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特表2023-550219充電装置、充電制御方法、電気エネルギー管理システム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】充電装置、充電制御方法、電気エネルギー管理システム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
H02J7/04 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552161
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 CN2022093862
(87)【国際公開番号】W WO2023060896
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202111198511.5
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲ロウ▼其▲棟▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡金▲博▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】但志▲敏▼
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CB06
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD06
(57)【要約】
【要約】
本願の実施例は、充電装置、充電制御方法、電気エネルギー管理システム及び記憶媒体を提供する。当該充電装置は、定電圧制御回路、出力ポート及び入力ポートを含む充電回路と、充電回路に並列接続され、負パルス電流を吸収するエネルギー吸収回路と、を備え、定電圧制御回路は、入力ポートを介して高電圧交流電力にアクセスし、出力ポートを介して電池に接続され、高電圧交流電力を低電圧直流電力に変換し、第1の期間に正パルス電流で電池を充電し、第2の期間に負パルス電流で電池を充電する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電圧制御回路(112)、出力ポート(113)、及び入力ポート(111)を備える充電回路(11)と、
前記充電回路(11)に並列接続され、且つ前記負パルス電流を吸収するエネルギー吸収回路(12)と、
を備え、
前記定電圧制御回路(112)は、前記入力ポート(111)を介して高電圧交流電力にアクセスし、前記出力ポート(113)を介して電池(20)に接続されることで、前記高電圧交流電力を低電圧直流電力に変換し、且つ第1の期間に正パルス電流で前記電池(20)を充電し、第2の期間に負パルス電流で前記電池(20)を充電する、
ことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記エネルギー吸収回路(12)は、さらに、前記定電圧制御回路(112)が前記正パルス電流を出力する時に切断される、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記エネルギー吸収回路(12)は、
第1の端子が前記充電回路(11)の第1の端子に接続されている散逸デバイス(R)と、
前記散逸デバイス(R)の第2の端子と前記充電回路(11)の第2の端子に接続されている第1のスイッチ(S1)と、を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記エネルギー吸収回路(12)は、
第1の端子が前記散逸デバイス(R)の第1の端子に接続されていて、第2の端子が前記充電回路(11)の第1の端子に接続されている第2のスイッチ(S2)をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項5】
前記定電圧制御回路(112)は、
前記入力ポート(111)に接続されているAC-DCモジュール(1121)と、
前記AC-DCモジュール(1121)と前記出力ポート(113)に接続されているDC-DCモジュール(1122)と、を備える、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項6】
前記エネルギー吸収回路(12)は、前記入力ポート(111)と前記AC-DCモジュール(1121)との間に接続されていて、
或いは、前記エネルギー吸収回路(12)は、前記AC-DCモジュール(1121)と前記DC-DCモジュール(1122)との間に接続されていて、
或いは、前記エネルギー吸収回路(12)は、前記DC-DCモジュール(1122)と前記出力ポート(113)との間に接続されている、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項7】
充電装置に接続されている電気エネルギー管理システムEMSに適用され、前記充電装置は請求項1~6のいずれか1項に記載の充電装置に構成され、前記充電装置はさらに電池に接続されている充電制御方法であって、
第1の期間に正パルス電流で前記電池を充電するように前記充電装置を制御することと、
第2の期間に負パルス電流で前記電池を充電するように前記充電装置を制御し、且つ前記負パルス電流を吸収するように前記エネルギー吸収回路を制御することと、を含む、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項8】
前記負パルス電流を吸収するように前記エネルギー吸収回路を制御した後、
前記充電装置の負パルス電流の充電回数を取得することと、
前記回数が閾値に達する時、正パルス電流で前記電池を一方向充電するように前記充電装置を制御することと、
