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特表2023-550289強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法及びその用途
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法及びその用途
(51)【国際特許分類】
   B07B 7/00 20060101AFI20231124BHJP
   B08B 7/00 20060101ALI20231124BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B07B7/00 Z
B08B7/00
B03C1/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526619
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 CN2021131093
(87)【国際公開番号】W WO2022105773
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202110242127.4
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120469952.3
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022651236.5
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011282871.9
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523151171
【氏名又は名称】北京濾分環保技術有限責任公司
(74)【代理人】
【識別番号】100188776
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉男
(72)【発明者】
【氏名】劉天博
(72)【発明者】
【氏名】彭懐明
【テーマコード(参考)】
3B116
4D021
【Fターム(参考)】
3B116AA48
3B116AB13
3B116AB32
3B116BC08
4D021FA11
4D021GA11
4D021GA21
(57)【要約】
【課題】本発明は強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法及びその用途に関し、特に非金属材料における有害微粒子、粉塵、毛羽、ひも、細菌、ウイルスなどの不純物を除去し、それにより粒子材料の品質を向上させることを意図している。
【解決手段】材料が材料入口から入り、風力気流と加速板を組み合わせることにより材料の加速を実現し、材料の粒子を一定の速度で移動させ、材料が最高速度に達する時の位置点及び速度が制御可能であり、材料が経由する箇所に内蔵強磁場ユニットが設けられ、特に材料が最高速度に達する時の位置点に内蔵強磁場ユニットが設けられ、内蔵強磁場ユニットにより内部強磁場を生成し、本発明は内部強磁場を利用して材料と材料表面に付着した不純物との間の電磁力、ファンデルワールス力、液架橋力などの引力を解消するとともに、風力気流と組み合わせ、内部部材との摩擦衝突により材料粒子とその上に付着した不純物との間のファンデルワールス力及び液架橋力などの引力を弱めて、材料の清浄度を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料が材料入口から入り、風力気流と加速板を組み合わせることにより材料の加速を実現し、材料の粒子を一定の速度で移動させ、材料が最高速度に達する時の位置点及び速度が制御可能であり、すなわち材料速度が風速によって制御され、材料が最高速度に達する時の位置点が加速板の末端領域の速度であり、
材料が材料入口から入り、材料出口から排出される期間に経由する箇所に内蔵強磁場ユニットが設けられ、特に材料が最高速度に達する時の位置点近傍に内蔵強磁場ユニットが設けられ、内蔵強磁場ユニットにより内部強磁場を生成し、
内部強磁場を利用して材料と材料表面に付着した不純物との間の電磁力、ファンデルワールス力、液架橋力などの引力を解消するとともに、風力気流と組み合わせ、内部部材との摩擦衝突により材料粒子とその上に付着した不純物との間のファンデルワールス力及び液架橋力などの引力を弱めて、材料の清浄度を向上させることができる、
ことを特徴とする強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法。
【請求項2】
強磁場は1つのポイント又は複数箇所に分布して設置された強力永久磁石材料又は電磁コイルによって生成され、材料の流れ速度が比較的高い領域の近傍に可能な限り分布し且つ強磁石の取り付けポイントからの2mmの箇所にある磁気誘導強度が600ガウスより高いことが適切であり、強磁場ユニットは物理空間において他のユニットと融合し、付着し、組み合わせ、移動する粒子及び不純物とともに、粒子とその表面に付着した不純物との間に存在する静電気と残留磁気により方向が反対する電磁力の作用力を生成し、両者を隙間が生じるようにさせ、又は分離させ、付着状の不純物を分散状の不純物に変換して、清浄効果を向上させ、強磁場ユニットを構成する強磁石の体積、大きさ、形状は動作状況に適合する必要があり、強磁場ユニットの強磁場の生成も電磁コイルに直流、交流、各種の高調波電源などを入れることによって実現でき、直流ではない限り、電磁の放射強度が関連規格より小さいことに注意すべきである、
ことを特徴とする請求項1に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法。
【請求項3】
前記風力気流は、加速分離、引力除去分離、流動沸騰分離のうちの1種又は多種の組み合わせを含む少なくとも二段分離を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法。
【請求項4】
加速分離は、内蔵強磁場ユニット及び加速分離ユニットにより内部強磁場の作用での加速分離を実現し、加速分離ユニットにおける加速板から噴出された気流が材料粒子上に作用し、それを段階的又は単段加速させ、高速移動を発生させることにより材料の加速を実現するステップを含み、
材料は加速分離ユニットの末端における粒子速度が0.2メートル/秒以上に加速又は調整されるべきであり、速度が高ければ高いほど、浄化効果に有利となるが、速度が高すぎると粒子を損傷するため、粒子速度に上限を設定すべきであり、一般的には50メートル/秒未満にすべきであり、これは具体的な材料の性質によって定められる、
ことを特徴とする請求項3に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法。
【請求項5】
引力除去分離は、依然として不純物が付いた材料がこの間を通過する時、この間の高速気流が不純物を持ち去るプロセスを含み、また、側翼機構における強磁場ユニットがここで強力な磁場を提供するため、この間も電磁力を除去する主な場所となり、
