(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】電極組立体、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/052 20100101AFI20231124BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20231124BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20231124BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01M10/052
H01M4/13
H01M10/058
H01M10/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551417
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2021123648
(87)【国際公開番号】W WO2023060494
(87)【国際公開日】2023-04-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】張涛
(72)【発明者】
【氏名】何建福
(72)【発明者】
【氏名】劉倩
(72)【発明者】
【氏名】孫雪陽
(72)【発明者】
【氏名】叶永煌
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028CC11
5H028HH10
5H029AJ05
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL11
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029HJ01
5H029HJ12
5H029HJ19
5H029HJ20
5H050AA07
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA07
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB02
5H050CB03
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB11
5H050HA01
5H050HA12
5H050HA17
5H050HA19
(57)【要約】
本願は電極組立体、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置を提供する。前記電極組立体は、正極シート、負極シート及び前記正極シートと前記負極シートとの間に位置するセパレータを含む。前記正極シートは0<CAP1/CAP2<1を満たし、CAP1はAh基準の第1の正極膜層の容量を表し、CAP2はAh基準の第2の正極膜層の容量を表す。前記電極組立体はR
4/R
3-R
2/R
1≧0を満たし、R
1はΩ基準の第1の正極膜層の抵抗を表し、R
2はΩ基準の第2の正極膜層の抵抗を表し、R
3はmΩ基準の第1の負極膜層の抵抗を表し、R
4はmΩ基準の第2の負極膜層の抵抗を表す。本願は、二次電池のサイクル寿命を大幅に延長することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極シート、負極シート、および前記正極シートと前記負極シートとの間に位置するセパレータを含む電極組立体であって、
前記正極シートは、正極集電体及び前記正極集電体の対向する二つの表面に位置する第1の正極膜層及び第2の正極膜層を含み、
前記負極シートは、負極集電体及び前記負極集電体の対向する二つの表面に位置する第1の負極膜層及び第2の負極膜層を含み、
前記第1の正極膜層が前記正極集電体における前記セパレータに近接する側に位置しかつ前記第2の負極膜層が前記負極集電体における前記セパレータに近接する側に位置し、又は、前記第1の正極膜層が前記正極集電体における前記セパレータから離れる側に位置しかつ前記第2の負極膜層が前記負極集電体における前記セパレータから離れる側に位置し、
前記正極シートは0<CAP1/CAP2<1を満たし、CAP1はAh基準の第1の正極膜層の容量を表し、CAP2はAh基準の第2の正極膜層の容量を表し、
前記電極組立体はR
4/R
3-R
2/R
1≧0を満たし、R
1はΩ基準の第1の正極膜層の抵抗を表し、R
2はΩ基準の第2の正極膜層の抵抗を表し、R
3はmΩ基準の第1の負極膜層の抵抗を表し、R
4はmΩ基準の第2の負極膜層の抵抗を表す、
電極組立体。
【請求項2】
前記電極組立体は、0≦R
4/R
3-R
2/R
1≦20であり、選択的に、0<R
4/R
3-R
2/R
1≦20であり、選択的に、0.1≦R
4/R
3-R
2/R
1≦2であることを満たす、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記正極シートは、0.33≦CAP1/CAP2<1であり、選択的に、0.5≦CAP1/CAP2<1であり、選択的に、0.5≦CAP1/CAP2≦0.9であることを満たす、請求項1又は2に記載の電極組立体。
【請求項4】
R
1は、0Ω<R
1≦20Ωであり、選択的に、0Ω<R
1≦5Ωであり、及び/又は、
R
2は、0Ω<R
2≦20Ωであり、選択的に、0Ω<R
2≦5Ωであり、及び/又は、
R
3は、0mΩ<R
3≦200mΩであり、選択的に、0mΩ<R
3≦50mΩであり、及び/又は、
R
4は、0mΩ<R
4≦200mΩであり、選択的に、0mΩ<R
4≦50mΩである、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記第1の正極膜層は第1の正極活物質を含み、前記第2の正極膜層は第2の正極活物質を含み、
前記正極シートは下記(1)~(3)のうちの一つ又は複数を満たし、
(1)前記第1の正極膜層の塗布重量は前記第2の正極膜層の塗布重量より小さく、
(2)前記第1の正極活物質のグラム容量は前記第2の正極活物質のグラム容量より小さく、
(3)w
1<w
2であり、w1は前記第1の正極膜層の合計質量に対して前記第1の正極活物質の質量%含有量であり、w
2は前記第2の正極膜層の合計質量に対して前記第2の正極活物質の質量%含有量である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記負極シートはR
4/R
3≧1を満たし、かつ、
前記電極組立体は、0≦R
4/R
3-R
2/R
1≦20であり、選択的に、0≦R
4/R
3-R
2/R
1≦5であり、選択的に、0.1≦R
4/R
3-R
2/R
1≦2であることを満たす、
請求項1~5のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記正極シートが0<R
2/R
1≦20を満たす、請求項6に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記負極シートが1≦R
4/R
3≦30を満たし、かつ、
前記正極シートが0<R
2/R
1≦20を満たす、
請求項6に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記負極シートが0<R
4/R
3<1を満たし、前記正極シートが0<R
2/R
1<1を満たし、かつ、
前記電極組立体が0≦R
4/R
3-R
2/R
1<1であり、選択的に、0<R
4/R
3-R
2/R
1<1であり、選択的に、0.1≦R
4/R
3-R
2/R
1≦0.9であることを満たす、
請求項1~5のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記負極シートが0<R
4/R
3<1を満たし、かつ、
前記正極シートが0.05≦R
2/R
1≦0.9を満たす、
請求項9に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記負極シートが0.05≦R
4/R
3≦0.9を満たし、かつ、
前記正極シートが0.05≦R
2/R
1≦0.9を満たす、
請求項9に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記正極シートがR
2/R
1=1を満たし、かつ前記負極シートがR
4/R
3=1を満たす、請求項1~5のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項13】
外装、電解質及び請求項1~12のいずれか一項に記載の電極組立体を含む、二次電池。
【請求項14】
前記外装が、収容チャンバー及び開口を有するケースと、前記ケースの開口を閉鎖するカバープレートとを備え、
前記電極組立体が前記収容チャンバー内に収容された、
請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の二次電池を備える、電池モジュール。
【請求項16】
請求項13又は14に記載の二次電池、請求項15に記載の電池モジュールのうちの一種を備える、電池パック。
【請求項17】
請求項13又は14に記載の二次電池、請求項15に記載の電池モジュール、請求項16に記載の電池パックのうちの少なくとも一種を備える、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池の技術分野に属し、具体的には電極組立体、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池の各種の電子製品及び新エネルギー自動車などの産業における応用及び普及に伴い、そのエネルギー密度はますます注目される。二次電池の充放電過程において、活性イオン(例えばリチウムイオン)は正極シートと負極シートとの間に挿入及び脱離を往復する。活物質の構造的変化、電解液分解、活物質表面でのSEI膜の生成及び破壊等により、活性イオンは不可避的に消費され、二次電池容量は絶えず減衰しかつより長いサイクル寿命を有することが困難である。
【発明の概要】
【0003】
本願は、電極組立体、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置を提供して、二次電池のサイクル寿命を大幅に延長することを目的とする。
【0004】
本願の第1の態様は、正極シート、負極シート及び前記正極シートと前記負極シートとの間に位置するセパレータを含む電極組立体を提供する。前記正極シートは、正極集電体及び前記正極集電体の対向する二つの表面に位置する第1の正極膜層及び第2の正極膜層を含み、前記負極シートは負極集電体及び前記負極集電体の対向する二つの表面に位置する第1の負極膜層及び第2の負極膜層を含む。前記第1の正極膜層は前記正極集電体の前記セパレータに近接する側に位置しかつ前記第2の負極膜層は前記負極集電体の前記セパレータに近接する側に位置し、又は、前記第1の正極膜層は前記正極集電体の前記セパレータから離れる側に位置しかつ前記第2の負極膜層は前記負極集電体の前記セパレータから離れる側に位置する。ここで、前記正極シートは0<CAP1/CAP2<1を満たし、CAP1はAh基準の第1の正極膜層の容量を表し、CAP2はAh基準の第2の正極膜層の容量を表す。前記電極組立体はR4/R3-R2/R1≧0を満たし、R1はΩ基準の第1の正極膜層の抵抗を表し、R2はΩ基準の第2の正極膜層の抵抗を表し、R3はmΩ基準の第1の負極膜層の抵抗を表し、R4はmΩ基準の第2の負極膜層の抵抗を表す。
【0005】
本願の電極組立体において、正極シートの両面に貯蔵された容量が異なり、正極シートの両面抵抗と負極シートの両面抵抗との間の関係を合理的に設定することにより、充電過程において低容量正極膜層の電圧応答速度を向上させ、低容量正極膜層と高容量正極膜層との電位差を増加させ、それにより高容量正極膜層は十分量の活性イオンを予め記憶することができる。二次電池のサイクル過程の進行に伴い、この部分に予め貯蔵された活性イオンはさらに段階的に放出することができ、活性イオンの消費を補足し、それにより二次電池容量の減衰を遅延させかつ二次電池のサイクル寿命を大幅に延長することができる。
【0006】
本願の任意の実施形態において、電極組立体は0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、電極組立体は0<R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、0.1≦R4/R3-R2/R1≦2である。
【0007】
本願の任意の実施形態において、正極シートは0.33≦CAP1/CAP2<1を満たす。選択的に、正極シートは0.5≦CAP1/CAP2<1を満たす。選択的に、正極シートは0.5≦CAP1/CAP2≦0.9を満たす。
【0008】
第1の正極膜層の容量CAP1対第2の正極膜層の容量CAP2の比が適切な範囲内にある場合、二次電池がより長いサイクル寿命を有すると同時に、高いエネルギー密度を有することができる。
【0009】
本願の任意の実施形態において、R1は、0Ω<R1≦20Ωであり、選択的に、0Ω<R1≦5Ωである。
【0010】
本願の任意の実施形態において、R2は、0Ω<R2≦20Ωであり、選択的に、0Ω<R2≦5Ωである。
【0011】
本願の任意の実施形態において、R3は、0mΩ<R3≦200mΩであり、選択的に、0mΩ<R3≦50mΩである。
【0012】
本願の任意の実施形態において、R4は、0mΩ<R4≦200mΩであり、選択的に、0mΩ<R4≦50mΩである。
【0013】
