(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】単一波長を有するレーザの組み合わせを用いた光音響診断装置および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/145 20060101AFI20231122BHJP
G01N 21/00 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
A61B5/145
G01N21/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530043
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 KR2021015898
(87)【国際公開番号】W WO2022108200
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0154019
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523169888
【氏名又は名称】エイチエムイー・スクエア・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ユンホ・カン
【テーマコード(参考)】
2G059
4C038
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB04
2G059BB13
2G059EE11
2G059EE16
2G059GG01
2G059GG03
2G059HH01
2G059KK08
2G059MM05
2G059MM09
2G059MM10
4C038KK10
4C038KL05
4C038KL07
4C038KY01
(57)【要約】
本発明は、単一波長を有するレーザの組み合わせを用いた光音響診断装置および方法に関し、さらに詳しくは、被検体に単一波長を有するレーザ光の組み合わせを照射することにより、光音響装置の小型化を図る光音響診断装置および方法に関する。本発明の一実施形態による光音響診断装置は、被検体に単一波長を有するレーザ光が組み合わされた光を照射する光源と、前記光によって放射される音響を取得する検知部と、前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する制御部とを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に単一波長を有するレーザ光が組み合わされた光を照射する光源と、
前記光によって放射される音響を取得する検知部と、
前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する制御部とを含む光音響診断装置。
【請求項2】
前記光は、1400nm~1520nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第1レーザ光、1520nm~1720nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第2レーザ光、および1720nm~1850nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第3レーザ光、の少なくともいずれか1つを組み合わせたことを特徴とする請求項1に記載の光音響診断装置。
【請求項3】
前記制御部は、マシンラーニングを用いて前記血糖の濃度を算出することを特徴とする請求項1に記載の光音響診断装置。
【請求項4】
光源により単一波長を有する複数のレーザ光が組み合わされた光を被検体に照射する光照射ステップと、
検知部を介して前記光によって放射される音響を取得する音響検知ステップと、
前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する血糖濃度分析ステップとを含む光音響診断方法。
【請求項5】
前記光照射ステップにおいて、前記光は、1400nm~1520nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第1レーザ光、1520nm~1720nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第2レーザ光、および1720nm~1850nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第3レーザ光、の少なくともいずれか1つを組み合わせたことを特徴とする請求項4に記載の光音響診断方法。
【請求項6】
前記血糖濃度分析ステップは、前記光照射ステップおよび前記音響検知ステップを繰り返し行って得られたデータを用いて人工ニューラルネットワークを学習させる学習ステップと、
前記人工ニューラルネットワークを用いて前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する人工知能分析ステップとをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の光音響診断方法。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか一項に記載の光音響診断方法を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一波長を有するレーザの組み合わせを用いた光音響診断装置および方法に関し、さらに詳しくは、被検体に単一波長を有するレーザ光の組み合わせを照射することにより、光音響装置の小型化を図る光音響診断装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、世界の成人人口の10人に1人が持っている疾病であって、個人、家族、保健システム、および国にとって大きな経済的負担になる。糖尿病患者の血中ブドウ糖(血糖)数値が維持されなければ、糖尿病患者は心血管疾患、腎臓疾患、糖尿病足病変など患者の生活に大きな不便をもたらし、やもすると命にも脅威をもたらしうる深刻な合併症を有するようになる。したがって、血糖数値が規則的にモニタリングされ、高い血糖数値は直ちに対応する必要がある。
【0003】
