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特表2023-550124生体成分を分離するための遠心分離機及びスキッド並びに使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】生体成分を分離するための遠心分離機及びスキッド並びに使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/02 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
A61M1/02 125
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530637
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 US2021072534
(87)【国際公開番号】W WO2022109612
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/115,938
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/219,339
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514078933
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】スミス,マーク ティ
(72)【発明者】
【氏名】ラブレス,ジョー
(72)【発明者】
【氏名】バルハウゼ,ノルマン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジェイコブ ディ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA15
4C077BB04
4C077CC02
4C077CC05
4C077DD24
4C077KK23
4C077KK25
4C077KK27
(57)【要約】
生体成分分離の際に使用するスキッドは、コンパートメントを装着プラットフォームで部分的に境界付ける筺体と、コンパートメントと連通するように筺体に固定される装填組立体とを含む。装填組立体は、キャビティが凹設された頂部表面を有してキャビティがコンパートメントと連通する位置合わせ板と、位置合わせ板の下に回転可能に配設され且つキャビティを少なくとも部分的に取り囲んで1つ以上の磁石を含む駆動回転子と、キャビティの周りで駆動回転子を選択的に回転させるために駆動回転子に結合されるモータと、駆動回転子を少なくとも部分的に取り囲み且つコンパートメントと連通して1つ以上の装着要素が直立する装着プレートを含み、装着プレートが位置合わせ板と位置合わせされる上昇位置及び装着プレートが位置合わせ板よりも低く配設される第2の下降位置の間で移動可能である装着部とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体成分を分離する際に使用するためのスキッドであって、前記スキッドは、
コンパートメントを境界付ける筺体であって、前記コンパートメントが、装着プラットフォームによって部分的に境界付けられている筺体と、
前記コンパートメントと連通するように前記筺体に固定された装填組立体であって、
キャビティが凹設された頂部表面を有する位置合わせ板であって、前記キャビティは、前記コンパートメントと連通している位置合わせ板と、
前記位置合わせ板の下に回転可能に配設され、かつ前記キャビティを少なくとも部分的に取り囲む駆動回転子であって、1つ以上の磁石を含む駆動回転子と、
前記キャビティの周りで前記駆動回転子を選択的に回転させるために前記駆動回転子に結合されているモータと、
前記駆動回転子を少なくとも部分的に取り囲み、かつ前記コンパートメントと連通している装着部であって、1つ以上の装着要素が直立する装着プレートを含み、前記装着プレートが前記位置合わせ板と位置合わせされる上昇位置と、前記装着プレートが前記位置合わせ板よりも低い高さに配設される第2の下降位置との間で移動可能である装着部と、を備える、装填組立体と、を備える、スキッド。
【請求項2】
前記筺体に形成され、かつ前記コンパートメントと連通している扉口と、
前記筺体に装着された扉であって、前記扉口がむき出しに露出される開位置と、扉が前記扉口を覆う閉位置との間で移動可能である扉と、を更に備える、請求項1に記載のスキッド。
【請求項3】
前記筺体の外部表面に凹設され、かつ前記筺体の側面と前記扉口との間に延在するノッチを更に備え、前記ノッチは、前記扉が前記開位置にあるか前記閉位置にあるかにかかわらず、前記コンパートメントと連通するチャネルを境界付けている、請求項2に記載のスキッド。
【請求項4】
前記装着プラットフォームは、前記装着プラットフォームを貫通して延在する開口部を備え、
前記装填組立体は、前記位置合わせ板が前記装着プラットフォームを貫通して延在する前記開口部と位置合わせされるように、前記筺体に固定されている、請求項1に記載のスキッド。
【請求項5】
前記装着プラットフォームの頂部表面の少なくとも一部分、前記位置合わせ板の頂部表面、及び前記装着プレートの頂部表面は、前記装着部が前記上昇位置にあるときに、水平に位置合わせされる、請求項4に記載のスキッド。
【請求項6】
前記装填組立体は、
開口部を取り囲む環状の内側スリーブであって、前記位置合わせ板が装着された上部端部を有する環状の内側スリーブと、
前記位置合わせ板の底部表面から延在し、かつ前記環状の内側スリーブの前記開口部内に突出する受け部であって、前記キャビティを境界付けている受け部と、
前記内側スリーブの前記開口部の内に少なくとも部分的に配設されている前記駆動回転子と、を更に備える、請求項1に記載のスキッド。
【請求項7】
前記装填組立体は、前記内側スリーブを取り囲む環状の外側スリーブを更に備え、前記外側スリーブは、上に前記装着プレートが装着された上部端部を有し、前記外側スリーブ及び前記装着プレートは、前記内側スリーブに対して移動可能である、請求項6に記載のスキッド。
【請求項8】
前記内側スリーブが直立している支持体と、
前記内側スリーブから離間した場所で前記支持体に固定されている枢動装着ブロックと、
一対の枢動アームが前記外側スリーブの反対側の側部に沿って延在するように、前記枢動装着ブロックに枢動可能に装着された第1の端部を各々有する一対の枢動アームと、
前記外側スリーブの前記反対側の側部から外向きに突出し、かつ前記一対の枢動アームのうちの対応する枢動アームと結合している一対の支持ピンと、を更に備える、請求項7に記載のスキッド。
【請求項9】
前記内側スリーブに対して前記外側スリーブを選択的に上昇及び下降をさせるように位置決めされた線形アクチュエータを更に備える、請求項7に記載のスキッド。
【請求項10】
前記1つ以上の装着要素は、前記装着プレートから直立し、かつ前記キャビティに向かって面する1つ以上のL字型クリップを備える、請求項1に記載のスキッド。
【請求項11】
前記筺体の外部表面に装着された1つ以上の蠕動ポンプを更に備える、請求項1に記載のスキッド。
【請求項12】
前記筺体の外部表面に装着された1つ以上のピンチ弁を更に備える、請求項1に記載のスキッド。
【請求項13】
前記筺体の外部表面に装着された圧力センサ、導電率センサ、流量計センサ、pHセンサ、温度センサ、又は濁度センサのうちの1つ以上を更に備える、請求項1に記載のスキッド。
【請求項14】
生体成分を分離するためのシステムであって、前記システムは、
請求項1に記載のスキッドと、
前記スキッドの前記コンパートメントの内に取り外し可能に配設された遠心分離機であって、前記装填組立体の前記装着プレートの上に支持されている遠心分離機と、を備える、システム。
【請求項15】
前記スキッドの前記コンパートメントの内で前記遠心分離機に流体結合された第1の流体ラインを更に備え、前記第1の流体ラインは、前記コンパートメントから出て、前記筺体の外部表面に取り外し可能に固定されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の流体ラインは、前記筺体の前記外部表面に固定された蠕動ポンプ及び/又はピンチ弁に取り外し可能に結合されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の流体ラインに装着されたセンサを更に備え、前記センサは、前記筺体の前記外部表面に形成された電気コンセントに取り外し可能に差し込まれている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記遠心分離機は、前記駆動回転子の前記1つ以上の磁石によって生み出される磁力によって、前記装着プレートに少なくとも部分的に固定されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記遠心分離機は、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、分離固定子は、受け部が外向きに突出する床部を有し、前記受け部は、分離固定子の前記チャンバと連通する凹部を境界付ける分離固定子と、
前記分離固定子の前記チャンバの内に回転可能に配設される分離回転子と、
前記受け部の前記凹部の内に突出するように前記分離回転子に結合され、かつ前記分離回転子から延在する駆動結合部と、
前記分離固定子の床部から外向きに突出し、かつ前記分離固定子の前記受け部を少なくとも部分的に取り囲んでいる駆動体スリーブと、を備え、
前記遠心分離機は、前記分離回転子の前記受け部が前記位置合わせ板の前記キャビティと位置合わせされ、かつ前記1つ以上の装着要素が前記駆動体スリーブと係合するように、位置決めされている、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記分離固定子の前記受け部は、前記装着プレートが前記下降位置に移動されるときに前記位置合わせ板の前記キャビティの内に受容され、前記分離固定子の前記受け部は、前記装着プレートが前記上昇位置に移動されるときに前記位置合わせ板の前記キャビティの内から取り除かれる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記駆動体スリーブは、前記1つ以上の装着要素の一部が受容される1つ以上の孔又は凹部を有する、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つ以上の装着要素が前記駆動体スリーブに係合した状態で、前記装着プレートを前記下降位置に移動させることにより、前記遠心分離機が前記スキッドの前記筺体に強固に固着される、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
生体成分を分離する方法であって、前記方法は、
遠心分離機を請求項1に記載のスキッドの前記装着プラットフォームの頂部表面に位置決めすることと、
前記遠心分離機が前記装着部の前記装着プレートの上に支持され、かつ前記装着要素が前記遠心分離機に係合するように、前記筺体の前記コンパートメントの内で前記遠心分離機を横方向に移動させることと、
前記遠心分離機が前記位置合わせ板に対して下降されるように、前記装着プレートを前記下降位置に移動させることであって、前記装着プレートが前記下降位置に移動されると、前記遠心分離機の駆動結合部が前記位置合わせ板の前記キャビティの内に受容される、移動させることと、
前記遠心分離機の分離回転子を磁気的に回転させる前記駆動回転子を回転させるために前記モータを作動させることと、を含む、方法。
【請求項24】
前記遠心分離機を横方向に移動させることは、前記駆動回転子の前記1つ以上の磁石によって生み出される磁場に近接するように、前記装着プラットフォームの上で前記遠心分離機を横方向に摺動させることを含み、前記磁場は、前記遠心分離機の位置決めを補助する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記装着プレートを前記下降位置に移動させることにより、前記遠心分離機が前記スキッドの前記筺体に強固に固着される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記遠心分離機を前記装着プラットフォームの前記頂部表面に位置決めする前記ステップは、
前記遠心分離機を、前記筺体の上に形成された扉口を通って前記コンパートメントの内に通すことと、
前記遠心分離機が前記コンパートメントの内に入った後に、前記扉口を覆う扉を閉鎖することと、を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記遠心分離機は、前記遠心分離機に結合された第1の流体ラインが前記筺体の前記コンパートメントから出るように、前記装着プラットフォームの前記頂部表面に位置決めされ、前記方法は、前記第1の流体ラインを、前記筺体の外部表面に装着されたピンチ弁及び/又は蠕動ポンプに取り外し可能に固定することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
生物学的懸濁液を分離するための方法であって、前記方法は、
バイオ生産容器の内で懸濁液の生体細胞又は微生物を培養することであって、前記懸濁液は、培養培地を更に含む、培養することと、
前記懸濁液の入口ストリームを前記バイオ生産容器から遠心分離機の入口開口部に通過させることであって、前記遠心分離機は、前記入口ストリームを、第1の出口開口部を通って前記遠心分離機から出る第1の出口ストリームと、第2の出口開口部を通って前記遠心分離機から出る第2の出口ストリームとに分離し、前記第1の出口ストリームは、前記第2の出口ストリームよりも高い固体の密度又はパーセントを有する、通過させることと、を含む、方法。
【請求項29】
遠心分離機であって、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、入口開口部、第1の出口開口部、及び第2の出口開口部を有する分離固定子と、
コンパートメントを境界付ける分離回転子であって、前記分離固定子の前記チャンバ内に少なくとも部分的に配設され、かつ前記チャンバの内で回転軸を中心に回転可能であり、重質成分収集凹部及び軽質成分収集凹部が、離間した位置で前記分離固定子と前記分離回転子との間に配設され、前記重質成分収集凹部は前記第1の出口開口部と連通し、軽質成分収集凹部は前記第2の出口開口部と連通しており、前記分離回転子は、
床部と、
前記床部から直立し、かつ前記コンパートメントを取り囲む側壁組立体であって、複数の分離された重質成分流体経路を備え、前記複数の分離された重質成分流体経路の各々は、上流で前記入口開口部と連通し、かつ下流で前記重質成分収集凹部と連通している側壁組立体と、
前記コンパートメントを複数の分離された軽質成分流体経路に少なくとも部分的に分割するように、側壁組立体から前記コンパートメントの内に半径方向内向きに突出する複数の上部隔壁であって、複数の分離された軽質成分流体経路の各々は、上流で前記入口開口部と連通し、かつ下流で前記軽質成分収集凹部と連通している複数の上部隔壁と、を備える、分離回転子と、を備え、
各軽質成分流体経路は、前記分離された重質成分流体経路のうちの少なくとも2つと連通しているが、前記複数の分離された重質成分流体経路のうちの少なくともいくつかから隔離されている、遠心分離機。
【請求項30】
遠心分離機であって、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、入口開口部、第1の出口開口部、及び第2の出口開口部を有する分離固定子と、
コンパートメントを境界付ける分離回転子であって、前記分離回転子は、前記分離固定子の前記チャンバの内に少なくとも部分的に配設され、かつ前記チャンバの内で回転軸を中心に回転可能であり、前記分離回転子は、内部表面及び反対側の底部表面を有する床部を有し、ボウルが、前記床部の前記底部表面の上に形成され、かつ前記底部表面から外向きに突出し、前記ボウルは、前記床部の前記内部表面の上に形成された凹部を境界付けし、かつ前記分離回転子の前記コンパートメントと連通している分離回転子と、
前記分離回転子が前記分離固定子に対して回転することを可能にするように、前記分離固定子と前記分離回転子との間に延在する環状軸受組立体であって、前記凹部の少なくとも一部分を取り囲むように、前記ボウルの外部表面を取り囲み、かつ前記外部表面に直に接して配設されている環状軸受組立体と、を備える、遠心分離機。
【請求項31】
動作中、前記入口開口部と前記第1の出口開口部及び前記第2の出口開口部との間を流れる流体が、前記軸受のためのヒートシンクを形成するように前記ボウルの前記凹部を通過する、請求項30に記載の遠心分離機。
【請求項32】
前記床部の前記底部表面から下向きに突出し、かつ前記ボウルから離れる方向に半径方向外向きに突出する複数のフィンを更に備える、請求項30に記載の遠心分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月19日に出願された米国仮出願第63/115,938号及び2021年7月7日に出願された米国仮出願第63/219,339号の利益を主張するものであり、当該仮出願は、特定の参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、バイオ生産産業において使用される遠心分離機に関し、より具体的には、生物学的流体、固体、混合物、溶液、及び懸濁液を分離するための単回使用連続流遠心分離機、並びに分離機を組み込むことができるモジュール式スキッドに関する。
【背景技術】
【0003】
バイオ反応器及び発酵槽を使用して、様々な異なるタイプの生物学的懸濁液が培養される。そのような懸濁液は、細胞又は微生物及びそれらが懸濁されている液体培地を含むものとして広く定義される。懸濁液が十分に培養されると、生物学的懸濁液を成分に分離し、次いで、その後の分析又は使用のために分離成分を採取することが一般的である。遠心分離は、生物学的懸濁液中に溶解又は分散されたタンパク質、核酸、脂質、及び炭水化物を含む、様々な細胞、細胞小器官、及びバイオポリマーの単離又は分析の間にしばしば用いられる技術である。
【0004】
遠心分離への1つの手法では、ある量の懸濁液が、バイオ反応器又は発酵槽から上部開放ボトルに分注される。次いで、手で蓋をすることによってボトルを閉じ、次いで遠心回転子を使用して回転させる。回転子の回転によって生み出される遠心力は、懸濁液内の固体、例えば細胞又は微生物をボトルの底部に向かって沈降させ、一方、より軽質な成分はボトルの上部に向かって集まる。ボトルが遠心回転子から取り外されると、より軽質な成分が採取のためにボトルから注ぎ出され、その後、固体が採取のためにボトルから取り出される。
【0005】
上記のプロセスは効果的であるが、多くの欠点を有する。例えば、上記のプロセスにおいて、ボトルは再使用される。それにより、各使用後に、各ボトルを洗浄及び滅菌する必要がある。このプロセスは、時間がかかり、労働集約的であり、オートクレーブのような特別な滅菌機器を必要とする。更に、ボトルは各使用の間に洗浄及び滅菌されるが、ボトルは上部開放容器として使用される。そのため、懸濁液が最初にボトルに分注されるときに、懸濁液及びボトルの内部の両方が周囲環境にむき出しに露出される。次に、分離された成分がボトルから取り出されるときに、分離された成分が再び周囲環境にむき出しに露出される。この環境へのむき出し暴露は、懸濁液及び/又は分離された成分が汚染される可能性を増加させる。そのため、分離された成分の一方又は両方から任意の汚染物質を取り除くために、後続の精製ステップが必要とされることがある。上記に加えて、従来のシステムでは、ボトルから、軽質成分を重質成分から、それら2つの間でのいくらかの混合を起こすことなく、効果的に分離することが困難であることがある。
【0006】
更に、上記プロセスは、懸濁液の体積の離散的な部分を連続的に分離することによって機能するため、このプロセスは、連続フロー灌流システムを有することが所望される場合には使用できない。同様に、接種材料などにおいて再利用のために細胞/微生物を採取することが望ましい場合、分離のために反応器から細胞/微生物の長時間にわたる取り出しは、細胞/微生物にストレスを与え、それらの生存率を低下させることがある。
【0007】
上記の一つの代替形態では、入口及び出口を有するキャビティを有する遠心回転子が提供される。遠心回転子が回転すると、懸濁液が入口を通ってキャビティ内に送達される。懸濁液のより重質な成分は、回転子の外壁に接してキャビティ内に集まり、一方、より軽質な成分は出口を通ってキャビティから流出する。所定量のより重質な成分がキャビティ内に集まると、懸濁液の流入が停止され、より重質な成分の一部分がキャビティから取り出される。次いで、流入を再開し、懸濁液のバッチ全体が十分に分離されるまで、プロセスを繰り返す。次いで、懸濁液の次のバッチとの使用のために、遠心回転子のキャビティが洗浄及び滅菌される。
【0008】
この後者のプロセスは、最初のプロセスよりも効率的であるが、依然としていくつかの欠点を有する。例えば、この後者のプロセスは、依然として、バッチタイプモードでより重質な成分を収集するため、連続流灌流システムでは機能できない。加えて、細胞/微生物は回転子内に集められるので、この場合も、細胞/微生物は、長期間にわたって反応器の外で維持され、これにより、それらの生存率が低下し得る。遠心回転子はまた、典型的には、主に金属で作られ、組み立てられる多くの異なる部品を有する非常に頑丈な機械部品である。回転子の使用が終了すると、回転子は、その後の使用のために洗浄及び滅菌されなければならない。このように、遠心回転子は、製造するのに費用がかかり、維持するのに労働集約的である。
【0009】
したがって、上記及び他の既存の欠点の全て又はいくつかを解決する、改善された分離機、システム、及び方法が、当技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
本開示の第1の独立した態様は、生体成分を分離する際に使用するためのスキッドを含み、本スキッドは、
コンパートメントを境界付ける筺体であって、コンパートメントは、装着プラットフォームによって部分的に境界付けられている筺体と、
コンパートメントと連通するように筺体に固定された装填組立体であって、装填組立体は、
キャビティが凹設された頂部表面を有する位置合わせ板であって、キャビティはコンパートメントと連通している位置合わせ板と、
位置合わせ板の下に回転可能に配設され、かつキャビティを少なくとも部分的に取り囲む駆動回転子であって、1つ以上の磁石を含む駆動回転子と、
キャビティの周りで駆動回転子を選択的に回転させるために駆動回転子に結合されたモータと、
駆動回転子を少なくとも部分的に取り囲み、かつコンパートメントと連通している装着部であって、装着部は、1つ以上の装着要素から直立する装着プレートを含み、装着部は、装着プレートが位置合わせ板と位置合わせされる上昇位置と、装着プレートが位置合わせ板よりも低い高さに配設される第2の下降位置との間で移動可能である装着部と、を備える、装填組立体と、を備える。
【0011】
代替の実施形態は、
筺体に形成され、かつコンパートメントと連通している扉口と、
筺体に装着された扉であって、扉口がむき出しに露出される開位置と、扉が扉口を覆う閉位置との間で移動可能である扉と、を更に含む。
【0012】
別の実施形態では、ノッチが、筺体の外部表面に凹設され、かつ筺体の側面と扉口との間に延在し、ノッチは、扉が開位置にあるか閉位置にあるかにかかわらず、コンパートメントと連通するチャネルを境界付けている。
【0013】
別の実施形態は、
貫通して延在する開口部を有する装着プラットフォームと、
位置合わせ板が装着プラットフォームを貫通して延在する開口部と位置合わせされるように、筺体に固定されている装填組立体と、を更に含む。
【0014】
別の実施形態では、装着プラットフォームの頂部表面の少なくとも一部分、位置合わせ板の頂部表面、及び装着プレートの頂部表面は、装着部が上昇位置にあるときに、水平に位置合わせされる。
【0015】
別の実施形態では、装填組立体は、
開口部を取り囲む環状の内側スリーブであって、位置合わせ板が装着された上部端部を有する環状の内側スリーブと、
位置合わせ板の底部表面から延在し、かつ環状の内側スリーブの開口部内に突出する受け部であって、キャビティを境界付ける受け部と、
内側スリーブの開口部内に少なくとも部分的に配設された駆動回転子と、を更に備える。
【0016】
別の実施形態は、内側スリーブを取り囲む環状の外側スリーブを更に備える装填組立体を更に含み、外側スリーブは、上に装着プレートが装着された上部端部を有し、外側スリーブ及び装着プレートは、内側スリーブに対して移動可能である。
【0017】
別の実施形態は、
内側スリーブが直立する支持体と、
内側スリーブから離間した場所で支持体に固定された枢動装着ブロックと、
一対の枢動アームが外側スリーブの両側に沿って延在するように、枢動装着ブロックに枢動可能に装着された第1の端部を各々有する一対の枢動アームと、
外側スリーブの反対側の側部から外向きに突出し、かつ一対の枢動アームのうちの対応する枢動アームと結合する一対の支持ピンと、を更に含む。
【0018】
別の実施形態は、内側スリーブに対して外側スリーブを選択的に上昇及び下降をさせるように位置決めされた線形アクチュエータを更に含む。
【0019】
別の実施形態では、1つ以上の装着要素は、装着プレートから直立し、かつキャビティに向かって面する1つ以上のL字型クリップを備える。
【0020】
別の実施形態は、筺体の外部表面に装着された1つ以上の蠕動ポンプを更に含む。
【0021】
別の実施形態は、筺体の外部表面に装着された1つ以上のピンチ弁を更に含む。
【0022】
別の実施形態は、筺体の外部表面に装着された圧力センサ、導電率センサ、流量計センサ、pHセンサ、温度センサ、又は濁度センサのうちの1つ以上を更に含む。
【0023】
本開示の別の独立した態様は、生体成分を分離するためのシステムを含み、本システムは、
上記に記載されたスキッドであって、上記に記載された代替的な特徴のうちのいずれかを有するか若しくは有さない、又は別様に本出願の範囲内にあるスキッドと、
スキッドのコンパートメント内に取り外し可能に配設された遠心分離機であって、装填組立体の装着プレート上に支持されている遠心分離機と、を備える。
【0024】
別の実施形態は、スキッドのコンパートメント内で遠心分離機に流体結合された第1の流体ラインを更に含み、第1の流体ラインは、コンパートメントから出て、筺体の外部表面に取り外し可能に固定されている。
【0025】
別の実施形態では、第1の流体ラインは、筺体の外部表面に固定された蠕動ポンプ及び/又はピンチ弁に取り外し可能に結合されている。
【0026】
別の実施形態は、第1の流体ラインに装着されたセンサを更に含み、センサは、筺体の外部表面に形成された電気コンセントに取り外し可能に差し込まれている。
【0027】
別の実施形態では、遠心分離機は、駆動回転子の1つ以上の磁石によって生み出される磁力によって、装着プレートに少なくとも部分的に固定されている。
【0028】
別の実施形態は、
遠心分離機であって、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、分離固定子は、受け部が外向きに突出する床部を有し、受け部は、分離固定子のチャンバと連通する凹部を境界付ける、分離固定子と、
分離固定子のチャンバ内に回転可能に配設された分離回転子と、
受け部の凹部内に突出するように分離回転子に結合され、かつ分離回転子から延在する駆動結合部と、
分離固定子の床部から外向きに突出し、かつ分離固定子の受け部を少なくとも部分的に取り囲む駆動体スリーブと、を備え、
遠心分離機は、分離回転子の受け部が位置合わせ板のキャビティと位置合わせされ、かつ1つ以上の装着要素が駆動体スリーブと係合するように、位置決めされている、遠心分離機、を更に含む。
【0029】
別の実施形態では、分離固定子の受け部は、装着プレートが下降位置に移動されるときに位置合わせ板のキャビティ内に受容され、分離固定子の受け部は、装着プレートが上昇位置に移動されるときに位置合わせ板のキャビティ内から取り除かれる。
【0030】
別の実施形態では、駆動体スリーブは、1つ以上の装着要素の一部が受容される1つ以上の孔又は凹部を有する。
【0031】
別の実施形態では、1つ以上の装着要素が駆動体スリーブに係合した状態で、装着プレートを下降位置に移動させることにより、遠心分離機がスキッドの筺体に強固に固着される。
【0032】
本開示の別の独立した態様は、生体成分を分離するための方法を含み、本方法は、
遠心分離機を、上記に記載された代替的な特徴のうちのいずれかを有するか若しくは有さない、又は別様に本出願内にある、上記に記載されたようなスキッドの装着プラットフォームの頂部表面上に位置決めすることと、
遠心分離機が装着部の装着プレート上に支持され、かつ装着要素が遠心分離機に係合するように、筺体のコンパートメント内で遠心分離機を横方向に移動させることと、
遠心分離機が位置合わせ板に対して下降されるように、装着プレートを下降位置に移動させることであって、装着プレートが下降位置に移動されると、遠心分離機の駆動結合部が位置合わせ板のキャビティ内に受容される、移動させることと、
遠心分離機の分離回転子を磁気的に回転させる駆動回転子を回転させるためにモータを作動させることと、を含む。
【0033】
別の実施形態では、遠心分離機を横方向に移動させることは、駆動回転子の1つ以上の磁石によって生み出される磁場に近接するように、装着プラットフォーム上で遠心分離機を横方向に摺動させることを含み、磁場は、遠心分離機の位置決めを補助する。
【0034】
別の実施形態では、装着プレートを下降位置に移動させることにより、遠心分離機がスキッドの筺体に強固に固着される。
【0035】
別の実施形態では、遠心分離機を装着プラットフォームの頂部表面上に位置決めするステップは、
遠心分離機を、筺体上に形成された扉口を通ってコンパートメント内に通すことと、
遠心分離機がコンパートメント内に入った後に、扉口を覆う扉を閉鎖することと、を含む。
【0036】
別の実施形態では、遠心分離機は、遠心分離機に結合された第1の流体ラインが筺体のコンパートメントから出るように、装着プラットフォームの頂部表面上に位置決めされ、本方法は、第1の流体ラインを、筺体の外部表面上に装着されたピンチ弁及び/又は蠕動ポンプに取り外し可能に固定することを更に含む。
【0037】
本開示の別の独立した態様は、遠心分離機を含み、該遠心分離機は、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、入口開口部、第1の出口開口部、及び第2の出口開口部を有する分離固定子と、
コンパートメントを境界付ける分離回転子であって、分離回転子は、分離固定子のチャンバ内に少なくとも部分的に配設され、かつチャンバ内で回転軸を中心に回転可能であり、分離回転子は、内部表面及び反対側の底部表面を有する床部を有し、ボウルは、床部の底部表面上に形成され、かつ底部表面から外向きに突出し、ボウルは、床部の内部表面上に形成された凹部を境界付け、かつ分離回転子のコンパートメントと連通する、分離回転子と、
分離回転子が分離固定子に対して回転することを可能にするように、分離固定子と分離回転子との間に延在する環状軸受組立体であって、環状軸受組立体は、凹部の少なくとも一部分を取り囲むように、ボウルの外部表面を取り囲み、かつ外部表面に直に接して配設されている、環状軸受組立体と、を含む。
【0038】
別の実施形態では、動作中、入口開口部と第1の出口開口部及び第2の出口開口部との間を流れる流体は、軸受のためのヒートシンクを形成するようにボウルの凹部を通過する。
【0039】
別の実施形態は、床部の底部表面から下向きに突出し、ボウルから離れる方向に半径方向外向きに突出する複数のフィンを更に含む。
【0040】
本開示の別の独立した態様は、遠心分離機を含み、該遠心分離機は、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、入口開口部、第1の出口開口部、及び第2の出口開口部を有する分離固定子と、
コンパートメントを境界付ける分離回転子であって、分離回転子は、分離固定子のチャンバ内に少なくとも部分的に配設され、かつチャンバ内で回転軸を中心に回転可能であり、重質成分収集凹部及び軽質成分収集凹部は、離間した位置で分離固定子と分離回転子との間に配設され、重質成分収集凹部は第1の出口開口部と連通し、軽質成分収集凹部は第2の出口開口部と連通しており、分離回転子は、
床部と
床部から直立し、かつコンパートメントを取り囲む側壁組立体であって、側壁組立体は、複数の分離された重質成分流体経路を備え、複数の分離された重質成分流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で重質成分収集凹部と連通している、側壁組立体と、
コンパートメントを複数の分離された軽質成分流体経路に少なくとも部分的に分割するように、側壁組立体からコンパートメント内に半径方向内向きに突出する複数の上部隔壁であって、複数の分離された軽質成分流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で軽質成分収集凹部と連通している、複数の上部隔壁と、を備える、分離回転子と、を含み、
各軽質成分流体経路は、分離された重質成分流体経路のうちの少なくとも2つと連通するが、複数の分離された重質成分流体経路のうちの少なくともいくつかから隔離されている。
【0041】
別の実施形態では、複数の分離された軽質成分流体経路の各々は、長さに沿って延在し、それらの長さに沿って互いから隔離されている。
【0042】
別の実施形態では、複数の分離された重質成分流体経路のうちの少なくともいくつかは、重質成分収集凹部の上流で、複数の分離された重質成分流体経路のうちの他のものから隔離されている。
【0043】
別の実施形態では、各軽質成分流体経路は、分離された重質成分流体経路のうちの2つ又は3つと連通するが、複数の分離された重質成分流体経路のうちの残りから隔離されている。
【0044】
別の実施形態では、側壁組立体は、環状外側側壁と、外側側壁によって取り囲まれた環状内側側壁とを備え、複数の分離された重質成分流体経路は、内側側壁と外側側壁との間で境界付けられている。
【0045】
別の実施形態は、内側側壁と外側側壁との間に延在し、重質成分流体経路を互いに分離する、複数の分割器を更に含む。
【0046】
別の実施形態では、外側側壁は、床部まで延在し、内側側壁は、床部から離間している。
【0047】
別の実施形態では、外側側壁の少なくとも一部分は、円錐台形構成を有する。
【0048】
別の実施形態では、内側側壁の少なくとも一部分は、円錐台形構成を有する。
【0049】
別の実施形態では、複数の頂部コンパートメントは、外側側壁及び内側側壁から半径方向内向きに突出している。
【0050】
別の実施形態は、回転軸に沿って分離固定子のコンパートメント内に配設された管状導管を更に含み、管状導管は、分離固定子の入口開口部に結合された第1の端部と、反対側の第2の端部とを有する。
【0051】
別の実施形態は、分離回転子のコンパートメント内に配設された分散部材を更に含み、分散部材は、床部と分散部材の本体との間に空間が形成されるように、本体が床部の上方に位置している。
【0052】
別の実施形態では、分散部材は、中心を貫通する開口部を有し、導管の第2の端部は、分散部材の開口部に結合されるか、又はその開口部を貫通し、導管は、入口開口部から導管を通過する流体が、床部と分散部材の本体との間に形成された空間内で導管を出るように構成されている。
【0053】
別の実施形態では、複数の上部隔壁は、導管から半径方向に延在し、かつ分散部材の本体の頂部表面に沿って延在する。
【0054】
別の実施形態では、分散部材の本体は、平坦プレート構成又は円錐台形構成を有する。
【0055】
別の実施形態は、分散部材の本体と床部との間に延在する複数の下部隔壁を更に含み、複数の下部隔壁は、分散部材の開口部から半径方向外向きに延在している。
【0056】
別の実施形態では、下部隔壁は、側壁組立体まで延在し、かつ複数の上部隔壁のうちの対応するものと位置合わせされている。
【0057】
別の実施形態では、導管の第2の端部は、分離回転子の外側に配設され、かつ軸受組立体によって分離固定子に回転可能に固定されている。
【0058】
別の実施形態は、
外向きに突出するように分離回転子の床部に固定された駆動結合部と、
駆動結合部を取り囲む駆動回転子であって、駆動回転子の回転が駆動結合部の回転を容易にするように、駆動結合部上に磁場を生み出す駆動回転子と、を更に含む。
【0059】
別の実施形態では、駆動結合部は、分離固定子内に配設され、駆動回転子は、分離固定子の外側に配設されている。
【0060】
別の実施形態では、分離回転子は、側壁組立体の第1の端部に結合されたステム組立体を更に備え、ステム組立体は、ステムを備え、ステムは、
内部表面及び反対側の外部表面を有する管状注ぎ口であって、内部表面は、軽質成分流体経路の各々と軽質成分収集凹部との間に流体連通を提供する軽質収集チャネルを境界付ける、管状注ぎ口と、
管状注ぎ口の外部表面から半径方向外向きに突出し、かつ複数の重質収集チャネルを少なくとも部分的に境界付ける複数の隔壁部であって、重質収集チャネルは、重質成分流体経路と流体連通している、複数の隔壁部と、を備える。
【0061】
別の実施形態では、ステム組立体は、ステムを取り囲む管状スリーブを更に備え、管状スリーブは、内部表面及び反対側の外部表面を有し、複数の半径方向に離間した開口部が内部表面と外部表面との間で管状スリーブを貫通しており、複数の開口部の各々は、重質収集チャネルと重質成分収集凹部との間の流体連通を提供している。
【0062】
別の実施形態では、スリーブ及びステムは、異なる材料からなる。
【0063】
別の実施形態では、スリーブの材料は、ステムの材料よりも熱伝導性が高い。
【0064】
別の実施形態では、スリーブは金属からなり、ステムはポリマーからなる。
【0065】
別の実施形態は、分離固定子とスリーブとの間に配設された1つ以上の封止部を更に含む。
【0066】
別の実施形態は、回転軸から離れて半径方向外向きに広がり、環状端面部で終端する管状注ぎ口の第1の端部を更に含み、スリーブは注ぎ口の環状端面部に対して配設されている。
【0067】
別の実施形態は、分離固定子と分離回転子との間に配設された1つ以上の軸受組立体を更に含む。
【0068】
別の実施形態では、分離固定子のチャンバは、第1の端部と反対側の第2の端部との間に延在し、入口開口部、第1の出口開口部、及び第2の出口開口部の各々は、第1の端部に、又は第1の端部に向かって配設されている。
【0069】
本開示の別の独立した態様において、遠心分離機は、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、入口開口部、第1の出口開口部、及び第2の出口開口部を有する分離固定子と、
コンパートメントを境界付ける分離回転子であって、分離固定子のチャンバ内に少なくとも部分的に配設され、かつチャンバ内で回転軸を中心に回転可能であり、分離回転子は、
床部と、
