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特表2023-550060OLED画素蒸着のための蒸着用マスク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】OLED画素蒸着のための蒸着用マスク
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
C23C14/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528521
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 KR2021015068
(87)【国際公開番号】W WO2022108152
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0156462
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ウヨン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジフン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヘシク
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029BA62
4K029BC07
4K029BD01
4K029CA01
4K029HA01
4K029HA02
4K029HA03
(57)【要約】
実施例に係る蒸着用マスクは、鉄-ニッケル合金を含み、第1面及び前記第1面と反対となる第2面を含む金属板を含み、前記金属板は、前記金属板の第1面上の小面孔及び前記第2面上の大面孔を含む貫通孔を含み、前記第1面の圧縮応力は、前記第2面の圧縮応力よりも大きく、前記第2面の引張応力は、前記第1面の引張応力よりも大きく、前記金属板は、前記第2面方向に反り、前記第1面の最高点と最低点との高さ差は3μm以下である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄-ニッケル合金を含み、第1面及び前記第1面と反対となる第2面を含む金属板を含み、
前記金属板は、
前記金属板の第1面上の小面孔及び前記第2面上の大面孔を含む貫通孔を含み、
前記第1面の圧縮応力は、前記第2面の圧縮応力よりも大きく、
前記第2面の引張応力は、前記第1面の引張応力よりも大きく、
前記金属板の終端は、前記第2面方向に反り、
前記第1面の最高点と最低点との高さ差は、3μm以下である、蒸着用マスク。
【請求項2】
前記金属板の中央領域の圧縮応力は、前記金属板の外郭領域の圧縮応力よりも大きく、
前記外郭領域の引張応力は、前記中央領域の引張応力よりも大きい、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項3】
前記第1面の算術平均粗さは、前記第2面の算術平均粗さよりも大きい、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項4】
前記第1面の10点平均粗さは、前記第2面の10点平均粗さよりも大きい、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項5】
前記金属板は、前記金属板の中央領域から外郭領域に延びて曲率が増加する、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項6】
前記金属板は、蒸着領域及び前記蒸着領域の外側に配置される非蒸着領域を含み、
前記小面孔及び前記大面孔は、前記蒸着領域に配置され、
前記蒸着領域から前記非蒸着領域に延びて曲率が増加する、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項7】
前記第1面における長手方向の算術平均粗さと幅方向の算術平均粗さとの差は、前記第2面における長手方向の算術平均粗さと幅方向の算術平均粗さとの差よりも小さい、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項8】
前記第1面における長手方向の10点平均粗さと幅方向の10点平均粗さとの差は、前記第2面における長手方向の10点平均粗さと幅方向の10点平均粗さとの差よりも小さい、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項9】
前記第1面の前記金属板の長手方向の算術平均粗さ(Ra)は0.05μm~0.5μmであり、幅方向の算術平均粗さ(Ra)は0.05μm~0.5μmであり、
前記第2面の前記金属板の長手方向の算術平均粗さ(Ra)は0.05μm~0.2μmであり、幅方向の算術平均粗さ(Ra)は0.1μm~0.5μmであり、
前記第1面の前記金属板の長手方向の10点平均粗さ(Rz)は1.0μm~3.0μmであり、幅方向の10点平均粗さ(Rz)は1.0μm~3.0μmであり、
