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特表2023-550284バッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/296 20210101AFI20231124BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20231124BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231124BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20231124BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/211
H01M50/249
H01M50/204 401H
H01M50/204 401E
H01M50/204 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526444
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 KR2022014199
(87)【国際公開番号】W WO2023058963
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0134408
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チャン-フン・イ
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA37
5H040AS07
5H040AY05
5H040CC16
5H040DD22
5H040LL01
5H040LL04
5H040LL06
(57)【要約】
本発明によるバッテリーモジュールは、少なくとも一つのバッテリーセルを含むセル組立体と、前記セル組立体を収容するモジュールケースと、前記モジュールケースに取り付けられるコネクタと、を含む。前記コネクタは、前記バッテリーセルとの電気的な接続のためのコネクタターミナルと、前記コネクタターミナルを囲むコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに結合され、前記モジュールケースに少なくとも一部が挿入されて前記モジュールケースに取り付けられるコネクタヘッダーボディと、前記モジュールケースとコネクタヘッダーボディとの間に介在されて1,000℃以上の融点を有するコネクタガスケットと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのバッテリーセルを含むセル組立体と、
前記セル組立体を収容するモジュールケースと、
前記モジュールケースに取り付けられるコネクタと、を含み、
前記コネクタは、
前記バッテリーセルとの電気的な接続のためのコネクタターミナルと、
前記コネクタターミナルを囲むコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに結合され、前記モジュールケースに少なくとも一部が挿入されて前記モジュールケースに取り付けられるコネクタヘッダーボディと、
前記モジュールケースとコネクタヘッダーボディとの間に介在されて1,000℃以上の融点を有するコネクタガスケットと、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記モジュールケースに開口部が形成されており、前記コネクタヘッダーボディは、前記開口部の内側で前記コネクタガスケットを介在して前記モジュールケースに面接触しながら前記開口部を気密にする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記コネクタガスケットは、前記開口部と同じ大きさの中空を有するフレーム状である、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記コネクタガスケット及び前記コネクタヘッダーボディは、前記モジュールケースにボルト締結されている、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記コネクタガスケットは、シリコーンガスケットである、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記コネクタヘッダーボディは、1,000℃以上の融点を有するセラミックまたは金属素材からなる、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記コネクタハウジングは、前記コネクタヘッダーボディに締り嵌めまたはフック締結で結合されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記コネクタハウジングと前記コネクタヘッダーボディとは、一体成形された単一部品である、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の、少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースと、を含む、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項9に記載の、少なくとも一つのバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車に関し、より詳しくは、コネクタが改善されたバッテリーモジュール、バッテリーパック、及びこれを含む自動車に関する。本出願は、2021年10月8日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0134408号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0003】
