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特表2023-550271自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B60N2/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526179
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 EP2021079781
(87)【国際公開番号】W WO2022090291
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202020106236.0
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020132657.2
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペレスカ、フランツ
(72)【発明者】
【氏名】シコラ、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】コールマン、ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】シュツッテレッカー、ルカス
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CD05
3B087CE06
(57)【要約】
本発明は、自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート(10)に関し、上記チャイルドシート(10)は、シートシェルと、シートシェル(50)に取り付けられた、または取付け可能であり、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に前記所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃保護要素と、シートを休止位置に動かすことを困難にするため、および/または休止位置に恒常的に設置されることを困難にし、または防ぐための少なくとも1つの手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート(10)であって、
シートシェルと、
前記シートシェル(50)に取り付けられた、または取付け可能であり、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に前記所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと
を備え、
前記休止位置への移動を阻止するため、および/または前記休止位置の恒常的な設置を阻止または防止するための少なくとも1つの手段を特徴とする、チャイルドシート(10)。
【請求項2】
前記側面衝撃プロテクタを前記休止位置から前記機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置(120)を特徴とする、請求項1に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項3】
前記側面衝撃プロテクタ(100)は、前記機能位置から前記休止位置への完全な移動によってロック可能ではなく、または少なくともそれだけでロック可能ではないことを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項4】
前記阻止するための手段は、前記ロックされた機能位置の解除を阻止するように構成されることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項5】
前記手段は、前記休止位置への移動を阻止する、たとえば前記休止位置への部分的な移動のみを可能にするように構成されることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項6】
前記側面衝撃プロテクタ(100)は、少なくとも部分的に回動および/または折畳みが可能な側面要素(101)を備え、またはそれによって形成されることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項7】
前記側面衝撃プロテクタ(100)は、前記休止位置への移動によってロック可能ではなく、または少なくともそれだけでロック可能ではないこと、および/または、
前記側面衝撃プロテクタの側面要素(101)は、前記休止位置への移動によってロック可能ではなく、または少なくともそれだけでロック可能ではないこと
を特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項8】
前記休止位置をロックするための第1のロック装置(140)を特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項9】
前記機能位置をロックするための第2のロック装置(160)を特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項10】
前記側面衝撃プロテクタ(単独)の前記機能位置は、前記側面衝撃プロテクタの前記機能位置への完全な移動によってロック可能であることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項11】
前記第1のロック装置は、前記休止位置のロック/前記ロックを引き起こし、および/または設置するための好適には手動の第1の作動装置を備え、前記作動装置は、好適には、
ノブおよび/またはスライダおよび/またはレバーを備え、
および/または、前記チャイルドシート(10)に子供が収容されている時、アクセス可能ではなく、またはアクセスが困難であり、
および/または、たとえばカバーおよび/またはパッドによって覆われており、
および/または、個別に作動する少なくとも2つの操作要素を有し、
および/または、少なくとも1つの分離構造、特に分離壁、好適には前記シートシェルの壁によって、前記側面衝撃プロテクタ(100)および/または側面要素(101)から分離され、
および/または、前記側面衝撃プロテクタ(100)および/または側面要素(101)から好適には少なくとも1cm、好適には少なくとも3cm、更に好適には少なくとも6cmの距離にあり、
および/または、前記外側および/または内側から見えておらず、
および/または、前記シートシェル(50)の内側側面(52)に設けられ、好適にはパッドおよび/またはカバーによって少なくとも部分的に隠されており、
および/または、前記シートシェルの外側側面に設けられ、好適にはカバーによって少なくとも部分的に隠されており、
および/または、弾性付勢手段の力に抗って作動可能であり、
および/または、前記側面衝撃プロテクタまたは側面要素の係合構造と係合するために全体または一部が設けられたラッチを駆動する
ことを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項12】
前記第2のロック装置は、前記機能位置のロック/前記ロックを解除するための好適には手動の第2の作動装置を備え、前記作動装置は、好適には、
ノブおよび/またはスライダおよび/またはレバーを備え、
および/または、前記チャイルドシート(10)に子供が収容されている時、アクセス可能ではなく、またはアクセスが困難であり、
および/または、たとえばカバーおよび/またはパッドによって覆われており、
および/または、個別に作動する少なくとも2つの操作要素を有し、
および/または、少なくとも1つの分離構造、特に分離壁、好適には前記シートシェルの壁によって、前記側面衝撃プロテクタ(100)および/または側面要素(101)から分離され、
および/または、前記側面衝撃プロテクタ(100)および/または側面要素(101)から好適には少なくとも1cm、好適には少なくとも3cm、更に好適には少なくとも6cmの距離にあり、
および/または、前記外側および/または内側から見えておらず、
および/または、前記シートシェル(50)の内側側面(52)に設けられ、好適にはパッドおよび/またはカバーによって少なくとも部分的に隠されており、
および/または、前記シートシェルの外側側面に設けられ、好適にはカバーによって少なくとも部分的に隠されており、
および/または、弾性付勢手段の力に抗って作動可能であり、
および/または、前記側面衝撃プロテクタまたは側面要素の係合構造と係合するために全体または一部が設けられたラッチを駆動する
ことを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項13】
前記第1のロック装置は、好適には前記側面部材または前記側面部材の一部によって形成された解除機構を備えることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項14】
前記側面衝撃プロテクタ(100)は、少なくとも部分的に変位可能な側面要素(101)を備え、またはそれによって形成されることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項15】
前記側面衝撃プロテクタ(100)は、少なくとも部分的に、特に完全に取外し可能な側面要素を備え、またはそれによって形成されることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項16】
前記側面衝撃プロテクタ(100)および/または前記側面要素は、第1の動きによって前記機能位置からロックされていない休止位置へ移動可能であり、第2の(好適には前記第1の動きと一続きではない)動きによって前記休止位置でロック可能であり、前記第1の動きの移動軸は、前記第2の動きの移動軸に対して平行ではなく、更に好適には垂直であることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項17】
前記側面衝撃プロテクタ(100)は、前記休止位置への少なくとも部分的な移動のために少なくとも部分的に回動および/または折畳みが可能な側面要素(101)を備え、またはそれによって形成され、前記休止位置のロックは、前記側面要素および/またはその構成要素を変位させることによって行われ得ることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項18】
前記側面衝撃プロテクタ(100)は、前記チャイルドシートのバック部(70)、特に背部支持表面の後部、および/または前記チャイルドシートのシート部(60)の上方および/または前記シートシェル(50)の外側側面(53)に設けられることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項19】
側面要素(101)/前記側面要素(101)は、前記機能位置において側方に突出する、好適には少なくとも概ね水平に延びるアームとして形成されることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載のチャイルドシート(10)。
【請求項20】
好適には先の請求項のいずれか1項に記載の自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート(10)と、パッケージとを備えるシステムであって、前記チャイルドシート(10)は、
シートシェルと、
前記シートシェル(50)に取り付けられた、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に前記所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、
前記側面衝撃プロテクタを前記休止位置から前記機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置(120)と
を備え、
前記パッケージおよび前記チャイルドシート(10)は、前記側面衝撃プロテクタ(100)が前記休止位置または休止位置と機能位置との間の中間位置において前記パッケージによって保持され、前記パッケージを取り外すと、前記位置移動装置(120)によって前記休止位置または前記中間位置から前記機能位置へ少なくとも部分的に移動されるように、互いに対して構成および配置される、システム。
【請求項21】
好適には請求項1~19のいずれか1項に記載の自動車シートに取り付けるためのチャイルドシートを包装し、および/または請求項20に記載のシステムを形成するための方法であって、前記チャイルドシート(10)は、
シートシェルと、
前記シートシェル(50)に取り付けられた、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に前記所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、
前記側面衝撃プロテクタを前記休止位置から前記機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置(120)と
を備え、
前記チャイルドシート(10)は、前記側面衝撃プロテクタ(100)が前記休止位置または前記休止位置と前記機能位置との間の中間位置において前記パッケージによって保持され、前記パッケージを取り外すと、前記位置移動装置(120)によって前記休止位置または前記中間位置から前記機能位置へ少なくとも部分的に移動されるように包装される、方法。
【請求項22】
