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特表2023-550159エアロゾル計量バルブシステム及びエアロゾル計量バルブシステムを備える容器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】エアロゾル計量バルブシステム及びエアロゾル計量バルブシステムを備える容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/52 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
B65D83/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530853
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 IB2021060831
(87)【国際公開番号】W WO2022107096
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】P.436052
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522198368
【氏名又は名称】カドゥラ,マーシン
(71)【出願人】
【識別番号】522198379
【氏名又は名称】カドゥラ,ヴィスラフ
(71)【出願人】
【識別番号】522198380
【氏名又は名称】コルチク,セバスチアン
(71)【出願人】
【識別番号】522198391
【氏名又は名称】コルチク,スタニスラフ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】カドゥラ,マーシン
(72)【発明者】
【氏名】カドゥラ,ヴィスラフ
(72)【発明者】
【氏名】コルチク,セバスチアン
(72)【発明者】
【氏名】コルチク,スタニスラフ
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PD01
3E014PE02
3E014PE04
3E014PE05
3E014PE06
3E014PE08
3E014PE14
3E014PE16
3E014PE30
3E014PF09
(57)【要約】
本発明の目的は、側壁、頂壁、及び底壁によって画定された計量チャンバ(1)と、計量チャンバ(1)の底壁から延びる投入ポート(2)と、計量チャンバ(1)の頂壁から延びる解放ステム(3)であって、投入ポート(2)に向かって延びるステムブロック(4)と接続された解放ステム(3)と、計量チャンバ(1)内に配置され、計量チャンバ(1)内で移動可能なピストン(5)と、計量チャンバ(1)内に配置され、その一端でピストン(5)に支えられ、投入ポート(2)に向かってピストン(5)に圧力をかけるピストンバネ(6)とを含む、計量された用量の製造物を分注するためのエアロゾル計量バルブシステムであって、計量チャンバ(1)内で同軸上に配置された投入チャネル(7)があり、ピストン(5)は投入チャネル(7)をしっかりと取り囲み、投入チャネルは、締切り(9)によって閉じられ、投入チャネル(7)をピストン(5)及び/又は投入ポート(2)の下の推進空間(10)と接続する投入開口部(8)を有し、投入チャネル(7)は、投入チャネル(7)をピストン(5)の上方の用量空間(12)と接続する用量開口部(11)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量された用量の製造物を分注するためのエアロゾル計量バルブシステムであって、
側壁、頂壁、及び底壁によって画定された計量チャンバ(1)と、
前記計量チャンバ(1)の前記底壁から延びる投入ポート(2)と、
前記計量チャンバ(1)の前記頂壁から延びる解放ステム(3)であって、前記投入ポート(2)に向かって延びるステムブロック(4)と接続される、前記解放ステム(3)と、
前記計量チャンバ(1)に配置され、前記計量チャンバ(1)で移動可能なピストン(5)と、
前記計量チャンバ(1)に配置され、その一端で前記ピストン(5)に支えられ、前記投入ポート(2)に向かって前記ピストンに圧力をかけるピストンバネ(6)と、
を備え、
前記計量チャンバ(1)内で同軸上に配置された投入チャネル(7)があり、
前記ピストン(5)が、前記投入チャネル(7)をしっかりと取り囲み、
前記投入チャネル(7)が、締切り(9)によって閉じられ、前記ピストン(5)及び/又は前記投入ポート(2)の下の前記推進空間(10)と前記投入チャネル(7)を接続する投入開口部(8)を有し、
前記投入チャネル(7)が、前記ピストン(5)の上方で、前記投入チャネル(7)を前記用量空間(12)と接続する用量開口部(11)を有する
ことを特徴とする、エアロゾル計量バルブシステム。
【請求項2】
前記投入チャネル(7)が、移動可能なステムブロック(4)が配置される前記計量チャンバ(1)を通して同軸上で延びる軸受け筒(13)であることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項3】
前記投入チャネル(7)が、前記ステムブロック(4)内でくり抜かれることを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項4】
前記ステムブロック(4)に配置された充填逆止弁(14)があることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項5】
前記充填逆止弁(14)が、前記解放ステム(3)に向かって押すバネによってかけられる力にさらされるボール又はシーリングピストンであることを特徴とする、請求項4に記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項6】
エアロゾル計量バルブシステムが、エアロゾル容器(15)への取付け用のアダプタの形をとり、取付けアセンブリ(16)を具備することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項7】
前記取付けアセンブリ(16)が、前記エアロゾル容器(15)の前記フランジ(18)との、又は前記エアロゾル容器ヘッド(20)の前記フランジ(19)とのスナップ篏合接続のために少なくとも1つの周囲に配置された取付けフック(17)を具備することを特徴とする、請求項6に記載のエアロゾルバルブシステム。
【請求項8】
前記投入ポート(2)が、オスバルブコネクタ(21)又はメスバルブコネクタ(22)であることを特徴とする、請求項6又は7に記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項9】
エアロゾル計量バルブシステムが分注ノズル(23)を有することを特徴とする、請求項6~8のいずれかに記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項10】
