(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】熱界面材料
(51)【国際特許分類】
C09J 163/00 20060101AFI20231124BHJP
C09J 175/04 20060101ALI20231124BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20231124BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
C09J163/00
C09J175/04
C09J11/06
C09J11/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516572
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021049615
(87)【国際公開番号】W WO2022056096
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519415100
【氏名又は名称】ディディピー スペシャルティ エレクトロニック マテリアルズ ユーエス,エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】521220884
【氏名又は名称】DDPスペシャルティ・プロダクツ・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】グルンダー、セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】アシュヴァンデン、マルセル
(72)【発明者】
【氏名】高橋 友徳
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ、アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040EC061
4J040EF331
4J040HC01
4J040JA13
4J040KA14
4J040KA16
4J040KA42
4J040LA06
4J040LA08
4J040NA16
4J040NA19
(57)【要約】
本明細書では、二液型熱界面材料が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む、二液型熱伝導性接着剤配合物のためのキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されているキット。
【請求項2】
前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)が、芳香族ジイソシアネートとポリエーテルポリオールとを反応させてからフェノールでキャッピングすることにより製造される、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)が、TDIとポリ(プロピレンオキシド)ジオールとを反応させてからカルダノールでキャッピングすることにより製造される、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)が、成分(A)の総重量を基準として1~3重量%で存在する、請求項1、2又は3に記載のキット。
【請求項5】
前記芳香族エポキシ樹脂(a2)が、ジフェノールとエピクロロヒドリンとの反応生成物である、請求項1~4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項6】
前記芳香族エポキシ樹脂(a2)が、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの反応生成物である、請求項1~5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
前記芳香族エポキシ樹脂(a2)が、成分(A)の総重量を基準として0.6~1.5重量%で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載のキット。
【請求項8】
前記エポキシシラン(a3)が下記式のものである、請求項1~7のいずれか一項に記載のキット:
【化1】
(式中、R
1、R
2、及びR
3は、独立してC
1~C
3アルキルから選択され、R
4は二価の有機ラジカルである)。
【請求項9】
前記エポキシシラン(a3)がガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランである、請求項1~8のいずれか一項に記載のキット。
【請求項10】
前記エポキシシラン(a3)が、成分Aの総重量を基準として0.25~0.6重量%で存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載のキット。
【請求項11】
前記求核性架橋剤(b1)が、ジアミン、トリアミン、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載のキット。
【請求項12】
前記求核性架橋剤(b1)が、C
2~C
6アルキレンポリ(アルキレンオキシド)ジオールに基づく主鎖を有するジアミンである、請求項1~11のいずれか一項に記載のキット。
【請求項13】
前記求核性架橋剤(b1)が、分子量約3000Daのトリアミンであり、ポリ(プロピレンオキシド)ジオールに基づく主鎖を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のキット。
【請求項14】
前記求核性架橋剤(b1)が、成分(B)の総重量を基準として1.5~3.3重量%で存在する、請求項1~13のいずれか一項に記載のキット。
【請求項15】
前記触媒(b2)が、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,4,6-トリス((ジメチルアミノ)メチル)フェノール、トリエタノールアミン、DMDEE(2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル)、ポリエチレンイミン、及びイミダゾール(4-メチルイミダゾールなど)を含む三級アミンから選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載のキット。
【請求項16】
前記触媒(b2)がジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである、請求項1~15のいずれか一項に記載のキット。
【請求項17】
前記触媒(b2)が、成分(B)の総重量を基準として0.075~0.15重量%で存在する、請求項1~16のいずれか一項に記載のキット。
【請求項18】
