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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】自己バイアス差動トランスミッタ
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20231124BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20231124BHJP
   H03K 19/094 20060101ALI20231124BHJP
   H03K 19/0185 20060101ALN20231124BHJP
【FI】
H03K19/0175 220
H04L25/02 V
H04L25/02 S
H03K19/094 220
H03K19/0185
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527465
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 US2021059867
(87)【国際公開番号】W WO2022109122
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】17/100,140
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】502161508
【氏名又は名称】シナプティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】リム、シャオ-イェン
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ、シュリラム
【テーマコード(参考)】
5J056
5K029
【Fターム(参考)】
5J056AA04
5J056BB44
5J056BB46
5J056CC01
5J056CC04
5J056CC10
5J056DD13
5J056DD55
5J056FF09
5K029AA20
5K029DD24
5K029GG07
(57)【要約】
自己バイアス差動トランスミッタが提供される。該トランスミッタは、差動信号レシーバによって供給される電源電圧によって給電される差動出力ドライバを含むことがある。該出力ドライバは、差動トランスミッタ内に含まれるトランジスタの安全動作電圧範囲を超える差動信号で出力ドライバ内の一以上のトランジスタが動作できるようにバイアス電圧を生成するバイアス電圧発生器を含むことがある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動出力ドライバであって、
差動入力信号を受け取るように構成され、それぞれが第1安全動作電圧範囲を有する第1トランジスタの対と、
前記第1トランジスタの対と前記差動出力ドライバの出力端子の間に結合された複数のトランジスタと、
を備え、
前記複数のトランジスタが、前記出力端子を介して電源電圧を受け取り、前記第1トランジスタの対のために前記電源電圧の電圧レベルを下げるように構成され、
前記電源電圧が前記第1安全動作電圧範囲より高い、
差動出力ドライバ。
【請求項2】
前記第1トランジスタの対が、前記第1安全動作電圧範囲を超える電圧で動作されたときに損傷を受ける
請求項1に記載の差動出力ドライバ。
【請求項3】
前記複数のトランジスタが、前記第1トランジスタの対から第1中間差動出力信号を受け取り、第2中間差動出力信号を生成するように構成された第2トランジスタの対を含み、
前記第2トランジスタのそれぞれが、前記第1安全動作電圧範囲と異なる第2安全動作電圧範囲を有している
請求項1に記載の差動出力ドライバ。
【請求項4】
前記第2安全動作電圧範囲が、前記第1安全動作電圧範囲の2倍である
請求項3に記載の差動出力ドライバ。
【請求項5】
前記電源電圧が、前記第1安全動作電圧範囲及び前記第2安全動作電圧範囲よりも高い
請求項3に記載の差動出力ドライバ。
【請求項6】
前記複数のトランジスタが、前記第2中間差動出力信号を受け取り、前記出力端子に供給される差動出力信号を生成するように構成された第3トランジスタの対を含む、
請求項3に記載の差動出力ドライバ。
【請求項7】
前記第3トランジスタの対が、差動信号レシーバから前記電源電圧を受け取るように構成されている、
請求項6に記載の差動出力ドライバ。
【請求項8】
更に、前記第2トランジスタの対に第1バイアス電圧を供給し、前記第3トランジスタの対に第2バイアス電圧を供給するように構成されたバイアス電圧ジェネレータを備え、
前記第2バイアス電圧が、前記第1バイアス電圧より高い、
請求項6に記載の差動出力ドライバ。
【請求項9】
前記バイアス電圧ジェネレータが、前記第2及び第3の対のトランジスタの基板に非零電圧を供給するように構成されている
請求項8に記載の差動出力ドライバ。
【請求項10】
前記差動出力信号が、前記第3の対のトランジスタのドレインによって供給される
請求項6に記載の差動出力ドライバ。
【請求項11】
更に、前記出力端子の間に結合された可変終端抵抗器を備える、
請求項6に記載の差動出力ドライバ。
【請求項12】
前記可変終端抵抗器が、
前記第3の対のトランジスタの第1ドレインに結合された第1端子と第4の対のトランジスタに結合された第2端子とを備える第1抵抗器と、
前記第3の対のトランジスタの第2ドレインに結合された第1端子と前記第4の対のトランジスタに結合された第2端子とを備える第2抵抗器と、
を備え、
前記第4の対のトランジスタが、前記第1トランジスタの対の前記第1安全動作電圧範囲を有している
