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特表2023-550299幾何学的な形状を測定するセンサストリップおよび装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】幾何学的な形状を測定するセンサストリップおよび装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/16 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
G01B7/16 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527306
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2021000137
(87)【国際公開番号】W WO2022089775
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】102020006662.3
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523162052
【氏名又は名称】ミンクテック ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】MinkTec GmbH
【住所又は居所原語表記】Salzdahlumer Str. 196, 38126 Braunschweig, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン ホルマー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン シュヴェアター
(72)【発明者】
【氏名】オイゲン コッホ
(72)【発明者】
【氏名】トム シュレーダー
【テーマコード(参考)】
2F063
【Fターム(参考)】
2F063AA25
2F063BA29
2F063BB01
2F063BB08
2F063DA02
2F063DA05
2F063EC03
2F063EC05
2F063EC13
2F063EC14
2F063EC22
(57)【要約】
本発明は、幾何学的な形状、特に曲げ半径またはこれに類するものを測定するフレキシブルなセンサストリップと、センサストリップのセンサ信号を処理し、かつ評価することが可能な対応する装置と、に関する。その際、センサストリップは基板を備えており、基板上には多数の抵抗ペアが配置されている。これらの抵抗ペアの各々は、抵抗を基板前面上に有し、かつ別の抵抗を基板背面上に有している。これらの抵抗の両方は、直列にかつ供給電圧の極間に接続されており、分圧器を形成する。本発明の特別な点は、直列回路のために、つまり両抵抗間の接続のために、貫通接続部および/または1ペアの互いに電気的に接続されるコンタクト要素が設けられていることである。基板あるいはセンサストリップの敏感な領域自体が、特に曲げおよび/またはねじり(トーション)時に動かされると、該当する分圧器において、中間電圧が変化する。この変化は、本発明に係る測定装置により検出され、かつ評価される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幾何学的な形状を測定するセンサストリップ(9;900)であって、
基板(10)を備え、
2つの電気的な抵抗(28l,128l)の少なくとも1つの第1のペアを備え、前記電気的な抵抗(28l,128l)のうちの第1の抵抗(28l)は、前記基板(10)の前面(12)上に、かつ他方の抵抗(128l)は、前記第1の抵抗(28l)に実質的に対峙するように前記基板(10)の背面(14)上に配置されており、
前記第1の抵抗(28l)の第1の接続部は、第1の供給ライン(20)を介して供給電圧の第1の極(+u)に電気的に接続されており、第2の抵抗(128l)の第1の接続部は、第2の供給ライン(120)を介して前記供給電圧の第2の極(アース)に電気的に接続されており、
両前記抵抗(28l,128l)の第2の接続部は、互いに電気的に接続されており、分圧器を形成する、
センサストリップ(9;900)において、
両前記抵抗(28l,128l)の前記第2の接続部間の前記電気的な接続のために、少なくとも1つの貫通接続部(200)が設けられており、該貫通接続部(200)は、前記前面(12)上の前記第1の抵抗(28l)の前記第2の接続部に通じる導体路(25l)を、前記背面(14)上の前記第2の抵抗(128l)の前記第2の接続部に通じる導体路(126l)に電気的に接続し、かつ/または両導体路(25l,126l)は、それぞれ、1つのコンタクト箇所(251,253)に通じ、前記コンタクト箇所(251,253)は、コンタクト要素(252,254)を介して互いに電気的に接続され得るように構成されかつ配置されていることを特徴とする、センサストリップ。
【請求項2】
2つの電気的な抵抗(28r,128r)の少なくとも1つの第2のペアを備え、前記電気的な抵抗(28r,128r)のうちの第1の抵抗(28r)は、前記基板(10)の前記前面(12)上に、かつ他方の抵抗(128r)は、前記第1の抵抗(28r)に実質的に対峙するように前記基板(10)の前記背面(14)上に配置されており、
前記第1の抵抗(28r)の第1の接続部は、前記第1の供給ライン(20)を介して前記供給電圧の前記第1の極(+u)に電気的に接続されており、前記第2の抵抗(128r)の第1の接続部は、前記第2の供給ライン(120)を介して前記供給電圧の前記第2の極(アース)に電気的に接続されており、
両前記抵抗(28r,128r)の第2の接続部は、互いに電気的に接続されており、分圧器を形成し、
第1の抵抗ペア(28l,128l)の少なくとも1つと、第2の抵抗ペア(28r,128r)の少なくとも1つとは、相並んで配置されている
ことを特徴とする、請求項1記載のセンサストリップ。
【請求項3】
前記第1の抵抗ペア(28l,128l)および/または前記第2の抵抗ペア(28r,128r)は、垂線(LA)に対して傾き角(α)を有しており、該傾き角(α)の値は0~90度にあることを特徴とする、請求項1または2記載のセンサストリップ。
【請求項4】
前記第1の抵抗ペア(28l,128l)の数は、前記第2の抵抗ペア(28r,128r)の数と同じ大きさであり、前記第1の抵抗ペア(28l,128l)と前記第2の抵抗ペア(28r,128r)とは、前記垂線(LA)に関して互いに鏡面対称に配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のセンサストリップ。
【請求項5】
前記第1の供給ライン(20)は、前記基板(10)の前記前面(12)上に配置されており、前記第1の抵抗ペア(28l,128l)と前記第2の抵抗ペア(28r,128r)との間を、好ましくは前記垂線(LA)に沿って延びることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のセンサストリップ。
【請求項6】
前記第2の供給ライン(120)は、前記基板(10)の前記背面(14)上に配置されており、前記第1の抵抗ペア(28l,128l)と前記第2の抵抗ペア(28r,128r)との間を、好ましくは前記垂線(LA)に沿って延びることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のセンサストリップ。
【請求項7】
前記抵抗(28,128)の少なくとも幾つかは、印刷法、例えばスクリーン印刷により前記基板(10)上に被着され、このために、好ましくは高抵抗のペーストが使用されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のセンサストリップ。
【請求項8】
前記抵抗(28,128)の前記接続部のために必要な接続部ラインの少なくとも幾つかおよび/または前記貫通接続部(200)の少なくとも1つは、印刷法、例えばスクリーン印刷により前記基板(10)上に被着され、このために、好ましくは低抵抗のペーストが使用されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のセンサストリップ。
