(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】自動車のシートに装着するための衝撃シールドを備えたチャイルドシート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/888 20180101AFI20231124BHJP
B60N 2/28 20060101ALI20231124BHJP
B60N 2/42 20060101ALI20231124BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20231124BHJP
A47C 7/38 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B60N2/888
B60N2/28
B60N2/42
B60N2/90
A47C7/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526181
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2021079594
(87)【国際公開番号】W WO2022090180
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202020106246.8
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツールン、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、シュ
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084DA01
3B084DB14
3B087CD03
3B087CE01
3B087DC05
3B087DE10
(57)【要約】
自動車のシートに取り付けられ、子供を収容するための本体を有するチャイルドシート用の衝撃シールド(10)であって、前記衝撃シールド(10)は、急減速時に前記子供の頭部が衝突する第1の表面部、すなわち頭部衝突部(18)を備え、前記頭部衝突部(18)は、少なくとも一つの凹部(19)を備え、及び/または前記衝撃シールドの少なくとも第2の表面部よりも少なくとも部分的に軟質に形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のシートに取り付けられ、子供を収容するための本体を有するチャイルドシート用の衝撃シールド(10)であって、
前記衝撃シールド(10)は、急減速時に前記子供の頭部が衝突する第1の表面部、すなわち頭部衝突部(18)を備え、
前記頭部衝突部(18)は、少なくとも一つの凹部(19)を備え、及び/または前記衝撃シールドの少なくとも第2の表面部よりも少なくとも部分的に軟質に形成されている、
衝撃シールド(10)。
【請求項2】
前記凹部(19)は、カバーによって覆われていないか、または覆われており、前記カバーは、好ましくは、少なくとも0.1mmまたは少なくとも1mm及び/または最大で5cm、好ましくは最大で3cmまたは最大で1cmの厚さを有していること、
を特徴とする、
請求項1に記載の衝撃シールド(10)。
【請求項3】
少なくとも前記第2の表面部は、少なくとも部分的に、前記頭部衝突部(18)に隣接する表面部、及び/または、少なくとも部分的に、前記衝撃シールド(10)の内側部に配置された内側面部からなること、
を特徴とする、
請求項1または2に記載の衝撃シールド(10)。
【請求項4】
前記頭部衝突部(18)は、少なくとも断面が第1の材料から形成され、
少なくとも前記第2の表面部は、少なくとも断面が第2の材料から形成され、
前記第1の材料及び前記第2の材料は、好ましくは、前記第1の材料が前記第2の材料よりも低い弾性率を有すること及び/または前記第1の材料が前記第2の材料よりも高い気孔率を有すること及び/または化学組成により異なること、
を特徴とする、
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)。
【請求項5】
前記凹部(19)は、少なくとも2cm、好ましくは少なくとも3cm、または少なくとも5cm、及び/または最大で10cmの深さを有すること、
を特徴とする、
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)。
【請求項6】
前記凹部(19)は、任意のカバーを除けば、上部が開放され、側面が閉鎖されたクリアランスによって形成されていること、
を特徴とする、
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)。
【請求項7】
前記凹部(19)は、任意のカバーとは別に、上部が開放され、少なくとも1つまたは少なくとも2つの、特に反対側の側部、好ましくは左側部と右側部が開放され、残りの側部が閉じられたクリアランスによって形成されていること、
を特徴とする、
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)。
【請求項8】
前記凹部(19)及び/または軟質部は、少なくとも10cm
2、好ましくは少なくとも30cm
2及び/または最大で400cm
2、好ましくは最大で250cm
2の領域にわたって延在していること、
を特徴とする、
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)。
【請求項9】
前記凹部(19)及び/または軟質部は、前記衝撃シールド(10)の内側部の上縁及び/または前記衝撃シールド(10)の上側部(11)の後縁から少なくとも2cm及び/または最大で10cmの距離を有し、及び/または前記上側部(11)の前縁から少なくとも2cm及び/または最大で10cmの距離を有すること、