第1の正極膜層、第2の正極膜層、第1の負極膜層及び第2の負極膜層の抵抗がそれぞれ適切な範囲内にある場合、正極シートと負極シートの一致性がより高く、二次電池がより長いサイクル寿命を取得することに有利である。
【0014】
本願の任意の実施形態において、第1の正極膜層は第1の正極活物質を含み、第2の正極膜層は第2の正極活物質を含む。正極シートは下記(1)~(3)のうちの一つ又は複数を満たし、(1)第1の正極膜層の塗布重量は第2の正極膜層の塗布重量より小さく、(2)第1の正極活物質のグラム容量は第2の正極活物質のグラム容量より小さく、(3)w1<w2であり、w1は第1の正極膜層の合計質量に対して第1の正極活物質の質量%含有量を示し、w2は第2の正極膜層の合計質量に対して第2の正極活物質の質量%含有量を示す。
【0015】
本願の任意の実施形態において、負極シートはR4/R3≧1を満たし、かつ電極組立体は0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、0≦R4/R3-R2/R1≦5である。選択的に、0.1≦R4/R3-R2/R1≦2である。
【0016】
本願の任意の実施形態において、負極シートはR4/R3≧1を満たし、正極シートは0<R2/R1≦20を満たし、かつ電極組立体は0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、0≦R4/R3-R2/R1≦5である。選択的に、0.1≦R4/R3-R2/R1≦2である。
【0017】
本願の任意の実施形態において、負極シートは1≦R4/R3≦30を満たし、正極シートは0<R2/R1≦20を満たし、かつ電極組立体は0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、0≦R4/R3-R2/R1≦5である。選択的に、0.1≦R4/R3-R2/R1≦2である。
【0018】
本願の任意の実施形態において、負極シートは0<R4/R3<1を満たし、正極シートは0<R2/R1<1を満たし、かつ電極組立体は0≦R4/R3-R2/R1<1を満たす。選択的に、0<R4/R3-R2/R1<1である。選択的に、0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.9である。
【0019】
本願の任意の実施形態において、負極シートは0<R4/R3<1を満たし、正極シートは0.05≦R2/R1≦0.9を満たし、かつ電極組立体は0≦R4/R3-R2/R1<1を満たす。選択的に、0<R4/R3-R2/R1<1である。選択的に、0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.9である。
【0020】
本願の任意の実施形態において、負極シートは0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、正極シートは0.05≦R2/R1≦0.9を満たし、かつ電極組立体は0≦R4/R3-R2/R1<1を満たす。選択的に、0<R4/R3-R2/R1<1である。
【0021】
本願の任意の実施形態において、正極シートはR2/R1=1を満たし、かつ負極シートはR4/R3=1を満たす。
【0022】
本願の第2の態様は、外装、電解質及び本願の第1の態様に係る電極組立体を含む二次電池を提供する。
【0023】
本願の任意の実施形態において、外装は、収容チャンバー及び開口を有するケースと、ケースの開口を閉鎖するために用いられるカバープレートとを含み、電極組立体は収容チャンバー内に収容された。
【0024】
本願の第3の態様は本願の第2の態様に係る二次電池を含む電池モジュールを提供する。
【0025】
本願の第4の態様は、本願の第2の態様に係る二次電池、第3の態様に係る電池モジュールのうちの一種を含む電池パックを提供する。
【0026】
本願の第5の態様は、本願の第2の態様に係る二次電池、第3の態様に係る電池モジュール、第4の態様に係る電池パックのうちの少なくとも一種を含む電力消費装置を提供する。
【0027】
本願の電池モジュール、電池パック及び電力消費装置は本願に係る二次電池を含むため、少なくとも前記二次電池と同じ利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本願の実施例に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に記載の図面は本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【
図1】本願の二次電池の一つの実施形態の概略図である。
【
図2】本願の二次電池の一つの実施形態の分解概略図である。
【
図3】本発明の電極組立体の一つの実施形態の構造概略図である。
【
図4】本発明の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図5】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図6】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図7】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図8】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図9】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図10】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図11】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図12】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図13】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図14】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図15】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図16】本願の電極組立体の他の実施形態の構造概略図である。
【
図17】本願の電池モジュールの一つの実施形態の概略図である。
【
図18】本願の電池パックの一つの実施形態の概略図である。
【
図20】本願の二次電池を電源として含む電力消費装置の一つの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を適宜に参照して本願の電極組立体、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電力消費装置を具体的に開示する実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や、実際の同一構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは以下の説明が不必要に冗長になることを回避し、当業者の理解を容易にするためである。また、図面及び以下の説明は当業者が本願を十分に理解するために提供されるものであり、特許請求の範囲に記載の主題を限定するものではない。
【0030】
本願に開示された「範囲」は下限及び上限の形式で限定され、所定の範囲は一つの下限及び一つの上限を選択することにより限定され、選択された下限及び上限は特別な範囲の境界を限定する。このような方式で限定された範囲は端値を含んでもよいが、端値を含まなくてもよく、かつ任意に組み合わせることができ、すなわち任意の下限は任意の上限と組み合わせて一つの範囲を形成することができる。例えば、特定のパラメータに対して60~120及び80~110の範囲を列挙すれば、60~110及び80~120の範囲も予想されると理解される。また、最小範囲値1及び2、及び最大範囲値3、4及び5を列挙すると、1~3、1~4、1~5、2~3、2~4及び2~5はいずれも予想されることができる。本願において、他の説明がない限り、数値範囲「a~b」はaとbとの間の任意の実数の組み合わせの略語を表し、ここでa及びbはいずれも実数である。例えば数値範囲「0~5」は、本明細書において「0~5」の間の全ての実数が列挙され、「0~5」はこれらの数値の組み合わせの略語である。また、あるパラメータが≧2の整数であると表記する場合、当該パラメータが例えば整数2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12等であることを開示したことに相当する。
【0031】
特に説明しない限り、本願の全ての実施形態及び選択可能な実施形態は互いに組み合わせて新たな技術案を形成することができ、かつこのような技術案は本願の開示内容に含まれると考えられるべきである。
【0032】
特に説明しない限り、本願の全ての技術的特徴及び選択可能な技術的特徴は互いに組み合わせて新たな技術案を形成することができ、かつこのような技術案は本願の開示内容に含まれると考えられるべきである。
【0033】
特に説明しなければ、本願の全てのステップを順に行ってもよく、ランダムに行ってもよく、好ましくは順に行う。例えば、前記方法はステップ(a)及び(b)を含むことは、前記方法が順に行われるステップ(a)及び(b)を含むことができ、さらに順に行われるステップ(b)及び(a)を含むことができる。例えば、前記方法はさらにステップ(c)を含むことは、ステップ(c)が任意の順序で前記方法に追加されることができ、例えば、前記方法はステップ(a)、(b)及び(c)を含むことができ、さらにステップ(a)、(c)及び(b)を含むことができ、さらにステップ(c)、(a)及び(b)等を含むことができる。
【0034】
特に説明しない限り、本願に言及された「備える」、「有する」及び「含む」は開放形式を示し、閉鎖形式であってもよい。例えば、前記「備える」、「有する」及び「含む」は、さらに列挙されていない他の成分を有してもよく、列挙された成分のみを有してもよいことを示す。
【0035】
特に説明しない限り、本願において、用語「又は」は包括的である。例えば、用語「A又はB」は「A、B、又はA及びBの両方」を表す。より具体的には、Aが真(又は存在する)でありかつBが偽(又は存在しない)であること、Aが偽(又は存在しない)でありかつBが真(又は存在する)であること、又はA及びBがいずれも真(又は存在する)であることは、いずれも「A又はB」を満たす。
電極組立体及び二次電池
【0036】
二次電池は充電電池又は蓄電池とも呼ばれ、電池が放電した後に充電の方式で活物質を活性化させて使用し続けることができる電池を指す。本願は、二次電池の形状を特に限定せず、それは円筒形、方形又は他の任意の形状であってもよい。
図1は、一例としての角形構造の二次電池5の概略図である。
【0037】
二次電池5は外装、電極組立体及び電解質を含み、前記外装は前記電極組立体及び前記電解質を封止するために用いられる。いくつかの実施例において、二次電池の外装は硬質ケースであってもよく、例えば硬質プラスチックケース、アルミニウムケース、鋼ケース等である。二次電池の外装はソフトパックであってもよく、例えば袋式ソフトパックである。ソフトバッグの材質はプラスチックであってもよく、例えばポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンサクシネート(PBS)のうちの一種又は複数種である。いくつかの実施例において、
図2に示すように、外装はケース51及びカバープレート53を含むことができる。ここで、ケース51は底板及び底板に接続された側板を含むことができ、底板及び側板が囲んで収容チャンバーを形成する。ケース51は収容チャンバーに連通される開口を有し、カバープレート53は前記開口をカバーして前記収容チャンバーを密封するために用いられる。電極組立体52は前記収容チャンバーに封止され、電解液は電極組立体52に浸潤する。二次電池5に含まれる電極組立体52の個数は一つ又は複数であってもよく、需要に応じて調整することができる。
【0038】
発明者らは、多くの研究によりサイクル寿命が大幅に延長される電極組立体を提供する。
図3は本願に係る電極組立体の実施例の構造概略図である。
図3に示すように、電極組立体52は正極シート10、負極シート20及びセパレータ30を含み、ここで、セパレータ30は正極シート10と負極シート20との間に位置し、正極シート10、負極シート20及びセパレータ30は巻回プロセス又は積層プロセスにより電極組立体52を形成することができる。
【0039】
正極シート10は第1の正極膜層101、第2の正極膜層102及び正極集電体103を含む。第1の正極膜層101及び第2の正極膜層102は正極集電体103の対向する二つの表面に位置する。第1の正極膜層101は第1の正極活物質、第1の正極導電剤及び第1の正極接着剤を含み、第2の正極膜層102は第2の正極活物質、第2の正極導電剤及び第2の正極接着剤を含む。
【0040】
負極シート20は第1の負極膜層201、第2の負極膜層202及び負極集電体203を含み、第1の負極膜層201及び第2の負極膜層202は負極集電体203の対向する二つの表面に位置する。第1の負極膜層201は第1の負極活物質、第1の負極導電剤及び第1の負極接着剤を含み、第2の負極膜層202は第2の負極活物質、第2の負極導電剤及び第2の負極接着剤を含む。
【0041】
第1の正極膜層101および第2負極膜層202は、同時にセパレータ30に近接するかまたは離れて設けられている。