電気自動車などに適用されるバッテリーパックは、高出力を得るため、複数の二次電池バッテリーセルを含む複数のセル組立体を直列に接続した構造を有する。また、バッテリーセルは、正極集電体及び負極集電体、セパレータ、活物質、電解液などを含み、構成要素同士の電気化学的反応によって反復的な充放電が可能である。
【0004】
一方、最近、エネルギー貯蔵源としての活用を含めて大容量構造に対する必要性が高まるとともに、複数のバッテリーセルが直列及び/又は並列に接続された複数のバッテリーモジュールを集合させたマルチモジュール構造のバッテリーパックに対する需要が増加している。バッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルからなるバッテリーモジュールをまず構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いてその他の構成要素を付け加え、バッテリーパックを構成する方法が一般的である。前記バッテリーパックに含まれるバッテリーモジュールの個数、またはバッテリーモジュールに含まれるバッテリーセルの個数は、要求される出力電圧または充放電容量に応じて多様に設定され得る。
【0005】
バッテリーモジュールは、バッテリーセルと各種の電装部品などをモジュールケース内にパッケージングし、モジュールケースの外側の外部機器などとの電気的な接続のためのコネクタを備える。コネクタは、複数個のバッテリーモジュール同士を電気的に接続するための接続用コネクタ、バッテリーセルの電圧をモニタリングするためのセンシング用コネクタ、バッテリーセルを充電するための充電装置と連結するための充電用コネクタ、またはバッテリーセルに充電されたエネルギーを使用して駆動するモータと連結する出力用コネクタなどであり得る。
【0006】
従来、バッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルが狭い空間に密集する形態で製造されるため、火災などの予防が重要である。特に、このようなバッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパックが車両用として適用される場合、厳しい安全性テストを通過する必要がある。
【0007】
従来のバッテリーモジュールに備えられるコネクタは、コネクタターミナルを除いたすべての部分に一般的なプラスチック射出で製作されたものが使用され、このようなコネクタはモジュールケースと溶接によってシーリングされている。プラスチック射出物を適用したバッテリーモジュールで異常高温が発生すると、溶融し易くて気密性を維持できず、構造が崩壊するという問題がある。特に、このようなコネクタを装着したバッテリーモジュールまたはこれらの集合体であるバッテリーパックは、熱暴走テストを通過し難い。熱暴走テストとは、GB規格、バッテリーパックまたはシステムが、バッテリーの熱暴走による熱拡散によって自動車の搭乗空間に危険が発生する5分前に熱事件アラーム信号を提供する試験を意味する。
【0008】
したがって、GB規格を満足するために、火炎などによる高温及び/又はベンティングガスによる高圧環境の拡散を防止するためのコネクタが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、バッテリーモジュール内の火炎発生などによる高温及び/又はバッテリーモジュール内のベンティングガスによる高圧環境が、外部へと拡散することを防止するために改善されたコネクタを含むバッテリーモジュールを提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする他の課題は、このようなバッテリーモジュールを含むことで、火災や爆発に対する安定性を高めたバッテリーパック及び自動車を提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に限定されず、他の課題は下記の発明の説明から通常の技術者に明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明によるバッテリーモジュールは、少なくとも一つのバッテリーセルを含むセル組立体と、前記セル組立体を収容するモジュールケースと、前記モジュールケースに取り付けられるコネクタと、を含む。前記コネクタは、前記バッテリーセルとの電気的な接続のためのコネクタターミナルと、前記コネクタターミナルを囲むコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに結合され、前記モジュールケースに少なくとも一部が挿入されて前記モジュールケースに取り付けられるコネクタヘッダーボディと、前記モジュールケースとコネクタヘッダーボディとの間に介在されて1,000℃以上の融点を有するコネクタガスケットと、を含む。
