(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】加熱装置付き空気消毒装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20231124BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20231124BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20231124BHJP
F24F 8/98 20210101ALI20231124BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20231124BHJP
F24F 8/133 20210101ALI20231124BHJP
【FI】
A61L9/20
A61L9/16 Z
A61L9/16 F
F24F8/22
F24F8/98
F24F8/80 310
F24F8/133
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546676
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2020141176
(87)【国際公開番号】W WO2022105031
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202011325286.2
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511051616
【氏名又は名称】チョウ,シン
【氏名又は名称原語表記】ZHOU,Xing
【住所又は居所原語表記】A601,Guangzhou International Business Incubator,Guangzhou Science Park,Guangzhou,Guangdong 510663,China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,シン
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA16
4C180DD03
4C180DD08
4C180DD09
4C180HH05
4C180HH17
4C180JJ03
4C180LL01
4C180LL04
4C180MM06
4C180MM07
(57)【要約】
本発明の加熱装置付き空気消毒装置はメインマシン、消毒システム、加熱システム、回路と制御システム、及びケースを含む。消毒システムは空気を殺菌及び消毒可能な紫外線消毒装置である。加熱システムは空気を加熱し、ウイルスの不活化を実現することができる。ケースに空気入口及び空気出口が設置され、メインマシンの作用により、空気は、空気入口からケース内に入り、紫外線消毒装置及び加熱システムによって消毒され、殺菌された後に空気出口から室内へ吹き出される。本発明の加熱装置付き空気消毒装置は、紫外線消毒装置と加熱システムの二重設置を採用し、紫外線殺菌を行うと共に、高温でウイルスに対して二次不活化処理を行うと共に、紫外線消毒過程において生成されたオゾンの分解を加速させ、オゾンの空気への二次汚染を排除する。設置された水濾過装置は空気の動きを遮断できるため、殺菌消毒された空気は周囲の空気の変動を引き起こすことなく穏やかに室内に吹き出され、ウイルスキャリアの移動速度が低下し、ウイルスの伝播速度をさらに低下させるという目的が達成される。
【選択図】
図2-2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱装置付き空気消毒装置(100)であって、
メインマシン(1)、消毒システム(2)、加熱システム(3)、回路と制御システム(4)、及びケース(5)を含み、
A、前記消毒システム(2)は空気を殺菌及び消毒可能な紫外線消毒装置(21)であり、
B、前記加熱システム(3)は空気を加熱し、ウイルスの不活化を実現することができ、
C、前記ケース(5)に空気入口(51)及び空気出口(52)が設置され、
D、前記メインマシン(1)、前記紫外線消毒装置(21)及び前記加熱システム(3)は前記回路と制御システム(4)を介して電源に接続され、
E、前記紫外線消毒装置(21)及び前記加熱システム(3)は前記ケース(5)内に取り付けられ、前記メインマシン(1)の作用により、空気は前記空気入口(51)から前記ケース(5)内に入り、前記紫外線消毒装置(21)及び前記加熱システム(3)によって消毒され、殺菌された後に前記空気出口(52)から室内へ吹き出されることを特徴とする、加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項2】
前記加熱システム(3)は、前記紫外線消毒装置(21)によって殺菌消毒過程において生成されたオゾンを迅速に分解し、殺菌消毒後に室内へ吹き出される空気中のオゾン含有量を低下させることができることを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項3】
前記メインマシン(1)は遠心機(101)であり、前記遠心機(101)は吸い込み機構(11)及び吹き出し機構(12)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項4】
前記メインマシン(1)は2段式ファン(102)であり、前記2段式ファン(102)はモータ(14)、回転軸(15)、1段ブレード(16)、2段ブレード(17)、固定座(18)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項5】
前記モータ(14)は前記回転軸(15)を介して前記1段ブレード(16)及び前記2段ブレード(17)に接続され、前記モータ(14)は前記固定座(18)に取り付けられ、前記モータ(14)は前記回路と制御システム(4)を介して前記回転軸(15)によって前記1段ブレード(16)及び前記2段ブレード(17)を駆動して回転させることを特徴とする、請求項4に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項6】