引力除去分離ユニットは導電性で接地された側翼機構と、側翼機構に内蔵された強磁場ユニットと、を含み、内蔵強磁場ユニット及び導電性で接地された側翼機構の作用で材料における引力及び静電気が除去され、飛んでいる材料が側翼機構に衝突摩擦する時、材料表面に付着した残留不純物は衝突摩擦で材料と分離し、さらに、この部分の分離した不純物は高速気流に持ち去られてガス出口に流れる、
ことを特徴とする請求項3に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法。
【請求項6】
流動沸騰分離は、流動ユニットにより材料を流動させ、粒子材料とその表面に付着した不純物との間の引力を再び解消し、且つ純ガスで材料を十分に洗浄し、分離し、浄化し、材料と不純物の分離効果を高めるプロセスを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法。
【請求項7】
流動ユニットにおける流動板孔のサイズ0.5mm~5mm及び風力弁の開度を調節することにより、流動沸騰分離を実現する、
ことを特徴とする請求項6に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法。
【請求項8】
材料が湿気り、又は湿気を吸着し、又は他の原因を受けると、いくつかの細菌又はカビが繁殖し、材料の変質失効を引き起こす可能性があり、スペクトル発生器又はマイクロ波発生器又はプラズマ発生器の1種又は多種を、材料、清浄器の内部部材、ガス、不純物の補助引力除去及び滅菌消毒に用いることができ、スペクトル発生器が発するスペクトルの波長は250~280nmであり、その光照射強度は18μW/cm以上に制御されるべきである、
ことを特徴とする請求項1に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法。
【請求項9】
材料清浄器に適用され、強磁石で粒子を加速することによる材料清浄器を取得し、前記強磁石で粒子を加速することによる材料清浄器はハウジングを含み、ハウジング内には、
加速板、ガス入口、ガス出口で構成される材料加速アセンブリが設けられた仕込み分離ユニットであって、少なくとも二段分離を含み、加速分離ユニット、引力除去分離ユニット、流動沸騰分離ユニットのうちの1種又は多種の組み合わせを含む仕込み分離ユニットと、
材料が材料入口から入り、材料出口から排出される期間に経由する箇所に設けられた内蔵強磁場ユニットと、が含まれ、
材料が材料入口から入り、風力気流と加速板を組み合わせることにより材料の加速を実現し、材料の粒子を一定の速度で移動させ、材料が最高速度に達する時の位置点が加速板の末端領域の速度であり、
内蔵強磁場ユニットにより内部強磁場を生成し、材料と材料表面に付着した不純物との間の電磁力、ファンデルワールス力、液架橋力などの引力を解消するとともに、風力気流と組み合わせ、内部部材との摩擦衝突により材料粒子とその上に付着した不純物との間のファンデルワールス力及び液架橋力などの引力を弱めて、材料の清浄度を向上させることができる、
ことを特徴とする強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項10】
強磁場ユニットは、1つのポイント又は複数箇所に分布して設けられた強力永久磁石又は電磁コイルで構成され、装置の材料入口、装置の材料出口、加速分離ユニット、引力除去分離ユニット及び流動沸騰分離ユニットを含むがこれらに限定されない、材料が流れて通過する領域に設けられ、永久磁石は材料の流れ速度が比較的高い領域の近傍に可能な限り分布し且つ強磁石の取り付けポイントからの2mmの箇所にある磁気誘導強度が600ガウスより高いことが適切であり、特に材料が最高速度に達する時の位置点近傍に内蔵強磁場ユニットが設けられ、
強磁場ユニットを構成する強磁石の体積、大きさ、形状は動作状況に適合する必要があり、強磁場ユニットの強磁場の生成も電磁コイルに直流、交流、各種の高調波電源などを入れることによって実現でき、直流ではない限り、電磁の放射強度が関連規格より小さいことに注意すべきである、
ことを特徴とする請求項9に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項11】
ハウジング内に片側仕込み分離ユニット又は両側仕込み分離ユニット又は複数組の仕込み分離ユニットが設けられ、清浄要求が高い動作状況について、片側仕込みアセンブリには、複数の加速分離ユニットの組み合わせ、複数の引力除去分離ユニットの組み合わせ、複数の流動沸騰分離ユニットの組み合わせ、及び拡張した他のユニットが用いられる、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項12】
加速分離ユニットに一段又は複数段の加速板及び1一段又は複数段のスライド板、風力分配口が設けられ、スライド板と垂直方向とのなす角は80度より小さく、加速板と水平方向とのなす角は10度~170度であり、又は垂直方向とのなす角は-80度~80度であり、各加速板にいずれも一定数の孔隙が開設され、風力分配口と組み合わせて加速板を介して噴出された気流を材料に作用させ、材料粒子の移動速度を加速させるとともに、分散状の不純物を材料流から離脱させ、加速板及びスライド板は一体に合併し、又は互いに独立する、
ことを特徴とする請求項9に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項13】
引力除去分離ユニットは側翼板、手動調節機械、風力配送機構などで構成される側翼機構を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項14】
流動沸騰分離ユニットは流動板及びその上部が属する三次元空間を含み、流動板の下に複数の排気孔が設けられ、ガス入口から入ったガスの一部はここでの小孔から下部空間に入り、材料を沸騰させ、反転させ、衝突させ、洗浄するなどにより、残留不純物を持ち去る機能をする一方で、上段に必要なガスを提供する機能をし、前記流動板は導電層を有し、十分に接地して材料の静電気を再び解消し、流動沸騰ユニット内の流動板孔のサイズは0.5mm~5mmである、
ことを特徴とする請求項9に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項15】
ハウジング内の1つのポイント又は複数のポイントに、材料、清浄器の内部部材、ガス、不純物の補助引力除去及び滅菌消毒に用いられる1組又は複数組のスペクトル発生器又はマイクロ波発生器又はプラズマ発生器の1種又は多種が設けられ、スペクトル発生器が発するスペクトルの波長は250~280nmであり、その光照射強度は18μW/cm以上に制御される、
ことを特徴とする請求項9に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項16】