を特徴とする、
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)。
【請求項10】
自動車のシートに取り付けられ、子供を収容するための本体を備えるチャイルドシート用の衝撃シールド(10)であって、
少なくとも1つの使用状態における前記衝撃シールド(10)の上側部(11)は、少なくとも部分的に傾斜しており、前記衝撃シールド(10)の水平方向及び/または下側部(13)に対する角度は、好ましくは、少なくとも部分的に20°より大きく、さらに好ましくは30°より大きく、場合により40°より大きいこと、
を特徴とし、
及び/または
前記衝撃シールドの上側部の少なくとも1つの後方点は、前記上面の後方点の前方点に対して少なくとも1つのレベルより上の前記衝撃シールドの高さの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%または少なくとも50%に位置すること、
を特徴とする、
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)。
【請求項11】
少なくとも1つの使用状態における衝撃シールド(10)の上側部(11)は、少なくとも部分的に前方に傾斜しており、前記衝撃シールド(10)の水平方向及び/または下側部(13)に対する角度は、好ましくは、少なくとも部分的に80°より小さいこと、
を特徴とし、
及び/または
前記衝撃シールドの上側部の後方点が、前記上側部の後方点の前方点に対する全てのレベルより上で、前記衝撃シールドの高さの80%または70%のレベルを超えていないこと、
を特徴とする
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)。
【請求項12】
先行する請求項の1つに記載の衝撃シールド(10)を含むチャイルドシート。
【請求項13】
少なくとも1つの使用状態における前記衝撃シールド(10)の上側部(11)は、少なくとも部分的に傾斜しており、前記衝撃シールド(10)の水平方向及び/または下側部(13)に対する角度は、好ましくは、少なくとも部分的に20°より大きく、さらに好ましくは30°より大きく、場合により40°より大きく、及び/または80°より小さいこと、
を特徴とし、
及び/または
前記衝撃シールドの上側部の少なくとも1つの後方点は、前記衝撃シールドの後方点の前方点に対する少なくとも1つのレベルより上で前記衝撃シールドの高さの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%または少なくとも50%に位置すること、
を特徴とする、
請求項12に記載のチャイルドシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のシートに取り付けるためのチャイルドシート用の衝撃シールド、及び衝撃シールドを備えた対応するチャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
衝撃シールドを備えたチャイルドシートは原理的に知られている。
【0003】
このようなチャイルドシートの特徴のいくつかを以下に説明するが、これらは本発明による実施形態でも実現することができる。
【0004】
このようなチャイルドシートの本体は、一般に、少なくとも1つの座面部、任意に背面部(場合によってはヘッドレストを含む)も有する。さらに、ベース、支持脚、及び/またはさらなる要素が提供されることがある。座面部、及び-存在する場合-背面部及び/またはヘッドレストは、本体に貝殻のような特徴(シートシェル)を与えることができるサイドパーツを構成することができる。チャイルドシートの本体は、例えば、少なくとも1つの側面衝撃保護部、少なくとも1つのベルトガイド及び/または少なくとも1つの固定要素(例えば、Isofix固定要素またはLATCH固定要素)及び/またはさらなる要素をさらに備えていてもよい。本体の座面部は、チャイルドシートに収容された子供(またはダミー、特にQまたはPシリーズのダミー)の臀部、場合によっては脚部または脚部を収容するための座面、並びに右及び左の側面部の領域を有することができ、これらはサイドパーツとして設計することも可能である。必要であれば、サイドパーツは、上側部分(肘掛けのような形で、後部の座面部分に接続されている)と下側部分(実質的に座面が側方に続いている)との間の受け口(小さな角の形をしていることもある)をもたらすように形成することもできる。本体、特に座面部は、衝撃シールドを固定するための少なくとも1つの第1の固定手段(例えば、右及び左の固定要素)を有することができる。
【0005】
衝撃シールド(従来の構造のものであるが、以下の特徴の一部または全部も本発明による衝撃シールドに適用することができる)は、少なくとも部分的に剛性があり、チャイルドシートに子供を拘束するように設計されている。この目的のために、衝撃シールドは、一般に、子供、特に子供の骨盤、腹部及び/または胸部を(横方向の範囲に対して)拘束するように設計された中央部分に加えて、特に座面部分の側面の領域(場合によってはサイドパーツ)をサポートするようにそれぞれ設計された右側と左側の側面部分を備える。代替的にまたは追加的に、サイドパーツは、この目的のために設けられた(それぞれの)受容部(場合によっては、座面部分の開口している受容部)に(積極的に)係合するように設けられた接続部品として提供され得る(例えば、GB 2 266 839 A参照)。適切な場合、衝撃シールドは、衝撃シールドの本体への固定を可能にするために、本体の第1の固定要素と協働する少なくとも第2の固定要素を含むことができる。好都合に、衝撃シールドは、少なくとも一部がエネルギー吸収性であり、及び/または変形可能な、特に塑性変形可能な材料(例えばEPPまたはEPSまたはEPO)(EP 3 626 518 A1参照)で作られている。衝撃シールドは、追加的にまたは好ましくは代替的に、第2の固定要素に、自動車ベルト用のベルトガイド(特に、衝撃シールドを本体に固定するため及び/または衝撃シールドと本体とを一緒に自動車のシートに固定するため)を有することができる。