図3に示すように、いくつかの実施例において、第1の正極膜層101は正極集電体103のセパレータ30に近接する側に位置しかつ第2の負極膜層202は負極集電体203のセパレータ30に近接する側に位置する。
図4に示すように、いくつかの実施例において、第1の正極膜層101は正極集電体103のセパレータ30から離れる側に位置しかつ第2の負極膜層202は負極集電体203のセパレータ30から離れる側に位置する。
【0042】
本願の電極組立体の実施例において、正極シート10は0<CAP1/CAP2<1を満たし、CAP1はAh基準の第1の正極膜層101の容量を表し、CAP2はAh基準の第2の正極膜層102の容量を表す。電極組立体52はR4/R3-R2/R1≧0を満たし、R1はΩ基準の第1の正極膜層101の抵抗を表し、R2はΩ基準の第2の正極膜層102の抵抗を表し、R3はmΩ基準の第1の負極膜層201の抵抗を表し、R4はmΩ基準の第2の負極膜層202の抵抗を表す。
【0043】
二次電池の充電過程において、活性イオンは正極から脱出し、活性イオンの脱出速度及び脱出数量は二次電池の充電電流及び充電時間に関連し、充電電流が大きいほど、充電時間が長いほど、活性イオンの脱出数量が多くなり、脱出容量の割合(すなわち脱出容量対貯蔵容量の比)が高くなり、正極電圧が高くなる。二次電池の充電過程において、電流は正極シートに均一に分布し、低容量正極膜層(本願における第1の正極膜層)及び高容量正極膜層(本願における第2の負極膜層)は同時に活性イオンの脱出を行いかつ活性イオンの脱出数量が一致する。しかし、低容量正極膜層と高容量正極膜層の貯蔵容量が異なり、したがって、低容量正極膜層と高容量正極膜層の脱出容量の割合が異なり、対応する電圧も異なる。同時に、高容量正極膜層の脱出容量は低容量正極膜層より低く、低容量正極膜層と高容量正極膜層が並列構造であるため、二次電池の充電カットオフ電圧は、カットオフ電圧を先に達した側にトリガされ、すなわち低容量正極膜層の側にトリガされるため、高容量正極膜層は活性イオンを予め貯蔵することができる。また、低容量正極膜層と高容量正極膜層との間に電位差が存在するため、高容量正極膜層に予め貯蔵された活性イオンはさらに電解液から段階的に脱出し溶解しかつ低容量正極膜層に転移することができ、それにより高容量正極膜層は低容量正極膜層の活性イオン消費を補足し、二次電池容量の減衰を遅延しかつ二次電池のサイクル寿命を大幅に延長することができる。
【0044】
一般的な正極シートの両面塗布の設計は実際の応用過程において常に電圧応答がタイムリーではないため、正極シートが活性イオンの予め貯蔵を実現することができず、又は十分量の活性イオンの予め貯蔵がなく、二次電池のサイクル寿命の向上が明らかではなく、二次電池がより長いサイクル寿命を有することができない。本願の電極組立体において、正極シートの両面に貯蔵された容量が異なり、正極シートの両面の抵抗と負極シートの両面の抵抗との間の関係を合理的に設定することにより、充電過程における低容量正極膜層の電圧応答速度を向上させ、低容量正極膜層と高容量正極膜層との電位差を増加させ、それにより高容量正極膜層は十分量の活性イオンを予め貯蔵することができる。二次電池のサイクル過程の進行に伴い、この部分に予め貯蔵された活性イオンはさらに段階的に放出することができ、活性イオンの消費を補足し、それにより二次電池容量の減衰を遅延させかつ二次電池のサイクル寿命を大幅に延長することができる。
【0045】
電極組立体52がR4/R3-R2/R1≧0を満たさない場合、低容量正極膜層と高容量正極膜層の脱出容量の割合の差異が小さく、高容量正極膜層に十分量の活性イオンを予め貯蔵せず、二次電池のサイクル寿命の向上が明らかではない。
【0046】
本願において、正極膜層の容量は本分野の公知の意味であり、本分野の既知の装置及び方法で測定することができる。例えば、中国LAND社製のLAND試験機を用いてテストを行う。例として、正極膜層の容量は以下の方法でテストすることができる。冷間プレスされた正極シートのうちの一面の正極膜層を拭いて片面塗布の正極シートを得て、片面塗布の正極シートを面積がS0の小さなウェハに打ち抜いた後、グローブボックス内でボタン式電池に組み立て、0.1mAの定電流で充電カットオフ電圧まで充電し、0.1mAの定電流で放電カットオフ電圧まで放電し、放電容量CAP0を得て、式CAP0×S/S0により当該正極膜層の容量を得て、S0は小さなウェハの面積であり、Sは当該正極膜層の面積である。
【0047】
具体的には、第1の正極膜層の容量CAP1は以下の方法を採用してテストすることができる。冷間プレスされた正極シートの第2の正極膜層を拭いた後に面積がS0の小さなウェハに打ち抜き、小さなウェハをグローブボックス内でボタン式電池に組み立て、その後にLAND試験機で0.1mAの定電流で充電カットオフ電圧まで充電し、さらに0.1mAの定電流で放電カットオフ電圧まで放電し、放電容量CAP0を得て、式CAP0×S1/S0により第1の正極膜層の容量CAP1を得て、S0は小さなウェハの面積であり、S1は第1の正極膜層の面積である。第2の正極膜層の容量CAP2は以下の方法でテストすることができる。冷間プレスされた正極シートの第1の正極膜層を拭いた後に面積がS0の小さなウェハに打ち抜き、小さなウェハをグローブボックス内でボタン式電池に組み立て、その後にLAND試験機で0.1mAの定電流で充電カットオフ電圧まで充電し、さらに0.1mAの定電流で放電カットオフ電圧まで放電し、放電容量CAP0を得て、式CAP0×S2/S0により第2の正極膜層の容量CAP2を得て、S0は小さなウェハの面積であり、S2は第2の正極膜層の面積である。
【0048】
ボタン式電池は負極ケース、リチウムシート、一滴の電解液、セパレータ、一滴の電解液、面積S0の小さいウェハ、ガスケット、スプリングプレートの順に組み立てることができる。ボタン式電池の直径は14mmであってもよい。テスト時に水又は他の溶媒を用いて電極シートのうちの一面の膜層を拭き取ることができる。テスト時にIEST社製のパンチングマシンを採用することができる。
【0049】
本願において、膜層の抵抗は本分野の公知の意味であり、本分野の既知の装置及び方法で測定することができる。例えば、電極シート抵抗計を用いてテストすることができる(例えば、IEST BER 1000型電極シート抵抗計、IEST社製)。例として、各膜層の抵抗は以下の方法でテストすることができる。冷間プレスされた電極シートのうちの一面の膜層を拭いて片面に塗布された電極シートを得て、片面に塗布された電極シートを電極シート抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、当該膜層抵抗を得る。
【0050】
具体的には、第1の正極膜層の抵抗R1は以下の方法でテストすることができる。冷間プレスされた正極シートの第2の正極膜層を拭き取り、その後に極片抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、第1の正極膜層の抵抗R1を得る。第2の正極膜層の抵抗R2は以下の方法でテストすることができる。冷間プレスされた正極シートの第1の正極膜層を拭き取り、その後に電極シート抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、第2の正極膜層の抵抗R2を得る。第1の負極膜層の抵抗R3は以下の方法でテストすることができる。冷間プレスされた負極シートの第2の負極膜層を拭き取り、その後に電極シート抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、第1の負極膜層の抵抗R3を得る。第2の負極膜層の抵抗R4は以下の方法でテストすることができる。冷間プレスされた負極シートの第1の負極膜層を拭き取り、その後に電極シート抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、第2の負極膜層の抵抗R4を得る。
【0051】
選択的に、導電端子の直径は14mmであり、印加された圧力は15MPa~27MPaであり、サンプリングの時間範囲は10s~20sであってもよい。テスト時にまず電極シートを一定の面積(例えば、10cm×10cm)に分割してテストを行うことができる。テスト時に水又は他の溶媒を用いて電極シートのうちの一面の膜層を拭き取ることができる。
【0052】
説明すべきこととして、テスト時に電極シート(例えば、正極シート又は負極シート)は新しく製造された冷間プレスされた電極シートを直接採用か、又は二次電池から電極シートを取得することができる。ここで、二次電池から電極シートを取得する例示的な方法は、以下のとおりである。二次電池を完全に放電した後に電極シートを解体し、電極シートを有機溶媒(例えば、サンプリング)に一定の時間(例えば、30min)浸漬し、次に電極シートを取り出して一定の温度及び時間で乾燥させる(例えば、80℃、6h)。
【0053】
いくつかの実施例において、電極組立体52は、0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす。R4/R3-R2/R1>20である場合、二次電池を充電する時に充電カットオフ電圧に急速に達することにより、低容量正極膜層及び高容量正極膜層にいずれも大量の活性イオンが脱出できず、二次電池のエネルギー密度を低下させる。
【0054】
例えば、R4/R3-R2/R1は0、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は以上の任意の数値で構成された範囲である。選択的に、電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1≦20、0≦R4/R3-R2/R1≦15、0≦R4/R3-R2/R1≦10、0≦R4/R3-R2/R1≦8、0≦R4/R3-R2/R1≦5、0≦R4/R3-R2/R1≦2、0<R4/R3-R2/R1≦20、0<R4/R3-R2/R1≦15、0<R4/R3-R2/R1≦10、0<R4/R3-R2/R1≦8、0<R4/R3-R2/R1≦5、0<R4/R3-R2/R1≦2、0.1≦R4/R3-R2/R1≦20、0.1≦R4/R3-R2/R1≦15、0.1≦R4/R3-R2/R1≦10、0.1≦R4/R3-R2/R1≦8、0.1≦R4/R3-R2/R1≦5、又は0.1≦R4/R3-R2/R1≦2を満たす。
【0055】
正極シート10において、第1の正極膜層101の容量CAP1は第2の正極膜層102の容量CAP2より小さい。例えば、CAP1/CAP2は0.1、0.2、0.33、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は以上の任意の数値で構成された範囲である。選択的に、0<CAP1/CAP2<1、0.1≦CAP1/CAP2<1、0.2≦CAP1/CAP2<1、0.33≦CAP1/CAP2<1、0.4≦CAP1/CAP2<1、0.5≦CAP1/CAP2<1、0<CAP1/CAP2≦0.9、0.1≦CAP1/CAP2≦0.9、0.2≦CAP1/CAP2≦0.9、0.33≦CAP1/CAP2≦0.9、0.4≦CAP1/CAP2≦0.9、0.5≦CAP1/CAP2≦0.9、0<CAP1/CAP2≦0.8、0.1≦CAP1/CAP2≦0.8、0.2≦CAP1/CAP2≦0.8、0.33≦CAP1/CAP2≦0.8、0.4≦CAP1/CAP2≦0.8、又は0.5≦CAP1/CAP2≦0.8である。
【0056】
第1の正極膜層の容量CAP1対第2の正極膜層の容量CAP2の比が適切な範囲内にある場合、二次電池がより長いサイクル寿命を有すると同時に、高いエネルギー密度を有することができる。
【0057】
いくつかの実施例において、第1の正極膜層101の抵抗R1は0Ω<R1≦20Ωを満たし、選択的に、0Ω<R1≦5Ωである。
【0058】
いくつかの実施例において、第2の正極膜層102の抵抗R2は0Ω<R2≦20Ωを満たし、選択的に、0Ω<R2≦5Ωである。
【0059】
いくつかの実施例において、第1の負極膜層201の抵抗R3は0mΩ<R3≦200mΩを満たし、選択的に、0mΩ<R3≦50mΩである。
【0060】
いくつかの実施例において、第2の負極膜層202の抵抗R4は0mΩ<R4≦200mΩを満たし、選択的に、0mΩ<R4≦50mΩである。
【0061】
第1の正極膜層、第2の正極膜層、第1の負極膜層及び第2の負極膜層の抵抗がそれぞれ適切な範囲内にある場合、正極シートと負極シートの一致性がより高く、二次電池がより長いサイクル寿命を取得することに有利である。
【0062】
いくつかの実施例において、負極シート20はR4/R3≧1を満たし、かつ電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす。この時、二次電池はより長いサイクル寿命を有すると同時に、高いエネルギー密度を有する。
【0063】
例えば、R4/R3は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は以上の任意の数値で構成された範囲である。選択的に、負極シート20は1≦R4/R3≦30、1≦R4/R3≦25、1≦R4/R3≦20、1≦R4/R3≦15、1≦R4/R3≦10、1≦R4/R3≦8、1≦R4/R3≦5、1≦R4/R3≦4、1≦R4/R3≦3、1≦R4/R3≦2、1<R4/R3≦30、1<R4/R3≦25、1<R4/R3≦20、1<R4/R3≦15、1<R4/R3≦10、1<R4/R3≦8、1<R4/R3≦5、1<R4/R3≦4、1<R4/R3≦3、又は1<R4/R3≦2を満たす。
【0064】