前記回数が閾値に達していない時、第1の期間に正パルス電流で前記電池を充電するように前記充電装置を制御するステップを実行することと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の充電制御方法。
【請求項9】
前記第1の期間に正パルス電流で前記電池を充電するように前記充電装置を制御する前に、前記方法は、
前記電池に接続されていることと、
前記電池が負パルス充電ポリシーをサポートしない時、正パルス電流で前記電池を一方向充電するように前記充電装置を制御することと、
前記電池が負パルス充電ポリシーをサポートする時、第1の期間に正パルス電流で前記電池を充電するように前記充電装置を制御するステップを実行することと、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の充電制御方法。
【請求項10】
プロセッサ、ストレージ、及び前記ストレージに記憶され且つ前記プロセッサにより実行可能なプログラム又はコマンドを備え、
前記プログラム又はコマンドは前記プロセッサにより実行される時に請求項7~9のいずれか1項に記載の充電制御方法のステップを実現する、
ことを特徴とする電気エネルギー管理システム。
【請求項11】
プロセッサにより実行される時に請求項7~9のいずれか1項に記載の充電制御方法のステップを実現するプログラム又はコマンドが記憶されている、
ことを特徴とする読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年10月14日に提出された名称が「充電装置、充電制御方法、電気エネルギー管理システム及び記憶媒体」である中国特許出願202111198511.5の優先権を主張する。該出願の全ての内容は、引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、特に充電装置、充電制御方法、電気エネルギー管理システム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、新エネルギー自動車は、高いエネルギー変換率、快適な運転体験、及び温室効果ガスのゼロエミッション等の利点があるため、世界規模でかなりの発展を遂げ、新エネルギー自動車の性能を測定する重要な基準は充電可能な電池の充電時間であり、より短い充電時間は、新エネルギー自動車の使用体験を大幅に改善することができる。
【0004】
現在、使用されている新エネルギー自動車の充電技術は、一般的に充電スタンドを使用して新エネルギー自動車を急速充電し、充電スタンドを使用して電池を急速充電する関連技術の大部分には、双方向パルス充電方式が含まれるが、当該方法の充放電容量が限られ、超急速充電を実現することができない。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例の目的は、充電装置、充電制御方法、電気エネルギー管理システム及び記憶媒体を提供することであり、超急速充電を実現できる双方向パルス充電方式を提供することを目的とする。
【0006】
第1の態様では、本願の実施例は、定電圧制御回路、出力ポート及び入力ポートを含む充電回路を提供する。
【0007】
定電圧制御回路は、入力ポートを介して高電圧交流電力にアクセスし、出力ポートを介して電池に接続され、高電圧交流電力を低電圧直流電力に変換し、第1の期間に正パルス電流で電池を充電し、第2の期間に負パルス電流で電池を充電する。
【0008】
エネルギー吸収回路は、充電回路に並列接続されることで、負パルス電流を吸収する。
【0009】
このようにして、負パルス電流で電池を充電する時、電池の負パルス充電の逆電流を吸収して、当該逆電流が電力網に吸収されないため、電池の充放電容量に与える影響を低減することができることで、双方向パルス充電技術に基づいた超急速充電を実現することができる。
【0010】
選択可能な実施形態において、エネルギー吸収回路は、さらに定電圧制御回路が正パルス電流を出力する時に切断される。従って、安定した電池の充電を保証し、不必要な消費を避けることができる。
【0011】
別の選択可能な実施形態において、エネルギー吸収回路は、
第1の端子が充電回路の第1の端子に接続されている散逸デバイスと、
散逸デバイスの第2の端子と充電回路の第2の端子が接続されている第1のスイッチと、を備える。
【0012】
従って、エネルギー吸収回路の選択可能な回路構造を提供し、エネルギー吸収回路の柔軟な使用を実現する。
【0013】
更なる選択可能な実施形態において、エネルギー吸収回路は、
第1の端子が散逸デバイスの第1の端子に接続されていて、第2の端子が充電回路の第1の端子に接続されている第2のスイッチをさらに備える。
【0014】
従って、散逸デバイスと充電回路との2つの接続端子の間にいずれもスイッチデバイスが設置され、スイッチの破損を防止し、電池を正方向充電する時に散逸デバイスが開回路状態にあることを保証し、電池充電の安定性を向上させ、充電装置の不必要なエネルギー消費を減少することができる。
【0015】
さらに選択可能な実施形態において、定電圧制御回路は、
入力ポートに接続されているAC-DCモジュールと、
AC-DCモジュールと出力ポートに接続されているDC-DCモジュールと、を備える。
【0016】
従って、電圧の変換を実現すると共に、電池と高電圧側との電気的安全隔離をさらに提供することができ、電池に安定した電力を供給するのに役立つ。
【0017】
さらに選択可能な実施形態において、エネルギー吸収回路は、入力ポートとAC-DCモジュールとの間に接続されている。
【0018】
或いは、エネルギー吸収回路は、AC-DCモジュールとDC-DCモジュールとの間に接続されている。
【0019】
或いは、エネルギー吸収回路は、DC-DCモジュールと出力ポートとの間に接続されている。
【0020】
