IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーリス ヘルス インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図1
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図2A
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図2B
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図3
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図4A
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図4B
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図5
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図6
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図7
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図8
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図9
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図10
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図11
  • 特表-AI支援ワークフローセグメント化 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】AI支援ワークフローセグメント化
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/32 20160101AFI20231122BHJP
【FI】
A61B34/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530631
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 IB2021060591
(87)【国際公開番号】W WO2022106989
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/116,798
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/132,850
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケブラー
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アイバリ・エリフ
(72)【発明者】
【氏名】ラフィー-タリ・ヘディー
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA13
4C130AA22
4C130AB06
4C130AD01
4C130AD04
4C130AD25
4C130BA05
4C130BA08
(57)【要約】
ロボットシステムは、医療処置の段階を自動的に識別するように構成されている。ロボットシステムは、ビデオキャプチャデバイスと、ロボットマニピュレータと、1つ以上のセンサと、入力デバイスと、制御回路とを含む。制御回路は、センサデータに基づいて、ロボットマニピュレータの第1の位置を決定することと、ユーザ入力及びセンサデータに基づいて、処置のセットから第1の処置を決定することと、決定された第1の処置に基づいて、処置段階のセットを処置段階のサブセットに狭めることと、患者部位の捕捉されたビデオの第1の分析を実行することと、ロボットマニピュレータの第1の位置及びビデオの第1の分析に基づいて、処置段階のサブセットから医療処置の第1の段階を識別することと、医療処置の第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、を行うように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置の段階を自動的に識別するためのロボットシステムであって、前記ロボットシステムは、
ビデオキャプチャデバイスと、
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータの構成を決定するための1つ以上のセンサと、
1つ以上のユーザ対話を受信することと、前記ロボットマニピュレータによる1つ以上のアクションを開始することと、を行うように構成された入力デバイスと、
前記入力デバイス及び前記ロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路であって、前記制御回路は、
前記1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、前記ロボットマニピュレータの第1の位置を決定することと、
ユーザ入力及び前記1つ以上のセンサからの前記センサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置を決定することと、
前記第1の処置の前記決定に基づいて、処置段階のセットを前記処置段階のサブセットに狭めることと、
前記ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、
前記ロボットマニピュレータの前記第1の位置及び前記ビデオの前記第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記処置段階の前記サブセットから前記医療処置の第1の段階を識別することと、
前記医療処置の前記第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、を行うように構成されている、制御回路と、
を備える、ロボットシステム。
【請求項2】
前記処置のセットは、少なくとも、尿管鏡検査、経皮的腎切石術(PCNL)、及びミニPCNLを含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のセンサからの前記第1の処置を決定するための前記センサデータは、前記ロボットマニピュレータによって利用される1つ以上の医療器具の無線周波数識別(RFID)データを含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記処置のセットに関連付けられたユーザインターフェース(UI)画面を含むUIを更に備え、
前記第1の処置は、前記ユーザ入力に基づいて決定され、前記ユーザ入力は、前記第1の処置に関連付けられた第1のUI画面の選択を少なくとも含む、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記制御回路は、
前記ロボットマニピュレータの第2の位置を決定することと、
前記ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された前記ビデオの第2の分析を実行することと、
前記ロボットマニピュレータの前記第2の位置及び前記ビデオの前記第2の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記医療処置の第1の段階の終了を示す第2のビデオマーカを前記ビデオに対して生成することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記ロボットマニピュレータは、尿管鏡を備える医療器具を操作するように構成されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記第1の段階はレーザ処理段階を含み、第2の段階はバスケット処理段階を含み、第3の段階は経皮的アクセス段階を含み、前記第2の段階及び前記第3の段階は、前記ビデオに対する追加のビデオマーカによって示される、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記第1の段階の前記開始を識別することに応答して、第2の位置への前記ロボットマニピュレータの自動化された移動をトリガするように更に構成されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記第2の位置への前記ロボットマニピュレータの前記自動化された移動は、
医療器具を患者の挿入部位に移動させることと、
前記挿入部位への所定の挿入軌道に沿って前記医療器具を位置合わせすることと、を含む、請求項8に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記制御回路は、
前記ロボットマニピュレータによる前記医療器具の移動に応答して、前記医療器具が標的場所にあるか否かを判定することと、
前記医療器具が前記標的場所に到達したことに応答して、前記ロボットシステムのユーザインターフェース上に前記第1の段階の成功を示すことと、を行うように更に構成されている、請求項9に記載のロボットシステム。
【請求項11】
前記制御回路は、
複数の医療処置にわたる前記第1の段階の成功及び失敗に関するデータを集約することと、
前記第1の段階の成功率を決定することと、を行うように更に構成されている、請求項10に記載のロボットシステム。
【請求項12】
前記制御回路は、
前記第1の段階の結果を、前記ロボットシステムを操作する医療専門家に関連付けるように更に構成されている、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項13】
前記ロボットマニピュレータによって操作される医療器具の場所を判定するためのセンサを更に備える、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項14】
ビデオキャプチャデバイスと、ロボットマニピュレータと、1つ以上のセンサと、入力デバイスとを備えるロボットシステムを使用して医療処置の段階を自動的に識別するための方法であって、前記方法は、
前記1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、前記ロボットマニピュレータの第1の位置を決定することと、
ユーザ入力及び前記1つ以上のセンサからの前記センサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置の決定をすることと、
前記第1の処置の前記決定に基づいて、処置段階のセットを前記処置段階のサブセットに狭めることと、
前記ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、
前記ロボットマニピュレータの前記第1の位置及び前記ビデオの前記第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記処置段階の前記サブセットから前記医療処置の第1の段階を識別することと、
前記医療処置の前記第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記ロボットマニピュレータの第2の位置を決定することと、
前記ビデオの第2の分析を実行することと、
前記ロボットマニピュレータの前記第2の位置及び前記ビデオの前記第2の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記医療処置の第1の段階の終了を示す第2のビデオマーカを前記ビデオに対して生成することと、を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1の処置は尿管鏡検査であり、前記第1の段階は調査段階を含み、第2の段階はレーザ処理段階を含み、第3の段階はバスケット処理段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記ロボットマニピュレータの位置、前記ビデオの分析、及び前記入力デバイスからのユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の段階及び前記第3の段階を示すマーカを生成することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の段階の前記開始を識別することに応答して、第2の位置への前記ロボットマニピュレータの自動化された移動をトリガすることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の位置への前記ロボットマニピュレータの前記自動化された移動は、
医療器具を患者の挿入部位に移動させることと、
所定の挿入に沿って前記医療器具を位置合わせすることと、を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ロボットマニピュレータによる前記医療器具の移動に応答して、前記医療器具が標的場所にあるか否かを判定することと、
前記医療器具が前記標的場所に到達したことに応答して、前記ロボットシステムのユーザインターフェース上に前記第1の段階の成功を示すことと、を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
複数の医療処置にわたる前記第1の段階の成功及び失敗に関するデータを集約することと、
前記第1の段階の成功率を決定することと、を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ロボットデバイスによって実行される医療処置の段階を自動的に識別するための制御システムであって、前記制御システムは、
前記ロボットデバイスからセンサデータ、ユーザ入力データ、及びビデオデータを受信するように構成された通信インターフェースと、
前記センサデータ、前記ユーザ入力データ、及び前記ビデオデータを記憶するように構成されたメモリと、
1つ以上のプロセッサであって、
前記センサデータから前記ロボットデバイスの第1の位置を決定することと、
ユーザ入力及び前記1つ以上のセンサからの前記センサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置を決定することと、
前記第1の処置の前記決定に基づいて、識別可能な処置段階のセットを前記処置段階のサブセットに狭めることと、
前記ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、
前記ロボットデバイスの前記第1の位置及び前記ビデオの前記第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記処置段階の前記サブセットから前記医療処置の第1の段階を識別することと、
前記医療処置の前記第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、を行うように構成されている、1つ以上のプロセッサと、
を備える、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年11月20日に出願された米国仮特許出願第63/116,798号、及び2020年12月31日に出願された米国特許出願第63/132,850号に対して優先権を主張するものであり、これら特許文献の各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、医療デバイス及び処置、並びに人工知能支援データ処理の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な医療処置は、人間の解剖学的構造を貫通して治療部位に到達するように構成された1つ以上の医療器具の使用を支援するロボットシステムの使用を含む。ある特定の手術プロセスは、1つ以上の医療器具を患者の皮膚及び開口部を通して挿入して治療部位に到達させ、尿路結石などの対象物を患者から摘出することを伴い得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、人体の解剖学的構造内に位置する尿路結石などの対象物へアクセスするための医療器具を制御する際に、医師又は医療専門家を支援するための1つ以上のシステム、デバイス、及び/又は方法が記載される。
【0005】
本開示を要約する目的のために、ある特定の態様、利点、及び新規の特徴が記載されている。必ずしもこのような利点が全て、何らかの特定の実施形態により実現され得るわけではないことを理解されたい。したがって、開示した実施形態は、本明細書で教示される1つの利点又は利点の群の実現又は最適化を、本明細書で教示又は示唆され得るような他の利点を必ずしも実現することなく行う方法で実行し得る。
【0006】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実行させるシステムにインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを有することによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されたときに装置にアクションを実行させる命令を含むことによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成することができる。1つの一般的な態様は、医療処置の段階を自動的に識別するためのロボットシステムを含む。ロボットシステムはまた、ビデオキャプチャデバイスと、ロボットマニピュレータと、ロボットマニピュレータの構成を決定するための1つ以上のセンサと、1つ以上のユーザ対話を受信することと、ロボットマニピュレータによる1つ以上のアクションを開始することと、を行うように構成された入力デバイスと、入力デバイス及びロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路と、を含む。制御回路は、1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、ロボットマニピュレータの第1の位置を決定することと、ユーザ入力及び1つ以上のセンサからのセンサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置を決定することと、第1の処置の決定に基づいて、処置段階のセットを処置段階のサブセットに狭めることと、ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、ロボットマニピュレータの第1の位置及びビデオの第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、処置段階のサブセットから医療処置の第1の段階を識別することと、医療処置の第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、を行うように構成されている。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成されている。