前記第2面の前記金属板の長手方向の10点平均粗さ(Rz)は0.2μm~1.0μmであり、幅方向の算術平均粗さ(Ra)は1.0μm~3.0μmである、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項10】
前記大面孔は、蒸着物質が流入する領域であり、前記小面孔は、前記大面孔から流入した蒸着物質が通過される領域である、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、OLED画素蒸着のための蒸着用マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、多様なデバイスに適用されて使用されている。例えば、表示装置は、スマートフォン、タブレットPCなどの小型デバイスだけでなく、テレビ、モニタ、パブリックディスプレイPD(Public Display)などの大型デバイスに適用されて利用されている。特に、最近は500PPI(Pixel Per Inch)以上の超高解像度UHD(Ultra High Definition)に対する需要が増加しており、高解像度表示装置が小型デバイス及び大型デバイスに適用されている。これにより、低電力及び高解像度を実現するための技術に対する関心が高まっている。
【0003】
一般に使用される表示装置は、駆動方法によって大きくLCD(Liquid Crystal Display)及びOLED(Organic Light Emitting Diode)などに区分され得る。
【0004】
LCDは、液晶(Liquid Crystal)を用いて駆動される表示装置であって、前記液晶の下部には、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)またはLED(Light Emitting Diode)などを含む光源が配置される構造を有し、前記光源上に配置される前記液晶を用いて前記光源から放出される光の量を調節して駆動される表示装置である。
【0005】
また、OLEDは、有機物質を用いて駆動される表示装置であって、別の光源を必要とせず、有機物自体が光源の役割を果たして低電力で駆動され得る。また、OLEDは、無限の明暗比を表現することができ、LCDよりも約1000倍以上の速い応答速度を有し、視野角に優れてLCDを代替できる表示装置として注目されている。
【0006】
特に、OLEDにおいて発光層に含まれた前記有機物は、ファインメタルマスクFMM(Fine Metal Mask)と呼ばれる蒸着用マスクにより基板上に蒸着され得、蒸着された前記有機物は、前記蒸着用マスクに形成されたパターンと対応するパターンで形成されて、画素の役割を果たすことができる。前記蒸着用マスクは、一般に鉄(Fe)及びニッケル(Ni)を含むインバー(Invar)合金金属板で製造される。このとき、前記金属板の一面及び他面には、前記一面及び前記他面を貫通する貫通孔が形成され、前記貫通孔は、画素パターンと対応する位置に形成され得る。これにより、赤色(Red)、緑色(Green)、青色(Blue)などの有機物は、前記金属板の貫通孔を通過して基板上に蒸着され得、基板上には、画素パターンが形成され得る。
【0007】
一方、蒸着用マスクに用いられるインバー合金金属板は、金属板の厚さ及び表面を改質するために圧延工程を経た後、金属板に貫通孔を形成することができる。
【0008】
このとき、金属板に圧延工程を行う場合、金属板内部の応力分布がランダムに変化しながら反ることによって、金属板の表面に表面波形(waviness)が形成され得る。これにより、金属板の短軸方向の長さが領域ごとに変化し、長軸方向の長さも変化して金属板の直進性が低減することがある。
【0009】
したがって、ウェーブネスが発生した蒸着用マスクを用いて蒸着対象物に蒸着する時、貫通孔が望む位置から外れるか、蒸着対象物の蒸着領域に有機物質の厚さが薄く蒸着されて汚れとして作用するという問題点がある。
【0010】
したがって、前記金属板の圧延工程による金属板の反り及びこれによる表面波形を制御できる新しい蒸着用マスク が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
実施例は、反りを制御することができ、向上した蒸着効率を有する蒸着用マスクを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施例に係る蒸着用マスクは、鉄-ニッケル合金を含み、第1面及び前記第1面と反対となる第2面を含む金属板を含み、前記金属板は、前記金属板の第1面上の小面孔及び前記第2面上の大面孔を含む貫通孔を含み、前記第1面の圧縮応力は、前記第2面の圧縮応力よりも大きく、前記第2面の引張応力は、前記第1面の引張応力よりも大きく、前記金属板は、前記第2面方向に反り、前記第1面の最高点と最低点との高さ差は、3μm以下である。
【発明の効果】
【0013】
実施例に係る蒸着用マスクは、蒸着用マスクの内部の残留応力を制御することができる。詳細には、実施例に係る蒸着用マスクは、蒸着用マスクの内部に残留する圧縮応力及び引張応力の分布及び大きさを制御することができる。
【0014】
これにより、実施例による蒸着用マスクは、前記蒸着用マスクの反りを制御することができる。即ち、実施例に係る蒸着用マスクは、前記蒸着用マスクの反り方向、反り位置、及び反りの程度を制御することができる。