床部から直立し、かつコンパートメントを取り囲む側壁組立体であって、側壁組立体は、複数の分離された重質成分流体経路を備え、複数の分離された重質成分流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で第1の出口開口部と連通している、側壁組立体と、
コンパートメントを複数の分離された軽質成分流体経路に少なくとも部分的に分割するように、側壁組立体からコンパートメント内に半径方向内向きに突出する複数の上部隔壁であって、複数の分離された軽質成分流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で第2の出口開口部と連通している、複数の上部隔壁と、
側壁組立体の第1の端部と結合されたステム組立体であって、ステム組立体は、
ある材料から作製されたステムであって、内部表面及び反対側の外部表面を有する管状注ぎ口を備え、内部表面が、軽質成分流体経路と第2の出口開口部との間の流体連通を提供する少なくとも1つの軽質収集チャネルを境界付けている、ステムと、
ステムを取り囲み、かつ内部表面及び反対側の外部表面を有する管状スリーブであって、少なくとも1つの重質収集チャネルが、ステムとスリーブとの間に配設され、複数の重質成分流体経路と第1の出口との間の流体連通を提供している、管状スリーブと、を備える、ステム組立体と、を含む。
【0070】
別の実施形態では、管状スリーブは、内部表面及び反対側の外部表面を有する第1の放熱部を備え、第1の放熱部の内部表面は、少なくとも1つの重質収集チャネルの一部分を直接境界付ける。
【0071】
別の実施形態は、分離固定子と管状スリーブとの間に配設される封止部を更に含み、封止部は、スリーブの第1の放熱部の内部表面に対して直接付勢する。
【0072】
別の実施形態では、管状スリーブは、内部表面及び反対側の外部表面を有する第2の放熱部を備え、第2の放熱部の内部表面は、少なくとも1つの軽質収集チャネルの一部分を直接境界付ける。
【0073】
別の実施形態は、分離固定子と管状スリーブとの間に配設される封止部を更に含み、封止部は、スリーブの第2の放熱部の内部表面に対して直接付勢する。
【0074】
別の実施形態では、管状スリーブは、ステムの材料よりも熱伝導性が高い材料から作製されている。
【0075】
別の実施形態では、管状スリーブは、その内部表面と外部表面との間に延在する、2.5mm未満の厚さを有する。
【0076】
別の実施形態は、
ステムは、管状注ぎ口の外部表面から半径方向外側に突出する複数の隔壁部を更に備え、
少なくとも1つの重質収集チャネルは、複数の隔壁部によって分離された複数の重質収集チャネルを備える。
【0077】
別の実施形態は、第1の端部及び反対側の第2の端部を有し、かつ第1の端部と第2の端部との間に配設されるように内部表面と外部表面との間で管状スリーブを貫通する複数の半径方向に離間した開口部を有する、管状スリーブを更に含み、複数の開口部の各々は、重質収集チャネルと第1の出口との間の流体連通を提供するように複数の重質収集チャネルの対応する1つと位置合わせされている。
【0078】
別の実施形態は、
分離固定子と管状スリーブとの間に配設された第1の封止部であって、分離固定子と管状スリーブの間に液密封止部を提供するように、管状スリーブの外部表面に直に接してその管状スリーブの第1の端部において配設されている第1の封止部と、
分離固定子と管状スリーブとの間に配設された第2の封止部であって、分離固定子と管状スリーブとの間に液密封止部を提供するように、管状スリーブの外部表面に直に接してその管状スリーブの第2の端部において配設されている第2の封止部と、を更に含む。
【0079】
別の実施形態は、分離固定子と分離回転子との間に配設された重質成分収集凹部を更に含み、重質成分収集凹部は、上流で複数の分離された重質成分流体経路の各々と流体連通し、かつ下流で第1の流体出口と流体連通している。
【0080】
別の実施形態は、分離固定子と分離回転子との間に配設された軽質成分収集凹部を更に含み、軽質成分収集凹部は、上流で複数の分離軽質成分流体経路の各々と流体連通し、かつ下流で第2の流体出口と流体連通している。
【0081】
別の実施形態では、複数の軽質成分流体経路は、複数の重質成分流体経路から分離され、複数の重質成分流体経路の半径方向内側に配設されている。
【0082】
本開示の別の独立した態様において、遠心分離機は、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、入口開口部、第1の出口開口部、及び第2の出口開口部を有する分離固定子と、
コンパートメントを境界付ける分離回転子であって、分離回転子は、分離固定子のチャンバ内に少なくとも部分的に配設され、かつチャンバ内で回転軸を中心に回転可能であり、分離回転子は、
床部と、
床部から直立し、かつコンパートメントを取り囲む側壁組立体であって、側壁組立体は、環状外側側壁と、外側側壁によって取り囲まれた環状内側側壁とを備え、複数の分離された重質成分流体経路は、内側側壁と外側側壁との間で境界付けられ、外側側壁は、円錐台形構成」を有する内部表面を有する上部側壁部分を備え、上部側壁部分の内部表面は、回転軸に対して40°~50°の範囲の角度で傾斜し、複数の分離された重質成分流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で第1の出口と連通している、側壁組立体と、
コンパートメントを複数の分離された軽質成分流体経路に少なくとも部分的に分割するように、側壁組立体からコンパートメント内に半径方向内向きに突出する複数の上部隔壁であって、複数の分離された軽質成分流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で第2の出口と連通している、複数の上部隔壁と、を備える、分離回転子と、を含む。
【0083】
別の実施形態では、外側側壁は、床部まで延在し、内側側壁は、床部から離間している。
【0084】
別の実施形態では、内側側壁の少なくとも一部分は、円錐台形構成を有する。
【0085】
別の実施形態は、回転軸に沿って分離固定子のコンパートメント内に配設された管状導管を更に含み、管状導管は、分離固定子の入口開口部に結合された第1の端部と、反対側の第2の端部とを有する。
【0086】
別の実施形態は、床部と分散部材との間に空間が形成されるように、床部の上方の場所で分離回転子のコンパートメント内に配設された分散部材を更に含む。
【0087】
別の実施形態では、分散部材は、中心を貫通する開口部を有し、導管の第2の端部は、分散部材の開口部に結合されるか、又は開口部を貫通し、導管は、入口開口部から導管を通過する流体が、床部と分散部材との間に形成された空間内で導管を出るように構成されている。
【0088】
本開示の別の独立した態様において、遠心分離機は、
チャンバを境界付ける分離固定子であって、入口開口部、第1の出口開口部、及び第2の出口開口部を有する分離固定子と、
コンパートメントを境界付ける分離回転子であって、分離回転子は、分離固定子のチャンバ内に少なくとも部分的に配設され、かつチャンバ内で回転軸を中心に回転可能であり、分離回転子は、
床部と、
床部から直立し、かつコンパートメントを取り囲む側壁組立体であって、側壁組立体は、環状外側側壁と、外側側壁によって取り囲まれた環状内側側壁とを備え、外側側壁は、床部まで延在し、内側側壁は、床部から離間し、複数の分離された重質成分流体経路は、内側側壁と外側側壁との間に境界付けられ、複数の分離された重質成分流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で第1の出口と連通している、側壁組立体と、
コンパートメントの一部分を含む空間が床部と分散部材との間に形成されるように、床部の上方の場所で分離回転子のコンパートメント内に配設された分散部材であって、頂部表面及び反対側の底部表面を有し、開口部は、頂部表面と底部表面との間で分散部材の中心を貫通している、分散部材と、
回転軸に沿って分離固定子のコンパートメント内に少なくとも部分的に配設された管状導管であって、管状導管は、分離固定子の入口開口部に結合された第1の端部と、分散部材の開口部に結合されるか、又はその開口部を通過する反対側の第2の端部とを有し、入口開口部から導管を通過する流体は、床部と分散部材との間に形成された空間内で導管から出るように構成された、管状導管と、
内側側壁と分散部材の上部表面との間に延在し、かつ管状導管から半径方向外向きに突出する複数の上部隔壁であって、複数の上部隔壁は、コンパートメントの少なくとも一部分を複数の分離された軽質成分流体経路に分割し、複数の分離された軽質成分流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で第2の出口と連通している、複数の上部隔壁と、
床部と分散部材の下面との間に延在し、かつ回転軸と位置合わせして外側側壁から半径方向内向きに突出する複数の下部隔壁であって、複数の下部隔壁は、空間を複数の分離された入口流体経路に少なくとも部分的に分割し、複数の分離された入口流体経路の各々は、上流で入口開口部と連通し、かつ下流で複数の分離された軽質成分流体経路及び複数の分離された重質成分流体経路の両方と連通している、複数の下部隔壁と、を備える、分離回転子と、を含む。
【0089】
別の実施形態では、複数の分離された入口流体経路の各々は、複数の分離された重質成分流体経路のうちの少なくとも2つと連通するが、複数の分離された重質成分流体経路のうちの少なくともいくつかから隔離されている。
【0090】
別の実施形態では、外側側壁の少なくとも一部分は円錐台形構成を有し、内側側壁の少なくとも一部分は円錐台形構成を有する。
【0091】
別の実施形態では、上部隔壁のうちの少なくともいくつかは、外側側壁まで延在し、下部隔壁のうちの対応する1つと交差する。
【0092】
別の実施形態では、管状導管は、分離回転子の床部を貫通し、複数の下部隔壁は、導管から半径方向外向きに突出している。
【0093】
本開示の別の独立した態様において、生物学的懸濁液を分離するための方法は、
反応器の容器内で懸濁液の生体細胞又は微生物を培養することであって、懸濁液は、培養培地を更に含む、培養することと、
懸濁液の入口ストリームを反応器の容器から請求項1、30、43、又は49に記載の遠心分離機の入口開口部に通過させることであって、遠心分離機は、入口ストリームを、第1の出口開口部を通って遠心分離機から出る第1の出口ストリームと、第2の出口開口部を通って遠心分離機から出る第2の出口ストリームとに分離し、第1の出口ストリームは、第2の出口ストリームよりも高い固体の密度又はパーセントを有する、通過させることと、を含む。
【0094】
別の実施形態は、第1の出口ストリームを反応器の容器に戻すことを更に含む。
【0095】
別の実施形態は、第1の出口ストリームを反応器とは別個の収集容器に通すことを更に含む。
【0096】
別の実施形態は、懸濁液を第1の出口ストリーム及び第2の出口ストリームに分離するために、少なくとも20分、1時間、3時間、6時間、12時間、24時間、又は48時間の期間にわたって、遠心分離機を連続的に動作させることを更に含む。
【0097】
別の実施形態は、
第1の出口開口部から出る第1の出口ストリームの流量を制御するために、第1のポンプを使用することと、
第2の出口開口部から出る第2の出口ストリームの流量を制御するために、第2のポンプを使用することと、を更に含む。
【0098】
別の実施形態は、
第1の出口開口部から出る第1の出口ストリームの流量を制御するために、第1の制御弁を使用することと、
第2の出口開口部から出る第2の出口ストリームの流量を制御するために、第2の制御弁を使用することと、を更に含む。
【0099】
別の実施形態は、遠心分離機を動作させながら、反応器の容器内で懸濁液を混合することを更に含む。
【0100】
別の実施形態では、第1の出口ストリーム及び第2の出口ストリームは、入口ストリームが遠心分離機に流入するときに遠心分離機から同時に流出する。
【0101】
別の実施形態は、第2の出口ストリームを第2の遠心分離機に通すことを更に含む。
【0102】
本開示の別の独立した態様において、生物学的懸濁液を分離するための方法は、
反応器の容器内で懸濁液の生体細胞又は微生物を培養することであって、懸濁液は、培養培地を更に含む、培養することと、
懸濁液の入口ストリームを反応器の容器から遠心分離機の入口開口部に通過させることであって、遠心分離機は、入口ストリームを、第1の出口開口部を通って遠心分離機から出る第1の出口ストリームと、第2の出口開口部を通って遠心分離機から出る第2の出口ストリームとに分離し、第1の出口ストリームは、第2の出口ストリームよりも高い固体の密度又はパーセントを有する、通過させることと、を含む。
【0103】
本開示の別の独立した態様において、生体成分を分離するためのモジュール式システムは、
筺体コンパートメントを有する筺体を形成する基部、側壁、及び頂部を備えるスキッドと、
筺体コンパートメント内に少なくとも部分的に位置決めされたモータと、
モータに機械的に結合された駆動回転子を備える磁気駆動体であって、駆動回転子は、キャビティを境界付ける内部表面と、内部表面に装着された少なくとも1つの磁石とを備え、磁石は、磁場を生成する、磁気駆動体と、
遠心分離機組立体であって、
固定子チャンバを形成する基部、側壁、及び頂部を備える固定子であって、流体入口ポート及び少なくとも2つの流体出口ポートを備える固定子と、
固定子チャンバに回転可能に結合され、かつ固定子の入口ポート及び少なくとも2つの出口ポートと流体連通する分離回転子であって、分離容器を形成している分離回転子と、
分離回転子に機械的に結合され、かつ分離回転子から延在する第1の端部と、駆動回転子に磁気的に結合された第2の磁気端部とを備える駆動結合部であって、第2の磁気端部は、分離回転子の中心軸を駆動回転子の中心軸に位置合わせする位置合わせ力を生成するように磁場に近接して位置決めされている、駆動結合部と、を備え、
固定子チャンバは、分離回転子及び駆動結合部の周りに無菌封止部及び気密封止部を形成している、遠心分離機組立体と、を含む。
【0104】
別の実施形態では、磁気駆動体の少なくとも一部分及び駆動結合部は、筺体コンパートメント内に配列されている。
【0105】
別の実施形態では、固定子は、駆動結合部を受容及び収納するために固定子の底部表面から延在する収納側板を形成する凹部を更に備える。
【0106】
別の実施形態では、固定子は装着表面を備え、筺体は、固定子を筺体に機械的に結合するための、筺体の表面から延在し、かつ装着表面に係合する装着クリップを備える。
【0107】
別の実施形態では、装着クリップは、装着表面及び固定子に下向きの力を印加するように位置決めされている。
【0108】
別の実施形態では、装着表面は、フランジ、スロット、キャビティ、又はエルボである。
【0109】
別の実施形態は、装填組立体であって、
筺体コンパートメントに結合され、かつ筺体コンパートメントを横切って横方向に延在する装着プラットフォームであって、凹部と、装着プラットフォームに結合されかつ凹部内に少なくとも部分的に位置決めされた可動装着プレートとを含む装着プラットフォームと、
装着プレートの表面から突出する装着クリップと、
第1の端部が可動装着プレートに結合されたアームを備える線形アクチュエータと、を備え、線形アクチュエータは、装着クリップを固着位置及び固着解除位置に移動させるために、アーム及び可動装着プレートを移動させるように構成されている、装填組立体、を更に含む。
【0110】
別の実施形態は、筺体コンパートメントに結合され、かつ固定子の流体入口ポートと流体連通する、入口ポンプを更に含む。
【0111】
別の実施形態では、入口ポンプは、遠心ポンプである。
【0112】
別の実施形態は、筺体コンパートメントに結合され、かつ少なくとも2つの流体出口ポートと流体連通する、少なくとも1つの出口ポンプを更に含む。
【0113】
別の実施形態では、出口ポンプは、蠕動ポンプである。
【0114】
別の実施形態では、遠心分離機組立体は、磁場によって筺体に取り外し可能に取り付けられている。
【0115】
別の実施形態は、メモリと、プロセッサと、非一時的コンピュータ可読媒体とを備えるコントローラと有線又は無線で通信するプログラム可能な電源を更に含み、非一時的コンピュータ可読媒体は、モータに電力を供給するようにプログラム可能な電源を制御するためにプロセッサによって実行される命令を含む。
【0116】
別の実施形態は、メモリと、プロセッサと、非一時的コンピュータ可読媒体とを備えるコントローラと有線又は無線で通信するプログラム可能な電源を更に含み、非一時的コンピュータ可読媒体は、入口ポンプ及び出口ポンプに電力を供給するようにプログラム可能な電源を制御するためにプロセッサによって実行される命令を含む。
【0117】
本開示の別の独立した態様において、生体成分を分離するための方法は、
培地及び細胞又は微生物を含む培養物を、入口ラインを通して、入口ポンプでバイオプロセス容器から遠心分離機に圧送することであって、
遠心分離機は、入口ポートを有する固定子と、軽質出口ポートと、重質出口ポートと、固定子に回転可能に結合され、かつ入口ポート、軽質出口ポート、及び重質出口ポートと流体連通する分離回転子と、を備えており、
入口ポンプは、バイオプロセス容器の下流かつ遠心分離機の上流に位置し、かつバイオプロセス容器及び遠心分離機と流体連通している、圧送することと、
培養物とともに、入口ライン、入口ポンプ及び遠心分離機から気体を排出することと、
濁度センサを用いて遠心分離機の下流の濁度を測定することと、
分離回転子を回転させ、遠心分離機の下流の濁度に基づいて培養物に回転力を印加することと、を含む。
【0118】
別の実施形態は、圧力センサを用いて遠心分離機の下流の圧力を測定することと、遠心分離機の下流の圧力に基づいて入口ポンプに第1の電力入力を提供することと、を更に含む。
【0119】
別の実施形態は、
遠心分離機の下流の濁度に基づいて、軽質出口ポートと流体連通する軽質出口ポンプに第1の電力入力を提供することと、
遠心分離機の下流の濁度に基づいて、重質出口ポートと流体連通する重質出口ポンプに第2の電力入力を提供することと、を更に含む。
【0120】
別の実施形態は、
遠心分離機から下流の濁度及び圧力に基づいて、軽質出口ポートと流体連通する軽質出口ポンプに第2の電力入力を提供することと、
遠心分離機の下流の濁度及び圧力に基づいて、重質出口ポートと流体連通する重質出口ポンプに第3の電力入力を提供することと、を更に含む。
【0121】
別の実施形態は、入口ポンプを収容するスキッドに遠心分離機を取り外し可能に装填することを更に含む。
【0122】
別の実施形態では、遠心分離機を取り外し可能に装填することは、遠心分離機をスキッドに結合する磁力を提供するスキッドの表面における磁場に近接するように遠心分離機を移動させることを含む。
【0123】
別の実施形態は、入口圧力センサを用いて遠心分離機の入口における入口圧力を測定することと、入口圧力が所定の停止入口圧力に達するときに遠心分離機の動作を中止することと、を更に含む。
【0124】
別の実施形態では、入口ポンプは、遠心ポンプである。
【0125】
本開示の別の独立した態様において、コントローラは、メモリと、プロセッサと、プロセッサによって実行される命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体とを備え、命令は、
培地及び細胞又は微生物を含む培養物を、入口ラインを通して、入口ポンプでバイオプロセス容器から遠心分離機に圧送することであって、
遠心分離機は、入口ポートを有する固定子と、軽質出口ポートと、重質出口ポートと、固定子に回転可能に結合され、かつ入口ポート、軽質出口ポート、及び重質出口ポートと流体連通する分離回転子と、を備えており、
入口ポンプは、バイオプロセス容器の下流かつ遠心分離機の上流に位置し、かつバイオプロセス容器及び遠心分離機と流体連通している、圧送することと、
培養物とともに、入口ライン、入口ポンプ及び心分離機から気体を排出することと、
濁度センサを用いて遠心分離機の下流の濁度を測定することと、
分離回転子を回転させ、遠心分離機の下流の濁度に基づいて培養物に回転力を印加することと、を実行する。
【0126】
本明細書に記載される独立した態様の各々は、本明細書に記載される他の独立した態様に関連して記載されるか、又は本明細書内の他の場所に記載される特徴、選択肢、及び可能性のいずれかを含み得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0127】
ここで、本開示の様々な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。これらの図面は、本開示の典型的な実施形態のみを図示しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。
図1】反応器及び連続流遠心分離機を組み込んだシステムの概略図である。
図2図1のシステムにおいて使用することができる多岐管組立体の正面立面図である。
図3】流れ制御構成要素が変更された、図1に示すシステムの概略図である。
図4図1に示す遠心分離機の一実施形態の断面図である。
図5図1に示すシステムの修正バージョンの概略図である。
図6図1図3及び図5のシステムにおいて使用することができる遠心分離機の頂部斜視図である。
図7図6に示す遠心分離機の底部斜視図である。
図8図6に示す遠心分離機の部分分解図である。
図9図6に示す遠心分離機の正面断面図である。
図10図9に示す遠心分離機の分離固定子を回転子組立体から分解して示す正面図である。
図11図10に示す分離回転子の分解斜視図である。
図12図11に示す分離回転子のキャップ部の底部斜視図である。
図13図9に示す遠心分離機の第1の端部の拡大断面図である。
図14図13に示す遠心分離機の第1の端部の部分分解図である。
図15図14に示すステム組立体の分解図である。
図16図14に示す組み立てられた部品の斜視図である。
図17図11に示す挿入体の底部斜視図である。
図18図6に示す遠心分離機の正面立面断面図である。
図19図18に示す分離回転子の線19-19に沿った断面図である。
図20】遠心分離機の別の実施形態の正面立面断面図である。
図21図20に示す分散部材の頂部斜視図である。
図22】遠心分離機の代替的な実施形態の頂部斜視図である。
図23図22に示す遠心分離機の底部斜視図である。
図24図22に示す遠心分離機の断面図である。
図25図22に示す遠心分離機の部分分解図である。
図26図25に示す分離回転子の分解図である。
図27図26に示す分離回転子の基部の内部の斜視図である。
図28図27に示す基部の底部図の斜視図である。
図29図26に示す分散部材の頂部斜視図である。
図30図29に示す分散部材の底部斜視図である。
図31図26に示す円盤体の頂部斜視図である。
図32図31に示す円盤体の底部斜視図である。
図33図26に示すキャップ部の底部斜視図である。
図34図22に示す分離回転子の周縁部の拡大側断面図である。
図35図26に示す挿入体の頂部斜視図である。
図36図35に示す挿入体の底部斜視図である。
図37図22に示す遠心分離機の上部端部の拡大断面図である。
図38図22に示す遠心分離機の更なる断面図である。
図39図22に示す遠心分離機の横断面図である。
図40】代替的な分離回転子の周縁部の拡大側断面図である。
図41】別の代替的な分離回転子の周縁部の拡大側断面図である。
図42図22の遠心分離機とともに使用するためのスキッドの正面斜視図である。
図43図42に示すスキッドの背面斜視図である。
図44図42に示すスキッドの立面側面図である。
図45図42に示すスキッドの立面背面図である。
図46】扉が取り外された状態の、図42に示すスキッドの正面斜視図である。
図47】遠心分離機が取り外された状態の、図46に示すスキッドの正面斜視図である。
図48図45に示すスキッドの断面図である。
図49】下降位置にある、図42に示すスキッドの装填組立体の正面斜視図である。
図50】上昇位置にある、図49に示す装填組立体の正面斜視図である。
図51図49に示す装填組立体の背面斜視図である。
図52図49に示す装填組立体の断面図である。
図53】遠心分離機と結合された、図49の装填組立体の拡大断面図である。
図54】例示的なバイオ生産プロセスに組み込まれた例示的な遠心分離機スキッドの概略図である。
図55A】例示的な遠心分離機スキッドを動作させるための例示的なプロセスのプロセスフロー図を例示する。
図55B】例示的な遠心分離機スキッドを動作させるための例示的なプロセスのプロセスフロー図を例示する。
図55C】例示的な遠心分離機スキッドを動作させるための例示的なプロセスのプロセスフロー図を例示する。
図56】例示的な遠心分離機スキッドを動作させるための例示的なプロセスのプロセスフロー図を例示する。
図57】スキッド上に装着された例示的な遠心分離機を用いて実行される例示的な分離プロセスから生成されたプロセス性能パラメータの棒グラフを例示する。
図58】例示的な圧力-体積深層濾過曲線を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0128】
本開示を詳細に説明する前に、本開示は、特に例示された装置、システム、方法、又はプロセスパラメータに限定されず、そのようなものは、当然のことながら、変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、本開示の特定の実施形態を説明することのみを目的としており、いかなる方法でも本開示の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0129】
本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、上記又は下記にかかわらず、各個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0130】
「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「特徴とする(characterized by)」と同義である「備える(comprising)」という用語は、包括的又は自由形式であり、追加の、引用されていない要素、又は方法のステップを除外しない。
【0131】
本明細書及び添付の請求項の範囲において使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形には、文脈から別途明確に示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。そのため、例えば、「隔壁」への言及は、1つ、2つ、又はそれ以上の隔壁を含む。
【0132】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「頂部」、「底部」、「左側」、「右側」、「上」、「下」、「上部」、「下部」、「近位」、「遠位」などの方向を示す用語は、本明細書では単に相対的な方向を示すために使用されており、本開示又は特許請求の範囲を限定することを意図していない。
【0133】
可能な場合、要素の同様の番号付けが、様々な図において使用されている。更に、要素及び/又は親要素のサブ要素の複数のインスタンスは、各々、要素番号に添付された別個の文字を含む場合がある。例えば、特定の要素「10」の2つのインスタンス又は特定の要素の2つの代替的な実施形態は、「10A」及び「10B」とラベル付けされる場合がある。その場合、要素ラベルは、概して、要素の全てのインスタンス又は要素のうちの任意の1つを指すために、添付された文字(例えば、「10」)なしで使用される場合がある。添付された文字(例えば、「10A」)を含む要素ラベルは、要素の特定のインスタンスを指すために、又は要素の複数の使用を区別若しくは注意を引くために使用することができる。更に、文字が添付された要素ラベルは、文字が添付されていない要素又は特徴の代替的な設計、構造、機能、実装、及び/又は実施形態を指定するために使用することができる。同様に、文字が添付された要素ラベルは、親要素のサブ要素を示すために使用することができる。例えば、要素「12」は、サブ要素「12A」及び「12B」を備えることができる。
【0134】
本デバイス及びシステムの種々の態様は、ともに結合、取り付け、及び/又は継合される構成要素を説明することによって例示され得る。本明細書で使用される場合、「結合された(coupled)」、「取り付けられた(attached)」、及び/又は「接合された(joined)」という用語は、2つの構成要素間の直接接続、又は適切な場合、介在又は中間構成要素を介した互いの間接接続のいずれかを示すために使用される。対照的に、構成要素が別の構成要素に「直接結合されている(directly coupled)」、「直接取り付けられている(directly attached)」、及び/又は「直接接合されている(directly joined)」と称されるとき、介在要素は存在しない。更に、本明細書で使用される場合、「接続(connection)」、「接続された(connected)」などの用語は、2つ以上の要素間の直接接触を必ずしも意味するものではない。
【0135】
本デバイス、システム、及び方法の様々な態様は、1つ以上の例示的な実施形態を参照して例示され得る。本明細書で使用される「実施形態(embodiment)」という用語は、「例、事例、又は例示としての役割を果たす」ことを意味し、必ずしも本明細書で開示される他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0136】
他の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の多くの方法及び材料が、本開示の実施で使用され得るが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載される。
【0137】
概して、本開示は、生体成分を分離するためにバイオ生産産業において使用される遠心分離機システムに関する。より具体的には、本開示は、例えば、生物学的混合物、溶液及び懸濁液中に溶解又は分散された培地、細胞、血液、血漿、細胞小器官、タンパク質、核酸、脂質、プラスミド、ウイルスベクター、核酸及び/又は炭水化物を含む、生物学的流体、固体、混合物、溶液及び懸濁液などの生体成分を分離するための遠心分離機を対象とする。遠心分離機は、生体成分を分離する際に使用される、手動可搬型、単回使用、連続流、及び/又は閉鎖系の遠心分離機であり得る。本開示はまた、そのような遠心分離機を組み込むことができる方法、システム、及びモジュール式スキッドに関する。
【0138】
本明細書に開示する装置及び方法は、主に生物学的プロセスでの使用のために設計されるが、本開示の装置及び方法はまた、遠心分離機を使用して固体を液体から分離することが所望される非生物学的プロセスで使用され得る。このような用途は、化学薬品、医薬品、食品及び他の製品の製造において見出され得る。それにより、生物学的成分を分離し、かつ分離された生体成分を採取する、本明細書に記載の説明及び実施例はまた、非生物学的成分を分離し、かつ分離された成分を採取するための開示にも適用可能であり、その開示と見なされるべきである。
【0139】
例示的な遠心分離機システム/スキッドは、液体、固体、気体、及び混合相分離における生体成分の連続流分離のための密封された無菌環境を提供し得る。本明細書に開示する実施形態は、プロセス効率、生成物精製、及び収率を向上させる、遠心分離機スキッドを含む、モジュール式、無菌、可搬型、かつ連続流の遠心分離機システムであり得る。
【0140】
例示的な遠心分離機システム/スキッドはまた、可搬型で、バイオ生産施設に容易に搬送され、生物学的産物を精製するために、バイオ生産プロセス、典型的には下流に統合され得る。多様な一組のバイオ生産プロセス、機器、及び制御要件を説明するために、例示的な遠心分離機システム/スキッドは、連続流遠心分離の多用途性、効率、及び収率を増加させるように容易に搭載及び取り外される、装着配列並びに単回使用、使い捨て、かつモジュール式分離機並びに他の構成要素を組み込み得る。例えば、一実施形態では、例示的な装着配列は、コントローラ装着部、ポンプ装着部、センサポート、弁ポート、端子及び多岐管、バルクヘッドコネクタ、モータ装着部、管ホルダ、並びにケーブル管理システムを含み得る。これらの装着部は、広範囲のバイオ生産プロセス機器、細管、ケーブル、コントローラ、モータ、ポンプ、センサ、及び弁にわたって、可搬性、汎用互換性、及び搭載の容易さを促進し得る。
【0141】
加えて、例示的な遠心分離機システム/スキッドは、磁気的に、機械的に、及び/又は解放可能に、遠心分離機をスキッドに装填、装着、中心配置、及び係止し得る、装填組立体を装備し得る。好ましくは、遠心分離機は、連続流プロセスにおける効率を増加させるために、容易かつ迅速に取り外され、処分され、滅菌分離機と交換され得る、単回使用かつ使い捨ての組立体である。
【0142】
図1に図示するのは、本開示の特徴を組み込み、生物学的懸濁液又は他の混合物を分離し、その成分のうちの1つ以上を採取するために使用される、システムの例示的な一実施形態である。より具体的には、図1は、連続流遠心分離機12と流体結合されたバイオ生産容器10を図示する。バイオ生産容器10は、生物学的懸濁液を培養するように構成され、1つ以上のバイオ反応器、発酵槽、貯蔵容器、流体管理システム、細胞培養機器、又は細胞及び/若しくは他の生物学的生成物を培養若しくは生産するように設計された任意の他のデバイスを備え得る。そのような他のデバイスの一実施例は、サーモフィッシャーサイエンティフィックによって生産されるCell Factoryマルチプレート培養チャンバを含み得る。バイオ生産容器10は、撹拌タンク反応器、ロッカー型反応器、パドル混合器反応器など、任意の従来型のバイオ反応器、発酵槽、又は細胞培養デバイスを備え得ることも理解されたい。
【0143】
図示する例示的な実施形態では、バイオ生産容器10は、チャンバ16を境界付ける容器14を備える。容器14は剛性支持筺体15によって支持されている。チャンバ16内には液体懸濁液18が配設されている。懸濁液18は、典型的には、細胞又は微生物を含む生物学的懸濁液と、細胞又は微生物が懸濁され培養される培養培地と、を含む。限定ではなく例として、懸濁液18は、細菌、真菌、藻類、植物細胞、動物細胞、原生動物、線虫、プラスミド、ウイルスベクターなどを含む1つ以上の生体成分を含み得る。培養されるいくつかの一般的な生物製剤の実施例としては、E.coli、酵母、桿菌、及びCHO細胞が挙げられる。懸濁液18はまた、細胞療法培養物を含み得、好気性又は嫌気性であり、接着性又は非接着性である細胞及び微生物を含み得る。当技術分野で公知の異なる培地組成物が、培養させる特定の細胞又は微生物及び所望の最終生成物を収容するために使用され得る。いくつかの使用形態では、バイオ生産容器10は、主に、その後の使用(例えば、細胞自体からワクチン材料を調製すること)のために細胞を培養及び回収するためだけに使用される。しかし、多くの使用形態において、バイオ生産容器10内で細胞を培養する最終的な目的は、細胞から培養培地へと搬出される生物学的生成物(組換えタンパク質など)を生産し、後に回収することである。また、バイオ生産容器10は、マスターバッチ中で細胞を培養させ、生物学的生成物を回収するために培養させた細胞の複数の後続バッチのための接種物としての後続使用のための細胞のアリコートを調製するために使用することも一般的である。
【0144】
例示的な一実施形態では、容器14は、可撓性の折り畳み可能なバッグを含む。例えば、容器14は、低密度ポリエチレンなどの可撓性の不透水性ポリマーフィルムの1枚以上のシートから構成され得る。ポリマーフィルムは、少なくとも0.02mm、0.05mm、0.1mm、0.2mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm以下、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲の厚さを有し得る。他の厚さも使用され得る。フィルムは、十分に可撓性であり、塑性変形することなく、管に巻き付けられ得、塑性変形することなく、少なくとも90°、180°、270°、又は360°の角度にわたって折り畳まれ得る。
【0145】
フィルムは、単一プライ材料から構成され得るか、又はともに封止されるか若しくは分離されて二重壁容器を形成するかのいずれかである、2つ以上の層を含み得る。層がともに封止される場合、材料は、積層材料又は押出材料を含み得る。積層材料は、2つ以上の別々に形成された層を含み、これらの層は、その後接着剤によってともに固定される。本開示で使用され得る押出材料の一実施例は、サーモフィッシャーサイエンティフィックから入手可能なサーモサイエンティフィックのCX3-9フィルムである。サーモサイエンティフィックのCX3-9フィルムは、cGMP施設で製造される3層の9ミルキャストフィルムである。外層は、超低密度ポリエチレン製品接触層と共押出されたポリエステルエラストマーである。本開示で使用され得る押出材料の別の実施例は、同様にサーモフィッシャーサイエンティフィックから入手可能なサーモサイエンティフィックのCX5-14キャストフィルムである。サーモサイエンティフィックのCX5-14キャストフィルムは、ポリエステルエラストマー外側層、超低密度ポリエチレン接触層、及びそれらの間に配設されるEVOHバリア層を含む。
【0146】
材料は、生細胞と直接接触することが承認され得、溶液を無菌に維持することが可能であり得る。そのような実施形態では、材料はまた、電離放射線などによって滅菌可能であり得る。異なる状況で使用され得る材料の実施例は、2000年7月4日に発行された米国特許第6,083,587号明細書、及び2003年4月24日に公開された米国特許出願公開第2003-0077466(A1)号明細書に開示されており、当該特許出願は、特定の参照により本明細書に組み込まれる。
【0147】
一実施形態では、容器14は、2つの材料シートが重なり合う関係で配置され、2つのシートがチャンバ16を形成するそれらの周囲で互いに結合される、二次元ピロー型バッグを備える。代替的に、内部コンパートメントを形成するために、単一の材料シートが折り重ねられ、周囲に沿って継ぎ合わされ得る。別の実施形態では、容器14は、ある長さに切断され、端部において継合閉鎖された、ポリマー材料の連続管状押出成形から形成され得る。更に他の実施形態では、容器14は、環状側壁だけでなく、二次元頂部端部壁及び二次元底部端部壁も有する、三次元バッグを備え得る。
【0148】
容器14は、実質的に任意の所望のサイズ、形状、及び構成を有するように製造され得ることを理解されたい。例えば、容器14は、0.5リットル、1リットル、5リットル、10リットル、30リットル、50リットル、100リットル、250リットル、500リットル、750リットル、1,000リットル、1,500リットル、3,000リットル、5,000リットル、10,000リットル、又は他の所望の容積にサイズ決めされたチャンバ16を有して形成され得る。チャンバ16のサイズはまた、上記容積のうちの任意の2つの間の範囲内であり得る。他の実施形態では、チャンバ16は、より大きい又はより小さい容積を有し得る。上述した実施形態では、容器14は可撓性の折り畳み可能なバッグとして記載されているが、代替的な実施形態では、容器14は、任意の形態の折り畳み可能な容器又は半剛性容器を含むことを理解されたい。いくつかの実施形態では、容器14は、金属、成形プラスチック又は複合材料からなるものなどの剛性容器を含み得る。この実施形態では、容器14が自己支持型であるため、支持筺体15は省かれ得る。