【0013】
前記モジュールケースに開口部が形成されており、前記コネクタヘッダーボディは、前記開口部の内側で前記コネクタガスケットを介在して前記モジュールケースに面接触しながら前記開口部を気密にする。
【0014】
前記コネクタガスケットは、前記開口部と同じ大きさの中空を有するフレーム状であり得る。
【0015】
前記コネクタガスケット及び前記コネクタヘッダーボディは、前記モジュールケースにボルト締結され得る。
【0016】
望ましくは、前記コネクタガスケットはシリコーンガスケットである。
【0017】
前記コネクタヘッダーボディは、1,000℃以上の融点を有するセラミックまたは金属素材からなり得る。
【0018】
前記コネクタハウジングは、前記コネクタヘッダーボディに締り嵌めまたはフック締結で結合され得る。
【0019】
前記コネクタハウジングと前記コネクタヘッダーボディとは、一体成形された単一部品であり得る。
【0020】
また、本発明は、このようなバッテリーモジュールを少なくとも一つ含むバッテリーパック、及びこのようなバッテリーパックを少なくとも一つ含む自動車を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、バッテリーモジュール内の火炎発生による高温及び/又はバッテリーモジュール内のベンティングガスによる高圧環境が、外部に拡散することを防止するために改善されたコネクタ、すなわち高耐熱性シーリングコネクタを含むバッテリーモジュールが提供される。
【0022】
本発明によるバッテリーモジュールは、1,000℃以上の融点を有するコネクタガスケットを含むコネクタを含むことで、バッテリーモジュール内で火炎が発生して異常高温状態になっても、バッテリーモジュールの外側への火炎拡散を防止可能である。そして、バッテリーモジュール内でベンティングガスが発生して異常高圧状態になっても、コネクタ側を通じた爆発を防止可能である。
【0023】
このように本発明によれば、熱暴走が発生してもバッテリーモジュールの気密構造を維持して高温/高圧環境に耐える高耐熱性シーリングコネクタを含むバッテリーモジュールが提供される。
【0024】
例えば、モジュールケースの隣接温度が約600℃(最小5分)以上まで上昇する場合であっても、本発明で提案するコネクタを含むバッテリーモジュールは、高温/高圧(100kpa)に耐えられるため、熱伝達を防止可能である。したがって、本発明によると、安全性が向上したバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの概略的な分解斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの正面図であって、コネクタ部分を拡大して示した図である。
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールからコネクタ部分を分離して示した斜視図である。
図4図2のIV-IV’に沿った図1の部分断面図である。
図5図2のV-V’に沿った図1の部分断面図である。
図6】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールに含まれるコネクタガスケットの斜視図である。
図7】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示した概略的な図である。
図8】本発明の一実施形態による自動車を示した概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0028】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。また、発明の理解を助けるため、添付された図面は実際の縮尺通りではなく、一部の構成要素の寸法が誇張されて示され得る。
【0029】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの概略的な分解斜視図であり、図2は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの正面図であって、コネクタ部分を拡大して示した図であり、図3は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールからコネクタ部分を分離して示した斜視図であり、図4図2のIV-IV’に沿った図1の部分断面図であり、図5図2のV-V’に沿った図1の部分断面図であり、図6は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールに含まれるコネクタガスケットの斜視図である。
【0030】
まず、図1を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール10は、セル組立体100、モジュールケース150、及びコネクタ200を含む。
【0031】
セル組立体100は、少なくとも一つのバッテリーセルを含む。セル組立体100を構成するバッテリーセルはパウチ型二次電池であり得、セル組立体100内に複数個が積層されて整列され得る。前記複数個のバッテリーセルは互いに電気的に接続され得、それぞれのバッテリーセルは、電極組立体、電極組立体を収容する外装材、及び外装材の外側に突出して前記電極組立体と電気的に接続される電極リードを含み得る。
