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特表2023-550326医療廃棄物収集システムによる失血の定量化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】医療廃棄物収集システムによる失血の定量化
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A61M1/00 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528333
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 US2021058891
(87)【国際公開番号】W WO2022103912
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/112,382
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ファウル,スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】ファンデルワウデ,ブライアン・ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】マクラクラン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】バックリー,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ラデューク,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ヌーナン,ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ゾリンジャー,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077HH06
4C077JJ03
4C077JJ16
(57)【要約】
マニホールドが取外し可能に連結されたレシーバを含む医療廃棄物収集システムを用いて失血を定量化すること。マニホールド及び/又は医療廃棄物収集システムは、流体中の血液濃度を示す特性を検出するセンサアセンブリを有する流体特性評価モジュールと連結される。センサアセンブリは、エミッタと、吸引経路又は検出窓内の流体によって透過及び散乱した光を検出するセンサとを含むことができる。第1のエミッタは可視光LEDとすることができ、第2のエミッタは赤外LEDとすることができる。流体方向付け部材は、マニホールド内に蛇行経路を提供し、流体中の気体及び液体の分離を容易にすることができる。失血体積を定量化することは、流体中の血液濃度を判定することと、収集された流体の体積を判定することとを含むことができる。センサの利得は、収集された流体の透過率に基づいて調整することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空源を含む医療廃棄物収集システムのマニホールドレシーバに取外し可能に挿入されるように構成された、流体中の血液を定量化するマニホールドであって、
本体部と、前記本体部から延在し、出口開口部を画定するリムを備える第1の脚部と、前記本体部から延在し、空隙を画定するように前記第1の脚部から離間した第2の脚部と、前記真空源からの真空の影響下で該マニホールドを通して前記流体を引き込む吸引管と取外し可能に連結されるように構成された入口継手とを備える、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたフィルタ要素と、
を備え、
前記ハウジングの少なくとも一部は、光学的に透明であり、光学センサアセンブリのエミッタと検出器との間に配置されるように構成された検出窓を備える、マニホールド。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第1の脚部と前記第2の脚部とを備えるトランクと、前記トランクに連結され、前記入口継手を備えるヘッドとを更に備え、前記ヘッドは前記検出窓を備える、請求項1に記載のマニホールド。
【請求項3】
前記ハウジングは、マニホールド容積部を画定し、前記マニホールド容積部の下方に液溜め部を画定する突出部を更に備え、前記突出部は前記検出窓を備える、請求項1又は2に記載のマニホールド。
【請求項4】
前記突出部は、前記光学センサアセンブリを含む流体特性評価モジュールに取外し可能に連結されるように構成された連結特徴部を備える、請求項3に記載のマニホールド。
【請求項5】
前記連結特徴部は、前記流体特性評価モジュールのスロットに摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つのレールを備える、請求項4に記載のマニホールド。
【請求項6】
前記突出部は、1インチの4分の3以下の幅を有する、請求項3~5のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項7】
前記フィルタ要素は、前記マニホールド容積部内に配置された第1のフィルタ要素であり、前記マニホールドは、前記液溜め部内に配置された第2のフィルタ要素を更に備える、請求項3~5のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項8】
前記液溜め部の基部の近くに配置された第1の端部と、前記マニホールド容積部内に配置された第2の端部とを備える、ストローを更に備える、請求項7に記載のマニホールド。
【請求項9】
前記ストローは、前記第2のフィルタ要素を通って延在する、請求項8に記載のマニホールド。
【請求項10】
前記ハウジング内に配置された流体方向付け部材を更に備え、前記流体方向付け部材は、前記マニホールド内の前記流体に蛇行経路を提供するように構成された幾何学形状を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項11】
前記流体方向付け部材は、前記検出窓の上方に位置決めされ、前記流体中の気体が前記流体中の液体から分離する間に前記ハウジング内の前記流体の蓄積を容易にするように構成された液体入口を画定する障壁を備える、請求項10に記載のマニホールド。
【請求項12】
前記流体方向付け部材は、前記液体入口の上方に位置決めされた気体入口を更に画定する、請求項11に記載のマニホールド。
【請求項13】
前記流体方向付け部材は、前記液体入口及び前記気体入口のそれぞれと連通する流体出口を更に画定する、請求項12に記載のマニホールド。
【請求項14】
前記フィルタ要素は、前記流体方向付け部材に対して前記出口開口部のより近くに配置される、請求項10~13のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項15】
前記流体方向付け部材は、前記フィルタ要素に対して前記出口開口部のより近くに配置される、請求項10~14のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項16】
真空源を含む医療廃棄物収集システムのマニホールドレシーバに取外し可能に挿入されるように構成された、流体中の血液を定量化するマニホールドであって、
出口開口部を画定するリムと、前記真空源からの真空の影響下で該マニホールドを通して前記流体を引き込む吸引管と取外し可能に連結されるように構成された入口継手とを備えるハウジングであって、該ハウジングの少なくとも一部は、光学的に透明であり、光学センサアセンブリのエミッタと検出器との間に位置決めされるように構成された検出窓を備える、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたフィルタ要素と、
前記ハウジング内に配置され、前記マニホールド内の前記流体に蛇行経路を提供するように構成された幾何学形状を備える流体方向付け部材と、
を備える、マニホールド。
【請求項17】
前記蛇行経路は、前記流体の流れを近位方向から遠位方向に変化させることを含む、請求項16に記載のマニホールド。
【請求項18】
前記フィルタ要素は、前記流体が前記検出窓に遭遇する前に前記フィルタ要素によってフィルタリングされるように、前記流体方向付け部材に対して前記入口継手のより近くに位置決めされる、請求項16又は17に記載のマニホールド。
【請求項19】
前記流体方向付け部材は、液体入口と、前記液体入口の上方に位置決めされた気体入口と、前記液体入口及び前記気体入口のそれぞれと連通する流体出口とを画定する、請求項16~18のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項20】
前記流体方向付け部材は、前記入口継手から前記マニホールドに入る前記流体の乱流を制限するように構成された、前記入口継手の近位に位置決めされた第1の障壁を備える、請求項19に記載のマニホールド。
【請求項21】
前記流体方向付け部材は、前記液体入口を画定する第2の障壁を更に備え、該第2の障壁は、前記流体中の気体が前記流体中の液体から分離する間に前記ハウジング内での前記流体の蓄積を容易にするようにサイズ決めされた前記液体入口を画定する、請求項20に記載のマニホールド。
【請求項22】
前記ハウジングは液溜め部を画定し、前記流体方向付け部材は、前記液溜め部の基部の近くに配置され、前記液体入口を画定する第1の端部と、前記液溜め部の頂部の近くに配置された第2の端部とを備える、ストローを備える、請求項19~21のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項23】
前記フィルタ要素は、第1のフィルタ要素であり、前記マニホールドは、前記液溜め部内に配置された第2のフィルタ要素を更に備える、請求項22に記載のマニホールド。
【請求項24】
前記ストローは、前記第2のフィルタ要素を通って延在する、請求項23に記載のマニホールド。
【請求項25】
前記ハウジングは、液溜め部を画定し、前記検出窓を備える突出部を備え、前記流体方向付け部材は、前記液溜め部と連通する中央又は側方チャネルを更に画定する、請求項16~24のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項26】
真空源を含む医療廃棄物収集システムのマニホールドレシーバに取外し可能に挿入されるように構成された、流体中の血液を定量化するマニホールドであって、
マニホールド容積部を画定し、出口開口部を画定するリムと、吸引管と取外し可能に連結されるように構成された入口継手と、前記マニホールド容積部の下方に液溜め部を画定する突出部とを備えるハウジングであって、前記突出部の少なくとも一部は、光学的に透明であり、光学センサアセンブリのエミッタと検出器との間に位置決めされるように構成された検出窓を備える、ハウジングと、
前記マニホールド容積部内に配置されたフィルタ要素と、
を備える、マニホールド。
【請求項27】
前記フィルタ要素は、前記検出窓に対して前記出口開口部のより近くに配置される、請求項26に記載のマニホールド。
【請求項28】
前記検出窓は、前記フィルタ要素に対して前記出口開口部のより近くに配置される、請求項26に記載のマニホールド。
【請求項29】
前記突出部は、前記光学センサアセンブリを含む流体特性評価モジュールに取外し可能に連結されるように構成された連結特徴部を備える、請求項26~28のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項30】
前記連結特徴部は、前記流体特性評価モジュールのスロットに摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つのレールを備える、請求項29に記載のマニホールド。
【請求項31】
前記液溜め部内に配置された第2のフィルタ要素を更に備える、請求項26~30のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項32】
前記液溜め部の基部の近くに配置された第1の端部と、前記マニホールド容積部内に配置された第2の端部とを備える、ストローを更に備える、請求項31に記載のマニホールド。
【請求項33】
前記ストローは、前記第2のフィルタ要素を通って延在する、請求項32に記載のマニホールド。
【請求項34】
前記液溜め部の上方に位置決めされ、前記流体中の気体が前記流体中の液体から分離する間に前記マニホールド容積部内の前記流体の蓄積を容易にするように構成された障壁を備える、流体方向付け部材を更に備える、請求項26~33のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項35】
前記流体方向付け部材は、前記液溜め部と連通する液体入口と、前記障壁の上方に位置決めされた気体入口とを画定する、請求項34に記載のマニホールド。
【請求項36】
真空源を含む医療廃棄物収集システムのマニホールドレシーバに取外し可能に挿入されるように構成された、流体中の血液を定量化するマニホールドであって、
本体部と、前記本体部から延在し、出口開口部を画定するリムを備える第1の脚部と、前記本体部から延在し、空隙を画定するように前記第1の脚部から離間した第2の脚部と、前記真空源からの真空の影響下で前記マニホールドを通して前記流体を引き込む吸引管と取外し可能に連結されるように構成された入口継手とを備える、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたフィルタ要素と、
を備え、
前記第1の脚部の少なくとも一部は、光学的に透明であり、光学センサアセンブリのエミッタと検出器との間に位置決めされるように構成された検出窓を備える、マニホールド。
【請求項37】
真空源を含む医療廃棄物収集システムのマニホールドレシーバに取外し可能に挿入されるように構成された、流体中の血液を定量化するマニホールドであって、
本体部と、前記本体部から延在し、出口開口部を画定するリムを備える第1の脚部と、前記本体部から延在し、空隙を画定するように前記第1の脚部から離間した第2の脚部と、エミッタと検出器とを含む光学センサアセンブリを摺動可能に受けるように構成されたアクセサリスリーブを画定するヘッドと、前記ヘッド上に配置され、前記真空源からの真空の影響下で前記マニホールドを通して前記流体を引き込む吸引管と取外し可能に連結されるように構成された入口継手とを備える、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたフィルタ要素と、
