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▶ ユニベルズィダード ドゥ ミンホの特許一覧

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  • 特表-共晶組成物、方法および使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】共晶組成物、方法および使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 11/02 20060101AFI20231122BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231122BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20231122BHJP
   A61K 8/362 20060101ALI20231122BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20231122BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20231122BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20231122BHJP
   B01D 11/04 20060101ALI20231122BHJP
   C07K 7/06 20060101ALN20231122BHJP
   C07K 5/10 20060101ALN20231122BHJP
【FI】
B01D11/02 A
A61Q19/00 ZNA
A61Q5/00
A61K8/362
A61K8/34
A61K8/36
A61K8/44
B01D11/04 C
C07K7/06
C07K5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528525
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2021081751
(87)【国際公開番号】W WO2022101490
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】116885
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516116507
【氏名又は名称】ユニベルズィダード ドゥ ミンホ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSIDADE DO MINHO
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100181847
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 かおり
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥール マヌエル カヴァコ パウロ
(72)【発明者】
【氏名】カルラ マヌエラ ペレイラ マリーニョ ダ シウヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド ダ シウヴァ フレイタス
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー ノーロ
【テーマコード(参考)】
4C083
4D056
4H045
【Fターム(参考)】
4C083AC131
4C083AC301
4C083AC552
4C083AC641
4C083AC681
4C083AC841
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD331
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD532
4C083AD621
4C083AD661
4C083CC02
4C083CC31
4C083FF01
4D056AB14
4D056AB17
4D056AB18
4D056AC06
4D056AC07
4D056AC09
4D056AC11
4D056BA08
4D056DA01
4D056DA05
4D056DA06
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA13
4H045BA14
4H045DA56
4H045EA15
(57)【要約】
本開示は、2つの異なる溶媒を含む生物成分の抽出のための天然の深共晶混合物に関し、ここで、第1の溶媒は、乳酸、およびグリセロール、クエン酸、マレイン酸、および臭化テトラブチルアンモニウムからなるリストから選択され、第2の溶媒は、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、トランスキトール、グリシン、グリセロール、オレイン酸、乳酸ナトリウム、デカン酸からなるリストから選択され、水中に90%(w/w)までをさらに含む。本開示はまた、NADESを使用して天然源料から抽出物を得る方法、ならびにNADES、得られた抽出物および/または局所活性化合物を含む組成物に関する。化粧品製剤としての前記組成物の使用についても記載する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの異なる溶媒を含む、生物成分を抽出するための天然深共晶混合物であって、
第1の溶媒が、乳酸、およびグリセロール、クエン酸、マレイン酸、および臭化テトラブチルアンモニウムからなるリストから選択され、
第2の溶媒が、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、トランスキトール、グリシン、グリセロール、オレイン酸、乳酸ナトリウム、デカン酸からなるリストから選択され、
さらに、水中で最大90%(w/w)を含む、天然深共晶混合物。
【請求項2】
20~90%(mol/mol)好ましくは30~80%(mol/mol)の前記第1の溶媒、
10~80%(mol/mol)、好ましくは12~50%(mol/mol)の前記第2の溶媒、
を含む、請求項1に記載の天然深共晶混合物。
【請求項3】
天然深共晶混合物が以下のリスト:
乳酸およびグリセロール、
乳酸およびクエン酸ナトリウム、
グリセロールおよび乳酸ナトリウム、
グリセロールトランスキトール、
乳酸およびトランスキトール、
トランスキトールおよび乳酸ナトリウム、
乳酸およびグリシン、
臭化テトラブチルアンモニウムおよびオレイン酸、および
臭化テトラブチルアンモニウムおよびデカノイン酸、
から選択される、
好ましくは、天然深共晶混合物は、
グリセロールおよびトランスキトール、
乳酸およびトランスキトール、または
グリセロールおよびマレイン酸
の組み合わせ、
である、請求項1または2に記載の天然深共晶混合物。
【請求項4】