清浄器のハウジングの形状及びスライド板、加速板、側翼機構、流動板の形状はいずれも方形に限定されず、円形、半円形、環状、矩形、三角形、菱形、楕円形など及び他の異形とすることもできる、
ことを特徴とする請求項9に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項17】
分布ユニット、スライド板、側翼機構、流動板の重要な役割の1つに、さらに、材料及び不純物の静電気を引き出す役割があり、上記アセンブリと清浄器の接地点との接触抵抗値を10オームより小さくすべきであり、非爆発危険性の場所において、材料静電気除去の効果を高めるために、さらにイオン風発生装置を選択的に取り付けることができる、
ことを特徴とする請求項9又は11に記載の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【請求項18】
材料浄化システムに適用され、強磁石で粒子を加速することによる材料浄化システムを取得する、
ことを特徴とする強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は材料清浄器技術分野に関し、具体的には強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法及びその用途に関し、特に非金属材料における不純物を除去するために用いられ、それにより材料の品質を向上させる。
【背景技術】
【0002】
実際の生産や生活において、いくつかの材料には、何らかの生産段階で、例えば小麦や米における屑、ふすま、破砕殻など、プラスチック材料における粉末、ひもなど、錠剤、顆粒剤に入り混じる粉末、微粒子などの不純物が生成されることがあり、これらの不純物はいずれも後続の生産に不利となり、したがって、より高品質の製品を生産するために、これらの不純物の除去は重要なニーズとなる。
【0003】
本発明では、材料における不純物は、材料に混在している場合、一般に、分散状と、粘着(付着)状という2つの状態で存在していると考えられる。分散状とは、不純物と材料が別々に存在し、且つ撒き散らす時に一般的な強度のガスの吹きで分離できる状態であり、粘着状とは、不純物と材料が様々な引力の作用で粘着し、撒き散らすことにより分離しにくい状態である。下流工程は材料に対する要求が高くない場合、分散状のものを分離できればよいが、材料の品質に対する要求が継続的に高まるにつれて、不純物含有量に対する要求がますます高くなり、材料における分散状不純物を分離させるだけでは要求を満たすことができず、したがって、粘着状材料における不純物の分離も必要とされる。
【0004】
何らかの原因により材料にはいくつかの細菌や微生物が繁殖する可能性があるため、材料はカビが発生して変質し、さらには有毒で有害になり、材料の品質に非常に深刻な損害を与える場合があり、そのため、これらの特別な種類の不純物の除去も生産における重要なニーズとなる。
【0005】
従来の材料浄化システムは、不純物の除去効率が高くなく、全面的でなく且つ不安定であり、下流工程への悪影響も非常に大きく、生産ライン全体の生産効率の向上を抑え、また、投資コストが非常に高い。本システムは従来の同様の製品の短所を効果的に補うことができ、顧客の使用体験及び製品の品質を向上させ、パラメータが最適化された清浄器により処理されると、材料の不純物含有量が15ppmまで低下できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、材料の品質を向上させ、材料における不純物をより効率的に除去し、投資コストを低減するために、強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法及びその用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の技術的解決手段により実現される。
【0008】
強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法であって、前記材料は特に粒子材料を指し、
材料が材料入口から入り、風力気流と加速板を組み合わせることにより材料の加速を実現し、材料の粒子を一定の速度で移動させ、材料が最高速度に達する時の位置点及び速度が制御可能であり、すなわち材料速度が風速によって制御され、材料が最高速度に達する時の位置点が加速板の末端領域の速度であり、
材料が材料入口から入り、材料出口から排出される期間に経由する箇所のいずれかに内蔵強磁場ユニットが設けられ、特に材料が最高速度に達する時の位置点近傍に内蔵強磁場ユニットが設けられ、内蔵強磁場ユニットにより内部強磁場を生成し、一定の速度で材料を動作させて磁力線を切断することにより生成された電磁力を利用して材料とその上の不純物との間の電磁力などの引力を分離させ、又は弱め、
内部強磁場を利用して材料と材料表面に付着した不純物との間の電磁力、ファンデルワールス力、液架橋力などの引力を解消するとともに、風力気流と組み合わせ、内部部材との摩擦衝突により材料粒子とその上に付着した不純物との間のファンデルワールス力及び液架橋力などの引力を弱めて、材料の清浄度を向上させることができることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記材料は粒子材料であり、粒子の粒径は500μm~20mmである。
【0010】
さらに、強磁場は単一のポイント又は複数箇所に分布して設置された強力永久磁石材料又は電磁コイルによって生成され、材料の流れ速度が比較的高い領域の近傍に可能な限り分布し且つ強磁石の取り付けポイントからの2mmの箇所にある磁気誘導強度が600ガウスより高いことが適切であり、強磁場ユニットは物理空間において他のユニットと融合し、付着し、組み合わせ、移動する粒子及び不純物とともに、粒子とその表面に付着した不純物との間に存在する静電気と残留磁気により方向が反対する電磁力の作用力を生成し、両者を隙間が生じるようにさせ、又は分離させ、付着状の不純物を分散状の不純物に変換して、清浄効果を向上させる。
【0011】
さらに、前記風力気流は、加速分離、引力除去分離、流動沸騰分離のうちの1種又は多種の組み合わせを含む少なくとも二段分離を含む。
【0012】
さらに、加速分離は、内蔵強磁場ユニット及び加速分離ユニットにより内部強磁場の作用での加速分離を実現し、加速分離ユニットにおける加速板から噴出された気流が材料粒子上に作用し、それを段階的又は単段加速させ、高速移動を発生させることにより材料の加速を実現するステップを含み、
材料は加速分離ユニットの末端における粒子速度が0.2メートル/秒以上に加速又は調整されるべきであり、速度が高ければ高いほど、浄化効果に有利となるが、速度が高すぎると粒子を損傷するため、粒子速度に上限を設定すべきであり、一般的には50メートル/秒未満にすべきであり、これは具体的な材料の性質によって定められる。
【0013】
さらに、引力除去分離は、依然として不純物が付いた材料がこの間を通過する時、この間の高速気流が不純物を持ち去るプロセスを含み、また、側翼機構における強磁場ユニットがここで強力な磁場を提供するため、この間も電磁力を除去する主な場所となり、