好適には請求項1~19のいずれか1項に記載の、および/または請求項20に記載のシステムが提供された、自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート、および/または請求項21に記載の方法に従って包装されたチャイルドシートを開梱する方法であって、前記チャイルドシート(10)は、
シートシェルと、
前記シートシェル(50)に取り付けられた、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に前記所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、
前記側面衝撃プロテクタを前記休止位置から前記機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置(120)と
を備え、
前記パッケージは、前記休止位置または前記中間位置において前記パッケージが前記側面衝撃プロテクタ(100)を保持し続けることなく、前記位置移動装置(120)が前記側面衝撃プロテクタ(100)を少なくとも部分的に前記機能位置へ移動するように、前記チャイルドシート(10)から取り外される、方法。
【請求項23】
好適には請求項1~19のいずれか1項に記載の自動車シートに取り付けるためのチャイルドシートを構成する方法であって、前記チャイルドシート(10)は、
シートシェルと、
前記シートシェル(50)に取り付けられた、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に前記所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、
任意選択的に、前記側面衝撃プロテクタを前記休止位置から前記機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置(120)と
を備え、
前記側面衝撃プロテクタ(100)は、前記機能位置から前記休止位置への完全な移動によってロックされず、または少なくともそれだけではロックされず、好適には他の方法で、更に好適には、作動装置の作動および/またはロック位置への移動によって、特に、前記側面衝撃プロテクタの少なくとも一部、好適には前記側面要素の少なくとも一部の変位によってロックされる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート、自動車シートに取り付けるためのチャイルドシートならびにパッケージを備えるシステム、チャイルドシートを包装する方法、およびチャイルドシートを構成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、側面衝撃プロテクタを有するチャイルドシートが知られている。側面衝撃プロテクタは、休止位置および機能位置をとることができ、それによって、必要に応じて自動化または自動移動が提供され得ることが知られている。
原則として、この種のチャイルドシートは、たとえばEP2275303A1号に由来し得る。
DE202012102471U1号には、たとえば折畳み、引出し、または取付けによって休止位置から機能位置に移動可能な同様の側面衝撃プロテクタが記載される。機能位置において、側面衝撃プロテクタはロックされている。
【0003】
またDE202015104791U1号においても、側面衝撃プロテクタを休止位置から機能位置に移動することが可能な解決策が記載される。休止位置から機能位置への移動は、位置移動装置によって自動的に行われる。休止位置および機能位置において、側面衝撃プロテクタはロックされている。休止位置でのロックは、側面衝撃プロテクタがこの位置に移動すると自動的に設定される。ただし、休止位置でのロックは、(側面衝撃プロテクタを機能位置に戻すことを可能にするために)作動装置によって解除され得る。
US20200101876A1号は、休止位置および機能位置の両方におけるラッチ部品によるロックを記載する。側面衝撃プロテクタは、休止位置の方向に付勢される。
先行技術における全ての解決策は、安全性の観点から改善が必要であると考えられる。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、特に使用中に安全であるチャイルドシート用側面衝撃プロテクタを提供することである。特に、誤った使用や誤った調整の危険性は低減すべきである。また、本発明の目的は、自動車シート用チャイルドシートならびにパッケージを備える対応するシステム、自動車シートに取り付けるためのチャイルドシートを包装するための方法、ならびに自動車シートに取り付けるためのチャイルドシートを構成するための対応する方法を提案することである。
【0005】
この目的は、特に請求項1に記載の特徴によって解決される。
特に、この目的は、(たとえば乗用車やトラックの)自動車シートに取り付けるためのチャイルドシートであって、シートシェルと、シートシェルに取り付けられた、または取付け可能であり、特に所定の幅(たとえば440mmの標準幅)内に位置する休止位置と、特に所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、休止位置への移動(特に機能位置の任意のロック/ラッチの移動および/または解除)を妨げるための少なくとも1つの手段および/または休止位置の恒常的な(すなわち、特に外力および/または外部構造の作用なしでの)設定を妨げる(および/または防ぐ)少なくとも1つの手段(適切には同じ手段または異なる/追加の手段)と、を有するチャイルドシートによって解決される。阻止手段は、独立した要素(複数も可)であってよく、または側面衝撃プロテクタまたはシートシェルの一部(複数も可)であってよい。以下、様々な実施形態が個別に言及され、または「阻止手段」として集合的に称される。
【0006】
本発明の核心的な概念は、側面衝撃プロテクタが休止位置に移動すること、または休止位置にある、または留まることを阻止する(または不可能にする、または防ぐ)少なくとも1つの手段を提供することである。そのような阻止手段は、たとえば、側面衝撃プロテクタの少なくとも1つの位置において(好適には少なくとも機能位置において、場合によっては休止位置において、実施形態によると機能位置および休止位置の両方において)、側面衝撃プロテクタ(または、特に以下で詳しく説明する側面衝撃プロテクタの側面要素)から離間した、(たとえば休止位置のロックを解除するため、または休止位置のラッチを留めるための)作動装置(以下で詳しく説明する第1および/または第2のラッチ装置を参照)によって形成され得る。
【0007】
側面衝撃プロテクタ(またはその側面要素)に直接(またはその上に)配置された、そのようなロックを解除するための作動装置は、特に、そのような阻止手段として理解されることを意図されない。好適には、ロックを解除または調整するためのそのような作動装置は、側面衝撃プロテクタまたは側面要素から少なくとも0.5cmの距離を有し、および/または、カバーおよび/または蓋、特に隠すためのものによって少なくとも部分的に覆われている。代替または追加として、作動装置は、側面衝撃プロテクタ、特に側面要素から離れた位置から(たとえば、側面衝撃プロテクタ、特に側面要素がシートシェルの外側側面に取り付けられている、または取付け可能である場合、シートシェルの内側側面から)しか作動することができない。
【0008】
休止位置への移動を妨げるための手段は、一般に、機能位置のロックを解除するための作動装置の(少なくとも部分的な)カバー、たとえば遮蔽カバーおよび/または少なくとも一部を覆うクッションおよび/または少なくとも一部を覆う別個の(場合によっては剛性または可撓性の)カバー要素を備えてよい。ユーザが(単独で)側面衝撃プロテクタ(または側面要素)自体で(直接)(裏側に手を伸ばすことなく、および/または少なくとも部分的にカバーを取り外すことなく)作動させることを防ぐ任意の手段は、そのように休止位置への移動を阻止する手段と考えられ得る。
【0009】
休止位置の恒常的な設置を阻止する(または防ぐ)ことによって、チャイルドシートは、たとえば(別個の)対応する作動装置を作動させることによって、チャイルドシート自体の構造および要素で(外力の作用なしで)休止位置を固定する、特に維持することが困難である(または不可能である)ように構成されることを特に理解すべきである。休止位置を固定することによって、側面要素は、少なくとも機能位置の方向に小さな力(たとえば1N)が作用する場合、休止位置から動かないことを特に理解すべきである。
【0010】
いずれの場合も、そのような手段によって、操作は安全性の点で改善され、特に、誤使用または(機能位置での)欠落や誤った設置の危険性が低減される。これらの概念は、単純な方法で、たとえば側面衝撃プロテクタまたは側面要素で(裏側に手を伸ばすこと、または遮断構造を取り外すことも必要とせず)実行可能または直接実行可能な手段によって(場合によってはロックされた)機能位置を解除することが可能であることを的確な目的とした従来の解決策とは対照的である。先行技術によって提案されたこの方針は、ここでは意図的に放棄され、阻止手段の形式では、(特にロックを解除する際などにユーザの快適性を目的とした)通常のアプローチに反して可能な限り高く維持される措置が取られる。
【0011】
本発明によると、好適には、休止状態への移動が阻止される。代替または追加として、休止位置のラッチ(固定)を妨げることが可能であり、それによって好適には同時に、休止位置から機能位置への自動移動のための位置移動装置(以下で詳しく説明)が存在する。
【0012】
一般概念によると、たとえば、遮断手段は部分的な移動のみを可能にする(この文脈では、特に好適には、機能位置への自動移動のための位置移動装置が存在する)ため、および/または、休止位置のラッチが阻止される(それによって、ここでもまた、機能位置への自動移動のための位置移動装置が存在する)ため、たとえば、機能位置の解除が妨げられ、および/または機能位置から休止位置への移動が妨げられるという点で、シートを(恒常的に、または外部の影響なく)休止位置が想定される構成にすることは阻止するべきである。
【0013】
特に折畳み式および/または伸縮式の側面保護具を有する実施形態において、好適には、側面衝撃プロテクタを休止位置から機能位置へ少なくとも部分的に自動移動するための位置移動装置が提供される。位置移動装置は、休止位置から機能位置への移動を少なくとも部分的に(自動で)支援することができる。位置移動装置は、好適には、少なくとも1つのばねを有する。
【0014】
阻止することによって、特に、ユーザの労力の増加、または意図せず、無意識に、および/または誤って(それぞれの)動作を行う可能性が低くなることが理解される。これはたとえば、(操作要素の)作動装置の隠された配置、および/または、(操作要素の)作動装置の覆われた配置(特にカバーで覆われた配置)、および/または、たとえば側面衝撃プロテクタ又は側面要素がシートシェルの外壁部にあり、作動装置(操作要素)が少なくとも概ね相補的な内壁部にある、(操作要素の)作動装置が側面衝撃プロテクタ(または側面要素)から遠隔にある配置、および/または、(操作要素の)作動装置がチャイルドシートの内側領域および/または受容領域または子供との接触面にある配置、特に、(操作要素の)作動装置が子供によって隠され、または要素を操作するための空間が子供によって大幅に低減されるような配置で配置することができる。
【0015】
原理的には、様々な(以下で更に詳しく示す)実装が可能である。
位置移動装置を有する折畳み式側面要素が存在し得ることにより、休止位置でのラッチが阻止される。
折畳み式側面要素が存在し得ることにより、ロックまたはラッチされた機能位置の解除が阻止される。
位置移動装置を有する、少なくとも部分的に変位可能、特に伸縮可能な側面要素が存在し得ることにより、休止位置のラッチが阻止される。
【0016】
少なくとも部分的に変位可能、特に伸縮可能な側面要素が存在し得ることにより、ラッチまたはロックされた機能位置の解除が阻止される。
位置移動装置を有する、ねじ止めによって変位可能な(たとえば螺合および/または螺脱が可能な)側面要素が存在し得ることにより、休止位置のラッチが阻止される。
ねじ止めによって変位可能な(たとえば螺合および/または螺脱が可能な)側面要素が存在し得ることにより、機能位置のラッチの解除が阻止される。
着脱可能または取外し可能な側面要素が存在し得ることにより、ラッチまたはロックされた機能位置の解除が阻止される。
【0017】
実施形態によると、目的は更に、(たとえば乗用車またはトラックの)自動車シートに取り付けるためのチャイルドシートであって、シートシェルと、シートシェルに取り付けられ、特に所定の幅(たとえば標準幅)内に位置する休止位置と、特に所定の幅外に位置する機能位置との間に配置される側面衝撃プロテクタと、側面衝撃プロテクタを休止位置から機能位置へ少なくとも部分的に(場合によっては完全に)自動的に移動させるための位置移動装置とを有し、側面衝撃プロテクタが、機能位置から休止位置への完全な移動によってロック可能ではなく、または少なくともそれだけでロック可能ではないチャイルドシートによって解決される。
【0018】
したがって、1つの概念は、機能位置から休止位置への(完全な)移動(のみ)によって側面衝撃プロテクタまたはその休止位置のロックがもたらされないようにチャイルドシートまたはその側面衝撃プロテクタを構成することである。ただし、これは必ずしも、側面衝撃プロテクタを(たとえば個別のロック装置によって)休止位置でロックすることができないことを意味するものではない。好適には、ロックは可能である。
【0019】
特に明示されない限り、起こり得る休止位置のロックは、機能位置から休止位置への移動の一部ではないものとする。一方、特に明示されない限り、機能位置のロックは、休止位置から機能位置への完全な移動の一部であるものとする。