【0007】
実現形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。ロボットシステムによって実行される処置のセットは、少なくとも、尿管鏡検査、経皮的腎切石術(percutaneous nephrolithotomy、PCNL)、及びミニPCNLを含んでもよい。1つ以上のセンサからの第1の処置を決定するためのセンサデータは、ロボットマニピュレータによって利用される1つ以上の医療器具の無線周波数識別(RFID)データを含んでもよい。第1の処置は、ユーザ入力に基づいて決定され、ユーザ入力は、第1の処置に関連付けられた第1のUI画面の選択を少なくとも含んでもよい。ロボットシステムの制御回路は、ロボットマニピュレータの第2の位置を決定することと、ビデオキャプチャデバイスによって捕捉されたビデオの第2の分析を実行することと、ロボットマニピュレータの第2の位置及びビデオの第2の分析に少なくとも部分的に基づいて、医療処置の第1の段階の終了を示す第2のビデオマーカをビデオに対して生成することと、を行うように更に構成され得る。ロボットマニピュレータは、尿管鏡を含み得る医療器具を操作するように構成されている。第1の段階は、レーザ処理段階を含んでもよく、第2の段階は、バスケット処理段階を含んでもよく、第3の段階は、経皮的アクセス段階を含んでもよく、第2の段階及び第3の段階は、ビデオに対する追加のビデオマーカによって示される。ロボットシステムの制御回路は、第1の段階の開始を識別することに応答して、第2の位置へのロボットマニピュレータの自動化された移動をトリガするように更に構成され得る。第2の位置へのロボットマニピュレータの自動化された移動は、医療器具を患者の挿入部位に移動させることと、挿入部位への所定の挿入軌道に沿って医療器具を位置合わせすることと、を含み得る。ロボットシステムの制御回路は、ロボットマニピュレータによる医療器具の移動に応答して、医療器具が標的場所にあるか否かを判定することと、医療器具が標的場所に到達したことに応答して、ロボットシステムのユーザインターフェース上に第1の段階の成功を示すことと、を行うように更に構成され得る。ロボットシステムの制御回路は、複数の医療処置にわたる第1の段階の成功及び失敗に関するデータを集約することと、第1の段階の成功率を決定することと、を行うように更に構成され得る。ロボットシステムの制御回路は、第1の段階の結果をロボットシステムを操作する医療専門家に関連付けるように更に構成され得る。ロボットシステムは、ロボットマニピュレータによって操作される医療器具の場所を判定するためのセンサを含んでもよい。記載した技術の実施形態は、機械設備、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0008】
1つの一般的な態様は、ビデオキャプチャデバイスを含み得るロボットシステムを使用して医療処置の段階を自動的に識別するための方法を含む。本方法はまた、1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、ロボットマニピュレータの第1の位置を決定することと、ユーザ入力及び1つ以上のセンサからのセンサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置を決定することと、第1の処置の決定に基づいて、処置段階のセットを処置段階のサブセットに狭めることと、ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、ロボットマニピュレータの第1の位置及びビデオの第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、処置段階のサブセットから医療処置の第1の段階を識別することと、医療処置の第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、を含む。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成されている。
【0009】
実現形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。本方法は、ロボットマニピュレータの第2の位置を決定することと、ビデオの第2の分析を実行することと、ロボットマニピュレータの第2の位置及びビデオの第2の分析に少なくとも部分的に基づいて、医療処置の第1の段階の終了を示す第2のビデオマーカをビデオに対して生成することと、を含み得る。いくつかの実装形態では、第1の処置は尿管鏡検査であり、第1の段階は調査段階を含んでもよく、第2の段階はレーザ処理段階を含んでもよく、第3の段階はバスケット処理段階を含んでもよい。本方法は、ロボットマニピュレータの位置、ビデオの分析、及び入力デバイスからのユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて、第2の段階及び第3の段階を示すマーカを生成することを含み得る。本方法は、第1の段階の開始を識別することに応答して、第2の位置へのロボットマニピュレータの自動化された移動をトリガすることを含み得る。第2の位置へのロボットマニピュレータの自動化された移動は、医療器具を患者の挿入部位に移動させることと、所定の挿入に沿って医療器具を位置合わせすることを含み得る。本方法は、ロボットマニピュレータによる医療器具の移動に応答して、医療器具が標的場所にあるか否かを判定することと、医療器具が標的場所に到達したことに応答して、ロボットシステムのユーザインターフェース上に第1の段階の成功を示すことと、を含み得る。本方法は、複数の医療処置にわたる第1の段階の成功及び失敗に関するデータを集約することと、第1の段階の成功率を決定することと、を含み得る。記載した技術の実装形態は、機械設備、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0010】
1つの一般的な態様は、ロボットデバイスによって実行される医療処置の段階を自動的に識別するための制御システムを含む。制御システムはまた、ロボットデバイスからセンサデータ、ユーザ入力データ、及びビデオデータを受信するように構成された通信インターフェースと、センサデータ、ユーザ入力データ、及びビデオデータを記憶するように構成されたメモリと、1つ以上のプロセッサであって、センサデータからロボットデバイスの第1の位置を決定することと、ユーザ入力及び1つ以上のセンサからのセンサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置を決定することと、第1の処置の決定に基づいて、識別可能な処置段階のセットを処置段階のサブセットに狭めることと、ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、ロボットデバイスの第1の位置及びビデオの第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、処置段階のサブセットから医療処置の第1の段階を識別することと、医療処置の第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、を行うように構成されている、1つ以上のプロセッサと、を含む。本態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、それぞれは方法の動作を実行するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
種々の実施形態を説明を目的として添付図面に示すが、決して本開示の範囲を限定するものと解釈するべきではない。加えて、異なる開示した実施形態の種々の特徴を組み合わせて、本開示の一部である更なる実施形態を形成することができる。図面の全体を通して、参照番号を、参照要素間の対応関係を示すために再使用する場合がある。
図1】特定の実施形態による、医療処置を行う際に、実行又は支援するための医療システムの例を例示する図である。
図2A】特定の実施形態による、尿路結石捕捉処置を実施している間の医療システムの斜視図である。
図2B】特定の実施形態による、尿路結石捕捉処置を実施している間の医療システムの斜視図である。
図3】特定の実施形態による、関連する入力及び出力を伴う、医療システムの制御システムのブロック図である。
図4A】特定の実施形態による、機械学習を利用してビデオデータから出力を生成するように構成された制御システムのブロック図である。
図4B】特定の実施形態による、機械学習を利用していくつかのタイプのデータから出力を生成するように構成された制御システムのブロック図である。
図5】特定の実施形態による、段階識別プロセスのフロー図である。
図6】特定の実施形態による、自動化されたロボットアクションのためのトリガプロセスのフロー図である。
図7】特定の実施形態による、ロボットシステムの異なるタイプのトリガされたアクションを示す図である。
図8】特定の実施形態による、識別された段階中に実行されるタスクの評価プロセスのフロー図である。
図9】特定の実施形態による、医療タスクのためのスコアリングプロセスのフロー図である。
図10】特定の実施形態による、医療タスクのための別のスコアリングプロセスのフロー図である。
図11】特定の実施形態による、ロボットシステムの例示的詳細を示す図である。
図12】特定の実施形態による、制御システムの例示的詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で提供される進行方向は、便宜的なものに過ぎず、必ずしも開示の範囲又は意味に影響を及ぼすものではない。ある特定の好ましい実施形態及び実施例が以下に開示されるが、主題は、具体的に開示される実施形態を超えて他の代替的な実施形態及び/又は使用並びにそれらの改変及び等価物にまで及ぶ。したがって、本明細書から生じ得る特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のうちのいずれかによって限定されない。例えば、本明細書で開示した任意の方法又はプロセスにおいて、方法又はプロセスの行為又は動作は、任意の好適な順序で行われてもよく、必ずしも何らかの特定の開示した順序に限定されない。種々の動作を、特定の実施形態を理解することに役立ち得る方法で、複数の別個の動作として順々に説明する場合がある。しかし、説明の順序は、これらの動作が順序に依存することを意味すると解釈してはならない。更に、本明細書に記載の構造、システム、及び/又はデバイスは、統合されたコンポーネント又は別個のコンポーネントとして具体化され得る。種々の実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の特定の態様及び利点について説明する。必ずしもこのような態様又は利点が全て、何らかの特定の実施形態によって実現されるわけではない。したがって、例えば、種々の実施形態を、本明細書で教示されるような1つの利点又は利点の群の実現又は最適化を、やはり本明細書で教示又は示唆され得る他の態様又は利点を必ずしも実現することなく行う方法で実行し得る。
【0013】
場所というある特定の標準的な解剖学的用語は、本明細書において、好ましい実施形態に関して、動物、すなわちヒトの解剖学的構造を指すために使用され得る。特定の空間的に相対的な語、例えば「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」、「頂部」「底部」、及び同様の用語は、本明細書では、あるデバイス/要素又は解剖学的構造の別のデバイス/要素又は解剖学的構造に対する空間的関係を説明するために用いられるが、これらの用語は、本明細書では、図面に例示するように、要素/構造間の位置関係を説明するために説明を簡単にするために用いられることを理解されたい。空間的に相対的な用語は、図面に示す向きに加えて、使用又は動作時に、要素/構造の異なる向きを包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、要素/構造が別の要素/構造の「上方」にあると説明される場合、対象患者又は要素/構造の代替的な向きに対してそのような他の要素/構造の下方又は脇にある位置を表すことがあり、逆もまた同様である。
【0014】
概説
本開示は、結石管理(例えば、尿路結石の回収、結石片の吸引など)又は他の医療処置の実行のためにロボットシステムによって実行されるものなど、ロボット支援医療処置からデータを収集及び分析するための技術及びシステムに関する。医療処置は、いくつかの異なる段階を通して進行し得る。例えば、尿管鏡検査において、段階は、体内への医療器具の経皮的挿入、尿路結石場所への移動、尿路結石のレーザ処理、及び/又は破砕された結石のバスケット処理を含むことができる。ロボットシステムは、典型的には、いくつかのセンサ及び入力デバイスを有し、医療処置中に大量のデータの生成を可能にする。この処置データを使用して、手術の異なる段階を自動的に決定することができる。これらの段階を識別することによって、ロボットシステムは、医療処置中にロボットシステムを操作する医療専門家のアクションを予測し、準備することができる。
【0015】
ロボットシステムを含む医療システムはまた、異なる段階を識別するメタデータを用いて処置のビデオ映像に注釈を付けることを可能にし得る。これは、ビデオ映像がユーザによってより容易にレビューされることを可能にすると共に、人工知能(AI)を使用してビデオ映像のより高度な分析を可能にする。これにより、ユーザ又は操作者によって実行されたアクションを他の処置中に実行された対応する段階からの同様のアクションと比較することによって、それらのアクションを評価及びスコア付けすることがより容易になり得る。例えば、ビデオ映像及び関連データは、AIシステムによって分析されて、段階又は処置全体当たりの成功前の試行、各段階の時間、操作者によって提供される関節運動コマンドの数、針挿入の精度など、動作に関する統計を生成することができる。更に、データは、いくつかの動作にわたって集約され、成功率、段階又は処置全体当たりの平均動作時間などの、一般に動作のタイプについての統計を生成するために使用されることができる。そのような医療システムはまた、症例要約を生成することなどによって、追加の利益を提供することができる。
【0016】
1つの例示的なシナリオでは、経皮的腎臓アクセス又は他の処置中に別個の段階が存在する。例示的なワークフローでは、ユーザは、スコープを所望の腎杯まで駆動し、乳頭に印を付け、スコープを後退させて標的乳頭を見る。次いで、ユーザは、針を保持し、挿入部位を選択し、グラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)を使用して、針軌道を標的乳頭と位置合わせする。最後に、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースに従って針を挿入し、標的乳頭を通して腎臓へのアクセスを得る。処置効率を改善し、ユーザスキルを査定するために、医療システムは、これらの事象の開始及び終了をラベル付けし、経皮的アクセス(「percutaneous access、perc」)試行が成功したか否かに関するグラウンドトルースデータを取得することができる。
【0017】
症例データを別個の段階に分割し、これらの段階を示す段階遷移チャートを生成した後、遷移チャートを使用して処置を評価することができる。例えば、1つの例示的な遷移チャートは、医師が標的及び挿入部位を選択したが、針位置合わせステップで前進せず、代わりに、新しい標的を選択するために異なる腎杯に移動したことを示し得る。チャートは、医師が第1の経皮的アクセス試行においてアクセスの視覚的確認を得ず、針を位置付けるためにスコープを駆動したことを示し得る。チャートは、医師が同じ標的を用いて別の経皮的アクセス試行を行い、今回は視覚的確認を得たことを示し得る。そのようなチャートは、医療システムのGUI上に、デジタル又は印刷レポートとして、モバイルアプリケーション上に、及び/又は同様のタイプの出力として表示することができる。
【0018】
別の潜在的な利点は、グラウンドトルース(成功/失敗)注釈を提供することである。段階セグメント化は、特定の経皮的アクセス試行が成功したか否かを予測することを可能にし、それによって、事例のためのグラウンドトルースとしての役割を果たすことができる。医療システムは、経皮的アクセスが成功したか否かを判定するために、針挿入段階中に特徴記述子のセットを追跡することができる。特徴記述子は、針及びスコープ速度、並びにスコープに対する針の相対的姿勢など、医療システムによって測定される種々の量又はメトリックを含むことができる。それはまた、針がカメラビューにおいて可視であるかどうかを検出し、どれだけの解剖学的運動が存在するかを定量化する、コンピュータビジョンアルゴリズムによって検出されるスコープ関節運動コマンド及び特徴を含むことができる。例えば、視覚的確認と成功との間に直接的な相関関係が存在し得る。1つのシナリオでは、コンピュータビジョンアルゴリズムが内視鏡ビュー内で針を検出する場合、経皮的アクセス試行は、成功したものとして注釈を付けられるか、又は別様に示されることができる。別のシナリオでは、針とスコープとの間の距離は非常に小さい可能性があるが、スコープでの針の視覚的確認はない。スコープが動き始める場合、それは、経皮的アクセス試行が失敗であり、ユーザが針を探しているか、又は新しい標的を選択するために別の腎杯に駆動していることを暗示する。したがって、その状況におけるスコープの動きの検出を使用して、経皮的アクセス試行が失敗したことを注釈を付けるか、又は他の方法で示すことができる。
【0019】
別の潜在的な利益は、スキル評価を提供することである。段階セグメント化は、医師のスキルを評価し、術中又は術後に症例統計を計算するために、実行段階特有のデータ分析を可能にすることができる。以下の表は、経皮的アクセス段階のいくつかについての術後メトリックを示す。例えば、針挿入がいつ開始するか(例えば、ビデオキャプチャ、センサデータ等を介して識別される)を知ることによって、医療システムは、皮膚上の進入点を決定し(例えば、運動学的データ、ビデオ分析等を使用して)、トラクト長さ(例えば、皮膚から乳頭までの距離)等の部位選択メトリックを計算することができる。
【0020】
【表1】
【0021】
