は織体の集められた近位端から遠位に押すことによって、延出されるとき、編組体又は織体は、
図1Aに示される形状内に自己拡張し得る。
図1Bに示すように、漏斗形状を形成するように、内側展開部材を近位に引っ張ることによって、上述のように更に展開され得る。
【0080】
漏斗形状の電気アプリケータが、標的領域付近の体内で展開されるとき、電気アプリケータは、治療されるべき組織に押し付けられ得、ナノ秒パルス電気エネルギーなどの(しかし、限定されない)電気エネルギーが印加され得る。例えば、本明細書に記載のデバイスは、心臓組織にエネルギーを送達するように構成され得る。反転されると、1つ以上の編組電極を含むデバイスの遠位向き端部は、中心電極とともに心臓組織に押し付けられ得、エネルギーが印加され得る。単極動作の場合、中心電極は、使用される必要がなく、又は、編組体若しくは織体上の電極に電気的に結合され得る。双極構成の場合、
図3Aに示すように、編組体又は織体によって形成された漏斗形状上の中心電極及び外側電極の両方が、組織と接触している。
【0081】
図4A及び
図4Bは、本明細書に記載の単極構成のものと同様の電気アプリケータを使用して治療された、組織の例を図示する。
図4Aでは、中心電極と、反転された編組体又は織体の遠位面に形成された、単一の外周電極とが、互いに電気的に結合され、パルス発生器に電気的に結合されるように、電極アプリケータは単極構成で使用された。別個の帰路(例えば、接地パッド)が使用され得る。
図4Aでは、パルス発生器からのエネルギーが、200nsのパルスを8Hzで使用して、5kVで試験組織(カットしたジャガイモ)に印加された。100個のパルスが印加された。画像は、エネルギーが印加された23時間後に撮影され、3つの治療領域401を示す。
図4Bに示すように、動物組織を使用して、同様の結果が見られた。
図4Bでは、画像は、6Hzで200ns/パルスで100個のパルスについて、5kV又は7kVを使用して、上述のように印加された単極ナノ秒パルスの印加から4~4.5時間後に撮影された。
【0082】
図5A及び
図5Bは、双極構成の、本明細書に記載のような電気アプリケータでの結果を示す。本例では、中心電極と、反転された編組体又は織体の遠位面に形成された、単一の外周電極とが各々、パルス発生器に電気的に結合して、双極ナノ秒パルス電気エネルギーを印加した。
図5Aでは、パルス発生器からのエネルギーが、100個のパルスについて、200nsのパルスを8Hzで使用して、12kVで試験組織(カットしたジャガイモ)に印加された。画像は、エネルギーが印加された23時間後に撮影された。3つの治療領域501が示されている。
図5Bに示すように、動物組織を使用して、同様の結果が見られた。これは、6Hzで200ns/パルスで100個のパルスについて、10kV又は12kVを使用して、双極ナノ秒パルス刺激の印加の4.5~5時間後に撮影された。本例では、双極構成は、組織へのエネルギーの、かなり均一な分布をもたらした。
【0083】
本明細書に記載の反転可能な編組電極の設計は、一般に、心房細動の治療、心室頻脈の治療、他の心臓関連のアブレーションなどの、組織の治療用の装置、例えば、電極アプリケータの遠位部分として使用され得る。これらの電極アプリケータはまた、ナノ秒パルス電界を、身体の他の部分に印加するために使用されてもよい。代替的又は追加的に、これらの電気アプリケータは、例えば、高周波(Radio-Frequency、RF)電界及び/又はマイクロパルス系電界を含む、他の種類の電気エネルギーを印加するために使用され得る。上述したように、これらの反転可能な電気アプリケータは、カテーテルデバイス、スコープデバイス、腹腔鏡デバイス、内視鏡デバイスなどの一部であり得る(例えば、漏斗形状の遠位端から近位に延在する、細長い近位本体を含み得る)。そのようなデバイスは、例えば、低侵襲性手技中に、及び/又は、心臓手術などの(しかし、限定されない)、手術の一部として使用され得る。具体的には、これらのデバイスは、例えば、カテーテルの管腔内の比較的細い直径から、電極を含む、はるかに大きい直径に拡張し得るため、組織の領域を治療する(例えば、アブレーションする)ことが望ましくあり得る手技に、使用され得る。
【0084】
外側電極と内側電極(例えば、中心電極と、電極の遠位向き外側領域の周囲に少なくとも部分的に形成された、1つ以上の電極)との間の距離は、変動し得る。したがって、同じ印加電圧は、印加された電界の強度を変動させ得る。
【0085】
本明細書に記載の電気アプリケータデバイスのいずれも、遠位端が操縦可能であるように構成され得る。したがって、遠位の漏斗形状領域は、操縦可能であり得る。遠位端領域は、デバイスの近位端領域から引っ張られ得、及び/又は押され得る、1つ以上の腱を操作することによって、操縦可能であり得る。いくつかの変形例では、遠位端領域(例えば、漏斗形状領域)は、1つ以上の腱に結合され得、遠位端領域を操縦するために、近位に引く及び/又は押すために使用され得る。例えば、
図6Aは、
図1A~
図1B、
図2A~
図2B、
図3A~
図3C、
図8A~
図8B、
図9A~
図9B、
図10A~
図10D、
図11A~
図11B、
図12A~
図12Bなどの、本明細書に記載のデバイスのいずれかとして構成され得る、電気アプリケータデバイスの一例を示す。
図6Aでは、デバイス610は、展開中に織体がそれ自体の上に反転するとき、遠位端に漏斗形状32を形成する、織体12を含む。中心電極40は、漏斗形状の周辺上(例えば、遠位端領域34上)の1つ以上の電極30によって、少なくとも部分的に囲まれ得る。曲げ領域56は、細長い本体50と漏斗32との間の境界面において又はその付近に位置決めされ得る。曲げ領域56は、1つ以上の方向に、予測可能な曲げ622を提供し得る、椎骨、可変剛性の領域などの、1つ以上の回動領域を含み得る。上述したように、デバイスは、曲げ領域56を曲げさせることによって、操縦を提供するように、漏斗形状部分に取り付けられ得る、1つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上など)の引張ワイヤ又は腱(
図6A~
図6Bに図示せず)を含み得る。
図6Bでは、漏斗形状32を含む、デバイスの遠位端領域が、下方に偏向されて示されている。
【0086】
図6Cは、曲げ領域56で約10度~約270度曲がる、
図6A~
図6Bに示されるものなどの、電気アプリケータの一例を図示する。
図6Aでは、内側展開部材(見えない)は、中心電極40が、1つ以上の電極を含む漏斗形状32によって、囲まれるように、近位に引っ張られる。曲げ領域56は、引張ワイヤ又は腱(図示せず)を引くことによって、遠位端を偏向させて曲げることができるように、ヒンジ領域(例えば、異なる剛性の領域など)を含み得る。曲げ量は、引張ワイヤ又は腱が変位される量に依存し得る。したがって、デバイスは体内で操縦され得る。
【0087】
図1A~
図1B及び
図2A~
図2Bに示されるものなどの、電気アプリケータデバイスもまた、組織モデル(例えば、ジャガイモ)上で試験され、結果は
図7A~
図7Bに示されている。
図7Aでは、試験組織の損傷は、上述のように、双極ナノ秒パルスエネルギーの印加によって作成された。
図7A及び
図7Bの画像は、エネルギーの印加の24時間後に撮影された。示されるように、比較的大きく(例えば、直径12mm)かつ均一な損傷が、エネルギーの印加によって形成された。浸透の深さを図示する
図7Bに示すように(
図7Bでは、組織モデルは、損傷を通して切断されており、モデル組織の2つの切断片が並んで配置されている)。見て分かるように、浸透の深さは、モデル組織内に約5.5mmであった。
【0088】
これらのデバイスのいずれにおいても、中心電極(第2の導電性領域)は、(
図1A~
図1B、
図2A~
図2B及び
図3A~
図3Cに示すように)固体電極から形成されてもよく、又は、漏斗形状本体上に形成された電極と同様若しくは同一の、編組若しくは織材料から形成されてもよい。例えば、
図8A及び
図8Bは、1つ以上の電極を含む漏斗形状本体と、中心電極との両方が、編組材料又は織材料(例えば、ワイヤ)から形成される、電気アプリケータ(例えば、反転可能な編組電極)の一例を図示する。この2つは、同じ編組体若しくは織体、又は、分離された2つの編組領域若しくは織領域から形成され得る。
