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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】抗菌性組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 31/16 20060101AFI20231122BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20231122BHJP
   D06M 13/152 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
A01N31/16
A01P3/00
D06M13/152
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531027
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2021076167
(87)【国際公開番号】W WO2022170454
(87)【国際公開日】2022-08-18
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ファン、リァンジン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、イーシィァン
(72)【発明者】
【氏名】シュ、シュジュン
【テーマコード(参考)】
4H011
4L033
【Fターム(参考)】
4H011AA02
4H011AA03
4H011BA04
4H011BA05
4H011BB03
4H011BC03
4H011BC06
4H011BC19
4H011DA13
4H011DF03
4H011DH10
4L033AB04
4L033AC10
4L033BA13
(57)【要約】
a)4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールと、b)ヒドロキシルジフェニルエーテルと、を含む抗菌性組成物を含む組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性組成物であって、
a)4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール及び、
b)式(I)のヒドロキシルジフェニルエーテルを含み、
【化1】
式中、
各Yは、塩素、臭素、又はフッ素から独立して選択され、
各Zは、SOH、NO、又はC~Cアルキルから独立して選択され、
rは、0、1、2、又は3であり、
oは、0、1、2、又は3であり、
pは、0、1、又は2であり、
mは、1又は2であり、
nは、0又は1であり、
4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールは、20ppm~960ppm、好ましくは40ppm~800ppm、より好ましくは80ppm~400ppm、更により好ましくは120ppm~300ppm、最も好ましくは160ppm~240ppmの範囲のスルー・ザ・ウォッシュ(TTW)用量を送達するのに十分な量で存在する、
抗菌性組成物。
【請求項2】
前記ヒドロキシルジフェニルエーテルは、0.1ppm~400ppm、好ましくは0.5ppm~100ppm、より好ましくは1ppm~20ppm、更により好ましくは1.5ppm~12ppm、最も好ましくは2ppm~8ppmの範囲のスルー・ザ・ウォッシュ(TTW)用量を送達するのに十分な量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールは、前記組成物の0.1重量%~4.8重量%、好ましくは0.2重量%~4重量%、より好ましくは0.4重量%~2重量%、更により好ましくは0.6重量%~1.5重量%、最も好ましくは0.8重量%~1.2重量%の範囲の量で存在し、及び/又は、
前記ヒドロキシルジフェニルエーテルは、前記組成物の0.0005重量%~2重量%、好ましくは0.0025重量%~0.5重量%、より好ましくは0.005重量%~0.1重量%、更により好ましくは0.0075重量%~0.06重量%、最も好ましくは0.01重量%~0.04重量%の範囲の量で存在する、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ヒドロキシルジフェニルエーテルに対する4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールの重量比が、0.1~2000、好ましくは1~1000、より好ましくは5~200、更により好ましくは30~70、更により好ましくは35~65、更により好ましくは40~60、最も好ましくは45~55である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ヒドロキシルジフェニルエーテルは、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、前記組成物の総重量の1%~50%、より好ましくは3%~40%、最も好ましくは5%~30%の溶媒を更に含み、
好ましくは、前記溶媒は、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ブタントリオール、ポリ(プロピレングリコール)、テルピネオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコールであり、
より好ましくは、前記溶媒は、プロピレングリコール及び/又はテルピネオールである、
請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、前記組成物の総重量の0.1%~30%、より好ましくは0.5%~20%、最も好ましくは1%~10%の結晶性ヒドロキシル含有安定化剤を更に含み、
好ましくは、前記安定化剤は、微結晶性セルロース又はその誘導体、ヒマシ油又はその誘導体、水素化ヒマシ油又はその誘導体、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され;
より好ましくは、前記安定化剤はヒマシ油である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は、前記組成物の総重量の0.01%~5%、好ましくは0.02%~2%、より好ましくは0.05%~1%の香料を更に含み、前記香料は、好ましくは、遊離香料、プロ香料、カプセル化香料、香料マイクロカプセル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記香料は、より好ましくは遊離香料と香料マイクロカプセルとの組み合わせを含み、最も好ましくは、前記組成物中の香料マイクロカプセルに対する遊離香料の重量比が、1:5~20:1、好ましくは1:2~10:1、より好ましくは1:1~5:1、最も好ましくは1.5:1~3:1である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、液体組成物、好ましくは液体殺菌剤である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
衣料品を処理するための方法であって、
a)衣料品及び請求項1~9のいずれか一項に記載の抗菌性組成物を提供する工程と、
