(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】食品片のバッチを生成する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A22C 17/00 20060101AFI20231122BHJP
A22C 25/18 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
A22C17/00
A22C25/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529051
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2021082494
(87)【国際公開番号】W WO2022112171
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520386523
【氏名又は名称】マレル・ポウルトリー・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Marel Poultry B.V.
(71)【出願人】
【識別番号】519414701
【氏名又は名称】マレル・アクティエセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Marel A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】フェデマ,ヤン-ピーテル
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアンセン,ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル クラーン,ロベルト
【テーマコード(参考)】
4B011
【Fターム(参考)】
4B011EA02
4B011EA05
4B011KA01
4B011KD01
4B011KE02
4B011KE05
4B011KK02
(57)【要約】
本発明は食品片のバッチを生成するための方法及びシステムに関し、入ってくる食品対象物を少なくとも1つのカット装置を通して搬送し、少なくとも1つのカット装置は入ってくる食品対象物を少なくとも1つの第1カットルールにしたがい複数の食品片にカットするように構成され、得られる複数の食品片を少なくとも1つのバッチ処理システムに搬送し、少なくとも1つの第1重量目標を含む少なくとも1つの第1基準を満たす少なくとも1つのバッチが生成され、少なくとも1つの第1カットルールはバッチ処理システムに入る複数の食品片の得られる重量分布が少なくとも1つの第1重量目標に適合された所定の重量目標分布を満たすように少なくとも1つの第1重量目標にしたがい選択され、少なくとも1つの第1重量目標が少なくとも1つの第2重量目標に変更される場合、バッチ処理システムに侵入する得られる複数のカット食品片の得られる重量分布が少なくとも1つの第2重量目標に適合された少なくとも1つの第2の所定の重量目標分布を満たすように少なくとも1つの第1カットルールを少なくとも1つの第2カットルールに調整するように制御信号が少なくとも1つのカット装置に生成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品片のバッチを生成する方法であって、
カット装置を通って入ってくる食品対象物を搬送すること、ここで前記カット装置は前記入ってくる食品対象物を第1カットルールにしたがって複数の食品片にカットするように構成されており、
結果として得られる複数のカット食品片をバッチ処理システムに搬送すること、ここでは少なくとも1つの第1重量目標を満たすバッチが生成され、
を有しており、
前記第1カットルールが、前記バッチ処理システムに侵入する前記複数の食品片の結果として得られる重量分布が前記少なくとも1つの第1重量目標に適合されるように、前記少なくとも1つの第1重量目標にしたがって選択され、
前記少なくとも1つの第1重量目標を満たす前記バッチが少なくとも1つの第2重量目標を満たすバッチに変更される場合、前記バッチ処理システムに侵入する前記結果として得られる複数のカット食品片の結果として得られる重量分布が前記少なくとも1つの第2重量目標に適合されるように第2カットルールに調整するよう前記カット装置に指示する制御命令が生成される、
方法。
【請求項2】
前記結果として得られる食品片は2つ以上の異なるタイプの特性を有しており、前記バッチはタイプの特性の目標をさらに含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1重量目標及び/又は前記少なくとも1つの第2重量目標の少なくとも一方は2以上の異なる目標重量を含んでおり、前記結果として得られる複数のカット食品片の重量分布の数は、前記第1重量目標の数及び/又は前記第2重量目標の数に対応している、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記バッチ処理システムに侵入する前記結果として得られる複数のカット食品片の前記重量分布は、予め画定された範囲内にある、
請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記食品対象物には、
魚の切り身であって、前記カット食品片が側腹片、尾片、腹片、頭端片等の魚の切り身片である、魚の切り身、及び/又は、
胸肉の切り身等の鳥肉であって、前記カット食品片が端片及び/又は鳥肉スライス及び/又は残りのカット胸切り身等の鳥肉片である、鳥肉、及び/又は、
豚、牛、羊等の赤身肉であって、前記カット食品片が端片及び/又は赤身肉スライス等の赤身肉片である、赤身肉、