【0015】
これにより、蒸着用マスクの蒸着領域は、曲率がゼロに近いように平らに維持し、非蒸着領域は、蒸着領域よりも曲率が大きくなるように反るように維持することができる。
【0016】
したがって、前記蒸着用マスクと前記蒸着基板とを接触させる時、前記蒸着用マスクの蒸着領域と前記蒸着基板が浮き上がることを最小限に抑えることができる。
【0017】
これにより、実施例に係る蒸着用マスクは、前記蒸着用マスクと前記蒸着基板とのギャップを最小限に抑えて、これによる蒸着厚さの不均一を最小化して蒸着効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例に係る蒸着用マスクが適用された有機物蒸着装置を示す断面図である。
図2】蒸着用マスクの金属板の前処理工程後の蒸着基板との接触関係を説明するための断面図である。
図3】蒸着用マスクの表面波形を説明するための平面図である。
図4】実施例に係る蒸着用マスクの金属板の前処理工程を説明するための図である。
図5】実施例に係る蒸着用マスクの金属板の前処理工程後の形状を説明するための図である。
図6】実施例に係る蒸着用マスクの金属板の前処理工程後の第1面(図6)及び第2面(図7)の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。
図7】実施例に係る蒸着用マスクの金属板の前処理工程後の第1面(図6)及び第2面(図7)の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す図である。
図8】実施例に係る蒸着用マスクの平面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。但し、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間のその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使用することができる。また、本発明の実施例で使用される用語(技術及び科学的用語を含む)は、明らかに特別に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者に一般的に理解される意味として解釈することができ、事前に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮して、その意味を解釈できるであろう。
【0020】
また、本発明の実施例で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形は、フレーズで特に言及しない限り、複数形も含むことができ、「A及び(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」に記載される場合、A、B、Cに結合できるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0021】
また、本発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0022】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合のみならず、その構成要素とその他の構成要素との間にある別の構成要素によって「接続」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0023】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されることが記載される場合には、上(うえ)または下(した)は、二つの構成要素が互いに直接接触される場合のみならず、一つ以上の別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。
【0024】
また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの構成要素を基準に上方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0025】
以下、図面を参照して、実施例に係る蒸着用マスクを説明する。
【0026】
図1は、実施例に係る蒸着用マスク100が適用される有機物蒸着装置を示す図である。
【0027】
図1を参照すると、前記有機物蒸着装置1000は、蒸着用マスク1100、マスクフレーム1200、蒸着基板1300、有機物蒸着容器1400、及び真空チャンバ1500を含むことができる。
【0028】
前記蒸着用マスク1100、前記マスクフレーム1200、前記蒸着基板1300、及び前記有機物蒸着容器1400は、前記真空チャンバ1500内に収容され得る。これにより、前記蒸着用マスク1100を介した蒸着工程は、真空雰囲気で行われることがある。
【0029】
前記蒸着基板1300は、表示装置の製造に使用される基板であり得る。例えば、前記蒸着基板1300は、OLED画素パターン用の有機物を蒸着するための基板であり得る。前記蒸着基板1300上には、光の3原色である画素を形成するために、赤色(Red)、緑色(Greed)、及び青色(Blue)の有機物パターンが形成され得る。即ち、前記蒸着基板1300上には、RGBパターンが形成され得る。