【0006】
一般に(特に本発明による実施形態においても)、衝撃シールドまたはその中間部分は、内側部(適切な使用において子供の骨盤/腹部または胸部に面する)及び下側部(適切な使用において子供の脚部または脚部に面する)を有し得る。衝撃シールドはまた、内側部に対向する(少なくとも実質的に)外側部、及び下側部に対向する(少なくとも実質的に)上側部を有することができるので、少なくとも断面、特に中央の領域において、例えば、長方形、場合によっては平行四辺形または台形、場合によっては楕円または円形の断面であってもよい。
【0007】
当技術分野で知られている解決策は、構造的または安全性の観点から改善が必要であると考えられている。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の特徴となる目的は、比較的簡単な方法で子供をチャイルドシート内または自動車に確実に保持することができる衝撃シールドまたは衝撃シールドを有する対応するチャイルドシートを提案することである。特に、正面の事故における子供の加速に関連する危険性は、可能な限り低減されるべきである。
【0009】
特に、その目的は、請求項1によって解決される。
【0010】
特に、その目的は、自動車のシートに取り付けるためのチャイルドシート用の衝撃シールドであって、前記チャイルドシートが子供を収容するための本体を有し、前記衝撃シールドが、強い減速の際に子供の頭部が衝突する第1の表面部、すなわち頭部衝突部を有し、前記頭部衝突部が、少なくとも1つの凹部を有し、及び/または少なくとも一部が前記衝撃シールドの少なくとも第2の表面部よりも柔らかく形成される衝撃シールドによって解決される。
【0011】
本発明の革新的なアイデアは、強い減速の際に(つまり、特に正面衝突または正面事故の際に)子供の頭部が衝突する頭部衝突部を比較的柔らかく形成すること、及び/または凹部を設けること、あるいは本発明のより一般的なアイデアによれば、衝突する頭部に対して比較的少ない抵抗を提供するように、及び/または頭部とできるだけ遅く(頭部の動きが既に非常に進んでいるときにしか)相互作用しないように、形成することにある。特に、本発明によれば、正面衝突の場合、子供の頭部が衝撃シールド、特にその上側部に衝突する可能性があり、それによって怪我をする危険性が生じることが認識されている。特に、これは子供に怪我をさせる危険性を著しく高めてしまう可能性がある。さらに、可能な限り広い領域に拘束力を分散できるようにするためには、衝撃シールドの内側部の寸法を比較的大きくするか、衝撃シールドが子供(少なくともチャイルドシートの使用が認められている最小の子供)の腹部と胸部を拘束するのに十分な大きさにすることが一般的に有効であると考えられることも考慮されている。下側部は、通常、子供(少なくともチャイルドシートの使用が認められている最小の子供)の大腿部を(少なくともほぼ)覆うような寸法にすることができ、様々な事故シナリオ(例えば横転の場合)で安定することが証明されている。
【0012】
特に、本発明によれば、子供の頭部が衝撃シールドに衝突することは(事故の非常に早い段階で頭部を拘束できない限り)、ストレスと子供が負傷する危険性が増大するため、比較的問題があることが考慮または認識された。
【0013】
好ましくは、衝撃シールドは能動的な保護装置(または少なくとも膨張可能なエアバッグ)を持たない。しかしながら、衝撃シールドは、任意に、能動的な保護装置(またはエアバッグ)を装備することができる。
【0014】
表面部は、特に(外面部)を含む部分と理解されるものとする。(それぞれの)表面部は、(特に材料特性に関して)三次元の部分として理解することもでき、それによって、表面部の深さは、少なくともまたはちょうど1cm、少なくともまたはちょうど2cm、及び/または最大で10cm、または最大で5cmに設定できる(これは、対応する深さに構造的限界があることを意味する必要はないが、意味することもある;ここでは特に、異なる表面部を互いに比較できる仕様に関する問題である)。可能性のある被覆及び/または別の(比較的薄い、場合によっては寸法的に不安定または寸法的に安定な)被覆は、好ましくは無視されるべきであるが、(特に、そのような被覆が凹部を共に形成または追従し、及び/または比較的柔らかい形成に大きく貢献する場合)考慮することもできる。
【0015】
既に導入的に提示された特徴に加えて、衝撃シールドは、さらなる特徴によって特徴付けられることができる。好ましくは、衝撃シールドは、子供を本体に保持するためにチャイルドシートの本体に(好ましくは少なくとも部分的に着脱可能に、特に取り外し可能に)固定可能なデバイスとして理解されるものとする。衝撃シールドは、好ましくは(少なくとも部分的に)寸法的に、(特に、自重で破損しない、及び/または、わずかな外力を受けたときに破損しないという意味において)安定している。
【0016】
衝撃シールドは、プラスチック製(少なくとも断面的に、例えば少なくとも重量の80%)及び/またはクッション(例えば発泡クッション)を含んでいてもよい。衝撃シールドの少なくとも重量の30%、好ましくは重量の60%は、固体及び/または非多孔質材料(プラスチック)で形成することができる。衝撃シールドは、少なくとも体積の30%、好ましくは少なくとも体積の60%が、多孔質材料(特に発泡プラスチック、例えばEPSまたはEPP)で形成されていてもよい。衝撃シールドは、少なくとも200g、少なくとも500g、及び/または、最大で5kg、または、最大で2kgの重量を有することができる。