例えば、R4/R3-R2/R1は0、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は以上の任意の数値で構成された範囲である。選択的に、電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1≦20、0≦R4/R3-R2/R1≦15、0≦R4/R3-R2/R1≦10、0≦R4/R3-R2/R1≦8、0≦R4/R3-R2/R1≦5、0≦R4/R3-R2/R1≦2、0<R4/R3-R2/R1≦20、0<R4/R3-R2/R1≦15、0<R4/R3-R2/R1≦10、0<R4/R3-R2/R1≦8、0<R4/R3-R2/R1≦5、0<R4/R3-R2/R1≦2、0.1≦R4/R3-R2/R1≦20、0.1≦R4/R3-R2/R1≦15、0.1≦R4/R3-R2/R1≦10、0.1≦R4/R3-R2/R1≦8、0.1≦R4/R3-R2/R1≦5、又は0.1≦R4/R3-R2/R1≦2を満たす。
【0065】
この時に第1の正極膜層101に対する第2の正極膜層102の抵抗比R2/R1は特に限定されず、R2/R1は1より大きいか、1に等しいか、又は1より小さい。例えば、R2/R1は0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は以上の任意の数値で構成された範囲である。選択的に、正極シート10は0<R2/R1≦20、0<R2/R1≦15、0<R2/R1≦10、0<R2/R1≦8、0<R2/R1≦5、0<R2/R1≦4、0<R2/R1≦3、0<R2/R1≦2、又は0<R2/R1≦1を満たす。
【0066】
例えば、負極シート20はR4/R3≧1を満たし、正極シート10は0<R2/R1≦20を満たし、かつ電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、電極組立体52は0<R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1≦5を満たす。選択的に、電極組立体52は0<R4/R3-R2/R1≦5を満たす。選択的に、電極組立体52は0.1≦R4/R3-R2/R1≦2を満たす。
【0067】
例えば、負極シート20は1≦R4/R3≦30を満たし、正極シート10は0<R2/R1≦20を満たし、かつ電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、電極組立体52は0<R4/R3-R2/R1≦20を満たす。選択的に、電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1≦5を満たす。選択的に、電極組立体52は0<R4/R3-R2/R1≦5を満たす。選択的に、電極組立体52は0.1≦R4/R3-R2/R1≦2を満たす。
【0068】
いくつかの実施例において、負極シート20は0<R4/R3<1を満たし、正極シート10は0<R2/R1<1を満たし、かつ電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1<1を満たす。この時、二次電池はより長いサイクル寿命を有すると同時に、高エネルギー密度を有する。
【0069】
例えば、R4/R3は0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は以上の任意の数値で構成された範囲である。選択的に、負極シート20は0<R4/R3≦0.9、0<R4/R3≦0.8、0<R4/R3≦0.7、0<R4/R3≦0.6、0.05≦R4/R3<1、0.05≦R4/R3≦0.9、0.05≦R4/R3≦0.8、0.05≦R4/R3≦0.7、0.05≦R4/R3≦0.6、0.1≦R4/R3<1、0.1≦R4/R3≦0.9、0.1≦R4/R3≦0.8、0.1≦R4/R3≦0.7、0.1≦R4/R3≦0.6、0.2≦R4/R3<1、0.2≦R4/R3≦0.9、0.2≦R4/R3≦0.8、0.2≦R4/R3≦0.7、又は0.2≦R4/R3≦0.6を満たす。
【0070】
例えば、R2/R1は0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は以上の任意の数値で構成された範囲である。選択的に、正極シート10は0<R2/R1≦0.9、0<R2/R1≦0.8、0<R2/R1≦0.7、0<R2/R1≦0.6、0.05≦R2/R1<1、0.05≦R2/R1≦0.9、0.05≦R2/R1≦0.8、0.05≦R2/R1≦0.7、0.05≦R2/R1≦0.6、0.1≦R2/R1<1、0.1≦R2/R1≦0.9、0.1≦R2/R1≦0.8、0.1≦R2/R1≦0.7、0.1≦R2/R1≦0.6、0.2≦R2/R1<1、0.2≦R2/R1≦0.9、0.2≦R2/R1≦0.8、0.2≦R2/R1≦0.7、又は0.2≦R2/R1≦0.6を満たす。
【0071】
例えば、R4/R3-R2/R1は0、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は以上の任意の数値で構成された範囲である。選択的に、電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1<1、0≦R4/R3-R2/R1≦0.9、0≦R4/R3-R2/R1≦0.8、0≦R4/R3-R2/R1≦0.7、0≦R4/R3-R2/R1≦0.6、0<R4/R3-R2/R1<1、0<R4/R3-R2/R1≦0.9、0<R4/R3-R2/R1≦0.8、0<R4/R3-R2/R1≦0.7、0<R4/R3-R2/R1≦0.6、0.05≦R4/R3-R2/R1<1、0.05≦R4/R3-R2/R1≦0.9、0.05≦R4/R3-R2/R1≦0.8、0.05≦R4/R3-R2/R1≦0.7、0.05≦R4/R3-R2/R1≦0.6、0.1≦R4/R3-R2/R1<1、0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.9、0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.8、0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.7、0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.6、0.2≦R4/R3-R2/R1<1、0.2≦R4/R3-R2/R1≦0.9、0.2≦R4/R3-R2/R1≦0.8、0.2≦R4/R3-R2/R1≦0.7、又は0.2≦R4/R3-R2/R1≦0.6を満たす。
【0072】
例えば、負極シート20は0<R4/R3<1を満たし、正極シート10は0<R2/R1<1を満たし、電極組立体52は0<R4/R3-R2/R1<1を満たす。
【0073】
例えば、負極シート20は0<R4/R3<1を満たし、正極シート10は0<R2/R1<1を満たし、電極組立体52は0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.9を満たす。
【0074】
例えば、負極シート20は0<R4/R3<1を満たし、正極シート10は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1<1を満たす。
【0075】
例えば、負極シート20は0<R4/R3<1を満たし、正極シート10は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、電極組立体52は0<R4/R3-R2/R1<1を満たす。
【0076】
例えば、負極シート20は0<R4/R3<1を満たし、正極シート10は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、電極組立体52は0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.9を満たす。
【0077】
例えば、負極シート20は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、正極シート10は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、電極組立体52は0≦R4/R3-R2/R1<1を満たす。
【0078】
例えば、負極シート20は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、正極シート10は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、電極組立体52は0<R4/R3-R2/R1<1を満たす。
【0079】
例えば、負極シート20は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、正極シート10は0.05≦R4/R3≦0.9を満たし、電極組立体52は0.1≦R4/R3-R2/R1≦0.8を満たす。
【0080】
いくつかの実施例において、正極シート10はR2/R1=1を満たし、負極シート20はR4/R3=1を満たし、この時に電極組立体52はR4/R3-R2/R1=0を満たす。
【0081】
説明すべきこととして、様々な理論的に実行可能な方式により、第1の正極膜層101の容量CAP1、及び第2の正極膜層102の容量CAP2を調整することができる。本願において、そのうちのいくつかの調整方式が挙げられ、理解すべきこととして、本明細書に挙げられた方式は、本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。
【0082】
例として、正極シート10が下記(1)~(3)のうちの一つ又は複数を満たす場合、第1の正極膜層101の容量CAP1は第2の正極膜層102の容量CAP2より小さい。
【0083】
(1)第1の正極膜層101の塗布重量は、第2の正極膜層102の塗布重量よりも小さい。
【0084】
(2)前記第1の正極活物質のグラム容量は前記第2の正極活物質のグラム容量より小さい。
【0085】
(3)w1<w2であり、w1は第1の正極膜層101の合計質量に対して前記第1の正極活物質の質量%含有量であり、w2は第2の正極膜層102の合計質量に対して前記第2の正極活物質の質量%含有量である。
【0086】
説明すべきこととして、様々な理論的に実行可能な方式により、第1の正極膜層101の抵抗R1、第2の正極膜層102の抵抗R2、第1の負極膜層201の抵抗R3、及び第2の負極膜層202の抵抗R4を調整することができる。本願において、そのうちのいくつかの調整方式が挙げられ、理解すべきこととして、本明細書に挙げられた方式は、本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。
【0087】
例として、正極シート10が下記(4)~(10)のうちの一つ又は複数を満たす場合、第2の正極膜層102の抵抗R2は第1の正極膜層101の抵抗R1より小さい。
【0088】
(4)前記第2の正極活物質の表面は導電性炭素層を有する。前記第2の正極活物質の表面に導電性炭素層を有し、前記第1の正極活物質の表面に導電性炭素層を有しない場合、第2の正極膜層102の抵抗R2を第1の正極膜層101の抵抗R1より小さくすることができる。
【0089】
(5)前記第2の正極導電剤の導電率は、前記第1の正極導電剤の導電率よりも大きい。第2の正極膜層102に導電率がより高い第2の正極導電剤を含ませることにより、第2の正極膜層102の抵抗R2を第1の正極膜層101の抵抗R1より小さくすることができる。
【0090】
(6)w3<w4であり、w3は第1の正極膜層101の合計質量に対して前記第1の正極導電剤の質量%含有量であり、w4は第2の正極膜層102の合計質量に対して前記第2の正極導電剤の質量%含有量である。
【0091】
(7)w5>w6であり、w5は第1の正極膜層101の合計質量に対して前記第1の正極接着剤の質量%含有量であり、w6は第2の正極膜層102の合計質量に対して前記第2の正極接着剤の質量%含有量である。
【0092】
(8)第2の正極膜層102の圧密度は、第1の正極膜層101の圧密度よりも小さい。
【0093】
(9)
図5に示すように、第2の正極膜層102は第2の正極本体層1021及び第2の正極導電性炭素層1022を含み、第2の正極導電性炭素層1022は第2の正極本体層1021の対向する二つの表面のうちの少なくとも一つの表面に位置する。
【0094】
(10)
図6に示すように、第1の正極膜層101は第1の正極本体層1011及び第1の正極セラミック層1013を含み、第1の正極セラミック層1013は第1の正極本体層1011の対向する二つの表面のうちの少なくとも一つの表面に位置する。選択的に、第1の正極セラミック層1013は酸化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、窒化ホウ素セラミックのうちの一種又は複数種を含む。
【0095】
理解できるように、
図5は第2の正極導電性炭素層1022が第2の正極本体層1021の対向する二つの表面に位置することを示すが、他の実施例において、第2の正極導電性炭素層1022はさらに第2の正極本体層1021の対向する二つの表面のうちの一つの表面に位置することができる。
図6は第1の正極セラミック層1013が第1の正極本体層1011の対向する二つの表面に位置することを示すが、他の実施例において、第1の正極セラミック層1013はさらに第1の正極本体層1011の対向する二つの表面のうちの一つの表面に位置することができる。
図7に示すように、正極シート10はさらに上記(9)及び(10)を同時に満たすことができ、それにより第2の正極膜層102の抵抗R