【0030】
前記蒸着用マスク1100は、前記蒸着基板1300の一面上に配置され得る。詳細には、前記蒸着用マスク1100は、前記蒸着基板1300の両面のうち、有機物質が蒸着される蒸着面上に配置され、マスクフレーム1200によって固定され得る。
【0031】
これにより、前記蒸着用マスク1100に形成された貫通孔THを介して有機物質が通過されて、前記蒸着基板1300の蒸着面にRGBパターンを形成する有機物質が蒸着され得る。
【0032】
前記有機物蒸着容器1400は、るつぼであり得る。前記るつぼの内部には、有機物質が配置され得る。前記真空チャンバ1500内で前記有機物蒸着容器1400であるるつぼに熱源及び/または電流が供給されることにより、前記有機物質は、前記蒸着用マスク1100を通過して前記蒸着基板1300の蒸着面上に蒸着され得る。
【0033】
図2及び図3は、前記蒸着用マスク1100と前記蒸着基板1300との配置関係を説明するための図である。
【0034】
図2を参照すると、前記蒸着用マスク1100は、前記蒸着基板1300の蒸着面上に配置され、前記蒸着用マスク1100は、前記蒸着基板1300の蒸着面と接触して配置され得る。
【0035】
前記蒸着用マスク1100は、鉄及びニッケルを含む金属板100に複数の貫通孔THを形成して形成され得る。詳細には、前記蒸着用マスク1100は、鉄及びニッケルを含むインバー合金を含む金属板100にエッチング工程を通じて形成される複数の貫通孔THを形成して形成され得る。
【0036】
詳細には、前記金属板100は、互いに反対となる第1面101及び第2面102を含むことができる。前記金属板100の第1面101には小面孔V1が形成され、前記金属板100の前記第2面102には大面孔V2が形成され得る。
【0037】
前記大面孔V2は、前記有機物蒸着容器1400と対向して配置され、これにより前記有機物蒸着容器1400の蒸着物質が流入する領域であり、前記小面孔V1は、前記大面孔V2から流入した蒸着物質が通過する領域であり得る。
【0038】
前記小面孔V1及び前記大面孔V2は、前記金属板100を部分的に貫通して形成され得る。例えば、前記小面孔V1の深さは、前記大面孔V2の深さよりも小さくてもよい。また、前記小面孔V1及び前記大面孔V2は、前記金属板100の厚さ方向に互いに重なる位置に配置され、互いに連通して形成され得る。
【0039】
これにより、前記金属板100には、前記小面孔V1及び前記大面孔V2が連通して形成される複数の貫通孔THが形成され得る。
【0040】
前記蒸着用マスク1100は、前記蒸着用マスク1100の小面孔V1が前記蒸着基板1300の蒸着面と接触するように配置され得る。
【0041】
前記金属板100は、前記貫通孔THを形成する前に、前記金属板100の厚さの減少及び表面処理のための前処理工程が行われることがある。これにより、前記金属板100は、前処理工程により金属板の内部に残留する応力、即ち引張応力及び圧縮応力の分布がランダムに変化し、このような応力分布により金属板が反って、金属板の表面には前処理工程 によって形成される表面波形が形成され得る。
【0042】
従来、前記金属板100を2つのローラ間に挿入する圧延工程を通じて、前記金属板の厚さを一定の厚さに減少させ、金属板の第1面及び第2面の表面粗さを変化させた。しかし、このような圧延工程は、一方向に行われるので、金属板の第1面及び第2面方向に印加される圧力によって前記金属板の内部の応力分布が不規則に変化し、このような不規則な残留応力分布によって金属板が不規則な方向に反って、金属板の表面には表面波形が形成された。
【0043】
このような表面波形により、前記金属板の長幅及び短幅のサイズが変化し得る。例えば、図3を参照すると、前記表面波形によって金属板の短幅W1または長幅W2のサイズが金属板の領域ごとにランダムに変化し得る。即ち、前記表面波形によって前記金属板の幅方向のサイズ及び前記金属板の長手方向のサイズが金属板の領域ごとにランダムに変化し得る。即ち、前記表面波形によって前記金属板の幅方向のサイズと定義される短幅W1及び前記金属板の長手方向のサイズと定義される長幅W2のサイズが金属板の領域ごとにランダムに変化し得る。
【0044】
これにより、前記蒸着用マスク1100に形成される表面波形(waviness)によって前記蒸着用マスク1100と前記蒸着基板1300とを接触させる時、図2に示すように前記蒸着用マスク1100と前記蒸着基板1300との接触面は完全に接触せず、前記表面波形(waviness)によって一部の領域に互いに接触しないギャップgが形成されて接触し得る。このようなギャップgの分布及びサイズは、前記表面波形が大きくなるほど大きくなることがある。
【0045】
これにより、前記蒸着用マスク1100に形成された第1貫通孔THが前記蒸着基板1300で蒸着しようとする蒸着領域とずれて配置されることがあり、これにより蒸着工程後の蒸着効率が低下することがある。また、金属板の蒸着領域を通る有機物質の厚さが領域ごとに異なるため、蒸着基板に蒸着される有機物パターンの厚さが不均一になるという問題があった。
【0046】
したがって、以下では、上記のような問題を解決できる蒸着用マスクについて説明する。