【請求項9】
前記センサストリップは、第1の領域(S)と第2の領域(K)とを備えており、前記第1の領域(S)は、通常運転中、変形可能であり、前記第1の領域(S)内には、上記の前記抵抗(28,128)が配置されており、前記第2の領域(K)は、通常運転中、前記第1の領域(S)と比較して変形しにくく、前記第2の領域(K)内には、前記貫通接続部(200)の少なくとも幾つかが配置されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のセンサストリップ。
【請求項10】
幾何学的な形状を測定する装置であって、
請求項1から9までのいずれか1項記載のセンサストリップ(9;900)が使用され、
前記抵抗(28,128)は、好適な電気的な接続を介して評価ユニット(A)に接続されており、前記評価ユニット(A)は、前記供給電圧(+u,アース)を放出し、前記分圧器(28l,128l;28r,128r)により生成される電圧をセンサ信号(sl,sr)として受け取り、個々の前記抵抗ペア内の抵抗変化に関する尺度である出力信号(sa)を生成する
ことを特徴とする、幾何学的な形状を測定する装置。
【請求項11】
前記評価ユニット(A)は、前記センサ信号(sl,sr)が前記センサストリップ(9,900)の静止状態で有する値に実質的に相当する値を有する参照電圧を生成し、かつ前記参照電圧の前記値と、測定された前記センサ信号(sl,sr)の前記値とから差を形成することを特徴とする、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記センサ信号(sl,sr)は、少なくとも前記抵抗ペア(28l,128l;28r;128r)の幾つかによって相前後して評価され、前記センサストリップ(9;900)内における前記抵抗ペア(28l,128l;28r;128r)の位置を考慮しつつ、前記センサストリップ(9;900)の前記幾何学的な形状に関する尺度である値を有する出力信号(sa)が生成されることを特徴とする、請求項10または11記載の装置。
【請求項13】
時間的に相前後して、前記抵抗ペア(28,128)の少なくとも幾つかの抵抗ペアのセンサ信号(sl,sr)が評価され、前記センサストリップ(9;900)内における前記抵抗ペアの位置を考慮しつつ、該当する前記抵抗ペア(28,128)の運動経過に関する尺度である値を有する出力信号(sa)が生成されることを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記装置は送信ユニットを備えており、該送信ユニットは、前記出力信号(sa)に応じて送信信号を送信することを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、コンタクト要素(252,254)の少なくとも1つのペアを備えており、前記コンタクト要素の一方(252)は、通常運転中、前面の導体路(25l)の1つに電気的にコンタクトしているように構成されかつ配置されており、前記コンタクト要素の他方(254)は、通常運転中、背面の導体路(126l)の1つに電気的にコンタクトしているように構成されかつ配置されており、両コンタクト要素(252,254)は互いに電気的に接続されていることを特徴とする、請求項10から14までのいずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幾何学的な形状、特に曲げ半径またはこれに類するものを測定するフレキシブルなセンサストリップに関する。その際、好適な評価装置により、これらの幾何学的な形状の、対応する時間的な推移を測定し、評価し、そして相応の運動、特に曲げ、ねじり(トーション)および/または伸びを特定することも可能である。
【背景技術】
【0002】
上記したような種類のセンサストリップは、基本的には公知であり、多くの場合、多数の電気的な要素を備えており、これらの電気的な要素は、抵抗および/またはコンデンサとして機能することができ、かつフレキシブルな基板上に被着されている。このようなセンサストリップが、好適な機械的な変形、例えば曲げ、ねじり(トーション)、伸び、縮みまたはこれに類するものを受けると、これらの電気的な要素の幾つかは伸長され、その他は縮められる場合がある。このことから、抵抗値あるいは容量値の変化が導かれ、これらの変化を評価ユニットによって検出することができる。好適なアルゴリズムにより、上記の機械的な負荷の1つが、どこでかつどのように生じたかが特定される。
【0003】
さらに、この種のセンサストリップを人間または動物の体に使用することが公知である。例えば独国特許出願公開第102008052406号明細書は、人間または動物の体における運動経過を特性付ける機能パラメータを検出する方法と、この方法を実施する曲げセンサとに関する。独国特許出願公開第102008052406号明細書の一実施形態では、ひずみゲージが設けられており、ひずみゲージは、僅かに変形したときに既にそのインピーダンス、特にその電気的な抵抗を変化させることで、伸び変形を検出するために用いられる。この場合、しかし、場合によっては生じる引っ張り応力または圧縮応力が長さ変化を引き起こし、この長さ変化が、誤って検査対象の曲げに関する尺度として解釈されてしまうという問題が生じる。このことを防止するために、独国特許出願公開第102008052406号明細書では、好ましくは、引っ張り強さはあるが、弾性的に曲げが可能な基板、例えばばね鋼が設けられている。このような基板を、基板の上に取着されたひずみゲージから電気的に絶縁するために、接着剤層、例えばエポキシ樹脂が使用される。
【0004】
国際公開第2011/032575号は、人間の体、特に腰部脊柱の領域における運動経過を特性付ける機能パラメータを検出する方法およびシステム、ならびにこのような機能パラメータを分析する方法に関する。このために曲げセンサが使用され、この曲げセンサでは、ひずみゲージが基板上に取り付けられ、例えば接着されている。基板材料として、国際公開第2011/032575号では、特に電子回路基板またはばね帯鋼が提案されている。国際公開第2011/032575号における、ひずみゲージと、回路基板上の導体路との間の電気的なコンタクトの実現は、例えば銅箔ストリップのろう接によって実施される。
【0005】
国際公開第2011/032575号における一実施例では、曲げセンサは複数のひずみゲージを有しており、ひずみゲージのそれぞれ2つが、基板の互いに反対側の面上に取り付けられており、両ひずみゲージが、検査対象、例えば人間の背中の曲げあるいは屈曲に追従する基板の同じ曲げを検出するようになっている。
【0006】
国際公開第2011/032575号には、同じく、これにより外乱が、ブリッジ回路、例えば2つのひずみゲージの信号から差信号を形成するホイートストン測定ブリッジにより補償され、本来の測定信号を増幅できることが記載されている。これにより、エラー影響、例えば引っ張り応力または圧縮応力、および場合によっては基板の付加的な長さ変化を引き起こしかねない温度変動を補償することができる。
【0007】
国際公開第2016/030752号は、伸ばすことが可能な、かつフレキシブルなセンサと、運動、例えば人または動物の背中または肢体の運動に関するデータを測定しかつ処理する、対応するシステムと、に関する。この場合、弾性的なフィルムストリップ(2)に、多数のストリップ(3)が、例えば縫ったり(ステッチングしたり)、接着したり、クランプしたりすることで取り付けられる。国際公開第2016/030752号には、平行なストリップの2つの群がヘリンボーンパターンを形成する特別な構成も提案される(図4)。これらのストリップは、コンデンサとして、または長さに依存した抵抗を有する弾性的なシングルワイヤとして構成されていてもよい。
【0008】
上掲のこれらの文献から、これまで公知の、上記したような種類のセンサストリップを、手間あるいはコストを要して実現しなければならず、エラーも生じやすいことがわかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それゆえ、本発明の課題は、簡単かつ低廉に製造されることができ、かつ長い寿命を有するセンサストリップを紹介することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るセンサストリップは、主請求項によって特定される。従属請求項により、有利な発展形が規定される。続く装置発明の請求項は、対応する測定兼評価装置に関する。
