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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】焼結されたアルミナ製品
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/101 20060101AFI20231124BHJP
   C03C 14/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
C04B35/101
C03C14/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526275
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2021080193
(87)【国際公開番号】W WO2022090505
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】2011202
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511104875
【氏名又は名称】サン-ゴバン サントル ド レシェルシュ エ デテュド ユーロペアン
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】シャンピオン,ティボー
(72)【発明者】
【氏名】ボボ,ミッシェル
【テーマコード(参考)】
4G062
【Fターム(参考)】
4G062AA15
4G062BB01
4G062DA01
4G062DA02
4G062DA10
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4G062KK10
4G062MM01
4G062NN40
4G062PP03
(57)【要約】
焼結された製品であって、
酸化物に対する質量パーセンテージとして、以下の化学分析:
Al:100%までの残り、
0.26%≦NaO≦4%、
0%≦Al及びNaO以外の酸化物≦6%、但し、SiO≦2%、
結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、以下の結晶相:
5%≦ベータ-アルミナ≦37%、
6%未満の、ベータ-アルミナ及びアルファ-アルミナ以外の結晶相、
100%までの残り:アルファ-アルミナ
を有する、上記焼結された製品。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結された製品であって、
酸化物に対する質量パーセンテージとして、以下の化学分析:
Al:100%までの残り、
0.26%≦NaO≦4%、
0%≦Al及びNaO以外の酸化物≦6%、但し、SiO≦2%、
結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、以下の結晶相:
5%≦ベータ-アルミナ≦37%、
6%未満の、ベータ-アルミナ及びアルファ-アルミナ以外の結晶相、
100%までの残り:アルファ-アルミナ
10%超の開放孔率
を有する、前記焼結された製品。
【請求項2】
ベータ-アルミナの量が、結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、15%超且つ35%未満である、請求項1に記載の焼結された製品。
【請求項3】
ベータ-アルミナの量が、結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、24%超且つ32%未満である、請求項2に記載の焼結された製品。
【請求項4】
NaO含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、1.4%超且つ2.9%未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項5】
SiO含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、1%未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項6】
Al及びNaO以外の酸化物の含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、2%未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項7】
CaO含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、0.3%超である、請求項1~6のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項8】
前記焼結された製品中に存在する非晶質相の量が、該焼結された製品の質量に基づいて、3%未満である、請求項1~7のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項9】
焼結されたコンクリートの形態である、請求項1~8のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項10】
1kg超のブロックの形状、25%未満の開放孔率、及び2.8g/cm超且つ3.2g/cm未満の見かけ密度を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項11】
12%超の開放孔率を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項12】
NaO含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、2.6%未満である、請求項1~11のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項13】
NaO含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、1.6%超である、請求項1~12のいずれか1項に記載の焼結された製品。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の焼結された製品を製造する方法であって、
a)微粒子出発物質を混合して、粒子混合物を形成すること、
b)前記粒子混合物及び溶媒を含む、出発原料を生成すること、
c)前記出発原料を成形して、プリフォームを得ること、
d)任意的に、上記プリフォームを乾燥させること、
e)上記プリフォームを焼結して、上記焼結された製品を得ること
の連続的な工程を少なくとも含み、
工程e)の後に得られた該焼結された製品が請求項1~13のいずれか1項に従うように、該出発原料の組成が適合される、
前記方法。
【請求項15】
該プリフォームは、該操作位置に配置され、そして次に、好ましくは該炉の温度を上昇させている間に、イン・シチュー(in situ)で焼結される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記粒子混合物において、50μm未満のサイズを有する粒子の該画分が、前記画分に対する質量パーセンテージとして、ベータ-アルミナに対して30%未満の粒子を含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