2は第1の正極膜層101の抵抗R
1より小さい。
【0096】
例として、正極シート10が下記(11)~(17)のうちの一つ又は複数を満たす場合、第2の正極膜層102の抵抗R2は第1の正極膜層101の抵抗R1より大きい。
【0097】
(11)前記第1の極活物質の表面は導電性炭素層を有する。前記第1の正極活物質の表面に導電性炭素層を有し、前記第2の正極活物質の表面に導電性炭素層を有しない場合、第2の正極膜層102の抵抗R2を第1の正極膜層101の抵抗R1より大きくすることができる。
【0098】
(12)前記第2の正極導電剤の導電率は、前記第1の正極導電剤の導電率よりも小さい。第1の正極膜層101に導電率がより高い第1の正極導電剤を含ませることにより、第2の正極膜層102の抵抗R2を第1の正極膜層101の抵抗R1より大きくすることができる。
【0099】
(13)w3>w4であり、w3は第1の正極膜層101の合計質量に対して前記第1の正極導電剤の質量%含有量であり、w4は第2の正極膜層102の合計質量に対して前記第2の正極導電剤の質量%含有量である。
【0100】
(14)w5<w6であり、w5は第1の正極膜層101の合計質量に対して前記第1の正極接着剤の質量%含有量であり、w6は第2の正極膜層102の合計質量に対して前記第2の正極接着剤の質量%含有量である。
【0101】
(15)第2の正極膜層102の圧密度は、第1の正極膜層101の圧密度よりも大きい。
【0102】
(16)
図8に示すように、第1の正極膜層101は第1の正極本体層1011及び第1の正極導電性炭素層1012を含み、第1の正極導電性炭素層1012は第1の正極本体層1011の対向する二つの表面のうちの少なくとも一つの表面に位置する。
【0103】
(17)
図9に示すように、第2の正極膜層102は第2の正極本体層1021及び第2の正極セラミック層1023を含み、第2の正極セラミック層1023は第2の正極本体層1021の対向する二つの表面のうちの少なくとも一つの表面に位置する。選択的に、第2の正極セラミック層1023は酸化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、窒化ホウ素セラミックのうちの一種又は複数種を含む。
【0104】
理解できるように、
図8は第1の正極導電性炭素層1012が第1の正極本体層1011の対向する二つの表面に位置することを示すが、他の実施例において、第1の正極導電性炭素層1012はさらに第1の正極本体層1011の対向する二つの表面のうちの一つの表面に位置することができる。
図9は第2の正極セラミック層1023が第2の正極本体層1021の対向する二つの表面に位置することを示すが、他の実施例において、第2の正極セラミック層1023はさらに第2の正極本体層1021の対向する二つの表面のうちの一つの表面に位置することができる。
図10に示すように、正極シート10はさらに上記(16)及び(17)を同時に満たすことができ、それにより第2の正極膜層102の抵抗R
2は第1の正極膜層101の抵抗R
1よりも大きい。
【0105】
例として、負極シート20が下記(a)~(g)のうちの一つ又は複数を満たす場合、第2の負極膜層202の抵抗R4は第1の負極膜層201の抵抗R3より大きい。
【0106】
(a)前記第1の負極活物質の表面は導電性炭素層を有する。前記第1の負極活物質の表面に導電性炭素層を有し、前記第2の負極活物質の表面に導電性炭素層を有しない場合、第2の負極膜層202の抵抗R4を第1の負極膜層201の抵抗R3より大きくすることができる。
【0107】
(b)前記第1負極導電剤の導電率は、前記第2負極導電剤の導電率よりも大きい。第1の負極膜層201に導電率がより高い第1の負極導電剤を含ませることにより、第2の負極膜層202の抵抗R4を第1の負極膜層201の抵抗R3より大きくすることができる。
【0108】
(c)w7>w8であり、w7は第1の負極膜層201の合計質量に対して前記第1の負極導電剤の質量%含有量であり、w8は第2の負極膜層202の合計質量に対して前記第2の負極導電剤の質量%含有量である。
【0109】
(d)w9<w10であり、w9は第1の負極膜層201の合計質量に対して前記第1の負極接着剤の質量%含有量であり、w10は前記第2の負極膜層202の合計質量に対して前記第2の負極接着剤の質量%含有量である。
【0110】
(e)第1の負極膜層201の圧密度は、第2の負極膜層202の圧密度よりも小さい。
【0111】
(f)
図11に示すように、第1の負極膜層201は第1の負極本体層2011及び第1の負極導電性炭素層2012を含み、第1の負極導電性炭素層2012は第1の負極本体層2011の対向する二つの表面のうちの少なくとも一つの表面に位置する。
【0112】
(g)
図12に示すように、第2の負極膜層202は第2の負極本体層2021及び第2の負極セラミック層2023を含み、第2の負極セラミック層2023は第2の負極本体層2021の対向する二つの表面のうちの少なくとも一つの表面に位置する。選択的に、第2の負極セラミック層2023は酸化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、窒化ホウ素セラミックのうちの一種又は複数種を含む。
【0113】
理解できるように、
図11は第1の負極導電性炭素層2012が第1の負極本体層2011の対向する二つの表面に位置することを示すが、他の実施例において、第1の負極導電性炭素層2012はさらに第1の負極本体層2011の対向する二つの表面のうちの一つの表面に位置することができる。
図12は第2の負極セラミック層2023が第2の負極本体層2021の対向する二つの表面に位置することを示すが、他の実施例において、第2の負極セラミック層2023はさらに第2の負極本体層2021の対向する二つの表面のうちの一つの表面に位置することができる。
図13に示すように、負極シート20はさらに上記(f)及び(g)を同時に満たすことができ、それにより第2の負極膜層202の抵抗R
4は第1の負極膜層201の抵抗R
3よりも大きい。
【0114】
例として、負極シート20は下記(h)~(n)のうちの一つ又は複数を満たす場合、第2の負極膜層202の抵抗R4は第1の負極膜層201の抵抗R3より小さい。
【0115】
(h)前記第2の負極活物質の表面は導電性炭素層を有する。前記第1の負極活物質の表面に導電性炭素層を有せず、前記第2の負極活物質の表面に導電性炭素層を有する場合、第2の負極膜層202の抵抗R4を第1の負極膜層201の抵抗R3より小さくすることができる。
【0116】
(i)前記第1負極導電剤の導電率は、前記第2負極導電剤の導電率よりも小さい。第2の負極膜層202に導電率がより高い第2の負極導電剤を含ませることにより、第2の負極膜層202の抵抗R4を第1の負極膜層201の抵抗R3より小さくすることができる。
【0117】
(j)w7<w8であり、w7は第1の負極膜層201の合計質量に対して前記第1の負極導電剤の質量%含有量であり、w8は第2の負極膜層202の合計質量に対して前記第2の負極導電剤の質量%含有量である。
【0118】
(k)w9>w10であり、w9は第1の負極膜層201の合計質量に対して前記第1の負極接着剤の質量%含有量であり、w10は第2の負極膜層202の合計質量に対して前記第2の負極接着剤の質量%含有量である。
【0119】
(l)第1の負極膜層201の圧密度は、第2の負極膜層202の圧密度よりも大きい。
【0120】
(m)
図14に示すように、第2の負極膜層202は第2の負極本体層2021及び第2の負極導電性炭素層2022を含み、第2の負極導電性炭素層2022は第2の負極本体層2021の対向する二つの表面のうちの少なくとも一つの表面に位置する。
【0121】
(n)
図15に示すように、第1の負極膜層201は第1の負極本体層2011及び第1の負極セラミック層2013を含み、第1の負極セラミック層2013は第1の負極本体層2011の対向する二つの表面のうちの少なくとも一つの表面に位置する。選択的に、第1の負極セラミック層2013は酸化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、窒化ホウ素セラミックのうちの一種又は複数種を含む。
【0122】
理解できるように、
図14は第2の負極導電性炭素層2022が第2の負極本体層2021の対向する二つの表面に位置することを示すが、他の実施例において、第2の負極導電性炭素層2022が第2の負極本体層2021の対向する二つの表面のうちの一つの表面に位置する。
図15は第1の負極セラミック層2013が第1の負極本体層2011の対向する二つの表面に位置することを示すが、他の実施例において、第1の負極セラミック層2013は第1の負極本体層2011の対向する二つの表面のうちの一つの表面に位置する。
図16に示すように、負極シート20はさらに上記(m)及び(n)を同時に満たすことができ、それにより第2の負極膜層202の抵抗R
4が第1の負極膜層201の抵抗R
3よりも小さい。
【0123】
いくつかの実施例において、正極集電体は金属箔又は複合集電体を採用することができる。金属箔の例として、正極集電体はアルミニウム箔を採用することができる。複合集電体は、高分子材料基層と、高分子材料基層の少なくとも一方の面に形成された金属材料層とを有してもよい。例として、金属材料はアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銀、銀合金から選択される一種又は複数種であってもよい。例として、高分子材料基層はポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)などから選択することができる。
【0124】
いくつかの実施例において、第1の正極活物質及び第2の正極活物質は本分野で公知の二次電池用正極活物質を採用することができる。例として、第1の正極活物質及び第2の正極活物質は互いに独立してリチウム遷移金属酸化物、オリビン構造のリチウム含有リン酸塩及びそれぞれの改質化合物のうちの一種又は複数種を含む。リチウム遷移金属酸化物は、例えば、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルト酸化物、リチウムマンガンコバルト酸化物、リチウムニッケルマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物およびそれらの改質化合物などのうちの一種又は複数種を含むが、これらに限定されない。オリビン構造のリチウム含有リン酸塩は、例えば、リン酸鉄リチウム、リン酸鉄リチウムと炭素の複合材料、リン酸マンガンリチウム、リン酸マンガンリチウムと炭素の複合材料、リン酸マンガン鉄リチウム、リン酸マンガン鉄リチウムと炭素の複合材料及びそれらのそれぞれの改質化合物のうちの一種又は複数種を含むが、これらに限定されない。本願はこれらの材料に限定されず、さらに二次電池正極活物質として使用可能な従来の公知の他の材料を使用することができる。これらの正極活物質は一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0125】
いくつかの実施例において、上記各正極活物質の改質化合物は正極活物質にドーピング改質、表面被覆改質、又はドーピング改質と表面被覆改質を同時に行うことができる。
【0126】
いくつかの実施例において、二次電池のエネルギー密度をさらに向上させるために、第1の正極活物質及び第2の正極活物質は互いに独立して式1に示すリチウム遷移金属酸化物及びその改質化合物のうちの一種又は複数種をさらに含むことができる。
【0127】
[式1]
LiaNibCocMdOeAf
【0128】
式1において、0.8≦a≦1.2、0.5≦b<1、0<c<1、0<d<1、1≦e≦2、0≦f≦1、MはMn、Al、Zr、Zn、Cu、Cr、Mg、Fe、V、Ti及びBから選択される一種又は複数種であり、AはN、F、S及びClから選択される一種又は複数種である。
【0129】
いくつかの実施例において、例として、第1の正極接着剤及び第2の正極接着剤は互いに独立してポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン-プロピレン三元共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン三元共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ素含有アクリレート樹脂のうちの一種又は複数種を含む。
【0130】
いくつかの実施例において、例として、第1の正極導電剤及び第2の正極導電剤は互いに独立して超伝導炭素、導電性黒鉛(例えばKS-6)、アセチレンブラック、カーボンブラック(例えばSuper P)、ケッチェンブラック、カーボンドット、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、カーボンナノファイバーのうちの一種又は複数種を含む。
【0131】
いくつかの実施例において、第1の正極膜層及び第2の正極膜層は一般的に正極スラリーを正極集電体に塗布し、乾燥、冷間プレスを経て形成される。正極スラリーは、通常、正極活物質、正極導電剤、正極接着剤および任意の他の成分を溶媒に分散させ、均一に撹拌して形成される。溶媒はN-メチルピロリドン(NMP)であってもよいが、これに限定されない。
【0132】