これは、休止位置への完全な移動時に休止位置のロックが自動的に(たとえばラッチ機構の嵌合によって)生じる先行技術から意図的に逸脱した点である。先行技術におけるこのアプローチもまた、チャイルドシートまたはその側面衝撃プロテクタの操作を単純にするため、当初に自明である。
【0020】
しかしながら、本発明によると、そのような(当初はユーザが使い易いと思われる)解決策を意図的に放棄することにより、側面衝撃プロテクタおよびチャイルドシートは、安全性の点で改善されることが認識されている。たとえば、側面衝撃プロテクタが無意識に、または意図せずに休止位置に移動されたが、それによってロックされていない場合、位置移動装置によって再び機能位置(機能位置に向かって)に移動される(動かされる)。
【0021】
意図的な移動(たとえば機能位置において側面衝撃プロテクタに遮断される領域に届き易くするための一時的な移動、あるいはたとえば収納中など長期間にわたる移動)であっても、(それだけでは)休止位置が維持(ロック)されるという事実には至らず、(対照的に)側面衝撃プロテクタはその後、機能位置(またはその方向)に(位置移動装置に対抗する外力が作用しなくなると即時)再び移動されるように構成される。このようにして、(たとえば駐車場から自動車内にチャイルドシートを再装着する場合に)たとえば機能位置に戻すことを忘れることによる危険性が低減され得る。また、ロックが(少なくとも高い確率で)意図的かつ故意であることが実現される(ロックを実現するために別の操作が必要である場合、特に、休止位置でのロックを実現するために個別の第1の作動装置を作動させる必要がある場合)。全体として、以上によって安全性が改善される。
【0022】
特に取付け可能な側面衝撃プロテクタ(場合によっては折畳み式または伸縮式の側面衝撃プロテクタ)を有する実施形態において、阻止手段は、好適には、(ロックされた)機能位置の解除を妨げるように構成される。
【0023】
実施形態において、この手段は、休止位置への移動を阻止するように、たとえば休止位置への部分的な移動のみを可能にするように(または、対応する手動の作動装置が作動した場合のみ休止位置への完全な移動を可能にし、その後、場合によっては側面衝撃プロテクタまたは側面要素の休止位置への完全な移動が可能とされるように)構成され得る。
【0024】
「チャイルドシート」は、好適には、自動車シートに取り付けるための任意の種類のチャイルドシートであり、特に、(場合によっては運搬用ハンドル付きの)乳児用シェル、または(乳児用シェルでない場合があり、および/または運搬用ハンドルなしで設計された)チャイルドシートである。チャイルドシートは、様々なサイズの子供に適用可能であってよく、またはそうでなくてもよい。
【0025】
「子供」は、好適には、0~14歳、場合によっては0~8歳の人間、および/または30~140cmの身長、場合によっては40~120cmまたは50~105cmの身長の人間であり、好適には乳児または(乳児ではない)子供である。
「位置移動」とは、好適には、位置の変化であって、たとえば膨張による形状の変化などの状態の変化ではないと理解される。
位置移動の間、側面衝撃プロテクタ(または少なくとも以下で詳しく定義するような側面要素)の形状は、好適には変化しない。
【0026】
シートシェルは、好適には、少なくとも部分的に子供が受け入れられるチャイルドシートの(全ての)部品を備える。シートシェルは、シート部を備え、任意選択的にバック部も備えてよく、バック部は、任意選択的に、たとえばサイズおよび/または位置を子供のサイズに対し調整可能であってよいヘッドレストを備えてよい。シートシェルは、好適には、子供に対し横方向の支持を提供する側壁を少なくとも部分的に有する。側壁は、少なくとも部分的に、シート部および/またはバック部の構成要素であってよい。シートシェルは、1または複数の部品に形成されてよく、場合によっては(たとえばシート部とバック部との間の角度に関して)調整可能に形成され得る。また、シートシェルは、パッドを備えてよい。特に乳児用シェルの場合、シートシェルは、直接隣り合う座面および/またはバックレストを形成するのではない外側シェルを備え、シートシェルのシート部が、外側シェル内に配置された調整可能であってよい独立した座面要素を備え、および/またはシートシェルのバック部が、外側シェル内に配置された調整可能であってよい独立したバックレストを備えることもある(そうでない場合、座面およびバックレストはシートシェルによって形成される)。シートシェルは、好適には、子供のための受容空間を構造的に画定し、その範囲を定める。自動車シートに取り付けるための基部および基部に取り付けるための本体を備えるチャイルドシートの場合、基部は、特に基部が本体の一部を構造的に補強する場合、少なくとも部分的にシートシェルの一部であってよい。
【0027】
背部支持表面は、好適には、チャイルドシートに受け入れられた子供の背部がもたれかかるように意図されたチャイルドシートの一部である。背部支持表面は、好適には、少なくとも実質的に1つの平面であるか、または湾曲しておらず、あるいは少なくともわずかしか湾曲していない。子供の側部のための支持表面は、好適には、背部支持表面の構成要素として理解されない。
【0028】
好適には、所定の幅は、側面衝撃プロテクタが休止位置にある時のチャイルドシートの特定の構成(たとえば特定のサイズの子供への適合)によって予め決定された幅(横方向の範囲)である。好適には、所定の幅は、側面衝撃プロテクタを考慮に入れないチャイルドシートの幅によって(特にシートシェルの幅によって)定められるものとするが、必要に応じて、所定の幅は、休止位置にある側面衝撃プロテクタがそのような幅またはシートシェルを超える(ただし好適には最大2cm、更に好適には最大1cmだけ超える)場合、側面衝撃プロテクタを考慮に入れないチャイルドシートの幅よりも(少なくともわずかに)大きくてよく、特に、シートシェルの幅よりも(少なくともわずかに)大きくてもよい。
【0029】
所定の幅は、好適には少なくとも40cm、更に好適には少なくとも42cm、および/または最大80cm、好適には最大60cm、任意選択的に最大50cmである。実施形態において、所定の幅は、40~50cm、好適には42~47cm、特に(少なくとも概ね)44cmである。
【0030】
好適には、側面衝突時の機能位置において、チャイルドシートの(最大)幅は、側面衝撃プロテクタによって定められる。側面衝撃プロテクタの休止位置において、チャイルドシートの(最大)幅は、側面衝撃プロテクタあるいはチャイルドシートの他の構成要素(この位置において側面衝撃プロテクタが、側面衝撃プロテクタを考慮に入れないチャイルドシートの幅と幅方向または側方向に同じ範囲に延びる場合、両方)によって定められ得る。
【0031】
好適には、機能位置における側面衝撃プロテクタは、その休止位置よりも少なくとも3cm、好適には少なくとも5cm、場合によっては少なくとも10cm、および/または最大20cm、横方向(または幅方向)に大きく延びる。
側面衝撃プロテクタ(または、複数の側面衝撃プロテクタが設けられている場合は全ての側面衝撃プロテクタ)がその休止位置に動かされた時、チャイルドシートの(最大)幅は、側面衝撃プロテクタ(または全ての側面衝撃プロテクタ)がその機能位置にある時のチャイルドシートの(最大)幅と比べて、好適には少なくとも5%、好適には少なくとも15%小さいものとする。
【0032】
好適には、側面衝撃プロテクタは、子供のサイズに対するチャイルドシートの調整とは無関係に、休止位置と機能位置との間で移動可能であるものとする。
側面衝撃プロテクタの休止位置から機能位置への部分的な(一部のみの)移動中、側面衝撃プロテクタは、休止位置と機能位置との間の中間位置から機能位置(または休止位置と機能位置との間にあるが、第1の中間位置よりも機能位置に近い追加の中間位置)に移動可能であることを特に理解すべきである。ただし、特に好適には、位置移動装置は、側面衝撃プロテクタを(必要であれば、好適にはラッチ解除のための小さな動きの後で)休止位置から機能位置へ完全に移動するように設計される。
【0033】
機能位置は、好適には(特に休止位置への移動、たとえば折畳みまたは押込みまたは分離または取外しに関して)ロック可能である。代替または追加として、休止位置は、(特に機能位置への移動、たとえば展開または押出しまたは引出しに関して)ロック可能である。ロックされた状態では、側面衝撃プロテクタは、その(機能位置から休止位置への、またはその逆の)移動に関して阻止され、すなわち、そのような移動(たとえば折畳みまたは回動または変位、場合によっては取外し)が阻止(ラッチ)されることを特に理解すべきである。ロックは、側面衝撃プロテクタが(ロックが解除されるまで)全く動くことができないことを意味する。ただし、ロックは、それぞれの他の位置へ移動するための移動プロセスのみが阻止され(すなわち、たとえば折畳み式および/または回動式側面衝撃プロテクタの場合、対応する折畳みおよび/または回動が阻止され)、そのような移動を意味しない動きは可能であるという前提でも提供され得る。たとえば、折畳み式および/または引込み式/押込み式側面衝撃プロテクタは、折畳みおよび/または押込みが阻止されるが、他の動き(たとえば特に側面衝撃プロテクタを引っ張ることによる外側への動き)は(特にロックを解除するために)可能であるようにロックされ得る。同様に、たとえば、折畳み式および/または伸長式側面衝撃プロテクタは、(ロックされた)休止位置において限られた範囲内で移動可能であってよい(この移動もまた、ここでは必要に応じてロックを解除するために用いられ得る)。また、たとえば、折畳み式側面衝撃プロテクタは、(ロックされた)休止位置において並進方向に移動可能であってよい(この移動もまた、ここでは必要に応じてロックを解除するために用いられ得る)。したがって、ロックは、そのような移動または移動の動き(ただし、必ずしも側面衝撃プロテクタのあらゆる自由な動きではない)が阻止またはラッチされることを特に意味するものとする。
【0034】
実施形態において、側面衝撃プロテクタは、側面要素を備え、または側面要素で構成される。丁度1つの側面衝撃プロテクタ(側面要素)または(好適には)少なくとも2つまたは丁度2つの側面衝撃プロテクタ(側面要素)、好適にはチャイルドシートの両側に少なくとも1つまたは丁度1つずつが存在してよい。(それぞれの)側面衝撃プロテクタは、好適には、互いに独立して休止位置から機能位置へ、および/またはその逆に移動可能である。
【0035】
好適な実施形態において、それぞれの側面衝撃プロテクタは、回動可能および/または折畳み可能な側面要素を備え、または少なくとも部分的にそれらで形成される。
代替または追加として、側面衝撃プロテクタは、少なくとも部分的に(場合によっては全体的に)(並進的に)変位可能な(たとえば引込みまたは引出し、および/または押込みまたは押出しが可能な)側面要素を備え、またはそれらで形成され得る。たとえば、側面要素は、(場合によっては、たとえば、側面要素の第1の部分が側面要素の第2の部分に対して変位可能であり、第2の部分が、好適には第1の部分と共に、側面要素の第3の部分および/またはシートシェルに対して変位可能であるように)伸縮設計を有してよい。
【0036】
側面衝撃プロテクタまたはその側面要素は、部分的に回動可能および/または折畳み可能であってもよく、部分的に(たとえば第2の部分が)(並進的に)変位可能であってもよい。また、側面衝撃プロテクタは、(その全体が)回動可能および/または折畳み可能、かつ(その全体が)変位可能であることも考えられる。
【0037】
側面衝撃プロテクタの様々な動きが上述および後述される場合、好適には、これは、側面衝撃プロテクタの休止位置から機能位置への(またはその逆の)(少なくとも部分的な、好適には完全な)移動を意味する動きを意味することが意図されている。たとえば、側面要素は、その一部が他の理由で(たとえばロックの目的で)変位可能である場合、たとえばプッシュボタンを備える場合、折畳み可能な側面要素として理解することも可能であるものとする(たとえば、それ自体が折畳み可能な側面要素が、たとえば全体的に変位可能であることも意図されているが、ロックを確立および/または解除するためであり、特に、それぞれの他の位置への移動の動きを行うためではない)。ただし、文脈の結果として他の場合も生じ得る。
【0038】
好適な実施形態において、側面衝撃プロテクタは、その休止位置への(完全な)移動によってロック可能ではなく、または少なくともそれだけでロック可能ではない。代替または追加として、側面衝撃プロテクタの(上記)側面要素は、その休止位置への(完全な)移動によってロック可能ではなく、または少なくともそれだけでロック可能ではない。
【0039】
好適には、側面衝撃プロテクタまたは側面要素の休止位置(特にその全体)は、(側面衝撃プロテクタ全体または側面要素全体の)それぞれの移動のみによってロック可能ではないものとする。これは、側面衝撃プロテクタまたは側面要素、またはそれぞれのロックのための部分が、側面衝撃プロテクタ(または側面要素)またはシートシェルのそれぞれの他の部分に対して、(休止位置での)ロックが生じるように動かされ得る場合を除いてよい(ただし一般的には除くべきではない)。休止位置でのロックが可能である場合、それは、好適には、側面衝撃プロテクタの一部ではない(または少なくとも側面要素の一部ではない)装置の動き(作動)によって、更に好適には、休止位置と機能位置との間の、またはその逆の移動中に側面衝撃プロテクタ(またはその側面要素)に伴って移動しない装置の動き(作動)によって行われることのみ可能であるものとする。あるいは、休止位置をロックするための装置は、側面衝撃プロテクタ(または側面要素)の一部であってよく、および/または共に移動してよいが、休止位置においてシートシェルから直接、またはシートシェルの外側からアクセスすることはできない。
【0040】