【0149】
必要に応じて、懸濁液18の特性を検出するために、センサ20及びプローブ22が容器14に結合され得る。限定ではなく例として、センサ20及びプローブ22は、温度プローブ、pHプローブ、COセンサ、酸素センサ、圧力センサなどを含み得る。必要に応じて、チャンバ16内の懸濁液18に気体を供給するために、スパージャ24が容器14に結合され得る。
【0150】
本開示の例示的な一実施形態では、容器14内で懸濁液18を混合するための手段が提供される。図示する実施形態では、可動混合要素26がチャンバ16内に配設され、懸濁液18を混合するために使用される。例示的な一実施形態では、混合要素26は、駆動シャフト28に結合されたインペラを備え得る。駆動シャフト28は、動的封止部30を介して容器14と結合する。混合要素26を回転させて懸濁液18の混合を促進するために、モータが駆動シャフト28に結合され得る。
【0151】
別の実施形態では、駆動シャフト28は、一方の端部が容器14に回転可能に接続され、かつ反対側の第2の端部が混合要素26に接続された可撓性管を通って容器14内に突出し得る。駆動シャフト28は、可撓性管を通過し、混合要素26と取り外し可能に結合し、その結果、駆動シャフト28は、懸濁液18と直接接触することなく混合要素26を回転させ得る。この混合システムの実施例は、2008年6月10日に発行された米国特許第7,384,783号明細書、及び2010年3月23日に発行された米国特許第7,682,067号明細書に開示されており、当該特許出願は、特定の参照により本明細書に組み込まれる。別の代替的な実施形態では、駆動シャフト28は、懸濁液18を混合するために、容器14内に位置する混合要素26を繰り返し上昇及び下降をさせるように構成され得る。代替的に、混合要素26は、容器14のチャンバ16内に配設され、容器14の外側に配設された磁気混合器によって回転される磁気撹拌棒又はインペラを備え得る。更に他の実施形態では、混合要素26は、容器14のチャンバ16内に突出し、懸濁液18を混合するために枢動、旋回、揺動、又は別様に移動され得る撹拌棒、パドルなどを備え得る。加えて、混合は、容器14に封止された両端を有する管を通してチャンバ16の内外に流体を移動させるために蠕動ポンプを使用することによってなど、チャンバ16を通して流体を循環させることによって達成され得る。また、所望の混合を達成するために、気泡を懸濁液18に通過させ得る。最後に、支持筺体15及び容器14は、容器14内で懸濁液18を混合するように、旋回、揺動、回転、又は移動がなされ得る。他の従来の混合技術も使用され得る。混合器を容器14などの可撓性バッグに組み込む方法の特定の実施例は、2008年6月10日に発行された米国特許第7,384,783号明細書、2010年3月23日に発行された米国特許第7,682,067号明細書、及び2006年9月7日に発行された米国特許出願公開第2006/0196501号明細書に開示されており、当該特許出願は、特定の具体的な参照により本明細書に組み込まれる。
【0152】
チャンバ16内に材料を供給し、又はチャンバ16から材料を取り除くために、複数のポート34が容器14に結合されている。ポート35は、容器14の下部端部に配設され、遠心分離機12と流体結合されている。反応器10は、遠心分離機12に関して必ずしも一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。反応器10のチャンバ16は、通常、遠心分離機12の流体容量の少なくとも3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、又はそれ以上の流体容量を有することになる。
【0153】
図1に示すシステムでは、容器14は、ポート35から遠心分離機12の入口ポート38まで延在する流体ライン36によって遠心分離機12と流体結合されている。本明細書で説明する流体ライン36及び他の流体ラインは、典型的には、可塑性変形することなくコイル状にされ得る可撓性のポリマー細管を備える。ただし、他の実施形態では、流体ラインは、他の可撓性又は剛性の導管を備え得る。遠心分離機12はまた、第1の出口ポート40及び第2の出口ポート42を有する。流体ライン44は、遠心分離機12の第1の出口ポート40に結合された第1の端部46と、容器14に装着されたポート50などを介して容器14のチャンバ16に流体結合された反対側の第2の端部48とを有する。同様に、流体ライン52は、遠心分離機12の第2の出口ポート42に結合された第1の端部54と、収集容器58に流体結合された反対側の第2の端部56とを有する。収集容器58は、典型的には、ポリマーフィルムの1つ以上のシートから作製される折り畳み可能なバッグを備える。収集容器58は、上述した容器14と同じ材料、同じ方法を使用して作製し得、同じ特性を有し得る。例えば、収集容器58は、二次元ピロー型バッグ又はより大きい三次元バッグを備え得る。収集容器58は、容器14と同じか、それよりも小さいか、又はそれよりも大きい容積を有し得る。例えば、収集容器58は、容器14の容積の0.7倍、0.5倍、若しくは0.2倍未満、又は容器14の容積の1.2倍、1.5倍、2倍、若しくは3倍を超える容積を有し得る。収集容器58が可撓性バッグである場合、収集容器58は、剛性支持筺体内に支持され得る。他の実施形態では、収集容器58は、剛性又は半剛性の容器を備え得る。
【0154】
代替的な一実施形態では、単一の収集容器58は、図2に示すような多岐管システム62で置き換えられ得る。一般に、多岐管システム62は、複数の収集容器58A、58B、58C、及び58Dに流体結合された多岐管64を備える。一実施形態では、多岐管64は、Yコネクタなどの継手68によって互いに結合された、可撓性細管などの流体ライン66の複数の分離部分を備え、それにより、流体ライン52から流れる流体は、滅菌経路に沿って収集容器58A~58Dの各々に送達され得る。
【0155】
各収集容器58A~58Dは、コンパートメント72を境界付ける可撓性の折り畳み可能なバッグ70を備え得る。各収集容器58A~58Dは、バッグ70に結合され、コンパートメント72と連通する第1のポート74A及び第2のポート74Bを更に備える。2つのポート74A及び74Bが示されているが、1つ、3つ、4つ、又はそれ以上のポートなど、他の数のポートも使用され得る。バッグ70は、一般に、コンパートメント72が、完全に膨張したときに、少なくとも0.5リットル、1リットル、1.5リットル、2リットル、2.5リットル、3リットル、5リットル、10リットル、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲内の容積を有するようにサイズ決めされる。他の容積も使用され得る。
【0156】
流体ライン66は、バッグ70上に配設されたポート74Aと流体結合される入口ライン80A~80Dを含む。クランプ82A~82Dは、それぞれ入口ライン80A~80Dに装着されている。クランプ82A~82Dは、入口ライン80A~80Dを通る流体ストリームの流れを調整するように手動で調節され得、入口ライン80A~80Dを通る流体流を防止するように封止し得る。加えて、出口ライン84A~84Dは、バッグ70上に配設されたポート74Bと結合されている。各出口ライン84は、終端部を有し、終端部は、溶接又は圧着などによって、又は別の流体ラインに選択的に結合され得る無菌コネクタなどの継手をその上に装着することによって封止閉鎖され得る。
【0157】
使用中、バッグ70が所望の量の流体で充填されると、クランプ82の上流の入口ライン80の一部分は、封止閉鎖され、次いで、切断され、それによって、各バッグ70を多岐管64から分離する。収集容器58A~58Dは、直列ではなく並列に多岐管64に結合されている。それにより、クランプ82を選択的に開放及び閉鎖することによって、容器14から選択された収集容器58A~58Dへの流体の移送が制御され得る。例えば、クランプ82の全ては、全ての収集容器58A~58Dを同時に充填するために、同時に開放され得る。代替的に、クランプ82の全てを閉鎖し、次いで、クランプ82を連続して開放することによって、収集容器58A~58Dは、連続的な順序で充填され得る。クランプ82、弁、又は他の流量調整デバイスはまた、多岐管64上の他の場所を通る流体の流れを制御するために、その場所に位置決めされ得ることを理解されたい。
【0158】
図示する実施形態では、多岐管64は、4つの収集容器58A~58Dと流体結合されている。代替的な実施形態では、多岐管64は、少なくとも2、3、5、6、8、12、16、又は任意の他の数の収集容器58と、又はそれに流体結合され得る。更に別の代替的な実施形態では、収集容器58A~58Dは、並列ではなく直列に多岐管64と流体結合され得る。
【0159】
図1に示す実施形態の更に別の代替形態では、収集容器58は省かれ得、流体ライン52は、濾過システム、例えば、深層フィルター又は滅菌フィルター、などの下流の処理機器に直接結合され得る。
【0160】
図1に戻ると、第1のポンプ100Aは、流体ライン44に結合され、第2のポンプ100Bは、流体ライン52に結合されている。以下により詳細に説明するように、ポンプ100は、遠心分離機12を通る懸濁液18の流量を制御するために使用される。一実施形態では、ポンプ100は、流体ライン44及び52を通して流体を圧送するが、流体に直接接触しない、蠕動ポンプを備え得る。こうして、ポンプ100は、洗浄することなく再使用され得る。ただし、容積式ポンプなど、他のタイプのポンプも使用され得る。
【0161】
例示的な一実施形態では、コントローラ98が、ポンプ100A及び100Bの動作を自動的かつ別々に制御して、流体ライン44及び52内の流体の流量を選択的かつ別々に制御及び調整をするために使用され得る。コントローラ98は、プログラマブルプロセッサ及び非一時的メモリを備え得る。図3に示す代替実施形態では、遠心分離機12を通る流体の流量は、流体ライン36に結合された単一のポンプ100Cを有し、かつ流体ライン44に結合された制御弁96A及び/又は流体ライン52に結合された制御弁96Bを有することによって制御され得る。ポンプ100C並びに制御弁96A及び96Bはまた、コントローラ98によって制御され得る。別の代替形態では、容器14は、遠心分離機12の中への懸濁液18の流れを達成するために加圧又は上昇され得、一方、流体ライン44及び52うちの一方又は両方上の制御弁96は、流体ライン44及び52を通る流量を制御するために使用され得る。更に別の代替形態では、ポンプ100A及び100Bは、図1のように保持され得るが、一方、ポンプ100Cは、流体ライン36に追加される。次いで、流体流は、コントローラ98によって調整される3つのポンプによって制御されることになる。
【0162】
図1及び図3に示すように、コントローラ98は、流体ライン44及び/又は52に装着されたセンサ94からの入力に基づいてポンプ100及び/又は弁98の動作を制御し得、又は、別様に、流体ライン44及び/又は52を通って流れる出口ストリームの特性を感知し得る。意図される動作方法に応じて、センサ94は、圧力センサ、流量センサ、濁度センサ、静電容量センサ、導電率センサ、インライン分光センサなどを含み得る。
【0163】
一動作方法では、遠心分離機12の機能は、容器14から受容した懸濁液18を、第1の出口ストリーム及び第2の出口ストリームに連続的に分離することであり、第1の出口ストリームは、第2の出口ストリームよりも高い濃度の細胞又は微生物を有し、そのため、より高い密度又はより高い割合の固体を有する。より具体的には、図1に示すような1回の使用の間、ポンプ100は、矢印102によって示される懸濁液18の入口ストリームが、容器14から流体ライン36を通り、入口ポート38の入口を通って遠心分離機12に流れるように動作され得る。次に、遠心分離機12は、入口ストリーム102を、矢印104で示される第1の出口ストリームに分離し、第1の出口ストリームは、出口ポート40の出口を通って遠心分離機12から出る。遠心分離機12はまた、入口ストリーム102を、矢印106によって示される第2の出口ストリームに分離し、第2の出口ストリームは、遠心分離機12から出て、出口ポート42の出口を通り、流体ライン52に入る。上述したように、第1の出口ストリーム104は、第2の出口ストリーム106よりも高い濃度又は第2の出口ストリーム106よりも大きい体積の細胞又は微生物、すなわち、単位体積当たり、第2の出口ストリーム106よりも高い割合の固体を有する。
【0164】
図4には、本開示の特徴を組み込んだ遠心分離機12の1つの簡略化された実施形態が図示されている。一般に、遠心分離機12は、チャンバ116を境界付ける分離固定子114を備える。分離回転子118は、分離固定子114のチャンバ116内に回転可能に配設されている。分離固定子114内で分離回転子118を回転させるために、磁気駆動体などの手段が設けられている。ポート38、40及び42は、チャンバ116と連通するように分離固定子114に装着されている。入口ストリーム102が入口ポート38を通ってチャンバ116に流入すると、懸濁液18が遠心力を受けるように、分離回転子118の回転によって懸濁液18がチャンバ116内で回転する。遠心力のために、懸濁液18のより重質な成分は、分離固定子114の内部表面に向かって集まり、出口ポート40を通って第1の出口ストリーム104として出る。懸濁液18のより軽質な成分は、分離回転子114の外部表面に向かって集まり、出口ポート42を通って第2の出口ストリーム106として出る。
【0165】
いくつかの実施形態において、第2の出口ストリーム106は、第1の出口ストリーム104に分離された細胞又は微生物を含まなくてもよいことを理解されたい。しかしながら、典型的には、懸濁液18が単一の遠心分離機を通過するとき、いくらかの細胞又は微生物が第2の出口ストリーム106中に残る。次いで、以下でより詳細に説明するように、残りの細胞又は微生物は、第2の出口ストリーム106を1つ以上の追加の遠心分離機に通すことによって、及び/又は第2の出口ストリーム106を他の従来の濾過システムに通すことによって、第2の出口ストリーム106から取り除かれ得る。
【0166】
図1に示す実施形態では、第1の出口ストリーム104は、容器14内に細胞又は微生物を保持するのを助けるように、流体ライン44を通して容器14にポンプで戻され、一方、第2の出口ストリーム106は、その後の使用のために収集容器58を通して採取される。そのため、図1のシステムは、細胞又は微生物からの培地及び副生成物が連続的に採取されている間、細胞又は微生物が継続的な培養のために容器14内に保持される灌流システムである。採取による培地の損失を補償するために、新しい培地が、ポート34を通して容器14内に継続的に又は必要に応じて追加される。
【0167】
図5を参照すると、第1の出口ストリーム104を容器14に戻すこととは対照的に、第1の出口ストリーム104は、収集容器110内に収集されることによって採取され得る。収集容器110は、典型的には、ポリマーフィルムの1つ以上のシートから作製される折り畳み可能なバッグを備える。収集容器110は、上述した収集容器58と同じ材料から、同じ方法を使用して作製され得、同じ特性、サイズ及び代替形態を有し得る。例えば、収集容器110は、二次元ピロー型バッグ又はより大きい三次元バッグを備え得る。収集容器110が可撓性バッグである場合、収集容器110は、剛性支持筺体内に支持され得る。他の実施形態では、収集容器110は、剛性又は半剛性の容器を備え得る。
【0168】
代替的な一実施形態では、単一の収集容器110は、図2に関して上述したように、多岐管システム62と置き換えられ得る。こうして、第1の出口ストリーム104は、別個の収集容器58A~58Dに収集され得る。第2の出口ストリーム106の採取に関して上述した多岐管システム62の上述した使用形態及び代替形態の全ては、第1の出口ストリーム104の採取にも適用可能である。更に、図5のシステムは、第1の出口ストリーム104が容器14に戻されるのではなく採取されることを除いて、図1のシステムに関して上述したのと同じように動作する。
【0169】
図5に示すシステムの別の代替形態では、容器14は、生物製剤を培養するための反応器の一部を形成する必要はない。むしろ、容器14は、直前に調製された懸濁液18を単に保持する剛性の又は可撓性の容器を単に含み得る。
【0170】
図6及び図7には、図1図5に関して上述したシステム及び代替形態において遠心分離機12として使用され得る連続流遠心分離機12Aの詳細な一例示的実施形態が示されている。一般に、遠心分離機12Aは、本体組立体130と、本体組立体130と一体的に形成されるか、それに解放可能に取り付けられるか、又は他の方法で相互作用する、駆動体スリーブ132とを備える。動作中、磁気駆動体148(図8)は、使用中の遠心分離機12Aの動作を容易にするために、駆動体スリーブ132内に受容され、回転される。以下でより詳細に説明するように、本体組立体130/遠心分離機12Aは、入口ポート38、第1の出口ポート40、及び第2の出口ポート42を含む。
【0171】
図8を参照すると、駆動体スリーブ132は、外部表面134と、開口部138を取り囲む内部表面136とを備える。駆動体スリーブ132は、第1の端部140を有し、開口部138は、この第1の端部を通って延在し、一実施形態では、本体組立体130と解放可能に結合され得る。例えば、第1の端部140は、ねじ若しくはボルト、クランプ、ねじ接続、又はバヨネット接続などのツイスト接続などの締結具によって、本体組立体130に解放可能に結合され得る。他の例示的実施形態では、駆動体スリーブは、本体組立体130と一体的に形成され得、本体組立体130に対して、又はそれに隣接してのみ位置決めされてもよい。例えば、駆動体スリーブ132の1つの目的は、磁気駆動体148の保護カバーとして機能することである。そのため、駆動体スリーブ132は、磁気駆動体148と相互作用する分離機12Aの一部分として形成され得るか、又は分離機12Aと相互作用する磁気駆動体148の一部分として形成され得る。他の実施形態では、駆動体スリーブ132は、省かれ得る。
【0172】
一実施形態では、駆動体スリーブ132は、その第1の端部140から外向きに突出するフランジ144を有する管状スリーブ本体142を備え得る。フランジ140は、本体組立体130と結合するために使用され得る。例示的な一実施形態では、スリーブ本体142は、第1の端部140の反対側に第2の端部141を有し得、第2の端部141からフランジ145が外向きに突出している。フランジ145は、磁気駆動体148を支持するスキッド又は他のフレームワークなど、別個の構造体に分離機12Aを固定するために使用され得る。他の実施形態では、駆動体スリーブ132は、管状スリーブの形態である必要はない。
【0173】
磁気駆動体148は、以下で説明するように、本体組立体130と位置合わせし、かつ駆動体スリーブ132の開口部138内に回転可能に配設される駆動回転子150を備える。駆動回転子150は、第1の端部158と反対側の第2の端部160との間に延在する内部表面154及び反対側の外部表面156を有するスリーブ152を含む。内部表面154は、キャビティ162を境界付ける。例えば、一実施形態では、スリーブ152は環状であり、キャビティ162を取り囲んでいる。他の実施形態では、スリーブ152はキャビティ162を完全に取り囲む必要はない。スリーブ152の第1の端部158は、開口部166をキャビティ162に境界付ける端面部164で終端する。スリーブ152の内部表面154には、磁石168が固定されている。図示する実施形態では、磁石168は、キャビティ162を取り囲むように、スリーブ152の内部表面154に間隔を置いて固定された複数の磁石部170を含む。一実施形態では、磁石168は、少なくとも2個、4個、6個、12個、18個、24個、又は30個の別個の磁石部170を備え得、又は前述の個数のうちの任意の2つの間の範囲内であり得る。磁石部170は、磁気部の極が軸方向に配向されるように、回転軸に対して垂直に配向され得る。そのような実施形態では、各磁石部170の磁極は、優先的に軸方向に交互に配置される。
【0174】
他の実施形態では、磁石168は、キャビティ162を取り囲むように内部表面154に固定された磁気リングを含み得る。そのような実施形態では、磁気リングは、双極子、四極子、六極子、又は八極子であり得る。そのような磁気リングでは、磁極は、優先的に半径方向に配設される。磁気結合部は、電力損失並びに回転子及び流体加速を克服するためのトルク要件を満たすのに十分なトルクを提供する任意の磁気対からなり得る。例えば、一例示的施形態におけるトルク要件は、10~70in-lbの範囲である。磁石は、回転子側に永久磁界を、かつ結合部のモータ側に永久磁石又は電磁石のいずれかを担持することができる材料からなり得る。一実施形態では、磁石は、ネオジムからなり得る。
【0175】
図9を参照すると、磁気駆動体148は、駆動回転子150/スリーブ153に結合して選択的に回転させるモータ169を更に備える。例えば、一実施形態では、駆動回転子150は、スリーブ152の第2の端部160から突出するステム172を更に備え、駆動回転子150の回転のためにモータ169に結合されている。モータ169は、筺体134内に収容され得るか、又は少なくとも部分的に収容され得る。前述したように、駆動体スリーブ132は任意選択であり、駆動回転子150及び/又はモータ169の保護カバーとして部分的に機能し得る。
【0176】
引き続き図9を参照すると、分離機12A/本体組立体130は、概して、分離固定子180と、分離固定子180内に回転可能に配設された回転子組立体182とを備える。回転子組立体182は、分離固定子180内に回転可能に配設された分離回転子184と、分離回転子184に結合され、更に分離固定子180内に回転可能に配設され得る駆動結合部186とを備える。中心軸230は、分離固定子180及び回転子組立体182の中心を通過し、回転子組立体182が回転する、参照番号230によっても識別される、回転軸と一致する。こうして、「中心軸230」及び「回転軸230」は、本明細書において同義的に使用される。
【0177】
図9及び図10に示すように、一実施形態では、分離固定子180は、使用前に互いに結合される基部190及びヘッド部192を備える。分離固定子180は、内部表面202と、反対側の外部表面203とを有する。内部表面202は、回転子組立体182が少なくとも部分的に受容されるチャンバ194を境界付ける。組み立てられた分離固定子180は、ヘッド部192が配設される第1の端部196と、基部190が配設される反対側の第2の端部198とを有する。中心軸230は、第1の端部196と第2の端部198との間に延在している。分離固定子180は、入口ポート38と、第1の出口ポート40と、第2の出口ポート42とを含み、各々がヘッド部192の第1の端部196に位置する。
【0178】
引き続き図9を参照すると、基部190(すなわち、分離固定子180の第2の端部198)は、環状側壁204まで半径方向外向きに延在する床部200を備える。側壁204は、床部200から直立し、第1の端部196に向かって突出している。環状装着フランジ205は、側壁204から外向きに突出している。一実施形態では、側壁204の内部表面202は、円筒形である。他の実施形態では、側壁204の内部表面202は、外向きに傾斜し得る。床部200の中心に配設され、床部200の外部表面203から外側に突出しているのは、受け部206である。受け部206は、チャンバ194の一部分を形成する凹部212を境界付ける。一実施形態では、受け部206は、床部200から突出し、かつ端壁210で終端する側壁208を備える。一実施形態では、側壁208及び凹部212の各々は、円筒形構成を有する。図9に図示し、以下で説明するように、受け部206は、駆動回転子150の開口部166内に受容され得るように構成されている。
【0179】
図10を参照すると、基部190(すなわち、分離固定子180の第1の端部198)はまた、中心軸230と平行に位置合わせされて床部200の外部表面から外向きに突出し、かつ受け部206の周りに等間隔に配置された複数のフィン226を備える。フィン226は、装着フランジ205から受け部206まで、又は受け部206に向かって長手方向に延在している。一実施形態では、遠心分離機12Aは、1回の使用後に使い捨てできるように設計されている。そのために、分離固定子180、より具体的には、基部190及びヘッド部192は、典型的には、ポリフッ化ビニリデン又はポリビニリデンジフルオリド(polyvinylidene difluoride、PVDF)、高密度ポリエチレン(high density polyethylene、HDPE)、ポリエーテルイミド(polyetherimide、PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)などのポリマー材料から作製され、一般に、射出成形又は回転成形などによって成形される。これらの材料及び製造方法は、分離固定子180が金属から作られた場合よりも安価に分離固定子180を製造することを可能にする。部分的に、フィン226は、より低い強度のポリマー材料から作製されるとき、分離固定子180に強度及び安定性を追加するように機能する。ただし、代替的な実施形態では、分離固定子180は、アルミニウム又はステンレス鋼などのより高強度の金属、又は、代替的に、液晶ポリマー又はポリカーボネートなどのより高強度のポリマーから作製され得る。そのような場合、フィン226は、省かれ得る。
【0180】
図9に戻ると、分離固定子180のヘッド部192は、第1の端部196に配設されたノーズ部214を含む。ノーズ部214は、端壁218で終端する側壁216を有する。ノーズ部214は、凹部213を境界付ける。一実施形態では、凹部213を境界付けする側壁216の内部表面202は、円筒形構成を有し得る。入口ポート38が、端壁218から中心に外向きに突出している。第1の出口ポート40及び第2の出口ポート42は、ノーズ部214の側壁から外向きに突出している。ヘッド部192はまた、環状装着フランジ228と、装着フランジ228とノーズ部214の側壁216との間に延在する環状移行壁220とを含む。一実施形態では、移行壁220の少なくとも一部分は、円錐台形構成を有し、その内部表面202は、典型的には、少なくとも30°、40°、50°、又は60°若しくはそれ未満であるか、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲である、中心軸230に対する角度で配設される。図示の実施形態では、装着フランジ228から延在する移行壁220の一部分は、円筒形であるか、又は移行壁220の残りの部分とは異なる構成を有し得る。基部190と同様に、ヘッド部192はまた、装着フランジ228とノーズ部214との間に延在するように、移行壁220から外向きに突出するフィン229(図10)とともに形成されるものとして示されている。フィン229はまた、中心軸230に平行に位置合わせされて延在し、移行壁220の周りに等間隔に離間されている。上述のように、分離固定子180がプラスチック材料から作製される場合、フィン229は、最小限の材料及びコストを追加しながら、構造的強度及び安定性を追加する。分離固定子180がより高強度の材料から作製されている場合、フィン229は省かれ得る。
【0181】
組み立て中、装着フランジ205及び228は、回転子組立体182/分離回転子184が分離固定子180内に取り込まれるように互いに結合されている。装着フランジ205及び228は、溶接、クランプ、ねじ若しくはボルトなどの締結具によって、又は他の締結技法を使用することによって互いに結合され得る。
【0182】
回転子組立体182は、分離固定子180のチャンバ194内に回転可能に位置決めされ、生物学的懸濁液の入口ストリーム102(図1図5)を第1の出口ストリーム104及び第2の出口ストリーム106に分離するために使用される。図10を参照すると、前述のように、回転子組立体182は、分離回転子184と、分離回転子184から延在する駆動結合部186とを含む。より具体的には、分離回転子184は、第1の端部240及び反対側の第2の端部242を有し、それらの間で中心軸/回転軸230が中心に延在する。駆動結合部186は、中心軸230が分離回転子184の第2の端部242の中心を貫通するように、第2の端部212の中心に装着され、かつ第2の端部212から外向きに突出している。駆動結合部186は、典型的には、端面部246で終端する包囲側面244を有する。一実施形態では、駆動結合部186は、円筒形構成を有し、図9に図示するように、受け部206の凹部212内に回転可能に受容され得るように構成されている。間隙248は、駆動結合部186が受け部206内で自由に回転することができるように、駆動結合部186の側面244と受け部206の側壁208との間に形成されている。
【0183】
一実施形態では、間隙248は、10mm、8mm、6mm、4mm、2mm未満、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲内である。典型的には、駆動結合部186の磁気回転を容易にするのを助けるように、間隙248のサイズを最小にすることが望ましい。駆動結合部186は、磁石168によって生み出される磁場によって制御され得るような材料からなり、そのように構成されている。例えば、駆動結合部186は、別の磁石、又は鉄若しくは鉄複合材などの磁石に引き付けられる材料を含み得る。動作中、駆動結合部は、受け部206内に位置決めされ、一方、受け部206は、駆動回転子150のキャビティ162内に受容される。モータ169による駆動回転子150の回転は、磁石168によって駆動結合部186上に生み出される磁力の結果として、駆動結合部の同時回転を促進する。次に、駆動結合部186の回転は、それが取り付けられている分離回転子184の同時回転を促進する。代替的な実施形態では、一般に保護カバーとして機能する受け部206は省かれ得ることを理解されたい。この場合、駆動結合部186は、駆動回転子150のキャビティ162内に直接受容される。
【0184】
図11を参照すると、分離回転子184は、駆動結合部186が取り付けられる基部250と、基部250上に着座する分散部材252と、基部250と結合するキャップ部254と、キャップ部254と基部250との間に取り込まれる挿入体256と、キャップ部254上に配設されるステム組立体258とを備える。ここで、分離回転子184の様々な要素について更に詳細に説明する。
【0185】
図9でより良く分かるように、基部250は、コンパートメント261を部分的に境界付ける内部表面260を有し、かつ反対側の外部表面262を有する。基部250は、床部264と、床部264の外周からキャップ部254に向かって上向きに突出する環状側壁266とを備える。側壁266は、以下、下部側壁266と称される。装着部268は、中心軸230と位置合わせされて、床部264の外部表面262から外向きに突出している。駆動結合部186は、接着剤、圧入、締結具、ねじ結合などによって装着部268に固定されている。レース軸受などの環状軸受組立体270は、装着部268と分離固定子180の基部190との間に延在している。軸受組立体270は、分離回転子184を分離固定子180に対して中心配置するとともに安定させるように機能し、分離固定子180に対して分離回転子184を容易に回転することを可能にする。
【0186】
図11に戻ると、複数の隔板272A~272Fが、床部264の内部表面260から上向きに突出している。隔板272は、均等に離間され、中心軸230と位置合わせされて半径方向外向きに突出している。隔板272A、272C、及び272Eはまた、その長さに沿って形成された細長いスロット273が形成されている。以下でより詳細に説明するように、隔板272は、分散部材252を床部264の内部表面260から離間させるとともに、分散部材252を基部250に固定して、基部250及び分散部材252が同時に回転するように機能する。下部側壁266の内部表面260は、床部264の外周縁部から環状リップ274まで外向きに傾斜する環状の円錐台形構成を有する。一実施形態では、下部側壁266は、中心軸230に対して、少なくとも10°、15°、20°、25°、30°、35°若しくはそれ未満であるか、又は前述の角度のうちの任意の2つの間の範囲内である、外向き角度で傾斜する。環状スロット276は、リップ275内に凹設されており、以下により詳細に説明するように、キャップ部254を基部250に結合するために使用される。
【0187】
本明細書で説明するように、分散部材252は、様々な異なる構成を有し得る。現在図示している実施形態では、分散部材252は、各々が外周縁部286まで延在する頂部表面282、及び反対側の底部表面284を有する円形プレートの形態の本体280を備える。開口部290は、両側の表面282と284との間を通過するように、中心軸230と位置合わせされて本体280を通って中心に延在している。典型的には、等間隔に配置された下部隔壁288A、288B、及び288Cが、本体280の底部表面284から突出している。下部隔壁288は、直線状であり、開口部290から半径方向外向きに突出している。下部隔壁288は、隔板272A、272C、及び272Eのスロット273内に受容され、周縁部286を越えて突出する終端部291で終端するように構成されている。組立中、分散部材252は、下部隔壁288A、288B、288Cがスロット273内に受容されるように、かつ終端部291が基部250の下部側壁266の内部表面260に突き当たるか又は直接隣接して配設されるように、基部250の隔板272の上に配置されている。この組立体は、周縁部286が下部側壁266から均等に離間されることを確実にするように、分散部材252を床部264上に中心配置し、また、基部250の回転が分散部材252の同時環状回転を促進するように、分散部材252を基部250と相互係止させる。加えて、以下で更に詳細に説明するように、下部隔壁288及び隔板272は、生物学的懸濁液の分離を容易にするのを助けるために、分散部材252と床部264との間から半径方向外向きに流れる入口流体チャネルを形成するように機能する。入口流体チャネルを形成しながら分散部材252を床部264上に固定して中心配置するために、様々な他の構造設計が使用され得ることを理解されたい。ただし、現在図示している実施形態は、別個の締結具の使用を必要とせずに、分散部材252の迅速かつ容易な位置決めを可能にするように独自に構成されている。
【0188】
また、図11に示すように、分散部材252は、本体280の頂部表面282上に等間隔で離間され、開口部290から外周縁部286まで半径方向外向きに突出する、保持レール292A~292Cを更に備える。各保持レール292は、その長さに沿って延在するスロット294を有する。
【0189】
図9図11及び図12を参照すると、キャップ部254は、第1の端部307と反対側の第2の端部308との間に延在する内部表面300及び反対側の外部表面302を有する。キャップ部254は、第2の端部308に形成された環状リップ306から第1の端部307に配設された環状リップ310まで延在する環状側壁304を含む。側壁304は、以下、「上部側壁304」と称される。上部側壁304及びその内部表面300は、環状リップ306から環状リップ310へと内向きに収縮する円錐台形構成を有する。一実施形態では、側壁304は、その内部表面300が中心軸230に対して35°~55°、より一般的には40°~50°又は42°~48°の範囲の角度で傾斜するように構成されている。複数の離間したガイド309が、第2の端部308において内部表面300から半径方向内向きに突出している。各ガイド309は、以下に説明するように、挿入体256と係合するように構成されたスロット311を境界付ける。
【0190】
図9で最もよく分かるように、リップ306は、基部250上に形成されたスロット276内に嵌合し、かつそれに相補的な構成を有するように構成された、円筒形構成を有し得る。この構成は、基部250とキャップ部254との間の液密封止部を容易にするのに役立つ。ねじ又はボルトなどの締結具312(図11)は、確実な係合を容易にするために、外部表面262から基部250の側壁の中に延在し、リップ306を通過する。図13に最もよく図示されているように、キャップ部254の第1の端部196における環状リップ310は、外部表面302に凹設された環状の第1の肩部314と、外部表面302に凹設された環状の第2の肩部315とを有し、肩部315は肩部314から離間している。
【0191】
図14及び図15を参照すると、ステム組立体258は、キャップ部254の第1の端部307においてリップ310に結合されている。ステム組立体258は、ステム358と、その上に装着されたスリーブ390とを備える。具体的には、図示の実施形態では、ステム358は、中心軸230が中心を通過するように、実質的に円筒形構成を有し、かつ環状リップ310から外向きに突出している。図示の実施形態では、ステム358は、キャップ部254とともに単一の一体部材として一体的に形成されている。ただし、他の実施形態では、ステム358は、キャップ部254に別個に装着され固定され得る。図13及び図15を参照すると、ステム358は、第1の端部366と反対側の第2の端部368との間に延在する内部表面362及び反対側の外部表面364を有する管状注ぎ口360を備える。内部表面362は、注ぎ口360の中心を通過する軽質収集チャネル379を境界付ける。以下に説明するように、注ぎ口360の第2の端部368は、挿入体256に接続されている。注ぎ口360の第1の端部366は、半径方向外向きに広がり、環状端面部370で終端する。端面部370は、中心軸230を取り囲み、典型的には、それに平行に配設されている。隔壁セグメント372A~372Fは、注ぎ口360の外部表面364から外向きに突出し、かつ注ぎ口360の周りに等間隔に離間されている。隔壁セグメント372は、典型的には、中心軸230に平行に配設され、キャップ部254の環状端面部370と環状リップ310との間で長手方向に延在している。
【0192】
隔壁セグメント372によって分離された重質収集チャネル382A~382Fが、注ぎ口360とキャップ部254の環状リップ310との間に延在している。例えば、重質収集チャネル382Aは、第1の端部366においてキャップ部254の環状リップ310と注ぎ口360の外部表面364との間を通過するとともに、更に隔壁セグメント372Aと372Bとの間に境界付けられる。重質収集チャネル382Aが第1の端部366に向かって上向きに延在するので、重質収集チャネル382Aは、ステム358の外側に形成された開口部384Aと連通する。開口部384Aは、隔壁セグメント372Aと372Bとの間、及び環状リップ310と端面部370との間に境界付けられる。重質収集チャネル382B~382Fは、同様に構成され、それぞれ対応する開口部384B~384Fと連通する。代替的な実施形態では、他の数の隔壁セグメント372及び重質収集チャネル382が形成され得ることを理解されたい。例えば、一実施形態では、隔壁セグメント372Aは、注ぎ口360の外部表面364とスリーブ390との間に部分的に境界付けられた単一の重質収集チャネル382のみが形成されるように、省かれ得る。