請求項11に記載の差動出力ドライバ。
【請求項13】
接地に結合されたソースを備え、前記第1トランジスタの対の前記第1安全動作電圧範囲を有する第5トランジスタと、
前記第5トランジスタのドレインに結合されたソースと、前記第4の対のトランジスタの第5トランジスタのゲートに結合されたドレインとを備える第6トランジスタと、
を更に備える
請求項12に記載の差動出力ドライバ。
【請求項14】
前記第6トランジスタが、前記第2トランジスタの対の前記第2安全動作電圧範囲を有している、
請求項13に記載の差動出力ドライバ。
【請求項15】
前記第6トランジスタの基板が非零電圧に結合されている、
請求項13に記載の差動出力ドライバ。
【請求項16】
第1コモンモード電圧を受け取り、前記第1コモンモード電圧に基づいてドレイン電流を出力するように構成された第1トランジスタと、
前記第1トランジスタから前記ドレイン電流を受け取り、前記ドレイン電流に基づいて第2コモンモード電圧を出力するように構成された第2トランジスタと、
オペアンプであって、
前記第2コモンモード電圧を受け取る反転入力と、
基準電圧を受け取る非反転入力と、
バルク電圧を前記第1及び第2トランジスタの基板に供給する出力と、を備えるオペアンプと、
を備え、
前記バルク電圧が、前記基準電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを介して前記第2コモンモード電圧を制御する、
バイアス電圧ジェネレータ。
【請求項17】
前記第1トランジスタが、
前記第1コモンモード電圧を受け取るドレインと、
前記第1コモンモード電圧に基づいて前記ドレイン電流を供給するソースと、
を備え、
前記第2トランジスタが、
前記第1トランジスタから前記ドレイン電流を受け取るドレインと、
前記ドレイン電流に基づいて前記第2コモンモード電圧を供給するソースと、
を備える
請求項16に記載のバイアス電圧ジェネレータ。
【請求項18】
前記第2トランジスタの前記ドレインに結合されたソースと、
前記第1トランジスタの前記ソースに結合されたドレインと、
を備える第3トランジスタを更に備え、
前記第3トランジスタのドレインが、第1バイアス電圧を供給する、
請求項17に記載のバイアス電圧ジェネレータ。
【請求項19】
前記第1トランジスタが、前記第1バイアス電圧より高い第2バイアス電圧を供給する、
請求項18に記載のバイアス電圧ジェネレータ。
【請求項20】
前記第1コモンモード電圧と前記第2コモンモード電圧との電圧差が、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの安全動作電圧範囲を超えている、
請求項16に記載のバイアス電圧ジェネレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体としては差動トランスミッタに関しており、より具体的には、自己バイアス差動トランスミッタに関している。
【背景技術】
【0002】
差動信号は、ノイズに強く、例えば1GHz以上の高いシグナリング速度に対応できるため、電子機器間のデータの送受信にしばしば使用される。差動シグナリングの中には、業界仕様や規格に準拠したものがある。例えば、CEA/EIA(Consumer Electronics Association/Electronics Industries Alliance)861規格で定められたHDMI(High-Definition Media Interface)仕様は、差動シグナリングレート、電圧レベル、差動チャンネル数、差動インピーダンス等を規定している。したがって、特定のマルチメディアアプリケーションで使用される差動信号は、HDMI仕様又は規格で定められた電圧レベルで伝送されることがある。
【0003】
電子機器は、例えばHDMI信号等の差動信号を送受信するためのインタフェースを実装するために集積回路を使用することがある。差動信号は、集積回路全体で使用される他のトランジスタとは異なる特別な耐電圧トランジスタを使用することを集積回路に要求するような電圧レベルを有することがある。これらの耐電圧トランジスタは、集積回路にコストと複雑性を追加することがある。場合によっては、特殊な耐電圧トランジスタは、集積回路内の他のトランジスタの製造に使用されるデバイス技術の範囲では実現不可能なことがある。従って、特別な耐電圧トランジスタを用いずに、差動信号送信インタフェース等の差動信号インタフェースを実装することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0004】
この概要は、発明を実施するための形態において下記に更に説明する概念の選択を簡単な形で紹介するために設けられている。この概要は、請求された主題の主要な特徴又は必要不可欠な特徴を特定することを意図しておらず、請求された主題の技術的範囲を制限することも意図していない。
【0005】
差動出力ドライバが開示されている。該出力ドライバは、第1トランジスタの対と複数のトランジスタとを備えることがある。該第1トランジスタの対は、差動入力信号を受け取るように構成されることがある。第1トランジスタのそれぞれは、第1安全動作電圧を有している。該複数のトランジスタは、第1トランジスタの対と差動出力ドライバの出力端子の間に結合されることがある。該複数のトランジスタは、出力端子を介して電源電圧を受け取り、第1トランジスタの対のために電源電圧の電圧レベルを低減するように構成されている。該電源電圧は、第1安全動作電圧よりも高い。
【0006】