いくつかの実施例において、負極集電体は金属箔又は複合集電体を採用することができる。金属箔の例として、銅箔を採用することができる。複合集電体は、高分子材料基層と、高分子材料基層の少なくとも一方の面に形成された金属材料層とを有してもよい。例として、金属材料は銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銀、銀合金から選択される一種又は複数種であってもよい。例として、高分子材料基層はポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)などから選択することができる。
【0133】
いくつかの実施例において、第1の負極活物質及び第2の負極活物質は本分野で公知の二次電池用の負極活物質を採用することができる。例として、第1の負極活物質及び第2の負極活物質は互いに独立して人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、シリコン系材料、スズ系材料、チタン酸リチウムのうちの一種又は複数種を含む。ケイ素系材料は単体ケイ素、ケイ素酸素化合物、ケイ素炭素複合体、ケイ素窒素複合体及びケイ素合金から選択される一種又は複数種であってもよい。スズ系材料は単体スズ、スズ酸素化合物及びスズ合金から選択される一種又は複数種であってもよい。しかし、本願はこれらの材料に限定されるものではなく、さらに二次電池負極活物質として使用可能な従来の公知の他の材料を使用することができる。これらの負極活物質は一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0134】
いくつかの実施例において、例として、第1の負極接着剤及び第2の負極接着剤は互いに独立してスチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAAS)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸ナトリウム(SA)、ポリメタクリル酸(PMAA)及びカルボキシメチルキトサン(CMCS)のうちの一種又は複数種を含む。
【0135】
いくつかの実施例において、例として、第1の負極導電剤及び第2の負極導電剤は互いに独立して超伝導炭素、導電性黒鉛(例えばKS-6)、アセチレンブラック、カーボンブラック(例えばSuper P)、ケッチェンブラック、カーボンドット、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン及びカーボンナノファイバーのうちの一種又は複数種を含む。
【0136】
いくつかの実施例において、第1の負極膜層及び第2の負極膜層はさらに他の助剤、例えば増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムCMC-Na)を選択的に含むことができる。
【0137】
いくつかの実施例において、第1の負極膜層及び第2の負極膜層は一般的に負極スラリーを負極集電体に塗布し、乾燥、冷間プレスを経て形成される。負極スラリーは、通常、負極活物質、負極導電剤、負極接着剤および任意の他の成分を溶媒に分散させ、均一に撹拌して形成される。溶媒は脱イオン水であってもよいが、これに限定されない
[電解質]
【0138】
電解質は、正極シートと負極シートとの間で活性イオンを伝導する役割を果たす。本願の二次電池は電解質の種類に対して具体的な制限がなく、需要に応じて選択することができる。例えば、電解質は固体電解質及び液体電解質(即ち、電解液)のうちから選択する少なくとも一種ことができる。
【0139】
いくつかの実施例において、電解質は電解液を採用する。電解液は、電解質塩および溶媒を含む。
【0140】
いくつかの実施例において、電解質塩の種類は具体的に限定されず、実際の需要に応じて選択することができる。例として、電解質塩はヘキサフルオロリン酸リチウムLiPF6、テトラフルオロホウ酸リチウムLiBF4、過塩素酸リチウムLiClO4、ヘキサフルオロヒ酸リチウムLiAsF6、ビスフルオロスルホニルイミドリチウムLiFSI、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドリチウムLiTFSI、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムLiTFS、ジフルオロシュウ酸ホウ酸リチウムLiDFOB、ジシュウ酸ホウ酸リチウムLiBOB、ジフルオロリン酸リチウムLiPO2F2、ジフルオロジシュウ酸リン酸リチウムLiDFOP及びテトラフルオロシュウ酸リン酸リチウムLiTFOPから選択される一種又は複数種であってもよい。
【0141】
いくつかの実施例において、溶媒の種類は具体的に限定されず、実際の需要に応じて選択することができる。例として、溶媒はエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ギ酸メチル(MF)、酢酸メチル(MA)、酢酸エチル(EA)、酢酸プロピル(PA)、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)、プロピオン酸プロピル(PP)、酪酸メチル(MB)、酪酸エチル(EB)、1,4-ブチロラクトン(GBL)、スルホラン(SF)、ジメチルスルホン(MSM)、メチルエチルスルホン(EMS)及びジエチルスルホン(ESE)から選択される一種又は複数種である。
【0142】
いくつかの実施例において、溶媒は非水溶媒である。
【0143】
いくつかの実施例において、電解液はさらに添加剤を選択的に含むことができる。例えば添加剤は負極成膜添加剤を含んでもよく、正極成膜添加剤を含んでもよく、さらに電池のある性能を改善できる添加剤、例えば電池の過充電性能を改善する添加剤、電池の高温性能を改善する添加剤、電池の低温性能を改善する添加剤などを含んでもよい。
【セパレータ】
【0144】
電解液を採用する二次電池、及び固体電解質を採用するいくつかの二次電池において、セパレータをさらに含む。セパレータは正極シートと負極シートとの間に設置され、主に正負極の短絡を防止する役割を果たし、同時に活性イオンを通過させることができる。本願はセパレータの種類を特に限定せず、任意の公知の良好な化学的安定性及び機械的安定性を有する多孔質構造セパレータを選択することができる。
【0145】
いくつかの実施例において、セパレータの材質はガラス繊維、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリフッ化ビニリデンから選択される一種又は複数種であってもよい。セパレータは単層フィルムであってもよく、多層複合フィルムであってもよい。セパレータが多層複合フィルムである場合、各層の材料は同じであってもよく異なってもよい。
[電極組立体の製造方法]
【0146】
本願はさらに電極組立体を製造するための方法を提供し、前記方法は以下のステップを含むことができる。
【0147】
S10には、第1の正極活物質、第1の正極導電剤、第1の正極接着剤を溶剤に分散させかつ均一に撹拌して第1の正極スラリーを形成し、第2の正極活物質、第2の正極導電剤、第2の正極接着剤を溶剤に分散させかつ均一に撹拌して第2の正極スラリーを形成し、第1の正極スラリーと第2の正極スラリーをそれぞれ正極集電体の対向する二つの表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経て正極シートを得て、ここで、第1の正極スラリーと第2の正極スラリーはそれぞれ第1の正極膜層と第2の正極膜層を形成する。
【0148】
S20には、第1の負極活物質、第1の負極導電剤、第1の負極接着剤を溶媒に分散させかつ均一に撹拌して第1の負極スラリーを形成し、第2の負極活物質、第2の負極導電剤、第2の負極接着剤を溶媒に分散させかつ均一に撹拌して第2の負極スラリーを形成し、第1の負極スラリーと第2の負極スラリーをそれぞれ負極集電体の対向する二つの表面に塗布し、乾燥、冷間プレスを経て負極シートを得て、ここで第1の負極スラリーと第2の負極スラリーはそれぞれ第1の負極膜層と第2の負極膜層を形成する。
【0149】
S30には、正極シート、セパレータ及び負極シートを電極組立体に組み立て、ここで、第1の正極膜層が正極集電体のセパレータに近接する側に位置しかつ第2の負極膜層が負極集電体のセパレータに近接する側に位置し、又は、第1の正極膜層が正極集電体の前記セパレータから離れる側に位置しかつ第2の負極膜層が負極集電体のセパレータから離れる側に位置する。
【0150】
S40には、電極組立体をテストし、その中から0<CAP1/CAP2<1及びR4/R3-R2/R1≧0を同時に満たす電極組立体を選別し、ここで、CAP1はAh基準の第1の正極膜層の容量を示し、CAP2はAh基準の第2の正極膜層の容量を示し、R1はΩ基準の第1の正極膜層の抵抗を示し、R2はΩ基準の第2の正極膜層の抵抗を示し、R3はmΩ基準の第1の負極膜層の抵抗を示し、R4はmΩ基準の第2の負極膜層の抵抗を示す。
【0151】
本願の方法により得られた電極組立体は、いずれも二次電池のサイクル寿命を大幅に延長することができる。
【0152】
いくつかの実施例において、例として、正極シート、セパレータ、負極シートを巻回プロセス又は積層プロセスにより電極組立体を形成することができる。
【0153】
いくつかの実施例において、ステップS40において、選択的に、0.33≦CAP1/CAP2<1及び0≦R4/R3-R2/R1≦20を同時に満たす電極組立体を選別する。
【0154】
いくつかの実施例において、ステップS40において、選択的に、0.5≦CAP1/CAP2<1及び0<R4/R3-R2/R1≦20を同時に満たす電極組立体を選別する。
【0155】
いくつかの実施例において、ステップS40において、選択的に、0.5≦CAP1/CAP2≦0.9及び0.1≦R4/R3-R2/R1≦2を同時に満たす電極組立体を選別する。
【0156】
いくつかの実施例において、前記方法はさらに以下のステップを含む。S50には、当該ステップはさらに1≦R4/R3≦30及び0<R2/R1≦20を同時に満たす電極組立体を選別する。
【0157】
いくつかの実施例において、前記方法はさらに以下のステップを含む。S50には、当該ステップはさらに0<R4/R3<1及び0<R2/R1<1を同時に満たす電極組立体を選別する。
【0158】
いくつかの実施例において、前記方法はさらに以下のステップを含む。S50には、当該ステップはさらにR4/R3=1及びR2/R1=1を同時に満たす電極組立体を選別する。
電池モジュール及び電池パック
【0159】
本願のいくつかの実施例において、本願に係る二次電池は電池モジュールに組み立てることができる。電池モジュールに含まれる二次電池の数は複数であってもよく、具体的な数は電池モジュールの応用及び容量に応じて調整することができる。
【0160】
図17は、一例としての電池モジュール4の概略図である。
図17に示すように、電池モジュール4において、複数の二次電池5は電池モジュール4の長手方向に沿って順に配列して設置されてもよい。当然のことながら、他の任意の方式で配列することができる。さらに、この複数の二次電池5を締結具で固定してもよい。
【0161】
選択的に、電池モジュール4はさらに収容空間を有するハウジングを含むことができ、複数の二次電池5は当該収容空間に収容される。
【0162】
本願のいくつかの実施例において、上記電池モジュールはさらに電池パックに組み立てることができ、電池パックに含まれる電池モジュールの個数は電池パックの応用及び容量に応じて調整することができる。
【0163】
図18および
図19は、一例としての電池パック1の概略図である。
図18及び
図19に示すように、電池パック1は電池ボックス及び電池ボックス内に設置された複数の電池モジュール4を含むことができる。電池ボックスは上部筐体2及び下部筐体3を含み、上部筐体2は下部筐体3をカバーするために用いられ、かつ電池モジュール4を収容するための密閉空間を形成する。複数の電池モジュール4は、任意の態様で電池ボックス内に配置されてもよい。
電力消費装置
【0164】
本願の実施形態はさらに電力消費装置を提供し、前記電力消費装置は本願の二次電池、電池モジュール、電池パックのうちの少なくとも一種を含む。前記二次電池、電池モジュール又は電池パックは前記電力消費装置の電源として用いられてもよく、前記電力消費装置のエネルギー貯蔵ユニットとして用いられてもよい。前記電力消費装置は携帯機器(例えば、携帯電話、ノートパソコン等)、電動車両(例えば、純粋な電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電動自転車、電動スクータ、電動ゴルフカート、電動トラック等)、電気列車、船舶及び衛星、エネルギー貯蔵システム等であってもよいが、これらに限定されない。
【0165】
前記電力消費装置は、その使用需要に応じて二次電池、電池モジュール又は電池パックを選択することができる。
【0166】
図20は一例としての電力消費装置の概略図である。当該電力消費装置は純粋な電気自動車、ハイブリッド電気自動車、又はプラグインハイブリッド電気自動車等である。当該電力消費装置の高電力及び高エネルギー密度に対する需要を満たすために、電池パック又は電池モジュールを採用することができる。
【0167】
他の例としての電力消費装置は携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン等であってもよい。当該電力消費装置は一般的に軽量化及び薄型化が要求され、二次電池を電源として採用することができる。
実施例
【0168】
下記実施例は本願に開示された内容をより具体的に説明し、これらの実施例は詳細に説明するためのものに過ぎず、本願に開示された内容の範囲内で様々な修正及び変更を行うことは当業者にとって明らかである。特に断らない限り、以下の実施例に報告された全ての部、パーセント(%)、及び比はいずれも重量基準のものである。また、実施例に使用された全ての試薬はいずれも市販されるか又は従来の方法に従って合成して取得され、かつさらに処理する必要がなく直接使用することができ、実施例に使用された装置はいずれも市販される。