【0047】
図4及び図5は、実施例に係る蒸着用マスクの金属板の前処理及び前処理後の金属板内部の応力分布を説明するための図である。
【0048】
図4を参照すると、前記金属板100は、貫通孔THを形成する前に前処理が行われることがある。このような前処理は、蒸着用マスクを製造するために金属板の厚さを減少させ、金属板の表面粗さを増加させる工程であり得る。
【0049】
実施に係る蒸着用マスクは、前記金属板100の第1面101または第2面102をエッチングすることにより、前記金属板100の厚さを蒸着用マスクに適用できる厚さに減少させることができる。
【0050】
例えば、前記蒸着用マスクは、前記金属板の第2面102をエッチングして前記金属板100の厚さを30μm以下の厚さに形成することができる。これにより、前記金属板100の前記第1面101は、前記金属板の原素材であるインバー合金面がそのまま維持されることがあり、前記第2面102は、エッチングによってエッチング面となることがある。
【0051】
図4を参照すると、実施例による蒸着用マスクの金属板100は、前処理工程後にも応力分布が均一に維持されることが分かる。
【0052】
図4(a)は、金属板の前処理工程前の金属板の内部応力分布を示す断面図であり、図4(b)は、金属板の前処理工程後の金属板の内部応力分布を示す断面図である。
【0053】
図4(a)を参照すると、前記金属板100を前処理する前には、前記金属板100の内部は、前記金属板の第1面101と前記第2面102方向で互いに対称となる圧縮応力CS及び引張応力TSを有するので、前記金属板100は、反ることなく平らな状態に維持され得る。
【0054】
即ち、前記金属板100の内部に残留する圧縮応力CS及び引張応力TSが、前記金属板100の第1面方向及び第2面方向の内部で互いに対称となる量で残留するので、前記金属板100は、圧縮応力CS及び引張応力TSによって一方向に反るか、別の表面波形が生じることなく平らな状態を維持することができる。
【0055】
次に、図4(b)を参照すると、前記金属板100を前処理する工程が行われることがある。詳細には、前記金属板100の第1面101または第2面102をエッチングする工程が行われることがある。
【0056】
例えば、前記金属板100を前記第2面102から前記第1面101方向にエッチングして前記金属板100の厚さを減少させることができる。詳細には、前記金属板100の全厚さに対して10%~50%の厚さをエッチングして除去することによって、前記蒸着用マスクに適用される前記金属板100を製造することができる。
【0057】
前記金属板100の全厚に対して10%未満の厚さにエッチングするか、または前記金属板100の全厚に対して50%超の厚さにエッチングする場合、エッチング後に前記金属板の第1面及び第2面方向に残留する応力差が大きくないので、前記金属板を所望の方向に反るようにすることはできない。
【0058】
前記金属板100を前記第2面102から前記第1面101方向にエッチングする場合、前記第2面102から前記第1面101方向に残留していた圧縮応力CS及び引張応力TSは除去され得る。
【0059】
しかし、前記第1面101から前記第2面102方向には別の力が作用しないので、前記第1面101から前記第2面102方向に残留していた圧縮応力CS及び引張応力TSは、前記金属板100を前処理する前の引張応力及び圧縮応力の分布でそのまま維持され得る。
【0060】
これにより、前記金属板100を前処理した後、前記金属板の応力分布は、前記金属板100を前処理する前と比較して変化し得る。詳細には、前記金属板100を前処理した後には、前記金属板の前記第1面101の圧縮応力は、前記第2面の圧縮応力よりも大きくてもよく、前記第2面102の引張応力は、前記第1面の引張応力よりも大きくてもよい。
【0061】
また、前記金属板100を前処理した後には、前記金属板の中央領域CAの圧縮応力は、前記金属板の外郭領域OAの圧縮応力よりも大きく、前記外郭領域OAの引張応力は、前記中央領域CAの引張応力よりも大きくてもよい。
【0062】
これにより、前記金属板100は、前記第1面101から前記第2面102方向に圧縮される性質を有し、前記金属板の中央領域から前記外郭領域に引張る性質を有するようになることがある。
【0063】
これにより、図5を参照すると、前記金属板100は、前記第1面101、前記第2面102、前記中央領域CA、前記外郭領域OAの圧縮応力及び引張応力の分布に応じて、前記第2面102方向に反ることがある。詳細には、前記金属板100の両終端は、前記第2面102方向に反ることがある。即ち、前記金属板100は、前記中央領域から前記外郭領域に向かって徐々に曲率が大きくなるように反ることがある。詳細には、前記金属板100は、前記中央領域CAは平らであり、前記外郭領域OAは反る形状に変化し得る。
【0064】
これにより、前記蒸着用マスク1100で蒸着領域が配置される中央領域は、曲率が0に近いように平らに維持し、蒸着領域が配置されない外郭領域は、反るように維持することによって、前記蒸着用マスク1100と前記蒸着基板1300とを接触させる時、蒸着領域における表面波形によるギャップを最小限に抑えることができる。
【0065】