50μm未満のサイズを有する粒子の該画分が、前記画分に対する質量パーセンテージとして、ベータ-アルミナに対して20%未満の粒子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
50μm未満のサイズを有する粒子の該画分が、前記画分に対する質量パーセンテージとして、ベータ-アルミナに対して10%未満の粒子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記粒子混合物が、質量パーセンテージとして、前記焼結された製品、好ましくは焼結されたコンクリート、の20%超の、50μm未満のサイズを有する粒子を含む、請求項14~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記粒子混合物が、質量パーセンテージとして、28%超の、44μm未満のサイズを有する粒子を含む、請求項14~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記粒子混合物が、質量パーセンテージとして、30%超且つ50%未満の、44μm未満のサイズを有する粒子を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記粒子混合物が、質量パーセンテージとして、20%超の、44μm未満のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子を含む、請求項14~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記粒子混合物が、質量パーセンテージとして、25%超且つ45%未満の、44μm未満のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記粒子混合物が、質量パーセンテージとして、30%超の、44μm未満のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子を含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記粒子混合物が、該粒子混合物に対する質量パーセンテージとして、25%未満の、2mm超のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子を含む、請求項14~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
請求項14~25のいずれか1項に記載の方法の工程c)又は工程d)の結果で得られたプリフォーム。
【請求項27】
前記プリフォームが、乾燥され、少なくとも部分的に機械加工され、及び硬化されたコンクリートから作製された、請求項25に記載のプリフォーム。
【請求項28】
請求項1~13のいずれか1項に記載の焼結された製品を含む又はそれからなる部分を備えている、又は請求項26若しくは27に記載のプリフォームを焼結させることによって製造されるガラス生成ユニット、特にガラス炉。
【請求項29】
前記パーツが、
供給チャネルのチャネルブロック、
バーナーブロック、
ライニング、プランジャー、スターラー、ローター、オリフィスリング、フィーダーの排出口、
Danner法に従うガラス管の製造において使用されるマンドレル、
プールブロック、
供給チャネルの超構造パーツ
からなる群から選択される、請求項28に記載のガラス生成ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結されたアルミナ製品、このような製品を製造する為の方法、このような方法に好適な粒子混合物及び出発原料、並びに焼結により上記アルミナ製品をもたらすプリフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
耐火性製品の間では、溶融された鋳造品と、焼結された製品とが区別されている。
【0003】
溶融された鋳造品は、例えば米国特許出願公開第2001/0019992号明細書に記載されている通り、焼結された製品とは異なり、殆どの場合、結晶粒を結合している粒間ガラス相を含む。それ故に、焼結された製品及び溶融された鋳造品によって発生する問題、並びに該問題を解決する為に講じられている技術的解決法は、一般的に異なっている。それ故に、溶融された鋳造品を製造する為に開発された組成物は、同じ特性を有する焼結された製品を製造する為に先験的に使用することができず、その逆の場合も同じである。
【0004】
該焼結された製品は、適切な出発物質を混合し、そして次に、この混合物をプリフォームの形態に成形し、上記プリフォームの焼結を達成するのに十分な温度及び時間において、上記プリフォームを燃焼することによって得られる。この燃焼は、燃焼炉において、又は非焼結若しくは不定形で販売されている製品についてはガラス炉において、イン・シチュー(in situ)で、実施されることができる。
【0005】
焼結された製品は、それらの化学組成及びそれらの調製方式に応じて、多種多様な産業を意図されている。
【0006】
焼結された製品の中でも、アルミナ製品は、ガラス物品の製造の為の設備において、特に分配路(distribution channel)又は「フィーダー(feeder)」において、使用されることが既知である。
【0007】
以下を有する、焼結されたアルミナ耐火性製品については、絶え間ない需要がある。
融解されたガラスと接触させられるときのバブリングの度合いが少なく、それによって、製造されたガラス物品の欠陥の量を低減することを可能にすること、
上記融解されたガラスによる浸透が少なく、それによって、特にその特性の任意の悪化を回避することによって、上記製品の使用持続期間を増大することを可能にすること、並びに
焼結中の変形が少なく、それによって、寸法的に準拠しているパーツを得、スクラップ及び機械加工による再加工操作を制限することを可能にすること。
【0008】
本発明の一つの目的は、この需要に、少なくとも部分的に対処することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従って、この目的は、1350℃で10時間加熱することによって、
酸化物に対する質量パーセンテージとして、以下の化学分析:
Al:100%までの残り、
0.26%≦NaO≦4%、
0%≦Al及びNaO以外の酸化物≦6%、但し、SiO≦2%、
結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、以下の結晶相:
5%≦ベータ-アルミナ≦37%、
6%未満の、ベータ-アルミナ及びアルファ-アルミナ以外の結晶相、
100%までの残り:アルファ-アルミナ
を有する焼結された製品を形成するように適合されている組成及び結晶学的構造の粒子からなる粒子混合物を用いることによって達成される。
【0010】
該粒子混合物は、微粒子形態のバインダーを含みうる。好ましくは、該バインダーは、水硬性セメント、樹脂、リグノスルホン酸塩、セルロース誘導体、デキストリン、ゼラチン、アルギネート、チロース、ペクチン、無水リン酸、リン酸アルミニウム、アルミナ水和物、無水ケイ酸ナトリウム、無水ケイ酸カリウム、及びそれらの混合物から選ばれる。
【0011】
該粒子混合物は、粘土、可塑剤、例えば、ポリエチレングリコール(又は「PEG」)又はポリビニルアルコール(又は「PVA」)、解膠剤、例えば、アルカリ金属ポリアクリレート、ポリカルボキシレート、ポリスルホネート、セメント凝結促進剤、セメント凝結遅延剤、及びこれらの薬剤の混合物から好ましくは選択される、微粒子形態の成形剤(shaping agent)を含みうる。