実施例1
【0169】
二次電池の構成を
図3に示す通りである。
正極シートの製造
【0170】
正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.1:2.7で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌して混合し、第1の正極スラリーを得て、第1の正極スラリーを正極集電体アルミニウム箔のセパレータに近接する側に塗布する。
【0171】
正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.1:2.7に応じて適量の溶媒NMP中で十分に撹拌して混合し、第2の正極スラリーを得て、第2の正極スラリーを正極集電体アルミニウム箔のセパレータから離れる側に塗布する。
【0172】
ここで、第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は0.76:1であり、第1の正極スラリーを乾燥し、冷間プレスした後に第1の正極膜層を形成し、第2の正極スラリーを乾燥し、冷間プレスした後に第2の正極膜層を形成する。
負極シートの製造
【0173】
負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得て、第1の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータから離れる側に塗布する。
【0174】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得て、第2の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータに近接する側に塗布する。
【0175】
ここで、第1の負極スラリーと第2の負極スラリーの塗布重量は同じであり、第1の負極スラリーを乾燥し、冷間プレスした後に第1の負極膜層を形成し、第2の負極スラリーを乾燥し、冷間プレスした後に第2の負極膜層を形成する。
セパレータ
【0176】
セパレータとしては、多孔質ポリエチレンフィルムを用いた。
電解液の調製
【0177】
エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)を体積比1:1:1で混合し、有機溶媒を得る。LiPF6を上記有機溶媒に均一に溶解して電解液を得て、ここで、LiPF6の濃度は1mol/Lである。
二次電池の作製
【0178】
上記製造された正極シート、セパレータ、負極シートを順に積層し巻回して、電極組立体を得る。電極組立体を外装に入れ、上記電解液を添加し、パッケージング、静置、化成、容量などの工程を経た後、二次電池を得る。化成プロセスは以下のとおりである。二次電池を0.1Cで3.0Vまで定電流充電し、さらに0.2Cで3.75Vまで定電流充電する。容量プロセスは以下のとおりである。二次電池を0.33Cで4.4Vまで定電流充電し、さらに0.05Cまで定電圧充電する。二次電池を0.33Cで2.5Vまで定電流放電し、さらに0.33Cで3.65Vまで定電流充電し、さらに0.05Cまで定電圧充電する。
実施例2
【0179】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、第1の負極膜層の圧密度を増加させることである。
実施例3
【0180】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0181】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比96.6:1.4:0.5:1.5にで適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。
実施例4
【0182】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は以下のとおりである。負極シートの製造における関連パラメータを調整する。
【0183】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得て、第1の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータから離れる側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータから離れる側にさらに厚さが0.5μmの導電性炭素層が塗布される。
実施例5
【0184】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0185】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌混合し、第1の負極スラリーを得て、第1の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータから離れる側に塗布する。
【0186】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得て、第2の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータに近接する側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが0.5μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例6
【0187】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0188】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得て、第2の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータに近接する側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが0.5μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例7
【0189】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0190】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌混合し、第1の負極スラリーを得て、第1の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータから離れる側に塗布する。
【0191】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得て、第2の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータに近接する側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが1.2μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例8
【0192】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0193】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得て、第2の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータに近接する側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータに近接する側に厚さが1.2μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例9
【0194】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0195】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比96.6:1.4:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。
【0196】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得て、第2の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータに近接する側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが1.5μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例10
【0197】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0198】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得て、第2の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータに近接する側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが2μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例11
【0199】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0200】
負極集電体のセパレータから離れる側にさらに厚さが2μmの導電性炭素層が塗布され、負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが2μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例12
【0201】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0202】
負極集電体のセパレータから離れる側にさらに厚さが2μmの導電性炭素層が塗布され、負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが4μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例13
【0203】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0204】
第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は0.6:1であり、かつ正極集電体のセパレータから離れる側にさらに厚さが2μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
【0205】
負極集電体のセパレータから離れる側にさらに厚さが2μmの導電性炭素層が塗布され、負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが6μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例14
【0206】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0207】
負極集電体のセパレータから離れた側にさらに厚さが2μmの導電性炭素層が塗布され、負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが6μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例15
【0208】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0209】
正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.2:2.6で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌し混合し、第1の正極スラリーを得る。正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.1:2.7で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌し混合し、第2の正極スラリーを得る。第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は、0.84:1である。
【0210】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌混合し、第1の負極スラリーを得て、第1の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータから離れる側に塗布する。
【0211】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得て、第2の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータに近接する側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが0.5μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