を備え、
前記アクセサリスリーブの少なくとも一部は、光学的に透明であり、前記エミッタと前記検出器との間に位置決めされるように構成された検出窓を備える、マニホールド。
【請求項38】
流体中の血液を定量化するアセンブリであって、
請求項37に記載のマニホールドと、
請求項37に記載の光学センサアセンブリを備える流体特性評価モジュールであって、前記アクセサリスリーブ内に摺動可能に挿入されるように構成される、流体特性評価モジュールと、
を備える、アセンブリ。
【請求項39】
前記流体特性評価モジュールは、前記光学センサアセンブリに電力を供給するように構成された再充電可能なバッテリ、及び前記医療廃棄物収集システムのレシーバ又は別の電子装置に信号を無線で送信するように構成された通信モジュールのうちの少なくとも一方を更に備える、請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項40】
前記ハウジング上に配置され、前記マニホールドが失血を定量化するために前記光学センサアセンブリとともに使用するタイプのものであると示すデータを記憶するメモリを備える、無線周波数識別(RFID)タグを更に備える、請求項1~37のいずれか一項に記載のマニホールド。
【請求項41】
失血を定量化する医療廃棄物収集システムであって、
廃棄物容器と、
流体の吸引経路を生成するために前記廃棄物容器に真空を提供するように構成された真空源と、
前記真空源と連通し、マニホールドが取外し可能に挿入されるように構成された開口部を画定するレシーバと、
前記マニホールドに動作可能に連結されるように構成された光学センサアセンブリを備える流体特性評価モジュールと、
前記光学センサアセンブリと通信するプロセッサであって、
前記光学センサアセンブリから血液濃度信号を受信することと、
前記流体中の血液の濃度を判定することと、
を行うように構成されたプロセッサと、
を備える、医療廃棄物収集システム。
【請求項42】
前記廃棄物容器に連結され、前記プロセッサと通信する流体測定アセンブリであって、前記廃棄物容器内に収集された前記流体のレベルを測定するように構成される、流体測定アセンブリを更に備え、前記プロセッサは、
前記流体測定アセンブリから流体体積信号を受信することと、
収集された流体の体積を前記流体体積信号から判定することと、
前記判定された血液の濃度及び前記判定された収集された流体の体積から失血の体積を判定することと、
を行うように更に構成される、請求項41に記載の医療廃棄物収集システム。
【請求項43】
前記プロセッサと通信する流量センサであって、収集された前記流体の流量を測定するように構成される、流量センサを更に備え、前記プロセッサは、
前記流量センサから流量信号を受信することと、
収集された流体の体積を前記流量信号から判定することと、
前記判定された血液の濃度及び前記判定された収集された流体の体積から失血の体積を判定することと、
を行うように更に構成される、請求項41に記載の医療廃棄物収集システム。
【請求項44】
プロセッサと、第1の光検出器と、第2の光検出器とを含む医療廃棄物収集システムの流体の吸引経路内の血液の濃度を判定する方法であって、
前記プロセッサを用いて、第1の波長で前記流体を透過した光を示す、前記第1の光検出器からの第1の透過測定値を受信するステップと、
前記プロセッサを用いて、第2の波長で放出されて前記流体によって散乱した光を示す、前記第1の光検出器からの第1の散乱測定値を受信するステップと、
前記プロセッサを用いて、第2の波長で前記流体を透過した前記光を示す、前記第2の光検出器からの第2の透過測定値を受信するステップと、
前記プロセッサを用いて、第1の波長で放出されて前記流体によって散乱した前記光を示す、前記第2の光検出器からの第2の散乱測定値を受信するステップと、
前記プロセッサを用いて、前記第1の透過測定値、前記第1の散乱測定値、前記第2の透過測定値、及び前記第2の散乱測定値に基づいて、前記吸引経路内の前記血液の濃度を判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項45】
前記医療廃棄物収集システムは、第1の発光ダイオード(LED)と第2のLEDとを更に含み、前記方法は、前記第1のLEDから前記第1の波長の前記光を放出することと、前記第2のLEDから前記第2の波長の前記光を放出することとを更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記プロセッサを用いて、流体レベルを示す流体レベル信号を受信することと、
前記流体レベル信号に基づいて流体体積を判定することと、
前記判定された流体体積及び前記判定された血液の濃度に基づいて失血の体積を判定することと、
を更に含む、請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
請求項44~46のいずれか一項に記載の方法を実行するために前記プロセッサ上で実行される、コンピュータプログラム製品。
【請求項48】
廃棄物容器と、吸引下で前記廃棄物容器内に流体を収集するように構成された真空源と、光学センサアセンブリと、前記光学センサアセンブリからの信号に基づいて前記流体中の血液濃度を判定し、吸引された失血の体積を前記判定された血液濃度に基づいて更に判定するように構成されたプロセッサとを備える、医療廃棄物収集システムと、
吸収された失血のパラメータを判定するように構成されたスポンジシステムと、
前記医療廃棄物収集システム及び前記スポンジシステムと電子通信するユーザインタフェースと、
を備え、
前記プロセッサは、前記判定された吸引された失血の体積及び吸収された血液の前記パラメータに基づいて、総失血を計算するように構成され、前記ユーザインタフェースは、前記総失血を表示するように構成される、血液管理システム。
【請求項49】
前記医療廃棄物収集システムは、前記プロセッサと通信し、前記廃棄物容器内に収集された前記流体のレベルを測定するように構成された流体測定アセンブリを更に備え、前記プロセッサは、吸引された流体の体積を判定し、前記吸引された流体の前記判定された体積及び前記判定された血液濃度に基づいて、前記吸引された失血の体積を判定するように更に構成される、請求項48に記載の血液管理システム。
【請求項50】
吸引経路を通過する流体の特性を検出するように構成され、前記特性は前記流体中の血液濃度を示す、流体特性評価モジュールであって、
前記吸引経路の一部を画定するように構成されたモジュールハウジングと、
前記モジュールハウジングに連結され、前記吸引経路の第1の側から第1の波長の光を放出するように構成された第1のエミッタであって、750ナノメートル~850ナノメートルの範囲内の前記第1の波長の光を放出するように構成された赤外LEDである、第1のエミッタと、
前記モジュールハウジングに連結され、前記第1の側とは反対側の前記吸引経路の第2の側から第2の波長の光を放出するように構成された第2のエミッタであって、490ナノメートル~590ナノメートルの範囲内の前記第2の波長の光を放出するように構成された可視光LEDである、第2のエミッタと、
前記モジュールハウジングに連結され、前記第1のエミッタから放出されて前記吸引経路を通して透過した光を検出するように構成された第1のセンサと、
前記モジュールハウジングに連結され、前記第2のエミッタから放出されて前記吸引経路を通して透過した光を検出するように構成された第2のセンサと、
を備える、流体特性評価モジュール。
【請求項51】
前記第1のセンサは、前記第2のエミッタから放出されて前記吸引経路によって散乱した光を検出するように更に構成され、前記第2のセンサは、前記第1のエミッタから放出されて前記吸引経路によって散乱した光を検出するように更に構成される、請求項50に記載の流体特性評価モジュール。
【請求項52】
前記モジュールハウジングに連結され、前記第1のエミッタから放出されて前記吸引経路によって散乱した光を検出するように構成された第3のセンサと、
前記モジュールハウジングに連結され、前記第2のエミッタから放出されて前記吸引経路によって散乱した光を検出するように構成された第4のセンサと、
を更に備える、請求項50又は51に記載の流体特性評価モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2020年11月11日に出願された米国仮特許出願第63/112,382号の優先権及び全ての利益を主張するものであり、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0002】
一部の外科的処置の副生成物として、液体、半固体、及び/又は固体の廃棄物材料が生じる。液体の廃棄物材料は、手術部位における体液及び灌注溶液(複数の場合もある)を含む場合があり、固体及び半固体の廃棄物材料は、組織の破片及び外科用材料(複数の場合もある)の小片を含む場合がある。医療廃棄物は、その相にかかわらず、手術部位を汚染することなく、また、処置が行われているメディカルスイート(medical suite)に生物学的危害をもたらすことなく収集されることが好ましい。
【0003】
医療廃棄物は、医療廃棄物収集システムによって提供される真空の影響下で吸引管を通して手術部位から除去することができる。1つの例示的な医療廃棄物収集システムは、Stryker Corporation(ミシガン州カラマズー)によってNeptuneの商品名で販売されており、医療廃棄物収集システムの或る特定のバージョンは、本出願人が共通して所有する2005年8月4日に公開された米国特許出願公開第2005/0171495号、2007年6月21日に公開された国際公開第2007/070570号、及び2014年5月1日に公開された国際公開第2014/066337号に開示されており、それぞれの内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。吸引管が医療廃棄物収集システムと接続することを容易にするマニホールドを提供することができる。マニホールドは使い捨て可能とすることができる。
【0004】
収集された液体の廃棄物材料は、血液を含む場合があり、血液は、間質液、粘液等の他の体液とともに吸引経路内に存在し得る。患者の健康状態を監視するために、手術中の失血の判定を利用する場合がある。過剰な失血は外科的合併症を示し得るものであり、失血の判定により、輸血の必要性を評価することが容易になる。特に関心の対象となるのが出産であり、産科異常出血が母体罹病の主な原因となっており、米国における母体死亡の11パーセントが分娩後出血によるものであると報告されている。産科異常出血をより早期に検出することで、母体罹病率を有意に低下させることができる。特に分娩後出血が懸念される経膣分娩及び帝王切開分娩において、失血を定量化する方法及びツールの使用率及び精度を高めることが、臨床医及び管理機関の間で推進されつつある。
【0005】
吸収性物品(例えば、スポンジ、手術用ガウン、寝具、又はドレープ)の目視評価、計量器を使用した吸収性物品の測定、及び/又は手術台の下の目盛り付き収集容器によって、手術中の失血を推定することが知られている。付加的又は代替的に、失血の推定は、手術部位から吸引された後の廃棄物容器内の血液及び非血液混合物の色を目視で観察することを含む場合がある。
【0006】
前述の方法は、準最適な精度を提供し得るものであり、前述の方法を用いた場合、失血の判定と失血自体との間に相当な遅延が存在し得る。したがって、外科処置中の失血を正確かつ迅速に定量化する、改善されたシステム、装置、及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
発明の概要の効果を制限することなく、特許請求の範囲、及び本明細書に含まれる項目によって定義される本発明の範囲により、本開示は、医療廃棄物収集システム及び/又はマニホールドを用いて定量的失血分析を行うことに関する。医療廃棄物収集システムは、廃棄物材料を収集及び貯蔵する廃棄物容積部を画定する少なくとも1つの廃棄物容器を含む。真空源は、廃棄物容器に対して吸引を行うように構成される。制御パネルは、プロセッサを含むコントローラと通信する。コントローラは、真空レギュレータを動作させて廃棄物容器内の真空レベルを調整するように構成される。医療廃棄物収集システムは、マニホールドの少なくとも一部を取外し可能に受けるようにサイズ決めされた少なくとも1つのレシーバを含む。
【0008】
流体特性評価モジュールは、吸引の影響下で医療廃棄物収集システムを通して引き出される流体中の血液の濃度を定量化することを容易にするように構成される。流体特性評価モジュールは、センサアセンブリを含み、モジュールハウジングを更に含むことができる。流体特性評価モジュールは、自由浮動式であってドングルに連結することができるか、又はレシーバと一体化することができる。センサアセンブリは、エミッタ(複数の場合もある)とセンサ(複数の場合もある)とを含む。エミッタは、エネルギーを放出するように構成され、センサは、放出されたエネルギーを検出するように構成される。エミッタは発光ダイオード(LED)とすることができ、センサは光検出器とすることができる。エミッタ及びセンサは、検出窓に対向して位置決めされるように構成することができる。第1のエミッタは赤外LEDとすることができ、第2のエミッタは可視光LEDとすることができる。赤外LEDは、約700ナノメートル(nm)~1000nmの範囲内、より具体的には750nm~850nmの範囲内、更により具体的には770nm~810nmの範囲内の波長を有する光を放出するように構成することができる。可視光LEDは、約400nm~600nmの範囲内、より具体的には550nm~600nmの範囲内、更により具体的には570nm~580nmの範囲内の波長を有する光を放出するように構成することができる。可視光LEDは、緑色LEDとすることができる。センサは、放出された光、より具体的には、検出窓を通過する流体を通して透過又は散乱した後の光を検出する。透過光又は散乱光の検出された強度は、流体の透過率、不透明度、及び/又は他の物理的特性を示し得る。4つの測定値、すなわち、透過光の2つの測定値及び散乱光の2つの測定値は、検出窓を通過する流体の血液の濃度を判定するアルゴリズムを実行するためにプロセッサに提供される値である。
【0009】