【0193】
一実施形態では、複数のブレース376A~376Fが、注ぎ口360の内部表面362から内向きに突出し、かつ第1の端部366と第2の端部368との間に延在している。ブレース376A~376Fは、注ぎ口360の周りに等間隔に離間され、典型的には直線状であり、中心軸230と平行に位置合わせされて延在している。各ブレース376は、中心軸230から離間した部分である内部面378で終端する。一実施形態では、ブレース376は、軽質収集チャネル379を複数の別個の軽質収集チャネル379に分割し得る。他の実施形態では、ブレース376は、単一の一体型軽質収集チャネル379のみが形成されるように省かれ得る。
【0194】
ステム358は、6つの隔壁セグメント372、6つの開口部384、6つの重質収集チャネル382、及び6つのブレース376を有するように示されているが、以下で更に詳細に説明するような代替的な実施形態では、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲など、他の数が使用され得る。
【0195】
スリーブ390は、第1の端部391と反対側の第2の端部392との間に延在する外部表面394及び反対側の内部表面395を有する。内部表面395は、内部表面395を通して延在する通路396を境界付け、通路396は、ステム358を受容するように構成されている。具体的には、スリーブ390は、ステム358を受容するように構成され、それにより、スリーブ390の第2の端部392は、肩部315上に着座するとともに、環状リップ310及び環状端面部370に対して同一平面上に着座し、それらの間に架かっている。スリーブ390は、環状リップ310と環状端面部370との間に配設されたステム358の開口部384にわたって架かっている。複数の等間隔に離間された部分開口部398A~398Fは、スリーブ390の円周に沿ってスリーブ390を通って延在し、各開口部398A~398Fが対応する開口部384A~384F/重質収集チャネル382A~382Fとそれぞれ位置合わせするように構成されている。ただし、スリーブ390の開口部398は、ステム358の開口部384よりも小さい。こうして、スリーブ390の一部分は、重質収集チャネル382の一部分を直接境界付ける。具体的には、スリーブ390は、注ぎ口360を取り囲み、環状リップ310とスリーブ390の開口部398との間に延在する環状放熱部388を含む。放熱部388の内部表面395は、重質収集チャネル382の一部分を直接境界付ける。スリーブ390はまた、注ぎ口360の環状端面部370の開口部398とは反対側に配設された環状放熱部389を含む。すなわち、環状放熱部389は、注ぎ口360よりも突出し、かつ中心軸230を取り囲んでいる。放熱部389は、環状端面部370とスリーブ390の終端部との間に延在しており、放熱部389の内部表面395は、軽質収集チャネル379の一部分を直接取り囲み、それを境界付けている。放熱部388、389の機能については後述する。スリーブ390のセグメント400は、図14に示すように、開口部398の各隣接する対の間に配設され、対応する隔壁セグメント372と位置合わせしている。
【0196】
ステム358、基部250、分散部材252、挿入体256、及びキャップ部254の各々は、典型的には、液晶ポリマー、ポリカーボネート、PVDF、HDPE、PEI、PEEKなどのポリマー材料から作製される。異なる部分は、同じ材料又は異なる材料から作製され得る。先に述べたように、部品をポリマー材料から作製することにより、遠心分離機のコストが最小限に抑えられ、その結果、遠心分離機を1回使用した後に経済的に廃棄され得、それによって、その後の滅菌又は他の洗浄の必要性が回避される。ただし、代替的な実施形態では、部品のうちの1つ以上は、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属から作製され得る。以下でより詳細に説明する理由により、一実施形態では、スリーブ390は、ステム358を形成するために使用される材料よりも熱伝導性が高い材料から作製される。例えば、一実施形態では、ステム358は、ポリマー材料から形成される一方、スリーブ390は、ステム358を形成するために使用されるポリマーよりも熱伝導性が高い、アルミニウム、銅、黄銅、ステンレス鋼、又はそれらの合金などの金属から形成される。他の実施形態では、スリーブ390は、ステム358を形成するために使用される材料よりも熱伝導性が高い複合材料、ポリマー、又は他の材料などの非金属から形成され得る。
【0197】
ステム組立体258は、キャップ部254と同時に回転し、そのため、分離回転子184の一部分を形成する。遠心分離機12Aはまた、分離回転子184と分離固定子180との間に配設される要素を含む。例えば、図13図14、及び図16に図示すように、そのような要素は、環状リップ310を取り囲み、肩部314上に着座する、レース軸受又は他の軸受組立体などの環状軸受組立体404を含む。リップ封止部又は他のタイプの環状封止部などの環状封止部406A及び406Bは、軸受組立体404の上方でステム358を取り囲む。封止部406は、典型的には、開口部398の下方の第2の端部392においてスリーブ390の外部表面394に直に接して封止する。より具体的には、封止部406のうちの一方又は両方は、典型的には、放熱部388の外部表面394に直に接して配設されている。
【0198】
リップ封止部又は他のタイプの環状封止部などの環状封止部408は、ステム358を取り囲み、開口部398の上方の第1の端部391においてスリーブ390の外部表面394に直に接して封止する。より具体的には、封止部408は、通常、放熱部389の外部表面394に直に接して配設されている。円筒形リング410は、内部表面412と、反対側の外部表面414とを有し、開口398と位置合わせされてスリーブ390を取り囲む。リング410は、封止部408と封止部406Aとの間に配設され、内部表面412と反対側の外部表面414との間を通って横方向に延在する通路416を有する。
【0199】
以下で更に説明するように、遠心分離機12Aはまた、第1の端部426と反対側の第2の端部428との間に延在する内部表面412及び反対側の外部表面414を有する管状導管420を含む。内部表面422は、内部表面422を通って延在する通路430を境界付ける。動的封止部432が、導管420の第1の端部426を取り囲んでいる。動的封止部432は、導管420が封止部432に対して回転することを可能にしながら、導管420との液密封止をもたらす。
【0200】
図11及び図17を参照すると、挿入体256は、本明細書では内側側壁320と称される、環状の円錐台形側壁320を備える。内側側壁320は、第2の端部326から反対側の第1の端部238まで内向きに収縮する内部表面322及び反対側の外部表面324を有する。内側側壁320の第2の端部326は、周縁部330で終端し、第1の端部328は、環状リップ332で終端する。リップ332は、中心軸230に沿って挿入体256の中心を通過する開口部334を取り囲んでいる。一実施形態では、内側側壁320の内部表面322は、側壁304の内部表面300と同じ角度で配設され得る。例えば、内側側壁320の内部表面322は、中心軸230に対して、35°~55°、より一般的には40°~50°、又は42°~48°の範囲の角度で傾斜し得る。他の角度も使用され得る。
【0201】
挿入体256はまた、3つの半径方向に離間された上部隔壁336A~336Cを含み、上部隔壁336A~336Cは、等間隔に離間されている。上部隔壁336A~336Cは、内部表面322から離れる方向に突出し、かつ中心軸230と位置合わせされて周縁部330まで、及びそれを越えて半径方向外向きに延在している。より具体的には、各隔壁336は、周縁部330から開口部334まで内部表面322に沿って延在する頂部縁部と、開口部334に沿って中心軸230に平行に延在する内側縁部340と、内側側壁320の下方に突出し、かつ分散部材252のスロット294(図11)内に受容されるように構成された底縁部342と、基部250の側壁266の内部表面260に突き当たるように傾斜した外側縁部344とを有する。上部隔壁336B及び336Cは、上部隔壁336Aと同じ構成及び要素を有し、そのため、上部隔壁336の各々の間の同様の要素は、同様の参照番号によって識別される。
【0202】
複数の半径方向に離間された部品の分割器350A~350Fが、内側側壁320の外部表面324から外向きに突出している。分割器350は、環状リップ332から周縁部330まで半径方向外向きに延在し、等間隔に離間された線形レールの形態である。
【0203】
組み立て中、図9及び図11を参照すると、分散部材252は、スロット276内に受容されている下部隔壁288によって、基部250の隔板272上に配設され、それと相互係止されている。この構成では、分散部材252は、中心軸230を中心とする基部250の回転が分散部材252の回転を容易にするように、基部250に固定されている。ただし、分散部材252の本体280は、基部250の床部264から離間され、それにより、それらの間に空間448が形成される。
【0204】
挿入体256は、保持レール292のスロット294内に受容されている上部隔壁336(図17)の底縁部342によって、分散部材252上に置かれ、分散部材252と相互係止されている。その結果、基部250の回転はまた、挿入体256の現在の回転を容易にする。上述したように、ステム組立体258が配設されたキャップ部254は、キャップ部254のリップ306を基部250のスロット276内に固定することによって基部250に固定される。ガイド309のスロット311(図12)は、キャップ部254と挿入体256との間の適切な中心配置、位置合わせ、及び係合を確実にするのを助けるように、挿入体256の対応する分割器350を受容する。組み立ての結果として、挿入体256及び分散部材252は、基部250とキャップ部254との間に封入される。基部250がキャップ部254に固定されると、挿入体256の第1の端部328におけるリップ332は、注ぎ口360の第2の端部368に固定される(図13)。例えば、図示の実施形態では、環状スロット436が注ぎ口360の第2の端部368に形成されており、その中に、リップ332が確実に受容され得る。他の実施形態では、注ぎ口360の第2の端部368は、接着剤、ねじ係合、圧入接続、スナップフィット接続によって、締結具又は他の従来の機構の使用を通じて、挿入体256のリップ332に固定され得る。
【0205】
更なる組み立て中に、図14及び図16に図示するように、軸受組立体404、封止部406及び408、並びにリング410は、先に説明したようにステム組立体258上に配設されている。導管420も位置決めされる。具体的には、図9を参照すると、導管420の第2の端部428は、中心が分散部材252を通って延在する開口部290内に固定される。この結合は、圧入接続、ねじ接続、接着剤、又は他の接続形態によるものであり得る。導管420の残りの部分は、挿入体256の開口部334を通って中心軸230に沿って中心に突出し、かつ注ぎ口360の軽質収集チャネル379を通って中心に上方に突出している。この位置において、導管420は、ブレース376の内部面378によって横方向に支持されている(図16)。動作中、導管420は、分離固定子180に対して分離回転子184の残りの部分と同時に回転する。
【0206】
組み立てられた分離回転子184は、分離固定子180内に封入される。具体的には、図13を参照すると、入口ポート38は、ノーズ部214の端壁218から外向きに突出し、かつ中心軸230と位置合わせされた通路45を境界付けている。通路45は、端壁218を通って内部表面202に至る。環状溝438が、通路45を取り囲むように端壁218の内部表面202に凹設されている。動的封止部432は、溝438内に受容され、固定されている。軸受組立体404、封止部406及び408、並びにその上に配設されたリング410を有するステム組立体258は、ノーズ部214の凹部213内に受容され、それによって、動的封止部432によって導管420の第1の端部426を入口ポート38の通路45に回転可能に流体結合する。
【0207】
引き続き図13を参照すると、環状上部肩部440が、ノーズ部214の側壁216の内部表面202から端壁218に向かって内向き突出している。上部肩部440と端壁218との間に、軽質成分収集凹部444が形成されている。第2の出口ポート42(図6)は、軽質成分収集凹部444と連通する通路47を境界付けている。封止部408は上部肩部440に当接し、封止部408、リング410、及び封止部406A及び406Bの各々は、ノーズ部214の側壁216の202の内部表面に当接している。こうして、封止部408、リング410、並びに封止部406A及び406Bの各々は、ノーズ部214の側壁216とスリーブ390との間に取り込まれる。より具体的には、封止部406及び408は、スリーブ390に直に接して動的液密封止部を形成し、それにより、スリーブ390及び分離回転子184の残りの部分が、分離固定子180に対して、かつ封止部406及び408に対して、それらの間の液密封止部を維持しながら回転することが可能になる。
【0208】
環状重質成分収集凹部446は、スリーブ390を取り囲み、スリーブ390とリング410との間、及び封止部408と406Aとの間に結合されている。第1の出口ポート42(図6)は、重質成分収集凹部446と連通するように、リング410の通路416と位置合わせする通路49を境界付けている。代替的な実施形態では、リング410は、重質成分収集凹部446が分離固定子180のノーズ部214とスリーブ390との間に直接結合されるように省かれ得る。重質成分収集凹部446は、スリーブ390の開口部398及び重質収集チャネル382と位置合わせし、これにより、それらと連通する。
【0209】
環状下部肩部442が、ノーズ部214の側壁216の内部表面202から内向きに突出している。軸受組立体404は、肩部442及び314に対して着座し、キャップ部254のリップ310と分離固定子180のヘッド部192との間に取り込まれる。軸受組立体270(図9)と同様に、軸受組立体404は、分離回転子184が分離固定子180内で自由に回転し得るように、分離回転子184を分離固定子180内で中心配置するとともに安定させるように機能する。
【0210】
図18を参照すると、動作中、モータ169は、駆動回転子150を分離固定子180に対して中心軸230の周りで回転させるように作動中である。次に、磁石168によって生み出される磁力は、前述のように、駆動結合部186に作用して、駆動結合部186及び分離回転子184を中心軸230の周りで分離固定子180に対して同時に回転させる。動作中、分離回転子184は、典型的には、少なくとも1,000、2,000、2,500、3,000、若しくは3,500回転/分(RPM)の速度で、又は前述の値のうちの任意の2つの間の範囲内で回転する。用途に応じて、他の速度も使用され得る。
【0211】
分離回転子184の回転が作動されると、懸濁液18の入口ストリーム102(図1図3、及び図5)は、入口ポート38に通され、中心軸230に沿って導管420を通って移動し、分散部材252の開口部290を通って、分散部材252と分離回転子184の床部264との間の空間448に入る。入口ストリーム102は、分散部材252の周縁部286に向かって空間448内を全方向に半径方向外向きに流れる。部分的に、分散部材252は、入口ストリーム102が重質成分と軽質成分とに分離し始める速度及び力を最大にするように、入口ストリーム102を中心軸230から半径方向外向きに強制的に流すように機能する。具体的には、入口ストリーム102が中心軸230から離れて半径方向外向きに移動するにつれて、入口ストリーム102は、分離回転子184の回転によって引き起こされる増大するより大きな遠心力を受けるようになる。そのため、入口ストリーム102が分散部材252の周縁部286の周りを通過すると、遠心力により、入口ストリーム102は、半径方向外向きに移動するより重質な成分と、半径方向内向きに移動するより軽質な成分とに分離する。
【0212】
加えて、半径方向に延在する隔板272及び下部隔壁288(図11)は、導管420から分散部材252の周縁部286まで延在する複数の入口流体経路460に空間448を分割するように、分散部材252と床部264との間に延在する。各入口流体経路460は、中心軸230を中心とする空間448内の円の中で渦巻くのとは対照的に、入口ストリーム102を略線形経路に沿って半径方向外向きに流すように、隔板272/下部隔壁288の隣接する対の間に境界付けられる。入口ストリーム102のこの直線的な半径方向の流れは、この場合も、入口ストリーム102を入口ストリーム102のより重質成分及びより軽質成分への分離速度を増加させるように、中心軸230から離れるように迅速に移動させることを補助する。加えて、直線的な半径方向の流れは、乱流とは対照的に、入口ストリームを層流に維持するのに役立ち、これは、入口ストリーム102をより重質な成分とより軽質な成分とに分離するのを更に補助する。図示の実施形態では、6つの入口流体経路460(図11)が形成されている。代替的な実施形態では、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、若しくは10、又は前述の数のうちの任意の2つの間の範囲など、他の数の入口流体経路460が形成され得る。
【0213】
基部250の下部側壁266及びキャップ部254の上部側壁304は、組み合わさって、分離回転子184の外側側壁450を形成し、一方、挿入体256の内側側壁320は、分離回転子184の内側側壁320を形成する。外側側壁450及び内側側壁320は、組み合わさって、分離回転子184の側壁組立体452を形成し、この側壁組立体は、空間448が一部分を形成するコンパートメント454を取り囲む。
【0214】
図19の断面図により良く図示されているように、下部隔壁288は、空間448内で、分散部材252の開口部290から、又は開口部290に向かって、側壁組立体452まで、より具体的には、外側側壁450/下部側壁216まで半径方向外向きに突出している。その結果、下部隔壁288はまた、分散部材252の本体280と床部264との間に延在し、下部隔壁288は、開口部290の下流に開放連通しない3つの隔離された入口流体経路460を作り出す。
【0215】
同様に、上部隔壁336は、導管420から分散部材252の頂部表面282に沿って側壁組立体452まで、より具体的には、内側側壁320まで、その長さに沿って、内側側壁320(下部側壁266)の下方の外側側壁450まで半径方向外向きに突出している。その結果、レール292と組み合わされた上部隔壁336は、分散部材252の上方のコンパートメント454を複数の軽質成分流体経路456A~456Cに分割する。一実施形態では、軽質成分流体経路456A~456Cは、流体が軽質成分流体経路456A~456Cの間を自由に流れることができないように、互いに実質的に隔離されている。
【0216】
更に、各上部隔壁336はまた、上部隔壁336が周縁部286から側壁組立体452まで延在しているので、導管420から周縁部286まで分散部材252の頂部表面282に沿って半径方向に延在し、次いで、下部隔壁288の対応する1つと位置合わせされて交差する。その結果、隣接する下部隔壁288の間に境界付けられた各入口流体経路460は、対応する軽質成分流体経路456と位置合わせし、流体は、それらの間を通過する際に混合しない。すなわち、入口流体経路460に沿って対応する軽質成分流体経路456に移動する流体は、別個の入口流体経路460に沿って別個の対応する軽質成分流体経路456に移動する分離された流体と混合しない。この場合も、この構成は、流体が導管420/中心軸230の周りで円の中で渦巻くのとは対照的に、略線形経路に沿って継続的に流れるのを助け、流体が、乱流とは対照的に、より層状の流れで流れるのを維持するのを助け、これらの両方が、流体を重質成分と軽質成分とに分離するのを助ける。図示の実施形態では、3つの上部隔壁336及び3つの下部隔壁288が示されている。代替的な実施形態では、分離回転子184は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、12、15、18、21又はそれ以上の上部隔壁336及び下部隔壁288、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲で形成され得る。
【0217】
この場合も、前述のように、分離回転子184の回転によって生み出される遠心力の結果として、分散部材252の周縁部286の周りを通過する入口ストリーム102のより軽質な成分は、分離回転子184の第2の端部242において、軽質成分流体経路456のうちの対応する1つの中へ半径方向内向きに流れる。図13及び図18に示すように、分離された軽質成分は、軽質成分流体経路456を通り、注ぎ口360と導管420との間に境界付けられた軽質収集チャネル379を通って、軽質成分収集凹部444に流入することによって、分離回転子184の第1の端部240に向かって流れる。各軽質成分流体経路456からの軽質成分は、軽質成分収集凹部444内で組み合わさる。最後に、軽質成分は、第2の出口ストリーム106(図1図3、及び図5)として第2の出口ポート42を通って軽質成分収集凹部444から出て、前述のように更に処理又は移送され得る。
【0218】
引き続き図13を参照すると、動作中、封止部408は静止しており、分離回転子184の残りの部分とともに回転しているスリーブ390に当たるように載っている。封止部408とスリーブ390との間の摩擦係合は、封止部408を加熱し、その有効寿命を短縮し得る。封止部408の加熱を最小限に抑え、これにより、その有効寿命を延長するのに役立つように、封止部408は、スリーブ390の放熱部389に対して直接付勢する。前述したように、放熱部389の内部表面395は、軽質収集チャネル379の一部分を境界付ける。こうして、流体の軽質成分が軽質収集チャネル379を通って軽質成分収集凹部444に流入すると、流体は、放熱部389/スリーブ390を冷却し、それによって封止部408も冷却するように、放熱部389の内部表面395上を流れる。更に、前述したように、スリーブ390を比較的高い熱伝導性の材料から作製することによって、スリーブ390からの熱はより迅速に放散され、それによって、スリーブ390及び封止部408の冷却を更に改善する。
【0219】
軽質成分流体経路456内に半径方向内向きに流れる軽質成分とは対照的に、典型的には、細胞、微生物、その粒子、及び他の固体を含むより重質な成分は、側壁組立体452/外側側壁450に向かって半径方向外向きに流れる。分割器350が挿入体256の外部表面324から外向きに突出している結果として、挿入体256とキャップ部254との間に環状の円錐台形間隙462が形成される。分割器350の外縁部は、分割器350が環状の円錐台形間隙462を複数の別個の重質成分流体経路464A~464Fに分離するように、キャップ部254の内部表面300に対して着座する。すなわち、側壁組立体452は、複数の別個の重質成分流体経路464を境界付ける。各重質成分流体経路464は、挿入体256/内側側壁320の周縁部330に配設された開口部466を有する。
【0220】
動作中、入口ストリーム102が床部264と分散部材252との間の入口流体経路460を通って流出すると、流体の重質成分は、側壁組立体452/外側側壁450に向かって半径方向外向きに流れ、開口部466を通って対応する重質成分流体経路464に流入する。次いで、重質成分は、分離回転子184の第1の端部196に向かって重質成分流体経路464内を流れる。図13及び図18を参照すると、重質成分がステム組立体258に達すると、重質成分は、対応する重質収集チャネル382に流入し、スリーブ390上の開口部398を通って流出し、重質成分収集凹部446に流入する。異なる重質成分流体経路464の各々からの重質成分は、重質成分収集凹部446内でともに組み合わされる。最後に、重質成分は、リング410上の通路416を通過し、次いで、第1の出口ストリーム104(図1図3、及び図5)として第1の出口ポート40を通って出て、そこで、前述のように更に処理又は移送され得る。
【0221】
引き続き図13を参照すると、動作中、封止部406は静止しており、分離回転子184の残りの部分とともに回転しているスリーブ390に当たるように載っている。封止部406とスリーブ390との間の摩擦係合は、封止部406を加熱し、それらの有効寿命を短縮し得る。封止部406の加熱を最小限に抑え、これにより、それらの有効寿命を延長するのに役立つように、封止部406は、スリーブ390の部分388に対して直接付勢する。前述したように、放熱部388の内部表面395は、重質収集チャネル382の一部分を境界付ける。こうして、流体の重質成分が重質収集チャネル382を通って重質成分収集凹部446に流入すると、流体は、放熱部388/スリーブ390を冷却し、それによって封止部406も冷却するように、放熱部388の内部表面395上を流れる。更に、前述したように、スリーブ390を比較的高い熱伝導性の材料から作製することによって、スリーブ390からの熱はより迅速に放散され、それによって、スリーブ390及び封止部406の冷却を更に改善する。
【0222】
この場合も、分割器350を使用して重質成分流体経路464を形成して分離することは、重質成分流体経路464に流入し、それに沿って流れる重質成分が、中心軸230の周りで円の中で渦巻くのとは対照的に、略線形経路に沿って継続的に流れるのを助け、また、乱流とは対照的に、重質成分をより層状の流れに保つのを補助し、その両方が、流体の分離に役立ち、また、分離された細胞又は微生物への損傷又は有害であり得る過度の力の印加を制限する。図示の実施形態では、6つの分割器350が使用されて、6つの重質成分流体経路464を形成している。代替的な実施形態では、分離回転子184は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、12、15、18、21、26、32、38又はそれ以上の分割器350及び/又は重質成分流体経路464で形成され得るか、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲内にあり得る。
【0223】
図19に示すように、位置合わせされた上部隔壁336及び下部隔壁288はまた、対応する分割器350と半径方向に位置合わせされる。その結果、入口流体経路460から対応する位置合わせされた軽質成分流体経路456へ流れる流体は、対応する位置合わせされた重質成分流体経路464とのみ連通し得る。例えば、図19に示すように、入口流体経路460A、軽質成分流体経路456A、並びに重質成分流体経路464A及び464Bは、位置合わせされ、互いに連通する。ただし、それらは、上部隔壁336、下部隔壁288、及び分割器350によって、他の入口流体経路460B及びC、他の軽質成分流体経路456B及びC、並びに他の重質成分流体経路464C~464Fと自由に連通することを制限される。流体経路のこの構成及び隔離は、重質成分と軽質成分との分離を補助するのに役立つ。
【0224】
本開示の開発はまた、驚くべき予想外の結果を発見した。例えば、本明細書で説明するように、選択された入口流体経路460、軽質成分流体経路456、及び重質成分流体経路464の間の流体連通を隔離するために、上部隔壁336、下部隔壁288、及び分割器350を使用するとき、各軽質成分流体経路456を増加する数の重質成分流体経路464と流体連通させることにより、固体の分離効率が増加することが発見されている。例えば、以下に掲げるのは、3つの異なる分離回転子設計を動作させる3つの試験のパラメータ及び結果を掲げる表である。
【0225】
【表1】
【0226】
上記の3つの試験の各々において、分離回転子の回転を2,500回転/分に設定し、遠心分離機への入口ストリームを送達する供給速度を3リットル/分に設定し、入口ストリーム内の固体割合を10%に保持した。更に、3つの試験の各々において、分離回転子は、3つの離間した上部隔壁336A~336Cによって分離された3つの分離された軽質成分流体経路456A~456Cを有するように、本明細書で先に開示された分離回転子184と同様に設計された。ただし、各軽質成分流体経路456と連通する重質成分流体経路464の数は、試験ごとに異なった。
【0227】
試験1では、分離回転子184は、側壁組立体452が、それぞれ対応する上部隔壁336と位置合わせされた3つの分割器350のみを含むように設計された。こうして、各軽質成分流体経路456は、単一の重質成分流体経路464とのみ連通した。この試験では、固体の78.2%が、より重質な成分を収集する第1の出口ストリーム104に収集され、固体の21.8%が、より軽質な成分を収集する第2の出口ストリーム106に収集された。
【0228】
試験2では、他の全ての変数が一定に保たれた状態で、分離回転子184は、本開示と同じように設計され、側壁組立体452は、6つの分割器350を含み、1つおきの分割器は、対応する上部隔壁336と位置合わせされた。こうして、各軽質成分流体経路456は、2つの重質成分流体経路464と連通した。この試験では、固体の88.9%が、より重質な成分を収集する第1の出口ストリーム104に収集され、固体の11.1%が、より軽質な成分を収集する第2の出口ストリーム106に収集された。
【0229】
最後に、試験3では、全ての他の変数が一定に保たれた状態で、分離回転子184は、側壁組立体452が12個の分割器350を含み、4つおきの分割器が対応する上部隔壁336と位置合わせされていることを除いて、本開示と同様に設計された。こうして、各軽質成分流体経路456は、4つの重質成分流体経路464と連通した。この試験では、固体の96.6%が、より重質な成分を収集する第1の出口ストリーム104に収集され、固体の3.4%が、より軽質な成分を収集する第2の出口ストリーム106に収集された。
【0230】
試験結果は、位置合わせされた軽質成分流体経路456に対して重質成分流体経路464の数を増加させると、固体分離効率が増加することを裏付けている。これにより、本開示の一実施形態では、分離回転子184は、重質成分流体経路464と軽質成分流体経路456との比が1:1であるように形成され得るが、他の実施形態では、固体分離効率を改善するのを助けるために、分離回転子184は、比が少なくとも2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、8:1、10:1、20:1、40:1であるか、又は前述の比のうちの任意の2つの間の範囲内にあるように設計され得る。
【0231】
更に、いくつかの一般的な遠心分離機は、分離を補助するために角度付き側壁を使用する。一般に、側壁の角度付けは、2つの目的のためである、すなわち、1)重質成分が、収集及び潜在的な吐出のために共局在化された容積に流し込むことを促進すること、及び2)分離材料が分離のために移動しなければならない半径方向距離を短縮することによって、重質成分の分離時間を短縮すること、である。ただし、本開示はまた、分離を妨害し得る慣性流体流動効果を緩和する追加の目的のために、角度付き上部及び/又は下部側壁を採用する。
【0232】
回転しているチャンバを通って半径方向に流れる流体は、コリオリ効果(すなわち、慣性効果)を受ける。コリオリ効果は、回転軸に対して主に垂直に流れる流体に影響を与える。例えば、流体が半径方向内向きに流れるとき、流体の半径方向速度は、より大きな半径でチャンバによって与えられる流体の慣性に起因して、回転チャンバの半径方向速度に対して加速する。この速度差により、流体は、最外半径よりも小さいある半径でチャンバを追い越すことができ、次いで、最外半径に向かって戻るように流体を駆動する。全体として、コリオリ(慣性)効果は、回転軸に対して垂直な平面内で渦形成をもたらす流れ力学を与える。そのような渦は、遠心分離を妨害する流れを発生させ得る。本開示の一実施形態におけるような、軸方向に等距離のままである上部側壁及び下部側壁を有するチャンバでは、半径方向断面積は、半径に対して直線状に変化する。これにより、そのようなチャンバ内で半径方向に流れる流体は、チャンバの所与の半径方向断面積を通る流量を維持するように加速する。そのようなチャンバでは、流体の半径方向の加速は、コリオリ効果を悪化させ、渦を発生させる流体の流速を増大させる。
【0233】
これらの上記に記載の影響を緩和するのを補助するために、本開示の実施形態は、半径が減少するにつれてそれらの間の軸方向距離を延長する、上部側壁若しくは下部側壁、又はその両方を採用し得る。一実施形態では、上部側壁、例えば内側側壁320の内部表面322(図17及び図18)は、中心軸230、すなわち回転軸に対して40°~50°、より一般的には42°~48°又は43°~47°の範囲で角度付けされ得る。この結果得られる円錐台形状は、上記の流れ効果を緩和するのに役立ち得る。すなわち、膨張するチャンバ高さは、流体が半径方向に流れる半径方向断面積の変化を打ち消して、流体が半径方向に流れるときの流体の加速を減少させるか、排除するか、又は逆転させる。これにより、チャンバの追加の軸方向寸法は、流体が回転軸に垂直な平面から流出することを促進することによって、コリオリ効果による渦形成を妨害するように機能し得る。緩和を組み合わせることにより、チャンバ内の分離を乱す可能性がある強い渦形成につながる流体の複合加速を防止する。
【0234】
図20には、図1図5に関して上述したシステム及び代替形態において遠心分離機12として使用され得る遠心分離機12Bの別の代替的な実施形態が示されている。遠心分離機12Bは、遠心分離機12Aと実質的に同様であり、同様の要素は同様の参照符号によって識別される。更に、他に記載及び/又は図示されない限り、遠心分離機12B間の同様の要素は、遠心分離機12Aの対応する要素と同じように機能し、同じ代替形態を有し得ることを理解されたい。
【0235】
図20に示すように、遠心分離機12Bは、分離固定子180内で回転し、入口ストリーム102を重質成分と軽質成分とに分離するように機能する分離回転子184を含む。分離回転子184は、基部250、分散部材252A、挿入体256、キャップ部254、及びステム組立体258を含む。平坦プレートの形態の本体470を有する分散部材252とは対照的に、分散部材252Aは、図20及び図21に示すように、円錐台形構成を有する本体280と、それを通って中心に延在する開口部290とを備える。本体470は、開口部290から外周縁部286まで外向きに傾斜する、頂部表面282及び反対側の底部表面284を有する。3つの上部隔壁474A~474Cは、頂部表面282から外向きに突出している。上部隔壁474A~474Cは、開口部290から半径方向に延在し、周縁部286を越えて延在する自由端484で終端する。自由端484は、外側側壁450に突き当たるように設計されている。各上部隔壁474は、挿入体256の内部表面に対して着座するように構成された外縁部476を有し、それにより、軽質成分流体経路456A~456Cが上部隔壁474の各隣接する対の間に形成され、そこを通って軽質成分がステム組立体258に進む。図示の実施形態では、複数の細長い分割器486もまた、上部隔壁474の隣接する各対の間で分散部材252Aの頂部表面282から外向きに突出している。分割器は、開口部290から外周縁部286まで半径方向に延在している。ただし、分割器486は、外側側壁450まで延在していない。分割器486は、各軽質成分流体経路456A~456Cを部分的に細分する。ただし、各軽質成分流体経路456A~456Cの細分部間では、ある程度の流体連通が許容される。対照的に、流体連通は、異なる軽質成分流体経路456A~456Cの間で制限される。図示の実施形態では、3つの分割器486が、上部隔壁474の各対の間に形成されている。少なくとも1、2、4、5、6、8、又は10などの他の数の分割器486も使用され得る。
【0236】
遠心分離機12Bにも、導管420Aが形成されている。導管420Aの第1の端部426は、一対の動的封止部432A及び432Bによってノーズ部214の端壁218に回転可能に封止される。遠心分離機12Aとは対照的に、導管420Aの第2の端部428は、床部264及び駆動結合部186の中心を通過し、レース軸受などの環状軸受組立体478によって、受け部206の端壁210に回転可能に固定されている。封止部482は、導管420Aと床部264との間に形成され、液体がそれらの間から漏れるのを防止する。軸受組立体270は省かれており、そのため、軸受組立体404及び478は、分離固定子180内で分離回転子184を支持及び安定させるために使用される。複数の開口部480が、通路430と連通するように、床部264と分散部材252Aとの間で導管420Aを通って半径方向に延在している。3つの等間隔に離間された下部隔壁490は、床部264と分散部材252Aとの間に延在し、導管420Aから外側側壁450まで半径方向外向きに突出している。下部隔壁490は、対応する上部隔壁474と位置合わせし、交差している。下部隔壁490は、空間を、対応する軽質成分流体経路456A~456Cと連通する別個の隔離された入口流体経路460A~460Cに分割する。
【0237】
挿入体256の外周縁部330は、分散部材252Aの外周縁部から半径方向外側に配設されることに留意されたい。動作中、分離回転子184は、前述したように、駆動結合部186を使用することによって分離固定子180とともに回転する。入口ストリーム102は、入口ポート38に送達され、そこで導管420Aを通って下方に進み、開口部480を通って出て入口流体経路460に入る。流体ストリームは、外側側壁450に向かって半径方向外向きに流れる。より軽質な成分は、遠心分離機12Aに関して前述したように、軽質成分流体経路456に流入し、ステム組立体258の注ぎ口360を通って、軽質成分収集凹部444に流入し、第2の出口ポート42を通って流出する。同様に、より重質な成分は、遠心分離機12Aに関して前述したように、重質成分流体経路464に流入し、重質収集チャネル382を通って、重質成分収集凹部446に流入し、第1の出口ポート40を通って流出するように、半径方向外向きに流れる。
【0238】
図22及び図23には、図1図5に関して上述したシステム及び代替形態において遠心分離機12として使用され得る別の代替的な連続流遠心分離機12Cの例示的な実施形態が示されている。分離機12Cは、分離機12Aと同様の構成要素を有し、分離機12Aと同様に動作する。こうして、分離機12Aと12Cとの間の同様の要素は、同様の参照符号によって識別される。更に、明示的に又は本質的に別様に理解されない限り、従来の分離機に関して上述した代替形態、修正形態、動作、特性、及び機能は、分離機12Cにも適用可能である。
【0239】