実施例16
【0212】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0213】
負極活物質が導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97.1:0.9:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。
実施例17
【0214】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0215】
正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.2:2.6で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌し混合し、第1の正極スラリーを得る。正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.1:2.7で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌し混合し、第2の正極スラリーを得る。第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は、0.84:1である。
【0216】
負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97.05:0.95:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得る。
実施例18
【0217】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0218】
正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.2:2.6で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌し混合し、第1の正極スラリーを得る。正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.1:2.7で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌し混合し、第2の正極スラリーを得る。第1の正極スラリーと第2の正極スラリーの塗布重量比は、0.84:1である。
【0219】
負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得る。
実施例19
【0220】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0221】
第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は0.84:1であり、かつ正極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが2μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
【0222】
負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97.05:0.95:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。
【0223】
負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得る。
実施例20
【0224】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0225】
第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は0.84:1であり、かつ正極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが1μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
【0226】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比96.95:1.05:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得る。
実施例21
【0227】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0228】
正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.1:2.7で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌して混合し、第1の正極スラリーを得て、第1の正極スラリーを正極集電体アルミニウム箔のセパレータに近接する側に塗布し、かつ正極集電体のセパレータに近接する側に厚さが1μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.3:2.5で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌して混合し、第2の正極スラリーを得て、第2の正極スラリーを正極集電体アルミニウム箔のセパレータから離れる側に塗布する。第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は、0.84:1である。
【0229】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得て、第1の負極スラリーを負極集電体銅箔のセパレータから離れる側に塗布し、かつ負極集電体のセパレータから離れる側に厚さが0.5μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得る。
実施例22
【0230】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0231】
第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は0.84:1であり、かつ正極集電体のセパレータに近接する側にさらに厚さが2μmの酸化アルミニウムセラミック層が塗布される。
【0232】
負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得る。
比較例1
【0233】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0234】
第1の正極スラリーと第2の正極スラリーの塗布重量は同じである。
【0235】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、負極スラリーを得る。負極スラリーを負極集電体銅箔の二つの表面に塗布し、乾燥し、冷間プレスした後、負極シートを得る。ここで、負極集電体の両側の塗布重量は同じである。
比較例2
【0236】
二次電池の製造方法は比較例1と類似し、異なる点は、負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0237】
第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は、0.76:1である。
比較例3
【0238】
二次電池の製造方法は実施例1と類似し、異なる点は、正極シート及び負極シートの製造における関連パラメータを調整することである。
【0239】
正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.2:2.6で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌し混合し、第1の正極スラリーを得る。正極活物質LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、接着剤PVDF、導電剤Super Pを重量比96.2:1.1:2.7で適量の溶媒NMP中で十分に撹拌し混合し、第2の正極スラリーを得る。第1の正極スラリー対第2の正極スラリーの塗布重量比は、0.84:1である。
【0240】
負極活物質黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比97:1:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第1の負極スラリーを得る。負極活物質としての導電性炭素層を有する黒鉛、導電剤Super P、増粘剤CMC-Na、接着剤SBRを重量比96.95:1.05:0.5:1.5で適量の溶媒脱イオン水で十分に撹拌し混合し、第2の負極スラリーを得る。
性能テスト部分
(1)正極膜層の容量テスト
【0241】
冷間プレスされた正極シートの第2の正極膜層を拭き取った後に直径が14mmの小さなウェハに打ち抜き、小さなウェハをグローブボックス内でボタン式電池に組み立て、その後にLAND試験機に0.1mAの定電流で充電カットオフ電圧まで充電し、さらに0.1mAの定電流で放電カットオフ電圧まで放電し、放電容量CAP0を得る。式CAP0×S1/S0により第1の正極膜層の容量CAP1を得て、S0は小さなウェハの面積であり、S1は第1の正極膜層の面積である。
【0242】
冷間プレスされた正極シートの第1の正極膜層を拭き取った後に直径が14mmの小さなウェハに打ち抜き、小さなウェハをグローブボックス内でボタン式電池に組み立て、その後にLAND試験機に0.1mAの定電流で充電カットオフ電圧まで充電し、さらに0.1mAの定電流で放電カットオフ電圧まで放電し、放電容量CAP0を得る。式CAP0×S2/S0により第2の正極膜層の容量CAP2を得て、S0は小さなウェハの面積であり、S2は第2の正極膜層の面積である。
(2)各膜層の抵抗テスト
【0243】
冷間プレスされた正極シートの第2の正極膜層を拭き取り、その後に電極シート抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、第1の正極膜層の抵抗R1を得る。冷間プレスされた正極シートの第1の正極膜層を拭き取り、その後に電極シート抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、第2の正極膜層の抵抗R2を得る。冷間プレスされた負極シートの第2の負極膜層を拭き取り、その後に電極シート抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、第1の負極膜層の抵抗R3を得る。冷間プレスされた負極シートの第1の負極膜層を拭き取り、その後に電極シート抵抗計の二つの導電端子の間に平行に配置し、一定の圧力を印加して固定し、第2の負極膜層の抵抗R4を得る。
【0244】
電極シート抵抗計の型番はIEST BER1000(IEST社製)であり、導電端子の直径は14mmであり、印加された圧力は15MPa~27MPaであり、サンプリングの時間範囲は10s~20sである。
(3)質量エネルギー密度テスト
【0245】
25℃で、二次電池を0.33Cで4.4Vまで定電流充電し、電流が0.05Cになるまで定電圧充電し続ける。二次電池を5min静置した後、0.33Cで2.5Vまで定電流放電し、放電エネルギーQを得る。
【0246】
二次電池の質量エネルギー密度(Wh/Kg)=放電エネルギーQ/二次電池の質量m。
(4)サイクル性能テスト
【0247】
25℃で、二次電池を0.5Cで4.4Vまで定電流充電し、電流が0.05Cになるまで定電圧充電し続け、この時に二次電池が満充電状態であり、この時の充電容量を記録し、1回目の充電容量とする。二次電池を5min静置した後、0.5Cで2.5Vまで定電流放電すると、これは一つのサイクル充放電過程であり、この時の放電容量を記録し、即ち1回目の放電容量である。二次電池を上記方法に応じてサイクル充放電テストを行い、二次電池の放電容量が1回目の放電容量の80%に減衰するまで、各サイクル後の放電容量を記録し、この時のサイクル数で二次電池の0.5Cレート条件でのサイクル性能を特徴付ける。二次電池のサイクル数が高いほど、サイクル性能が高い。
【0248】
表1及び表2に実施例1~22及び比較例1~3の性能テスト結果を示す。
【0249】
【0250】
【0251】
表2のテスト結果から分かるように、正極シートの両面抵抗と負極シートの両面抵抗との間の関係を合理的に設定することにより、電極組立体はR4/R3-R2/R1≧0を満たし、二次電池容量の減衰を遅延させかつ二次電池のサイクル寿命を大幅に延長することができる。さらに、電極組立体が0≦R4/R3-R2/R1≦20を満たす場合、二次電池は大幅に延長されたサイクル寿命及び高エネルギー密度を同時に有することができる。
【0252】
前記のように、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲はこれに限定されない。当業者であれば、本願に開示された技術的範囲内で、様々な等価の修正又は置換を容易に想到することができ、これらの修正又は置換はいずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本願の保護範囲は特許請求の範囲を基準とすべきである。
【国際調査報告】