図8Aでは、電気アプリケータ810は、近位から遠位に延在し、近位端で集められ、細長い近位本体(例えば、カテーテル)850に結合される、編組体又は織体812を含む。編組体又は織体の領域は、デバイスが展開されると、遠位向き漏斗形状の遠位端領域834を形成するように構成され得る。編組漏斗本体又は織漏斗本体上の1つ以上の電極は、上述のように、デバイスが反転されると、遠位向き漏斗形状の外縁になる、編組体又は織体の部分上に、又はそこから形成され得る。例えば、遠位向き外側領域上又は周囲の1つ以上の電極は、編組体又は織体を形成する導電性ワイヤから絶縁体を除去することによって、形成され得る。
【0089】
本例における編組体又は織体の遠位端は、第2の編組体又は織体840が、1つの集められた近位端で結合される、コレット又はリング826に結合される。この第2の編組体又は織体840の遠位端は、内側展開部材816として構成され得る、内側プラーに結合される。内側展開部材816を引くことにより、第2の編組体又は織体840を(中心電極840’へと)圧縮することができ、第1の編組体又は織体812を反転させて、漏斗形状本体を形成することができ、
図8Bに示すように、第2の編組体又は織体840は、平らにされた中心電極840’として機能する。本例では、中心電極は、漏斗形状の遠位向き開口部830内に位置決めされ得、従来の固体電極で可能であるものよりも大きい直径に潜在的に拡張し得、非展開構成が、例えば、カテーテルを通した移動のために、コンパクトになることを可能にする。いくつかの例では、第1の編組体又は織体及び第2の編組体又は織体は、同じ編組体又は織体の部分であってもよい。いくつかの例では、別個の内側展開部材が、漏斗形状を形成するように第1の編組体又は織体を反転させるために、及び/又は、中心電極を形成する第2の編組体又は織体を平らにするために、使用され得る。
【0090】
本明細書に記載の装置のいずれも(例えば、電気アプリケータ又はそれらを含むシステムのいずれも)、中心電極に加えて、又はその代わりに、同心円状に配置され得る、2つ以上の遠位向き漏斗を有するように構成され得る。例えば、
図9A~
図9B、
図10A~
図10D及び
図11A~
図11Bは、それぞれが遠位向き外側領域上に1つ以上の電極を含む、同心円状に配置された一対の漏斗を含む、電気アプリケータデバイスの例を図示する。
図9Aは、編組体又は織体の第1の(近位)部分から第1の漏斗形状と、(例えば、編組体又は織体の第2の遠位部分から)第2の漏斗形状と、を形成するように構成された、編組体又は織体を含む、デバイスの一例の概略図を示す。第1の漏斗形状は、第2の漏斗形状の周囲に同心円状に配置され得る。
図9Aでは、デバイスは、完全に展開されていない状態で示されている。デバイスは、ネック部材933によって分離された、第1の編組体又は織体966及び第2の編組体又は織体968を含む。内側展開部材916は、第2の編組体又は織体968の端部に結合されてもよく、ネック部材933内で摺動移動可能であってもよく、内側展開部材916を近位に引くことにより、第1の(外側)漏斗形状を形成するための第1の編組体又は織体と、第2の(内側)漏斗形状を形成するための第2の編組体又は織体との両方を、反転させ得る。代替的に、いくつかの例では、第1の編組体又は織体及び第2の編組体又は織体は、入れ子式に(例えば、同心円状に)、又は、いくつかの例では、並んで配置され得、第1の編組体又は織体及び第2の編組体又は織体の遠位端にそれぞれ結合され得る、別個の内側展開部材への各結合によって、別個に展開され得る。
図9Bは、
図9Aに示されるものと同じデバイスの側面図を示す。いずれのデバイスも、任意選択的に、中心電極940を含み得る。第1の織体及び第2の織体は各々、展開されたときに、座屈又は曲がり、漏斗形状の遠位向き端部を形成する、外周領域924、924’(または925)を含み得る。1つ以上の電極は、本明細書に記載のように、1つ以上の電極が、各遠位向き端部上に存在するように、これらの外周領域の各々の上に位置決めされるか、又は各々の中に組み込まれてもよい。中心電極は、編組体又は織体966、968上の1つ以上の電極から、電気的に絶縁され得る。
【0091】
図10A~
図10Bは、展開構成の一対の同心漏斗(
図9A~
図9Bに展開されていない状態で示されているものと同様)を有する、電気アプリケータの例を図示する。各漏斗は、漏斗の遠位向き外側領域(例えば、遠位向き縁部並びに/又は外側縁領域及び/若しくは内側縁領域)の周囲に少なくとも部分的に配置された、1つ以上の電極を含み得る。任意の中心電極1040もまた、含まれてもよい。中心電極は、内側漏斗を形成するメッシュの遠位端1026に結合する、内側プラー1016の端部に位置決めされ得る。
図10Aでは、第1の電極1030は、第1の漏斗1033の遠位向き外側領域上に含まれ、漏斗の内面上にあってもよく、第2の電極1030’は、第2の漏斗1033’の遠位向き外側領域上に含まれ、示されるように、漏斗のこの部分の外面上にあってもよい。このことは、デバイスが、双極構成で動作するとき、遠位端開口部において漏斗間にエネルギーを印加することを可能にし得、それは、一方の漏斗上の電極から、他方の漏斗上の電極へ、組織にエネルギーを印加し得る。
図10Aでは、デバイスは、例えば、幽門洞アブレーション手技の一部として使用され得る。デバイスは、2つの漏斗形状本体間の組織1080、1082を円周方向にアブレーションし得る。
図10Bは、内側漏斗及び外側漏斗の形状が、
図10Aに示されるものと異なり得る、電気アプリケータデバイスの別の例を示す。
図10Bは、脈管1085の洞口をアブレーションする方法を図示する。デバイスは、
図9A~
図9Bに示されるものと同様であってもよい。動作中、デバイスは、脈管などの体腔内に非展開構成で送達するために、カテーテル手技の一部として使用されてもよい。治療されるべき(例えば、アブレーションされるべき)組織の標的領域付近になると、デバイスは、上述のように、例えば、内側展開部材を近位に引っ張ることによって(及び/又は、第1の編組体又は織体の近位端を遠位に前進させることによって)、遠位に延出され、展開され得る。このことは、示されるように、内側漏斗部材及び外側漏斗部材を形成し得る。前述のように、漏斗形状は、デバイスを展開することが、例えば、線形デバイスが拡張して、漏斗形状構成を形成することを単に可能にすることを含むとき、反転せずに形成され得る。
【0092】
いくつかの方法では、本明細書に記載の装置は、アブレーション前又はアブレーション中を含む、動作前又は動作中のいずれかで、組織からの電気信号を検出又は感知するために使用されてもよい。例えば、これらの(反転構成又は線形構成のいずれかの)装置は、心臓をペーシングするために使用されてもよい。これは、例えば、カテーテル自体上の電極の対にわたって、又はカテーテルから、(例えば、カテーテル、例えば、冠状静脈洞(Coronary Sinus、CS)カテーテルなどの遠位要素上の)別個の電極まで、実行され得る。したがって、これらの装置のいずれも、心臓組織のアブレーションを伴う又はアブレーションを伴わないマッピングのために使用することができる。例えば、編組体又は織体上の1つ以上の電極は、中心電極、又は別個のデバイス(例えば、カテーテル)上の電極のいずれかでのマッピングのために使用されてもよい。近距離場及び/又は遠距離場の電位図信号は、デバイスで感知されることができる。いくつかの方法では、デバイスは、組織から電気的活動(例えば、電位図)を感知して、アブレーション、又は更にアブレーションする領域を判定するために使用されてもよい。
【0093】
本明細書に記載の装置のいずれもまた、組織内での装置の位置決めを支援するために、センタリングガイド(センタリング特徴)も含み得る。したがって、これらの装置のいずれも、組織に対して電極が方向付けられるように、装置の位置決めを支援するためのセンタリングガイドを含み得る。いくつかの例では、装置は、脈管又は心室の壁に対して、例えば、心臓の肺静脈などの血管の洞/口領域に対して、装置の電極を位置決めするためのセンタリングガイドを含み得、肺静脈隔離(Pulmonary Vein Isolation、PVI)を達成しながら、適切な位置決め、及びより効率的なアブレーションを可能にする。いくつかの実施態様では、装置を(例えば、肺静脈に向かって)ナビゲートすること、及び装置を適切に位置決めすることは、困難な場合があり、状況により、装置が偏って(例えば、PVの洞、又は他の標的場所に)設置される場合、所望のアブレーションが達成されない場合がある。センタリングガイドは、拡張可能及び/又は折り畳み可能であってもよい。更に、センタリングガイドは、(漏斗を含む)遠位端領域より近位に位置するように構成されてもよく、かつ/又は、遠位端領域及び漏斗から遠位に位置決めされてもよい。
【0094】
例えば、
図10C及び