【0017】
衝撃シールドは、衝撃シールド(特に本体と衝撃シールドの両方)を自動車のシートに取り付けることができるように、または衝撃シールドを本体に取り付けることができるように、自動車のベルト(及び/または他のベルト、例えば本体に取り付けまたは取り付け可能なベルト)をガイドするための少なくとも一つのガイド装置を含んでいてもよい。
【0018】
チャイルドシートは、好ましくは、自動車のシートに前向きに配置されるように(子供が進行方向に向くように)構成される。進行方向(前方向)とは、特に、チャイルドシートに着座した子供が(まっすぐ前を向いたときに)進行方向を向くので、自動車の直進方向への移動を意味する。(直進)している自動車が、例えば正面事故により(急な)減速を受けると、子供とチャイルドシートは進行方向に作用する慣性力を受ける。
【0019】
(通常の)使用状況とは、特に、衝撃シールドが(特にチャイルドシート製造者の指示に従って)本体に配置(装着)されている状況、及び(特にチャイルドシート製造者の指示に従って)チャイルドシートによって子どもを安全に支え、チャイルドシートまたは衝撃シールドによって保持できる状況を意味すると理解するものとする。
【0020】
急減速(または急減速を伴う事象)とは、特に、自動車(乗用車など)における通常の走行と比較して高い加速度(または減速度)が発生する事象を意味すると理解するものとする。特に、衝突(正面衝突)またはその他の事故は、急減速を伴う事象として理解されるものとする。特に、そのような減速は、加速度(または減速度)が、自動車においてエアバッグなどの能動的な保護装置が引き金となるようなものである場合、急減速の事象として理解され得る。急減速の事象中の減速は、場合によっては2g、場合によっては3g、場合によっては5g、場合によっては8gを超えることがある(または、これらの限界を超えた場合、急減速を伴う対応事象と理解することができる)。特に、UN ECE-R44またはUN ECE-R129(それぞれ申請時または優先時に有効であり、例えばUNECEウェブサイトwww.unece.org から取得可能)における「正面衝突」として記述される衝撃(「衝突」)は、急減速の事象として理解されるものとする。
【0021】
頭部衝突部は、特に、(急な)減速時に子供の頭部が衝突する衝撃シールドの部分として理解されるものとする(または、さらに大きな減速時に衝突する可能性がある-いくつかの実施形態によれば、頭部衝突部は、頭部が全く衝突しないように、または少なくとも特に遅くなるように凹部を有するべきである)。
【0022】
この領域は、好ましくは、UN ECE-R129(本明細書の出願日または優先日に有効、及び/または2013年12月31日に有効)のように、Qダミーによって決定することができる。Qダミーは、Q0、Q1、Q1.5、Q3、Q6及びQ10のサイズで存在し、Qの後の数字は、ダミーが対応すべき子供の(おおよその)年齢を示す。
【0023】
特に、本発明のシートまたはその衝撃シールドは、最小身長から最大身長までの子供に対して承認されることを意図しており、最小身長は、少なくとも60cm、好ましくは少なくとも75cmであってよく、及び/または最大身長は、最大で130cm、好ましくは最大で116cmであってもよい。代替的または追加的に、シートは、少なくともQ1またはQ1.5からQ6までのダミー(または対応するダミーによって再現される子供)用に設計されている場合がある。
【0024】
言及された規格UN ECE-R129は、具体的には、「規則第129号-自動車に搭載して使用される強化型チャイルドシート(ECRS)の承認に関する統一規定」またはE/ECE 324/Rev.2/Add.128 - E/ECE/Trans.505/Rev.2/Add.128 、例えば、2013年7月9日及び/または2013年12月31日及び/またはちょうど優先日または適用日に有効)であり得る。
【0025】
具体的には、製造者ヒューマンティックス(Humanetics)のダミーをダミーとして使用することができる。追加情報は、製造者ヒューマンティックス(Humanetics)のマニュアル(規格UN ECE-R129も参照)に記載されている。
【0026】
好ましくは、頭部衝突部は、衝撃シールドの上側の部分によって規定される。頭部衝突部が特に定義されていない限り(例えば、上記で説明したようなダミーを考慮して)、また、代替的に、衝撃シールドの内側(またはその上縁)から(場合によってはこの縁から少なくとも2cmまたは少なくとも5cmの距離で)およそ(前後方向の最大延長線上で)少なくとも5cm及び/または最大で25cmまたは最大で15cmにわたって前方に延びる、上で参照したチャイルドシートの領域は頭部衝突部として考慮することができる。頭部衝突部の(前後方向に垂直な)横方向の(最大)延長も、少なくとも5cm、または少なくとも10cm、及び/または最大で25cm、好ましくは最大で15cmとすることができる。凹部または比較的柔らかい部分は、このように定義された頭部衝突部内に完全に存在してもよいし、それを越えて(ただし、好ましくは5cm以下)延ばすこともできる。代替的にまたは追加的に、衝撃シールドの(全体の)上側部も頭部衝突部として考慮することができる。
【0027】