例えば、スコープ駆動段階では、ユーザのスキルは、システムによって受信される関節運動コマンドの数に基づいて評価されることができる。より少ないコマンドが受信される場合、それは、動作がスムーズに行われたことを意味し、より高いスキルを示す。より多くのコマンドが受信された場合、それは、複数の試みが実行されなければならないことを意味し、改善の余地を示す。これらのメトリックはまた、ユーザがナビゲートするのに苦労している解剖学的構造の部分に関する情報を提供することができる。関節運動コマンドの数は、この手術又は複数の手術(全ての症例、ある期間における全ての症例、ユーザによって行われる全ての症例等)に対して記録及び/又は表示されてもよい。例えば、医療システムは、複数の手術にわたって経時的に、所与の症例、医師全体、及び/又は同じ医師について場所ごとに比較するメトリックを生成することができる。
【0022】
別の実施例では、針挿入段階において、成功率及び/又は針挿入精度に基づいてユーザのスキルを評価することができる。成功率は、下極、中極、又は上極などの腎臓の場所に基づいて更に具体的に計算することができる。針挿入精度は、専門家の平均値と比較することができる。針挿入精度は、この手術又は複数の手術(例えば、全ての症例、ある期間における全ての症例、ユーザによって行われる全ての症例等)に対して記録及び/又は表示されてもよい。
【0023】
更なる例では、部位選択段階において、ユーザのスキルは、部位選択時間又はユーザが部位及び平均トラクト長さを選択するのにかかった時間に基づいて評価され得る。部位選択時間は、専門家の平均値と比較することができる。部位選択時間は、この手術又は複数の手術(全ての症例、ある期間における全ての症例、ユーザによって行われる全ての症例等)に対して記録及び/又は表示されてもよい。平均トラクト長さは、下極、中極、又は上極などの腎臓の場所に基づいて更に具体的に計算することができる。患者のトラクト長さは、患者の肥満指数(BMI)の指標として使用され得る。これは、症例成績が、BMI値又は範囲等の患者集団特性に基づいて集約されることを可能にすることができる。
【0024】
上記の表は、評価することができる可能なメトリックのいくつかの例を示しているに過ぎない。更に、上記の表は、それらのメトリックに適用され得る特異性のうちのいくつかのみを示す。例えば、1つのメトリックに適用される特異性の一部は、他のメトリックに適用することができる。いくつかの実施形態では、針挿入精度は、腎臓場所に基づいて更に分類することができる。成功率は、専門家の平均と比較することによって、又は複数の手術(例えば、全ての症例、ある期間における全ての症例、ユーザによって実行された全ての症例など)にわたって、より高い特異性で示すことができる。
【0025】
そのような医療システムの別の潜在的な利点は、スキル評価ワークフローの最適化を提供することである。ワークフロー分析は、ワークフローステップのシーケンスと経皮的アクセスの成功及び効率との間の相関関係を示すことができる。例えば、アルゴリズムは、部位選択が標的選択の前に実行された場合と標的選択が部位選択の前に実行された場合とを比較し、経皮的アクセス時間及び精度に対する影響を評価することができる。
【0026】
そのような医療システムは、尿管鏡検査を含むいくつかのタイプの処置において使用されることができる。尿路結石症としても知られる腎石疾患は、「腎石」、「尿路結石」、「腎結石」、「腎臓結石」、又は「腎結石症」と称される、物質の固体片の尿路における形成を伴う比較的一般的な医学的状態である。尿路結石は、腎臓、尿管、及び膀胱(「膀胱結石」と称される)に形成及び/又は見出され得る。そのような尿路結石は、ミネラル分が濃縮された結果として生じ、尿管又は尿道を通る尿流を妨げるのに十分なサイズに達すると、著しい腹痛を引き起こし得る。尿路結石は、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、尿酸、システイン、又は他の化合物から形成され得る。
【0027】
膀胱及び尿管から尿路結石を除去するために、外科医は、尿管鏡を尿道を通して尿路内へ挿入することができる。通常、尿管鏡はその遠位端に、尿路の視覚化を可能にするように構成された内視鏡を含む。尿管鏡はまた、尿路結石を捕捉又は破砕するためのバスケット回収デバイスなどの結石摘出機構を含むこともできる。尿管鏡処置中、1人の医師/技術者が、尿管鏡の位置を制御することができ、別の他の医師/技術者が、結石摘出機構を制御することができる。
【0028】
多くの実施形態では、技法及びシステムは、低侵襲性処置との関連で議論される。 しかしながら、本技術及びシステムは、例えば、医療器具を挿入するために身体に穿刺及び/又は小切開を行うことによって標的場所へのアクセスが得られる経皮的手術、非侵襲的処置、治療的処置、診断的処置、非経皮的処置、又は他の種類の処置を含む、任意の医療処置との関連において実装されることができることを理解されたい。例えば、そのような技法は、泌尿器科及び気管支鏡検査のための腫瘍生検又はアブレーションにおいて使用されることができ、システムが疑わしい部位への近接を検出すると、自動化された生検動作がトリガされることができる。内視鏡処置は、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査、腎孟尿管鏡検査、腎結石摘出などを含み得る。更に、多くの実施形態では、技法及びシステムは、ロボット支援処置として実施されるものとして説明される。しかしながら、本技術及びシステムは、完全ロボット医療処置等の他の処置において実施され得ることも理解されるべきである。
【0029】
例示及び議論を容易にするために、技法及びシステムは、腎臓からの腎臓結石等の尿路結石を除去する文脈で議論される。しかしながら、上述したように、本技法及びシステムは、他の処置を実行するために使用することができる。
【0030】
医療システム
図1は、1つ以上の実施形態による医療処置を行う際に実行又は支援するための医療システム100の例を例示する。医療システム100の実施形態は、外科的処置及び/又は診断的処置のために使用され得る。医療システム100は、医療器具120と係合し、かつ/又はそれを制御し、患者130に処置を実施するように構成されたロボットシステム110を含む。医療システム100はまた、ロボットシステム110とのインターフェースとなり、処置に関する情報を提供し、かつ/又は種々の他の動作を実行するように構成された制御システム140を含む。例えば、制御システム140は、医師160が医療器具120を使用するのを支援するためにユーザインターフェース144を提示するディスプレイ142を含むことができる。更に、医療システム100は、患者130を保持するように構成されたテーブル150、及び/又はカメラ、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴撮像(MRI)、陽電子放出断層撮影(PET)デバイスなどの撮像センサ180を含むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、医師は、尿管鏡検査などの低侵襲医療処置を行う。医師160は、制御システム140と対話してロボットシステム110を制御し、医療器具120(例えば、バスケット回収デバイス及び/又はスコープ)を尿道から、結石165が位置する腎臓170内にナビゲートすることができる。制御システム140は、ナビゲーションにおいて医師160を支援するために、医療器具120又は撮像センサ180からのリアルタイム画像など、医療器具120に関する情報をディスプレイ142を介して提供することができる。腎臓結石の部位に到達すると、医療器具120を使用して、尿路結石165を破壊及び/又は捕捉することができる。
【0032】
医療システム100を使用するいくつかの実装形態では、医師160は、経皮的処置を行うことができる。説明すると、患者130が、大きすぎて尿路を通して除去することができない腎臓結石165を腎臓170に有する場合、医師160は、患者130上の経皮的アクセス点を通して腎臓結石を除去するための処置を実施することができる。例えば、医師160は、制御システム140と対話してロボットシステム110を制御し、医療器具120(例えば、スコープ)を尿道から、結石165が位置する腎臓170内にナビゲートすることができる。制御システム140は、医師160が医療器具120をナビゲートするのを支援するために、医療器具120又は撮像センサ180からのリアルタイム画像など、医療器具120に関する情報をディスプレイ142を介して提供することができる。腎臓結石の部位に到達すると、医療器具120を使用して、腎臓に経皮的にアクセスするために、第2の医療器具(図示せず)の標的場所(例えば、腎臓にアクセスするための所望の点)を指定することができる。腎臓への損傷を最小限に抑えるために、医師160は、第2の医療器具で腎臓内に進入するための標的場所として特定の乳頭を指定することができる。しかし、他の標的場所を指定又は判定することができる。第2の医療器具が標的場所に到達すると、医師160は、第2の医療器具及び/又は別の医療器具を使用して、経皮的アクセス点などを通して、患者130から腎臓結石を摘出することができる。上記の経皮的処置は、医療器具120を使用する文脈で考察されているが、いくつかの実装形態では、経皮的処置が医療器具120の支援を伴わずに実行され得る。更に、医療システム100は、様々な他の処置を実行するために使用され得る。
【0033】
低侵襲手術は、手術中にカメラ(例えば、医療器具120のスコープ)を体内に挿入することができるので、手術のビデオ記録の可能性を提供する。患者及び医療システム100のビデオ及び/又はデータを捕捉するために、体外に配置された追加のカメラ及びセンサを使用することができる。例えば、手術室(operating room、OR)カメラ(複数可)は、操作者又は医師の手の動き、針の場所、流体バッグの交換、患者の出血など、手術室内の活動のビデオを捕捉することができる。X線透視中の造影剤注入の回数等の詳細もまた、ORカメラによって捕捉され、患者への放射線被曝量を推定するために使用されてもよい。ビデオに記録された音声も、段階の識別を助けるために使用することができる。例えば、いくつかのロボットシステムは、レーザ処理が発生しているときにビープ音を鳴らすか、又は他の方法で可聴ノイズを発生させる。ビデオは、認知訓練、スキル評価、及びワークフロー分析などの理由のためにアーカイブされ、後で使用され得る。
【0034】
人工知能(AI)の一形態であるコンピュータビジョンは、対象物及びパターンの識別のためにコンピュータによるビデオの定量分析を可能にする。例えば、内視鏡手術において、AIビデオシステムは、ジェスチャ/タスク分類、スキル評価、ツールタイプ認識、ショット/イベント検出及び検索のために使用されることができる。AIシステムは、外科的処置のビデオを見て、処置中に使用される器具の動き及びタイミングを追跡することができる。AIシステムは、メトリックを使用して、どの器具がいつ、どれくらいの期間使用されたかなど、ツールのタイミングを追跡することができる。加えて、AIシステムは、器具の経路を追跡することができ、これは、処置を評価するか、又は処置における段階を識別するために有用であり得る。AIシステムは、ツールが手術野内でどれだけ離れているかを判定することができ、これは、より良い外科医が焦点が当てられた領域で器具を取り扱う傾向があるので、手術の質に相関され得る。AIシステムはまた、医療専門家の動作の経済性、医療専門家が器具間で行ったり来たりして切り替えた頻度、及び処置の各ステップにおける医療専門家の効率を含む、医療専門家のパフォーマンスの複数の態様を評価するためのメトリックを判定することができる。
【0035】
図1の例では、医療器具120は、バスケット回収デバイスとして実装される。したがって、説明を容易にするために、医療器具120は、「バスケット回収デバイス120」とも呼ばれる。しかしながら、医療器具120は、例えば、スコープ(「内視鏡」と呼ばれることもある)、針、カテーテル、ガイドワイヤ、結石破砕具、鉗子、バキューム、メス、上記の組み合わせなどを含む様々なタイプの医療器具として実装され得る。いくつかの実施形態では、医療器具は操縦可能デバイスであり、他の実施形態では、医療器具は非操縦可能デバイスである。いくつかの実施形態では、手術ツールは、針、外科用メス、ガイドワイヤなどの、人体構造を穿刺するか又は人体構造を通って挿入されるように構成されたデバイスを指す。しかし、手術ツールは他のタイプの医療機器を指すこともできる。他の実施形態において、複数の医療器具が使用されてもよい。例えば、内視鏡をバスケット回収デバイス120と共に使用することができる。いくつかの実施形態では、医療器具120は、真空、バスケット回収デバイス、スコープ、又は器具の種々の組み合わせ等のいくつかの器具を組み込む複合デバイスであってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、医療器具120は、医療器具120を識別するための無線周波数識別(RFID)チップを含むことができる。医療システム100は、医療器具内のRFIDチップを読み取って器具の識別を助けるためのRFIDリーダを含むことができる。そのような情報を使用して、処置及び段階の識別を容易にすることができる。例えば、RFIDデータが器具を針として識別する場合、段階は、針挿入に関連し得るが、正確な段階を決定することは、RFIDデータを、ビデオ、デバイス状態、テレメトリ(例えば、磁気追跡、ロボットデータ、流体工学データなど)等の追加のデータと組み合わせることを必要と得る。
【0037】
ロボットシステム110は、医療処置を容易にするように構成することができる。ロボットシステム110は、特定の処置に応じて種々の方法で配置することができる。ロボットシステム110は、医療器具120と係合し、かつ/又はそれを制御し、処置を実施するように構成された1つ以上のロボットアーム112(ロボットアーム112(a)、112(b)、112(c))を含むことができる。示されるように、各ロボットアーム112は、関節に結合された複数のアームセグメントを含み得、これにより、複数の移動度を提供し得る。図1の実施例では、ロボットシステム110は、患者130の胴体下部に近接して位置決めされ、ロボットアーム112は、患者130の尿道などのアクセス点へのアクセスのために、医療器具120と係合して位置決めするように作動される。ロボットシステム110が適切に位置決めされると、医療器具120は、ロボットアーム112を使用してロボット制御で、医師160によって手動で、又はそれらの組み合わせで、患者130に挿入されることができる。
【0038】
ロボットシステム110はまた、1つ以上のロボットアーム112に結合された基部114を含み得る。基部114は、制御電子機器、電源、空気圧、光源、アクチュエータ(例えば、ロボットアームを移動させるためのモータ)、制御回路、メモリ、及び/又は通信インターフェース等の種々のサブシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、基部114は、ロボットシステム110を制御するためのユーザ入力等の入力を受信し、患者状態、医療器具の場所等の出力を提供するように構成される、入力/出力(input/output、I/O)デバイス116を含む。I/Oデバイス116は、コントローラ、マウス、キーボード、マイクロフォン、タッチパッド、他の入力デバイス、又は上記の組み合わせを含むことができる。I/Oデバイスは、スピーカ、ディスプレイ、触覚フィードバックデバイス、他の出力デバイス、又は上記の組み合わせ等の出力構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は移動可能であり(例えば、基部114はホイールを含む)、その結果、ロボットシステム110は、処置に適切な又は望ましい場所に位置付けられ得る。他の実施形態では、ロボットシステム110は、固定システムである。更に、いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、テーブル150に一体化されている。
【0039】
ロボットシステム110は、制御システム140、テーブル150、撮像センサ180、及び/又は医療器具120などの、医療システム100の任意の構成要素に結合させることができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、制御システム140に通信可能に結合されている。一実施例では、ロボットシステム110は、制御システム140から制御信号を受信して、特定の方法でロボットアーム112を位置決めする、スコープを操作するなどの動作を実行し得る。それに応答して、ロボットシステム110は、ロボットシステム110の構成要素を制御し、動作を実施することができる。別の実施例では、ロボットシステム110は、患者130の内部の解剖学的構造を描写する画像をスコープから受信し、かつ/又は画像を制御システム140に送信することができる(次いで、その画像は制御システム140上に表示され得る)。更に、いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、データ信号、電力などを受信するために、制御システム140などの医療システム100の構成要素に結合される。他の医療器具、点滴バッグ、血液パックなどの他のデバイスも、実行される医療処置に応じて、ロボットシステム110又は医療システム100の他の構成要素に結合されることができる。
【0040】
制御システム140は、医療処置の実施を支援するための様々な機能を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御システム140は、ロボットシステム110に結合され、ロボットシステム110と協働して動作して、患者130に対して医療処置を実施し得る。例えば、制御システム140は、(例えば、ロボットシステム110、バスケット回収デバイス120を制御すること、スコープなどによって捕捉された画像を受信することなどを行うために)無線接続又は有線接続を介してロボットシステム110と通信すること、1つ以上の流体チャネルを介してロボットシステム110を通じて流体の流れを制御すること、1つ以上の電気接続を介してロボットシステム110に電力を提供すること、1つ以上の光ファイバ又は他の構成要素などを介してロボットシステム110に光学信号を提供することなどを行うことができる。更に、いくつかの実施形態では、制御システム140は、センサデータを受信するためのスコープと通信することができる。更に、いくつかの実施形態では、制御システム140は、テーブル150と通信して、テーブル150を特定の向きに位置決めするか、又は別様にテーブル150を制御することができる。
【0041】
