(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】バッテリ製造に使用するためのバインダおよびスラリー混合物の音響信号解析に基づく検査
(51)【国際特許分類】
G01N 29/02 20060101AFI20231122BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20231122BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20231122BHJP
【FI】
G01N29/02
H01M4/04 Z
H01M4/04 A
H01M4/139
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529892
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 US2021072472
(87)【国際公開番号】W WO2022109570
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519157886
【氏名又は名称】リミナル・インサイト・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】LIMINAL INSIGHTS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビスワス、シャウルジョ
(72)【発明者】
【氏名】シェイ、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・タッセル、バリー
(72)【発明者】
【氏名】ジュズコウ、マーク
【テーマコード(参考)】
2G047
5H050
【Fターム(参考)】
2G047AA02
2G047AD16
2G047BA01
2G047BC03
2G047BC04
2G047BC14
5H050AA19
5H050BA08
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB08
5H050CB11
5H050GA02
5H050GA03
5H050GA10
5H050GA22
5H050GA28
(57)【要約】
バッテリセルの製造における1または複数のプロセスステップに対する音響信号ベースの改善のためのシステム、技術、およびコンピュータ実施プロセスである。1つのプロセスステップにおける音響信号ベースの解析に基づいて収集された情報は、音響信号ベースの解析のフィードバックおよび/またはフィードフォワードの任意の適切な組み合わせを用いて1または複数の他のプロセスステップに用いられ得る。そのようなフィードバックおよび/またはフィードフォワードは、製造プロセスを用いて生産されるバッテリセルの全体品質、製造プロセスの効率/コスト、製造プロセスを用いて生産されるバッテリセルの歩留りの改善/無駄の削減、および/または個々のプロセスステップの改善を高めることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリセルを製造する方法であって、
1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行うことと、
前記第1のプロセスステップ中に行われた前記音響信号ベースの解析に基づいて、前記1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための前記第1のプロセスステップおよび第2のプロセスステップの少なくとも1つに対する1または複数の改善を決定することと
を備える方法。
【請求項2】
前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより先であり、前記情報を供給することは、フィードバックを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより後であり、前記情報を供給することは、フィードフォワードを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1または複数の改善は、電極スラリーおよび/またはコーティングされた集電体の加熱または乾燥、スラリーの混合、バインダの形成、前記集電体に関連する1または複数のローラの操作、前記集電体への前記スラリーのコーティング、パイプを通る前記スラリーの流れ、スラリーミキサの制御、パイプを通るバインダの流れ、バインダミキサの制御、検出された異常な材料の除去、バインダおよび/またはスラリーの材料組成の少なくとも1つに対する1または複数の調整を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記第1のプロセスステップ、前記第2のプロセスステップ、前記1または複数のバッテリセル、および前記1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の少なくとも1つの1または複数の特徴を測定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1または複数の特徴は、バインダの1または複数の特性、パイプの1または複数の特性、スラリーの1または複数の特性、スラリーミキサの1または複数の特性、スラリーの流れの1または複数の特性、前記スラリーのコーティングの1または複数の特性、電極スラリーの1または複数の特性、集電体の1または複数の特性、および乾燥オーブンの1または複数の設定の少なくとも1つを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを通って伝送される1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つから反射する1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のプロセスステップおよび前記第2のプロセスステップの前記少なくとも1つに対する前記1または複数の改善に関する情報を供給することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1または複数のバッテリセルの一部および前記1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを介して音響信号を送信し、前記音響信号に関連する対応する応答信号を受信するように構成された1または複数のトランスデューサと、
前記1または複数のバッテリセルまたは前記1または複数の構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行い、
前記第1のプロセスステップ中に行われた前記音響信号ベースの解析に基づいて、前記1または複数のバッテリセルまたは1または複数の構成要素を製造するための少なくとも第2のプロセスステップに対する1または複数の改善を決定する
ように構成された1または複数のプロセッサと
を備えるシステム。
【請求項11】
前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより先であり、前記情報を供給することは、フィードバックを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより後であり、前記情報を供給することは、フィードフォワードを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記1または複数の改善は、電極スラリーおよび/または集電体の加熱または乾燥、スラリーの混合、バインダの形成、前記集電体に関連する1または複数のローラの操作、前記集電体への前記スラリーのコーティング、パイプを通る前記スラリーの流れ、スラリーミキサの制御、パイプを通るバインダの流れ、バインダミキサの制御、検出された異常な材料の除去、バインダおよび/またはスラリーの材料組成の少なくとも1つに対する1または複数の調整を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記第1のプロセスステップ、前記第2のプロセスステップ、前記1または複数のバッテリセル、および前記1または複数のバッテリセルの前記1または複数の構成要素の少なくとも1つの1または複数の特徴を測定することを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記1または複数の特徴は、バインダの1または複数の特性、パイプの1または複数の特性、スラリーの1または複数の特性、スラリーミキサの1または複数の特性、スラリーの流れの1または複数の特性、スラリーのコーティングの1または複数の特性、電極スラリーの1または複数の特性、集電体の1または複数の特性、および乾燥オーブンの1または複数の設定の少なくとも1つを備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを通って伝送される1または複数の音響信号に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つから反射する1または複数の音響信号に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
バインダ、スラリー、前記バインダを含むコンテナ、前記スラリーを含むコンテナ、乾燥オーブン、およびパイプを通るバインダおよび/またはスラリーの流れを制御するように構成されたポンプの少なくとも1つを更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記1または複数のプロセッサは、前記第2のプロセスステップに対する前記1または複数の改善に関する情報を供給するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
1または複数のプロセッサによって実行されると、前記1または複数のプロセッサに、
前記1または複数のバッテリセルまたは前記1または複数の構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行わせ、
前記第1のプロセスステップ中に行われた前記音響信号ベースの解析に基づいて、前記1または複数のバッテリセルまたは1または複数の構成要素を製造するための少なくとも第2のステップに対する1または複数の改善を決定させる
命令が格納されている非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全ての目的のためにその内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2020年11月18日に出願され、“INSPECTION OF BINDERS AND SLURRY MIXTURES FOR USE IN BATTERY FABRICATION BASED ON ACOUSTIC SIGNAL ANALYSIS”と題された米国仮特許出願第63/115,562号の利益を主張するものである。