が含まれている、
請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
幾何学的及び密度プロファイルが、前記入ってくる食品対象物に決定されて、前記食品対象物を、重量見積目標を有するより小さな片にカットする際の入力データとして使用される、
請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記食品対象物を複数の食品片にカットした後に、前記より小さな食品片が重量測定装置で秤量される、
請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
所定の食品片の測定された重量を前記同じ食品片の重量見積目標と比較することをさらに有しており、
前記測定された重量と前記重量見積目標との間の偏差が予め画定された閾値を超えている場合、後続する食品片の前記偏差が前記予め画定された閾値以下になるように前記幾何学的及び/又は前記密度プロファイルを調整するように制御訂正信号が生成される、
請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記バッチにおける個々の食品片の前記重量は重量目標に関連付けられており、及び/又は前記バッチにおける食品片の数は数値目標に関連付けられている、
請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記入ってくる食品対象物を前記第1カットルールにしたがって複数の食品片にカットする前記ステップは、前記食品対象物の少なくとも一端及び/又は少なくとも一側を1つ又は複数のスライスにカットすることを有する、
請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記入ってくる食品対象物を複数の食品片にカットすることに続いて、隣り合うカット食品片の間に間隔を形成することをさらに有する、
請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記バッチ処理システムに侵入する前記複数の食品片の前記重量分布を適合させる前記ステップは、前記重量分布の見通しが前記バッチに最も適合することを確かにすることを含む、
請求項1~11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
第2カットルールに調整するように前記カット装置に指示する前記ステップは、2つ以上のステップで実行され、各ステップは単一の第1重量目標のバッチの完了後に発動される、
請求項1~12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記バッチ処理システムは2つ以上の異なるバッチ処理領域を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのさらなるカット装置をさらに有しており、この場合に前記2つ以上のカット装置は少なくとも1つの特性性質パラメータを有する食品対象物を受け入れる、
請求項1又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記食品対象物の重量、サイズ、形状、色の1つ又は複数を含む前記入ってくる食品対象物の前記少なくとも1つの特性性質パラメータを測定すること、及び前記少なくとも1つの特性性質パラメータを、前記食品対象物を前記2つ以上のカット装置に割り当てる際の入力パラメータとして利用することをさらに有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
食品片のバッチを生成するためのシステムであって、
コントロールユニットと、
入ってくる食品対象物を、カット装置を通して搬送するための搬送装置と、ここで前記カット装置は前記コントロールユニットによって制御されており、前記制御することには前記入ってくる食品対象物を第1カットルールにしたがって複数の食品片にカットするように前記カット装置に指示することを含まれており、
前記結果として得られる複数のカット食品片をバッチ処理システムに搬送するための搬送装置と、ここで前記バッチ処理ステムでは少なくとも1つの第1重量目標を満たす少なくとも1つのバッチが生成され、
を有しており、
前記バッチ処理システムに侵入する前記複数の食品片の前記結果として得られる重量分布が前記少なくとも1つの第1重量目標に適合されるように、前記第1カットルールが前記少なくとも1つの第1重量目標にしたがって選択され、
前記コントロールユニットは、少なくとも1つの重量目標を満たす前記少なくとも1つのバッチが少なくとも1つの第2重量目標を満たす少なくとも1つのバッチに変更される場合、受信した制御信号にしたがって前記少なくとも1つのカット装置に指示して、前記バッチ処理システムに侵入する前記結果として得られる複数のカット食品片の前記結果として得られる重量分布が前記少なくとも1つの第2重量目標に適合されるように前記第1ルールを第2カットルールに調整するようにさらに構成されている、システム。
【請求項18】
前記バッチ処理システムが2つ以上の異なるバッチ処理領域を有している、
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも1つのさらなるカット装置をさらに有しており、前記2つ以上のカット装置が少なくとも1つの特性性質パラメータを有する食品対象物を受け入れるように構成されている、
請求項17又は18に記載のシステム。
【請求項20】