マニホールドは、マニホールド容積部を画定するハウジングを含む。マニホールドは、協働してマニホールド容積部を画定する、トランクに連結されたヘッドを含むことができる。ヘッドは、少なくとも1つの吸引管を取外し可能に受けるように構成された入口継手を含むことができる。トランクは、マニホールド容積部及び入口継手と流体連通する出口開口部を画定することができる。シールは、ハウジングに連結し、出口開口部を覆うようにサイズ決めすることができる。フィルタ要素は、マニホールド容積部内に配置することができる。出口開口部は、マニホールドの長手方向軸からオフセットすることができ、医療廃棄物収集システムの回転可能弁の弁駆動部として機能するように構成することができる。マニホールドは、本体部と、本体部から近位方向に延在する第1の脚部及び/又は第2の脚部とを含むことができる。第1の脚部及び第2の脚部は、空隙によって互いに離間させることができる。マニホールドは、アーム、ロック要素、スパイン、及び/又はキャッチを含むことができる。リムは、第1の脚部上に配置することができ、出口開口部を画定することができる。アームは、それぞれ、リムの遠位に位置決めされた近位方向に向けられた面を含む。キャッチの遠位方向に向けられた面は、リムの近位に位置決めすることができ、アームの近位方向に向けられた面の近位に位置決めすることができる。スパインの近位方向に向けられた面は、リムの遠位に位置決めすることができ、キャッチの遠位方向に向けられた面の遠位に位置決めすることができ、アームの近位方向に向けられた面の遠位に位置決めすることができる。ロック要素の遠位方向に向けられた面は、リムの遠位に位置決めすることができ、キャッチの遠位方向に向けられた面の遠位に位置決めすることができ、アームの近位方向に向けられた面の遠位に位置決めすることができ、スパインの近位方向に向けられた面の遠位に位置決めすることができる。マニホールドの全ての内部特徴部は、オフセット出口開口部を有するトランク、又は第1の脚部及び第2の脚部を有するトランクに含むことができる。
【0010】
マニホールドのハウジングの少なくとも一部は、光学的に透明であり、検出窓を画定する。検出窓は、センサアセンブリのエミッタ及びセンサに隣接して、又はそれらの間に位置決めされるように構成される。センサアセンブリのエミッタ及びセンサは、検出窓を通過する流体の光学特性を検出するように構成される。検出窓を画定するハウジングの一部は、透明な材料から形成することができる。マニホールドは、突出部を含むことができる。突出部は、ヘッド上に配置され、近位から遠位の方向に長手方向に延在することができる。突出部は、流体特性評価モジュールのモジュールハウジングと係合するように構成された連結特徴部を含むことができる。連結特徴部は、モジュールハウジングによって画定されたスロットによって摺動可能に位置決めされるようにサイズ決めされたレールとすることができる。突出部は、流体特性評価モジュールが透過光及び散乱光を測定する前に、流体中の気体が流体中の液体から分離することを容易にするように構成された液溜め部を画定することができる。液溜め部は、マニホールド容積部の下方に位置決めすることができる。液溜め部内の流体の蓄積は、気体が液体から分離することができる短い期間を提供する。
【0011】
マニホールドは、ハウジング内に配置された流体方向付け部材を更に含むことができる。流体方向付け部材は、マニホールド内の流体に蛇行経路を提供するように構成された様々な幾何学形状を含む。流体方向付け部材は、マニホールド容積部内に配置され、ヘッド内に少なくとも部分的に配置することができる。幾何学形状は、ハウジングの内部幾何学形状と協働し、流体流路、液体流路、及び気体流路を画定することができる。気体流路は、マニホールドの上面の近くに位置決めすることができ、液体流路は、マニホールドの下面の近くに位置決めすることができる。液体流路は、検出窓を含む液溜め部によって少なくとも部分的に画定することができる。流体方向付け部材は、第1の障壁と第2の障壁とを含み、気体入口、気体チャネル、液体チャネル、及び流体出口を画定することができる。第2の障壁及びマニホールドのハウジングは、協働して、マニホールド容積部と液溜め部との間に液体入口を画定することができる。第1の障壁は、入口継手を通ってマニホールドに入る流体に蛇行経路を与えるように構成される。分離された気体は、気体チャネル及び流体出口を通って吸引され、フィルタ要素及び出口開口部を通過する。分離された液体は、医療廃棄物収集システムによって提供される真空から液体入口を通して同時に吸引することができる。分離された液体は、検出窓と、液体チャネルと、流体出口とを含む液溜め部を通して更に吸引することができる。液体流路及び気体流路は、流体出口の前に接合することができる。
【0012】
流体方向付け部材は、フィルタ要素の近位に位置決めすることができる。流体方向付け部材は、検出窓を画定することができる。流体特性評価モジュールは、マニホールド内に配置することができる。流体方向付け部材は、マニホールド内で長手方向に延在する横方向チャネルと流体連通する少なくとも1つの方向転換開口を含むことができる。流体方向付け部材は、液溜め部、及びマニホールドの近位端近くの気体入口と連通する中央チャネルを画定することができる。フィルタ要素は、非円筒形であり、流体方向付け部材と積み重ねられた配置で位置決めすることができる。フィルタ要素は、流体方向付け部材の上面の上に支持されるように配置された平坦な表面を有する半円筒形とすることができる。
【0013】
マニホールドは、第2のフィルタ要素を含むことができる。第2のフィルタ要素は、液溜め部内に配置することができる。ストローは、液溜め部内に少なくとも部分的に配置することができる。システムによって提供される真空は、ストローを通して引かれ、重力に抗してストローの第1の端部を通して液溜め部から液体を引き出す。液体は、ストローを通して、更に第2の突出部によって画定された検出窓を通して引き出される。ストローは、第2のフィルタ要素を通って延在することができる。
【0014】
ヘッドは、アクセサリ開口部から延在するアクセサリスリーブを画定することができる。第1の入口継手は、アクセサリスリーブの上部障壁から上向きに延在することができる。アクセサリスリーブは、マニホールド容積部と流体連通する。流体特性評価モジュールは、アクセサリ開口部を通して取外し可能に位置決めされ、アクセサリスリーブ内に支持されるように構成される。トレイは、吸引経路と、特に、第1の入口継手を通る流体の流入と光学的に連通するように、アクセサリスリーブ内の流体特性評価モジュールの取外し可能な位置決めを容易にすることができる。流体特性評価モジュールは、トレイの空洞の開口部に対してサイズ決め及び成形されたプリント回路基板(PCB)アセンブリを含むことができる。流体特性評価モジュールは、センサアセンブリを含む。流体特性評価モジュールは、LEDドライバ集積回路、光センサ集積回路、及びLEDドライバ集積回路及び光センサ集積回路と通信するマイクロコントローラ、並びに通信モジュール、バッテリ、及びバッテリ管理集積回路のうちの1つ以上を更に含むことができる。
【0015】
無線周波数識別(RFID)タグは、マニホールドに連結し、医療廃棄物収集システムのデータリーダによって検出されるように位置決めすることができる。RFIDタグは、そのメモリからデータリーダにデータを送信し、医療廃棄物収集システムのコントローラは、結果として生じるアクションを実行する。RFIDタグのメモリは、エミッタ及び/又はセンサの較正データを記憶することができる。
【0016】
流体特性評価モジュールは、レシーバと一体化することができる。流体特性評価モジュールは、レシーバの入口機構に配置することができる。入口機構は、シールを貫通してマニホールド内に少なくとも部分的に配置されるように構成された吸引継手を含む。エミッタ及びセンサは、入口機構に連結し、トランクの第1の脚部上の検出窓に対して位置決めすることができる。流体特性評価モジュールの実施態様は、単独で又は組み合わせて使用することができる。マニホールド及びレシーバは、別個の流体特性評価モジュールを収容することができる。流体特性評価モジュールのそれぞれからの出力は、流体中の血液濃度の判定の精度を評価又は改善するために、コントローラ又はプロセッサを介して互いに比較及び/又は組み合わせることができる。流体特性評価モジュールのうちの1つからの出力は、流体特性評価モジュールのうちの別の1つの較正を容易にするために使用することができる。
【0017】
流体特性評価モジュールは、センサのうちの一方又は双方の利得の調整を提供することができる。センサによって検出された光が所定の透過率閾値を下回ると、センサの利得を増加させることができる。センサによって検出された光が所定の透過率閾値を超えて上昇すると、センサの利得を減少させることができる。センサアセンブリは、検出された光透過率に基づいて選択的に動作する追加のセンサを含むことができる。エミッタの輝度は、検出された光透過率に基づいて調整することができる。
【0018】
血液管理システムは、医療廃棄物収集システムと、スポンジシステムと、ユーザインタフェースとを含むことができる。データは、患者の電子医療記録(EMR)に転送することができる。医療廃棄物収集システムは、QBL分析を実行することができ、血液体積データをユーザインタフェースに無線で送信する。付加的又は代替的に、モバイル装置又は遠隔サーバ等の別の装置は、本明細書において説明されるデータを受信し、アルゴリズムを実行してQBL分析を行うことができる。スポンジシステムは、外科用スポンジ等の吸収性物品内に含まれる失血体積を判定するように構成される。ユーザインタフェースは、急性期患者情報を医療従事者に提供するためのハブとして機能する。失血の体積は、処置全体を通してリアルタイムで制御パネル及び/又はユーザインタフェース上に表示することができる。失血の体積はまた、処置が開始されてからの時間にわたるグラフプロットとして表示することができる。ユーザインタフェースは、アラーム、警告、及び全ての他の重要な情報をトリガすることができる。アラーム又は警告は、ユーザインタフェースに無線でプッシュされる閾値又はガイドラインに基づくものとすることができる。
【0019】
本開示の利点は、添付の図面に関連して考慮されるとき、以下の詳細な説明を参照することによってより良好に理解されるようになるので、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】マニホールドが医療廃棄物収集システムのレシーバに取外し可能に挿入された状態にある、医療廃棄物収集システムの斜視図である。
図2】医療廃棄物収集システムの或る特定の任意選択の構成要素を概略的に示す、図1の医療廃棄物収集システムの断面図である。
図3】マニホールドの斜視図であって、センサアセンブリを含む流体特性評価モジュールを示す図である。
図4】マニホールドが、ヘッドと、流体方向付け部材と、フィルタ要素と、トランクとを含む、図3のマニホールドの分解図である。
図5】切断線5-5に沿った図3のマニホールドの断面斜視図である。
図6】切断線6-6に沿った図3のマニホールドの断面立面図である。
図7】流体方向付け部材の第1の障壁がヘッドの入口継手の近位に位置決めされた別のマニホールドの断面立面図である。
図8】流体方向付け部材がフィルタ要素の近位に位置決めされた別のマニホールドの分解図である。流体特性評価モジュールは、マニホールド内に配置することができる。
図9】切断線9-9に沿った図8のマニホールドの断面立面図である。
図10】流体の流れが流体方向付け部材に遭遇する前にフィルタ要素によってフィルタリングされる、別のマニホールドの分解図である。
図11】切断線11-11に沿った図10のマニホールドの断面立面図である。
図12】液溜め部を画定する突出部がマニホールドのヘッドから下向きに延在する、別のマニホールドの斜視図である。
図13】第2のフィルタ要素及びストローが液溜め部内に配置された、図12のマニホールドの1つの変形例の分解図である。
図14】切断線14-14に沿った図13のマニホールドの断面立面図である。
図15】ストローが第2のフィルタ要素を通って延在する、図12のマニホールドの別の変形例の断面立面図である。
図16】流体特性評価モジュールをマニホールドのアクセサリ開口部を通して挿入することができる、別のマニホールドの斜視図である。
図17図16の流体特性評価モジュールの斜視図である。
図18】医療廃棄物収集システムのレシーバ、及びレシーバに取外し可能に挿入されるように構成された別のマニホールドの斜視図である。流体特性評価モジュールは、マニホールドに連結することができる。
図19】医療廃棄物収集システムのレシーバ、及びレシーバに取外し可能に挿入された別のマニホールドの斜視図である。
図20】切断線20-20に沿った図19のレシーバ及びマニホールドの断面図である。
図21】マニホールドの第1の脚部が、レシーバのセンサアセンブリの近くに配置されるように構成された検出窓を画定する、図19のマニホールドの一部の背面斜視図である。
図22】レシーバの入口機構の斜視図である。センサアセンブリは、入口機構に連結される。
図23】流体特性評価モジュール、及び任意選択で、失血を定量化する医療廃棄物収集システムの電子構成要素の概略図である。
図24】遠位流体方向付け部材及び近位流体方向付け部材が、第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間で第1のリザーバ及び第2のリザーバ内の流体レベルに基づいて作動することができる、別のマニホールドの斜視図である。
図25図24のマニホールドの上面図である。
図26】センサアセンブリの実施態様を示す図である。
図27】ヘモグロビン(Hb)及びオキシヘモグロビン(HbO)のそれぞれに対する光の波長の範囲に関するモル吸光係数のグラフ図である。
図28】センサアセンブリの利得を調整するマイクロコントローラを含む電気回路図である。
図29】利得が所定の閾値に対する光透過率に基づいて調整された、経時的な光透過率(UIN)及び利得(UOUT)のグラフ図である。
図30】利得が所定の閾値に対する光透過率に基づいて調整された、経時的な光透過率(UIN)及び利得(UOUT)の別のグラフ図である。利得調整はヒステリシス効果を考慮に入れることができる。