第2の態様では、本願の実施例は、充電装置に接続されている電気エネルギー管理システムEMSに適用される充電制御方法を提供しており、充電装置は、第1の態様に記載の充電装置に構成され、充電装置はさらに電池に接続され、上記充電制御方法は、
第1の期間に正パルス電流で電池を充電するように充電装置を制御することと、
第2の期間に負パルス電流で電池を充電するように充電装置を制御し、且つ負パルス電流を吸収するようにエネルギー吸収回路を制御することと、を含む。
【0021】
このようにして、負パルス電流で電池を充電する時、電池の負パルス充電の逆電流を吸収し、当該逆電流が電力網に吸収されないため、電池の充放電容量に与える影響を低減することができることで、双方向パルス充電技術に基づた超急速充電を実現することができる。
【0022】
選択可能な実施形態において、負パルス電流を吸収するようにエネルギー吸収回路を制御した後、さらに、
充電装置の負パルス電流の充電回数を取得することと、
回数が閾値に達する時、正パルス電流で電池を一方向充電するように充電装置を制御することと、
回数が閾値に達していない時、第1の期間に正パルス電流で電池を充電するように充電装置を制御するステップを実行することと、をさらに含む。
【0023】
従って、一方向充電(即ち、連続的に正パルス電流で電池を充電する)及び双方向パルス充電方式の柔軟な組み合わせを実現するのに役立つ。
【0024】
別の選択可能な実施形態において、第1の期間に正パルス電流で電池を充電するように充電装置を制御する前、方法は、さらに、
電池に接続されていることと、
電池が負パルス充電ポリシーをサポートしない時、正パルス電流で電池を一方向充電するように充電装置を制御することと、
電池が負パルス充電ポリシーをサポートする時、第1の期間に正パルス電流で電池を充電するように充電装置を制御するステップを実行することと、をさらに含む。
【0025】
従って、サポート可能な充電ポリシーに従って、対応するポリシーで電池を充電することができ、電池の正確な充電を実現することができる。
【0026】
第3の態様では、本願の実施例は、プロセッサ、ストレージ及びストレージに記憶され且つプロセッサで実行可能なプログラム又はコマンドを備え、プログラム又はコマンドがプロセッサにより実行される時に第2の態様に記載の方法のステップを実現する電気エネルギー管理システムを提供する。
【0027】
第4の態様では、本願の実施例は、プログラム又はコマンドが記憶されている、プログラム又はコマンドがプロセッサにより実行される時に第2の態様に記載の方法のステップを実現する読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0028】
本願の実施例において、充電装置の充電回路にエネルギー吸収回路が並列接続され、充電回路内の定電圧制御回路は第1の期間に正パルス電流値で電池を充電し、第2の期間に負パルス電流値で電池を充電し、この時、エネルギー吸収回路により負パルス電流が吸収される。このようにして、負パルス電流で電池を充電する時、電池の負パルス充電の逆電流を吸収し、当該逆電流が電力網に吸収されないため、電池の充放電容量に与える影響を低減することができることで、双方向パルス充電技術に基づいた超急速充電を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本願の実施例の技術的解決手段をより明らかに説明するために、以下に本願の実施例に使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下に記載されている図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって創造的労力を要することなく、添付される図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本願の実施例における双方向パルス充電のタイミング図である。
図2】本願の実施例における充電装置の構造ブロック図である。
図3】本願の実施例における充電装置の別の構造ブロック図である。
図4】本願の実施例における充電装置の電気回路構成図である。
図5】本願の実施例における充電装置の別の電気回路構成図である。
図6】本願の実施例が提供する充電制御方法のフローチャートである。
図7】本願の実施例が提供する充電制御方法の別のフローチャートである。
図8】本願の実施例が提供する充電制御方法の更なるフローチャートである。
図9】本願の実施例が提供する電子機器のハードウェア構成図である。
【0030】
図面において、図面は、実際の比率に応じて描かれていない。
【符号の説明】
【0031】
10 充電装置
11 充電回路
12 エネルギー吸収回路
111 入力ポート
112 定電圧制御回路
113 出力ポート
1121 AC-DCモジュール
1122 DC-DCモジュール
S1 第1のスイッチ
R 散逸デバイス
S2 第2のスイッチ
20 電池。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下は図面と実施例に合わせて本願の実施形態に対してさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明と図面は、本願の原理を例示的に説明するために用いられるが、本願の範囲を制限できず、即ち、本願は説明された実施例に限定されない。
【0033】
説明すべきことは、本願の説明において、他の説明がない限り、「複数」の意味は2つ以上を指し、用語「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等が指示した方向又は位置関係は、本願を説明しやすく、説明を簡略化するためのみであり、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造・操作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本願を限定するものと理解すべきではない。尚、また、用語「第1」、「第2」、「第3」などは、単に説明の目的で用いられ、相対的な重要性を指示し又は暗示すると理解できない。「垂直」は厳密な意味での垂直ではなく、誤差許容の範囲にある。「平行」は厳密な意味での平行ではなく、誤差許容の範囲にある。