【0012】
該粒子混合物は好ましくは、ビニル又はポリプロピレンタイプの繊維、好ましくは有機繊維、を、好ましくは0.01%~0.1%の質量による量で、好ましくは0.01%~0.03%の質量による量で、含みうる。好ましくは、これらの繊維の平均長(算術平均)は、6mm超、好ましくは18~24mm、である。これらの繊維は、有利なことには、乾燥中の水の除去を促進する。
【0013】
好ましい実施態様において、該粒子混合物は、繊維を含まない。
【0014】
本発明に従う粒子混合物は例えば、ドラム又はバッグに梱包されうる。
【0015】
該焼結された製品が、焼結されたコンクリートである場合、本発明に従う粒子混合物は好ましくは、
1%~8%、好ましくは2%~6%、の水硬性セメント、好ましくはアルミナセメント、好ましくはアルミン酸カルシウムセメント、並びに
0.05%~1%、好ましくは0.1%~0.8%、の解膠剤、好ましくはポリカルボキシレート、及び/又は0%~0.1%のセメント凝結促進剤、及び/又は0%~0.1%のセメント凝結遅延剤
を含む。
【0016】
本発明に従う粒子混合物は、有利なことには、本発明に従って焼結された製品を製造することを可能にし、上記焼結された製品は、以下を有する。
酸化物に対する質量パーセンテージとして、以下の化学分析:
Al:100%までの残り、
0.26%≦NaO≦4%、
0%≦Al及びNaO以外の酸化物≦6%、但し、SiO≦2%、
結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、以下の結晶相:
5%≦ベータ-アルミナ≦37%、
6%未満の、ベータ-アルミナ及びアルファ-アルミナ以外の結晶相、
100%までの残り:アルファ-アルミナ。
【0017】
本発明者等は、本発明に従う焼結された製品が、融解されたガラスと接触して非常に良好な挙動を示すこと、特に、バブリング及び該融解されたガラスによる浸透に対して良好な耐性を示すこと、を発見した。加えて、本発明に従う焼結された製品は、焼結中の変形に対して良好な耐性を有する。
【0018】
本発明に従う粒子混合物は好ましくは、以下の任意的な特徴の1以上を示す:
該粒子混合物が、質量パーセンテージとして、15%超、好ましくは20%超、及び/又は35%未満、好ましくは30%未満、の10μm未満のサイズを有する粒子(画分F1)を含むこと、
該粒子混合物が、質量パーセンテージとして、15%超、好ましくは20%超、及び/又は30%未満、の5μm未満のサイズを有する粒子(画分F2)を含むこと、
質量パーセンテージとして、80%超、好ましくは85%超、好ましくは90%超、好ましくは95%超、又は更には100%、の該画分F1及び/又は該画分F2が、アルファ-アルミナ粒子からなっていること、
該粒子混合物が、質量パーセンテージとして、20%未満、好ましくは15%未満、及び/又は好ましくは5%超、の10μm超且つ40μm未満のサイズを有する粒子(画分F3)を含むこと、
質量パーセンテージとして、80%超、好ましくは90%超、の該画分F3が、アルファ-アルミナ粒子からなっていること、
該粒子混合物が、質量パーセンテージとして、28%超、好ましくは30%超、好ましくは32%超、及び/又は50%未満、好ましくは45%未満、の44μm未満のサイズを有する粒子を含むこと、
該粒子混合物が、質量パーセンテージとして、20%超、好ましくは25%超、好ましくは30%超、及び/又は45%未満、好ましくは40%未満、の44μm未満のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子を含むこと、
該粒子混合物が、質量パーセンテージとして、60%未満、好ましくは50%未満、及び/又は好ましくは20%超、好ましくは25%超、好ましくは30%超、の500μm超のサイズを有する粒子を含むこと、
該粒子混合物が、質量パーセンテージとして、20%未満、好ましくは15%未満、好ましくは10%未満、好ましくは8%未満、好ましくは5%未満、の500μm超のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子(画分F4)、好ましくは200μm超のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子(画分F5)、好ましくは100μm超のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子(画分F6)、を含むこと、
該粒子混合物が、質量パーセンテージとして、10%超、好ましくは20%超、好ましくは30%超、及び/又は50%未満、好ましくは45%未満、のベータ-アルミナに対する500μm超のサイズを有するアルミナ粒子(画分F7)を含むこと、
50μm未満のサイズを有する該粒子混合物の粒子の該画分が、粒子の上記画分の質量に対する質量パーセンテージとして、80%超、好ましくは85%超、のアルファ-アルミナを含むこと、
60%超、好ましくは70%超、好ましくは75%超、好ましくは80%超、の該粒子が、2mm未満のサイズを有すること、
40%超、好ましくは50%超、好ましくは55%超、の該粒子が、0.5mm未満のサイズを有すること、
該粒子混合物が、該粒子混合物に対する質量パーセンテージとして、25%未満、好ましくは20%未満、好ましくは15%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満、の2mm超のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子を含むこと、
該粒子混合物が、該粒子混合物に対する質量パーセンテージとして、5%超、好ましくは10%超、好ましくは15%超、及び/又は35%未満、好ましくは30%未満、好ましくは25%未満、好ましくは20%未満、のベータ-アルミナに対する2mm超のサイズを有する粒子を含むこと、
該粒子混合物が、該粒子混合物に対する質量パーセンテージとして、30%未満、好ましくは25%未満、好ましくは20%未満、好ましくは15%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満、の0.5mm超のサイズを有するアルファ-アルミナ粒子を含むこと、
該粒子混合物が、該粒子混合物に対する質量パーセンテージとして、8%超、好ましくは10%超、好ましくは15%超、好ましくは20%超、好ましくは25%超、好ましくは30%超、35%超、及び/又は50%未満、好ましくは45%未満、好ましくは40%未満、のベータ-アルミナに対する0.5mm超のサイズを有する粒子を含むこと。
【0019】
本発明に従って焼結された製品を製造する為に、本発明に従う粒子混合物を含む出発原料は、プリフォームの形態にされる。
【0020】
本発明はまた、該出発原料及び該プリフォームに関する。
【0021】
特に、本発明は、質量パーセンテージとして、以下の組成を有する出発原料に関する:
100%までの残り:本発明に従う粒子混合物、
1%~15%の溶媒、好ましくは水、
0%~10%の液体バインダー、
0%~5%の液体成形剤。
【0022】
本発明に従う出発原料は、ドラムに梱包されうる。
【0023】
好ましくは、該プリフォームは乾燥しており、それによって、該プリフォームの取扱いを促進する。
【0024】
本発明はまた、本発明に従って焼結された製品を製造する為の方法であって、