前記エアロゾル計量バルブシステムが、前記解放ステム(3)の周りのその外面上に、前記投入ポート(2)に反対の方向に突出し、前記エアロゾル容器(15)の前記フランジ(18)の前記寸法に実質的に一致するその幾何学形状を有して配置されたアダプタ環状フランジ(30)を有することを特徴とする、請求項6~8のいずれかに記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項11】
エアロゾル計量バルブシステムが前記エアロゾル容器(15)内部に配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項12】
前記投入開口部(8)が、前記投入ポート(2)に対して近位端で前記投入チャネル(7)内に配置されており、前記用量開口部(11)が、前記解放ステム(3)に対して前記近位端で前記投入チャネル(7)に配置されることを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項13】
エアロゾル計量バルブシステムが、前記計量チャンバ(1)内に設けられ、透明な又は部分的に透明な材料から作られ、前記計量チャンバ(1)に沿って、その側壁上で、少なくとも前記ピストン(5)の前記移動範囲内で延びる表示領域(31)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項14】
エアロゾル計量バルブシステムが、前記ピストン(5)の前記移動を制限するための制限構造(32)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル計量バルブシステム。
【請求項15】
外側ケーシング(24)と、エアロゾル計量バルブシステムとを備える、所定用量の製造物を保存し、分注するための容器であって、前記エアロゾル計量バルブシステムが、請求項1~14のいずれかに定められる前記エアロゾル計量バルブシステムであることを特徴とする、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル計量バルブシステム及びそのようなエアロゾル計量バルブシステムを備える容器に関する。本発明の目的は、特に所定の体積(用量)で薬品を保存し、分注するために、とりわけ医薬品、食品、化粧品、及び化学産業で適用される。
【背景技術】
【0002】
近年、広範囲の製造物の保存及び投与を可能にするエアロゾル技術の活動的な開発が見られてきた。エアロゾル容器は、使用の効率性、便利さ、及び安全性を提供するので、絶大な人気を獲得してきた。一般に、エアロゾル容器は、加圧ガス、液化ガス、又は油溶性ガスを入れた、金属、ガラス、又はプラスチックから作られた使い捨て容器又は再利用可能容器である。また、エアロゾル容器は液体、ペースト、又は粉末を入れることもでき、通常、気体中に懸架された固体粒子若しくは液体粒子の形で、又は泡、ペースト、若しくは粉末の形で、又は液体状態若しくは気体状態での製造物の適用を可能にする分注装置を備える。昔ながらのエアロゾル容器は、加圧された流体又は気体である、(例えば、液体の形の)噴霧薬品及び高圧ガスを入れる。エアロゾルバルブをトリガすることによって、バルブが開かれ、噴霧薬剤が加圧された高圧ガスによって出口に向かって放出され、通常は、分注ヘッドで終わり、このようにして細かく分散したストリームを生じさせる。
【0003】
エアロゾルパッケージは、エアロゾルパッケージが提供するいくつかの利点のためその人気を獲得した。おもに、保存された製造物と環境、特に汚染物質及び微生物との間の接触を防ぐ気密シーリングのため、エアロゾルパッケージに保存された製造物は、通常、長い寿命を有する。この利点は、最大純度を維持することが必須要素である、医薬品の保存について特に評価される。エアロゾルパッケージは、通常、再加工にほぼ完全に適したアルミニウム及びプラスチックから製造されるので、世界的な汚染が増大する問題であるときに、エアロゾルパッケージが間違いなくそうである、リサイクルにほぼ適しているパッケージを使用することが望ましいことにも留意されたい。
【0004】
産業のいくつかの部門では、エアロゾルシステムは評価を獲得するのが遅いため、多くの場合、成分を分注するための第1の選択肢ではない。特に要求の厳しい業界の部門は、薬物が非常に厳しい条件下で分注されなければならない製薬業界である。しばしばこの医薬物質の体積になる正確に計量された用量での薬物の分注を提供することは特に重要である。それは、組織に送達される特定の量の作用薬物を制御するためには不可欠である。特に、分注容器内の体積が、分注の毎回の動作で減少する場合、分注された物質の用量の高度に繰り返し可能な計量を維持することは、等しく重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
別の米国特許出願第US2015239645A1号は、特に泡の形で所定量の内容物を投与するためのバルブシステムを開示する。バルブシステムは、バルブに取り付けられ、計量チャンバを収容する蓋を備える。用量の体積は、蓋を回すことによって、したがって計量チャンバの体積を変更することによって調節される。システムは、ステムを押す段階の間に計量チャンバを充填し、ステムを解放する段階の間に、分注ノズルへの放出を開き、内容物を計量チャンバの外部に放出するバルブに基づいている。
【0006】
米国特許第US3301444A号は、所定の測定された体積の製造物を分注することを可能にするエアロゾルバルを開示し、バルブは、その体積が用量により定められており、バルブが閉鎖位置にあるときに製造物で充填される測定チャンバを備える。アクチュエータステムを押すと、計量チャンバ入口開口が閉じ、分注ヘッドを通る放出出口が開く。そのような場合、バルブは測定チャンバ内に入れられた体積の製造物を放出する。
【0007】
製造物の用量を分注するための容器も、米国特許第US5031802A号から既知である。容器は、瓶の首の内部に取り付けられたバルブシステムを備える。バルブシステムは、計量チャンバを含む。計量チャンバは、ふいごの形で弾性材から作られる。製造物の計量された用量を放出するために、蓋は最初に取り除かれなければならない。蓋を取り除くことによって、計量チャンバの体積は増加し、負圧が生じる。負圧は、プランジャ管と接続された導管を遮断するボールを解放する。このようにして、導管は開かれ、計量チャンバは製造物で充填される。蓋を回して完全に外すことによって、液密性が壊され、ボールを落下させる。このようにして、ユーザは、計量された体積の製造物を与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