【0034】
次の説明に使用される方向用語は、いずれも図面に示す方向であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。また、説明すべきこととして、本願の説明において、明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「接続」、「連続」は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよく、また、直接接続であってもよく、中間媒体を介する間接接続であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0035】
新エネルギー分野では、動力電池を電気消費装置(例えば、車両、船舶又は宇宙船等)の主な動力源として使用できるが、エネルギー貯蔵電池を電気消費装置の充電源として使用でき、両方の重要性は言うまでもない。制限することなく、例として、いくつかの応用シーンでは、動力電池は電気消費装置の電池であってもよく、エネルギー貯蔵電池は充電装置の電池であってもよい。説明を容易にするために、以下、動力電池とエネルギー貯蔵電池はいずれも電池と呼ばれる。
【0036】
現在、市販されている電池の多くは充電可能な蓄電池であり、最も一般的なものは、例えば、リチウムイオン電池又はリチウムイオンポリマー電池等のリチウム電池である。充電過程において、一般的には、連続充電で電池を充電するが、電池を連続的に充電すると、電池のリチウムの析出や発熱等の現象が発生する。リチウムの析出や発熱等の現象は電池性能を低減したり、サイクル寿命を大幅に短縮したりするだけでなく、電池の急速充電容量を制限し、燃焼、爆発等の致命的な結果を引き起こし、深刻な安全上の問題を引き起こす可能性もある。
【0037】
この目的のために、双方向パルス充電方法が現れている。図1を参照し、電池を充電する時、パルスで電池を断続的に放電する。あるいは、負パルス電流で電池を充電する。理論的には、正パルス電流で電池を充電する時、蓄電池で生成された分極電圧がそれ自体の充電を妨害する。充電を停止する時、抵抗分極がなくなり、濃度分極と電気化学的分極も徐々に弱くなる。蓄電池に逆パルス電流を出力させるための放電チャネルを蓄電池に提供すると、電気化学的分極が急速になくなり、同時に蓄電池内の温度も放電によって低下する。
【0038】
従って、双方向パルス充電方式を設定することによって、蓄電池充電過程において、電池への正パルス電流の出力を適時に一時停止し、負パルス電流を適切に加えると、各分極電圧を迅速且つ効果的に除去することができるので、充電速度を向上させ、リチウムの析出や発熱等の現象を減少することができる。
【0039】
しかし、本願の発明者らは、双方向パルス充電方法を使用して電池を充電する時、例えば1つの応用シーンでは、電池は自動車内等の電気消費装置内に設置し、充電スタンドによって当該自動車内の電池を充電する時、電池が負パルス電流を出力し、負パルス電流は充電装置を介して最終的に電力網により吸収される。負パルス電流によるエネルギーが電力網の許容な範囲を超える時に電力網連系放電を行うことができない。従って、双方向パルス充電技術の充放電容量は限られ、電池は超急速充電を実現することができない。
【0040】
上記の技術問題を解決するために、本願は、充電装置、充電制御方法、電気エネルギー管理システム及び記憶媒体を提出する。充電装置に高電圧交流電力を低電圧直流電力に変換することができる充電回路を設置し、且つ第1の期間に正パルス電流で電池を充電し、第2の期間に負パルス電流で電池を充電することで、電池の双方向パルス充電を実現することができる。充電回路にエネルギー吸収回路がさらに並列接続して設置され、当該エネルギー吸収回路は定電圧制御回路が負パルス電流で電池を充電する時、電池の負パルス充電の逆電流を吸収することができ、当該逆電流は電力網に吸収されないため、電力網連系放電を行うことができない状況を発生せず、即ち電池の充放電容量に影響を与えることはない。従って、双方向パルス充電技術に基づいた超急速充電を実現し、連続大電流で電池を充電することによる電池のリチウムの析出等のリスクを除去することができる。
【0041】
説明すべきことは、上記で言及される充電装置は、電池を動力源とする電気消費装置を充電することができる。ここで、電気装置は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電気玩具、電気工具、電気車両、電気自動車、船舶、宇宙船等であってもよいが、これらに限定されない。充電装置は、充電スタンド、充電ガン、充電キャビネット等であってもよい。
【0042】
図2を参照し、いくつかの実施例において、当該充電装置10は、充電回路11とエネルギー吸収回路12を備えてもよい。ここで、充電回路11は定電圧制御回路112、出力ポート113及び入力ポート111を備えてもよい。
【0043】
ここで、定電圧制御回路112は入力ポート111を介して高電圧交流電力にアクセスしてもよく、即ち、当該入力ポート111は、充電装置10と高電圧交流電力を提供する電力網とを接続するポートである。定電圧制御回路112は出力ポート113を介して電池20に接続されてもよい。例示的には、当該出力ポート113は、電池20の充電インターフェースに合わせる充電ガンのプラグインであってもよい。
【0044】
当該定電圧制御回路112は、高電圧交流電力を低電圧直流電力に変換し、第1の期間に正パルス電流で電池20を充電し、第2の期間に負パルス電流で電池20を充電することに用いられてもよい。
【0045】
