(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-30
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231122BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20231122BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231122BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20231122BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231122BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20231122BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20231122BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20231122BHJP
F21S 6/00 20060101ALI20231122BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20231122BHJP
H05B 45/50 20220101ALI20231122BHJP
H05B 45/37 20200101ALI20231122BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20231122BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20231122BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20231122BHJP
F21Y 107/30 20160101ALN20231122BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231122BHJP
【FI】
F21S2/00 110
H01L33/00 L
F21V23/00 140
F21V23/00 160
F21V23/06
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V17/00 154
F21V3/00 320
F21V3/02 310
F21V3/02 400
F21S2/00 612
F21S6/00 120
F21S6/00 300
F21S8/08
H05B45/50
H05B45/37
H05B45/10
H05B47/155
H05B45/345
F21Y107:30
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531637
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2021077336
(87)【国際公開番号】W WO2022106108
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523192554
【氏名又は名称】エアスター エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】エンバーガー,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】デュピィ,アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ワトレ,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ,セバスチャン
【テーマコード(参考)】
3K011
3K013
3K014
3K273
5F142
【Fターム(参考)】
3K011GA08
3K013AA01
3K013AA07
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA09
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3K014HA04
3K273PA10
3K273QA27
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3K273SA35
3K273SA50
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3K273UA16
3K273UA17
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3K273UA27
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3K273VA09
5F142AA51
5F142EA01
5F142EA02
5F142EA10
5F142EA16
5F142EA34
5F142GA21
(57)【要約】
【解決手段】本明細書は照明装置に関し、照明装置は、-導電性の支持構造体(130) と、-支持構造体に固定されている複数の基本照明モジュール(110) とを備えており、基本照明モジュールは、プリント回路基板と、プリント回路基板上に組み立てられている一組のLED及び一組のLEDに電力を供給して一組のLEDを制御するための電子回路とを夫々有しており、各基本照明モジュール(110) では、基本照明モジュールのプリント回路基板は少なくとも1つの基準端子を有しており、基本照明モジュールのプリント回路基板の基準端子は支持構造体(130) を介して互いに電気的に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 導電性の支持構造体(130) と、
- 前記支持構造体に固定されている複数の基本照明モジュール(110) と
を備えており、
前記基本照明モジュールは、プリント回路基板(112) と、前記プリント回路基板上に組み立てられているLED集合体(114) 及び前記LED集合体(114) に電力を供給して前記LED集合体を制御するための電子回路(116) とを夫々有しており、
各基本照明モジュール(110) では、前記基本照明モジュールのプリント回路基板(112) は少なくとも1つの基準端子(V-)を有しており、前記基本照明モジュール(110) のプリント回路基板(112) の基準端子(V-)は前記支持構造体(130) を介して互いに電気的に接続されており、
前記基本照明モジュール(110) は、複数の基本照明モジュール(110) を夫々含む複数の列に従って配置されており、各基本照明モジュールは、2つの電源・制御コネクタ(118) を有しており、同一列の前記基本照明モジュール(110) は、夫々の電源・制御コネクタ(118) を介してチェーン接続されている、照明装置。
【請求項2】
各基本照明モジュール(110) は、前記基本照明モジュールを前記支持構造体(130) に固定するための固定支持体(150) を有している、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
各基本照明モジュール(110) で、前記固定支持体(150) は、前記基本照明モジュールのプリント回路基板の基準端子(V-)を前記支持構造体(130) に電気的に接続する導電部(155) を有している、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記導電部(155) は、導電性タブ(155b, 155c)をその両端部に有する導電性ロッド(155a)を有しており、前記導電性タブは、前記支持構造体(130) の導電性ロッド(131) が横切る開口部(155d, 155e)を夫々有している、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
各基本照明モジュール(110) は、前記基本照明モジュールのプリント回路基板(112) の前方に配置された透明又は半透明の保護筐体(120) を更に有しており、前記保護筐体(120) は前記固定支持体(150) に固定されている、請求項2~4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記基本照明モジュール(110) は、一又は複数の角柱の形状の段に従って配置されており、前記角柱の側面に配置されている、請求項1~5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記基本照明モジュール(110) は、平面状の構成に従って配置されている、請求項1~5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
各列の端部に接続されている電源・制御電子回路(210, 220)を更に備えている、請求項1~7のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項9】
前記電源・制御電子回路(210, 220)は、列によって消費される電流及び/又は前記基本照明モジュール(110) の列の電圧を表す量を測定するステップを有する診断方法を行うように構成されている、請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記電源・制御電子回路(210, 220)は、