第1のロック装置は、休止位置(または休止位置における側面衝撃プロテクタおよび/または側面要素)をロックするために設けられ得る。第2のロック装置は、機能位置(または機能位置における側面衝撃プロテクタおよび/またはその側面要素)をロックするために設けられ得る。第1および第2のロック装置の両方が設けられる場合、それらは全体的に(または部分的に)共通の構造によって実現され得る。ただし、実施形態によると、第1のロック装置および第2のロック装置は、異なる構造で(すなわち互いに別々に)設けられる。
【0041】
第1のロック装置は、好適には、(側面衝撃プロテクタまたは側面要素がその休止位置に保持される)ロック位置、および(側面衝撃プロテクタまたは側面要素の機能位置への移動が可能な)非ロック位置をとることができる。実施形態によると、第1のロック装置のロック位置への移動は、側面衝撃プロテクタ(または側面要素)の休止位置への移動(のみ)によって引き起こされるものではない。
【0042】
実施形態によると、側面衝撃プロテクタの機能位置は、側面衝撃プロテクタの機能位置への(完全な)移動(のみ)によってロック可能であってよい。ただし、ここでは、(別の)第2の作動装置によってのみロックが可能となり得ることも考えられる。
【0043】
チャイルドシートは、好適には、休止位置の(上記)ロックを引き起こす(または設定する)ための(特に手動の)第1の作動装置を有する。第1の作動装置は、好適には、ノブおよび/またはスライダおよび/またはレバーを備える。第1の作動装置は、チャイルドシートに子供が収容されている時、アクセス可能ではない(または、アクセスが困難である)場合がある。たとえば、第1の作動装置は、(通常使用時)子供の身体の一部によって覆われ得る。
【0044】
第1の作動装置は、代替または追加として、たとえばカバーおよび/またはパッドによって覆われてよい。
第1の作動装置は、代替または追加として、特に、両方の操作要素が同時に、および/または時間的に重なって、および/または次々に作動した場合にのみ、(同じ側面衝撃プロテクタまたは側面要素の)休止位置のロックが可能となるように作動される少なくとも2つの操作要素を備えてよい。ここで、上記で、および下記で作動装置および/または操作要素に言及する場合、好適には(文脈が例外を示さない限り)手動の作動装置または手動の操作要素が常に意図されるものとする。
【0045】
第1の作動装置は、代替または追加として、少なくとも1つの分離構造、特に分離壁、好適にはシートシェルの壁によって、側面衝撃プロテクタおよび/またはその(上記)側面要素から分離され得る。分離構造、特に分離壁には、たとえばラッチの移動を可能にするために、必要に応じて穴が開けられ得る。
【0046】
第1の作動装置は、代替または追加として、側面衝撃プロテクタおよび/またはその(上記)側面要素から好適には少なくとも1cm、更に好適には少なくとも3cm、更に好適には少なくとも6cmの距離を有してよい。
第1の作動装置は、代替または追加として、外側から(チャイルドシートの外壁に向けた視線方向で)および/または内側から(特にチャイルドシートのパッド付き内壁に向けた視線方向で)見えない場合がある。必要に応じて、第1の作動装置は、(たとえばパッドを持ち上げ、および/または回転させることによって、ユーザが能動的にカバーを外さなければ)全く見えない場合がある。
【0047】
実施形態によると、第1の作動装置は、シートシェルの内側側面に設けられ(配置され)てよく、および/または、そこから(のみ)アクセス可能であり、場合によっては少なくとも部分的にパッドおよび/または布カバーの下にあってよい。代替または追加として、第1の作動装置は、シートシェルの外側側面に設けられてよく、好適には、パッドおよび/または(特にクッション状の)衝撃吸収材および/またはカバーによって少なくとも部分的に隠され得る。
【0048】
第1の作動装置は、弾性付勢手段の力に抗って作動可能であってよい。
第1の作動手段は、任意選択的に、ラッチを駆動させてよく、ラッチまたはラッチの一部は、側面衝撃プロテクタまたは側面要素の係合構造と係合するために設けられる。
チャイルドシートは、実施形態において、機能位置の(上記)ロックを解除するための(特に手動の)第2の作動装置を更に備える。第2の作動装置は、好適には、ボタンおよび/またはスライダおよび/またはレバーを備える。第2の作動装置は、チャイルドシートに子供が収容されている時、アクセス可能ではない(または、アクセスが困難である)場合がある。たとえば、第2の作動装置は、(通常使用時)子供の身体の一部によって覆われ得る。
【0049】
第2の作動装置は、代替または追加として、たとえばカバーおよび/またはパッドによって覆われてよい。
第2の作動装置は、代替または追加として、特に、両方の操作要素が同時に、および/または時間的に重なって、および/または次々に作動した場合にのみ、(同じ側面衝撃プロテクタまたは側面要素の)機能位置の解除が可能となるように作動される少なくとも2つの操作要素を有してよい。
【0050】
第2の作動装置は、代替または追加として、少なくとも1つの分離構造、特に分離壁、好適にはシートシェルの壁によって、側面衝撃プロテクタおよび/またはその(上記)側面要素から分離され得る。分離構造、特に分離壁には、たとえばラッチの移動を可能にするために、必要に応じて穴が開けられ得る。
第2の作動装置は、代替または追加として、側面衝撃プロテクタおよび/またはその(上記)側面要素から好適には少なくとも1cm、更に好適には少なくとも3cm、更に好適には少なくとも6cmの距離を有してよい。
【0051】
第2の作動装置は、代替または追加として、外側から(チャイルドシートの外壁に向けた視線方向で)および/または内側から(特にチャイルドシートのパッド付き内壁に向かって)見えない場合がある。必要に応じて、第1の作動装置は、(たとえばパッドを持ち上げ、および/または回転させることによって、ユーザが能動的にカバーを外さなければ)全く見えない場合がある。
【0052】
実施形態によると、第2の作動装置は、シートシェルの内側側面に設けられ(配置され)てよく、および/または、そこから(のみ)アクセス可能であり、場合によっては少なくとも部分的にパッドおよび/または布カバーの下にあってよい。代替または追加として、第2の作動装置は、シートシェルの外側側面に設けられてよく、好適には、パッドおよび/または(特にクッション状の)衝撃吸収材および/またはカバーによって少なくとも部分的に隠され得る。
【0053】
第2の作動装置は、弾性付勢手段の力に抗って作動可能であってよい。
第2の作動手段は、任意選択的に、ラッチを駆動させてよく、ラッチまたはラッチの一部は、側面衝撃プロテクタまたは側面要素の係合構造と係合するために設けられる。
実施形態において、第2の作動装置は、第1の作動装置と同一であってよいが、一般的にはそうでない場合が多い。
側面衝撃プロテクタは、(少なくとも部分的に、場合によってはその全体が)変位可能な側面要素を備えてよく、またはそれによって形成され得る。
【0054】
側面衝撃プロテクタは、少なくとも部分的に(特に完全に)取外し可能な側面要素を備えてよい。そのような場合、機能位置は、特に、側面要素がシートシェルの対応する受容部(特に凹部)内または上に取り付けられた、特に差し込まれた位置であると理解される。よって、休止位置は、特に、側面要素がそのように取り付けられておらず(少なくとも機能位置の場合と同じ場所に差し込まれておらず)、異なる場所に収容されている(ただし、好適には、この収容においてチャイルドシートの横方向寸法が少なくとも実質的には増加しないように収容されている)位置と見なされる。たとえば、休止位置は、側面要素が座面に載っている(特に、チャイルドシートが使用中ではなく、たとえば保管されている状態における)、取外し可能な側面要素の位置であると考えられ得る。必要に応じて、側面衝撃プロテクタ(側面要素)のための休止位置受容部もチャイルドシートに設けられてよく、または、側面衝撃プロテクタ(側面要素)は、機能位置のためにも設けられた受容部においてたとえば90°または180°回転した状態で受け入れられ得る。休止位置は、側面要素がチャイルドシートとは異なる場所に収容されている、たとえば収納されている場合にも存在し得る。この点に関して、このように設計されたチャイルドシートは、(完全に機能する)基本的なチャイルドシートに加えて、この基本チャイルドシートへの取付けおよび基本チャイルドシートからの取外しが可能な側面衝撃プロテクタの少なくとも1つの側面要素を備えるシステムと考えることもできる。
【0055】
実施形態において、(好適には全体)側面衝撃プロテクタ(またはその構成要素)および/またはその(好適には全体)側面要素(またはその構成要素)は、その第1の動きによって機能位置からロックされていない休止位置に移動可能であってよく、(好適には第1の動きと一続きではない)その第2の動きによって休止位置でロック可能であってよい。第2の動きは、好適には、(好適には全体)側面衝撃プロテクタ(またはその構成要素)および/またはその(好適には全体)側面要素(またはその構成要素)が、シートシェルの一部に、たとえばそのアンダーカットおよび/または突起および/または凹部に嵌合する動きである。
【0056】
好適には、第1の動きは、(純粋な)回転を備え(またはそれによって実現可能であり)、第2の動きは、(純粋な)並進を備える(またはそれによって実現可能である)。あるいは、第1の動きは、(純粋な)並進を備えてよく(またはそれによって実現可能であってよく)、第2の動きは、(純粋な)回転を備えてよい(またはそれによって実現可能であってよい)。あるいは、第1の動きは、(純粋な)回転を備えてよく(またはそれによって実現可能であってよく)、第2の動きは、(純粋な)回転を備えてよい(またはそれによって実現可能であってよい)。あるいは、第1の動きは、(純粋な)並進を備えてよく(またはそれによって実現可能であってよく)、第2の動きは、(純粋な)並進を備えてよい(またはそれによって実現可能であってよい)。
【0057】
特に、第1および第2の動きが回転を備える場合、または第1および第2の動きの各々が並進を備える場合、第1の動きの移動軸は、第2の動きの移動軸に対して好適には非平行、更に好適には少なくとも30°の角度、更に好適には略垂直である。そのような移動軸の非平行設計により、休止位置への移動をもたらし、休止位置のロックをも(場合によっては意図せず)もたらす動作を単純な方法で(意図的に)困難にする。移動軸は、好適には、回転の場合は回転軸であり、並進の場合は、側面衝撃プロテクタまたは側面要素が動く方向に平行な直線であると理解される。
【0058】
1つの実施形態において、側面衝撃プロテクタは、休止位置への少なくとも部分的な移動のために少なくとも部分的に回動および/または折畳みされ得る(特に上記の)側面要素を備え、またはそれによって形成されてよく、休止位置のロックは、側面要素および/またはその構成要素を変位させることによって行われ得る。たとえば、(特に折畳み後の休止位置にある)側面要素は、シートシェル(またはシートシェルの外壁)の(たとえばアンダーカットによって形成された)対応する凹部に入れられ、その後、この凹部(このアンダーカット)によって保持されるように、並進的に変位することができる。
【0059】
好適には、チャイルドシートは、(子供の臀部および脚部を受け入れるための)シート部と、(子供の背部がもたれかかるための)バック部とを備える。特に好適には、側面衝撃プロテクタは、チャイルドシートのバック部、特に背部支持表面の後部、および/またはチャイルドシートのシート部の上方に配置され、または配置可能である(特に、取り付けられ、または取付け可能である)。代替または追加として、側面衝撃プロテクタは、チャイルドシート(またはシートシェル)の外側側面に配置され、または配置可能であってよい(取り付けられ、または取付け可能であってよい)。特に好適には、側面衝撃プロテクタは、シートシェルの側面領域の外側側面に配置され、または配置可能である(特に、取り付けられ、または取付け可能である)。
【0060】
具体的には、(上記)(側面衝撃プロテクタの)側面要素(複数も可)は、好適にはシートシェルの周囲表面に少なくとも概ね水平および/または(少なくとも概ね)垂直に延びる、機能位置において側方に突出するアームとして設計され得る。
【0061】
位置移動装置は、位置移動を実現するための少なくとも1つのばね(たとえば圧縮ばねおよび/または引張ばね)を備えてよい。ばねは、機能位置への移動時に少なくとも部分的に、場合によっては完全に弛緩するように休止位置(または休止位置と機能位置との間の中間位置)において予め負荷をかけられ得る。
【0062】
側面衝撃プロテクタがその休止位置に(手動で)移動される時、好適には、休止位置でのロックは必ずしも起こらないものとする。言い換えると、休止位置への(完全な)移動は、好適には(単独では)側面衝撃プロテクタのロックを引き起こさないので、(側面衝撃プロテクタは、外力、たとえばユーザによって付与される保持力の作用なしで位置移動装置によって再び少なくとも部分的に機能位置に移動する。)
側面衝撃プロテクタは、(上記)側面要素を備えてよく、休止位置と機能位置との間での側面衝撃プロテクタの移動は、好適には、側面要素を折り畳む、または回動させることによって実現され得る。
【0063】
側面要素は、側面衝撃プロテクタの機能位置において、子供のための受容空間に最も近い側面要素の部分を形成する近位端と、側面衝撃プロテクタの機能位置において、近位端よりも受容空間またはシートシェルから(特に横方向に)遠くにある、近位端と反対側の遠位端とを有してよい。好適には、遠位端は、側面衝撃プロテクタが機能位置にある時にチャイルドシートの最も径方向外側に突出する部分を形成する。側面要素は、近位端(またはその近傍)において、シートシェルに、特に(好適には、横方向に対し少なくとも概ね垂直に配置された、および/または少なくとも概ね垂直な)軸の周囲で折畳み可能または回動可能に取り付けられ得る。