【0011】
本発明に係るセンサストリップは、フレキシブルな基板を備えており、基板は、特に曲げられ、かつ/またはねじられ(トーションがかけられ)得る。特に、このために、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルムであって、その厚さが、10~1000μmの範囲内、好ましくは100~400μmの範囲内にあり、特に好ましくは約300μmであってよいフィルムが実証されている。当然、その他のフレキシブルな材料、例えばポリウレタン(PU)、熱可塑性のポリウレタン(TPU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、その他のプラスチックおよび/またはその他の好適な材料も可能である。
【0012】
基板上には、少なくとも1つの第1の抵抗ペアが存在している。この場合、基板面の一方の面(以下、前面という)上に、第1の電気的な抵抗が設けられている。他方の基板面(以下、背面という)上に、第2の抵抗が設けられている。その際、これらの両抵抗は、実質的に対峙するように構成されかつ配置されている。しかし、その際、幾何学形状および/または位置に関する僅かな偏差が可能である。これらの偏差は、特に製造公差に基づいて予想され得ることでもある。特定の値までの位置偏差は、完全に可能であり、また極めて良好な結果をもたらすことがわかっている。相応の公差値は、特に基板の厚さおよび/または抵抗の大きさに依存している。約1~2mmまでの位置偏差および/または抵抗の大きさの約10%までが許容可能であることがわかっている。この場合、続く信号評価の範囲内で相応の電子式の修正を行うことも可能である。
【0013】
第1の抵抗の第1の接続部は、第1の供給ラインに電気的に接続されており、第1の供給ラインを介して供給電圧の第1の極に接続されている。第2の抵抗の第1の接続部は、第2の供給ラインに電気的に接続されており、第2の供給ラインを介して供給電圧の第2の極に接続されている。この第2の極は、センサストリップが接続されている電気的なユニットのアース接続部に電気的に接続されていることができる。
【0014】
本発明に係るセンサストリップにおける特別な点は、抵抗の第2の接続部が互いに電気的に接続されており、抵抗が分圧器を形成することである。このことは、例えば、両抵抗の第2の接続部間の電気的な接続のために、少なくとも1つの貫通接続部が設けられていることによって実現することができる。本発明の意味で、このような貫通接続部は、電気的な接続であって、基板内に設けられた開口を通して前面と背面との間を延び、さらに基板前面上の第1の導体路を基板背面上の第2の導体路に電気的に接続するあらゆる種類の電気的な接続である。その際、さらに、第1の導体路は、第1の抵抗の第2の接続部に電気的にコンタクトしており、第2の導体路は、第2の抵抗の第2の接続部に電気的にコンタクトしている。これらの電気的な導体路は、同じであっても異なっていてもよく、かつ任意に構成されていてもよい。
【0015】
抵抗の第2の接続部間の電気的な接続は、本発明により、基板前面上の第1の導体路および/または基板背面上の第2の導体路が基板の縁部領域内まで延び、この縁部領域内でそれぞれ1つのコンタクト箇所を有し、コンタクト箇所を介して電気的に接続され得るように構成されかつ配置されていることにより、実施されてもよい。このような電気的な接続部は、好ましくは、第1のコンタクト要素が、通常運転中、つまりセンサストリップが測定を実施する準備が整っているとき、第1の導体路に電気的にコンタクトしており、第2のコンタクト要素が、通常運転中、第2の導体路に電気的にコンタクトしていることにより実現される。両コンタクト要素は、差し込み接続、クランプ接続、デュアル・コンタクト・ZIF・コネクタ(ZIF=Zero Insertion Force:ゼロ挿入力)、ろう接接続またはこれに類するものの一部であってもよい。上記のコンタクト要素は、電気的に互いに接続され、このことは、対応するコネクタ内で実施することができ、またはコネクタ外、例えば接続されるライン内または下流に接続される制御装置内でも実施することができる。
【0016】
このような本発明に係るセンサストリップは、極めてコンパクトであり、かつ製造も容易に行うことができる。運転準備の整った通常運転中、上記の供給電圧がかかる。その結果、分圧器が実現される。このとき、中間電圧が抵抗の第2の接続部にかかっている。中間電圧の値は、一方では供給電圧に依存し、他方では(第1の抵抗、第2の抵抗の)抵抗値同士の比に依存している。好ましくは、両抵抗値は、基板が機械的な荷重なしに一平面内、例えば図平面内に存在しているとき、同じ大きさである。そこで、基板自体が、例えば曲げおよび/またはねじり(トーション)により動かされると、抵抗値は変化する。この変化は、様々な要因、例えば抵抗の幾何学的な形態、運動の種類、および運動の場所に関する抵抗の位置に依存している。
【0017】
本発明の以下の説明では、抵抗のベース面、すなわち、基板に対するそれぞれの面が、その幅よりも大幅に大きな長さを有することを前提としているが、本発明は、この種の抵抗に限定されるものでは決してない。そこで、このような縦長の抵抗が、その長さが拡大されるように伸ばされると、その抵抗値は大きくなる。縮められ、これに対応して長さが縮小されると、その抵抗値は小さくなる。この効果を、説明する本発明に係るセンサストリップが1つしか抵抗ペアを備えていない場合、例えば、ある物体における反り、直径またはこれに類するものを測定するために、使用することができる。このような物体は、物、例えば棒、球またはこれに類するものであってもよい。しかし、人間または動物の体の部分を計測することも可能である。これには、体の部分、例えば背中、膝またはこれに類するものの屈曲が含まれていてもよい。このような測定は、1回だけ実施されてもよい。しかし、このような測定を相前後して複数回実施することも可能であり、これにより、ダイナミックな推移を求めることが可能である。このダイナミックな推移は、特に幾何学的な変化の速度推移および/または加速度推移も包含し得る。このために、好適な評価ユニットにより、所与の時間的な間隔で、かつ/または所与の時間に、中間電圧が検出され、対応する測定値が形成され、かつ評価される。
【0018】
本発明に係るセンサストリップの一発展形では、少なくとも1つの第2の抵抗ペアが設けられている。第2の抵抗ペアにおいても、第1の抵抗が基板前面上に配置され、第2の抵抗が基板背面上に配置されている。第1の抵抗の第1の接続部は、供給電圧の第1の極に電気的に接続されており、第2の抵抗の第1の接続部は、供給電圧の第2の極に電気的に接続されている。両抵抗の第2の接続部は、互いに電気的に接続されており、分圧器が形成される。その際、第2の抵抗接続部間の電気的な接続のために、少なくとも1つの貫通接続部または上述のような種類の電気的なコンタクトが存在していることが可能であるが、必須というわけではない。この第2の抵抗ペアは、第1の抵抗ペアに極めて類似しているので、補足的に上述の説明も参照されたい。
【0019】
上記の構成から、様々な抵抗ペアが可能であること、すなわち、1つまたは複数の第1の抵抗ペアおよび1つまたは複数の第2の抵抗ペアが可能であることがわかる。これらの抵抗ペアは、互いに対して特別に配置されている。このことについて以下に詳しく説明する。説明のために、場所および方向の表示に関して、例えば図1に示すような、かつ、
-xy平面が図平面に相当し、
-x軸が左から右に向き、
-y軸が下から上に向き、
-z軸が図平面から手前を向く、
デカルト座標系を使用する。
【0020】
以下では、基板がxy平面に沿って延在する、つまり、いわば図平面内に位置するように配置されていることを前提とする。このような状態を以下では静止状態ともいう。そして、本発明に関して以下のケースが区別される。
【0021】
a)1つの第1の抵抗ペアおよび1つの第2の抵抗ペア
第1の抵抗ペアが1つだけ、そして第2の抵抗ペアが1つだけ存在しているとき、これらの抵抗ペアは、相並んで配置されている。すなわち、第1の抵抗ペアは、例えば第2の抵抗ペアの左(x方向)に位置している。この場合、両抵抗ペアは、同じまたは異なる高さ(y方向)に位置していてもよい。