a) 列の基本照明モジュール(110) をオン状態に制御して、前記列を流れる電流を表す値を測定するステップ、
b) 前記列の基本照明モジュール(110) をオフ状態で制御して、前記列を流れる電流を表す値を測定するステップ、及び
c) ステップa)で測定された値とステップb)で測定された値との差を公称基準値(I
ref-pix)と比較し、前記差と前記公称基準値との間隔が所定の許容範囲を超える場合、前記基本照明モジュール(110) に欠陥があると推定するステップ
を有する診断方法を行うように構成されている、請求項8又は9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記支持構造体(130) 及び前記基本照明モジュール(110) を囲む拡散エンベロープ(190) を備えている、請求項1~10のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項12】
前記拡散エンベロープ(190) はインフレータブルエンベロープである、請求項11に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に照明装置に関し、より具体的には発光ダイオード(LED)を備えたモジュール式照明装置を対象としている。本開示は更に、インフレータブルエンベロープを備えた照明バルーンの分野に関し、より具体的にはこのようなバルーンのエンベロープの膨張の制御に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
LEDを備えた多くの照明装置が既に提供されている。しかしながら、公知の装置の不利点の全て又は一部を克服するLEDを備えた照明装置を提供し得ることが望ましい。特に、公知の装置に対して組み立てがより簡単である、修理がより簡単である、及び/又は追加の機能を有するより信頼性が高いLEDを備えた照明装置を提供し得ることが望ましい。
【0003】
しかしながら、インフレータブルバルーンタイプの照明装置ではエンベロープの膨張の制御を改善し得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、実施形態は、
- 導電性の支持構造体と、
- 前記支持構造体に固定されている複数の基本照明モジュールと
を備えており、
前記基本照明モジュールは、プリント回路基板と、前記プリント回路基板上に組み立てられているLED集合体及び前記LED集合体に電力を供給して前記LED集合体を制御するための電子回路とを夫々有しており、
各基本照明モジュールでは、前記プリント回路基板は少なくとも1つの基準端子を有しており、前記基本照明モジュールのプリント回路基板の基準端子は前記支持構造体を介して互いに電気的に接続されている、照明装置を提供する。
【0005】
実施形態によれば、各基本照明モジュールは、前記基本照明モジュールを前記支持構造体に固定するための固定支持体を有している。
【0006】
実施形態によれば、各基本照明モジュールで、前記固定支持体は、前記基本照明モジュールのプリント回路基板の基準端子を前記支持構造体に電気的に接続する導電部を有している。
【0007】
実施形態によれば、前記導電部は、導電性タブをその両端部に有する導電性ロッドを有しており、前記導電性タブは、前記支持構造体の導電性ロッドが横切る開口部を夫々有している。
【0008】
実施形態によれば、各基本照明モジュールは、前記基本照明モジュールのプリント回路基板の前方に配置された透明又は半透明の保護筐体を更に有しており、前記保護筐体は前記固定支持体に固定されている。
【0009】
実施形態によれば、前記基本照明モジュールは、一又は複数の角柱の形状の段に従って配置されており、前記角柱の側面に配置されている。
【0010】
実施形態によれば、前記基本照明モジュールは、平面状の構成に従って配置されている。
【0011】
実施形態によれば、前記基本照明モジュールは、複数の基本照明モジュールを夫々含む複数の列に従って配置されており、各基本照明モジュールは、2つの電源・制御コネクタを有しており、同一列の前記基本照明モジュールは、夫々の電源・制御コネクタを介してチェーン接続されている。
【0012】
実施形態によれば、前記照明装置は、各列の端部に接続されている電源・制御電子回路を更に備えている。
【0013】
実施形態によれば、前記電源・制御電子回路は、列によって消費される電流及び/又は前記基本照明モジュールの列の電圧を表す量を測定するステップを有する診断方法を行うように構成されている。
【0014】
実施形態によれば、前記電源・制御電子回路は、
a) 列の基本照明モジュールをオン状態に制御して、前記列を流れる電流を表す値を測定するステップ、
b) 前記列の基本照明モジュールをオフ状態で制御して、前記列を流れる電流を表す値を測定するステップ、及び
c) ステップa)で測定された値とステップb)で測定された値との差を公称基準値と比較し、前記差と前記公称基準値との間隔が所定の許容範囲を超える場合、前記基本照明モジュールに欠陥があると推定するステップ
を有する診断方法を行うように構成されている。
【0015】
実施形態によれば、前記照明装置は、前記支持構造体及び前記基本照明モジュールを囲む拡散エンベロープを備えている。
【0016】
実施形態によれば、前記拡散エンベロープはインフレータブルエンベロープである。
【0017】
別の実施形態は、
- 照明構造体と、
- 前記照明構造体を囲むインフレータブルエンベロープと、
- 前記インフレータブルエンベロープの膨張を保証するように適合されているインフレーションファンと、
- 前記インフレータブルエンベロープの膨張段階中、前記インフレーションファンの回転速度を監視して、前記膨張段階の終わりに前記インフレーションファンがキャビテーションを起こすのに対応する前記回転速度の上昇を検出し、前記上昇が検出されると、前記インフレーションファンに適用されるパワー設定値を低下させるように構成されている電子制御回路と
を備えている、照明装置を提供する。
【0018】
実施形態によれば、前記インフレーションファンは、前記電子制御回路に連結されている回転速度センサを有している。
【0019】
実施形態によれば、前記電子制御回路は、前記膨張段階中に前記インフレーションファンを最大パワーで制御するように構成されている。
【0020】
実施形態によれば、前記電子制御回路は、前記膨張段階の開始から経過した時間を測定して、経過した時間が、前記インフレーションファンがキャビテーションを起こすのを検出する前に、最大公称膨張時間に対応する所定の閾値に達する場合、前記インフレータブルエンベロープの漏れをユーザに警告する信号を発するように更に構成されている。
【0021】
実施形態によれば、警告信号を発するために、前記電子制御回路は、所定の手順に従った前記照明構造体の少なくとも1つの光源の点滅、及び/又は、有線若しくは無線の通信チャネルを介した遠隔の端末への警告メッセージの送信を命令する。
【0022】
実施形態によれば、前記電子制御回路は、前記膨張段階中又は前記膨張段階外で、
- 前記インフレーションファンにパワー設定値を与えて、
- 前記インフレーションファンの回転速度を決定して、前記回転速度を、前記パワー設定値の公称回転速度に対応する所定の閾値と比較し、
- 前記回転速度が前記閾値を超える場合、前記インフレーションファンの吸気フィルタの詰まりを示す警告信号を発する
ように更に構成されている。
【0023】
実施形態によれば、前記照明構造体は、
- 支持構造体と、
- 金属の前記支持構造体に固定されている複数の基本照明モジュールと
を有しており、前記基本照明モジュールは、プリント回路基板と、前記プリント回路基板上に組み立てられているLED集合体及び前記LED集合体に電力を供給して前記LED集合体を制御するための電子回路とを夫々有している。
【0024】
実施形態によれば、各基本照明モジュールでは、前記基本照明モジュールのプリント回路基板は少なくとも1つの基準端子を有しており、前記基本照明モジュールのプリント回路基板の基準端子は前記支持構造体を介して互いに電気的に接続されている。
【0025】
実施形態によれば、各基本照明モジュールは、前記基本照明モジュールを前記支持構造体に固定するための固定支持体を有している。
【0026】
実施形態によれば、各基本照明モジュールで、前記固定支持体は、前記基本照明モジュールのプリント回路基板の基準端子を前記金属の支持構造体に電気的に接続する導電部を有している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
前述及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照して本発明を限定するものではない例示として与えられる特定の実施形態の本開示の残り部分に詳細に記載される。
【0028】
【
図1】実施形態に係るLEDを備えた照明装置の照明構造体の例を示す部分的な斜視図である。
【
図2】実施形態に係るLEDを備えた照明装置の照明構造体の別の例を示す斜視図である。
【
図3】実施形態に係るLEDを備えた照明装置の照明構造体の別の例を示す斜視図である。
【
図4】実施形態に係るLEDを備えた照明装置の基本照明モジュールの例を示す分解斜視図である。
【
図5】実施形態に係るLEDを備えた照明装置の例を示す部分的な正面図である。
【
図6】実施形態に係るインフレータブルエンベロープを備えた照明バルーンの例を示す正面略図である。
【