バイアス電圧ジェネレータが開示されている。該バイアス電圧ジェネレータは、第1トランジスタと第2トランジスタとオペアンプとを備えていることがある。第1トランジスタは、第1コモンモード電圧を受け取り、第1コモンモード電圧に基づいてドレイン電流を出力するように構成されることがある。第2トランジスタは、第1トランジスタからドレイン電流を受け取り、該ドレイン電流に基づいて第2コモンモード電圧を出力するように構成されることがある。オペアンプは、第2コモンモード電圧を受け取る反転入力と、基準電圧を受け取る非反転入力と、バルク電圧を第1及び第2トランジスタの基板に供給する出力とを有することがある。バルク電圧は、基準電圧に少なくとも部分的に基づいて第1及び第2トランジスタを介して第2コモンモード電圧を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態は、例として図示されており、添付図面の形態によって限定されることを意図していない。
【0008】
図1図1は、いくつかの実装による例示的なメディアシステムを図示している。
【0009】
図2図2は、例示的なHDMIシステムの簡略化した模式図を図示している。
【0010】
図3図3は、バイアス電圧ジェネレータの簡略化した模式図を図示している。
【0011】
図4図4は、可変抵抗器のブロック図である。
【0012】
図5図5は、切り替え可能抵抗器の簡略化した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明には、本開示の深い理解を提供するために、具体的なコンポーネント、回路及び処理の例等の多くの具体的な詳細が示されている。本出願で使用されている用語「結合された」は、直接に接続されているか、一以上の介在するコンポーネント又は回路を介して接続されていることを意味している。用語「電子システム」及び「電子デバイス」は、電子的に情報を処理可能な任意のシステムを指すために同義的に使用されることがある。また、下記の記載において説明の目的で、本開示の態様の深い理解を提供するために固有の命名法が明記されている。しかしながら、これらの具体的な詳細が例示的な実装を実施するために必要でない場合があることは当業者には明らかであろう。他の例においては、本開示を不明瞭にすることを避けるために、周知の回路及びデバイスがブロック図の形態で図示されている。以下の詳細な説明のいくつかの部分は、手順、論理ブロック、処理及びコンピュータメモリ内部のデータビットに対する演算の他の記号表現の形態で提示されている。
【0014】
これらの記載と表現は、データ処理技術の当業者によって他の当業者に自己の業務の内容を最も効率的に伝えるために使用される手段である。本開示において、手順、論理ブロック、処理等は、所望の結果につながる工程又は指示の首尾一貫したシーケンスであると考えられている。当該工程は、物理量の物理的操作を必要とするものである。必要ではないものの、通常、これらの量は、コンピュータシステムにおいて格納され、伝送され、結合され、比較され、及び、他の態様で操作可能な電気的又は磁気的信号の形態をとる。しかしながら、これらの全て及び類似の用語は、適切な物理量に関連付けされるべきであり、単に、これらの量に適用される利便性のあるラベルに過ぎないことに留意すべきである。
【0015】
以下の議論から明らかであるように、特に明記されていない限り、本出願全体を通じて、「アクセスする」、「受信する」、「送信する」、「用いる」、「選択する」、「判断する」、「正規化する」、「乗算する」、「平均化する」、「監視する」、「比較する」、「適用する」、「更新する」、「測定する」、「導き出す」等の用語を用いた議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内において物理(電子的)量として表現されているデータを操作して該コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又はその他のそのような情報格納装置、伝送装置又は表示装置において物理量として同様に表現される他のデータに変換するコンピュータシステム又は類似の電子コンピューティングデバイスの動作及び処理を参照するものと理解される。
【0016】
図において、単一のブロックが一つの機能又は複数の機能を実行するとして説明することがある。しかしながら、実際の実施においては、当該ブロックによって実行される一つ又は複数の機能は、単一のコンポーネントにおいて実行してもよく、複数のコンポーネントに渡って実行してもよく、及び/又は、ハードウェアを用いて実行してもよく、ソフトウェアを用いて実行してもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて実行してもよい。このようなハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に図示するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路及び工程を、以下では一般にその機能の観点で説明した。このような機能がハードウェア又はソフトウェアのどちらとして実装されるかは、固有の用途及びシステム全体に課せられた設計上の制約に依存する。当業者は、説明した機能を各固有の用途に合わせて様々な方法で実装することがあるが、このような実装上の選択が、本開示の範囲からの乖離を生じさせるものとして解釈すべきではない。また、例示的な入力装置は、プロセッサ、メモリ等のような周知のコンポーネントを含む、図示されたものと異なるコンポーネントを含んでいることがある。
【0017】