【0022】
b)複数の第1の抵抗ペアおよび/または複数の第2の抵抗ペア
第1の抵抗ペアが2つ以上存在しているとき、これらの第1の抵抗ペアは、上下(y方向)に配置されている。その際、これらの第1の抵抗ペアは、側方(x方向)に互いにずらされていることが可能である。第1の抵抗ペアが2つ以上存在しているとき、これらの第1の抵抗ペアは、同じく上下(y方向)に配置されており、かつ側方(x方向)にもずらされていることが可能である。第1の抵抗ペアも第2の抵抗ペアもそれぞれ2つ以上存在しているとき、第1の抵抗ペアは、第2の抵抗ペアの横に並んで(例えば左)に存在し、このとき、相並んで位置する抵抗ペアの、y方向でのずれが可能である。
【0023】
c)異なる数の抵抗ペア
念のため言及すると、第1の抵抗ペアの数は、第2の抵抗ペアの数とは異なっていてもよい。
【0024】
さらなる幾何学的な説明のために、相並んで位置する抵抗ペア間に、y軸に沿って延びる垂線を規定できることを前提とする。この垂線は、例えば、さらに下で好ましい実施例の説明との関連で与えられているようなセンサストリップの長手方向軸線に相当し得る。
【0025】
好ましくは、上記の抵抗の少なくとも幾つかは、縦長のベース面を有している。すなわち、抵抗は、抵抗の幅よりも明らかに大きな長さを有している。このことから、対応する抵抗長手方向軸線が決定される。抵抗長手方向軸線は、以下では、抵抗ペアと、上記の垂線との間の傾き角を規定するために使用される。この角度は、0度~90度(それぞれの値を含む)の値をとることができ、20~40度の値、特に約30度の値が特に実証されている。その際、この傾き角の値は、すべての抵抗ペアに関して同じ大きさであることが可能である。しかし、値は異なっていることも可能である。
【0026】
上記の傾き角の値は、特に、対応する抵抗ペアによって可能な測定の種類を決定する。このことについては、さらに以下で実施例の説明の中で詳しく立ち入る。
【0027】
ある特定の数の第1の抵抗ペアのために、同じ数の第2の抵抗ペアが、垂線に関して鏡面対称に配置されているとき、センサストリップは、トーションを測定するのに、特に良好に好適である。
【0028】
本発明に係るセンサストリップを低コストに、そしてそれにもかかわらず高信頼性に製造することができるように実証されているのは、抵抗を、または抵抗の少なくとも幾つかをスクリーン印刷法により製作することである。このために、高抵抗のペースト、例えば、カーボンをベースとするペースト、CNTを含むペースト、導電性のポリマー(例えばPEDOT)またはこれに類するものが基板上に被着される。カーボンスクリーン印刷の場合、好ましくは、約5~20μmの範囲内の厚さが使用される。別の材料の場合、別の厚さが使用されてもよい。
【0029】
さらに、導体路または導体路の少なくとも幾つかは、かつ/または上記の貫通接続部の少なくとも幾つかは、スクリーン印刷法によって低抵抗のペースト、例えば銀ペースト、銅ペーストまたはこれに類するものによって製作することが可能である。
【0030】
本発明に係るセンサストリップをできる限り効率的かつ低コストに製造することができるようにするには、単一の抵抗層(カーボン層)および/または単一のライン層(銀層)を使用することも実証されている。これらの層は、上記のy軸(長手方向軸線)を中心に略対称であり、基板前面上の印刷のためにも、基板背面上の印刷のためにも使用することができる。
【0031】
本発明に係るセンサストリップは、センサ領域とコンタクト領域とに区分され、センサ領域内には上記の抵抗が配置されており、コンタクト領域内には、評価ユニットのための、かつ/または基板前面上の第1の導体路と基板背面上の第2の導体路との間の上述の電気的なコンタクト接続のための電気的な接続部を、例えば差し込み接続、クランプ接続、ろう接接続を用いてかつ/または電気接着剤によって形成することができる。通常、コンタクト領域は、通常運転中、つまり対象(あるいは体)が計測されるべきとき、センサ領域と比較して変形しにくい。このことは、様々な方法で、例えば、基板の構成により、評価ユニットへの(特にコネクタによる)存在する電気的な接続により、かつ/またはセンサストリップの、検査すべき対象への相応の取り付けにより、実現することができる。これにより、コンタクト領域にかかる機械的な負荷も、センサ領域にかかる機械的な負荷より少ない。それゆえ、信頼性を高めるために、貫通接続部の少なくとも幾つかをこのコンタクト領域内に配置することが特に有利である。
【0032】
既に言及したように、本発明に係るセンサストリップは、物、人間の体、動物の体等の幾何学的な形状および/またはダイナミックな運動を測定しかつ評価することが可能な測定装置の一部をなすために設けられている。このために、センサストリップは、好適な電気的な接続を介して評価ユニットに接続されている。評価ユニットは、供給電圧を放出し、分圧器として機能する抵抗ペアにより生成される中間電圧をセンサ信号として受け取り、このセンサ信号を評価し、かつセンサ信号の評価に基づいて個々の抵抗ペア内の抵抗変化に関する、ひいてはセンサストリップが受ける変形および/または運動にも関する尺度である出力信号を生成する。
【0033】
このような抵抗変化は、ひいては対応する測定される電圧変化も極めて小さいので、評価ユニットは、分圧器が静止状態でそれぞれ放出する電圧に実質的に相当する値を有する参照電圧も生成することができる。参照電圧と、その都度測定される電圧とから、差電圧が形成され、差電圧は増幅され評価される。
【0034】
別の好ましい一構成では、評価ユニットは、時間的に制御されるスイッチ(マルチプレクサ)を有しており、このスイッチは、個々の分圧器により放出される中間電圧を相前後してさらに先の段、例えば増幅器段、アナログ/デジタルコンバータ等にフィードする。評価ユニットは、同じくメモリを有しており、メモリ内には、センサストリップ内の個々の抵抗ペアのポジションあるいはポジション変化に関する尺度である値がファイルされている。個々の中間電圧と、対応するポジションデータとから、センサストリップの幾何学的な形状およびグラフィックな描写に関する尺度である出力信号が生成される。
【0035】
別の好ましい一構成では、評価ユニットは、1つまたは複数の時間段も有しており、時間段は、マルチプレックススイッチおよび/またはさらに先の段を、所与の時間にかつ/または所与の時間インターバルにしたがって、個々の分圧器により放出される中間電圧が処理されるように動作制御する。これにより、検査すべき対象(体)のダイナミックな運動あるいは運動経過、特に、運動の推移、速度および/または加速度を作成することができる。評価ユニットにより生成される出力信号は、これによりこれらの情報も包含し得る。別の好ましい一構成では、評価ユニットは送信段も有している。送信段には、生成される出力信号に関する尺度である信号がフィードされる。この信号から、好ましくは、高周波信号、例えばBluetooth信号またはWLAN信号が生成され、これらの高周波信号は、好適なデバイス、例えばタブレットコンピュータ、スマートフォン、PCまたはこれに類するものにより受信され、さらに処理されることができる。その際、このようなデバイス上では、好適なアルゴリズム(例えばアプリケーションまたはこれに類するもの)を介して、出力信号の評価、記憶および/または表示が実施されることが可能である。
【0036】
本発明のさらなる詳細および利点について、以下に実施例を基に、対応する図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1のセンサストリップを示す図である。
図2】第1のセンサストリップの前面の導体路を示す図である。
図3】第1のセンサストリップの前面のセンサ抵抗を示す図である。
図4】第1のセンサストリップの背面の導体路を示す図である。
図5】第1のセンサストリップの背面のセンサ抵抗を示す図である。
図6】前面の導体路と背面の導体路との間の貫通接続部のシンボリックな平面図である。
図7】前面の導体路と背面の導体路との間の貫通接続部のシンボリックな横断面図である。
図8】回路図である。
図9】第2のセンサストリップを示す図である。
図10】第2のセンサストリップの上側の部分Bを示す図である。
図11】第2のセンサストリップの下側の部分Cを示す図である。