【0002】
開示される態様は、音響信号に基づく、固体液体混合物、バインダ、スラリー、および他の材料の監視、検査、および製造プロセスの改善に向けられる。より具体的には、典型的な態様は、バッテリセルおよび電気化学貯蔵デバイスの電極および他の構成要素の製造に使用される乾燥固体粉末、固体液体混合物、およびスラリーの音響信号ベースの解析に向けられる。
【背景技術】
【0003】
たとえば消費者用電化製品、自動車、クリーンエネルギなどの様々な産業からのバッテリセル需要の増加により、バッテリセルの生産に対する需要は増加傾向にある。バッテリの品質、寿命、および製造プロセス効率を高めるために、効率的かつ高速のバッテリ診断方法が重要である。製造および生産の場合、コスト(たとえばキロワット時(kWh)あたりの価格)の削減が重要な目標である。生産コストおよび品質は、既存のプロセスの最適化および/または新たな技術の導入によって削減することができる。たとえば、改善された監視、製造、および診断分野における技術的進歩は、生産プロセス時間の短縮(またそれに伴う生産中のエネルギ消費量の削減)および損傷したセルおよびセル部品による無駄の削減、品質の改善などによってコスト効率をもたらし得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付図面は、本開示の様々な態様の説明を支援するために提示され、限定ではなく例示のためだけに提供されるものである。
【0005】
【
図1】本開示の態様に係る、音響信号ベースのサンプル解析のための装置を示す。
【0006】
【
図2】本開示の態様に係る、バッテリセルの製造に伴うプロセスステップ例を示す。
【0007】
【
図3】本開示の態様に係る、バッテリ電極およびセルの製造に伴うスラリー混合、コーティング、および乾燥プロセスステップの監視における音響信号ベースの解析の使用を示す。
【0008】
【
図4】本開示の態様に係る、コンテナまたはパイプ内のスラリーの品質を検出するための音響信号ベースの解析方法の使用を示す。
【0009】
【
図5】本開示のいくつかの態様に係る、バッテリセルを製造するための方法例を示すフローチャートである。
【0010】
【
図6】本開示のいくつかの態様に係る、コンピューティングデバイス例のコンピューティングデバイスアーキテクチャ例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の特定の態様および実施形態は、以下の説明および関連図面に提供される。代替的な態様は、本開示の範囲から逸脱することなく考案され得る。また、本開示の周知の要素は、本開示の関連する詳細を不明瞭にしないように詳しく説明されず、または省略される。
【0012】
本明細書において、「典型的な」という用語は、「例、実例、または例示の役割を果たす」という意味で使用される。本明細書において「典型的」と説明される任意の態様は、必ずしも他の態様よりも好適または有利であると解釈されるものではない。同様に、「本発明の態様」という用語は、本発明の全ての態様が、説明される特徴、利点、または動作モードを含むことを必要とするものではない。
【0013】
本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、本開示の態様を限定することは意図されていない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に例外を示さない限り、複数形も含むことが意図される。更に、「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1または複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループの存在または追加を排除するものではないことが理解される。
【0014】
また、多くの態様は、たとえばコンピューティングデバイスの要素によって行われる動作のシーケンスの観点から説明される。本明細書で説明される様々な動作は、特定の回路(たとえば特定用途向け集積回路(ASIC))によって、1または複数のプロセッサによって実行されるプログラム命令によって、またはその両方の組み合わせによって行われ得ることが認識される。加えて、本明細書で説明されるこれらの動作のシーケンスは、実行時、本明細書で説明される機能を関連するプロセッサに行わせる対応するコンピュータ命令のセットが格納されている任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体において、その全体が具体化されると考えられ得る。したがって、本発明の様々な態様は、多数の様々な形態で具体化されてよく、その全てが、特許請求の範囲に記載の主題事項の範囲内であると考えられる。また、本明細書で説明される態様の各々について、任意のそのような態様の対応する形態は、本明細書において、たとえば説明される動作を行う「ように構成されたロジック」として説明され得る。
【0015】
たとえば消費者用電化製品、自動車、クリーンエネルギなどの様々な産業からのバッテリセル需要の増加により、バッテリセルの生産に対する需要は増加傾向にある。バッテリの品質、寿命、および製造プロセス効率を高めるために、効率的かつ高速の検査方法が重要である。製造および生産の場合、コスト(たとえばキロワット時(kWh)あたりの価格)の削減が重要な目標である。生産コストは、既存のプロセスの最適化および改善、および/または新たな材料や技術の導入によって削減することができる。たとえば、改善された監視、製造、および診断分野における技術的進歩は、生産プロセス時間の短縮(またそれに伴う生産中のエネルギ消費量の削減)および損傷したセルおよびセル構成要素による無駄の削減の両方によってコスト効率をもたらし得る。
【0016】
しかし、様々な段階のセル製作および製造を通して処理されるバッテリセル構成要素およびセルを大規模で監視するための高速で非破壊的かつ安価な監視方法のための既知のアプローチは欠如している。製造プロセス中の効果的な監視の欠如は、低い歩留り、品質不良、および非効率的な資源利用を招く。
【0017】
本開示の態様例において、固体液体混合物、電極スラリー、バインダ混合物、および他のバッテリ構成要素の音響信号ベースの解析のためのシステム、技術、およびコンピュータ実装プロセスが開示される。たとえば、材料の超音波励起によって得られる信号のデータ解析は、スラリー密度、閉じ込められた空気量、粘度、および混合物の均一性を含む電極スラリーパラメータを解析するために用いられる。いくつかの例では、開示される技術をバッテリ製造および生産に使用することにより、損傷/廃棄バッテリセルの無駄の削減および生産時間の短縮がもたらされ得る。
【0018】
開示されるプラットフォームは、たとえば光学撮像、厚さプロフィロメトリ、熱撮像、X線ベースの方法、分解解析などの従来技術の欠点を克服しながら、超音波および信号処理を用いて、非侵襲的で効率的かつ合理的なアプローチでバッテリセルおよびその構成要素の物理特性を評価する。
【0019】
図1は、本開示のいくつかの例に係る、音響信号ベースの解析を用いてサンプル102を解析するためのシステム例100を示す。サンプル102は、バッテリセルまたは個々の構成要素の生産または製造の任意の段階におけるバッテリセルまたはその構成要素を含み得る。生産段階およびそこに関与する構成要素の例は、
図2を参照して更に詳しく説明される。いくつかの例では、サンプル102は、バッテリセル、バッテリセルを通る湿潤/分布の様々な段階における電解質、バッテリセルの1または複数の電極、薄膜、セパレータ、被覆シート、集電体、電極スラリー、またはそれらの形成の任意の段階における上記構成要素のいずれかを形成するための材料を含み得る。システム100は、励起音信号をバッテリセルに送信するための(たとえば、バッテリセルを通る超音波または音響波の1または複数のパルス、振動、共振測定値などを送信するための)送信トランスデューサTx104または他の手段を含み得る。システム100は更に、Txトランスデューサ104によって送信された信号から生成された応答信号を受信することができる、音信号を受信/送信するための受信トランスデューサRx106または他の手段を含み得る。Txトランスデューサ104が位置するサンプル102の片側からのTxトランスデューサ104による送信信号は、入力励起信号を含んでよい。たとえばサンプル102の他方側からの反射信号は、エコー信号を含んでよい。応答信号への言及は、入力励起信号およびエコー信号の両方を含んでよいことが理解される。また、Txトランスデューサ104は、応答信号を受信するように構成されてもよく、同様に、Rxトランスデューサ106は、音響信号を送信するように構成されてもよい。したがって、TxおよびRxとして別々に示される場合でも、これらのトランスデューサの機能は、音響信号の送信および受信の両用であってよい。様々な代替例において、具体的に示されない場合でも、1または複数のTxトランスデューサおよび1または複数のRxトランスデューサは、サンプル102の同じ側面または壁、または異なる(たとえば対向)側面に配置され得る。
【0020】
音響パルサ/受信器108は、音響信号(たとえば超音波信号)の送信を制御し、応答信号を受信するために、TxおよびRxトランスデューサ104、106に結合され得る。音響パルサ/受信器108は、送信信号の振幅、周波数、および/または他の信号特徴を調整するためのコントローラ(ここでは個別に示されない)を含んでよい。音響パルサ/受信器108は、Rxトランスデューサ106からの信号を受信してもよい。いくつかの例では、音響パルサ/受信器108は、結合ユニットとして構成され得るが、いくつかの例では、Txトランスデューサ104を通して励起信号を送信するための音響パルサは、Rxトランスデューサ106からの信号を受信するための受信器と通信する別のユニットであってよい。音響パルサ/受信器108と通信するプロセッサ110は、本開示に従って応答信号波形を格納および解析するように構成され得る。典型的に単一のプロセッサとして示されるが、プロセッサ110は、リモートプロセッサ、クラウドコンピューティングインフラなどを含む1または複数のプロセッサを含み得る。
【0021】
図1には明示されないが、複数のTxトランスデューサおよび/または複数のRxトランスデューサが、サンプル102にわたる1または複数の空間的位置に配置され得る。それによって、サンプル102にわたる音響信号特徴の空間的変動を調査することができる。送信される励起信号および受信された応答信号を分離およびチャネル化するために音響パルサ/受信器108と通信するマルチプレクサが構成され得る。いくつかの例では、TxおよびRxトランスデューサ104、106とサンプル102との間の接触を生み出し、強化するために、様々な音響整合剤(たとえば固体、液体、またはそれらの組み合わせ)が使用され得る。また、TxおよびRxトランスデューサ104、106とサンプル102との間の接触を確立または強化するために、様々な取付けまたは固定機構(たとえば空圧、圧縮、ねじなど)も使用され得る。
【0022】