図7】実施形態に係るLEDを備えた照明装置を示す簡略化された電気回路図である。
【
図8】実施形態に係るLEDを備えた照明装置の基本照明モジュールの実施形態の例を示すより詳細な電気回路図である。
【
図9】
図8の基本照明モジュールの代替的な実施形態を示す電気回路図である。
【
図10】実施形態に係るLEDを備えた照明装置の電力分配マップの実施形態の例を示す図である。
【
図11】実施形態に係るLEDを備えた照明装置の欠陥を検出する方法の例のステップをブロックの形態で概略的に示すフローチャートである。
【
図12】
図11の方法のステップを更に詳細に示すフローチャートである。
【
図13】
図11の方法のステップの代替的な実施を示すフローチャートである。
【
図14】実施形態に係るインフレータブルエンベロープを備えた照明バルーンのエンベロープの膨張を制御する方法の例をブロックの形態で概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
同様の特徴が、様々な図で同様の参照符号によって示されている。特に、様々な実施形態に共通する構造的特徴及び/又は機能的特徴は同一の参照符号を有してもよく、同一の構造特性、寸法特性及び材料特性を有してもよい。
【0030】
明瞭化のために、本明細書に記載されている実施形態の理解に有用なステップ及び要素のみが示されて詳細に記載されている。特に、記載された装置のLED、並びに電力供給及び制御のための電子回路の形成は詳述されておらず、これらの要素の形成は実際には、本開示の表示に基づく当業者の技能の範囲内である。
【0031】
特に示されていない場合、共に接続された2つの要素を参照するとき、これは、導体以外のいかなる中間要素も無しの直接接続を表し、共に連結された2つの要素を参照するとき、これは、これら2つの要素が接続され得るか、又は一若しくは複数の他の要素を介して連結され得ることを表す。
【0032】
以下の開示では、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置、若しくは「上方」、「下方」、「上側」、「下側」などの相対位置を限定する文言、又は「水平方向」、「垂直方向」などの向きを限定する文言を参照するとき、特に指定されていない場合、この文言は図面の向きを指す。
【0033】
特に指定されていない場合、「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、該当する値の10%の範囲内、好ましくは5%の範囲内を表す。
【0034】
図1は、実施形態に係るLEDを備えた照明装置の照明構造体100 の例を示す部分的な斜視図である。
【0035】
照明構造体100 は、同一又は同様の複数の基本照明モジュール110 を備えており、基本照明モジュール110 は、一又は複数の導電性材料、例えば金属、炭素、又は炭素をドープしたポリマー材料で形成された同一の支持構造体130 に固定されている。
【0036】
図1の例では、支持構造体130 は18個の基本モジュール110 を受けるように構成されており、18個の基本モジュール110 は、6個の基本モジュールを夫々含む積み重ねられた3つの段に分散している。明瞭化のために、上段の6個の基本モジュール110 のみが
図1に示されている。
【0037】
この例では、各基本モジュール110 は実質的に矩形状又は正方形状のパネルの形態を有する。各段では、段の6つの基本モジュール110 が六角形の角柱構成で配置されている。より具体的には、段の6つの基本モジュール110 は、六角形の角柱の6つの矩形状の表面を夫々形成している。様々な段は、同一の中心軸芯に沿って垂直に整列している。より具体的には、この例では、照明構造体100 の各段で、段の各基本モジュール110 は、夫々の他の段の基本モジュール110 と垂直縁部で垂直に整列している。
【0038】
図1の支持構造体130 は、(平面視で)円形の構成に応じて規則的に分散した、例えば同一又は同様の6つの垂直のロッド131 を有している。ロッド131 は、六角形の角柱構造の縁部を画定している。ロッド131 は、導電性材料、例えば金属、炭素、又は炭素をドープしたポリマー材料で形成されている。
【0039】
各基本モジュール110 は、基本モジュール110 を支持構造体130 に固定するために使用される支持体150 を有している。この例では、各支持体150 は、一般的な矩形又は正方形の形状と、モジュール110 の横寸法に実質的に相当する横寸法とを有する。各支持体150 は、支持構造体130 のロッド131 の1つを摺動するように構成されている一又は複数の固定リング151 をモジュール110 の垂直縁部の側に有している。図示されている例では、各支持体150 は、支持体150 の同一の垂直縁部の両端部に夫々配置された2つの固定リング151 を有している。基本モジュール110 が支持構造体130 に組み立てられると、基本モジュールの一又は複数の固定リング151 を、支持構造体130 の同一のロッド131 が横切る。固定リング151 と反対側の支持体150 の垂直縁部は、支持構造体130 に隣り合ってロッド131 が横切る開口部をモジュールの下方部分に有している。より具体的には、この例では、照明構造体の外側からの正面視で、各基本モジュール110 では、基本モジュールの固定支持体150 は、右側縁部の側に、モジュールの縁部の上方部分及び下方部分に夫々配置されて支持構造体130 のロッド131 を摺動する2つの固定リング151 を有しており、左側縁部の側に、隣り合うロッド131 が横切る(図面には示されていない)開口部を有している。従って、この例では、各段で、段の六角形角柱の縁部を画定するロッド131 の夫々の部分は、
- 一方では、主に前記ロッド131 の左側に配置されている、段の第1の基本モジュール110 の固定支持体150 の固定リング151 を横切り、
- 他方では、主に前記ロッド131 の右側に配置されている、段の第2の基本モジュール110 の固定支持体150 の開口部を横切る。
【0040】
この配置により、各段の基本モジュール110 をその段の基本モジュール110 の数と等しい数のロッド131 に確実に固定することが可能である。しかしながら、記載されている実施形態は、この特定の配置に限定されない。
【0041】
図1に関連して記載されている照明構造体の利点は、この照明構造体が、支持構造体130 のロッド131 の配置及び/又は数を簡単に適合させることにより、同一の基本モジュール110 に基づく多くの他の形状及び/又は大きさに容易に変更され得るということである。このため、新たな用途毎に装置の構成及び製造コストを制限しながら、様々な用途に適用され得る。特に、基本モジュール110 の数は、所望の光パワーの合計に応じて選択されてもよい。例として、各基本モジュール110 の放射光パワーは1~10,000ルーメンの範囲内であり、例えば10~5,000 ルーメンの範囲内であり、例えば100 ~1,000 ルーメンの範囲内である。装置の放射光パワーの合計(様々な基本モジュール110 によって放射される放射光パワーの合計)は、例えば50~1,000,000 ルーメンの範囲内であり、例えば5,000 ~500,000 ルーメンの範囲内である。
【0042】
図2及び
図3は、
図1に関連して記載されているタイプの照明構造体の可能な構成の他の(非限定)例を示す。
【0043】
図2の例では、照明構造体は、正方形の基部を有する角柱の4つの側面に沿って夫々配置されている4つの基本モジュール110 を段毎に有している。支持構造体は、角柱の4つの縁部を夫々画定する4つのロッド131 を有している。
図2の例では、1つの段が示されている。対象となる用途に応じて、照明構造体は、
図1に関連して記載されているような複数の垂直に積み重ねられた段を有してもよい。
【0044】
図3の例では、照明構造体は、同一の平面上に直線的に並ぶ2つの基本モジュール110 を段毎に有している。支持構造体は、平面視で直線的に並ぶ3つのロッド131 を有している。
図3の例では、2つのモジュールの1つの段が示されている。対象となる用途に応じて、照明構造体は、
図1に関連して記載されているような複数の垂直に積み重ねられた段、及び/又は段毎に2とは異なる数の基本モジュール110 を有してもよい(例えば、段毎に1つのモジュールを有してもよく、又はモジュール毎に2を超える段を有してもよい)。
【0045】
図4は、
図1、
図2及び
図3に関連して記載されているタイプの照明構造体の基本照明モジュール110 の例を示す分解斜視図である。
【0046】
モジュール110 は、一又は複数のLED(図示されている例ではプリント回路基板の表面に規則的に分散している8つのLED)のLED集合体及びLED集合体に電力を供給してLED集合体を制御するための電子回路116 を有するプリント回路基板112 を有している。各モジュール110 は、他のモジュール110 のプリント回路基板とは別個の自身のプリント回路基板112 を有している。従って、各モジュール110 は他のモジュールから独立した基本照明パネルを形成している。プリント回路基板112 の大きさは、モジュール110 の大きさに実質的に相当する。例として、プリント回路基板112 は、長さが50~250 mmの範囲内で幅が50~250 mmの範囲内の一般的な矩形又は正方形の形状を有する。
【0047】
図示されている例では、モジュール110 は、プリント回路基板に組み立てられている、例えば同一又は同様の2つのコネクタ118 を更に有しており、コネクタ118 は、モジュール110 を外部装置、例えば別のモジュール110 又は照明構造体の電力供給及び制御のための電子回路に接続するように構成されている。