図12】互いに接続されるコンタクト要素による前面の導体路と背面の導体路との間の接続のシンボリックな横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、デカルト座標系(左上)と、第1のセンサストリップ9の平面図と、右側の、センサストリップ9のセンサ領域Sとコンタクト領域Kとを区別するための、シンボリックなマーキングと、を示している。センサストリップ9は、ここではxy平面内、ひいては図平面内に存在している。センサストリップ9は基板10を備えており、基板10は、曲げ、ねじりかつ/または伸びが可能であり、かつここに示す実施例では透明な材料からなっている。特にPETフィルム(PET=ポリエチレンテレフタレート)が実証されており、PETフィルムの厚さは、好ましい一実施の形態では、100~180μmの範囲内にある。基板10は、前面12(図1および7参照)と、背面14(図7参照)とを有している。前面12は、上面と称呼されることもある。しかし、本明細書では、「上」、「下」、「右」および「左」(等)の場所の表示を、図平面内におけるポジションを説明するために用いるので、この概念は回避する。前面12上にも背面14上にも、多数のセンサ抵抗が配置され、かつ多数の電気的な導体路も配置されている。センサ抵抗および導体路については、以下で図1ないし5を基に詳しく説明する。
【0039】
図2は、基板10の前面12上に配置されている導体路を示しており、図3は、前面12のセンサ抵抗を示している。下側の領域内には、多数の電気的なコンタクト箇所16が存在しており、コンタクト箇所16はコネクタバーを形成し、かつ好適なフィルムコネクタ(ここでは図示せず)とコンタクトできるように構成され、配置されている。これらのコンタクト箇所16のうちの2つは、1つの導体路18を介して前面の供給導体路20に接続されている。供給導体路20は、ここでは実質的に長手方向軸線LAに沿って延びている。対応する接続を介して、供給導体路20の右ではコンタクトポイント22rが、供給導体路20の左ではコンタクトポイント22lが、供給導体路20に電気的に接続されている。
【0040】
コンタクトポイント22rの各々には、対応するコンタクトポイント24rが属しており、コンタクトポイント24rは、対応する導体路26rを介してコンタクト箇所16のそれぞれ1つに電気的に接続されている。図1および2には、コンタクトポイントペア22r,24rのうちの5つを示してあり、これらのコンタクトポイントペア22r,24rのうちの2つのみに、符号を付してある(図2参照)。これらのコンタクトポイントペア22r,24rの各々の間には、5つのセンサ抵抗28rのうちの1つが延びており、センサ抵抗28rは、ここでは、縦長の長方形の形状を呈している。
【0041】
この場合、図示の実施例では、これらのセンサ抵抗28rのうちの最も上側のセンサ抵抗は、このセンサ抵抗28rが、ひいてはこのセンサ抵抗28rの長手方向軸線も、供給導体路20と、そしてそれゆえに長手方向軸線LAとも、直角をなすように延びている。これらのセンサ抵抗28rのうちの最も下側のセンサ抵抗は、供給導体路20に対して、ひいては長手方向軸線LAに対しても、略平行に延びている。センサ抵抗28rのうちの真ん中のセンサ抵抗には、図1中に、このセンサ抵抗28rの長手方向軸線larと傾き角αも記入してあり、傾き角αは、両長手方向軸線LAおよびlarにより規定され、約45度である。
【0042】
上側の供給導体路20の左、ひいては長手方向軸線LAの左には、既述のコンタクトポイント22lの他に、対応するコンタクトポイント24lも存在しており、コンタクトポイント24lは、それぞれ1つの導体路片25lに接続されている。これらの導体路片25lの各々は、特殊な貫通接続部を介して、基板背面14上にかつ長手方向軸線LAの左に存在する導体路126lに接続されている。これについての詳細は、さらに下で説明する。
【0043】
右側と同様に、ここでも5つのコンタクトポイントペア22l,24lが存在しており、コンタクトポイントペア22l,24l間には、対応するセンサ抵抗28lが配置されている。本実施例では、左のセンサ抵抗28lは、右のセンサ抵抗に対して鏡面対称に配置されているので、上述の説明は同様に左側にも当てはまる。
【0044】
図4は、基板10の背面上に配置されている導体路を示しており、図5は、対応するセンサ抵抗を示している。図4および5に示す要素に対する視線方向は、上から、つまり前面12から基板10を透過して見たものであり、このとき、基板前面12上に存在する要素は存在していない。それゆえ、ここでは、基板背面14上に被着されている要素の背面を見ているとも言えるであろう。これらの背面の要素の大半は、図1では看取不能である。なぜなら、これらの要素は、前面の要素によって隠れていて見えないからである。その例外は、既に言及した導体路126lである。
【0045】
図4に看取可能であるように、基板背面14は、下側の供給導体路120を有している。供給導体路120は、基板前面12上を延びる導体路50(図1および2参照)を介して、かつ領域52内に設けられた、ここでは図示しない貫通接続部を介して、本実施例ではすべて前面12上に存在しているコンタクト箇所16の2つに接続されている。背面の供給導体路120の構成および配置は、領域52より上では、前面の供給導体路20の構成および配置と略同一である。略同一とは、特に、背面14上に多数のコンタクトポイント122r,122lが存在しており、コンタクトポイント122r,122lとコンタクトポイント22r,22lとがそれぞれ異なる供給導体路に接続されているという事実を除き、コンタクトポイント122r,122lがコンタクトポイント22r,22lに相当するということでもある。さらに、背面の供給導体路120の左には、5つのコンタクトポイント124lが存在しており、コンタクトポイント124lは、左の導体路126lのそれぞれ1つを介して、さらに、前面12と背面14との間の、ここでは図示しない貫通接続部を介して、前面のコンタクト箇所16の1つに接続されている(図1参照)。供給導体路120の右には、別の5つのコンタクトポイント124rが存在しており、コンタクトポイント124rは、それぞれ1つの導体路片125rに接続されている。これらの導体路片125rの各々は、特殊な貫通接続部を介して、基板前面12上にかつ長手方向軸線LAの右に存在する導体路26rの1つに接続されている。これについての詳細は、さらに下で説明する。
【0046】
別の実施例では、背面14上にもコンタクト箇所が設けられているようになっている。これらの背面のコンタクト箇所は、前面のコンタクト箇所16と同じ大きさであり、かつ前面のコンタクト箇所16に対して略合同に対峙していてもよい。コンタクト箇所が両面12,14上に存在する場合、対応するフィルムコネクタが使用されることが望ましい。この場合は、多様なコンタクトあるいは回路の変化態様が可能である。
【0047】
図5に示すセンサ抵抗128l,128rは、基板前面12上に存在するセンサ抵抗28lおよび28rと同じかまたは少なくとも略同じ構成および配置を有している。それゆえ、センサ抵抗128l,128rは、図1では不可視である。これに際し、再度付言すると、図5に示す描写は、基板前面12上に存在する要素が存在していない状態で、基板10の向こうが透けて見える基板前面12の平面図に相当する。
【0048】
図6は、図1にマークした領域Aのシンボリックな拡大図を示している。図6は、主に、前面の導体路片25lの1つと、対応する導体路126l、すなわち、対峙して基板背面14上に存在する導体路126lとの間の貫通接続部を示す図である。図7は、この貫通接続部のシンボリックな横断面図を示している。
【0049】