図2は、1または複数のバッテリセルの生産または製造プロセス例200を、製造プロセス200に伴う様々な段階またはプロセスステップ202~232とともに示す。プロセスステップ(たとえばプロセスステップ202~232のいずれかのプロセスステップ)は、1つのステップ、複数のステップ、またはステップのシーケンスを含み得る。
【0023】
以下の説明において、プロセスステップ202~232はシーケンスで参照され、特定のバッテリセルの生産/製造に関して、より大きな参照番号で示されるプロセスステップは、より小さな参照番号で示されるプロセスステップよりも後に発生すると考えられる。たとえば、バッテリセルの生産は、プロセスステップ202~232の昇順で進行し得る。したがって、本明細書におけるフィードバックへの言及は、時間的に後のプロセスステップまたはより大きな参照番号を有するプロセスステップからの情報が、先行のプロセスステップまたはより小さな参照番号を有するプロセスステップにおいて用いられることを含み得る。同様に、本明細書におけるフィードフォワードへの言及は、時間的に先のプロセスステップまたはより小さな参照番号を有するプロセスステップからの情報が、後のプロセスステップまたはより大きな参照番号を有するプロセスステップにおいて用いられることを含み得る。本開示の様々な態様において、1つのプロセスステップにおける(たとえばシステム100のような構成を用いて行われる)音響信号ベースの解析に基づいて収集された情報は、音響信号ベースの解析のフィードバックおよび/またはフィードフォワードの任意の適切な組み合わせを用いて、1または複数の他のプロセスステップにおいて使用され得る。そのようなフィードバックおよび/またはフィードフォワードは、製造プロセス200を用いて生産されるバッテリセルの全体品質、製造プロセス200の効率/コスト、製造プロセス200を用いて生産されるバッテリセルの歩留りの向上/無駄の削減を改善し、また、様々なプロセスステップ202~232における改善に寄与し得る。
【0024】
より詳しくは、製造プロセス200は、電極スラリーを混合するためのプロセスステップ202で開始し得る。たとえばリチウムイオン電池などのバッテリを製造するいくつかの例では、たとえば活性アノードまたはカソード電極材料などの活性電極材料が溶剤中でバインダおよび導電材料と混合されてスラリーを形成し、これがウェブまたはシート状の金属集電体シートにコーティングまたは塗布され、それを焼成および乾燥させると、バッテリ内で使用される電極が得られる。金属集電体にスラリーを均一にコーティングすることは、バッテリの適切な機能および長寿における大きな要因になり得る。スラリーは粘度が高く、様々な密度の固体粒子および液体成分を大量に含むので、コーティングの一貫性のために均一に混合されたスラリーを得ることは複雑かつ困難なプロセスである。その結果、電極コーティングは、集電体ウェブ全体に沿って大きな組成差を示し得る。組成差を検出し、それに応じて、より均一な分布の電極コーティングを有するバッテリを製造することは、バッテリ性能および寿命の増加をもたらし得る。したがって、スラリーを混合するためのプロセスステップ202における改善は、様々な後続のプロセスステップだけでなく、スラリーから形成された電極を使用する結果として生じるバッテリの全体品質にも大きな影響を及ぼし得ることに留意する。
【0025】
プロセスステップ204は、上述したコーティングおよび乾燥フェーズを含む。たとえば、金属シートまたは集電体にコーティングされたスラリーは、乾燥される。乾燥は、コーティングされた材料が熱の適用に基づいて乾燥される乾燥オーブンを含み得る。金属シートにスラリーをコーティングすることは、電極、セパレータ、外装パッケージ、または他のバッテリ構成要素に使用するための薄膜構成要素の形成に用いられ得る。これらの薄膜構成要素の高い品質を保証するために、たとえばコーティングプロセスにおいて不均一性、損傷、汚染物質、異物混入、コーティング基板の剥離、または不適切な/漏れのあるパッケージなどを避け、バッテリの安全性および性能への影響を最小限に抑えるために、品質問題を捕捉することが重要である。バッテリ生産中、これらの品質問題のインライン監視および早急な捕捉は、スクラップ率を下げ、それによってLIBに関する生産コストを大幅に削減するために望ましい。音響信号がこれらの品質問題を捕捉した場合、先行の混合ステップ202および現在のコーティングおよび乾燥プロセスステップ204に是正措置がフィードバックされてよく、および/または、セルおよび構成要素製造の後続ステップにおいて電極の問題を補償するためにフィードフォワードされてもよい。
【0026】
プロセスステップ206は、スリット加工を含み、コーティングされたシートまたは膜が適切な寸法にスリット加工またはダイシングされ得る。たとえば、幅広の電極シートがスラリーでコーティングされ、その後、いくつかの例ではより幅の狭いストリップにスライスまたはスリット加工され得る。プロセスステップ208は、カレンダー処理を含み、コーティングされたシートが、所望の厚さ、嵩密度、および多孔性の電極を得るために圧縮される。カレンダー処理されたまたは/およびカレンダー処理されていないウェットおよびドライ電極コーティングは、たとえば多孔性、局所密度、質量負荷、粒子凝集、および一貫性のない粒度分布、たとえば空隙、筋、傷、または亀裂などの損傷、たとえば気泡および汚染物質粒子(金属および/または非金属)などの異物混入、電極コーティングの層剥離や剥落、電極コーティングと金属集電体との間の剥離、多孔質や密度の表面下変動などの欠陥を生じ易くなり得る。そのような欠陥の早期検出および/または修復が望ましいが、これらの欠陥の1または複数は、光学および他の従来の検査方法を介した検出が不可能な場合がある。
【0027】
プロセスステップ210は、カレンダー処理されたシートに行われ得る真空乾燥を含み得る。プロセスステップ212は、電極成形を含み得る。正確な電極成形は、ゼリーロールおよび/またはカットアンドスタック型のセルにとって重要である。プロセスステップ214は、2つ以上のユニットの成形電極が結合または複合化され得る複合物生成を含み得る。これは、アノード、カソード、およびセパレータをゼリーロールまたはスタックに組み立てるためのプロセスステップである。プロセスステップ216は、2つ以上の電極ユニットまたは集電体の複合物が溶接または他の方法によって互いに、および/または外部の電気接点やタブに結合され得る電気的接触を含み得る。プロセスステップ218~220は、ゼリーロールまたは電極スタックを、後に密封されるポーチやケースに挿入することに関連する。
【0028】
プロセスステップ222は、電解質充填および浸漬を含み得る。プロセスステップ224は、事前充電を含み、形成ステップ228の前に、電解質浸漬中に一定期間にわたり一定の電圧の充電がバッテリセルに印加される。プロセスステップ226は、電解質充填に使用されるバッテリ本体の孔が閉じられ得る充填孔閉鎖を含む。プロセスステップ228は、SEI形成を含む。LIB形成は、バッテリセルに初期充電/放電動作を行うプロセスである。プロセスステップ230は、エイジングを含み、各バッテリセルの開回路電圧の減衰(たとえばバッテリセルの自己放電率)が経時的に監視される。
【0029】
プロセスステップ232は、品質管理(QC)および品質保証(QA)を含み、DC抵抗、ACインピーダンス、電荷および/または放電容量、および開回路電圧が電気的に監視される。たとえば電極およびセパレータの亀裂、折り目、損傷、電極のミスアライメント、タブのミスアライメント、金属または他の異物粒子、電解質分布の不良、SEI形成および分布の不良などの内部欠陥(複数も可)を識別するために、製造ステップ232において音響信号ベースの解析がセルに行われてもよい。欠陥に加えて、音響解析は、セルの寿命性能を推定するためにも用いられ得る。ステップ232において検出された欠陥または問題点に関するこの情報および他の情報は、エラーを修正し、プロセス歩留りおよびセル品質を改善するために、関連する製造プロセスステップへのフィードバック経路において用いられ得る。
【0030】
態様例において、上述したように、バッテリ電極スラリーおよび他のバッテリ構成要素を評価するために診断技術が用いられ得る。リチウムイオンバッテリ(LIB)の場合、電極材料は、たとえばグラファイト、ケイ素化合物、および合金(たとえばアノード用)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(NCA)、リチウムコバルト酸化物(LCO)リチウムリン酸鉄(LFP)、リチウムマンガンスピネル酸化物(LiMn2O4)など(カソード用)、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、SBR、およびCMCなどのバインダ、および(たとえば電極の導電性または安定性を高めるための)たとえばカーボンブラック、カーボンナノチューブ、または界面活性剤などの添加剤などであるがこれに限定されない活性材料の混合物を含み得る。これらの材料は、混合と呼ばれるプロセスにおいて、アノードに関してはたとえば水など、カソードに関してはたとえばN-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの溶媒と混合される。この混合から得られるスラリーは、集電体にコーティングされ、電極を形成する。スラリーは粘度が高いため、適切なコーティングは複雑かつ困難なプロセスである。その結果、電極コーティングは、大きな組成差を示す場合がある。組成差を検出し、それに応じて、より均質な電極を有するバッテリを製造することは、バッテリ寿命の増加および経年化の軽減をもたらし得る。また、バッテリコストの大部分(たとえば75%)が材料費であり、これは、生産チェーンにわたって廃棄されるセルの観点から無駄を削減することがバッテリコスト全体を削減し得ることを意味する。
【0031】
電極は、連続的で、均質で、均一な厚さ(または著しく連続的で、著しく均質であり、著しく均一な厚さ)であってよく、および/またはそのように構成され得る。コーティング方法およびスラリー特性は、プロセス効率における役割を果たす要因の例である。適切なスラリーの流動学的性質、密度、多孔性、粘度、粘着力が最適化および監視され得る。層内の多くの不均質性は、望ましくない電極の局所的経年化や乏しいサイクル性能をもたらし得るため、コーティングプロセスは、非常に均質な厚さおよび密度分布を有する層をもたらすことができ、および/またはもたらすように設計され得る。
【0032】
プロセスを評価し、生産の初期段階で起こり得る欠陥を検出するために、電極およびスラリーパラメータの効率的な監視が用いられる。効率的な方法は、完全な欠陥検出を保証するために数マイクロメートルの解像度を有し、かつ工業規模に適合するように大きな視野を有し得る。光学顕微鏡、ベータ線透過、赤外線照射、およびレーザキャリパは、工業電極製造に適用され得る。本明細書で開示される技術は、現場でのバインダ混合およびスラリー監視方法を大規模に可能にし得る。
【0033】