一般的に、血糖数値は、酵素が含有された電気化学反応センサを用いて侵襲的に(invasive)得られた血液サンプルから決定される。この時、指を針で刺すなどの過程により血液を得ることは、1日間数回血糖を測定しなければならない糖尿患者にとって大きな不便になり、感染の危険も大きい。
【0004】
また、非侵襲的血糖の測定方法として、ラマン分光法(Raman spectroscopy)、分散反射分光法(diffuse reflection spectroscopy)、熱発散分光法(thermal emission spectroscopy)、近赤外線吸収分光法(near‐infrared absorption spectroscopy)、テラヘルツ分光法(mm‐wave terahertz spectroscopy)、経皮伝達インピーダンス測定法(transdermal impedance spectroscopy)、低周波超音波測定方法(sonophoresis)、およびイオントホレシス法(iontophoresis techniques)などが開発された。しかし、このような測定方法は、皮膚組織の分泌物または皮膚の状態によって精度が低下する問題点を有する。
【0005】
このような問題点を解決するための方策として、従来、特許文献1は、光音響を利用して体内の血糖を予測する方法を開示している。しかし、従来の同公開特許は、血糖を測定するために連続的に変化するレーザ光を照射し、このためにレーザおよび光学設備の大きさが増加し、ウェアラブル機器の製作が難しいという問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2019-0063446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した問題点を解決するために、本発明は、血糖と他の物質とを区分できる最適な単一波長レーザの組み合わせを用いることにより、レーザおよび光学設備の大きさを低減した光音響診断装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態として、単一波長を有するレーザの組み合わせを用いた光音響診断装置が提供される。
【0009】
本発明の一実施形態による光音響診断装置は、被検体に単一波長を有するレーザ光が組み合わされた光を照射する光源と、前記光によって放射される音響を取得する検知部と、前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する制御部とを含むことができる。
【0010】
本発明の一実施形態による光音響診断装置において、前記光は、1400nm~1520nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第1レーザ光、1520nm~1720nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第2レーザ光、および1720nm~1850nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第3レーザ光、の少なくともいずれか1つを組み合わせたことを特徴とする。
【0011】
本発明の一実施形態による光音響診断装置において、前記制御部は、マシンラーニングを用いて前記血糖の濃度を算出することを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態として、単一波長を有するレーザの組み合わせを用いた光音響診断方法が提供される。
【0013】
本発明の一実施形態による光音響診断方法は、光源により単一波長を有する複数のレーザ光が組み合わされた光を被検体に照射する光照射ステップと、検知部を介して前記光によって放射される音響を取得する音響検知ステップと、前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する血糖濃度分析ステップとを含むことができる。
【0014】
本発明の一実施形態による光音響診断方法は、前記光照射ステップにおいて、前記光は、1400nm~1520nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第1レーザ光、1520nm~1720nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第2レーザ光、および1720nm~1850nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第3レーザ光、の少なくともいずれか1つを組み合わせたことを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態による光音響診断方法において、前記血糖濃度分析ステップは、前記光照射ステップおよび前記音響検知ステップを繰り返し行って得られたデータを用いて人工ニューラルネットワークを学習させる学習ステップと、前記人工ニューラルネットワークを用いて前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する人工知能分析ステップとをさらに含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態として、前述した方法を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明による光音響診断装置および方法は、血液中に含まれている血糖を他の物質と区分できる最適な波長の組み合わせを用いることにより、光音響診断装置に用いられる光学設備の大きさを最小化し、一歩進んでウェアラブル装置への実現を可能にしたという点で利点がある。
【0018】
本開示から得られる効果は以上に言及された効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は以下の記載から本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態による光音響診断装置のブロック図である。
【
図2】レーザ光の波長による人体内に含まれている物質の光吸収係数の一例を示すグラフである。
【
図3】本発明の一実施形態による光音響診断装置において用いられる単一波長を有するレーザの組み合わせの一実施形態である。
【