前記食品対象物の重量、サイズ、形状、色の1つ又は複数を含む前記入ってくる食品対象物の前記少なくとも1つの特性性質パラメータを測定するための測定装置をさらに有しており、前記コントロールユニットは、1又は複数の前記少なくとも1つの特性性質パラメータを、前記食品対象物を前記2つ以上のカット装置に割り当てる際の入力パラメータとして利用するようにさらに構成されている、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記結果として得られる食品片は2つ以上の異なるタイプの特性を有しており、前記バッチはタイプの特性の目標をさらに含んでいる、
請求項17~20のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの第1重量目標及び/又は前記少なくとも1つの第2重量目標の少なくとも一方は、2つ以上の異なる目標重量を含んでおり、前記結果として得られる複数のカット食品片の重量分布の数は、前記第1重量目標の数及び/又は前記第2重量目標の数に対応している、
請求項17~21のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項23】
前記バッチ処理システムに侵入する前記結果として得られる複数のカット食品片の前記重量分布が、予め画定された重量範囲内にある、
請求項17~22のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項24】
前記食品対象物には、
魚の切り身であって、前記カット食品片が側腹片、尾片、腹片、頭端片等の魚の切り身片である、魚の切り身、及び/又は、
胸肉の切り身等の鳥肉であって、前記カット食品片が端片及び/又は鳥肉スライス及び/又は残りのカット胸切り身等の鳥肉片である、鳥肉、及び/又は、
豚、牛、羊等の赤身肉であって、前記カット食品片が端片及び/又は赤身肉スライス等の赤身肉片である、赤身肉、
が含まれている、
請求項17~23のいずれか1つに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品片のバッチを生成するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
バッチ処理システムは、予め画定された目標重量を満たす食品片のバッチを生成するように構成されている。このようなシステムでは、入ってくる食品片をピックアップして箱又はトレイに入れる、幾つかのロボットシステムを使用することが一般的である。多くの場合、バッチの重量が目標重量を超える場合、顧客はこの特定の目標重量に対してのみ支払うため、食品片の超過重量は製造業者の負担となる。
【0003】
重量、サイズ、形状が大きく異なる食品片の場合、過重量を最小限に抑えてバッチを作成するという課題は明らかにより高度である。
【0004】
したがって、生産量を最大化するには、過重量を可能な限り低くすることが最も重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の背景に基づいて、本発明の実施形態の目的は、食品片は重量及び/又はタイプが大幅に異なる場合があるが、最小限の無料部分で食品片のバッチを生成する際によりフレキシブルであることによって、上述した欠点を克服する改良された方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの懸念事項の1つ又は複数をよりよく対処するため、本発明の第1の側面では、食品片のバッチを生成する方法が提供され、該方法は、
カット装置を通って入ってくる食品対象物を搬送し、ここでカット装置は第1カットルールにしたがって入ってくる食品対象物を複数の食品片にカットするように構成されており、
結果として得られた複数のカット食品片をバッチ処理システムに搬送し、バッチ処理システムではバッチが少なくとも1つの第1重量目標を満たすように生成され、
第1カットルールは、バッチ処理システムに侵入する複数の食品片の結果として得られる重量分布が少なくとも1つの第1重量目標に適合するように、少なくとも1つの第1重量目標にしたがって選択され、
少なくとも1つの第1重量目標を満たすバッチが少なくとも1つの第2重量目標を満たすように変更される場合、バッチ処理システムに侵入する結果として得られる複数のカット食品片の結果として得られる重量分布が少なくとも1つの第2重量目標に適合されるように第2カットルールに調整するようにカット装置に指示する制御信号が生成される。
【0007】
したがって、入ってくる重量分布は完全に制御され、かつ、重量目標に動的に適合され、それによってバッチ内の無料部分が常に最小化される。
【0008】
また、これにより、バッチが「難しい」場合に起こりやすいが、入ってくる食品片を拒否する必要がなくなる。例として、バッチの重量目標が1kgであり、入ってくる片が平均300gである場合、最小限の無料部分でバッチを完了するのは困難である。その代わりに、一例として約200g、好ましくは狭い範囲内例えば190-210gの平均重量を有することが好ましい可能性がある。より低い重量は、予め設定された最小値であってもよく、より大きな値は予め設定された最大値であってもよい。
【0009】
制御信号はまた、少なくとも1つの第1重量基準を満たすバッチのデータが完了していること又は完了に近いことを示すデータと、完了に近くないことを示すデータとを含んでもよく、ここでカットプロセスは、幾つかの時間間隔の間、カット食品片の分布が少なくとも第1の予め画定された重量目標分布に部分的にしたがっており且つ少なくとも1つの第2の予め画定された重量目標分布に少なくとも部分的にしたがっている、中間工程を含んでもよい。これは、第1カットルール及び第2カットルールの少なくとも幾つかが、この中間工程と同時に適用されるという方法で策定されてもよい。これは一例として、少なくとも1つの第1バッチの一部のみが完了している場合、たとえば2kgのバッチがすべて完了しているが3kgのバッチのいくつかがまだ完了していない場合であり、少なくとも第2基準を満たす1つ又は複数のバッチが開始される場合である。したがって、この中間期間では、少なくとも1つの第1基準を満たすバッチの全てが完了するまで継続されてもよい。