図1に示すように、制御システム140は、医師160又は他の者が医療処置を実行するのを支援するように構成された様々なI/Oデバイスを含む。いくつかの実施形態では、制御システム140は、バスケット回収デバイス120を制御するために医師160又は別のユーザによって採用される入力デバイス146を含む。例えば、入力デバイス146は、患者130内でバスケット回収デバイス120をナビゲートするために使用されることができる。医師160は、入力デバイス146を介して入力を提供することができ、それに応答して、制御システム140は、医療器具120を操作するために制御信号をロボットシステム110に送信することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、入力デバイス146は、ゲームコントローラと同様のコントローラである。コントローラは、ロボットシステム110を制御するために使用され得る複数の軸及びボタンを有することができる。入力デバイス146は、図1の実施例ではコントローラとして示されているが、入力デバイス146は、タッチスクリーン/パッド、マウス、キーボード、マイクロフォン、スマートスピーカなど、様々なタイプのI/Oデバイス又は様々なタイプのI/Oデバイスの組み合わせとして実装することができる。また図1に示すように、制御システム140は、処置に関する様々な情報を提供するディスプレイ142を含むことができる。例えば、制御システム140は、スコープによって捕捉されるリアルタイム画像を受信し、ディスプレイ142を介してリアルタイム画像を表示することができる。加えて、又は代替として、制御システム140は、医療モニタ及び/又は患者130と関連付けられたセンサから信号(例えば、アナログ、デジタル、電気、音響/音波、空気圧、触覚、油圧など)を受信することができ、ディスプレイ142は、患者130の健康及び/又は患者130の環境に関する情報を提示することができる。このような情報には、医療用モニタを介して表示される、例えば、心拍数(例えば、心電図(electrocardiogram、ECG)、心拍変動(heart rate variability、HRV)など)、血圧/血流速度、筋肉生体信号(例えば、筋電図記録(electromyography、EMG))、体温、酸素飽和度(例えば、SpO)、二酸化炭素(CO)、脳波(例えば、脳波図(electroencephalogram、EEG))、環境温度などの情報を含めることができる。
【0043】
図1はまた、本開示の特定の態様に関連する患者130の様々な解剖学的構造を示す。具体的には、患者130は、尿管172を介して膀胱171に流体的に接続された腎臓170と、膀胱171に流体的に接続された尿道173とを含む。腎臓170の拡大描写に示されるように、腎臓は、腎杯174(例えば、大腎杯及び小腎杯)、腎乳頭(「乳頭176」とも称される腎乳頭176を含む)、及び腎錐体(腎錐体178を含む)を含む。これらの実施例では、腎臓結石165は乳頭176に近接して位置する。しかし、腎臓結石は、腎臓170内の他の場所に位置する可能性がある。
【0044】
図1に示されるように、例示的な低侵襲処置において腎臓結石165を除去するために、医師160は、ロボットシステム110をテーブル150の足部に位置決めして、医療器具120の患者130への送達を開始し得る。具体的には、ロボットシステム110は、患者130の下腹部に近接して配置され、患者130の尿道173への直接的な直線状のアクセスのために位置合わせされ得る。テーブル150の足部から、ロボットアーム112(B)は、尿道173へのアクセスを提供するように制御されることができる。この実施例では、医師160は、この直接的な直線状のアクセス経路(「仮想レール」と称されることもある)に沿って、医療器具120を尿道内に少なくとも部分的に挿入する。医療器具120は、スコープ及び/又はバスケット回収デバイスを受容するように構成された管腔を含むことができ、それによって患者130の解剖学的構造へのこれらのデバイスの挿入を支援する。
【0045】
ロボットシステム110が適切に位置決めされ、かつ/又は医療器具120が尿道173に少なくとも部分的に挿入されると、スコープは、ロボット制御で、手動で、又はそれらの組み合わせで患者130に挿入され得る。例えば、医師160は、医療器具120をロボットアーム112(C)に接続することができる。次いで、医師160は、医療器具120を患者130内でナビゲートするために、入力デバイス146などの制御システム140と対話し得る。例えば、医師160は、尿道173、膀胱171、尿管172を通って腎臓170までバスケット回収デバイス120をナビゲートするために、入力デバイス146を介して入力を提供して、ロボットアーム112(C)を制御することができる。
【0046】
制御システム140は、その機能を容易にするために様々な構成要素(「サブシステム」と呼ばれることもある)を含むことができる。例えば、制御システム140は、制御電子機器、電源、空気圧、光源、アクチュエータ、制御回路、メモリ、及び/又は通信インターフェース等の種々のサブシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム140は、実行されると、様々な動作を実行させる、実行可能な命令を記憶するコンピュータベースの制御システムを含む。いくつかの実施形態では、図1に示されるように、制御システム140は移動可能であるが、他の実施形態では、制御システム140は、固定システムである。様々な機能及び構成要素が、制御システム140によって実装されるものとして論じられているが、この機能及び/又は構成要素のうちのいずれかは、ロボットシステム110及び/又はテーブル150などの他のシステム及び/又はデバイスに一体化され、かつ/又はそれによって実施されることができる。
【0047】
医療システム100は、医師が処置を実施することを支援するためのガイダンス(例えば、器具追跡、患者の状態など)を提供すること、医師が動かしにくい腕の運動及び/又は位置を必要とすることなく人間工学的位置から処置を実施することを可能にすること、1人の医師が1つ以上の医療器具を用いて処置を実施することを可能にすること、(例えば、蛍光透視技法に伴う)放射線曝露を回避すること、処置が単一手術設定で実施されることを可能にすること、より効率的に対象物を除去する(例えば、腎臓結石を除去する)ために連続的吸引を提供することなどの種々の利益を提供することができる。更に、医療システム100は、医師の放射線への曝露を低減し、かつ/又は手術室内の機器の量を低減するための非放射線ベースのナビゲーション及び/若しくは位置特定技法を提供することができる。更に、医療システム100は、制御システム140とロボットシステム110とに機能を分割することができ、各々が独立して移動可能であり得る。機能性及び/又は移動性のかかる分割は、制御システム140及び/又はロボットシステム110が、特定の医療処置にとって最適である場所に配置されることを可能にすることができ、これにより、患者の周囲の作業エリアを最大化し、かつ/又は医師が処置を実行するための最適化された場所を提供することが可能になる。例えば、処置の多くの態様は、ロボットシステム110(患者の比較的近くに配置される)によって実行され得る一方で、医師は、制御システム140(遠くに配置され得る)から離れて処置を管理する。
【0048】
いくつかの実施形態では、制御システム140は、ロボットシステム110とは異なる地理的場所に配置されていても機能することができる。例えば、遠隔医療の実施では、制御システム140は、広域ネットワークを介してロボットシステム110と通信するように構成される。1つのシナリオでは、医師160は、制御システム140と共に1つの病院に位置し得る一方、ロボットシステム110は、異なる病院に位置する。次いで、医師は、医療処置を遠隔的に行うことができる。これは、地方の病院のような離れた病院が特定の処置において専門知識が限られている場合に有益であり得る。これらの病院は、他の場所にいるより経験のある医師に頼ることができる。いくつかの実施形態では、制御システム140は、例えば、特定のロボットシステムを選択し、(例えば、パスワード、暗号化、認証トークン等を使用して)安全なネットワーク接続を形成することによって、様々なロボットシステム110とペアリングすることができる。したがって、1つの場所にいる医師は、様々な異なる場所の各々に配置されたロボットシステム110との接続を設定することによって、様々な異なる場所で医療処置を行うことが可能であり得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110、テーブル150、医療器具120、針及び/又は撮像センサ180は、無線及び/又は有線ネットワークを含むことができるネットワークを介して互いに通信可能に結合される。例示的なネットワークは、1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、1つ以上のローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、1つ以上のワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、1つ以上のインターネットエリアネットワーク(Internet area network、IAN)、1つ以上のセルラーネットワーク、インターネットなどを含む。更に、いくつかの実施形態では、制御システム140、ロボットシステム110、テーブル150、医療器具120、及び/又は撮像センサ180は、通信、流体/ガス交換、電力交換などのために、1つ以上の支持ケーブルを介して接続される。
【0050】
図1には示されていないが、いくつかの実施形態では、医療システム100は、患者130の健康及び/又は患者130が位置する環境を監視するように構成された医療モニタを含む、及び/又はそれに関連付けられる。例えば、医療モニタは、手術室内など、医療システム100が配置されるのと同じ環境内に配置することができる。医療モニタは、患者130及び/又は環境に関連する1つ以上の物理的、生理学的、化学的、及び/又は生物学的信号、パラメータ、特性、状態、及び/又は条件を検出又は決定するように構成された1つ以上のセンサに物理的及び/又は電気的に結合され得る。例えば、1つ以上のセンサは、温度、圧力、振動、力覚/触覚特徴、音、光学レベル又は特性、負荷又は重量、(例えば、標的ガス及び/又は液体の)流量、磁場及び電場の振幅、位相、及び/又は配向、気体、液体、又は固体形態の物質に関する成分濃度等を含む、任意のタイプの物理的特性を判定/検出するように構成されることができる。1つ以上のセンサは、センサデータを医療モニタに提供することができ、医療モニタは、患者130の健康及び/又は患者130の環境に関する情報を提示することができる。このような情報には、医療用モニタを介して表示される、例えば、心拍数(例えば、ECG、HRVなど)、血圧/血流速度、筋肉生体信号(例えば、EMG)、体温、酸素飽和度(例えば、SpO)、CO、脳波(例えば、EEG)、環境温度などの情報を含めることができる。いくつかの実施形態では、医療モニタ及び/又は1つ以上のセンサは、制御システム140に結合され、制御システム140は、患者130の健康及び/又は患者130の環境に関する情報を提供するように構成される。
【0051】
尿路結石捕捉
図2A図2Bは、尿路結石捕捉処置を実施している間の医療システム100の斜視図を示す。これらの実施例では、医療システム100は、患者130から腎臓結石を除去するために手術室内に配置される。かかる処置の多くの例において、患者130は、患者130の後部又は側面にアクセスするために、患者130が側面にわずかに傾けられた修正された仰臥位で位置付けされる。尿路結石捕捉処置はまた、図1に示されるように、通常の背臥位にある患者で行われてもよい。図2A及び図2Bは、患者130から腎臓結石を除去するための低侵襲処置を実行するための医療システム100の使用を例示しているが、医療システム100は、別様に腎臓結石を除去するために、及び/又は他の処置を実行するために使用され得る。更に、患者130は、処置のために所望される他の位置に配置され得る。種々の行為を、図2A及び図2Bにおいて、また本開示の全体を通して、医師160が行うとして説明している。これらの行為は、医師160によって直接的に、医療システム100の助けを借りて医師によって間接的に、医師の指示の下でユーザによって、別のユーザ(例えば、技術者)によって、及び/又は任意の他のユーザによって行われ得ることを理解されたい。
【0052】
ロボットシステム110の特定のロボットアームは、図2A及び図2Bの文脈において特定の機能を実行するものとして例示されているが、ロボットアーム112のうちのいずれかを使用してそれらの機能を実行し得る。更に、任意の追加のロボットアーム及び/又はシステムを使用して、手技を実行することができる。更に、ロボットシステム110を使用して、手技の他の部分を実行することができる。
【0053】
図2Aに示されるように、バスケット回収デバイス120は、尿路結石165に接近するように腎臓170の中へと操縦される。いくつかのシナリオでは、医師160又は他のユーザは、入力デバイス146を使用して、バスケット回収デバイス120の移動を直接制御する。そのような直接制御された移動は、挿入/後退、バスケット回収デバイス120を左又は右に屈曲させること、回転、及び/又はバスケットの規則的な開放/閉鎖を含むことができる。種々の動きを使用して、バスケット回収デバイス120は、結石の近くに配置される。
【0054】
いくつかの実施形態では、レーザ、衝撃波デバイス、又は他のデバイスが、結石を破砕するために使用される。レーザ又は他のデバイスは、バスケット回収デバイス120に組み込まれ得るか、又は別個の医療器具であり得る。いくつかの状況では、結石165は、結石をより小さい小片に分解する必要がないほど十分に小さい。
【0055】
図2Bに示すように、開いたバスケットは、尿路結石165又は尿路結石の小片を取り囲むように操縦される。次いで、バスケット回収デバイス120は、腎臓170から引き抜かれ、次いで、患者の身体から取り出される。
【0056】
更なる結石(又は破砕された結石165の大きな破片)が存在する場合、バスケット回収デバイス120は、残りの大きな破片を捕捉するために患者の中に再挿入され得る。いくつかの実施形態では、真空器具を使用して、小片の除去を容易にすることができる。いくつかの状況では、結石片は、患者によって自然に通過され得るほど十分に小さい場合がある。
【0057】
段階セグメント化及び段階認識
自動化された手術ワークフロー分析は、処置における異なる段階を検出し、手術スキル及び処置効率を評価するために使用され得る。処置中に収集されたデータ(例えば、ビデオデータ)は、例えば、隠れマルコフモデル(hidden Markov model、HMM)及びロングタームショートメモリ(long-term-short-memory、LTSM)ネットワークを含むがこれらに限定されない機械学習方法を使用して、複数のセクションにセグメント化され得る。
【0058】
手術段階セグメント化では、捕捉された医療処置データは、段階を識別するために手術室からの入力データを使用して、段階に自動的にセグメント化される。セグメント化は、処置中にリアルタイムで行われてもよく、又は記録されたデータに対して手術後に行われてもよい。一実施形態では、手術データは、動的時間ワーピングを使用して前処理され、段階を同等の同等セグメントに分割することができる。入力データは、器具信号、注釈、器具(例えば、EM)の追跡、又はビデオから取得される情報から成ることができる。
【0059】
手術ワークフローの認識は、処置に応じて異なる粒度レベルで行うことができる。これは、段階及びステップ(より高いレベル)、又はジェスチャ及びアクティビティ(より低いレベル)に対して行うことができる。手術段階認識は、HMM、ガウス混合モデル(Gaussian Mixture Model、GMM)、及びサポートベクトルマシン(Support Vector Machine、SVM)などの機械学習手法、並びに畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、CNN)を使用するビデオデータからの段階認識のための深層学習ベースの手法を使用して、時系列、運動学的データ、及びビデオデータに対して実行することができる。手術ジェスチャ及びアクティビティ認識のために、同様の方法(SVM、マルコフモデル)が、主にビデオデータ又はビデオ及び運動学的データの組み合わせ、並びにビデオデータにおけるツールの存在、タスク、及び活動の認識のために使用され得るCNN等のより最近のディープラーニングベースの方法に対して使用され得る。段階セグメント化は、図3に示すように、複数のデータソースを使用して症例データを異なるサブタスクにセグメント化することができ、又は図4に示すように、ビデオなどの単一のデータソースを使用して現在の段階を分類することができる。図4では、追加のデータ(例えば、センサデータ又はUIデータ)が、次いで、制御システム140によって生成される出力を更に精緻化するために組み込まれることができる。
【0060】
図3において、制御システム140は、医療システム100から様々な入力データを受信する。そのような入力は、撮像センサ180によって捕捉されたビデオデータ305、ロボットシステム110の1つ以上のセンサからのロボットセンサデータ310、及び入力デバイス146から受信されたユーザインターフェース(UI)データを含むことができる。
【0061】
ビデオデータ305は、患者内に配備されたスコープから捕捉されたビデオ、手術室内のカメラから捕捉されたビデオ、及び/又はロボットシステム110のカメラによって捕捉されたビデオを含むことができる。ロボットセンサデータ310は、ロボットシステム110からの運動学的データ(例えば、振動、加速度計、位置決め、及び/又はジャイロスコープセンサを使用する)、デバイス状態、温度、圧力、振動、力覚/触覚特徴、音、光学レベル又は特性、負荷又は重量、(例えば、標的ガス及び/又は液体の)流量、磁場及び電場の振幅、位相、及び/又は配向、気体、液体、又は固体形態の物質に関する成分濃度等を含むことができる。UIデータ315は、ユーザによって行われ、医療システム100の入力デバイスによって捕捉されるボタン押下、メニュー選択、ページ選択、ジェスチャ、音声コマンド、及び/又は同様のものを含み得る。上記の図1で説明したような患者センサデータも、制御システム140への入力として使用することができる。
【0062】
制御システム140は、ビデオデータ305を分析し(例えば、機械学習アルゴリズムを使用して)、並びにロボットセンサデータ310及びUIデータ315を使用して、医療処置の段階を識別することができる。一実施例では、尿管鏡検査などの医療処置は、いくつかのタスク(例えば、タスク1~タスク5)を含む。各タスクは、医療処置の1つ以上の段階において実行され得る。図3に示す実施例では、タスク1は段階1で実行される。タスク2は、段階2及び4で実行される。タスク3は、段階3及び段階5で実行される。タスク4は、段階6及び8で実行される。タスク5は段階7で実行される。時間1(T1)は段階1を完了するのにかかる時間を示し、時間2(T2)は段階2を完了するのにかかる時間を示し、時間3(T3)は段階3を完了するのにかかる時間を示す。他の処置は、異なる数のタスク及び/又は異なる数の段階を有し得る。