図6および7からは、特に、基板10の前面12上に、左のセンサ抵抗28lの1つが配置され、かつ(図7で見て)このセンサ抵抗28lの下に、基板背面14上に、対応するセンサ抵抗128lが配置されていることが看取可能である。さらに、前面のセンサ抵抗28lは、前面のコンタクトポイント24lに、他方、コンタクトポイント24lは、前面の導体路片25lに接続されている。これについて注釈するならば、コンタクトポイント24lと導体路片25lとは、1つの共通の電気的な接続要素をなしており、ここでは、図面の簡単な描写のためだけに別々に記してある。背面のセンサ抵抗128lは、背面のコンタクトポイント124lに、他方、コンタクトポイント124lは、背面の導体路126lに接続されており、導体路126lは、別の貫通接続部を介して、対応するコンタクト箇所16に通じている(図1参照)。前面12と背面14との間には、基板10内に設けられた相応の開口によって貫通接続導体200が配置されており、貫通接続導体200は、ここでは、前面の導体路片25lおよび背面の導体路126lと同じ材料からなっており、これらの両要素25l,126lを電気的に互いに接続している。これにより、両センサ抵抗28lおよび128lは、直列に接続されている。ここでは、見やすさという理由から図示はしないが、先の説明および図1ないし5から、さらに、
・センサ抵抗28lの見かけ上の自由端である端部29lが、コンタクトポイント22lを介して供給導体路20に、
・センサ抵抗128lの見かけ上の自由端である端部129lが、コンタクトポイント122lを介して供給導体路120に、
電気的に接続されていることがわかる。
【0050】
前面の左のセンサ抵抗28lの残余のセンサ抵抗28lも、このような形でその対応する背面のセンサ抵抗128lに接続されている。同じことが、右のセンサ抵抗28rおよび128rにも当てはまる。
【0051】
センサ抵抗28,128は、好ましくはスクリーン印刷法により製作され、このスクリーン印刷法の場合、ここでは、カーボンをベースとするペーストが、基板10の両面12,14上にパターニングされて約5~20μmの厚さで被着される。その際、センサ抵抗28,128は、記載の実施例では約7mmの長さを有している。その幅は、用途に応じてまさに様々であってよく、10kΩ~80kΩの範囲内の抵抗値を実現すべく、約100μm~800μmの範囲内にある。基板面12,14上に存在する残余の要素、特に導体路およびコンタクトポイント等は、好ましくは同じくスクリーン印刷法により製作され、このスクリーン印刷法の場合、銀ペーストが約5~15μmの厚さで被着される。
【0052】
図8は回路図を示しており、この回路図では、1ペアの左のセンサ抵抗28l,128lと、1ペアの右のセンサ抵抗28r,128rとが考慮されている。この回路図は、以下の3つのブロックに区分されている:
S:センサ領域
K:コンタクト領域
A:評価ユニット。
【0053】
センサ領域Sは、実質的に、センサストリップ9の、センサ抵抗28l,28r,128l,128rが配置されている部分に相当する。センサ領域Sは、フレキシブルであり、特に曲げられ、ねじられかつ/または伸ばされることができるように構成されている。コンタクト領域Kは、実質的に、センサストリップ9の、供給導体路20,120および導体路26r,126lがコンタクト箇所16に接続されている部分に相当する。好ましい実施の形態では、コンタクト領域K(図1も参照)は、少なくとも運転モード(通常運転)においてセンサ領域Sと比較して大幅に低い柔軟性あるいは変形可能性を有している。このことは、例えば、コンタクト箇所16へのフィルムコネクタの接続によって、検査すべき対象への領域Kの比較的弱い結び付きによって、かつ/または基板10の相応の構成(基板10の厚さ、材料等)によって、達成することができる。
【0054】
評価ユニットA、ここでは、フィルムコネクタのコンタクト300を介してコンタクト箇所16に接続されている評価ユニットAは、電圧供給部ならびに通常の電子的な要素、例えば増幅器、A/Dコンバータ、メモリ、送信装置、表示要素および/またはこれに類するものを有している。これらについては、さらに下で詳しく立ち入る。
【0055】
図8の回路図からわかるように、前面の供給ライン20には、供給電圧+uがかかっている。供給電圧+uの値+Uは、例えば3ボルトである。背面の供給ライン120は、接地されている。センサ抵抗28rおよび128rは、供給電圧+uとアースとの間で直列に接続されており、分圧器を形成する。このとき、導体路26rは、中間取り出しを可能にする。センサ抵抗28lおよび128lもこの種の分圧器を形成し、導体路126lは、中間取り出しを可能にする。両導体路26r,126lは、それぞれ、コンタクト箇所16の1つに通じている。対応するフィルムコネクタコンタクト300を介して、分圧された電圧(以下、センサ信号srあるいはslともいう)は、増幅段302aあるいは302bに導かれる。増幅段302aあるいは302bの出力信号は、評価段304にフィードされ、評価段304は、増幅されたセンサ信号に基づいて出力信号saを生成し、この出力信号saを信号ライン308を介して表示段306へと導く。
【0056】
見やすさという理由から、図8には、1ペアの左の抵抗28,128lに由来するセンサ信号slの処理、および1ペアの右の抵抗28r,128rに由来するセンサ信号srの処理のみを示してある。評価ユニットAにより、残余の抵抗ペア28l,128lあるいは28r,128rのセンサ信号も受け取られ、かつ処理されることができることは自明である。このために、様々な可能性、例えば、評価ユニットA内または評価ユニットA外に設けられたここでは図示しない切り換え段を使用する可能性が存在する。このような切り換え段は、センサ信号sl,srの複数またはすべてを受け取り、かつ時分割マルチプレクサの原理にしたがって時間的に制御されて増幅器段302a,302bを介して評価段304に転送することが可能であろう。センサ信号sl,srの各々のために、固有の増幅器段302aあるいは302bが設けられており、増幅されたセンサ信号が、対応する切り換え段によって評価段304に導かれることも可能である。同じく、センサ信号sl,srの各々(本実施例では、つまり、5×sl+5×sr)が、固有の増幅器段302a,bにフィードされ、評価段304が、増幅されたセンサ信号用の計10個の入力部を有することが可能である。さらに、上述の選択肢の混合形態も可能である。
【0057】
既に言及したように、抵抗ペア28l,128lあるいは28r,128rのうちの個々の抵抗ペアは、直列回路、ひいては分圧器を形成する。これにより、センサ信号sl,srの値に関して、
SL=+U×R128l/(R28l+R128l)
SR=+U×R128r/(R28r+R128r)
が成立し、ここで、
SL:アースに対するセンサ信号slの電圧値
SR:アースに対するセンサ信号srの電圧値
+U:アースに対する電圧+uの値
R128l:センサ抵抗128lの値
R28l:センサ抵抗28lの値
R128r:抵抗128rの値
R28r:抵抗28rの値
である。
【0058】
理想的には、つまり、特に製造公差を考慮しなければ、センサ抵抗28l,28r,128l,128rは、センサストリップ9が機械的な応力なしに一平面(例えば図1のxy平面)内に存在しているとき、センサ抵抗28l,28r,128l,128rの値が同じ大きさであるように構成されている。このような状態は、ここでは、静止状態ともいう。この場合、
R28l=R128l=R28r=R128r
が成立する。
【0059】
このような場合、さらに、
SL=1/2×+Uおよび
SR=1/2×+U
が成立する。
【0060】
センサ領域Sがxy平面から奥(-z方向)に反らされると、前面の抵抗28l,28rは伸ばされ、背面の抵抗128l,128rは縮められる。その際、個々の抵抗に対する作用は、抵抗の傾き角αならびに場所および反りの方向に依存している。このことについて短く図1を用いて説明する。ここでは、センサストリップ9が、一様に長手方向軸線LAに対して垂直に下に反らされ(つまり、座屈はせず、むしろ半円形の弧の形状を呈し)、かつ傾き角αが0~90度の値を有していることを前提とする。而して、個々の抵抗に対する作用は、傾き角αが小さければ小さいほど、強い。これに対して、長手方向軸線LAに対して平行な一様な反りが実施されるときは、個々の抵抗に対する作用は、傾き角αが大きければ大きいほど、強い。
【0061】
センサ領域Sの一様ではない反り(極端な場合、座屈)の場合、抵抗28,128の個々の抵抗に対する作用効果は、この抵抗の傾き角αの他に、この抵抗が反りの領域内に存在しているか否か、そしてどのように存在しているかにも強く依存している。
【0062】
センサ領域Sがxy平面から手前(z方向)に反らされると、前面のセンサ抵抗28l,28rは縮められ、背面のセンサ抵抗128l,128rは伸ばされる。センサ領域Sが波形にされると、場合によっては前面のセンサ抵抗28l,28rの幾つかは縮められ、その他は伸ばされる。