前記2段式ファン(102)はファンハウジング(19)をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項7】
前記1段ブレード(16)のブレードサイズは前記2段ブレード(17)よりも小さいことを特徴とする、請求項4に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項8】
前記加熱システム(3)は加熱棒(31)、及び/又は加熱板(32)、及び/又は加熱コイル(33)であることを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項9】
前記加熱コイル(33)は加熱ワイヤ(33-1)を空気の流れ方向に沿って巻くことによって形成され、長手方向に分布していることを特徴とする、請求項8に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項10】
前記紫外線消毒装置(21)は紫外線消毒室(21-1)内に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項11】
前記紫外線消毒室(21-1)は、紫外線放射に対して耐性のある材料で製造され、且つ紫外線の漏れを遮断することができることを特徴とする、請求項10に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項12】
前記紫外線消毒室(21-1)は、紫外線を反射できる鏡面ステンレス鋼、又は鏡面ガラス、又は紫外線放射に対して耐性のある鏡面高分子材料で製造されることを特徴とする、請求項10に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項13】
前記紫外線消毒室(21-1)は、紫外線を反射することによって、前記紫外線消毒室(21-1)内の紫外線強度を増強し、滅菌効果を高めることができることを特徴とする、請求項12に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項14】
前記加熱システム(3)の温度は56℃以上であることを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項15】
前記空気は前記空気入口(51)から前記ケース(5)内に入り、まず前記紫外線消毒装置(21)を通過し、続いて前記加熱システム(3)を通過して消毒され、殺菌された空気は前記空気出口(52)から室内へ吹き出されることを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項16】
前記加熱システム(3)及び前記紫外線消毒装置(21)は一所に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項17】
前記紫外線消毒装置(21)が紫外線消毒室(21-1)内の空気を殺菌すると同時に、前記加熱システム(3)は前記紫外線消毒装置(21)によって紫外線殺菌された空気を加熱することができることを特徴とする、請求項16に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項18】
前記加熱システム(3)は前記紫外線消毒装置(21)によって紫外線殺菌された空気を加熱し且つ設定温度に維持することができることを特徴とする、請求項17に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項19】
前記加熱装置付き空気消毒装置(100)は空気濾過装置(6)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項20】
前記加熱装置付き空気消毒装置(100)は水濾過装置(7)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項21】
前記水濾過装置(7)は水カーテン(71)又は水浴槽(72)であることを特徴とする、請求項20に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項22】
前記水浴槽(72)に恒温装置(72-1)が設置されることを特徴とする、請求項21に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項23】
前記恒温装置(72-1)における加熱装置(72-11)は前記加熱システム(3)と一体化することができることを特徴とする、請求項22に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項24】
前記水浴槽(72)前部の吹き出しダクト(13)に空気ブースタポンプ(8)が設置されることを特徴とする、請求項21に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項25】
前記加熱装置付き空気消毒装置(100)は冷却装置(9)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項26】
前記冷却装置(9)は熱伝導性冷却板(91)であることを特徴とする、請求項25に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【請求項27】
前記ケース(5)はステンレス鋼材料又は高分子材料で製造されることを特徴とする、請求項1に記載の加熱装置付き空気消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気消毒装置に関し、特に、加熱消毒装置付き空気消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ますます深刻な大気汚染に伴い、特にインフルエンザや肺炎等の感染症の発生率が高い季節に、空気は様々な汚染物質、細菌及びウイルスのキャリアとなっており、人の健康に大きな隠れた危険をもたらすようになっている。そのため、空気清浄は日常生活の中で非常に重要な部分となっている。