前記熱伝導性フィラーが、アルミナ、酸化アルミニウム、アルミナ三水和物若しくは三水酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド、及び黒鉛、又はそれらの混合物から選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載のキット。
【請求項19】
前記熱伝導性フィラーが、約3以上のD90/D50比によって特徴付けられる二峰性粒度分布を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載のキット。
【請求項20】
前記熱伝導性フィラーがATHである、請求項1~19のいずれか一項に記載のキット。
【請求項21】
前記熱伝導性フィラーが、成分(A)と(B)とを混合することから得られる混合物中に60~90重量%で存在する、請求項1~20のいずれか一項に記載のキット。
【請求項22】
請求項1~20のいずれか一項に記載の成分(A)と(B)とを混合し、前記混合物を硬化させることによって得られる、硬化した熱伝導性接着剤。
【請求項23】
前記原料が以下の濃度を有する、請求項22に記載の硬化した熱伝導性接着剤:
【表1】
【請求項24】
前記接着剤組成物が前記バッテリーモジュールと冷却基材との間に熱伝導性を付与するように、請求項1~21のいずれか一項に従って成分(A)と(B)を混合することで得られる硬化した接着剤組成物及び/又は機械的締結手段によってアセンブリ内の所定の位置に固定されたバッテリーモジュールを含む、バッテリーアセンブリ。
【請求項25】
バッテリーアセンブリの組み立て方法であって、
(1)請求項1~21のいずれか一項に従って成分(A)と(B)とをブレンドしてブレンドされた接着剤を製造する工程;及び
(2)前記ブレンドされた接着剤を塗布してバッテリーモジュールを所定の位置に固定し、熱伝導性を得る工程;
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二液型熱界面材料の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車業界では、ここ数十年で車両の重量を低減する傾向がみられた。この傾向は、主に自動車のCO2排出量を削減するための規制によって推進されてきた。近年、軽量構造の戦略は、電動式車両数の増加によって更に助長された。成長する自動車市場と成長する電気式車両の市場シェアとの組み合わせにより、電動式車両の数が大きく伸びている。電気自動車で長い走行距離を得るためには、高いエネルギー密度を持つバッテリーが必要とされる。いくつかのバッテリー戦略は、現在、細部が異なる構想に基づいているが、全ての長距離耐久バッテリーの構想で、熱管理が必要である点は共通している。
【0003】
バッテリーセル又はモジュールを冷却ユニットに熱的に接続するためは、熱伝導材料が必要とされる。バッテリーセルは、充電及び放電の動作中に熱を発生する。セルは、効率を失わないように適切な動作温度(好ましくは25~40℃)に保つ必要がある。更に、過熱により危険な熱暴走反応が開始される可能性がある。そのため、能動冷却が一般的に使用される。そのようなシステムでは、冷却された水とグリコールとの混合物が、バッテリーセル/モジュールが上に配置されている金属底板を冷却する流路を通してポンプで送られる。セルと冷却プレートとの間に断熱空気膜を持たないようにするために、熱界面材料が採用される。熱界面材料(TIM)は、モジュールを冷却プレートに熱的に接続することが必要とされる。すなわち、これらは2W/mKを超える高い熱伝導率を有さなければならない。そのような高い熱伝導率は、国際公開第2014047932A1号パンフレットに開示されているように、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムなどの熱伝導性フィラーを多量に(典型的には>50重量%)含むエポキシなどのポリマーマトリックスを配合することによって実現することができる。
【0004】
多峰性の三水酸化アルミニウム(ATH)又は酸化アルミニウムを使用すると、高い熱伝導率に到達することが報告されている。
【0005】
TIMのほとんどのバッテリー用途では、TIMは、冷却のための熱伝導率を提供すると共に、バッテリーモジュールを保護して所定の位置に保持するための機械的固定という2つの役割を果たす。特定のバッテリー設計及びOEM要件では、長期疲労試験に合格するためには、高い重ねせん断強さと凝集破壊モードが必要とされる。これにより、大きい動的振動にさらされた後であっても、バッテリーシステムが堅牢になる。ほとんどの二液型ポリウレタンに基づくTIMは、十分に高い重ねせん断強さを有しておらず、また基材への十分な優れた接着性を有していない。
【0006】
優れた熱伝導率及び優れた接着特性及び疲労性能を有するTIMが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様では、本発明は、
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)とブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び芳香族エポキシ樹脂(a2)との反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む、二液型熱伝導性接着剤配合物のためのキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キットを提供する。
【0008】
第2の態様では、本発明は、成分(A)と(B)を混合し、硬化させることによって得られる、硬化した熱伝導性接着剤を提供する。
【0009】
第3の態様では、本発明は、接着剤組成物がバッテリーモジュールと冷却基材との間に熱伝導性を付与するように、成分(A)と(B)を混合することで得られる硬化した接着剤組成物及び/又は機械的締結手段によってアセンブリ内の所定の位置に固定されたバッテリーモジュールを含むバッテリーアセンブリを提供する。
【0010】
第4の態様では、本発明は、
(1)成分(A)と(B)とをブレンドしてブレンドされた接着剤を製造する工程;及び
(2)ブレンドされた接着剤を塗布してバッテリーモジュールを所定の位置に固定し、熱伝導性を得る工程;
を含む、バッテリーアセンブリの組み立て方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
驚くべきことに、本発明者らは、熱伝導性接着剤(熱伝導率>2W/mK)において、ブロックドポリウレタンプレポリマーと組み合わせて芳香族エポキシ樹脂及びエポキシシランを添加すると、0.8MPaより大きい重ねせん断強さで高い凝集破壊モードが得られるのみならず、優れた疲労性能も得られることを見出した。
【0012】
定義及び略称
MDI:4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
【0013】