国際特許出願第WO2019125566A1号は、加圧容器から製造物を分注するためのエアロゾルバルブシステムを開示する。エアロゾルバルブシステムは、作動時に、所定の一定量の製造物を分注する計量バルブを備える。計量バルブは、円筒形の本体、開かれた上部、平面的な基部及び外面、並びに平面的な基部を通る開口を有するハウジングを含む。さらに、計量バルブは、開放端部を有する上部円筒部分、及び開放端部を有する下部円筒部分を有する計量チャンバを備え、ピストンは、下部円筒本体に配置され、バネで予荷重が与えられている。計量チャンバの充填プロセスの間、計量された製造物は、計量チャンバの外部の周りを流れ、上部開口を通して計量チャンバの内部に流れ込む。バネがかける力とともに、計量された製造物がかける圧力により、ピストンは、最下部の位置に、つまり用量が分注される準備が完了している位置に移動する。計量ステムを押すことによって、エアロゾル容器内の器の中の製造物が計量チャンバに接近することが防がれ、円筒形のステムの形の、放出につながるチャネルが開放する。ピストンにかけられた圧力により、ピストンは垂直に上方に移動し、計量チャンバの上部に存在する製造物は排出され、これは次に、定められた体積(用量)の製造物が分注されることを確実にする。ステムを解放すると、システムは、計量チャンバ充填段階に戻る。
【0009】
本発明の技術的な問題は、容器が完全に空になるまで、高度に繰り返し可能な用量を維持しながら、正確に計量された体積の製造物を分注することを可能にするであろうエアロゾル計量バルブシステム、及びそのようなエアロゾル計量バルブシステムを含む容器を提供することであり、これは、分注された製造物の周囲温度又は粘度などの周囲条件と関係なく達成される。また、エアロゾル計量バルブシステムが、特に、エアロゾル計量バルブシステムの、及びそのようなシステムを含む容器の構造及び外部寸法に影響を及ぼさないであろう、比較的に簡略な構造を有することも望ましい。さらに、分注された製造物が、高圧ガスと接触しないそのようなエアロゾル計量バルブシステムを提供することが望ましい。さらに、外部寸法が縮小され、動作信頼性が高まったエアロゾル計量バルブシステムを提供することが望ましい。また、エアロゾル計量バルブシステムが、標準的なエアロゾル容器での使用に適した普遍的な解決策であり、交換可能であり、エアロゾル容器へのエアロゾル計量バルブの導入に専門家ツールの使用が必要とされないことも望ましい。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、側壁、頂壁、及び底壁によって画定された計量チャンバと、計量チャンバの底壁から延びる投入ポートと、計量チャンバの頂壁から延びる解放ステムであって、投入ポートに向かって延びるステムブロックと接続された解放ステムと、計量チャンバ内に配置され、計量チャンバ内で移動可能なピストンと、計量チャンバ内に配置され、その一端でピストンに支えられ、投入ポートに向かってピストンに圧力をかけるピストンバネとを含む、計量された用量の製造物を分注するためのエアロゾル計量バルブシステムが提供され、計量チャンバ内で同軸上に配置された投入チャネルがあり、ピストンは、投入チャネルをしっかりと取り囲み、投入チャネルは、締切りによって閉じられ、投入チャネルをピストン及び/又は投入ポートの下の推進空間と接続する投入開口部を有することを特徴とし、投入チャネルが、投入チャネルをピストンの上方の用量空間と接続する用量開口部を有することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、投入チャネルは、移動可能なステムブロックが配置された計量チャンバを通って同軸上に延びる軸受け筒である。
【0012】
好ましくは、投入チャネルはステムブロック内でくり抜かれる。
【0013】
好ましくは、充填逆止弁はステムブロックに設けられる。
【0014】
好ましくは、充填逆止弁は、解放ステムに向かって押すバネによってかけられる力にさらされるボール又はシーリングピストンである。
【0015】
好ましくは、エアロゾル計量バルブシステムは、エアロゾル容器への取付け用のアダプタの形をとり、取付けアセンブリを具備する。
【0016】
好ましくは、取付けアセンブリは、エアロゾル容器のフランジとの、又はエアロゾル容器ヘッドのフランジとのスナップ篏合接続用の少なくとも1つの周辺に配置された取付けフックを具備する。
【0017】
好ましくは、投入ポートは、オスのバルブコネクタ又はメスのバルブコネクタである。
【0018】
好ましくは、エアロゾル計量バルブシステムは分注ノズルを有する。
【0019】
好ましくは、エアロゾル計量バルブシステムは、解放ステムの周りのその外面に、投入ポートと反対の方向に突出し、エアロゾル容器のフランジの寸法に実質的に一致するその幾何学的な寸法を有して配置されたアダプタ環状フランジを有する。
【0020】
好ましくは、エアロゾル計量バルブシステムは、エアロゾル容器内部に配置される。
【0021】
好ましくは、投入開口部は、投入ポートに対して近位端で投入チャネル内に配置され、用量開口部は、解放ステムに対して近位端で投入チャネル内に配置される。
【0022】
好ましくは、エアロゾル計量バルブシステムは、計量チャンバ内に設けられ、透明な又は部分的に透明な材料から作られ、少なくともピストンの移動範囲内で、計量チャンバに沿ってその側壁上に延びる表示領域をさらに含む。
【0023】
好ましくは、エアロゾル計量バルブシステムは、ピストンの動きを制限するための制限構造をさらに備える。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、外側ケーシング及びエアロゾル計量バルブシステムを含み、所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器が設けられており、エアロゾル計量バルブシステムは、本発明の第1の態様に定められたエアロゾル計量バルブシステムであることを特徴とする。
【0025】
本発明によるエアロゾル計量バルブシステムは、内部で移動可能なピストンを有する計量チャンバ、製造物がかける圧力によってエアロゾル容器から推進されるピストンの使用のおかげで、複雑な推進構造を使用する必要なく正確に計量された用量の製造物を提供し、システムの構造の信頼性にプラスの影響を与え、高度に繰り返し可能な用量を確実にする解決策である。投入ポートに向かってピストンに圧力をかけるピストンバネを使用することにより、計量チャンバの用量空間が充填されるにつれ、計量チャンバの末端の投入位置へピストンが移動することが確実になる。エアロゾル容器に取り付けられたアダプタの形で作られたエアロゾル計量バルブシステムは、本発明の解決策に普遍的な適用性を提供し、解決策を現存するエアロゾル容器と使用することを可能にする。取付けフックに基づいた取付けアセンブリを使用することにより、複雑なツールを使用する必要なくアダプタを取り付けることが可能になり、したがって取付けはエンドユーザによって実行され得る。一方、表示領域を使用することにより、ピストンがその末端位置に到達したかどうかの観察、したがって計量チャンバが適切に投入されるのかどうか、及び定められた用量体積が適切に分注されるのかの検証が可能になる。さらに、エアロゾル計量バルブシステムを取り付ける段階で実現される制限構造を使用することにより、分注される用量の体積を変更することが可能になり、結果として本発明の解決策が普遍的になる。