図10Dは、電極1030、1030’が組織に対して方向付けられ、及び/又は電極を組織に接して保持することを支援し得るように、同心漏斗1033、1033’から遠位に延在し、装置の位置決めを支援するセンタリングガイド1095を有する、電気アプリケータの例を図示する。
図10C及び
図10Dでは、センタリングガイドは、脈管1085の洞口の管腔内に拡張される、膨張部材として示されている。センタリングガイドは、内側プラー1016の遠位端から延在している。
【0095】
本明細書に記載の装置のいずれも、センタリングガイドを含み得る。例えば、センタリングガイドは、(例えば、内側展開部材の)遠位端上にあってもよく、又は、漏斗より近位にある近位端上、例えば、カニューレなどの展開部材の遠位端領域上にあってもよい。センタリングガイドは、拡張可能であってもよい(例えば、バルーン、バスケット、スプライン、リブなど)。いくつかの例では、センタリングガイドは膨張可能である。いくつかの例では、センタリングガイドは、カニューレによって、又は、1つ以上の腱(例えば、プル/プッシュワイヤなど)への接続によって、拡張及び/又は折り畳み、解放又は捕捉される、(編まれた、織られた、編み組まれたなどの)バスケットである。したがって、本明細書に記載の装置のいずれも、脈管の管腔などの(しかし、限定されない)、治療が適用される解剖学的構造に対するセンタリングを可能にするために、装置の一部であり得るか、又は、装置と併せて使用することができる追加のデバイスであり得る、1つ以上の追加のセンタリングガイドを含み得る。一般に、センタリングガイドは、装置の遠位端領域から、又はその周りに遠位に延在し得る、拡張可能な非外傷性の突出部であってもよい。代替的に、センタリングガイドは、体内(例えば、体腔)の所定位置に装置を一時的に固定するように構成されてもよい。したがって、これらのセンタリングガイドのいずれも、アンカーとも称され得る。これらの装置のいずれも、装置を位置決めするためのガイドワイヤを、更に又は追加的に使用することができる。例えば、バルーン又はスプラインは、組み込まれたガイドワイヤ、又は、装置を導入するために使用され得る、ガイドワイヤ用の管腔を有し得る。いくつかの例では、センタリングガイドはまた、組織へのパルスエネルギーの印加用の電極として機能してもよく、又は電極を含んでもよい。
【0096】
上述したように、漏斗部分の直径(したがって、電極のサイズ及び形状)は調整可能であってもよい。
図11A~
図11Bは、調整可能な外径を有する、電気アプリケータデバイスの一例を図示する。
図11Aでは、編組電極デバイスは、上記の
図1A~
図1B、
図2A~
図2B、
図3A~
図3C又は
図8A~
図8Bに示されるものと同様であってもよい。本例では、編組体又は織体1124の近位端は、カテーテル1150などの外側部材内に保持され得る。
図11Aでは、デバイスは、漏斗が展開された状態、かつ、編組体又は織体の近位端が、漏斗から近位に延在し、外側カテーテル1150から出るように延出する、細長い本体(例えば、カテーテル)に結合され得る状態で、示されている。本構成では、漏斗形状は、第1の直径d
11139を有する。この直径は、
図11Bに示すように、漏斗形状の近位端(例えば、編組体又は織体1124の近位端)を外側カテーテル1150内に引き込むことによって、減少され得る。
図11Bでは、漏斗の外径は、d
21141まで減少している。
【0097】
本明細書に記載の装置のいずれにおいても、中心電極は、長手方向に調整可能であってもよい。例えば、電気アプリケータデバイスから組織表面にエネルギーを印加するとき、漏斗形状の遠位向き外側領域上の1つ以上の電極と同じ平面(例えば、同一平面上)に、中心電極を有することが望ましい場合がある。漏斗形状の遠位向き開口部が、調整可能な直径を有する、
図11A~
図11Bに示されるものなどの例では、漏斗形状の最遠位縁部は、漏斗形状の直径が変化するにつれて、変化し得る。したがって、中心電極の長手方向位置が調整され得る、変形例を提供することが有益であり得る。
【0098】
図12A~
図12Bは、中心電極(又は、複数の中心電極)が、編組体又は織体内で中心電極から近位に延在する位置決め部材を含むことによって調整可能であり、第2の伝導性領域の長手方向位置が、漏斗形状の遠位向き外側領域に対して調整されることを可能にするように構成される、一例を図示する。この位置決め部材は、(内側展開部材を含むデバイスにおいて)内側展開部材内に、又は、内側展開部材に隣接して延在し得る。位置決め部材は、電極を押すのに十分なカラム強度を有する、細長い構造、例えば、ロッド、ワイヤ、カニューレ、マイクロカニューレなどであってもよい。
【0099】
図12Aでは、電気アプリケータ1210は、非展開状態で示されている、編組体又は織体1224を含む。デバイスは、外側展開カニューレ1222から延出され得る。内側展開部材1216は、編組体又は織体の遠位端に取り付けられ得、
図12Aでは、管状又はリング停止構造(例えば、コレット1226)が、編組体又は織体の遠位端、及び内側展開部材の両方に結合される。位置決め部材(ロッド1205として示される)は、中心電極1240に結合され得、中心電極の位置を調整するために、デバイス上で(
図12Bの矢印1209によって示すように)遠位から近位に移動させることによって、近位に調整され得る。位置決め部材は、コレット1226を通過してもよい。いくつかの変形例では、位置決め部材はまた、デバイスを漏斗形状に展開するために引き戻され得る、内側展開部材と同じであってもよく、漏斗形状は、中心電極を位置決めするために内側展開部材が遠位に前進させられるときでさえ、維持され得る。上述のように、デバイスは、遠位向き外側端部を有する漏斗を形成するために、編組体又は織体の中間領域において、優先的に座屈又は曲がるように構成されてもよく(例えば、編組体又は織体)、1つ以上の電極1230は、この遠位向き外側端部上又は周囲に配置されてもよい。本例では、管状リング又は止め具(例えば、コレット)は、編組体又は織体の遠位端に結合され得るが、内側展開部材は、リング又は止め具内で、横方向に(例えば、遠位から近位に)摺動し得る。
【0100】
中心電極の構造はまた、展開可能な構造から形成されることもでき、例えば、上述のように、NiTi編組ワイヤなどの編組材料又は織材料から作製されてもよく、したがって、外側電極の直径は、NiTi編組の外径に応じて変化し得る。
【0101】
本明細書に記載のような反転可能な編組電極(例えば、電気アプリケータ)は、表面アブレーションのための任意の用途において使用することができる。例えば、これらのデバイスは、心房細動(Atrial Fibrillation、AF)を治療するための、左心房(Left Atrium、LA)における肺静脈隔離(PVI)のためなど、比較的大きな面積のアブレーションであっても、双極のポイントごとのアブレーションのために使用され得る。心臓のLAへ接近するために、大腿静脈穿刺が、蛍光透視誘導及び/又は超音波誘導下で、針を使用して行われてもよい。蛍光透視誘導下での穿刺後、0.032インチJ先端ガイドワイヤが前進させられる。針は除去され得、シースイントロデューサ(通常8~12F)が静脈中に挿入され、次に、フラッシュされ得る。経中隔シース及び拡張器は、ガイドワイヤ上を上大静脈(Superior Vena Cava、SVC)まで前進させられ得る。シースが大静脈心房接合部の上方3~4cmに達したら、ワイヤを除去することができる。経中隔穿刺針は、次に、シース先端に到達するまで、蛍光透視誘導下で前進させられ得る。針は、先端から約4cmに達するまで、スタイレットが挿入された状態で前進させられる。スタイレットは、シースの内部管腔を針先が削り取ることを防止し得る。スタイレットは、次に、取り外すことができる。穿刺が行われ得、シースがLA内に前進させられ得る。反転可能な編組電極を有するカテーテルは、次に、シースを通してLA内に導入され得、中心電極を含むカテーテルの遠位端は、カテーテルのハンドル内の機構を介して、引き戻される。記載された引き戻しの結果として、編組体又は織体は拡張し得、次に、それ自体の上に反転し得、中心電極と、互いに同一平面上に配置され得る漏斗形状の外側領域の遠位向き端部上の、1つ以上の電極とを有する、漏斗形状を形成する。展開された電気アプリケータは、上述のように、単極構成又は双極構成で使用され得る。上述したように、デバイスが単極構成で使用されるとき、パルス発生器に接続された中性(例えば、接地パッドなどの接地電極又は分散電極)は、患者の身体と接触して設置され得る。
【0102】
いくつかの例では、本明細書に記載の装置は、漏斗形状が既に形成されている、圧縮構成から展開され得る。例えば、