本明細書で報告されるポリマーの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC:size exclusion chromatography)により決定した数平均分子量又は重量平均分子量としてダルトン(Da)で報告される。
【0014】
一実施形態では、本発明は、
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)とブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び芳香族エポキシ樹脂(a2)との反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む、二液型熱伝導性接着剤配合物のためのキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キットを提供する。
【0015】
熱伝導性フィラー
熱伝導性フィラーは、特に限定されない。
【0016】
適切な熱伝導性フィラーは、5W/m°Kより大きい、10W/m°Kより大きい、又は15W/m°Kより大きい熱伝導率係数を有するものである。熱伝導性フィラーの例としては、アルミナ、アルミナ三水和物若しくは三水酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド、及び黒鉛、又はそれらの混合物が挙げられる。特に好ましい実施形態は、三水酸化アルミニウム(ATH)及び酸化アルミニウムであり、ATHが最も好ましい。
【0017】
好ましい実施形態では、熱伝導性フィラーは、約3以上のD90/D50比によって特徴付けられる広い粒度分布を有する。特に好ましくは、熱伝導性フィラーは、約3以上のD90/D50比によって特徴付けられる広い粒度分布を有するATH又は酸化アルミニウムであり、最も好ましくはATHである。
【0018】
同様に、二峰性粒度分布を有する熱伝導性フィラーも好ましい。二峰性分布は、例えば、D90/D50比が約3以上、より好ましくは約5以上、より特に好ましくは約9以上である場合である。例えば、5~20ミクロンのD50及び70~90ミクロンのD90、特に7~9ミクロンのD50及び78~82ミクロンのD90を有する粒子である。粒度は、レーザー回折を使用して決定することができる。ATHのために、適切な溶媒は、Na4P2O7x10H2Oなどの分散助剤を好ましくは1g/lで含む脱イオン水である。好ましいものは、酸化アルミニウム及び二峰性分布を有するATH、特にATHである。
【0019】
熱伝導性フィラーは、好ましくは、約2.0W/mK以上、好ましくは約2.5以上、より好ましくは約2.8以上、更に好ましくは約2.9以上、最も好ましくは約3.0以上の熱伝導率を与える濃度で最終接着剤中に存在する。例えば、これは、通常、50重量%を超える、より好ましくは60重量%を超える、より特に好ましくは70重量%を超える熱伝導性フィラーの濃度を必要とする。特に好ましい実施形態では、熱伝導性フィラーは、80重量%より多く存在する。好ましくは、最終接着剤中の熱伝導性フィラーの含有量は、高いレベルでは接着強度及び耐衝撃性に悪影響がある可能性があるため、93重量%未満である。特に好ましい実施形態では、熱伝導性フィラーは85~90重量%で存在する。
【0020】
熱伝導性フィラーは、成分(A)、成分(B)、又はその両方に存在し得る。好ましい実施形態では、熱伝導性フィラーは、両方に存在すると成分(A)と成分(B)が混合されるときに熱伝導性フィラーを適切に分布させるのに必要な混合の量が減ることから、成分(A)と成分(B)の両方に存在する。好ましくは、これは、成分(A)と(B)の両方の中に同様の又は同じ濃度で存在する。特に好ましい実施形態では、これは、混合物の総重量を基準として、成分(A)と(B)の最終混合物中に85~90重量%で存在する。好ましくは、これは成分(A)と(B)の両方に85重量%で存在する。
【0021】
特に好ましい実施形態では、熱伝導性フィラーは、D90/D50比が約8以上のATHであり、成分(A)又は成分(B)の総重量を基準として85~89重量%の濃度で成分(A)と(B)の両方の中で使用される。
【0022】
ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)
接着剤組成物の成分(A)は、フェノールでキャッピングされた、ポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物であり、好ましくは15~25重量%のフェノールと70~85重量%の芳香族ポリイソシアネートとの反応生成物である、ブロックドポリウレタンプレポリマーを含む。好ましくは、反応はスズ触媒を用いて行われる。
【0023】
ポリイソシアネートは、脂肪族、芳香族、又は混合であってよく、芳香族ポリイソシアネートが好ましい。芳香族ポリイソシアネートの例としては、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、及びナフタレンジイソシアネート(NDI)が挙げられ、これらは全てポリオールと反応することができる。特に好ましいものは、ポリオールと反応したトルエンジイソシアネート(TDI)である。
【0024】
ポリオールは、好ましくはポリエーテルポリオールである。ポリオールは2つ以上のOH基を有してもよい。ポリエーテルポリオールの例としては、ポリ(アルキレンオキシド)ジオールが挙げられ、その中のアルキレン基はC2~C6であり、特に好ましくはアルキレン基はC2~C4である。適切なポリオールの例としては、ポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(プロピレンオキシド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールが挙げられる。ポリ(プロピレンオキシド)ジオール、特にポリ(プロピレングリコール)が特に好ましい。
【0025】
特に好ましいものは、芳香族ジイソシアネートとポリエーテルポリオール、特に上に挙げたものとの反応生成物であり、その後フェノールでキャッピングされる。
【0026】
キャッピングに使用されるフェノールは、好ましくは以下の式のフェノールである:
【化1】
(式中、Rは飽和又は不飽和のC
15鎖であり、特に好ましくはRは飽和のC
15鎖である)。
【0027】
特に好ましいものは、TDIをポリ(プロピレンオキシド)ジオールと反応させることによって製造されるポリイソシアネートであり、特に得られるポリイソシアネートが約950の当量を有する場合である。
【0028】
フェノール含有化合物は、典型的には、フェノール基に結合した直鎖炭化水素を有して、化合物に何らかの脂肪族的特性を提供する。直鎖炭化水素は、好ましくは、約3個以上の炭素原子、より好ましくは約5個以上の炭素原子、更に好ましくは約8個以上の炭素原子、最も好ましくは約10個以上の炭素原子を含む。直鎖炭化水素は、好ましくは、約50個以下の炭素原子、約30個以下の炭素原子、約24個以下の炭素原子、又は約18個以下の炭素原子を含む。特に好ましいフェノールはカルダノールである。