【0064】
側面要素は、好適には、休止位置においてシートシェルに平坦に当接し、および/またはシートシェルに完全または部分的に埋め込まれてよい。そのために、必要に応じて、側面要素を完全にまたは部分的に収容することが可能な凹部がシートシェルに形成され得る。代替または追加として、側面衝撃プロテクタが設けられているシートシェルの領域は、支持部として形成され得る。平坦な当接は、好適には、直接的な当接または小さな距離(たとえば最大2cm、好適には最大1cm)を有する当接を意味することが意図される。
【0065】
休止位置において、側面要素の表面の少なくとも10%、好適には少なくとも25%は、チャイルドシート(この場合は側面要素なし)から、特にシートシェルの表面(外側表面)から好適には2cm未満、更に好適には1cm未満の距離にあってよい。
【0066】
第1の作動装置(作動要素)は、ボタン、ノブ、スライダ(など)を備えてよい(またはそれらによって形成され得る)。一般に、第1の作動装置(作動要素)は、押し、引き、および/または回転作動のために設計され得る。
側面衝撃プロテクタがその休止位置ある時の第1の作動装置(作動要素)の作動によって、第1のロック装置は、好適にはそのロック位置に移動し、それによって側面衝撃プロテクタ(側面要素)はその休止位置でロックされる。
【0067】
第1のロック装置は、好適には側面要素または側面要素の一部によって形成された解除機構を更に備えてよい。したがって、解除機構の作動は、第1のロック装置のロック位置から非ロック位置への移動を可能にし、および/または引き起こし得る。好適には、第1のロック装置は、解除位置の方向に(代替または追加として他の方向に)付勢されているので、解除機構の作動は、第1のロック装置の移動を可能にし、(付勢によって移動が駆動される場合)行われる。付勢は、(第1の)弾性部材によって提供されてよく、(第1の)弾性部材は、たとえば引張ばね、圧縮ばね、板ばね、またはねじりばね(または他のばね)を備え、あるいはエラストマ部材(エラストマブロックなど)も備えてよい。
【0068】
付勢を提供する代わりに(または必要に応じて、それに加えて)、一方における側面衝撃プロテクタの側面要素、および他方における第1のロック装置の調和した設計および配置は、側面要素がその機能位置から休止位置に移動することによってロック装置がその解除位置に押し込まれるように実現され得る。これは、ロック機構および/または側面要素の損傷が(少なくとも継続的に)回避され得るという利点を有する。必要に応じて、第1のロック装置の移動を駆動または強制することを省き、それぞれの場合に必要な設定の選択をユーザに託すことも可能である。
【0069】
好適には、第1のロック装置の第1の作動装置(作動要素)は、側面衝撃プロテクタによって(または少なくともその側面要素によって)形成されず、シートシェル状の独立した(個別の)装置(要素)として、および/またはシートシェルの一部として設計されるものとする。代替または追加として、第1の作動装置(作動要素)は、更に好適には、シートシェルの内側側面、特にチャイルドシートに子供が収容されている時にアクセス不可能またはアクセスが困難な位置に設けられる。たとえば、側面要素に取り付けられたラッチが可能であり、このラッチは、側面要素に伴って回動し、側面要素の休止位置において、シートシェルの内側からアクセス可能であり、ロックのために作動することが可能である。側面要素の機能位置において、そのようなラッチは、アクセス可能ではない、またはその動きが阻止される場合があり、または側面要素の休止位置への移動により、ラッチは非ロック位置に押し込まれる。
【0070】
たとえば、第1の作動装置(作動要素)は、側面衝撃プロテクタに最も近い内側側面の位置の領域(またはその近傍)に設けられ得る。対応する実施形態に関して、シートシェルに貫通孔が設けられてよい。
【0071】
第1の作動装置(作動要素)は、作動時、(場合によっては突起またはフックとして形成された)ラッチまたはラッチの一部を(間接的または直接的に、場合によっては第1の弾性要素の力に抗って)駆動し、側面衝撃プロテクタが休止位置にある時に側面衝撃プロテクタまたは側面要素の(第1の)係合構造に係合してよい。実施形態によると、ラッチおよび第1の作動装置(作動要素)は、一体的に形成され得る。ラッチ(場合によっては突起またはフック)の(第1の)係合構造との係合は、特に、位置移動装置が側面衝撃プロテクタを機能位置の方向に駆動し、係合構造をラッチの方向に押し込むこと、および/または第1のロック装置が非ロック位置に向かって付勢され、ラッチを係合構造の方向に押し込むことで実現され得る。好適には、ラッチは、第1のロック装置がそのロック位置にある時、側面衝撃プロテクタが休止位置と機能位置との間で移動するのに必要な空間を遮断することができる。
【0072】
解除機構は、シートシェルまたは側面衝撃プロテクタ自体に設けられ得る解除作動装置(解除作動要素)を備えてよい。解除作動装置は、ボタン、ノブ、スライダ(など)を備えてよく、またはそれらで形成され得る。一般に、解除作動装置は、引き、押し、および/または回転作動のために構成され得る。
【0073】
好適には、解除作動手段は、側面部材またはその一部によって形成され得る。実施形態によると、側面衝撃プロテクタまたは側面要素は、ロックされた休止位置を越えて、(ロックされた、またはロック可能な)休止位置を始点とし、機能位置から更に離れた(そのために反対方向への移動を必要とする)位置である(最大)位置に移動(または折畳みまたは回動)することが可能であるため、(第1の)係合構造およびラッチは、互いに離れる方向に動かされることにより、ラッチが付勢によって非ロック位置に移動することが可能である。そのような最大(特に非ロックまたは非ロック可能)位置は、(所定の幅内にある場合)休止位置または追加の休止位置と見なされてもよい。
【0074】
たとえば、解除作動装置(解除作動要素)は、側面部材の遠位部によって形成されてよく、解除機構は、解除作動装置をシートシェルの方向に押すことによってトリガされる。ただし、たとえばプッシュ機構、スライド機構、および/またはターン機構(プッシュ、スライド、および/またはターンノブ)などの他の機構も考えられる。
【0075】
第2のロック装置は、好適には、(側面衝撃プロテクタがその機能位置で保持される)ロック状態と、(側面衝撃プロテクタの休止位置への移動が可能な)解除状態とをとることができる。第2のロック装置は、ロック状態の方向に付勢するための(第2の)弾性要素を備えてよい。第2の弾性要素は、第1の弾性要素に関して提案したように形成され得る。
【0076】
好適には、側面衝撃プロテクタまたは側面衝撃プロテクタの側面要素(またはその一部)は、機能位置への折畳みまたは回動の後、このためにシートシェルに設けられた(たとえば2つのストップによって形成された)凹部に移動(好適には摺動または滑動)することができ、それによって好適には、休止位置に折り返し、または再び回動することが防がれる。このために、側面衝撃プロテクタまたは側面衝撃プロテクタの側面要素(またはその一部、たとえば保持部品)は、好適には第2の弾性要素によって、シートシェルの方向に付勢され得る。好適には、摺動または滑動は、位置移動装置によって駆動される機能位置への移動の一部であってよい。この場合、位置移動装置は、好適には、少なくとも部分的に第2のロック装置を形成する。その後、側面衝撃プロテクタまたは側面衝撃プロテクタの側面要素または保持部品を引っ張ることによって、(必要な場合のみ)側面衝撃プロテクタを再び休止位置に移動することが可能である。実施形態において、シートシェルの凹部内への摺動または滑動のために設けられた側面衝撃プロテクタの部品(保持部品)は、スライダであってよい。
【0077】
第2のロック装置は、他の種類のロック機構、特にラッチ機構、たとえば(場合によっては付勢された)滑動および/または回転ラッチによって実現されてもよく、このラッチは、たとえば側面衝撃プロテクタの対応するカウンタ構造と係合するためにシートシェルに設けられた、またはシートシェルの対応するカウンタ構造と係合するために側面衝撃プロテクタに設けられる。
【0078】
実施形態において、位置移動装置は、第2のロック装置の全部または一部を形成してよい。一般に、位置移動装置は、側面衝撃プロテクタをその休止位置および/または中間位置から機能位置に向かって付勢する装置である。特に、位置移動装置は、弾性要素、たとえば引張ばね、板ばね、および/またはねじりばね、または他の(適切な)ばねを備えてよい。この点に関して、特にDE202015104791U1号が参照される。
【0079】
好適には、側面衝撃プロテクタは、その休止位置から機能位置へ、またその逆に、折畳みまたは回動によって移動可能であり得る。特に、側面衝撃プロテクタは、側面要素を備えてよく、側面衝撃プロテクタの休止位置と機能位置との間の移動は、側面要素の折畳みまたは回動によって行われ得る。
ただし、他の実施形態において、側面衝撃プロテクタは、他の方法で(たとえば、摺動、伸縮機構、またはたとえばねじ状の他の回転によって)その休止位置と機能位置との間で移動することもできる。上述した機構の組み合わせも可能である。
【0080】
側面要素は、好適には、カップホルダとして設計されない。また、側面要素は好適には、子供の身体の一部を(直接)支持するようには設計されず、または少なくとも子供の側部を(直接、プロテクタのように)保護するためのチャイルドシートの側面パネルとしては設計されない。
【0081】
(それぞれの)側面要素は、少なくとも5cm、好適には少なくとも7cm、および/または最大20cm、好適には最大15cmの(最大)長さを有してよく、(最大)長さは、好適には、互いに最大距離を有する側面要素の点の対によって定義される。代替または追加として、長さは、(機能位置における)側面要素の横方向への広がりによって定義することができ、横方向は、重ねて好適には、側部に向けられた方向(まっすぐ前方を見る子供の視線方向に垂直な方向)または(前部から後部へ、および/または後部から前部へであってよい)チャイルドシートの向きに垂直な方向を表すものとする。側面要素の幅((最大)長さによって定義された方向に垂直な最大範囲)は、少なくとも2cm、好適には少なくとも3.5cm、および/または最大10cm、好適には最大6cmであってよい。
【0082】
また、(それぞれの)側面要素は、少なくとも10cm3または少なくとも20cm3および/または最大100cm3の体積を有してよい。
(それぞれの)側面要素は、好適には、少なくとも実質的に剛性であり、および/または寸法が安定しており、および/または少なくとも実質的に非多孔質であり、および/またはハニカム構造ではなく、および/または発泡構造ではない。
チャイルドシートは、少なくとも2kg、任意選択的に少なくとも5kg、および/または最大20kg、任意選択的に最大15kgの重量を有してよい。
【0083】
上述した目的は、特に、自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート(好適には、詳しく上述および/または後述するようなチャイルドシート)と、(たとえばカートンおよび/またはバッグおよび/またはホイルを備える)パッケージとを備えるシステムによって更に解決される。チャイルドシートは、好適には、シートシェルと、シートシェルに取り付けられ、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、側面衝撃プロテクタを休止位置から機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置とを備える。パッケージおよびチャイルドシートは、好適には、側面衝撃プロテクタが、パッケージによって休止位置または休止位置と機能位置との間の中間位置で保持され、パッケージを取り外すと、位置移動装置によって休止位置または中間位置から機能位置へ少なくとも部分的に(任意選択的に完全に)移動するように、互いに対して構成および配置される。
【0084】
この点に関して、本発明の(独立した)概念は、側面衝撃プロテクタが少なくとも完全には機能位置に移動されず(場合によっては、チャイルドシートの幅がより小さくなる中間位置に、好適にはその休止位置にあり)、パッケージが取り外されると(またはユーザがチャイルドシートを開梱すると)側面衝撃プロテクタが機能位置に向かって(好適には機能位置に)少なくとも部分的に自動的に移動するようにチャイルドシートを(省スペースで)構成するように包装することでもある。
【0085】
また、そのような措置によって安全性が向上し、特に、側面衝撃プロテクタが実際に機能位置で使用される確率が高くなる。この点に関して、機能位置への移動がユーザにとって簡単でもある。たとえば、ユーザは、側面衝撃プロテクタを機能位置に移動させる方法をマニュアルで確認する必要がない。
【0086】
また、この目的は、特に、自動車シートに取り付けるためのチャイルドシート(好適には上述および/または後述のチャイルドシート)の(上記)包装のための方法、および/または、チャイルドシートならびにパッケージを備える(上述および/または後述の)システムの(上記)形成のための方法によって解決される。チャイルドシートは、好適には、シートシェルと、シートシェルに取り付けられ、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、側面衝撃プロテクタを休止位置から機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置とを備える。好適には、チャイルドシートは、側面衝撃プロテクタが、パッケージによって休止位置または休止位置と機能位置との間の中間位置で保持され、パッケージを取り外すと、位置移動装置によって休止位置または中間位置から機能位置へ少なくとも部分的に移動するように包装される。