【0003】
現在、一般的に使用されている空気清浄方法は、空気清浄機を使用して室内の空気を清浄することである。現在、一般的に使用されている空気清浄機は通常、モータ、ファン及び濾過装置で構成され、モータ及びファンによって室内の空気を循環させ、空気は機械内の濾過装置を通過した後、様々な汚染物質が除去され又は吸着される。空気清浄機には、抗菌性を持たせるために、静電気エレクトレットフィルター設計、マイナスイオン・プラズマ設計、紫外線滅菌装置等、様々な抗菌装置を設置することが一般的である。
【0004】
しかしながら、紫外線滅菌装置やマイナスイオン装置のような抗菌装置は作業中にオゾンを生成して空気に二次汚染をもたらすことが多いため、既存の空気清浄と消毒装置をさらに改善する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の加熱装置付き空気消毒装置は、紫外線消毒と加熱の二重設計によって、まず、空気中の細菌及びウイルスを紫外線消毒装置で殺菌し、続いて加熱装置によって空気を少なくとも56℃以上、好ましくは60℃以上に加熱することで、高温でウイルスに対して二次不活化処理を行う一方、紫外線消毒過程において生成されたオゾンを60℃以上で迅速に分解できるため、オゾンの空気への二次汚染が排除され、空気の消毒と清浄の効果が確実に保証される。
【0006】
本発明は、加熱装置付き空気消毒装置であって、前記加熱装置付き空気消毒装置100はメインマシン1、消毒システム2、加熱システム3、回路と制御システム4、及びケース5を含み、
A、前記消毒システム2は空気を殺菌及び消毒可能な紫外線消毒装置21であり、
B、前記加熱システム3は空気を加熱し、ウイルスの不活化を実現することができ、
C、前記ケース5に空気入口51及び空気出口52が設置され、
D、前記メインマシン1、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱システム3は前記回路と制御システム4を介して電源に接続され、
E、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱システム3は前記ケース5内に取り付けられ、前記メインマシン1の作用により、空気は前記空気入口51から前記ケース5内に入り、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱システム3によって消毒され、殺菌された後に前記空気出口52から室内へ吹き出されることを特徴とする。
【0007】
通常、前記空気入口51は前記ケース5の下部に設置され、前記空気出口52は前記ケース5の上部に設置される。電源を入れると、前記メインマシン1が作動し、前記空気は前記空気入口51から前記ケース5内に入り、前記紫外線消毒装置21は空気を照射して消毒し、前記加熱システム3は空気を昇温させ、ウイルス等の微生物に対して二次不活化処理を行う。前記加熱システム3は、ウイルス等の微生物に対する不活化効果を確保するために、通常、60℃以上に加熱するようにしており、また、60℃以上の温度では前記紫外線消毒装置21によって消毒過程において生成されたオゾンを迅速に酸素に分解することができ、これにより、オゾンによる二次汚染が効果的に回避され、空気の消毒及び清浄効果が非常によく保証される。
【0008】
前記回路と制御システム4は前記メインマシン1、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱システムのオンオフを制御することができる。前記紫外線消毒装置21のオン持続時間、紫外線放射強度等は、前記回路と制御システム4の制御パネル41によって設定及び調整することができる。前記加熱システム3の加熱温度、加熱持続時間等は、前記回路と制御システム4の制御パネル41によって設定及び調整することができる。
【0009】
前記回路と制御システム4は、空気の殺菌消毒過程に対するインテリジェントな制御を達成するように、空気の殺菌消毒過程に対してプログラム設定を行うことができる。例えば前記紫外線消毒装置21の紫外線放射強度、持続時間、及び前記加熱システム3の加熱温度、恒温保持時間等を設定し、紫外線センサ及び温度センサ等を設定し、且つ紫外線消毒及び加熱のモードフローを設定し、これにより、本発明の加熱装置付き空気消毒装置は設定された制御プログラムによってインテリジェント制御を行うことができる。
【0010】
前記加熱システム3は、前記紫外線消毒装置21によって殺菌消毒過程において生成されたオゾンを迅速に分解し、殺菌消毒後に室内へ吹き出される空気中のオゾン含有量を低下させることができる。
【0011】
前記メインマシン1は遠心機101であり、前記遠心機101は吸い込み機構11及び吹き出し機構12を含む。前記メインマシン1は通常、遠心機の構造を採用し、前記遠心機101が作動すると、空気は、前記吸い込み機構11から前記遠心機101によって吸い込まれ、続いて前記吹き出し機構12によって吹き出され、前記ケース5と室内を循環するようになる。
【0012】
前記メインマシン1は2段式ファン102であってもよく、前記2段式ファン102はモータ14、回転軸15、1段ブレード16、2段ブレード17、固定座18を含む。
【0013】
前記モータ14は前記回転軸15を介して前記1段ブレード16及び前記2段ブレード17に接続され、前記モータ14は前記固定座18に取り付けられ、前記モータ14は前記回路と制御システム4を介して前記回転軸15によって前記1段ブレード16及び前記2段ブレード17を駆動して回転させる。前記1段ブレード16及び前記2段ブレード17の回転によって消毒及び清浄後の空気を室内へ吹き出すことができる。
【0014】
前記2段式ファン102はファンハウジング19をさらに含む。前記モータ14、回転軸15、1段ブレード16、2段ブレード17及び固定座18は組み立てられた後に前記ファンハウジング19内に取り付けられ、前記ファンハウジング19は良好な保護作用を奏する。
【0015】
前記1段ブレード16のブレードサイズは前記2段ブレード17よりも小さい。吸い込み端の前記1段ブレード16のサイズが吹き出し端の前記2段ブレード17よりも小さいこのような設計方式は、消毒及び清浄後の空気をより効果的に、迅速に室内へ吹き出すことができる。