【0010】
一実施形態では、少なくとも1つの第1重量目標及び/又は少なくとも1つの第2重量目標は、食品片の平均重量目標の重量又はバッチにおける食品片の重量目標の間隔、及び/又はバッチにおける食品片の数を示す数字目標等、バッチにおける食品片の重量目標をさらに含んでいる。一例として、バッチの重量目標は例えば1.5kgであってもよく、顧客からの重量要求は、個々の食品片の重量が特定の範囲内、例えば220-270gの範囲内であることであってもよい。これは、満たす必要がある追加の要求になる。この場合、6個の食品片が目標重量を満たすので、好ましくは250g周辺の食品片を有してもよい。
【0011】
予め画定された目標重量分布という用語は、一実施形態では、正規分布の頂点が好ましい目標重量に近いか又はそれに等しいというように解釈されてもよく、例えば、前の例を参照すると、目標は250gに近いか又は可能な限り近い。さらに、正規分布の幅は、結果として得られる目標重量が最小限の無料部分を有するように、予め画定されてもよく又は動的に調整されてもよい。
【0012】
一実施形態では、食品対象物には以下が含まれる。
魚の切り身であって、ここでは、カット食品片は、側腹片、尾片、腹片、頭端片等の魚の切り身片である。
胸部切り身等の鳥肉であって、ここではカット食品片が端片及び/又は鳥肉スライス及び/又は残りのカット胸部切り身等の鳥肉片である。
豚肉、牛肉、子羊肉等の赤身肉であって、ここではカット食品片は端片等の赤身肉片、及び/又は赤身肉スライスである。
【0013】
一実施形態では、結果として得られる食品片は、2つ以上の異なるタイプの特性を有しており、ここではバッチの少なくとも1つの第1基準がバッチ内の食品片のタイプをさらに含む。それ故、今や、目標重量だけでなくバッチにおける食品片のタイプも満たすので、システムの柔軟性が向上する。これは、バッチに特定の要求を持つ可能性がある顧客からの注文に含まれてもよく、つまり、特定の重量目標を満たすだけでなく、バッチにおける項目の特定の特性に関する目標も満たす。これは、入ってくる食品対象物が、結果として得られる食品片が多様性、例えば重量、色、サイズ及び/又は形状、厚さ又は高さの多様性を有するように特性を有する場合に、特に関連性があってもよい。
【0014】
一例として、小片にカットされた魚の切り身は、少なくとも側腹片、腹片、尾片となり、この場合、バッチはバッチ内の魚片のタイプをさらに含んでもよい。
【0015】
他の例は、1つのタイプが食品対象物からの端片又は小片であり、例えば肉側腹の端部であるが、これは単一部分又は2つ以上のスライス(メダリオン)である場合であり、この場合、食品対象物の残りの部分からの残りの部分又はスライスは第2のタイプの食品片(又は小片)である。
【0016】
食品対象物が鳥胸肉である場合、鳥肉の部位の最も厚い部分の一部が、単一片として又は第1タイプの特性を画定するいくつかのスライス(メダリオン)として除去されてもよい。スライスは、一例として、多かれ少なかれ同じ厚さを有するか又は同じ重量範囲内であってもよい。鳥胸肉の残りの部分つまりカット胸肉は、第2タイプの目標重量を有する第2タイプを画定している。カットは、残りの部分の鳥胸肉ができるだけ自然に見えるように行うことが好ましい。一例として、第1タイプの目標重量(各スライス又は単一端片の重量)は50gであってもよく、一方で第2タイプの目標重量は300gであってもよい。これは、400gの鳥胸肉が2×50gのメダリオンスライスにカットされ、300gが残りの部分とされることを意味する(第2タイプ)。他の例は、メダリオンがバッチ処理に貢献せずに、代わりにバッチ処理から削除される場合であってもよく、この場合には食品対象物の残りの部分(つまり前部及び/又は端部の削除後)がバッチ処理に貢献する。残りの部分は、いっそうさらに加工されてもよく、例えば食品片を画定するスライス又は小片にカットされてもよい。
【0017】
一実施形態では、少なくとも1つの第1重量目標及び/又は少なくとも1つの第2重量目標のうちの少なくとも1つは、2つ以上の異なる目標重量を含んでおり、この場合、結果として得られる複数のカット食品片の重量分布の数は、第1重量目標の数及び/又は第2重量目標の数に対応する。例として、3つの第1重量目標が生産されている場合、それに応じて重量分布の数は3であり、各重量目標に1つずつ関連付けられる。例えば、個々の食品の平均重量が200gである2kgのバッチと3kgのバッチ等、1つの分布が2つ(又はより大きな重量目標)に適している状況が発生する可能性があり、1つの分布がこれら両方の重量目標に適している可能性がある。
【0018】
他の例は、食品対象物が魚の切り身であって、一方の重量目標が「小さい切り身」(魚の側腹の一部を含む腹片)タイプの2kgであり、他の重量目標が魚の側腹タイプの3kgの目標である。これらの異なる重量目標について、好ましくは、これら両方の重量目標の超過重量を最小限に導く、各目標に適合した異なるタイプの2つの異なる関連付けられた重量分布がある。
【0019】
一実施形態では、重量分布の数は、異なるタイプのバッチの数に少なくとも対応する。上の例を参照すると、2つの異なる重量目標が魚の側腹について運用しており、一方の重量目標が「小さな切り身」について運用している場合があり、この場合には、そのタイプの単一の重量目標が最大の生産量を達成するのに十分である可能性があり、2つの分布のみが十分であることを意味する。
【0020】