引力除去分離ユニットは導電性で接地された側翼機構と、側翼機構に内蔵された強磁場ユニットと、を含み、内蔵強磁場ユニット及び導電性で接地された側翼機構の作用で材料における引力及び静電気が除去され、飛んでいる材料が側翼機構に衝突摩擦する時、材料表面に付着した残留不純物は衝突摩擦で材料と分離し、さらに、この部分の分離した不純物は高速気流に持ち去られてガス出口に流れる。
【0014】
さらに、流動沸騰分離は、流動ユニットにより材料を流動させ、粒子材料とその表面に付着した不純物との間の引力を再び解消し、且つ純ガスで材料を十分に洗浄し、分離し、浄化し、材料と不純物の分離効果を高めるプロセスを含む。
【0015】
さらに、流動ユニットにおける流動板孔のサイズ0.5mm~5mm及び風力弁の開度を調節することにより、流動沸騰分離を実現する。
【0016】
さらに、材料が湿気り、又は湿気を吸着し、又は他の原因を受けると、いくつかの細菌又はカビが繁殖し、材料の変質失効を引き起こす可能性があり、スペクトル発生器又はマイクロ波発生器又はプラズマ発生器の1種又は多種を、材料、清浄器の内部部材、ガス、不純物の補助引力除去及び滅菌消毒に用いることができ、スペクトル発生器が発するスペクトルの波長は250~280nmであり、その光照射強度は18μW/cm以上に制御されるべきである。
【0017】
さらに、材料が湿気り、又は湿気を吸着し、又は他の原因を受けると、いくつかの細菌又はカビが繁殖し、材料の変質失効を引き起こす可能性があり、スペクトル発生器を、材料、清浄器の内部部材、ガス、不純物の補助引力除去及び滅菌消毒に用いることができ、スペクトル発生器が発するスペクトルの波長は250~280nmであり、その光照射強度は18μW/cm以上に制御されるべきである。
【0018】
材料清浄器に適用され、強磁石で粒子を加速することによる材料清浄器を取得することを特徴とする強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途である。
【0019】
材料浄化システムに適用され、強磁石で粒子を加速することによる材料浄化システムを取得することを特徴とする強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途である。
【発明の効果】
【0020】
本発明は以下の有益な効果を有する。
【0021】
1、加速板により粒子に一定の速度を備えさせ、この速度を利用して以下の2種類の効果を発生させることに発明性があり、
1)強磁場で静電気を帯びた粒子材料とその上に付着した不純物は生成する電磁力が反発力で、その間の元のファンデルワールス力、液架橋力、静電気力、磁力とは逆方向であり、それにより引力を小さくし、粒子と不純物との付着を緩め、又は分離させ、
2)一定の速度の材料粒子が翼板に衝突し、それに付着した不純物を振動させて材料粒子から離脱させる。強磁場は、粒子とその上に付着した不純物を磁力の違いにより磁気的に分離させる効果もある。
【0022】
2、本発明のもう1つの利点は、3種類の異なる分離方式の数量及び順序を任意に調整し、風力気流と組み合わせて、その分離効率を従来の方式よりはるかに高くさせることができ、本願ではパラメータが最適化されると、材料の不純物含有量が15ppmに低下できることである。
【0023】
3、本発明は不純物除去効率が高く、通常の意味での不純物を除去できるだけでなく、スペクトル発生器の導入により、さらに、細菌、ウイルスなど特別な種類の「不純物」を除去できるとともに、引力の補助除去に配慮するため、より清浄になる。
【0024】
4、本発明は、材料清浄器に適用される場合、構造が簡単であり、分離精度が高く、操作しやすく、体積が小さく、適用性が高い。
【0025】
5、本発明は、材料浄化システムに適用される場合、開ループシステムであってもよいし、閉ループシステムであってもよく、異なるニーズに応じて自動制御又は手動制御のように設計することもできる。
【0026】
6、本発明は内蔵型強磁石を用い、外付け電磁コイルの技術より進歩的であり、
1)内蔵強磁石はハウジング内の磁気誘導強度を十分に保障でき、外付け電磁コイルはできない。特に、分離装置のハウジングは、通常、炭素鋼や、316ステンレス鋼などの材料であり、これらの金属材料の磁場遮蔽性により、ハウジング外の磁場がハウジング内に入った後、減衰して無くなり、
2)内蔵強磁石はハウジング内の磁気誘導強度を十分に保障でき、外付け電磁コイルはできない。磁気誘導強度は磁気源から磁場点までの距離の三乗に反比例し、或いは、距離の増加により、磁気誘導強度を立方的関係で低下させる。ハウジング外の磁気感度強度が遮蔽により減衰することがなくても、ハウジング外の磁場はハウジング内の分離点まで伝達された時に、距離による減衰により、僅かに残り、
3)内蔵強磁石はハウジング内の強磁石の誘導強度を十分に保障でき、外付け電磁コイルはできない。電磁コイルが生成する磁場はN*Iに正比例し、電流Iが大きければコイルの体積が大きく、Nが大きければコイルの体積も大きく、同様の磁気誘導強度では、強磁石の体積が小さく、
外付け式電磁コイルは、強磁石の磁気誘導強度に達しようとすると、でかいものとなるため、強磁石と比べられないものであり、
4)外付け式電磁コイルは、電流を絶えず消費し、省エネルギーではなく、
5)外付け式電磁コイルは、電磁汚染である電磁場の高調波放射を発生させ、
6)強磁石はハウジング内で分布設置を実現でき、効果を最適に高め、外付け式電磁コイルはどうすることもできない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法のブロック図である。
図1-1】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1である清浄器の正面図である。
図1-2】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1である清浄器の側面図である。
図1-3】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の加速分離ユニットの正面図である。
図1-4】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の加速分離ユニットの側面図である。
図1-5】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の加速分離ユニットの詳細図である。
図1-6】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の流動板の図である。
図1-7】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の流動板の詳細図である。
図1-8】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の軸測図1である。
図1-9】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の軸測図2である。