【0029】
特に好ましい実施形態では、約4~5%のNCO含有量及び約500~1500g/eqの当量を有するポリエーテルポリオールと、トルエンジイソシアネートを反応させることによって、ブロックドポリウレタンプレポリマーが製造される。
【0030】
別の好ましい実施形態では、ブロックドポリウレタンプレポリマーは、トルエンジイソシアネートに基づく芳香族ポリイソシアネートをカルダノールと、好ましくは70~85重量%のTDIに基づくポリイソシアネートを15~25重量%のカルダノールと、反応させることによって製造される。好ましくは、反応はスズ触媒を用いて行われる。
【0031】
ポリウレタンプレポリマーの分子量データは、Malvern Viscothek GPC max装置を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。EMSURE-THF(ACS,Reag.Ph EUR、分析用)を溶離液として用い、PL GEL MIXED D(Agilent、300×7.5mm、5μm)をカラムとして用い、MALVERN Viscotek TDAを検出器として用いた。
【0032】
ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)は、好ましくは、成分(A)の総重量を基準として0.5~5重量%、より好ましくは1~3重量%、特に好ましくは1.5~2.2重量%の濃度で成分(A)中に存在する。
【0033】
好ましい実施形態では、ブロックドポリウレタンプレポリマーは、TDIをポリ(プロピレンオキシド)ジオールと反応させ、特に得られるポリイソシアネートが約950の当量を有する場合にはカルダノールでキャッピングすることによって、成分(A)の総重量を基準として1.5~2.2重量%、好ましくは約2重量%で製造される。
【0034】
使用の際、成分(A)と(B)は、基材への塗布前又は塗布と同時に混合される。最終的な混合された接着剤中のブロックドポリウレタンプレポリマーの濃度は、最終的な混合された接着剤を製造するために使用される成分(A)及び(B)の割合から計算することができる。好ましい実施形態では、成分(A)と(B)は、1:1の体積比で混合され、この場合、最終接着剤中のブロックドポリウレタンプレポリマーの濃度は、成分(A)の値の半分になる。
【0035】
芳香族エポキシ樹脂(a2)
成分(A)は、芳香族エポキシ樹脂を含む。芳香族エポキシ樹脂は、好ましくは、ジフェノールとエピクロロヒドリンとの反応生成物である。適切なジフェノールの例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールFが挙げられ、ビスフェノールAが特に好ましい。
【0036】
特に好ましい実施形態では、芳香族エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの反応生成物であり、以下の特徴を有する。
【0037】
【0038】
芳香族エポキシ樹脂は、好ましくは、成分(A)の総重量を基準として0.3~2重量%、より好ましくは0.6~1.5重量%、特に好ましくは1~1.2重量%の濃度で成分(A)の中に存在する。
【0039】
好ましい実施形態では、芳香族エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの反応生成物であり、以下の特徴を有し、成分(A)の総重量を基準として1~1.2重量%である。
【0040】
【0041】
使用の際には、成分(A)と(B)は、基材への塗布前又は塗布と同時に混合される。最終的な混合された接着剤中の芳香族エポキシ樹脂の濃度は、最終的な混合された接着剤を製造するために使用される成分(A)及び(B)の割合から計算することができる。好ましい実施形態では、成分(A)と(B)は、1:1の体積比で混合され、この場合、最終接着剤中の芳香族エポキシ樹脂の濃度は、成分(A)の値の半分になる。
【0042】
エポキシシラン(a3)
成分(A)はエポキシシランを含む。エポキシシランは、エポキシ部位に結合したジ又はトリアルコキシシラン部位を有する任意の分子である。適切なエポキシ樹脂は下記式のものである:
【化2】
(式中、R
1、R
2、及びR
3は、独立してC
1~C
3アルキルから選択され、R
4は二価の有機ラジカルである)。
【0043】
好ましい実施形態では、R1、R2、及びR3は、独立して、エチル及びメチルから選択され、メチルが好ましく、特にはR1、R2、及びR3がメチルである場合である。
【0044】
R4は、好ましくは、アルキレン、好ましくはC2~C12アルキレン、より好ましくはC2~C6アルキレン、特に好ましくはプロピレンである。
【0045】
特に好ましい実施形態では、エポキシシランはガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
【0046】
エポキシシランは、好ましくは、成分(A)の総重量を基準として0.2~0.75重量%、より好ましくは0.25~0.6重量%、特に好ましくは0.5重量%で、成分(A)の中に存在する。
【0047】
特に好ましい実施形態では、エポキシシランは、成分(A)の総重量を基準として0.2~0.75重量%、より好ましくは0.25~0.6重量%、特に好ましくは約0.5重量%のガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
【0048】
使用の際には、成分(A)と(B)は、基材への塗布前又は塗布と同時に混合される。最終的な混合された接着剤中のエポキシシランの濃度は、最終的な混合された接着剤を製造するために使用される成分(A)及び(B)の割合から計算することができる。好ましい実施形態では、成分(A)と(B)は、1:1の体積比で混合され、この場合、最終接着剤中のエポキシシランの濃度は、成分(A)の値の半分になる。
【0049】
求核性架橋剤(b1)
成分(B)は、ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤を含む。
【0050】
求核性架橋剤は、好ましくはジアミン又はトリアミンであり、トリアミンが好ましい。アミン基は、独立して、二級又は一級であってよく、一級が好ましい。
【0051】
求核性架橋剤は、好ましくは1,500~4,000Da、より好ましくは2,000~3,500Daの分子量を有し、約3,000Daが特に好ましい。
【0052】
求核性架橋剤は、好ましくは、ポリ(アルキレンオキシド)ジオール、特にC2~C6アルキレン、より具体的にはC2~C4アルキレンに基づく骨格を有し、C3アルキレンが最も好ましい。特に好ましくは、骨格はプロピレングリコールのポリエーテルに基づく。
【0053】
特に好ましい実施形態では、求核性架橋剤は、アミン基の90%を超える一級アミンと、約3,000Daの分子量と、プロピレングリコールのポリエーテルに基づく骨格とを有するトリアミンである。