【0026】
一方、エアロゾル計量バルブシステムがエアロゾル容器の内部空間に配置されるエアロゾル容器と統合された形でエアロゾル計量バルブシステムを作ることによって、用量計量機能及び非常にコンパクトな構造を有し、エンドユーザに見える形でそのような機能のない標準的な解決策と変わらないエアロゾル容器を提供することが可能である。
【0027】
重要なことには、それが投入チャネルを取り囲む形のピストンの構造によって、動作中のピストンは投入チャネルに沿って誘導されて移動し、したがってピストンの移動を安定化し、その寸法を縮小することを可能にする(ピストンの角度のある傾き、及び用量空間と推進空間との間の気密が失われるリスクが削減されるので)。結果的に、エアロゾル計量バルブシステムは縮小した外部寸法を有し、設計のコンパクトさ及び動作信頼性の高まりに影響を与える。
【0028】
さらに、アダプタの形の本発明のエアロゾル計量バルブシステムは、エアロゾル容器のフランジを正確に表すアダプタフランジを含み、したがって標準エアロゾル容器内で計量キャップを使用することが可能である。
【0029】
本発明の主題は、添付の実施例に開示される実施形態に限定されておらず、本発明の範囲から逸れることなく、任意のタイプ及び構成のバルブに適用することができる。当業者に既知であるすべてのバルブ構造、それらの位置、及び(垂直構成、水平構成、及び斜めの構成を含む)それらの相対的な配置は、本発明での応用に適し、所与の実施形態は、本発明を、バルブシステムの開示されている構造及びタイプに限定することを意図していない。
【0030】
本発明の例示的な実施形態は図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A-B】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第1の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図2A-B】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第2の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図3A-B】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第3の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図4A-D】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第4の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図5A-B】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第5の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図6A-C】図5A図5Bのエアロゾル計量バルブシステムのステップブロックを有する解放ステムの様々な図を示す。
図7A-B】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第6の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図8A-C】図7A図7Bのエアロゾル計量バルブシステムのステムブロックを有する解放ステムの様々な図を示す。
図9A-B】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第7の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図10A-B】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第8の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図11A-C】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第9の実施形態の部分的な長手方向断面である。
図12A-B】図11A図11Cのエアロゾル計量バルブシステムの実施形態の側面図及び不等角投影図を示す。
図13A-B】本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの第10の実施形態の部分的な長手方向断面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施例1
本発明のエアロゾル計量バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第1の実施形態は、図1A図1Bの部分的な長手方向断面に示されている。本実施形態では、エアロゾル計量バルブシステムは、エアロゾル容器15に取り付けられたアダプタの形をとるが、これは本発明の範囲への制限ではなく、代替実施形態では、エアロゾル容器15と統合されるか、又はエアロゾル容器15の内部に配置されるエアロゾル計量バルブシステムの構造を有することが可能である。
【0033】
アダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムは、エアロゾル容器15への取付けを目的とした別個の構造要素である。一般に、本発明のエアロゾル計量バルブシステムは、頂壁(エアロゾル容器15に対して遠位)、側壁、及び底壁(エアロゾル容器15に対して近位)によって画定された計量チャンバ1を含む。本実施形態では、計量チャンバ1は円筒形状をとるが、この形状は本発明の範囲に対する制限ではない。
【0034】
投入ポート2は、計量チャンバ1から、その底壁からエアロゾル容器15に向かって延びる。エアロゾル計量バルブシステムがエアロゾル容器15に取り付けられたアダプタの形をとる本実施形態では、投入ポート2の目的は、エアロゾル容器15に存在する製造物を、エアロゾル計量バルブシステムを通して内部空間に移送するために、エアロゾル容器15との流体密封接続を提供することである。重要なことには、投入ポート2がどのタイプのエアロゾル容器15に専用となっているのかに応じて、投入ポート2は、オスバルブコネクタ21又はメスバルブコネクタ22の形をとることができる。図1A図1Bに提示された実施形態は、突出したステムを有する、つまりオスエアロゾルバルブを有するエアロゾル容器15に取り付けられたアダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムであるため、投入ポート2はメスバルブコネクタ22である。代替実施形態では、やはりピンの形の異なるタイプの投入ポート2を使用することが可能であり、その上には、当該技術で既知のバッグオンバルブ(BOV)など、計量された製造物を有する器が直接的に取り付けられる。重要なことには、エアロゾル計量バルブシステムをエアロゾル容器15と接続することにより、エアロゾル容器15内に存在するエアロゾルバルブは恒久的に開放されることになり、製造物は、エアロゾル計量バルブシステムの内部空間に絶えず送達される。