一実施形態では、第1及び/又は第2の予め画定された重量目標の分布は、予め画定された重量範囲内にある。これは、食品対象物をより小さく、好ましくは、好ましい目標重量にできるだけ近くカットするように、少なくとも1つのカット装置にある程度の柔軟性を与える。
【0021】
一実施形態では、幾何学的プロファイルが、食品対象物を固定された見積重量のより小さな片にカットする際の入力データとして、決定され且つ利用される。幾何学的プロファイルは、入ってくる食品対象物の2D又は好ましくは3Dプロファイルであってもよく、それによって、例えば食品対象物の密度(重量/体積)を推定することによって、入ってくる食品対象物の2D又は3D密度プロファイルが生成され得る。プロファイルは、カメラ、ラインスキャナ、又はX線装置を使用して取得されてもよい。
【0022】
一実施形態では、食品対象物をより小さい食品片にカットすることに続いて、より小さい食品片の一部又は全部が秤量装置によって秤量される。このようにして、幾何学的プロファイル及び/又は密度プロファイルを使用して、重量が見積重量に一致するかどうかをチェックすることが可能である。さらに、このような正確な秤量データを保有しているので、実際の秤量データを活用することによってバッチ処理の精度を高めることが可能となる。
【0023】
一実施形態では、本方法は、所定の食品片の測定重量を同じ食品の固定された見積重量と比較することをさらに含み、測定重量と見積重量との間の偏差が予め画定された閾値を超える場合、制御補正信号が生成されて、偏差が予め画定された閾値内になるように幾何学的プロファイル及び/又は密度プロファイルを調整する。
【0024】
したがって、予め画定された重量目標の分布が常時正確であることが確保され、幾何学的及び/又は密度の潜在的な不正確さがほぼ即座に修正される。
【0025】
一実施形態では、入ってくる食品対象物を少なくとも1つの第1カットルールにしたがって複数の食品片にカットするステップは、食品対象物の少なくとも一端及び/又は少なくとも一側面を1つ又は複数のスライスにカットすることをさらに含んでいる。少なくとも1つの端部及び/又は少なくとも1つの側面に由来する1つ又は複数のスライスは、すでに述べたように、他のバッチ処理で使用されてもよく、少なくとも1つの第1又は第2の予め画定された重量目標の分布に寄与しない。
【0026】
一実施形態では、本方法は、入ってくる食品対象物を複数の食品片にカットすることに続いて、隣り合うカット食品片間に間隔を設けることをさらに含んでいる。したがって、1つ又は複数のハンドリング装置、例えば適切なグリッパ又はスイープアームを有する少なくとも1つのロボット装置が、食品片の残りの流れから食品片を移送するのに十分なスペースを有しており、それらを例えばトレイに載置することが保証される。このような離間装置は、一例として、端と端をつないで配置された2つのコンベヤを含んでおり、相対的な速度差によりそのような離間が可能であることが保証される。
【0027】
一実施形態では、バッチ処理システムに侵入する複数の食品片の重量分布を適合させるステップは、重量分布の見込みがバッチに最も適合することを確保することを含んでいる。例として、第1重量目標が、食品片の平均重量が200gである2kgのバッチを含む場合、適切な予想は185gと215gとの間のすべてのアイテムであってもよく、その範囲外はすべて不適当な予想とみなされる。
【0028】
一実施形態では、カット装置に第2カットルールに調整するよう指示するステップは、2つ以上のステップで実行され、各ステップは単一の第1重量目標のバッチの完了後に発動される。
【0029】
本発明の第2の側面では、システムが食品片のバッチを生成するために提供され、該システムは、
コントロールユニットと、
カット装置を通って入ってくる食品対象物を搬送するための搬送装置であって、ここでカット装置がコントロールユニットによって制御されており、この制御にはカット装置に対して、入ってくる食品対象物を第1カットルールにしたがって複数の食品片にカットすることを指示することが含まれている、搬送装置と、
結果として得られる複数のカット食品片をバッチ処理システムに搬送するための搬送装置であって、バッチ処理システムでは少なくとも1つの第1重量目標を満たすバッチが生成される、搬送装置と
を有しており、
バッチ処理システムに侵入する複数の食品片の結果として得られる重量分布が少なくとも1つの第1重量目標に適合されるように、少なくとも1つの第1重量目標にしたがって、第1カットルールが選択され、
少なくとも1つの重量目標を満たす少なくとも1つのバッチが少なくとも1つの第2重量目標を満たす少なくとも1つのバッチに変更される場合、コントロールユニットは、受信した制御信号にしたがって少なくとも1つのカット装置に指示して、バッチ処理システムに侵入する結果として得られる複数のカット食品片の結果として得られる重量分布が少なくとも1つの第2重量目標に適合されるように第1ルールを第2カットルールに調整するようにさらに構成されている。
【0030】
一実施形態では、バッチ処理システムは、2つ以上の異なるバッチ処理領域を有している。各バッチ処理領域には、入ってくる食品片を、バッチ処理が行われるトレイ等の異なるバッチ処理場所に載置するための、ロボット装置又はスイープアーム等の少なくとも1つのハンドリング装置が含まれている。各バッチ処理領域では、異なる重量目標の1つ以上の異なるバッチ、さらには異なるタイプのバッチが生成されてもよい。
【0031】
少なくとも1つのカット装置は、入ってくる食品対象物をスライスするための任意のタイプの例えばスライサを有してもよく、この場合にはコントロールユニットは、食品対象物をスライスに管理するように食品対象物の2D又は3Dプロファイルに基づいて制御してもよく、又は容積式スライサ/小分け装置を有してもよい。
【0032】