図13A~
図13Dは、編組体又は織体1324が、既に漏斗形状に形成されているが、外側(例えば、展開)カニューレ1322内に保持される、漏斗形状を有する電気アプリケータの一例を図示する。
図13Aでは、デバイスは、例えば、デバイスの近位端から遠位に押されて、デバイスを外側カニューレから出るように延出させてもよく、及び/又は、外側カニューレは、近位に引かれて(
図13Bに示すように)、漏斗形状を外側カニューレから出るように延出させてもよく、
図13C1~
図13C2に示すように、漏斗形状に自己拡張してもよい。この外側漏斗形状の全部又は一部分は、導電性領域(例えば、電極)1330であってもよい。例えば、上述のように、遠位向き端領域は電極であってもよく、又は、環状遠位向き端領域の一部分が電極であってもよい。デバイスはまた、
図13Dに示すように、漏斗口内に中心電極1340も含み得る。
【0103】
これらの電気アプリケータ装置(例えば、デバイス)のいずれにおいても、内側展開部材は、第1の導電性領域が、遠位向き外側領域の周囲に少なくとも部分的に形成され得る、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成するように構成されてもよい。遠位向き外側領域上の導電性領域のサイズ(例えば、直径)は、治療サイズ(及び/又は、形状)が調整され得るように、調整可能であってもよい。サイズは、漏斗形状の拡張を制御することによって、制御され得る。例えば、
図13A~
図13Dでは、漏斗形状1324は、概して、
図13C1及び
図13C2に示すように、展開カニューレ1322から解放されると、自己拡張するように構成されてもよい。
図13C1では、カニューレ1322は、漏斗1324が、例えば、(
図13Bに示される)折り畳まれた直径d
1から、(
図13C1に示される)中間直径d
2へ部分的に拡張されるように、近位に(矢印1333)部分的に後退されるだけである。カニューレと、遠位向き外側領域1334を有する漏斗形状1324との相対位置は、遠位向き外側領域1334の直径、したがって、遠位向き外側領域1334の周りに形成される、第1の導電性領域1330(第1の電極)の直径及び形状を選択するように、制御され得る。第1の導電性領域1330は、遠位向き外側領域1334が拡張及び収縮するときに、拡張及び収縮するように構成されてもよい。例えば、遠位向き外側領域は、本明細書に記載のように、電気的に接続される(単一の導電性領域、例えば、電極を形成する)複数の領域から形成されてもよく、又は、可撓性であり、及び/若しくは、遠位向き外側領域の周りに、例えば、S字状又はジグザグパターンで結合される、1つ以上の導電性素子から形成されてもよく、遠位向き外側領域との拡張及び収縮を可能にする。
【0104】
カニューレ1322を更に近位に移動させることにより、漏斗形状の遠位向き外側領域が、
図13C2に示すように、最大拡張直径d
3まで更に拡張することを可能にし得る。本例では、漏斗1324の遠位向き外側領域1334の周りに形成された、第1の導電性領域1330(第1の電極)は完全に拡張される。漏斗、したがって、遠位向き外側領域及び第1の電極(導電性領域)は、カニューレを遠位に移動させることによって、より小さい直径(例えば、d
1とd
3との間及びそれらを含む、任意の直径)に折り畳み可能であるか、又は、漏斗は、カニューレを近位に後退させることによって、拡大され得るか、若しくは拡張することが可能であり得る。本例では、第2の導電性領域1340は、第1の電極(導電性領域1330)と第2の電極(第2の導電性領域1340)との間にエネルギーを印加するための、遠位向き外側領域、及び、したがって、第1の導電性領域1330によって囲まれるように構成される。これらの例のいずれにおいても、第2の導電性領域は、内側展開部材に結合され得、その結果、漏斗形状は、送達/展開部材から出るように編まれた、織られた若しくは編み組まれた領域を有する遠位端を延出させることによって、又は、送達/展開部材を近位に後退させることによって、最初に形成され得る。漏斗形状は、
図13A~
図13Bに示すように、展開カニューレ1322内に折り畳まれてもよい。
【0105】
図14は、漏斗形状1467に予め形成されているが、上述のように、展開構成に圧縮され得る、電気アプリケータデバイスの別の例を示す。本例はまた、編組体又は織体1424と、縁部1434を有する遠位向き外側領域とを含み、縁部に沿って、1つ以上の電極1430が形成又は結合され得る。漏斗形状は、外側カニューレ1422に対してデバイスが遠位に移動させられた後、自己拡張によって形成され得、代替的又は追加的に、デバイスは、編組体又は織体の遠位端を近位に引っ張ることによって展開され得る。上述したように、複数の電極は、遠位向き外側領域において編組体又は織体を形成するワイヤのうちのいくつかの絶縁されていない領域を露出させることによって、漏斗形状の遠位向き外側領域において形成され得る。各電極領域を形成する1つ以上の導電性ワイヤは、電極を形成し得、電極は、絶縁領域によって互いに分離され得る。いくつかの例では、ワイヤ又は他の電極などの複数の導電接点は、編組体又は織体上に位置決めされてもよく、各々、個々の電極を形成するために、編組体又は織体の1つ以上の導電性ワイヤに電気的に接続されてもよい。
【0106】
本明細書に記載の電極アプリケータのいずれもまた、高電圧のサブナノ秒パルスを標的組織内に送達するための、パルス発生器に結合するように構成されてもよい。具体的には、電気アプリケータ(装置、デバイス、又は、それらを含むシステム)は、パルス発生器によって印加された高電圧電力をオペレータの手から隔離し、オペレータへの偶発的損傷を防止するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、パルス発生器への接続は、ハンドルから遠位で電気アプリケータに接続される、電気ケーブルであってもよい。いくつかの変形例では、パルス発生器への電気ケーブル接続は、ハンドルに、又はハンドルの近位に接続されてもよい。いくつかの変形例では、電気アプリケータは、ハンドルを含まなくてもよい。
【0107】
本明細書に記載の装置のいずれも、導電性溶液(例えば、生理食塩水)などの流体を、電極領域に、及び、具体的には、第1の導電性領域と第2の導電性領域(又は追加の導電性領域)との間に送達するように構成されてもよい。これらの領域における生理食塩水の添加は、アーク放電を防止するのに役立ち得る。例えば、組織の比較的平坦な領域(例えば、腹腔の表面上)などの組織に対して、アプリケータデバイスを適用するとき、本明細書に記載のように、サブマイクロ秒パルスなどの電気治療の適用中に、生理食塩水などの導電性溶液が、デバイスの遠位端から塗布されてもよい。本明細書に記載の拡張可能な漏斗のいずれも、流体(例えば、生理食塩水、血液など)が漏斗領域を通過することを防止又は制限するために、コーティング又は層を含んでもよい。したがって、いくつかの例では、流体が漏斗を通して漏出することを制限又は防止するために漏斗に追加された、流体不透過性障壁を使用することにより、生理食塩水などの、既知の導電性を有する溶液の局所領域を維持し得る。例えば、これらの装置のいずれも、生理食塩水を比較的通さないようにするために、漏斗領域を形成するメッシュ又は材料上に内層を含み得る。
【0108】
例えば、ここで、内側部材1151が近位に引っ張られるときに、遠位向き漏斗1124を形成する装置を示す、
図11A及び
図11Bに戻ると、いくつかの例では、内側部材1151はまた、流体(例えば、生理食塩水など)の送達のための、1つ以上のポートも含み得る。また、漏斗形状(又は、円錐形)の遠位端は、電極(第1の電極及び第2の電極)に隣接して生理食塩水を保持するための、流体不透過性障壁を形成してもよい。
【0109】
上述したように、これらの装置のいずれも、カテーテル又はカニューレの遠位端の一部であるように構成されてもよく、及び/又は、カテーテル又はカニューレの遠位端で使用されてもよい。代替的に、これらの例のいずれにおいても、カテーテル又はカニューレに関する、本明細書に記載の特徴は、特定の例又は実施態様で使用される展開の種類に応じて、スコープ(例えば、内視鏡、腹腔鏡など)に同様に適用され得る。
【0110】