【0087】
上述した目的は、特に、(好適には上述および/または後述の)自動車シートに取り付けるためのチャイルドシートの包装(開梱)のための方法、(上述および/または後述の)および/またはチャイルドシートならびにパッケージを備えるシステムの提供、および/またはチャイルドシートを包装するための上記方法の提供によって更に解決される。チャイルドシートは、好適には、シートシェルと、シートシェルに取り付けられ、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、側面衝撃プロテクタを休止位置から機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置とを備える。好適には、パッケージは、パッケージが側面衝撃プロテクタを休止位置または(上記)中間位置で保持せず(保持しなくなり)、位置移動装置が、側面衝撃プロテクタを少なくとも部分的に(任意選択的に完全に)機能位置に移動させるように、チャイルドシートから取り外される。
【0088】
特に、本発明は、チャイルドシートを包装するための方法も備え、チャイルドシートは、自動車シートに取り付けられるように構成され、チャイルドシートは、好適にはシートシェルを備える。(特に所定の幅内に位置する)休止位置と(特に所定の幅外に位置する)機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタは、シートシェルに取り付けられ、または取付け可能である。チャイルドシートは、更に好適には、側面衝撃プロテクタを休止位置から機能位置へ(少なくとも部分的に自動的に)移動させるための位置移動装置を備える。方法は、第1の好適なステップとして、側面衝撃プロテクタの機能位置から休止位置への移動と、第2の好適なステップとして、側面衝撃プロテクタがパッケージによって休止位置で保持されるようなチャイルドシートの包装とを備える。
【0089】
方法は、更なるステップとして、パッケージが側面衝撃プロテクタを休止位置で保持せず(保持しなくなり)、位置移動装置が側面衝撃プロテクタを機能位置に(少なくとも部分的に)移動させるように、チャイルドシートからパッケージを取り外すことを備えてよい。パッケージの取外しは、たとえば、チャイルドシートをパッケージから取り外すことによって行われ得る。
【0090】
本発明の(代替的かつ独立的に特許請求される)代替概念によると、自動車に取り付けるためのチャイルドシートは、側面衝撃プロテクタがその休止位置に(完全には)なく、特に、その機能位置に(完全には)ないように包装されてもよい。また、それによって安全性の向上が実現され、特に、側面衝撃プロテクタの(正しい)調整が省かれる可能性が低くなる。
【0091】
特に好適には、上記に従って包装された、または包装されるチャイルドシートは、休止位置において(少なくとも必ずしも)ラッチまたはロックされていないように構成される。すると、チャイルドシートの包装方法の変更により、自動的に作用する移動装置が、側面衝撃プロテクタを少なくとも部分的に機能位置に向かって(場合によっては完全に機能位置に)移動させ得る。しかしながら、チャイルドシートが基本的に休止位置でラッチまたはロックされるように構成される場合でも、チャイルドシートの包装に関して、そのようなロックを防ぐ措置が施され得る。たとえば、側面衝撃プロテクタを、ロックが生じない中間位置(場合によっては休止位置に比較的近い位置)に配置することができ、または、ロック機構が、(チャイルドシートに対して場合によっては外側にある)阻止構造によって、たとえばパッケージまたはその一部またはたとえば板状の要素および/または接着ストリップなどの個別の阻止要素によって阻止され得る。
【0092】
具体的には、可能な外部阻止構造は、パッケージによって保持された側面衝撃プロテクタの位置/場所によって(のみ)保持され得るので、チャイルドシートがパッケージから取り外されると、側面衝撃プロテクタは、機能位置の方に(更に)移動し、外部阻止構造は取り外される(たとえば落下する)。
好適には、パッケージおよびチャイルドシートは、側面衝撃プロテクタが機能位置に移動する時、(少なくともパッケージを変形、たとえば凹ませ、または破壊せずには)パッケージ内に収容できないように構成される。
【0093】
上述した目的は、上述(または後述)のチャイルドシートの使用、特に自動車内での子供を収容するための使用によって更に解決される。
上述および後述の機能的特徴、特に休止位置から機能位置への移動および/またはその逆の移動に関する特徴は、好適には、特定のプロセスステップとして実行され得る。
【0094】
上述した目的は、特に、自動車シートに取り付けるための(特に上述および/または後述の)チャイルドシートを構成するための方法によって更に解決される。チャイルドシートは、好適には、シートシェルと、シートシェルに取り付けられ、特に所定の幅内に位置する休止位置と、特に所定の幅外に位置する機能位置との間で移動可能な側面衝撃プロテクタと、側面衝撃プロテクタを休止位置から機能位置へ少なくとも部分的に自動的に移動させるための位置移動装置とを備える。好適には、側面衝撃プロテクタは、機能位置から休止位置への完全な移動によって(休止位置において)ロックされず、または少なくともそれだけではロックされない。特に好適には、側面衝撃プロテクタは、別の方法でロックされ、更に好適には、(特に側面衝撃プロテクタまたは少なくとも側面要素とは別の)第1の作動装置を作動させること、および/または、側面衝撃プロテクタの少なくとも一部、好適には側面要素の少なくとも一部をロック位置に移動すること、特に変位させることによってロックされる。
【0095】
チャイルドシートは、休止位置から機能位置への少なくとも部分的な自動移動に加えて、上記で示す(図面にも一部が示される)移動装置の代替または追加として、機能位置から休止位置への少なくとも部分的な自動移動のための移動装置を備える。またそのような移動装置は、少なくとも1つのばねを備えてよい。
【0096】
更なる実施形態が、従属請求項から得られる。
以下、本発明は、図面を参照してより詳しく説明される実施形態例を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1】側面衝撃プロテクタが休止位置にある、本発明に係るチャイルドシートの概略斜視図である。
図2図1に係るチャイルドシートの一部を側面図である。
図3図1および図2に係るチャイルドシートの一部を背面図である。
図4】側面衝撃プロテクタが休止位置にある、図1に係るチャイルドシートのシートシェルの一部である。
図5a】側面衝撃プロテクタが機能位置にある、図4に係るシートシェルの一部である。
図5b】側面衝撃プロテクタが機能位置にある、図4および図5aに係るシートシェルの一部を異なる視点から示す。
図6a】シートシェルの一部の内側からの(パッド/布カバーなしの)表現である。
図6b】側面衝撃プロテクタおよびシートシェルの一部の分解図である。
図7】側面衝撃プロテクタが休止位置にある、シートシェルの一部を通る断面図である。
図8】側面衝撃プロテクタが休止位置を越えて内側に移動した、図7に係る断面図である。
図9】側面衝撃プロテクタが機能位置にある、図7および図8に係る側面衝撃プロテクタの断面図である。
図10】機能位置(上図)ならびに非ロックまたはロック休止位置(中図または下図)における本発明に係る側面衝撃プロテクタの代替実施形態であり、それぞれシートシェルの一部を有する。
図11】本発明に係る側面衝撃プロテクタまたは側面要素の更なる実施形態を下から見た図である(機能位置を参照)。
図12図11に係る側面衝撃プロテクタまたは側面要素を内側から(シートシェルの方向から)見た図である。
図13図11および図12の側面衝撃プロテクタまたは側面要素のための受容領域を有するシートシェルの一部の外観図である。
図14】概ね図13の一部をわずかに異なる角度から示す。
図15】側面衝撃プロテクタが取り付けられた、図13に係るシートシェルの一部である。
図16】概ね図15の一部をわずかに異なる角度から示す。
図17】シートシェルの側領域を内側から見た図である。
図18】追加の細部を有し、側面要素が取り付けられていない、図17に係る貫通孔の拡大図である。
図19】追加の細部を有し、側面要素が取り付けられた、図17に係る貫通孔の拡大図である。
図20】カバーが示されるが一部のみが取り外された、図17に類似した図である。
図21図13と同様に、側面衝撃プロテクタまたは側面要素のための受容領域を有するシートシェルの一部である。
図22図21に係るシートシェルを通り、かつ側面衝撃プロテクタを通る部分である。
図23図22に係る側面衝撃プロテクタを図12と同様の図で示す。
図24図21に係る側面衝撃プロテクタまたは側面要素のための受容領域を異なる視角から示す。
図25図24に係る受容領域および図23に係る側面衝撃プロテクタの分解図である。
図26】機能位置における本発明に係る側面衝撃プロテクタの更なる代替実施形態をシートシェルの一部と共に示す。
図27】完全にロックされておらず最大に展開された位置における図26に係る側面衝撃プロテクタをシートシェルの一部と共に示す。
図28】休止位置における図26に係る側面衝撃プロテクタをシートシェルの一部と共に示す。
図29】本発明に係る側面衝撃プロテクタの更なる代替実施形態である。
図30】休止位置における本発明に係る側面衝撃プロテクタの更なる代替実施形態をシートシェルの一部と共に示す。
図31】中間位置における図30に係る側面衝撃プロテクタである。
図32】第1の機能位置における図30に係る側面衝撃プロテクタである。
図33】完全に拡張しているがロックされていない位置における図30に係る側面衝撃プロテクタである。
図34】本発明に係る、側面衝撃プロテクタを有するチャイルドシートである。
【発明を実施するための形態】
【0098】
以下の説明において、同じ参照番号は、同一の部品および同様に機能する部品に用いられる。
図1は、側面衝撃プロテクタが休止位置にある、本発明に係るチャイルドシートである。
チャイルドシート10は、基部20に取り付けられたシートシェル50と、衝撃シールド90とを備える(基部および衝撃シールドの両方が任意選択である)。他の実施形態において、基部の一部がシートシェルを共に形成することも可能である。ここでは、基部20は、(伸縮式)支持脚部30と、アンカとして機能するIsofixラッチ40とを(任意選択的に)備える。
【0099】
シートシェル50は、シート部60と、ヘッドレスト80を有するバック部70とを備え、シート部60は、座面61および第1の側面領域62を画定し、バック部70は、(子供の背中がもたれるための)(背部)支持表面71および第2の側面領域72を画定する。ヘッドレスト80は、ここでは明示されない側面領域、および頭部支持表面も有する。
【0100】
座面61、支持表面71、ならびにチャイルドシートに収容された子供に面する第1の側面領域62および第2の側面領域72は、シートシェル50の内側側面52の一部であり、子供のための受容空間51を(少なくとも部分的に)画定する。チャイルドシートに収容された子供の反対方向を向いたシートシェルの側面、特に第1の側面領域62および第2の側面領域72の外側側面は、シートシェル50の外側側面53の一部である。
【0101】
シートシェル50の外側側面53、および(必須ではない)実施形態によると第2の側面領域72の外側側面には、側面衝撃プロテクタ100が設けられる。原理的には、シート部60の第1の側面領域61の外側側面、およびヘッドレスト80の側面領域の外側側面にも側面衝撃プロテクタ100を設けることが可能であるが、ここで示す変形例は、バック部70に(特に、背部支持表面71の後部に、好適には機能位置における取付け場所に対して)設けることが好適である。
【0102】
参照符号54で示された破線は、実施形態によると、以下に詳しく示す第1のロック装置140の作動要素141(特に図6a~図9を参照)がアクセス可能であるシートシェルの内側側面52の領域を概略的に表す。図1に示す領域54は、図1では(シートシェルの反対側の外側側面に設けられているために)見えない側面要素に対応し得るが、図示される側面要素100に対応する領域も示されていない(第2の側面領域に隠されている)。
【0103】
図2は、図1に示すチャイルドシートを(部分的に)側面図で示す。特に、ここでは、側面衝撃プロテクタ100が側面要素101を備えることが分かる。
図3は、図1および図2に示すチャイルドシートの上部を背面図で示す。この図では、シートシェル50の右側および左側の両方に側面衝撃プロテクタ100が設けられていることが分かる(原理的には、側面衝撃プロテクタ100は、1つの側面のみ、少なくとも1つの側面、または場合によっては両方の側面にいくつかの側面衝撃プロテクタが設けられてもよい)。また、図示される休止位置において、側面衝撃プロテクタ100は、チャイルドシートの幅を(少なくとも大幅には、特に、あったとしてもたとえば2cm以下しか)増加させないことが図から導かれる。
【0104】
図4は、チャイルドシートのシートシェルの一部ならびに休止位置における本発明に係る側面衝撃プロテクタを示す。
側面衝撃プロテクタ100は、シートシェル50の外側側面53上のバック部70に配置される(または取り付けられる)。側面衝撃プロテクタ100は、側面要素101を備え、その遠位端105は、以下で詳しく説明される第1のロック装置140を解除し、側面衝撃プロテクタを機能位置に移動することを可能にするために、側面衝撃プロテクタが休止位置にある時に受容領域51またはシートシェル50に向かって動かす(または押す)ことが可能である。
【0105】