【0016】
前記加熱システム3は加熱棒31、及び/又は加熱板32、及び/又は加熱コイル33である。前記加熱システム3は上記幾つかの加熱形態のうちの1つであってもよく、複数種の加熱形態の組合せであってもよく、実用では、当業者は、必要に応じて異なる加熱形態を設計することもでき、出願人はここで一々例を挙げないが、それらはいずれも本願の保護範囲から逸脱しない。
【0017】
さらに、前記加熱コイル33は、加熱ワイヤ33-1を空気の流れ方向に沿って巻くことによって形成され、長手方向に分布している。空気の流れ方向に沿って長手方向に分布しているこのような巻き方法は、空気加熱の距離を最大化することができ、ウイルス滅菌、オゾン分解の効果がより優れている。
【0018】
前記紫外線消毒装置21は紫外線消毒室21-1内に取り付けられる。紫外線殺菌消毒は、適切な波長の紫外線を用いて微生物細胞のDNA(デオキシリボ核酸)又はRNA(リボ核酸)の分子構造を破壊し、増殖細胞死及び/又は再生細胞死を引き起こすことで、殺菌消毒の効果を達成することである。従って、滅菌中に防護が行われないと、人体に一定の予想外の害を引き起こすことがある。従って、予想外の害を防ぐために、前記紫外線消毒装置21を前記紫外線消毒室21-1内に取り付けて、密閉隔離を形成する必要がある。
【0019】
前記紫外線消毒室21-1は、紫外線放射に対して耐性のある材料で製造され、且つ紫外線の漏れを遮断することができる。紫外線の漏れを遮断可能な、紫外線放射に対して耐性のある材料を選択することで、前記紫外線消毒室21-1の隔離効果を効果的に保証することができる。
【0020】
前記紫外線消毒室21-1は、紫外線を反射できる鏡面ステンレス鋼、又は鏡面ガラス、又は紫外線放射に対して耐性のある鏡面高分子材料で製造される。
【0021】
前記紫外線消毒室21-1は、紫外線を反射することによって、前記紫外線消毒室21-1内の紫外線強度を増強し、滅菌効果を高めることができる。
【0022】
紫外線を反射できる材料は、隔離効果を奏すると共に、さらに紫外線を反射することで、前記紫外線消毒室21-1内の紫外線強度を増強することもでき、滅菌効果がより高い。滅菌効果をさらに高めるために、複数の前記紫外線消毒装置21、例えば紫外線ランプを均一に分布しているように前記紫外線消毒室21-1の周囲に取り付け、前記紫外線消毒室21-1内の紫外線の均一な分布を保証し、滅菌効果を保証することができる。
【0023】
前記加熱システム3の温度は56℃以上である。ほとんどのウイルスについては、55~60℃の温度で、通常、数分以内に、ウイルスのキャプシドタンパク質が変性し、ウイルスが感染能を失うため、前記加熱システム3の温度が56℃以上、又は60℃以上に制御されると、ウイルスの不活化効果をよりよく保証することができる。また、前記紫外線消毒装置21によって殺菌消毒過程において生成されたオゾンは50℃以上の場合に迅速に分解できるため、殺菌消毒において生成されたオゾンの空気への二次汚染が回避される。
【0024】
前記空気は前記空気入口51から前記ケース5内に入り、まず前記紫外線消毒装置21を通過し、続いて前記加熱システム3を通過して消毒され、殺菌された空気は前記空気出口52から室内へ吹き出される。通常、空気は、まず前記紫外線消毒装置21によって殺菌消毒され、続いて前記加熱システム3によって加熱されることにより、空気中に存在可能なウイルスが二次不活化されると共に、前記紫外線消毒装置21において生成されたオゾンが加熱されてオゾンの分解が加速され、空気の清浄効果が保証される。
【0025】
前記加熱システム3及び前記紫外線消毒装置21は一所に設置される。
【0026】
前記紫外線消毒装置21は紫外線消毒室21-1内の空気を殺菌すると同時に、前記加熱システム3は前記紫外線消毒装置21によって紫外線殺菌された空気を加熱する。
【0027】
前記加熱システム3はウイルス不活化効果を強化すると共に、前記紫外線消毒装置21によって消毒滅菌過程において生成されたオゾンを加熱し、オゾンの分解を加速させる。
【0028】
前記加熱システム3は前記紫外線消毒装置21によって紫外線殺菌された空気を加熱し且つ設定温度に維持することができる。前記加熱システム3に温度設定装置が設置され、それによって、前記加熱システム3の加熱温度を一定に保持し、且つ必要に応じて、様々な感染源に対して最適な加熱温度を設定して、ウイルスの不活化効果をよりよく保証することができる。
【0029】
前記加熱装置付き空気消毒装置100は空気濾過装置6をさらに含む。前記空気濾過装置6は空気中のほこり粒子、異臭、有毒ガス等の空気汚染物質を濾過することができる。
【0030】
前記空気濾過装置6はセラミック材料で製造されてもよく、且つ前記加熱システム3によって56℃以上に加熱され、最適な温度は70℃から150℃であり、空気が加熱されたセラミック濾過材料を通過すると、細菌及びウイルスを死滅させるという作用を奏することができる。前記空気濾過装置6は定期的に交換可能であり、より安全で衛生的であると共に、セラミック材料に付着した細菌及びウイルスを高温で迅速に死滅させ、空気の殺菌消毒效率を向上させることができる。
【0031】
前記加熱装置付き空気消毒装置100は水濾過装置7をさらに含む。ウイルスの伝播は通常、キャリアが必要であり、空気の変動が大きいほど、キャリアの空気における移動速度が大きくなり、ウイルスの伝播速度も速くなる。前記水濾過装置7は殺菌消毒された空気の動きを遮断できるため、殺菌消毒された空気は前記水濾過装置7によって遮断された後に穏やかに室内へ吹き出され、周辺の空気を大きく変動させることが効果的に回避され、これにより、ウイルスキャリアの移動速度が低下し、ウイルスの伝播速度を低下させるという目的が達成される。
【0032】
前記水濾過装置7は水カーテン71又は水浴槽72である。前記水濾過装置7は水カーテン71であってもよく、殺菌消毒された空気は前記水カーテン71を通過して室内に入る。前記水濾過装置7は水浴槽72であってもよく、殺菌消毒された空気はダクトを経由して前記水浴槽72内に入り、前記水浴槽72内の水は空気を水浴によって遮断した後、空気が穏やかに室内へ吹き出される。