図15は、電気アプリケータデバイス102、パルス発生器107、フットスイッチ103及びユーザインターフェース104を含み得る、電気エネルギーの高電圧で高速のパルスを送達するための、(本明細書では、高電圧システム又はサブマイクロ秒発生システムとも称される)システム100の一例を図示する。フットスイッチ103は、ケーブル及びコネクタ106を通して、(電子部品を封入し得る)ハウジング105に接続されている。細長いアプリケータデバイス(例えば、カテーテル)102は、電極を含み得、ケーブル137及び高電圧コネクタ112を通して、ハウジング105、及びその中の電子部品に接続されている。高電圧システム100はまた、ハンドル110及び収納引き出し108も含み得る。システム100はまた、細長い電気アプリケータデバイス102を保持するように構成され得る、ホルダ(例えば、ホルスター、キャリアなど)(図示せず)も含み得る。システムは、電気アプリケータデバイスの単極動作のために構成され得、任意選択的に、治療が送達される患者と電気的に連通して設置される、接地パッド152又は他の中性(分散)電極を含み得る。戻り電極は、システムに差し込むことができる、任意の適切な長さのケーブル157によって、システムに結合され得る。
【0111】
場合によっては、アプリケータカテーテルは、アプリケータカテーテルの遠位端において又はその付近にある、1つ以上のカメラ及び/又は光ファイバなどの撮像を含む。カメラは、前向き及び/又は横向きであってもよい。システム100は、標的領域を識別するために、アプリケータカテーテルによって撮影された画像を、(リアルタイムで、及び/又は録画して)表示するように構成されてもよい。
【0112】
人間のオペレータは、パルス数、振幅、パルス持続時間及び周波数情報を、例えば、インターフェース104の数字キーパッド又はタッチスクリーンに、そのようなパラメータを入力することによって、選択してもよい。いくつかの実施形態では、パルス幅を変化させることができる。コントローラは、システム100内のパルス制御要素に信号を送信し得る。いくつかの実施形態では、制御信号の伝達を可能にすると同時に、サブマイクロ秒発生システム100、例えば、高電圧回路を備えた金属製キャビネットの内容物を、外部から電気的に絶縁する、光ファイバケーブルが使用される。システムを更に電気的に絶縁するために、システム100は、壁のコンセントから給電するのではなく、電池式であってもよい。
【0113】
上述したように、本明細書に記載の装置のいずれも、治療中に電極を位置決め及び/又は制御するために使用することができるロボットシステムに実装することができる。例えば、ロボットシステムは、細長いアプリケータツールが結合される、可動(ロボット)アームを含んでもよい。細長いアプリケータツールの動作先端部の複数の方向への微細な移動を可能にするために、様々なモータ及び他の移動デバイスを組み込むことができる。ロボットシステム及び/又は細長いアプリケータツールは、固定位置に装着されるか、又はロボットアーム若しくは他の制御可能な運動デバイスに(直接的又は間接的に)結合され得る、少なくとも1つの画像取得デバイス(立体視覚の場合は2つ以上が好ましい)を更に含み得る。いくつかの実施形態では、画像取得デバイスは、細長いアプリケータツール内に組み込まれてもよい。
【0114】
任意の適切なナノ秒スケールのパルスが、印加され得る。例えば、パルスプロファイルはまた、20ns未満、約20ns、約25ns、約30ns、約40ns、約50ns、約60ns、約75ns、又は75ns超であり得るパルスの、立ち上がり時間及び/又は立ち下がり時間も含み得る。いくつかの実施形態では、パルス電圧は、5kV未満、約5kV、約10kV、約15kV、約20kV、約25kV、約30kV、又は30kV超であり得る。いくつかの実施形態では、電流は、10A未満、約10A、約25A、約40A、約50A、約60A、約75A、約100A、約125A、約150A、約175A、約200A、又は200A超であり得る。いくつかの実施形態では、パルス持続時間は、10ns未満、約10ns、約15ns、約20ns、約25ns、約30ns、約40ns、約50ns、約60ns、約75ns、約100ns、約125ns、約150ns、約175ns、約200ns、約300ns、約400ns、約500ns、約750ns、約1μs、約2μs、約3μs、約4μs、約5μs、又は5μs超であり得る。本明細書に記載の装置(例えば、システム)は、器具(例えば、細長いアプリケータツール)に加えて、サブマイクロ秒範囲のパルスを放出するように構成された、
図15に概略的に示されるものなどのパルス発生器を含んでもよい。
【0115】
デバイスを使用する方法
例えば、静脈、動脈、脈管、心臓、気管、咽頭、喉頭、気管支、尿管、尿道、卵管、頸部、子宮、腸(大腸及び/又は小腸)、膵臓及び膵管、肝臓及び肝管、直腸、食道、胃、鼻腔、精嚢、気管支などの、任意の組織の壁、管腔、通路、腔又は脈管などの、解剖学的構造又は組織を治療するための、本明細書に記載のものなどのシステム及び/又はデバイスを使用するための方法及び用途を含むが、これに限定されない、装置(例えば、デバイスなど)のいずれも、患者の組織を治療するために使用され得る。本明細書に開示されるシステム、デバイス及び技法は、非熱的パルス電界(例えば、ナノ秒パルス電界など)では特に有用であるが、いくつかの実施態様では、高周波(RF)を含む(しかし、限定されない)、他の様々なエネルギー様式でも使用され得る。本開示のデバイス及びシステムは、管状の解剖学的構造において用途を見出すが、これらのデバイス、システム及び技法は、実質的に平坦なものも含む、非管状構造及び表面に治療を適用するために使用され得る。例えば、そのようなデバイスは、より小さい体腔から、より大きい腔内に導入され、次に、例えば、拡張可能部材上の電極のうちのいくつかのみを使用して、平坦な非管状表面にエネルギーを印加するように拡張されてもよい。解剖学的な腔、管、管腔、通路又は脈管は、本明細書では、体腔又は管腔と称される。いくつかの例では、体腔は、様々な血管(例えば、肺静脈)を含んでもよく、本開示のデバイス及び方法は、とりわけ、心房細動などの様々な心臓状態の治療に有用であり得る。別の非限定的な例として、本開示のデバイス及び方法は、子宮内膜症、又は声帯ひだの状態の治療のために使用され得る。治療の送達用の電極は、例えば、拡張可能構造(例えば、
図1~
図14の例に示されるもの)の表面に固定され、カテーテル又は他の展開部材から展開し、例えば、体腔の壁の一部分に適合するように構成された、1つ以上の電極アセンブリを含んでもよい。
【0116】
概して、本明細書に記載の装置は、治療されるべき標的組織に装置を展開することによって、組織を治療するために使用され得、デバイスを漏斗形状構成に変形させることと、それを標的組織において又はその付近に(例えば、治療されるべき壁に対して正面に又は円周方向に)位置決めすることと、例えば、第1の導電性領域(例えば、遠位向き漏斗の全部又は一部分の周囲)、と漏斗形状内にあり得る第2の導電性領域との間に、デバイスを通してエネルギーを印加することと、を含み得る。例えば、
図16は、標的組織を治療する方法の一例を図示する。いくつかの実施態様では、デバイスは、任意選択的に、例えば、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成するために、電気アプリケータの編組体又は織体の遠位端領域を反転させるように、電気アプリケータの内側展開部材を近位に後退させることによって、展開され得る(ステップ1601)。他の実装形態では、デバイスは、例えば、デバイスの漏斗形状構成への自己拡張を可能にすることによって、編組体又は織体の遠位端領域を反転させることなく、ステップ1601で、展開され得る。いったん展開されると、漏斗形状の遠位端領域は、標的組織に、又は標的組織の付近に設置され得る。例えば、漏斗形状内の遠位向き外側領域によって囲まれた、第2の導電性領域も標的組織に接触するように、装置の遠位向き外側領域上の第1の導電性領域は、標的組織に接して位置決めされ得る(ステップ1603)。次に、エネルギー(例えば、サブマイクロ秒範囲、例えば、ナノ秒範囲内の電気エネルギーを含むが、これに限定されない、電気エネルギー)が装置から印加され得、例えば、少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを、第1の導電性領域及び第2の導電性領域から標的組織に印加する(ステップ1605)。
【0117】
本明細書に記載の装置のいずれも、非展開構成で、肺系又はその一部内にデバイスを挿入し、次に、例えば、肺組織を治療するためにデバイスを展開することによって、肺系(例えば、肺、肺動脈など)を治療するために使用され得る。いくつかの例では、上述したように、本方法は、装置を挿入して肝組織の標的領域に接触することを含む、肝(例えば、肝臓)組織を治療することを含み得る。一般に、これらの方法は、「平坦な」組織、又は、管状構造内に限られない組織を治療するために使用され得る。