一方、前記金属板100が一方向に反ることにより、前記金属板の第1面101は、最高点HPと最低点LPとを有することができる。即ち、前記金属板の第1面101は、前記金属板100の中央領域CAで最高点HPを有することができ、前記外郭領域OAで最低点LPを有することができる。
【0066】
このとき、前記最高点HPと前記最低点LPの高さ差hは、約3μm以下であり得る。前記最高点HPと前記最低点LPの高さ差hが3μmを超える場合、前記金属板の前記第1面101の中央領域で曲率が大きくなり、これにより、前記蒸着用マスク1100と前記蒸着基板1300とを接触させる時、前記金属板の中央領域に配置される金属板の蒸着領域が前記蒸着基板1300と接触しないギャップ領域が増加して、蒸着効率が低下することがある。
【0067】
一方、前記金属板100は、前記第1面101の表面粗さと前記第2面102の表面粗さが異なることがある。
【0068】
詳細には、前記金属板100の表面のうちエッチングが行われた面は、エッチングが行われていない面よりも表面粗さが小さくてもよい。これにより、上述したように、前記金属板100の第2面102をエッチングする場合、前記第1面101の表面粗さは、前記第2面102の表面粗さよりも大きくてもよい。
【0069】
詳細には、前記第1面101の算術平均粗さ(Ra)は、前記第2面102の算術平均粗さ(Ra)よりも大きくてもよい。また、前記第1面101の10点平均粗さ(Rz)は、前記第2面102の10点平均粗さ(Rz)よりも大きくてもよい。
【0070】
例えば、前記第1面の前記金属板の長手方向の算術平均粗さ(Ra)は、0.05μm~0.5μmであり、幅方向の算術平均粗さ(Ra)は、0.05μm~0.5μmであり得る。また、前記第2面の金属板の長手方向の算術平均粗さ(Ra)は、0.05μm~0.2μmであり、幅方向の算術平均粗さ(Ra)は、0.1μm~0.5μmであり得る。
【0071】
即ち、図6に示すように。前記第1面は、金属板の長手方向の粗さと幅方向の粗さとがほぼ類似してもよい。これにより、前記第1面は表面にきめが形成されない。
【0072】
また、前記第1面の前記金属板の長手方向の10点平均粗さ(Rz)は、1.0μm~3.0μmであり、幅方向の10点平均粗さ(Rz)は、1.0μm~3.0μmであり得る。また、前記第2面の前記金属板の長手方向の10点平均粗さ(Rz)は、0.2μm~1.0μmであり、幅方向の算術平均粗さ(Ra)は、1.0μm~3.0μmであり得る。
【0073】
即ち、図7に示すように。前記第2面は、金属板の長手方向の粗さと幅方向の粗さが異なることがある。これにより、前記第2面は、表面にきめが形成され得る。
【0074】
即ち、前記第1面における長手方向の算術平均粗さ(Ra)と幅方向の算術平均粗さ(Ra)との差は、前記第2面における長手方向の算術平均粗さ(Ra)と幅方向の算術平均粗さ(Ra)との差よりも小さくてもよい。
【0075】
また、前記第1面における長手方向の10点平均粗さ(Rz)と幅方向の10点平均粗さ(Rz)との差は、前記第2面における長手方向の10点平均粗さ(Rz)と幅方向の10点平均粗さRzとの差よりも小さくてもよい。
【0076】
これにより、前記第1面と前記第2面は、表面のきめによる表面形状が互いに異なることがある。
【0077】
これにより、前記蒸着用マスク1100は、前記小面孔V1が形成される第1面101の表面粗さが、前記大面孔V2が形成される前記第2面102の表面粗さよりもさらに大きくてもよい。
【0078】
例えば、前記第1面101の算術平均粗さ(Ra)は、前記第2面102の算術平均粗さ(Ra)に対して1.2倍~1.65倍であり得る。また、前記第1面101の10点平均粗さ(Rz)は、前記第2面102の10点平均粗さ(Rz)に対して1.2倍~1.65倍であり得る。
【0079】
前記第1面101の算術平均粗さ(Ra)または10点平均粗さ(Rz)は、前記第2面102の算術平均粗さ(Ra)または10点平均粗さ(Rz)に対して1.65倍を超える場合、前記第1面101と前記第2面102の表面粗さとの差により、前記第1面101と前記第2面102とのフォトレジストの密着力差が増加して、前記第1面101と前記第2面102のエッチング均一性が低下することがある。
【0080】
以下、図8を参照して、上述した前処理された金属板が適用される蒸着用マスクについて説明する。
【0081】
図8は、実施例に係る蒸着用マスクの平面図を示す図である。
【0082】
図8を参照すると、実施例に係る蒸着用マスク1100は、蒸着領域DA及び非蒸着領域NDAを含むことができる。
【0083】
前記蒸着領域DAは、蒸着パターンを形成するための領域であり得る。即ち、前記蒸着領域DAを介して蒸着物質が前記蒸着用マスクを介して蒸着基板に蒸着され得る。
【0084】
前記蒸着用マスク1100は、複数の蒸着領域DAを含むことができる。例えば、前記蒸着領域DAは、有効部及び非有効部を含むことができる。詳細には、前記蒸着領域DAは、複数の貫通孔が形成されて蒸着パターンを形成できる複数の有効部及び貫通孔が形成されない非有効部UAを含むことができる。前記有効部には、上述した複数の貫通孔THが形成され得る。
【0085】
前記複数の有効部は、第1有効部AA1、第2有効部AA2、及び第3有効部AA3を含むことができ、離隔領域IA1、IA2によって互いに離隔し得る。