【0033】
前記水浴槽72に恒温装置72-1が設置される。前記恒温装置72-1は、前記水浴槽72内の液体を一定の温度に制御し、且つ必要に応じて異なる温度を設定し、ウイルスの不活化効果をよりよく保証することができる。
【0034】
前記恒温装置72-1における加熱装置72-11は前記加熱システム3と一体化することができる。前記恒温装置72-1における加熱装置72-11は前記加熱システム3と一体に製造されてもよく、紫外線によって殺菌消毒された空気はダクトを経由して前記水浴槽72に入り、前記水浴槽72中の液体は前記加熱装置72-11によって加熱され、加熱後の液体は、紫外線によって殺菌消毒された空気に対してウイルス不活化を行い、紫外線消毒後に生成されたオゾンを分解すると同時に、空気が非常に穏やかな速度で室内へ吹き出されるようにし、空気の変動を低減する。
【0035】
前記水浴槽72前部の吹き出しダクト13に空気ブースタポンプ8が設置される。前記空気ブースタポンプ8は空気圧を上昇させることができ、これにより、殺菌消毒された空気は前記水浴槽72に入り、且つ前記水浴槽72中の液体によって動きが遮断された後に吹き出されることが保証される。
【0036】
前記加熱装置付き空気消毒装置100は冷却装置9をさらに含む。前記冷却装置9は加熱後の空気の温度を下げて、前記加熱システム3によって加熱された空気の温度が高すぎて前記空気濾過装置6を損傷したり、吹き出し温度が高すぎて予想外の害を引き起こしたりすることを防ぐことができる。
【0037】
前記冷却装置9は熱伝導性冷却板91である。前記熱伝導性冷却板91は熱電セラミックで製造され、冷却面91-1及び放熱面91-2を含む。前記冷却面91-1は加熱後の空気が経由する吹き出しダクト13側に設置され、空気を降温させ、前記放熱面91-2は前記紫外線消毒装置21側に設置され、熱を前記紫外線消毒室21-1内に伝導する。空気が通過する時、前記冷却面91-1は空気の温度を安全な温度まで下げるように働き、空気の温度が高すぎて前記空気濾過装置6を損傷したり、吹き出し温度が高すぎて予想外の害を引き起こしたりすることを防ぐ。前記放熱面91-2は、空気温度低下過程において生成された熱を前記紫外線消毒装置21側に伝導し、前記紫外線消毒装置21によって消毒された空気に対する前記加熱システム3による加熱を補助する。実用では、前記冷却装置9は水冷槽、水冷管等、他の様々な冷却装置であってもよく、出願人はここで具体的に例を挙げないが、それらはいずれも本願の保護範囲から逸脱しない。
【0038】
前記ケース5はステンレス鋼材料又は高分子材料で製造される。前記ケース5はステンレス鋼材料又は高分子材料で製造され、強度及び紫外線への耐性を保証すると共に、表面の慣例的な清掃と保守をより容易に行うことができる。
【0039】
実用では、電源を入れた後、スイッチをオンにし、前記メインマシン1が作動し、空気は、前記空気入口51から前記ケース5内に入り、前記空気濾過装置6によって濾過された後、前記吸い込み機構11によって前記メインマシン1に入り、前記吹き出し機構12によって吹き出され、吹き出しダクト13を経由して前記紫外線消毒室21-1に入る。前記紫外線消毒装置21は濾過された空気を紫外線によって殺菌消毒し、続いて前記加熱システム3は空気を加熱し、殺菌消毒された空気に対してさらに二次ウイルス不活化を行うと同時に、紫外線消毒過程において生成されたオゾンの分解を加速させる。ウイルス不活化された空気は前記吹き出しダクト13を経由して前記水浴槽72へ吹き出される。前記水浴槽72中の前記加熱装置72-11によって加熱された液体は、空気の動きを遮断すると共に、残りの可能性のあるウイルスをさらに不活化すると共に、残りの可能性のあるオゾンの完全な分解を確保する。空気は前記水浴槽72を経由した後に空気出口52から穏やかに室内へ吹き出され、周辺の空気を大きく変動させることが回避される。
【0040】
本発明の加熱装置付き空気消毒装置はメインマシン1、消毒システム2、加熱システム3、回路と制御システム4、及びケース5を含む。前記消毒システム2は空気を殺菌及び消毒可能な紫外線消毒装置21である。前記加熱システム3は空気を加熱し、ウイルスの不活化を実現することができる。前記ケース5に空気入口51及び空気出口52が設置され、前記メインマシン1の作用により、空気は前記空気入口51から前記ケース5内に入り、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱システム3によって消毒され、殺菌された後に前記空気出口52から室内へ吹き出される。本発明の加熱装置付き空気消毒装置は、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱システム3の二重設置によって、紫外線殺菌を行うと共に、高温でウイルスに対して二次不活化処理を行うと共に、紫外線消毒過程において生成されたオゾンの分解を加速させ、オゾンの空気への二次汚染を排除する。設置された前記水濾過装置7は空気の動きを遮断できるため、殺菌消毒された空気は周囲の空気の変動を引き起こすことなく穏やかに室内に吹き出され、ウイルスキャリアの移動速度が低下し、ウイルスの伝播速度をさらに低下させるという目的が達成される。
【0041】
本発明の加熱装置付き空気消毒装置は、室内空気の殺菌及び消毒だけでなく、乗用車、バス、長距離バス、トラック、地下鉄、鉄道による旅客及び物資の輸送、航空による旅客及び物資の輸送等、様々な交通工具、及びエレベータホール、空調システム、保冷庫等、様々な場所と設備機器における空気の殺菌及び消毒、特に新型コロナウイルスの滅菌にも使用できる。特に、本発明の加熱装置付き空気消毒装置は、空調システムにおいて、例えば空気入口、空気出口又は換気ダクト内に設置され、新型コロナウイルスの滅菌及び空気温度の調節を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の加熱装置付き空気消毒装置の立体構造模式図である。
【
図2】水浴槽を備える本発明の加熱装置付き空気消毒装置の立体構造模式図である。
【
図3】水浴槽において恒温装置がある本発明の加熱装置付き空気消毒装置の構造模式図である。