【0048】
図4の例では、コネクタ118 は、モジュールの右側縁部の近傍でモジュールの上側縁部の側及び下側縁部の側に夫々配置されている。しかしながら、記載されている実施形態は、この特定の配置に限定されない。
【0049】
各基本モジュール110 は、基本モジュールの照射面の側で基本モジュールのプリント回路基板112 の前方に配置されている保護筐体120 を有している。保護筐体120 は、例えばガラス又はポリマー材料で形成されている透明又は半透明のプレートを有してもよく、プレートは、プリント回路基板112 の大きさと実質的に等しい大きさを有し、モジュールのLED 114が組み立てられているプリント回路基板112 の表面の側でプリント回路基板112 と平行に配置されている。変形例として、保護筐体120 は、例えば
図4に示されているように、モジュールのLED 114が組み立てられているプリント回路基板112 の表面の前方に一又は複数の開口部122 を有する不透明な壁を有してもよい。
【0050】
固定支持体150 により、支持構造体130 (
図1~3)上の所定の位置へのプリント回路基板112 の取り付け及び保持を保証することが可能である。この例では、保護筐体120 は、例えばスナップ留めによって固定支持体150 に直接固定されている。このため、保護筐体120 が受ける可能性がある衝撃を支持構造体130 に直接伝えて、ひいてはプリント回路基板112 が受ける応力を制限することができる。
【0051】
この例では、固定支持体150 は、例えば一般的な正方形又は矩形の形状及びモジュール110 の横寸法に実質的に相当する横寸法を有するフレーム153 を有しており、フレーム153 はプリント回路基板112 を受けてプリント回路基板112 の上側に保護筐体120 を受けるように構成されている。固定リング151 は、フレーム153 の垂直縁部の側に配置されている。フレーム153 及び固定リング151 は、例えば電気絶縁性材料、例えばプラスチックで形成されている。例として、フレーム153 及び固定リング151 は、例えば成形によって形成されたモノブロック要素を形成している。フレーム153 は、固定リング151 と反対側の垂直縁部の側に、ロッド131 が横切るように構成されている図面に示されていない開口部を有してもよい。
【0052】
この例では、固定支持体150 は、プリント回路基板112 の基準接続端子又は基準接続領域を支持構造体130 に電気的に接続する機能を更に保証する。基準接続端子は、装置の基準電位、例えば接地又はあらゆる他の基準電位、例えば正の電源電位に接続されるように構成されている。このため、この例では、支持体150 は、例えば金属製の導電部155 を有しており、導電部155 は、一方ではプリント回路基板112 の(
図4に詳細に示されていない)基準接続端子と接しており、他方では支持体150 の固定リング151 を横切る金属ロッド131 と接している。従って、同一列の様々な基本モジュール110 のプリント回路基板112 の基準端子は全て、前記基本モジュールの固定リング151 を横切る金属ロッド131 を介して互いに接続されている。支持構造体130 の様々な金属ロッド131 は、導電性材料で形成された、支持構造体130 の図示されていない連結部によって互いに電気的に接続されてもよい。このため、様々なモジュール110 の基準端子の等電位特性が保証され得る。例として、連結部は、導電性材料で形成された(
図5に示されている)上側プラテン及び/又は下側プラテン133 であってもよい。各プラテンは、導電性のロッド131 が貫通する開口部を有してもよく、これにより、ロッド131 の横方向の間隔及び様々なロッド131 間の電気接続が保証され得る。
【0053】
図示されている例では、固定支持体150 の導電部155 は、フレーム153 の高さと実質的に等しい長さの金属ロッド155aを有している。金属ロッド155aは、両端部にタブ155b及びタブ155cを夫々有している。タブ155b及びタブ155cは、固定支持体150 のリング151 を横切る導電性のロッド131 が横切るように構成されている貫通開口部155d及び貫通開口部155eを夫々有している。従って、導電性のロッド131 は、タブ155b, 155cの貫通開口部155d, 155eの周縁部のレベルで導電部155 と電気的且つ機械的に接する。金属ロッド155aは、プリント回路基板112 の基準端子と機械的且つ電気的に接するように構成されているタブ155fを中央部分に更に有している。
【0054】
基本モジュール110 の組み立て及び支持構造体130 への固定を、以下のように行ってもよい。
【0055】
プリント回路基板112 は、組み立て段階の上流側で調製されている。次に、プリント回路基板112 及び導電部155 を支持フレーム153 上に組み立ててもよい。各モジュール110 には、フレーム153 へのプリント回路基板112 及び導電部155 の固定を保証するために、図示されていないクランプネジが設けられてもよい。このクランプネジにより、プリント回路基板112 の基準端子と導電部155 の接触タブ155fとの適切な電気接触が更に保証され得る。その後、保護筐体120 を、プリント回路基板112 の上側でフレーム153 にスナップ留めしてもよい。
【0056】
基本モジュール110 を、支持構造体130 の導電性ロッド131 上で列で摺動させてもよい。
【0057】
各列の基本モジュール110 の垂直締付を保証するために、(図面に詳細に示されていない)締付装置が各ロッド131 の両端部に設けられてもよい。例として、ロッド131 はねじ山付きであり、締付装置は、ねじ山付きロッドの下端部の側にねじ込まれるナット(図面に詳細に示されていない)及び/又は上端部の側にねじ込まれるナット(図面に詳細に示されていない)をロッド131 毎に有し、列の垂直締付を保証する。より一般的には、あらゆる他の同等の締付システムが設けられてもよい。
【0058】
上述した例では、保護筐体120 は、LEDの集合体114 によって放射される光を、著しく変えることなく伝送するように適合されている。変形例として、保護筐体120 は、あらゆる他の所望の光学機能、例えばレンズ機能、又は所定の方向に光を方向付ける機能(プリズム)を有してもよい。
【0059】
図5は、実施形態に係るLEDを備えた照明装置の例を示す部分的な分解正面図である。
【0060】
図5の装置は、
図1に関連して記載されている構造と同一又は同様の照明構造体100 を備えている。
【0061】
図5の装置は、照明構造体の下側プラテン133 の下に固定されているヒートファンとも称されるファン160 を更に備えており、ファン160 は、LEDによって発生する熱の放散を容易にするために基本モジュール110 によって画定される空間内の空気をかき混ぜるように構成されている。
【0062】
図5の装置は、照明構造体の下側プラテン133 の下に固定されているサービス段170 を更に備えており、サービス段170 は、照明構造体の電力供給及び制御のための電子回路を特に有している。サービス段170 は、照明構造体のタイプと同一のタイプの支持構造体を有してもよい。電力供給及び制御のための電子回路は、例えば照明構造体の固定支持体150 のタイプと同一のタイプの固定支持体によって、支持構造体に固定された一又は複数のプリント回路基板172 に組み立てられてもよい。
【0063】
この例では、照明装置は、照明構造体100 及びサービス段170 を覆う、
図5に示されていないインフレータブルエンベロープを備えた、照明バルーンタイプの装置である。
【0064】
エンベロープの膨張を可能にするために、サービス段は、装置の下方部分に空気を吸い込んでエンベロープに注入するように適合されている、インフレーションファンと称されるファン174 を有している。
【0065】
図示されている例では、装置は、サービス段170 の下側プラテンに固定された支持マスト180 を更に備えている。
【0066】
図6は、上述したタイプのインフレータブルエンベロープを備えた照明バルーンの正面略図である。
【0067】
図6では、照明構造体100 、サービス段170 及び支持マスト180 が点線で概略的に示されている。
【0068】
この例では、照明装置は、照明構造体100 及びサービス段170 を備えた組立体を囲むインフレータブルエンベロープ190 を備えている。インフレータブルエンベロープ190 は、可撓性を有するエンベロープ、例えば織られたエンベロープである。エンベロープ190 は、好ましくは水密且つ気密であり、照明構造体及びサービス段の全ての機械部品及び電子部品を外部から保護することができる。エンベロープ190 は、照明構造体によって放射される光のための光拡散器の機能を更に果たしてもよい。言い換えれば、エンベロープ190 は、照明構造体によって放射される光を拡散によって伝えるように適合されている。
【0069】
エンベロープ190 の膨張は、照明装置の使用を開始するときに(
図6に示されていない)インフレーションファン174 によって保証される。
【0070】
上述した照明構造体は、インフレータブルバルーンタイプの照明装置での使用に限定されないことに注目すべきである。変形例として、インフレータブルエンベロープ190 は、例えば支持構造体の(不図示の)骨組み上で引き伸ばされる非インフレータブルで可撓性のエンベロープ、又は剛性のエンベロープ若しくはシェルと置き替えられてもよい。この場合、インフレーションファン174 及び関連する電力供給及び制御のための電子回路は省略されてもよい。