バインダ溶解、一貫性のない固体割合、凝集、スラリーのゲル化、閉じ込められた気泡、およびバインダおよび電極スラリーにおける密度の変動は、電極における厚さの不均質性、ピンホール、ディボット、および凝集をもたらすことがあり、これは現在、スラリーおよび電極コーティングプロセス中に容易に識別できない。また、X線法およびベータ線透過測定は高価であり、(電離放射線による)環境負荷が高い。これには放射能線源が必要であり、特殊な遮蔽物、サービス、および高いレベルの安全対策を必要とする。バッテリ製造およびプロセス品質管理における効率的かつ低コストの検査方法が必要とされている。
【0034】
ここで
図3を参照すると、バッテリ製造プロセス(たとえば製造プロセス200または他の製造プロセスなど)のプロセスステップの1または複数を改善させるいくつかの例が説明される。以下の例は、製造プロセスのスラリーおよび電極コーティングプロセスステップを参照して音響検査技術の利用を示すが、この技術は、他のプロセスステップの改善にも拡大され得ることが理解される。
【0035】
図3は、バインダを含むバインダタンク302を示す。バインダは、上述したような電極コーティング用スラリーの調製に使用される任意のバインダまたは他の材料であってよい。バインダタンク302は、スラリーを混合するためのミキサ304にバインダを供給するパイプ305に取り付けられ得る。ポンプ303は、パイプ305を通りスラリータンク(たとえばミキサ304)内に入るバインダの流量を制御することができる。いくつかの例では、流量は、得られる測定値/データの品質に影響を及ぼし得る。
【0036】
デバイス320aは、典型的に、バインダタンク302に結合されているものとして示される。デバイス320aは、バインダタンク302内またはバインダタンク302外に配置され得る。デバイス320aは、バインダの音響信号ベースの解析のための任意の配置のTxおよび/またはRxトランスデューサを含み得る。たとえば、デバイス320aがバインダタンク302の片側または特定の位置に結合されていると識別される場合でも、実装例において、デバイス320aは、バインダタンク302内/周囲に任意の方法で分散する1または複数のTxおよび/またはRxトランスデューサ(または音響信号ベースの解析のための他の適切なデバイス)を含み得る。デバイス320aは、たとえば均質性、固体粒子(たとえば固体の割合)、混合物の均一性、一貫性など、バインダの様々な態様を監視するために用いられ得る。
【0037】
デバイス320aと同様の1または複数のデバイス320bは、バインダをスラリーミキサ304内に供給し得るパイプ305に結合され得る。デバイス320bを用いた音響信号特性の解析により、スラリーミキサ304内に供給されるバインダ混合物に関する貴重な情報が明らかになり得る。いくつかの例では、パイプ305内の任意の欠陥または問題点の識別は、診断情報として用いられ得る。たとえば、フィードバック機構において、パイプ305内でデバイス320bを用いて一貫性のなさが識別された場合、その情報は、バインダタンク302に起因し得る一貫性のなさを修正するために用いられ得る。他の例では、パイプ305からスラリーミキサ304に供給された一貫性のないバインダに合わせるように混合プロセスを適合させる(たとえば混合時間、混合速度、混合温度などを増加させる)ために、一貫性のなさはスラリーミキサ304に報告され得る。
【0038】
スラリーミキサ304は、スラリーを混合するためのブレード308を含み得る。スラリーは、たとえばアノードの場合は水、カソードの場合はN-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの溶媒と混合されたバインダ、グラファイト、および/または他の材料を含み得る。混合から得られるスラリーが集電体にコーティングされ、電極を形成する。スラリーは粘度が高いため、適切なコーティングは複雑かつ困難なプロセスである。その結果、電極コーティングは、スラリーミキサ304に注入され得るスラリーの任意の欠陥に基づく大きな組成差を示し得る。組成差を検出し、それに応じて、より均質な電極を有するバッテリを製造することは、バッテリ寿命の増加および経年化時間の短縮をもたらし得る。
【0039】
スラリーミキサ304の様々な態様が制御され得る。可能な構成および配置に関してデバイス320a~bと同様であるデバイス320cは、スラリーおよびスラリーミキサ304の様々な態様の音響信号挙動を調査するために用いられ得る。この情報は、スラリーミキサ304を制御するため(たとえばブレード308の速度/方向、温度、スラリー306の組成の任意の態様、または他の任意の態様の調整)に用いられ得る。スラリーは、パイプ307を用いて集電体310にコーティングされ得る。いくつかの例では、ポンプ306は、パイプ307を通るスラリーの流量を制御することができる。
【0040】
デバイス320d(デバイス320a~cと同様)は、パイプ307を通るスラリーの流れの音響信号特性を監視するために用いられてよく、この情報は、スラリーの品質を監視および評価するために用いられ得る。デバイス320cからの診断情報は、パイプ307への任意の調整(たとえばパイプ307を通るスラリーの流速を制御するため)にも用いられ得る。
【0041】
たとえば、製造の過程で、スラリーの沈降または沈殿は、より重い粒子を沈殿させ、不完全な混合をもたらすことがあり、その結果、たとえば高いバインダ含有量または低いバインダ含有量を有するスラリーミキサ304内のスラリー領域が生じる。そのような影響は、スラリーを集電体310にコーティングするためにパイプ307を介してどのようにコータにスラリーを堆積させるかに変化をもたらし得る。
【0042】
上記構成要素または関連プロセスの1または複数を監視することにより、ユーザは、コーティング品質をリアルタイムで通知され、製造プロセスフローに欠陥が生じた場合に欠陥にフラグを付けることができる。たとえば、デバイス320a~dの1または複数を監視することにより、スラリーが電極スラリー308として集電体310に堆積されるコーティングプロセスに対して行われる可能性のある調整に関する情報が明らかになり得る。たとえば、バインダ、スラリー、パイプ305~307の条件は、たとえば電極スラリー308のコーティング層の厚さ、スラリーがパイプ307を通って処理されコーティングされる速度、コーティングの幅および均一性などの決定を導くなど、コーティングプロセス309を制御するために用いられ得る。
【0043】
均一性の高いウェット薄膜を堆積するために、高品質な膜を製造することが可能な様々な溶液処理技術が存在する。いくつかの例では、コーティングプロセス309は、スロットダイコーティングを含み得る。スロットダイコーティングは、コーティング「ヘッド」を介して溶液が基板にコーティングされる技術である。溶液は、決定された速度でヘッドを通って流れ、基板はその下で動かされる。スロットダイコーティングは、計量式コーティングプロセスであり得る。たとえば、ウェット薄膜の厚さは、基板に堆積される溶液の量によって決定され得る。他のパラメータは、コーティングの均一性および安定性を高めるために作用し得る。
【0044】
他の例では、コーティングプロセス309は、ドクターブレーディングを含み得る。ドクターブレーディング(またはナイフコーティングまたはブレードコーティング)は、薄膜製造技術の一例である。ドクターブレーディングは、基板の上でブレードを走らせ、またはブレードの下で基板を動かすことを伴い得る。溶液が通り得る量を決定する小さな隙間が存在する。溶液は、基板上に効果的に広げられ得る。最終的な厚さは、基板とブレードとの間の隙間の何分の一かになり得る。ウェット膜の最終的な厚さは、溶液の粘弾特性およびコーティングの速度によって影響を及ぼされ得る。たとえばディップコーティング、スピンコーティング、バーコーティングなど、他のコーティング技術の例も本明細書において考慮される。
【0045】
1または複数のローラ312は、電極形成の様々な構成要素を通して集電体材料を運搬または移動するために用いられ得る。たとえば、ローラ312は、スラリーがパイプ307を通って集電体310に幅方向に沿って堆積され得るように、薄いシート状の集電体310を長さ方向に沿って移動させるために用いられ得る。いくつかの例では、デバイス320eは、集電体および/または堆積した電極スラリー308の特性を監視するために用いられ得る。いくつかの例では、デバイス320fは、ローラの1または複数(またはたとえばくさびなどの他のデバイス、および/または場合によっては音響信号を集束させるための導波管とともに)に組み込まれ、または設けられ得る。デバイス320e~fは、上述したデバイス320a~dと同様であってよく、電極スラリー308/集電体310の任意の部分の音響信号ベースの監視に用いられ得る。ローラ、集電体、電極スラリー、感知デバイス、および他の態様は、全ての目的のためにその内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2020年5月6日に出願され、“ACOUSTIC SIGNAL BASED ANALYSIS OF FILMS FOR USE IN BATTERIES”と題された米国仮特許出願第63/020,797号において更に説明される。
【0046】
電極スラリー308/集電体310は、コーティングプロセス時、乾燥のために乾燥オーブン314内で処理され得る。ローラ312は、乾燥プロセスを通して電極スラリー308/集電体310を運搬してよい。デバイス320gは、乾燥プロセスを通して電極スラリー308/集電体310を監視し得る。デバイス320e~fは、乾燥オーブン314を制御するために、監視される電極スラリー308/集電体310に基づくフィードフォワード情報を提供し得る。たとえば、デバイス320e~fを用いて行われる音響信号ベースの解析に基づいて特定のレベルの湿り度、厚さ、一貫性などが決定されると、電極スラリー308/集電体310のために最適な乾燥時間および温度が決定されてよく、この情報は、乾燥オーブン314に関する設定をプログラムするために用いられ得る。コーティングおよび/またはカレンダー処理のいくつかの例において(たとえばプロセスステップ204、208を参照)、電極スラリー308のコーティングにおいて測定された一貫性のなさは、加熱/乾燥フェーズの調整に加えて、またはその代わりに、スラリー混合またはバインダ形成にもフィードバックされ得る。
【0047】
図4は、たとえばバインダや電極スラリーなどの固体液体混合物で充填され、音響ベースの解析技術を用いて1または複数のセンサで監視されるパイプまたはケースの断面を示す。バインダ溶解品質、一貫性のない固体割合、凝集、スラリーのゲル化、閉じ込められた気泡、密度の変動などの特性が、バインダまたはスラリーの品質を評価するために制御された環境で監視され得る。得られた診断情報は、混合物の特性における変動を評価するために、参照データセットと比較され得る。
【0048】
図5は、バッテリセルを製造するための方法例500を示すフローチャートである。ブロック502において、方法500は、1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行うことを含み得る。
【0049】