一般に、遠心分離機12Cは、本体組立体130Cと、そこから外向きに突出する駆動体スリーブ132Cとを備える。例示的な図示する実施形態では、駆動体スリーブ132Cは、本体組立体130Cの一部分と単一の一体部材として一体的に形成されている。ただし、他の実施形態では、駆動体スリーブ132Cは、駆動体スリーブ132(図8)に関して前述したのと同じ様式で、本体組立体130Cに固定され得る。この場合も、以下でより詳細に説明するように、遠心分離機12Aの動作中、磁気駆動体148(図8)は、駆動体スリーブ132内に位置決めして回転され得る。以下でより詳細に説明するように、本体組立体130C/遠心分離機12Cは、入口ポート38、第1の出口ポート40、及び第2の出口ポート42を含む。
【0240】
引き続き図23を参照すると、駆動体スリーブ132Cは、開口部138Cを取り囲む外部表面134C及び内部表面136Cを備える。駆動体スリーブ132Cは、本体組立体130Cから延在する第1の端部140Cと、反対側の第2の端部141Cとを有する。例示的な実施形態では、駆動体スリーブ132Cは、円筒形スリーブ本体142Cと、内部表面136Cから半径方向内向きに突出し、かつ本体組立体130Cの床部に沿って外向きに突出する、複数の離間した補強フィン143Cとを含む。フィン143Cは、駆動体スリーブ132C及び本体組立体130Cの両方に補強及び構造的安定性を追加する。
【0241】
離間した孔146A~146Cは、外部表面134Cと内部表面136Cとの間で駆動体スリーブ132Cを通って延在し、以下でより詳細に説明するように、分離機12Cをスキッド又は他の構造体に解放可能に固定するために使用され得る。この実施形態では、3つの孔146A~146Cの全てが、駆動体スリーブ132Cの半分に形成されている。他の実施形態では、孔146A~146Cは、2つの孔又は4つ以上の孔で置き換えられ得る。更に他の実施形態では、孔146A~146Cは、外部表面134C内に延在する1つ以上の凹部、又はフランジ145(図8)等の外部表面134Cから外向きに突出する1つ以上のフランジと置換され得る。
【0242】
図24を参照すると、分離機12C/本体組立体130Cは、概して、分離固定子180Cと、分離固定子180C内に回転可能に配設される回転子組立体182Cとを備える。回転子組立体182Cは、分離固定子180内に回転可能に配設された分離回転子184Cと、分離回転子184Cに結合され、かつ分離固定子180C内に回転可能に配設され得る駆動結合部186Cとを備える。中心軸230Cは、分離固定子180C及び回転子組立体182Cの中心を通過し、回転子組立体182Cがその周りを回転する、参照番号230Cによっても識別される、回転軸と一致する。こうして、「中心軸230C」及び「回転軸230C」は、本明細書において同義的に使用される。
【0243】
図24及び図25に示すように、例示的な一実施形態では、分離固定子180Cは、使用前に互いに結合される基部190C及びヘッド部192Cを含む。例示的な一実施形態では、ヘッド部192Cは、ノーズ部214Cが結合されたテーパ状ネック部174Cを含む。分離固定子180Cは、内部表面202Cと、反対側の外部表面203Cとを有する。内部表面202Cは、回転子組立体182Cが少なくとも部分的に受容されるチャンバ194Cを境界付ける。組み立てられた分離固定子180Cは、ヘッド部192C/ノーズ部214Cが配設される第1の端部196Cと、基部190Cが配設される反対側の第2の端部198Cとを有する。中心軸230Cは、第1の端部196Cと第2の端部198Cとの間に延在している。分離固定子180Cは、入口ポート38、第1の出口ポート40、及び第2の出口ポート42を含み、それらは各々、第1の端部196Cにおいてヘッド部192/ノーズ部214C上に位置する。
【0244】
引き続き図24を参照すると、基部190C(すなわち、分離固定子180Cの第2の端部198C)は、環状側壁204Cまで半径方向外向きに延在する床部200Cを備える。側壁204Cは、床部200Cから直立し、第1の端部196Cに向かって突出している。環状装着フランジ205Cが、側壁204Cから外向きに突出している。一対のハンドル199A及び199Bは、フランジ205Cの両側の側部から半径方向外向きに突出している。ハンドル199は、分離機12Cを手動で持ち上げて搬送するために使用される。一実施形態では、側壁204Cの内部表面202Cは円筒形である。他の実施形態では、側壁204Cの内部表面202Cは、外向きに傾斜してもよい。駆動体スリーブ132Cは、典型的には、床部200C上に中心配置され、そこから外向きに突出している。受け部206Cは、床部200C上の中心に配設され、その外部表面203Cから外向きに突出している。受け部206Cは、駆動体スリーブ132Cによって取り囲まれるように、駆動体スリーブ132Cの開口部138C内に配設されている。例示的な一実施形態では、受け部206Cは、駆動体スリーブ132C内に同心円状に配設されている。受け部206Cは、チャンバ194Cの一部分を形成する凹部212Cを境界付けている。一実施形態では、受け部206Cは、床部200Cから突出し、端壁210Cで終端する側壁208Cを備える。一実施形態では、側壁208C及び凹部212Cの各々は、円筒形構成を有する。環状ノッチ211Cは、以下で更に詳細に説明するように、軸受組立体270Cを受容するために、床部200Cとの交点において側壁208C内に凹設され得る。受け部206Cは、磁気駆動体148/駆動回転子150(図8)の開口部166内に受容され得るように構成され、一方、磁気駆動体148/駆動回転子150は、駆動体スリーブ132Cの開口部138C内に受容されている。
【0245】
図23に戻ると、基部190C(すなわち、分離固定子180Cの第1の端部198C)はまた、前述のように、床部200Cの外部表面から外向きに突出するフィン143Cを備える。フィン143Cは、中心軸230C(図24)と平行に位置合わせされ得、受け部206Cの周りに等間隔で離間され得る。
【0246】
一実施形態では、遠心分離機12Cは、1回の使用後に使い捨てできるように設計されている。そのために、分離固定子180C、より具体的には、基部190C、ヘッド部192C、及び駆動体スリーブ132Cは、典型的には、ポリフッ化ビニリデン又はポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などのポリマー材料から作製され、一般に、射出成形又は回転成形などによって成形される。これらの材料及び製造方法は、分離固定子180Cが金属から作製された場合よりも安価に分離固定子180Cを製造することを可能にする。部分的に、フィン143Cは、より低強度のポリマー材料から作製されるとき、分離固定子180C及び駆動体スリーブ132Cに強度及び安定性を加えるように機能する。ただし、別の実施形態では、分離固定子180Cは、アルミニウム又はステンレス鋼などの強度がより高い金属、又は、代替的に、液晶ポリマー又はポリカーボネートなどの高強度ポリマーから作製され得る。そのような場合、フィン143Cは、省かれてもよい。
【0247】
図24及び図25を参照すると、ヘッド部192Cのノーズ部214Cは、上部端部において端壁218Cで終端する側壁216Cを有し、かつ反対側の下部端部において環状の外向きに突出するフランジ219Cを有する。ノーズ部214Cは、凹部213Cを境界付ける。一実施形態では、凹部213Cを境界付ける側壁216Cの内部表面202Cは、実質的に円筒形構成を有し得る。入口ポート38が、端壁218Cから中心に外向きに突出している。第1の出口ポート40及び第2の出口ポート42は、ノーズ部214Cの側壁から外向きに突出している。入口ポート38は、通路45を境界付け、出口ポート40及び42は、それぞれ通路47及び49を境界付ける。環状軽質成分収集凹部444Cが、通路45を取り囲み、凹部213Cと連通するように端壁218Cに凹設されている。軽質成分収集凹部444Cは、第2の出口ポート42の通路47と直接連通している。
【0248】
ヘッド部192Cのネック部174Cは、上部端部の環状装着フランジ227Cと、反対側の下部端部の環状装着フランジ228Cとの間に延在する環状移行壁220Cを含む。フランジ219C及び227Cは、ノーズ部214Cとネック部174Cとの間に気密封止部を形成するように、ねじ、ボルト、クランプなどの締結具221Cによって互いに結合され、Oリング223Cがそれらの間に配設されている。一実施形態では、移行壁220Cの少なくとも一部分は、円錐台形構成を有し、その内部表面202Cは、典型的には、中心軸230Cに対して、少なくとも30°、40°、50°、又は60°若しくはそれ未満、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲である角度で配設されている。図示の実施形態では、装着フランジ227C及び/又は228Cから延在する移行壁220Cの一部分は、円筒形であるか、又は移行壁220の残りの部分とは異なる構成を有し得る。ノーズ部214Cとネック部174Cを、締結具によって固定された2つの別個の部材として形成することにより、ヘッド部192Cの製造及び分離機12Cとの組み立てを単純化し得る。ただし、他の実施形態では、ノーズ部214C及びネック部174Cは、1つの一体部材として一体的に形成され、それによって、締結具の必要性を排除し得る。
【0249】
組み立て中、装着フランジ205C及び228Cは、回転子組立体182C/分離回転子184Cが分離固定子180C内に取り込まれるように互いに結合されている。装着フランジ205C及び228Cは、ねじ、ボルト、クランプ、又は他の締結具若しくは締結技術などの締結具233Cによって互いに結合され得る。Oリング235Cは、フランジ205Cと228Cとの間に配設されて、それらの間に気密封止部を形成する。
【0250】
回転子組立体182Cは、分離固定子180Cのチャンバ194C内に回転可能に位置決めされ、生物学的懸濁液又は他の混合物の入口ストリーム102(図1図5)を第1の出口ストリーム104及び第2の出口ストリーム106に分離するために使用される。図25を参照すると、前述のように、回転子組立体182Cは、分離回転子184Cと、回転子組立体182Cから延在する駆動結合部186Cとを含む。より具体的には、分離回転子184Cは、第1の端部240C及び反対側の第2の端部242Cを有し、それらの間で中心軸/回転軸230が中心に延在する。駆動結合部186Cは、分離回転子184Cの第2の端部242Cの中心に装着され、そこから外向きに突出し、それにより、中心軸230が中心を通過する。図24を参照すると、駆動結合部186Cは、典型的には、端面部246Cで終端する包囲側面244Cを有する。ねじ、ボルトなどの締結具247Cは、駆動結合部186Cを分離回転子184Cに固定するように、駆動結合部186C上に形成された開口部を通って延在し、ねじ接続又は他の技法などによって分離回転子184Cと係合し得る。例示的な実施形態では、せん断ピン249Cは、分離回転子184Cから駆動結合部186C上に形成された開口部251C内に突出している。せん断ピン249Cと駆動結合部186Cとの間の係合は、分離回転子184Cと駆動結合部186Cとが同時に回転することを確実にするのに役立つ。代替的な実施形態では、せん断ピン249Cは、駆動結合部186Cから外向きに突出し、かつ分離回転子184C上に形成された開口部251C内に突出し得る。
【0251】
駆動結合部186Cは、典型的には、円筒形構成を有し、図24に図示するように、受け部206Cの凹部212C内に回転可能に受容され得るように構成されている。駆動結合部186Cが受け部206C内で自由に回転し得るように、駆動結合部186Cの側面244Cと受け部206Cの側壁208Cとの間に間隙248Cが形成されている。
【0252】
例示的な一実施形態では、間隙248Cは、10mm、8mm、6mm、4mm、2mm未満、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲内である。典型的には、駆動結合部186Cの磁気回転を促進するのを助けるように、間隙248Cのサイズを最小限にすることが望ましい。駆動結合部186Cは、磁気駆動体148(図8)の磁石168によって生み出される磁場によって制御され得るような材料からなり、そのように構成されている。例えば、駆動結合部186は、別の磁石、又は鉄若しくは鉄複合材などの磁石に引き付けられる材料を含み得る。動作中、駆動結合部186Cは、受け部206C内に位置決めされ、一方、受け部206Cは、駆動回転子150(図8)のキャビティ162内に受容される。モータ169による駆動回転子150の回転は、磁石168によって駆動結合部186C上に生み出される磁力の結果として、駆動結合部186Cの同時回転を促進する。次に、駆動結合部186Cの回転は、それが取り付けられている分離回転子184Cの同時回転を促進する。代替的な実施形態では、一般に保護カバーとして機能する受け部206Cが省かれ得ることを理解されたい。この場合、駆動結合部186Cは、駆動回転子150のキャビティ162内に直接受容される。
【0253】
図26を参照すると、分離回転子184Cは、概して、駆動結合部186Cが取り付けられる基部250Cと、基部250C上に着座する分散部材252Cと、分散部材252C上に配設される円盤体スタック253Cと、基部250Cと結合するキャップ部254Cと、キャップ部254Cと円盤体スタック253Cとの間に取り込まれる挿入体256Cとを備える。ここで、分離回転子184Cの様々な要素について更に詳細に説明する。
【0254】
図27及び28に図示するように、基部250Cは、コンパートメント261Cを部分的に境界付ける内部表面260Cを有し、かつ反対側の外部表面262Cを有する。基部250Cは、床部264Cと、床部264Cの外周からキャップ部254Cに向かって上向きに突出する環状側壁266Cとを含む。側壁266Cは、以下、下部側壁266と称される。装着フランジ265Cは、上部端部側壁266を取り囲み、そこから半径方向外向きに突出している。凹部267Cは、床部264Cの内部表面260Cの中心に形成され、コンパートメント261Cと連通している。より具体的には、例示的な一実施形態では、ボウル269Cは、床部264Cの外部表面262C上に中心に形成され、外部表面262Cから外向きに突出している。凹部167Cは、ボウル269C内に形成されている。一実施形態では、ボウル269C及び凹部267Cの両方が、円形であり得る。装着部268Cは、中心軸230Aと位置合わせされてボウル269Cの外部表面262Cから外向きに突出している。ボウル269C及び凹部167Cは、任意選択であり、省かれ得る。使用されない場合、装着部268Cは、中心軸230Cと位置合わせされて床部264Cの外部表面262Cから直接外向きに突出し得る。駆動結合部186Cは、前述のように、締結具247Cなどによって、又は接着剤、圧入、ねじ結合などの他の締結技法によって、装着部268Cに固着される。
【0255】
複数の任意選択の冷却フィン271Cが、床部264C上に形成され、そこから外向きに突出している。例示的な一実施形態では、フィン271Cは、離間され、かつボウル269Cから離れて半径方向外向きに突出している。フィン271Cは、直線状又は曲線状であり得る。ボウル269Cが使用されない場合、フィン271Cは、中心軸230Cから離れて半径方向外向きに突出し得る。基部250Cは、少なくとも1、3、5、6、8、若しくはそれ以上のフィン271C、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲内で形成され得る。
【0256】
図24に戻ると、レース軸受などの環状軸受組立体270Cは、環状ノッチ211C内に受容され、分離回転子184Cの基部250Cと分離固定子180Cの基部190Cとの間に延在している。軸受組立体270Cは、分離固定子180Cに対して分離回転子184Cを支持し、中心配置し、安定させるように機能し、分離固定子180Cに対する分離回転子184Cの回転を容易にする。例示的な一実施形態では、軸受組立体270Cは、ボウル269Cの外部に対して固定されるか、又はそれに直接隣接して固定される。以下でより詳細に説明するように、ボウル269C/凹部267Cの機能の1つは、分離回転子184Cが軸受組立体270Cの使用によって分離固定子180Cに対して回転している動作中、処理されている生物学的懸濁液又は他の混合物が凹部267Cを通って流れ得、それによって隣接する軸受組立体270Cを冷却するのに役立つことである。すなわち、ボウル269C/凹部267Cは、ヒートシンクとして機能する。一実施形態では、軸受組立体270Cは、凹部276C及び/又はボウル269Cの一部分と水平に位置合わせされ、及び/又はそれを取り囲んでいる。
【0257】
冷却フィン271C(図28)はまた、軸受組立体270Cの冷却を補助するのに役立ち得る。すなわち、分離回転子184Cが軸受組立体270Cの使用を通じて分離固定子180Cに対して回転しているとき、フィン271Cは、分離回転子184Cと分離固定子180Cとの間の間隙内で回転する。フィン271Cは、軸受組立体270C上の間隙内の空気を移動させ、それによって、軸受組立体270Aを冷却するのに役立つ。
【0258】
図27に戻ると、複数の隔板272A~272Fが、床部264Cの内部表面260Cから上向きに突出している。隔板272は、均等に離間され、かつ中心軸230及び/又は陥凹267Cと位置合わせされて半径方向外向きに突出している。隔板272A、272C、及び272Eはまた、その長さに沿って形成された細長いスロット273が形成されている。以下でより詳細に説明するように、隔板272は、分散部材252Cを床部264Cの内部表面260Cから離間させ、かつ、基部250C及び分散部材252Cが同時に回転するように分散部材252Cを基部250Cに固定するように機能する。下部側壁266Cの内部表面260Cは、床部264Cの外周縁部から環状フランジ265Cまで外向きに傾斜する環状の円錐台形構成を有し得る。一実施形態では、下部側壁266Cの内部表面は、中心軸230に対して、少なくとも10°、15°、20°、25°、30°、35°若しくはそれ未満である外向きの角度で傾斜しているか、又は前述の角度のうちの任意の2つの間の範囲内にある。
【0259】
図29及び図30を参照すると、本明細書で説明するように、分散部材252Cは、様々な異なる構成を有し得る。現在図示している実施形態では、分散部材252Cは、頂部表面282C及び反対側の底部表面284Cを有する円形プレートの形態の本体280Cを備え、頂部表面282C及び反対側の底部表面284Cの各々は、外周縁部286Cまで延在している。開口部290Cは、両側の表面282C及び284Cの間を通過するように、中心軸230Cと位置合わせされて本体280Cを通って中心に延在している。下部隔壁288A、288B、及び288Cが、本体280Cの底部表面284Cから突出しており、これらは、典型的には、等間隔に離間されている。下部隔壁288は直線状であり、開口部290Cから径方向外側に突出している。下部隔壁288は、隔板272A、272C、及び272Eのスロット273C内に受容され、周縁部286Cを越えて突出する終端部291Cで終端するように構成されている。
【0260】
組立中、分散部材252Cは、隔板272A、272C、及び272E(図27)のスロット273C内に受容される分散部材252C(図30)の下部隔壁288A~288Cによって、基部250C(図26)上に配設され、それと相互係止される。終端部291Cは、基部250Cの下部側壁266Cの内部表面260Cに突き当るか、又は直接隣接して配設される。この組立体は、周縁部286Cが下部側壁266Cから均等に離間されることを確実にするように、分散部材252Cを床部264C上に中心配置し、また、中心軸230Cの周りの基部250Cの回転が分散部材252Cの同時環状回転を促進するように、分散部材252Cを基部250Cと相互係止されている。加えて、分散部材252Cの本体280Cは、基部250Cの床部264Cから離間しており、その結果、それらの間に空間448Cが形成される。以下で更に詳細に説明されるように、下部隔壁288及び隔板272は、生物学的懸濁液の分離を容易にするのを助けるために、分散部材252Cと床部264Cとの間の空間448Cを通って半径方向外向きに流れる入口流体チャネルを形成するように機能する。入口流体チャネルを形成しながら、分散部材252Cを床部264C上に固定して中心配置するために、様々な他の構造設計が使用され得ることを理解されたい。ただし、現在図示している実施形態は、別個の締結具の使用を必要とせずに、分散部材252Cの迅速かつ容易な位置決めを可能にするように独自に構成されている。
【0261】
図29にも示すように、分散部材252Cは、開口部290Cと位置合わせされて本体280Cの頂部表面282Cから外向きに突出する管状ステム部分289Cを更に備える。具体的には、ステム部分289Cは、開口部290Cと連通する通路293Cを境界付ける。保持レール296A~296Cは、頂部表面282Cから上向きに延在し、それぞれ下部隔壁288A~288Cと位置合わせされてステム部分289Cから半径方向外向きに突出している。各保持レール296A~296Cは、周縁部286Cの外側で対応する下部隔壁288A~288Cと交差し、終端部291Cまで延在し得る。各保持レール296は、ステム部分289Cに向かって上向きに傾斜する上縁部298Cと、周縁部286Cを越えて支持部分297Cから外向きに突出する延在部分299Cとを有する、三角形形状を有する支持部分297Cを含む。
【0262】
円盤体スタック253C(図26)は、互いに入れ子にされた複数の円盤体500Cを含む。図31及び図32に示すように、各円盤体500Cは、頂部面504C及び反対側の底部面506Cを有する円盤体本体502Cを備え、頂部面504C及び反対側の底部面506Cの各々は、相補的な円錐台形構成を有する。円盤体本体502Cは、中心内縁部508Cと外周縁部510Cとの間に延在している。内縁部508Cは、円形であり、かつ軸230Cが中心を通過する開口部512Cを取り囲んでいる。周縁部510Cも、典型的には、円形である。複数の離間した隔板514Cが、頂部面504Cから外向きに突出している。隔板514Cは、円盤体スタック253Cにともに入れ子にされたとき、特に円盤体スタック253Cが高速で回転されているときに、円盤体500Cを離間した状態に保持するように機能する。
【0263】
3つの半径方向に離間されたガイド516A~516Cが、円盤体本体502C上に形成されている。各ガイド516A~516Cは、軸230Cと半径方向に位置合わせされ、内縁部508Cと周縁部510Cとの間に配設されている。より具体的には、各ガイド516A~516Cは、細長く、内縁部508Cに向かって配設された第1の端部518Cと、周縁部510Cに向かって配設された反対側の第2の端部520Cとを有している。上部ノッチ522Cは、円盤体本体502Cを通過し、第1の端部518Cから内縁部508Cまで延在し、一方、下部ノッチ524Cは、第2の端部520Cから周縁部510Cまで延在している。各ガイド516A~516Cは、円盤体本体502Cの底部面506C上に形成された内側面526と、円盤体本体502Cの頂部面504C上に形成された外側面528Cとを有する。ガイドスロット530Cは、内側面526に凹設され、両側の端部518Cと520Cとの間に延在している。ガイドレール532Cは、外側面528Cから外向きに突出し、両側の端部518Cと520Cとの間に延在している。円盤体500Cが互いに入れ子にされると、1つの円盤体500Cのガイドレール532Cは、隣接する円盤体500Cのガイドスロット530C内に受容される。ガイドレール532Cとガイドスロット530Cとの間の結合は、部分的に、円盤体500Cの各々を同時に回転するように相互係止させるのを助けるように機能する。加えて、ガイドレール532C及びガイドスロット530Cは、流体が円盤体500Cの間を流れることができるように、円盤体500Cの間の適切な間隔を達成及び維持するのを助けるようにサイズ決めされる。円盤体500C間の間隔は、意図される使用形態及び動作に基づいて変化し得るが、一実施形態では、入れ子式円盤体500Cの各隣接対間の間隔は、典型的には、1.5cm、1cm、0.8cm、0.6cm、若しくは0.4cm未満であるか、又は前述の値のうちの任意の2つの間の範囲内である。円盤体500Cの数も、意図される使用形態に応じて変化し得る。一実施形態では、分離機に使用される円盤体500Cの数は、少なくとも1、3、5、7、10、12、15、若しくは20個以下、又は前述の数のうちの任意の2つの間の範囲内であり得る。最後に、ガイド516間の相互係止、すなわち、ガイドレール532Cとガイドスロット530Cとの間の相互係止は、流体が円盤体500Cの周りを半径方向に流れることを防止する、入れ子式円盤体500Cに沿った連続壁部分を形成する。例えば、図24は、壁部分534A及び534Bをそれぞれ形成する積み重ねられたガイド516A及び516Bを示す。
【0264】
図31に図示するように、各円盤体500Cはまた、細長いフローレール536A~536Cを含む。各フローレール536A~536Cは、隣接する一対のガイド516A~516Cの間に位置決めされ、開口部512C/軸230Cと半径方向に位置合わせされる。フローレール536A~536Cは、内縁部508Cと外周縁部510Cとの間に部分的に延在するが、それらの間に完全には延在しない。例示的な一実施形態では、内縁部508Cから周縁部510Cまでの半径方向直線距離は「D」である。各フローレール536A~536Cは、半径方向距離Dの20%~90%の範囲、より一般的には、半径方向距離Dの30%~80%又は40%~70%の範囲で延在する。他の寸法も使用され得る。フローレール536A~536Cは、典型的には、周縁部510Cから離間され、内縁部508Cまで延在している。ただし、他の実施形態では、フローレール536は、内縁部508Cから離間され得る。以下でより詳細に説明するように、動作中、液体は、ガイド516の間に境界付けられた別個のチャネルに沿って、周縁部510Cと内縁部508Cとの間を反対方向に半径方向に流れる。フローレール536の形成は、任意選択であるが、流体が別個のチャネル内で渦中で渦巻くことを制限又は排除するのに役立つ。渦中での流体の渦巻きは、流体の沈降及び分離を減少させる乱流を強め得る。換言すれば、フローレール536は、分離を補助する半径方向及び層状の流れを維持するのに役立つ。フローレール536A~536Cを周縁部510Cから後方に離間させることにより、流体が別個のチャネルの各々に自由に流入することが可能になる。
【0265】
組み立て中、円盤体500Cは、分散部材252Cの上に積み重ねられて、それと相互係止される。円盤体500Cは、漸進的に、又は群として、すなわち円盤体スタック253Cとして、積み重ねられ得る。図29及び図32を参照すると、円盤体500Cは、保持レール296の支持部分297Cの頂部縁部298Cが底部円盤体500C上の対応するガイドスロット530内に受容され、保持レール296の延在部分299Cが底部円盤体500Cの下部ノッチ524C内に受容されるように積み重ねられる。この位置決めは、円盤体550Cを分散部材252Cと相互係止させて、それらが同時に回転するようにし、また、保持レール296が、積み重ねられたガイド516Cによって形成された壁を分散部材252Cの本体280Cまで垂直方向に延在する結果となる。
【0266】
図26図35及び図36を参照すると、挿入体256Cは、本明細書では内側側壁320Cと称される環状側壁320Cを備える。内側側壁320Cは、第1の端部238Cと反対側の第2の端部326Cとの間に延在する内部表面322C及び反対側の外部表面324Cを有する。内側側壁320Cは、第1の端部238において環状の第1の部分560Cを含み、環状の第1の部分560Cは、キャップ部254C内に受容されるように構成された実質的に円筒形構成を有する。内側側壁320Cはまた、第2の端部326Cにおいて環状の第2の部分562Cを含み、環状の第2の部分562Cは、第1の部分560Cに向かって内向きに先細になる実質的に円錐台形構成を有する。一実施形態では、内側側壁320Cの第2の部分562Cの内部表面322Cは、中心軸230に対して35°~55°、より一般的には40°~50°又は42°~48°の範囲の角度で傾斜され得る。他の角度も使用され得る。内側側壁320Cの第2の端部326Cは、周縁部330Cで終端し、第1の端部328は、環状リップ332Cで終端する。リップ332Cは、中心軸230Cに沿って挿入体256Cの中心を通過する開口部334Cを取り囲んでいる。環状フランジ563Cは、第1の端部238Cにおいて側壁320Cを取り囲み、半径方向外向きに突出している。環状溝564Cは、リップ332Cのすぐ下方でフランジ563Cを取り囲み、その中に凹設されている。環状溝564Cは、Oリング566Cを受容するように構成されている。
【0267】
挿入体256Cは、内側側壁320Cの第1の部分560Cに沿って、かつ内側側壁320Cの第2の部分562Cの少なくとも一部分に沿って延在するように、挿入体256Cの開口部334C内に配設された管状導管部分570Cを更に備える。導管部分570Cの自由端571Cは、第1の端部238Cにおいて開口部334Cから突出している。導管部分570Cは、軸230Cが通って延在する通路部分572Cを境界付ける。3つの上部隔壁574A~574Cは、導管部分570Cの長さに沿って内側側壁320Cの内部表面322Cまで半径方向外向きに突出している。上部隔壁574A~574Cは、部分的に、導管部分570Cを内側側壁320Cに固定し、第1の部分560Cを通過する開口部334を3つの別個のチャネルに分離するように機能する。ブレース576Cはまた、各隣接する対の上部隔壁574A~574Cの間で導管部分570Cと側壁320Cとの間に半径方向に延在している。ブレース576Cは、第1の端部238Cで導管部分570Cを更に支持するように機能するが、典型的には、導管部分570Cの全長に延在せず、典型的には、上部隔壁574A~574Cほど長くない。図36に示すように、外側隔壁578A~578Cは、上部隔壁574A~574Cと半径方向に位置合わせされているが、上部隔壁574A~574Cから離間している。外側隔壁578A~578Cは、周縁部330Cを越えて突出するように、内側側壁320Cの第2の端部326Cにおいて内部表面322Cから外向きに突出している。外側隔壁578A~578Cは、それぞれ上部隔壁574A~574Cと半径方向に位置合わせされている。
【0268】
複数の半径方向に離間された部品の分割器350A~350Fが、内側側壁320Dの外部表面324Cから外向きに突出している。分割器350は、軸230Cと位置合わせされた内側側壁320Cの外部から半径方向外向きに延在し、第1の端部238Cにおけるフランジ563Cから第2の端部326Cにおける周縁部330Cまで長手方向に延在する線形レールの形態である。分割器350A、350C及び350Eは、それぞれ上部隔壁574A~574C及び外側隔壁578A~578Cと位置合わせされ、また、それぞれ外側隔壁578A~578Cと交差している。
【0269】
組み立て中、挿入体256Cは、円盤体500及び分散部材252の両方の上に置かれ、それらと相互係止される。詳細には、図29図31、及び図36を参照すると、挿入体256Cは、円盤体スタック253Cの上部に入れ子にされ、それにより、上部隔壁574A~574Cは、円盤体500Cの対応する上部ノッチ522を通過し、分散部材252Cの保持レール296A~296Cの上部端部とそれぞれ係合している。同時に、導管部分570Cの下部端部は、円盤体500Cの開口部512を通過し、分散部材252Cのステム部分289Cの上部端部と結合している。導管部分570C及びステム部分289Cは、組み合わせられて、通路569C(図24)を境界付ける導管568Cを形成している。挿入体256Cの外側隔壁578A~578Cは、円盤体500Cの下部ノッチ524Cを通過し、保持レール296A~296Cの延在部分299Cとそれぞれ係合している。この入れ子構成では、基部250Cの回転はまた、分散部材252C、円盤体500C、及び挿入体256Cの各々の現在の回転を促進する。
【0270】
図26及び図33を参照すると、キャップ部254Cは、第1の端部307Cと反対側の第2の端部308Cとの間に延在する内部表面300C及び反対側の外部表面302Cを有する。キャップ部254は、第1の端部307Cに配設された管状ステム358Cと、第2の端部308Cに配設された環状側壁304Cとを含む。側壁304Cは、以下、「上部側壁304C」と称される。上部側壁304C及びその内部表面300Cは、下部端部の環状フランジ305Cからステム358Cまで内向きに収縮する円錐台形構成を有する。一実施形態では、側壁304Cは、その内部表面300Cが中心軸230Cに対して35°~55°、より一般的には40°~50°又は42°~48°の範囲の角度で傾斜するように構成されている。他の角度も使用され得る。
【0271】
図34で最もよく分かるように、組み立て中、キャップ部254Cは、フランジ256C及び305Cを覆うことによって基部250Cに結合されている。適切な位置合わせ及び中心配置を確実にするのを助けるために、フランジ305Cから直立する環状隆起部540Cは、フランジ265C上に形成された環状スロット542C内に受容され得る。別の実施形態では、隆起部540Cとスロット542Cは、逆にされ得る。フランジ256C及び305Cが重ね合わされた状態で、貫通して延在するねじ穴546C(図26)を有する環状装着リング544Cを、フランジ265Cの底部面に対して位置決めされ得る。次に、ねじ、ボルトなどの締結具548を、フランジ305C及び265Cの位置合わせされた開口部を通して下方に前進させ、装着リング544の穴546にねじ込み得る。装着リング544Cは、典型的には、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属で作製され、フランジ256Cと305Cとの間に強化された均一な圧縮を提供すると同時に、増大した構造的安定性を追加する。三角形又はくさび形などのテーパ状の環状スロット550Cが、フランジ256Cとフランジ305Cとの間に形成されている。キャップ部254Cと基部250Cとの間に気密封止部を形成するように、Oリング552Cがスロット550C内に受容されて圧縮される。スロット550Cがテーパ状である結果として、流体圧力が分離回転子184C内で増加するにつれて、Oリング552Cは、収縮スロット550C内に更に押圧され、これは、Oリング552Cの封止効果を更に向上させる。
【0272】
図26に戻ると、ステム358Cは、実質的に円筒形構成を有し、中心軸230がステム358Cの中心を通過するように、上部側壁304Cから外向きに突出している。図示の実施形態では、ステム358Cは、キャップ部254Cとともに単一の一体部材として一体的に形成されている。ただし、他の実施形態では、ステム358Cは、キャップ部254Cに別個に装着され、固定され得る。以下で更に詳細に説明するように、ステム358Cは、軸230Cと位置合わせされて貫通して延在する端部開口部556Cを有する端面部544Cで終端する。複数の半径方向に離間された側部開口部558Cが、内部表面300Cと外部表面302Cとの間でステム358Cを通って横方向に延在している。一実施形態では、6つの側部開口部558Cが形成され、側部開口部558Cの全てが、軸230Cに直交する共通平面内に配設されている。他の数の側部開口部558Cも形成され得る。
【0273】
図21を参照すると、キャップ部254Cが挿入体256C上に配置され、基部250Cに固定されると、前述したように、挿入体256Cの第1の部分560Cがキャップ部254Cのステム358C内に受容される。導管568Cの自由端571Cは、ステム358Cの端部開口部556Cを通って突出し、Oリング566Cは、挿入体256Cの第1の部分560Cと、側部開口部556Cの上方のステム348Cの内部表面との間に封止部を形成している。組み立てられた状態では、基部250C、分散部材252C、挿入体256C、円盤体500C、及びキャップ部254Cは、互いに固定され、基部250Cが回転すると同時に回転する。
【0274】
組み立てられた分離回転子184Cは、分離固定子180C内に封入される。詳細には、前述したように、分離回転子184Cの基部250Cは、軸受組立体270C上に支持されるように分離固定子180Cの基部190C内に着座される。この位置では、駆動結合部186Cは、受け部206C内に自由に配設される。ヘッド部192Cのネック部174Cは、前述したように、締結具233C及びOリング235Cを使用して基部190Cに固定される。ネック部174Cを装着するのと同時に、又はそれに続いて、ヘッド部192Cのノーズ部214Cは、前述のように、締結具221C及びOリング223Cを使用してネック部174Cに固定される。
【0275】
基部250C、分散部材252C、円盤体500C、挿入体256C、及びキャップ部254Cの各々は、典型的には、液晶ポリマー、ポリカーボネート、PVDF、HDPE、PEI、PEEKなどのポリマー材料から作製される。異なる部分は、同じ材料又は異なる材料から作製され得る。先に述べたように、部品をポリマー材料から作製することにより、遠心分離機のコストが最小限に抑えられ、その結果、遠心分離機を1回使用した後に経済的に廃棄され得、それによって、その後の滅菌又は他の洗浄の必要性が回避される。ただし、代替的な実施形態では、部品のうちの1つ以上は、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属から作製され得る。
【0276】
図37を参照すると、組み立て中、軸受組立体及び様々な封止部が、ノーズ部214C/ヘッド部192Cと回転子組立体182Cの上部端部との間に位置決めされる。具体的には、導管568C/導管部分570Cの自由端571Cは、組み立て中に入口ポート38の通路45内に受容される。動的封止部580Cは、導管568Cがヘッド部192C/ノーズ部214Cに対して回転することを可能にする、導管568Cとヘッド部192C/ノーズ部214Cとの間の封止部を形成するために使用される。例示的な一実施形態では、動的封止部580Cは、ばね荷重式であり得る。例えば、図示の実施形態では、動的封止部580Cは、ばね荷重回転面封止部を含む。他のタイプの動的封止部も使用され得る。
【0277】