【0071】
図7は、実施形態に係るLEDを備えた照明装置の簡略化された電気回路図である。
【0072】
照明構造体の上述した例では、照明構造体の形状に関わらず、基本モジュール110 は、一又は複数のM行×一又は複数のN列のアレイを画定しており、Mは1以上の整数であり、Nは1以上の整数であることに注目すべきである。行の数Mは、照明構造体の段数に相当する。列の数Nは、段毎の基本モジュール110 の数に相当する。各行は、対応する段のN個の基本モジュール110 の集合体によって定められている。各列は、様々な段における同一の位置のM個の基本モジュール110 の集合体によって定められている。従って、M×N個の基本モジュール110 は、(
図3の例では)平坦であってもよく、又は(
図1及び
図2の例では)自軸回りに巻かれてもよいアレイスクリーンを画定している。
【0073】
実施形態の態様によれば、照明構造体のアレイ駆動が行われ、画素とも称される各基本モジュール110 は個々に制御されてもよい。
図7は、このようなアレイ駆動の実行を可能にする、照明構造体の基本モジュール110 と電力供給及び制御のための周辺回路との相互接続の例を更に詳細に示している。
【0074】
対象とする用途に応じて、アレイの特定の基本モジュール110 が省略されてもよいことに注目すべきである。言い換えれば、孔を有するアレイを設けることが可能である。特に、特定の構成では、異なる列が異なる数の基本モジュール110 を含んでもよく、及び/又は、異なる行が異なる数の基本モジュール110 を含んでもよい。当業者は、このような構成に以下に記載される駆動に関する解決策を適合させることができる。
【0075】
この例では、M=3行及びN=3列のアレイに分散した9個の基本モジュール110 の照明構造体が対象である。記載されている実施形態は、言うまでもなくあらゆる他のアレイの大きさに適合されてもよい。以下では、iは1~Mの範囲内の整数であり、各列の基本モジュールのランクを表し、i=1は底部の基本モジュール110 に対応し、i=Mは列内の最上部の基本モジュール110 に対応し、jは1~Nの範囲内の整数であり、各行の基本モジュールのランクを表し、j=1は行内の最も左側の基本モジュール110 に対応し、j=Nは行内の最も右側の基本モジュール110 に対応する。更に、簡略化のために、参照符号110i,jは、アレイの行i及び列jの基本モジュール110 を表すために使用される。
【0076】
アレイのN列の各々では、列の基本モジュール110 は夫々のコネクタ118 によってチェーン接続されている。より具体的には、最上部の基本モジュール110M,jを除いて各基本モジュール110i, jは、同一列のランク110i+1,jの基本モジュールの下側コネクタ118 に上側コネクタ118 によって接続されている。列内の底部の基本モジュール1101,jの下側コネクタ118 は、電子分配基板210 (DISTRIB) の、列に特有のコネクタ201jに接続されている。この例では、列内の最上部の基本モジュール110M,jの上側コネクタ118 は接続されない。
【0077】
この例では、コネクタ118 及びコネクタ201jは夫々、3つの端子を有するコネクタである。より具体的には、2つの端子は、モジュール110 に電力を供給するためのDC電圧の伝送専用であり、第3の端子は、モジュール110 を制御するための信号、例えばシリアル化されたデジタル信号の送信専用である。
【0078】
各基本モジュール110 では、基本モジュールのプリント回路基板112 は、基本モジュールの下側コネクタ118 の3つの端子を基本モジュールの上側コネクタ118 の3つの端子に夫々接続する3つの別個の導電性トラックを有している。列毎に、分配基板210 のコネクタ201jとモジュール1101,jの下側コネクタ118 との接続、及び、列内の隣り合うモジュール間の近接接続は、導電性ワイヤ、例えば3本のワイヤを有する導電性シート又は剛性導体によって行われてもよい。
【0079】
各基本モジュール110 では、基本モジュールの電源・制御回路116 は、コネクタ118 を介して伝搬される電力供給信号及び制御信号を受信し、それに応じて基本モジュールのLEDの集合体114 を制御する。
【0080】
この例では、別個の列の基本モジュール110 は互いに直接接続されていない。
【0081】
図7の装置は、分配基板210 に連結されている電子制御基板220 (CTRL)を更に備えており、電子制御基板220 は、特に照明構造体の基本モジュール110 を制御するための信号を管理して分配基板210 に送信するように適合されている。分配基板210 及び制御基板220 は、例えば2つの別個のプリント回路基板上に形成されている。分配基板210 及び制御基板220 は、例えば、照明装置のサービス段170 (
図5及び
図6)上に組み立てられている。
【0082】
分配基板210 は電源ユニット230 (SUP) に連結されてもよく、電源ユニット230 自体は、(詳述されない)一又は複数の電源、例えば電池などのDC電源及び/又はAC電源、例えば主電圧に連結されている。
【0083】
照明装置は、電子制御基板220 に有線又は無線のリンクによって連結されている不図示のユーザインターフェースデバイスを更に備えてもよい。ユーザインターフェースは、例えば、無線通信手段によって電子制御基板220 に連結されたスマートフォンのアプリケーションの形態を有してもよい。
【0084】
図8は、
図7のLED照明装置の基本照明モジュール110 の実施形態の例を更に詳細に示す。
【0085】
図8には、各コネクタ118 の3つの接続端子が詳細に示されている。V+端子及びV-端子は、モジュール110 のDC電源電圧が印加される正端子及び負端子に夫々相当する。V-端子に与えられる電位は、例えば基準電位、つまりモジュールの基準電位に相当する。従って、
図1~4に関連して記載されているタイプの組立体では、固定支持体150 の金属部155 を介して支持構造体130 に電気的に接続されている(図面に詳細に示されていない)基準端子は、モジュールのコネクタ118 のV-端子に接続されたプリント回路基板112 の導電性領域又は導電性トラックである。
【0086】
この例では、モジュール110 は白色LEDを備えた照明パネルである。しかしながら、同一の原理がカラーLED、紫外線LED、赤外線LED、又はあらゆる他の発光波長範囲に適用されてもよい。LED集合体114 は、例えば同一又は同様の(図面に詳細に示されていない)白色LEDの直列結合部によって形成されており、直列結合部の最初のLEDのアノード及び最後のLEDのカソードに夫々接続されている2つの電源端子を有している。
【0087】
電源・制御回路116 は、電源回路301 及び電源スイッチ303 を有している。電源スイッチ303 は、モジュール110 のV+電源端子及びV-電源端子に夫々接続されている2つの入力端子と、電源回路301 の2つの入力端子に夫々接続されている2つの出力端子とを有している。電源回路301 は、LED集合体114 の2つの電源端子に夫々接続されている2つの出力端子を更に有している。
【0088】
スイッチ303 がオン状態と称される第1の状態であるとき、電源回路301 の入力端子はモジュールのV+電源端子及びV-電源端子に夫々接続されているため、モジュール110 の電源電圧が電源回路301 の入力に印加される。次に、電源回路301 は、LEDをオンにする電流又は電源電圧を出力端子間に印加する。好ましくは、電源回路301 は、出力電流が一定のDC/DCコンバータであるため、特にLEDの電力供給に適合されるという利点がある。例として、モジュール110 の電源電圧は10~100 ボルトの範囲内であり、例えば50ボルト程度である。
【0089】
スイッチ303 がオフ状態と称される第2の状態であるとき、電源回路301 の入力端子はモジュールのV+電源端子及びV-電源端子から分離されているため、モジュールの電源電圧が電源回路301 の入力に印加されない。LEDは電力供給されず、オフのままである。実際、スイッチ303 は、上述した切替機能以外の他の機能、例えば起動時のサージ電流制限機能、及び/又は、例えば製品の電源投入時の点滅を回避するためのオン/オフロジックの再形成機能を有してもよい。
【0090】
この例では、モジュールの電源・制御回路116 は、制御回路305 、例えばデジタル回路を更に有している。制御回路305 はモジュール110 の制御端子Cに接続されている。従って、制御回路305 は、モジュール110 のアレイの各列の近くから近くに伝搬される制御信号を受信する。制御回路305 は、この信号を解釈し、それに応じてスイッチ303 及び/又は電源回路301 を制御するように適合されている。例として、制御回路305 は、スイッチ303 をオン状態又はオフ状態に制御してモジュール110 のLEDをオン又はオフするように適合されている。制御回路305 は、集合体114 のLEDに供給される電力を変えて、ひいてはモジュールによって放射される光パワーを変えるべく電源回路301 を制御するように適合されてもよい。
【0091】
図9は、
図8の基本照明モジュール110 の代替的な実施形態を示す。
【0092】