【0054】
より特に好ましくは、求核性架橋剤は、約3000の分子量の三官能性ポリエーテルアミン:
【化3】
であり、以下の特徴を有する。
【0055】
【0056】
求核性架橋剤は、好ましくは、成分(B)の総重量を基準として0.1~10重量%、1~5重量%、より好ましくは1.5~3.3重量%、特に好ましくは3~3.2重量%の濃度で成分(B)の中に存在する。
【0057】
特に好ましい実施形態では、求核性架橋剤は、約3000の分子量の三官能性ポリエーテルアミン:
【化4】
であり、以下の特徴を有し、成分(B)の総重量を基準として3~3.2重量%である。
【0058】
【0059】
使用の際には、成分(A)と(B)は、基材への塗布前又は塗布と同時に混合される。最終的な混合された接着剤中の求核性架橋剤の濃度は、最終的な混合された接着剤を製造するために使用される成分(A)及び(B)の割合から計算することができる。好ましい実施形態では、成分(A)と(B)は、1:1の体積比で混合され、この場合、最終接着剤中の求核性架橋剤の濃度は、成分(A)の値の半分になる。
【0060】
触媒(b2)
成分(B)は、求核剤(b1)とブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び芳香族エポキシ樹脂(a2)との反応を促進することができる触媒を含む。
【0061】
触媒は、好ましくはルイス塩基及びルイス酸から選択される。好ましいものは、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,4,6-トリス((ジメチルアミノ)メチル)フェノール、DMDEE(2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル)、4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール、トリエタノールアミン、ポリエチレンイミンを含む三級アミンである。
【0062】
ジオクチルスズジネオデカノエートなどの有機スズ化合物、並びにテトラブチルチタネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、及びビスマスネオデカノエートなどの他の金属触媒も同様に適している。
【0063】
特に好ましいものはジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである。
【0064】
触媒は、成分(B)の総重量を基準として好ましくは0.05~0.2重量%、より好ましくは0.075~0.15重量%、より特に好ましくは約0.1重量%で使用される。
【0065】
他の成分
成分(A)及び(B)は、
・不飽和脂肪酸、特にC16~C18脂肪酸のエステル、特にメチルエステル、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどの可塑剤;
・ポリカプララクトンなどの安定剤;
・染料及び着色剤;
・カーボンブラック、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ウォラストナイトなどのフィラー(熱伝導性フィラー以外);
・ヘキサデシルトリメトキシシランなどの粘度低下剤;
などの他の原料を更に含み得る。
【0066】
硬化した熱伝導性接着剤
本発明は、成分(A)と(B)とを混合し、硬化させることから得られる硬化した熱伝導性接着剤も提供する。
【0067】
成分(A)と(B)は任意の比率で混合することができる。好ましくは、原料の最終濃度は、(A)と(B)とを混合した後、次の範囲内に収まる:
【0068】
【0069】
基材への塗布
成分(A)と(B)は混合され、手動塗布システム、又は20Lのペール若しくは200Lのドラム若しくは任意の他の好ましい容器を使用するポンプシステムを用いる自動化された方法などの公知の方法を使用して、基材に塗布することができる。
【0070】
特徴
硬化した接着剤組成物は、ASTM5470-12(実施例に記載)に従って測定される約2.0W/mK以上(好ましくは約2.5以上、より好ましくは約2.8以上、更に好ましくは約2.9以上、最も好ましくは約3.0以上)の熱伝導率によって特徴付けられる。
【0071】
硬化した接着剤組成物は、好ましくは、実施例で測定されるDIN EN1465:2009による、0.7MPaを超える、より好ましくは0.8又は0.9MPaを超える重ねせん断強さを有する。
【0072】
二液型組成物は室温で硬化する(好ましくは、混合後24時間エージングした後、圧入力が約100%以上増加することを特徴とする)。
【0073】
バッテリーアセンブリ及び組み立て方法
本発明は、混合物が硬化したときにセルと基材との間に熱伝導性を付与するように、成分(A)と(B)を混合することで得られる硬化した接着剤組成物及び/又は機械的締結手段によってアセンブリ内の所定の位置に固定されたバッテリーモジュールを含むバッテリーアセンブリも提供する。
【0074】
成分(A)と(B)は、望まれる比率で混合され、バッテリーセルを物理的及び電気的に分離するような形式で、並びにセルを冷却するように設計された基材上の所定の位置に固定するような形式で、混合物が塗布され、その後硬化され、その結果、混合物が硬化したときにセルと基材との間に熱伝導性が付与される。
【0075】
ASTM5470-12(実施例に記載)に従って測定される、アセンブリ中の接着剤の熱伝導率は、好ましくは2.0W/mK以上、より好ましくは約2.5以上、より特に好ましくは約2.8以上である。
【0076】
特に好ましい実施形態
以下は、本発明の接着剤キットのいくつかの好ましい実施形態の例である。
1.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む、二液型熱伝導性接着剤配合物のためのキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されており、前記ブレンドが2.0W/mKより大きい熱伝導率を有する、キット。
【0077】
2.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1に記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が更に三水酸化アルミニウムである熱伝導性フィラーを含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0078】
3.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1又は2に記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されており、前記熱伝導性フィラーが前記ブレンドの総重量を基準として60~90重量%で存在する、キット。
【0079】
4.