図5a、5bにおいて、チャイルドシートのシートシェルの一部および本発明に係る(図4に対応する)側面衝撃プロテクタが機能位置で示される。
側面衝撃プロテクタ100(特にその側面要素101)が機能位置に移動すると、シートシェルの外側側面53に凹部55が現れ、その中に、側面要素が少なくとも部分的に(場合によっては休止位置において少なくとも概ね完全に)、および/または機能位置において一部のみ(たとえばその長さの少なくとも20%、場合によっては少なくとも30%および/または最大50%、場合によっては最大40%)が収容される。機能位置において、側面要素101の近位端104は、側面要素101の遠位端105よりも受容空間51またはシートシェル50に近い。
【0106】
図6aは、シートシェルの一部の内観図を(パッド/布カバーなしで)示す。図6bは、側面衝撃プロテクタおよびシートシェルの一部の分解図を示す。
側面要素101は、上部シェル102および下部シェル103を有してよい(ただし必須ではない)。ただし、他の実施形態では、他の方法で、または一体的に組み立てられてもよく、特に、休止位置では見えていない側面は、開放状態または部分的に開放状態であってよい。側面要素101は、軸106を介してシートシェル50に取り付けられ、実施形態によると、シートシェル50は、側面要素のための支持部56も形成し得る凹部55を(共に)形成する要素を備える。シートシェル50は、(特に凹部55を形成する要素の領域において)第1のロック装置のラッチ143の通路となる貫通孔57を有してよい。また、シートシェルは、軸106が取り付けられる(場合によっては特に安定した、たとえば金属製の)クランプ58を備えてよい。
【0107】
側面要素101は更に、ばねを介して(ここでは任意選択的にクランプ58を有する)シートシェル50に接続される。一方、このばねは、位置移動装置120(またはその構成要素)として機能し、側面要素101を機能位置または中間位置から機能位置に付勢する。一方、ばねは、第2のロック装置160の一部として機能位置のロックを可能にする第2の弾性要素161も形成する。
【0108】
第1のロック装置140は、(休止位置における)側面衝撃プロテクタ100の休止位置をロックする役割を果たし、ロック位置と非ロック位置との間で移動可能である。ただし、側面要素101または側面衝撃プロテクタ100の単なる休止位置への移動は(単独では)ロックを引き起こすことはない。なぜなら、第1のロック装置140は、第1のロック装置140を非ロック位置に向かって付勢する第1の弾性要素142を備えるためである。側面衝撃プロテクタ100の休止位置でのロックを実現する(またそれによって、位置移動装置120が側面要素101を機能位置に移動させることを防ぐ)ために、作動要素(または、より一般的には第1の作動装置)の作動が提供され、それによってラッチ143がシートシェルの貫通孔57内または貫通孔57を通って移動する。ラッチ143の端部にはフック144があり、これは、側面衝撃プロテクタ100の係合構造107と協働し得る(以下で、追加の任意選択的な詳細と共に詳述する)。作動要素(第1の作動装置)141およびラッチ143ならびにフック144は、異なる(別々の)要素として形成されてよく、または場合によっては一体的に結合され得る。
【0109】
図7は、休止位置における側面衝撃プロテクタならびにシートシェルの一部の断面図を示す。
側面衝撃プロテクタは、ロックされた休止位置にある。このために、ラッチ143(すなわち、任意選択的な実施形態において、第1のロック装置140のフック144)は、側面要素101の近位端104において係合構造107と係合状態にある。フック144と係合構造107との係合は、第1の弾性要素142(この場合は圧縮ばねであるが、これは必須ではない)の力に抗って第1のロック装置140が非ロック位置に移動することを防ぐ。ラッチ143は、第1のロック装置140がロック位置にある時、位置移動装置120の力に抗い、側面要素101が機能位置に移動することを防ぐ。
【0110】
位置移動装置120(任意選択的にここでは引張ばね)は、側面要素101を(任意選択的な)クランプ58(またはチャイルドシートまたはシートシェルの他の部分)に接続し、張力を受けている。ここで、側面要素101の遠位端105は、概ね(完全にではないが、代替実施形態ではそうであってもよい)シートシェル50(またはシートシェル50の凹部55)に当接し、そこからわずかに突出する。
【0111】
好適には、側面要素は、シートシェルの方向に更に動かすことができるので、場合によっては完全に当接する(または少なくともシートシェルに更に接近して当接する)。ただし、そのような(実施形態によると可能な)更なる移動の間、(好適には)側面要素のどの点も、(移動の開始点と終了点との間の直線接続線に関して)2cmより大きい、好適には1cmより大きい経路を描いてはならない。任意選択的に、最大経路を描く点は、少なくとも1mm、任意選択的に少なくとも2mmの経路を描いてよい。
【0112】
側面要素101は、(少なくとも概ね)近位端104と遠位端105との(仮想)接続方向に延びる(少なくとも実施形態に係るが必須ではない)長孔163を備えてよく、その中に軸106が導かれる。
【0113】
ラッチ143の下面は、急勾配の傾斜を有してよく、第1のロック装置160が(何らかの理由で)ロック位置にあり、側面衝撃プロテクタ100が機能位置にある場合、側面衝撃プロテクタ100が機能位置から休止位置に移動することにより、ラッチ144を貫通孔57に押し込むことによって第1のロック装置160が非ロック位置に移動することにもなる。
【0114】
図8は、(ロックされた、またはロック可能な)休止位置を越えて最大限に折り畳まれた位置にある、図7に係る側面衝撃プロテクタならびにシートシェルの一部の断面図を示す。
側面衝撃プロテクタ100は、最大限に折り畳まれた位置にあり、これはたとえば、解除作動要素(解除作動装置)、すなわち側面要素101(シートシェル又は受容空間51の方向に)の遠位端105を位置移動装置120の力に抗って押すことによって実現され得る。その結果、位置移動装置は最大張力状態にあり、係合構造107は、ラッチ143およびフック144から離れる方向に動くので、第1のロック装置140は、第1の弾性要素142の付勢によって非ロック位置に移動される。軸は、長孔164の近位端104付近で保持され(図7も参照)、側面要素101は、この時、遠位端105が(少なくとも部分的に)シートシェル50に当接している。
【0115】
図9は、機能位置における、図7および図8に係る側面衝撃プロテクタならびにシートシェルの一部の断面図を示す。
側面衝撃プロテクタ100は、ロックされた機能位置にある。これを実現するために、位置移動装置120の付勢により、側面要素101の近位端104は、受容空間51またはシートシェル50に向かって回動している。同時に、位置移動装置120の遠位端105は、受容空間51またはシートシェル50から離れる方向に回動し、この時点で、シートシェルから側方に突出している。側面要素が(少なくともほぼ)完全に回動した後、残っているばねの付勢は、この時点で第2の弾性手段161および第2のロック装置160の一部としての機能を有し、側面要素101を受容空間51の方に引き、それによって近位端104(またはその一部)が第1のストップ59と第2のストップ162との間に留まる。
【0116】
この場合、この動きは長孔163および軸106によって案内され、軸106は、移動の終了時、長孔163の遠位端105付近に取り付けられる。図示される例において、第2のストップ162は、クランプ58の縁部によって形成され、側面要素101の展開を制限する。図示される例において、第1のストップ59は、返し55を形成する要素の縁部によって形成され、側面要素101が休止位置に折り返したり倒れたりすることを防ぐ。側面衝撃プロテクタ100の機能位置は、これら2つのストップ59および162、および第2の弾性要素161によってロックされる。側面要素のロックされた機能位置に到達した後、位置移動装置120または第2の弾性要素は弛緩する(または少なくとも側面要素の休止位置における状態よりも付勢が小さくなる)。ロックは、側面要素(または側面要素の一部)を受容空間51またはシートシェル50から離れる方向に引くことによって再び解除され得る。
【0117】
図10は、側面衝撃プロテクタ100の代替実施形態の3つの異なる位置をシートシェルの一部と共に概略的に示す。
ここでもまた、側面衝撃プロテクタ100は、側面要素101を備える(または側面要素101から形成される)。側面要素101は、前述の実施形態と同様に折畳み可能に設計される。ただし、図示される折り畳まれた休止位置(図10の中図)は、折り畳むだけではロックすることができず、側面要素101の遠位端105がシートシェル50のアンダーカット170の下に入り込むように折畳み要素を移動することによってのみロック可能である(図10の下図を参照)。またこの実施形態において、側面要素は、(ロックがない状態で)たとえば回転軸の領域内のねじりばねによって機能位置(詳細には図示せず)に自動的に移動するように付勢され得る。たとえば、折畳み軸は、側面要素101の変位を可能にするためにシートシェル50のレール(たとえば長孔)内または上をガイドされ得る。
【0118】
あるいは、シートシェルの表面に沿った別の方向への折畳み要素の変位が可能であってよく、そのためにアンダーカットはそれぞれの方向に設けられる。また、好適には、アンダーカットを有する上述の設計ならびに代替設計における上記で示す変形例とは対照的に、回転軸は、シートシェルに対して固定することが可能であり、この場合、たとえば、側面要素の長孔がアンダーカットの裏側で変位を可能にする。
【0119】
図11は、本発明に係る側面衝撃プロテクタまたは側面要素101の更なる実施形態を示す。側面要素101は、(場合によっては最大2cmまたは最大0.5cmの距離を置いて、または直接)シートシェル50に(少なくとも部分的に)当接し、シートシェル50に固定され得る下側部品103(または内側部品)を備える。また、側面要素101は、(少なくとも機能位置において)シートシェルから突出し、側方に配置された外側表面(たとえば自動車表面、たとえば自動車ドアの内側表面)に(少なくとも事故の際、場合によっては通常の使用時にも予め)接するように構成された上側部品102(または外側部品)を備える。下側部品103および上側部品102は、互いに着脱可能または非着脱可能に接続され得る。それぞれの部品および/または部品102、103両者の一体的(場合によってはモノリシック)またはマルチパーツ(他部品)設計が可能である。特に、部品103、102は、共通部品を形成し、または合体することが可能である。
【0120】
第1の係合構造(係合要素)108は、側面要素101の(必須ではないが具体的には内側または下側部品103の)第1の端部104に設けられ、シートシェル50の対応するカウンタ構造と係合し得る。具体的には、ここで第1の係合構造108は、側面要素101の下側部品103から(実施形態によると、第2の端部105ならびに上側(外側)部品102から離れる方向に)突出する。対応する角度は、たとえば側面要素101の内側側面に対して少なくとも10°または少なくとも20°および/または最大70°または最大60°または最大30°であってよい。
【0121】
第1の係合構造108がシートシェル50のカウンタ構造と係合状態にある時、これは、保持(必ずしもロックではない)機能を有する。そのため、第1の係合構造108は、好適には(少なくとも比較的)剛性に作られる。側面要素101の第2の端部105(具体的には内側または下側部品103の対応する端部)において、第2の係合構造(係合要素)109が突出し、シートシェル50の対応するカウンタ構造(たとえば受容部)に係合する。
【0122】
第2の係合構造109は、好適には、特に、両方の係合部品108、109が(共に)側面要素101の取付け(嵌合)および取外し(分離)のための動きを予め定義(または画定)するように、第1の係合構造108と(少なくとも概ね)同じ方向を指す。第2の係合構造109は、ラッチ装置(ラッチノーズ)1091を備えてよい。第2の係合構造(第2の係合要素)の動作モードは、以下で更に説明する。
図10に係る実施形態において第1の端部104は後端であってよい。第2の端部105は、前端であってよい(図11に係る側面要素101と共に対応するチャイルドシートを示す最後の図も参照)。
【0123】
図12は、図11に係る側面要素101を内面から(シートシェル50の方向から)見た図で示す。この図では、下側(内側)部品103が(少なくとも概ね)見えている。下側(内側)部品103(ただし任意選択)は、係合構造108、109のそれぞれの取付け点において上側部品102に(たとえばねじによって)着脱可能に接続されることが分かる。第2の係合構造109は、中央部1092を有し、これは、(実施形態によると、2つの)アーム1093および(作動装置の一部である、または作動装置を形成する)作動部1094を備える。アーム1093(または一般には中央部1092)は、少なくとも部分的に可撓性(特に弾性)であるため、作動部1094を外側部品または上側部品102の方に動かす(押す)ことによって、中央部1092(中央部品)は板ばねとして作用する(または板ばねを形成する)。アーム1093に隣接して(任意選択的に同じ方向に延び)、第2の係合構造109は、好適には(少なくとも中央部1092が曲げられ得る方向において)比較的剛性である任意選択的な側部部品1095を更に備える。アーム1093は、好適には、側部部品1095の間に位置する。また(更に後の実施形態によると)、任意選択的な補助要素(一般には補助構造)1096が(好適にはほぼ作動部1094の高さに)配置され、これもまた、シートシェル50の対応するカウンタ構造(たとえば凹部)に係合し、シートシェル50における側面要素101の固定を(保持可能に)支持することができる。