図1-10】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の一部の強磁石(コイル)の配置部位の概略図である。
図1-11】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1のスペクトル発生器の配置部位の概略図。
図1-12】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途1の片側仕込みの概略図である。
図2-1】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途2である開ループシステムである。
図2-2】強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途2である閉ループシステムである。
図2】実施例1における強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面及び実施例に合わせて本発明の技術的解決手段についてさらに説明し、当業者にとって明らかであると考えられる。
【0029】
周知のように、電荷が磁場において移動する時にローレンツ力を生成し、電荷の移動速度が速ければ速いほど、生成したローレンツ力が強く、電磁力で吸着された材料と微細な不純物が磁場を流れるとき、材料と不純物が持った電荷の極性が反対するため、材料とその不純物が受けたローレンツ力も反対し、材料と不純物は間隔が大きくなり、さらに、持った電磁力が弱められて除去され、それとともに、粒子とそれに付着した不純物との間に引張力を生成させ、粒子と不純物を隙間が生じるようにさせ、さらには分離させる。
【0030】
本発明において強磁場と風力気流を組み合わせて材料清浄を実現する技術的思想が提供され、強力永久磁石(ネオジム鉄ボロン、サマリウムコバルトなど)が生成する強磁場、又は電磁コイルが生成する強磁場を用いて粒子と不純物との間の引力を解消する。実際に利用する際に、どの形態を用いるかは、具体的な状況に応じて決定することができるが、強磁石がより適切である。磁場強度は、磁石から2mmの箇所で600ガウスより高いことが適切である。
【0031】
本発明は用途が広く、材料の特性に応じてハウジング及び内部部材の材料選択を決定し、要求が比較的高い化学工業製品、医薬製品に対して、ステンレス鋼材料を用いてハウジング及び内部部材とし、鉱産製品に対して、一般的な炭素鋼材料を選択してハウジング又は内部部材とし、食糧、飼料などの業界要求に対して、適切な金属材料、ひいてはガラス繊維強化プラスチックなどの材料を用いてハウジング及び内部部材とすることができ、加工プロセスは溶接のほか、接着、リベット、結合などの方式を用いることができ、原材料の選択及び加工方式は1つだけではない。
【0032】
実施例1
本実施例において、強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法は、図1に示すように、
材料が材料入口から入り、風力気流と加速板を組み合わせることにより材料の加速を実現し、材料の粒子を一定の速度で移動させ、材料が最高速度に達する時の位置点及び速度が制御可能であり、すなわち材料速度が風速によって制御され、材料が最高速度に達する時の位置点が加速板の末端領域の速度であり、
材料が材料入口から入ってから、材料出口から排出されるまで、それぞれ、加速分離、引力除去分離、流動沸騰分離のうちの1種又は多種の組み合わせを含む少なくとも二段分離を経て、内蔵強磁場により静電気及び残留磁気付きの材料と材料表面に付着した不純物との間の電磁力、ファンデルワールス力、液架橋力などの引力を解消するとともに、風力気流と組み合わせて材料の清浄度を向上させる。
【0033】
材料が材料入口から入り、材料出口から排出される期間に経由する箇所のいずれかに内蔵強磁場ユニットが設けられ、特に材料が最高速度に達する時の位置点近傍に内蔵強磁場ユニットが設けられ、内蔵強磁場ユニットにより内部強磁場を生成し、
内部強磁場を利用して材料と材料表面に付着した不純物との間の電磁力、ファンデルワールス力、液架橋力などの引力を解消するとともに、風力気流と組み合わせ、内部部材との摩擦衝突により材料粒子とその上に付着した不純物との間のファンデルワールス力及び液架橋力などの引力を弱めて、材料の清浄度を向上させることができる。
【0034】
強磁場は1つのポイント又は複数箇所に分布して設置された強力永久磁石材料又は電磁コイルによって生成され、材料の流れ速度が比較的高い領域の近傍に可能な限り分布し且つ強磁石の取り付けポイントからの2mmの箇所にある磁気誘導強度が600ガウスより高いことが適切であり、強磁場ユニットは物理空間において他のユニットと融合し、付着し、組み合わせ、移動する粒子及び不純物とともに、粒子とその表面に付着した不純物との間に存在する静電気と残留磁気により方向が反対する電磁力の作用力を生成し、両者を隙間が生じるようにさせ、又は分離させ、付着状の不純物を分散状の不純物に変換して、清浄効果を向上させる。
【0035】
本実施例において、基本例として、1種目の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法が挙げられ、図2に示すように、具体的には以下のステップ1~ステップ4を含む。
【0036】
ステップ1は、一段加速分離であって、内蔵強磁場ユニット及び加速分離ユニットにより内部強磁場の作用での加速分離を実現し、加速分離ユニットにおける加速板から噴出された気流が材料粒子上に作用し、それを段階的又は単段加速させ、高速移動を発生させることにより材料の加速を実現するステップを含み、
材料は加速分離ユニットの末端における粒子速度が0.2メートル/秒以上に加速又は調整されるべきであり、速度が高ければ高いほど、浄化効果に有利となるが、速度が高すぎると粒子を損傷するため、粒子速度に上限を設定すべきであり、一般的には50メートル/秒未満にすべきであり、これは具体的な材料の性質によって定められる。
【0037】
強磁場で高速に移動する静電気及び残留磁気付きの材料とその表面に付着した不純物との間の電磁力を解消させるとともに、材料における材料と粘着しない分散状の不純物をも風力によって初歩的に除去する。
【0038】
当該ユニットは多機能を一体に集積し、1つの風力分配口を提供するだけでなく、一段加速分離ユニットにおける加速板はそれを介して噴出された気流を材料に作用させ、材料粒子の移動速度を段階的又は単段加速させるとともに、分散状の不純物を材料流れから離脱させ、スライド板と加速板との組み合わせは材料動作中の衝突効果を増加させて、材料粒子とそれに付着した不純物との間のファンデルワールス力及び液架橋力などを解消し、スライド板の導電性及び十分な接地は材料の静電気を除去する。
【0039】