前記第1の溶媒および前記第2の溶媒の等価モル比が、1:4~4:1、好ましくは(1:4~1:3)、より好ましくは1:1である、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項5】
等価モル比1:4~4:1、好ましくは(1:4~1:3)で乳酸およびグリセロールを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項6】
4:1、2:1~8:1の等価モル比で乳酸およびクエン酸ナトリウムを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項7】
2:1、1:2~2:1の等価モル比でグリセロールおよび乳酸ナトリウムを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項8】
1:2、1:4~1:3の等価モル比でクエン酸および乳酸ナトリウムを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項9】
5:1の等価モル比で乳酸およびグリシンを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項10】
臭化テトラブチルアンモニウムとオレイン酸、または臭化テトラブチルアンモニウムとデカン酸、またはマレイン酸とエチレングリコールを等価モル比1:2で含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項11】
水中で6~20%(w/w)を含む、請求項1~10のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項12】
前記混合物が、15~30℃の温度範囲で透明かつ液体であり、かつ融点が-55~-15℃、好ましくは-52~-20℃の範囲である、請求項1~11のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項13】
2つの異なる溶媒間のモル比を変化させることによって、および/または好ましくは10~30%(w/w)(水酸化ナトリウムの重量/混合物の重量)の水酸化ナトリウムを添加することによって、pHが調節可能である、請求項1~12のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項14】
前記混合物の密度が1.2~1.4g.ml-1、および/または粘度が25℃で0.015~1700Pa.sの範囲である、請求項1~13のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項15】
天然原料から抽出物を得る方法であって、
好ましくは浸漬により、天然原料と、請求項1~14のいずれかに記載の天然深共晶混合物とを接触させる工程と、
天然深共晶混合物と天然原料とを、1分~24時間、25℃~150℃の温度範囲で、好ましくは25~100℃で、インキュベートする工程と、
使用済みの天然原料を新しい天然原料に置き換る工程と、
上記3つの工程を0~30回繰り返す工程と、を含み、
任意に、天然原料は、コルク、農業廃棄物、トマト、オリーブ油、ブドウ種子、ブドウ表皮、植物、茶、ユーカリ、ラベンダー、魚の皮または骨、またはそれらの混合物を含むリストから選択される、
方法。
【請求項16】
前記天然原料がコルクである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
リパーゼ、エステラーゼ、またはプロテアーゼとの反応によって、天然深共晶混合物の粘度を増加させる工程をさらに含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
脂肪酸およびオイル、好ましくはオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、1-ドコサノール、
アルコールおよび小酸、例えば、2-ヒドロキシマロン酸、2,3-ブタンジオール、
フェノールおよび芳香族、例えば、フェルラ酸および誘導体、フタル酸ジイソオクチルまたは類似体、
テルペノイド、例えば、ボルネオールまたはパントラクトン、
糖、例えば、D‐ソルビトール、D‐マンノン酸、
ステロイド、例えば、フリーデリン、スチグマステロール、または
これらの混合物を含む、請求項15~17のいずれかに記載の方法によって得られる抽出物。
【請求項19】
請求項1~14のいずれかに記載の天然深共晶混合物と、
請求項18に記載の抽出物または最大1%(w/w)の局所活性化合物の少なくとも1つと、
を含む組成物。
【請求項20】
0.01~1%(w/w)の局所活性化合物、好ましくは0.1~0.5(w/w)の局所活性化合物を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
最大90%(w/w)の天然深共晶混合物、最大10%(w/w)の抽出物、および最大1%(w/w)の局所活性化合物を含む、請求項20に記載の組成物。
前記局所活性化合物が、オピオイドペプチド、分泌白血球プロテアーゼインヒビター、
【化1-1】
【化1-2】
またはそれらの混合物、
を含むリストから選択される、請求項19~21に記載の組成物。
【請求項22】
ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、葉酸、D-パンテノール、トコフェロール、セラミドNP(3)、セラミドAP(6II)、セラミドEOP(1)、アピゲニン、クエルシチン、ルテオリン、ウルソリン酸、ロスマリン酸、チモール、カルバクロル、クーパーペプチド、K18ペプチド、レチノール、尿素、キシリトール、またはそれらの混合物からなるリストから選択される成分をさらに含む、請求項19~21に記載の組成物。
【請求項23】
化粧品配合物として、または
ヘアトリートメント、すなわちヘア製品、好ましくはヘアコンディショナー、ヘアカーリング剤、ヘアストレートニング剤、ヘアマスク、またはヘアシャンプーにおける、または、
スキンケアトリートメント、すなわちにスキンケア製品、
好ましくはスキンバーム、スキンクリーム、スキンソープ、スキンマスク、
または皮膚の保湿剤における、
請求項19~22に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、糖、有機塩基および有機酸のような天然産物を出発化合物として使用する天然深共晶溶媒(NADES)の開発に関する。これらの溶媒は、コルク、ブドウ種子と皮を含む農業廃棄物、トマト、オリーブ油、植物(茶、ユーカリ、ラベンダーなど)、および魚の皮と骨などの天然源からの生物活性化合物の抽出に使用することができる。次いで、抽出物を活性局所化粧品成分と共にさらに処方して、化粧品組成物を調製することができる。
【背景技術】
【0002】
環境問題は、化学プロセスの過酷な溶媒に代わる、より安全なグリーン溶媒の探索を推進してきた。糖、アミノ酸または有機酸は、典型的には室温で固体である。特定のモル比で結合すると、それらは高い融点降下を有し、従って室温で液体になる。これらの特定の混合物は、Natural Deep Eutectic Solvents(天然深共晶溶媒)‐NADESと呼ばれる。