本出願に説明した技術は、特定の方法で実装されると具体的に記載されていない限り、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組み合わせで実装され得る。また、モジュール又はコンポーネントとして説明した任意の機構は、集積化された論理デバイスに纏めて実装されてもよいし、別々であるが協働可能な論理デバイスに分離して実装されてもよい。ソフトウェアに実装される場合、当該技術は、実行されたときに上述した一以上の方法を実行する命令を含む非一時的プロセッサ読み取り可能格納媒体によって少なくとも部分的に実現されてもよい。非一時的プロセッサ読み取り可能データ格納媒体は、梱包材を含むことがあるコンピュータプログラム製品の一部を形成することがある。
【0018】
様々な実装が、全体として差動シグナリングに関している。いくつかの実装は、より具体的には、集積回路に含まれる差動信号トランスミッタに関している。一の実装では、差動信号トランスミッタが、一以上のバイアス電圧を受け取る複数のトランジスタを含み得る。該一以上のバイアス電圧は、複数のトランジスタが、さもなければ該トランジスタを損傷するであろう電圧に耐えることを可能にする。差動信号トランスミッタは、差動信号レシーバから供給電力を受け取ることがある。他の実装では、差動信号トランスミッタは、差動信号レシーバから供給電力を受け取り、差動信号トランスミッタの複数のトランジスタのためのバイアス電圧を生成するバイアス電圧ジェネレータを含むことがある。
【0019】
本開示に記載される主題の特定の実装は、以下の潜在的な利点の1つ以上を実現するために実施可能である。いくつかの実装では、記載された技術は、トランジスタが損傷する可能性のある電圧レベルを有する差動信号で該トランジスタを動作可能にするために使用可能であり、それにより、差動信号インタフェースで使用されるべき特別な耐電圧デバイスの必要性を低減又は無くし、関連する集積回路のコスト及び複雑性を低減する。
【0020】
図1は、いくつかの実装による例示的なメディアシステム100を図示している。メディアシステム100は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)リンク140を介して表示装置150に結合されたメディア機器110を備えることがある。HDMIリンク140は、メディア機器110と表示装置150との間で差動信号を送受信するための通信媒体を提供する。いくつかの他の実装では、メディア機器110が、任意の他の実現可能な差動信号リンクを介して表示装置150に結合されてもよい。メディア機器110は、表示装置150によって表示するためのマルチメディアデータを生成することがある。
【0021】
メディア機器110は、メディアジェネレータ120とHDMIトランスミッタ130とを備えることがある。メディアジェネレータ120は、例えば画像データ及び/又は音声データのようなメディアデータを取得し、レンダリングし、生成し、及び/又は、作成することがある。メディアジェネレータ120は、差動信号として符号化し、HDMIリンク140を介して表示装置150に送信するためにマルチメディアデータをHDMIトランスミッタ130に供給する。HDMIトランスミッタ130は、自己バイアス出力段135を備えることがある。自己バイアス出力段135は、HDMIリンク140上の差動信号を駆動するための回路部を備えることがある。
【0022】
表示装置150は、HDMIリンク140を介して差動信号を受け取るためのHDMIレシーバ160を備えることがある。いくつかの実装では、HDMIレシーバ160は、HDMIトランスミッタ130の自己バイアス出力段135に電力を供給することがある。すなわち、自己バイアス出力段135のための電力の一部または全部は、HDMIレシーバ160によって供給されることがある。一の実装では、HDMIリンク140に関連する電圧レベル及び終端抵抗値が、例えば、CEA/EIA(Consumer Electronics Association/Electronics Industries Alliance)861規格によって定められたHDMI仕様のような規格によって指定されることがある。
【0023】
図2は、例示的なHDMIシステム200の簡略化された概要図である。HDMIシステム200は、差動出力ドライバ210と、HDMIリンク265と、レシーバ270とを備えていることがある。例えば図1を参照すると、差動出力ドライバ210が自己バイアス出力段135の少なくとも一部を形成してもよく、HDMIリンク265がHDMIリンク140の一例であってもよく、レシーバ270がHDMIレシーバ160の一例であってもよい。
【0024】
レシーバ270は、抵抗器271及び272を含む差動信号レシーバであってもよい。抵抗器271及び272は、電圧VsupplyとHDMIリンク265の間に結合されることがある。いくつかの実装では、抵抗器271及び272が、その値が少なくとも部分的にHDMI等の規格によって決定される終端抵抗器であってもよい。いくつかの態様では、Vsupplyの電圧レベルが、規格(例えば、HDMI)によっても規定されることがある。簡略化のため図示しないが、レシーバ270は、HDMIリンク265を介して受け取ったデータを処理するための追加の回路を含むことがある。
【0025】
差動出力ドライバ210は、第1トランジスタ対220、第2トランジスタ対230、第3トランジスタ対240、可変抵抗器250及び電流源260を備えていてもよい。差動出力ドライバ210は、(成分信号VinP及びVinNとして表される)差動入力信号を受け取り、(成分信号VoutP及びVoutNとして表される)差動出力信号を生成することがある。差動出力信号VoutP/VoutNは、HDMIリンク265を介して駆動されてもよい。可変抵抗器250は、規格によって決定される値を有する可変終端抵抗器であってもよい。