b)前記衣料品を前記組成物と接触させる工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールとヒドロキシルジフェニルエーテルとを含む抗菌性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者製品は、抗菌性利点に対する使用者ニーズに応えるために進化してきた。特に、洗濯製品の分野では、洗浄の点で消費者ニーズは十分に満たされているが、抗菌性利点を含むいくつかの他の満たされていない消費者ニーズが依然として存在する。例えば、抗菌性洗濯製品は、洗濯中に布地に抗菌性利点をもたらすことができるので、ユーザに望まれる。現在、例えば、漂白剤、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール(クロロキシレノール又はPCMXとも呼ばれる)、塩化ベンザルコニウム(BKC)、ジフェニルエーテルなどの様々な抗菌剤を、抗菌効果をもたらすために消費者製品配合物に使用することが知られている。特に、PCMX及びBKCは、洗浄中に微生物除去利点をもたらすことができ、ジフェニルエーテルは、布地の貯蔵又は使用中に微生物予防利点をもたらすことができる。
【0003】
しかしながら、液体製品に関しては、所望の抗菌効果を達成することは依然として困難である。特に、洗濯製品が微生物除去(洗浄中に布地上の微生物を除去することを意味する)及び微生物予防(保管又は使用中に微生物を予防することを意味する)の両方を達成することができることが消費者にとって望ましい。しかしながら、異なる活性物質間の不適合性のために、微生物除去及び微生物予防の両方を同時にもたらすことは非常に困難である。特に、微生物除去のための活性物質は、微生物予防のための活性物質による微生物予防効果を、それらの間の相互作用によって著しく損なう可能性がある。
【0004】
更に、貯蔵中又は使用中の微生物予防のための活性物質を含有する液体洗濯製品を配合するに当たっての別の課題は、洗浄された布地に十分な量のこのような活性物質をどのようにして確実に付着させるかである。これは、洗濯洗剤製品に一般的に使用される様々な成分が、布地へのこのような抗菌剤の付着を著しく妨げる場合があるために、非常に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、好ましくは微生物除去及び微生物予防の両方の面で改善された抗菌効果をもたらす洗濯組成物が引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による抗菌性組成物が上記の必要性を満たすことができること、すなわち、本開示による抗菌性組成物が微生物除去効果の改善及び微生物予防効果の改善の両方をもたらすことができることは、本発明の驚くべき予想外の発見である。
【0007】
一態様では、本発明は、a)4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール及び、b)式(I)のヒドロキシルジフェニルエーテルを含む抗菌性組成物であって、
【0008】
【化1】
式中、
各Yは、塩素、臭素、又はフッ素から独立して選択され、
各Zは、SO2H、NO2又はC1~C4アルキルから独立して選択され、
rは、0、1、2、又は3であり、
oは、0、1、2、又は3であり、
pは、0、1、又は2であり、
mは、1又は2であり、
nは、0又は1であり、
4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールは、20ppm~960ppm、好ましくは40ppm~800ppm、より好ましくは80ppm~400ppm、更により好ましくは120ppm~300ppm、最も好ましくは160ppm~240ppmの範囲のスルー・ザ・ウォッシュ(TTW)用量を送達するのに十分な量で存在する、
抗菌性組成物を提供する。
【0009】
驚くべきことに、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール及びヒドロキシルジフェニルエーテルを含有する配合物中の4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールのTTW用量が、例えば20ppm~960ppmなどの特定の範囲内である場合、そのような配合物は、微生物除去及び微生物予防の両方の効果をもたらすことができる。対照的に、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールのTTW用量が960ppmを超える場合、ヒドロキシルジフェニルエーテルによって提供される効果は著しく損なわれる。いかなる理論にも束縛されるものではないが、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールの過剰投与は、布地へのヒドロキシルジフェニルエーテルの付着を妨げ、微生物予防を損なうおそれがあると考えられる。
【0010】
好ましくは、本発明による組成物は、液体殺菌剤などの液体組成物である。
【0011】
更に、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール及びヒドロキシルジフェニルエーテルを含有する配合物中の4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールのTTW用量が、例えば20ppm~960ppmなどの好ましい範囲内である場合、ヒドロキシルジフェニルエーテルの付着が著しく改善されることは更に驚くべきことであり、これは完全に予想外である。
【0012】
好ましくは、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、0.1ppm~400ppm、好ましくは0.5ppm~100ppm、より好ましくは1ppm~20ppm、更により好ましくは1.5ppm~12ppm、最も好ましくは2ppm~8ppmの範囲のスルー・ザ・ウォッシュ(TTW)用量を送達するのに十分な量で存在する。
【0013】
いくつかの好ましい実施形態では、本開示による組成物中のヒドロキシルジフェニルエーテルに対する4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールの重量比は、0.1~2000、好ましくは1~1000、より好ましくは5~200、更により好ましくは30~70、更により好ましくは35~65、更により好ましくは40~60、最も好ましくは45~55であってもよい。
【0014】
いくつかの好ましい実施形態では、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、好ましくは4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルである。
【0015】
好ましくは、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールは、組成物の0.1重量%~4.8重量%、好ましくは0.2重量%~4重量%、より好ましくは0.4重量%~2重量%、更により好ましくは0.6重量%~1.5重量%、最も好ましくは0.8重量%~1.2重量%の範囲の量で存在し、及び/又は、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、組成物の0.0005重量%~2重量%、好ましくは0.0025重量%~0.5重量%、より好ましくは0.005重量%~0.1重量%、更により好ましくは0.0075重量%~0.06重量%、最も好ましくは0.01重量%~0.04重量%の範囲の量で存在する。
【0016】