動的封止部580Aは、入口ポート38の通路45を取り囲む環状ノッチ584A内に受容され固定される環状装着部582Aを含む。環状の静的封止要素586Aが、導管568Cの自由端を取り囲むように装着部582Aに固定されている。一実施形態では、静的封止要素586Aは、セラミックリングを含む。環状装着部588Aが、導管570Cの外側の周りに固定されている。環状の動的封止要素590Aが、静的封止要素586Aに対して着座するように装着部588Aに固定されている。動的封止要素590Aは、動的封止要素590Aが静的封止要素586A上で回転されると、静的封止要素586Aとともに摩耗可能な封止部を形成する材料から作製される。静的封止要素586A及び動的封止要素590Aの材料は、従来の回転ポンプ封止部に使用されるものと同一であり得る。装着部582A及び/又は装着部588Aは、典型的には、可撓性のエラストマー材料から作製され、一般に、静的封止要素586A及び動的封止要素590Aよりも可撓性が高い。ばね592Aの一方の端部は、ブレース576C及び/又は上部隔壁574(図35)に対して着座するように、挿入体256Cの端部に形成された凹部594C内に配設されている。ばね594Aの反対側の端部は、動的封止要素590Aを静的封止要素586Aに対して荷重をかけるか又は押圧するように、動的封止要素590Aを弾性的に押圧する。装着部588Aの可撓性は、動的封止要素590Aが、使用中の回転子組立体182Cの膨張及び/又は収縮に適応し、動的封止要素590A及び/又は静的封止要素586Aの摩耗を考慮しながら、それらの間の液密封止部を依然として達成するように、ばね592Aによって押圧されながら、軸230Aに沿って浮動又は移動することを可能にする。動的封止部580Cを考慮すると、入口ポート38に入り、通路45に沿って移動する流体は、導管568Cの通路569Cに入り、下方に移動するように強制される。
【0278】
レース軸受などの軸受組立体596Cは、分離回転子184Cのキャップ部254Cとヘッド部192C/ノーズ部214Cとの間に延在している。軸受組立体596C及び270C(図24)は、回転子組立体182C/分離回転子184Cが分離固定子180A内で回転することを可能にしながら、回転子組立体182C/分離回転子184Cを分離固定子180C内で支持及び安定させる。動的封止部580Bは、側部開口部558Cの下方でヘッド部192C/ノーズ部214Cと分離回転子184Cとの間に延在し、動的封止部580Cは、側部開口部558Cの上方でヘッド部192C/ノーズ部214Cと分離回転子184Cとの間に延在している。一実施形態では、動的封止部580B及び580Cは、この場合も、ばね荷重式であり、ばね荷重式回転面封止部を含み得る。他のタイプの動的封止部も使用され得る。動的封止部580B及び580Cは、動的封止部580Aと実質的に同じ要素を有するように図示されている。こうして、同様の要素は、同様の参照文字によって識別されるが、対応する封止部の文字を有する。例えば、動的封止部580Bは、ヘッド部192C/ノーズ部214Cに固定された環状装着部582Bと、装着部582Bに固定された環状静的封止要素586Bとを含む。環状隔板582Bは、軸受組立体596Cと装着部586Cとの間に延在し得る。次に、環状装着部588Bが分離回転子184Cに固定され、環状動的封止要素590Bが装着部588Bに固定される。動的封止要素590Bは、静的封止要素586Bに対して配設され、それらの間に封止部を形成する。この場合も、装着部582B及び/又は588Bは、動的封止要素590B又は静的封止要素586Bよりも可撓性が高い可撓性エラストマー材料から作製され得、それによって、動的封止部580Bの浮動又は移動を可能にする。動的封止部580Cは、側部開口部558Cの反対側の側部に同様に構築される。単一のばね592Bは、動的封止部580B及び580Cに対して荷重をかけるか又は押圧するように、装着部588Bに対して付勢された一方の端部と、装着部588Cに対して装着された反対側の第2の端部とを有する。その結果、単一のばね592Bは、2つの別個の動的封止部とともに動作することができる。ばね592Bは、キャップ部254Cを取り囲み、動的封止部580Bと580Cとの間に延在する環状重質成分収集凹部446C内に位置決めされる。第1の出口ポート40は、重質成分収集凹部446Cと位置合わせされて連通し、一方、重質成分収集凹部446Cは、側部開口部558Cと位置合わせされて連通する。こうして、側部開口部558Cを通って流出する流体は、第1の出口ポート40の通路49を通って流出するように強制される。
【0279】
図38を参照すると、動作中、モータ169は、中心軸230Cの周りで分離固定子180Cに対して駆動回転子150を回転させるように作動中である。次に、磁石168によって生み出される磁力は、前述のように、駆動結合部186Cに作用して、駆動結合部186C及び分離回転子184Cを中心軸230の周りに分離固定子180に対して同時に回転させる。動作中、分離回転子184Cは、典型的には、少なくとも1,000回転/分、2,000回転/分、2,500回転/分、3,000回転/分、若しくは3,500回転/分(RPM)の速度での速度で、又は前述の値のうちの任意の2つの間の範囲内で回転する。用途に応じて、他の速度も使用され得る。
【0280】
分離回転子184Cの回転が作動されると、懸濁液18の入口ストリーム102(図1図3、及び図5)は、入口ポート38に通され、中心軸230Cに沿って導管568Cを通り、分散部材252Cの開口部290Cを通って移動し、分散部材252Cと分離回転子184Cの床部264Cとの間の空間448Cに入る。入口ストリーム102は、分散部材252Cの周縁部286Cに向かって空間448C内を全方向に半径方向外向きに流れる。部分的に、分散部材252Dは、入口ストリーム102Cが重質成分と軽質成分とに分離し始める速度及び力を最大にするように、入口ストリーム102を中心軸230Cから半径方向外向きに強制的に流すように機能する。具体的には、入口ストリーム102が中心軸230Cから離れて半径方向外向きに移動するにつれて、入口ストリーム102は、分離回転子184Cの回転によって引き起こされる増大するより大きな遠心力を受けるようになる。そのため、入口ストリーム102が分散部材252Cの周縁部286Cの周りを通過すると、遠心力により、入口ストリーム102は、半径方向外向きに移動するより重質な成分と、半径方向内向きに移動するより軽質な成分とに分離する。
【0281】
加えて、半径方向に延在する隔板272及び下部隔壁288は、導管420Cから分散部材252Cの周縁部286Cまで延在する複数の入口流体経路460C内の空間448を分割するように、分散部材252Cと床部264Cとの間に延在する。各入口流体経路460Cは、中心軸230の周りの空間448C内の円の中で渦巻くのとは対照的に、入口ストリーム102を、概して線形経路に沿って半径方向外向きに強制的に流すように、隔板272C/下部隔壁288Cの隣接する対の間で境界付けられる。入口ストリーム102のこの直線的な半径方向の流れは、この場合も、入口ストリーム102をより重質な成分とより軽質な成分とに分離する速度を増加させるように、入口ストリーム102を中心軸230Cから離れるように迅速に移動させるのを補助する。加えて、直線的な半径方向の流れは、乱流とは対照的に、入口ストリーム102を層流に維持するのに役立ち、これは、入口ストリーム102をより重質な成分とより軽質な成分とに分離するのに更に補助する。図示の実施形態では、6つの入口流体経路460C(図27)が形成されている。代替的な実施形態では、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、若しくは10、又は前述の数のうちの任意の2つの間の範囲など、他の数の入口流体経路460Cが形成され得る。更に、入口ストリーム102が入口流体経路460Cに沿って半径方向外向きに流れると、流体はまた、床部264C上に形成された凹部267Cを通って流れる。前述したように、凹部267Cを通って流れる流体は、隣接する軸受組立体270Cを冷却するのを補助する。
【0282】
基部250Cの下部側壁266C及びキャップ部254Cの上部側壁304Cは、組み合わされて、分離回転子184Cの外側側壁450Cを形成し、一方、挿入体256Cの内側側壁320Cは、分離回転子184Cの内側側壁320Cを形成する。外側側壁450C及び内側側壁320Cは、組み合わされて、分離回転子184Cの側壁組立体452Cを形成し、この側壁組立体は、空間448Cが一部分を形成するコンパートメント454Cを取り囲む。
【0283】
図39の断面図により良く図示されているように、下部隔壁288Cは、空間448C内で、分散部材252Cの開口部290Cから又はそれに向かって側壁組立体452Cまで、より具体的には、外側側壁450C/下部側壁216Cまで半径方向外向きに突出している。その結果、下部隔壁288は、分散部材252Cの下方に3つの隔離された入口流体経路460を形成する。
【0284】
同様に、図24及び図29に図示するように、3つの壁600A~600Cがコンパートメント454C内に形成され、これらの壁は、導管568Cから内側側壁320C及び下部側壁266Cの両方に半径方向外向きに延在し、基部280Cの頂部表面282Cから挿入体256Cの第1の端部238Cまで、典型的には、側部開口部558Cの上方まで長手方向に延在している。壁600A~600Cは、分離回転子184Cに沿って長手方向に延在し、流体の一部分が通過する複数の軽質成分流体経路456A~456Cを境界付ける。壁600A~600Cは、流体経路456A~456C内を移動する流体が導管568Cを半径方向に取り囲むことを防止又は制限する。図24には、壁600Aの側面図が図示されている。そこに示すように、壁600Aは、保持レール296A、外側隔壁578A、上部隔壁574A、及び積み重ねられたガイド516Aの組み合わせから形成されている。他の壁600B及びCも同様に、それぞれ対応する保持レール296、外側分離機578、上部隔壁574、及び積み重ねられたガイド516B及びCから形成されている。
【0285】
壁600A~600Cはまた、それぞれ下部隔壁288A~288Cと位置合わせされて、交差する。その結果、隣接する下部隔壁288の間に境界付けられた各入口流体経路460は、対応する軽質成分流体経路456と位置合わせし、流体は、それらの間を通過する際に混合しない。すなわち、入口流体経路460に沿って対応する軽質成分流体経路456に移動する流体は、別個の入口流体経路460に沿って別個の対応する軽質成分流体経路456に移動する分離された流体と混合しない。この場合も、この構成は、流体が導管568C/中心軸230Cの周りで円の中で渦巻くのとは対照的に、略線形経路に沿って継続的に流れるのを助け、流体が、乱流とは対照的に、流体がより層流で流れるのを維持するのを助け、これらの両方が、流体を重質成分と軽質成分とに分離するのを助ける。図示の実施形態では、3つの壁600及び3つの下部隔壁288が示されている。代替的な実施形態では、分離回転子184は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、12、15、18、21又はそれ以上の壁600及び下部隔壁288、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲で形成され得る。
【0286】
図33図35図38及び図39を参照すると、複数の重質成分流体経路が挿入体256Cとキャップ部254Cとの間に形成されている。具体的には、分割器350A~350Fが挿入体256Cの外部表面324Cから外向きに突出している結果として、環状の円錐台状間隙462Cが、挿入体256Cの内側側壁320Cとキャップ部254Cの内部表面300Cとの間に形成されている。分割器350A~350Fの外側縁部は、分割器350A~350Fが環状の円錐台状間隙462Cを複数の別個の重質成分流体経路464A~464Fに分割するように、キャップ部254Cの内部表面300Cに対して着座する。すなわち、側壁組立体452Cは、複数の別個の重質成分流体経路464A~464Fを境界付ける。各重質成分流体経路464は、挿入体256C/内側側壁320Cの周縁部330Cに配設された開口部466Cを有する。例えば、図38は、重質成分流体経路464Aを示す。壁600A~600Cは、典型的には、分割器350A、350C、及び350Eとそれぞれ位置合わせする。
【0287】
重質成分流体経路464A~464Fを形成及び隔離するために分割器350Cを使用することは、重質成分流体経路464に流入し、それに沿って流れる重質成分が、中心軸230Cの周りで円の中で渦巻くのとは対照的に、略線形経路に沿って継続的に流れるのを助け、また、乱流とは対照的に、重質成分をより層状の流れに保つのを補助し、その両方が、流体の分離に役立ち、また、損傷又は有害であり得る分離された細胞又は微生物に対する過度の力の印加を制限する。図示の実施形態では、6つの分割器350A~350Fが使用されて、6つの重質成分流体経路464A~464Fを形成している。代替的な実施形態では、分離回転子184Cは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、12、15、18、21、26、32、38又はそれ以上の分割器350及び/又は重質成分流体経路464で形成され得るか、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲内であり得る。
【0288】
図38を参照すると、分離回転子184Cの回転によって生み出される遠心力の結果として、入口ストリーム102のより軽質な成分は、最初に、開口部290Cから離れて半径方向外向きに流れ、分散部材252Cの周縁部286Cの周りを通過し、次いで、分離回転子184Cの第2の端部242Cにおいて、軽質成分流体経路456のうちの対応する1つの中に半径方向内向きに流れる。より軽質な成分が流体経路456に流入すると、流体は円盤体500Cの間を移動し、そこで流体が更に分離され得る。すなわち、流体が円盤体500Cの間を移動するとき、軽質成分のより重質な部分は、円盤体500Cの底部面506Cに向かって分離し、重質成分流体経路464のうちの1つに向かって下方及び半径方向外側に流れ、一方、軽質部分は、円盤体500Cの頂部面504Cに向かって分離し、導管568Cに向かって半径方向内向きに流れる。より軽質な成分が円盤体500Cの間から流出すると、より軽質な成分は、導管568Cと挿入体256Cとの間のチャネルに沿って第1の端部196Cに向かって流れ、挿入体256Cの端部を通り、軽質成分収集凹部444Cを通り、第2の出口ポート42を通って第2の出口ストリーム106(図1図3、及び図5)として流出する。次いで、第2の出口ストリーム106は、前述のように、更に処理又は移送され得る。
【0289】
軽質成分流体経路456内に半径方向内向きに流れる軽質成分とは対照的に、典型的には、細胞、微生物、その粒子、及び他の固体を含む重質成分は、側壁組立体452C/外側側壁450Cに向かって半径方向外向きに流れ、より具体的には、流体の重質成分は、開口部466Cを通って対応する重質成分流体経路464に流入する。次に、重質成分は、分離回転子184Cの第1の端部196Cに向かって重質成分流体経路464内を流れる。重質成分が第1の端部196Cに到達すると、重質成分は、側部開口部558Cを通り、重質成分収集凹部446Cを通り、次いで、第1の出口ポート40を通って第1の出口ストリーム104(図1図3、及び図5)として流出する。次いで、第1の出口ストリーム104は、前述のように、更に処理又は移送され得る。
【0290】
図34に戻ると、前述のように、重質成分は、開口部466Cを通過して重質成分流体経路464に入る。開口部466C及び重質成分流体経路464は、外側側壁450Cと内側側壁320Cとの間で境界付けられる。動作中、重質成分の粒子は、狭窄開口部466Cに集まり、ペレットを形成し得る。これらのペレットは、開口部466Cを通って重質成分流体経路464に入る重質成分の流れを遮断又は制限し得る。分離機12C及び本明細書に開示する他の分離機は、ペレットの形成を最小限に抑え、及び/又は形成後にペレットを取り除くのを助けるように、異なる様式で動作され得、及び/又は異なる設計に変更され得る。例えば、図5に示すようなポンプ100Aを第1の出口ストリーム104に適用して、重質成分流体経路464を通して重質成分流体を引き出し得る。ポンプ100Aの流量を上昇させることにより、ペレットの形成を最小限にし、及び/又は形成されたペレットを開口部466を通して第1の出口ポート40から引き出し得る。例えば、ポンプ100Aは、第1の流量で動作され、次いで、第1の流量よりも高い第2の流量で周期的に動作されてもよい。より高い流量での周期的動作により、ペレットの形成を最小限に抑え、及び/又は形成されたペレットを開口部466を通して第1の出口ポート40から引き出し得る。より高い流量でのポンプ100Aの動作は、設定された時間間隔に基づくか、又は流量及び/若しくは圧力読取値などの感知された動作パラメータに基づき得る。より高い流速での動作は、自然分離プロセスを著しく妨害しないように、短い時間間隔のみとし得る。例えば、ポンプ100Aは、30秒、20秒、10秒、5秒未満、又は前述のうちの任意の2つの間の範囲の時間間隔の間、高流量で動作されてもよい。
【0291】
内側側壁320Cの形状はまた、ペレットの形成及び/又は除去を制御するのに役立つように変更され得る。例えば、図34に示す実施形態では、内側側壁320Cの第2の端部は、円形端面部614Cで終端する環状先端部612Aを有する。図示の実施形態では、先端部612Aの両側の側部322C/324Cは、内側側壁320Cの中心部分の両側の側部322C/324Cと平行であり、それと位置合わせされたままである。図40に示す代替実施形態では、内側側壁320Cは、軸230Cに向かって半径方向内向きに湾曲又は屈曲する、環状先端部612Bを有するように形成され得る。例えば、内側角部又は湾曲部が、先端部612Bにおいて内側側壁320Cの内部表面322C上に形成され得る。この構成は、隣接する外側側壁450Cの配向と同様の配向を有する先端部612Bをもたらし、開口部466Cを通してより大きな粒子及び/又はペレットを供給するのに役立ち得る。
【0292】
図41に示す別の代替的な実施形態では、内側側壁320Cは、軸230Cから離れて半径方向外向きに湾曲又は屈曲する、第2の端部における環状先端部612Cを有するように形成され得る。例えば、内側角部又は湾曲部が、先端部612Cにおいて内側側壁320Cの外部表面324C上に形成され得る。この構成により、開口部466Cの幅が狭められる。開口部466Cの狭窄は、開口部466Cにおいて直接的に流量を増加させ、これは、より大きい固体粒子及び/又はペレットを開口部466Cを通して引き込み、次いで、より大きい固体粒子及び/又はペレットが下流に移動するのに役立ち得る。
【0293】
遠心分離機12A、12B、及び/又は12Cは、前述の利点に加えて、いくつかの独自の利点を有する。例えば、培地から細胞を分離するために使用される多くの従来技術の遠心分離機は、連続流とは対照的にバッチモードでしか動作できない。すなわち、遠心分離機は、懸濁液の規定されたバッチを装填され、規定されたバッチの分離を促進するように動作され、次いで、停止され、分離のために懸濁液の新しいバッチを再装填される。他の従来技術の遠心分離機では、遠心分離機は、システムをバックフラッシュするか、又はその中に収集された成分を取り除くために、動作期間後に一時的に停止されなければならない。対照的に、本発明の遠心分離機12A~12Cは、新しい懸濁液を再装填し、収集された成分を取り除くために、又はシステムを洗浄するために停止する必要なく、連続的に動作され得る。そのため、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「連続流」遠心分離機は、その中に収集された成分を取り除くために、又は分離機を洗い流すために、遠心分離機を停止する必要なく、流体ストリームを連続的に分離し得る遠心分離機である。例えば、遠心分離機12A~12Cは、少なくとも30分、1時間、2時間、3時間、6時間、12時間、24時間、48時間以上の長期間にわたって、懸濁液18の入口ストリーム102を出口ストリーム104及び106の両方に連続的に分離するように動作され得、収集された成分を取り除くために、又はシステムを洗浄するために停止する必要はない。そのため、本開示の利点のうちの1つは、入口ストリーム102が遠心分離機12A~12Cに流入している間に、出口ストリーム104及び106が遠心分離機12A~12Cから同時に流出し得ることである。
【0294】
更に、遠心分離機12A~12Cは、連続フロープロセスで動作するため、懸濁液18の処理は、停止時間が少ないのでより迅速である。こうして、細胞及び微生物は、より少ないストレスを受ける。例えば、図1の灌流システムにおいて、遠心分離機12A~12Cは、細胞及び微生物が容器14内の散布気体及び栄養素から分離される時間量が最小限に抑えられ、それによって細胞及び微生物に対するストレスが最小限に抑えられるように、入口ストリーム102を出口ストリーム104及び106に迅速かつ連続的に分離し、出口ストリーム104を容器14に戻すことができる。更に、遠心分離機12A~12Cの構成のために、細胞及び微生物が分離機を通過するときに細胞及び微生物に加えられる機械的応力は最小限である。
【0295】
遠心分離機の実施形態の更なる利点は、それらが少数の部品を有し、製造するのに単純かつ安価であり、それによってそれらを1回の使用後に使い捨てにすることである。例えば、分離固定子180及び分離回転子184はポリマーから簡単に成形することができるので、本体組立体130を製造するための材料コストは比較的安価である。それにより、懸濁液18が容器14から完全に処理されると、本体組立体130は、再循環などによって簡単に廃棄され得、それによって洗浄又は滅菌のいかなる必要性も回避される。次いで、新しい量の懸濁液18を保持する新しい容器14を処理するために、新しい本体組立体130を磁石駆動体132とともに使用し得る。磁石駆動体132は懸濁液18に直接接触しないので、磁石駆動体132は、滅菌又は洗浄を必要とせずに繰り返し再使用され得る。
【0296】
遠心分離機12A~12Cの別の利点は、本体組立体130が出荷及び使用の前に容易に滅菌され得ることである。例えば、本体組立体130が組み立てられると、上記で説明したように、それは、密閉され、次いで、ガンマ線照射などの照射によって滅菌され得る。使用される材料に応じて、いくつかの実施形態はまた、オートクレーブによって滅菌され得る。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「無菌の」及び「滅菌された」という用語は、細菌又は他の生きている微生物を含まないことを意味する。本体組立体130は最小限の金属部品を含むので、照射プロセスに対する干渉は最小限である。
【0297】
最後に、遠心分離機12A~12Cの独特の構成は、固体の高効率分離を可能にする。他の利点も存在する。
【0298】
本明細書に開示する遠心分離機及び組立体は、詳細に記載される可搬型及びモジュール式スキッドに組み込まれ得る。図42及び図43は、それぞれ、例示的な遠心分離機スキッド700の正面斜視図及び背面斜視図を図示している。スキッド700は、車輪組立体703を有するプラットフォーム又は基部702を含むことができ、これは、バイオ生産施設への、若しくはバイオ生産施設内での、及び/又は処理中のスキッド700の可搬性、移動の容易さ、及び位置決めを提供する。車輪組立体703は、車輪組立体703を基部702に装着するための軸受及び装着プレートを有する、キャスター付きレッドウレタン車輪とし得る。他の実施形態では、車輪組立体703が省かれ得る。
【0299】
スキッド700は、基部702上に支持された筺体701を更に備える。筺体701は、前面パネル705と反対側の背面パネル706との間に延在する、両側の側部パネル704A及び704Bを含み得る。パネル704、705及び706は、スキッド700/筺体701内に1つ以上のコンパートメント708を有する、封入及び収納されたユニットを形成するように、下部端部における基部702と上部端部における上部パネル707との間に延在する。パネル704、705、706、及び707は、スキッド700の1つ以上のコンパートメント708の壁を形成する、金属、プラスチック、又は他の剛性材料の1つの一体部品又はいくつかの部品から作製され得る。
【0300】
バンパー及び/又はハンドル710は、筺体701の両側の側部パネル704A及び704Bのうちの一方又は両方に、又は他のパネルに装着され得、それにより、オペレータ又は自動化システムがハンドル710を把持しながら、スキッド700をバイオ生産プロセスへの統合のために最適な位置に移動させ得る。
【0301】
図46に示すように、装着プラットフォーム709は、筺体701内に配設され得、その上に遠心分離機12を装着するためにスキッド700/筺体701のパネル704、705、及び706の間で横方向に延在し得る。本明細書に開示する遠心分離機のいずれもスキッド700上で使用され得るが、分離機12Cは、スキッド700とともに図示及び説明される。装着プラットフォーム709は、コンパートメント708を頂部コンパートメント708Aと底部コンパートメント708Bとに分割する(図43)。頂部コンパートメント708A及び/又は底部コンパートメント708Bは、環境から封止され得るが、必須ではない。例示的な一実施形態では、頂部コンパートメント708A及び底部コンパートメント708Bは、互いに及び環境から気密封止されている。
【0302】
また、図46に示すように、扉口710が筺体701上に形成され、頂部コンパートメント708Aへの連通及びアクセスを提供する。扉口710は、分離機12Cが頂部コンパートメント708Aに手動で挿入され、そこから取り外されることを可能にするようにサイズ決め及び構成されている。扉口710は、前面パネル705及び頂部パネル707の一部を貫通して延在するように示されている。他の実施形態では、扉口710は、前面パネル705又は頂部パネル707のみを貫通して延在し得、又は他のパネルを貫通して延在し得る。図42を参照すると、扉組立体711を筺体701上に配設して、扉口710を選択的に開放及び閉鎖し得る。より具体的には、例示的な一実施形態では、扉組立体711は、筺体701にヒンジ式に装着されるなど、筺体701に移動可能に装着され得る扉716を含み、それにより、扉716は、扉口710が開放している開放位置(図46)と扉口710が閉鎖している閉鎖位置(図42)との間で移動され得る。開放位置にあるとき、装着プラットフォーム709は、分離機12Cが頂部コンパートメント708A内のプラットフォーム709上に装着され得るか、又はそこから取り外され得るように、又は別様に頂部コンパートメント708A内でアクセスされ得るように、むき出しに露出される。閉鎖位置では、動作中に分離機12Cが故障した場合の封止部ド又はカバーとして機能するように、扉口710は扉716によって覆われている。一実施形態では、扉組立体711/扉716は、遠心分離機12Cの動作中に自動的に係止され得、例えば、扉組立体711は、自動係止であるか、又は自動的に係止するようにプログラムされ得る。
【0303】
例示的な実施形態では、図45に示すように、扉組立体711は、スイッチブロック715、ラッチ713、ロッキングガードスイッチ719、及び作動ロッキングキー720を含み得、これらは扉716と相互作用する。スイッチブロック712及びロッキングガードスイッチ719は、スイッチブロック715及びロッキングガードスイッチ719を作動させ、ラッチ713を係止位置から係止解除位置に移動させるようにプログラムされたプログラマブルプロセッサ及び非一時的メモリを備えるコントローラ798と有線又は無線で通信する。例示的な実施形態では、スイッチブロック712及びロッキングガードスイッチ719は、キーエントリスロットを有するキー又はタング動作式ソレノイドインターロックスイッチを形成する。作動ロッキングキー720は、扉716を係止解除するために1つ以上のキーエントリスロットに挿入され得るか、又は扉716は、コントローラ798を用いて自動的に係止解除され得る。扉組立体711は、ヒンジ、軸受、ブッシング、及び/又は半径方向ダンパ762(図48に示す)を更に含み得、これらは、回転軸を中心とした扉716の回転を容易にし、半径方向上向きにそれを開放し、半径方向下向きにそれを閉鎖する。半径方向ダンパ762はまた、損傷を防止するために、扉716が過大な速度又は力で開放又は閉鎖するのを防止する。扉組立体711/扉716は、最大速度又はrpmでの遠心分離機12Cの故障に関連する最大力に耐え得る閉じ込め封止部として機能する。
【0304】
例示的な実施形態では、コントローラ798は、遠心分離機12Cが動作しているときに扉組立体711/扉716を自動的に係止させ、遠心分離機12Cが動作していないときに扉組立体711/扉716を自動的に係止解除するようにプログラムされている。コントローラ798はまた、扉716が開放している場合、遠心分離機12Cのロックダウン(装填組立体800に関して詳細に記載される)及び装着クリップ804の作動を排除するようにプログラムされている。
【0305】
遠心分離機スキッド700は、クイックリリース及びイージーコネクトポート並びに装着組立体を通して、スキッド700/筺体701に容易に装着、搭載、及びそこから取り外され得る、単回使用プロセス機器及び構成要素を含む、モジュール式及び可搬型ユニットである。その結果、例示的なスキッド700は、種々のバイオ生産プロセスへの遠心分離機12Cの効率的統合のために必要なプロセス構成要素及び機器の多様なセットを完全に装備し得る。例示的なスキッド700はまた、プロセス機器を伴わずに、ポート及び装着組立体を伴って提供され得、したがって、オペレータ又はエンドユーザは、スキッド700のクイックリリース及びイージーコネクトポート並びに装着組立体を通して搭載するために、プロセス構成要素及び機器のカスタムセットを選択し得る。
【0306】
例示的なクイックリリース及びイージーコネクトポート及び装着組立体は、細管及び配管ホルダ、ケーブル管理システム、装着部、遠心分離機用のコネクタ及びポート、コントローラ、センサ、弁、電源及びポンプを含む。例示的なプロセス機器及び構成要素としては、細管、配管、ケーブル配線及び電子機器、コントローラ、ポンプ、電源、センサ、プローブ、弁及び遠心分離機が挙げられる。好ましい一実施形態では、1つ以上の例示的なプロセス構成要素は、単回使用及び/又は使い捨て構成要素である。例示的なクイックリリースポート及びイージーコネクトポート並びに装着組立体、プロセス機器、及び構成要素は、スキッド700/筺体701の側部パネル704、前面パネル705、背面パネル706、及び頂部パネル707を含むスキッド700/筺体701の任意の表面上、スキッド700/筺体701のコンパートメント708内、又はスキッド700の装着プラットフォーム709上に搭載及び装着され得る。
【0307】
例示的な実施形態では、電源733(図45)がスキッド700/筺体701の背面パネル706上に設けられる。電源733は、スキッド700上に搭載された全てのプロセス機器に電力を供給することができ、プロセス機器としては、遠心分離機、遠心分離機モータ、コントローラ、扉組立体、フィールドバス、フィールドバスノード及びスイッチ、線形アクチュエータ、線形アクチュエータモータ、ポンプ、ポンプモータ、センサ、スイッチ、弁及び弁制御システムが挙げられる。電源733は、単一電源、複数の電源ユニット、プログラム可能な電源、DC電源、可変AC電源、スイッチモード電源(switch mode power supply、SMPS)、又は無停電電源(uninterruptible power source、UPS)とし得る。例示的な実施形態では、電源733は、可変AC240電圧電源である。
【0308】
図22Aを参照すると、1つ以上の、一般的には複数の細管ホルダ722が、筺体701に装着され、例示的な一実施形態では、スキッド700の側部パネル704Aに装着される。細管ホルダ722は、スキッド700上に搭載されたプロセス機器へ、及びそこから生物学的流体及び固体を流動させるために使用される細管及び/又は配管を保持するように構成される、クリップとして成形され得る。
【0309】
図46に示すように、分離機12Cは、頂部コンパートメント708A内に取り外し可能に固定されている。図1図5に関して前述したように、流体ライン36、44及び52が、分離機12Cに装着され、分離機12Cから外向きに突出している。流体ライン36入口ポート及びは、バイオ生産容器10などからの入口ストリームを分離機12Cに送達するために使用される。流体ライン44は、第1の出口ポート40に結合し、重質成分出口ストリームを下流に搬送するために使用される。最後に、流体ライン52は、第2の出口ポート42に結合し、軽質成分出口ストリームを下流に搬送するために使用される。流体ライン36、44及び52の各々は、頂部コンパートメント708Aと連通するように、側部パネル704A及び/又は上部パネル707を通って延在する切欠き764を通過する。切欠き764内には、チャネル768を分離するガイドレール766が直立している。典型的には、3つの別個のチャネル768が形成される。各チャネル768は、流体ライン36、44、及び52のうちの対応する1つを受容するようにサイズ決めされる。切欠き764は、扉716が開放位置に移動されたときに、予め接続された流体ラインを有する分離機12が頂部コンパートメント708A内に位置決めされ、流体ライン36、44及び52が対応するチャネル768内に位置決めされ得るように構成されている。次いで、扉716を閉鎖位置に移動させて、流体ライン36、44及び52が切欠き764を通って頂部コンパートメント708Aから出る間に、分離機12Cを作動させ得る。部分的に、ガイドレール766は、切欠き764を通過する流体ライン36、44及び52の間のいかなる開放空間も最小にするように形成され、それによって、分離機12の故障時に頂部コンパートメント708Aからいかなる物質が飛び出す危険性を最小にする。
【0310】
図44に示すように、ラインセットとも称せられ得る流体ライン36、44及び52は、細管ホルダ722によって側部パネル704Aの高さに沿って取り外し可能に装着され得る。前述したように、流体ライン36、44及び52は、典型的には、可撓性細管から形成されるが、剛性細管も含み得る。入口流体を運ぶ流体ライン36は、側部パネル704Aに装着されたピンチ弁726に取り外し可能に結合されている。ピンチ弁726は、流体が流体ライン36を通って流れることを防止するために流体ライン36を選択的に締め付けて閉鎖するか、又は流体が流体ライン36を通って流れることを可能にするために流体ライン36を解放し得る。入口ポンプ721及び1つ以上のセンサ730が、流体ライン36と結合されている。
【0311】
入口ポンプ721は、生物学的流体、固体、混合物、溶液、及び懸濁液を、入口ライン36を通して遠心分離機12に圧送するように、スキッド700の筺体501/側壁パネル504Aに取り外し可能に装着され得る。入口ポンプ721は、ポンプ721の入口ポート721Aと出口ポート721Bとを接続するクイックリリースコネクタを有するポンプ組立体ボックスと、ポンプ721を駆動するためのモータとを含み得る。ポンプ組立体ボックスは、ポンプ721を取り囲み、その周りに密閉封止を提供し得る。入口ポート721Aは、バイオ生産容器10に流体接続され得る。バイオ生産容器10は、混合器、セルファクトリー、バイオ反応器、発酵槽、実験室及びベンチスケール容器、並びに分離のためにスキッド700に流体、固体又は混合相生体成分を供給することができる他の容器を含むがこれらに限定されない、任意のバイオ生産容器であり得る。
【0312】
入口ポンプ721は、遠心ポンプ又は蠕動ポンプなどの容積式ポンプとし得る。好ましくは、入口ポンプ721は、軸受又は封止部のない単回使用の使い捨て遠心ポンプである。入口ポンプ721は、ポンプ組立体ボックスなどの無菌密封ケーシング内に封入され、入口ポンプモータの磁場によって駆動される吊り下げられたインペラを装備し得る。入口ポンプ721は、一般に、効率的な処理のために分離機12Cへの及びそれを通る流体の高流量を供給するように、遠心ポンプである。ただし、他の用途では、他のタイプのポンプが使用され得る。ポンプ721は、筺体701に取り外し可能に結合されている。これにより、分離機12C、流体ライン36、44及び52、並びにポンプ721を事前に組み立てて、照射などによって滅菌し、その後、一体組立体としてスキッド700に装着することが可能になる。
【0313】
1つ以上のセンサ730は、流体ライン36に沿って離間され得る、圧力センサ、導電率センサ、流量計センサ、pHセンサ、温度センサ、又は濁度センサのうちの1つ以上を備え得る。1つ以上のセンサ730は、電気ケーブル765によって対応する電気コンセント723に取り外し可能に差し込み得る。様々な実施形態では、センサ730は、単回使用のための容易な接続及び解放のために、クイックリリースバルクヘッドコネクタを装備し得る。電気コンセント723は、1つ以上のセンサ730に電力を供給し得、1つ以上のセンサ730を動作及び監視するために1つ以上のセンサ730をコントローラ798に結合し得る。コントローラ798は、センサからの電気信号を測定可能なプロセスパラメータに変換し得る。他の実施形態では、1つ以上のセンサ730は、無線であり得る。
【0314】
重質成分出口ストリームを運ぶ流体ライン44は、筺体701/側部パネル704Aに装着された、典型的には、蠕動ポンプであるポンプ749に取り外し可能に結合されている。1つ以上のセンサ758が、流体ライン44と結合されている。1つ以上のセンサ758は、流体ライン44に沿って離間され得る、圧力センサ、導電率センサ、流量計センサ、pHセンサ、温度センサ、又は濁度センサのうちの1つ以上を備え得る。1つ以上のセンサ758は、電気ケーブル767によって電気コンセント759に取り外し可能に差し込み得る。様々な実施形態では、センサ758は、単回使用のための容易な接続及び解放のために、クイックリリースバルクヘッドコネクタを装備し得る。電気コンセント759は、1つ以上のセンサ758に電力を供給し得、1つ以上のセンサ758を動作及び監視するために、1つ以上のセンサ758をコントローラ798に結合し得る。コントローラ798は、センサからの電気信号を測定可能なプロセスパラメータに変換し得る。他の実施形態では、1つ以上のセンサ758は、無線であり得る。流体ライン44の下部端部はT継手761で分岐しており、T継手761から流体ライン44A及び44Bが延在している。流体ライン44A及び44Bの各々は、筺体701に装着されたピンチ弁728A及び728Bにそれぞれ取り外し可能に結合されている。それにより、ピンチ弁728A及び728Bの動作を制御することによって、重質成分出口ストリームは、バイオ生産容器10に戻るか、又は収集容器、廃棄物容器、若しくは他の下流処理機器のいずれかなど、異なる場所に送達され得る。他の実施形態では、T継手761が省かれ得、流体ライン44が単一ピンチ弁728に結合され得る。
【0315】
軽質成分出口ストリームを運ぶ流体ライン52は、筺体701/側部パネル704Aに装着された、典型的には蠕動ポンプであるポンプ748に取り外し可能に結合されている。流量計センサ763、圧力センサ731、濁度センサ729及びセンサ735が、流体ライン52に接続されている。センサ735は、圧力センサ、導電率センサ、流量計センサ、pHセンサ、温度センサ、又は濁度センサのうちの1つ以上を備え得る。センサ763、731、729、及び735の各々は、電気ケーブルによって筺体701上に配設された電気コンセントに取り外し可能に差し込み得る。電気コンセントは、センサ763、731、729、及び735に電力を供給し得、センサを動作及び監視するために、センサ763、731、729、及び735をコントローラ798に結合し得る。他の実施形態では、センサ763、731、729、及び735は無線とし得る。流体ライン52の下部端部はT継手761で分岐しており、流体ライン52A及び52BがT継手761から延在している。流体ライン52A及び52Bの各々は、筺体701に装着されたピンチ弁727A及び727Bにそれぞれ取り外し可能に結合されている。それにより、ピンチ弁727A及び727Bの動作を制御することによって、重質成分出口ストリームは、バイオ生産容器10に戻るか、又は収集容器、廃棄物容器、若しくは他の下流処理機器のいずれかなど、異なる場所に送達され得る。他の実施形態では、T継手737が省かれ得、流体ライン52が単一ピンチ弁727に結合され得る。