ブロック504において、方法500は、第1のプロセスステップ中に行われた音響信号ベースの解析に基づいて、1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための第1のプロセスステップおよび第2のプロセスステップの少なくとも1つに対する1または複数の改善を決定することを含み得る。
【0050】
ブロック506において、方法500は、第1のプロセスステップおよび第2のプロセスステップの少なくとも1つに対する1または複数の改善に関する情報を供給することを含み得る。
【0051】
いくつかの例では、第2のプロセスステップは第1のプロセスステップより先であってよく、情報の供給はフィードバックを含み得る。いくつかの例では、第2のプロセスステップは第1のプロセスステップより後であってよく、情報の供給はフィードフォワードを含み得る。
【0052】
いくつかの態様において、1または複数の改善は、電極スラリーおよび/または集電体の加熱または乾燥、スラリーの混合、バインダの形成、集電体に関連する1または複数のローラの操作、集電体へのスラリーのコーティング、パイプを通るスラリーの流れ、スラリーミキサの制御、パイプを通るバインダの流れ、バインダミキサの制御、検出された異常な材料の除去、および/またはバインダおよび/またはスラリーの材料組成の少なくとも1つに対する1または複数の調整を含み得る。
【0053】
いくつかの態様において、音響信号ベースの解析を行うことは、第1のプロセスステップ、第2のプロセスステップ、1または複数のバッテリセル、および1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の少なくとも1つの1または複数の特徴を測定することを含み得る。いくつかの例では、1または複数の特徴は、バインダの1または複数の特性、パイプの1または複数の特性、スラリーの1または複数の特性、スラリーミキサの1または複数の特性、スラリーの流れの1または複数の特性、スラリーのコーティングの1または複数の特性、電極スラリーの1または複数の特性、集電体の1または複数の特性、および乾燥オーブンの1または複数の設定の少なくとも1つを含み得る。
【0054】
いくつかの例では、音響信号ベースの解析を行うことは、1または複数のセル、1または複数のセルの一部、1または複数のセルの1または複数の構成要素、および1または複数のセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを通って伝送される1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを含み得る。
【0055】
いくつかの例では、音響信号ベースの解析を行うことは、1または複数のセル、1または複数のセルの一部、1または複数のセルの1または複数の構成要素、および1または複数のセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つから反射する1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを含み得る。
【0056】
いくつかの例では、方法500は、音響解析でバインダおよび/またはスラリーにおける1または複数の異常を検出し、実行可能な知恵を提供することを含み得る。
【0057】
当業者は、情報および信号が、様々な異なる技術および技法のいずれかを用いて表され得ることを理解する。たとえば、上記説明を通して言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁粒子、光場または光粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0058】
また、当業者は、本明細書に開示される態様に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれら両方の組み合わせとして実装され得ることを認識する。このハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、それらの機能の観点から一般に上述された。そのような機能は、特定の用途およびシステム全体に課された設計制約に依存して、ハードウェアまたはソフトウェアとして実装される。当業者は、各特定のアプリケーションに関して様々な方法で説明される機能を実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈すべきではない。
【0059】
したがって、本発明の態様は、音響信号ベースの解析を用いてバッテリセルの製造における1または複数のプロセスに対する改善方法を具体化するコンピュータ可読媒体を含み得る。したがって、本発明は図示された例に限定されず、本明細書で説明される機能を行うための任意の手段が本発明の態様に含まれる。
【0060】
いくつかの例では、(方法500とも称される)プロセス500は、1または複数のコンピューティングデバイスまたは装置によって行われ得る。1つの典型的な例において、プロセス500は、
図1に示す電子デバイス100によって行われ得る。いくつかの例では、プロセス500は、
図6に示すコンピューティングデバイスアーキテクチャ600を有する1または複数のコンピューティングデバイスによって行われ得る。場合によっては、そのようなコンピューティングデバイスまたは装置は、プロセス500のステップを実行するように構成されたプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、または他のデバイス構成要素を含み得る。いくつかの例では、そのようなコンピューティングデバイスまたは装置は、画像データおよび/または他のセンサ測定値を捕捉するように構成された1または複数のセンサを含み得る。たとえば、コンピューティングデバイスは、スマートフォン、頭部装着型ディスプレイ、モバイルデバイス、または他の適切なデバイスを含み得る。いくつかの例では、そのようなコンピューティングデバイスまたは装置は、1または複数の画像または映像を捕捉するように構成されたカメラを含み得る。場合によっては、そのようなコンピューティングデバイスは、画像を表示するためのディスプレイを含んでよい。いくつかの例では、1または複数のセンサおよび/またはカメラは、コンピューティングデバイスとは別であり、その場合、コンピューティングデバイスは、感知されたデータを受信する。そのようなコンピューティングデバイスは、データを通信するように構成されたネットワークインタフェースを更に含んでよい。
【0061】
コンピューティングデバイスの構成要素は、回路において実装され得る。たとえば、構成要素は、本明細書で説明される様々な動作を行うために、1または複数のプログラマブル電子回路(たとえばマイクロプロセッサ、グラフィック処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、中央処理ユニット(CPU)、および/または他の適切な電子回路)を含み得る電子回路または他の電子ハードウェアを含み、および/またはそれを用いて実装されてよく、および/または、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含み、および/またはそれを用いて実装され得る。コンピューティングデバイスは、(出力デバイスの例として、または出力デバイスに加えて)ディスプレイ、データを通信および/または受信するように構成されたネットワークインタフェース、それらの任意の組み合わせ、および/または他の構成要素(複数も可)を更に含んでよい。ネットワークインタフェースは、インターネットプロトコル(IP)ベースのデータまたは他の型のデータを通信および/または受信するように構成され得る。
【0062】
プロセス500は、論理フロー図として示され、その動作は、ハードウェア、コンピュータ命令、またはそれらの組み合わせで実装され得る動作のシーケンスを表す。コンピュータ命令の文脈において、動作は、1または複数のプロセッサによって実行されると言及された動作を行う、1または複数のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行し、または特定のデータ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。動作が説明される順序は、限定として解釈されることは意図されず、説明される動作の任意の数がプロセスを実施するために任意の順序で、および/または並行して組み合わせられ得る。
【0063】
また、プロセス500は、実行可能命令で構成された1または複数のコンピュータシステムの制御下で行われてよく、1または複数のプロセッサで、ハードウェアによって、またはそれらの組み合わせで集合的に実行するコード(たとえば実行可能命令、1または複数のコンピュータプログラム、または1または複数のアプリケーション)として実装され得る。上述したように、コードは、たとえば1または複数のプロセッサによって実行可能な複数の命令を備えるコンピュータプログラムの形式で、コンピュータ可読または機械可読記憶媒体に格納され得る。コンピュータ可読または機械可読記憶媒体は、非一時的であってよい。
【0064】
図6は、本明細書で説明される様々な技術を実施し得るコンピューティングデバイス例のコンピューティングデバイスアーキテクチャ例600を示す。たとえば、コンピューティングデバイスアーキテクチャ600は、
図1に示す電子デバイス100の少なくともいくつかの部分を実装し得る。コンピューティングデバイスアーキテクチャ600の構成要素は、たとえばバスなどの接続605を用いて互いに電気的に通信するように示される。コンピューティングデバイスアーキテクチャ例600は、処理ユニット(CPUまたはプロセッサ)610と、たとえば読取専用メモリ(ROM)620およびランダムアクセスメモリ(RAM)625などのコンピューティングデバイスメモリ615を含む様々なコンピューティングデバイス構成要素をプロセッサ610に結合するコンピューティングデバイス接続605とを含む。
【0065】
コンピューティングデバイスアーキテクチャ600は、プロセッサ610に直接接続された、プロセッサ610に近接した、またはプロセッサ610の一部として統合された高速メモリのキャッシュを含み得る。コンピューティングデバイスアーキテクチャ600は、プロセッサ610による迅速なアクセスのために、メモリ615および/またはストレージデバイス630からのデータをキャッシュ612にコピーし得る。このように、キャッシュは、データを待機しながらプロセッサ610の遅延を避ける性能ブーストを提供し得る。これらのモジュールおよび他のモジュールは、様々なアクションを行うためにプロセッサ610を制御してよく、または制御するように構成され得る。他のコンピューティングデバイスメモリ615も同様に利用可能であってよい。メモリ615は、異なる性能特性を有する複数の異なる種類のメモリを含み得る。プロセッサ610は、任意の汎用プロセッサと、ストレージデバイス630に格納され、プロセッサ610を制御するように構成されたハードウェアまたはソフトウェアサービスと、ソフトウェア命令がプロセッサ設計に組み込まれている専用プロセッサとを含み得る。プロセッサ610は、複数のコアまたはプロセッサ、バス、メモリコントローラ、キャッシュなどを含む自己完結型システムであってよい。マルチコアプロセッサは、対称または非対称であってよい。