図4】本発明の一実施形態による光音響診断方法のフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による光音響診断方法における血糖濃度分析ステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態として、単一波長を有するレーザの組み合わせを用いた光音響診断装置が提供される。
【0021】
本発明の一実施形態による光音響診断装置は、被検体に単一波長を有するレーザ光が組み合わされた光を照射する光源と、前記光によって放射される音響を取得する検知部と、前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する制御部とを含むことができる。
【0022】
本発明の一実施形態による光音響診断装置において、前記光は、1400nm~1520nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第1レーザ光、1520nm~1720nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第2レーザ光、および1720nm~1850nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第3レーザ光、の少なくともいずれか1つを組み合わせたことを特徴とする。
【0023】
本発明の一実施形態による光音響診断装置において、前記制御部は、マシンラーニングを用いて前記血糖の濃度を算出することを特徴とする。
【0024】
本発明の一実施形態として、単一波長を有するレーザの組み合わせを用いた光音響診断方法が提供される。
【0025】
本発明の一実施形態による光音響診断方法は、光源により単一波長を有する複数のレーザ光が組み合わされた光を被検体に照射する光照射ステップと、検知部を介して前記光によって放射される音響を取得する音響検知ステップと、前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する血糖濃度分析ステップとを含むことができる。
【0026】
本発明の一実施形態による光音響診断方法は、前記光照射ステップにおいて、前記光は、1400nm~1520nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第1レーザ光、1520nm~1720nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第2レーザ光、および1720nm~1850nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第3レーザ光、の少なくともいずれか1つを組み合わせたことを特徴とする。
【0027】
本発明の一実施形態による光音響診断方法において、前記血糖濃度分析ステップは、前記光照射ステップおよび前記音響検知ステップを繰り返し行って得られたデータを用いて人工ニューラルネットワークを学習させる学習ステップと、前記人工ニューラルネットワークを用いて前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する人工知能分析ステップとをさらに含むことができる。
【0028】
本発明の一実施形態として、前述した方法を実行するためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体が提供される。
【0029】
以下、添付した図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分については類似の図面符号を付した。
【0030】
本明細書で使われる用語について簡略に説明し、本発明について具体的に説明する。
【0031】
本発明で使われる用語は、本発明における機能を考慮しながらできるだけ現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などにより異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、当該発明の説明部分において詳しくその意味を記載するであろう。したがって、本発明で使われる用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が持つ意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0032】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに包含できることを意味する。また、明細書に記載の「~部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアで実現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合で実現される。なお、明細書全体において、ある部分が他の部分に「連結」されているとする時、これは、「直接的に連結」されている場合のみならず、「その中間に他の素子を挟んで」連結されている場合も含む。
【0033】
以下、添付した図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による光音響診断装置のブロック図である。
【0035】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による光音響診断装置1は、被検体に単一波長を有するレーザ光が組み合わされた光を照射する光源100と、前記光によって放射される音響を取得する検知部200と、前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する制御部300とを含むことができる。
【0036】
光源100は、複数の単一波長レーザ光を出力することができ、前記レーザ光は、赤外線であってもよい。すなわち、本発明において、光源100は、近赤外線または中赤外線帯域で波長を順次に増加させたり減少させたりしながら光を出力せず、特定の波長を有するレーザ光の複数個を組み合わせて出力する。
【0037】
前記光源100によって出力された光は、被検体に照射されて被検体に含まれている分子を振動させ、分子の振動によって超音波が放射される。
【0038】
検知部200は、光によって被検体から放射される音響を受音する受音部と、受音部の形態変化を測定する測定部とで構成される。