エネルギー吸収回路12は、充電回路11に並列接続されてもよく、当該エネルギー吸収回路12は負パルス電流を吸収することに用いられてもよい。
【0046】
本願の実施例において、充電装置10の充電回路11はエネルギー吸収回路12に並列接続され、充電回路11内の定電圧制御回路112は第1の期間に正パルス電流値で電池20を充電し、第2の期間に負パルス電流値で電池20を充電し、この時にエネルギー吸収回路12が負パルス電流を吸収する。このようにして、負パルス電流で電池20を充電する時、電池20の負パルス充電の逆電流を吸収し、当該逆電流は電力網に吸収されないため、電池20の充放電容量の影響を低減することができることで、双方向パルス充電技術に基づいた超急速充電を実現することができる。
【0047】
ここで、充電回路11は基礎充電主回路とも呼ばれる。それは、充電装置10に電力網と電池20が接続されている後、充電装置10において最終的に電力網-充電装置10-電池20が完全な充放電プロセスを形成する経路を指すことができる。
【0048】
具体的には、当該実施例において、電力網は高電圧交流電力を提供することができ、充電装置10は主に、充電回路11内の定電圧制御回路112を介して高電圧交流電力を処理することができ、例えば、実装電力網により提供できる電力及び電池20の必要な電力に応じて電力を配分し、最後に電池20に適合で安定した低電圧直流電力を提供する。
【0049】
電力網が電池20へ安定した低電圧直流電力を提供する過程において、双方向パルス充電方式に従って電池20に電力を供給する。図1図2を合わせて参照し、定電圧制御回路112は、正、負パルス電流で交互に電池20を充電し、電流の方向は周期的に変化する。即ち、正パルス電流で電池20を充電する2つのタイミングの間に、負パルス電流で電池20を充電するプロセスが設定され、又は、電池20の放電段階が設定されている。
【0050】
図1に示すように、一つの選択可能な例において、当該第1の期間は第2の期間より大きくてもよい。例えば、第2の期間が2秒であり、初めて正パルス電流で低電圧直流電力を出力する時の第1の期間は5秒である。さらに、説明すべきことは、後に双方向パルス充電を実現する時の第1の期間と第2の期間は対応的に一致してもよいが、対応的に一致しなくてもよい。具体的には、実際の必要に応じて設定される。正パルス電流の大きさは、負パルス電流の大きさと一致してもよいが、一致しなくてもよい。
【0051】
充電装置10が双方向パルス充電方式に従って電池20を充電する時、電池20が放電して定電圧制御回路112から出力された電流を負パルス電流にさせ、この時に充電回路11に並列接続されたエネルギー吸収回路12は機能を発揮して、電池20からの放電エネルギーを吸収する。
【0052】
当該エネルギー吸収回路12は、充電回路11に追加される消費ユニット、又はエネルギー吸収を実現できる他のモジュール、又は他の電気消費機器であってもよい。エネルギー吸収回路12は、負パルス電流によるエネルギーを吸収することができ、そのコア吸収原理は、電気エネルギーを他のエネルギーに変換して消費されることである。例えば、散逸によってエネルギー消費を実現することができる。上記他のエネルギーの表現形式は、熱エネルギー、光エネルギー、機械エネルギー、電磁エネルギー等に限定されず、且つ散逸方法は、単一のエネルギー又は複数のエネルギー集合の消費であってもよい。例示的には、当該エネルギー吸収回路12は1つ又は複数の電力抵抗であってもよい。
【0053】
エネルギー散逸により、双方向パルス充電方式が正常に実行でき、電力網吸収等の逆パルス電流が高電圧交流電力の高電圧側に提供されることを防止し、電池20の充放電容量に影響を与えることはない。それにより、双方向パルス充電をサポートする場合、超急速充電を実現し、連続充電によるリチウムの析出の現象を減少させ、電池20の寿命を向上させることができる。
【0054】
定電圧制御回路112が正パルス電流で電池20を充電する時にエネルギー吸収回路12による不必要な消費を減少させ、電池20の安定した充電を保証し、当該エネルギー吸収回路12はさらに、定電圧制御回路112が正パルス電流を出力する時に切断してもよい。
【0055】
一つの選択可能な例において、スイッチ素子への制御を設定することで、電池20の放電時に放電の負パルスエネルギーを直接吸収することを実現し、正パルス電流で電池20を充電する時にエネルギー吸収回路12を切断し、エネルギー吸収回路12をバイパス状態にする。それにより、電池20の安定した充電を保証し、不必要な消費を避けることができる。
【0056】
別の選択可能な例において、定電圧制御回路112が完全な機能を提供させるために、図2図3を参照し、当該定電圧制御回路112は、AC-DC(Alternating Current-Direct Current、交流-直流)モジュール1121とDC-DC(Direct Current-Direct Current、直流-直流)モジュール1122を含んでもよい。AC-DCモジュール1121は入力ポート111に接続されてもよい。DC-DCモジュール1122はAC-DCモジュール1121と出力ポート113に接続されてもよい。
【0057】
ここで、AC-DCモジュール1121は交流直流変換双方向インバータであってもよく、それにより、電力網が提供する交流電力はAC-DCモジュール1121を経由して直流電力に変換して電池20を充電する。
【0058】
DC-DCモジュール1122は1つ又は複数のDC-DCユニットを含んでもよく、AC-DCの高電圧直流電力を低電圧直流電力に変換して電池20を充電することで、電圧変換を実現すると共に、電池20と高電圧側との電気的安全性の隔離をさらに提供することができ、電池20に安定的に電力を供給することができる。
【0059】
説明すべきことは、定電圧制御回路112が正パルス電流で電池20を充電する時、高電圧交流電力はAC/DCモジュール1121を介して電池20を充電し、負パルス電流で電池20を充電する時、AC/DCモジュール1121は出力を切断し、この時に負パルス電流のポート111へ流れる経路は遮断され、即ち電力網は電池20の放電電流を受け取ることができない。エネルギー吸収回路12は起動されて当該負パルス電流を吸収する。