(A)
(a1)芳香族ジイソシアネートとポリエーテルポリオールとを反応させてからフェノールでキャッピングすることにより製造される芳香族ポリイソシアネートの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1、2、又は3に記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0080】
5.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)ジフェノールとエピクロロヒドリンとの反応生成物である芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~4のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0081】
6.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)下記式のエポキシシラン:
【化5】
(式中、R
1、R
2、及びR
3は、独立してC
1~C
3アルキルから選択され、R
4は二価の有機ラジカルである)
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~5のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0082】
7.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)ジアミン又はトリアミンであり、アミン基が一級又は二級である求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~6のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0083】
8.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)ルイス塩基及びルイス酸から選択され、好ましくは、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,4,6-トリス((ジメチルアミノ)メチル)フェノール、DMDEE(2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル)、イミダゾール(4-メチルイミダゾールなど)、トリエタノールアミン、及びポリエチレンイミンを含む三級アミンである触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~7のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0084】
9.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~8のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0085】
10.
(A)
(a1)芳香族ジイソシアネートとポリエーテルポリオールとを反応させてからフェノールでキャッピングすることにより製造される芳香族ポリイソシアネートの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)ジフェノールとエピクロロヒドリンとの反応生成物である芳香族エポキシ樹脂、
(a3)下記式のエポキシシラン:
【化6】
(式中、
1、R
2、及びR
3は、独立してC
1~C
3アルキルから選択され、R
4は二価の有機ラジカルである)
を含む第1の成分;
(B)
(b1)ジアミン又はトリアミンであり、アミン基が一級又は二級である求核性架橋剤、
(b2)ルイス塩基及びルイス酸から選択され、好ましくは、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,4,6-トリス((ジメチルアミノ)メチル)フェノール、DMDEE(2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル)、イミダゾール(4-メチルイミダゾールなど)、トリエタノールアミン、及びポリエチレンイミンを含む三級アミンである触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~9のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0086】
11.
(A)
(a1)成分(A)の総重量を基準として0.5~5重量%の、ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~10のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0087】
12.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)成分(A)の総重量を基準として0.3~2重量%の芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~11のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0088】
13.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)成分(A)の総重量を基準として0.2~0.75重量%のエポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~12のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0089】
14.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)成分(B)の総重量を基準として1~5重量%の、前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~13のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0090】
15.
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)成分(B)の総重量を基準として0.05~0.2重量%の、求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む実施形態1~14のいずれか1つに記載のキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されている、キット。
【0091】
16.