a)微粒子出発物質を混合して、本発明に従う粒子混合物を形成すること、
b)上記粒子混合物及び溶媒を含む、本発明に従う出発原料を生成すること、
c)上記出発原料を成形して、本発明に従うプリフォームを得ること、
d)任意的に、上記プリフォームを乾燥させること、
e)上記プリフォームを焼結して、上記焼結された製品を得ること
の連続的な工程を少なくとも含み、
工程e)の後に得られた該焼結された製品が本発明に従うように、該出発原料、特に該粒子混合物、の組成が適合される、
上記の方法に関する。
【0025】
1つの実施態様において、該出発原料は、イン・シチュー(in situ)で、すなわち操作位置における本発明に従う製品が、融解されたガラスと接触させられることを意図されている場所で、成形される。
【0026】
1つの実施態様において、好ましくは乾燥している該プリフォームは、該操作位置に配置され、そして次に、好ましくは該炉の温度を上昇させている間に、イン・シチュー(in situ)で焼結される。
【0027】
1つの実施態様において、該プリフォームは、乾燥され、少なくとも部分的に機械加工され、及び硬化されたコンクリートから作製され、該操作位置に配置され、そして次に、好ましくは該炉の温度を上昇させている間に、イン・シチュー(in situ)で焼結される。
【0028】
本発明はまた、本発明に従う製造方法の工程c)又はd)の成果に基づいて得られたプリフォームに関する。
【0029】
好ましくは、本発明に従う粒子混合物又は焼結された製品はまた、1つの、好ましくは複数の、以下の任意的な特徴を含む:
ベータ-アルミナの量が、結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、24%超且つ35%未満であること、
NaO含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、1.6%超且つ2.9%未満であること、
SiO含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、1%未満であること、
Al及びNaO以外の酸化物の含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、2%未満であること、
CaO含量が、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、0.3%超であること、
該焼結された製品に存在する非晶質相の量が、該焼結された製品の質量に基づいて、3%未満であること、
該焼結された製品が、焼結されたコンクリートの形態であること、
該焼結された製品が、1kg超のブロックの形状、10%超且つ25%未満の開放孔率(open porosity)、及び2.8g/cm超且つ3.2g/cm未満の見かけ密度を有すること。
【0030】
本発明に従う粒子混合物又は焼結された製品について前述されている化学分析に関する特徴は、全ての酸化物の質量に対するものであり、
本発明に従う粒子混合物又は焼結された製品について前述されている結晶相に関する特徴は、結晶相の全量に対するものであり、
本発明に従う粒子混合物について前述されている粒径に関する特徴は好ましくは、該粒子混合物の質量に対するものである。
【0031】
最後に、本発明は、好ましくは本発明の方法に従って製造された、本発明に従う焼結された製品、及び/又は、好ましくは、本発明の方法の工程c)若しくはd)の成果にそれぞれ基づいて得られたプリフォーム、を含む又は好ましくはそれからなるパーツ、を含むガラス生成ユニット、特にガラス炉、に関する。
【0032】
特には、本発明を限定すること無しに、上記パーツは以下のものでありうる。
供給チャネル(feed channel)のブロック、
バーナーブロック、
消耗品、例えばライニング、プランジャー、スターラー、ローター、オリフィスリング、フィーダーの排出口(spout)、
Danner法に従うガラス管の製造において使用されるマンドレル、
プールブロック、
供給チャネルの超構造パーツ、特に被覆パーツ。
【0033】
定義
別段の指定がされない限り、「酸化物」は、無機酸化物である。
【0034】
酸化物含量は、標準的な産業慣習に従って最も安定な酸化物の形態で表される、対応する化学元素のそれぞれについての含量全体に関する。
【0035】
別段の指定がされない限り、本発明に従う製品の全ての酸化物含量は、該酸化物に基づいて表される質量パーセンテージである。
【0036】
語「ベータ-アルミナ」は、式11 Al・XNaO(但し、1≦X≦1.6)を有し且つ六方晶の結晶学的構造を有する化合物を云う。
【0037】
ベータ-アルミナに「基づく」粒子又は粉末は好ましくは、結晶相に対する質量パーセンテージとして、30%超、40%超、45%超、50%超、のベータ-アルミナを含む。1つの実施態様において、ベータ-アルミナに「基づく」粒子又は粉末は、結晶相に対する質量パーセンテージとして、70%未満、又は更には60%未満、のベータ-アルミナを含む。
【0038】
語「粒子混合物」は、粒子(一緒に結合されない)の乾燥混合物を意味すると理解される。語「粒子」は、粒子混合物における固形物を意味すると理解される。
【0039】
語「不定形コンクリート」は、活性化後に固化することができる水硬性バインダーを含む粒子混合物を意味すると理解される。
【0040】
活性化は、固化の一つの方法である。活性化された状態は、慣用的に、水又は別の液体による不定形コンクリートの湿潤から結果として生じる。この方法の間、不定形ウェットコンクリートは、「フレッシュコンクリート」と云われる。
【0041】
フレッシュコンクリートの固化によって得られた固体塊は、「硬化されたコンクリート」と云われる。硬化されたコンクリートは、慣用的に、マトリックスによって結合した、50μm~25mmのサイズを有する粗粒の集合から構成されており、上記マトリックスは、該粗粒の間に実質的に連続的な構造を確保しており、これは、活性化後の該出発原料の固化中に得られる。
【0042】
「焼結」は、プリフォームの熱処理であり、これにより、プリフォームはマトリックスを形成し、該マトリックスは、上記プリフォームの粗粒を一緒に結合する。硬化されたコンクリートを焼結した後、「焼結されたコンクリート」が得られる。該プリフォーム、特に硬化されたコンクリート、の該粗粒の寸法は、このプリフォームが焼結される場合、実質的に変性されない。従って、焼結されたコンクリートにおいて、該粗粒は、50μm~25mmのサイズを有する。
【0043】
語「水硬性バインダー」は、活性化されると、一般的に周囲温度において凝結及び水硬性硬化を引き起こすバインダーを意味すると理解される。セメントは、水硬性バインダーである。本明細書において、アルミナセメントは、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、60%超、好ましくは65%超、のAlを含有するセメントであると考えられる。アルミン酸カルシウムセメントは、アルミナセメントの一つの例である。
【0044】
該粒子の「サイズ」は、スクエアメッシュふるいを使用してふるい分けすることによって、150μmに等しいふるい目を有するスクエアメッシュふるいを通過する粒子の画分、及び上記ふるいよりも大きいサイズの画分、についてレーザー粒子選別機を用いて行われた粒径分布の特徴付けによって、慣用的に評価される。該レーザー粒子選別機は、例えば、Horiba製のPartica LA-950でありうる。
【0045】