【0032】
電極リードは、正極リード及び負極リードを含み得る。正極リードと負極リードとは、バッテリーセルの長手方向において互いに反対方向に配置されてもよく、両者が同じ方向に位置されてもよい。正極リード及び負極リードは多様な材質からなり得、例えば、正極リードはアルミニウム材質から製作され、負極リードは銅材質から製作され得る。
【0033】
電極リードは、バスバー(図示せず)に電気的に結合され得る。バッテリーセルは、正極板-セパレータ-負極板の順に配列された単位セル、または、正極板-セパレータ-負極板-セパレータ-正極板-セパレータ-負極板の順に配列されたバイセルを容量に合わせて複数個積層した構造を有し得る。
【0034】
セル組立体100は、複数のバッテリーセルが互いに積層されて構成され得る。ここで、バッテリーセルは多様な構造を有し得、また、複数のバッテリーセルは多様な方式で積層され得る。
【0035】
セル組立体100は、それぞれのバッテリーセルを収納するカートリッジ(図示せず)を複数個備え得る。それぞれのカートリッジ(図示せず)は、プラスチックの射出成形で製造され得、バッテリーセルを収納可能な収納部が形成された複数のカートリッジが積層され得る。複数のカートリッジが積層されたカートリッジ組立体には端子要素が備えられ得る。端子要素は、バッテリーセルに連結されるメイン端子として正極端子と負極端子を含み、端子要素はターミナルボルトを備えて外部と電気的に接続され得る。一方、バッテリーセルは多様な形状を有し得る。
【0036】
モジュールケース150は、内部に空いた空間を有する。モジュールケース150はセル組立体100を収容し、バッテリーモジュール10の外観を形成する。モジュールケース150は、セル組立体100またはカートリッジ組立体の形状に対応するように形成され得る。例えば、セル組立体100またはカートリッジ組立体が六面体状である場合、モジュールケース150もそれに対応するように六面体状に設けられ得る。モジュールケース150内には各種の電装部品が含まれ得、一例としてICB(Internal Circuit Board、内部回路基板)またはBMS(Battery Management System、バッテリー管理システム)などを含み得る。前記ICB及びBMSなどの電装部品は、前記複数個のバッテリーセルと電気的に接続され得る。
【0037】
モジュールケース150は、例えば、金属材質のプレートを折り曲げて製造され得、または、プラスチック射出物によって製造されてもよい。そして、モジュールケース150は、一体型で製造されてもよく、分離型で製造されてもよい。一般に、モジュールケース150は、少なくとも一面が開放された形態で提供され、開放された部分からセル組立体100を挿入した後、開放された部分を塞ぐ構造であり得る。モジュールケース150は、全体的に直方体状に提供され得る。
【0038】
モジュールケース150の構成は多様であり得る。例えば、モジュールケース150は、セル組立体100を収容して上部が開放されたU字状フレーム、及びU字状フレームの上側でセル組立体100を覆う上部プレートを含み得る。U字状フレームは、上面、前面及び後面が開放されており、U字状フレームの前面と後面にはエンドプレートがそれぞれ位置して開放された前面と後面を塞ぎ得る。
【0039】
他にも、モジュールケース150は、対向する両側が開放された形態の四角管体のモノフレーム、及び前記モノフレームの対向する両側を塞ぐフロントカバーとリアカバーを含み得る。本発明は、特定のモジュールケース150の構造に制限されない。
【0040】
コネクタ200は、モジュールケース150に取り付けられる。コネクタ200は、モジュールケース150内に収容されるセル組立体100との電気的接続が容易な部分に取り付けられ得る。例えば、セル組立体100に含まれるバッテリーセルの電極リードと近い部分に取り付けられ得る。例えば、図示したように、モジュールケース150においても、バッテリーセルの電極リードが位置する部分と隣接したエンドプレート、フロントカバー、またはリアカバー側に取り付けられ得る。コネクタ200は、バッテリーモジュール10内部のバッテリーセルの電圧または温度に関連するデータを提供可能なBMSなどに接続されるための多様な形態の電気的接続部品または接続部材として設けられ得る。そして、コネクタ200は、電圧または温度に関連するデータを外部に伝送するためにモジュールケース150に結合される。
【0041】
図2図6を参照すると、コネクタ200は、コネクタターミナル210、コネクタハウジング220、及びコネクタヘッダーボディ230を含む。
【0042】
コネクタターミナル210は、セル組立体100のバッテリーセルと電気的に接続するためのものである。コネクタターミナル210は、例えば銅(Cu)のような伝導性材質を含み得る。
【0043】
コネクタハウジング220は、コネクタターミナル210を囲む。コネクタハウジング220は、コネクタターミナル210を収容して一端を露出させる構造であり得る。
【0044】
コネクタハウジング220は、コネクタヘッダーボディ230に結合される。コネクタハウジング220は、プラスチック射出で製造された、コネクタヘッダーボディ230とは別個の部品であり得る。コネクタハウジング220はコネクタヘッダーボディ230に締り嵌めまたはフック締結で結合され得る。