この例では、LED集合体114 は、LEDの2つのサブ集合体114a, 114bを有している。サブ集合体114aのLED及びサブ集合体114bのLEDは、異なる発光特性を有する。例として、サブ集合体114aのLEDは寒色の白色光を放射するように適合されており、サブ集合体114bのLEDは暖色の白色光を放射するように適合されている。各サブ集合体は、例えば複数の同一又は同様の基本LEDの直列結合部で形成されている。
【0093】
電源・制御回路116 は、2つの電源回路301a, 301b及び2つの電源スイッチ303a, 303bを有している。スイッチ303a及びスイッチ303bは、モジュール110 のV+電源端子及びV-電源端子に夫々接続されている2つの入力端子を夫々有している。スイッチ303aは、電源回路301aの2つの入力端子に夫々接続されている2つの出力端子を有している。スイッチ303bは、電源回路301bの2つの入力端子に夫々接続されている2つの出力端子を有している。電源回路301aは、LEDサブ集合体114aの2つの電源端子に夫々接続されている2つの出力端子を有している。電源回路301bは、LEDサブ集合体114bの2つの電源端子に夫々接続されている2つの出力端子を有している。
【0094】
スイッチ303aがオン状態と称される第1の状態であるとき、電源回路301aの入力端子は、モジュールのV+電源端子及びV-電源端子に夫々接続されている。そのため、電源回路301aは、サブ集合体114aのLEDをオンにする電源電流又は電圧を出力端子間に印加する。同様に、スイッチ303bがオン状態と称される第1の状態であるとき、電源回路301bの入力端子は、モジュールのV+電源端子及びV-電源端子に夫々接続されている。そのため、電源回路301bは、サブ集合体114bのLEDをオンにする電源電流又は電圧を出力端子間に印加する。電源回路301a, 301bは、例えば出力電流が一定のDC/DCコンバータである。
【0095】
スイッチ303aがオフ状態と称される第2の状態であるとき、電源回路301aの入力端子は、モジュールのV+電源端子及びV-電源端子から分離されているため、サブ集合体114aのLEDに電力が供給されない。同様に、スイッチ303bがオフ状態であるとき、サブ集合体114bのLEDに電力が供給されない。
【0096】
この例では、モジュールの電源・制御回路116 は、モジュール110 の制御端子Cに接続されている制御回路305 、例えばデジタル回路を更に有している。制御回路305 は、モジュール110 のアレイの各列の近くから近くに伝搬される制御信号を受信し、それに応じて、スイッチ303a, 303b、及び/又は電源回路301a, 301bを制御するように適合されている。例として、制御回路305 は、スイッチ303a及びスイッチ303bの各々をオン状態又はオフ状態に制御して、対応するサブ集合体114a又はサブ集合体114bのLEDをオン又はオフするように適合されている。制御回路305 は、電源回路301a及び電源回路301bの各々を制御して、対応するサブ集合体114a又はサブ集合体114bのLEDに供給される電力を変えるように更に適合されてもよい。このため、モジュールによって放射される光の放射光パワー及び/又は色調(暖色から寒色まで)を変えることができる。より一般的には、上述した解決策により、可視スペクトルをまたがって近紫外線(UV)から近赤外線(IR)の範囲内の帯域幅で明度を定める光スペクトルを夫々与えるチャネルの強度を変えることができる。
【0097】
図9の変形例は、2とは異なる数の別個の性質のLEDサブ集合体に適合されてもよい。例として、LED集合体114 は、別個の波長領域で発光するように適合されている複数のサブ集合体、例えば、主に青色の光、主に緑色の光、主に赤色の光を夫々発光するように適合されている3つのLEDサブ集合体を有してもよい。従って、様々なサブ集合体によって放射される光パワーを変調することにより、モジュールの発光色を制御することができる。
【0098】
同一列の様々な基本モジュール110 を個別に制御するために、様々なモジュールの制御データを、所定の順序に従って列の制御ワイヤを介して連続的に送信してもよい。各照明モジュール110 では、モジュールの制御回路305 は、そのモジュール向けの制御コードを特定することができる。適合された制御プロトコルの実施は、本開示の機能的な表示に基づく当業者の技能の範囲内であり、従って更に詳細に説明されない。
【0099】
図10は、
図7に関連して記載されているタイプの照明装置の分配基板210 の実施形態の例を概略的に示す。
【0100】
図10の例では、分配基板210 は、電源ユニット230 (
図7)、制御基板220 (
図7)、及び基本モジュール110 のアレイ(
図7)間で照明装置の様々な部材に対して電力供給信号及び制御信号を分配するように適合されている。この例では、分配基板は、ヒートファン160 (
図5)及びインフレーションファン174 (
図5)から及び/又はヒートファン160 (
図5)及びインフレーションファン174 (
図5)に電力供給信号及び制御信号を分配するように更に適合されている。
【0101】
様々な列の基本モジュール110
i,jの下側コネクタ118 に夫々接続されるように構成されているコネクタ201
j (PWR CON)に加えて、
図10の分配基板210 は、装置の電源に接続されるように構成されている主電源コネクタ401 (PWR SRC CON) を有している。主電源コネクタ401 は、主DC電源電圧が印加される2つのV+端子及びV-端子を有しており、V+端子及びV-端子は、分配基板210 の導電性トラックを介してコネクタ201
jのV+電源端子及びV-電源端子に夫々連結されている。分配基板210 は(
図10に詳細に示されていない)マルチプレクサを更に有してもよく、マルチプレクサは、万が一の場合、使用可能な様々な電源の中から、分配基板の主DC電源電圧を供給するために使用される電源を選択するように適合されている。
【0102】
この例では、分配基板210 は、コネクタ401 のV+端子及びV-端子に接続されてコネクタ401 のV+主電源端子及びV-主電源端子からの電力を測定するように適合されている電力センサ403 (PWR SENS)を有している。例として、電力センサ403 は、コネクタ401 のV+端子及びV-端子間の電圧を測定するように適合されているセンサと、コネクタ401 のV+端子及びV-端子を流れる電流を測定するように適合されているセンサとを有している。
【0103】
図10の例では、分配基板の主DC電源電圧が各コネクタ201
jのV+端子及びV-端子間に(レベル適合無しで)直接印加されることに注目すべきである。
【0104】
図10の例では、分配基板210 は、照明装置の電子制御基板220 (
図7)に接続されるように構成されているコネクタ405 (CPU CON) を更に有している。コネクタ405 は、電子制御基板220 に電力を供給するためのDC電圧、例えば分配基板の主DC電源電圧より低い電圧、例えば5V程度の電圧を印加するように適合されている2つの端子v
ctrl+及び端子v
ctrl-を有している。端子v
ctrl+及び端子v
ctrl-は、制御基板のDC電源電圧が印加される正端子及び負端子に夫々相当する。端子v
ctrl-に与えられる電位は、例えば、コネクタ401 及びコネクタ201
jのV-端子に与えられる基準電位(又は接地電位)に相当する。
【0105】
制御基板220 の電源電圧を発生させるために、分配基板210 は、電源回路407 (CPU PSU) 、例えばDC/DCコンバータを更に有しており、電源回路407 は、コネクタ401 のV+端子及びV-端子に夫々接続された2つの入力端子と、端子vctrl+及び端子vctrl-に夫々連結、例えば接続されている2つの出力端子とを有している。
【0106】
コネクタ405 は、制御基板220 を制御するための信号を供給するための端子に接続されるように構成されている端子Cを更に有している。コネクタ405 の端子Cは、コネクタ201jの端子Cに接続されている。
【0107】
図10の例では、分配基板210 は、装置のヒートファン160 (
図5)に接続されるように構成されているコネクタ409 (Tfan CON)と、装置のインフレーションファン174 (
図5)に接続されるように構成されているコネクタ411 (Pfan CON)とを更に有している。
【0108】
コネクタ409 は、ヒートファン160 に電力を供給するためのDC電圧、例えば分配基板の主DC電源電圧より低い電圧、例えば24V程度の電圧を印加するように適合されている2つの端子vTfan+及び端子vTfan-を有している。端子vTfan+及び端子vTfan-は、ヒートファンに電力を供給するためのDC電圧が印加される正端子及び負端子に夫々相当する。端子vTfan-に与えられる電位は、例えば、コネクタ401 のV-端子に与えられる基準電位(又は接地電位)に相当する。
【0109】
同様に、コネクタ411 は、インフレーションファン174 に電力を供給するためのDC電圧、例えば分配基板の主DC電源電圧より低い電圧、例えば24V程度の電圧を印加するように適合されている2つの端子vPfan+及び端子vPfan-を有している。端子vPfan+及び端子vPfan-は、ヒートファンに電力を供給するためのDC電圧が印加される正端子及び負端子に夫々相当する。端子vPfan-に与えられる電位は、例えば、コネクタ401 のV-端子に与えられる基準電位(又は接地電位)に相当する。
【0110】