【0003】
NADESは、イオン液体(IL)および深共晶溶媒(DES)の代替物として2011年にChoiらによって初めて報告された[1]。それ以来、糖、アミノ酸、有機酸からなるNADESがいくつか文献に記載されている[1-4]。NADESは、水への溶解度が低い天然または合成化学物質を溶解する性能があり、極性、粘度、生分解性、電気伝導率および熱安定性などのその特性は、その成分およびモル比のいずれかを変化させることによって、また共溶媒を添加することによって変化させることができる[5]。NADESの用途は、化学的または材料工学にとどまらず、生体触媒、抽出、電気化学、二酸化炭素、合成、劣化、染色、または生物医学的応用の幅広い分野をカバーしている[6-8]。
【0004】
天然抽出物は、天然資源が多量の化合物を提供する可能性を明らかにし、それは、相乗効果により、単一分子と比較して、はるかに強力な活性を有する。広範囲の生理活性化合物は、その純粋な形態または均質な抽出物のいずれかで、植物から誘導することができる。これらの化合物は、構造的、機能的に広範囲にわたるため、新製品開発のための化粧品および医薬品の機会を提供する。また、食品添加物、機能性食品、栄養食品、栄養補助食品の製造に優れた分子源である可能性もある。
【0005】
NADESは極性代謝産物と非極性代謝産物の両方を溶解することができるので、物理化学的性質に応じて多くの種類の天然化合物を抽出するための溶媒として役立つ[2]。NADESを用いた抽出処理は、Daiらがサフラワーからのフェノール類の抽出を研究したことにより示唆された[9-10]。NADESは、リグノセルロース材料の抽出および溶解にも使用できる[11]。天然資源からの抽出処理におけるNADESの使用は、非常に効率的で真に生態学的な抽出方法を導くことができる。NADES中のフェノール系化合物の安定性および抽出物の生物活性は、天然化合物の抽出におけるこれらの溶媒のより良い適用のために研究されなければならない[12]。文献に記載されているように、場合によっては、抽出収率が有機溶媒で得られた収率の2倍になることが示されている[9-11]。研究者らは、抽出処理が、初期NADES分子間のモル比、DESと標的化合物との間の親和性、水分含有量および抽出条件[2-3]などのいくつかの要因によって影響を受けることを確認した。
【0006】
NADESからの抽出物の分離は、それらの間に確立された強い水素結合ネットワークのために、大きな課題である[12]。文献では、なかでも水、エタノール、酢酸エチルなどの溶媒を用いた、液体/液体抽出および薬物蒸気(drag steam)による蒸留の使用を含む分離方法がいくつか報告されている[13]。NADESの適用例としては、なかでも、リグノセルロース系バイオマス、デンプン、セルロース[7]、ウールケラチン[14]、農業廃棄物[15]などの天然生体高分子からの生理活性化合物の抽出が挙げられる。NADESを含む抽出物は、生物学的レベルで安定で両立があるならば、化粧料および医薬製剤に直接適用することができる[16]。抽出物の別の可能性のある直接的な適用は、新しい生体材料の製造のための重合工程におけるものである[17]。
【0007】
抽出物組成物は、化粧料局所適用のために活性成分を添加することによってさらに処方することができる。
【0008】
これらの事実は、本開示によって対処される技術的問題を説明するために開示される。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、天然成分を用いた新しい天然の深部共晶溶媒(NADES)または天然深共晶混合物の開発、およびいくつかの天然源からの生物活性化合物の抽出におけるそれらの適用に関する。
【0010】
新しいNADESは、溶解を助けるために温度を用いて異なる比率で混合された2つの天然成分で構成される。天然深共晶混合物の成分は、エチレングリコール、乳酸、グリセロール、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、カプリル酸、およびエナント酸を含む。開発された混合物は、単離された化合物より低い融点を有する。開示されたNADESの構成要素は、無毒性であり、生体組織と両立があり(相性が良い)、したがって、化粧料または医薬分野における用途に適している。
【0011】
一実施形態では、本開示は、天然源からの化合物の抽出のためのNADESの適用に焦点を当てている。適用される抽出法は、「アンフリュラージュ(enfleurage)」法、超音波補助(超音波アシスト)抽出法、および密閉系(密封システム)抽出法である。得られた天然抽出物は、さらに精製することなく、化粧品配合物に直接適用することができる。
【0012】
本開示は、2つの異なる溶媒を含む生物成分の抽出のための天然深共晶混合物に関し、第1の溶媒は、乳酸、エチレングリコール、グリセロール、カプリル酸、エナント酸、グルコース、トランスキトール(transcutol)、クエン酸、メントール、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、キシリトール、ソルビトール、デカノイン酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酒石酸、オレイン酸、パルミチン酸、および臭化テトラブチルアンモニウムからなるリストから選択され、第2の溶媒は、エチレングリコール、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、カプリル酸、エナント酸、トランスキトール(transcutol)、グリシン、グリセロール、グルコース、オレイン酸、ギ酸、酢酸ナトリウムおよびデカノイン酸からなるリストから選択される。混合物が第1の溶媒として乳酸ではなく、第2の溶媒としてグルコースである場合には、より良好な結果が得られる。
【0013】
本開示の別の態様は、2つの異なる溶媒を含む生物成分を抽出するための天然深共晶混合物に関し、第1の溶媒は、乳酸、およびグリセロール、クエン酸、マレイン酸、および臭化テトラブチルアンモニウムからなるリストから選択され、第2の溶媒は、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、トランスキトール(トランスカトール)、グリシン、グリセロール、オレイン酸、乳酸ナトリウム、デカン酸からなるリストから選択され、水中で最大90%(w/w)をさらに含む。本開示はまた、NADESを使用して天然源料から抽出物を得る方法、ならびにNADES、得られた抽出物および/または局所活性化合物を含む組成物に関する。化粧品製剤としての前記組成物の使用についても記載する。
【0014】
一実施形態では、天然深共晶混合物は、以下を含む:
第1の溶媒の20~90%(mol/mol);好ましくは30~80%(mol/mol);
第2の溶媒の10~80%(mol/mol)、好ましくは12~50%(mol/mol)。
【0015】
一実施形態では、天然深共晶混合物は、以下のリストから選択される:
乳酸およびグリセロール;乳酸およびクエン酸ナトリウム;グリセロールおよび乳酸ナトリウム;グリセロールおよびトランスキトール;乳酸およびトランスキトール;トランスキトールおよび乳酸ナトリウム;乳酸およびグリシン;臭化テトラブチルアンモニウムおよびオレイン酸;臭化テトラブチルアンモニウムおよびデカノイン酸;好ましくは天然深共晶混合物は、グリセロールおよびトランスキトール、または乳酸およびトランスキトール、グリセロールおよびマレイン酸、またはそれらの混合物の組み合わせである。
【0016】
一実施形態では、天然深共晶混合物は、当量モル比1:1で、乳酸とエチレングリコール、または乳酸とグリセロール、またはエチレングリコールと乳酸ナトリウム、またはグリセロールと乳酸ナトリウム、またはカプリル酸とエチレングリコール、または乳酸とカプリル酸、またはエナント酸とエチレングリコール、またはエナント酸とグリセロール、または乳酸とエナント酸、またはグルコースとエチレングリコール、またはグルコースとグリセロール、またはグルコースと乳酸ナトリウム、またはエチレングリコールとトランスキトール、またはグリセロールとトランスキトール、または乳酸とトランスキトール、またはトランスキトールと乳酸ナトリウム、またはメントールとトランスキトール、またはグリセロールとギ酸、またはエチレングリコールとギ酸、または、乳酸とギ酸、乳酸ナトリウムとギ酸、トランスクトールとギ酸、酢酸ナトリウムとギ酸、キシリトールとギ酸、キシリトールと酢酸ナトリウム、ソルビトールとギ酸、ソルビトールと酢酸ナトリウム、エチレングリコールと酢酸ナトリウム、トランスクトールと酢酸ナトリウム、乳酸と酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムと酢酸ナトリウム、クエン酸とグリセロール、クエン酸とエチレングリコール、クエン酸とトランスクトール、カプリル酸とトランスクトール、デカン酸とトランスクトール、エナント酸とトランスクトール、オレイン酸とトランスクトール、デカン酸とエチレングリコール、マレイン酸とエチレングリコール、リンゴ酸とエチレングリコール、リンゴ酸とグリセロール、シュウ酸とグリセロール、シュウ酸とエチレングリコール、酒石酸とグリセロール、酒石酸とエチレングリコール
の組合せである。
【0017】
別の実施形態では、天然深共晶混合物は、1:4~4:1、好ましくは(1:4~1:3)、より好ましくは1:1の等価モル比で、乳酸およびグリセロールを含む。
【0018】
別の実施形態では、天然深共晶混合物は、1:4から4:1、好ましくは4:1の等価モル比で、乳酸およびグリセロールを含む。
【0019】
さらに別の実施形態では、天然深共晶混合物は、乳酸およびクエン酸ナトリウムを、2:1対8:1、好ましくは2:1の等価モル比で含む。
【0020】
別の実施形態では、天然深共晶混合物は、1:2~2:1、好ましくは1:2の等価モル比で、エチレングリコールおよび乳酸ナトリウム、またはグリセロールおよび乳酸ナトリウムを含む。
【0021】
別の実施形態では、天然深共晶混合物は、1:4~1:3の等価モル比でクエン酸および乳酸ナトリウムを含む。
【0022】
別の実施形態では、天然深共晶混合物は、5:1の等価モル比で乳酸およびグリシンを含む。
【0023】
一実施形態では、天然深共晶混合物は、臭化テトラブチルアンモニウムおよびオレイン酸、または臭化テトラブチルアンモニウムおよびデカン酸、またはマレイン酸およびエチレングリコールを、1:2の等価モル比で含む。
【0024】
一実施形態では、天然深共晶混合物は、2:1の等価モル比で、カプリル酸とエチレングリコール、または乳酸とカプリル酸、またはデカン酸とエチレングリコールを含む。
【0025】
一実施形態では、天然深共晶混合物は、水中で最大90%(w/w)、好ましくは水中で6~20%(w/w)をさらに含む。
【0026】
別の実施形態では、天然深共晶混合物は、15~30℃の範囲の温度で透明および液体である。
【0027】
一実施形態によると、天然深共晶混合物の融点は、-55~-15℃、好ましくは-52~-20℃の範囲である。
【0028】
一実施形態では、天然深共晶混合物のpHは1~10、好ましくは2~7の範囲である。
【0029】
一実施形態では、pHは、2つの異なる溶媒間のモル比を変化させることによって調節可能である。別の実施形態では、pHは、水酸化ナトリウム、好ましくは10~30%(w/w)(水酸化ナトリウムの重量/混合物の重量)の添加によって調節可能である。
【0030】
一実施形態では、天然深共晶混合物の密度は1.2~1.4g.ml-1である。
【0031】
一実施形態では、天然深共晶混合物の導電率は、0.002~1.6 mS.cm-1、好ましくは0.002~0.8 mS.cm-1である。
【0032】
一実施形態では、天然深共晶混合物の25℃における粘度は、第1の溶媒と第2の溶媒との間にエステル結合またはアミド結合を形成することによって増大する。これらの結合は、天然深共晶混合物をリパーゼ、エステラーゼまたはプロテアーゼと反応させることによって形成することができる。反応後、酵素は混合物から除去される。
【0033】
最新技術では、粘度は、多くの方法によって測定することができる。本開示では、共晶組成物の粘度測定は、最大容量まで本開示の組成物を含有する500mLのガラスビーカーを使用するブルックフィールドDV‐II+Pro機器において実施され、粘度測定は、SC4‐27またはSC4‐28スピンドル、50rpmの回転、および10%~100%間のトルク、特に10%~50%のトルクで、25℃において実施された。
【0034】
一実施形態では、深共晶混合物の粘度は、25℃で0.015~1700Pa.sの範囲である。
【0035】
一実施形態では、天然深共晶混合物の屈折率は1.4~1.5の範囲である。
【0036】
一実施形態では、天然深共晶混合物は、局所活性化合物をさらに含む。さらなる実施形態において、局所活性化合物は、イシリン、メントール、カルボキシル化イシリン、カルボキシル化メンソール、2,6-ジメチルアニリン、カルボキシイシリン(Carboxyiciline)-2,6-ジメチルアニリンコンジュゲート、カルボキシメントール-2,6-ジメチルアニリンコンジュゲート(複合体)、デルモルフィン由来テトラペプチド(Dmt1)、DALDA、カルボキシメントール-DALDA、カルボキシイシリン-DALDA、オピオイドペプチド、カルボキシメントール-YGGFLコンジュゲート、カルボキシメントール-YGGFMコンジュゲート、カルボキシメントール-YPWF-NH2コンジュゲート、カルボキシメントール-YPFF-NH2コンジュゲート、カルボキシイシリン-YGGFLコンジュゲート、カルボキシイシリン-YGGFMコンジュゲート、カルボキシイシリン-YPWF-NH2コンジュゲート、カルボキシイシリン-YPFF-NH2コンジュゲート、シベレスタット(Sivelestat)、アルジルリン(Argireline)Ac-EEMQRR-NH2、シベレスタット(Sivelestate)-アルジルリンAc-EEMQRR-NH2、分泌白血球プロテアーゼ阻害剤、またはその混合物、を含むリストから選択される。局所活性化合物は、局所治療、すなわち表皮(皮膚)/毛髪で使用され得る化合物である。