【0035】
計量チャンバ1には、その末端の位置に又はそれぞれの制限構造に垂直に移動可能であるピストン5が配置される。ピストン5は、ピストン5の下に(つまり、投入ポート2に隣接する空間に)位置する推進空間10と、ピストン5の上方に位置する用量空間12とに計量チャンバ1を分割する。計量チャンバ1には、端部が計量チャンバ1の頂壁及びピストン5の上面に支持されるピストンバネ6がさらに配置される。ピストンバネ6は予荷重を与えられ、投入ポート2に向かってピストン5に圧力をかける。
【0036】
投入ポート2は、製造物を計量チャンバ1に送達することを可能にするそれぞれのアクセスチャネル25を通して計量チャンバ1と流体連通する。結果として、投入ポート2を通って流れる製造物は、最初に、アクセスチャネル25を通して計量チャンバ1の推進空間10に送達される。
【0037】
解放ステム3は、計量チャンバ1の頂壁から延びる。エアロゾル計量バルブシステムの本実施形態では、解放ステム3及び付随する構造は、エアロゾルバルブシステムで一般的に使用される標準的な解決策である。より詳細には、解放ステム3は、出口チャネルが同軸上に延びるパイプ構造である。解放ステム3は、投入ポート2に向かって延びるステムブロック4と接続している。解放ステム3がステムブロック4に接続する領域では、解放ステム3を通って実質的に放射状に延び、解放ステム3の出口チャネルに接続する出口開口部26が配置される。エアロゾル容器15の休止位置では(図1Aを参照)、出口開口部26は、解放ステム3を取り囲み、解放ステム3によって底部から変形する、ゴムの平坦なリングガスケットを含むシール27によって閉じられる(図1Bを参照)。シール27の変形によって、出口開口部26は開き、解放ステム3の出口チャネルを通して用量をエアロゾル計量バルブシステムの外部に排出することを可能にする。解放ステム3及びステムブロック4が、エアロゾル計量バルブシステムが休止位置にあるときに、関連するシール27を用いて出口開口部26を閉じたままに保つために、投入ポート2の端部に対して反対方向で解放ステム3に圧力をかけるステムバネ28などの、一般的に当該技術で使用されるそのようなエアロゾルバルブシステムの適切な動作に必要とされる要素のすべてを具備することが観察されるべきである。
【0038】
投入チャネル7は、計量チャンバ1を通して同軸上に延びる。投入ポート2に対してその近位端で、投入チャネル7は、締切り9によって閉じられた投入開口部8を有する(図1Bを参照)。エアロゾル計量バルブシステムの本実施形態では、締切り9は、直径が個別変化する円筒形のゴムシールである。締切り9は、計量チャンバ1の底壁に取り付けられ、その上部は、閉鎖位置(図1Bを参照)にあるときに、締切り9が投入開口部8をしっかりと閉じ、計量された製造物の移動を防ぐように、投入開口部8の内径に一致する直径を有する。重要なことには、エアロゾル計量バルブシステムの本実施形態では、投入チャネル7はステムブロック4に形成される。その上部では、つまり解放ステム3に対して近位の端部では、投入チャネル7は、ピストン5の上方で投入チャネル7を用量空間12と接続する用量開口部11を有する。本実施形態では、用量開口部11は、ステムブロック4内に形成され、ステムブロック4を通して実質的に放射状に延びる。
【0039】
エアロゾル計量バルブシステムの本実施形態では、計量チャンバ1に配置されたピストン5は、投入チャネル7、つまりステムブロック4をしっかりと取り囲み、動作中、推進空間10の気密、及び推進空間10の用量空間12からの分離を保ちながら、投入チャネル7に沿って移動する。
【0040】
図1Aに示されるエアロゾル計量バルブシステムの実施形態では、ピストン5は、その最下位置に示されており、最下位置では、投入開口部8と、計量チャンバ1内の推進空間10との間に流体連通を提供し、その結果、計量チャンバ1の用量空間12を完全に充填することが可能になる領域が残される。
【0041】
本発明に係るエアロゾル計量バルブシステムの側壁の下端の領域には、エアロゾル容器15と分離可能(又は分離不能)の接合を目的とした取付けアセンブリ16が配置される。実際に、アダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムは、エアロゾル容器15の折り畳まれ、押された上蓋によって画定されたエアロゾル容器15のフランジ18にアダプタを取り付けることによって、エアロゾル容器15に取り付けられる。
【0042】
図1A及び図1Bに最も良く示されるように、アダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムの側壁の下端領域は、側壁の下縁の外周に沿って延びる取付けアセンブリ16を具備する。本実施形態では、取付けアセンブリ16は、フランジ側に延びる取付けフックの形をとる。取付けフック17は、システムの側壁の端縁の周囲全体に沿って延びる連続構造であるが、代替実施形態では、取付けアセンブリ16は、周囲に延び、連続する取付けフック17間に空間が設けられる別個の形をとる場合がある。エアロゾル容器15上にアダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムを取り付ける操作中、エアロゾル容器15に向かって垂直方向にかけられる力によって、ハウジング側壁の下端領域の弾性的で外向きの変形が引き起こされ、このようにして取付けフック17がエアロゾル容器15のフランジ18に対してロックされるように、エアロゾル容器15のフランジ18を、端縁側の取付けフック17に隣接する内側環状周囲凹部(不図示)に導入することを可能にする。結果として、アダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムは、専門家ツールを使用する必要なく、迅速且つ比較的に容易にエアロゾル容器15に取り付けることができる。
【0043】
さらに、エアロゾル計量バルブシステムは、解放ステム3の周りのその外面に、投入ポート2に反対の方向に突出し、エアロゾル容器15のフランジ18の寸法に実質的に一致するその幾何学的な寸法を有して配置されたアダプタ環状フランジ30を有する。結果的に、エアロゾル計量バルブシステムをエアロゾル容器15に取り付けることにより、追加の取付けシステム(適用手段)を使用する必要なく、標準的な計量キャップのさらなる使用が可能になる。
【0044】