【0026】
第1トランジスタ対220はトランジスタ221及び222を備えている。トランジスタ221及び222のゲートは、それぞれ、成分信号VinP及びVinNを受け取るように構成されている。トランジスタ221及び222のソースは、共通に結合され、電流源260に更に結合されることがある。第1トランジスタ対220は、差動入力信号VinP/VinNに基づいて(成分信号LvOutP及びLvOutNとして表現される)第1中間差動信号を出力することがある。一の実装では、トランジスタ221及び222が、飽和モードで動作して第1中間差動信号LvOutP/LvOutNを生成する。飽和モードでの動作は、差動出力ドライバ210のシグナリングエラーを低減することがある。
【0027】
第2トランジスタ対230は、第1トランジスタ対220と結合されたトランジスタ231及び232を備えている。例えば、トランジスタ231及び232のソースは、それぞれ、トランジスタ221及び222のドレインと結合されることがある。第2トランジスタ対230は、第1中間差動信号LvOutP/LvOutNに基づいて第2中間差動信号266を生成することがある。第3トランジスタ対240は、第2トランジスタ対230に結合されたトランジスタ241及び242を備えている。例えば、トランジスタ241及び242のソースは、それぞれ、トランジスタ231及び232のドレインに結合されていてもよい。可変抵抗器250が、トランジスタ241及び242のドレインの間に結合されている。第3トランジスタ対240は、第2中間差動信号266に基づいて、トランジスタ241及び242のドレインを介して、それぞれ、信号VoutP及びVoutNを生成することがある。いくつかの実装では、第2トランジスタ対230及び第3トランジスタ対240は、第1トランジスタ対220によって出力されたLvOutP及びLvOutN信号に対して「レベルシフト」を行ってVoutP及びVoutN信号をそれぞれ生成することがある。
【0028】
図2の例では、トランジスタ221、222、231、232、241及び242のそれぞれが、Nチャネル金属-酸化物-シリコン電界効果トランジスタ(MOSFET)として描写されている。しかしながら、他の実装では、トランジスタ221、222、231、232、241及び242の一部又は全部がPチャネルMOSFETであってもよい。他のいくつかの実装では、トランジスタ221、222、231、232、241及び242が、例えばバイポーラトランジスタ、接合型電界効果トランジスタ(JFET)、フィン電界効果トランジスタ(FinFET)等のような任意の可能な3端子及び又は4端子半導体デバイスを含んでいてもよい。更に、トランジスタ221及び222は、第1安全動作電圧範囲を有することがあり、一方で、トランジスタ231、232、241及び242が、第1安全動作電圧範囲と異なる第2安全動作電圧範囲を有することがある。いくつかの実装では、安全動作電圧範囲は、トランジスタの信頼性に悪影響が出たり、損傷を受けたりする前に、トランジスタの2つの端子間(典型的にはソース-ドレイン間)で維持され得る最大電圧差をいう場合がある。トランジスタの安全動作電圧範囲は、トランジスタの寸法、ドープ量及び/又は他のトランジスタパラメータによって決定されることがある。いくつかの実装では、第2安全動作電圧範囲は、第1安全動作電圧範囲の2倍の電圧範囲である場合がある。更に、第1安全動作電圧範囲と第2安全動作電圧範囲とが、いずれもVsupplyよりも低い場合がある。例えば、Vsupplyは、第2安全動作電圧範囲の2倍であり、第1安全動作電圧範囲の4倍である場合がある。
【0029】
図1を参照して議論したように、レシーバ270は、供給電力の一部又は全部を差動出力ドライバ210に供給することがある。例えば、Vsupplyは、抵抗器271及び272を介して差動出力ドライバ210に供給されることがある。Vsupplyは、第1又は第2安全動作電圧範囲よりも高いことがあり、各トランジスタを損傷することがある。いくつかの実装では、第1トランジスタ対220、第2トランジスタ対230及び第3トランジスタ対240が(図2に描写されているように)纏めて直列に結合され、差動出力ドライバ210のトランジスタがVsupplyによって損傷を受けることがないようにバイアスされる。例えば、第1、第2及び第3トランジスタ対220、230及び240の直列配置は、差動出力ドライバ210の個々のトランジスタに現れる電圧を低減する。更に、第2及び第3トランジスタ230及び240に供給されるバイアス電圧は、第1、第2及び第3トランジスタ対220、230及び240を流れる電流を制限し、これにより、差動出力ドライバ210のトランジスタへの電流ダメージを回避することがある。第1、第2及び第3トランジスタ対220、230及び240のこのような配置及び動作は、差動出力ドライバ210における特殊な耐電圧トランジスタ(又は、出力ドライバ210のドレインに接続される単一の従来の特殊な完全耐電圧トランジスタ)の必要性を低減又は無くし、関連する集積回路の複雑性及び/又はコストを低減することがある。一の実装では、バイアス電圧ジェネレータ(簡略化のために図示されない)が、第1バイアス電圧Vbias1、第2バイアス電圧Vbias2及び基板電圧Vbulkを第2トランジスタ対230及び第3トランジスタ対240に供給することがある。Vbias1はトランジスタ231及び232のゲートに供給され、Vbias2はトランジスタ241及び242のゲートに供給され、Vbulkは、トランジスタ231、232、241及び242の基板に供給される。