【
図4】水カーテンを備える本発明の加熱装置付き空気消毒装置の立体構造模式図である。
【
図5】冷却装置を備える本発明の加熱装置付き空気消毒装置の立体構造模式図である。
【
図6】メインマシンが2段式ファンである本発明の加熱装置付き空気消毒装置の構造模式図である。
【
図8】空気の流れ方向に沿って長手方向に分布している加熱コイルの立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
実施例1 本発明の加熱装置付き空気消毒装置
【0044】
図1及び
図1-1を参照すると、本実施例の加熱装置付き空気消毒装置はメインマシン1、消毒システム2、加熱システム3、回路と制御システム4、及びケース5を含む。
【0045】
本実施例において、前記メインマシン1は遠心機101である。前記遠心機101は吸い込み機構11及び吹き出し機構12を含む。前記メインマシン1は通常、遠心機の構造を採用し、前記遠心機101が作動すると、空気は、前記吸い込み機構11から前記遠心機101によって吸い込まれ、続いて前記吹き出し機構12によって吹き出され、前記ケース5と室内を循環するようになる。
【0046】
前記消毒システム2は空気を殺菌及び消毒可能な紫外線消毒装置21である。
【0047】
前記加熱システム3は空気を加熱し、ウイルスの不活化を実現することができる。前記加熱システム3の温度は56℃以上であり、通常、60℃に設定されてもよい。ほとんどのウイルスについては、55~60℃の温度で、通常、数分以内に、ウイルスのキャプシドタンパク質が変性し、ウイルスが感染能を失うため、前記加熱システム3の温度が56℃以上、又は60℃以上に制御されると、ウイルスの不活化効果をよりよく保証することができる。また、前記紫外線消毒装置21によって殺菌消毒過程において生成されたオゾンは50℃以上の場合に迅速に分解できるため、殺菌消毒において生成されたオゾンの空気への二次汚染が回避される。
【0048】
図1-1を参照すると、本実施例において、前記加熱システム3は加熱コイル33であり、空気が前記加熱コイル33を通過すると、前記加熱コイル33は環状に加熱することができ、加熱効果が非常に高い。実用では、前記加熱システム3は加熱棒31又は加熱板32等の加熱形態、又は幾つかの加熱形態の組合せであってもよく、出願人はここで一々例を挙げないが、それらはいずれも本願の保護範囲から逸脱しない。
【0049】
前記メインマシン1、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱システム3は前記回路と制御システム4を介して電源に接続される。
【0050】
前記回路と制御システム4は前記メインマシン1及び前記紫外線消毒装置21のオンオフを制御することができる。前記紫外線消毒装置21のオン持続時間、紫外線放射強度等は、前記回路と制御システム4の制御パネル41によって設定及び調整することができる。前記加熱システム3の加熱温度、加熱持続時間等は、前記回路と制御システム4の制御パネル41によって設定及び調整することができる。
【0051】
前記ケース5に空気入口51及び空気出口52が設置される。本実施例において、前記空気入口51は前記ケース5の下部に設置され、前記空気出口52は前記ケース5の上部に設置される。
【0052】
本実施例において、前記ケース5の上部内側は紫外線に対して耐性のある鏡面ステンレス鋼で製造され、上部チェンバは前記紫外線消毒室21-1を構成し、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱コイル33はいずれも前記紫外線消毒室21-1内に取り付けられる。紫外線殺菌消毒は、適切な波長の紫外線を用いて微生物細胞のDNA(デオキシリボ核酸)又はRNA(リボ核酸)の分子構造を破壊し、増殖細胞死及び/又は再生細胞死を引き起こすことで、殺菌消毒の効果を達成することである。従って、滅菌中に防護が行われないと、人体に一定の予想外の害を引き起こす可能性がある。従って、予想外の害を防ぐために、前記紫外線消毒装置21を前記紫外線消毒室21-1内に取り付けて、密閉隔離を形成する必要がある。
【0053】
鏡面ステンレス鋼は紫外線を反射できる材料であり、隔離効果を保証すると共に、さらに紫外線を反射することで、前記紫外線消毒室21-1内の紫外線強度を増強することもでき、滅菌効果がより高い。滅菌効果をさらに高めるために、複数の前記紫外線消毒装置21、例えば紫外線ランプを均一に分布しているように前記紫外線消毒室21-1の周囲に取り付け、前記紫外線消毒室21-1内の紫外線の均一な分布を保証し、滅菌効果を保証することができる。
【0054】
図1-1を参照すると、本実施例において、前記加熱装置付き空気消毒装置100は空気濾過装置6をさらに含む。前記空気濾過装置6は空気中のほこり粒子、異臭、有毒ガス等の空気汚染物質を濾過することができる。
【0055】
前記空気濾過装置6はセラミック材料で製造されてもよく、且つ前記加熱システム3によって56℃以上に加熱され、最適な温度は70℃から150℃であり、空気が加熱されたセラミック濾過材料を通過すると、細菌及びウイルスを死滅させるという作用を奏することができる。前記空気濾過装置6は定期的に交換可能であり、より安全で衛生的であると共に、セラミック材料に付着した細菌及びウイルスを高温で迅速に死滅させ、空気の殺菌消毒效率を向上させることができる。
【0056】
実用では、電源を入れた後、スイッチをオンにし、前記遠心機101が作動し、空気は、前記空気入口51から前記ケース5内に入り、前記空気濾過装置6によって濾過された後、前記吸い込み機構11によって前記メインマシン1に入り、前記吹き出し機構12によって吹き出され、吹き出しダクト13を経由して前記紫外線消毒室21-1に入る。前記紫外線消毒装置21は濾過された空気を紫外線によって殺菌消毒し、続いて前記加熱システム3は空気を加熱し、殺菌消毒された空気に対してさらに二次ウイルス不活化を行うと同時に、紫外線消毒過程において生成されたオゾンの分解を加速させる。ウイルス不活化された空気は前記吹き出しダクト13を経由して前記空気出口52から室内へ吹き出される。前記加熱システム3は、ウイルス等の微生物に対する不活化効果を確保するために、通常、60℃以上に加熱するようにしており、また、60℃以上の温度では前記紫外線消毒装置21によって消毒過程において生成されたオゾンを迅速に酸素に分解することができ、これにより、オゾンによる二次汚染が効果的に回避され、空気の消毒及び清浄効果が非常によく保証される。