【0037】
また、本開示は、次の工程:天然源料(天然源材料/自然源材料)を、好ましくは浸漬によって、前の請求項のいずれかに記載された天然深共晶混合物と接触させる工程;天然深共晶混合物と天然源料を、25℃~150℃、好ましくは25℃~100℃の温度でインキュベートする工程;使用された天然源料を新しい天然源料で置き換える工程;上記工程を0~30回繰り返す工程、を含む、天然源料からの抽出物を得るための方法に関する。
【0038】
一実施形態では、天然深共晶混合物と天然原料(天然原材料)とをインキュベートする工程は、25℃~80℃の範囲の温度であってもよい。
【0039】
一実施形態では、天然深共晶混合物および天然源料をインキュベートする工程は、1分~30日の間に生じさせることとしてもよい。1日~10日間が好ましい。
【0040】
一実施形態では、天然深共晶混合物および天然原料をインキュベートする工程は、室温で1~30日間、好ましくはアンフリュラージュ(enfleurage)法によって行うこととしてもよい。
【0041】
一実施形態では、天然深共晶混合物および天然原料をインキュベートする工程は、25℃~80℃で1分~24時間、好ましくは超音波バス中であることとしてもよい。
【0042】
一実施形態では、天然深共晶混合物および天然原料をインキュベートする工程は、25℃~150℃で1分~24時間、好ましくは密閉系(閉鎖系)であってもよい。
【0043】
一実施形態では、天然原料は、コルク、農業廃棄物(トマト、オリーブ油、ブドウ種子、ブドウの皮を含む)、植物(茶、ユーカリ、ラベンダーなど)、魚皮および骨、または上記の混合物を含むリストから選択される。さらなる実施形態では、天然原料はコルク(cork)である。
【0044】
本開示の一態様は、本明細書に記載される方法によって得られる抽出物に関する。一実施形態では、抽出物は溶液中にある、懸濁液中にある、または凍結乾燥されている。
【0045】
一実施形態では、抽出物は、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、1-ドコサノールなどの脂肪酸および油;2-ヒドロキシマロン酸、2,3-ブタンジオールなどのアルコールおよび小酸(small acid);フェルラ酸および誘導体、フタル酸ジイソオクチルまたは類似体などのフェノールおよび芳香族;、ボルネオールまたはパントラクトンなどのテルペノイド;D-ソルビトール、D-マンノン酸などの糖;フリーデリン、スチグマステロールなどのステロイド;または上記の混合物を含む。
【0046】
一態様では、本開示は、天然深共晶混合物と、以下の少なくとも1つとを含む組成物にも関する:本明細書に記載の方法により得られる抽出物、または最大1%(w/w)までの局所活性化合物。一実施形態では、組成物は、最大90%(w/w)の天然深共晶混合物、最大10%の(w/w)抽出物、および最大1%(w/w)の局所活性化合物を含む。
【0047】
一実施形態では、天然深共晶混合物は、0.01~1%(w/w)の局所活性化合物、好ましくは0.1~0.5(w/w)の局所活性化合物をさらに含むことができる。
【0048】
一実施形態では、局所活性化合物は、イシリン、メントール、カルボキシル化イシリン、カルボキシル化メンソール、2,6-ジメチルアニリン、カルボキシイシリン(Carboxyiciline)-2,6-ジメチルアニリンコンジュゲート、カルボキシメントール-2,6-ジメチルアニリンコンジュゲート(複合体)、デルモルフィン由来テトラペプチド(Dmt1)、DALDA、カルボキシメントール-DALDA、カルボキシイシリン-DALDA、オピオイドペプチド、カルボキシメントール-YGGFLコンジュゲート、カルボキシメントール-YGGFMコンジュゲート、カルボキシメントール-YPWF-NH2コンジュゲート、カルボキシメントール-YPFF-NH2コンジュゲート、カルボキシイシリン-YGGFLコンジュゲート、カルボキシイシリン-YGGFMコンジュゲート、カルボキシイシリン-YPWF-NH2コンジュゲート、カルボキシイシリン-YPFF-NH2コンジュゲート、シベレスタット(Sivelestat)、アルジルリン(Argireline)Ac-EEMQRR-NH2、シベレスタット(Sivelestate)-アルジルリンAc-EEMQRR-NH2、分泌白血球プロテアーゼ阻害剤、またはそれらの混合物(表5に記載される化合物)を含むリストから選択される。
【0049】
一実施形態では、組成物は、ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、葉酸、D-パンテノール、トコフェロール、セラミドNP(3)、セラミドAP(6II)、セラミドEOP(1)、アピゲニン、クエルシチン、ルテオリン、ウルソリン酸、ロスマリン酸、チモール、カルバクロル、クーパーペプチド、K18ペプチド、レチノール、尿素、キシリトール、またはそれらの混合物からなるリストから選択される成分をさらに含むことができる。
【0050】
一実施形態では、オピオイドペプチドは、以下のリストから選択することができる:
【化1】
またはそれらの混合物。
【0051】
本開示はまた、化粧品配合物(化粧品製剤、化粧品処方物)として記載された組成物の使用に関する。
【0052】
一実施形態では、組成物は、毛髪用トリートメント、すなわちヘア用製品、好ましくはヘアコンディショナー(毛髪質改良剤)、毛髪カール剤、毛髪矯正剤、ヘアマスク、またはヘアシャンプーにおいて使用され得る。
【0053】
一実施形態では、組成物は、スキンケアトリートメント、すなわち、スキンケア製品、好ましくは、皮膚用バーム、皮膚用クリーム、皮膚用石鹸、皮膚用マスク、または皮膚用保湿剤に使用することができる。
【0054】
以下の図は、開示を説明するための好ましい実施形態を提供するものであり、発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】抽出媒体としてNADESを用いた抽出後に得られた抽出物の着色の一実施形態を示す。A‐抽出処理前の配合物NADES2;B‐配合物NADES2を用いたアンフリュラージュ法抽出;C‐配合物NADES2を用いた超音波アシスト抽出;D‐製剤NADES2を用いた密閉系抽出。
図2】抽出媒体としてNADESを用いたコルク抽出の実施形態を示す。左側は原料、右側は抽出後の残留物質および液体を示す。
図3】抽出媒体としてNADESを用いたトマトの抽出の実施形態を示す。左側は原料、右側は抽出後の残留物質および液体を示す。
図4】抽出媒体としてNADESを用いた魚の皮の抽出の実施形態を示す。左側は原料、右側は抽出後の残留物質および液体を示す。