【0063】
センサストリップ9の、あるいはセンサストリップ9のセンサ領域Sのねじり(トーション)が生じると、同じく抵抗変化が生じ、抵抗変化は、個々のセンサ抵抗28,128の位置と、個々のセンサ抵抗28,128の傾き角αとに依存している。例えば、センサストリップ9の下側の部分、つまり、コンタクト箇所16の方向での領域が図平面内にとどまり、かつセンサストリップ9の上側の部分が、時計回りにトーション矢印TP(図1)に応じてねじられると、左の前面の抵抗28lは伸ばされ、かつ左の背面の抵抗128lは縮められる。これに対して右側では、前面の抵抗28rは縮められ、かつ背面の抵抗128rは伸ばされる。その際、このような伸びあるいは縮みの規模は、傾き角αに依存するとともに、基板の性状にも依存している。この場合、実質的にフィルムに相当する比較的薄い基板の場合、抵抗値は、傾き角αが約45度の値を有しているときに最も変化することがわかっている。このような変化は、当然、引き続き、トーションがそれぞれの抵抗の場所でどの程度の強さであるかに依存している。これにより、一般的に言えるのは、傾き角αを介して、トーションに対する抵抗ペアの感度の、長手方向軸線LAに対して横方向での撓みに対する抵抗ペアの感度に対する比が調整可能であることである。それぞれ異なる角度が付けられた少なくとも2つの抵抗ペアを組み合わせることで、これにより、長手方向軸線LAに対して横方向で延びていない曲げ方向、あるいは長手方向軸線LAに対して横方向で延びる曲げに重畳するトーションが測定される。
【0064】
センサ領域Sが伸長されると、これは、同じく個々のセンサ抵抗に対する作用効果を有する。この場合、これらの作用効果は、個々の抵抗の位置および配向ならびに伸長の種類および方向に依存している。センサ領域Sが縮められたときは、反対の作用が生じる。好ましい実施例では、対峙する抵抗、例えば抵抗ペア28l,128lまたは28r,128rが同様に構成されている。このことは、これらの抵抗が、実質的に同じ幾何学形状および同じ材料特性を有していることを意味する。このことは、センサ領域Sの伸長が、対峙する抵抗に対して同じ作用効果を有し、それゆえ、対応する値SL,SRも、理想的には変化しないという事態を引き起こす。しかし、それぞれ対峙する抵抗が区別されることが望ましければ、伸長時も値SL,SRの変化が可能である。
【0065】
説明した例を基に明らかとなるのは、個々の抵抗値R28l,R128l,R28r,R128rが、センサストリップ9の、あるいはセンサストリップ9のセンサ領域Sの、機械的な影響に依存していることである。このことから、反対に、これらの抵抗値、ひいては対応するセンサ信号値SL,SRが変われば、センサストリップ9の相応の機械的な影響が存在することがわかる。評価段304内では、このために、増幅されたセンサ信号sl,srが、対応するセンサ抵抗28l,128l,28r,128rの位置および配向に応じて、好適なアルゴリズムを基に評価される。このために、評価段304は、通常の、当業者にとって一般的な要素、例えばマイクロプロセッサ、アナログ・デジタル(A/D)コンバータ、メモリ素子等を有している。
【0066】
上述のように、センサ信号sl,srは、それぞれ、2つの抵抗を有する分圧器における中間取り出しの結果である。同じく、絶対電圧の代わりに、それぞれ1つの電圧差が測定され、さらに処理されることが可能である。このような電圧差は、例えばホイートストンブリッジにより生成され、ホイートストンブリッジでは、通常、このような電圧差のために必要とされる参照電圧が、好適な第2の分圧器により生成される。そこで、分圧器28,128の一方によって生成される第1の電圧の値が、静止状態において参照電圧の値と同じであるとき、差は0である。続く測定運転時、センサ領域Sが、機械的な運動を、両抵抗28,128の一方が変化するように受けると、取り出される電圧の値も変化する。この電圧変化は、しかし、相対的に、つまり絶対電圧値と比較して、極めて小さい場合がある。この種の電圧変化は、取り出された電圧自体ではなく、参照電圧により生成された電圧差が、評価段304により処理されると、明らかにより良好に評価される。なぜなら、参照電圧により生成される電圧差の相対的な変化は、取り出される電圧よりも大幅に大きいからである。
【0067】
本発明に係る実施例では、評価段Aは、それぞれの分圧器28,128により生じる電圧値、好ましくは1/2×+U(上記参照)に、正確に、または少なくとも実質的に相当する値を有する参照電圧が生成されるように構成されている。増幅器段302a,302b内では、しかし、本来の増幅の前に、センサ信号slと参照電圧との間の差と、センサ信号srと参照電圧との間の差とが生成される。負の電圧を避けるために、増幅後、それぞれ好ましくは1/2×+U(1.5V)である値を有する電圧が加算される。この電圧の値は、続くデジタル化の間に再び減算され、その結果、負のデジタルのセンサ値も生じさせることができ、符号を介して既に曲げ方向を推定することが可能である。
【0068】
センサ信号sl,srの評価の結果は、出力信号saを用いて出力される。出力信号saは、様々に構成することができる。好ましくは、出力信号saは、対応するディスプレイを装備している表示段306が、センサストリップ9を、より正確に言えば、センサストリップ9のセンサ領域Sを、グラフィックに描写することができるように、必要な情報を包含している。この場合、このような描写は、ダイナミックであること、つまり、測定の時点に依存した時間的な推移を有していることも可能である。このために、評価段306は、このようなダイナミックな描写を記録し、かつこれを後に呼び出すことができるように、好適なメモリ素子(別途図示せず)を有していてもよい。
【0069】
センサ領域Sが、所与の限界値を上回るように動かされると、例えば反らされ、ねじられかつ/または伸長されると、グラフィックな表示に加えて、またはグラフィックな表示の代わりに、視覚的、聴覚的かつ/または触覚的(バイブレーションまたはこれに類するもの)な警告信号が出力されるように、出力信号saおよび/または表示段306を構成することも可能である。このような限界値のための判断基準は、極めて多様であり得る。この場合、所与の幾何学的な値、その推移、その速度および/またはその加速度が、ある特定の時間、上回られるまたは下回られるときも、考慮され得る。
【0070】
言及したように、表示段306は、極めて多様に構成されることができる。その際、表示段306は、評価ユニットA外に配置され、例えばPC、タブレットコンピュータ、スマートフォンまたはこれに類するもののように構成されていることも可能である。その際、センサ信号sl,srを評価するアルゴリズムは、部分的にまたは完全にこのようなデバイス上で実行することも可能である。
【0071】
信号ライン308は、ケーブルとして、かつ/またはケーブルレスに実現されていてもよい。すなわち、評価ユニットAは、必要であれば、送信段を有している。送信段は、高周波信号(例えばBluetooth、WLAN等)、光信号、音響信号および/またはこれに類するものを送信することができるように構成されていてもよい。このことは、特に、表示段306がスマートフォンまたはタブレットコンピュータとして実現されているとき、極めて有利である。
【0072】
本発明に係るセンサストリップは、多様に、例えば
・整形外科の分野
・医学的診断
・スマートウォッチその他のウェアラブルデバイス
・ライフサイエンス
のために使用することができる。
【0073】
整形外科の分野における好ましい用途は、人間の脊柱の計測に関する。このために、センサストリップ9は、好適な手段、例えば膏体、接着剤またはこれに類するものにより、該当する人間の背中に取着される。同じく、このために、一種の衣類、例えばTシャツ、ボディスーツ、ベストまたはこれに類するものであって、衣類内にかつ/または衣類に接してセンサストリップ9が配置されているあるいは組み込まれている衣類を使用することが可能である。個々の測定により、またはより良好にはさらに、ある特定の期間内の継続的な測定により、背中がどのように動かされ、場合によってはどのように負荷がかかっているかを求めることが可能である。このために、本発明に係るセンサストリップの特別な構成が、特に実証されている。この特別な構成については、以下にセンサストリップ900として図9ないし11を基に説明する。その際、図9は、センサストリップ900全体の平面図を示し、図10および11は、センサストリップ900から抜粋し、図9にマークした部分BおよびCを示している。このセンサストリップ900も、前面と背面とを有する基板(ここでは図示せず)からなっている。平面図に基づき、主として、基板前面上に存在する要素を示してある。基板背面上に存在し、基板前面の要素によって隠れて見えない要素は、ここでは看取不能である。