いくつかの特定の実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総重量の1%~50%、より好ましくは3%~40%、最も好ましくは5%~30%の溶媒を更に含み得る。好ましくは、溶媒は、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ブタントリオール、ポリ(プロピレングリコール)、テルピネオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコールであり得る。より好ましくは、溶媒は、プロピレングリコール及び/又はテルピネオールであってもよい。
【0017】
いくつかの特定の実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総重量の0.1%~30%、より好ましくは0.5%~20%、最も好ましくは1%~10%の結晶性ヒドロキシル含有安定化剤を更に含んでもよい。好ましくは、安定化剤は、微結晶性セルロース又はその誘導体、ヒマシ油又はその誘導体、水素化ヒマシ油又はその誘導体、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。より好ましくは、安定化剤はヒマシ油であってもよい。
【0018】
いくつかの特定の実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総重量の0.01%~5%、好ましくは0.02%~2%、より好ましくは0.05%~1%の香料を更に含んでもよい。好ましくは、香料は、遊離香料、プロ香料、カプセル化香料、香料マイクロカプセル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。より好ましくは、香料は、遊離香料と香料マイクロカプセルとの組み合わせを含んでもよい。最も好ましくは、組成物中の香料マイクロカプセルに対する遊離香料の重量比が、1:5~20:1、好ましくは1:2~10:1、より好ましくは1:1~5:1、最も好ましくは1.5:1~3:1であってもよい。
【0019】
いくつかの特定の実施形態では、組成物は殺菌剤である。
【0020】
別の一態様では、本発明は、衣料品を処理するための方法であって、
a)衣料品及び本開示による抗菌性組成物を提供する工程と、
b)衣料品を組成物と、例えば5分間、10分間、15分間、20分間、30分間、50分間、100分間、200分間、500分間、1000分間、又はそれらの間の任意の範囲など、好ましくは少なくとも5分間にわたって接触させる工程と、
を含む方法に関する。
【0021】
別の一態様では、本発明は、衣料品を処理するための方法であって、
a)本開示による衣料品及び抗菌性組成物を、例えば洗濯槽などの容器内に提供する工程と、
b)衣料品を容器内の組成物と、例えば、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、又は少なくとも20分間などの特定の期間にわたって接触させる工程と、
c)衣料品を手作業で又は洗濯機で洗浄する工程と、
を含む方法に関する。
【0022】
本発明による組成物の利点は、微生物除去及び微生物予防の両方の面で効果をもたらし得ることである。本開示の文脈において、微生物を除去することは、微生物を殺傷、失活、排除、及び/又は洗浄することを含むが、これらに限定されない。
【0023】
本開示による組成物の別の利点は、微生物除去を損なうことなく微生物予防を改善し得ることである。
【0024】
本開示による組成物の別の利点は、布地へのヒドロキシルジフェニルエーテルの付着を改善し得ることである。
【0025】
本発明のこれらの及びその他の態様は、以下の発明を実施するための形態を読むことにより、更に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の様々な実施形態の特徴及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるように意図される特定の実施形態の例を含む、以下の明細書から明らかになるであろう。様々な修正が本明細書及び本発明の実施から当業者には明白となるであろう。本発明の範囲は、開示される特定の形態に限定されることを意図せず、また本発明は、「特許請求の範囲」により定義されるような本発明の趣旨及び範囲に当てはまる全ての変形形態、等価物、及び代替物を網羅する。
【0027】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0028】
本明細書で使用するとき、特許請求項において使用される「a」及び「an」などの用語は、特許請求される又は記載されるもののうちの1つ以上を意味すると理解される。用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」は全て、非限定的であることを意味する。
【0029】
本明細書で使用される場合、本明細書における用語「液体組成物」は、注ぐことが可能な液体、ゲル、クリーム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形態である組成物を指す。液体組成物は、水性であっても非水性であってもよく、異方性、等方性、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0030】
用語「から本質的になる」は、組成物が、列挙された成分以外の成分を約10%未満、好ましくは約5%未満含有することを意味する。
【0031】
更に、用語「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」は、指定の材料が0重量%~約1重量%、好ましくは0重量%~約0.5重量%、より好ましくは0重量%~約0.2重量%の量で存在することを意味する。用語「本質的に含まない」は、指定の材料が、0重量%~約0.1重量%、好ましくは0重量%~約0.01重量%の量で存在し、より好ましくは分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄液」は、1サイクルの洗濯洗浄のために使用される典型的な量、好ましくは、1L~50L、あるいは、手作業で洗浄する場合には1L~20L、機械で洗浄する場合には20L~50Lの水溶液を指す。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「汚れた布地」は、非特定的に使用され、木綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリル、及びこれらに類するもの等などであるがこれらに限定されない、天然繊維、人工繊維、及び合成繊維、並びに様々な混合及び組み合わせを含む、任意の種類の天然繊維又は人工繊維を指す場合がある。
【0034】
本明細書で使用するとき、全ての濃度及び比は、特に明記しない限り、重量に基づくものである。本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。本明細書における全ての条件は、特に明記しない限り、20℃及び大気圧下である。特に明記しない限り、ポリマーの分子量は全て、重量平均数分子量により決定される。
【0035】
組成物
本発明の組成物は、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール及びヒドロキシルジフェニルエーテルを含む。驚くべきことに、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールとヒドロキシルジフェニルエーテルとをそれらの間の特定の範囲の重量比で組み合わせることによって、微生物除去及び微生物予防の面で優れた効果がもたらされ得ることが見出された。
【0036】