図5】抽出媒体としてNADESを用いたブドウ房の抽出の実施形態を示す。左側は原料、右側は抽出後の残留物質および液体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本開示は、2つの異なる溶媒を含む天然深共晶混合物(NADES)に関し、第1の溶媒は、乳酸、エチレングリコール、グリセロール、カプリル酸、エナント酸、グルコース、トランスクトール、クエン酸、メントール、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、キシリトール、ソルビトール、デカン酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酒石酸、オレイン酸、パルミチン酸、および臭化テトラブチルアンモニウムからなるリストから選択され、第2の溶媒は、エチレングリコール、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、カプリル酸、エナント酸、トランスクトール、グリシン、グリセロール、グルコース、オレイン酸、ギ酸、酢酸ナトリウム、およびデカン酸からなるリストから選択される。本開示はまた、NADESを使用して天然源料から抽出物を得る方法、並びに、NADES、得られた抽出物および/または局所活性化合物を含む組成物に関する。化粧品製剤としての前記組成物の使用についても記載する。
【0057】
本開示は、Quercus suber(コルク)、ブドウの皮および種子のような農業廃棄物、トマト、オリーブ油、および植物(茶、ユーカリ、ラベンダー)および魚の皮および骨からの生物活性化合物の抽出における天然深共晶溶媒(NADES)の使用に関する。天然物の抽出は、化粧料および医薬産業においてしばしば使用される。一実施形態では、NADESを調製するために使用される全ての成分は、化粧品配合物に組み込まれることが承認されている。得られた抽出物は、精製工程なしに化粧品処方物中で直接使用することができる。
【0058】
一実施形態では、抽出溶媒としてNADESを適用するために選択された生体材料は、Quercus suber コルク(コルクオーク)であった。この天然物質(天然原料)は、スベリン(=42%)、リグニン(=22%)、多糖類(=20%)、いくつかの抽出物化合物(=15%)および灰分(=1%)で構成されている。スベリンは、主に、スベリン酸と呼ばれる長鎖脂肪酸、グリセロールのようないくつかのアルコール、および多環芳香族化合物からなる、複合脂溶性生体高分子である[18-20]。これらの成分は型、化粧料および/または医薬製剤中に見いだすことができ、そのため、科学界はコルクからこの種の天然化合物を抽出することに興味を持っている。
【0059】
一実施形態では、新しいNADESは、適切な比率で少なくとも2つの両立天然化合物を混合することによって形成された(表1)。これらの化合物は水素結合相互作用により強く相互作用して液体を形成する。すべての成分の組み合わせは、新しいNADESを与える高い融点降下をもたらす。これらの溶媒の形成温度は100℃を超えない。
【0060】
【表1-1】
【表1-2】
【0061】
一実施形態では、表1に示したNADESは、25℃から100℃の範囲の温度で、激しく撹拌しながら、成分を混合することによって調製された。1時間後、透明な溶液を形成し、共晶混合物をさらに使用するために室温に維持した。用途に応じて、ある程度の量の水(0~90%(w/w))を加えて、共晶混合物の特性を調節することが可能である。
【0062】
本開示の範囲および解釈のために、「室温」は、15~30℃、好ましくは18~25℃、より好ましくは20~22℃の間の温度とみなされるべきであると定義される。
【0063】
一実施形態では、共晶混合物の成分には、エチレングリコール、乳酸、グリセロール、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、カプリル酸、エナント酸、グルコース、およびトランスキトールが含まれる。これらの成分はすべて無毒性で生体適合性であり、したがって化粧料または医薬分野における将来の用途(適用)に適している。
【0064】
融点、pH、密度、伝導率、屈折率など、共晶混合物のいくつかの物理化学的特性を測定した(表2)。これらの新しいNADESは、単離した成分よりも低い融点を有し、NADES成分間の比率(割合)を変化させることによってpHを調節することができ、NADESの物理化学的性質も成分間の比率を変化させることによってわずかに調節することができる。
【0065】
【表2】
【0066】
一実施形態では、開発された混合物は、単離された成分よりも低い融点を有する。本研究で提示したNADESはすべて室温で液体である。水酸化ナトリウム(NaOH)の添加により、NADESのpHを上昇させることができ、これらは室温で液体のままであった。例として、24% NaOHの顆粒(NaOHの質量/NADESの質量)の添加は、NADES2の物理的状態を変化させることなく、1から7に増加させる。
【0067】
本開示の一態様は、天然源からの化合物の抽出におけるNADESの適用に焦点を当てる。NADESは、脂肪をNADESで置換する「アンフリュラージュ(enfleurage)」として指定されたのと同じ方法論原理に従って、これらの化合物の抽出のための溶媒として使用された[21]。超音波補助抽出および密閉系抽出のような他の抽出技術も使用された。
【0068】
一実施形態では、NADESを用いて、コルク、農業廃棄物および植物から化学化合物から抽出し、好ましくは、アルコール、脂肪酸、フェノール、ステロイド、テルペノイド、または糖を抽出した。
【0069】
一実施形態では、Quercus suber(コルクガシ)(0.1g~1Kg)由来のコルクを用いて、アンフリュラージュ法が実施された。コルクをレシピエント(recipient)に配置し、共晶溶媒(0.1mL~25L)および水分割合(0~90%(w/w))を含む/含まない、ものに浸漬した。システムを覆い、室温で1~30日間放置した。この処理の後、古いコルクを除去し、新しいコルクを加えた。同じプロセスを0~30回繰り返した。
【0070】
別の実施形態では、抽出は、超音波バス補助抽出を用いて行われた。Quercus suber(コルクガシ)(0.1g~1Kg)由来のコルクをレシピエント(recipient)に配置し、水分割合(0~90%(w/w))を含む/含まない、共晶溶媒(0.1mL~25L)を、添加した。システムを覆い、1分~24時間、25℃~80℃の温度範囲で超音波バスに入れた。この処理の後、古いコルクを除去し、新しいコルクを加えた。同じプロセスを0~30回繰り返した。
【0071】
さらに別の実施形態では、抽出は、密閉系抽出を用いて行われた。Quercus suber(コルクガシ)(0.1g~1Kg)由来のコルクを飴色(アンバー)フラスコに入れ、5mLのNADES抽出溶媒(0.1mL~25L)および水分割合(0~90%(w/w))を含む/含まないものを添加した。フラスコをアルミニウムシールキャップで密封し、磁気攪拌しながら、25℃から150℃の範囲の温度で1分間から24時間、オイルバス中に入れた。この処理の後、古いコルクを除去し、新しいコルクを加えた。同じプロセスを0~30回繰り返した。
【0072】
一実施形態では、各抽出プロセスの最後に、残りのすべてのコルクを水で洗浄して、天然抽出物処理によって、生体材料(バイオマテリアル)により吸着され得る溶媒を抽出した。抽出液中の残留水分は加圧蒸発により除去した。さらなる用途のための共晶混合物を含む抽出物を得た。
【0073】