【0030】
図3は、バイアス電圧ジェネレータ300の簡略化された模式図を図示している。バイアス電圧ジェネレータ300は、抵抗器301~306とトランジスタ310~313とオペアンプ320とを備えていることがある。いくつかの実装では、バイアス電圧ジェネレータ300は、図1の自己バイアス出力段135の少なくとも一部を構成することがある。図3の例では、トランジスタ310~313は、Nチャネルトランジスタとして描写されている。しかしながら、他の実装では、トランジスタ310~313の一部又は全部がPチャネルトランジスタであってもよい。いくつかの実装では、トランジスタ310~313のそれぞれが、第2トランジスタ対230及び第3トランジスタ対240のトランジスタのそれぞれと同一の安全動作電圧範囲を有していてもよい。
【0031】
抵抗器301の第1端子はVoutPを受け取るように結合され、抵抗器301の第2端子はトランジスタ310のドレインに結合される。例えば図2を参照すると、抵抗器301の第1端子は、トランジスタ241のドレインに結合されることがある。同様に、抵抗器302の第1端子はVoutNを受け取るように結合され、抵抗器302の第2端子はトランジスタ310のドレインに結合される。例えば、抵抗器302の第1端子は、トランジスタ242のドレインに結合されることがある。トランジスタ310は、VoutPとVoutNのコモンモード電圧に少なくとも部分的に基づいてドレイン電流ID1を供給する。いくつかの実装では、出力電圧VoutPおよびVoutNは、少なくとも部分的に、図2のレシーバ270によって提供される。したがって、レシーバ270は、また、抵抗器301及び302を介してバイアス電圧ジェネレータ300のための電力の一部または全部を供給することがある。
【0032】
図3の例では、トランジスタ310~313の各々がダイオード接続されており、各トランジスタのゲートとドレインが互いに結合されていることを意味する。例えば、トランジスタ310のゲートがトランジスタ310のドレインに接続され、残りのトランジスタ311~313の各々のゲートとドレインとが同様に接続される。トランジスタ310~313は、更に、互いに直列に結合される。具体的には、トランジスタ310のソースがトランジスタ311のドレインに結合され、トランジスタ311のソースがトランジスタ312のドレインに結合され、トランジスタ312のソースがトランジスタ313のドレインに結合される。
【0033】
抵抗器303の第1端子はLvOutPを受け取るように結合され、抵抗器303の第2端子はトランジスタ313のソースとオペアンプ320の反転入力とに結合される。図2を参照すると、抵抗器303の第1端子は、トランジスタ221のドレインに結合されることがある。同様に、抵抗器304の第1端子はLvOutNに結合され、抵抗器304の第2端子はオペアンプ320の反転入力に結合される。例えば、抵抗器304の第1端子が、トランジスタ222のドレインに結合されることがある。したがって、LvOutPとLvOutNのコモンモード電圧は、オペアンプ320の反転入力に結合される。いくつかの実装では、抵抗器301~304の値が、規格に関連し得る差動出力ドライバ210の電流制限によって、少なくとも部分的に決定され得る。例えば、抵抗器301~304の値は、バイアス電圧ジェネレータ300(これは、差動出力ドライバ210の一部である場合がある)が、HDMI規格のような規格によって規定された最大電流よりも少ない電流を消費するように選択され得る。抵抗器305及び306は、オペアンプ320の非反転入力に基準電圧Vrefを供給するための分圧器を形成する。したがって、抵抗器305及び306の値は、目標基準電圧Vrefに少なくとも部分的に基づいて選択され得る。さらに、抵抗器305及び306の抵抗値を大きくすることで、バイアス電圧ジェネレータ300によって浪費される電流を低減することができる。オペアンプ320は、トランジスタ310~313の基板に供給される電圧Vbulkを出力し、少なくとも部分的にトランジスタ310~313をバイアスするために使用され得る。
【0034】
動作時において、オペアンプ320は、トランジスタ310~313に供給される電圧Vbulkを調整することによって、その反転入力における電圧を(その非反転入力において感知される)Vrefと同じ電圧に駆動しようとする。いくつかの実装において、オペアンプ320は、Vbulkを調整して、トランジスタ310~313を流れるドレイン電流ID1を制御することがある。例えば、オペアンプ320によって供給されるVbulkは、ドレイン電流ID1を制御するための非零電圧であってもよい。一方、従来の実装では、トランジスタ310~313の基板を接地またはゼロボルトに結合することがある。ドレイン電流ID1を変更することで、トランジスタ313のソースとオペアンプ320の反転入力の電圧も変更することができる。
【0035】
上述したように、オペアンプ320は、その反転入力の電圧をVrefと同電圧に駆動しようとする。これにより、(トランジスタ231及び232によって供給される)LvOutP及びLvOutNのコモンモード電圧がVrefとほぼ等しくなる場合がある。例えば図2を参照すると、基準電圧Vrefは、(トランジスタ231及び232に結合された)トランジスタ221及び222のドレインの電圧を、これらのトランジスタが飽和モードで動作するような各レベルに維持するように設定される場合がある。トランジスタ221、222を飽和モードで動作させることは、差動出力ドライバ210のシグナリングエラーを低減する場合がある。
【0036】