図31】医療廃棄物収集システムと、スポンジシステムと、ユーザインタフェースとを含む、血液管理システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1及び図2は、医療処置中、より具体的には外科処置中に生成される廃棄物材料を収集する医療廃棄物収集システム40を示す。廃棄物材料は、煙、身体組織、並びに体液及び灌注液等の廃液を含み得る。多くの場合、医療処置には、解剖学的部位に灌注するための大量の生理食塩水及び/又は他の灌注液が必要となる。医療廃棄物収集システム40は、廃棄物材料を収集し、及び/又は廃棄物材料を空にして廃棄することが必要になるか又は所望されるまで、廃棄物材料を貯蔵する。医療廃棄物収集システム40は、廃棄物材料を空にするドッキングステーションに輸送し、動作可能に連結することができる。ドッキングステーションは、オフロードポンプと、オフロードポンプに動作可能に連結されたドッキングコントローラとを含むことができる。ドッキングステーションは、別様に、本出願人が共通して所有する2009年11月24日に発行された米国特許第7,621,898号に開示されるもの等の任意の好適な形態をとることができ、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0022】
医療廃棄物収集システム40は、医療施設内の床面に沿ってシステム40を移動させるためのシャーシ42及びホイール44を含むことができる。医療廃棄物収集システム40は、廃棄物材料を収集及び貯蔵するための廃棄物容積部を画定する少なくとも1つの廃棄物容器46を含む。真空源48は、シャーシ42上に支持し、1つ以上の内部ライン50を通して廃棄物容器46に対して吸引を行うように構成することができる。真空源48は、シャーシ42上に支持され、廃棄物容器46と流体連通する真空ポンプ52及び真空レギュレータ54(図2に概略的に示す)を含むことができる。真空レギュレータ54は、廃棄物容器46に対して真空ポンプ52によって引かれる吸引のレベルを調整するように構成される。医療廃棄物収集システム40のいくつかのサブシステムの好適な構造及び動作は、本出願人が共通して所有する2005年8月4日に公開された米国特許出願公開第2005/0171495号、2007年6月21日に公開された国際公開第2007/070570号、2014年5月1日に公開された国際公開第2014/066337号、及び2017年6月29日に公開された国際公開第2017/15284号に開示されており、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。他の構成においては、真空源48は、廃棄物容器46を吸引するために医療廃棄物収集システム40に取外し可能に連結することができる別個のユニットとすることができる。このような構成の好適な構造及び動作は、本出願人が共通して所有する2018年10月23日に発行された米国特許第10,105,470号に開示されており、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0023】
シャーシ42の前部は、ユーザが廃棄物容器46を見ることを許容する窓56を画定することができる。廃棄物容器46が透明又は半透明の材料を含む実施態様においては、ユーザは、窓56を通して廃棄物容器46内の廃棄物材料のレベルを見ることができる。医療廃棄物収集システム40はまた、ユーザが廃棄物容器46内の廃棄物材料のレベルを観察するのを助けるために、廃棄物容器46を照明するように構成された光源(図示せず)を含むことができる。特に、廃棄物材料が血液及び非血液の液体等の体液を含む場合、廃棄物容器46の内容物を可視化することは、失血の程度の定性的評価に特に有利であり得る。定性的評価は、記載される定量的失血(QBL)分析に加えることができる。例えば、ユーザは、窓56を通して廃棄物材料の色を視覚的に監視することができ、色が過度の失血を示す非常に赤みがかった色になった場合、ユーザは、定量的失血分析を表示する制御パネル58を見ることを選択することができる。
【0024】
シャーシ42上に配置された制御パネル58は、プロセッサを含むコントローラ60(図2に概略的に示す)と通信する。コントローラ60は、真空レギュレータ54を動作させて廃棄物容器46内の真空レベルを調整するための、真空レギュレータ54への信号を生成するように構成される。別の構成においては、コントローラ60は、真空源48を動作させて廃棄物容器46内の真空レベルを維持又は調整するための信号を生成するように構成される。
【0025】
医療廃棄物収集システム40は、シャーシ42上に支持された少なくとも1つのレシーバ62を含む。最も包括的な意味では、レシーバ62は、後述するマニホールド66の少なくとも一部を取外し可能に受けるようにサイズ決めされた開口部64(図18参照)を画定する。図2は、単一のレシーバを示しているが、複数の廃棄物容器のそれぞれ1つに関連付けられた2つのレシーバが企図される。吸引経路は、レシーバ62に取外し可能に挿入されたマニホールド66を通って吸引管(複数の場合もある)から廃棄物容器46まで確立することができる。換言すれば、真空源48によって生成された真空は、吸引管(複数の場合もある)で引かれ、手術部位にある廃棄物材料は、マニホールド66を通り、レシーバ62を通り、廃棄物容器46内に引き込まれる。マニホールド66は、流体の流入のQBL分析を容易にするように構成される、後述する特徴部を含む。マニホールド66は、使い捨ての構成要素とすることができる。
【0026】
流体特性評価モジュール68は、吸引の影響下で医療廃棄物収集システム40を通して引き出される流体中の血液の濃度を定量化することを容易にするように構成される。そして、流体中の血液の濃度の定量化は、QBL分析を容易にすることができる。流体特性評価モジュール68は、センサアセンブリ70を含み、モジュールハウジング72を更に含むことができる。或る特定の実施態様においては、流体特性評価モジュール68は、マニホールド66と一体であるか、又はマニホールド66と連結されるように構成され、他の実施態様においては、流体特性評価モジュール68は、医療廃棄物収集システム40と一体化される。図2は、流体特性評価モジュール68のセンサアセンブリ70が、レシーバ62と流体連通する内部導管73に連結されるか又は隣接して位置決めされることによって、医療廃棄物収集システム40と一体化される実施態様を概略的に示す。流体特性評価モジュール68の他の好適な位置、例えば、廃棄物容器46及び/又はレシーバ62に隣接する位置又はその中の位置が企図される。流体特性評価モジュール68は、流体中の血液濃度を判定するための信号を生成するように構成される。流体特性評価モジュール68が医療廃棄物収集システム40と一体化される実施態様においては、導管(複数の場合もある)73は、光学的に透明とすることができ、これは、経時的に変色するか、又は別様に汚れるものとすることができる。洗浄ラインを設けることができ、洗浄ラインは、その光学特性を維持するために、洗浄ライン及び導管(複数の場合もある)73を通して水及び/又は洗剤を導くように構成される。1つの好適な洗浄システムが、前述の米国特許第7,612,898号に開示されている。
【0027】
ここで図3図6を参照すると、マニホールド66の実施態様が示されている。マニホールド66は、マニホールド容積部76を画定するハウジング74を含む。マニホールド66は、トランク80に連結されたヘッド78を含むことができ、又は代替構造においては、マニホールド66のハウジング74は、一体型又はモノリシック構造とすることができる。ヘッド78及びトランク80は、協働してマニホールド容積部76を画定する。ヘッド78は、少なくとも1つの吸引管(図示せず)を取外し可能に受けるように構成された入口継手88を含むことができる。トランク80は、マニホールド容積部76及び入口継手88と流体連通する出口開口部82を画定することができる。シール84は、ハウジング74に連結し、出口開口部82を覆うようにサイズ決めすることができる。フィルタ要素86は、マニホールド容積部76内に配置することができる。フィルタ要素86は、最も広い意味では、吸引の影響下でマニホールド66を通して引き込まれる流体中に同伴される半固体又は固体の廃棄物材料を捕捉又は収集するように構成される、細孔、開口、又は他の構造を含む。マニホールドの全ての構成にフィルタ要素を使用する必要があるわけではなく、フィルタ要素は、マニホールド66の出口開口部82と流体連通するマニホールド容積部から離れた位置に配置することができることを理解されたい。
【0028】
マニホールド66の或る特定の実施態様は、マニホールド66の長手方向軸からオフセットされ、医療廃棄物収集システム40の回転可能弁の弁駆動部として機能するように構成された出口開口部82を含む。より具体的には、トランク80は、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、本出願人が共通して所有する2009年11月10日に発行された米国特許第7,615,037号に開示された方法で、レシーバ62に挿入され、次いで回転されて、マニホールド容積部76と廃棄物容器46との間に流体連通を確立するように、略円筒形とすることができる。マニホールド66の代替的な実施態様においては、トランク80は、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、本出願人が共通して所有する2020年10月15日に公開された国際公開第2020/209898号に開示された方法で、マニホールド66を近位方向に挿入し、マニホールドをレシーバ62から遠位方向に取り外すことを可能にする、後述の特徴部を含む。マニホールド66の特徴部、特にQBL分析を容易にすることに関連する内部特徴部は、トランク80のいずれの実施態様にも含むことができることを理解されたい。換言すれば、図3図15を参照して説明される特徴部は、図16図21に示されるトランク80に含むことができ、図16図21を参照して説明される特徴部は、図3図15に示されるトランク80に含むことができる。
【0029】
マニホールド66は、突出部90を含むことができる。突出部90は、流体特性評価モジュール68のモジュールハウジング72をマニホールド66に動作可能に連結することができるように、モジュール連結部として機能することができる。突出部90は、ヘッド78上に配置され、近位から遠位の方向に長手方向に延在することができる。突出部90は、細長く、長さよりも小さい幅を有することができる。突出部90は、流体特性評価モジュール68のモジュールハウジング72に係合するように構成された連結特徴部を含むことができる。例えば、連結特徴部は、モジュールハウジング72によって画定されたスロット92とともに摺動可能に位置決めされるようにサイズ決めされたレールとすることができる。代替的には、流体特性評価モジュール68は、突出部90にクリップ留めするか、又は別様に固定することができる。ハウジング74又はマニホールド66の他の構成要素の任意の好適な構造を、流体特性評価モジュール68と取外し可能に連結されるように構成することができることを理解されたい。
【0030】
マニホールド66のハウジング74の少なくとも一部は、光学的に透明であり、検出窓94を画定する。検出窓94は、センサアセンブリ70の少なくとも1つのエミッタ96及び少なくとも1つのセンサ98に隣接して、又はそれらの間に位置決めされるように構成される。更に説明されるように、センサアセンブリ70のエミッタ96及びセンサ98は、吸引経路を通過する流体の光学特性を検出するように構成される。或る特定の実施態様においては、検出窓94を画定するハウジング74の一部は、透明なプラスチック等の透明な材料から形成することができる。ハウジング74の全体を透明なプラスチックから形成することができ、エミッタ96とセンサ98との間に配置されるハウジング74の一部は検出窓94を構成する。或る特定の実施態様においては、ハウジング74は、光学的に透明なパネルと固定して接合されるようにサイズ決めされた切欠きを有する半不透明又は不透明な材料から形成することができる。図5及び図6の実施態様は、検出窓94を画定する突出部90を示す。そのような構成においては、突出部90の少なくとも一部は、突出部90が流体特性評価モジュール68のスロット92内に配置された状態で、センサアセンブリ70が、検出窓94と光学的に連通するように、突出部90に対向して位置決めされるように、光学的に透明とすることができる。
【0031】
図3の流体特性評価モジュール68は、例示のみを目的として、自由浮動として示されている。1つの実施態様においては、モジュールハウジング72は、ドングル(図示せず)に連結される。ドングルは、医療廃棄物収集システム40上の相補的なソケットと取外し可能に連結されるように構成されたデータ及び電力接続部を含むことができる。データ及び電力接続部が確立され、スロット92を画定するモジュールハウジング72は、例えば、マニホールド66の正面から、突出部90に沿って摺動可能に連結することができる。別の実施態様においては、流体特性評価モジュール68は、モジュールハウジング72が必ずしもユーザにとって視認可能ではないように、レシーバ62と一体化される。マニホールド66は、スロット92が突出部90に沿って摺動可能に連結されるように、レシーバ62に挿入される。マニホールド66が近位方向にレシーバ62に挿入されるときに、マニホールド66と流体特性評価モジュール68との取外し可能な連結を容易にするために、マニホールド66のハウジング74に対して或る特定の変更が必要となり得ることが理解される。
【0032】
上述したように、センサアセンブリ70は、エミッタ(複数の場合もある)96とセンサ(複数の場合もある)98とを含む。エミッタ96、97は、エネルギーを放出するように構成され、センサ98、99は、放出されたエネルギーを検出するように構成される。例示的な実施態様は、発光ダイオード(LED)であるエミッタ96、97及び光検出器であるセンサ98、99を有する、光エネルギーを利用する光センサアセンブリである。エミッタ96、97及びセンサ98、99は、検出窓94に対向して位置決めされるように構成される。例示的な実施態様は、2つのエミッタ及び2つのセンサ、並びに2つのエミッタ及び4つのセンサを含むが、いずれもより多く又はより少なく設けることができることを理解されたい。エミッタのうちの1つ(本明細書においては、第1のエミッタ96とも称される)は、センサのうちの2つから検出窓94に対向して位置決めすることができ、エミッタのうちの他の1つ(本明細書においては、第2のエミッタ97とも称される)は、センサのうちの他の2つから検出窓94に対向して位置決めされる。4つのセンサは、放出された光、より具体的には、検出窓94を通過する流体を通して透過又は散乱した後の光を検出する。透過光又は散乱光の検出された強度は、流体の透過率、不透明度、及び/又は他の物理的特性を示し得る。例示的な構成においては、第1のセンサ98は第1のエミッタ96からの透過光を検出し、第2のセンサ99は第2のエミッタ97からの透過光を検出し、第3のセンサ(図示せず)は第1のエミッタ96からの散乱光を検出し、第4のセンサ(図示せず)は第2のエミッタ97からの散乱光を検出する。4つの測定値、すなわち、透過光の2つの測定値及び散乱光の2つの測定値は、検出窓94を通過する流体の血液の濃度を判定するアルゴリズムを実行するために、プロセッサに提供される値である。