【0074】
前述のセンサストリップ9におけるものと同じまたは同様である要素は、同じ符号を有しており、これらの要素については、本発明の理解に必要と思われる限りにのみ言及する。補足的にセンサストリップ9についての先の説明を参照されたい。
【0075】
図9に示すセンサストリップ900は、センサ領域Sを備えており、センサ領域Sは長さ約60cmである。この場合、長手方向軸線LAに沿って、前面の導体路18が基板前面12上に存在し、前面の導体路18には、左に28個のセンサ抵抗28lが電気的に接続され、右に28個のセンサ抵抗28rが電気的に接続されている。これらのセンサ抵抗28l,28rは、ここでは同じく縦長に、略長方形の形状を呈して構成されており、ここではすべて同じ傾き角αを有している。傾き角αの値は、約30度である。左のセンサ抵抗28lは、それぞれ、左の導体路26lの1つに接続され、右のセンサ抵抗28rは、それぞれ、右の導体路26rの1つに接続されている。
【0076】
基板背面14上に配置されるセンサ抵抗128l,128rは、正確に(あるいは実質的に)前面のセンサ抵抗28l,28rの下に存在しており、それゆえ、ここでは看取不能である。これらのセンサ抵抗128l,128rは、前面のセンサ抵抗28l,28rと同様に、一方では、背面の供給導体路120に接続されており、背面の供給導体路120のうち、ここでは、領域52(図11参照)より上の小さな部分のみが看取可能であり、他方では、基板背面14上において左の導体路26lあるいは26rに対峙してあるいはその下を延びる背面の導体路126lおよび126rに接続されている。
【0077】
このことは、このセンサストリップ900の場合、センサ抵抗28,128の各々のために、1つの固有の導体路26,126が設けられていることを意味する。このことは、つまり、センサストリップ9の場合とは異なっており、センサストリップ9の場合、抵抗28,128のそれぞれ1つのペアのために、まず、貫通接続部200が1つ設けられ、それにしたがい、導体路26r,126lが1つだけ設けられている。対峙する2つの抵抗28,128からなる分圧器を実現するために必要な貫通接続部200は、このセンサストリップ900の場合、すべて領域902(図11参照)内に存在している。この領域902は、コンタクト箇所16の領域内に存在しており、ひいてはコンタクト領域K内に、ひいてはセンサ領域S外に位置している(図9参照)。貫通接続部200を、通常の測定運転時に通常は曲げられ、ねじられかつ/または伸ばされるセンサ領域S外に配置したことで、センサストリップ900が極めてロバストであることが達成される。
【0078】
図9ないし11に示すセンサストリップは、上側の部分から所望の長さを切り落とすことで、短縮することができる。これにより、確かに抵抗ペアの数は減少するが、センサストリップ長さを、検査すべき対象に適合させることができる。
【0079】
ここでは図面によって示さない別の一実施例では、
・上記の貫通接続部200が、個々の抵抗ペア(分圧器)28,128の近傍に配置されており(センサストリップ9の場合と類似)、その結果、抵抗ペア毎に導体路26,126が1つだけ必要とされ、さらに、
・第1の数のこれらの抵抗ペア28,128が、前面の導体路26を介して、そして残余の抵抗ペアが、背面の導体路126を介してコンタクト箇所16に接続される、
ようにしてある。
【0080】
このことは、このようなセンサストリップを、センサストリップ900より細く構成することができるという利点を有している。しかし、この場合、片側のコンタクト箇所16(フィルムコネクタ)の場合、付加的な貫通接続部が必要である点について、考慮すべきである。
【0081】
図7に一部類似の図12には、別の一実施例を示してある。前述の構成に対する主な相違点は、ここでは、前面の導体路25lが、背面の導体路126lに、第1のコンタクト要素252と、第2のコンタクト要素254と、コンタクト要素252および254間の接続ライン256と、によって接続されることにある。簡単かつ運転信頼性の高いコンタクトのために、前面の導体路25lは、基板10の前面12の縁部領域内に存在する第1のコンタクト箇所251まで延びている。相応に、背面の導体路126lは、基板10の背面14の縁部領域内に存在する第2のコンタクト箇所253まで延びている。好ましくは、両コンタクト箇所251,253は、対峙するように配置されている。通常運転中(ここでは図示もしてあるように)、第1のコンタクト要素252は、第1のコンタクト箇所251、ひいては導体路25lに電気的にコンタクトしており、第2のコンタクト要素254は、第2のコンタクト箇所253、ひいては導体路126lに電気的にコンタクトしている。接続ライン256は、さらに評価ユニットAに接続されており、評価ユニットAには、相応のセンサ信号sl(図8も参照)が放出される。
【0082】
ここに示す、電気的なコンタクト要素252,254を用いた前面の導体路25lと背面の導体路126lとの間の電気的な接続が例示にすぎないことは、自明である。この種のかつ/または類似のコンタクトにより、別の前面の導体路、またはすべての前面の導体路が、対応する背面の導体路に接続されてもよく、その結果、貫通接続部200の数を相応に削減することができ、あるいは貫通接続部200を完全に省略することができる。
【0083】
説明した実施例は例示にすぎず、本発明の好ましい実現形態を示している。上でこれらの実施例のうちの個々の実施例との関連でのみ説明した特定の特徴を、別の実施例でも、これに対して明らかな制限がない限り使用できることは、自明である。
【0084】
さらに、説明した構成の多様な変化態様および選択肢が可能であり、例えば:
-供給電圧+uは、直流電圧および/または交流電圧であってもよい、
-ここで抵抗28,128と称呼する要素は、コンデンサとしても使用することができる。このために、これらの要素を、相応に評価ユニットに接続することができ、これらの要素には、適した交流電圧を印加することができる。
【符号の説明】
【0085】
9 第1のセンサストリップ
10 基板
12 10の前面
14 10の背面
16 コンタクト箇所
18 12上の導体路
20 前面の供給導体路
22l,22r 12上の左あるいは右のコンタクトポイント
24l,24r 12上の左あるいは右のコンタクトポイント
25l 12上の導体路片
26l,26r 12上の左あるいは右の導体路
28l,28r 12上の左あるいは右のセンサ抵抗
29l 28lの一方の端部
50 12上の導体路
52 50から120への貫通接続部の領域
120 背面の供給導体路
122l,122r 14上の左あるいは右のコンタクトポイント
124l,124r 14上の左あるいは右のコンタクトポイント
125r 14上の導体路片
126l 14上の左の導体路
128l,128r 14上の左あるいは右のセンサ抵抗
129l 128lの一方の端部
200 25lおよび126l間の貫通接続導体
251 第1のコンタクト箇所
252 251に対する電気的なコンタクト要素
253 第2のコンタクト箇所
254 253に対する電気的なコンタクト要素
256 252および254間の接続ライン
300 エッジコネクタコンタクト
302a,b 増幅段
304 評価段
306 表示段
308 信号ライン
900 第2のセンサストリップ
902 貫通接続部領域
LA 9あるいは900の長手方向軸線
TP トーション矢印
S センサ領域
K コンタクト領域
A 評価ユニット
lal,lar 左あるいは右のセンサ抵抗の長手方向軸線
sl,sr 左あるいは右のセンサ信号
sa 出力信号
α 傾き角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】