【0124】
補助要素1096は、突起として形成され、または、少なくとも1つのそのような突起を備えてよい(あるいは代替または追加として凹部を備え、またはそのような凹部によって形成されてよい)。そのような補助要素によって、安全かつ信頼できる位置決めが簡単に実現可能である。
【0125】
図13は、側面要素101を受け入れるためのシートシェル50の一部を外観図で示す。シートシェル50は、側面要素101の下側部品103を取り付けることが可能な受容領域(凹部)51を有する。第2の(特に前)部分511は、(任意選択的な)フレーム(装飾フレーム)と、第1の係合構造108のための第1の受容部(カウンタ構造)512とを有する。受容領域51の第1の(特に後)部分513は、ねじドームの頭部のための任意選択的な(好適には丸みのある)受容部514、ならびに(そこに直接隣接した)第2の係合構造(第2の係合要素)のための、すなわち特に中央部(部品)1092および2つの側部部品1095のための第2の受容部(カウンタ構造)515を有する。第2の受容部515に対して更に外側に、(2つの)補助構造(補助要素)1096のために補助受容部(カウンタ構造)516も設けられる。既に上述したラッチノーズによって(掛け留め式に)係合され得るラッチ縁部が図14に示される。
【0126】
図14は、側面要素101を受け入れるためのシートシェルの一部を外側から(斜め方向に、特に斜め後方から)見た図で示す。
図示される要素および構造は図13のものに(少なくとも部分的に)対応する。
図15は、側面要素101が取り付けられた側面要素101を受け入れるためのシートシェル50の一部を外観図で示す。
図16は、側面要素101が取り付けられた側面要素101を受け入れるためのシートシェル50の一部を外側から(斜め方向に、特に斜め前方から)見た図で示す。
【0127】
図17は、バック部70(カバーや織物製品なし、ただし、設けられる場合もあり、特に設けられる)の側面領域72の内側から(すなわち子供を受け入れるための領域から)の図を示す。第2の側面領域72(側面パネル)は、(外側)剛性シェル(図示されないが硬質プラスティックシェル)を有し、その内側は、(硬質)発泡体部品で覆われてよい。開口部(貫通孔)721は、第2の側面領域(側面パネル)72、特に(硬質)発泡体部品に設けられてよく、この開口部(貫通孔)は、(少なくとも)人間の指が中を通るために十分な大きさであり、または、少なくとも1cmまたは少なくとも1.5cmおよび/または最大8cmまたは最大4cmの直径に適応し得る円を(断面で)収容するのに十分な大きさである(示される上限に関して、特に、示される上限よりも大きな円を収容できないという意味であることが意図される)。開口部721は、受容領域51の第2の受容部515の反対側にある。したがって、側面部材101が取り付けられると(差し込まれると)、第2の係合構造(係合要素)109の一部(好適には中央部)1092の作動部1094は、ラッチ装置(ラッチノーズ)をカウンタ構造(ラッチ縁部)から分離し、シートシェル50から側面部材101を取り外す(分離する)ことを可能にするために、開口部721を通る(人間の)指によって作動され得る。
【0128】
図18は、開口部721を拡大図で(側面要素101なしで)示す。第2の受容部515の一部、特にそのラッチ縁部は、開口部721内に示される。
図19は、開口部721の拡大図を(側面要素101なしで)示す。第2の受容部515の一部(特にそのラッチ縁部)は、開口部721内に示される。また、第2の係合構造(第2の係合要素)109の中央部(中央部品)1092が見えている。また、ラッチノーズは、ラッチ縁部と係合した状態である。
【0129】
図20は、図17に類似した図を示すが、織物製品が示されており、一部のみが取り外されている(折り畳まれている)。
図21は、シートシェルまたはチャイルドシートの側壁(特に外側シェル、好適にはプラスティックシェルまたは硬質プラスティックシェル)の一部を示す。特に、ここでは、側面要素101が取り付けられて(嵌合して)いない受容領域51が示される。図21に示す構成は、(原理的には)図11~20において説明したように設計され得る。
【0130】
図22は、図21に示す要素および構造を通る(略)水平断面図を示すが、ここでは側面要素101を含み、すなわち側面要素101の中心を(概ね)通る図である。
図23は、側面要素101の側面図を示す(図12と同様であるが、わずかに斜視である)。
図24は、図14と同様の図を示す(ここでは、第1の受容部512および第2の受容部515を覗き込むことができるように視角が選択される)。
【0131】
図25は、チャイルドシートまたはシートシェルの外側側壁(硬質プラスティックシェル)の一部ならびに下側103および上側102に分離された側面要素101の分解図を示す。
全体として、図21~25は、基本的に図11~20において説明したような実施形態を、更なる設計詳細(ただし任意選択)と共に示す。
【0132】
図26は、更なる実施形態に係る、折畳み可能な側面要素101を有するシートシェル50の壁の一部を通る概略断面図を示す。ここで、側面要素101は、示された背部支持表面71の裏側に配置されない場合があるが、配置されてもよい。内側側面52からアクセス可能な作動装置180が設けられる。作動装置180は、ボタン(たとえばプッシュボタン)を有し、または形成し得る。作動装置180は、ここでは(実施形態によると)ばね装着され、ラッチ要素183の摺動ブロック182に係合するピン181を有する。作動装置180は、好適には、横方向に移動可能(変位可能)である。そのために、摺動ブロック182は、横方向または作動装置の移動方向に対し(少なくとも概ね)垂直な方向への(強制的な)移動がロック要素183に対して生じるように、適宜(すなわち斜めに、たとえば作動方向に対し45°の角度に)向けられる。
【0133】
図27は、(概ね半分の)押込みまたは圧入位置にある作動装置180を示し、それによってラッチ要素183は、(図26に係る)ラッチ位置から非ラッチ位置(図28を参照)への移動を開始している。対応するばねが(約半分)見えている。
図28は、(完全に)押し込まれ、または(概ね終端位置に)圧入された作動装置180および非ラッチ位置にあるラッチ要素183を示す。側面要素101は、機能位置(図26)から休止位置に移動している。側面要素101の内側部品103または内側側面(または他の内側に向けられた構造)は、ラッチ要素103および作動装置180が開始位置に戻ることを防ぐので、少なくとも1つのばね(2つのばね)は、付勢状態を保っている。図26~28に係る実施形態は、位置移動装置(ここでは不図示)と組み合わせることが可能であり、位置移動装置は、側面要素101をその機能位置から休止位置に(および/またはその逆に)移動するように設計される。
【0134】
図29は、図26~28の実施形態に対する代替実施形態を表す。この実施形態は、基本的に図26~28で説明したように実行され得るが、以下の相違点(各々がそれ自体は任意選択)を有してよい。第1に、ここでは、背部支持表面71が側面要素101に対して前方に変位し(または側面要素101が対応して後方に変位し)、それによって(特に、図示されていないカバーまたはパッドが通常通り含まれる場合)側面要素101が(少なくとも実質的に)背部支持表面71の背後に位置する。第2に、ここでは、側面要素101の遠位端105は、側面要素101が休止位置にある時にラッチ要素183を受け入れることができる凹部(受容部)を含む。第3に、ラッチ要素183および受容部190は、外力が(少なくとも所定の力閾値を超過して)付与されていない場合のみ側面要素101の休止位置が維持されるように(たとえば傾斜表面によって)設計され得る。外力が(場合によっては所定の力閾値を超過して)(たとえばユーザが外側から側面要素を引っ張ることにより)付与された場合、傾斜表面は、ラッチ要素183に、作動装置180(解除ボタン)を(2つのばねのうちの)少なくとも1つのばねの力に抗って係合位置に引き込ませ、側面要素101を休止位置から機能位置への移動を解除する。この(図29に係る)実施形態は、位置移動装置(不図示)と組み合わせることができ、位置移動装置は、たとえば力閾値を上回るために(わずかな)引張しか必要とされないように、側面要素をその休止位置から機能位置へ(および/またはその逆に)移動するように設計される。(容易な)引張を可能にするために、側面要素101に適切な係合オプションが設けられてよく、たとえば、(少なくともわずかに)突き出した端部(たとえば前部)が、一点においてシートシェル50の外壁から更に(少なくともわずかに)突出してよい。
【0135】
図30~33は、図26~29に類似した(特に図29に類似した)ラッチおよび解除機構を示すが、異なるように設計された(および配置された、または移動可能な)側面要素101を有する。ここでは、側面要素101が引き出され(または押し込まれ)てよく、すなわち(任意選択的に)背部支持表面71の背後にある。更なる実施形態(詳しくは図示せず)によると、側面要素101は、(それ自体が)伸縮可能に設計されてもよく、たとえば互いに対して変位可能な少なくとも2つの部分または互いに対して変位可能な少なくとも3つの部分を有する。(伸縮可能な)側面要素101は、キノコの傘型(キノコ状)の端部を有するが、これは必須ではない。キノコの傘型端部および/またはシートシェル50の外側側面53は、側面要素101の後側の把持および引出しを容易にするための少なくとも1つの窪み200を有するが、これも任意選択である。図26~29に示す実施形態例のように、代替として1つのばねのみを有する実施形態および/または異なるばね型を有する実施形態が実現可能である。
【0136】
図30によると、側面要素101は休止位置にあり、そのロックは、力閾値を超過することによって(側面要素を引っ張ることによって)解除可能である。あるいは、作動装置180(解除ボタン)を介して解除が可能であり得る。
図31は、(矢印で示すように)側面要素101を引っ張ることによって、側面要素101がその休止位置から動くことができ、(非ラッチ)中間位置に移動することを示し、ラッチ要素183は、その傾斜表面によってラッチ位置から押し出され、それによって作動装置(解除ボタン)をそれぞれのばね(特に2つのばね)の力に抗って係合位置に引き寄せる。
【0137】
図32は、第1の機能位置にある側面要素101を示す。この位置において、側面要素101は、(力閾値を超過する)外力(引張力)が付与されない限り、更なる引出しに対してラッチされる。したがって、外側から更に引き出すことが可能である。対照的に、休止位置に押し込むことは、作動装置180(解除ボタン)が作動した場合のみ可能である。この位置の存在は任意選択であり、休止位置および機能位置(のみ)が画定されれば十分である。
【0138】
図33は、(完全に)伸長した(端部)位置にある側面要素101を示す。ラッチされた端部位置(または第2の機能位置)を想定するために、ラッチ要素は、側面要素101の対応する凹部に係合する必要がある。ただし、これは図示されない。むしろ、押下された作動装置108(解除ボタン)が示され、(解除ボタンが押し込まれた状態で維持される限り)側面要素101がその休止位置に向かって押し込まれ得る場合について示される。
図34は、図11~33に類似した側面要素を有する、本発明に係るチャイルドシートを示す。
【0139】
ここまで、個々に、また任意の組み合わせで示された、上述した全ての部品、特に図面に示す詳細は、本発明に不可欠なものであることが主張されることに留意すべきである。それらの変更例が当業者には周知である。
また、可能な限り広範な保護範囲が求められることが指摘される。この点に関して、特許請求の範囲において定義される本発明は、追加の特徴と共に説明される特徴によって明示することも可能である(これらの追加の特徴は必ずしも含まれるわけではない)。丸括弧および「特に」/「具体的には」という用語は、それぞれの文脈における特徴の任意性を強調することが意図されており、逆に、そのような識別を有さない対応する文脈において特徴が必須であると見なされることを意味するものではないことが明確に指摘される。
【符号の説明】
【0140】
10 チャイルドシート
20 基部
30 伸縮式支持脚部
40 Isofixラッチ
50 シートシェル
51 受容空間または受容領域
511 第2の部分
512 第1の受容部
513 第1の部分
514 受容部
515 第2の受容部
516 補助受容部
52 内側側面
53 外側側面
54 シートシェルの内側52の領域
55 凹部
57 貫通孔
58 クランプ
59 第1のストップ
90 衝撃シールド
60 シート部
61 座面
62 第1の側面領域
70 バック部
71 (背部)支持表面
72 第2の側面領域
721 開口部(貫通孔)
80 ヘッドレスト
100 側面衝撃プロテクタ
101 側面要素
102 上部シェル(外側部品)
103 下部シェル
104 近位端(第1の端部または後端)
105 遠位端(第2の端部または前端)
106 軸
107 係合構造
108 第1の係合構造
109 第2の係合構造
1091 ラッチ装置(ラッチノーズ)
1092 中央部
1093 アーム
1094 作動部
1095 側部部品
1096 補助要素
120 位置移動機構
140 第1のロック機構
141 作動要素
142 第1の弾性要素
143 ラッチ
144 フック
160 第2のロック装置
161 第2の弾性要素
162 第2のストップ
163 長孔
170 アンダーカット
180 作動装置
181 ピン
182 摺動ブロック
183 ラッチ要素
196 凹部
200 トラフ
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】