NADESを水の代わりに溶媒として用いた場合、抽出収率は増加した。適用した方法から、密閉系は最も効率的な抽出方法であり、続いて超音波による抽出が行われ、最後に、アンフリュラージュ法は低い抽出効率を示した。一実施形態では、NADES2を溶媒として使用した場合、抽出収率は、密閉系では12%、超音波補助法では6.9%、および、アンフリュラージュ法では3.3%であった。さらに、NADES2を溶媒としてアンフリュラージュ法で使用した場合、抽出収率(extraction yield)は、同じ条件下の水と比較して4倍高かった。超音波補助法では収量は2倍、密閉系では3倍であった。表3は、水またはNADES2を溶媒として使用した場合の、3つの異なる抽出方法で得られた抽出収率の比較を示している。
【0074】
【表3】
【0075】
図1は、抽出媒体としてNADESを用いた抽出後に得られた抽出物の着色の一実施形態を示す。NADES2の配合(図1‐A)を用いて、異なる方法を用いて抽出処理を実施した。図1‐Bは、0.7gのコルク、混合物中に水を添加せずに15mLの天然深共晶混合物を用いて、配合物NADES2を用いたアンフリュラージュ法抽出物から得られた抽出物を示す。抽出は室温で3日間、3サイクルで行った。図1‐Cは、配合物NADES2、コルク0.7g、天然深共晶混合物10mL、混合物中の水の添加なし、50℃、6時間、3サイクルを用いた超音波補助抽出の実施形態を示す。図1‐Dは、配合物NADES2、コルク0.7g、天然深共晶混合物5mLを用いて、混合物中に水を添加せずに100℃で6時間、3サイクルで密閉系抽出した後に得られた抽出物を示す。
【0076】
一実施形態では、NADESを用いてコルクから得られた抽出物の色の増加(図1)は、抽出物濃度の増加に関連している。密閉系法は、天然コルク化合物の最も効果的な抽出を提供する。一実施例として、100℃での密閉系を用いた抽出のために、5mLのNADES2を用いて2.1gのコルクから抽出した(3サイクルのコルクの更新0.700g)。この抽出から、得られた最終抽出液濃度は0.07812g/mL(m抽出物/v溶媒)であった(表4)。密閉系と組み合わせたNADES2を用いて、他の天然原料(トマト、ブドウの房、魚の皮)から、目的化合物を抽出する他の実施例も表4に示す。得られた抽出物および残留物質を図2~5に示す。
【0077】
一実施形態では、NADESを用いてコルクから得られる抽出物は、脂肪酸およびオイル(オレイン酸、パルミチン酸およびステアリン酸;1-ドコサノール);アルコールおよび小酸(2-ヒドロキシマロン酸;2,3-ブタンジオール);フェノールおよび芳香族(フェルラ酸および誘導体、フタル酸ジイソオクチルおよび類似体(analogue));テルペノイド(ボルネオールおよびパントラクトン);糖(D-ソルビトール、D-マンノン酸)およびステロイド(フリーデリン、スチグマステロール)を含む。
【0078】
【表4】
【0079】
密閉系を抽出法として用いる場合、得られた抽出物は、他の技術、すなわち、アンフリュラージュ技術および超音波補助抽出よりも濃縮されている(表4)。密閉系の効率は、天然コルク化合物の抽出の向上に結びつく容器内の圧力の生成に関係している。アンフリュラージュ方法は静的であり、これが得られた抽出物が、本研究で提示した3つの抽出技術の中で最も濃縮されていない理由である。超音波補助抽出は抽出物濃度に関して中程度の性能を有する。
【0080】
本開示はまた、化粧品用途におけるNADES配合物および天然抽出物を含む組成物の使用に関する。使用されるNADES配合物は、化粧品用途に適合するので、得られた抽出物をさらに精製する必要はない。
【0081】
天然由来の化合物を含有するNADESは、温かい、冷たい、フレッシュネス(新鮮さ)、リラックス、痛みの緩和、軽さ、および幸福感を感じるために、皮膚局所適用のための活性成分をさらに濃縮することができる。一実施形態では、組成物は、特に、イシリン、メントール、カルボキシル化イシリンなどの局所活性化合物をさらに含むことができる。これらの局所活性化合物は、表5にリストされているように、組成物が適用される表皮に異なる感覚を誘発することができる。
【0082】
一実施形態では、組成物は、最大1%(w/w)の天然深共晶混合物、0.1%(w/w)の天然抽出物、賦形剤の97.9%(w/w)を含み、最大1%(w/w)の局所活性化合物を含む。
【0083】
一実施形態では、組成物は、アトピー性皮膚に、ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、葉酸、D‐パンテノール、トコフェロール、セラミドNP(3)、セラミドAP(6II)、セラミドEOP(1)、アピゲニン、クエルシチン、ルテオリン、ウルソリン酸、ロスマリン酸、チモール、カルバクロル、クーパーペプチド(Cooper peptide)、K18ペプチド、レチノール、尿素およびキシリトール、またはそれらの混合物として、1つ以上の成分を含有させることによって適用することができる。
【0084】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【0085】
配列表:
配列番号1:Tyr-Gly-Gly-Phe-Leu(YGGFL);
配列番号2:Tyr-Pro-Trp-Phe(YPWF);
配列番号3:Tyr-Gly-Gly-Phe-Met(YGGFM);
配列番号4:Tyr-Pro-Phe-Phe(YPFF);
配列番号5:Glu-Glu-Met-Gln-Arg-Arg(EEMQRR);
配列番号6:Xaa Arg Phe Lys(XRFK)、ここでXaa= Tyr(2,6‐ジメチル)
【0086】
本明細書において使用されるとき、「含む」という用語はいつでも、記述された特徴、整数、工程、構成要素の存在を示すことを意図しているが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、構成要素またはそれらのグループの存在または付加を排除するものではない。
【0087】
本開示は、記載された実施形態に限定されるものではなく、当業者は、その改変(変更)に対する多くの可能性を予見する。上述の実施形態は、組み合わせ可能である。
【0088】
以下の特許請求の範囲は、本開示の特定の実施形態をさらに記載する。
【0089】
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図1
図2
図3
図4
図5
【配列表】
2023550062000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの異なる溶媒を含む、生物成分を抽出するための天然深共晶混合物であって、
第1の溶媒が、乳酸、およびグリセロール、クエン酸、マレイン酸、および臭化テトラブチルアンモニウムからなるリストから選択され、
第2の溶媒が、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、トランスキトール、グリシン、グリセロール、オレイン酸、乳酸ナトリウム、デカン酸からなるリストから選択され、
さらに、水中で最大90%(w/w)を含む、天然深共晶混合物。
【請求項2】