【0039】
検知部200は、ピエゾ(piezo)方式またはメムス(MEMS:Micro Electro Mechanical System)方式が適用可能である。ピエゾ方式は、超音波による圧力によって圧電物質内に電位が形成され、電位差である電圧を測定して超音波を測定し、メムス方式は、超音波による圧力によってメンブレン膜の形態が変化し、形態変化を測定して超音波を測定する。
【0040】
制御部300は、光源100または検知部200を制御して、被検体に光を照射し、それによって放射される音響を取得して、血液中に含まれている血糖の濃度を算出することができる。
【0041】
前記制御部300は、音響を直接分析して、血液中に含まれている血糖の濃度を算出することができ、繰り返しの実験により取得した結果データを用いて人工知能ニューラルネットワークを学習させ、学習させた人工ニューラルネットワークを用いて血糖の濃度を算出することができる。
【0042】
図2は、レーザ光の波長による人体内に含まれている物質の光吸収係数の一例を示すグラフである。
【0043】
図2を参照すれば、人体内には血糖以外にレーザ光を吸収する多様な物質が含まれていることが分かる。
【0044】
図2にて、x軸は波長(Wavelength、[nm])を、y軸は吸収係数(Absorption spectra、[λ])を示す。また、
図2にて、Aは血糖(glucose)、Bは脂肪(fat)、Cは基準線(baseline)、Dはタンパク質(protein)、Eは水(water)の波長による光吸収係数を示す。
【0045】
すなわち、本発明によれば、物質ごとに波長による光吸収係数の変化率が異なる特徴を利用して血糖を他の物質と区分するのに最適な波長の組み合わせを見つけ、これを用いて血糖の濃度を算出することにより、光学設備の大きさを大きく低減することができる。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態による光音響診断装置において用いられる単一波長を有するレーザの組み合わせの一実施形態である。
【0047】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態による光音響診断装置において、前記光は、1400nm~1520nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第1レーザ光101、1520nm~1720nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第2レーザ光102、および1720nm~1850nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第3レーザ光103、の少なくともいずれか1つを組み合わせたことを特徴とする。
【0048】
例えば、本発明の一実施形態による光音響診断装置1は、1480nmの波長を有する第1レーザ光101、1640nmの波長を有する第2レーザ光102、および1810nmの波長を有する第3レーザ光が組み合わされた光を照射する光源100で構成される。
【0049】
前記第1レーザ光101~第3レーザ光103が有する波長は、前記限られた範囲内で血糖と他の物質とを区分できる最適な波長として選択される。
【0050】
前記最適な波長を選択する時に使用される基準には、物質間の光吸収係数の大きさ差が最も大きい地点、血糖以外の他の物質のいずれか1つの物質の光吸収係数が血糖の光吸収係数と同じ地点などが含まれてもよい。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態による光音響診断方法のフローチャートである。
【0052】
図4を参照すれば、本発明の一実施形態による光音響診断方法は、光源100により単一波長を有する複数のレーザ光が組み合わされた光を被検体に照射する光照射ステップS100と、検知部200を介して前記光によって放射される音響を取得する光音響検知ステップS200と、前記音響を分析して、前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する血糖濃度分析ステップS300とを含むことができる。
【0053】
本発明の一実施形態による光音響診断方法は、前記光照射ステップS100において、前記光は、1400nm~1520nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第1レーザ光101、1520nm~1720nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第2レーザ光102、および1720nm~1850nmの範囲で少なくともいずれか1つの波長を有する第3レーザ光103、の少なくとも1つを組み合わせたことを特徴とする。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態による光音響診断方法における血糖濃度分析ステップS300のフローチャートである。
【0055】
図5を参照すれば、本発明の一実施形態による光音響診断方法において、前記血糖濃度分析ステップS300は、前記光照射ステップS100および前記音響検知ステップS200を繰り返し行って得られたデータを用いて人工ニューラルネットワークを学習させる学習ステップS310と、前記人工ニューラルネットワークを用いて前記被検体の血液中に含まれている血糖の濃度を算出する人工知能分析ステップS320とをさらに含むことができる。
【0056】
本発明の一実施形態による方法に関しては、前述した装置に関する内容が適用可能である。したがって、方法に関して前述した装置に関する内容と同一の内容については説明を省略する。
【0057】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形可能であることを理解することができる。そのため、以上に述べた実施形態はすべての面で例示的であり、限定的ではないと理解しなければならない。例えば、単一形で説明されている各構成要素は分散して実施されてもよいし、同じく、分散したと説明されている構成要素も結合された形態で実施されてもよい。
【0058】
本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【国際調査報告】