【0033】
代替的な構成は、2つのセンサ、すなわち、第1のセンサ98及び第2のセンサ99を含み、第1のエミッタ96は、センサ98のうちの一方の検出窓94に対向して配置され、第2のエミッタ97は、センサ99のうちの他方の検出窓94に対向して配置される。第1のセンサ98は、第1のエミッタ96からの透過光及び第2のエミッタ97からの散乱光を検出する。第2のセンサ99は、第2のエミッタ97からの透過光及び第1のエミッタ96からの散乱光を検出する。エミッタ96、97を検出窓94の互いに反対側に位置決めすることにより、エミッタ96、97によって放出される光の波長間のクロストークが制限又は防止される。別の実施態様においては、第1のエミッタ96及び第2のエミッタ97は、パルス化することができる、すなわち、それぞれ、高周波数で順に照射することができる。第1のエミッタ96及び第2のエミッタ97の交互のパルスはまた、クロストークを制限又は防止し、LEDの熱効果を更に低減することができる。
【0034】
2つのセンサを含む実施態様は、図26に示される構成において概略的に示される空間が制約された用途に特に好適であり得る。流体特性評価モジュール68のモジュールハウジング72は、検出窓94として識別される、流体又は液体が方向付けられる少なくとも1つの通路を画定する。図26の矢印は、放出されて検出される光を概略的に示す。可視LED及び赤外LED、例えば、第1のエミッタ96及び第2のエミッタ97は、可視光(GIN)及び赤外光(RIN)をモジュールハウジング72内に、吸引経路(SP)を通って引き込まれる流体に向けて方向付けるように構成される。可視光LED及び赤外LEDは、モジュールハウジング72の開口部内に配置することができる。先に説明したように、可視光の一部は流体を透過させることができ(G)、可視光の一部は流体によって散乱させることができる(G)。同様に、赤外光の一部は流体を透過させることができ(R)、赤外光の一部は流体によって散乱させることができる(R)。光検出器、例えば、第1のセンサ98及び第2のセンサ99は、透過可視光(G)、透過赤外光(R)、散乱可視光(G)、及び散乱赤外光(R)を検出するように構成される。これらの値は、流体中の血液の濃度を判定するためにアルゴリズムに提供される4つの値を提供する。光検出器は、モジュールハウジング72の開口部内に配置することができる。2つ又は4つの光検出器を設けることができる。図26の流体特性評価モジュール68は、非限定的な設計であり、特に、モジュールハウジング72のサイズ及び形状は、空間的制約及び/又はモジュールハウジング72が取外し可能に連結される構造に適応するように適合させることができる。同様に、エミッタ96、97及びセンサ98、99の配置は、透過光及び散乱光の必要な測定値を得るための任意の好適な様式とすることができる。
【0035】
第1のエミッタ96は赤外LEDとすることができ、第2のエミッタ97は可視光LEDとすることができる。赤外LEDは、約700ナノメートル(nm)~1000nmの範囲内、より具体的には750nm~850nmの範囲内、更により具体的には770nm~810nmの範囲内の波長を有する光を放出するように構成することができる。可視光LEDは、約400nm~600nmの範囲内、より具体的には550nm~600nmの範囲内、更により具体的には570nm~580nmの範囲内の波長を有する光を放出するように構成することができる。可視光LEDは、緑色LEDとすることができる。図27は、ヘモグロビン(Hb)及びオキシヘモグロビン(HbO)のそれぞれの波長の範囲にわたるモル吸光係数のグラフ図である。ヘモグロビンは、赤血球中の主要なタンパク質であり、オキシヘモグロビンは、明るい赤色のヘモグロビンの酸素担持形態である。オキシヘモグロビンによって決定される血液の赤さは、血液を通って導かれる光の透過率及び散乱に影響を及ぼす。光透過率は、流体特性評価モジュール68によって検出される流体の特性とすることができる。緑色光及び赤外光は、流体中の血液の濃度を判定するために最適であり得ることが明らかとなっている。流体によって吸収された赤外光の測定値は、流体中の血液の存在による透過光の減少によって求められる。1つの実施態様においては、可視光からの散乱光に対する赤外光のこの吸光度の比が計算され、流体中の血液の濃度を定量化するために使用される。
【0036】
マニホールド66を通して吸引される廃棄物材料は、例えばそれぞれ空気と血液である、気体と液体との混合物を含み得ることが観察されている。気液混合物は、入口継手88に連結された吸引管に吸引される気体及び液体、及び/又はマニホールド66の内部幾何学形状内での衝突及び乱流によって生成される気泡に起因し得る。液体内の気体の存在は、その光学特性に影響を及ぼし得るものであり、したがって、透過光及び/又は散乱光の測定値の精度を不所望に損なう可能性がある。引き続き図4図6を参照すると、突出部90は、液溜め部100を画定することができ、液溜め部100は、流体特性評価モジュール68が透過光及び散乱光を測定する前に、流体中の気体が流体中の液体から分離することを容易にするように構成される。図5及び図6に最もよく示されるように、液溜め部100は、マニホールド容積部76の下に位置決めすることができる。慣例として、液体入口102は、マニホールド容積部76と液溜め部100との間の境界を規定することができるが、液溜め部100は、マニホールド容積部76の下位容積部と考えることもできる。液体入口102の相対的なサイズに起因して、流体は、液溜め部100内に蓄積し、さらにマニホールド容積部76内に蓄積することができる。液溜め部100内における流体の蓄積は、気体が液体から分離し得る、例えば、気泡が気泡力学の原理下で血液及び他の液体(複数の場合もある)から分離する短い期間を提供する。
【0037】
マニホールド66は、ハウジング74内に配置された流体方向付け部材104を更に含むことができる。流体方向付け部材104は、マニホールド66内の流体に蛇行経路を提供するように構成された様々な幾何学形状を含む。他の利点の中でも、蛇行経路は、マニホールド66内の乱流を制限し、流体中の液体からの空気の分離を容易にし、センサアセンブリ70の上流の流体のフィルタリングを提供することができる。引き続き図4図6を参照すると、流体方向付け部材104は、マニホールド容積部76内に配置され、ヘッド78内に少なくとも部分的に配置することができる。説明される幾何学形状は、ハウジング74の内部幾何学形状と協働し、流体流路(FFP)(すなわち、液体及び気体を含む)、液体流路(LFP)、及び気体流路(GFP)を画定することができる。気体は液体よりも密度が低いことから、気体流路はマニホールド66の上面近くに位置決めすることができ、一方、液体流路はマニホールド66の下面近くに位置決めすることができる。図示の実施態様においては、液体流路は、検出窓94を含む液溜め部100によって少なくとも部分的に画定される。
【0038】
流体方向付け部材104は、第1の障壁106と第2の障壁108とを含み、気体入口110、気体チャネル112、液体チャネル114、及び流体出口116を画定することができる。さらに、第2の障壁108及びマニホールド66のハウジング74は、協働してマニホールド容積部76と液溜め部100との間に液体入口102を画定することができる。第1の障壁106は、入口継手88を通って、より具体的には入口継手88の近位端118を通ってマニホールド66に入る流体に蛇行経路を与えるように構成される。蛇行経路は、液体入口102のサイズとともに、マニホールド容積部76内に流体の少なくともいくらかの蓄積をもたらすことができる。上述したように、蓄積は、気体が液体から分離することができる短い期間を提供する。分離された気体は、液体の上方のマニホールド容積部76の一部を占め、医療廃棄物収集システム40によって提供される真空から気体入口110を通して吸引される。分離された気体は、さらに、気体チャネル112及び流体出口116を通って吸引され、フィルタ要素86及び出口開口部82を通過する。分離された液体は、医療廃棄物収集システム40によって提供される真空から液体入口102を通して同時に吸引することができる。分離された液体は、さらに、検出窓94、液体チャネル114、及び流体出口116を含む液溜め部100を通して吸引することができる。検出窓94を通過して流体特性評価モジュール68によって測定される液体は、より少ない気体を含有するか、ほとんど気体を含有しないか、又は全く気体を含有せず、したがって、流体特性評価モジュール68からの測定値の精度を有利に保つことができる。例えば、気泡が比較的存在しないことにより、気泡の表面の屈折性からの光学的干渉が排除される。
【0039】
図5及び図6に最もよく示されるように、液体流路及び気体流路は、流体出口116の前で接合することができる。特に、液体チャネル114及び気体チャネル112は、流体出口116の前で合流する。液体は、液体流路と気体流路との合流部の上流で流体特性評価モジュール68によって既に測定されていることから、流体がマニホールド66の残りの部分を通って吸引されるときにそれらの分離を維持する必要はない。したがって、検出窓94は、液体入口102と液体チャネル114との間に位置決めし、(マニホールド66を通る吸引の方向に基づいて)気体チャネル112から流体的に分離することができる。
【0040】
マニホールド容積部76内での流体の蛇行経路及び蓄積を容易にするために、第1の障壁106は、ヘッド78内の入口継手88の近位端118に隣接して位置決めされる。より具体的には、第1の障壁106は、後方の障壁120から、入口継手88の近位端118の遠位に位置決めされた遠位縁122まで遠位方向に延在することができる。換言すれば、第1の障壁106及び入口継手88は、図6の立面図において「重なり合う」ことができる。さらに、液体入口102は、入口継手88の近位端118の遠位に位置決めすることができ、第1の障壁106は、さらに、気体入口110に隣接して位置決めすることができる。そのような構成においては、第1の障壁106は、入口継手88の近位端118から気体入口110への直接経路を防止し、事実上、気体入口110又は液体入口102のいずれかが流体の流入にアクセス可能であるために、流体流路が少なくとも1回それ自体の上に二重に戻ることを必要とする。入口継手88は、ハウジング74の壁に向かって横方向にオフセットされて、第1の障壁106に対して重なり合う位置決めを達成することができる。第1の障壁106(及び/又はハウジング74)は、より少ない乱流を促進するように輪郭形成することができ、これは、液体からの気体の分離を更に促進することができる。流体流路は、マニホールド容積部76内に蓄積することができ、蓄積された液体の一部は、前述のように、下方から液体入口102を通して吸引され、液体から分離された気体の一部は、前述のように、上方から液体入口102を通して吸引される。マニホールド容積部76に入る予想流入速度を考慮した液体入口102の寸法は、例えば、気体が液体から分離する適切な機会を提供するために、所望の蓄積量を確実にすることができる。
【0041】
流体の大部分が気体であって液体がほとんどない場合、マニホールド容積部76は、前述したように、液溜め部100を通して効率的に空になる。流体の大部分が液体である場合、マニホールド容積部76内の液体の蓄積は、気体入口110に達し得る。気体入口110は、オーバーフロー開口部として機能することができ、その後、気体及び液体の双方を、流体方向付け部材104の気体チャネル112及び流体出口116を通して吸引することができる。吸引のいかなる遮断又は損失も、液体流路を通して吸引されて検出窓94内で測定される液体の連続流によって防止される。
【0042】
気体入口110、マニホールド容積部76、及び液体チャネル114の相対的な幾何学形状は、潜在的な閉塞が最小限となり、入口継手88を通る流入が最大限となるように設計することができる。例えば、液体流路を通る液体の流出速度は、液体チャネル114の寸法、おそらくより重要なことには、突出部90によって画定される液溜め部100の寸法に基づくものとすることができる。上述したように、検出窓94は、光学的に透明な突出部90の一部とすることができ、或る特定の実施態様においては、ヘッド78の全体が光学的に透明とすることができる。血液の光吸収率が比較的高いことにより、特により高い濃度では、測定精度を改善するために、突出部90に対向して位置決めされたエミッタ96、97及びセンサ98、99が十分に近いことが有益である。したがって、或る特定の実施態様においては、突出部90、ひいては検出窓94の幅は、1インチの4分の3以下であり、より具体的には約1/2インチである。突出部90の幅は、検出窓94を通る液体の流量に影響を及ぼし得るものであり、したがって、液体流路を通る液体の流出速度に影響を及ぼし得る。さらに、突出部90の幅を制限することは、それに対応して、エミッタ96、97及びセンサ98、99の必要とされる動作範囲を制限し、それによって、より低コストの電子構成要素を用いて精度が改善することができる。失血を定量化することに加えて、流体方向付け部材104を用いた実施態様はまた、静脈内ポンプ及び関節鏡検査等、液体から気体を除去することから利益を享受し得る、連続流動測定の他の用途とともに利用することができる。
【0043】
流体方向付け部材104の代替的な実施態様が図7に示されており、ここでは、流体方向付け部材104によって画定される別個の液体チャネルがなくてもよい。むしろ、第1の障壁106が、入口継手88の近位端118の近位に位置決めされて、流入流体に遭遇し、それをより乱流が少ない様式でマニホールド容積部76及び液溜め部100に向かわせる。液溜め部100内への流入流体の堆積により、蓄積された流体を撹拌することができ、それによって、流体特性評価モジュール68によって測定されている、液溜め部100内に収集された流体の均質性を促進する。入口110は、最初に気体チャネルを提供することができるが、十分な流体が液溜め部100及びマニホールド容積部76内に蓄積すると、入口110は、オーバーフロー開口部として機能し、その後、気体及び液体の双方を、流体方向付け部材104の流体出口116を通して吸引することができる。
【0044】