ステップ2は、二段引力除去分離であって、不純物と材料の分離の主なステップであり、一段加速分離からの依然として不純物が付いた材料がこの間を通過する時、この間の高速気流が不純物を持ち去るプロセスを含み、また、側翼機構における強磁場ユニットがここで強力な磁場を提供するため、この間も電磁力を除去する主な場所、又は一段加速分離ユニットにおける強磁場ユニットに合わせて形成された領域となり、飛んでいる材料が側翼機構に衝突摩擦する時、材料表面に付着した残留不純物は衝突摩擦で材料と分離し、さらに、この部分の分離した不純物は高速気流に持ち去られてガス出口に流れ、
引力除去分離ユニットは導電性で接地された側翼機構と、側翼機構に内蔵された強磁場ユニットと、を含み、内蔵強磁場ユニット及び導電性で接地された側翼機構の作用で材料における引力及び静電気が除去され、飛んでいる材料が側翼機構に衝突摩擦する時、材料表面に付着した残留不純物は衝突摩擦で材料と分離し、さらに、この部分の分離した不純物は高速気流に持ち去られてガス出口に流れる。
【0040】
引力除去分離ユニットにあるとき、材料速度が最大の時の強磁石による磁場の反発力も最大であり、粒子と不純物との間の反発電磁力では、不純物が風力で吹き飛ばされる。
【0041】
引力除去分離は装置の上下キャビティ間の翼板及びその近傍領域に位置し、不純物と材料を分離する主なステップであり、当該段階は材料とその表面に付着した不純物との間の引力を解消する主な場所であり、且つ上段階で残った分散状の不純物に対して再び強気流浄化を施し、本段階の引力を解消された不純物に対しても同期に強気流浄化を行う。
【0042】
ステップ3は、三段流動沸騰分離であって、以下のプロセスを含む。流動ユニットにより材料を流動沸騰させ、粒子材料とその表面に付着した不純物との間の引力を再び解消し、且つ純ガスで材料を十分に洗浄し、分離し、浄化し、材料と不純物の分離効果を高める。
【0043】
流動ユニット内の流動板孔のサイズを0.5mm~5mmに、風力弁開度を調整する場合は、流動沸騰分離効果を実現することができる。材料が二段引力除去分離から出た後、流動板下の排気孔から吹き出されたクリーンなガスにより吹き上げられ、「沸騰」の効果が発生し、クリーンな空気は材料に十分に接触及び作用し、材料を反転させ、衝突させ、材料に対する十分な洗浄を実現し、当該部材の上面は引力除去分離ユニットからの材料を受け、下面は清浄材料出口に接続され、当該部分の流動板の1つの役割は材料表面の残留不純物を持ち去ることであり、もう1つの役割は上部の引力除去分離ユニットにガスの供給を作り出す条件を形成することである。
【0044】
ステップ4において、三段浄化後、パラメータが最適化された清浄器で処理すると、材料の不純物含有量が15ppmに達することを可能にする。
【0045】
実施例2
実施例1に加えて、加速分離、引力除去分離、流動沸騰分離のうちの1種又は多種の組み合わせを含む分離ユニットの順序及び数量を調整し、選択して配備することができる。
【0046】
例えば、分離ユニットの順序を調整し、例えば、一段引力除去分離ユニット、二段加速分離、三段流動沸騰分離とし、また、例えば、一段流動沸騰分離、二段加速分離、一段引力除去分離ユニットとし、以下同様である。
【0047】
さらに、例えば、分離ユニットの数量を調整し、例えば、一段加速分離、二段加速分離、三段引力除去分離、四段流動沸騰分離とし、また、例えば、一段加速分離、二段引力除去分離、三段引力除去分離、四段流動沸騰分離とする。以下同様である。
【0048】
さらに、例えば、分離ユニットの順序及び数量を同時に調整し、例えば、一段加速分離、二段加速分離、三段加速分離とし、また、例えば、一段加速分離、二段引力除去分離ユニット、三段引力除去分離ユニットとし、以下同様である。
【0049】
最後に、例えば、両側仕込みアセンブリの場合に、片側仕込みの場合に適した選択可能な解決手段を重ね合わせることができる。
【0050】
実施例3
実施例1又は2に加えて、さらに1つのステップを追加することができ、材料が湿気り、又は湿気を吸着し、又は他の原因を受けると、いくつかの細菌又はカビが繁殖し、材料の変質失効を引き起こす可能性があり、スペクトル発生器を、材料、清浄器の内部部材、ガス、不純物の補助引力除去及び滅菌消毒に用いることができ、スペクトル発生器が発するスペクトルの波長は250~280nmであり、その光照射強度は18μW/cm以上に制御されるべきである。
【0051】
実施例4
材料清浄器に適用され、強磁石で粒子を加速することによる材料清浄器を取得する、強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途である。清浄器が動作する時に、材料は材料入口から入り、材料出口は、例えば、材料給袋包装機やバルクローリーなど、受入施設又は装置に直接接続することができ、ガス入口は吸気パイプラインに接続され、ガス出口はガス出口パイプラインに接続され、材料は材料入口から装置に入り、入口分布ユニット、各分離ユニット、強磁場ユニットを経た後に材料出口から排出され、そのプロセスにおいて配置された風力は各段の分離ユニットに作用し、分離した不純物がガスにより持たれてガス出口から清浄器と離脱し、付帯するガス浄化施設に入れて分離収集を行う。以上言及された分離ユニットは加速分離、引力除去分離、流動沸騰分離のうちの1種又は複数種の組み合わせを含む。
【0052】
本実施例において、基本例として、1種目の強磁石で粒子を加速することによる材料清浄器が挙げられ、図1-1から1-12に示すように、
材料入口分布ユニット、一段加速分離ユニット、二段引力除去分離ユニット、三段流動沸騰分離ユニット、強磁場ユニット、ハウジング、スペクトル発生器、材料入口、材料出口、ガス入口、ガス出口、支持脚、透明窓などの部品を含む。材料は設定された方式に従って清浄器内で複数形態の運動及び流動を行い、複数種の風力によって材料における不純物を分離させ材料から離脱させ、それにより材料を浄化する作用を達成する。処理量は100kg/h~100T/hであり、且つ分離精度は15ppmに達することができる。
【0053】
本清浄器の内部構造は、本実施例において、矩形の外形、内部両側仕込みを例とし、2組の仕込みアセンブリを含み、各組の仕込みアセンブリは材料入口分布ユニット、一段加速分離ユニット、二段引力除去分離ユニット、三段流動層沸騰分離ユニット、強磁場ユニット、スペクトル発生器などを含み、その作用は前述したとおりであり、重複する説明は省略し、その構造は簡単であり、要点について図示するように詳細に説明する。処理対象の材料の性質に応じて、異なるハウジング及び内部部材の材質を用いることができ、ステンレス鋼(304、304L、316、316L)、一般的な炭素鋼、アルミニウム材及びプラスチック樹脂とガラス繊維強化プラスチックなどを用いることができる。
【0054】
本発明は強磁場ユニットを設け、強力永久磁石(ネオジム鉄ボロン、サマリウムコバルト)が発生する強力磁場を利用することにより、加速されて移動する材料粒子と、それに粘着した不純物との間の電磁力引力を解消させ、それにより不純物と材料との間の電磁力を解消するという目的を達成する。強磁石ユニットの永久磁石は、材料が流れる速度が比較的高い領域の近傍に可能な限り分布し且つ取り付けポイントからの2mmの箇所にある磁場強度が600ガウスより高いことが適切である。
【0055】