【0066】
コンピューティングデバイスアーキテクチャ600とのユーザインタラクションを可能にするために、入力デバイス645は、たとえば音声用マイクロフォン、ジェスチャまたはグラフィック入力用のタッチ感知式スクリーン、キーボード、マウス、モーション入力、音声などの任意の数の入力機構を表し得る。出力デバイス635は、たとえばディスプレイ、プロジェクタ、テレビ、スピーカデバイスなど、当業者に知られている多数の出力機構の1または複数であってもよい。いくつかの例では、マルチモーダルコンピューティングデバイスは、ユーザが、コンピューティングデバイスアーキテクチャ600と通信するために複数の種類の入力を提供することを可能にし得る。通信インタフェース640は、一般に、ユーザ入力およびコンピューティングデバイス出力を統制および管理し得る。任意の特定のハードウェア構成での動作に制限はないので、ここでの基本特徴は、開発とともに改善されたハードウェアまたはファームウェア構成に容易に代替され得る。
【0067】
ストレージデバイス630は不揮発性メモリであり、ハードディスク、または、たとえば磁気カセット、フラッシュメモリカード、ソリッドステートメモリデバイス、デジタルバーサタイルディスク、カートリッジ、ランダムアクセスメモリ(RAM)625、読取専用メモリ(ROM)620、およびそれらのハイブリッドなど、コンピュータによってアクセス可能なデータを格納し得る他の種類のコンピュータ可読媒体であってよい。ストレージデバイス630は、プロセッサ610を制御するためのソフトウェア、コード、ファームウェアなどを含み得る。他のハードウェアまたはソフトウェアモジュールも考えられる。ストレージデバイス630は、コンピューティングデバイス接続605に接続され得る。1つの態様において、特定の機能を行うハードウェアモジュールは、機能を実行するために、たとえばプロセッサ610、接続605、出力デバイス635などの必要なハードウェア部品と接続するコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェア構成要素を含み得る。
【0068】
「コンピュータ可読媒体」という用語は、ポータブルまたは非ポータブルストレージデバイス、光学ストレージデバイス、および命令(複数も可)および/またはデータを格納、含有、または搬送することが可能な他の様々な媒体を含むが、これに限定されない。コンピュータ可読媒体は、データを格納することができ、無線または有線接続を介して伝搬する搬送波および/または一時的な電子信号を含まない、非一時的媒体を含んでよい。非一時的媒体の例は、磁気ディスクまたはテープ、たとえばコンパクトディスク(CD)またはデジタルバーサタイルディスク(DVD)などの光学記憶媒体、フラッシュメモリ、メモリ、またはメモリデバイスを含んでよいが、これに限定されない。コンピュータ可読媒体は、手順、機能、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造、またはプログラム文の任意の組み合わせを表し得るコードおよび/または機械実行可能命令を格納してよい。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリコンテンツを受け渡し、および/または受信することによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合され得る。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信などを含む任意の適切な手段を介して受渡し、転送、または送信され得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、コンピュータ可読ストレージデバイス、媒体、およびメモリは、ビットストリームなどを含むケーブルまたは無線信号を含み得る。ただし、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に言及する場合、たとえばエネルギ、搬送波信号、電磁波、および信号自体は明確に除外される。
【0070】
上記説明において、本明細書に提供される実施形態および例の完全な理解を提供するために、特定の詳細が記載される。ただし、当業者には、これらの特定の詳細がなくとも実施形態が実施され得ることが理解される。説明の明確性のために、いくつかの例では、本技術は、デバイス、デバイス構成要素、ソフトウェアにおいて具体化される方法におけるステップまたはルーチン、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを備える個々の機能ブロックを含むものとして提示され得る。図面に示され、および/または本明細書で説明されたもの以外の追加の構成要素が用いられてよい。たとえば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、および他の構成要素は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にしないために、ブロック図形式で構成要素として示され得る。他の例では、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技術は、実施形態を不明瞭にすることを避けるために、不必要な詳細を伴わずに示され得る。
【0071】
個々の実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、またはブロック図として示されるプロセスまたは方法として上記で説明され得る。フローチャートは、動作を連続的なプロセスとして説明し得るが、動作の多くは、並列または同時に行われ得る。また、動作の順序は並べ替えられてよい。プロセスは、その動作が完了すると終了するが、図に含まれない追加のステップを有してもよい。プロセスは、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応してよい。プロセスが関数に対応する場合、その終了は、呼出し関数または主関数への関数の戻りに対応し得る。
【0072】
上述した例に係るプロセスおよび方法は、コンピュータ可読媒体に格納され、または他の方法でそこから利用可能なコンピュータ実行可能命令を用いて実施され得る。そのような命令は、たとえば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または処理デバイスに特定の機能または機能のグループを行わせる、または行うように構成する命令およびデータを含み得る。使用されるコンピュータリソースの一部は、ネットワークを介してアクセス可能であり得る。コンピュータ実行可能命令は、たとえば、バイナリ、たとえばアセンブリ言語などの中間フォーマット命令、ファームウェア、ソースコードであってよい。命令、使用される情報、および/または説明された例に係る方法中に生成される情報を格納するために用いられ得るコンピュータ可読媒体の例は、磁気または光ディスク、フラッシュメモリ、不揮発性メモリが設けられたUSBデバイス、ネットワーク化ストレージデバイスなどを含む。
【0073】
これらの開示に係るプロセスおよび方法を実施するデバイスは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせを含んでよく、様々な形状因子のいずれかをとってよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードにおいて実施される場合、必要なタスクを行うためのプログラムコードまたはコードセグメント(たとえばコンピュータプログラム製品)は、コンピュータ可読媒体または機械可読媒体に格納され得る。プロセッサ(複数も可)は、必要なタスクを実行してよい。形状因子の典型的な例は、ラップトップ、スマートフォン、モバイルフォン、タブレットデバイスまたは他の小さな形状因子のパーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、ラックマウントデバイス、スタンドアロンデバイスなどを含む。本明細書で説明される機能は、周辺機器またはアドインカードにおいて具体化されてもよい。そのような機能は、更なる例として、単一のデバイスで実行する異なるチップまたは異なるプロセスにわたり回路基板に実装されてもよい。
【0074】
命令、そのような命令を搬送するための媒体、それらを実行するためのコンピューティングリソース、およびそのようなコンピューティングリソースをサポートするための他の構造は、本開示において説明される機能を提供するための手段の例である。
【0075】
上記説明において、本出願の態様は、特定の実施形態を参照して説明されるが、当業者は、本出願がそれらに限定されないことを認識する。したがって、本明細書において本出願の例示的な実施形態が詳細に説明されるが、その発明概念は、それ以外にも様々に具体化および利用されてよく、添付の特許請求の範囲は、従来技術によって制限される場合を除き、そのような変形例を含むように解釈されることが意図されている。上述した本出願の様々な特徴および態様は、個々に、または共に用いられ得る。また、実施形態は、本明細書の広範な主旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明されたもの以外の任意の数の環境および用途で利用可能である。したがって、本明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものと見なされる。説明のために、方法は特定の順序で説明される。代替実施形態において、方法は、説明されたものと異なる順序で行われ得ることを理解すべきである。
【0076】
当業者は、本明細書で使用される未満(「<」)および超過(「>」)を表す記号や用語が、本明細書の範囲から逸脱することなく、以下(「≦」)および以上(「≧」)を表す記号に置き換えられ得ることを理解する。
【0077】
構成要素が特定の動作を行うように「構成される」と説明される場合、そのような構成は、たとえばその動作を行うように電子回路または他のハードウェアを設計すること、その動作を行うようにプログラム可能な電子回路(たとえばマイクロプロセッサまたは他の適当な電子回路)をプログラムすること、またはそれらの任意の組み合わせによって実現され得る。
【0078】
「~に結合される」という表現は、直接または間接的に別の構成要素に物理的に接続される任意の構成要素、および/または、直接または間接的に別の構成要素と通信している(たとえば有線または無線接続、および/または他の適切な通信インタフェースを介して別の構成要素に接続された)任意の構成要素を指す。
【0079】