【0086】
スマートフォンなどの小型表示装置の場合、蒸着用マスク1100に含まれた複数の蒸着領域のうちいずれか一つの有効部は、一つの表示装置を形成するためのものであり得る。または、テレビなどの大型表示装置の場合、一つの蒸着用マスク1100に含まれた複数の有効部が一つの表示装置を形成するための一部であり得る。これにより、一つの前記蒸着用マスク1100は、複数の有効部を含むことができ、複数の表示装置を同時に形成することができる。したがって、実施例に係る蒸着用マスク1100は、工程効率を向上させることができる。
【0087】
前記非蒸着領域NDAは、前記蒸着領域DAの長手方向の両側部に配置され得る。即ち、前記非蒸着領域NDAは、前記蒸着領域DAの長手方向の外側に配置され得る。
【0088】
前記非蒸着領域NDAは、蒸着に関与しない領域であり得る。前記非蒸着領域NDAは、前記蒸着用マスク1100をマスクフレーム1200に固定するためのフレーム固定領域FA1、FA2を含むことができる。また、前記非蒸着領域NDAは、ハーフエッチング部HF1、HF2、オープン部OA1、OA2、及び突出部PA1、PA2を含むことができる。
【0089】
前記蒸着領域DAと前記非蒸着領域NDAは、上述した前記金属板100の中央領域CAと前記外郭領域OAの位置にそれぞれ対応し得る。詳細には、前記蒸着領域DAは、前記金属板100の中央領域CAに対応し得る。また、前記非蒸着領域NDAは、前記金属板100の外郭領域OAに対応し得る。
【0090】
これにより、前記蒸着用マスク1100は、前記蒸着領域DAが平らであり、前記非蒸着領域NDAが反ることがある。詳細には、前記蒸着用マスク1100の両終端は、反ることがある。詳細には、前記蒸着用マスク1100の両終端は、前記大面孔方向に反ることがある。即ち、前記蒸着用マスク1100は、前記蒸着領域DAから前記非蒸着領域NDAに延びながら徐々に曲率が大きくなるように前記大面孔方向に反ることがある。
【0091】
これにより、前記蒸着用マスク1100の蒸着領域DAは、曲率が0に近いように平らに維持され、非蒸着領域NDAは、反るように蒸着用マスクの形状を維持することによって、前記蒸着用マスク1100と前記蒸着基板1300とを接触させる時、蒸着領域と前記蒸着基板1300が浮き上がる現象を最小限に抑えることができる。
【0092】
実施例に係る蒸着用マスクは、蒸着用マスクの内部の残留応力を制御することができる。詳細には、実施例に係る蒸着用マスクは、蒸着用マスクの内部に残留する圧縮応力及び引張応力の分布及び大きさを制御することができる。
【0093】
これにより、実施例による蒸着用マスクは、前記蒸着用マスクの反りを制御することができる。即ち、実施例に係る蒸着用マスクは、前記蒸着用マスクの反り方向、反り位置、及び反りの程度を制御することができる。
【0094】
これにより、蒸着用マスクの蒸着領域は、曲率がゼロに近いように平らに維持し、非蒸着領域は、蒸着領域よりも曲率が大きくなるように反るように維持することができる。
【0095】
したがって、前記蒸着用マスクと前記蒸着基板とを接触させる時、前記蒸着用マスクの蒸着領域と前記蒸着基板が浮き上がることを最小限に抑えることができる。
【0096】
これにより、実施例に係る蒸着用マスクは、前記蒸着用マスクと前記蒸着基板とのギャップを最小限に抑えて、これによる蒸着厚さの不均一を最小化して蒸着効率を向上させることができる。
【0097】
また、前記蒸着用マスクを形成した後、前記蒸着用マスクの表面波形を低減させるための別の引張工程を省略することができる。
【0098】
上述した実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例において例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野における通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組合せまたは変形されて実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関係した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0099】
また、以上で実施例を中心に説明したが、これは単なる例示にすぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有した者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上で例示されていない多様な変形と応用が可能であることが分かるだろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に関係した差異点は、添付した請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄-ニッケル合金を含み、第1面及び前記第1面と反対となる第2面を含む金属板を含み、
前記金属板は、
前記金属板の第1面上の小面孔及び前記第2面上の大面孔を含む貫通孔を含み、
前記第1面の圧縮応力は、前記第2面の圧縮応力よりも大きく、