表面部は、子供の頭部の衝撃に対してより少ない抵抗を提供する場合、他の表面部と比較してより柔らかいと理解されるものとする。例えば、球状の試験片は、(その表面部が水平に整列され、試験片がその上に載っているとき)比較表面部(参照される)の場合よりも柔らかい表面部を深く(さらに)押し下げることができる。このような試験球は、例えば、2kgの重量及び/または10cmの直径を有するか、または形状(または少なくとも直径)及び重量が上述のダミーの1つの頭部に対応することができる。衝撃シールドの所定の構造がこのような測定を可能にしない場合、まず、それぞれの部分がどの材料で形成されているかを決定する(または確認する)ことができる。次に、上記で説明した測定を実施できるように、十分に広く、長く、深い(例えば、少なくとも30cmの幅と長さ、及び10cmの深さ)試験片を形成することが可能である。比較すべきそれぞれの表面部が弾性変形性の場合、その表面部は、より低い弾性率(特に20°において、少なくともそれぞれの表面に垂直な方向において)を有するより柔らかいものと理解され、好ましくはその弾性率(またはその比較部)の最大0.8倍、さらに好ましくは最大0.5倍に相当する。それぞれの表面部が複数の材料からなる場合、これは好ましくは、それぞれの表面にすぐ隣接する少なくともそれらの材料に適用されるものとする。可能性のあるカバーまたは他の(比較的薄い、場合によっては寸法的に不安定または寸法的に安定な)被覆は、好ましくは考慮されるべきではないが、(特に、そのような被覆も凹部を形成または追従し、及び/または比較的柔らかい形成に大きく寄与する場合)考慮することもできる。
【0028】
実施形態では、凹部は覆われていない。
【0029】
代替の実施形態では、凹部はまた、カバーによって(少なくとも部分的に、場合によっては完全に)覆われることができる。カバーは、好ましくは、少なくとも0.1mm、任意に少なくとも1mm及び/または最大で5cm、好ましくは最大で3cmまたは最大で1cmの厚さを有する。
【0030】
少なくとも1つの(または少なくとも1つの)第2の表面部は、少なくとも部分的に、頭部衝突部に隣接する表面部を構成することができる。同じ第2の表面部または少なくとも1つのさらなる第2の表面部は、(代替的にまたは追加的に)、少なくとも断面において、衝撃シールドの内面部に配置された内部から構成されてもよい。
【0031】
実施形態では、第2の表面部は、衝撃シールド(またはその表面部)の少なくとも内側部全体、任意で(全体)下側部も構成することができる。代替的にまたは追加的に、第2の表面部は、自動車ベルト用のベルトガイド、及び/または、接続部品及び/または固定手段を形成する衝撃シールドの部分を構成しないように設計することができる。
【0032】
原則として、頭部衝突部または第1の表面部は、衝撃シールドの他の全ての表面部よりも柔らかく(または、少なくとも内側部及び/または外側部及び/または下側部及び/または左側部及び/または右側部の全ての表面部よりも柔らかく)形成することができる。しかしながら、本実施形態によれば、特に、子供の腹部に向けられた内側部の部分を柔らかく形成することもできる。
【0033】
頭部衝突部は、少なくとも部分的に(場合によっては完全に)第1の材料から形成することができる。少なくとも1つの第2の(または、場合によってはいくつかの第2の)表面部(複数)は、少なくとも部分的に第2の材料から形成することができる。頭部衝突部及び/または第2の表面部が複数の材料からなる限り、第1または第2の材料は、特に、表面部が形成する表面の少なくとも20%または少なくとも50%または少なくとも80%を構成するその材料として理解されるものとする。実施形態において、第1及び第2の材料は、好ましくは互いに異なる。
【0034】
第1の材料は、第2の材料よりも低い弾性率(例えば、第2の材料の弾性率の最大0.8倍、好ましくは最大0.5倍、任意に最大0.2倍である弾性率)を有することができる。
【0035】
代替的にまたは追加的に、第1の材料は、第2の材料よりも高い多孔性を有することができる。第1の材料の気孔率は、第2の材料の気孔率の少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.5倍、なおさらに好ましくは少なくとも2倍であってよい。いくつかの実施形態では、第2の材料は非多孔質である(すなわち、少なくとも実質的に孔を有さない)。
【0036】
代替的または追加的に、第1の材料は、第2の材料とは異なる化学組成を有することができる(例えば、異なるプラスチックで作られる)。
【0037】
代替的または付加的に、第1の材料は、第2の材料よりも低い密度を有することができる。
【0038】
第1の材料は、発泡体または発泡材料であってもよく、及び/または第2の材料は、緻密なまたは非発泡材料であってもよい。第2の材料はまた、発泡材料、例えば粒子発泡体であってもよい。
【0039】
凹部がカバーによって(少なくとも部分的に)覆われる範囲において、カバーは一体的に(特に、凹部自体も形成する周囲部分と同じ工程で)形成することができる。また、カバーは、(少なくとも部分的に)後から適用することもでき、特に固定、例えば糊付けすることもできる。こうして得られた空洞(または一般的には凹部の深さ)は、好ましくは少なくとも2cm、場合によっては少なくとも3cmまたは5cmの深さとすることができる。代替的または追加的に、カバーは、好ましくは、最大で5cmの厚さ、好ましくは最大で2cmまたは最大で1cmの厚さであってもよい。
【0040】
凹部は、少なくとも2cm、好ましくは少なくとも3cm、または少なくとも5cm及び/または最大で10cmの深さを有してもよい。
【0041】
凹部は、(オプションのカバーを除けば)上側部が開いていて横方向(特に右と左)に閉じているクリアランスによって形成することができる。
【0042】
代替実施形態では、凹部は、(オプションのカバーとは別に)上側部で開いており、少なくとも(または丁度)1つまたは少なくとも(または丁度)2つの、特に反対側の側部、好ましくは左側部及び右側部で(そして特に底部で閉じており、場合によっては残りの側部(複数)でも)閉じているクリアランスによって形成することができる。このようなクリアランスは、(側方に)開いたチャネルとして、または(場合によっては丸みを帯びた)段差として設計することも可能である。特に、このようなクリアランスは、(左及び/または右からの)(垂直な)側面図において見ることができる。