好ましくは、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールは、例えば30ppm、40ppm、50ppm、60ppm、70ppm、80ppm、90ppm、100ppm、110ppm、120ppm、130ppm、140ppm、150ppm、160ppm、170ppm、180ppm、190ppm、200ppm、210ppm、220ppm、230ppm、240ppm、250ppm、260ppm、270ppm、280ppm、290ppm、300ppm又はそれらの間の任意の範囲の用量など、20ppm~960ppm、好ましくは40ppm~800ppm、より好ましくは80ppm~400ppm、更により好ましくは120ppm~300ppm、最も好ましくは160ppm~240ppmの範囲のスルー・ザ・ウォッシュ(TTW)用量を送達するのに十分な量で存在し得る。
【0037】
好ましくは、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、例えば0.1ppm、0.2ppm、0.3ppm、0.4ppm、0.5ppm、0.6ppm、0.7ppm、0.8ppm、0.9ppm、1ppm、1.1ppm、1.2ppm、1.3ppm、1.4ppm、1.5ppm、1.6ppm、1.7ppm、1.8ppm、1.9ppm、2ppm、3ppm、4ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、11ppm、12ppm、15ppm、20ppm、30ppm、35ppm、40ppm、45ppm、50ppm、60ppm、70ppm、80ppm、90ppm、100ppm又はそれらの間の任意の範囲など、0.1ppm~400ppm、好ましくは0.5ppm~100ppm、より好ましくは1ppm~20ppm、更により好ましくは1.5ppm~12ppm、最も好ましくは2ppm~8ppmの範囲のスルー・ザ・ウォッシュ(TTW)用量を送達するのに十分な量で存在し得る。
【0038】
いくつかの好ましい実施形態では、ヒドロキシルジフェニルエーテルに対する4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールの重量比は、例えば30、35、40、45、50、55、60、65、70又はそれらの間の任意の範囲など、0.1~2000、好ましくは1~1000、より好ましくは5~200、更により好ましくは30~70、更により好ましくは35~65、更により好ましくは40~60、最も好ましくは45~55であってもよい。
【0039】
好ましくは、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールは、組成物の、例えば0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1.0重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、1.6重量%、1.7重量%、1.8重量%、1.9重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%又はそれらの間の任意の範囲など、0.2重量%~4.8重量%、好ましくは0.4重量%~2重量%、より好ましくは0.6重量%~1.5重量%、最も好ましくは0.8重量%~1.2重量%の範囲の量で存在してもよく、及び/又は、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、組成物の、例えば0.0025重量%、0.003重量%、0.004重量%、0.005重量%、0.006重量%、0.007重量%、0.008重量%、0.009重量%、0.01重量%、0.012重量%、0.015重量%、0.017重量%、0.02重量%、0.025重量%、0.03重量%、0.035重量%、0.04重量%、0.045重量%、0.05重量%、0.055重量%、0.06重量%、0.065重量%、0.07重量%、0.075重量%、0.08重量%、0.085重量%、0.09重量%、0.095重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%又はそれらの間の任意の範囲など、0.0025重量%~0.5重量%、好ましくは0.005重量%~0.1重量%、より好ましくは0.0075重量%~0.06重量%、最も好ましくは0.01重量%~0.04重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0040】
本明細書の洗濯組成物は、グラム陽性菌(例えば、黄色ブドウ球菌)及び/又はグラム陰性菌(例えば、大腸菌)の両方を除去するための効果を提供する。一実施形態では、洗濯組成物は、未処理の布地と比較して、グラム陽性菌及び/又はグラム陰性菌の少なくともlog1.0の減少、好ましくは少なくともlog1.5の減少、より好ましくは少なくともlog2.0の減少、更により好ましくはlog2.5の減少、更により好ましくはlog3.0の減少、最も好ましくはlog3.5の減少の微生物除去値を、処理された布地に提供する。
【0041】
更に、本明細書の洗濯組成物は、組成物によって処理された布地に微生物予防効果を提供する。一実施形態では、洗濯組成物は、未処理の布地と比較して、グラム陽性菌及び/又はグラム陰性菌の少なくともlog1.0の減少、好ましくは少なくともlog1.5の減少、より好ましくは少なくともlog2.0の減少、更により好ましくはlog2.5の減少の静菌活性値を、処理された布地に提供する。好ましくは、組成物は、QB/T 2738 7.2懸濁法(以下に記載)で測定した場合、1055ppmの水溶液中で10分間接触後に、大腸菌、黄色ブドウ球菌、及び/又は肺炎桿菌に対して、少なくともlog1.0の減少、好ましくは少なくともlog1.5の減少、より好ましくは少なくともlog2.0の減少、更により好ましくはlog2.5の減少を提供する。
【0042】
ヒドロキシルジフェニルエーテル
本発明による組成物において有用なヒドロキシルジフェニルエーテルは、非イオン性化合物である。
【0043】
好ましくは、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、ハロゲン化されていてもされていなくてもよいが、好ましくはハロゲン化されている。一実施形態では、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、式(I)のヒドロキシルジフェニルエーテルである。
【0044】
【化2】
式中、
各Yは、塩素、臭素、又はフッ素から独立して選択され、好ましくは塩素又は臭素、より好ましくは塩素であり、
各Zは、SOH、NO、又はC~Cアルキルから独立して選択され、
rは、0、1、2、又は3であり、好ましくは1又は2であり、
oは、0、1、2、又は3であり、好ましくは0、1又は2であり、
pは、0、1、又は2であり、好ましくは0であり、
mは、1又は2であり、好ましくは1であり、
nは、0又は1であり、好ましくは0である)のヒドロキシルジフェニルエーテルである。
【0045】
上記の式(I)の定義において、0は無を意味する。例えば、pが0の場合、Zは式(I)に存在しない。各Y及び各Zは、同一であり得る又は異なり得る。一実施形態において、oは1、rは2、Yは塩素又は臭素である。この実施形態では、1つの塩素原子がベンゼン環に結合すると同時に臭素原子及び他の塩素原子が他のベンゼン環に結合する、あるいは、臭素原子がベンゼン環に結合すると同時に2つの塩素原子が他のベンゼン環に結合する、ことがあり得る。
【0046】