【0060】
定電圧制御回路112によって提供されるAC-DCモジュール1121とDC-DCモジュール1122の接続構造に基づいて、上記エネルギー吸収回路12の接続位置は実際の必要に応じて設定することができ、当該充電回路11に並列接続され且つ負パルス電流の吸収を実現すればよい。
【0061】
例示的には、エネルギー吸収回路12は、入力ポート111とAC-DCモジュール1121との間に接続されてもよい。あるいは、エネルギー吸収回路12は、AC-DCモジュール1121とDC-DCモジュール1122との間に接続されてもよい。あるいは、エネルギー吸収回路12は、DC-DCモジュール1122と出力ポート113との間に接続されてもよい。
【0062】
さらに、説明すべきことは、DC-DCモジュール1122には、直列接続スイッチ、並列接続スイッチが設定されてもい。それにより、複数のDC-DCユニットの柔軟な直列接続と並列接続の制御を実現することができ、充電装置10は直列接続スイッチと第2の並列接続スイッチの調整に基づいて、電池20に様々な電圧仕様の複数の充電サービスを提供し、充電装置10のサービスの選択可能性を向上させる。
【0063】
図2図4を参照し、図4は充電装置10の選択可能な電気回路構成図を示し、特にエネルギー吸収回路12の選択可能な電気回路構成図を示す。当該選択可能な例において、エネルギー吸収回路12は散逸デバイスRと第1のスイッチS1を備える。
【0064】
散逸デバイスRの第1の端子は充電回路11の第1の端子に接続されてもよい。第1のスイッチS1は散逸デバイスRの第2の端子と充電回路11の第2の端子に接続されてもよい。
【0065】
例示的には、散逸デバイスRは1つの抵抗又は直列接続されている複数の抵抗であってもよい。例えば、電力抵抗であってもよく、大電力電気機器であってもよい。
【0066】
例示的には、第1のスイッチS1は、機械的スイッチ、電子スイッチ又はスイッチ機能を備える他の機器であってもよい。第1のスイッチS1は、定電圧制御回路112内に集積され、定電圧制御回路112の元々スイッチ機能付きのデバイスにより制御されてもよい。
【0067】
さらに、説明すべきことは、第1のスイッチS1を定電圧制御回路112内に集積する時、さらに、負パルス電流で出力する時、定電圧制御回路112の、元々交流電力を直流電力に変換する機能を切断し、即ちAC-DCモジュール1121を切断にすることができ、電池20の逆放電によりエネルギーが直流側から交流側へ伝達することを避け、さらに高電圧交流電力を提供する電力網に与える衝撃を避ける。
【0068】
それにより、当該例において、エネルギー吸収回路12の選択可能な回路構造を提供し、エネルギー吸収回路12の柔軟な使用を実現する。
【0069】
これをもとに、図2図5を参照し、エネルギー吸収回路12に第2のスイッチS2を含んでもよい。当該第2のスイッチS2の第1の端子は散逸デバイスRの第1の端子に接続されてもよく、第2のスイッチS2の第2の端子は充電回路11の第1の端子に接続されてもよい。
【0070】
即ち、エネルギー吸収回路12において、状態を切替可能な2つのスイッチが設置され、当該第2のスイッチS2のタイプは第1のスイッチS1と同じであるか又は類似してもよいが、ここでその説明を省略する。説明すべきことは、当該第1のスイッチS1と第2のスイッチS2の両方は、定電圧制御回路112が負パルス電流で電池20を充電し、即ち電池20が逆放電状態にある時にオンにし、それによりエネルギー吸収回路12内の散逸デバイスRは逆放電による放電電気エネルギーを直接吸収することができる。定電圧制御回路112が正パルス電流で電池20を充電する時、第1のスイッチS1と第2のスイッチS2はいずれも切断されることで、エネルギー吸収回路12を切断させてバイパス状態にさせる。
【0071】
それにより、散逸デバイスRと充電回路11の2つの接続端子の間にいずれも、スイッチデバイスを設定することで、スイッチの破損を防止し、散逸デバイスRが電池20の正方向充電時に開回路状態にあることを保証し、電池20の充電安定性を向上させ、充電装置10の不必要なエネルギー消費を減少することができる。
【0072】
更なる選択可能な例において、エネルギー吸収回路12は負パルス電流の吸収を実現する必要があり、且つ充電装置10は充電プロセスにおいて大量の熱消費が発生するため、充電装置10に放熱セットユニットを設定してもよい。実際の適用電力と放熱環境等に応じて、水冷放熱、風冷放熱等を含むがこれらに限定されない対応する放熱措置を講じることができる。
【0073】
上記図2図5に示す充電装置の選択可能な構造に基づいて、図6を参照し、本願により提供される充電制御方法の一実施例において、当該充電制御方法は、
電気エネルギー管理システムは、第1の期間に正パルス電流で電池を充電するように充電装置を制御するS610と、
電気エネルギー管理システムは、第2の期間に負パルス電流で電池を充電するように充電装置を制御し、且つ負パルス電流を吸収するようにエネルギー吸収回路を制御するS620と、を含んでもよい。
【0074】
説明すべきことは、S610とS620の充電装置は、上述の図1図5に示される実施例を参照する。そのうちの電気エネルギー管理システム(Energy Management System、EMS)は充電装置に電気的に接続されてもよく、充電装置と電気エネルギー管理システムが充電システムを構成する。当該電気エネルギー管理システムは充電装置ポリシーの制御プロセッサとして使用することができ、それにより充電装置は電気エネルギー管理システムによって外部との交互通信を可能にする。
【0075】