前記第2面の引張応力は、前記第1面の引張応力よりも大きく、
前記金属板の終端は、前記第2面方向に反り、
前記第1面の最高点と最低点との高さ差は3μm以下である、蒸着用マスク。
【請求項2】
前記金属板の中央領域の圧縮応力は、前記金属板の外郭領域の圧縮応力よりも大きく、
前記外郭領域の引張応力は、前記中央領域の引張応力よりも大きい、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項3】
前記中央領域は平らであり、前記外郭領域は反る、請求項2に記載の蒸着用マスク。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記中央領域に配置される、請求項2又は3に記載の蒸着用マスク。
【請求項5】
前記第1面の最高点は、前記中央領域に位置し、
前記第1面の最低点は、前記外郭領域に位置する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の蒸着用マスク。
【請求項6】
前記第1面の算術平均粗さと前記第2面の算術平均粗さは、異なる、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項7】
前記第1面の算術平均粗さは、前記第2面の算術平均粗さよりも大きい、請求項に記載の蒸着用マスク。
【請求項8】
前記第1面の10点平均粗さと前記第2面の10点平均粗さは、異なる、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項9】
前記第1面の10点平均粗さは、前記第2面の10点平均粗さよりも大きい、請求項に記載の蒸着用マスク。
【請求項10】
前記金属板は、前記金属板の中央領域から外郭領域に延びて曲率が増加する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の蒸着用マスク。
【請求項11】
前記金属板は、蒸着領域及び前記蒸着領域の外側に配置される非蒸着領域を含み、
前記小面孔及び前記大面孔は、前記蒸着領域に配置され、
前記蒸着領域から前記非蒸着領域に延びて曲率が増加する、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項12】
前記第1面における長手方向の算術平均粗さと幅方向の算術平均粗さとの差は、前記第2面における長手方向の算術平均粗さと幅方向の算術平均粗さとの差よりも小さい、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項13】
前記第1面における長手方向の10点平均粗さと幅方向の10点平均粗さとの差は、前記第2面における長手方向の10点平均粗さと幅方向の10点平均粗さとの差よりも小さい、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項14】
前記第1面の前記金属板の長手方向の算術平均粗さ(Ra)は0.05μm~0.5μmであり、幅方向の算術平均粗さ(Ra)は0.05μm~0.5μmであり、
前記第2面の前記金属板の長手方向の算術平均粗さ(Ra)は0.05μm~0.2μmであり、幅方向の算術平均粗さ(Ra)は0.1μm~0.5μmである、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項15】
前記第1面の前記金属板の長手方向の10点平均粗さ(Rz)は1.0μm~3.0μmであり、幅方向の10点平均粗さ(Rz)は1.0μm~3.0μmであり、
前記第2面の前記金属板の長手方向の10点平均粗さ(Rz)は0.2μm~1.0μmであり、幅方向の10点平均粗さ(Rz)は1.0μm~3.0μmである、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項16】
前記大面孔は、蒸着物質が流入する領域であり、前記小面孔は、前記大面孔から流入した蒸着物質が通過される領域である、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の蒸着用マスク。
【請求項17】
前記金属板の厚さは、30μm以下である、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の蒸着用マスク。
【請求項18】
鉄-ニッケル合金を含み、
第1面及び前記第1面と反対となる第2面を含む、蒸着用マスク用金属板であって、
前記第1面の圧縮応力は、前記第2面の圧縮応力よりも大きく、
前記第2面の引張応力は、前記第1面の引張応力よりも大きく、
前記蒸着用マスク用金属板の終端は、前記第2面方向に反り、
前記第1面の最高点と最低点との高さ差は、3μm以下である、蒸着用マスク用金属板。
【請求項19】
前記蒸着用マスク用金属板は、中央領域及び外郭領域を含み、
前記中央領域は、貫通孔が形成される位置と定義され、
前記中央領域の圧縮応力は、前記外郭領域の圧縮応力よりも大きく、
前記外郭領域の引張応力は、前記中央領域の引張応力よりも大きい、請求項18に記載の蒸着用マスク用金属板。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【国際調査報告】