ここで図8及び図9を参照すると、流体方向付け部材104がフィルタ要素86の近位に位置決めされる、マニホールド66の別の実施態様が示されている。換言すれば、流体方向付け部材104は、フィルタ要素86よりも出口開口部82の近くに配置される。そのような構成においては、マニホールド容積部76に入る流体は、検出窓94に遭遇する前にフィルタ要素86によってフィルタリングされる。その結果、流体の光学特性に影響を及ぼし得る任意の組織又は半固体の物質が、流体から除去される。他の点では、流体方向付け部材104は、同様の構成要素を識別する同様の数字を用いて上記で説明された実施態様と機能が同様であり得る。特に、図9は、液体入口102、気体入口110、及び流体出口116を含む流体方向付け部材104を示す。流体方向付け部材104は、気体入口110と流体出口116との間に気体チャネル112を画定し、液体入口102と流体出口116との間に液体チャネル114を更に画定する。
【0045】
本実施態様においては、流体方向付け部材104は、検出窓94を画定する。より具体的には、液体チャネル114は、検出窓94を画定することができ、したがって、流体方向付け部材104の少なくとも一部は、光学的に透明である。本実施態様においては、流体特性評価モジュール68は、マニホールド66内に配置される。図9は、概して、トランク80内に位置決めされた流体特性評価モジュール68を示し、液体チャネル114は、流体特性評価モジュール68のセンサアセンブリ70に隣接して、又はその間に配置される。本実施態様は、流体特性評価モジュール68が、医療廃棄物収集システム40に信号を無線で送信する通信モジュール(特定せず)を含み、コントローラ又はプロセッサ60が、リアルタイムで信号を利用して、血液濃度を判定し、結果として、QBL分析を行うことを必要とし得る。代替的に、流体特性評価モジュール68がマニホールド66の外部に位置決めされ、その一部もまた光学的に透明であり得るトランク80を通して流体方向付け部材104と光学的に連通するように、トランク80に対して変更を加えることが企図される。流体特性評価モジュール68が流体方向付け部材104の液体チャネル114に係合した状態で、本実施態様は、流体の光学特性を測定する前に流体中の気体と液体との適切な分離を依然として実現しながら、液溜め部を画定する突出部を含まないことが理解される。
【0046】
図10及び図11は、流体が検出窓94に遭遇する前にフィルタ要素86によってフィルタリングされるマニホールド66の別の実施態様を示す。前の実施態様は、検出窓94に対してフィルタ要素86を遠位に位置決めすることを考慮に入れ、マニホールド66のトランク80内に配置された流体特性評価モジュール68を含んでいたが、本実施態様の流体方向付け部材104は、流体を液溜め部100に向かって遠位方向に方向転換する。その結果、流体特性評価モジュール68は、フィルタ要素86を最初に通過する流体の流入にもかかわらず、マニホールド66のヘッド78の外部(及び場合によってはレシーバ62の外部)に連結することができる。流体方向付け部材104は、マニホールド66内で長手方向に延在する横方向チャネル126と流体連通する少なくとも1つの方向転換開口124を含む。流体方向付け部材104は、横方向チャネル126と連通し、さらに出口開口部82と連通する液溜め部100を更に画定する。さらに、流体方向付け部材104は、液溜め部100と連通する中央チャネル128と、マニホールド66の近位端付近の気体入口110とを画定することができる。リッジが、液溜め部100を横方向チャネル126から分離することができ、リッジは、流体特性評価モジュール68を受けるようにサイズ決めされる。液溜め部100は、センサアセンブリ70の間に位置決めされる。横方向チャネル126を収容するために、フィルタ要素86は、非円筒形とし、流体方向付け部材104と積重ね構成で位置決めすることができる。例えば、フィルタ要素86は、流体方向付け部材104の上面の上に支持されるように配置された平坦な表面を有する半円筒形とすることができる。
【0047】
図9及び図9に示された矢印を参照すると、流体は、入口継手88を通ってマニホールド66に入り、その後、フィルタ要素86によってフィルタリングされる。流体の一部は、フィルタ要素86の基部の孔を通過して液溜め部100に入ることができ、流体の一部は、フィルタ要素86の近位端を通過してマニホールド容積部76に入る。流体中の液体は、中央チャネル128を通って液溜め部100に向かって引き込むことができ、一方、気体は分離して、気体入口110を通って出口開口部82に向かって引き込まれる。流体の一部は、方向転換開口124を通って引き込まれ、横方向チャネル126に沿って遠位に向けられる。マニホールド66の遠位端の近くにおいて、流体は再び遠位方向から近位方向に方向転換されて、液溜め部100に入る。液溜め部100を通過する流体の光学特性は、流体特性評価モジュール68のセンサアセンブリ70によって測定され、その後、流体は出口開口部82に向かって吸引される。
【0048】
或る特定の実施態様においては、第2のフィルタ要素130を設けることができる。ここで図12図15を参照すると、マニホールド66の突出部90は、第2のフィルタ要素130を収容するように成形及びサイズ決めすることができる。図示の実施態様は、円筒形であり、マニホールド66のヘッド78から下方に延在する突出部90を示す。突出部90のサイズ及び形状により、本実施態様の液溜め部100は、より大量の流体を収容するように構成され、例えば、流体中の気体及び液体の十分な分離を許容する。流体特性評価モジュール68は、液溜め部100の近位に位置決めされ、したがって、突出部90のサイズは、センサアセンブリ70の技術的限界によって制約されないものとすることができる。
【0049】
第2のフィルタ要素130は、液溜め部100内に配置される。図13及び図14に示す第1の変形例においては、第2のフィルタ要素130は、突出部90の基部134に当接し、第2のフィルタ要素130と基部134との間に隙間を設けるように構成されたスペーサ132を含む。ストロー136が、液溜め部100内に少なくとも部分的に配置される。ストロー136は、液溜め部100内に配置された第1の端部138と、マニホールド容積部76内に配置された第2の端部140とを含む(破線は、液溜め部100とマニホールド容積部76との間の境界を規定する)。流体方向付け部材104は、気体入口110を画定する第1の障壁106を含む。第1の障壁106は、入口継手88を通る流体の流入が重力の影響下で液溜め部100内に向けられることを必要とする。液溜め部100内においては、流体中の気体及び液体は、上述した方法で分離することができる。マニホールド容積部76内の気体は、気体入口110を通って出口開口部82に向かって吸引される。液体は、液溜め部100内に蓄積する。
【0050】
システム40によって提供される真空の残りは、ストロー136を通して引かれる。換言すれば、ストロー136の第2の端部140上の真空は、重力に抗してストロー136の第1の端部138を通して液溜め部100から液体を引き出す。液体は、ストロー136を通って、さらに第2の突出部91によって画定された検出窓94を通って引き出される。慣例のために、第2の突出部91は、細長いものとし、モジュールハウジング72のスロット92内に配置されるように構成されることによって、先述した(第1の)突出部90の或る特定の実施態様に類似したものとすることができる。図13に最もよく示されるように、第2の突出部91は、ストロー136を通して液溜め部100と流体連通するチャネル142を画定することができる。検出窓94を通過する液体の光学特性は、流体特性評価モジュール68によって測定される。
【0051】
別の変形例においては、ストロー136は、第2のフィルタ要素130を通って延在することができる。図15を参照すると、突出部90は、テーパ状とすることができ、及び/又は段部144を画定することができ、第2のフィルタ要素130は、突出部90の基部134の上方に隙間を提供するように段部144上に支持される。第2のフィルタ要素130の基部は、開口部を画定し、ストロー136は、開口部内に支持される段部146を含む。突出部90の基部134へのテーパ部及びストロー136の第1の端部138が液溜め部100内の中央に位置した状態で、ストロー136による性能の改善を実現することができる。液体は、ストロー136を通り、第2の突出部91の検出窓94を通って引き出される。
【0052】
ここで図16及び図17を参照すると、流体特性評価モジュール68をマニホールド66のハウジング74の一部に取外し可能に挿入することができる、マニホールド66の別の実施態様が示されている。医療廃棄物収集システム40のレシーバ62の相補的な特徴部と係合するように構成されたトランク80の特徴部を最初に説明すると、マニホールド66は、アーム148、ロック要素150、スパイン152、及び/又はキャッチ154を含む。慣例のために、方向の参照(例えば、近位、遠位、上、下、上方、下方等)は、マニホールド66がレシーバ62に挿入された図16に示される向きでマニホールド66に対して行われる。ハウジング74は、本体部156、第1の脚部158、及び/又は第2の脚部160を含むことができる。第1の脚部158及び/又は第2の脚部160は、本体部156から延在することができ、より具体的には、第1の脚部158及び第2の脚部160の一方又は双方は、本体部156から近位方向に延在することができる。第1の脚部158は、マニホールド66がレシーバ62内に挿入されるように方向付けされたときに、第2の脚部160の下方に位置決めすることができる。第1の脚部158及び第2の脚部160は、図21の背面斜視図に最もよく示されるように、空隙162によって互いに離間させることができる。上記の慣例から逸脱することなく、図示された幾何学形状には潜在的に軽微な変更を含むことができることが理解される。ハウジング74は、出口開口部82を画定するリム164を含むことができる。リム164は、第1の脚部158上に、より具体的には、第1の脚部158の近位端又はその近くに配置することができる。1つの慣例においては、リム164は、第1の脚部158の近位端における近位方向に向けられた面とみなすことができる。リム164は、出口開口部82が非円形となるように、高さよりも大きい幅を含むことができる。リム164は、シール84と連結されるように構成することができる。
【0053】
マニホールド66は、ハウジング74から外方に延在するアーム148を含む。一対のアーム148が参照されるが、単一のアームを設けることができることが理解される。図16及び図21は、近位から遠位の方向に細長いリブ状構造であって厚さよりも大きい幅を含むアーム148を示す。アーム148は、レシーバ62の開口部64(図18参照)を画定するアームスロットに移動可能に挿入されるようにサイズ決め及び成形することができる。マニホールド66の全ての構成においてアーム148を使用する必要があるわけではなく、アームを含まないマニホールド設計が企図されることを理解されたい。アーム148は、それぞれ、マニホールド66をレシーバ62に挿入する間にレシーバ62に係合して、レシーバ62及びその構成要素を或る特定の動作位置間で移動させることを容易にするように構成された、近位方向に向けられた面166を含む。アーム148の近位方向に向けられた面166は、リム164の遠位に位置決めすることができる。
【0054】
マニホールド66は、後述する一対のキャッチ154であるキャッチ154を含む。単一のキャッチを設けることができ、キャッチ(複数の場合もある)を含まないマニホールド設計が企図されることを理解されたい。キャッチ154は、第2の脚部160上に配置することができる。キャッチ154のそれぞれは、レシーバ62の移動を容易にするために、マニホールド66をレシーバ62に挿入する間及びレシーバ62から取り外す間にレシーバ62の爪によって係合されるように構成された、遠位方向に向けられた面168を含む。キャッチ154の遠位方向に向けられた面168は、リム164の近位に位置決めすることができ、アーム148の近位方向に向けられた面166の近位に位置決めすることができる。リム164とキャッチ154のうちの少なくとも1つとは、空隙162によって互いに離間させることができる。より具体的には、第1の脚部158上のリム164は、空隙162によって第2の脚部160上のキャッチ154から離間させることができる。換言すれば、リム164は、空隙162の第1の側又は下側にあるものとすることができ、キャッチ154は、第1の側又は下側とは反対側の空隙162の第2の側又は上側にあるものとすることができる。さらに、リム164は、マニホールド66がレシーバ62内に挿入されるように方向付けされたときに、キャッチ154の下方に位置決めされる。
【0055】
マニホールド66は、ハウジング74から外向きに延在するスパイン152を含むことができる。スパイン152は、近位から遠位の方向に細長い構造であって、厚さよりも大きい幅を含むことができる。スパイン152は、本体部156及び/又は第1の脚部158のうちの少なくとも一方から外向きに延在することができる。さらに、スパイン152は、トランク80の底壁から下向きに延在することができる。スパイン152は、マニホールド66をレシーバ62に挿入する間及びレシーバ62から取り外す間にレシーバ62のスレッドロックアセンブリに係合し、レシーバ62及びその構成要素を動作位置間で移動させることを容易にするように構成された、近位方向に向けられた面170を含む。スパイン152の近位方向に向けられた面170は、リム164の遠位に位置決めすること、キャッチ154の遠位方向に向けられた面168の遠位に位置決めすること、及びアーム148の近位方向に向けられた面166の遠位に位置決めすることができる。或る特定の実施態様において、近位方向に向けられた面170は、スパイン152の近位端を画定するように、近位方向にハウジング74に向かって傾斜する。傾斜は、傾斜面とすることができる。
【0056】