強力永久磁石を利用するほか、本製品はさらに電磁コイルの形態を用いて強磁場を生成することにより、材料とそれに吸着した不純物との間の電磁力を解消するという目的を達成することができ、電磁コイルに直流、交流、各種の高調波電源などを入れることができる。しかしながら、非直流電源を入れると、大きな電磁放射が発生するため、放射強度を当地の関連規格内に制御しなければならない。
【0056】
また、材料とそれに付着した不純物との間の電磁力をより徹底的に解消するために、材料が流れる領域において、例えば、装置の材料入口、装置の材料出口、一段加速分離ユニット、二段引力除去分離ユニット及び三段流動沸騰分離ユニットなど、複数のポイントで強磁石を設置することができる。
【0057】
仕込みの第1の作業ステーション、材料入口分布ユニット
本発明の材料入口分布ユニットは、材料入口に突き合わせられ、調節可能な調節板が設けられ、調節板と一段加速ユニットの上面との間に、材料が均一に流れ出すように、隙間が設けられ、調節板は調節機構によって手動又は自動調整され、材料入口から入った材料を均一且つ制御可能に一段加速分離ユニットの上面に分配させることを意図している。
【0058】
本発明の材料入口分布ユニットは、装置に入った材料を一段加速分離ユニットのスライド板に均一に分布させることができ、材料が不均一であれば、分離効果の低下を引き起こす。材料により、材料の流動性に相違性が存在する可能性があり、流動性に優れた材料は、入口分布ユニットの調節板と一段加速ユニットの上面との間の隙間からよく均一に流れ出すことができるが、流動性が低い材料は、入口から装置に入った後、入口分布ユニットと次の段階の加速ユニットとの間の隙間に溜まる可能性があり、材料が上記隙間から均一に流れ出すことができなくなるため、調節板及びその機構を制御して、材料を入口分布ユニットの調節板と一段加速ユニットの上面との間の隙間から均一に流れ出させることにより、材料と不純物の効果的な分離に基礎を作る必要がある。
【0059】
仕込みの第2の作業ステーション、一段加速分離ユニット
まず、図1-1を参照して分かるように、一段加速分離ユニットが占める領域はちょうど上部空間に吸気口を提供し、この部分の空気は材料の加速運動に動力を提供するために用いられる。
【0060】
次に、図1-5を参照して分かるように、一段加速分離ユニットの上面に加速板及びスライド板が設けられる。一定の下り速度を有する材料がスライド板の表面を通過する時、衝突が発生し、当該衝突は材料表面に粘着した不純物を部分的にクリーニングすることができ、各加速板のいずれにも一定数の空隙(空隙の形状は長方形、方形、円形、楕円形、三角形、菱形、他の異形であってもよい)が開設され、これらの空隙から吹き出された気流は材料の滑り下り過程に推進力を与え、材料をより速い速度で下向きに動かせるとともに、次の衝突に十分な運動量を提供する。実験によると、大部分の材料は、その運動速度が0.2メートル/秒~50メートル/秒の範囲内にあると、比較的理想的な衝突摩擦効果を得ることができ、この速度範囲外では、低すぎると分離効果が理想的ではなく、残りの不純物が分離できないおそれがあり、高すぎると材料の破砕を引き起こすおそれがある。
【0061】
一段加速分離ユニットの下部は1枚の円弧状の底部カバーであり、円弧状の底部カバーを用いるため、底部空間の気流の上りをよりスムーズにさせるとともに、円弧状の底部カバーは装置下部の空間をより大きくさせ、引力除去分離ユニット及び三段流動沸騰分離ユニットに良好な条件を作る。
【0062】
一段加速分離ユニットの最下端の加速板の底部で、材料の移動速度が最大値になり、強磁場ユニットの一部をここに配置すると、材料と不純物との間の電磁力を最大限に解消することができる。一段加速分離ユニットの加速機能は設置された多段加速板と多段スライド板(単段でもよい)によって実現され、スライド板と垂直方向とのなす角は80度より小さく、加速板と水平方向とのなす角は10度~170度である(又は垂直方向とのなす角は-80度~80度である)。
【0063】
仕込みの第3の作業ステーション、二段引力除去分離ユニット
図1-1に示すように、二段引力除去分離ユニットは一段加速分離ユニットと側翼機構との間の三次元領域及び側翼機構であり、装置の上下キャビティ間のネックもこの段階に位置し、下部気流がこのネック部位を通過して上部空間に到達する場合、空間の急激な増加により、ネック部位を通過する気流速度が迅速に増加し(材料を持ち去るには不十分である)、下部空間のガスは強力なポンプに抽出されるように、二段引力除去ユニットに迅速に流れ、上部空間のガスは強い推進力を得て不純物を混ぜて装置のガス出口に迅速に流れる。
【0064】
二段引力除去分離ユニットは不純物と材料の分離の主な領域であり、一段加速分離ユニットからの依然として不純物が付いた材料がこの間を通過する時、この間の高速気流が不純物を持ち去り、また、一段加速分離ユニットにおける強磁場ユニットと側翼機構における強磁場ユニットがここで強力な磁場を提供するため、この間も電磁力を除去する主な場所となり、飛んでいる材料が側翼機構に衝突摩擦する時、材料表面に付着した残留不純物は衝突摩擦で材料と分離し、さらに、この部分の分離した不純物は高速気流に持ち去られてガス出口に流れる。
【0065】
仕込みの第4の作業ステーション、三段流動沸騰分離ユニット
本発明の三段流動沸騰分離ユニットは流動板及びその上部が属する三次元空間を含み、流動板の下に複数の排気孔が設けられ、表面が鏡面仕上げされるとともに、表面に複数の小孔が開設され、ガス入口から入ったガスの一部はここでの小孔から下部空間に入り、材料表面の残留不純物を持ち去る機能をし、前記流動板は導電層を有し、十分に接地して材料の静電気を再び解消する。
【0066】
三段流動沸騰分離ユニットは流動板及びその上部が属する三次元空間を指し、このユニットにおいて、材料に対して、十分な沸騰によるガス洗浄のメカニズム、摩擦衝突のメカニズム、磁場による移動材料に対する電磁力解消のメカニズムなどで3回目のガス洗浄分離を行い、粘着状の不純物に対して、電磁力、ファンデルワールス力、液架橋力などの引力をもう1回解消し、粘着状から分散状に変換された不純物及び前段ユニットで分離せず残った分散状不純物に対して分離をもう1回行う。また、流動板などの導電性及び十分な接地により、材料の静電気を再び解消する。これにより、材料の清浄度をさらに高め、パラメータが最適化された清浄器で処理すると、材料の不純物含有量が15ppmに低下することを可能にする。
【0067】
三段流動沸騰分離ユニットは、材料が二段引力除去分離ユニットから出て本ユニットに入った後、流動板下の排気孔から吹き出されたガスが材料を吹き上げ、当該部材の上面は引力除去分離ユニットからの材料を受け入れ、下面は清浄出口に接続され、材料が上面を流れる時に摩擦により微塵が発生することを回避することを目的として、当該部材の表面は鏡面仕上げされ、また、表面に複数の小孔がさらに開設され、ガス入口から入ったガスの一部はここでの小孔から下部空間に入り、材料表面の残留不純物を持ち去る機能をする一方で、上部の引力除去分離ユニットの形成に条件を作る機能をする。
【0068】