【0063】
手動タスク及び自動タスクが存在するロボット処置の場合、手術段階検出を使用して、手動タスクと自動タスクとの間の移行を自動的かつシームレスに行うことができる。例えば、T1は手動タスクに対応してもよく、T2は自動タスクであってもよく、T3は再び手動タスクであってもよい。一実施形態では、標的選択段階がアクティブであるとき、標的選択ステップは、スコープを駆動するロボットによって自律的に実行され得る。代替として、ユーザは、EMマーカを使用して皮膚上の点を選ぶことによって、部位選択を行うことができ、ロボットは、標的挿入軌道に針を自律的に位置合わせすることができる。
【0064】
図4Aは、特定の実施形態による、機械学習を利用して医療処置からのビデオデータから出力を生成するように構成された制御システム140のブロック図を示す。いくつかの実施形態では、制御システム140は、機械学習アルゴリズムを使用して、まずビデオデータ305を処理するように構成される。一実施形態では、ビデオデータ305は、CNN 405によって処理されて出力412を生成し、手術ツール、結石、人体解剖学的構造(例えば、乳頭)などのビデオに記録された特徴を識別する。そのような識別された特徴415は、元のビデオと共に、リカレントニューラルネットワーク(recurrent neural network、RNN)410への入力として提供され得る。次いで、RNN 410は、ビデオデータ305及び識別された特徴415を処理して、医療処置における段階420を識別するための出力412を生成することができる。
【0065】
次いで、ロボットセンサデータ310又はUIデータ315などの補足データを使用して、識別された特徴415及び識別された段階420を更に精緻化する(例えば、精度を高める、又は識別の数を増やす)ことができる。他の実施形態では、ロボットセンサデータ310及び/又はUIデータ315は、制御システム140によって考慮される可能なオプションを狭めるために、制御システム140によるビデオデータ305の処理の前に使用され得る。例えば、補足データは、特定の処置を識別するために使用されることができ、これは、可能なタスク及び段階の領域を特定の処置に対応するものに狭める。次いで、制御システム140は、識別された特徴415及び識別された段階420を、特定の処置に対応するものに限定することができる。例えば、タスクが制御システム140によってビデオデータ305内で最初に識別されたが、そのタスクが特定の処置に関連付けられていない場合、制御システム140は、タスクが特定の処置に対応するタスクとして再識別されるまでビデオを再処理することができる。
【0066】
ビデオデータ305の処理を完了した後、制御システム140は、識別された特徴415及び/又は識別された段階420を含む注釈付きビデオを生成することができる。そのような注釈は、ビデオの一部として(例えば、同じビデオファイルに)、ビデオと一緒にデータベースに記憶されたメタデータ、及び/又は他のデータフォーマットに記憶されてもよい。
【0067】
メタデータ拡張ビデオを作成することによって、医療処置をレビューするためにビデオを使用することがより容易になる。例えば、視聴者は、特定の段階がいつ発生したかを手動で検索するのではなく、関心のある特定の段階に前方又は後方にジャンプすることができる。更に、複数のビデオをより容易に処理して、データを集約し、メトリックを生成することができる。例えば、複数のビデオが、特定の段階(例えば、針挿入又は結石捕捉)のインスタンスについて検索され、分析されて、その段階に関するメトリック(例えば、成功率、平均試行、試行数等)を生成し得る。
【0068】
図4Aは、制御システム140によって処理されているビデオデータ305を示すが、他のタイプのデータが、制御システム140によって、互いに連続的に又は平行して処理され得る。例えば、そのようなデータは、電磁追跡センサによって測定されるような器具位置決め、スコープがどれだけ遠くに挿入されているか、スコープがどれだけ関節運動しているか、バスケットが開いているか閉じているか、バスケットがどれだけ遠くに挿入されているか、及び/又はロボットシステムの接続状態などのロボットシステム110データを含むことができる。データは、単一のニューラルネットワーク又は複数のニューラルネットワークへの入力として提供され得る。例えば、各々の異なるタイプのセンサ(例えば、ビデオ、デバイス状態、テレメトリ、例えば磁気追跡、ロボットデータ、及び/又は流体データ)は、それ自体のネットワークを有することができ、ネットワークの出力は、単一の段階予測を取得するために最終段階分類層の前に連結することができる。
【0069】
図4Bは、異なるデバイス及び/又はセンサからの異なるタイプのデータが異なるニューラルネットワークによって処理される、1つのそのような実施形態を示す。ビデオデータ305は、第1のニューラルネットワーク425(例えば、図4Aに説明されるようなCNN及び/又はRNN)によって処理されることができ、ロボットセンサデータ310は、第2のニューラルネットワーク430によって処理されることができ、UIデータは、第3のニューラルネットワーク435によって処理されることができる。次いで、異なるニューラルネットワークからの出力を組み合わせて、医療システム100のための出力412(例えば、段階予測)を生成することができる。
【0070】
段階識別プロセス
図5は、特定の実施形態による、段階識別プロセス500のフロー図である。段階識別プロセス500は、制御システム140によって、又は図1の医療システム100の別の構成要素によって実行することができる。以下は、プロセスに対する1つの可能なシーケンスを説明するが、他の実施形態は、異なる順序でプロセスを実行することができ、又は追加のステップを含んでもよく、又は以下に説明されるステップのうちの1つ以上を除外してもよい。
【0071】
ブロック505において、制御システム140は、ロボットシステムのUIからの入力を識別する。例えば、入力は、コントローラ又はタッチスクリーンなどの入力デバイス146から受信されてもよい。可能な入力は、処置段階の選択又は特定の処置段階に関連付けられたUI画面の選択を含むことができる。例えば、第1の画面は、第1の処置のためのオプションを列挙してもよく、一方、第2の画面は、第2の処置のためのオプションを列挙してもよい。ユーザが第1の画面上で選択を行っている場合、これらの選択は、ユーザが第1の処置を実行していることを示す。ユーザが第2の画面上で選択を行っている場合、これらの選択は、ユーザが第2の処置を実行していることを示す。したがって、特定の段階に対応するようにUIの画面を編成することによって、制御システム140は、ユーザの選択に基づいて段階情報を取得することができる。別の実施例では、医療システム100の一実施形態は、尿管鏡検査、経皮的アクセス又はミニ経皮的腎切石術(PCNL)などの選択可能な結石管理処置を示す第1の画面を有するUIを含むことができる。ユーザが尿管鏡検査を選択する場合、制御システム140は、段階が尿管鏡検査(例えば、腎臓内のバスケット処理、レーザ処理、及び/又は調査)に関連すると判定することができる。同様に、他の結石管理処置を選択することは、段階が対応する処置に関連することを示す。
【0072】
ブロック510において、制御システム140は、UI入力及びセンサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから処置を決定する。上述したように、UIインターフェースからの入力は、現在の可能な処置段階を識別するために使用することができる。加えて、ロボットセンサデータもまた、処置を識別するために使用されることができる。例えば、ロボットシステム110のアームが外科用器具を保持しながら患者に接近していると判定された場合、制御システム140は、現在の処置が医療器具の挿入に関連すると判定してもよい。
【0073】
ブロック515において、制御システム140は、決定された処置に基づいて、識別可能な処置段階のセットを処置段階のサブセットに狭めることができる。例えば、レーザ処理は、レーザの起動又はレーザの停止などのタスク又は段階に関連付けられてもよい。バスケット処理することは、結石を捕捉すること又はバスケットを後退させること等のタスク又は段階と関連付けられ得る。医療器具120の挿入は、器具を標的と整列させ、器具を標的部位に挿入することと関連付けられてもよい。一実施例では、制御システム140が、現在の処置が尿管鏡検査中のバスケット処置であると判定した場合、制御システム140は、可能な段階を、結石を捕捉すること、又はバスケットを後退させることに狭めることができる。
【0074】
ブロック520において、制御システム140は、ロボットシステム110のセンサデータからロボットマニピュレータ(例えば、ロボットアーム112)の位置を決定することができる。図3で説明したように、様々なタイプのセンサを使用してセンサデータを生成することができ、その後、センサデータを使用して位置を決定することができる。
【0075】
ブロック525において、制御システム140は、捕捉されたビデオの分析を実行することができる。図4に記載されるものなどのいくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムを使用して、分析を実行し、識別された特徴及び段階の仮識別などの出力を生成する。出力は、手術ツール又は解剖学的構造の一部等の物理的対象物の識別を含むことができる。例えば、制御システム140が捕捉されたビデオ内で尿管を識別する場合、それは、段階が経皮的アクセスに関連しないことを示す。同様に、乳頭を識別することは、段階がバスケット処理に関連しないことを示す。他のタイプの解剖学的構造の識別を同様に使用して、特定の段階の可能性を排除することができる。
【0076】
ブロック530において、制御システム140は、少なくともロボットマニピュレータの位置及び実行された分析に基づいて、処置段階のサブセットから段階を識別することができる。例えば、制御システム140がコントローラを介してバスケット投入入力を受信している場合、制御システム140は、その段階がバスケット処理段階のうちの1つであると判定することができる。加えて、実行された分析が、取り込まれたビデオが破砕された腎臓結石に近づいているバスケットを示していることを識別する場合、制御システム140は、現在の段階が結石を捕捉していると判定することができる。別の実施例では、実行された分析が、捕捉されたビデオが破砕された腎臓結石からバスケットを引き抜いていることを示していることを識別する場合、制御システム140は、現在の段階がバスケットをシース内に後退させていることを判定することができる。更なる実施例では、ロボットシステム110からの運動学的データは、医療器具が患者内から引き抜かれていることを示してもよく、制御システム140は、現在の段階がバスケットをシース内に後退させていることを判定してもよい。
【0077】
ブロック535において、制御システム140は、捕捉されたビデオの識別された段階についてのビデオマーカを生成することができる。ビデオマーカは、ビデオと同じファイル内のメタデータとして、ビデオファイルに関連付けられた別個のファイルとして、ビデオ注釈のためにデータベース内に記憶されたメタデータなどとして埋め込まれてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、ビデオファイルの視聴者がビデオ内の特定の段階にジャンプすることができるように、ビデオファイルに注釈が付けられる。例えば、ビデオは、異なる段階に対応するチャプタ又はセグメントに分割されてもよい。一実施形態では、ビデオのシークバーは、異なる段階に対応する着色セグメントでマークされてもよく、各段階は、異なる色によって示される。
【0079】
ブロック550において、制御システム140は、ビデオの終わりに達したかどうかを判定することができる。はいの場合、プロセス500は終了することができる。いいえの場合、プロセス500は、ブロック520にループバックして、追加の段階を識別し続けることができる。例えば、プロセス500は、1回、2回、3回、又はそれ以上ループして、第1の段階、第2の段階、第3の段階、又はそれ以上の段階を識別することができる。その後、捕捉されたビデオは、識別された段階の数に応じて、1つ以上のビデオマーカで終了してもよい。
【0080】
自動アクションのトリガ
図6は、特定の実施形態による、自動化されたロボットアクションのためのトリガプロセス600のフロー図である。トリガプロセス600は、制御システム140によって、又は図1の医療システム100の別の構成要素によって実行することができる。以下は、プロセスに対する1つの可能なシーケンスを説明するが、他の実施形態は、異なる順序でプロセスを実行することができ、又は追加のステップを含んでもよく、又は以下に説明されるステップのうちの1つ以上を除外してもよい。
【0081】
ブロック605において、制御システム140は、ロボットシステム110のセンサデータ(例えば、運動学的データ)からロボットマニピュレータ(例えば、ロボットアーム112)の状態を判定することができる。図3に記載されているように、様々なタイプのセンサを使用してセンサデータを生成することができ、センサデータは次いで、ロボットマニピュレータの位置又は他の状態を判定するために使用され得る。
【0082】
ブロック610において、制御システム140は、ロボットマニピュレータのアクションを開始するための入力を決定することができる。例えば、入力は、バスケットデバイスを制御するためにコントローラを操作するユーザからのものであってもよい。別の実施例では、入力は、医療システム100のUI上の画面選択又はメニュー選択であってもよい。
【0083】
ブロック615において、制御システム140は、捕捉されたビデオの分析を実行することができる。図4に記載されるものなどのいくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムを使用して、分析を実行し、識別された特徴及び段階の仮識別などの出力を生成する。
【0084】
ブロック620において、制御システム140は、マニピュレータの状態、識別された入力、及び実行された分析に少なくとも基づいて、医療処置の段階を識別することができる。例えば、制御システム140がコントローラを介してバスケット投入入力を受信している場合、制御システム140は、その段階がバスケット処理段階のうちの1つであると判定することができる。加えて、実行された分析が、取り込まれたビデオが破砕された腎臓結石に近づいているバスケットを示していることを識別する場合、制御システム140は、現在の段階が結石を捕捉していると判定することができる。別の実施例では、実行された分析が、捕捉されたビデオが破砕された腎臓結石からバスケットを引き抜いていることを示していることを識別する場合、制御システム140は、現在の段階がバスケットをシース内に後退させていることを判定することができる。更なる実施例では、ロボットシステム110からの運動学的データは、医療器具が患者内から引き抜かれていることを示してもよく、制御システム140は、現在の段階がバスケットをシース内に後退させていることを判定してもよい。
【0085】
ブロック625において、制御システム140は、識別された段階に基づいてロボットシステム110の自動アクションをトリガすることができる。トリガされるアクションは、実行されている処置のタイプに基づいて変化し得る。いくつかの可能なアクションがブロック630、635、及び640に示されている。ブロック630において、ロボットシステム110は、尿管鏡検査レーザ処理中にアクションを実行する。ブロック635において、ロボットシステム110は、針などの医療器具の挿入中にアクションを実行する。ブロック635において、ロボットシステム110は、尿管鏡検査バスケット処理中にアクションを実行する。ロボットシステム110によってアクションを引き起こした後、トリガプロセス600は終了することができる。図7は、トリガされ得る特定のアクションに関する追加の詳細を説明する。
【0086】
図7は、ある実施形態による、ロボットシステム110の異なるタイプのトリガされたアクションを示す図である。アクションは、動作の現在の段階を識別すること、又はユーザアクションを識別することに応答してトリガされ得る。いくつかの実施形態では、アクションは、完全に自動的であり、ユーザからの追加の入力を必要とせずに実行され得る。他の実施形態では、アクションは部分的に自動化されてもよく、ロボットシステム110によって実行される前にユーザからの確認を必要とする。段階の異なる組み合わせが、ロボットシステム110によって実行されている処置に基づいて実行され得る。いくつかの例示的な処置は、(逆行性)尿管鏡検査、経皮的腎切石術(PCNL)、ミニPCNL等を含む。例えば、尿管鏡検査は、調査段階(図示せず)と、レーザ処理段階と、バスケット処理段階とを含むことができる。PCNLは、経皮的アクセス段階、調査段階、レーザ処理段階、及びバスケット処理段階を含むことができる。ミニPCNLは、追加の位置合わせ及び/又は吸引段階を含むことができる。
【0087】
例えば、レーザ処理705の間、トリガされ得るアクションは、結石710にレーザを適用することと、結石715に向けられていないときにレーザを停止することとを含む。1つのシナリオでは、ロボットシステム110は、種々のセンサ(例えば、カメラ)を使用して、レーザが結石に向けられたときを検出することができる。次いで、それは、例えば、以前の尿管鏡検査処置の記録を使用して訓練された機械学習アルゴリズムを使用することによって、又は従来のコンピュータビジョンアルゴリズムを使用することによって(例えば、バスケットの既知のサイズを結石のサイズと比較することによって)、結石のサイズを判定してもよい。判定されたサイズに基づいて、ロボットシステム110は、次いで、同様のサイズ及び/又はタイプの結石について記録されたレーザ処理時間に基づいて初期レーザ処理時間を決定することができる。次いで、ロボットシステム110は、決定されたレーザ処理時間の後、又は結石が破砕されたことを検出した場合に、レーザを停止することができる。他のシナリオでは、ユーザは、レーザ処理時間を設定すること、又はロボットシステムによってレーザが起動される許可を提供することなど、追加の入力を提供することができる。
【0088】
別のシナリオでは、レーザの適用はユーザによってトリガされてもよく、レーザの停止はロボットシステム110によって自動的にトリガされる。例えば、ロボットシステム110は、そのセンサを使用して、レーザの標的が結石からドリフトするか、又は他の方法で結石の中心に置かれないときを検出し、それに応答してレーザを停止することができる。