他の代替案では、少なくとも1つのカット装置が検査装置に作動可能に接続されており、これらはX線装置及び高圧水カッタ等の別個の装置であってもよく、この場合にコントロールユニットはX線装置からの画像データに基づいて高圧水カッタを制御する。カットすることは、食品対象物から骨や軟骨等の不要物を除去し、これに続いて食品対象物をより小さな食品片にカットすることをさらに含んでもよい。
【0033】
入ってくる食品対象物を搬送するための搬送装置と食品片を搬送するための搬送装置とは、異なる搬送装置又は単一の搬送装置であってもよく、どちらの場合においても、食品対象物と食品片が搬送されている間に載っている、無端コンベアベルトを有している。
【0034】
一実施形態では、システムは、少なくとも1つのさらなるカット装置をさらに含んでおり、この場合、2つ以上のカット装置が、異なる特性又は好ましくは少なくとも1つの特性性質パラメータを有する食品対象物を受け入れるように構成される。
【0035】
さらなる他の実施形態では、システムは、例えば秤、カメラ、レーザラインスキャナ等を使用して、例えば送り込みコンベアによって搬送される、入ってくる食品対象物の重量、大きさ、形状、色等の少なくとも1つの特性性質パラメータを測定するための測定装置をさらに有しており、この場合、コントロールユニットは、これらの特性性質パラメータの少なくとも1つを、食品対象物を2つ以上のカット装置に割り当てる際の入力パラメータとして使用するようにさらに構成されている。
【0036】
したがって、例えば同様の特性を有する、入ってくる食品対象物を割り当てることによって、食品対象物の異なるカット装置への割り当てを制御することが可能となり、これは結果として得られる食品片の均質性を高めるのに有用であるので、バッチ内の無料部分をさらに最小限に抑えてもよい。例として、あるカット装置は「大型」の鳥肉の切り身(例えば>300g)をカットするように調整されてもよく、他のカット装置は「中型」鳥肉の切り身(例えば200-300g)をカットするように調整されてもよく、さらに他のカット装置は「小さな」鳥肉の切り身(例えば<200g)をカットするように設計されてもよい。
【0037】
一般に、本発明の様々な側面は、本発明の範囲内で可能な任意の方法で組み合わせて且つ結合してもよい。本発明のこれら及び他の側面、特徴及び/又は利点は、以下に説明する実施形態を参照して明らかとなり説明される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の実施形態は、例としてのみ、以下の図面を参照して説明される。
【
図1】
図1は本発明に係る方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【
図2】
図2は
図1の方法ステップを実行するための本発明に係るシステムの一実施形態を示す。
【
図3】
図3は本発明に係る食品片のバッチを生成するためのシステムの他の実施形態を示す。
【
図4a】
図4aは食品対象物が鳥肉の切り身である場合の様々なカットパターンの例を示す。
【
図4b】
図4bは食品対象物が鳥肉の切り身である場合の様々なカットパターンの例を示す。
【
図4c】
図4cは食品対象物が鳥肉の切り身である場合の様々なカットパターンの例を示す。
【
図4d】
図4dは食品対象物が鳥肉の切り身である場合の様々なカットパターンの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、食品片のバッチを生成するための本発明に係る方法の一実施形態のフローチャートを示しており、食品片はカット工程を経た後の食品対象物に由来している。
【0040】
第1ステップ(S1)101では、食品対象物はカット装置を通って搬送される。カット装置は、任意のタイプのスライサ、小分け装置、高圧水カッタであってもよく、食品対象物を複数の食品片に好ましくは好ましい目標重量を有する第1カットルールにしたがってカットするときにコントロールユニットによってカット装置を制御する際の入力データとして、入ってくる食品対象物の任意のタイプの画像データが利用可能であってもよい。結果として得られる食品片は、2つ以上の異なるタイプの特性を有してもよく、この場合に、バッチの少なくとも1つの第1基準がバッチ内の食品片のタイプをさらに含んでもよい。食品片は、一例として、食品片が肉のスライスを含む場合がある赤身肉の主要部分、又は側腹の尾部等主要部分の特定部分等の、任意のタイプの肉であってもよい。食品片は、一例として魚の切り身であってもよく、結果として得られる食品片は、例えば側腹、又は魚の切り身に由来する側腹部、又は腹部、又は尾部であり、又は食品片が鳥肉のスライス/片、肉のスライス/片を含んでもよい。
【0041】
第2ステップ(S2)102では、結果として得られる複数のカット食品片はバッチ処理システムに搬送され、そこで少なくとも1つの第1重量目標を満たす少なくとも1つのバッチが生成される。
【0042】
少なくとも1つの第1カットルールは、バッチ処理システムに侵入する複数の食品片の結果として得られる重量分布が少なくとも1つの第1重量目標に適合される少なくとも1つの予め画定された重量目標分布を満たすように、少なくとも1つの第1重量目標にしたがって選択される。
【0043】
第3ステップ(S3)103では、少なくとも1つの第1重量目標が少なくとも1つの第2重量目標に変更される。これは、一例として、外部の顧客から来るシステム内の注文が変化し、新たな注文が、1つ以上の新たな第2の予め画定された目標重量を有する1つ以上の新たな注文で受信されるためであってもよい。
【0044】