【0118】
これらの装置のいずれも、心臓病の治療に使用することができる。心臓用途のために使用されるとき、デバイスは、心臓内(例えば、心室、心房などの心臓の室内)、及び/又は、監視されている脈管及びチャネル内で使用され得る。
【0119】
本明細書に記載の装置は、子宮内膜症を治療するために使用されてもよい。例えば、医者(例えば、外科医)は、患者のへその付近に小切開を行い、細長い視認器具(腹腔鏡)を挿入して、子宮の外側の子宮内膜組織の徴候を探すことができる。したがって、本明細書に記載のデバイスは、腹腔鏡とともに動作するように、又は腹腔鏡の一部として使用するように構成されてもよい。これらの装置は、子宮内膜症の場所、範囲及びサイズについての情報、又は、子宮内膜症を治療するためのデバイスについての情報を提供することができる。本装置はまた、子宮内膜症の影響を受けた組織を含む組織を、そのような組織を優先的にアブレーションすることを含む、アブレーションするためにエネルギーを印加することによって、アブレーションするために使用され得る。いくつかの例では、本明細書に記載の織体は、剛性スコープ又は半剛性スコープ(例えば、内視鏡、腹腔鏡など)の端部(遠位端領域)に結合され得る。同様に、これらの方法及び装置は、声帯ひだ/声帯上の組織をアブレーション/除去すること、又は、声帯ひだ/声帯を修正することを含む、声帯ひだ及び声帯(例えば、声帯ポリープなど)を治療するために使用され得る。
【0120】
一般に、本明細書に記載の例及び方法は、非標的組織を傷つけるリスクを最小化又は回避しながら、短い高電界強度電気パルスを含むが、これに限定されない、治療エネルギーの印加による、被験体(例えば、ヒト又は動物の患者)の治療を含み得る。これらの例及び方法は、低侵襲性手技に使用され得、例えば、良性腫瘍、癌性腫瘍又は前癌性腫瘍、病変、及び他の種類の異常な組織増殖などの(しかし、限定されない)様々な状態、障害及び疾患の治療に特に好適であり得る。これらの例及び方法はまた、ロボットシステムなどの、様々な完全に自動化されたシステム及び部分的に自動化されたシステムとともに使用するのに、特に好適であり得る。本明細書に記載の装置は、様々な異なるエネルギー発生システムとともに使用されることができる装置(例えば、カテーテル装置、カニューレ又はスコープ系装置、他の低侵襲性デバイス及び制御システムなど)として構成されてもよい。治療され得る癌の例としては、肺癌、腎癌(例えば、腎臓癌)、膵癌(例えば、膵臓癌)、大腸癌(例えば、結腸癌)、乳癌、前立腺癌などが挙げられるが、これらに限定されない。本開示のデバイス及び方法を用いて治療され得る腫瘍の例としては、良性前立腺肥大(Benign Prostatic Hyperplasia、BPH)、子宮筋腫、及びバレット食道に関連する組織が挙げられる。これらの方法及び装置のいずれも、代替的又は追加的に、切開部を通して装置を皮膚に挿入するために、経皮的に使用することができる。
【0121】
概して、本明細書に記載の装置は、管腔に、又はそれを通して(例えば、管腔内的に)治療を適用するために使用されてもよい。例えば、前立腺腫瘍(例えば、癌)は、電気アプリケータ(例えば、遠位向き環状電気活性領域を有する拡張可能な漏斗)を有するデバイス(例えば、可撓性カテーテル)を患者の尿道を通して経尿道的に前進させることによって、治療され得る。代替的に、上述したように、装置は、切開を通して体内に挿入され、治療されるべき組織に経皮的に適用されてもよい。経尿道送達は、端部に遠位向き環状電気活性領域(又は、単に周辺電極で裏打ちされた拡張可能なもの)を有する、拡張可能な漏斗を含むように構成されるか、又は、陰茎を通して挿入されたカテーテルの端部から、尿道を通して前立腺内に延出するように構成された、治療デバイスの挿入を含み得、具体的には、パルスサブマイクロ秒(例えば、ナノ秒)エネルギーを含むエネルギーが、腫瘍組織に印加され得る。
【0122】
概して、本開示の装置は、電源、及び/又は、細長いアプリケータツールデバイスを高電圧電源に安全に接続するための高電圧コネクタなどの追加の要素を備え得る。上述のように、これらのシステム及びデバイスは、高電圧のサブマイクロ秒パルス電気エネルギーを印加するように構成される。
【0123】
本明細書に記載の電気アプリケータは、任意の適切な長さ(例えば、約4インチ~約200インチ、約4インチ~約100インチ、約4インチ~30インチ長、約6インチ~50インチ長、約6インチ~25インチ長、約7インチ~24インチ長など)であってもよく、非展開状態及び/又は展開状態において、任意の適切な外径を有してもよい。
【0124】
本開示の方法の実施形態は、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアを使用して実装することができる。本開示を実装するには、様々なプログラミング言語及びオペレーティングシステムを使用することができる。本方法及びシステムを実行するプログラムは、所望の動作を実行するための命令のセットを含む別個のプログラムコードを含み得るか、又は動作のこのようなサブ動作を実行する複数のモジュールを含み得るか、若しくは動作を提供する、より大きなプログラムの単一モジュールの一部であり得る。モジュール構造により、内部のモジュール及び/又はモジュール内の特徴の追加、削除、更新、及び/又は修正が容易になる。
【0125】
いくつかの実施形態では、ユーザは、この用途の特定の方法又は実施形態を選択することができ、プロセッサは、選択された方法に関連するプログラム又はアルゴリズムを実行する。特定の実施形態では、様々なタイプの位置センサを使用することができる。例えば、特定の実施形態では、電圧レベル又は極性をエンコーダ信号フィードバックの関数として調整して、所望の角度、速度、又は力を達成することができる非光学式エンコーダを使用することができる。
【0126】
特定の実施形態は、様々なコンピュータによる実装動作を実行するためのプログラム命令及び/又はデータ(データ構造を含む)を含む、機械可読媒体(例えば、コンピュータ可読媒体)又はコンピュータプログラム製品に関係してもよい。機械可読媒体を使用して、システムに本開示の方法を実行させるソフトウェア及びデータを格納することができる。上述の機械可読媒体は、処理デバイス、例えば、コンピュータによってアクセス可能な形態で、情報を格納及び送信することができる任意の好適な媒体を含み得る。機械可読媒体のいくつかの例には、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなどの磁気ディスク記憶装置が含まれるが、これらに限定されない。これはまた、フラッシュメモリデバイス、光記憶装置、ランダムアクセスメモリなどを含み得る。データ及びプログラム命令はまた、搬送波又は他の搬送媒体上に具現化され得る。プログラム命令の例には、コンパイラによって生成されるような機械語、及び解釈プログラムを使用して実施され得る高レベルのコードを含むファイルの両方が含まれる。
【0127】
本明細書に記載の方法(ユーザインターフェースを含む)のいずれも、ソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアとして実装されてもよく、プロセッサによって実施されたとき、プロセッサに、表示することと、ユーザと通信することと、分析することと、パラメータ(タイミング、頻度、強度などを含む)を変更することと、決定することと、警告することと、などを含むが、これらに限定されないステップのいずれかの実行を実行又は制御させる、プロセッサ(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなど)によって実施することができる命令のセットを格納した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として記載されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、ハードウェアをソフトウェア命令と組み合わせて使用して、本開示を実装することができる。
【0128】