50(D50)及び99.5(D99.5)パーセンタイル又は「センタイル」は、粉末粒子のサイズの累積粒径分布曲線に対して、それぞれ50%及び99.5%の質量パーセンテージに対応する、該粉末粒子のサイズであり、該粒子のサイズは、増大する順に分類される。例えば、該粉末粒子の99.5質量%は、D99.5未満のサイズを有しており、該粒子の50質量%は、D50以上のサイズを有する。該パーセンタイルは、レーザー粒子選別機及び/又はふるい分け操作を使用して生成された粒径分布を使用して決定されうる。
【0046】
「メジアン径」は、50(D50)パーセンタイルを云う。
【0047】
「最大サイズ」は、99.5(D99.5)パーセンタイルを云う。
【0048】
表現「1つの~を含有する」(containing a)、「1つの~を含む」又(comprising a)は「1つの~を有す」(having a)は、別段の指定がされない限り、「少なくとも1つの~を含む」(comprising at least one)を意味すると理解される。
【0049】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読み取り、添付の図を検証する際に、更に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、熱変形を計測する為のデバイスを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
製造方法
本発明に従って焼結された製品を製造する為の方法は、工程a)~工程e)を含み、該工程は慣用的であるが、本発明に適合させられる。
【0052】
工程a)において、耐火性酸化物の粒子(すなわち、「耐火性粒子」)を含む粒子混合物が調製される。
【0053】
該粒子混合物の粒径は、特に工程c)における成形に応じて適合させられる。Andreasen又はFuller-Bolomeyのパッキングモデルが使用されうる。このようなパッキングモデルは、特に、標題''Traite de ceramiques et materiaux mineraux''[Treatise on Ceramics and Inorganic Materials],C.A.Jouenne,published by Septima,Paris(1984),pages 403 to 405の文献に記載されている。
【0054】
好ましい実施態様において、該粒子混合物の粒径は、該焼結された製品が、焼結されたコンクリートであるように適合させられる。
【0055】
好ましくは、特に該焼結された製品が、焼結されたコンクリートである場合、本発明に従う粒子混合物は好ましくは、質量パーセンテージとして、10%超、好ましくは15%超、好ましくは20%超、且つ50%未満、好ましくは40%未満、又は更には35%未満、又は更には30%未満、の50μm未満のサイズを有する粒子を含む。
【0056】
好ましくは、特に該焼結された製品が、焼結されたコンクリートである場合、50μm未満のサイズを有する、本発明に従う粒子混合物の粒子の少なくとも90質量%は、40μm未満、好ましくは30μm未満、好ましくは20μm未満、又は更には10μm未満、のサイズを有する。
【0057】
好ましくは、50μm未満のサイズを有する、該粒子混合物の粒子の画分は、上記画分に対する質量パーセンテージとして、30%未満、好ましくは25%未満、好ましくは20%未満、好ましくは15%未満、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満、のベータ-アルミナに基づく粒子を含む。
【0058】
1つの実施態様において、特に該焼結された製品が、焼結されたコンクリートである場合、50μm未満のサイズを有する、該粒子混合物の粒子の画分は好ましくは、アルファ-アルミナ粒子、セメント粒子及び成形剤粒子、好ましくはアルファ-アルミナ粒子、セメント粒子及び解膠剤粒子、を含む。
【0059】
該粒子混合物は好ましくは、質量パーセンテージとして、90%未満、好ましくは85%未満、好ましくは80%未満、の50μm~25mmのサイズを有する粒子を含む。
【0060】
好ましくは、50μm以上のサイズを有する粒子の少なくとも90質量%は、100μm超、好ましくは200μm超、好ましくは300μm超、好ましくは400μm超、のサイズを有する。
【0061】
更により好ましくは、50μm以上のサイズを有する粒子の80質量%超、好ましくは90質量%超、好ましくは95質量%超、好ましくは99質量%超、は200μm超、好ましくは300μm超、好ましくは400μm超、若しくは更には0.5mm超及び/又は10mm未満、好ましくは5mm未満、のサイズを有する。
【0062】
更により好ましくは、該粒子混合物は、質量パーセンテージとして少なくとも10%の、2mm超のサイズを有する粒子を含有する。
【0063】
当業者に周知の方式において、該粒子混合物の組成は、製造されることになる該焼結された製品に望まれる組成に適合させられる。特に、該粒子混合物に存在する該酸化物は、実質的にそれらの全体が、該焼結された製品において見出される。それ故に、該酸化物に基づく該組成は、該粒子混合物、該プリフォーム及び該焼結された製品、において実質的に同一である。
【0064】
本発明に従う粒子混合物に存在しうる、微粒子形態で存在する該バインダー及び/又は該成形剤は、特に、本発明の方法の工程c)中に使用される成形技術に応じて選ばれる。
【0065】
該粒子混合物は、
該酸化物に対する質量パーセンテージとして、以下の化学分析:
Al:100%までの残り、
0.26%≦NaO≦4%、
0%≦Al及びNaO以外の酸化物≦6%、但し、SiO≦2%、
結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、以下の結晶相:
5%≦ベータ-アルミナ≦37%、
6%未満の、ベータ-アルミナ及びアルファ-アルミナ以外の結晶相、
100%までの残り:アルファ-アルミナ
を有しうる。
【0066】
該粒子混合物はまた、本発明に従う焼結された製品の組成に関する、下記の任意的な特徴の1以上を有しうる。
【0067】
好ましい実施態様において、Alは好ましくは、アルファ-アルミナ、ベータ-アルミナの1以上の粉末によって、及び任意的に該水硬性セメントによって、排他的に提供される。該焼結された製品の製造中、アルファ-アルミナ及びベータ-アルミナの結晶学的相は、実質的に保持されている。
【0068】
該出発物質の粉末は好ましくは、本発明に従う粒子混合物を得る為に、十分に混合される。
【0069】
工程b)において、出発原料は好ましくは、周囲温度において、該粒子混合物から調製される。出発原料は、本発明に従う粒子混合物、溶媒、好ましくは水、及び任意的に、特に本発明に従う粒子混合物が微粒子形態のバインダーを含んでいない場合には液体バインダー、及び/又は、1以上の液体成形剤を含む。
【0070】
使用されることができる液体バインダーの例として、非限定的に、リン酸溶液、ケイ酸エチル、及びコロイドシリカに言及されうる。
【0071】
1つの実施態様において、本発明に従う粒子混合物は、セメントを含んでいない。好ましい実施態様において、本発明に従う粒子混合物は、セメントを含み、該出発原料は、液体バインダーを含んでいない。
【0072】
該粒子混合物は好ましくは、該粒子混合物の質量に対するパーセンテージとして、1%超、好ましくは2%超、及び/又は8%未満、好ましくは6%未満、を含む。
【0073】