より好ましくは、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(「ジクロサン」)、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(「トリクロサン」)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、ヒドロキシルジフェニルエーテルは、商標名Tinosan(登録商標)HP100としてBASFから市販されている、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルである。
【0047】
4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール(PCMX)
クロロキシレノール又はパラ-クロロ-メタ-キシレノール(PCMX)としても知られる4-クロロ-3,5-ジメチルフェノールは、皮膚消毒及び外科用器具の洗浄に使用される防腐剤及び消毒薬であり、洗濯用途にも使用されてきた。これは、以下の式(II)を有する。
【0048】
【化3】
【0049】
溶媒
本明細書の洗濯組成物は、組成物の総重量の1%~50%、より好ましくは3%~40%、最も好ましくは5%~30%の溶媒を更に含んでもよい。好ましくは、溶媒は、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ブタントリオール、ポリ(プロピレングリコール)、テルピネオール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコールであり得る。より好ましくは、溶媒は、プロピレングリコール及び/又はテルピネオールであってもよい。
【0050】
いくつかの特定の実施形態では、溶媒の存在は、例えば、改善された安定性などの更なる利点を提供し得る。
【0051】
安定化剤
本明細書の洗濯組成物は、当該組成物の総重量の0.1%~30%、より好ましくは0.5%~20%、最も好ましくは1%~10%の結晶性ヒドロキシル含有安定化剤を更に含んでもよい。好ましくは、安定化剤は、微結晶性セルロース又はその誘導体、ヒマシ油又はその誘導体、水素化ヒマシ油又はその誘導体、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。より好ましくは、安定化剤はヒマシ油であってもよい。
【0052】
いくつかの特定の実施形態では、溶媒の存在は、例えば、改善された安定性などの更なる利点を提供し得る。
【0053】
補助成分
本明細書の洗濯組成物は、補助成分を更に含んでもよい。好適な補助物質としては、ビルダー、キレート剤、レオロジー調整剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、事前形成された過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、光退色剤、香料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、担体、ハイドロトロープ、加工助剤、溶媒、色調剤、構造化剤、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。洗濯組成物中のこれらの補助成分の正確な性質及びそれらの濃度は、組成物の物理的形態及び/又は用途に依存する。
【0054】
好ましくは、本開示による組成物は、当該組成物の総重量の0.01%~5%、好ましくは0.02%~2%、より好ましくは0.05%~1%の香料であって、当該香料は、好ましくは、遊離香料、プロ香料、カプセル化香料、香料マイクロカプセル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、当該香料は、より好ましくは遊離香料と香料マイクロカプセルとの組み合わせを含み、最も好ましくは、当該組成物中の香料マイクロカプセルに対する遊離香料の重量比が、1:5~20:1、好ましくは1:2~10:1、より好ましくは1:1~5:1、最も好ましくは1.5:1~3:1である、香料を更に含んでもよい。
【0055】
組成物の調製
本発明の洗濯組成物は、概して、洗濯組成物の製造の技術分野において既知である従来法によって調製される。かかる方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の印加などの有無にかかわらず、必須成分及び任意成分を任意の所望の順序で比較的均一な状態まで混合することと、それによって必要な濃度の成分を含有する洗濯組成物を提供することとを含む。
【0056】
使用方法
本発明の別の一態様は、微生物除去利点及び微生物予防利点を加えて布地を処理するために洗濯組成物を使用する方法に関する。方法は、水を入れた洗濯洗浄槽内に1g~2000gの上記の洗濯組成物を投入して浸漬液を形成する工程を含む。本明細書における洗濯洗浄槽内の浸漬液の量は、好ましくは、1L~50L、あるいは、手作業で洗浄する場合は1L~20L、機械で洗浄する場合は20L~50Lである。好ましくは、本明細書における微生物除去利点は、試験1(QB/T 2738 7.2懸濁液による殺菌)に記載の方法によって測定され、本明細書における微生物予防利点は、試験2(GB/T 20944.2吸収法)に記載の方法によって測定される。洗濯洗浄液の温度は、好ましくは、5℃~60℃の範囲である。
【0057】
本明細書の方法における投与量は、洗浄タイプに応じて異なってもよい。一実施形態では、方法は、約20g~約100gの組成物を手作業洗浄槽(例えば、約1~5L)内に投入することを含む。代替の実施形態では、方法は、約100g~約1000g、好ましくは約600g~約900gの組成物を洗濯機(例えば、約30~45L)内に投入することを含む。
【0058】
好ましくは、本明細書の方法は、汚れた布地を浸漬液と接触させる工程を更に含む。例えば、グラム陽性菌及び/又はグラム陰性菌が布地上に存在することが疑われる。汚れた布地を浸漬液と接触させる工程は、洗濯洗浄槽内に洗濯洗剤組成物を投入する工程の後であることが好ましい。
【0059】
試験方法
試験1:微生物除去効果(QB/T 2738 7.2懸濁法)
洗濯組成物の微生物除去効果を、QB/T 2738 7.2懸濁法に定義された以下に記載の方法によって測定する。
【0060】
1.微生物の調製:
A.微生物を栄養寒天上で、少なくとも1日1回の移し替え、35±2℃でのインキュベートによって継代培養する。
B.試験の前日に、細胞を別の栄養寒天に移す。寒天側を下にして35±2℃で18~24時間インキュベートする。
C.3mLの希釈液及び5つの滅菌ガラスビーズを使用して寒天プレートから増殖物を除去して増殖を停止させる。培養物を標準化して、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌及び大腸菌1mL当たりに必要なコロニー形成単位(CFU)を得る。
【0061】
2.手順:
A.推奨用量に基づいて試験試料を希釈する。滅菌容器を使用する。完全に混合する。試験材料は、滅菌磁気撹拌棒及び磁気撹拌プレートを使用して混合することができる。
B.5mLの試験材料を遠心管に添加する。
C.時点0で、工程1C)で調製した0.1mLの接種材料を2B)で調製した試験材料に添加し、十分に混合する。直ちにタイマーを始動させる。
D.規定の時点まで反応させ、0.5mLの上記溶液を4.5mLの中和器にピペットで移し、よく混合する。10分間放置して中和する。
E.適切な希釈を行い、標準的なプレーティング技術を使用して二連でカウントするために1mLを採取する。
F.試験生物に適した温度、時間、及び環境でインキュベートする。