【0089】
別の実施例では、バスケット処理725中に、トリガされ得るアクションは、バスケット730の内側に結石を捕捉することと、バスケットをシース735内に後退させることとを含む。1つのシナリオでは、ロボットシステム110は、バスケット730が結石と位置合わせされ、指定された距離内にあることを検出すると、バスケット730の作動をトリガすることができる。次いで、バスケット730を作動させて結石を捕捉することができる。次いで、ロボットシステム110は、そのセンサ(例えば、カメラ又は圧力センサ)を使用して、結石がバスケット730の内側に捕捉されているかどうかを判定し、シース735の中へのバスケットの後退をトリガすることができる。次いで、ユーザは、シースを患者の身体から後退させ、それによって、結石を除去してもよい。別の実施例では、経皮的アクセス740中に、トリガされ得るアクションは、標的(腎杯)選択745、挿入部位選択750、及び標的部位への針挿入755を含む。1つのシナリオでは、ロボットシステム110は、標的及び標的における挿入部位(例えば、ユーザによってマークされるか、又はシステムによって識別される)を決定することができる。次いで、ロボットシステム110は、ユーザからの確認が進むのを待ってもよい。確認を受信した後、ロボットシステム110は、次いで、針(又は他の器具)を標的部位に挿入してもよい。
【0090】
別の実施例では、ミニPCNL処置中に、追加の段階は、PCNLシース765とのロボット位置合わせと、能動的な灌注及び吸引770による結石のレーザ処理とを含むことができる。これらの段階においてトリガされるアクションは、器具をPCNLシースと位置合わせすること、及び吸引を増加させることを含むことができる。例えば、ロボットシステム110が、レーザ処理の間の結石片の増加、又はそうでなければ可視性を制限するより大きな塵を検出した場合、ロボットシステム110は、より多くの結石片を除去するために吸引又は吸引力を増加させることができる。可視性又は視野が増加すると、ロボットシステム110は、吸引を低減することができる。
【0091】
上記では、識別された段階に基づいてトリガすることができるロボットシステム110の自動アクションのいくつかの例及びシナリオについて説明したが、トリガ可能なアクションは、上記で説明したアクションに限定されない。ロボットシステム110は、ユーザ及び患者のニーズに基づいて他のトリガ可能なアクションを実行するようにプログラムされてもよい。
【0092】
段階中に実行されるタスクの評価
図8は、特定の実施形態による、識別された段階中に実行されるタスクの評価プロセス800のフロー図である。評価プロセス800は、制御システム140によって、又は図1の医療システム100の別の構成要素によって実行することができる。以下は、プロセスに対する1つの可能なシーケンスを説明するが、他の実施形態は、異なる順序でプロセスを実行することができ、又は追加のステップを含んでもよく、又は以下に説明されるステップのうちの1つ以上を除外してもよい。
【0093】
ブロック805において、制御システム140は、ロボットシステム110のセンサデータからロボットマニピュレータ(例えば、ロボットアーム112)の状態を決定することができる。図3に記載されているように、様々なタイプのセンサを使用してセンサデータを生成することができ、センサデータは次いで、ロボットマニピュレータの位置又は他の状態を判定するために使用され得る。
【0094】
ブロック810において、制御システム140は、ロボットマニピュレータのアクションを開始するための入力を決定することができる。例えば、入力は、バスケットデバイスを制御するためにコントローラを操作するユーザからのものであってもよい。別の実施例では、入力は、医療システム100のUI上の画面選択又はメニュー選択であってもよい。
【0095】
ブロック815において、制御システム140は、捕捉されたビデオの分析を実行することができる。図4に記載されるものなどのいくつかの実施形態では、機械学習アルゴリズムを使用して、分析を実行し、識別された特徴及び段階の仮識別などの出力を生成する。
【0096】
ブロック820において、制御システム140は、マニピュレータの状態、識別された入力、及び実行された分析に少なくとも基づいて、医療処置の段階を識別することができる。例えば、制御システム140がコントローラを介してバスケット投入入力を受信している場合、制御システム140は、その段階がバスケット処理段階のうちの1つであると判定することができる。加えて、実行された分析が、取り込まれたビデオが破砕された腎臓結石に近づいているバスケットを示していることを識別する場合、制御システム140は、現在の段階が結石を捕捉していると判定することができる。別の実施例では、実行された分析が、捕捉されたビデオが破砕された腎臓結石からバスケットを引き抜いていることを示していることを識別する場合、制御システム140は、現在の段階がバスケットをシース内に後退させていることを判定することができる。更なる実施例では、ロボットシステム110からの運動学的データは、医療器具が患者内から引き抜かれていることを示してもよく、制御システム140は、現在の段階がバスケットをシース内に後退させていることを判定してもよい。
【0097】
ブロック825において、制御システム140は、1つ以上のメトリックに基づいて、識別された段階の評価を生成することができる。評価される段階は、実行されている処置のタイプに基づいて変化し得る。いくつかの可能な段階がブロック830、835、及び840に示されている。ブロック830において、制御システム140は、尿管鏡検査レーザ処理段階を評価する。ブロック835において、制御システム140は、医療器具挿入段階を評価する。ブロック840において、制御システム140は、尿管鏡検査バスケット処理段階を評価する。以下に、各種評価のいくつかの具体例を示す。
【0098】
図9は、特定の実施形態による、医療タスクのためのスコアリングプロセス900のフロー図である。スコアリングプロセス900は、制御システム140によって、又は図1の医療システム100の別の構成要素によって実行することができる。以下は、プロセスに対する1つの可能なシーケンスを説明するが、他の実施形態は、異なる順序でプロセスを実行することができ、又は追加のステップを含んでもよく、又は以下に説明されるステップのうちの1つ以上を除外してもよい。
【0099】
ブロック905において、制御システム140は、第1の処置タスクが実行される回数をカウントする。ブロック910において、制御システム140は、第2の処置タスクが実行される回数をカウントする。ブロック915において、制御システム140は、第1の処置タスクについてのカウント数と第2の処置タスクについてのカウント数との比を決定する。ブロック920において、制御システム140は、決定された比を履歴比と比較することができる。例えば、履歴比は、同じ処置の履歴記録を分析して平均又は中央値比を決定することによって生成されてもよい。
【0100】
一実施例では、尿管鏡検査バスケット処理中に、制御システム140は、バスケット動作の回数をカウントし、尿管鏡後退の回数をカウントすることができる。次いで、制御システム140は、バスケット動作の回数と尿管鏡後退の回数との比を決定し、決定された比を以前の尿管鏡検査バスケット処置からの他の比と比較することができる。
【0101】
尿管鏡検査駆動の一実施例では、制御システム140は、ユーザが手動でスコープを駆動する回数と、ユーザがロボットでスコープを駆動する回数とをカウントすることができる。手動駆動は、一般に、腎臓を調査するために使用される。一方、スコープは、典型的には、バスケット処理を実行するためにロボットシステムにドッキングされる。次いで、制御システム140は、ユーザがスコープを手動で駆動する回数と、ユーザがスコープをロボットで駆動する回数との比を決定し、決定された比を以前の尿管鏡検査処置からの他の記録された比と比較することができる。この比は、ロボット尿管鏡検査に対するユーザの適応のレベルを測定することができる。
【0102】
別の実施例では、尿管鏡検査レーザ処理中に、制御システム140は、結石のレーザ処理時間をカウントし、結石のサイズ及び/又はタイプを決定することができる。次に、制御システム140は、結石のレーザ処理時間と結石のサイズとの比を決定し、決定された比を他の動作からの以前の比と比較することができる。結石のタイプ(例えば、尿酸、シュウ酸カルシウム一水和物、スツルバイト、システイン、ブルシャイトなど)を決定することによって、制御システム140は、結石のタイプに基づいて外科手術全体の静力学を集約することができる。例えば、レーザ処理持続時間及び処置持続時間は、結石のタイプによって分けることができる。
【0103】
ブロック925において、制御システム140は、比較の出力を生成することができる。そのような出力は、レポート、視覚的インジケータ、ガイド、スコア、グラフなどであり得る。例えば、制御システム140は、ユーザが、以前の動作からの記録された比率と比較して、比率の中央値又は平均値で、それを下回って、又はそれを上回って実施していることを示してもよい。いくつかの実施形態では、出力は、現在のユーザをそのユーザによる以前の動作の記録と比較して、ユーザの個人的な成績を追跡してもよい。いくつかの実施形態では、出力は、ユーザを他の医療専門家と比較してもよい。
【0104】
一実施形態では、出力は、ユーザの現在のパフォーマンスが以前の動作とどのように比較されるかを示すリアルタイムインジケータを含むことができる。そのような出力は、例えば、結石のサイズに基づいてレーザ処理をどれだけ長く実行するかに関するユーザ入力を与えることによって、手術中にユーザを支援することができる。他の出力は、他の関連情報をユーザに提供することができる。
【0105】
様々なタイプの処置タスクを、スコアリングプロセス900を使用して評価することができる。例えば、いくつかの比率は、尿管鏡後退の回数に対するバスケット動作の回数、ユーザがスコープをロボットで駆動する回数に対するユーザがスコープを手動で駆動する回数、及び結石のサイズに対する結石のレーザ処理時間を含むことができる。
【0106】
図10は、特定の実施形態による、医療タスクのための別のスコアリングプロセスのフロー図である。スコアリングプロセス1000は、制御システム140によって、又は図1の医療システム100の別の構成要素によって実行することができる。以下は、プロセスに対する1つの可能なシーケンスを説明するが、他の実施形態は、異なる順序でプロセスを実行することができ、又は追加のステップを含んでもよく、又は以下に説明されるステップのうちの1つ以上を除外してもよい。
【0107】
ブロック1005において、制御システム140は、第1の処置タスクをカウントすることができる。ブロック1010において、制御システム140は、第1の処置タスクを第1の処置の履歴カウントと比較することができる。例えば、尿管鏡検査駆動中に、制御システム140は、ユーザが成功するまでユーザが針を挿入しようと試みる回数をカウントし、そのカウントを以前の経皮的針挿入動作からの記録された針挿入試行と比較することができる。
【0108】
別の実施例では、経皮的針挿入中、制御システム140は、経皮的アクセスのための標的腎杯を選択する前に、腎臓を調査するためにかかる時間をカウントし、カウントされた時間を以前の経皮的針挿入動作からの記録された時間と比較してもよい。制御システム140はまた、経皮的針挿入中に、カテーテルとのロボットマニピュレータの自動位置合わせが開始される回数をカウントし、カウントされた回数を以前の動作からの記録された自動位置合わせ数と比較してもよい。
【0109】
ミニPCNL位置合わせ中、制御システム140は、カテーテル又はシースとのロボットマニピュレータのエンドエフェクタの自動位置合わせが開始される回数をカウントし、カウントされた回数を以前の動作からの記録された自動位置合わせ数と比較し得る。別の実施例では、制御システム140は、尿管鏡検査レーザ処理中に、ビデオキャプチャデバイスのビューが結石の破砕による塵によって遮られる回数をカウントし、カウントされた回数を以前の動作からの塵遮蔽の記録された回数と比較することができる。
【0110】
ブロック1015において、制御システム140は、比較の出力を生成することができる。そのような出力は、レポート、視覚的インジケータ、ガイド、スコア、グラフなどであり得る。例えば、制御システム140は、ユーザが、以前の動作からの記録されたメトリックと比較して、中央値又は平均値で、それを下回って、又はそれを上回って実施していることを示してもよい。いくつかの実施形態では、出力は、現在のユーザをそのユーザによる以前の動作の記録と比較して、ユーザの個人的な成績を追跡してもよい。いくつかの実施形態では、出力は、ユーザを他のユーザと比較してもよい。
【0111】
一実施形態では、出力は、ユーザの現在のパフォーマンスが以前の動作とどのように比較されるかを示すリアルタイムインジケータを含むことができる。そのような出力は、例えば、断片からの塵の量が通常から外れているかどうかを示すことによって、手術中にユーザを支援することができる。他の出力は、他の関連情報をユーザに提供することができる。
【0112】
様々なタイプの処置タスクが、スコアリングプロセス1000を使用して評価され得る。例えば、いくつかのタスクは、ユーザが針を挿入することに成功するまで、ユーザが針を挿入しようと試みる回数と、経皮的アクセスのための標的腎杯を選択する前に、腎臓を調査するのにかかる時間をカウントすることと、針を追跡するためのナビゲーションフィールド発生器が再配置される回数をカウントすることと、ロボットマニピュレータとカテーテルとの自動化された位置合わせが開始される回数をカウントすることと、ビデオキャプチャデバイスのビューが、結石の破砕による塵によって遮られる回数をカウントすることと、を含み得る。
【0113】
例示的なロボットシステム
図11は、1つ以上の実施形態によるロボットシステム110の例示的な詳細を例示する。この実施例では、ロボットシステム110は、移動可能であるカートベースのロボット制御可能なシステムとして例示されている。しかし、ロボットシステム110は、固定システムとして実装される、テーブルに一体化されるなどが可能である。
【0114】
ロボットシステム110は、細長いセクション114(A)(「カラム114(A)」と称されることもある)及び基部114(B)を含む支持構造114を含むことができる。カラム114(A)は、1つ以上のロボットアーム112(図には3つ示されている)の展開を支持するためのキャリッジ1102(代替的に「アーム支持体1102」と称される)などの1つ以上のキャリッジを含むことができる。キャリッジ1102は、患者に対して位置付けるために、垂直軸に沿って回転してロボットアーム112の基部を調整する個別に構成可能なアームマウントを含むことができる。キャリッジ1102はまた、キャリッジ1102がカラム114(A)に沿って垂直方向に並進することを可能にするキャリッジインターフェース1104を含み得る。キャリッジインターフェース1104は、キャリッジ1102の垂直並進を誘導するためにカラム114(A)の両側に位置決めされているスロット1106などのスロットを通してカラム114(A)に接続されている。スロット1106は、キャリッジ1102を基部114(B)に対して様々な垂直高さに位置決めして保持するための垂直並進インターフェースを含む。キャリッジ1102が垂直並進することにより、ロボットシステム110は、ロボットアーム112の到達範囲を調整して、種々のテーブル高さ、患者サイズ、医師の選好などを満たすことができる。同様に、キャリッジ1102上の個別に構成可能なアームマウントによって、ロボットアーム112のロボットアーム基部1108を、種々の構成で角度付けすることができる。カラム114(A)は、例えば、I/Oデバイス116からの入力などのユーザ入力に応答して生成される制御信号に応答して、キャリッジ1102を機械化された様式で並進させるために垂直方向に位置合わせされた親ねじを使用するように設計された、ギア及び/又はモータなどの機構を内部に備えることができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、スロット1106には、キャリッジ1102が垂直方向に並進するときにカラム114(A)の内部チャンバ及び/又は垂直並進インターフェース内に汚れ及び/又は流体が侵入するのを防止するために、スロット表面と同一平面内にある及び/又は平行であるスロットカバーで補完され得る。スロットカバーは、スロット1106の垂直方向の頂部及び底部付近に位置決めされたばねスプールの対を通して展開され得る。カバーは、キャリッジ1102が垂直方向に上下に並進するときに、コイル状の状態から延伸及び後退するように展開されるまで、スプール内でコイル状にされ得る。スプールのばね荷重は、キャリッジ1102がスプールに向かって並進するときにカバーをスプール内に後退させる力を提供し、同時に、キャリッジ1102がスプールから離れて並進するときに緊密なシールを維持することもできる。カバーは、キャリッジ1102が並進する際のカバーの適切な延伸及び後退を確実にするために、例えば、キャリッジインターフェース1104内のブラケットを使用してキャリッジ1102に接続され得る。
【0116】
基部114(B)は、床などの地表上で、カラム114(A)、キャリッジ1102、及び/又はアーム112の重量のバランスをとることができる。したがって、基部114(B)は、1つ以上の電子機器、モータ、電源などの重い構成要素、並びにロボットシステム110を移動及び/又は固定することを可能にする構成要素を収容することができる。例えば、基部114(B)は、ロボットシステム110が処置のために部屋を動き回ることを可能にする転動可能ホイール1116(「キャスタ1116」とも称される)を含むことができる。適切な位置に到達した後に、キャスタ1116をホイールロックを用いて固定して、処置の間ロボットシステム110を所定の位置に保持することができる。図示したように、ロボットシステム110はまた、ロボットシステム110を操縦すること及び/又は安定させることを支援するためのハンドル1118を含む。
【0117】