トランジスタ310のドレインの電圧は、VoutP及びVoutN(これはVsupplyに依存する)によって決定されることがあり、トランジスタ313のソースの電圧は、Vrefによって決定されることがある。VsupplyおよびVrefは予め決められていることがあるので、トランジスタ310~313に印加される電圧も、既知であることがある。トランジスタ310~313に印加される既知の電圧差Vsupply-Vrefが与えられると、バイアス電圧発生器300は、トランジスタ221、222、231、232、241、242、及び310~313をそれぞれの安全動作電圧範囲内で動作させるバイアス電圧(Vbias1、Vbias2、およびVbulk)を発生するように構成され得る。いくつかの実装では、電圧差Vsupply-Vrefは、第1及び第2の安全動作電圧よりも大きい場合がある。
【0037】
第1バイアス電圧Vbias1はトランジスタ312のソースによって供給され、第2バイアス電圧Vbias2はトランジスタ310のソースによって供給される。いくつかの実装では、トランジスタ310~313が類似の動作特性を有することがある。その結果、各トランジスタ310~313は同じ電流ID1を流すので、各トランジスタは類似のドレイン-ソース間電圧(VDS)を有することになろう。従って、Vbias1はVref+VDSにほぼ等しく、Vbias2はVref+3VDSにほぼ等しい。従って、Vbias2はVbias1より大きい。
【0038】
図4は、可変抵抗器400のブロック図である。いくつかの実装では、可変抵抗器400が図2の可変抵抗器250の一例である場合がある。したがって、可変抵抗器400の端子401がトランジスタ241のドレインに結合されることがあり、可変抵抗器400の端子402がトランジスタ242のドレインに結合されることがある。いくつかの実装では、可変抵抗器400が、例えば、HDMIリンク265の終端抵抗器であってもよい。したがって、可変抵抗器400の値は、差動出力ドライバ210又はHDMIリンク265に関連するインピーダンス特性に基づくことがある。例えば、差動出力ドライバ210が100オームの差動インピーダンスを有するリンクに結合される場合、可変抵抗器400は、差動出力ドライバ210がHDMIリンク265に100オームの差動インピーダンスを提供するように構成され得る。
【0039】
可変抵抗器400は、複数(N個)のスイッチ可能抵抗器410(1)~410(N)とコントローラ420を含む。各スイッチ可能抵抗器410(1)~410(N)は、可変抵抗器400の端子401と端子402の間に結合可能である。例えば、スイッチ可能抵抗器410(1)の第1端子411(1)が端子401に結合されることがあり、スイッチ可能抵抗器410(1)の第2端子412(1)が端子402に結合されることがある。各スイッチ可能抵抗器410(1)~410(N)は、異なる抵抗値を有し、コントローラ420によって制御(例えば、イネーブルに)されることがある。あるスイッチ可能抵抗器(例えば、410(1)~410(N)のうちの1つ)がイネーブルになると、イネーブルになったスイッチ可能抵抗器に対応する抵抗値が端子401と402の間に結合される。逆に、あるスイッチ可能抵抗器がイネーブルでない場合、イネーブルでないスイッチ可能抵抗器に対応する抵抗値は端子401と402の間に結合されない。
【0040】
図5は、スイッチ可能抵抗器500の簡略化した模式図である。いくつかの実装では、スイッチ可能抵抗器500は、図4のスイッチ可能抵抗器410(1)~410(N)のうちのいずれかの一例であってもよい。スイッチ可能抵抗器500は、抵抗器501~506、トランジスタ510~519、パストランジスタ530及び電流源540を備えることがある。トランジスタ510、511及び516~519の各々は、図2のトランジスタ221及び222と(例えば、安全動作電圧範囲に関して)類似していることがある。トランジスタ512~515の各々は、図2のトランジスタ231、232、241及び242と(例えば、安全動作電圧範囲に関して)類似していることがある。いくつかの態様において、トランジスタ510、511及び516~519は第1安全動作電圧範囲を有することがあり、トランジスタ512~515は第2安全動作電圧範囲を有することがある。例えば図2を参照すると、スイッチ可能抵抗器500の端子550及び551は、それぞれトランジスタ241及びトランジスタ242のドレインに結合されることがある。例えば、端子550が端子411(1)~411(N)のいずれかに対応することがあり、端子551が端子412(1)~412(N)のいずれかに対応することがある。
【0041】
抵抗器503は、端子550とトランジスタ510のドレインとの間に結合されている。同様に、抵抗器504は、端子551とトランジスタ511のドレインとの間に結合されている。抵抗器503及び504は、トランジスタ510及び511を含む第4トランジスタ対560によってスイッチング可能にイネーブルにされることがある終端抵抗器として機能することがある。例えば、トランジスタ510及び511がイネーブル(例えば、導通状態)である場合、抵抗器503及び504が共通に結合され、端子550及び551間の終端抵抗器として動作する。一方、トランジスタ510及び511がイネーブルにされない場合、抵抗器503及び504は、トランジスタ510及び511の高インピーダンスによって互いに効果的に切り離され、従って、端子550及び551間で終端抵抗器がイネーブルにされない。
【0042】