特徴又は要素が、本明細書で別の特徴又は要素「上にある」と言及される場合、それは他の特徴又は要素上に直接存在することができ、又は介在する特徴及び/又は要素も存在し得る。対照的に、機能又は要素が、別の機能又は要素に「直接存在する」と言及される場合、介在する機能又は要素は存在しない。特徴又は要素が、別の特徴又は要素に「装着されている」、「接続されている」、「取り付けられている」又は「結合されている」と言及される場合、それは他の特徴又は要素に直接装着、接続、取り付け、若しくは結合され得るか、又は介在する機能又は要素が存在する場合がある。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「直接装着されている」、「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、又は「直接結合されている」と言及される場合、介在する特徴又は要素は存在しない。一実施形態に関して説明又は示されているが、そのように説明又は示されている特徴及び要素は、他の実施形態に適用することができる。別の特徴に「隣接して」配設された構造又は特徴への言及は、隣接する特徴と重複するか、又はその下にある部分を有し得ることも当業者には理解されるであろう。
【0129】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形の「ある(a)」、「ある(an)」及び「その(the)」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連するリストされたアイテムの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0130】
「下(under)」、「下(below)」、「下方(lower)」、「上(over)」、「上方(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、説明を容易にするために、図に示されるように、ある要素又は特徴の、別の要素又は特徴との関係を説明するために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる方向を包含することを意図していることが理解されよう。例えば、図のデバイスが反転している場合、他の要素又は特徴の「下(under)」又は「下(beneath)」として記述されている要素は、他の要素又は特徴の「上(over)」に向けられる。したがって、「下(under)」という例示的な用語は、上と下の両方の方向を包含することができる。デバイスは、他の方法で方向付けられ(90度又は他の方向に回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈され得る。同様に、「上向き(upwardly)」、「下向き(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」などの用語は、特に明記されていない限り、説明の目的でのみ本明細書で使用される。
【0131】
「第1の」及び「第2の」という用語は、本明細書では様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用され得るが、文脈が別段の指示をしない限り、これらの特徴/要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用される場合がある。したがって、以下で論じる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ぶことができ、同様に、以下で論じる第2の特徴/要素は、本装置及び方法の教示から逸脱することなく、第1の特徴/要素と呼ぶことができる。
【0132】
「含む」及び/又は「含むこと」という用語は、本明細書(特許請求の範囲を含む)で使用するとき、記載された特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。文脈上他に要求されない限り、「含む」、並びに「含む」及び「含むこと」などの変形は、様々な構成要素を方法及び物品(例えば、デバイス及び方法を含む組成物及び装置)で共同で使用できることを意味する。例えば、「備える(comprising)」という用語は、述べられた要素又はステップを含むことを意味するが、他の要素又はステップを除外することを意味しないと理解されるであろう。
【0133】
本明細書に記載の装置及び方法のいずれも、構成要素及び/又はステップの全て又はサブセットを含み得、これらの構成要素又はステップは、非排他的(例えば、追加の構成要素及び/又はステップを含み得る)であるか、又はいくつか変形例では、排他的のいずれかであり得、したがって、様々な構成要素、ステップ、補助構成要素、又は補助ステップ「からなる」、又は代替的にそれら「から本質的になる」として表現され得る。
【0134】
本明細書の明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、実施例で使用される場合を含み、特に明記されていない限り、全ての数は、その用語が明示的に表示されない場合でも、「約」又は「おおよそ」という単語が前に付いているかのように読むことができる。「約」又は「おおよそ」という言い回しは、大きさ及び/又は位置を説明するときに、説明される値及び/又は位置が、値及び/又は位置の合理的な予想範囲内にあることを示すために使用され得る。例えば、数値は、記載された値(又は値の範囲)の+/-0.1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-1%、記載された値(又は値の範囲)の+/-2%、記載された値(又は値の範囲)の+/-5%、記載された値(又は値の範囲)の+/-10%などの値を有することができる。また、本明細書に記載されている数値は、文脈上他を意味しない限り、約その値、又はおよそその値を含むと理解されるものとする。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書に列挙されている任意の数値範囲は、そこに含まれる全てのサブ範囲を含むことを意図している。様々な例示的な実施形態が上述されているが、特許請求の範囲によって記載されているように、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態にいくつかの変更を加えることができる。例えば、記載された様々な方法のステップが実行される順序は、代替の実施形態ではしばしば変更され得、他の代替の実施形態では、1つ以上の方法のステップは完全にスキップされ得る。様々なデバイス及びシステムの実施形態のオプションの特徴は、いくつかの実施形態に含まれ得、他の実施形態には含まれ得ない。したがって、前述の説明は、主に、例示的な目的で提供されており、特許請求の範囲に記載される装置及び方法の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0135】
本明細書では、単に便宜のために、本出願の範囲を任意の単一の発明又は発明の概念に自発的に限定することを意図せずに、実際に2つ以上の発明が開示される場合には、様々な実施形態を個別に又は集合的に「発明」という用語によって参照することができる。したがって、特定の実施形態が本明細書で例示及び説明されてきたが、同じ目的を達成するように計算された任意の構成を、示された特定の実施形態の代わりに用いることができる。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆる適応又は変形を網羅することを意図している。上記の実施形態、及び本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態の組み合わせは、上記の説明を検討すると当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気アプリケータデバイスであって、前記デバイスは、
遠位端及び近位端を有する、編組体又は織体と、
前記編組体又は前記織体内に延在し、前記編組体又は前記織体の遠位取付部位に結合された、内側展開部材であって、前記編組体又は前記織体の遠位端領域を反転させて、遠位向き外側領域を有する漏斗形状を形成ように移動可能であるように構成された、内側展開部材と、
反転された前記漏斗形状の前記遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の電極と、
アブレーションすべき組織に接触するように構成され、前記編組体又は前記織体が反転されるときに、前記漏斗形状の開口部内に少なくとも部分的に位置決めされる、第2の電極と、を含む、電気アプリケータデバイス。