上記開示は、本発明の例示的な態様を示すが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更および修正がなされ得ることに留意すべきである。本明細書で説明される本発明の態様に従う方法クレームの機能、ステップ、および/またはアクションは、特定の順序で行われる必要はない。また、本発明の要素は単数形で説明され、または特許請求の範囲に記載され得るが、単数形への限定が明示されない限り、複数形も考慮される。
【0080】
セットの「少なくとも1つ」および/またはセットの「1または複数」を記載するクレーム言語または他の言語は、セットの1つのメンバまたはセットの複数のメンバ(任意の組み合わせ)がそのクレームを満たすことを示す。たとえば、「AおよびBの少なくとも1つ」または「AまたはBの少なくとも1つ」を記載するクレーム言語は、A、B、またはAおよびBを意味する。他の例として、「A、B、およびCの少なくとも1つ」または「A、B、またはCの少なくとも1つ」を記載するクレーム言語は、A、B、C、またはAおよびB、またはAおよびC、またはBおよびC、またはAおよびBおよびCを意味する。セットの「少なくとも1つ」および/またはセットの「1または複数」という言葉は、そのセットをセット内に挙げられた事項に限定するものではない。たとえば、「AおよびBの少なくとも1つ」または「AまたはBの少なくとも1つ」を記載するクレーム言語は、A、B、またはAおよびBを意味し、AおよびBのセットに挙げられていない事項を更に含み得る。
【0081】
本開示の典型的な例は、以下を含む。
【0082】
態様1。バッテリセルを製造する方法であって、1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行うことと、第1のプロセスステップ中に行われた音響信号ベースの解析に基づいて、1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための第1のプロセスステップおよび第2のプロセスステップの少なくとも1つに対する1または複数の改善を決定することとを備える方法。
【0083】
態様2。第2のプロセスステップが第1のプロセスステップより先である、態様1の方法。
【0084】
態様3。情報を供給することは、フィードバックを備える、態様2の方法。
【0085】
態様4。1または複数の改善は、電極スラリーおよび/またはコーティングされた集電体の加熱または乾燥、スラリーの混合、バインダの形成、集電体に関連する1または複数のローラの操作、集電体へのスラリーのコーティング、パイプを通るスラリーの流れ、スラリーミキサの制御、パイプを通るバインダの流れ、バインダミキサの制御、検出された異常な材料の除去、バインダおよび/またはスラリーの材料組成の少なくとも1つに対する1または複数の調整を備える、態様1~3のいずれかの方法。
【0086】
態様5。音響信号ベースの解析を行うことは、第1のプロセスステップ、第2のプロセスステップ、1または複数のバッテリセル、および1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の少なくとも1つの1または複数の特徴を測定することを備える、態様1~4のいずれかの方法。
【0087】
態様6。1または複数の特徴は、バインダの1または複数の特性、パイプの1または複数の特性、スラリーの1または複数の特性、スラリーミキサの1または複数の特性、スラリーの流れの1または複数の特性、スラリーのコーティングの1または複数の特性、電極スラリーの1または複数の特性、集電体の1または複数の特性、および乾燥オーブンの1または複数の設定の少なくとも1つを備える、態様5の方法。
【0088】
態様7。音響信号ベースの解析を行うことは、1または複数のセル、1または複数のセルの一部、1または複数のセルの1または複数の構成要素、および1または複数のセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを通って伝送される1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、態様1~6のいずれかの方法。
【0089】
態様8。音響信号ベースの解析を行うことは、1または複数のセル、1または複数のセルの一部、1または複数のセルの1または複数の構成要素、および1または複数のセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つから反射する1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、態様1~7のいずれかの方法。
【0090】
態様9。第1のプロセスステップおよび第2のプロセスステップの少なくとも1つに対する1または複数の改善に関する情報を供給することを更に備える、態様1~8のいずれかの方法。
【0091】
態様10。第2のプロセスステップが第1のプロセスステップより後であり、情報を供給することは、フィードフォワードを備える、態様1または3~9のいずれかの方法。
【0092】
態様11。1または複数のバッテリセルの一部および1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを介して音響信号を送信し、音響信号に関連する対応する応答信号を受信するように構成された1または複数のトランスデューサと、1または複数のバッテリセルまたは1または複数の構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行い、第1のプロセスステップ中に行われた音響信号ベースの解析に基づいて、1または複数のバッテリセルまたは1または複数の構成要素を製造するための少なくとも第2のプロセスステップに対する1または複数の改善を決定するように構成された1または複数のプロセッサとを備えるシステム。
【0093】
態様12。第2のプロセスステップが第1のプロセスステップより先である、態様11のシステム。
【0094】
態様13。情報を供給することは、フィードバックを備える、態様12のシステム。
【0095】
態様14。1または複数の改善は、電極スラリーおよび/または集電体の加熱または乾燥、スラリーの混合、バインダの形成、集電体に関連する1または複数のローラの操作、集電体へのスラリーのコーティング、パイプを通るスラリーの流れ、スラリーミキサの制御、パイプを通るバインダの流れ、バインダミキサの制御、検出された異常な材料の除去、バインダおよび/またはスラリーの材料組成の少なくとも1つに対する1または複数の調整を備える、態様11~13のいずれかのシステム。
【0096】
態様15。音響信号ベースの解析を行うことは、第1のプロセスステップ、第2のプロセスステップ、1または複数のバッテリセル、および1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の少なくとも1つの1または複数の特徴を測定することを備える、態様11~14のいずれかのシステム。
【0097】
態様16。1または複数の特徴は、バインダの1または複数の特性、パイプの1または複数の特性、スラリーの1または複数の特性、スラリーミキサの1または複数の特性、スラリーの流れの1または複数の特性、スラリーのコーティングの1または複数の特性、電極スラリーの1または複数の特性、集電体の1または複数の特性、および乾燥オーブンの1または複数の設定の少なくとも1つを備える、態様15のシステム。
【0098】
態様17。音響信号ベースの解析を行うことは、1または複数のセル、1または複数のセルの一部、1または複数のセルの1または複数の構成要素、および1または複数のセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを通って伝送される1または複数の音響信号に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、態様11~16のいずれかのシステム。
【0099】
態様18。音響信号ベースの解析を行うことは、1または複数のセル、1または複数のセルの一部、1または複数のセルの1または複数の構成要素、および1または複数のセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つから反射する1または複数の音響信号に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、態様11~17のいずれかのシステム。
【0100】
態様19。バインダ、スラリー、バインダを含むコンテナ、スラリーを含むコンテナ、乾燥オーブン、およびパイプを通るバインダおよび/またはスラリーの流れを制御するように構成されたポンプの少なくとも1つを更に備える、態様11~18のいずれかのシステム。
【0101】
態様20。1または複数のプロセッサは、第2のプロセスステップに対する1または複数の改善に関する情報を供給するように構成されている、態様11~19のいずれかのシステム。
【0102】
態様21。第2のプロセスステップが第1のプロセスステップより後であり、情報を供給することは、フィードフォワードを備える、態様11または態様13~20のいずれかのシステム。
【0103】
態様22。1または複数のプロセッサによって実行されると、1または複数のプロセッサに、態様1~10のいずれかに記載の方法を行わせる命令が格納されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0104】
態様23。態様1~10のいずれかに記載の方法を行うための手段を備えるシステム。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリセル
の製造に用いられるプロセスの音響解析の方法であって、
1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行うことと、
前記第1のプロセスステップ中に行われた前記音響信号ベースの解析に基づいて、前記1または複数のバッテリセルまたは
前記その構成要素を製造するための前記第1のプロセスステップおよび第2のプロセスステップの少なくとも1つに対する1または複数の改善を決定すること
であって、前記第1のステップおよび前記第2のステップは、前記1または複数のバッテリセルまたは前記その構成要素の製造サイクルにおける異なる段階を示すことと
を備える方法。
【請求項2】
前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより先であ
る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより後であ
る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1または複数の改善は、電極スラリーおよびコーティングされた集電体の加熱または乾燥、スラリーの混合、バインダの形成、前記集電体に関連する1または複数のローラの操作、前記集電体への前記スラリーのコーティング、パイプを通る前記スラリーの流れ、スラリーミキサの制御、パイプを通るバインダの流れ、バインダミキサの制御、検出された異常な材料の除去、バインダおよびスラリーの