また、充電装置の制御を実現するために、電気エネルギー管理システムは充電装置内に設置されてもよく、個別に充電装置の外部に設置されてもよい。電気エネルギー管理システムが充電装置内に設置されている時、充電装置には、電気エネルギー管理システムの制御に基本的な電気エネルギーを提供するための補助電源システムを設置してもよい。
【0076】
本願の実施例において、電気エネルギー管理システムは、第1の期間に正パルス電流値で電池を充電するように定電圧制御回路を制御し、第2の期間に負パルス電流値で電池を充電するように定電圧制御回路を制御し、この時に電気エネルギー管理システムは、さらに負パルス電流を吸収するようにエネルギー吸収回路を制御する。このようにして、負パルス電流で電池を充電する時、電池の負パルス充電の逆電流を吸収し、当該逆電流が電力網に吸収されないため、電池の充放電容量に与える影響を低減することができることで、双方向パルス充電技術に基づいた超急速充電を実現することができる。
【0077】
図7を参照し、充電制御方法の別の選択可能な例において、S610とS620を除いて、S620の実行後に、
電気エネルギー管理システムは、充電装置の負パルス電流の充電回数を取得するS710と、
電気エネルギー管理システムは、負パルス電流の充電回数が閾値に達したか否かを判断し、達した場合、S730を実行し、達しない場合、S610に戻るS720と、
電気エネルギー管理システムは、正パルス電流で電池を一方向充電するように充電装置を制御するS730と、をさらに含む。
【0078】
説明すべきことは、本実施例が電池充電を実現する過程において、負パルス電流の充電回数が合計され、即ち電池の逆放電の累積実行回数が取得されている。しかし、多すぎる逆放電は電池の充電効果に影響を与えるため、回数が限られている双方向パルス充電方法によって電池のリチウム析出の現象を最大限且つ効果的に防止し、同時に電池の急速充電を保証することができる。
【0079】
これの上で、閾値が設定されて、閾値と負パルス電流の充電回数とを比較して、一方向充電(即ち、正パルス電流による電池への連続充電)と双方向パルス充電方法の柔軟な組み合わせを実現するのに役立つ。
【0080】
図8を参照し、充電制御方法の更なる選択可能な例において、S610とS620を除いて、S610の実行前に、
電気エネルギー管理システムが電池に接続されているS810と、
電気エネルギー管理システムにより電池が負パルス充電ポリシーをサポートするか否かを判断し、そうでない場合、S830を実行し、そうである場合、ステップS610を実行するS820と、
正パルス電流で電池を一方向充電するように充電装置を制御するS830と、をさらに含む。
【0081】
ここで、電池との接続は、電気エネルギー管理システムと電池との通信接続を指してもよい。当該通信接続は、電池充電前、且つ充電装置内の出力ポートと外部電池とを接続した後に実現してもよい。
【0082】
電気エネルギー管理システムは、通信プロトコルによって電池のパラメータ情報を取得することができ、パラメータ情報に基づいて電池のサポート可能な充電ポリシーを決定し、サポート可能な充電ポリシーに従って対応するポリシーで電池を充電し、電池の正確な充電を実現する。
【0083】
以下、図6図8を参照し、充電装置と電気エネルギー管理システムで構成された充電システムの選択可能な充電制御プロセスを説明する。
【0084】
充電装置内の出力ポートが電池に接続された後、電気エネルギー管理システムは電池に通信接続され、充電システムは標準充放電プロトコルによって充電の自己診断を行うことができる。充電の自己診断に合格した後、電気エネルギー管理システムは、電池の通信プロトコルによって現在の電池状態を特定してもよく、通信プロトコルにより取得されたパラメータ情報に基づいて当該電池が負パルス充電をサポートするか否か(双方向パルス充電方法をサポートするか否か)を特定してもよい。
【0085】
電池が負パルス充電の実行をサポートする場合、電気エネルギー管理システムは定電圧制御回路内の各モジュール及びエネルギー吸収回路に充電コマンドを送信し、当該充電コマンドには双方向パルス充電の正パルス電流の振幅値、負パルス電流の振幅値及びパルスの振幅値を含んでもよい。
【0086】
定電圧制御回路内のAC/DCモジュールが電気エネルギー管理システムからの充電コマンドを受信する場合、充電コマンドの設定値に基づいて電力網の高電圧交流電圧を所定の直流電圧及び正パルス電流に変換して出力することで、DC-DCモジュールによって電圧降下及び/又は電気的隔離を行った後、外部電池を充電する。
【0087】
電気エネルギー管理システムとAC/DCモジュールの両方とも、現在、正方向充電時間がポリシーの設定値(例えば第1の期間)に達したことを確認する場合、電気エネルギー管理システムは通信制御AC/DCモジュールによって切断されて出力を停止し、この時にエネルギー吸収回路が充電回路にアクセスし、次に電気エネルギー管理システムはDC/DCモジュールがポリシー要求に応じて電池を逆放電するように要求され、定電圧制御回路は負パルス電流で電池を充電する。エネルギー吸収回路は負パルス電流を吸収する。
【0088】
電気エネルギー管理システムとDC/DCモジュールの両方は、現在、逆放電時間がポリシー設定値(例えば第2の期間)に達したか否か、即ち逆時間要求に達したか否かを共に確認し、電気エネルギー管理システムは通信によってエネルギー吸収回路の切断を制御し、AC/DCモジュールは新たに起動して出力し、充電コマンドに従って引き続き電池を充電する。
【0089】
電気エネルギー管理システム、又は電気エネルギー管理システムと電池の両方は、共に負パルス電流の充電回数が閾値に達したか否かを確認する時、又は、電池が双方向パルス充電方法をサポートしない場合、充電システムは従来の一方向充電モードに入る。
【0090】
また、電気エネルギー管理システムと電池は、電池と充電システム全体の重要なパラメータをリアルタイムに監視することができる。例示的に、重要なパラメータは電池残量、電池コアの電圧、温度及び充電装置内の部品状態のうちの少なくとも1つを含んでもよい。故障が発生した場合、充電を終了する。