この例では、ヒートファン及びインフレーションファンに電力を供給するための電圧を発生させるために、分配基板210 は、電源回路413 (FANS PSU)、例えばDC/DCコンバータを有しており、電源回路413 は、コネクタ401 のV+端子及びV-端子に夫々接続されている2つの入力端子と、端子vTfan+及び端子vTfan-に夫々連結、例えば接続されている2つの出力端子と、端子VPfan+及び端子VPfan-に夫々連結、例えば接続されている2つの出力端子とを有している。
【0111】
図10の分配基板210 は、例えばデジタルの制御信号を送信するための一又は複数のバスdBusを更に有している。図示されている例では、制御信号伝送バスdBusが、特にコネクタ411 の制御ポートをコネクタ405 のデータ入出力ポートに連結する。この例では、制御信号伝送バスdBusが、電力センサ403 のデータ出力ポートをコネクタ405 のデータ入出力ポートに更に連結する。制御信号伝送バスdBusは、コネクタ409 の制御ポート及び電源回路413 の制御ポートをコネクタ405 のデータ入出力ポートに更に連結する。
【0112】
図7の装置の制御基板220 の形成は詳述されない。制御基板220 は、一若しくは複数の計算・処理回路、例えばマイクロプロセッサ及び/若しくはマイクロコントローラ、並びに/又は、一若しくは複数のメモリ回路を有してもよい。
【0113】
図11は、上述したタイプのLEDを備えた照明装置の欠陥を検出する方法の例のステップをブロックの形態で概略的に示す。この方法は、照明装置の起動時及び/又は使用中、例えば定期的に行われてもよく、場合によっては欠陥のある基本モジュール110 を検出して特定することを目的としている。
図11の方法を、照明装置の電子分配基板210 及び電子制御基板220 (
図7)により行ってもよい。
【0114】
図11の方法では、基本モジュール110 のアレイの全ての列を順々に検査して列内の起こり得る異常を特定し、異常が検出されると、列の全ての基本モジュール110 を順々に検査して欠陥のあるモジュールを特定する。
【0115】
ステップ501 で、列インデックスxをアレイの第1列のランクの値で初期化する(x=1)。このステップでは、例えばバイナリの欠陥インジケータフラグを、欠陥無しに対応する値で初期化する(フラグ=0)。
【0116】
ステップ503 で、ランクj=xの列で消費される電流Icol(x) を推定する。このために、xとは異なるランクjの列の全ての基本モジュール110 の動作を停止する、すなわちオフ状態に制御し、ランクj=xの列の全ての基本モジュールを起動し、すなわちオン状態に制御する。次に、コネクタ401 のV+端子及びV-端子間を流れる電流を電力センサ403 によって測定する。このようにして、(アレイの動作停止の列、電子制御基板及びファンによって消費される電流の合計を無視できるか又は既知であるとみなして)ランクj=xの列で消費される電流Icol(x) の推定値を得る。
【0117】
ステップ503 中、電流Icol(x) を、例えば電子制御基板220 のメモリ回路に記憶されている公称基準値Iref_colと比較する。公称基準値Iref_colは、この列に欠陥がない場合に基本モジュール110 のアレイの列を通常流れる電流に対応する。
【0118】
ステップ503 で、測定された電流Icol(x) が公称基準値Iref_colと等しいか又は(例えばプラスマイナス10パーセントの範囲内の所定の許容差で)実質的に等しい場合(Y)、その列は正確に動作しているとみなされ得る。この場合、ステップ505 でランクxを増分する(x=x+1)。
【0119】
該当しない場合(N)、列内の少なくとも1つの基本モジュール110 に欠陥があると想定され得る。この場合、ステップ507 で列の基本モジュール110 を1つずつ検査する(検査(Col(x)))。ステップ507 の実施例が、
図12及び
図13に関連して更に詳細に記載される。ステップ507 で、列のモジュール110 に欠陥があるとみなされた場合、故障インジケータフラグを、欠陥有りに対応する値に設定する(フラグ=1)。ステップ507 の終わりに、ランクxを増分するステップ505 を行う(x=x+1)。
【0120】
ステップ505 の後、ステップ509 で、全ての列を検査したか否かを確認する(x>N)。検査していない場合(N)、ステップ503 、ステップ507 (該当する場合)、ステップ505 及びステップ509 を繰り返す。
【0121】
全ての列を検査した場合(Y)、ステップ511 で、欠陥インジケータフラグが、欠陥有りに対応する値(フラグ=1)であるか否かを判断する。欠陥有りに対応する値である場合(Y)、ステップ513 (W)で警告、例えば光警告を発してもよい。欠陥が検出されなかった場合(N)、方法は終了する。
【0122】
図12は、
図11の方法のランクj=xの列を検査するステップ507 の実施例を示す。
【0123】
図12の方法では、ランクj=xの列の全ての基本モジュール110 を順々に検査して欠陥の可能性があるモジュールを特定する。
【0124】
ステップ601 で、行インデックスyをアレイの第1行のランクの値で初期化する(y=1)。
【0125】
次に、ステップ603 で、アレイの全ての基本モジュール110 をオン状態に制御する。その後、装置を流れる総電流を表す電流Irefをセンサ403 により測定する。
【0126】
ステップ605 で、基本モジュール110y,xの動作を停止する(基本モジュール110y,xをオフ状態に制御する)。装置の他の基本モジュール110 はオン状態に制御されたままであり、装置を流れる総電流Iをセンサ403 により測定する。
【0127】
ステップ607 で、ステップ605 で測定された電流Iを、ステップ603 で測定された電流Irefと例えば電子制御基板220 のメモリ回路に記憶されている公称基準値Iref_pixとの差と比較する。公称基準値Iref_pixは、基本モジュールに欠陥がない場合に基本モジュール110 を通常流れる電流に対応する。
【0128】
ステップ607 で、電流Iが値Iref-Iref_pixと等しいか又は(例えばプラスマイナス10パーセントの範囲内で所定の許容差で)実質的に等しい場合(Y)、そのモジュールが正確に動作しているとみなされ得る。この場合、ステップ609 でランクyを増分する(y=y+1)。
【0129】
該当しない場合(N)、モジュール110y,xに欠陥があると想定され得る。次に、ステップ611 で欠陥インジケータフラグを、欠陥有りに対応する値に設定する(フラグ=1)。アレイ内の欠陥のあるモジュールの座標を更に記憶して、例えば詳述されないユーザインターフェースを介してユーザに送信してもよい。ステップ611 の後、ランクyを増分するステップ609 を行う(y=y+1)。
【0130】
ステップ609 の後、ステップ613 で、ランクxの列の全てのモジュールが検査されたか否かを確認する(y>M)。検査されていない場合(N)、ステップ603、ステップ607 、ステップ611 (該当する場合)、ステップ609 及びステップ613 を繰り返す。
【0131】
列の全てのモジュールが検査された場合(Y)、列を検査するステップは終了する。
【0132】
図12の方法は、欠陥のあるモジュールの電力消費量を減少させる欠陥の検出に特に適合されている減算分析の方法である。この方法は、検査段階中にモジュールのオフを最小限に抑えることができ、装置の使用中に検査を実施する場合に特に有利である。
【0133】
図13は、
図11の方法のランクj=xの列を検査するステップ507 の別の実施例を示す。
【0134】
本明細書ではここでも、ランクj=xの列の全ての基本モジュール110 を順々に検査して、欠陥の可能性がある基本モジュールを特定する。
【0135】
ステップ701 で、行インデックスyをアレイの第1行のランクの値で初期化する(y=1)。
【0136】
次に、ステップ703 で、ランクj=xの列の基本モジュールを除いてアレイの全ての基本モジュール110 をオン状態に制御する。ランクj=xの列の基本モジュールを全てオフ状態に制御する。その後、装置を流れる総電流を表す電流Irefをセンサ403 により測定する。
【0137】
ステップ705 で、基本モジュール110y,xを起動する(オン状態に制御する)。装置の他の基本モジュール110 は、ステップ703 と同一の状態で制御されたままである。その後、装置を流れる総電流Iを、センサ403 により測定する。
【0138】
ステップ707 で、ステップ705 で測定した電流Iを合計Iref+Iref_pixと比較する。
【0139】
ステップ707 で、電流Iが値Iref+Iref_pixと等しいか又は(例えばプラスマイナス10パーセントの範囲内で所定の許容差で)実質的に等しい場合(Y)、そのモジュールが正確に動作しているとみなされ得る。この場合、ステップ709 でランクyを増分する(y=y+1)。
【0140】
該当しない場合(N)、モジュール110y,xに欠陥があると想定され得る。次に、ステップ711 で欠陥インジケータフラグを、欠陥有りに対応する値に設定する(フラグ=1)。アレイ内の欠陥のあるモジュールの座標を更に記憶して、例えば詳述されないユーザインターフェースを介してユーザに送信してもよい。ステップ711 の後、ランクyを増分するステップ709 を行う(y=y+1)。
【0141】
ステップ709 の後、ステップ713 で、ランクxの列の全てのモジュールを検査したか否かを確認する(y>M)。検査していない場合(N)、ステップ703 、ステップ705 、ステップ707 、ステップ711 (該当する場合)、ステップ709 及びステップ713 を繰り返す。
【0142】
列の全てのモジュールを検査した場合(Y)、列を検査するステップは終了する。