G.標準的なプレートカウント法を使用してコロニーをカウントし、生データをCFU/プレートとして記録する。2枚のプレートを平均し、希釈係数を掛けてCFU/mLを計算する。
H.生成物溶液をPBSに置き換え、対照として上記手順を繰り返す。
I.各試料、時点、及び生物を三連で実行するものとする。
【0062】
3.微生物除去活性値の計算:
微生物除去活性(%)=(対照の平均細菌量-試料の平均細菌量)/対照の平均細菌量
微生物除去活性(LogR)=-Log10(1-微生物除去活性(%))
1.0以上の微生物除去活性値(LogR)は、許容可能な微生物除去効果を表す。2.0以上の微生物除去活性値(LogR)は、良好な微生物除去効果を表す。また、1.0未満の微生物除去活性値(LogR)は、許容不可能な低い微生物除去効果を示す。
【0063】
試験2:微生物予防効果(GB/T 20944.2)
洗濯組成物の微生物予防効果を、GB/T 20944.2吸収法に定義された以下に記載の方法によって測定する。
【0064】
1.微生物の調製:
A.黄色ブドウ球菌、大腸菌又は肺炎桿菌の凍結乾燥培養物中に一定量の栄養ブロスを無菌的に添加する。栄養ブロス中に培養物を溶解し、懸濁して懸濁液を得る。懸濁液のループを栄養寒天プレート上に画線し、37℃で24時間インキュベートして、細菌懸濁液の第1世代継代培養物を得る。細菌懸濁液の第1世代継代培養物のコロニーを20mLの栄養ブロスに振盪しながら移し、37℃で24時間インキュベートして、細菌懸濁液の第2世代継代培養物を得る。細菌懸濁液の第2世代継代培養の0.4mLを別の20mLの栄養ブロスに振盪しながら移し、37℃で3±1時間インキュベートして、細菌懸濁液の第3世代継代培養物を得る。
B.細菌懸濁液の第3世代継代培養物を1/20希釈栄養ブロスによって1×10cfu/mL~3×10cfu/mLの濃度に希釈して、作業用培養物を得る。
C.作業用培養物を4℃で保存し、4時間以内に使用する。
【0065】
2.布地の洗浄:
A.各々が1mの幅及び3mの長さを有する2つの布地片(32ヤーン/cm×32ヤーン/cm、100%平織綿)を5Lの溶液中で1時間煮沸する。溶液は、2.5gの非イオン性浸漬剤、2.5gの炭酸ナトリウム、及び5000mLの蒸留水によって調製する。非イオン性浸漬剤は、5.0gのアルキルフェノールエトキシレート、5gの炭酸ナトリウム、及び1000mLの蒸留水によって調製する。布地片は、沸騰した脱イオン水で5分間すすぐ。布地片を冷たい脱イオン水に5分間入れて、室内乾燥させる。
B.工程2Aから得られた試験布地片の一方の端部をステンレス鋼スピンドルの水平延長部に沿った外側の位置でステンレス鋼スピンドルに固定する。ステンレス鋼スピンドルは、互いに連結された3個の水平スタンドを有する。ステンレス鋼スピンドルの3個の水平スタンドの周囲に試験布地片を十分な張力で巻き付けて、12周巻いた布地を有する布地を巻き付けたスピンドルを得る。試験布地片の他方の端部を、12周巻き付けた布地の外側の巻き付け部分にピンで固定する。布地が巻き付けられたスピンドルを121℃の加圧蒸気で15分間滅菌する。
C.3.4gの塩化カルシウム二水和物及び13.9gの塩化マグネシウム六水和物を100mLの蒸留水に溶解し、次いでこの混合物を121℃の加圧蒸気で20分間滅菌する。1mLの混合物を1Lの蒸留水に添加して、硬水溶液を得る。
D.工程2Cで得られた硬水溶液1Lに十分な量の試料を添加して、必要な濃度の溶液を得る。この溶液を磁気撹拌機で4分間混合する。265mLの混合溶液を暴露室に分配して洗浄液を得る。暴露室を水浴中に置いて、(25±1)℃の試験温度にする。
E.工程2Bから得られた、布地が巻き付けられたスピンドルを暴露室内で洗浄液中に無菌的に浸漬し、暴露室を蓋で閉じる。
F.暴露室をタンブラー上に固定する。8分間浸漬し、次いでタンブラーを16分間回転させる。次いで、布地が巻き付けられたスピンドルを暴露室から取り出す。布地が巻き付けられたスピンドルをHaier iwash-1pトップロード洗濯機に入れ、3分間脱水する。
G.暴露室から洗浄液を廃棄し、次いで、265mLの蒸留水を暴露室内に加える。脱水後の、布地が巻き付けられたスピンドルを暴露室内の新たに加えた蒸留水に浸漬する。タンブラーを3分間回転させ、3分間脱水する。
H.工程2Gを繰り返す。
I.布地が巻き付けられたスピンドルを暴露室から無菌的に取り出し、スピンドルから試験布地片を取り外す。試験布地片を一晩空気乾燥させる。
【0066】
3.布地のインキュベート:
A.工程2Iで得られた洗浄済み試験布地片を、一辺の長さが2cmの正方形片に切断する。以下の工程のために、0.40g±0.05gの質量の3つの試料を得る。対照として工程2Bの布地を使用して、同じ方法で6つの試料も得る。
B.それぞれの組の試料をバイアルに入れ、次いで、試料を121℃の加圧蒸気で15分間滅菌する。滅菌後、クリーンベンチ内でキャップをせずに1時間、試料を乾燥させる。
C.工程1Bで得られた作業用培養物の0.2mLを、乾燥させた各試料に接種する。接種直後に、3つの対照試験試料上の細菌を抽出し、栄養寒天に播いて、37℃で24~48時間インキュベートする。それぞれの組の試料の総コロニー形成単位(CFU)をカウントし、3組の平均結果を得る。CFU値のlog10値をCとする。接種した試料が入った他の6本のバイアルを37℃で18~24時間インキュベートする。
D.インキュベートした試料上の生存菌を抽出し、栄養寒天に播いて、37℃で24~48時間インキュベートする。それぞれの組の試料の総コロニー形成単位(CFU)をカウントし、3組の平均結果を得る。平均CFU値のlog10値を、C(対照用)又はT(試験試料用)とする。
【0067】
4.微生物予防活性値の計算:
微生物予防活性値(%)=(対照の平均CFU-試料の平均CFU)/対照の平均CFU
微生物予防活性値(logR)=C-T
1.0以上の微生物予防活性値(logR)は、許容可能な微生物予防効果を表し、2.0以上の微生物予防活性値(logR)は、優れた微生物予防効果を表す。1.0未満の微生物予防活性値(logR)は、許容不可能な低い微生物予防効果を示す。
【0068】
試験3:抗菌剤の布地付着試験
抗菌剤は、以下に記載のメタノールベースの加速溶媒抽出(ASE)法を使用することによって、処理された布地から抽出される。次に、得られた抽出物をC18カラム上で勾配逆相高速液体クロマトグラフ(HPLC)分離にかけ、ネガティブモードで多重反応モニタリング(MRM)条件下で作動するタンデム質量分析計(MS/MS)により定量する。
【0069】
第1の工程として、処理した布地を約3グラム正確に計量してから、次いで、鋼製ASEチューブに充填する。抽出プロトコルは、約100℃の高温で、1平方インチあたり約2000ポンド(psi)の圧力で、抽出溶媒としてメタノールを使用して約5分間、実行される。得られた抽出物を集め、25mLのフラスコに移し、次いで、これをメタノールで一定量にする。得られた溶液は次いで、50:50の比率での水とメタノールの混合物を使用して約25倍に希釈し、その後のLC-MS/MS分析の注入試料として使用する。
【0070】
次に、上記注入試料の約5μlを注入し、Water Acquity UPLC C18カラム上で、約70%移動相A(1%ギ酸溶液)/30%移動相B(メタノール中0.1%ギ酸)~5%移動相A/95%移動相Bの勾配で約3分間分離し、最終勾配は更に3分間保つ。抗菌剤、例えばTinosan(登録商標)HP100は、ネガティブMRMモードで検出される。m/zが253>142のイオン対は、定量移行として使用され、253>125のm/zは同定のために使用される。
【0071】