ロボットアーム112は、概して、一連のジョイント1114によって接続された一連のリンク機構1112によって分離されたロボットアーム基部1108及びエンドエフェクタ1110を備えることができる。各ジョイント1114は、独立したアクチュエータを含むことができ、各アクチュエータは独立して制御可能なモータを含むことができる。各独立して制御可能なジョイント1114は、ロボットアーム112が利用できる独立した自由度を表す。例えば、アーム112はそれぞれ、7つのジョイントを有することができ、したがって7つの自由度を得ることができる。しかし、任意の数のジョイントを任意の自由度で実装することができる。実施例では、多数のジョイントによって多数の自由度を得ることができ、「冗長」自由度が可能になる。冗長自由度によって、ロボットアーム112は、その個々のエンドエフェクタ1110を、異なるリンク機構位置及び/又はジョイント角度を用いて、空間内の特定の位置、向き、及び/又は軌道に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ1110を、医療器具、デバイス、対象物などと係合し、かつ/又はそれらを制御するように構成することができる。アーム112の運動の自由度により、ロボットシステム110が、空間内の所望の点から医療機器を位置付け、かつ/若しくは方向付けることができ、かつ/又は医師が、アーム112を患者から離れた臨床的に好都合な位置に移動させて、アームの衝突を回避しながらアクセスすることができる。
【0118】
図11に示されるように、ロボットシステム110はまた、I/Oデバイス116を含むことができる。I/Oデバイス116は、ディスプレイ、タッチスクリーン、タッチパッド、プロジェクタ、マウス、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、コントローラ、(例えば、ジェスチャ入力を受信するための)カメラ、又は入力を受信する及び/又は出力を提供するための別のI/Oデバイスを含むことができる。I/Oデバイス116は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受信するように構成され得る。I/Oデバイス116は、カラム114(A)の垂直端部(例えば、カラム114(A)の頂部)に位置決めされ得、及び/又はユーザ入力を受信するための及び/又は出力を提供するためのユーザインターフェースを提供することができる。例えば、I/Oデバイス116は、入力を受信し、術前及び/又は術中データを医師に提供するためのタッチスクリーン(例えば、兼用デバイス)を含むことができる。例示的な術前データは、術前計画、ナビゲーション、及び/又は術前コンピュータ断層撮影(computerized tomography、CT)スキャンから導出されたマッピングデータ、及び/又は術前患者問診からのメモを含むことができる。例示的な術中データは、ツール/器具、センサから提供される光学情報、及び/又はセンサからの座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又は脈拍などの重要な患者統計を含むことができる。I/Oデバイス116は、医師が、カラム114(A)の、キャリッジ1102とは反対側などの様々な位置からI/Oデバイス116にアクセスすることを可能にするように位置決めされる及び/又は傾けられることができる。この位置から、医師は、I/Oデバイス116、ロボットアーム112、及び/又は患者を視認すると同時に、I/Oデバイス116をロボットシステム110の背後から動作させることができる。
【0119】
ロボットシステム110は、様々な他の構成要素を含むことができる。例えば、ロボットシステム110は、1つ以上の制御電子機器/回路、電源、空気圧、光源、アクチュエータ(例えば、ロボットアーム112を移動させるためのモータ)、メモリ、及び/又は(例えば、別のデバイスと通信するための)通信インターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶することができ、コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、本明細書で考察される動作のうちのいずれかを実行させる。例えば、メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶することができ、コンピュータ実行可能命令は、制御回路によって実行されると、制御回路に、ロボットアーム112の操作に関する入力及び/又は制御信号を受信させ、それに応答して、ロボットアーム112を制御して、特定の配置で位置決めし、及び/又はエンドエフェクタ1110に接続された医療器具をナビゲートする。
【0120】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム110は、バスケット回収デバイス120などの医療器具と係合する及び/又はそれを制御するように構成されている。例えば、ロボットアーム112は、スコープ(例えば、スコープのシース及び/又はリーダ)の位置、向き、及び/又は先端関節運動を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ロボットアーム112は、細長い移動部材を使用してスコープを操作するように構成され得る/構成可能であり得る。細長い移動部材としては、1つ以上のプルワイヤ(例えば、プルワイヤ又はプッシュワイヤ)、ケーブル、ファイバ、及び/又は可撓性シャフトを挙げることができる。説明すると、ロボットアーム112は、スコープに結合された複数のプルワイヤを駆動させて、スコープの先端をそらすように構成され得る。プルワイヤは、ステンレス鋼、ケブラー、タングステン、カーボンファイバなどの金属材料及び/又は非金属材料などの任意の好適な又は望ましい材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、スコープは、細長い移動部材が印加した力を受けて非線形挙動を示すように構成されている。非線形挙動は、スコープの剛性及び圧縮性、並びに異なる細長い移動部材間のたるみ又は剛性の変動性に基づくことができる。
【0121】
例示的な制御システム
図12は、1つ以上の実施形態による、制御システム140の例示的な詳細を例示する。例示されるように、制御システム140は、以下の構成要素、デバイス、モジュール、及び/又はユニット(本明細書では「構成要素」と称される)、すなわち、制御回路1202、データ記憶装置/メモリ1204、1つ以上の通信インターフェース1206、1つ又は2つ以上の電源ユニット1208、1つ以上のI/O構成要素1210、及び/又は1つ以上のホイール1212(例えば、キャスタ又は他のタイプのホイール)のうちの1つ以上を、別個に/個別に、及び/又は組み合わせて/まとめてのいずれかで含むことができる。いくつかの実施形態では、制御システム140は、制御システム140の構成要素のうちの1つ以上の少なくとも一部を収納若しくは収容するように構成され、かつ/又は寸法決めされたハウジング/エンクロージャを含むことができる。この実施例では、制御システム140は、1つ以上のホイール1212を用いて移動可能なカートベースのシステムとして例示されている。いくつかの事例では、適切な位置に到達した後、1つ以上のホイール1212は、ホイールロックを使用して固定されて、制御システム140を所定の位置に保持することができる。しかし、制御システム140は、固定システムとして実装されることや、別のシステム/デバイスなどに一体化されることなどが可能である。
【0122】
制御システム140の特定の構成要素を図12に図示しているが、図示していない追加の構成要素が本開示による実施形態に含まれ得ることを理解されたい。例えば、ニューラルネットワークを実行するために、グラフィカル処理ユニット(graphical processing unit、GPU)又は他の専用埋め込みチップが含まれてもよい。更に、いくつかの実施形態では、例示される構成要素のうちのいくつかは、省略され得る。制御回路1202は、図12の図において別個の構成要素として図示されているが、制御システム140の残りの構成要素のうちのいずれか又は全てが、制御回路1202に少なくとも部分的に具現化され得ることを理解されたい。すなわち、制御回路1202は、様々なデバイス(能動的及び/又は受動的)、半導体材料、及び/又は領域、層、区域、及び/又はそれらの部分、導体、リード、ビア、接続などを含むことができ、制御システム140の他の構成要素のうちの1つ以上及び/又はその一部分(複数可)は、かかる回路構成要素/デバイスによって少なくとも部分的に形成及び/又は具現化され得る。
【0123】
制御システム140の様々な構成要素は、ある特定の接続回路/デバイス/特徴を使用して、電気的及び/又は通信可能に結合され得るが、それら構成要素は、制御回路1202の一部であってもなくてもよい。例えば、(複数の)接続機能部は、制御システム140の種々の構成要素/回路のうちの少なくとも一部の取り付け及び/又は相互接続を容易にするように構成された1つ以上のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御回路1202、データ記憶装置/メモリ1204、通信インターフェース1206、電源ユニット1208、及び/又は入力/出力(I/O)構成要素1210のうちの2つ以上は、互いに電気的及び/又は通信可能に結合され得る。
【0124】
例示されるように、メモリ1204は、入力デバイスマネージャ1216、及び本明細書で考察される様々な機能性を容易にするように構成されたユーザインターフェース構成要素1218を含むことができる。いくつかの実施形態では、入力デバイスマネージャ1216、及び/又はユーザインターフェース構成要素1218は、1つ以上の動作を実行するために制御回路1202によって実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。多くの実施形態は、制御回路1202によって実行可能な1つ以上の命令を含む構成要素1216~1218の文脈で考察されているが、構成要素1216~1218のうちのいずれも、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ以上のプログラム固有標準製品(ASSP)、1つ以上の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)など、1つ以上のハードウェア論理構成要素として少なくとも部分的に実装され得る。更に、構成要素1216~1218は、制御システム140内に含まれるものとして例示されているが、構成要素1216~1218のうちのいずれも、ロボットシステム110、テーブル150、又は別のデバイス/システムなど、別のデバイス/システム内に少なくとも部分的に実装され得る。同様に、制御システム140の他の構成要素のうちのいずれも、別のデバイス/システム内に少なくとも部分的に実装され得る。
【0125】
入力デバイスマネージャ1216は、入力デバイス146から入力を受信し、それらをロボットシステム110によって実行可能なアクションに変換するように構成され得る。例えば、高速開、高速閉、及び小刻みな動きなどの予めプログラムされた動きを入力デバイスマネージャ1216に記憶することができる。これらの予めプログラムされた動作は、所望の入力(例えば、単一又は二重ボタン押下、音声コマンド、ジョイスティック移動等)に割り当てられることができる。いくつかの実装態様では、事前にプログラムされた動きは、製造業者によって決定される。他の実装形態では、ユーザは、既存の予めプログラムされた動きを修正すること、及び/又は新しい動きを作成することが可能であり得る。
【0126】
ユーザインターフェース構成要素1218は、1つ以上のユーザインターフェース(「1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)」とも称される)を容易にするように構成され得る。例えば、ユーザインターフェース構成要素1218は、予めプログラムされた動きを入力に割り当てるための構成メニュー、又は特定の動作モードを有効にするか、若しくは特定の状況において選択された予めプログラムされた動きを無効にするための設定メニューを生成することができる。ユーザインターフェース構成要素1218は、ユーザに表示するためのユーザインターフェースデータ1222を提供することもできる。
【0127】
1つ以上の通信インターフェース1206は、1つ以上のデバイス/センサ/システムと通信するように構成することができる。例えば、1つ以上の通信インターフェース1206は、ネットワーク上で無線及び/又は有線の方式でデータを送る/受け取ることができる。本開示の実施形態によるネットワークとしては、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)(例えば、インターネット)、パーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ボディエリアネットワーク(body area network、BAN)などを挙げることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の通信インターフェース1206は、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信(near field communication、NFC)などの無線技術を実装することができる。
【0128】
1つ以上の電源ユニット1208は、制御システム140(及び/又はいくつかの事例では、ロボットシステム110)の電力を管理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット1208には、リチウム系電池、鉛酸電池、アルカリ電池、及び/又は別のタイプの電池などの1つ以上の電池が含まれる。すなわち、1つ以上の電源ユニット1208は、電力源をもたらし、かつ/又は電力管理機能をもたらすように構成された1つ以上のデバイス及び/又は回路を含むことができる。また、いくつかの実施形態では、1つ以上の電源ユニット1208は、交流(alternating current、AC)又は直流(direct current、DC)主電源に結合するように構成された主電源コネクタを含む。
【0129】
1つ以上のI/O構成要素1210は、例えばユーザとのインターフェース接続のために、入力を受信する及び/又は出力を提供するための様々な構成要素を含み得る。1つ以上のI/O構成要素1210は、タッチ、発話、ジェスチャ、又は任意の他のタイプの入力を受け取るように構成することができる。実施例では、1つ以上のI/O構成要素1210を使用して、ロボットシステム110を制御する、ロボットシステム110に取り付けられたスコープ又は他の医療器具をナビゲートする、テーブル150を制御する、蛍光透視デバイス190を制御するなど、デバイス/システムの制御に関する入力を提供することができる。図示するように、1つ以上のI/O構成要素1210は、データを表示するように構成された1つ以上のディスプレイ142(「1つ以上のディスプレイデバイス142」と称される場合がある)を含むことができる。1つ以上のディスプレイ142としては、1つ以上の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ、及び/又は任意の他のタイプの技術を挙げることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のディスプレイ142は、入力を受け取る及び/又はデータを表示するように構成された1つ以上のタッチスクリーンを含むことができる。更に、1つ以上のI/O構成要素1210は、タッチスクリーン、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(例えば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想又は拡張現実デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)などを含むことができる、1つ以上の入力デバイス146を含むことができる。追加的に、1つ以上のI/O構成要素1210は、音声信号に基づいて音を出力するように構成された1つ以上のスピーカ1226、及び/又は音を受信し音声信号を生成するように構成された1つ以上のマイクロフォン1228を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のI/O構成要素1210は、コンソールを含むか又はコンソールとして実装される。
【0130】
図9には図示しないが、制御システム140は、制御された灌注及び/若しくは吸引能力を医療器具(例えば、スコープ)に提供するための1つ以上のポンプ、流量計、バルブ制御装置、及び/若しくは流体アクセス構成要素などの他の構成要素や、医療器具によって配置することができるデバイス等を含み、かつ/又は制御することができる。いくつかの実施形態では、灌注及び吸引能力を、別個のケーブルを介して医療機器に直接届けることができる。更に、制御システム140は、フィルタリングされた、かつ/又は保護された電力をロボットシステム110など別のデバイスに提供するように設計された電圧プロテクタ及び/又はサージプロテクタを含むことができ、それによって、ロボットシステム110内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を配置することが回避され、ロボットシステム110がより小さく、より移動可能になる。
【0131】
制御システム140はまた、医療システム100全体に展開されたセンサのための支持機器も含み得る。例えば、制御システム140は、光学センサ及び/又はカメラから受け取ったデータを検出し、受け取り、かつ/又は処理するための光電子機器を含むことができる。このような光電子機器を用いて、制御システム140内に含まれる任意の数のデバイス/システムにおいて表示するためのリアルタイム画像を生成することができる。
【0132】
いくつかの実装形態では、制御システム140は、1つ以上のケーブル又は接続(図示せず)を介して、ロボットシステム110、テーブル150、並びに/又はスコープ及び/若しくはバスケット回収デバイス120などの医療器具に結合され得る。いくつかの実装形態では、制御システム140からの支援機能を単一のケーブルを介して提供することができ、手術室を単純にして片付けることができる。他の実施態様では、特定の機能を別個のケーブル線及び接続部において結合することができる。例えば、電力は単一の電源ケーブルを介して提供することができるが、制御、光学系、流体工学、及び/又はナビゲーションに対する支援は、別個のケーブルを介して提供することができる。
【0133】