【0043】
凹部は、少なくとも1つの方向(例えば、右から左への横方向またはその逆方向)において一定の深さを有することができる。「右」という表示は、常に、子供の右肩が隣接する側と理解される(左側にも類推される)。
【0044】
全体として(頭部衝突部において)少なくとも(または丁度)1つの凹部または少なくとも(または丁度)2つの凹部または3つ以上の凹部が形成されてもよい(これらは、例えば、バーによって互いに分離されている)。
【0045】
合計で(頭部衝撃部において)少なくとも(または丁度)1つの軟質部、または少なくとも(または丁度)2つの軟質部、または3つ以上の軟質部が形成されてもよい(これらは、例えば、バーまたは軟質性の低い領域によって互いに分離される)。
【0046】
少なくとも1つの凹部(任意にその全体のいくつかのまたは全ての凹部)及び/または少なくとも1つの軟質部(任意にその全体のいくつかのまたは全ての軟質部)は、少なくとも10cm2、好ましくは少なくとも30cm2及び/または最大で400cm2、好ましくは250cm2の面積にわたって延びることがある。
【0047】
(それぞれの)凹部及び/または(それぞれの)軟質部は、衝撃シールドの内面の上縁及び/または衝撃シールドの上側部の後縁から少なくとも2cm及び/または最大で10cmの距離を有することができる。代替的にまたは追加的に、(それぞれの)凹部及び/または(それぞれの)軟質部は、(その)上側の前縁から少なくとも2cm及び/または最大で10cmの距離を有していてもよい。
【0048】
本発明の基本的に独立した(しかし好ましくは1つ以上の上記の側部と組み合わせて開示及び請求される)側部によれば、対象は特に、自動車のシートに取り付けるためのチャイルドシート用の衝撃シールド(特に上記のタイプの)であって、チャイルドシートは子供を収容するための本体を有しており、ここで、衝撃シールドの上側部は、少なくとも1つの使用状態において、少なくとも部分的に前方に傾斜しており、水平及び/または衝撃シールドの下側部に対する角度は、少なくとも部分的に20°より大きく、好ましくは30°より大きく、任意に40°より大きい。代替的にまたは追加的に、衝撃シールドの上側の少なくとも1つの後方点は、上側の後方点と前方点の少なくとも1つの相対的なレベルより上の衝撃シールドの高さ(垂直範囲)の少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%または少なくとも50%、横たわる。考慮すべきそれぞれの点は、好ましくは、前方方向に向けられた同一の垂直平面(=垂直前方平面)内にあり、さらに好ましくは、衝撃シールドに対して中央の垂直前方平面内にある。後方点は、好ましくは、衝撃シールドの後半分(特に後3分の1)に、及び/または前方点は、前半分(特に前3分の1)または中3分の1に存在する。前文の表示は、特に、衝撃シールドの前方方向への拡張を意味する。例えば、点は、水平面への投影において、同じ水平面に投影された衝撃シールドの中心点または中心線(横方向に延びる)の後方に位置する場合、後半部に位置するものとする。例えば固定のための任意の小さい穴またはクリアランスは、好ましくはこの検討において考慮されるべきではない(例えば、これらの穴またはクリアランスが5cm2未満または2cm2未満の-特に深さ寸法に対して横方向の-断面を有する場合)。この段落の態様はまた、特に好ましくは、添付の請求項の1つ以上と組み合わせることができる(ここで、請求項1の特徴は実現される必要はないが、実現されてもよい)。原則的に、この態様は、上記(及び下記)で説明した全ての特徴と組み合わせることができ、それによって、上記で説明した凹部及び/または軟質部は必ずしも形成される必要はない。
【0049】
本発明のこの更なる態様の核心的な考えは、既知の形態から逸脱して、比較的急勾配に傾斜する衝撃シールドを提供することである。また、これによって、子供の頭部が(少なくとも事故の比較的に遅い段階で)怪我が生じるような衝撃を受けない(または少なくともその確率が低減される)ことが達成される。
【0050】
衝撃シールドの下面に対する角度が規定され、この下面が直線であってはならない以上、衝撃シールドをその下面を平坦な床面に置いたときに生じる平面を使用しなければならない。それぞれの角度の仕様は、少なくとも面積の20%、さらに好ましくは少なくとも面積の50%、任意に少なくとも面積の80%が満たされる。実施形態では、それぞれの角度は、50°よりさらに大きく、あるいは60°よりさらに大きくてもよい。
【0051】
衝撃シールドの上側部が、少なくとも1つの使用状態において少なくとも断面において前方に傾斜している場合、水平及び/または衝撃シールドの下側部に対する角度は、少なくとも断面において(特に下限の上記要件を満たす断面において)85°より小さく、好ましくは80°より小さく、任意に70°より小さく、さらには60°より小さくてもよい。
【0052】
上記目的は、上記態様の少なくとも1つによる衝撃シールドを含むチャイルドシートによってさらに解決される。
【0053】
少なくとも1つの使用状態において、衝撃シールドの上側部は、少なくとも部分的に前方に傾斜することができ、水平及び/または衝撃シールドの下側部に対する角度は、少なくとも部分的に、好ましくは20°より大きく、さらに好ましくは30°より大きく、任意に40°より大きく、あるいは50°より大きく、及び/または85°未満、好ましくは80°未満、任意に70°未満または60°未満でさえもある。
【0054】