並行して、校正曲線の作成のために、0.5ng/mL~500ng/mLの範囲のスパイクしたマトリックス標準物質を注入する。注入試料中の抗菌剤、例えばTinosan(登録商標)HP100の濃度は、校正曲線の重み付き(1/x)二次回帰を使用する外挿によって求められる。
【0072】
試験4:バイオフィルムの生成(ASTM E 2562)及び洗濯機での除去を含むバイオフィルム除去試験
1.培養物の調製
緑膿菌が、この試験で使用される生物である。単離されたコロニーをR2Aプレートから無菌的に取り出し、100mLの滅菌TSB(300mg/L)に入れる。細菌懸濁液を環境シェーカー中で36±2℃で22±2時間インキュベートする。生菌密度は10CFU/mLに等しくすべきであり、段階希釈及びプレーティングによって確認することができる。
【0073】
2.反応器の準備
A.試験片を石鹸及び水道水で超音波処理し、試験片上に石鹸が残らなくなるまで試験片を試薬グレードの水ですすいで超音波処理する。
B.試験片を反応器ロッドの各穴に入れ、止めねじを締める。ロッドを反応器の頂部に緩く入れる。
C.反応器頂部を反転させ、反応器頂部の中心に位置するガラスロッド上にバッフルを置く。
D.反応器ビーカを反転させ、組み立てられた頂部に置く。反応器頂部が直立するように反応器をひっくり返す。
E.細菌通気孔を、適切なサイズの管の小さな部分に通気孔を嵌め込むことによって接続し、反応器頂部の剛性管のうちの1つに取り付ける。
F.ガラスフローブレイク(glass flow break)を、反応器頂部付近の栄養管ラインに接合する。
G.滅菌前に反応器の頂部をビーカ上にしっかりと配置する。圧力を逃がすことを可能にするために、滅菌中にロッドアライメントピンをノッチ内にセットしない。
H.栄養カーボイに接続する栄養管の端部及びオーバフロー(廃棄物)管の端部をアルミニウム箔で覆う。反応器頂部の余分な開口部をアルミニウム箔で覆う。これは、オートクレーブ処理後の無菌状態を維持するためである。
I.オートクレーブ処理可能な容器内で、500mLの試薬グレードの水に細菌液体増殖培地(300mg/LのTSB)を溶解することによって、バッチ培養培地を調製する。
J.反応器システム及び別個のバッチ培養培地を蒸気滅菌器の液体サイクルで20分間滅菌する。
【0074】
3.手順
A.オーバフロー(廃棄物)ラインをクランプした状態で、冷却したバッチ培養培地を冷却した反応器に無菌的に添加する。
B.反応器を撹拌プレート上に置く。
C.フローブレイクを直立位置にクランプする。他の管はクランプして箔で覆ったままにする。
D.ロッドアライメントピンを反応器頂部ノッチ内に固定する。
E.先に調製した培養物から1mLの細菌を反応器に接種する(2Iを参照)。利用可能な剛性の反応器頂部管の1つを通して接種材料を反応器に無菌的にピペットで入れる。
F.磁気撹拌プレートをオンにする。回転速度を125±5r/分に設定する。反応器システムをバッチモードで室温(21±2℃)で24時間インキュベートする。
G.100mg/LのTSB連続流栄養ブロスを調製する。カラメル化を防ぐために、ブロスをより少量で溶解及び滅菌する。濃縮ブロスを無菌試薬グレードの水のカーボイに無菌的に注ぎ、合計20Lとする。
H.連続流栄養ブロスの入ったカーボイに栄養管ラインを無菌的に接続する。
I.反応器容積を30分の滞留時間で除算することによって算出される流量で、栄養素の連続流を反応器に送り込む。排出口から廃棄物カーボイに管を取り付け、クランプを取り外す。ビーカ上の排出口は、オーバフローの発生を可能にし、CSTR(連続撹拌タンク反応器)モード中に反応器内の100mg/Lの一定の細菌液体増殖ブロス濃度を維持する。
J.反応器をSCTRモードで24時間運転する。
【0075】
4.生成物の処理
A.増殖培地流及びバッフル付き撹拌棒を止める。
B.バイオフィルムを有する試験片の入った無作為に選択されたロッドを、CDCバイオフィルム反応器からまっすぐに引き上げて取り出すことによって、反応器から無菌的に取り出す。
C.試験片をすすいで浮遊細胞を除去する。30mLの滅菌緩衝水の入った50mLのコニカルチューブの真上で、ロッドを垂直位置に向ける。1回の連続動作で、跳ねを最小限にするか、又は全く起こさずにロッドを緩衝水に浸漬し、次いで直ちに取り出す。30mLの滅菌緩衝水を入れた新しい50mLコニカルチューブをロッドごとに使用する。
D.推奨用量(1000ppm)の硬水で生成物溶液を調製する。
E.頂部にロッドを垂直に保持できるカスタマイズされたビーカに2本のロッドを入れる。350mlの生成物溶液をビーカに移す。
F.ビーカを磁気撹拌プレート上に置き、350rpmで10分間撹拌する。次いで、生成物溶液を廃棄し、350mlの新鮮な水を添加して、試験片を350rpmで3分間すすぐ。すすぎを1回繰り返す。
G.試料ごとに6サイクルの生成物処理を試験片に施す(工程4E~4F)。
H.対照として、0.05%のTween80を使用して生成物溶液を置き換え、同じ処理を続ける。
I.個々のチューブでの試験用に適切な数の試験片を取り出す。各処理について5個の試験片の組及び、対照について3個の試験片の組を得る。
J.処理された試験片を1つ入れた各チューブに3mlのPBS溶液を添加する。
K.各チューブを最高設定でボルテックスし、30±5秒間の完全なボルテックスを確実に行う。
L.チューブを室温(21±2℃)で30±5秒間、45±5kHzで超音波処理する(超音波処理器が可変設定を有する場合は通常モードを使用する)。
M.各チューブを最高設定でボルテックスし、30±5秒間の完全なボルテックスを確実に行う。
N.チューブを室温(21±2℃)で30±5秒間、45±5kHzで超音波処理する(超音波処理器が可変設定を有する場合は通常モードを使用する)。
O.各チューブを最高設定でボルテックスし、30±5秒間の完全なボルテックスを確実に行う。これらのチューブは10希釈である。
P.希釈し、各試験片上の細菌量をカウントし、その値をlog10に変換し、対照試験片及び生成物処理試験片の平均を取る。
【0076】
5.バイオフィルム除去効果の計算
log減少=log10の平均(対照試験片)-log10の平均(生成物処理試験片)。
【実施例
【0077】
本明細書に記載の実施例は、本発明を例示することを意味するが、本発明の範囲を制限又は他の方法で規定するために使用するものではない。
【0078】
実施例1:4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール及びヒドロキシルジフェニルエーテルを含有する抗菌性組成物による効果的な微生物除去を示す比較試験
以下の表1に示す成分を含む4つの試料液体組成物を調製した。試料1~3は、微生物除去活性物質として4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール(PCMX)、微生物予防活性物質としてヒドロキシルジフェニルエーテルを含み、比較試料1はヒドロキシルジフェニルエーテルを含むがPCMXを含まなかった。
【0079】
【表1】
a Jiangsu Huanxin High-Tech materials Co.,Ltdから入手可能な4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール
b Tinosan(登録商標)HP100は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルであり、BASFから入手可能である
c SENYU FORREST Chemical GuangDongから入手可能
d Chenxin chemical,Guangzhou.Ltd.から入手可能
e SHANDONG SHIDA SHENGHUA CHEMICALから入手可能