1つの実施態様において、該出発原料は、液体バインダーを含んでいない。
【0074】
該溶媒は好ましくは、水である。
【0075】
当業者に周知の通り、溶媒、好ましくは水、の量、は特に工程c)における成形技術に応じて変わる。
【0076】
工程c)において、キャスティング又はビブロキャスティング(vibrocasting)による成形技術が使用される場合、溶媒、好ましくは水、の量は、該粒子混合物の質量に対する質量パーセンテージとして、4%超、好ましくは5%超、及び/又は7%未満、好ましくは6%未満、である。
【0077】
工程c)において、一軸加圧による成形技術が使用される場合、溶媒、好ましくは水、の量は、該粒子混合物の質量に対する質量パーセンテージとして、2%超、好ましくは3%超、及び/又は6%未満、好ましくは5%未満、である。
【0078】
該粒子混合物が、水硬性セメントを含む場合、水の添加は、該水硬性セメントを活性化し、すなわち該水硬性セメントを固化させ始める。
【0079】
該粒子混合物が、水硬性セメントを含む場合、溶媒、好ましくは水、の量は好ましくは、該粒子混合物の質量に対する質量パーセンテージとして、3%超、好ましくは4%超、好ましくは5%超、且つ好ましくは9%未満、好ましくは8%未満、好ましくは7%未満、である。
【0080】
該出発原料は、慣用的にミキサーで混合される。
【0081】
工程c)において、該出発原料が成形される。
【0082】
特に硬化されたコンクリートから作製されたプリフォームを製造する為に使用されている、慣用的な方法の全てが想定されうる。
【0083】
該成形は、静水圧プレス、スリップキャスティング、一軸加圧、ゲルキャスティング、ビブロキャスティング又はこれらの技術の組み合わせを含みうる。
【0084】
好ましくは、該出発原料は、鋳型に注がれる。
【0085】
好ましくは、本発明に従う焼結された製品が、焼結されたコンクリートである場合、該出発原料は、鋳型に注がれ、該出発原料は該鋳型において、特に該水硬性セメントと溶媒、好ましくは水、との反応から結果として生じる固化により硬化する。
【0086】
好ましくは、該鋳型は、該焼結された製品が、ブロックの形状を有するように成形され、該ブロックの全ての寸法は、1mm超、5mm超、5cm超であり、且つ全ての寸法は好ましくは、500cm未満である。
【0087】
好ましくは、該鋳型は、該焼結された製品が、1kg超、5kg超、10kg超若しくは更には100kg超、及び/又は2500kg未満、若しくは更には2000kg未満、の質量を有するように成形される。
【0088】
離型後、「プリフォーム」と呼ばれるブロックが得られる。
【0089】
成形中、特に該焼結された製品が、焼結されたコンクリートである場合の固化中、酸化物の量、特にアルファ-アルミナ及びベータ-アルミナの量、並びにそれらの結晶学的構造は、実質的に修正されていない。
【0090】
従って、本発明に従うプリフォームは、
該酸化物に対する質量パーセンテージとして、以下の化学分析:
Al:100%までの残り、
0.26%≦NaO≦4%、
0%≦Al及びNaO以外の酸化物≦6%、但し、SiO≦2%、
結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、以下の結晶相:
5%≦ベータ-アルミナ≦37%、
6%未満の、ベータ-アルミナ及びアルファ-アルミナ以外の結晶相、
100%までの残り:アルファ-アルミナ
を有しうる。
【0091】
該プリフォームはまた、本発明に従う焼結された製品の組成に関する、任意的な特徴の1以上を有しうる。
【0092】
工程d)において、該プリフォームは、該成形の為に使用された水の一部を除去する為に、乾燥工程を受けうる。好ましくは、該乾燥は、2%未満の残留水分含量を有するプリフォームを結果としてもたらす。このような工程は、当業者に完全に既知である。全ての乾燥技術が想定されることができる。
【0093】
工程e)において、該プリフォームは、本発明に従う焼結された製品を得る為に焼結される。
【0094】
該焼結は好ましくは、大気圧において、好ましくは1100℃超及び/又は1700℃未満の温度における5時間超及び/又は15時間未満の持続期間の定常温度相を伴って実施される。
【0095】
焼結は、該ガラス製造設備において、イン・シチュー(in situ)で、すなわち該硬化されたブロックがその操作位置に置かれた後に、行われうる。
【0096】
この実施態様において、該鋳型は、離型後に該硬化されたブロックがその操作位置にあるように配置されることもできる。次に、該硬化されたブロックがイン・シチュー(in situ)で成形され、イン・シチュー(in situ)で少なくとも部分的に焼結される。イン・シチュー(in situ)での成形は、後で移動することが不可能な又は困難な大型ブロックを製造することを可能にする。
【0097】
焼結は、本発明に従う焼結された製品を結果としてもたらす。
【0098】
該焼結された製品は好ましくは、該焼結された製品の質量に基づいて98%超、好ましくは99%超、好ましくは実質的に100%、の酸化物を含む。
【0099】
好ましくは、該成形及び該焼結は、既知の方式で、
該焼結された製品の開放孔率が、8%超、好ましくは10%超、好ましくは12%超、好ましくは14%超、若しくは更には15%超、若しくは更には17%超、及び/又は25%未満、好ましくは20%未満、好ましくは18.5%未満、であり、並びに/或いは
該焼結された製品の見かけ密度が、2.8g/cm超、好ましくは2.9g/cm超、及び/又は3.2g/cm未満、好ましくは3.1g/cm未満、である
ように適合させられる。
【0100】
好ましくは、該焼結された製品において、
Al含量は、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、94%超、好ましくは95%超、好ましくは95.5%超、及び/又は98.5%未満、好ましくは98%未満、好ましくは97.5%未満、であり、及び/又は、
NaO含量は、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、0.35%超、好ましくは0.5%超、好ましくは0.78%超、好ましくは1%超、好ましくは1.4%超、好ましくは1.6%超、好ましくは1.8%超、好ましくは2%超、及び/又は2.9%未満、好ましくは2.6%未満、であり、及び/又は、
該NaOの85%超、好ましくは90%超、好ましくは93%超、好ましくは95%超、はベータ-アルミナの形態であり、及び/又は、
Al及びNaO以外の酸化物の含量は、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは3%未満、好ましくは2%未満、好ましくは1.8%未満、及び/又は0.1%超、であり、及び/又は、
SiO含量は、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、1.5%未満、好ましくは1%未満、好ましくは0.8%未満、好ましくは0.7%未満、好ましくは0.6%以下、であり、及び/又は、
特に該焼結された製品が、焼結されたコンクリートである場合、CaO含量は、該酸化物に対する質量パーセンテージとして、0.3%超、好ましくは0.5%超、好ましくは0.6%超、及び/又は2%未満、好ましくは1.8%未満、好ましくは1.5%未満、好ましくは1.3%未満、好ましくは1%未満、であり、及び/又は、