用語「制御回路」は、本明細書では、その広義及び通常の意味に従って使用され、以下のものの任意の集合を指すことができる:1つ以上のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(例えば、1つ以上の能動デバイス及び/若しくは受動デバイス及び/若しくは接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理回路、ステートマシン(例えば、ハードウェアステートマシン)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/又は回路及び/若しくは動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイス。制御回路は更に、1つ以上の記憶デバイスを含むことができ、これは、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、及び/又はデバイスの埋め込み回路において具体化することができる。このようなデータ記憶装置としては、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶装置レジスタ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意のデバイスを挙げることができる。制御回路がハードウェアステートマシンを含み(及び/又はソフトウェアステートマシンを実装し)、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む実施形態では、任意の関連付けられた動作命令を記憶するデータ記憶装置/レジスタは、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を含む回路の内部に又はその外部に埋め込めることに注意されたい。
【0134】
用語「メモリ」は、本明細書では、その広義及び通常の意味に従って使用され、任意の好適な又は望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。例えば、コンピュータ可読媒体としては、1つ以上の揮発性データ記憶装置、不揮発性データ記憶装置、取り外し可能なデータ記憶装置、及び/又は取り外し不可能なデータ記憶装置であって、任意の技術、レイアウト、及び/又はデータ構造/プロトコルを用いて実装されるものを挙げることができ、これらは、任意の好適な又は望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のタイプのデータを含む。
【0135】
本開示の実施形態により実装することができるコンピュータ可読媒体としては、限定することなく、以下を挙げることができる:相変化メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(static random-access memory、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random-access memory、DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disk read-only memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)若しくは他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は任意の他の非一時的媒体であって、コンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用できるもの。本明細書において特定の文脈で用いる場合、コンピュータ可読媒体は全般的に、変調データ信号及び搬送波などの通信媒体を含まない場合がある。したがって、コンピュータ可読媒体は全般的に、非一時的媒体を指すと理解しなければならない。
【0136】
更なる実施形態
実施形態に応じて、本明細書に記載のプロセス又はアルゴリズムのうちのいずれかの特定の行為、事象、又は機能は、異なる順序で行うことができ、追加しても、マージしても、又は完全に除外してもよい。したがって、ある実施形態では、説明した行為又は事象の全てがプロセスの実行にとって必要なわけではない。
【0137】
とりわけ、「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、及び同等物などの本明細書で使用される条件的文言は、別途具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内で別途理解されない限り、その通常の意味で意図され、全般的に、ある特定の実施形態が、ある特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態が含まないことを伝達することを意図している。したがって、そのような条件的文言は、一般的に、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ若しくは2つ以上の実施形態のために任意の方法で必要とされること、又は1つ若しくは2つ以上の実施形態が、オーサ入力若しくはプロンプティングの有無を問わず、これらの特徴、要素、及び/若しくはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実施されるかどうかを決定するための論理を必ず含むことを示唆することを意図しない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及び同等物などの用語は、それらの通常の意味で使用され、非限定的な様式で包括的に使用され、更なる要素、特徴、行為、動作などを除外しない。また、「又は」という用語は、使用される場合、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用される。別途具体的に記述されない限り、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続言語は、項目、用語、要素などがX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために、一般的に使用されるような文脈で理解される。したがって、そのような接続言語は、全般的に、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つが、それぞれ存在することを要求することを暗示することを意図しない。
【0138】
実施形態の上記の説明では、様々な特徴は、時として、本開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つ以上の理解を補助する目的で、単一の実施形態、図、又はその説明において共にグループ化されることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。更に、本明細書の特定の実施形態に例解及び/又は記載される任意のコンポーネント、特徴、又はステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、又はそれと共に使用することができる。更に、いずれのコンポーネント、特徴、ステップ、又はコンポーネント、特徴、若しくはステップの群も、各実施形態のために必要又は不可欠ではない。したがって、本明細書に開示さて、以下に特許請求される本発明の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ判定されるべきであることが意図される。
【0139】
特定の序数用語(例えば、「第1」又は「第2」)が参照を容易にするために提供される場合があり、必ずしも物理的特性又は順序付けを示唆するわけではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用される場合、構造、コンポーネント、動作などの要素を修正するために使用される序数用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)は、必ずしも任意の他の要素に対する要素の優先順位又は順序を示すわけではなく、むしろ、全般的に、要素を(序数用語の使用を別として)同様又は同一の名称を有する別の要素と区別し得る。更に、本明細書で使用される場合、不定冠詞(「a」及び「an」)は、「1つ」ではなく「1つ以上」を示し得る。更に、条件又は事象に「基づいて」実施される動作はまた、明示的に列挙されていない1つ以上の他の条件又は事象に基づいて実施され得る。
【0140】
別途定義されない限り、本明細書で使用されている全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、実施形態例が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことを更に理解されたい。
【0141】
別途明記されない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較及び/又は定量的用語は、平等の概念を包含することを意図している。例えば、「より少ない」は、厳密な数学的意味での「より少ない」だけでなく、「以下」も意味することができる。
【0142】
〔実施の態様〕
(1) 医療処置の段階を自動的に識別するためのロボットシステムであって、前記ロボットシステムは、
ビデオキャプチャデバイスと、
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータの構成を決定するための1つ以上のセンサと、
1つ以上のユーザ対話を受信することと、前記ロボットマニピュレータによる1つ以上のアクションを開始することと、を行うように構成された入力デバイスと、
前記入力デバイス及び前記ロボットマニピュレータに通信可能に結合された制御回路であって、前記制御回路は、
前記1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、前記ロボットマニピュレータの第1の位置を決定することと、
ユーザ入力及び前記1つ以上のセンサからの前記センサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置を決定することと、
前記第1の処置の前記決定に基づいて、処置段階のセットを前記処置段階のサブセットに狭めることと、
前記ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、
前記ロボットマニピュレータの前記第1の位置及び前記ビデオの前記第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記処置段階の前記サブセットから前記医療処置の第1の段階を識別することと、
前記医療処置の前記第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、を行うように構成されている、制御回路と、
を備える、ロボットシステム。
(2) 前記処置のセットは、少なくとも、尿管鏡検査、経皮的腎切石術(PCNL)、及びミニPCNLを含む、実施態様1に記載のロボットシステム。
(3) 前記1つ以上のセンサからの前記第1の処置を決定するための前記センサデータは、前記ロボットマニピュレータによって利用される1つ以上の医療器具の無線周波数識別(RFID)データを含む、実施態様1に記載のロボットシステム。
(4) 前記処置のセットに関連付けられたユーザインターフェース(UI)画面を含むUIを更に備え、
前記第1の処置は、前記ユーザ入力に基づいて決定され、前記ユーザ入力は、前記第1の処置に関連付けられた第1のUI画面の選択を少なくとも含む、実施態様1に記載のロボットシステム。
(5) 前記制御回路は、
前記ロボットマニピュレータの第2の位置を決定することと、
前記ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された前記ビデオの第2の分析を実行することと、
前記ロボットマニピュレータの前記第2の位置及び前記ビデオの前記第2の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記医療処置の第1の段階の終了を示す第2のビデオマーカを前記ビデオに対して生成することと、を行うように更に構成されている、実施態様1に記載のロボットシステム。
【0143】
(6) 前記ロボットマニピュレータは、尿管鏡を備える医療器具を操作するように構成されている、実施態様1に記載のロボットシステム。
(7) 前記第1の段階はレーザ処理段階を含み、第2の段階はバスケット処理段階(basketing phase)を含み、第3の段階は経皮的アクセス段階を含み、前記第2の段階及び前記第3の段階は、前記ビデオに対する追加のビデオマーカによって示される、実施態様1に記載のロボットシステム。
(8) 前記制御回路は、
前記第1の段階の前記開始を識別することに応答して、第2の位置への前記ロボットマニピュレータの自動化された移動をトリガするように更に構成されている、実施態様1に記載のロボットシステム。
(9) 前記第2の位置への前記ロボットマニピュレータの前記自動化された移動は、
医療器具を患者の挿入部位に移動させることと、
前記挿入部位への所定の挿入軌道に沿って前記医療器具を位置合わせすることと、を含む、実施態様8に記載のロボットシステム。
(10) 前記制御回路は、
前記ロボットマニピュレータによる前記医療器具の移動に応答して、前記医療器具が標的場所にあるか否かを判定することと、
前記医療器具が前記標的場所に到達したことに応答して、前記ロボットシステムのユーザインターフェース上に前記第1の段階の成功を示すことと、を行うように更に構成されている、実施態様9に記載のロボットシステム。
【0144】
(11) 前記制御回路は、
複数の医療処置にわたる前記第1の段階の成功及び失敗に関するデータを集約することと、
前記第1の段階の成功率を決定することと、を行うように更に構成されている、実施態様10に記載のロボットシステム。
(12) 前記制御回路は、
前記第1の段階の結果を、前記ロボットシステムを操作する医療専門家に関連付けるように更に構成されている、実施態様1に記載のロボットシステム。
(13) 前記ロボットマニピュレータによって操作される医療器具の場所を判定するためのセンサを更に備える、実施態様1に記載のロボットシステム。
(14) ビデオキャプチャデバイスと、ロボットマニピュレータと、1つ以上のセンサと、入力デバイスとを備えるロボットシステムを使用して医療処置の段階を自動的に識別するための方法であって、前記方法は、
前記1つ以上のセンサからのセンサデータに基づいて、前記ロボットマニピュレータの第1の位置を決定することと、
ユーザ入力及び前記1つ以上のセンサからの前記センサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置の決定をすることと、
前記第1の処置の前記決定に基づいて、処置段階のセットを前記処置段階のサブセットに狭めることと、
前記ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、
前記ロボットマニピュレータの前記第1の位置及び前記ビデオの前記第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記処置段階の前記サブセットから前記医療処置の第1の段階を識別することと、
前記医療処置の前記第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、
を含む、方法。
(15) 前記ロボットマニピュレータの第2の位置を決定することと、
前記ビデオの第2の分析を実行することと、
前記ロボットマニピュレータの前記第2の位置及び前記ビデオの前記第2の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記医療処置の第1の段階の終了を示す第2のビデオマーカを前記ビデオに対して生成することと、を更に含む、実施態様14に記載の方法。
【0145】
(16) 第1の処置は尿管鏡検査であり、前記第1の段階は調査段階を含み、第2の段階はレーザ処理段階を含み、第3の段階はバスケット処理段階を含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記方法は、
前記ロボットマニピュレータの位置、前記ビデオの分析、及び前記入力デバイスからのユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて、前記第2の段階及び前記第3の段階を示すマーカを生成することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記第1の段階の前記開始を識別することに応答して、第2の位置への前記ロボットマニピュレータの自動化された移動をトリガすることを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(19) 前記第2の位置への前記ロボットマニピュレータの前記自動化された移動は、
医療器具を患者の挿入部位に移動させることと、
所定の挿入に沿って前記医療器具を位置合わせすることと、を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記ロボットマニピュレータによる前記医療器具の移動に応答して、前記医療器具が標的場所にあるか否かを判定することと、
前記医療器具が前記標的場所に到達したことに応答して、前記ロボットシステムのユーザインターフェース上に前記第1の段階の成功を示すことと、を更に含む、実施態様19に記載の方法。
【0146】
(21) 複数の医療処置にわたる前記第1の段階の成功及び失敗に関するデータを集約することと、
前記第1の段階の成功率を決定することと、を更に含む、実施態様20に記載の方法。
(22) ロボットデバイスによって実行される医療処置の段階を自動的に識別するための制御システムであって、前記制御システムは、
前記ロボットデバイスからセンサデータ、ユーザ入力データ、及びビデオデータを受信するように構成された通信インターフェースと、
前記センサデータ、前記ユーザ入力データ、及び前記ビデオデータを記憶するように構成されたメモリと、
1つ以上のプロセッサであって、
前記センサデータから前記ロボットデバイスの第1の位置を決定することと、
ユーザ入力及び前記1つ以上のセンサからの前記センサデータのうちの少なくとも1つに基づいて、処置のセットから第1の処置を決定することと、
前記第1の処置の前記決定に基づいて、識別可能な処置段階のセットを前記処置段階のサブセットに狭めることと、
前記ビデオキャプチャデバイスによって捕捉された患者部位のビデオの第1の分析を実行することと、
前記ロボットデバイスの前記第1の位置及び前記ビデオの前記第1の分析に少なくとも部分的に基づいて、前記処置段階の前記サブセットから前記医療処置の第1の段階を識別することと、
前記医療処置の前記第1の段階の開始を示す第1のビデオマーカを生成することと、を行うように構成されている、1つ以上のプロセッサと、
を備える、制御システム。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】