衝撃シールドの上側部の少なくとも1つの後方点は、衝撃シールドの後方点と前方点に対して少なくとも1つの相対するレベルより上の衝撃シールドの高さの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%または少なくとも50%、であってよい。
【0055】
頭部衝突部は、特に(完全に)、衝撃シールドの内側部または下側部の一部ではない(または内側部/下側部を形成する)衝撃シールドの中間部に配置される。好ましくは、頭部衝突部は、衝撃シールドの上側部の一部である(またはそれによって規定される)。必要に応じて、衝撃シールドの上側部全体を頭部衝撃面として理解することができる。
【0056】
好ましくは、衝撃シールドの上面は、正面衝突の際に子供の頭部に接触し、及び/または、子供の頭部を受け止めることを意図し、構成される。特に、(進行方向に見て)衝撃シールドの内側部に最も近い頭部衝突部の縁は、内側部から最大10cm、さらに好ましくは最大7でcmまたは最大で5cmの距離にある場合がある。
【0057】
本発明の一般的な考え方によれば、衝撃シールドは、衝撃シールドの第1の側部を形成する第1のセクションを含んでいてもよく、第1のセクションは、本体の第2のセクションよりも(特に垂直な)作用力のより小さい部分を吸収し、第2のセクションは、好ましくは第1のセクションに隣接し、及び/または第2のセクションは好ましくは衝撃シールドの内側部の少なくとも一部を形成する。
【0058】
第1のセクションは、衝撃シールドの上面の一部であってもよいし、上面を形成してもよい。
【0059】
第1のセクションは、衝撃シールドの第2のセクションよりも柔らかく形成されることがある。
【0060】
内側部の上縁は、外側部の上縁よりも少なくとも3cm、好ましくは少なくとも5cm、さらに好ましくは少なくとも10cm、任意に15cm及び/または最大で20cmだけ(少なくとも1つの使用状態において)高くてもよい。
【0061】
衝撃シールドは、その上側部(全体または少なくとも頭部衝突部の領域)に、内側部に隣接する狭い後部(ここで、特に狭いとは、進行方向への延長を意味し、及び/または、狭いとは、好ましくは10cm未満、特に7cm未満、例えば3~5cmを意味し得る)と、内側部からさらに離れた前部とを有することができるが、ここで前部は後部に対して下側部に、好ましくは少なくとも2cm(任意に少なくとも3cmまたは5cm)だけオフセットされている。
【0062】
凹部は、平面視で多角形、例えば四角形(具体的には長方形または台形)の形状を有することができる。さらに、凹部は、(平面視で)セクター形状を有していてもよく、セクターの頂点は、好ましくは最後尾の点である。このようにすることで、子供に対する安全性を特に効果的に向上させることができる。あるいは、凹部は、平面視で楕円形(特に楕円形または円形)の形状を有していてもよい。
【0063】
本明細書において、衝撃シールドの使用位置または使用状態(特に、起こり得る規定角度に関して)が重要である場合、それぞれのパラメータは、複数の使用状態を設定できる場合(例えば、衝撃シールド及び/または衝撃シールドが取り付けられたチャイルドシートの一部がその角度位置に関して変更できる場合)、特に少なくとも一つの起こり得る使用状態について、好ましくは全て調整可能な角度範囲の少なくとも半分(水平に対する衝撃シールドの向きに関して)満たされるものである。出発点は、好ましくは、チャイルドシートが水平な平坦面に置かれた状態の衝撃シールドまたはチャイルドシートである。
【0064】
さらなる実施形態は、従属請求項から生じる。
【0065】
以下において、本発明は、図を参照してより詳細に説明される実施例の手段によって説明される。ここに示すもの:
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】
図1は、本発明による衝撃シールドの第1の実施形態を斜視図で示したものである。
【
図2】
図2は、本発明による衝撃シールドのさらなる実施形態を側面から見た図である。
【
図3】
図3は、概略的にスケッチされた頭部衝撃面を有する
図1に類似する実施形態である。
【
図4】
図4は、本発明による衝撃シールドのさらなる実施形態の側面図である。
【
図5】
図5は、本発明によるさらなる衝撃シールドの斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明による衝撃シールドのさらなる実施形態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明による衝撃シールドのさらなる実施形態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図2による衝撃シールドを正面から見た図である。
【
図10】
図10は、本発明によるチャイルドシートである。そして
【
図11】
図11は、本発明によるチャイルドシートのさらなる実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下の説明において、同一の参照数字は、同一かつ同様に作用する部分に使用される。
【0068】
図1は、上側部11、外側部12、下側部13及び内側部14を有する衝撃シールド10を示す。外側部12には、少なくとも1つのベルトガイド機構15(具体的にはアイレットまたはベルトの形態)が形成されており、これを介してベルト部16が案内または保持されることができる。ベルト部16は、順に、固定手段17(例えばベルト舌部)を介してチャイルドシートの本体(ここでは図示せず)に固定することができる(
図10も参照)。具体的には、ベルト部16は、衝撃シールドを横切って(少なくとも実質的に)案内されることができる。
【0069】