(A)
(a1)TDIをポリ(プロピレンオキシド)ジオールと反応させることによって製造される、成分(A)の総重量を基準として1.5~2.2重量%のブロックドポリウレタンプレポリマーであって、得られるポリイソシアネートの当量が約950であり、カルダノールでキャッピングされているプレポリマー、
(a2)エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの反応生成物であり、以下の特徴を有する、成分(A)の総重量を基準として1~1.2重量%の芳香族エポキシ樹脂:
【0092】
【0093】
(a3)成分(A)の総重量を基準として0.25~0.6重量%の、ガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランであるエポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)約3000の分子量の三官能性ポリエーテルアミン
【化7】
であり、以下の特徴を有する、成分(B)の総重量を基準として3~3.2重量%の求核性架橋剤:
【0094】
【0095】
(b2)0.05~0.2重量%の、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである触媒;
を含む第2の成分;
を含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載のキットであって、D90/D50比が約8以上のATHである熱伝導性フィラーを成分(A)及び/又は成分(B)が更に含み、成分(A)と成分(B)が一緒にブレンドされたときにその濃度が85~90重量%である、キット。
【0096】
17. 前記熱伝導性フィラーが、約8以上のD90/D50比を有するATHである、実施形態1~16のいずれか1つに記載のキット。
【0097】
18. 成分(A)と成分(B)が一緒にブレンドされたときに前記熱伝導性フィラーの濃度が85~90重量%であるように、前記熱伝導性フィラーが成分(A)、成分(B)、又はその両方に存在する、実施形態1~17のいずれか1つに記載のキット。
【0098】
19. 成分(A)、成分(B)、又はその両方に可塑剤が更に含まれる、実施形態1~18のいずれか1つに記載のキット。
【0099】
20. 前記可塑剤が、不飽和C16~C18脂肪酸のメチルエステル、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、及びこれらの混合物から選択される、実施形態19に記載のキット。
【0100】
21. 実施形態1~20のいずれか1つに従って成分(A)と(B)とを混合し、混合物を硬化することによって製造される、硬化した接着剤。
【0101】
22. 前記接着剤組成物がバッテリーモジュールと冷却基材との間に熱伝導性を付与するように、実施形態1~21のいずれか1つに従って成分(A)と(B)を混合することで得られる硬化した接着剤組成物及び/又は機械的締結手段によってアセンブリ内の所定の位置に固定されたバッテリーモジュールを含む、バッテリーアセンブリ。
【0102】
23. バッテリーアセンブリの組み立て方法であって、
(1)実施形態1~22のいずれか1つに従って成分(A)と(B)とをブレンドしてブレンドされた接着剤を製造する工程;及び
(2)ブレンドされた接着剤を塗布してバッテリーモジュールを所定の位置に固定し、熱伝導性を得る工程;
を含む方法。
【実施例】
【0103】
【0104】
【0105】
ブロックドポリウレタンプレポリマーGF200:GF200は、芳香族ポリイソシアネートAとカルダノールとの反応生成物である。反応手順: カルダノール(22.1重量%)及び芳香族ポリイソシアネートA(77.85重量%)を反応器内で60℃に加熱した。次いで、ジブチルスズジラウレート触媒(0.05重量%)を添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、80℃で45分間撹拌し、次いで真空下で10分間撹拌した。次いで、無色の反応生成物を室温まで冷却し、容器に移した。
【0106】
D.E.R.エポキシ樹脂[芳香族エポキシ樹脂(a2)]
エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの反応生成物であり、以下の特性を有する:
【0107】
【0108】
ジアミンA[求核性架橋剤(b1)]
【化8】
ジアミンAは、主鎖にオキシプロピレン繰り返し単位を有するポリアミンの一群のうちの1つである。上の構造で示されるように、ジアミンAは、約2000の平均分子量を有する二官能性一級アミンである。そのアミン基は、脂肪族ポリエーテル鎖の末端の二級炭素原子上に位置している。
【0109】
トリアミンA[求核性架橋剤(b1)]
トリアミンAは、約3000の分子量を有する三官能性ポリエーテルアミンである。
【化9】
これは、以下の特徴を有する:
【0110】
【0111】
ATH[熱伝導性フィラー]
以下の特徴を有する二峰性分布のATHを使用した:
【0112】
【0113】
成分A及び成分Bの調製
表2に列挙した原料をプラネタリーミキサー又は二重非対称遠心分離機で混合することにより実験用配合物を調製した。第1段階では、液相を混合してから固体材料を配合物に添加した。配合物を真空下で約30分混合してから、カートリッジ、ペール缶、又はドラム缶に充填した。
【0114】
接着剤の処方
接着剤のA液とB液をスタティックミキサーで1:1の体積比で混合し、手動カートリッジシステムから塗布した。
【0115】
試験方法
圧入力
圧入力は、張力計(Zwick)で測定した。金属面に接着剤材料を置いた。直径40mmのアルミニウムピストンをその上に置き、その材料を5mmまで圧縮する(初期位置)。次いで、その材料を1mm/秒の速度で圧縮して0.3mmとし、力-変位曲線を記録した。続いて厚さ0.5mmにおける力(N)を表2に記録し、これを圧入力とみなす。
【0116】
熱伝導率
熱伝導率は、ASTM5470-12に従い、ZFW Stuttgart製熱界面材料テスター上で測定した。試験は厚さ1.8~1.2mmのSpaltplusモードで実施した。本記載の熱界面材料は、ASTM5470-12で説明されているタイプI(粘稠液体)であるとみなした。上側接触部を約40℃に加熱し、下側接触部を約10℃に加熱したところ、試料温度は約25℃になった。手動カートリッジシステムから塗布する際に、接着剤のA液及びB液をスタティックミキサーで混合した。結果を表2に記載する。
【0117】
分子量