【0057】
本実施例の加熱装置付き空気消毒装置は、前記紫外線消毒装置21及び前記加熱システム3の二重設置によって、紫外線殺菌を行うと共に、高温でウイルスに対して二次不活化処理を行うと共に、紫外線消毒過程において生成されたオゾンの分解を加速させ、オゾンの空気への二次汚染を排除し、空気の清浄効果が非常によく保証される。
実施例2 水濾過装置を備える本発明の加熱装置付き空気消毒装置
【0058】
図2から
図4を参照すると、本実施例と実施例1との相違点は、本実施例において、前記加熱装置付き空気消毒装置100が水濾過装置7をさらに含むことである。
【0059】
前記水濾過装置7は水カーテン71又は水浴槽72であってもよい。前記水カーテン71は構造が簡単であり、恒温処理を行うことができず、
図4を参照されたい。
【0060】
本実施例において、前記水濾過装置7は水浴槽72であり、
図2及び
図2-1を参照されたい。
【0061】
前記水浴槽72前部の吹き出しダクト13に空気ブースタポンプ8が設置される。前記空気ブースタポンプ8は空気圧を上昇させることができ、これにより、殺菌消毒された空気は前記水浴槽72に入り、且つ前記水浴槽72中の液体によって動きが遮断された後に吹き出されることが保証される。
【0062】
図3及び
図3-1を参照すると、前記水浴槽72に恒温装置72-1が設置される。前記恒温装置72-1は、前記水浴槽72内の液体を一定の温度に制御し、且つ必要に応じて温度設定スイッチ72-12によって異なる温度を設定し、ウイルスの不活化効果をよりよく保証することができる。
【0063】
図3-1を参照すると、前記恒温装置72-1における加熱装置72-11は前記加熱システム3における加熱棒31を構成する。紫外線によって殺菌消毒された空気はダクトを経由して前記水浴槽72に入り、前記水浴槽72中の液体は前記加熱装置72-11によって加熱され、加熱後の液体は紫外線によって殺菌消毒された空気に対してウイルス不活化を行い、紫外線消毒後に生成されたオゾンを分解すると同時に、空気が非常に穏やかな速度で室内へ吹き出されるようにし、空気の変動を低減する。
【0064】
本実施例において、前記加熱システム3は前記水浴槽72において設置される前記加熱棒31の他に、前記紫外線消毒装置21上部に設置される加熱板32をさらに含む。前記加熱板32は、前記紫外線消毒装置21によって殺菌消毒を行った後に空気を加熱し、ウイルスを不活化すると同時に、前記紫外線消毒装置21の紫外線消毒過程において生成されたオゾンの分解を加速させる。
【0065】
実用では、電源を入れた後、スイッチをオンにし、前記温度設定スイッチ72-12によって異なる季節の感染源ウイルスのタイプに応じて前記加熱システム3の加熱温度を設定し、前記メインマシン1が作動し、空気は、前記空気入口51から前記ケース5内に入り、前記空気濾過装置6によって濾過された後、前記吸い込み機構11によって前記メインマシン1に入り、前記吹き出し機構12によって吹き出され、吹き出しダクト13を経由して前記紫外線消毒室21-1に入る。前記紫外線消毒装置21は濾過された空気を紫外線によって殺菌消毒すると共に、前記紫外線消毒装置21に設置される前記加熱板32は空気を加熱し、空気に対してウイルス不活化を行うと同時に、紫外線消毒過程において生成されたオゾンの分解を加速させる。ウイルス不活化された空気は前記吹き出しダクト13を経由して前記水浴槽72へ吹き出される。前記水浴槽72中の前記加熱棒31によって加熱された液体は、空気の動きを遮断すると共に、残りの可能性のあるウイルスをさらに不活化すると共に、残りの可能性のあるオゾンの完全な分解を確保する。空気は前記水浴槽72を経由した後に空気出口52から穏やかに室内へ吹き出され、周辺の空気を大きく変動させることが回避される。
【0066】
本実施例の加熱装置付き空気消毒装置は、前記水濾過装置7が設置されるため、空気が室内へ吹き出される時に周辺の空気を大きく変動させることを回避することができる。ウイルスの伝播は通常、キャリアが必要であるため、空気の変動が大きいほど、キャリアの空気における移動速度が大きくなり、ウイルスの伝播速度も速くなる。前記水濾過装置7は殺菌消毒された空気の動きを遮断できるため、殺菌消毒された空気は前記水濾過装置7によって遮断された後に穏やかに室内へ吹き出され、周辺の空気を大きく変動させることが効果的に回避され、これにより、ウイルスキャリアの移動速度が低下し、ウイルスの伝播速度を低下させるという目的が達成される。
実施例3 冷却装置を備える本発明の加熱装置付き空気消毒装置
【0067】
図5から
図5-2を参照すると、本実施例と実施例1との相違点は、本実施例において、前記加熱装置付き空気消毒装置100が冷却装置9をさらに含むことである。
【0068】
本実施例において、前記冷却装置9は熱伝導性冷却板91である。前記熱伝導性冷却板91は熱電セラミックで製造され、冷却面91-1及び放熱面91-2を含む。前記冷却面91-1は加熱後の空気が経由する吹き出しダクト13側に設置され、空気を降温させ、前記放熱面91-2は前記紫外線消毒装置21側に設置され、熱を前記紫外線消毒室21-1内に伝導する。空気が通過する時、前記冷却面91-1は空気の温度を安全な温度まで下げるように働き、空気の温度が高すぎて前記空気濾過装置6を損傷したり、吹き出し温度が高すぎて予想外の害を引き起こしたりすることを防ぐ。前記放熱面91-2は、空気温度低下過程において生成された熱を前記紫外線消毒装置21側に伝導し、前記紫外線消毒装置21によって消毒された空気に対する前記加熱システム3による加熱を補助する。
【0069】
実用では、前記冷却装置9は水冷槽、水冷管等、他の様々な冷却装置であってもよく、出願人はここで具体的に例を挙げないが、それらはいずれも本願の保護範囲から逸脱しない。
【0070】