20~90%(mol/mol)好ましくは30~80%(mol/mol)の前記第1の溶媒、
10~80%(mol/mol)、好ましくは12~50%(mol/mol)の前記第2の溶媒、
を含む、請求項1に記載の天然深共晶混合物。
【請求項3】
天然深共晶混合物が以下のリスト:
乳酸およびグリセロール、
乳酸およびクエン酸ナトリウム、
グリセロールおよび乳酸ナトリウム、
グリセロールトランスキトール、
乳酸およびトランスキトール、
トランスキトールおよび乳酸ナトリウム、
乳酸およびグリシン、
臭化テトラブチルアンモニウムおよびオレイン酸、および
臭化テトラブチルアンモニウムおよびデカノイン酸、
から選択される、
好ましくは、天然深共晶混合物は、
グリセロールおよびトランスキトール、
乳酸およびトランスキトール、または
グリセロールおよびマレイン酸
の組み合わせ、
である、請求項1または2に記載の天然深共晶混合物。
【請求項4】
前記第1の溶媒および前記第2の溶媒の等価モル比が、1:4~4:1、好ましくは(1:4~1:3)、より好ましくは1:1である、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項5】
等価モル比1:4~4:1、好ましくは(1:4~1:3)で乳酸およびグリセロールを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項6】
4:1、2:1~8:1の等価モル比で乳酸およびクエン酸ナトリウムを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項7】
2:1、1:2~2:1の等価モル比でグリセロールおよび乳酸ナトリウムを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項8】
1:2、1:4~1:3の等価モル比でクエン酸および乳酸ナトリウムを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項9】
5:1の等価モル比で乳酸およびグリシンを含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項10】
臭化テトラブチルアンモニウムとオレイン酸、または臭化テトラブチルアンモニウムとデカン酸、またはマレイン酸とエチレングリコールを等価モル比1:2で含む、請求項1~3のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項11】
水中で6~20%(w/w)を含む、請求項1~10のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項12】
前記混合物が、15~30℃の温度範囲で透明かつ液体であり、かつ融点が-55~-15℃、好ましくは-52~-20℃の範囲である、請求項1~11のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項13】
2つの異なる溶媒間のモル比を変化させることによって、および/または好ましくは10~30%(w/w)(水酸化ナトリウムの重量/混合物の重量)の水酸化ナトリウムを添加することによって、pHが調節可能である、請求項1~12のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項14】
前記混合物の密度が1.2~1.4g.ml-1、および/または粘度が25℃で0.015~1700Pa.sの範囲である、請求項1~13のいずれかに記載の天然深共晶混合物。
【請求項15】
天然原料から抽出物を得る方法であって、
好ましくは浸漬により、天然原料と、請求項1~14のいずれかに記載の天然深共晶混合物とを接触させる工程と、
天然深共晶混合物と天然原料とを、1分~24時間、25℃~150℃の温度範囲で、好ましくは25~100℃で、インキュベートする工程と、
使用済みの天然原料を新しい天然原料に置き換る工程と、
上記3つの工程を0~30回繰り返す工程と、を含み、
任意に、天然原料は、コルク、農業廃棄物、トマト、オリーブ油、ブドウ種子、ブドウ表皮、植物、茶、ユーカリ、ラベンダー、魚の皮または骨、またはそれらの混合物を含むリストから選択される、
方法。
【請求項16】
前記天然原料がコルクである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
リパーゼ、エステラーゼ、またはプロテアーゼとの反応によって、天然深共晶混合物の粘度を増加させる工程をさらに含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
脂肪酸およびオイル、好ましくはオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、1-ドコサノール、
アルコールおよび小酸、例えば、2-ヒドロキシマロン酸、2,3-ブタンジオール、
フェノールおよび芳香族、例えば、フェルラ酸および誘導体、フタル酸ジイソオクチルまたは類似体、
テルペノイド、例えば、ボルネオールまたはパントラクトン、
糖、例えば、D‐ソルビトール、D‐マンノン酸、
ステロイド、例えば、フリーデリン、スチグマステロール、または
これらの混合物を含む、請求項15~17のいずれかに記載の方法によって得られる抽出物。
【請求項19】
請求項1~14のいずれかに記載の天然深共晶混合物と、
請求項18に記載の抽出物または最大1%(w/w)の局所活性化合物の少なくとも1つと、
を含む組成物。
【請求項20】
0.01~1%(w/w)の局所活性化合物、好ましくは0.1~0.5(w/w)の局所活性化合物を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
最大90%(w/w)の天然深共晶混合物、最大10%(w/w)の抽出物、および最大1%(w/w)の局所活性化合物を含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記局所活性化合物が、オピオイドペプチド、分泌白血球プロテアーゼインヒビター、
【化1-1】
【化1-2】
またはそれらの混合物、
を含むリストから選択される、請求項19~21に記載の組成物。
【請求項23】
ヒアルロン酸、ナイアシンアミド、葉酸、D‐パンテノール、トコフェロール、セラミドNP(3)、セラミドAP(6II)、セラミドEOP(1)、アピゲニン、クエルシチン、ルテオリン、ウルソリン酸、ロスマリン酸、チモール、カルバクロル、クーパーペプチド、K18ペプチド、レチノール、尿素、キシリトール、またはそれらの混合物からなるリストから選択される成分をさらに含む、請求項19~22に記載の組成物。
【請求項24】
化粧品配合物として、または
ヘアトリートメント、すなわちヘア製品、好ましくはヘアコンディショナー、ヘアカーリング剤、ヘアストレートニング剤、ヘアマスク、またはヘアシャンプーにおける、または、
スキンケアトリートメント、すなわちにスキンケア製品、
好ましくはスキンバーム、スキンクリーム、スキンソープ、スキンマスク、
または皮膚の保湿剤における、
請求項19~23に記載の組成物の使用。
【国際調査報告】