【0080】
次いで、1:50(すなわち、水中で2%の最終生成物)の用量での上記試料の微生物除去効果を、グラム陰性菌肺炎桿菌を使用した試験1:微生物除去効果に従って測定した。結果を以下に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
上に示したデータのように、PCMX及びヒドロキシルジフェニルエーテルの両方を含む試料は、微生物除去効果をもたらすことができる。特に、PCMXのTTWレベルが少なくとも100ppmである場合、効果は非常に強い(すなわち、最大99.99%)。
【0083】
実施例2:4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール及びヒドロキシルジフェニルエーテルを含有する抗菌性組成物による効果的な微生物予防を示す比較試験
以下の表1に示す成分を含む12個の試料液体組成物を調製した。試料1~8は、微生物除去活性物質として4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール(PCMX)、微生物予防活性物質としてヒドロキシルジフェニルエーテルを含み、比較試料1~4は、PCMXとヒドロキシルジフェニルエーテルとのうちの一方しか含まなかった。
【0084】
【表3】
a Jiangsu Huanxin High-Tech materials Co.,Ltdから入手可能な4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール
b Tinosan(登録商標)HP100は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルであり、BASFから入手可能である
c SENYU FORREST Chemical GuangDongから入手可能
d Chenxin chemical,Guangzhou.Ltd.から入手可能
e SHANDONG SHIDA SHENGHUA CHEMICALから入手可能
【0085】
【表4】
a Jiangsu Huanxin High-Tech materials Co.,Ltdから入手可能な4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール
b Tinosan(登録商標)HP100は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルであり、BASFから入手可能である
c SENYU FORREST Chemical GuangDongから入手可能
d Chenxin chemical,Guangzhou.Ltd.から入手可能
e SHANDONG SHIDA SHENGHUA CHEMICALから入手可能
【0086】
次いで、1:50(すなわち、水中で2%の最終生成物)の用量での上記試料の微生物予防効果を、グラム陰性菌肺炎桿菌を使用した試験2:微生物予防効果に従って測定した。結果を以下に示す。
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
驚くべきことに、試料中のPCMXのTTW用量が高すぎない、例えば1000ppm未満である場合、PCMX及びヒドロキシルジフェニルエーテルの両方を含有する試料は、微生物予防(すなわち、logRが少なくとも2である)を効果的に達成することができる。実施例1を考慮すると、これらの試料は、微生物除去及び微生物予防の両方の効果をもたらすことができる。対照的に、PCMXのTTW用量が高すぎる、例えば1000ppmである場合、ヒドロキシルジフェニルエーテルによって提供される効果は著しく損なわれる(すなわち、わずか0.6)。
【0090】
したがって、微生物除去及び微生物予防の両方を達成するためには、PCMXのTTW用量の好ましい範囲、例えば20ppm~900ppm、好ましくは40ppm~800ppmが必要である。
【0091】
実施例3:4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール及びヒドロキシルジフェニルエーテルを含有する抗菌性組成物による布地上の抗菌剤の改善された付着を示す比較試験。
試料1~6及び比較試料1を、実施例1及び2と同様に調製した。試料1~6は、微生物除去活性物質として4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール(PCMX)、微生物予防活性物質としてヒドロキシルジフェニルエーテルを含み、比較試料1は、ヒドロキシルジフェニルエーテルを含むがPCMXは含まなかった。
【0092】
【表7】
a Jiangsu Huanxin High-Tech materials Co.,Ltdから入手可能な4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール
b Tinosan(登録商標)HP100は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルであり、BASFから入手可能である
c SENYU FORREST Chemical GuangDongから入手可能
d Chenxin chemical,Guangzhou.Ltd.から入手可能
e SHANDONG SHIDA SHENGHUA CHEMICALから入手可能
【0093】
これらの試料について、布地へのヒドロキシルジフェニルエーテルの付着を、試験3:抗菌剤の布地付着試験に従って測定した。結果を以下に示す。
【0094】
【表8】
【0095】
上記のデータから、PCMX及びヒドロキシルジフェニルエーテルを含有する配合物中のPCMXのTTW用量が、例えば試料1~5の40ppm~500ppmなどの好ましい範囲内である場合、ヒドロキシルジフェニルエーテルの付着が著しく改善される(3.31~8.2対1.93)ことは大いに驚くべきことであり、これは完全に予想外である。対照的に、PCMXのTTW用量が1000ppmである場合、ヒドロキシルジフェニルエーテルの付着はほぼ完全に阻止される(わずか0.20)。
【0096】
実施例4:組成物の例示的な配合
表7に示す以下の液体組成物は、列挙した成分を列挙した比率(重量%)で含むように作製される。
【0097】
【表9】
a Jiangsu Huanxin High-Tech materials Co.,Ltdから入手可能な4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール
b Tinosan(登録商標)HP100は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルであり、BASFから入手可能である
c SENYU FORREST Chemical GuangDongから入手可能
d Chenxin chemical,Guangzhou.Ltd.から入手可能
e SHANDONG SHIDA SHENGHUA CHEMICALから入手可能
f 直鎖C12~C14アルコキシル化(EO7)アルコール
g C10~C14直鎖アルキルベンゼンスルホネート
h ラウレス3硫酸ナトリウム
【0098】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0099】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0100】
本発明の特定の実施形態を例解及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】