【0045】
コネクタヘッダーボディ230は、コネクタハウジング220から露出するコネクタターミナル210の一端を露出させ得る。コネクタヘッダーボディ230は、モジュールケース150に少なくとも一部が挿入されて取り付けられ、コネクタハウジング220がモジュールケース150の外側に位置するようにする。コネクタターミナル210は、コネクタハウジング220とコネクタヘッダーボディ230を通過し得る。コネクタヘッダーボディ230にはコネクタターミナル210が通過するように孔が形成され得る。コネクタターミナル210は、コネクタヘッダーボディ230の孔を通ってモジュールケース150の内部に引き込まれ得る。
【0046】
コネクタヘッダーボディ230はモジュールケース150に結合される。コネクタヘッダーボディ230は、多様な方式でモジュールケース150に結合され得る。
【0047】
コネクタガスケット235は、モジュールケース150とコネクタヘッダーボディ230との間に介在され、1,000℃以上の融点を有する。
【0048】
図4及び図5をさらに参照すると、本実施形態ではモジュールケース150に開口部152が形成されており、コネクタヘッダーボディ230は開口部152の内側でコネクタガスケット235を介在してモジュールケース150に面接触しながら開口部152を気密にしている。コネクタヘッダーボディ230にはボルト240が通過するように設けられた締結孔が形成され得る。
【0049】
モジュールケース150は、開口部152を除いたすべての部位が溶接工法を通じてシーリングされ得る。このような状況で、バッテリーモジュール10内で熱暴走が発生すると、火炎とガスに最も多く晒される部分はコネクタ200部分になる。本発明ではコネクタ200を改善することで、バッテリーモジュール10内の火炎発生による高温及び/又はバッテリーモジュール10内のベンティングガスによる高圧環境が、外部へと拡散することを防止することができる。
【0050】
コネクタヘッダーボディ230にコネクタガスケット235とコネクタハウジング220を結合した状態で、モジュールケース150の内側から開口部152を通過してコネクタハウジング220を露出させた後、モジュールケース150とコネクタヘッダーボディ230とをボルト240で締結し得る。代わりに、モジュールケース150の内側でコネクタヘッダーボディ230をモジュールケース150との間にコネクタガスケット235を介在して面接するように配置した後、モジュールケース150の外側からボルト240締結し、モジュールケース150の外側からコネクタハウジング220をコネクタヘッダーボディ230に結合してもよい。
【0051】
図6に示したように、コネクタガスケット235は、開口部152と同じ大きさの中空を有するフレーム状であり得る。図4及び図5にも示したように、コネクタガスケット235の外周はコネクタヘッダーボディ230の外周と一致し得る。
【0052】
コネクタガスケット235とコネクタヘッダーボディ230は、モジュールケース150に一緒にボルト240締結され得る。参照符号237はボルト240が通過するようにコネクタガスケット235に設けられた締結孔である。
【0053】
望ましくは、コネクタガスケット235はシリコーンガスケットである。コネクタガスケット235は、バッテリーモジュール10内の熱暴走時にも気密性を維持し、火炎及びガスがコネクタ200を通ってバッテリーモジュール10の外部へと露出することを防止する効果に優れている。コネクタ200はコネクタガスケット235を含んでいるため、高耐熱性シーリングコネクタとも称し得る。バッテリーモジュール10はこのような高耐熱性シーリングコネクタを含むことで、熱暴走関連GB規格を満たす。
【0054】
開口部152は、コネクタハウジング220の締結によって隠される大きさであり得る。開口部152がコネクタハウジング220よりも大きくて、コネクタヘッダーボディ230の一部がモジュールケース150の外側から見えてもよい。
【0055】
コネクタヘッダーボディ230は、1,000℃以上の融点を有するセラミックまたは金属素材からなり得る。バッテリーモジュール10の内部で火炎が発生する場合、コネクタヘッダーボディ230の隣接温度が約600℃(最小5分)以上まで上昇することがあるため、コネクタヘッダーボディ230は高温/高圧(100kpa)に耐えなければならない。コネクタヘッダーボディ230が1,000℃以上の融点を有するセラミックまたは金属素材からなっていれば、バッテリーモジュール10の内部で火炎が発生しても崩壊しない。
【0056】
本発明によると、コネクタヘッダーボディ230は比較的に高温の環境でも破損されずに維持可能である。コネクタヘッダーボディ230に火炎が直接的に接しても溶融しない。コネクタガスケット235も比較的に高温の環境でも破損されずに維持可能である。コネクタガスケット235に火炎が直接的に接しても溶融しない。コネクタガスケット235はモジュールケース150の反対側のコネクタハウジング220側への熱伝達を防止することができる。
【0057】
従来のコネクタは、コネクタハウジング220及びコネクタヘッダーボディ230に対応する部分がプラスチック射出物のみから構成されているため、熱暴走時に溶融して煙及び火炎が外側へと漏れる。コネクタガスケット235のようなシーリング部品もない。本発明では、1,000℃以上の融点を有して高耐熱性を有するコネクタハウジング220とコネクタヘッダーボディ230を含むコネクタ200を提供することで、熱暴走関連GB規格を満たすことができるだけでなく、気密性を維持することができる。