マニホールド66は、ハウジング74から外向きに延在するロック要素150を含む。一対のロック要素150が本開示全体を通して参照されるが、単一のロック要素を設けることができ、ロック要素を含まないマニホールド設計が企図されることが理解される。図16は、アーム148のそれぞれ1つとして細長い構造を共有するようなロック要素150のそれぞれを示す。特に、ロック要素150は、それぞれ、アーム148の近位方向に向けられた面166に対向する細長い構造の遠位端に遠位方向に向けられた面を含むことができる。ロック要素150は、本体部156及び第1の脚部158のうちの少なくとも一方から外向きに延在することができる。遠位方向に向けられた面は、レシーバ62に対するマニホールド66の遠位方向への移動を選択的に防止するために、マニホールド66をレシーバ62に挿入した後にレシーバ62のロックアセンブリに係合するように構成される。ロック要素150の遠位方向に向けられた面は、リム164の遠位に位置決めすること、キャッチ154の遠位方向に向けられた面168の遠位に位置決めすること、アーム148の近位方向に向けられた面166の遠位に位置決めすること、及びスパイン152の近位方向に向けられた面170の遠位に位置決めすることができる。リム164、アーム148の近位方向に向けられた面166、キャッチ154の遠位方向に向けられた面168、スパイン152の近位方向に向けられた面170、及び/又はロック要素150の遠位方向に向けられた面のそれぞれの近位から遠位の方向における相対的な位置決めは、マニホールド66がレシーバ62に挿入されるときに、レシーバ62の相補的な構成要素の正確な動作タイミングを容易にするように調整される。
【0057】
ヘッド78は、マニホールド66がレシーバ62の開口部64に挿入されるように方向付けされたときに、トランク80の遠位に位置決めされる。ヘッド78は、第1の入口継手88aと第2の入口継手88bとを含むことができる。より具体的には、ヘッド78は、アクセサリ開口部174から延在するアクセサリスリーブ172を画定することができ、第1の入口継手88aは、アクセサリスリーブ172の上部障壁176から上向きに延在することができる。第2の入口継手88bは、キャップ面板178から遠位方向に延在し、第2の入口ボア(バイパスボアとも称される)を画定する。アクセサリスリーブ172は、トランク80によって主に画定されるマニホールド容積部76と流体連通する。
【0058】
流体特性評価モジュール68は、アクセサリ開口部174を通して取外し可能に配置され、アクセサリスリーブ172内に支持されるように構成される。トレイ180は、アクセサリスリーブ172内での流体特性評価モジュール68の取外し可能な位置決めを容易にするために設けることができる。最も包括的な意味では、トレイ180は、流体特性評価モジュール68のモジュールハウジング72が連結されるモジュール連結部を提供する。トレイ180がアクセサリスリーブ172内に位置決めされた状態で、流体特性評価モジュール68は、吸引経路、特に第1の入口継手88aを通る流体の流入と光学的に連通する。トレイ180は、側面182と、側面182に連結されて空洞を集合的に画定するベース部分184とを含む。流体特性評価モジュール68は、ベース部分184に連結することができる、及び/又は空洞内に配置することができる。より具体的には、流体特性評価モジュール68は、モジュールハウジング72によって画定された空洞の開口部に合わせてサイズ決め及び成形されたプリント回路基板(PCB)アセンブリ186を含むことができる。
【0059】
トレイ180はまた、マニホールド66を通る吸引経路の維持を容易にするために、トレイ180がアクセサリスリーブ172内にあるときにアクセサリ開口部174と封止係合するように適合されたシール部材188を含むことができる。シール部材188は、上側及び下側領域192の間に弾性可撓性部分190を含む。制御部材194への入力により、可撓性部分190は、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする、本出願人が共通して所有する2019年11月21日に公開された国際公開第2019/0222655号に説明されるように、シール部材188の少なくとも一部をアクセサリ開口部174から離れるように弾性的かつ枢動可能に移動させ、吸引経路の「出血」を提供するように構成される。
【0060】
流体特性評価モジュール68は、アクセサリ開口部174を通して取外し可能に挿入され、アクセサリスリーブ172内に位置決めされるように構成されたセンサアセンブリ70を含む。センサアセンブリ70は、エネルギーを放出するように構成されたエミッタ96、97と、放出されたエネルギーを検出するように構成されたセンサ98、99とを含む。エミッタ96、97及びセンサ98、99は、吸引経路に対向して位置決めされる。例えば、流体特性評価モジュール68は、吸引経路が方向付けされる凹部、開口、又は他のタイプの空隙を含む。例えば、図16に最もよく示されるように、検出窓94は、アクセサリスリーブ172内に配置される透明管又はトレイ180の別の構成要素から構成することができる。エミッタ96、97のうちの少なくとも一方は、検出窓94の一方の側に位置決めされ、センサ98、99のうちの少なくとも一方は、検出窓94の他方の側に位置決めされる。図17に最もよく示されるように、エミッタ96、97は、PCBアセンブリ186の両側に連結し、位置決めすることができる。1つの例においては、第1のエミッタ96は、PCBアセンブリ186の凹部及びセンサ98のうちの一方に対向して位置決めされ、第2のエミッタ97は、凹部及びセンサ99のうちの他方に対向して位置決めされる。第1のセンサ98は、第1のエミッタ96からの透過光及び第2のエミッタ97からの散乱光を検出する。第2のセンサ99は、第2のエミッタ97からの透過光及び第1のエミッタ96からの散乱光を検出する。4つの測定値、すなわち、透過光の2つの測定値及び散乱光の2つの測定値は、流体の血液の濃度を判定するアルゴリズムを実行するためにコントローラ又はプロセッサ60に提供される値である。2つ(又は3つ)のエミッタ及び4つのセンサが設けられる前述の代替的な構成をトレイ180上に配置された流体特性評価モジュール68の実施態様に含むことができることが理解される。
【0061】
可視光及び赤外光の利用から理解されるように、センサ98、99は、電磁スペクトルの可視領域及び赤外領域の両方において高い感度を有することができる。1つの好適なセンサは、OSRAM SFH3310フォトトランジスタであり、これは、可視光を検出するために最適化されるだけでなく、赤外領域内でその最大感度の約35%を維持する。第2のエミッタ97によって放出される赤外光の大きさは、散乱緑色光よりも相対的に大きく、したがって、電磁スペクトルの赤外領域におけるセンサ98、99の感度の低下は、センサ98、99の性能を損なわないものとすべきことに留意されたい。
【0062】
流体特性評価モジュール68は、少なくとも1つの集積回路を更に含むことができる。1つの実施態様においては、流体特性評価モジュール68は、LEDドライバ集積回路196と、光センサ集積回路198と、LEDドライバ集積回路196及び光センサ集積回路198と通信するマイクロコントローラ200とを含む。LEDドライバ集積回路196は、第1のエミッタ96及び第2のエミッタ97を駆動するための電流を供給するように構成される。光センサ集積回路198は、センサ98、99によって生成された信号をマイクロコントローラ200に(又はコントローラ60若しくは別のプロセッサに)送信するように構成される。マイクロコントローラ200は、信号を、アルゴリズムに提供される前述の値に変換し、流体の血液の濃度を判定するように構成される。
【0063】
流体特性評価モジュール68は、トランシーバ等の通信モジュール202(図23参照)を含むことができる。通信モジュール202は、マイクロコントローラ200の構成要素とすることができる。1つの例においては、通信モジュール202は、データを無線送信するためにBluetooth低エネルギープロトコルを利用する。データは、医療廃棄物収集システム40、適切なソフトウェアを有するモバイル装置、又は患者の失血を評価するための任意の他の好適な電子装置に送信することができる。
【0064】
流体特性評価モジュール68は、バッテリ204とバッテリ管理集積回路206とを更に含むことができる。LEDドライバ集積回路196、光センサ集積回路198、マイクロコントローラ200、及び/又は通信モジュール202は、バッテリ管理集積回路206と通信し、バッテリ管理集積回路206によって調整されるようにバッテリ204によって電力供給を受けるように構成することができる。1つの実施態様においては、バッテリ204は再充電可能とすることができる。例えば、バッテリ204は、充電ステーション、又は医療廃棄物収集システム40と一体化された充電ポート上で再充電することができる。バッテリ管理集積回路206は、バッテリ204の充電及び電力レベルの監視を管理するように構成される。例えば、バッテリ204が低いとき、バッテリ管理集積回路206は、制御パネル58又は別の電子装置上に表示されるアラートを送信するように構成することができる。
【0065】
ここで図18を参照すると、モジュールハウジング72がマニホールド66のヘッド78に取外し可能に連結されるように構成された、流体特性評価モジュール68の別の実施態様が示されている。マニホールド66は、複数の入口継手88a、88b、88c、88dを含む。4つの入口継手が示されているが、それより多くすることも少なくすることも企図される。入口継手88a、88b、88c、88dのうちの少なくとも1つは、光学的に透明とすることができる。モジュールハウジング72は、流体特性評価モジュール68をマニホールド66に連結するために入口継手88a、88b、88c、88dのうちの少なくとも1つを受けるようにサイズ決めされた少なくとも1つの開口部を含む。図示の実施態様は、モジュールハウジング72の開口部を通って延在する第1の入口継手88a及び第2の入口継手88bを示す。吸引管(複数の場合もある)は、モジュールハウジング72が吸引管(複数の場合もある)の間に配置されるように、モジュールハウジング72の遠位の第1の入口継手88a及び第2の入口継手88bに連結することができる。マニホールド66がレシーバ62内に取外し可能に位置決めされた状態で、吸引管(複数の場合もある)から、第1の入口継手88a及び第2の入口継手88b並びにマニホールド容積部を通ってレシーバ62及び医療廃棄物収集システム40の廃棄物容器46への吸引経路が確立される。したがって、流体特性評価モジュール68は、光学的に透明である第1の入口継手88a及び第2の入口継手88bを介して吸引経路と光学的に連通する。流体特性評価モジュール68は、ドングル(図示せず)を用いて医療廃棄物収集システム40に電子的に連結することができる。
【0066】
或る特定の実施態様において、マニホールド66は、各使用後に使い捨て可能であり、流体と医療廃棄物収集システム40との間に無菌障壁を提供する。同様に、マニホールド66の検出窓94は、流体と流体特性評価モジュール68の電子構成要素との間に無菌及び液体障壁を提供する。そのような構成においては、流体特性評価モジュール68は、再使用されるように構成された主要構成要素とすることができ、一方、マニホールド66は、使用後に廃棄されるように構成された使い捨て構成要素とすることができる。したがって、流体特性評価モジュール68を医療廃棄物収集システム40の構成要素又はその中に一体化することが望ましい場合がある。ここで図19図22を参照すると、流体特性評価モジュール68は、レシーバ62と一体化することができる。特に、流体特性評価モジュール68は、レシーバ62の入口機構208に配置することができる。入口機構208は、図20に最もよく示されるように、吸引入口を画定し、シール84を貫通してマニホールド66の第1の脚部158内に少なくとも部分的に位置決めされるように構成された吸引継手210を含む。吸引継手210がシール84を貫通した状態で、マニホールド容積部76とレシーバ62との間には封止された流体連通が提供される。
【0067】
入口機構208は、第1の支持要素212と第2の支持要素214とを含むことができる。第1の支持要素212及び第2の支持要素214は、マニホールド66をレシーバ62内に位置決めすること及び完全挿入動作位置でマニホールド66を支持することを容易にするように構成することができる。第1の支持要素212及び第2の支持要素214は、弓形の形状とし、第1の脚部158に合わせて輪郭形成することができる。さらに、第1の支持要素212及び第2の支持要素214は、少なくとも第1の脚部158の厚さに等しい距離だけ吸引継手210から離間させることができる。第1の支持要素212及び第2の支持要素214と吸引継手210との間の空間の深さは、空隙162の深さ以下とすることができる。マニホールド66がレシーバ62に挿入されて完全挿入動作位置にある状態で、第1の支持要素212は、シール84が吸引継手210と係合した状態で、空隙162内に着座又は収容される。第1の支持要素212は、完全挿入動作位置にあるときにレシーバ62に対するマニホールド66の移動を最小限に抑えるために、マニホールド66を更に支持することができる。
【0068】
入口機構208は、レシーバ62内で移動可能であり、マニホールド66が完全挿入動作位置にない限り、真空源48とマニホールド66との間の流体連通を防止する。特に、入口機構208は、近位から遠位の方向に移動可能とすることができる。マニホールド66が、完全挿入動作位置に向かって近位方向に移動されるにつれて、入口機構208は、遠位方向に並進し、マニホールド66が、完全挿入動作位置から離れて遠位方向に移動されるにつれて、例えば、マニホールド66を取り外す間に、入口機構208は、近位方向に並進し、レシーバ出口との位置合わせ状態から脱する。最後に、マニホールド66が完全挿入動作位置にあるとき、吸引出口及びレシーバ出口は、マニホールド66と廃棄物容器46との間に流体連通を提供するように位置合わせされる(図20参照)。
【0069】
本実施態様においては入口機構208が吸引経路の一部を画定するため、流体特性評価モジュール68との一体化に特に適した位置である。図22は、入口機構208に連結されたエミッタ96、97及びセンサ98、99を示す。特に、第1のエミッタ96は第1の支持要素212に連結され、第2のエミッタ97は第2の支持要素214に連結され、第1のセンサ98は第1の支持要素212に連結され、第2のセンサ99は第2の支持要素214に連結される。入口機構208は、LEDドライバ集積回路196、光センサ集積回路198、及びマイクロコントローラ200を更に収容することができる。本実施態様においては、流体特性評価モジュール68及びその電子構成要素は、医療廃棄物収集システム40の電源によって電力供給を受けることができ、したがって、バッテリは提供されなくてもよい。
【0070】