図1による衝撃シールドは、比較的に急な上面11を有する。具体的には、上面11は、水平に対して45°以上の角度を有する(衝撃シールドの装着状態において、
図10を参照)。
【0070】
図1に示す実施形態は、(例えば
図3を参照して以下に説明するように)凹部及び/または軟質部を有していてもよい。しかしながら、このようにする必要はない。
【0071】
図2は、本発明による衝撃シールドのさらなる実施形態の側面図である。ここでは(
図1とは対照的に)、上側部11の傾斜が幾分急でない。ここでも、例えば
図3に関連して説明したように、凹部及び/または軟質部を設けることができる(ただし、設ける必要はない)。
【0072】
図3は、本発明による衝撃シールドの斜視図である。頭部衝突部18において、少なくとも1つの凹部19及び/または少なくとも1つの軟質部31が形成されている(その輪郭が破線で描かれている)。
軟質部は、好ましくは、破線部分に側部から隣接する少なくとも1つの部分よりも軟らかくされる。場合によっては、上面全体が(少なくとも内側部に比べて)軟らかく形成されていてもよい。この頭部衝突部18は、全体的に(または少なくとも部分的に、例えば平面図に対して少なくとも面積の50%または平面図に対して少なくとも面積の80%)、1つまたは複数の凹部及び/または1つまたは複数の軟質部(複数可)によって形成されてもよい。
【0073】
図4は、本発明による衝撃シールドのさらなる実施形態を側面図で示す。ここでは、上側及び両側(つまり左右方向)に向かって開口している、または(丸みを帯びた)段差として形成されている凹部19が形成されている。具体的には、上側部11は、(使用位置での最高点から)最初は(比較的短い区間で)わずかに傾斜して形成され、次に急な傾斜(水平に対して60°以上、場合によっては70°以上の角度)を有する区間があり、次に再びそれほど急でなく傾斜し、水平に対して10~40°の角度を有する(任意に)再び(しかし、むしろ、わずかに)上昇するところまである。上側部の端部または最前部では、角度が(任意に)再び反転し、上側部は再び傾斜する。
【0074】
図5は、本発明による衝撃シールドの具体的な実施形態を斜視図で示したものである。
【0075】
この衝撃シールドは、カバー22(例えばEPP製)で覆われた空洞21を有する本体(好ましくはEPP製)からなる。この空洞は、また、(ここで覆われる)対応する凹部19を形成する。さらに、
図5及び
図6による衝撃シールドは、ベルト(部)16と同様に、硬質プラスチックでできたベルトガイド32を備えている。
図6は、
図5による衝撃シールドを分解図で示す。
【0076】
図5による衝撃シールドの空洞がカバー22によって覆われておらず、より柔らかい(本体の材料、例えばEPPと比較して)発泡体で満たされている場合、特定の代替実施形態(ただし図示せず)が得られる。他の図にも同様に適用される。
【0077】
図7による実施形態では、衝撃シールドの上面11が僅かに傾斜して形成されているのみである。頭部衝突部18には、破線で示すように、凹部19及び/または軟質部31が配置されていてもよい。これらは、例えば、
図3に関連して説明したように形成することができる。
【0078】
図8は、本発明の衝撃シールドのさらなる実施形態を示す斜視図である。
【0079】
ここでも、頭部衝突部18が模式的に示されている。これも、
図3に関連して説明したように設計することができる。
上側部11がここでは(少なくともほぼ)水平に形成されている。衝撃シールドは、自動車ベルト(図示せず)用のベルトガイド24を有することができ、これによって、本体を自動車のシート上で衝撃シールドと一緒に保持することができる。さらに、衝撃シールドの側部25は、本体の側部(小さな角の形状)に積極的に係合するように設計することができる。
【0080】
図9は、
図2による衝撃シールドの正面図であり、それによって、頭部衝突部はここでは明示的に示されてはいない。
【0081】
図10は、衝撃シールド10を備えた本発明によるチャイルドシートを示している。衝撃シールド10は、固定ベルト26によってチャイルドシートの本体27に取り付けられ、支持面28(それぞれまたは右側及び左側に配置されている)に対して本体(すなわち対応する側部25で)に支持されている。
【0082】
図11は、衝撃シールド10を備えた本発明によるチャイルドシートを示す。衝撃シールド10は、ここでは、チャイルドシートの本体27に図示しない自動車用ベルトで固定するために設計されており、この目的のためにベルトガイド24を備えている。衝撃シールドの側部は、チャイルドシートの本体の小角と積極的に係合している。
【0083】
この時点で、上述した全ての部品は、個々に、また任意の組み合わせで、特に図面に示された詳細は、本発明に必須であると主張されていることに留意すべきである。その変更は、当業者にはよく知られている。
【0084】
さらに、可能な限り広い保護範囲が求められていることが指摘される。この点で、特許請求の範囲に定義された発明は、(これらのさらなる特徴が必ずしも含まれなくても)さらなる特徴とともに記載される特徴によって特定することも可能である。丸括弧及び「特にin particular」/「特にparticularly」という用語は、それぞれの文脈における特徴の任意性を強調することを意図していることを明示的に指摘する(これは逆に、そのような識別がなくても対応する文脈で特徴が必須とみなされることを意味するものではない)。
【0085】
参照符号のリスト
10 衝撃シールド
11 上側部
12 外側部
13 下側部
14 内側部
15 ベルトガイド機構
16 ベルト部
17 固定手段
18 頭部衝突部
19 凹部
21 空洞
22 カバー
24 ベルトガイド
25 側部
26 固定ベルト
27 本体
28 支持面
31 軟質部
32 ベルトガイド
【国際調査報告】