【0316】
流体ライン36、44及び52に関して上述した様々なセンサは、圧力、流量、濁度、密度、モータ出力、回転子rpm、温度、pH、O濃度、CO濃度及び他のプロセスパラメータを示す信号を、遠心分離機並びに遠心分離機12の上流及び下流の他の細管及び機器内で、プロセスフローライン全体の様々な場所で測定して提供し得る。
【0317】
1つ以上のケーブル管理モジュール753はまた、スキッド700の筺体701/側部パネル704A上の種々の所望の場所に装着され得る。1つ以上のケーブル管理モジュール753は、電気ケーブルを巻き付けて保持するためのスプール又は他の表面を提供する、低プロファイル、ブレークスルー、マルチコードケーブル管理システムであり得る。1つ以上の液密封止グロメットはまた、ケーブル管理モジュール753及び細管ホルダ722とともに、又は独立して使用され得る。グロメットは、スキッド700上に搭載されたプロセス機器へ及びプロセス機器から送られる細管、配線、ケーブル、及びコードの周りに液密封止部を形成する。1つ以上のポートを設けて、ポート内への搭載、後退中(例えば、スキッド700の側部パネル704A/筺体701と同一平面)又は保管中に、細管ホルダ722及びケーブル管理モジュール753をポートから突出させることを可能にし得る。例示的な細管ホルダ722及びケーブル管理モジュール753は、スキッド700のオペレータに、向上した機器アクセス、動作効率、及び安全性を提供する。
【0318】
スキッド700はまた、流量制御弁726A及び細管725(図48にも示す)、一連の作業弁726、727、728、744、弁端子739、及びフィールドバスノード747を含む、弁制御システム760を装備し得る。弁制御システム760は、電気又は空気圧制御システムであり得、弁726、727、728、744は、電気的に作動されるか、又は空気圧で作動され得る。例示的な実施形態では、弁726、727、728、744は、空気圧ピンチ弁又はピンチクランプである。弁726、727、728、744は、ゲート弁、グローブ弁、チェック弁、プラグ弁、ボール弁、バタフライ弁、ニードル弁、ピンチ弁、又は弁を開放及び閉鎖するためのソレノイド要素を装備したソレノイド弁であり得る。弁726、727、728、744はまた、弁が開放しているか閉鎖しているかを検出するための光学デジタル位置フィードバックセンサを備え得る。例示的な空気圧弁制御システムは、細管725及び流量制御弁726Aを含み得、それらを通して、空気又は他の気体又は油圧流体が、多岐管を通して弁726、727、728、744のそれぞれに分配され、弁の作動を促進する。弁726、727、728、744は、コントローラ98と有線通信又は無線通信し得る。弁はまた、自己作動式又は手動動作式であり得る。
【0319】
弁726、727、728、744は、スキッド700の側部パネル704Aを含むスキッド700の任意の表面上に配列され、装着されて、フローラインを通る、遠心分離機組立体12Cへの、及びそこからの、並びに他のプロセス機器を通る、生物学的流体、固体、混合物、溶液、及び懸濁液の流れを制御し得る。弁726、727、728、744はまた、弁の内外への細管の迅速な装填及び装填解除のためのスナップイン式管スロットを含み得る。例示的な実施形態では、弁726、727、728、744は、使用後の安価かつ容易な交換を可能にするように、使い捨て材料から作製される単回使用弁である。
【0320】
弁端子739は、スキッド700の基部702、パネル704、705、706、707、又は装着プラットフォーム709に装着され得る。例示的な実施形態では、弁端子739は、スキッド700の底部コンパートメント708B内に装着される。弁端子739は、通信ポートと、通信リンクと、回路基板と、弁726、727、728、744の入口ポート及び出口ポートに空気圧で結合された複数の空気圧ポートを有する多岐管とを含み得る。一実施形態では、気体又は油圧流体は、細管725及び流量制御弁726A及び多岐管を通して送給され、気体油圧流体を弁726、727、728、744のそれぞれに分配し、それらを作動させ得る。
【0321】
例示的な実施形態では、通信ポート及びリンクは、フィールドバスノード747に結合されたI/Oポート及びリンクであり得る。弁端子739及びフィールドバスノード747は、弁端子739及び多岐管を通して印加される電気信号又は空気圧若しくは油圧によって弁726、727、728、744の作動を制御するコントローラ798と有線通信又は無線通信し得る。弁制御システム760は、特定の通信プロトコルを使用して、弁端子739、フィールドバスノード747、弁726、727、728、744、及びコントローラ798の間のデータ及び電気信号伝送を容易にし得る。例示的な産業用フィールドバス及びイーサネットプロトコルは、Profibus、Modbus、DeviceNET、Profinet、Ethernet/IP、Ethernet CAT及びModbus TCPを含むが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、制御システム760によって使用される通信プロトコルは、Profinetである。
【0322】
入口ライン36及び出口ライン44、52並びに弁726、727、728、744を含む1つ以上のプロセスフローラインは、分離のために生物成分を遠心分離機組立体12Cに送る経路を決めるように構成及び作動させ得る。例示的な実施形態では、入口ポンプ721の上流に位置する入口ライン36及び入口弁726は、始動中に、遠心分離機12Cをバイパスし、空気、他の気体、液体、固体又は生体成分を入口ポンプ組立体721及び遠心分離機組立体12Cの下流に送る経路を指定するように構成され、コントローラ798によって作動され得る。この動作は、使用前又は使用後に空気及び気体のシステムをフラッシュするために使用され得る。入口ポンプ721の上流に位置する入口ライン36及び入口弁726はまた、分離のために生体成分をバイオ生産容器から遠心分離機12Cに経路指定するように、コントローラ798によって構成及び作動され得る。
【0323】
軽質出口ライン52及び1つの軽質出口弁727は、遠心分離機組立体12Cから分離された軽質生体成分を処理のために下流に流し、かつ経路指定するように構成され、コントローラ798を介して制御され得、一方、他の軽質出口弁727は、遠心分離機組立体12Cから分離された軽質生体成分をシステムに供給したバイオ生産容器に戻るように再循環し、かつ経路指定するように構成され得る。
【0324】
同様に、重質出口ライン44及び1つの重質出口弁728は、遠心分離機組立体12Cから分離された重質生体成分を処理のために下流に流し、かつ経路指定するように構成され、コントローラ798を介して制御され得、一方、他方の重質出口弁728は、遠心分離機組立体12Cから分離された重質生体成分を再循環して、システムに供給したバイオ生産容器に戻すように経路指定するように構成され得る。
【0325】
バイオプロセス容器を出る再循環された生体成分は、入口ポンプ721を通って遠心分離機12Cに流され、かつ経路指定され得るか、又は入口ラインセット中のスプリットを介して遠心分離機12Cをバイパスし得る。
【0326】
スキッド700は、緊急遮断弁744(図45)を装備し得、緊急遮断弁744は、緊急事態、漏出、又は別様の間、遠心分離機組立体12Cから退出する1つ以上の出口ライン44、52を閉鎖する。弁726、727、728、744の各々は、緊急遮断弁として機能し得る。
【0327】
図42に示すように、スキッド700は、遠心分離機12C及び/又はスキッド700の構成要素の動作を開始、停止、及び別様に制御するために使用され得る、ユーザ入力及びデジタルディスプレイ756と、スイッチブロック717と、スイッチリセットボタン74と、緊急停止ボタン714とを含み得る。一実施形態では、遠心分離機12Cを停止させるために緊急停止ボタン714が作動される場合、ユーザは、動作のためにスイッチブロック717をリセットするために、スイッチリセットボタン774を作動させることが要求され得る。ユーザ入力及びデジタルディスプレイ756は、オペレータが、プロセスパラメータ入力を提供し、スキッド700上のフローライン及びプロセス機器を通して、圧力、流量、濁度、密度、温度、pH、モータ電力、回転子rpm、及び他のプロセスパラメータなどのプロセスパラメータを制御及び指示するプロセスパラメータ出力を読み取ることを可能にする。
【0328】
例示的な実施形態では、細管、パイプ、ケーブル、及び電子機器、コントローラ、モータ、ポンプ、電源、センサ、プローブ、弁、並びに遠心分離機を含むプロセス機器及び構成要素は、スキッド700が組み込まれるバイオプロセスの特定の要件及び構成に応じて、スキッド700上の様々な場所に装着され得る。例えば、プロセス機器及び構成要素は、スキッド700の側部パネル704、前面パネル705、背面パネル706、及び頂部パネル707を含むスキッド700の任意の表面上に、スキッド700のコンパートメント708内に、又はスキッド700の装着プラットフォーム709上に搭載及び装着され得る。
【0329】
図48及び図49は、それぞれ、例示的な遠心分離機スキッド700の正面断面図及び側面断面図を図示している。スキッド700の追加の構成要素及び機能が断面図によって図示されている。
【0330】
装着プラットフォーム709は、遠心分離機12Cをスキッド700に装着するために使用され得る。装着プラットフォーム709は、装填組立体800を受容し、それとインターフェース接続する凹部812を有する平坦テーブルであり得る。装填組立体800は、遠心分離機組立体12Cをスキッド700に解放可能に装填し、装着し、中心配置し、係止させ得る。スキッド500は、頂部コンパートメント708A内に遠心分離機組立体12Cを収容する。収容された遠心分離機は、本明細書又は関連する米国仮特許出願第63/115,938号に開示及び記載される任意の遠心分離機であり得、当該特許は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0331】
前述のように、遠心分離機組立体12Cは、固定子チャンバ188Cを形成する分離固定子180Cと、固定子チャンバ188Cに回転可能に装着及び/又は結合された分離回転子184Cとを含み得る。分離回転子184Cは、分離回転子184Cの回転中に生体成分が分離される分離容器190Cを形成する。装着面804は、分離固定子180Cに固定されるか、又は一体化され得、分離固定子180C及び遠心分離機12Cをスキッド700に装着及び/又は係止させるために使用される。装着表面804は、分離固定子180C上のフランジ、キャビティ、エルボ、凹部又はスロットであり得る。2つの端部を有し、好ましくは一方の端部に磁石を有する駆動結合部186Cは、一方の端部で分離回転子184Cに結合され、他方の端部で磁気駆動体148に磁気的に結合される。磁気駆動体148は、外側筺体134と、一方の端部がモータ169に結合された駆動回転子150とを含むことができる。駆動回転子150は、駆動回転子と相互作用し、駆動回転子を駆動結合部186C及び/又は駆動結合部186C上の磁石に磁気的に結合することができる磁場を作り出す磁石を含む。モータ169が駆動回転子150を回転させると、駆動回転子150の回転及び磁場が、駆動結合部186C及び分離回転子184Cを回転させる。固定子チャンバ188Cは、環境から封止された無菌チャンバを提供するために、分離回転子184C及び駆動結合部186Cの周りに無菌封止部及び気密封止部を形成し得る。
【0332】
遠心分離機12Cは、好ましくは、扉組立体711が位置するスキッド700の頂部コンパートメント708A内に収容される。気密封止部は、スキッド700の頂部コンパートメント708Aにおいて、遠心分離機組立体12Cの全ての構成要素の周りに形成され得る。分離固定子180Cは、閉じ込め封止部として機能し、最大速度又はrpmでの分離回転子180Cの破損に関連する最大力に耐え得る。頂部コンパートメント708A及び扉組立体711は、第2の封じ込め封止部として作用し、最大速度又はrpmでの分離回転子180Cの破損に関連する最大力に耐え得る。したがって、スキッド700及び遠心分離機12Cはともに、安全性を高めるために2つの封じ込め封止部を有する二重封じ込めを提供する。二重封じ込めは、ウイルス、ワクチン及び臨床部段階の製品及び組成物のような潜在的に危険な物質を扱う場合に特に適切である。
【0333】
駆動結合部186Cは、分離回転子184Cに結合された一方の端部と、磁気的に中心配置され、かつ磁気駆動体148に結合された他方の端部とを有する。駆動結合部186Cは、一方の端部で分離回転子184Cに機械的に取り付けられ得る。駆動結合部186Cは、磁気駆動体148上の磁石によって生成される磁場が、駆動結合部186Cと相互作用し、それと磁気的に結合し、それを回転させ、次に分離回転子184Cを回転させ得るように、金属、磁性材料、又は磁気駆動体148に取り付けられたものと同様の磁石から作製され得る。
【0334】
駆動結合部186Cは、分離固定子180C内に、又は分離固定子180Cの外側に配設され得る。駆動結合部186Cはまた、分離固定子180Cに装着された駆動結合部スリーブ187C内に配設され得る。駆動結合部スリーブ187C及び/又は分離固定子184Cは、駆動結合部186C、分離回転子184C、及び分離容器190Cの周りに無菌封止部及び気密封止部を部分的に又は完全に形成し得、それにより、分離回転子184C及び駆動結合部186Cの周りに気密封止及び水密封止を生成するための封止は不要である。次いで、分離回転子184Cは、駆動結合部186Cと磁気駆動体148との間の封止を必要とすることなく、又はスキッド700の頂部コンパートメント708Aと底部コンパートメント708Bとの間の封止を必要とすることなく、駆動結合部186C及び磁気駆動体148によって磁気的に駆動され得る。この構成は、分離容器190Cの内容物及び遠心分離機組立体12Cの構成要素の汚染を防止し、オペレータが、使用後に遠心分離機組立体12Cの全部又は一部を容易に廃棄することを可能にする。
【0335】
1つ以上の磁石(図示せず)が、駆動結合部186Cに装着及び取り付けられ得る。例示的な実施形態では、駆動結合部186Cは環状であり、環状キャビティを部分的又は完全に取り囲んでいる。1つ以上の磁石が、キャビティの内部表面に固定されている。磁石は、キャビティを取り囲むように離間して内部表面に固定された複数の磁石部とし得る。例示的な実施形態では、磁石は、少なくとも2、4、6、12、18、24、又は30の別個の磁石部を含み得る。磁気部は、磁気部の磁極」軸方向に配向されるように、回転軸に対して垂直に配向され得る。各磁気部の磁極は、優先的に、軸方向に交互に配置される。磁石はまた、キャビティに固定され、キャビティを取り囲む磁気リングであり得る。磁気リングは、双極子、四極子、六極子、又は八極子とし得、磁極は、優先的に、放射状に配設され得る。1つ以上の磁石は、ネオジムを含む1つ以上の磁性材料から作製され得る。
【0336】
例示的な遠心分離機組立体12の他の詳細は、駆動結合部186Cを含め、関連する米国仮特許出願第63/115,938号に記載されており、当該米国仮特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0337】
スキッド700は、遠心分離機組立体12Cをスキッド700に解放可能に装填、装着、及び係止するために、装填組立体800を装備する。図49図52を参照すると、装填組立体800は、その上部端部から外向きに突出する支持体804を有する筺体802を含む。一実施形態では、支持体804は、環状であり、筺体802から半径方向外向きに突出し得る。管状内側スリーブ806が、筺体802と位置合わせされて支持体804から直立している。位置合わせ板808は、内側スリーブ806の上部端部に固定され、中心開口部810を取り囲んでいる。図52に最もよく図示されているように、受け部812は、開口部810と位置合わせされた位置合わせ板808の内部表面に固定され、そこから下向きに突出している。受け部812は、開口部810と連通するキャビティ814を境界付けている。一実施形態では、位置合わせ板808及び中心開口部810は、円形であり、キャビティ814は、円筒形構成を有する。
【0338】
装着部816が、内側スリーブ806を少なくとも部分的に取り囲んでいる。一実施形態では、装着部816は、外側スリーブ818を含み、外側スリーブ818は、その上部端部に配設された環状の装着プレート820を有する。外側スリーブ818及び装着プレート820の両方は、内側スリーブ806を完全に又は少なくとも部分的に取り囲み得、円形であり得る。装着プレート820は、外側スリーブ818を取り囲み、かつそこからある距離だけ半径方向外向きに突出し得る。1つ以上の装着要素822が、装着プレート820の頂部表面上に配設され、そこから上向きに突出している。図示の実施形態では、1つ以上の装着要素822は、各々が実質的にL字形の構成を有する3つの半径方向に離間したクリップ822A~822Cを備える。以下でより詳細に説明するように、代替的な実施形態では、1つ以上の装着要素822は、様々な異なる構成を有し得る。装着部816は、内側スリーブ806に対して摺動可能である。更に、装着部816/外側スリーブ118は、内側スリーブ806よりも短い高さを有する。こうして、装着部816/外側スリーブ118は、図49に示すように、装着プレート820がより低い高さに配設される下降位置と、図50に示すように、装着プレート820及び位置合わせ板808の頂部表面が実質的に同じ平面内に配設され得る上昇位置との間で移動され得る。
【0339】
リフト組立体824は、装着部816を下降位置と上昇位置との間で選択的に移動させるために使用される。リフト組立体824は、支持体804に固定され、その上に直立する枢動装着ブロック826を含む。一対の枢動アーム828A及び828Bの各々は、装着ブロック826の両側の端部にヒンジ式に装着された第1の端部を有する。枢動アーム828A及び828Bは、装着部816/外側スリーブ118の両側の側部を越えて枢動アーム828A及び828Bの第2の端部まで延在するように、装着ブロック826から突出している。ブレース830は、枢動アーム828A及び828Bの第2の端部の間に延在している。この構成では、枢動アーム828A及び828Bは、装着部816/外側スリーブ118の両側の側部に配設され、枢動装着ブロック826及びブレース830は、装着部816/外側スリーブ118の反対側の側に配設されている。開口部834A及び834Bは、枢動アーム828A及び828Bの中心に形成されるか、又は枢動アーム828A及び828Bを通って延在している。支持ピン832A及び832Bは、装着部816/外側スリーブ118の両側の側部から外向きに突出し、それぞれ、開口部834A及び834B内に受容されている。開口部834A及び834Bは、枢動アーム828A及び828Bが両方とも支持ピン832A及び832Bによって支持され得るが、その周囲で枢動し得るようにサイズ決め/構成されている。一実施形態では、開口部834A及び834Bは、支持ピン832A及び832Bが開口部834A及び834B内である距離だけ横方向に摺動することができるように、細長くなっている。
【0340】
装着ブラケット836が、ブレース803と位置合わせされて支持体804から下向きに突出している。線形アクチュエータ838が、装着ブラケット836の下部端部とブレース803との間に延在している。線形アクチュエータ838は、概して、筺体840と、筺体840から拡張し、かつ筺体840の中に後退し得る線形クチュエータロッド842と、筺体844に対する線形アクチュエータロッド842の移動を制御する電気モータとを含む。筺体840は、装着ブラケット836に固定され、線形アクチュエータロッド842は、ブレース836に固定されている。線形アクチュエータ838は、コントローラ798に電気的に結合され、このコントローラは、線形アクチュエータ838の動作を、自動的に、又は手動若しくは感知されたプロンプトを介して制御し得る。
【0341】
動作中、線形アクチュエータ838を作動させて線形アクチュエータロッド842を上昇させ得、これにより、ブレース830並びに枢動アーム828A及び828Bの第2の端部が持ち上げられる。枢動アーム828A及び828Bは、枢動装着ブロック826上で枢動し、同時に、支持ピン832との係合を介して装着部816を持ち上げる。装着部816は、上昇位置又は係止解除位置に持ち上げられ、ここで、装着プレート820は、位置合わせ板808と同一平面上にある。必要に応じて、線形アクチュエータ838を作動させて線形アクチュエータロッド842を下降させ得、これにより、装着部816が下降位置又は係止位置まで下降し、この位置では、装着プレート820が位置合わせ板808の下方の高さに配設される。
【0342】
近接センサ装着部848を介して装着された近接センサ846は、枢動アーム828及び/又はブレース830に近接して位置決めされて、線形アクチュエータ838が上又は下に作動されているかどうか、及び装填組立体800が係止位置又は係止解除位置にあるかどうかを感知し得る。
【0343】
図51を参照すると、枢動装着ブロック826は、弾性運動を可能にするようにばね荷重式であり得る。具体的には、一実施形態では、枢動装着ブロック826は、支持体804に固定され、枢動装着ブロック826を通過する一対のガイドピン850に摺動可能に固定し得る。保持ピン852もまた、支持体804に固定され、枢動装着ブロック826の一部分を自由に通過する。拡大ヘッド部854は、保持ピン852の上部端部に形成され、ばね856は、保持ピン852を取り囲み、かつ拡大ヘッド部854と枢動装着ブロック826との間に延在している。そのため、拘束及び過荷重を防止するためなど、リフト組立体824の移動中に必要に応じて、枢動装着ブロック826は、ピン850及び852に沿って上向きに弾性的に摺動し、その後、ばね856の力を受けて元の位置に弾性的に戻し得る。そのため、枢動装着ブロック826は、ばね定数、張力、及び力に従って移動し、これにより、遠心分離機のロックダウン中に、装着プレート820と装填組立体800の他の構成要素との間にクリアランスを提供する。
【0344】
図47及び図48に戻ると、開口部858は、底部コンパートメント708Bと連通するように、頂部コンパートメント708A内の装着プラットフォーム709を通って延在している。装填組立体800は、支持体804とプラットフォーム709又は筺体701の何らかの他の部分との間に延在する1つ以上のブラケット860などによって底部コンパートメント708B内に固定されている。装填組立体800は、開口部858と位置合わせされて位置決めされ、それにより、位置合わせ板808の頂部表面は、頂部コンパートメント708A内のプラットフォーム709の頂部表面と実質的に同一平面である。この搭載位置では、線形アクチュエータ838は、この場合も、図47に示す上昇位置又は係止解除位置と、図49に示す下降位置及び係止位置との間で装填組立体800を移動させるように作動させ得る。
【0345】
図52に戻ると、前述の磁気駆動体148が、装填組立体800内に収容されている。より具体的には、磁気駆動体148は、内側スリーブ806によって取り囲まれた開口部864内に回転可能に収容された駆動回転子150を含む。駆動回転子150は、前述したように、1つ以上の磁石168が固定されたスリーブ152を含み得る。ステム172は、スリーブ152から突出し、筺体802内に配設されたモータ169と結合している。例示的な実施形態では、モータ169は、2HP、3相、230/460VAC、3600RPMの誘導モータである。モータ169は、スキッド700の底部コンパートメント708B内に収容され得るか、又は少なくとも部分的に収容され得る。底部コンパートメント708Bは、モータ169、磁気駆動体148、又は両方の周りに気密封止部及び無菌封止部を形成し得る。モータ169は、コントローラ798に電気的に結合され、それによって動作され得、又は他の方法で手動で制御され得る。それにより、磁気駆動体150の動作は、受け部812の周りの駆動回転子150/1つ以上の磁石168の回転を容易にする。
【0346】
1つ以上の磁石168は、駆動回転子150又は駆動回転子150のスリーブ152に装着及び取り付けられ得る。更に詳細に記載するように、1つ以上の磁石168は、分離回転子184C及び駆動結合部186Cと相互作用するスキッド700の構成要素の周りに磁場を作り出し、装填及び動作中に回転子184Cを磁気的に結合し、中心配置し、回転させるように構成されている。磁気駆動体148の例示的な実施形態は、米国仮特許出願第63/115,938号(例えば、図8)に開示及び記載されており、当該米国仮特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0347】
例示的な実施形態では、駆動回転子150及び/又はスリーブ152は環状であり、環状キャビティ又はカップ162を部分的に又は完全に取り囲んでいる。カップ162のキャビティは、磁気駆動体148の構成部品への水の侵入を防止する気密封止部の一部又は全部を形成し得る。1つ以上の磁石が、キャビティ162の内部表面に固定されている。1つ以上の磁石168は、駆動回転子150及び/又はスリーブ152の内部表面に離間して固定された複数の磁石部であり得る。例示的な実施形態では、1つ以上の磁石168は、少なくとも2、4、6、12、18、24、又は30の別個の磁石部を備え得る。磁気部は、磁気部の磁極」軸方向に配向されるように、回転軸に対して垂直に配向され得る。各磁気部の磁極は、優先的に、軸方向に交互に配置される。1つ以上の磁石168はまた、駆動回転子150及び/又はスリーブ152のキャビティ162に固定され、それを取り囲む磁気リングであり得る。磁気リングは、双極子、四極子、六極子、又は八極子とし得、磁極は、優先的に、放射状に配設され得る。1つ以上の磁石168は、ネオジムを含む1つ以上の磁性材料から作製され得る。
【0348】
例示的な実施形態では、いくつかの磁石が、円周方向に離間さえ、駆動回転子150の環状キャビティ162内に装着されている。この構成及び他の全ての例示的な構成において、磁石配列は、磁気駆動体148、装着部816、装着プレート820、キャビティ814及び/又は装着プラットフォーム709の一部の周りに磁場を生成する。駆動結合部186が磁場の近傍内に位置決めされると、磁気引力及び/又は垂直荷重補助力が、分離回転子184C及び駆動結合部186Cを含む遠心分離機組立体12Cをスキッド700に荷重し、分離回転子184Cを駆動回転子150に対して中心配置する。
【0349】
駆動回転子150又は駆動回転子150のスリーブ152に装着及び取り付けられた1つ以上の磁石168は、装填中の分離回転子184Cの最適な中心配置及び動作中のトルクを提供する。駆動回転子150と駆動結合部186Cとの間の磁気結合部は、プロセストルク要件を満たすのに十分なトルクを提供する任意の磁気ペアリングからなり得る。例えば、一例示的施形態におけるトルク要件は、10~70in-lbの範囲である。磁石は、回転子側に永久磁界を、かつ結合部のモータ側に永久磁石又は電磁石のいずれかを担持することができる材料からなり得る。例示的な実施形態では、磁石はネオジムからなり得る。
【0350】
磁気駆動体148は、モータ844に結合され、モータ169/筺体802、支持体804を介して、又は装填組立体800の別の表面を介してスキッド700に装着され得る。磁気駆動体148、モータ169、及び/又は装填組立体800は、基部7022、パネル(704、705、706、707)、又は装着プラットフォーム709を含む、スキッド700の任意の表面に装着され得る。好ましい実施形態では、互いに結合された磁気駆動体148及びモータ169は、装着プラットフォーム709の底部に、又は装着プラットフォーム9に装着された支持体804に装着される。モータ169は、スキッド700の底部コンパートメント708B内に部分的又は完全に配設され得る。装着プレート820及び/又は駆動回転子150の一部は、装着プラットフォーム709内の開口部858を通って延在するように装着され得る。装着プレート820及び/又は駆動回転子150の一部は、装着プラットフォーム709内の開口部と同一平面に位置するように装着され得る。
【0351】
駆動回転子150及び/又は駆動回転子150のスリーブ152に取り付けられた1つ以上の磁石168は、駆動回転子150、開口部810、装着プレート820、受け部812、キャビティ814、及び/又は装着プラットフォーム709の近傍及び/又は周りに磁場を作り出す。駆動回転子150の開口部810、装着プレート820、受け部812、キャビティ814、及び/又は装着プラットフォーム709に近接する及び/又はその周りの磁場の強度及び位置は、遠心分離機組立体12C、具体的には駆動結合部186Cをキャビティ814及び装着プレート820に向かって引き寄せる荷重補助効果を作り出すように変更され得る。
【0352】
遠心分離機組立体12Cをスキッド800上に装填するための例示的方法では、装填組立体800は、図47に示すように、上昇された係止解除位置に移動される。ここで、装着プレート820は、装着プラットフォーム709と同一平面上にあり、装着要素822がそこから直立している。オペレータ又は自動化された制御システムは、扉組立体711を開放し、遠心分離機12Cを(装着プラットフォーム9内の開口部885を通してアクセス可能な)装着プレート820に近接して装着プラットフォーム709上に配置し得る。具体的には、駆動体スリーブ132Cの下部端部は、図23に示すように、装着プラットフォーム709上に位置決めされ、分離機組立体12Cを支持するために使用される。装着プラットフォーム709は、遠心分離機組立体12C/駆動体スリーブ132Cがプラットフォーム709を横切ってキャビティ814及び装着プレート820に向かって水平に並進/摺動することを可能にする水平面を提供する。遠心分離機組立体12Cが、装着プラットフォーム709を横断して水平に移動させられ、及び/又は駆動回転子150磁場に遭遇するように、駆動回転子150、開口部858、若しくは装着プレート820に十分に近接して配置されると、水平及び/又は下向き垂直荷重補助力が、駆動結合部186C(図24)及び遠心分離機12Cをキャビティ814、装着プレート820、駆動回転子150に向かって引き寄せる。分離機組立体12Cが装着プレート820に向かって移動されると、分離機組立体12Cは、駆動体スリーブ132C上の孔146(図23)が装着プレート820から直立する装着要素822に向かって配向されるように配向され得る。
【0353】
磁場は、駆動結合部186及び遠心分離機12Cに下向き垂直力を印加し、これは、ロックダウンのために遠心分離機組立体12Cを自己位置決め及び磁気的に位置決めするのに役立つ。具体的には、遠心分離機12Cは、装着要素822が駆動体スリーブ132C上の対応する孔146内に受容されるまで、装着プラットフォーム709上で動作され、横方向に移動させられる。磁場は、水平移動及び中心配置を補助する。磁場及び荷重補助力はまた、分離回転子184Cの回転中心軸を駆動回転子150の回転中心軸に自動的かつ磁気的に位置合わせする。駆動体スリーブ132Cは、装填中及び遠心分離機12Cが装着プラットフォーム709を横断して水平に移動される際に、磁場によって引き起こされる駆動結合部186上の下向き垂直力を支持及び緩和する。
【0354】
図53を参照すると、装着要素822が、駆動体スリーブ132C上の対応する孔146内に受容され、分離回転子184Cが、磁石及び磁場を介して駆動回転子150と自己位置合わせした後、遠心分離機12Cを係止させることができる。具体的には、線形アクチュエータ838が作動されて、前述したように、装填組立体800/装着部816を下降係止位置に移動させる。その際、装着要素822及び遠心分離機12Cがその上に配設された装着プレート820は、装着プラットフォーム709の下方に下降され、それにより、駆動結合部186は、受け部812のキャビティ814内に直接受容される。次に、駆動結合部186は、駆動回転子150に取り付けられた1つ以上の磁石168に取り囲まれるか、又は横方向に位置合わせされる。この位置決めは、分離回転子184Cの回転を最適化するように、駆動結合部186上の1つ以上の磁石168の磁力を最適化する。更に、装填組立体800/装着部816が下降した係止位置に移動すると、分離固定子180Cの基部190Cは、遠心分離機12Cをスキッド700に効果的に係止させるように、装着プラットフォーム709の一部に突き当り、すなわち、孔146内に受け入れられた装着要素822は、駆動体スリーブ132C上で引き下げられ、一方、装着プラットフォーム709は、分離固定子180Cの基部190Cを上向きに押し上げる。線形アクチュエータ838は、遠心分離機12Cの動作中に、装填組立体800をこの下降した係止位置に保持する。この場合も、先に説明したように、遠心分離機12Cの係止プロセス及び動作中に、枢動装着ブロック826のばね荷重が遠心分離機12Cの過荷重を防止することを理解されたい。
【0355】
装着要素822と駆動体スリーブ132Cとの間の係合を容易にするために、様々な代替構造体を使用することができることを理解されたい。例えば、装着要素822は、駆動体スリーブ132C上の対応する切欠き内に受容される単一の半円形L字形部材で置き換えられ得る。他の実施形態では、1つ以上の延在部は、駆動体スリーブ132Cから外向きに延在し、1つ以上の装着要素822上に形成される切り欠き又は開口部内に受容され得る。他の実施形態では、装着要素822を駆動体スリーブ132Cに固定するために、異なるタイプの締結具又はクランプが使用され得る。そのため、駆動体スリーブ132Cは、装着要素822と係合するための1つ以上のフランジ、エルボ、キャビティ、スロット、又は凹部を有して形成され得る。ただし、本設計は、横方向の摺動接続を容易にするという点で独特の利点を有する。
【0356】
遠心分離機12Cの動作が完了すると、線形アクチュエータ838は、装填組立体800を上昇した係止解除位置に戻すように移動させ、それが取り付けられた方法の逆のプロセスにおいてスキッド700からの遠心分離機12Cの取り外しを可能にするために使用され得る。強い磁力に起因して、駆動結合部186が受け部812内に受容され、1つ以上の磁石168と係合されるとき、遠心分離機12Cを駆動回転子150から手動で分離することは困難であることを理解されたい。こうして、スキッド700及び装填組立体800は、遠心分離機12Cを手動で動作する必要がある前に、機械力を使用して遠心分離機12Cを駆動回転子150から少なくとも部分的に分離するという独特の利点を有する。
【0357】
図54は、バイオ生産容器901を含む例示的なバイオ生産プロセスに組み込まれた例示的な遠心分離機スキッド900の概略図である。バイオ生産容器901は、混合器、セルファクトリー、バイオ反応器、発酵槽、実験室及びベンチスケール容器、並びに分離のためにスキッド900に流体、固体又は混合相生体成分を供給し得る他の容器を含むがこれらに限定されない、任意のバイオ生産容器であり得る。スキッド900は、入口ポンプ902、遠心分離機組立体904、入口ラインセット912、軽質出口ラインセット914、重質出口ラインセット916、軽質出口ポンプ918、重質出口ポンプ920、再循環ラインセット922、一連の弁924、926、928、一連のセンサ930~948、960、コントローラ950、プログラム可能な電源956、並びに図43図46に関して説明する他のプロセス機器及び構成要素を含み得る。
【0358】
遠心分離機組立体904は、本明細書に記載される、全ての構成部品及び機器を含む、同一の遠心分離機12及び本明細書で説明する代替案、又は関連米国仮特許出願第63/115,938号に開示及び記載される遠心分離機のうちのいずれか1つであり得、当該米国仮特許出願は、全ての目的のために参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。先に記載のように、遠心分離機組立体904は、入口ポート906、軽質出口ポート908、及び重質出口ポート910を有し得る。ポート906、908、910は、生体成分が分離される分離回転子184C(図48に示す)の内部チャンバ又は分離容器190Cに流体結合され、それと連通する。
【0359】
入口ライン又はラインセット912は、バイオ生産容器901、入口ライン弁952、入口ポンプ902、及び遠心分離機組立体904の入口ポート906を接続する。入口ライン弁952は、入口ポンプ902の上流又は下流に位置決めされ得、分離のために遠心分離機組立体904の入口ポート910への生体成分を遮断又は流すように作動され得る。入口ポンプ902は、液体、固体、気体、及び混合相生体成分を、バイオ生産容器901から、入口ラインセット912、入口ライン弁952を通して、遠心分離機組立体904に圧送し、流すために使用される。入口ポンプ902は、遠心ポンプ又は蠕動ポンプなどの容積式ポンプとし得る。好ましくは、入口ポンプ902は、単回使用の使い捨て遠心ポンプである。
【0360】
軽質出口ラインセット914は、遠心分離機組立体904の軽質出口ポート908、軽質出口ポンプ918、軽質再循環弁924、及び再循環ラインセット922を接続する。遠心分離機組立体904内で分離されたより軽質成分は、遠心分離機組立体904の動作中に、軽質出口ポート908及び軽質出口ラインセット914を通って自然に流れ、かつ経路指定される。軽質出口ラインセット914は、軽質出口ラインセット914の分岐部に位置決めされた軽質再循環弁924を含み得る。軽質再循環弁924は、更なる処理、採取、及び除去のために、遠心分離機組立体904において分離された軽質生体成分をスキッド900から下流に流し、かつ経路指定するように作動され得る。軽質再循環弁924はまた、遠心分離機組立体904において分離された軽質生体成分を再循環ラインセット922を通ってバイオ生産容器901に戻すように流し、かつ経路指定するように作動され得る。
【0361】
軽質出口ポンプ918は、更なる処理のために、遠心分離機組立体904において分離された軽質生体成分をスキッド900から下流で圧送するか、又はバイオ生産容器901への再循環のために再循環ラインセット922を通して圧送するために、(電気モータ又は他の手段によって)駆動され得る。軽質出口ポンプ918はまた、ポンプ918を通る動作及び流れを逆転させることによって、軽質出口ラインセット914のための停止弁として作用し、任意の生体成分がポンプ918を過ぎて流れることを防止し得る。軽質出口ポンプ918は、遠心ポンプ、又は蠕動ポンプなどの容積式ポンプであり得る。好ましくは、軽質出口ポンプ918は、単回使用の使い捨て蠕動ポンプである。