スイッチ可能抵抗器500の残りの構成要素は、トランジスタ510及び511の動作を制御するために使用されることがある。例えば、抵抗器501が端子550とノードAとの間に結合され、抵抗器502がノードAと端子551との間に結合されることがある。このようにして、ノードAには、トランジスタ241及び242のドレインによってそれぞれに提供されるVoutP及びVoutNのコモンモード電圧が現れることがある。抵抗器501および502の値は、スイッチ可能抵抗器500(これは差動出力ドライバ210の一部であることがある)が、規格で規定された最大電流よりも少ない電流を消費するように選択されることがある。抵抗器505は、ノードAとトランジスタ510のゲート(及びトランジスタ512のドレイン)の間に結合されることがある。抵抗器506は、ノードAとトランジスタ511のゲート(及びトランジスタ513のドレイン)との間に結合され得る。抵抗器505及び506の値は、トランジスタ510及び511が確実に制御され得るように選択されることがある。ノードAの電圧は、トランジスタ512及び513のドレインを介してトランジスタ512~517に少なくとも部分的に電力を供給することができる。
【0043】
トランジスタ512のソースはトランジスタ514のドレインに結合され、トランジスタ514のソースはトランジスタ516のドレインに結合される。同様に、トランジスタ513のソースはトランジスタ515のドレインに結合され、トランジスタ515のソースはトランジスタ517のドレインに結合される。トランジスタ512及び513のゲートはVbias2を受け取るように構成され、トランジスタ514及び515のゲートはVbias1を受け取るように構成される。トランジスタ512~515の基板は、Vbulkを受け取るように構成される。Vbias1、Vbias2及びVbulkは、トランジスタ512~515を少なくとも部分的にバイアスすることがある。Vbias1、Vbias2及びVbulkは、バイアス電圧発生器300(簡略化のため図示せず)によって供給されることがある。
【0044】
スイッチ可能抵抗器500は、端子550及び551に関する差動スイッチ可能抵抗器として図示されている。当業者は、抵抗器501~506とトランジスタ510~517とが、ノードAと電圧Vbulkについて対称な差動回路を形成していると認識するであろう。したがって、ノードA及び電圧Vbulkは、第2グループのデバイス(例えば、抵抗器502、504及び506、並びに、トランジスタ511、513、515及び517)に対して、第1グループのデバイス(例えば、抵抗器501、503及び505、並びに、トランジスタ510、512、514及び516)の独立動作を可能にする仮想接地基準点として作動することがある。いくつかの実装では、シングルエンドのスイッチ可能抵抗器を、第1又は第2グループのいずれかのデバイスを用いて実装することができる。
【0045】
電流源540は、パストランジスタ530に順に結合されるトランジスタ519のドレイン及びゲートに結合される。パストランジスタ530は、CNTL、/CNTL信号により制御される。/CNTL信号は、トランジスタ518のゲートにも結合される。スイッチ可能抵抗器500をディスエーブルにするためには、/CNTLがハイに駆動され、CNTLがローに駆動されてパストランジスタ530をオフにし、トランジスタ518がトランジスタ516及び517のゲートを低電圧に駆動するようにする。トランジスタ516、517のゲートがローの場合、トランジスタ516、517はオフとなり、次にトランジスタ512~515に電流が流れないようになる。その結果、トランジスタ510、511はオフとなり、抵抗器503、504が分離される。
【0046】
一方、CNTLがハイで/CNTLがローの場合、トランジスタ518はオフになってパストランジスタ530はイネーブルになり、電流源540からの電圧及び/又は電流でトランジスタ516及び517のゲートをバイアスすることができる。電流源540からの電圧及び/又は電流は、トランジスタ516及び517がトランジスタ512~515を介して電流を引き出し、トランジスタ510及び511をオンにし、これにより抵抗器503を抵抗器504に結合させることを可能にする。その結果、抵抗器503及び504によって形成される終端抵抗器が、端子550及び551に結合される。
【0047】
トランジスタ512~515は、Vsupplyと接地に関し、トランジスタ231、232、241、242と同様に配置され、トランジスタ516及び517は、トランジスタ221、222と同様に配置される。このため、バイアス電圧Vbias1、Vbias2及び基板電圧Vbulkは、トランジスタ512~515をバイアスするために「再利用」されることがある。したがって、トランジスタ231、232、241及び242と同様に、トランジスタ512~515は、それぞれの安全動作電圧範囲を超える電圧にさらされることから保護されることがある。
【0048】
当業者は、情報及び信号が、様々な異なる技術及び技法の任意のものを用いて表現され得ると理解するであろう。例えば、上述の説明全体を通じて参照されたかもしれないデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場又は磁気的粒子、光学場又は光学的粒子、又は、これらの任意の組み合わせによって表現されることがある。
【0049】
上述の明細書において、実施形態は、その具体的な例を参照して説明された。しかしながら、添付の特許請求の範囲に提示されているような開示のより広い範囲から乖離することなく様々な修正及び変更が実施形態になされ得ることは明らかであろう。したがって、明細書と図面は、限定的な意味というよりも例示的な意味で評価されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】