本実施例において、前記加熱装置付き空気消毒装置100はメインマシン1、消毒システム2、加熱システム3、回路と制御システム4、ケース5、空気濾過装置6及び冷却装置9を含む。
【0071】
前記メインマシン1は遠心機101である。前記遠心機101は吸い込み機構11及び吹き出し機構12を含む。前記メインマシン1は通常、遠心機の構造を採用し、前記遠心機101が作動すると、空気は、前記吸い込み機構11から前記遠心機101によって吸い込まれ、続いて前記吹き出し機構12によって吹き出され、前記ケース5と室内を循環するようになる。
【0072】
前記消毒システム2は空気を殺菌及び消毒可能な紫外線消毒装置21である。前記紫外線消毒装置21は紫外線消毒室21-1内に設置される。
【0073】
前記加熱システム3は前記紫外線消毒装置21の下方に設置される加熱コイル33である。前記加熱コイル33は、前記紫外線消毒装置21によって殺菌され、消毒された空気を加熱し、ウイルスの不活化を実現する。また、前記紫外線消毒装置21によって殺菌消毒過程において生成されたオゾンが50℃以上で迅速に分解できるため、殺菌消毒過程において生成されたオゾンの空気への二次汚染が回避される。
【0074】
前記加熱コイル33によって加熱された空気は、吹き出しダクト13を経由して前記冷却装置9によって冷却された後、前記空気濾過装置6によって濾過され、続いて前記吸い込み機構11によって前記メインマシン1に入り、前記吹き出し機構12によって室内へ吹き出される。
【0075】
本実施例の加熱装置付き空気消毒装置は、前記冷却装置9が設置されるため、前記加熱システム3によって加熱された空気が安全な温度まで下がってから濾過されて室内へ吹き出され、前記空気濾過装置6が高温による損傷を受けないことを保証し、且つ室内に入った空気の温度が安全な温度であることを保証することができる。また、本実施例において、空気は殺菌され、消毒され後に前記空気濾過装置6によって濾過されるため、ウイルスが前記空気濾過装置6に吸着しないことが保証され、前記空気濾過装置6の交換及び洗浄プロセスがより安全になっている。
実施例4 冷却装置を備える本発明の加熱装置付き空気消毒装置
【0076】
図6から
図8を参照すると、本実施例と実施例3との相違点は、本実施例において、前記加熱装置付き空気消毒装置100のメインマシン1が2段式ファン102であることである。
【0077】
図7及び
図7-1を参照すると、前記2段式ファン102はモータ14、回転軸15、1段ブレード16、2段ブレード17、固定座18を含む。
【0078】
前記モータ14は前記回転軸15を介して前記1段ブレード16及び前記2段ブレード17に接続され、前記モータ14は前記固定座18に取り付けられ、前記モータ14は前記回路と制御システム4を介して前記回転軸15によって前記1段ブレード16及び前記2段ブレード17を駆動して回転させ、清浄及び消毒後の空気を室内へ吹き出す。
【0079】
本実施例において、前記2段式ファン102はファンハウジング19をさらに含み、前記モータ14、回転軸15、1段ブレード16、2段ブレード17及び固定座18は組み立てられた後に前記ファンハウジング19内に取り付けられる。
【0080】
前記1段ブレード16のブレードサイズは前記2段ブレード17よりも小さい。吸い込み端の前記1段ブレード16のサイズが吹き出し端の前記2段ブレード17よりも小さいこのような設計方式は、消毒及び清浄後の空気をより効果的に、迅速に室内へ吹き出すことができる。
【0081】
図8を参照すると、本実施例において、前記加熱装置は加熱コイル33である。前記加熱コイル33は、加熱ワイヤ33-1を空気の流れ方向に沿って巻くことによって形成され、長手方向に分布している。空気の流れ方向に沿って長手方向に分布しているこのような巻き方法は、空気加熱の距離を最大化することができ、ウイルス滅菌、オゾン分解の効果がより優れている。
【0082】
前記冷却装置9は空気の流れ方向に沿って複数箇所設置される熱伝導性冷却板91である。
【0083】
図6を参照すると、実用では、消毒及び清浄が必要な空気は、前記空気入口51から前記ケース5内に入り、まず前記紫外線消毒装置21によって紫外線消毒及び殺菌を行った後、前記加熱コイル33によってさらに消毒され、殺菌されると共に、紫外線消毒過程において生成されたオゾンが分解される。消毒及び殺菌後の空気は、前記冷却装置9によって冷却された後、前記2段式ファン102の作用により、前記空気濾過装置6によって濾過されてから室内へ吹き出される。
【0084】
本実施例において、前記メインマシン1が2段式ファン102であるため、通常の遠心機に比べて風量が多く、空気の消毒及び殺菌効果がより高い。
【0085】
注意すべきこととして、本明細書で開示及び説明された構造は他の効果が同じ構造に置き換えることができ、また本発明で紹介された実施例は本発明を実現するための唯一の構造ではない。本発明の好ましい実施例は本明細書において紹介及び説明されているが、当業者であれば、これらの実施例は単なる例示であることが分かる。当業者であれば、本発明から逸脱せずに無数の変形、改善及び置換を行うことができ、従って、本発明の保護範囲は、本発明に添付される特許請求の範囲の精神及び範囲に従って定義されるべきである。
【符号の説明】
【0086】
1 : メインマシン
2 : 消毒システム
3 : 加熱システム
4 : 回路と制御システム
5 : ケース
6 : 空気濾過装置
7 : 水濾過装置
8 : 空気ブースタポンプ
9 : 冷却装置
11 : 吸い込み機構
12 : 吹き出し機構
13 : 吹き出しダクト
14 : モータ
15 : 回転軸
16 : 1段ブレード
17 : 2段ブレード
18 : 固定座
19 : ファンハウジング
21 : 紫外線消毒装置
21-1 : 紫外線消毒室
31 : 加熱棒
33-1 : 加熱ワイヤ
32 : 加熱板
33 : 加熱コイル
41 : 制御パネル
51 : 空気入口
52 : 空気出口
71 : 水カーテン
72 : 水浴槽
72-1 : 恒温装置
72-11 : 加熱装置
72-12 : 温度設定スイッチ
91 : 熱伝導性冷却板
91-1 : 冷却面
91-2 : 放熱面
100 : 加熱装置付き空気消毒装置
101 : 遠心機
【国際調査報告】