ベータ-アルミナの量は、結晶相の全量に対する質量パーセンテージとして、7%超、好ましくは10%超、好ましくは15%超、好ましくは20%超、好ましくは24%超、好ましくは27%超、及び/又は35%未満、好ましくは32%未満、であり、及び/又は、
ベータ-アルミナ及びアルファ-アルミナ以外の結晶相の量は、結晶相の質量に対する質量パーセンテージとして、5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは3%未満、であり、及び/又は、
該焼結された製品に存在する非晶質相の量は、該焼結された製品の質量に基づいて、5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは3%未満、である。
【0101】
実施例
以下の非限定的な例は、本発明を例示する目的の為に与えられている。
【0102】
これらの実施例において使用される以下の出発物質が選ばれ、与えられているパーセンテージは、質量パーセンテージである。
Almatisによって販売されているT60 tabularアルファ-アルミナ粉末、
質量パーセンテージとして、以下の化学分析:Al:95%、NaO:4%、他の化合物:1%、及び結晶相に対する質量パーセンテージとして、以下の結晶学的分析:ベータ-アルミナ:53%、アルファ-アルミナ:45%(ここで、非晶質相の量は、考慮中の該粉末に対する質量パーセンテージとして、2%に等しい)、を有するベータ-アルミナに基づく粉末、
質量パーセンテージとして、以下の化学分析:Al:95%、NaO:4%、他の化合物:1%、及び結晶相に対する質量パーセンテージとして、以下の結晶学的分析:ベータ-アルミナ:53%、アルファ-アルミナ:45%(非晶質相の量は、該粉末に対する質量パーセンテージとして、2%に等しい)、及び23μmに等しいメジアン径(D50)、を有するベータ-アルミナに基づく微粒子の粉末、
99.7%超の質量による含量のAl及び4.8μmに等しいメジアン径(D50)を有する、か焼されたアルファ-アルミナ粉末、
99.7%超の質量による含量のAl及び1.5μmに等しいメジアン径(D50)を有する、反応性アルファ-アルミナ粉末、
95%超の質量による含量のAl、40μmに等しいメジアン径(D50)及び100μmに等しい径D90を有する、微細アルファ-アルミナ粉末、
6μmに等しいメジアン径(D50)を有する、Almatisによって販売されているCA270セメント、
変性ポリカルボキシレートエーテル。
【0103】
パーツは、本発明に従う方法に従って製造される。
【0104】
工程a)において、該酸化物粉末及び該変性ポリカルボキシレートエーテルは、粒子混合物を形成する為に計量され、混合される。
【0105】
工程b)において、該粒子混合物及び水は、ミキサーに導入される。20分間の持続期間にわたって混合した後、出発原料が得られる。
【0106】
工程c)において、該出発原料は、230mmに等しい長さ、115mmに等しい幅及び115mmに等しい厚さを有するレンガの形態のプリフォーム、並びに500mmに等しい長さ及び40mm×40mmに等しい横断面を有するバーの形態のプリフォーム、を得る為に、木製鋳型に流延される。
【0107】
該バーは、乾燥後に、焼結中の変形を特徴付ける為に使用される。
【0108】
工程d)において、離型し、110℃で24時間乾燥させた後、レンガの形態の該プリフォームは、以下の熱サイクルにおいて焼結される。
周囲温度から1350℃に、30℃/時間の速度で上昇させる、
1350℃で10時間維持し、
30℃/時間に等しい速度で、温度を500℃に低下させ、そして次に周囲温度(20℃)に、自然に低下させる。
【0109】
下記の表1は、実施例ごとに、工程a)における該粒子混合物及び工程b)における該出発原料の組成をまとめている。
【0110】
【表1】
【0111】
該化学分析は、蛍光X線によって行われる。
【0112】
結晶学的分析は、粉末にされた試料に対して、Brukerによって販売されているBruker D5000機器で、リートベルト法を使用して実施される。
【0113】
実施例の該焼結された製品の融解されたガラスと接触したときのバブリング挙動は、以下の方法によって評価される。
【0114】
50mmに等しい外径、
50mmに等しい全高さ、
該外径と同心であり、且つ30mmに等しい直径を有する孔、及び
20mmに等しい厚さを有する底部
を有するるつぼが、試験されることになる実施例の焼結された製品のレンガに機械加工される。
【0115】
各るつぼには、30グラムのソーダ石灰ガラス粉末が充填され、該ソーダ石灰ガラス粉末のメジアン径は1mmに等しく、その最大サイズは5mmに等しく、質量による以下の化学分析を有する:SiO:71.6%、CaO:12.5%、Al:2%、NaO+KO:12.3%、他の酸化物:1.6%。
【0116】
次に、該るつぼ及びガラスの全体が、電気炉に入れられ、空気下で以下の熱処理を受ける。
500℃/時間に等しい速度で1250℃に上昇させ、
1250℃で30時間維持し、
500℃/時間に等しい速度で800℃に低下させ、
20℃/時間に等しい速度で660℃に低下させ、
660℃で5時間維持し、
8℃/時間に等しい速度で周囲温度に低下させる。
【0117】
該試験中に発生した気泡の面積と、観察されたガラスの面積との比は、以下の非限定的な方法を用いて評価されることができる。
【0118】
冷却後、樹脂は、該るつぼを完全に満たすように、該るつぼに流延される。次に、該るつぼは、7mmに等しい厚さを有する切片を得る為に切断され、上記切片は、該るつぼの垂直な対称軸を含有しており、該るつぼの高さに等しい高さを有する。
【0119】
次に、該切片は、該ガラスを透明にし、観察を促進する為に研磨され、上記研磨は、少なくとも粒度1200の研磨紙、好ましくはダイヤモンドペースト、で実施される。
【0120】
次に、光学顕微鏡を活用して画像が取得され、光源は、光学顕微鏡の裏側から該ガラス切片を照射する(バックライティング)。このバックライティングは、該ガラスに含有されている気泡を明らかにする。特に開口部の焦点合わせは、観察された該ガラス切片部分に含有されている全ての気泡が鮮明に見えるように実施される。
【0121】
使用される拡大率は、該切片の該ガラスの表面0.5mmに対応する画像を得ることを可能にする、最も高い拡大率であり、画像の総数は、重複なしに該切片の該ガラスの表面全体を観察することができるのに必要な画像数に等しい。
【0122】
次に、切片ごとに、各画像tが、サイトhttp://rsbweb.nih.gov/ij/で入手可能なimageJソフトウェアを使用して、以下の方法に従って解析される。
imageJで画像を開く、
「解析(Analyse)>結果を消去(Clear Results)」機能を用いて、過去の任意の結果を削除する、
「解析(Analyze)>計測の設定(Set measurements)」の「面積(Area)」ボックスだけにチェックを入れ、そして次に「OK」で確認することによって、計測されるべき大きさ、言い換えれば面積、を定義する、
「画像(Image)>調整(Adjust)>明るさ(Brightness)/コントラスト(contrast)」機能で明るさを調整し、そして次に「自動(Auto))」をクリックする、
「処理(Process)>フィルター(Filters)>ガウシアンぼかし(Gaussian blur)」機能を使用して、2.00に等しい値のシグマ(又は半径)で「ガウシアンぼかし」を適用し、そして次に「OK」ボタンで確認する、
色/グレーレベルの数値を、「画像>タイプ(Type)>8ビット(8-bit)」機能で8ビットに変換する、