少なくとも1つの材料組成の少なくとも1つに対する1または複数の調整を備える、請求項1
~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記第1のプロセスステップ、前記第2のプロセスステップ、前記1または複数のバッテリセル、および前記1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の少なくとも1つの1または複数の特徴を測定することを備える、請求項1
~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記1または複数の特徴は、バインダの1または複数の特性、パイプの1または複数の特性、スラリーの1または複数の特性、スラリーミキサの1または複数の特性、スラリーの流れの1または複数の特性、前記スラリーのコーティングの1または複数の特性、電極スラリーの1または複数の特性、集電体の1または複数の特性、および乾燥オーブンの1または複数の設定の少なくとも1つを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを通って伝送される1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、請求項1
~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つから反射する1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、請求項1
~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のプロセスステップおよび前記第2のプロセスステップの前記少なくとも1つに対する前記1または複数の改善に関する情報を供給することを更に備える、請求項1
~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
バッテリセルの製造に用いられるプロセスの音響解析のためのシステムであって、
前記1または複数のバッテリセルの一部および前記1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを介して音響信号を送信し、前記音響信号に関連する対応する応答信号を受信するように構成された1または複数のトランスデューサと、
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を行うように構成された1または複数のプロセッサと
を備えるシステム。
【請求項11】
バッテリセルの製造に用いられるプロセスの音響解析のためのシステムの1または複数のプロセッサによって実行されると、前記
システムに、
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法を行わせるコンピュータ可読命令を備える、1または複数の非一時的コンピュータ可読媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
態様23。態様1~10のいずれかに記載の方法を行うための手段を備えるシステム。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] バッテリセルを製造する方法であって、
1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行うことと、
前記第1のプロセスステップ中に行われた前記音響信号ベースの解析に基づいて、前記1または複数のバッテリセルまたはその構成要素を製造するための前記第1のプロセスステップおよび第2のプロセスステップの少なくとも1つに対する1または複数の改善を決定することと
を備える方法。
[2] 前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより先であり、前記情報を供給することは、フィードバックを備える、[1]に記載の方法。
[3] 前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより後であり、前記情報を供給することは、フィードフォワードを備える、[1]に記載の方法。
[4] 前記1または複数の改善は、電極スラリーおよび/またはコーティングされた集電体の加熱または乾燥、スラリーの混合、バインダの形成、前記集電体に関連する1または複数のローラの操作、前記集電体への前記スラリーのコーティング、パイプを通る前記スラリーの流れ、スラリーミキサの制御、パイプを通るバインダの流れ、バインダミキサの制御、検出された異常な材料の除去、バインダおよび/またはスラリーの材料組成の少なくとも1つに対する1または複数の調整を備える、[1]に記載の方法。
[5] 前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記第1のプロセスステップ、前記第2のプロセスステップ、前記1または複数のバッテリセル、および前記1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の少なくとも1つの1または複数の特徴を測定することを備える、[1]に記載の方法。
[6] 前記1または複数の特徴は、バインダの1または複数の特性、パイプの1または複数の特性、スラリーの1または複数の特性、スラリーミキサの1または複数の特性、スラリーの流れの1または複数の特性、前記スラリーのコーティングの1または複数の特性、電極スラリーの1または複数の特性、集電体の1または複数の特性、および乾燥オーブンの1または複数の設定の少なくとも1つを備える、[5]に記載の方法。
[7] 前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを通って伝送される1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、[1]に記載の方法。
[8] 前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つから反射する1または複数の音響波に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、[1]に記載の方法。
[9] 前記第1のプロセスステップおよび前記第2のプロセスステップの前記少なくとも1つに対する前記1または複数の改善に関する情報を供給することを更に備える、[1]に記載の方法。
[10] 1または複数のバッテリセルの一部および前記1または複数のバッテリセルの1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを介して音響信号を送信し、前記音響信号に関連する対応する応答信号を受信するように構成された1または複数のトランスデューサと、
前記1または複数のバッテリセルまたは前記1または複数の構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行い、
前記第1のプロセスステップ中に行われた前記音響信号ベースの解析に基づいて、前記1または複数のバッテリセルまたは1または複数の構成要素を製造するための少なくとも第2のプロセスステップに対する1または複数の改善を決定する
ように構成された1または複数のプロセッサと
を備えるシステム。
[11] 前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより先であり、前記情報を供給することは、フィードバックを備える、[10]に記載のシステム。
[12] 前記第2のプロセスステップは、前記第1のプロセスステップより後であり、前記情報を供給することは、フィードフォワードを備える、[10]に記載のシステム。
[13] 前記1または複数の改善は、電極スラリーおよび/または集電体の加熱または乾燥、スラリーの混合、バインダの形成、前記集電体に関連する1または複数のローラの操作、前記集電体への前記スラリーのコーティング、パイプを通る前記スラリーの流れ、スラリーミキサの制御、パイプを通るバインダの流れ、バインダミキサの制御、検出された異常な材料の除去、バインダおよび/またはスラリーの材料組成の少なくとも1つに対する1または複数の調整を備える、[10]に記載のシステム。
[14] 前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記第1のプロセスステップ、前記第2のプロセスステップ、前記1または複数のバッテリセル、および前記1または複数のバッテリセルの前記1または複数の構成要素の少なくとも1つの1または複数の特徴を測定することを備える、[10]に記載のシステム。
[15] 前記1または複数の特徴は、バインダの1または複数の特性、パイプの1または複数の特性、スラリーの1または複数の特性、スラリーミキサの1または複数の特性、スラリーの流れの1または複数の特性、スラリーのコーティングの1または複数の特性、電極スラリーの1または複数の特性、集電体の1または複数の特性、および乾燥オーブンの1または複数の設定の少なくとも1つを備える、[14]に記載のシステム。
[16] 前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つを通って伝送される1または複数の音響信号に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、[10]に記載のシステム。
[17] 前記音響信号ベースの解析を行うことは、前記1または複数のセル、前記1または複数のセルの一部、前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素、および前記1または複数のセルの前記1または複数の構成要素の一部の少なくとも1つから反射する1または複数の音響信号に関連する1または複数の音響信号特性を決定することを備える、[10]に記載のシステム。
[18] バインダ、スラリー、前記バインダを含むコンテナ、前記スラリーを含むコンテナ、乾燥オーブン、およびパイプを通るバインダおよび/またはスラリーの流れを制御するように構成されたポンプの少なくとも1つを更に備える、[10]に記載のシステム。
[19] 前記1または複数のプロセッサは、前記第2のプロセスステップに対する前記1または複数の改善に関する情報を供給するように構成される、[10]に記載のシステム。
[20] 1または複数のプロセッサによって実行されると、前記1または複数のプロセッサに、
前記1または複数のバッテリセルまたは前記1または複数の構成要素を製造するための第1のプロセスステップ中に音響信号ベースの解析を行わせ、
前記第1のプロセスステップ中に行われた前記音響信号ベースの解析に基づいて、前記1または複数のバッテリセルまたは1または複数の構成要素を製造するための少なくとも第2のステップに対する1または複数の改善を決定させる
命令が格納されている非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】