エアロゾル計量バルブシステムは、以下のステップで動作する。アダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムの場合、最初に、エアロゾル計量バルブシステムは、エアロゾル容器15に取り付ける必要がある。エアロゾル計量バルブシステムの取付けは、エアロゾル容器15のバルブステムを、メスバルブコネクタ22の形の投入ポート2に導入すること、及びエアロゾル容器15内でのエアロゾルバルブの同時開放を伴う。この状態で、製造物はエアロゾル容器15から、投入ポート2を通って及びアクセスチャネル25をさらに通って計量チャンバ1に流れ、計量チャンバ1で、製造物は推進空間10を充填し始める。次に、製造物は、開いた投入開口部8を通って、及びステムブロック4に形成された投入チャネル7をさらに通って流れ、次いで用量開口部11を通って計量チャンバ1の用量空間12に流れる。この状態で、解放ステム3の出口開口部26は閉じられたままである。製造物が用量空間12に流れるにつれ、製造物が図1Aに示されるその末端位置に達するまで、ピストン5は投入ポート2に向かって移動を開始する。推進空間10に存在する製造物の圧力は、用量空間12に存在する製造物の圧力に等しいので、ピストン5の移動は、ピストンバネ6による圧力の力によって支援される。図1Aは、エアロゾル容器15から流れる製造物で完全に投入された位置でのエアロゾル計量バルブシステムの状態を示す。
【0045】
定められた用量の、つまり所定の体積の製造物を排出するために、解放ステム3が押される。解放ステム3を押すことによって、ステムブロック4は投入ポート2に向かって移動し、投入開口部8は、ゴムシールの形の締切り9によって閉じられる。この状態で、製造物は、もはや投入チャネル7を通って計量チャンバ1の用量空間12に流れることはできない。解放ステム3が移動するにつれ、シール27は変形され、この結果、解放ステム3の出口チャネルを通ってエアロゾル計量バルブシステムの外部へつながる出口開口部26が開放される。そのような状況では、推進空間10内でピストン5によってかけられる圧力によって、ピストン5が解放ステム3に向かって垂直移動し、計量チャンバ1の用量空間12に存在する製造物用量が同時に排出される。推進空間10に存在する加圧された製造物によってピストン5にかけられる圧力は、ピストンバネ6によって反対方向にかけられる圧力よりも大きい。ピストン5は、図1Bに示されるように、ピストンがその上部末端位置に達するまで移動し、用量空間12に存在する用量全体を排出する。
【0046】
解放ステム3にかかる押圧を解放すると、解放ステム3は、ステムバネ28からの圧力のためにその元の位置に戻り、出口開口部26は、投入開口部8が開いている間に再び閉じ、計量チャンバ1の推進空間10及び用量空間12は、図1Aに示される位置に達するまで、つまり所定の体積の別の用量を排出するための準備完了状態に達するまで充填される。
【0047】
実施例2
本発明のエアロゾル計量バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第2の実施形態は、図2A図2Bの部分的な長手方向断面に示されている。
【0048】
エアロゾル計量バルブシステム付き容器は、第1の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0049】
第1の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付き容器の第2の実施形態は、メスエアロゾルバルブを有するエアロゾル容器15に接続するための投入ポート2を含む(図2A及び図2Bを参照)。したがって、本実施形態では、投入ポート2は、エアロゾル容器15のメスエアロゾルバルブの受け座の中に導入されるオスバルブコネクタ21の形をとる。
【0050】
別の重要な違いは、投入チャネル7の構造にある。エアロゾル計量バルブシステムの本実施形態では、投入ポート7は、計量チャンバ1を通り同軸上に延びる軸受け筒13によって形成される。軸受け筒13内部では、このようにして形成された投入チャネル7内で製造物の流れを提供するために軸受け筒13の内面からある距離を保ちながらステムブロック4が移動する。ピストン5が、軸受け筒13の外面を取り囲み、軸受け筒13の外面上を移動することにさらに留意されたい。これは、エアロゾル計量バルブシステムの第1の実施形態の場合のようにステムブロック4の外面で移動するのと対照的である。図2A及び図2Bに示されるように、投入開口部8は、投入ポート2に形成されたチャネルに直接的につながり、第1の実施形態での場合のように、計量チャンバ1の推進空間10を迂回する。軸受け筒13によって形成された投入チャネル7の構造のため、投入チャネル7の上部の用量開口部11は、第1の実施形態の場合でのように、ステムブロック4にではなく、軸受け筒13に形成される。
【0051】
第2の実施形態に係るエアロゾル計量バルブシステムの動作原理は、第1の実施形態に係るエアロゾル計量バルブシステムの動作原理に実質的に類似しているため、それは、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0052】
実施例3
本発明のエアロゾル計量バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第3の実施形態は、図3A図3Bの部分的な長手方向断面に示されている。
【0053】
エアロゾル計量バルブシステム付き容器は、第1の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0054】
第1の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付きの容器の第3の実施形態は、メスエアロゾルバルブを有するエアロゾル容器15に接続するための投入ポート2を含む(図3A及び図3Bを参照)。したがって、本実施形態では、投入ポート2は、エアロゾル容器15のメスエアロゾルバルブの受け座の中に導入されるオスバルブコネクタ21の形をとる。
【0055】
さらに、エアロゾル計量バルブシステムの本実施形態では、ステムブロック4に配置された充填逆止弁14がある。充填逆止弁14は、解放ステム3に向かって押すバネによってかけられる力にさらされるシーリングボールであるが、これは本発明の範囲に対する制限ではなく、代替実施形態では、逆流防止弁設計などの、一方向の流体連通が解放ステム3を通って保証される条件で、異なる構造の逆止弁14を使用することが可能である。実装された逆止弁14は、エアロゾル容器15の充填の操作において重要であり、投入ポート2を通る、内側器への製造物の流れを提供する開放投入開口部8を保ちながら、容器の内側器の効果的な充填を可能にする。重要なことには、エアロゾル容器15の充填の操作中、解放ステム3は休止位置(押されていない)に留まる。
【0056】
実施例4
本発明のエアロゾル計量バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第4の実施形態は、図4A図4Dの部分的な長手方向断面に示されている。
【0057】
エアロゾル計量バルブシステム付き容器は、第2の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0058】