第4ステップ(S4)104では、次に、バッチ処理システムに侵入する結果として得られる複数のカット食品片の結果として得られる重量分布が少なくとも1つの重量目標に適合するように、第1カットルールを第2カットルールに調整する制御信号がカット装置に対して生成される。この変更は、ある期間にわたって生じてもよく、突然に全ての新しく入ってくる分布の全てが第2の予め画定された重量目標に一致するわけではないことを意味する。これは、一例として、全ての食品片の分布が少なくとも1つの第2の予め画定された重量目標にしたがうまで、数秒又は数分の間に徐々に起こる。
【0045】
少なくとも1つの第1重量目標及び/又は少なくとも1つの第2重量目標は、2つ以上の異なる重量目標、例えば、3kg及び5kgの目標を含んでもよく、この場合に、少なくとも1つの第1及び/又は第2の予め画定された重量目標の分布の数は、少なくとも1つの第1重量目標の数及び/又は少なくとも1つの第2重量目標の数に対応する。
【0046】
少なくとも1つの第1/第2基準は、所望の重量、例えば食品片の平均重量、又は平均厚さ、バッチ内の片数等の他の特性を含むが、これらに限定されない。
【0047】
図2は、
図1に関連して説明された方法に係る食品片のバッチを生成するための、本発明に係るシステム200の一実施形態を示す。システムは、入ってくる食品対象物201を少なくとも1つのカット装置202を通して搬送するための搬送装置206を有しており、少なくとも1つのカット装置は制御ユニット204によって制御されており、ここで、制御することは、少なくとも1つのカット装置に入ってくる食品対象物を少なくとも1つのカットルールにしたがって食品片207、208にカットするように指示することを含む。搬送装置206はまた、結果として得られる複数のカット食品片をバッチ処理システム203に搬送し、そこで、少なくとも1つの第1重量目標を満たす少なくとも1つのバッチが、複数の箱又はトレイ209に生成される。
【0048】
本明細書において示される実施形態は、3つの並列配置されたシステム200を有しており(もちろん、これは3つに限定されるように解釈されるべきではなく、3つ以外の2つ以上であってもよい)、システムは、入ってくる食品を搬送するための送り込みコンベア205をさらに有しており、入ってくる食品対象物の重量、サイズ、形状、色等の少なくとも1つの特性性質が、例えば秤、カメラ、レーザラインスキャナ他の1つ又は複数から選択され得る、測定装置210によって取得される。取得された少なくとも1つの特性性質は、スイープアーム211の開閉を介して入ってくる食品対象物を3つのシステム200のうちの1つに割り当てる際に、コントロールユニット204によって入力パラメータとして利用される。これは、3つのシステムのいずれに最もよく適合するかを、サイズ及び/又は形状及び/又は重量等に基づくことができる。
【0049】
また、3つのシステムで行われるバッチ処理は、異なる好みを持つ可能性のある異なる顧客からの2つ以上の異なる注文に由来してもよく、これは、例えば個々の食品の平均重量が大きくなる可能性があり、例えば大きな食品対象物が特定の顧客に対してより適している可能性があることを意味する。
【0050】
図1に関連して説明されたように、食品対象物をより小さな片にカットするステップは、より小さな片が特定の重量要件を満たすように、たとえば特定の重量範囲内例えば190g-210g内にあるように行われるが、そうし得るためには、少なくとも1つのカット装置(又は少なくとも1つのカット装置)に入ってくる食品対象物についてのさらなる情報が既知であって、少なくとも1つのカット装置を作動させる際の作動パラメータとして利用されることが好ましい。これは、測定装置210によって取得される幾何学的データであってもよく、又は例えばカメラ又は例えば3Dラインスキャナ(又は同様の装置)が少なくとも1つのカット装置のそれぞれの上流に配置されている少なくとも1つのカット装置において取得される幾何学的情報であってもよい。
【0051】
一実施形態では、少なくとも1つのカット装置は、X線装置及び高圧水カッタ等の検査装置を有しており、コントロールユニットは、X線装置からの画像データに基づいて高圧水カッタを制御し、つまり、食品が載置されているコンベアベルトの下方に(通常は)位置するX線センサからの画像データは、魚の切り身における骨構造等、カットされて除去されることになる不要な対象物を特定するために使用されるだけでなく、特定の重量範囲の食品片にカットするときに2D又は3Dプロファイルを生成するのに使用してもよく、その結果、上述した予め画定された重量目標の分布が得られる。
【0052】
信頼性及び/又は精度をさらに高めるため、カットされた食品片を正確に測定するように少なくとも1つのカット装置に対して下流に秤量装置を配置してもよい。
【0053】
図3は、食品片319のバッチを生成するためのシステムの他の実施形態を示しており、コントロールユニット304と、カット装置302を通して矢印331によって示される搬送方向に搬送される、入ってくる食品対象物301を搬送するための搬送装置306とを有しており、カット装置はコントロールユニット304によって制御される。X線装置、ラインスキャナ、カメラ等であってもよい測定装置310は、例えばサイズ及び/又は形状及び/又は重量に関する画像データ312を取得し、このデータ312は、入ってくる食品対象物を第1カットルールにしたがって複数の食品片にカットするようにカット装置302を制御する際の制御パラメータとして使用される。測定装置310及びカット装置302は、1つ且つ同一の装置に組み込まれてもよい。
【0054】