【0143】
図13の方法は、欠陥のあるモジュールの過剰消費を引き起こす欠陥の検出に特に適合されている加算分析の方法である。
【0144】
用途の必要性に応じて、
図11の方法のステップ507 で、
図12及び
図13の方法の一方若しくは他方、又は両方を連続的に適用するように選択してもよい。
【0145】
ステップ503 (
図11)で使用される基準値I
ref_colは、電流I
col(x) の測定段階中に基本モジュールに適用される光パワー設定値のレベルに応じて選択されることに注目すべきである。同様に、ステップ607 (
図12)又はステップ707 (
図13)で使用される基準値I
ref_pixは、電流I
refの測定段階(ステップ603 又はステップ703 )中に基本モジュールに適用される光パワー測定値のレベルに応じて選択される。例として、電子制御基板220 は、基本モジュールの様々な光パワー設定値レベルに夫々対応する複数の基準値I
ref_col及び複数の基準値I
ref_pixを記憶してもよい。起動時の診断のために、基本モジュールは、例えば最大輝度の20パーセントより低い比較的低い輝度レベルで制御されることが好ましい。特に、インフレータブルエンベロープを備えた照明バルーンの場合、照明バルーンのエンベロープは、診断段階中に未だ膨らんでいない場合がある。そのため、低輝度レベルで診断を行うことにより、装置の熱応力を制限することが可能である。
【0146】
より一般的には、
図11、
図12及び
図13に関連して記載された検査方法以外の他の検査方法を、消費電力の測定と、消費電力の測定値及び基準値の比較とに基づいて行ってもよい。
【0147】
例として、使用中の診断のために、モジュール毎の減算分析による全てのモジュール110 の系統的な検査が好ましい場合がある。言い換えれば、
図12の方法を、疑わしい列を事前に選択するステップ(
図11のステップ503 )を省略して、アレイの全ての列で連続的に行う。このため、光束の損失を1つのモジュール110 の均等物に制限することができる。
【0148】
変形例として、顧客サービスの診断のために、モジュール毎の加算分析による全てのモジュール110 の系統的な検査を適用してもよい。言い換えれば、
図13の方法を、疑わしい列を事前に選択するステップ(
図11のステップ503 )を省略して、アレイの全ての列で連続的に行う。更に、基準電流を測定するステップ703 中、アレイの全ての基本モジュール110 をオフ状態に制御する。このため、検査段階中の電力消費を制限することができる。
【0149】
欠陥のあるモジュールが特定されると、より詳細な補足検査を行って故障の原因を特定してもよい。
【0150】
図11、
図12及び
図13に関連して上述した診断方法は、装置の支持構造体が非導電性である、及び/又は様々な基本モジュール110 の基準電位の等電位の機能を保証しない場合を含めて、列に配置された複数の基本モジュール110 を備えたあらゆる照明装置に適用されてもよいことに更に注目すべきである。
【0151】
図14は、実施形態に係るインフレータブルエンベロープを備えた照明バルーンのエンベロープの膨張を制御する方法の例をブロックの形態で概略的に示す。この方法を、装置の使用を開始するとき、エンベロープの膨張中に行ってもよい。
図14の方法を、例えば、装置の電子分配基板210 及び電子制御基板220 (
図7)により行ってもよい。
【0152】
この例では、装置のインフレーションファン174 は、分配基板210 のデータバス、例えばデジタルバスdBusを介して電子制御基板220 に連結されて制御データ入出力ポートを有する可変速ファンである。ファン174 を制御するための入出力ポートは、ファンの供給電力のための設定点信号を受信するように適合されている一又は複数の入力端子を特に有している。ファンを制御するための入出力ポートは、ファンに一体化された(図面に詳細に示されていない)回転速度センサによって測定されたファンの有効回転速度を表すリターン信号を伝えるように適合されている一又は複数の出力端子を更に有している。
【0153】
膨張段階前に、最初にエンベロープから空気が抜かれ、インフレーションファンは停止する。
【0154】
ステップ801 で、ファンを膨張パワー、例えば最大パワーに制御してエンベロープを急速に膨張させる。膨張段階に亘って、ファンはバルーンのエンベロープに空気を注入する。この段階中、ファンの有効回転速度ΩP は、与えられるパワー設定値に応じて決められる、例えば実質的に一定の膨張値ΩG に維持される。
【0155】
膨張段階の終わりに、つまりエンベロープに空気が充填されると、バルーン内の気圧は外圧より僅かに高い値に定まる。そのため、ファンによって移動する空気の流れが減少する。このため、(所与のパワー設定値に関して)ファンの回転速度が上昇する。ファンがキャビテーションを起こすと言われる。
【0156】
実施形態の態様によれば、ファンの有効回転速度を監視して、キャビテーションを検出し、検出結果から、バルーンの膨張が終了したことを推定する。
【0157】
ステップ803 で、ファンの有効回転速度ΩP を電子制御基板220 によって測定する。電子制御基板220 は、測定された速度ΩPが膨張速度ΩG より高いキャビテーション速度ΩCAV に相当するか否かを判断する。
【0158】
ステップ803 でキャビテーションが検出されると(Y)、ステップ805 でファンのパワー設定値を減少させる。従って、ファンの回転速度ΩP は、例えば膨張値ΩG より低い値ΩLOW に下げられる。このため、ファンの電力消費及びノイズを抑えながら、使用段階中にバルーン内の圧力を実質的に一定に維持することが可能である。
【0159】
ステップ803 でキャビテーションの開始を検出しなかった場合(N)、ステップ807 (タイムアウト)で、膨張段階の開始から経過した時間が、最大公称膨張時間に対応する所定の閾値を超えていないか否かを確認する。
【0160】
ステップ807 で、最大膨張時間を超えていないと判断した場合(N)、ステップ803 、及び該当する場合にはステップ807 を、例えば一定の時間間隔で繰り返してもよい。
【0161】
ステップ807 で、最大膨張時間を超えたと判断した場合(Y)、ステップ809 (W)でエンベロープに空気漏れの可能性があると推定することができ、ユーザに警告を発する。
【0162】
図14に関連して記載された方法は、膨張段階の終了、万が一の場合、バルーンのエンベロープに漏れがある可能性を簡単に検出し得るという利点を有する。
【0163】
ファンの速度フィードバック信号の分析に基づく他の制御及び/又は診断方法を、電子制御基板220 によって行ってもよい。例として、(所与のパワー設定値に関する)異常に高い回転速度を検出することにより、ファンの吸気フィルタが詰まっていると判断してもよい。そのため、フィルタを清浄化する必要があることをユーザに通知するために警告メッセージをユーザに表示してもよい。ファンの有効回転速度ΩP が与えられるパワー設定値と一致していないことが観察されると、ファンの欠陥を更に検出してもよい。本明細書ではここでも、ユーザに警告を表示してもよい。インフレーションファンの故障が検出された場合、装置の固定を有効にしてもよい。例えば、基本モジュール110 は、LEDによって放射される熱の影響によるエンベロープの起こり得る劣化を回避するために、低電力、例えば最大電力の10%程度に制御されてもよい。
【0164】
ユーザに送られる様々な警告は、照明装置の(詳述されていない)ユーザインターフェースデバイスを介して、例えば非接触通信チャネル、(例えばBluetooth (登録商標)タイプの)例えば電波通信チャネルを介して、例えばスマートフォンタイプの携帯端末又は遠隔の保守設備に送信されてもよい。変形例として、光信号の形態で、例えば装置の一又は複数の基本モジュール110 によって発せられる所定の順序の連続的な点滅の形態で警告を発してもよい。
【0165】
図14の方法は、上述したタイプのLEDを備えたアレイ照明装置の実施に限定されないことに注目すべきである。より一般的には、
図14のこの膨張終了検出方法は、インフレータブルエンベロープ及びインフレーションファンを備えたあらゆる照明バルーンに適合されてもよい。特に、この方法は、上述した照明構造体以外の他のタイプの照明構造体、例えば白熱灯をベースとした構造体を一体化するバルーンに適合されてもよい。
【0166】
様々な実施形態及び変形例が述べられている。当業者は、これらの様々な実施形態及び変形例のある特徴を組み合わせてもよいと理解し、他の変形例が当業者に想起される。特に、記載された実施形態は、本開示に記載されている数値の例又は材料の例に限定されない。
【0167】
更に、
図1~5に関連して記載されている組立体の例では、固定支持体150 は、様々なモジュール110 の基準端子間の等電位を保証するために、基本モジュール110 を支持構造体130 に機械的に固定する機能及びプリント回路基板112 の基準端子を支持構造体130 に電気的に接続する機能の両方を保証するように適合されているあらゆる他の要素と置き替えられてもよい。例として、固定支持体は、プリント回路基板112 の基準端子を支持構造体130 に接続する導電部を夫々有するクランプと置き替えられてもよい。
【0168】
本願は、法律で認められているように参照によって本明細書に組み込まれる「Dispositif d'eclairage」という題名で2020年11月23日に出願された仏国特許出願第2012025 号に基づいており、仏国特許出願第2012025 号の優先権を主張している。
【国際調査報告】