第2の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付き容器の第4の実施形態は、エアロゾル容器15と統合された解決策であり、エアロゾル容器15に取り付けられたアダプタの形の別個の要素ではない。本実施形態では、エアロゾル計量バルブシステム全体は、外側ケーシング24の内部の空間で、エアロゾル容器15の内部に配置される。結果として、投入ポート2は、例えばBOV技術で既知のバッグの形の計量された製造物を保存するための内側器と接続された軸受け筒の形をとる。
【0059】
さらに、図4A図4Dに示されるエアロゾル計量バルブの実施形態は、計量チャンバ1を通って同軸上に延び、その中に形成された投入チャネル7を含む分配器29を含む。エアロゾル計量バルブシステムの本実施形態では、計量チャンバ1に配置されたピストン5は、投入チャネル7を有する分配器29をしっかりと取り囲み、動作中、推進空間10の気密、及び推進空間10の用量空間12からの分離を保ちながら、投入チャネル7に沿って移動する。
【0060】
さらに、分配器には、投入ポート2と計量チャンバ1の推進空間10との間に流体連通を提供する放射状に延びる追加のアクセスチャネル25がある。重要なことには、本実施形態では、投入開口部9は、投入ポート2に対して分配器29の遠位端に配置される。次に、締切り9はステムブロック4と統合され、解放ステム3が押された後に投入開口部8を閉じる。
【0061】
さらに、第3の実施形態に同様な方法で、エアロゲル計量バルブシステムの本実施形態では、システムで類似した機能を有する、ステムブロック4に配置された充填逆止弁14がある。図4A及び図4Bは、解放ステム3に向かって圧力をかけるバネを有するシーリングボールの形の逆止弁14を示し、一方、図4C及び図4Dは、解放ステム3に向かって圧力をかけるバネを有するピストンの形の逆止弁14を示す。代替実施形態では、逆止弁14は、例えば、平坦なガスケットの形など、任意の形の逆流防止弁としても実現され得る。
【0062】
実施例5
本発明のエアロゾル計量バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第5の実施形態は、図5A図5Bの部分的な長手方向断面に示されている。さらに、図6A図6Cは、本実施形態で使用される解放ステム3及びステムブロック4の構造を示す。
【0063】
エアロゾル計量バルブシステム付き容器は、第4の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0064】
本発明の第4の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付き容器の第5の実施形態は、第1の実施形態に示される投入チャネル7の類似した構造を有する解決策である。つまり、投入チャネル7は、ステムブロック4に形成され、ステムブロック4を通って延びる。第4の実施形態に示される分配器29は、本実施形態には存在しない。残りの構造要素は、第4の実施形態に係るエアロゾル計量バルブシステムの構造に類似している。
【0065】
図6A図6Cは、ステムブロック4と接続された解放ステム3の様々な図を示す。上記の図には、投入チャネル7及び投入開口部8の領域の経路、並びに用量開口部11及び出口開口部26の経路が示される。
【0066】
実施例6
本発明のエアロゾル計量バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第6の実施形態は、図7A図7Bの部分的な長手方向断面に示されている。さらに、図8A図8Cは、本実施形態で使用される解放ステム3及びステムブロック4の構造を示す。
【0067】
エアロゾル計量バルブシステム付き容器は、第5の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本発明を明確にするために再び説明されない。
【0068】
本発明の第5の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付き容器の第6の実施形態は、第2の実施形態に示される投入チャネル7の同一の構造を有する解決策である。つまり、投入チャネル7は、計量チャンバ1を通って延びる軸受け筒13によって形成される。残りの構造要素は、第5の実施形態に係るエアロゾル計量バルブシステムの構造に類似している。
【0069】
図8A図8Cは、ステムブロック4と接続された解放ステム3の様々な図を示す。上記の図では、出口開口部26の領域が示されている。図8Cに示されるように、ステムブロック4は、2つの平面が互いに対向して位置する円筒構造を有する。識別された平面の機能は、軸受け筒13の内部に流体連通を提供することである(ステムブロック4の領域内の解放ステム3の円筒面は、軸受け筒13の内径に一致する外径を有し、解放ステムが適切に誘導されることを確実にする)。
【0070】
実施例7
本発明のエアロゾル投与バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第7の実施形態は、図9A図9Bの部分的な長手方向断面に示されている。
【0071】
エアロゾル計量バルブシステム付き容器は、第6の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0072】
第6の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付き容器の第7の実施形態は、1つの共有エアロゾル容器15に配置された2つのエアロゾル計量バルブシステムを含む。隣接するエアロゾル計量バルブシステムの構造は類似しており、システムは、計量チャンバ1の体積に関してのみ異なっており、それによって独立して、つまり個々の解放ステム3を用いて計量された2つの異なる体積の製造物用量を提供する。そのような解決策は、医薬品を計量するために製薬業界でエアロゾル容器15を提供するときに特に重要である場合がある。異なる年齢又は異なる体重の患者向けの用量が異なるとき、及びより大きい用量が多数のより小さい用量ではないときには、異なる体積を有する用量の独立した計量を可能にするエアロゾル容器15を提供することが有利である。例えば、左計量チャンバは5mlの体積を有する場合があり、右計量チャンバは2mlの体積を有する場合があるが、重要なことには、これは本発明の範囲に対する制限ではない。
【0073】
実施例8
本発明のエアロゾル投与バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第8の実施形態は、図10A図10Bの部分的な長手方向断面に示されている。
【0074】
エアロゾル計量バルブシステム付きの容器は、第2の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0075】
第2の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付きの容器の第8の実施形態は、エアロゾル容器15のバルブの解放ステム3に接続するための投入ポート2を含む(図10A及び図10Bを参照)。本実施形態では、投入ポート2は、エアロゾル容器15のオスエアロゾルバルブのステムに配置されたメスバルブコネクタ22の形をとる。