【0362】
重質出口ラインセット916は、遠心分離機組立体904の重質出口ポート910、重質出口ポンプ920、重質再循環弁928、及び再循環ラインセット922を接続する。遠心分離機組立体904内で分離されたより重質な成分は、遠心分離機組立体904の動作中に、自然に流れ、重質出口ポート910及び重質出口ラインセット916を通って経路指定される。重質出口ラインセット916は、重質出口ラインセット916の分岐部に位置決めされた重質再循環弁928を含み得る。重質再循環弁928は、更なる処理、採取、及び除去のために、遠心分離機組立体904において分離された重質生体成分をスキッド900から下流に流して経路指定するように作動させ得る。重質再循環弁928はまた、遠心分離機組立体904において分離された重生体成分を再循環ラインセット922を通ってバイオ生産容器901に戻して流し、かつ経路指定するように作動され得る。
【0363】
重質出口ポンプ920は、更なる処理のために、遠心分離機組立体904において分離された重質生体成分をスキッド900から下流に圧送するか、又はバイオ生産容器901への再循環のために再循環ラインセット922を通して圧送するように、(電気モータ又は他の手段によって)駆動され得る。重質出口ポンプ920はまた、ポンプ920を通る動作及び流れを逆転させることによって、重質出口ラインセット916のための停止弁として作用し、任意の生体成分がポンプ920を通過して流れることを防止し得る。重質出口ポンプ920は、遠心ポンプ、又は蠕動ポンプなどの容積式ポンプであり得る。好ましくは、重質出口ポンプ920は、単回使用の使い捨て蠕動ポンプである。
【0364】
例示的な遠心分離機スキッド900及びラインセット918、920、922、958は、スキッド900内の様々な場所でプロセスパラメータを測定するための一連のセンサ930~948、960を装備し、それらと結合し得る。例えば、入口圧力センサ930は、入口ポンプ902の上流又は下流、及び遠心分離機組立体904の上流の入口ラインセット912内の圧力を測定し得る。入口流量センサ932は、入口ポンプ902の上流又は下流、及び遠心分離機組立体904の上流の生体成分の流量を測定し得る。
【0365】
軽質出口ラインセット914は、プロセスパラメータを測定し、プロセス制御機能のためにコントローラ950に信号を送信するセンサを装備する。例えば、軽質ラインセット圧力センサ934は、遠心分離機組立体904から下流かつ軽質出口ポンプ918の上流の圧力を測定し得る。軽質ラインセット濁度センサ936は、遠心分離機組立体904の下流かつ軽質出口ポンプ918の上流の濁度を測定し得る。軽質ラインセット流量センサ938は、遠心分離機組立体904の下流かつ軽質出口ポンプ918の上流の軽質出口ラインセット914内の生体成分の流量を測定し得る。
【0366】
重質出口ラインセット916はまた、プロセスパラメータを測定し、プロセス制御機能のためにコントローラ950に信号を送信するセンサを装備する。例えば、重質ライン設定圧力センサ940は、遠心分離機組立体904から下流かつ重質出口ポンプ920の上流の圧力を測定し得る。重質ラインセット濁度センサ942は、遠心分離機組立体904の下流かつ重質出口ポンプ920の上流の濁度を測定し得る。重質ラインセット流量センサ944は、遠心分離機組立体904の下流かつ重質出口ポンプ920の上流の重質出口ラインセット916内の生体成分の流量を測定し得る。
【0367】
再循環ラインセット922はまた、プロセスパラメータを測定し、プロセス制御機能のためにコントローラ950に信号を送信するセンサを装備する。例えば、再循環ライン圧力センサ946は、再循環ラインセット922内の圧力を測定し得る。再循環ライン流量センサ948は、再循環ラインセット922内の生体成分の流量を測定し得る。再循環ライン濁度センサ960は、再循環ラインセット922内の濁度を測定し得る。一連の例示的なセンサ930~948、960は、ラインセット918、920、922に沿って、ポンプ902、918、920及び遠心分離機組立体904を含むスキッド900のプロセス機器から上流及び下流の複数の場所に位置決めされ得る。好ましくは、例示的なセンサ930~948、960は、スキッド900上に容易に装着され、取り外され、交換される単回使用の使い捨てセンサである。圧力、流量、及び濁度センサに加えて、スキッド900は、導電率センサ、Oセンサ、COセンサ、pHセンサ、温度センサ、近接センサ、rpmセンサ、及びオペレータによって選択され、バイオ生産プロセスに必要な他のセンサを装備し得る。
【0368】
スキッドはまた、生体成分がライン及びプロセス機器を通って流れるのを防止するため、遠心分離機組立体904の下流の軽質出口ラインセット914若しくは重質出口ラインセット916に結合された入口ポンプ902の上流、再循環ラインセット922に結合された軽質出口ポンプ及び重質出口ポンプ(918、920)の下流、又は他の場所を含む、スキッド900全体にわたって1つ以上の緊急遮断弁926を装備し得る。
【0369】
スキッドに装備された例示的な弁924、926、928、952は、図48を参照して記載される弁制御システム760によって制御され得る。弁制御システム760は、流量制御弁726、細管725、弁端子739、及びフィールドバスノード747を含み得る。弁制御システム760は、空気圧制御システムとし得、弁924、926、928、952は、空気圧ピンチ弁又はピンチクランプを備え得る。弁制御システム760はまた、電気制御システムでし得、弁924、926、928、952は、弁上の種々のポートを開放及び閉鎖するためのソレノイド要素と、ポートが開放又は閉鎖されているかどうかを検出するための光学デジタル位置フィードバックセンサとを有し得る。例示的な実施形態は、弁924、926、928、952は、弁の内外への細管の迅速な装填及び取り外しのためのスナップイン管スロットを含む。
【0370】
弁端子739(図48に示す)は、通信ポート、通信リンク、回路基板、並びに弁924、926、928、952の入口ポート及び出口ポートに電気的又は空気圧的に結合された複数のポートを有する多岐管を含み得る。例示的な実施形態では、通信ポート及びリンクは、フィールドバスノード747に結合されたI/Oポート及びリンクであり得る。弁端子739、フィールドバスノード747は、センサ930~948、960によって測定されたプロセスパラメータに基づいて弁端子39及び多岐管を介して印加される電気信号又は空気圧で弁924、926、928、952の作動を制御するコントローラ950と有線又は無線で通信し得る。弁制御システム60及びコントローラ950は、特定の通信プロトコルを使用して、弁端子739、フィールドバスノード747、弁924、926、928、952、及びコントローラ950の間のデータ及び電気信号伝送を容易にし得る。例示的な実施形態では、通信プロトコルはProfinetである。
【0371】
スキッド900上に装備されたコントローラ950は、弁924、926、928、952を作動させ、センサ930~948、960によって測定されたプロセスパラメータに基づいて、プログラム可能な電源956を通して、ポンプ902、918、920、遠心分離機組立体904、弁制御システム760、及び他のプロセス機器に電力を供給するようにプログラムされた、プログラマブルプロセッサ及び非一時的メモリを含み得る。コントローラ950は、例示的なセンサ930~948、960、弁端子739(図48に示す)、ポンプ902、918、920及び関連するモータ、並びに遠心分離機組立体904を駆動するモータ169(図48に示す)と有線又は無線で通信し得る。コントローラ950は、センサ930~948、960から信号を受信し、受信した信号を読み取り可能なプロセスパラメータに変換し得る。信号は、スキッド900、ラインセット912、914、916、922、及びスキッド900上のプロセス機器全体にわたる圧力、流量、濁度、密度、温度、pH、モータ電力、回転子rpm、O濃度及び/又はCO濃度などのプロセスパラメータを示す。コントローラ950は、センサ930~948、960によって測定されて送信され、コントローラ950によって読み取られて変換されたプロセスパラメータ信号に基づいて、スキッド900装備された例示的な弁924、926、928、952を自動的に作動させ、開放及び閉鎖し得る。コントローラ950はまた、センサ930~948、960によって測定及び送信され、コントローラ950によって読み取られ、変換されたプロセスパラメータ信号に基づいて、ポンプ902、918、920、遠心分離機組立体904、及び/又は関連するモータへの電力を増加又は減少させるように、プログラム可能な電源956を自動的に制御し得る。
【0372】
例示的な実施形態は、遠心分離機組立体904の分離回転子184C(図48に示す)は、分離回転子184Cの毎分回転数及び/又は回転速度を測定するために、分離回転子184Cに近接するrpmセンサ(例えば、加速度計)に結合される。コントローラ950は、モータ169(図48に示す)への電力を増加又は減少させ、順に、センサ930~948、960によって測定及び送信され、コントローラ950によって受信され、読み取られ、変換されたプロセスパラメータ信号に基づいて、分離回転子184Cの回転速度を増加又は減少させるように、プログラム可能な電源956を自動的に制御し得る。
【0373】
図55A図55Cは、遠心分離機スキッド(700、900)を装填及びロックダウンし、弁(924、926、928、952)を初期化し、扉組立体(711)を相互係止させ、緊急システム停止動作を行うための例示的動作のプロセスフロー図を例示する。例示的な動作及びプロセスは、例示的なプロセスの始動、分離、吐出、再循環及びダウンストリーム動作を自動的に実行するようにプログラムされたプログラマブルプロセッサ及び非一時的メモリを含むコントローラ(798、950)によって実行され得る。プロセスの態様は、手動でも動作され得る。図45及び54を参照して記載されるように、コントローラ(798、950)は、例示的遠心分離機スキッド(700、900)上に装備される、プログラム可能な電源(733)、弁(924、926、928、952)、弁制御システム(760)、センサ(930-948、960)、ポンプ(721、748、749、902、918、920)、モータ(108、169)、及びアクチュエータ(838)と有線又は無線で通信し得る。コントローラ(798、950)は、弁、モータ、ポンプ、遠心分離機、線形アクチュエータ、及びスキッド(700、900)上の他の機器を作動させ、開放し、閉鎖し、移動させ、及び/又はそれらに信号若しくは電力を供給することによって、例示的なプロセスの始動、分離、吐出、再循環、及びダウンストリーム動作を実行するようにプログラムされる。
【0374】
コントローラ(798、950)は、遠心分離機スキッド(700、900)、弁(924、926、928、952)、及び扉組立体(711)に位置し、それらに結合された近接センサを含む、システム内の全てのセンサからのデータ及び信号を要求し、機器が装填され、ロックダウンされ、動作のために適切に構成されたかどうかを判定するようにプログラムされる。
【0375】
遠心分離機の装填及びロックダウン動作
図55Aを参照すると、図42図44及び図54の遠心分離機スキッド(700、900)、コントローラ(798、950)は、以下のステップを行うことによって、遠心分離機装填動作を実行するようにプログラムされる。
【0376】
ステップ971において、コントローラ(798、950)は、線形アクチュエータ(838)が上方及び係止解除位置又は下方及び係止位置で作動されているかどうかを感知するように、近接センサをトリガする制御論理を実行するようにプログラムされる。線形アクチュエータ(838)が下方の係止位置にある場合、制御論理は、エラーメッセージを表示し、ユーザに促すか、又は扉組立体(711)を自動的に閉鎖して係止させ得る。制御論理は、線形アクチュエータ(838)に信号を送信して、上方及び係止解除位置に作動させ、線形アクチュエータ(838)が係止解除及び上方の位置にあることを示す、デジタル表示ユニット(762)を介した出力又は通知をトリガし得る。このとき、コントローラ(798、950)によって開始される制御論理は、遠心分離機組立体(12、904)を装填するために、扉組立体(711)を係止解除し得る。
【0377】
ステップ972において、扉組立体(711)を、手動で又は自動で開放し得、遠心分離機組立体(12、904)を装填し得、これは、遠心分離機組立体(12、904)が装填され、適切に中央配置されているかどうかを感知するように近接センサをトリガする。遠心分離機組立体(12、904)は、図49図53に関して記載されるように、磁気的に装填され、中央配置され得る。遠心分離機組立体(12、904)が適切に装填されていない場合、コントローラ(798、950)は、デジタル表示ユニット(762)上にエラーメッセージを表示し、ユーザに遠心分離機組立体(12、904)を調整するように促し得る。組立体(12、904)が適切に装填されると、通知及び表示が提供され得る。
【0378】
図55Bを参照すると、ステップ973において、オペレータに、扉組立体(711)を閉鎖するように促し得、又は扉組立体(711)を、自動的に閉鎖し得、これは、扉組立体(711)が適切な相互係止を達成したかどうかを感知するように、近接センサをトリガする。扉組立体(711)が適切な相互係止を達成していない場合、デジタル表示ユニット(762)は、扉が開放しているか又は係止されていないという通知を提供し、適切な相互係止のために扉組立体(711)を調整するようにユーザに又は自動的に促し得る。適切な相互係止が達成されると、デジタル表示ユニット(762)は、相互係止が達成されたという通知を提供し得る。
【0379】
ステップ974において、扉組立体(711)が係止されると、コントローラ(798、950)によって制御論理が開始され、制御論理は、線形アクチュエータを下方に移動させて係止位置にし、遠心分離機組立体(12、904)をスキッド(700、900)に係止させる。これは、線形アクチュエータ(838)が下方の係止位置にあるか否かを感知し、そうでない場合には、線形アクチュエータが上方にある旨の表示を提供するように、近接センサをトリガする。コントローラ(798、950)は、線形アクチュエータ(838)を作動させて、線形アクチュエータ(838)の下方への移動を継続し得る。遠心分離機組立体(12、904)がスキッド(700、900)にロックダウンされると、制御論理は、分離機がロックダウンされ、始動、分離、吐出、再循環、及びダウンストリーム動作の準備ができているという表示を提供し得る。
【0380】
図55Cを参照するとステップ975において、弁初期化プロセスは、コントローラ(798、950)によって開始される制御論理によって実行され得、これは、弁が生体成分をバイオ生産容器(901)に戻して再循環するように作動されるかどうかを感知するように、軽質再循環弁924及び重質再循環弁928と関連付けられた近接センサをトリガする。再循環弁(924、928)が、生体成分を再循環してバイオ生産容器(901)に戻さない場合、デジタル表示ユニット(762)は、弁が開放していないか、又は再循環するように構成されていないという通知を提供し得る。コントローラ(798、950)によって開始される制御論理は、再循環弁(924、928)を自動的に作動させて、生体成分をバイオ生産容器(901)に戻して再循環し得る。再循環弁(924、928)が再循環モードに作動されると、デジタル表示ユニット(762)は、弁が開放しているか、又は再循環モードにあるという通知を提供し得る。
【0381】
図56は、例示的な遠心分離機スキッド(700、900)を動作させるための例示的なプロセスのプロセスフロー図を例示する。例示的なプロセスは、例示的なプロセスの始動、分離、吐出、再循環、及びダウンストリーム動作を自動的に実行するようにプログラムされたプログラマブルプロセッサ及び非一時的メモリを含む、本明細書に記載のコントローラ(798、950)によって実行され得る。図45及び図54を参照して説明されるように、コントローラ(798、950)は、例示的な遠心分離機スキッド(700、900)上に装備される、プログラム可能な電源(733、956)、弁(924、926、928、952)、弁制御システム(760)、センサ(930~948、960)、ポンプ(721,748、749、902、918、920)、モータ(108、169)、及びアクチュエータ(838)と有線又は無線で通信し得る。コントローラ(798、950)は、スキッド(700、900)上の弁、ポンプ、遠心分離機、線形アクチュエータ、及び他の機器を作動させ、開放し、閉鎖し、移動させ、及び/又は信号若しくは電力を供給することによって、例示的なプロセスの始動、分離、吐出、再循環、及びダウンストリーム動作を実行するようにプログラムされる。図42図54の遠心分離機スキッド(700、900)を参照すると、コントローラ(798、950)は、以下のステップを行うことによって始動動作を実行するようにプログラムされる。
【0382】
遠心分離機の始動動作
ステップ601において、オペレータは、コントローラ(798、950)と有線又は無線で通信するスキッド(700、900)のユーザ入力及びデジタル表示ユニット762(図42に示す)を通して、実行又は開始入力を供給し得るか、又はオペレータは、スキッド(700、900)のオンスイッチを作動させ得る。
【0383】
ステップ602において、コントローラ(798、950)は、入口ポンプ(721、902)がプライミングされ得ることを示すデバイス準備完了出力又は通知を、ユーザ入力及びデジタル表示ユニット(762)を介して提供し得る。
【0384】
ステップ603において、制御論理は、入口ポンプ(721、902)のモータに電力を供給することによって入口ポンプ(721、902)を始動させるコントローラ(798、950)によって開始される。弁(924、926、928、952)の適切なポートがまだ開放していない場合、コントローラ(798、950)は、弁(924、926、928、952)を開放して及び/又は作動させて、バイオプロセス容器(901)から遠心分離機組立体(12、904)へ、遠心分離機組立体(12、904)から下流の軽質出口ラインセット及び重質出口ラインセット(36、44、52、914、916、958)を通る流体経路を作り出すようにプログラムされ得る。コントローラ(798、950)は、デフォルト始動弁位置及びモードに従って弁(924、926、928、952)を調整するようにプログラムし得る。例示的な実施形態では、始動前の弁(924、926、928、952)のデフォルト位置は、バイオ生産容器(901)から、軽質出口ラインセット及び重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)を通り、バイオプロセス容器(901)に戻る再循環ラインセット(922)を通る、遠心分離機組立体(12、904)への流体経路を作り出す。入口ポンプ(721、902)の始動は、入口ポンプ(721、902)に呼び水を差す(プライミング)ために、分離のための生体成分及び/又は固体を含んでも含まなくてもよい流体をバイオプロセス容器901から入口ポンプ(721、902)を通して流す。コントローラは、弁(924、926、928、952)を作動させて、流体が遠心分離機組立体(12、904)を通り、ラインセット922(図54に示す)を通るように経路指定するようにプログラムされ得る。システムを通る流体の流れは、ポンプをプライミングし、システムから気体を押し出す。流体、気体又は生体成分は、入口ポンプ(521、902)のプライミング中にバイオプロセス容器901に戻すように再循環され得る。
【0385】
ステップ604において、短い持続時間(例えば、2~10秒)の間、又は入口ポンプ(721、902)がプライミングされるまで、軽質出口ポンプ及び重質出口ポンプ(36、44、52、918、920)の始動を時間遅延させる制御論理がコントローラ(598、950)によって開始される。次のプロセスステップ605及び/又は606における時間遅延及び/又は論理のうちのいずれかを使用して、入口ポンプ(721、902)がプライミングされることを確実にし得る。入口ポンプ(721、902)がプライミングされているかどうかを判定するために圧力測定値が使用されている場合、時間遅延を増加させ得る。時間遅延が最小時間制限に達すると、制御論理は次のプロセスステップに進み得る。
【0386】
ステップ605において、出口ポンプ(748、749、918、920)を始動させ、入口ポンプ(721、902)に一定の電力が印加される自動モードに入口ポンプ(721、902)を設定する制御論理が、コントローラ798、950)によって開始される。自動モードでは、入口ポンプ(721、902)の下流又は遠心分離機(12、904)の下流の圧力を設定点圧力に維持するように、プログラム可能な電源(733)から入口ポンプ(721、902)のモータに電力を印加及び調節する制御論理が、コントローラ(798、950)によって開始される。
【0387】
ステップ606において、遠心分離機組立体(12、904)からそれぞれ下流の軽質出口ラインセット及び/又は重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)内の濁度を測定するように、軽質ラインセット濁度センサ(936)又は重質ラインセット濁度センサ(942)のうちの1つ以上をトリガする制御論理が、コントローラ798、950)によって開始される。軽質ラインセット濁度センサ(936)及び/又は重質ラインセット濁度センサ(942)は、遠心分離機組立体(12、904)から下流の濁度を示す信号をコントローラ(98、950)に送信する。コントローラ(798、950)は、濁度測定値を受信し、変換し、読み取り、遠心分離機組立体(12、904)から下流の軽質出口ラインセット及び/又は重質出口ラインセット(914、916)内の設定点濁度と比較する。濁度測定値が必要な設定点濁度と一致する場合、プライミングは完了し、入口ポンプ(721、902)は動作し続け、生体成分をバイオ生産容器(910)から、システムを通して、再循環ループを通して戻すように圧送する。遠心分離機組立体(12、904)から下流の軽質出口ラインセット及び重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)内の設定点濁度は、最小濁度に設定され得る。例示的な実施形態は、遠心分離機組立体(12、904)から下流の軽質出口ラインセット及び重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)内の設定点濁度は、両方とも、0FTUを上回る。濁度が経時的に変動していないことを確認し、入口ポンプ(721、902)がプライミングされ、出口ポンプ(748、749、918、920)及びシステムが定常状態に達したことを確実にするために、1つ以上の濁度測定を経時的に行い得る。コントローラ(798、950)は、ユーザ入力及びデジタル表示ユニット(762)を介して、入口ポンプ(721、902)がプライミングされていることを示す「ポンプがプライミング中」又は「プライミング完了」出力又は通知を提供し得る。
【0388】
ステップ606において、軽質出口ラインセット及び/又は重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)内の濁度を測定する代わりに、又はそれに加えて、入口ポンプ(721、902)から下流の入口圧力センサ(930)、軽質ラインセット圧力センサ(934)、又は重質ラインセット圧力センサ(940)のうちの1つ以上をトリガして、入口ポンプ(721、902)から下流の圧力、又は遠心分離機組立体(12、904)から下流の軽質出口ラインセット及び/又は重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)内の圧力それぞれを測定する制御論理が、コントローラ(798、950)によって開始される。入口圧力センサ930、軽質セットライン圧力センサ(934)及び/又は重質ラインセット圧力センサ(940)は、入口ポンプ(721、902)又は遠心分離機組立体(12、904)から下流の圧力を示す信号をコントローラ(798、950)に送信する。コントローラ(798、950)は、圧力測定値を受信し、変換し、読み取り、入口ポンプ(721、902)から下流の、並びに/又は遠心分離機組立体(12、904)から下流の軽質出口ラインセット及び/若しくは重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)内の設定点圧力と比較する。圧力測定値が必要な設定点圧力に一致する場合、プライミングは完了し、システムは定常状態に達しており、入口ポンプ(721、902)は動作し続け、生体成分をバイオ生産容器(910)からシステムを通して、再循環ループを通して戻すように圧送する。設定点圧力は、最小圧力に設定され得る。圧力が経時的に変動していないことを確認し、入口ポンプ(721、902)がプライミングされ、システムが定常状態に達したことを確実にするために、1つ以上の圧力測定を経時的に行い得る。圧力測定値がプライミング及び定常状態を確認するために使用されている場合、ステップ604における時間遅延は、定常状態及びプライミングが達成されたことを確実にするために増加され得る。例示的な実施形態では、設定点圧力は、2psiの最小圧力以上である。コントローラ(798、950)は、ユーザ入力及びデジタル表示ユニット(62)を介して、入口ポンプ(721、902)がプライミングされていることを示す「ポンプがプライミング中」出力又は通知を提供し得る。
【0389】
ステップ607において、入口ポンプ(721、902)がプライミングされ、両方の出口ポンプ(748、749、918、920)及びシステムが定常状態に到達した後、遠心分離機組立体(12、904)の分離回転子(184)を磁気的に駆動及び回転させるモータ(169)にプログラム可能な電源(733)から電力を印加する制御論理が、コントローラ(798、950)によって開始される。分離回転子(184)の始動は、システム内の圧力、濁度、及び流量を含むプロセスパラメータに影響を及ぼし、遠心分離機組立体(12、904)の始動前に達成された定常状態からの摂動が生じることがある。
【0390】
ステップ608において、遠心分離機組立体(12、904)から下流の軽質出口ラインセット及び重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)内の圧力及び/又は濁度を測定するために、全てが軽質出口ポンプ及び重質出口ポンプ(36、44、52、918、920)から上流に位置する、軽質ラインセット濁度センサ(936)、重質ラインセット濁度センサ(942)、軽質ラインセット圧力センサ(934)、又は重質ラインセット圧力センサ(940)のうちの1つ以上をトリガする制御論理が、コントローラ(798、950)によって開始される。1つ以上のセンサ(934、936、940、942)は、遠心分離機組立体(12、904)から下流の軽質出口ラインセット及び重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)内の圧力又は濁度を示す信号をコントローラ(98、950)に送信する。コントローラ(798、950)は、濁度測定値及び/又は圧力測定値を受信し、変換し、読み取り、遠心分離機組立体(12、904)から下流の場所で満たされなければならない出口ポンプ設定点濁度要件及び/又は設定点圧力要件と比較する。濁度測定値及び/又は圧力測定値が、必要とされる出口ポンプ設定点濁度及び/又は設定点圧力と一致する場合、システムは、安全定常状態に到達している。圧力設定点及び濁度設定点は、最小又は最大の圧力又は濁度に設定され得る。例えば、出口ポンプ設定点圧力は、軽質ラインセット圧力センサ(934)又は重質ラインセット圧力センサ(940)において測定される最小圧力要件に設定され得る。
【0391】
例示的な実施形態では、軽質ラインセット濁度センサ(936)で測定される軽質出口設定点濁度は、所定の最大濁度に設定される。重質ラインセット濁度センサ(942)で測定される重質出口設定点濁度は、所定の最小濁度に設定される。軽質出口ラインセット及び重質出口ラインセット(36、44、52、914、916)において、それぞれ軽質ラインセット濁度センサ及び重質ラインセット濁度センサ(934、940)によって測定される最大濁度設定点及び最小濁度設定点の両方は、安全な定常状態を達成するために、かつ制御論理が次のプロセスステップに進み得る前に、満たされなければならない。
【0392】
1つ以上の圧力及び/又は濁度測定を、経時的に遠心分離機組立体(12、904)から下流で行って、圧力又は濁度が経時的に変動していないことを確認し、システムが全てのポンプ及び遠心分離機をオンにした状態で安全な定常状態に達したことを確実にし得る。コントローラ(98、950)は、全てのポンプ及び遠心分離機がオンの状態でシステムが安全な定常状態に達したことを示す「定常状態」出力及び通知を、ユーザ入力及びデジタル表示ユニット(762)を介して提供し得る。このステップを支配する1つ以上の定常状態設定点要件が満たされると、制御論理は、生体成分が遠心分離機組立体(12、904)及びスキッド(700、900)の下流に送られる下流プロセスモードを含む、次のプロセスステップに進み得る。
【0393】
代替的に、ステップ608において、バイオプロセス容器(901)から再循環ラインセット(922)を通ってバイオプロセス容器(901)に戻るように生体成分を経路指定する代わりに、生体成分が遠心分離機組立体(12、904)及びスキッド(700、900)の下流に経路指定される下流プロセスモードの開始を時間遅延させる制御論理が、コントローラ(798、950)によって開始される。下流プロセスモードの開始は、遠心分離機組立体(12、904)及び全てのポンプの始動後に確認された定常状態に到達するまで遅延される。このプロセスステップ613における時間遅延及び/又は他の論理のいずれかを使用して、遠心分離機組立体(12、904)の始動後にシステムが安全な定常状態に達したことを確実にし得る。定常状態に達したかどうかを判定するために圧力測定値が使用されている場合、時間遅延を増加させ得る。時間遅延が最小時間制限に達すると、制御論理は次のプロセスステップに進み得る。
【0394】
ステップ609において、全てのポンプ及び遠心分離機がオンの状態で定常状態に達した後、1つ以上の弁を作動させて、生体成分をバイオプロセス容器(901)から再循環ラインセット(922)を通ってバイオプロセス容器(901)に戻るように経路指定する代わりに、分離された生体成分を遠心分離機組立体(12、904)及びスキッド(700、900)の下流に経路指定することによって下流プロセスモードを開始する制御論理が、コントローラ(798、950)によって開始される。例示的な実施形態では、コントローラ(798、950)は、分離された生体成分を遠心分離機組立体(12、904)及びスキッド(700、900)の下流に経路指定するために、軽質再循環弁(924)及び重質再循環弁(928)を(例えば、弁制御システム760を用いて)作動させる論理を実行するようにプログラムされる。
【0395】
ステップ610において、システムが定常状態から離れて摂動していないこと、又は下流プロセスモードが開始された後にシステムが再び定常状態に達したことを検証するために、直前のステップに関して説明したように、圧力測定及び濁度測定を別のセットで行われ得る。下流プロセスモードを開始した後に、定常状態に達し、それが確認されると、制御論理がコントローラ(798、950)によって開始されて、カスケードモードに入る。カスケードモードは、下流プロセスモードと同時に開始され得る。カスケードモードでは、コントローラ(798、950)は、プログラム可能な電源(733)から入口ポンプ(721、902)、軽質出口ポンプ(748、918)及び重質出口ポンプ(749、920)に電力を連続的に印加及び調整して、遠心分離機組立体(12、904)の上流及び下流の圧力、濁度及び流量の動作設定点を含む定常状態設定点を維持する。
【0396】
図5Cを参照すると、ステップ506において、機器が故障した場合、プロセスパラメータが最適化されていない場合、又は分離プロセスが適切に実行されていない場合、コントローラ(798、950)によって緊急停止イベントを開始し得る。E-STOPイベントの間、コントローラ(798、950)によって開始される制御論理は、E-STOPが必要であること、又はE-STOPが発生することを示すアラーム及びエラーメッセージを表示及び/又は鳴らし得る。次いで、コントローラ(798、950)は、全ての電力を遮断し、全てのポンプ及び遠心分離機組立体(12、904)を停止させ得る。コントローラ(798、950)はまた、生体成分がシステム又はスキッド(700、900)から出ないことを確実にするために、全ての弁(924、926、928、952)を閉鎖し得る。
【実施例
【0397】
実施例分離1
装填、ロックダウン及び始動動作が本開示に従って実施された後、CHO細胞培養懸濁液を、スキッド上に装填された例示的な遠心分離機の入口に8リットル/分で圧送した。細胞培養懸濁液を、遠心分離機によって、遠心分離機の軽質出口から出る軽質成分の遠心分離液と、遠心分離機の重質出口から出る重質成分の濃縮液とに分離した。図57は、濁度の減少割合、血球容量(packed cell volume、PCV)の減少割合、濃縮液ストリーム中の濃縮されたPCV、及び遠心分離機の入口から出口まで測定された可溶性生成物(この場合、分泌タンパク質)の理論収量を含む、いくつかのプロセス性能パラメータの棒グラフを示す。実施例分離1のプロセス性能パラメータは、図57の棒グラフの第1の組の棒に示されている。
【0398】
血中血球体積は、細胞培養懸濁液中の細胞の体積百分率の指標であり、以下の式を用いて計算した。
【0399】
【数1】
【0400】
細胞培養懸濁液から分離された可溶性生成物の理論収量を、以下の式を用いて計算した。
【0401】
【数2】
【0402】
実施例分離1は、87%の細胞培養懸濁液の濁度の低減、-95%のPCVの低減、82.5%の濃縮物中の濃縮されたPCV、及び99.1%の可溶性生成物回収の理論収量、という結果であった。
【0403】
実施例分離2
装填、ロックダウン及び始動動作の後、CHO細胞培養懸濁液を、スキッド上に装填された例示的な遠心分離機の入口に5リットル/分で圧送した。細胞培養懸濁液を、遠心分離機によって、遠心分離機の軽質出口から出る軽質成分の遠心分離液と、遠心分離機の重質出口から出る重質成分の濃縮液とに分離した。図57は、濁度の減少割合、血球体積(packed cell volume、PCV)の減少割合、濃縮物中に濃縮されたPCV、及び遠心分離機の入口から出口まで測定された可溶性生成物の理論収量、を含む、いくつかのプロセス性能パラメータの棒グラフを示す。実施例分離2のプロセス性能パラメータは、図57の棒グラフの第2の組の棒に示されている。
【0404】
血球体積は、細胞培養懸濁液中の細胞の体積百分率の指標であり、以下の式を用いて計算した。
【0405】
【数3】
【0406】
細胞培養懸濁液から分離された可溶性生成物の理論収量を、以下の式を用いて計算した。
【0407】
【数4】
【0408】
実施例分離2は、85%の細胞培養懸濁液の濁度の低減、98%のPCVの低減、87.7%の濃縮物中の濃縮されたPCV、99.4%の可溶性生成物の理論収量、という結果であった。
【0409】
実施例分離3
装填、ロックダウン及び始動動作の後、CHO細胞培養懸濁液を、スキッド上に装填された例示的な遠心分離機の入口に8リットル/分で圧送した。細胞培養懸濁液を、遠心分離機によって、遠心分離機の軽質出口から出る軽質成分の遠心分離液と、遠心分離機の重質出口から出る重質成分の濃縮液とに分離した。遠心分離機の軽質出口を出る遠心分離液を、珪藻土濾過助剤を有するセルロース系デプスフィルターを使用して深層濾過に供した。
【0410】
また、同じCHO細胞培養懸濁液を、最初に遠心分離機に通すことなく、同じ条件下で深層濾過に供した。図58は、分離を伴わない細胞培養懸濁液の深層濾過に対応する圧力-体積曲線、及び実施例分離3から得られた遠心分離液の深層濾過に対応する圧力-体積曲線を示す。図58に示すように、深層濾過の所与の体積にわたる圧力は、例示的な遠心分離機を使用して分離を受けた細胞培養懸濁液に対してははるかに低い。これらの深層濾過の結果は、高い分離性能を示す。
【0411】
本明細書に示された本発明の特徴の様々な変更及び/又は修正、並びに本明細書に示された原理の追加の適用は、当業者及び本開示を所有する者が思いつくものであり、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、示される実施形態に対して行うことができ、本開示の範囲内であると見なされるべきである。そのため、様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されているが、他の態様及び実施形態が企図される。本開示の実施形態を実施するために、本明細書に記載されるものと類似又は同等の多くの方法及び構成要素が使用され得るが、ある特定の構成要素及び方法のみが本明細書に記載されている。
【0412】
本開示のある特定の実施形態によるシステム、プロセス、及び/又は製品は、本明細書に開示及び/又は記載される他の実施形態に記載される特性特徴(例えば、構成要素、部材、要素、部品、及び/又は部分)を含み、組み込む、又は別様に備え得ることも理解されるであろう。それにより、ある特定の実施形態の様々な特徴は、本開示の他の実施形態と互換性があり、それと組み合わされ、それに含まれ、及び/又はそれに組み込まれ得る。そのため、本開示の特定の実施形態に関するある特定の特徴の開示は、当該特徴の適用又は包含を特定の実施形態に限定するものとして解釈されるべきではない。むしろ、他の実施形態もまた、本開示の範囲から必ずしも逸脱することなく、当該特徴を含み得ることが理解されるであろう。
【0413】
本開示は、その趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。記載の実施形態は、全ての点で例示的なものに過ぎず、限定的なものではないとみなされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。ある特定の実施形態及び詳細が、本開示の実施形態を例示する目的のために本明細書及び添付の開示に含まれているが、本明細書に開示する方法、製品、デバイス、及び装置の様々な変更が、添付の特許請求の範囲で定義される本開示又は本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることが当業者には明らかであろう。特許請求の範囲の同等物の意味及び範囲内に入る全ての変更は、その範囲内に包含されるべきである。
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【国際調査報告】