仕込みの第5の作業ステーション、スペクトル送信機
材料が湿気り、又は湿気を吸着し、又は他の原因を受けると、いくつかの細菌又はカビが繁殖する可能性があり、材料の変質失効を引き起こす。本特許は内部の1つのポイント又は複数のポイントに光照射装置を設け、当該光照射装置は波長240~280nmの光線を発射し、当該波長の光線は細菌とウイルス中のDNA(デオキシリボ核酸)又はRNA(リボ核酸)の分子構造を殺滅し、破壊することに一番優れ、殺菌消毒の効果を達成するとともに、材料とその上に粘着した不純物との間の引力の除去に補助の役割を果たす。
【0069】
清浄器の形状及びスライド板、加速板、側翼機構、流動板の形状はいずれも方形に限定されず、円形、半円形、環状、矩形、三角形、菱形、楕円形など及び他の異形であってもよい。分布ユニット、スライド板、側翼機構、流動板の重要な役割の1つに、さらに、材料及び不純物の静電気を引き出す役割があり、これらの施設と清浄器接地点との接触抵抗値を10オームより小さくすべきである。非爆発危険性の場所において、静電気除去の効果を高めるために、さらにイオン風発生装置を選択的に取り付けることができる。
【0070】
加速板及びスライド板は一体に製造しても、独立してもよい。
【0071】
清浄器の動作は開ループ動作モードであっても、閉ループ動作モードであってもよく、詳細は注釈を参照されたい。
【0072】
図1-12に示すように、実施例1に加えて、小流量(流量が20トン/時間より小さい)の清浄器について、清浄器の内部構造は片側構造を用いることもでき、すなわち、材料入口分布ユニット、一段加速分離ユニット、二段引力除去分離ユニット及び三段流動層沸騰ユニットは片側仕込みの形態を用いることもできる。空間が制限されない場合に、20トン/時間を超える流量であっても片側仕込みの形態を用いることもできる。
【0073】
清浄要求が高い動作状況に対して、一段加速分離ユニット、二段引力除去分離ユニット、三段流動沸騰分離ユニットをさらに追加することができる。すなわち、複数の一段加速分離ユニット、複数の二段引力除去分離ユニット、複数の三段流動沸騰分離ユニット、及び拡張した他のユニットを有することができる。
【0074】
内部構造において、小流量(流量が20トン/時間より小さい)清浄器に対して、片側構造を用いることもでき、すなわち、材料入口分布ユニット、一段加速分離ユニット、二段引力除去分離ユニット及び三段流動沸騰分離ユニットは片側仕込みの形態を用いることもできる。空間が制限されない場合に、20トン/時間を超える流量であっても片側仕込みの形態を用いることもできる。
【0075】
清浄要求が高い動作状況に対して、一段加速分離ユニット、二段引力除去分離ユニット、三段流動沸騰分離ユニットをさらに追加することができる。すなわち、複数の一段加速分離ユニット、複数の二段引力除去分離ユニット、複数の三段流動沸騰分離ユニット、及び拡張した他のユニットを有することができる。
【0076】
加速板及びスライド板は一体に製造しても、独立してもよい。
【0077】
実施例5
材料浄化システムに適用され、強磁石で粒子を加速することによる材料浄化システムを取得することを特徴とする強磁石で粒子を加速することによる材料清浄方法の用途である。
【0078】
強磁石で粒子を加速することによる材料浄化システムの構成は開ループ又は閉ループの2種類の構造とすることができる。開ループは、強磁石で粒子を加速することによる材料清浄器のガス出口から出た不純物付きの風を処理した後に直接排出し、繰り返し使用しないが、閉ループはそうではなく、処理後の風を強磁石で粒子を加速することによる材料清浄器のガス入口に送り、繰り返し使用する。開ループはエネルギー消費が大きく、装置が多く、危険ガスの蓄積がなく安全性が高く、閉ループはエネルギー消費が少なく、装置が少なく、爆発性ガスが蓄積するため安全性が低い。
【0079】
図2-1に示すように、開ループシステムである。実施例2の清浄器は送風機、フィルタ、サイクロン、回転弁又は滑り弁などの弁、消音器、隔離ホッパ(選択配備)などと材料浄化システムを構成することができる。当該材料浄化システムのガス入口及びガス出口はいずれも開放され、当該システムに一般的に2台の送風機が配備され、それぞれガス出口及びガス入口に位置し、出口及び入口はいずれもシステム外のガスに直接接続される。
【0080】
図2-2に示すように、閉ループシステムである。実施例2の清浄器は送風機、フィルタ、サイクロン、回転弁又は滑り弁などの弁、消音器、隔離ホッパ(選択配備)などと材料浄化システムを構成することができる。当該材料浄化システムのフローは閉鎖され、1台の送風機によってガス動力を提供し、清浄器を核心として、その両側のいずれにも、補助として、空気浄化装置があり、浄化ガスは繰り返し使用され、各サイクルは浄化施設によって浄化しなければならない。
【符号の説明】
【0081】
1…材料入口、2…材料入口分布ユニット、3…側翼機構、4…流動沸騰分離ユニット、5…支持脚、6…ハウジング、7…加速分離ユニット、8…内部強磁場ユニット、9…スペクトル発生器、10…材料出口、11…ガス出口、12…ガス入口、13…透明窓、14…サイロ、15…バルブ、16…清浄器、17…受入装置、18…消音器、19…フィルタ、20…送風機、21…分離器(風中の不純物を除去分離する)、22…精密フィルタ、23…レベルコントローラ。
注1材料:本特許に係る材料は一定の粒径を有する非金属固体材料を指し、その外形は球形、長円形、方形、円柱形、水滴形、及び他の不規則形状であってもよく、サイズは0.5~20mmである。以下、ペレット又は粒子材料と呼んでもよい。
注2不純物:本特許に言及される不純物は材料に入り混じる粉塵、毛羽、ひも、屑、水滴、フレーク、破片、埃、液滴などを指す。
不純物のうち、粉塵、埃、屑は、一般的に、粒径が500μm未満の粒子を指す。不純物は材料の材質と同じであってもよく、材料の材質と異なってもよく、不純物は粒子、細塵、ひも又は毛羽などであってもよい。不純物は固体であってもよく、液体、液滴であってもよい。
注3開ループシステム:当該材料浄化システムのガス入口及びガス出口がいずれも開放されるものであり、当該システムに一般的に2台の送風機が配備され、それぞれガス出口及びガス入口に位置し、出口及び入口はいずれもシステム外のガスに直接接続される。
注4閉ループシステム:当該材料浄化システムのフローが閉鎖されるものであり、1台の送風機によってガス動力を提供し、清浄器を核心として、その両側のいずれにも、補助として、空気浄化装置があり、浄化ガスは繰り返し使用され、各サイクルは浄化施設によって浄化しなければならない。
注5電磁力:材料と不純物との間の静電気引力及び磁場引力であって、電磁力と総称される。
注6片側仕込み:片側仕込みは両側仕込みに対して言われるものであり、図14の片側仕込みの概略図を参照されたい。
図1
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図1-5】
図1-6】
図1-7】
図1-8】
図1-9】
図1-10】
図1-11】
図1-12】
図2
図2-1】
図2-2】
【国際調査報告】