「画像>調整>閾値(Threshold)>自動」機能を使用して該画像を2値化し、「背景を暗く(Dark Background)」ボックスにチェックが入れられ、閾値設定のタイプに対応するドロップダウンメニューが「デフォルト(Default)」にされ、赤色閾値設定色が、「赤色(Red)」のドロップダウンメニューを使用して選択される(「スタックヒストグラム(Stack histogram)」にはチェックを入れず、「適用(Apply)」を押し、そして次にウィンドウを閉じる)、
専用のアイコンを使用して選択された「フリーハンド(Freehand)」ツールを使用し、解析されるべきガラス区域(zone of glass)を、マウスを使用して定義する(この区域は、該るつぼの内表面と接触している気泡を有していない)、
「解析>計測(Measure)」ツールを用いて、上記区域の面積、すなわちZAt、を計測する。該面積値は、開いているウィンドウの「面積」カラムにディスプレイされ、該値を記録し、該ウィンドウを閉じる、
「編集(Edit)>外側を消去(Clear outside)」ツールを用いて、解析されるべきガラスの該区域の外側に位置する画像部分を消去し、そして次に、「編集>選択(Selection)>選択解除(Select None)」ツールを用いて、既に選択された解析されるべきガラスの該区域を非選択状態にし、「解析>結果を消去」ツールを用いて該結果を消去する、
解析されるべきガラスの該区域内において、考慮されるべきでない区域、例えば該ガラスの冷却中に出現することができるひび割れ等、を選択する。これらの選択は、「フリーハンド」ツール及びその専用のアイコンを使用して行われる、
以下のコマンド順序:「解析>計測」、そして次に、「解析>結果を消去」、そして次に、「編集>消去(Clear)」、そして次に、「編集>選択>選択解除」を使用して、該画像tには考慮されるべきでない複数の区域iのそれぞれの面積Zitを、連続的に決定する。この順序をi回反復する。ZBTは、該面積Zitの合計を云う、
「処理>2値化(Binary)>2値化を行う(Make Binary)」ツールを用いて、該画像の黒色区域と白色区域とを反転させる。次に、該気泡は、白色背景上において黒色に見える(白色については値255、黒色については0)、
一部の気泡は、中が塗りつぶされていない丸(黒色の中心部分を有する白色の丸)の形態で出現しうる。これらの気泡については、「処理>2値化>孔を埋める(Fill holes)」機能を使用して、該中心部分の黒色を白色に転換する、
以下のコマンドを使用して、該気泡の面積を決定する。「解析>...粒子解析(Analyze Particles...)」で「サイズ(Size)」区域:「0~無限大」、「真円度(Circularity)」区域:「0.00~1.00」、「表示(Show)」区域:「なし(Nothing)」を指定し、そして次に、ボックス:「結果をディスプレイ(Display results)」、「結果を消去」、「イン・シチューに表示(In situ Show)」だけにチェックを入れ、「OK」をクリックする、
コマンド「ファイル(File)>...として保存(Save As...)」を用いて、結果ファイル「Results.xls」を保存する、
該結果ファイル「Results.xls」を開き、該解析された区域における各気泡の面積を表す「面積」カラムの数値の合計ZCtを形成する、
考慮され観察されたガラスの面積を計算する(観察されたガラスの面積ZAtから、除外された区域の面積ZBtを引いた値、すなわちZAt-ZBtに等しい)、
該気泡の総面積Zcを計算する(画像tごとに決定された面積の合計ZCtに等しい)、
考慮されたガラスの総面積Z-Zを計算する(画像tごとに決定された、観察された面積の合計(ZAt-ZBt)に等しい)、
該気泡の面積Zと、考慮されたガラスの該面積Z-Zとの比、すなわちZ/(Z-Z)を計算する。
【0123】
この比は、該融解されたガラスと接触したときの、該焼結された製品のバブリング挙動を特徴付ける。
【0124】
該融解されたガラスが、該焼結された製品に浸透する能力は、バブリング試験及び該バブリングの定量化に必要とされる切片の作成、の後に該切片において存在する、該るつぼの壁部の厚さへの該融解されたガラスによる浸透平均値を計測することによって、査定される。
【0125】
実施例の該製品の焼結中の変形は、以下の方法によって評価された。各実施例の乾燥製品の、500mmに等しい長さ及び40mm×40mmに等しい横断面のバーが、電気炉内の、図1aにおいて示されているように配置された40×40×40mmに等しい寸法の焼結された2つのアルミナ支持体(上記2つの支持体の間の内側距離、すなわちeは、400mmに等しい)上に配置される。
【0126】
該バーは、空気中で以下の熱処理を受ける。
30℃/時間に等しい速度で1350℃に上昇させ、
1350℃で10時間維持し、
30℃/時間に等しい速度で周囲温度に低下させる。
【0127】
焼結中の変形は、図1bにおいて示されているように、各バーで計測されたたわみf(mm)の値である。
【0128】
下記の表2は、焼結後に得られた特徴をまとめている。
【0129】
【表2】
【0130】
計測されたガラスの浸透が20mmに等しいということは、該ガラスが、該るつぼの該底部の厚さを貫通したことを意味する。
【0131】
パーセンテージとして表されている、気泡の面積と観察されたガラスの面積との比は、実施例2~5の該製品については低い。
【0132】
パーセンテージとして表されている、気泡の面積と観察されたガラスの面積との比は、該試験後に該るつぼに十分なガラスが残っていなかったので、実施例1の該製品については決定されることができなかった。
【0133】
該るつぼの該底部への該ガラスの浸透平均値は、本発明ではない実施例1の該製品(0%のベータ-アルミナ、該るつぼの該底部への該ガラスの浸透平均値が20mm)よりも、本発明に従う実施例2の該製品(8%のベータ-アルミナ、該るつぼの該底部への該ガラスの浸透平均値が15mm)、本発明に従う実施例3の該製品(17%のベータ-アルミナ、該るつぼの該底部への該ガラスの浸透平均値が10mm)、本発明に従う実施例4の該製品(30%のベータ-アルミナ、該るつぼの該底部への該ガラスの浸透平均値が3.3mm)、及び本発明ではない5の該製品(42%のベータ-アルミナ、該るつぼの該底部への該ガラスの浸透平均値が2.8mm)の方が低い。
【0134】
最後に、たわみfによって計測された焼結中の変形は、本発明ではない実施例5の該製品(42%のベータ-アルミナ、たわみfが12mmに等しい)よりも、本発明に従う実施例2の該製品(8%のベータ-アルミナ、たわみfが6mmに等しい)、本発明に従う実施例3の該製品(17%のベータ-アルミナ、たわみfが5.2mmに等しい)及び本発明に従う実施例4の該製品(30%のベータ-アルミナ、たわみfが7.5mmに等しい)の方が低い。
【0135】
それ故に、本発明に従う実施例2、3及び4の該製品は、ソーダ石灰ガラスと接触したときのバブリングの低い度合い、低いガラス浸透平均値、及び焼結中の変形の少なさを示す、最良の製品である。
【0136】
これら全ての中でも、実施例4の該製品が好ましい製品である。
【0137】
当然のことながら、本発明は、例示的且つ非限定的な例を用いることによって提供されている、記載されている実施態様に限定されない。
【0138】
特に、本発明に従う製品は、特定の形状又は寸法に限定されない。
図1a
図1b
【国際調査報告】