【0058】
このように本発明によれば、熱暴走が発生してもバッテリーモジュールの気密構造を維持し、高温/高圧環境に耐える高耐熱性シーリングコネクタを含むバッテリーモジュールが提供される。
【0059】
本実施形態では、コネクタヘッダーボディ230とコネクタハウジング220とが別個の部品である場合を説明した。他の例として、コネクタハウジング220とコネクタヘッダーボディ230とは一体成形された単一部品であり得る。耐熱性金属素材と軽量金属素材を含むクラッドメタルディスクを製造した後、所望の形態で加工してコネクタヘッダーボディ230を製造し得る。金型中にコネクタヘッダーボディ230とコネクタターミナル210を配置した後、プラスチックを溶かして金型に注入し硬化させることで、コネクタハウジング220をコネクタヘッダーボディ230と一体成形して製造し得る。インサート射出方法によると言える。コネクタハウジング220をコネクタヘッダーボディ230と一体的に製造すれば、別途の締結部材を使用しなくてもコネクタハウジング220とコネクタヘッダーボディ230との間で強い結束力を有し得る。これにより、部品数を減らして製造コストを節減できるだけでなく、締結作業を省略可能であるため製造時間を短縮し、安定的な結合構造を形成することができる。
【0060】
図7は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示した概略的な図であり、図8は本発明の一実施形態による自動車を示した概略的な図である。
【0061】
図7及び図8を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300は、上述した本発明によるバッテリーモジュール、例えば一実施形態によるバッテリーモジュール10を少なくとも一つ含み得る。また、バッテリーパック300は、少なくとも一つのバッテリーモジュール10を収容可能なパックケース310を含み得る。さらに、このようなバッテリーモジュール10の外に他の多様な構成要素、例えば、リレー、電流センサなどのような本発明の出願時点で公知のバッテリーパックの構成要素などをさらに含み得る。
【0062】
バッテリーモジュール10は略直方体状であるため、バッテリーパックケース310内に整然と並べられ、それぞれのバッテリーモジュール10は、自動車400の走行に必要な電力を確保可能に接続されている。
【0063】
バッテリーパックケース310は、バッテリーモジュール10を固定し収納する容器であり、直方体状の箱である。そして、このバッテリーパックケース310は自動車400内の所定の位置に配設され得る。
【0064】
望ましくは、自動車400は電気自動車であり得る。バッテリーパック300は、電気自動車のモータに駆動力を提供して自動車400を駆動させる電気エネルギー源として使用され得る。この場合、バッテリーパック300は100V以上の高い公称電圧を有する。
【0065】
バッテリーパック300は、モータ及び/又は内燃機関の駆動によってインバータによって充電または放電し得る。バッテリーパック300はブレーキ(brake)と結合された回生充電装置によって充電され得る。バッテリーパック300は、インバータを通じて自動車400のモータに電気的に接続され得る。勿論、バッテリーパック300は、前記自動車の外にも、二次電池を用いる電力貯蔵装置(ESS)などのその他の装置や機具及び設備などにも備えられ得る。
【0066】
このように、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300と前記自動車400のような前記バッテリーパック300を備える装置や機具及び設備は、上述した前記バッテリーモジュール10を含むため、上述したバッテリーモジュール10による長所をすべて持つバッテリーパック300、及びこのようなバッテリーパック300を備える自動車400などの装置や機具及び設備などを具現可能である。
【0067】
以上のような多様な実施形態によって、バッテリーモジュール内で火炎が発生して異常高温状態になっても、バッテリーモジュールの外側への火炎の拡散を防止することができる。また、本発明によると、バッテリーモジュール内でベンティングガスが発生して異常高圧状態になっても、バッテリーモジュールの爆発を防止することができる。
【0068】
例えば、モジュールケースの隣接温度が約600℃(最小5分)以上まで上昇する場合であっても、本発明で提案するコネクタを含むバッテリーモジュールは、高温/高圧(100kpa)に耐えられ、熱伝達を防止することができる。したがって、本発明によると、安全性が向上したバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0069】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0070】
10:バッテリーモジュール
100:セル組立体
150:モジュールケース
200:コネクタ
210:コネクタターミナル
220:コネクタハウジング
230:コネクタヘッダーボディ
235:コネクタガスケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】