【0076】
別の重要な違いは、エアロゾル容器15のエアロゾル計量バルブシステムの取付け方法にある。本実施形態では、アダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムは、エアロゾル容器ヘッド20上で摺動して誘導され、取付けアセンブリ16の取付け歯17は、エアロゾル容器ヘッドのフランジ19に固締される(スナップ篏合される)。結果として、アダプタの形のエアロゾル計量バルブ全体は、それが剛結合されたエアロゾル容器15のバルブステムとともにエアロゾル容器15に対して移動される。本実施形態では、取付け歯17の機能は、エアロゾル計量バルブシステムの上方への移動を制限すること、及びエアロゾル容器15のバルブステムから摺動して離れることからエアロゾル計量バルブシステムを保護することである。代替実施形態では、この機能は、エアロゾル容器15のバルブステムに配置された適切なブロック構造を使用することによって提供され得る。
【0077】
実施例9
本発明のエアロゾル投与バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第9の実施形態は、図11A図11Cの部分的な長手方向断面に示されている。
【0078】
エアロゾル計量バルブシステム付きの容器は、第2の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0079】
第2の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付きの容器の第9の実施形態は、エアロゾル容器15に関して移動するその能力を保ちながら、エアロゾル容器15のバルブステムと剛結合されたアダプタの形の解決策である。
【0080】
さらに、本実施形態は、メスエアロゾルバルブを有するエアロゾル容器15と接続するための投入ポート2を含む(図11A~11Cを参照)。したがって、本実施形態では、投入ポート2は、エアロゾル容器15のメスエアロゾルバルブの受け座の中に導入されるオスバルブコネクタ21の形をとる。
【0081】
別の重要な違いは、分注ノズル23で終わる分注キャップの形をとるアダプタの構造にある。そのような解決策では、アダプタの形のエアロゾル計量バルブシステムに追加の分注キャップを取り付けることは必要ではない。
【0082】
また、エアロゾル計量バルブシステムが操作されるにつれ、まず、押された解放ステム3の遊動によって投入開口部8が閉じ、出口開口部26が開かれることにも留意されたい。解放ステム3のさらなる移動によって、エアロゾル容器15のバルブが開き、計量チャンバ1に流れ込む製造物がピストン5を上方へ移動させ、ピストン5の下方で推進空間10を同時に充填しながら、ピストン5上方で準備された用量を解放させる。解放ステム3が解放された後に、ピストンバネ6によって、製造物は推進空間10から用量空間12へポンプで注入される。
【0083】
さらに、図12A及び図12Bに示されるように、エアロゾル計量バルブシステムは、計量チャンバ1内に設けられた表示領域31を含む。表示領域31は、透明な又は部分的に透明な材料から作られ、少なくともピストン5の移動範囲内で、計量チャンバ1に沿って、その側壁上に延びる。表示領域31の目的は、ピストン5がその末端位置に達したかどうかを検証するために外部からピストン5の位置を視覚化することであり、これは特定の体積の用量の適切な分注、つまり計量チャンバ1の適切な充填を確認する。
【0084】
代替実施形態では、表示領域31は、完全に透明な又は部分的に透明な計量チャンバ1の形をとり得る。別の代替実施形態では、エアロゾル計量バルブシステム全体は、完全に透明な又は部分的に透明なプラスチックから作られる。
【0085】
実施例10
本発明のエアロゾル投与バルブシステムを含む所定の用量の製造物を保存し、分注するための容器の第10の実施形態は、図13A図13Bの部分的な長手方向断面に示されている。
【0086】
エアロゾル計量バルブシステム付きの容器は、第1の実施形態に提示されたエアロゾル計量バルブシステム付き容器の構造と、構造で類似しているため、類似した構成要素は、本開示を明確にするために再び説明されない。
【0087】
第1の実施形態においてとは異なり、エアロゾル計量バルブシステム付きの容器の第10の実施形態は、その末端位置を変更することによってピストン5の移動を制限する制限構造32を含む。図13A及び図13Bに示される実施形態では、2つの制限構造32が存在し、1つの制限構造は、計量チャンバ1の頂壁の内面に配置され、2番目の制限構造は、計量チャンバ1の底壁の内面に配置される。エアロゾル計量バルブシステムの本実施形態では、制限構造32は、計量チャンバ1の内部に向かって突出する突出部の形をとるが、これは本発明の範囲に対する制限ではなく、代替実施形態では、ピストン5の移動範囲を変更する可能性を提供する条件で、制限構造32内で他の制限要素を使用することができる。
【0088】
ピストン5は、その末端位置で制限構造32に支えられており、これによりピストン5のさらなる移動が防がれる。重要なことには、ピストン5の移動範囲の変化によって、本発明のエアロゾル計量バルブシステムから計量される用量の体積の変更が可能になる。図に示されるように、計量チャンバ1は、交換可能である別個の要素である。エアロゾル計量バルブシステムを取り付けるステップで、例えば、適切な体積の制限構造32を具備する計量チャンバ1の構造要素を選択することによって特定の用途に所望される用量体積を確実にするそのような構成要素を選択することができる。それによって、用量体積を変更する可能性は、エアロゾル計量バルブシステムを取り付けるステップで提供され、制限構造32のタイプの識別は、制限構造32の異なる色又は幾何学形状のために可能である。
【0089】
参照番号一覧
1-計量チャンバ
2-投入ポート
3-解放ステム
4-ステムブロック
5-ピストン
6-ピストンバネ
7-投入チャネル
8-投入開口部
9-締切り
10-推進空間
11-用量開口部
12-用量空間
13-軸受け筒
14-充填逆止弁
15-エアロゾル容器
16-取付けアセンブリ
17-取付けフック
18-エアロゾル容器のフランジ
19-エアロゾル容器ヘッドのフランジ
20-エアロゾル容器ヘッド
21-オスバルブコネクタ
22-メスバルブコネクタ
23-分注ノズル
24-外側ケーシング
25-アクセスチャネル
26-外側開口部
27-シール
28-ステムバネ
29-分配器
30-アダプタフランジ
31-表示領域
32-制限構造
図1A)】
図1B)】
図2A)】
図2B)】
図3A)】
図3B)】
図4A)】
図4B)】
図4C)】
図4D)】
図5A)】
図5B)】
図6A-C】
図7A)】
図7B)】
図8A-C】
図9
図10A)】
図10B)】
図11A)】
図11B)】
図11C)】
図12A)】
図12B)】
図13A)】
図13B)】
【国際調査報告】