ポリウレタンプレポリマーの分子量データを、Malvern Viscothek GPC max装置を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。EMSURE-THF(ACS,Reag.Ph EUR、分析用)を溶離液として用い、PL GEL MIXED D(Agilent、300×7.5mm、5μm)をカラムとして用い、MALVERN Viscotek TDAを検出器として用いた。
【0118】
重ねせん断試験
重ねせん断強さは、DIN EN1465:2009に従って測定した。電着塗装したスチール基材(140×25mm、厚さ0.8mm)を使用した。基材は使用前にイソプロパノールで洗浄した。成分(A)と(B)を1:1の体積で混合し、得られた接着剤を1つの基材に塗布した後、2つ目の基材を5分以内に接合した。
厚さを1.4mmに調整し、重なり領域は25mm×25mmであった。材料を硬化させ、23℃、相対湿度50%で7日間おいた後、重ねせん断試験を行った。その後、重ねせん断試料を張力計に取り付け、1mm/分の引張速度を使用して従来の方法で重ねせん断試験を行った。力のたわみ曲線を観察した。破断時の強度を重ねせん断強さとして表2に報告する。
【0119】
粘度
レオロジー測定は、平行板形状のAnton Paar MC302レオメーターで行った。直径25mmのプレートを使用し、ギャップは0.5mmに固定した。配合物を2枚のプレートの間に入れ、せん断速度試験を0.001~201/sで行った。101/sにおける粘度が表2に報告されている。
【0120】
【0121】
表2の結果は、全ての組成物が2.5W/moKより大きい許容可能な熱伝導率を有することを示している。しかしながら、芳香族エポキシ樹脂(a2)及びエポキシシラン(a3)を含まない比較例CE1及びCE2は、低い圧入力、容認できない低い重ねせん断強さ、及び非常に高いレベルの接着破壊を有している。芳香族エポキシ樹脂(a2)を有するがエポキシシラン(a3)を含まない比較例CE3及びCE4も、許容できない低い重ねせん断強さを有し、CE3は高レベルの接着破壊を有している。芳香族エポキシ樹脂(a2)を含まないがエポキシシラン(a3)を有する比較例CE5は、許容できないほど低い重ねせん断強さ及び高いレベルの接着破壊を有している。
【0122】
対照的に、本発明の接着剤の代表である実施例1及び2は、より高い熱伝導率、優れた重ねせん断強さ、及び100%の凝集破壊を有している。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)
(a1)ポリイソシアネートとフェノールとの反応生成物であるブロックドポリウレタンプレポリマー、
(a2)芳香族エポキシ樹脂、
(a3)エポキシシラン、
を含む第1の成分;
(B)
(b1)前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)と反応することができる求核性架橋剤、
(b2)求核剤(b1)と前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)及び前記芳香族エポキシ樹脂(a2)との前記反応を促進することができる触媒、
を含む第2の成分;
を含む、二液型熱伝導性接着剤配合物のためのキットであって、
成分(A)及び/又は成分(B)が熱伝導性フィラーを更に含み、成分(A)と(B)が使用前に一緒にブレンドされるように設計されているキット。
【請求項2】
前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)が、芳香族ジイソシアネートとポリエーテルポリオールとを反応させてからフェノールでキャッピングすることにより製造される、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)が、TDIとポリ(プロピレンオキシド)ジオールとを反応させてからカルダノールでキャッピングすることにより製造される、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記ブロックドポリウレタンプレポリマー(a1)が、成分(A)の総重量を基準として1~3重量%で存在する、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記芳香族エポキシ樹脂(a2)が、ジフェノールとエピクロロヒドリンとの反応生成物である、請求項1に記載のキット。
【請求項6】
前記芳香族エポキシ樹脂(a2)が、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの反応生成物である、請求項1に記載のキット。
【請求項7】
前記芳香族エポキシ樹脂(a2)が、成分(A)の総重量を基準として0.6~1.5重量%で存在する、請求項1に記載のキット。
【請求項8】
前記エポキシシラン(a3)が下記式のものである、請求項1に記載のキット:
【化1】
(式中、R
1、R
2、及びR
3は、独立してC
1~C
3アルキルから選択され、R
4は二価の有機ラジカルである)。
【請求項9】
前記エポキシシラン(a3)がガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランである、請求項1に記載のキット。
【請求項10】
前記エポキシシラン(a3)が、成分Aの総重量を基準として0.25~0.6重量%で存在する、請求項1に記載のキット。
【請求項11】
前記求核性架橋剤(b1)が、ジアミン、トリアミン、及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載のキット。
【請求項12】
前記求核性架橋剤(b1)が、C
2~C
6アルキレンポリ(アルキレンオキシド)ジオールに基づく主鎖を有するジアミンである、請求項1に記載のキット。
【請求項13】
前記求核性架橋剤(b1)が、分子量約3000Daのトリアミンであり、ポリ(プロピレンオキシド)ジオールに基づく主鎖を有する、請求項1に記載のキット。
【請求項14】
前記求核性架橋剤(b1)が、成分(B)の総重量を基準として1.5~3.3重量%で存在する、請求項1に記載のキット。
【請求項15】
前記触媒(b2)が、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,4,6-トリス((ジメチルアミノ)メチル)フェノール、トリエタノールアミン、DMDEE(2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル)、ポリエチレンイミン、及びイミダゾール(4-メチルイミダゾールなど)を含む三級アミンから選択される、請求項1に記載のキット。
【国際調査報告】