【0091】
図9は、本願の実施例が提供する電気エネルギー管理システムのハードウェア構成図を示す。ここで、電気エネルギー管理システムは、プロセッサ901とコンピュータプログラムコマンドが記憶されているストレージ902を含んでもよい。
【0092】
具体的には、上記プロセッサ901は、中央処理装置(CPU)又は専用の集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)を含んでもよいが、又は本願の実施例の1つ又は複数の集積回路を実施するように構成されてもい。
【0093】
ストレージ902は、データやコマンドのための大容量のストレージを含んでもよい。例えば、ストレージ901は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)、フレキシブルディスクドライブ、フラッシュストレージ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ又はユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ドライブ又は二つ以上のこれらの組み合わせを含むことができる。適当な場合に、ストレージ902は、取り外し可能又は取り外し不可能な(又は固定された)媒体を含んでもよい。適当な場合に、ストレージ902は、統合ゲートウェイ災害復旧機器の内部又は外部に配置されてもよい。特定の実施例において、ストレージ902は不揮発性固体メモリである。
【0094】
リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体デバイス、光記憶媒体デバイス、フラッシュメモリデバイス、電気、光学又は、他の物理/有形のメモリ記憶デバイスを含むことができる。したがって、一般的に、ストレージは、コンピュータ実行可能なコマンドを含む一つ以上のソフトウェアをコーディングした有形(非一時的)コンピュータ可読記憶媒体(例えば、ストレージデバイス)を含み、かつ該ソフトウェアが実行される(例えば、一つ又は、複数のプロセッサである)場合、それは、本開示の一態様に係る方法で説明された操作を操作して実行することができる。
【0095】
プロセッサ901は、ストレージ902に記憶されているコンピュータプログラムコマンドを読み取って実行することにより、上記の実施例における任意の充電制御方法を実現する。
【0096】
一例において、電気エネルギー管理システムは、通信インターフェース903とバス910を含んでもよい。こで、図9に示すように、プロセッサ901、ストレージ902、通信インタフェース903は、バス910を介して接続され且つ相互間の通信を完了する。
【0097】
通信インターフェース903は、主に本願の実施例における各モジュール、装置、ユニット及び/又はデバイスの間の通信を実現するために用いられる。
【0098】
バス910は、ハードウェア、ソフトウェア又は両方を含み、電気エネルギー管理システムの部品を互いに結合する。例えば非制限であり、バスは、アクセラレーテッド・グラフィクス・ポート(AGP)若しくはその他のグラフィック専用バス、EISA(Extended Industry Standard Architecture)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)インターコネクト、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンド・インターコネクト、LPC(low-pin-count)バス、メモリバス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、コンピュータ用拡張バスアーキテクチャ(PCI)バス、PCIエクスプレス(PCI-X)バス、シリアルATA(SATA)バス、VLB(Video Electronics Standards Association local)バス、若しくはその他の好適なバス、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。バス910は、一つ以上のバスを含んでいてもよい。バス910は、一つ以上のバスを含んでいてもよい。本願の実施例は特定のバスを図示して説明しているが、本願はいかなる好適なバス又はインターコネクトを意図している。
【0099】
当該電気エネルギー管理システムは、充電制御方法に基づいて、図6図8に合わせて記載した充電制御方法を実現することができる。
【0100】
また、上記実施例における充電制御方法に合わせて、本願の実施例は、コンピュータ記憶媒体を提供して実現することができる。当該コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラムコマンドが記憶され、当該コンピュータプログラムコマンドはプロセッサにより実行される時に上記実施例における任意の充電制御方法を実現する。コンピュータ記憶媒体の例は、電子回路、半導体メモリデバイス、ROM、フラッシュメモリ、消去可能ROM(EROM)、フロッピーディスク、CD-ROM、光ディスク、ハードウェアなど、有形の(非一時的)コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。
【0101】
好ましい実施例を参考して本願を説明したが、本願の範囲を逸脱しない状況において、様々な改良を行うことができ、その中の部品を等価物で置き換えることができる。特に、構造的衝突がない限り、各実施例に記載されている各技術的特徴は、任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内に含まれる全ての技術的解決手段を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】