【請求項2】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、両方とも、前記編組体又は前記織体が反転されるときに、アブレーションすべき前記組織と接触して位置決めされるように構成された、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記電気アプリケータデバイスが、双極電気アプリケータとして構成された、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記漏斗形状から近位に延在する、細長い近位本体を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記細長い近位本体の近位端領域に、前記第1の電極及び前記第2の電極と電気的に連通する、1つ以上の電気コネクタを更に含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記編組体又は前記織体が、導電性ワイヤを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の電極が、前記導電性ワイヤの絶縁されていない部分から形成された、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記遠位向き外側領域より近位にある前記編組体又は前記織体の一部分が、電気的に絶縁されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2の電極が、前記編組体又は前記織体の前記遠位取付部位より遠位にある、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第2の電極が、固体材料又は固体を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2の電極が、前記編組体又は前記織体の材料と同様の又は異なる、編組材料又は織材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2の電極が、前記内側展開部材又は別個の内側展開部材が近位に後退されたときに、半径方向に拡張し、及び/又は長手方向に平らになるように構成された、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第2の電極が、前記編組体又は前記織体が前記漏斗形状に拡張するときに、半径方向に拡張するように構成された、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第2の電極から近位に前記編組体又は前記織体内に延在し、前記漏斗形状の前記遠位向き外側領域に対する、前記第2の電極の長手方向位置の調整を可能にするように構成された、位置決め部材を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記遠位向き外側領域上に形成された、第3以上の電極を更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一方又は両方のサイズ、外径及び/又は形状が調整可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスが、ポイントごとのアブレーションのために構成された、請求項1~16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記編組体又は前記織体が、ステンレス鋼又はニッケルチタン材料を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、展開されたときに同一平面上にある、請求項1~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記漏斗形状より近位にあり、前記漏斗形状を操縦するために曲げられるように構成された、曲げ領域を更に含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記デバイスが、前記組織からの電気信号を検出して、領域をアブレーションするか、又は更にアブレーションするか判定するように更に構成された、請求項1~20のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記内側展開部材が、前記編組体又は前記織体の前記遠位端領域が反転することを防止するために、解放可能止め具に係合するように構成された、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記第2の電極が、内側展開部材において又はその上に位置決めされた、請求項1~22のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項24】
第2の漏斗形状を形成する、又は形成するように構成された、前記編組体又は前記織体の第2の領域を含み、前記第2の漏斗形状は、第2の遠位向き外側領域を有し、前記第2の電極は、前記第2の漏斗形状の前記第2の遠位向き外側領域上にある、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記漏斗形状又は前記第2の漏斗形状のうちの一方が、他方を同心円状に囲むように構成された、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記デバイスが、前記漏斗形状と前記第2の漏斗形状との間で、前記組織を円周方向にアブレーションするように構成された、請求項24又は25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記内側展開部材が、前記編組体又は前記織体を反転させて、前記漏斗形状及び前記第2の漏斗形状のうちの少なくとも一方、又は、前記漏斗形状及び前記第2の漏斗形状の両方を形成するために、近位に後退されるように構成された、請求項24~26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記遠位向き外側領域及び前記第2の遠位向き外側領域によって囲まれた、第3の電極を更に含む、請求項24~27のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記編組体又は前記織体の第1の領域と、前記編組体又は前記織体の前記第2の領域との間の前記編組体又は前記織体上に、ネック部材を更に含む、請求項24~28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記編組体又は前記織体の前記第1の領域が、前記編組体又は前記織体の前記第2の領域と連続している、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記第1の電極及び前記第2の電極が同一平面上にない、請求項1~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、電気的に結合されている、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項33】
電気アプリケータデバイスであって、前記デバイスは、
遠位に延在する管腔を有する、編組体又は織体と、
前記編組体又は前記織体内に延在し、前記編組体又は前記織体の遠位端に結合された、内側展開部材であって、前記内側展開部材は、前記編組体又は前記織体の遠位端領域を、前記編組体又は前記織体の前記管腔内に反転させて、第1の遠位向き外側領域を有する第1の漏斗形状を形成するために、近位に後退されるように構成され、前記編組体又は前記織体の第2の領域は、前記編組体又は前記織体の前記管腔内に反転して、前記第1の漏斗形状を同心円状に囲み、第2の遠位向き外側領域を含む、第2の漏斗形状を形成するように構成された、内側展開部材と、
前記第1の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第1の電極と、
前記第2の遠位向き外側領域の周りに少なくとも部分的に形成された、第2の電極と、
前記編組体又は前記織体の前記遠位端より遠位にある、第3の電極と、を含み、前記第3の電極は、前記第2の漏斗形状の開口部内に少なくとも部分的に位置決めされた、電気アプリケータデバイス。
【請求項34】
システムであって、
請求項1~33のいずれか一項に記載の電気アプリケータと、
少なくとも0.1kVの振幅及び1000ナノ秒未満の持続時間を有する複数の電気パルスを発生させるように構成された、パルス発生器と、を備え、前記電気アプリケータは、前記パルス発生器に電気的に結合するように構成された、システム。
【国際調査報告】