第1カットルールは、顧客315からの少なくとも1つの第1目標重量の注文にしたがって選択され、顧客からの注文はコンピュータシステム314によって受信されて処理され、顧客315からの結果として得られる注文データ313は、例えば、500×2kgのバッチおよび700×4.5kgのバッチの鳥肉片と切り取られた部分のバルク(バッチ処理プロセスに寄与しない)とであってもよく、これにより、バッチ処理システムに侵入する複数の食品片308の結果として得られる重量の分布が、少なくとも1つの第1重量目標に適合される。本実施形態に示されるように、搬送装置306(複数のコンベヤであってもよい)は、例えば、異なる分布316、317のためにコンベヤ306b及びコンベヤ306cを介して食品片を第1のバッチ処理領域319に分割し、例えば第1バッチ処理領域では500個の2kgのバッチが生産されている一方で、第2バッチ処理領域では700×4.5kgのバッチが生産されている。
【0055】
残りの切除片307は全て、コンベヤ306dを介して他のプロセス、例えば上記バルクに搬送されてもよい。
【0056】
もちろん、バッチ処理領域の数は2つのバッチ処理領域に限定されるように解釈されるべきではなく、バッチ処理システム303は、単一のバッチ処理領域又はそれ以上のバッチ処理領域を含んでもよく、本明細書で示されるように、各バッチ処理領域は、少なくとも1つのハンドリング装置、例えばそれぞれロボットアーム326を有する3つのロボット装置322a,322b,322cを有している。これは3台のロボット装置と解釈されるべきではなく、単一のロボット装置又は2台以上のロボット装置が実装されてもよい。もちろん、ロボット装置をスイープアーム等に置き換えてもよい。
【0057】
したがって、バッチ処理領域319、318に入ってくるカット食品片の分布316、317は、各バッチ処理領域で現在製造されているバッチにとって常に最適な分布である。この例では、複数の異なるバッチが同じバッチ処理領域で生成されてもよく、それ故、複数の異なる重量分布が各バッチ処理領域内に存在してもよいことが留意されるべきである。
【0058】
各バッチ処理領域は、トレイが、重量目標が達成されるまで、食品片により充填されている間に、空のトレイ309をトレイ供給コンベヤ321上に自動的に解放し、トレイを例えば別個のステップで、矢印330で指示される方向に前進させる、トレイ供給装置320を備えてもよい。注文データ313は、バッチ内の個々の食品片の重量範囲、及びバッチ内の食品片のタイプさえもさらに含んでもよい。
【0059】
新しい注文が、例えば、異なる目標重量を含む異なる注文データ313を有する他の顧客315から受信されると、コントロールユニット304は、このデータ313を受信して、結果として得られるカット食品片の分布がバッチ処理システム303で現在製造されている新しいバッチに適合するように第2カットルールにしたがってカットするようにカット装置302に指示する。第1カットルールから第2カットルールへのこの移行は、500×2kgのバッチ及び700×4.5kgのバッチ(最初の注文)のすべてが完了するまで、ある時間範囲にわたって生じてもよい。他のシナリオでは、最初の注文は、第2の注文が開始する前に完全に完了する。
【0060】
図4a-4dは、食品対象物が鳥肉の切り身である例を示しており、
図4aは、カットパターン403(第1又は第2カットルール)により、単一の前片403(メダリオン)が生じ、残りの部分402が切り身として残される場合を示しており、これらは好ましくはできるだけ自然な外観を有している。
【0061】
図4bは、残りの部分402を切り身として残す複数のカットメダリオン402を示しており、カットメダリオンは重量及び/又は厚さの目標を満たしてもよく、及び/又は残りの切り身403が予め画定された重量目標内にあり、このような切り身403の結果として得られる分布は生成されている重量目標に適合される。
【0062】
図4cは、鳥肉の切り身全体を多かれ少なかれメダリオン状にカットする他のカットパターンを示している。
【0063】
図4dは、鳥肉の切り身の前部分がいくつかのメダリオンにカットされて、残りの部分がシュニッツェル(schnitzel)405と切り身406である場合を示している。
【0064】
異なるカットに関して決定的であるものは、入ってくる鳥肉の切り身の総重量であり、例えば非常に大きな切り身が
図4bのカットパターンに適しており、一方でより小さな切り身はカットパターン4aにより適していてもよい。
【0065】
また、顧客からの注文に応じて、これらの異なるカットパターンすべてが同時に行われてもよく、つまり、適切な特性を有する幾つかの切り身が
図4aに示されるようにカットされ、他の特性は
図4b他にしたがってカットされるのに適切である。
【0066】
本明細書に示されるカットパターン(第1/第2カットルール)は、もちろん、これらに限定されないが、例えば豚側腹、牛側腹、魚の切り身、ラム肉等の赤身肉の側腹などの食品対象物にも適用してもよい。
【0067】
第1カットルールという用語は、
図4a-4dに示されるカットルールの1つ又は全てとして理解されてもよく、第2カットルールは、複数の異なるカット又は類似しているカットであるが例えば重量目標が異なるものとして理解されてもよい。
【0068】
本発明が図面及び前述の説明において詳細に図示されて説明されてきたが、そのような図及び説明は例示的(illustrative)又は例示的(exemplary)なものとみなされるべきであり、限定的ではなく、本発明は開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形例は、請求された発明を実施する際に、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、当業者によって理解され実現され得る。特許請求の範囲において、「有する(comprising)」という文言は他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【国際調査報告】