吸引継手210は、第1の窓218及び第2の窓220を画定することができる。第1の窓218及び第2の窓220は、第1の支持要素212上の第1のエミッタ96及び第1のセンサ98と、第2の支持要素214上の第2のエミッタ97及び第2のセンサ99との間に光通信を提供するように構成される。入口機構208の第1の窓218及び第2の窓220は、マニホールド66が完全挿入動作位置にある状態で、マニホールド66の第1の窓222及び第2の窓224と更に位置合わせされるように構成される。換言すれば、マニホールド66は、検出窓94を含むことができ、検出窓94自体は、第1の窓222及び第2の窓224から形成される。第1の窓222及び第2の窓224は、光学的に透明とすることができる。ここで図21を参照すると、トランク80の第1の脚部158は、第1の脚部158の上面226に第1の窓222を画定し、第1の脚部158の下面228に第2の窓224を画定することができる。第1の窓222及び第2の窓224が第1の脚部158上にある状態で、キャッチ154及び第1の窓222は、空隙162によって分離される。第1の窓222及び第2の窓224は、マニホールド66がレシーバ62に挿入されるように方向付けされたときに、第2の脚部160の下方に位置決めされる。さらに、第1の窓222及び第2の窓224は、リム164の遠位、アーム148の近位方向に向けられた面166の遠位、スパイン152の近位方向に向けられた面170の遠位、キャッチ154の遠位方向に向けられた面168の遠位、及びロック要素150の遠位方向に向けられた面の近位に位置決めすることができる。
【0071】
マニホールド66が完全挿入動作位置にある状態で、エミッタ96、97とセンサ98、99との間に光通信が提供される。特に、第1のエミッタ96から放出された光は、入口機構208の第1の窓218、マニホールド66の第1の窓222、吸引経路を含む第1の脚部158、マニホールド66の第2の窓224、入口機構208の第2の窓220を通過して第1のセンサ98に至る。同様に、第2のエミッタ97から放出された光は、入口機構208の第2の窓220、マニホールド66の第2の窓224、吸引経路を含む第1の脚部158、マニホールド66の第1の窓222、入口機構208の第1の窓218を通過して第2のセンサ99に至る。マニホールド66が完全挿入動作位置にある状態での医療廃棄物収集システム40の動作中、流体は、第1の脚部158を通ってシール84に向かい、シール84を通過し、したがって、前述の透過光及び散乱光は、第1のセンサ98及び第2のセンサ99を用いて検出することができ、4つの値がアルゴリズムに提供される。また、本構成は、流体がマニホールド66にのみ接触し、流体特性評価モジュール68には接触しないという結果をもたらし、それによって、医療廃棄物収集システム40の内部の入口機構208の汚染及び/又は点検若しくは洗浄の必要性を制限する。
【0072】
或る特定の実施態様においては、無線周波数識別(RFID)タグ216を、マニホールド66に連結し、医療廃棄物収集システム40のセンサ(例えば、データリーダ)によって検出されるように位置決めすることができる。図3図6図16図18、及び図21を参照すると、RFIDタグ216は、トランク80の上壁又は上面に配置することができ、マニホールド66の残りの図示も同様にRFIDタグ216を含むことができることを理解されたい。より具体的には、RFIDタグ216は、本体部156上に少なくとも部分的に位置決めすることができ、及び/又はRFIDタグ216は、第2の脚部160上に少なくとも部分的に位置決めすることができる。RFIDタグ216は、マニホールド66が第1の動作位置、第2の動作位置、第3の動作位置、及び/又は完全挿入動作位置にあるときに、データリーダによって検出されるように構成することができる。前述した理由により、物品を第4の動作位置又は完全挿入動作位置に挿入することができない場合、RFIDタグ216とリーダとの間にデータ通信は確立されず、コントローラ60は、医療廃棄物収集システム40の動作を防止し得る。或る特定の実施態様においては、RFIDタグ216は、マニホールド66が医療廃棄物収集システム40と共に使用可能であるかどうかを判定するためのデータを記憶するメモリを含むことができる。RFIDタグ216は、そのメモリからデータリーダにデータを送信し、医療廃棄物収集システム40のコントローラ60は、結果として生じるアクションを実行する。例えば、医療廃棄物収集システム40は、マニホールド66を認証し、成功した場合、医療廃棄物収集システム40は、意図されるように動作することができる。或る特定の実施態様においては、RFIDタグ216のメモリは、エミッタ96、97及び/又はセンサ98、99用の較正データを記憶することができる。認証が成功すると、較正データは、流体中の血液の濃度の正確な定量化のためにプロセッサ60に提供される。
【0073】
前述のように、患者からの流体の血液濃度を定量化することは、次いで、患者の失血を定量化すること、又はQBL分析を容易にすることができ、これは、医療従事者にとって特に重要な測定基準である。失血の体積を定量化するために、収集される流体の量を判定する必要がある。1つの例においては、流体中の血液の濃度と流体の体積との積は、失血の体積に少なくともほぼ等しい。収集された流体の体積を判定することができる1つの例示的な方法は、医療廃棄物収集システム40の廃棄物容器46内の流体の体積を測定することによるものである。流体上で浮遊するように構成されたフロート要素がセンサロッドに沿って移動する、流体測定アセンブリ47を設けることができる。質問信号(interrogating signal)がセンサロッドに沿って送られ、戻り信号がセンサロッドに沿ったフロート要素の位置に基づいて検出される。1つの好適な流体測定アセンブリ47は、前述の米国特許第7,612,898号に開示されている。流体測定アセンブリ47は、プロセッサ60と通信することができ、及び/又はプロセッサを含む別の装置と無線通信することができる。収集された流体の体積を判定することができる別の例示的な方法は、既知の期間にわたって収集された流体の流量を測定することによるものである。流量センサ(図示せず)は、吸引経路内の任意の好適な位置に配置することができる。流量センサは、プロセッサ60と通信することができ、及び/又は別の装置と無線通信することができる。流量センサは、超音波センサとすることができる。流量センサを利用する実施態様は、制御パネル58又は別の電子装置上の失血のリアルタイムでの定量化及び表示を提供することができる。
【0074】
ここで図23を参照すると、メインルーチン300は、光学取得サブルーチン302と、体積取得サブルーチン304と、血液体積計算サブルーチン306とを含む、失血のリアルタイムでの定量化のためのワークフローの概略図が示されている。メインルーチン300は、ステップ308を開始する。ステップ308は、マニホールド66がレシーバ62に取外し可能に挿入された状態で、ユーザが医療廃棄物収集システム40の動作を開始することを含むことができる。ステップ308は、医療廃棄物収集システム40のデータリーダが、マニホールド66上に配置されたRFIDタグ216を検出することを更に含むことができ、データリーダに送信されるデータは、マニホールド66が流体特性評価モジュール68を含むことを反映する。換言すれば、医療廃棄物収集システム40は、失血を判定するために使用されるタイプとしてマニホールド66を識別し(他のマニホールドは、そのような能力を有していない場合がある)、したがって、メインルーチン300を開始する必要がある。代替的に、ステップ308は、ユーザが制御パネル58上でQBL分析が望ましいことを選択することを含むことができる。
【0075】
ステップ310a、310bにおいては、エミッタ96、97及び/又はセンサ98、99を較正し、光学読取値を正規化することができる。エミッタ96、97からの電力出力、センサ98、99の感度、及び検出窓94の光学的透明度は、経時的に変動し得る。例えば、変動は、経年変化、温度変化、汚染、部品公差等によって引き起こされるものであり得る。ステップ310a、310bは、起動時及び/又は医療廃棄物収集システム40がアイドル状態である「休止期間」に実行することができる。1つの実施態様においては、ステップ310a、310bは、赤外LED及び可視光LEDのそれぞれを較正することを含む。LEDがオフに切り替えられ、熱均等化のための数秒間を経た後に、センサ98、99からの出力が「暗」較正読取り値dとして記憶される。LEDが切り替えられ、熱均等化のための数秒間を経た後に、センサ98、99からの出力が「明」較正読み取り値bとして記憶される。これらの値は、較正データデータベース312のメモリに記憶される。システム動作中、任意のセンサ値読取り値sは、次の式を使用して吸光度値Aに変換される。
【数1】
【0076】
ステップ310a、310bを実行することにより、明較正値及び暗較正値に対する全ての後続の読取り値がレンダリングされる。さらにまた、吸光度に変換することにより、基本的に対数である領域から、モデル化するのがより容易な線形領域に光学読取り値を変換する。結果として得られる較正データは、較正データデータベース312に提供することができる。
【0077】
代替的に、較正データは、較正データデータベース312によって事前に記憶され、提供されたものとすることができる。較正データデータベース312は、エミッタの1つ以上のモデル、光検出器の1つ以上のモデルに関する較正データを記憶することができる。特定の流体特性評価モジュール68上のエミッタ及びセンサのモデルは、RFIDタグ216からデータリーダに送信されるデータとすることができる。較正データは、較正データデータベース312に書き込むことができる。ステップ310a、310bは任意選択である。
【0078】
ステップ314において、光信号遅延を設定することができる。付加的又は代替的に、ステップ314において、体積信号の遅延を設定することができる。センサアセンブリ70と流体測定アセンブリ47との間には物理的な距離があることから、センサアセンブリ70が流体の特性を測定するときから、その同じ流体が廃棄物容器46に入り、流体測定アセンブリ47を用いて体積変化によって測定されるときまでに遅延がある。さらに、血液濃度及び収集された流体体積は、失血の体積を計算するために合わせて利用されることから、2つの信号は同期することができる。1つの実施態様においては、光信号は、それに体積信号を乗算する前に遅延する。結果として得られる遅延データは、遅延データベース316に提供することができる。ステップ314は任意選択とすることができる。別の実施態様においては、遅延は、計算された血液の濃度に基づいて更新される。そのような実施態様においては、ステップ314は、初期遅延とみなされ得るが、その後、遅延は、血液の計算された割合に基づいて、連続的に調整される。これは、システムを通ってより遅く移動する血液の高い割合を考慮に入れることによって精度を有利に改善することができ、したがって、より長い遅延値が必要となる。
【0079】
ステップ310の後に、光学取得サブルーチン302、体積取得サブルーチン304、及び血液体積計算サブルーチン306を実行することができる。例示的な実施態様においては、サブルーチン302、304、306は同時に実行される。引き続き図23を参照すると、光学取得サブルーチン302は、割込みを待つステップ320を含む。メインルーチン300は、追加のデータが生成されたという光学取得サブルーチン302及び体積取得サブルーチン304からの通知(割込み)までアイドル状態とすることができる。メインルーチン300は、データを使用して、所与の期間の血液体積を判定する。次いで、メインルーチン300は、次の割込みまでアイドル状態となる。光学取得サブルーチン302は、光信号を生成するステップ322を更に含むことができる。光信号は、例えば可視光及び赤外光等の光エネルギーを放出するエミッタ96、97によって生成される。光学取得サブルーチン302は、光信号を取得するステップ324を含む。光信号は、センサ98、99によって取得され、特に、可視光及び赤外光のそれぞれについて透過光及び散乱光が取得される。ステップ324は、光信号データを蓄積し、光信号データを光信号データベース326に送信することを含むことができる。光学取得サブルーチン302は、エミッタ96、97を制御する任意選択のステップ328、及び/又はより詳細に説明される利得調整の任意選択のステップ330を含む。ステップ328は、エミッタ96、97を流れる電流を監視することを含む。電流が増加又は減少する場合(例えば、温度の変化等の何らかの外部からの影響に起因して)、LEDドライバ集積回路196への制御信号は、補償するように調整される。光学取得サブルーチン302は、約800サンプル/秒(sam/sec)~1000sam/secの範囲内、より具体的には約875sam/sec~925sam/secの範囲内、更により具体的には約900sam/secのサンプリングレートで実行することができる。光信号の変換は、10000回/秒で行うことができ、フィルタリングされた結果は、900回/秒で記憶することができる。
【0080】
体積取得サブルーチン304は、廃棄物容器46内の流体の体積を測定するための体積信号を生成するステップ332と、信号を取得するステップ334とを含む。先に説明したように、流体測定アセンブリ47は、廃棄物容器46内の収集された流体の体積を判定することができる、及び/又は流量センサは、収集された流体の体積を判定するために、吸引経路内の流体の流量を測定することができる。判定された体積は体積データとして提供され、ステップ334は、体積データを蓄積して体積データデータベース336に送信することを含むことができる。体積取得サブルーチン304は、約900計算/秒(calc/sec)~1100calc/secの範囲内、より具体的には約975calc/sec~1025calc/secの範囲内、更により具体的には約1000calc/secのサンプリングレートで実行することができる。
【0081】
血液体積計算サブルーチン306は、蓄積された光信号データを光信号データベース326から受信し、平均光信号を計算するステップ338を含む。平均光信号は、光出力(O/P)データベース340に提供することができる。光出力は、最後の期間(例えば、1/10秒)にわたるセンサ98、99からの平均光データである。ステップ346は、体積データを除いて同様である。次いで、ステップ350において、体積データを使用して、流量、特に最新の体積測定値と直前の体積測定値との間の差を計算する。流量データは、流量O/Pデータベース352に提供することができる。遅延した光学データはステップ354で判定され、データは血液のパーセント濃度に変換される。これは、最後の期間(例えば、1/10秒)の流体中の血液濃度を示すことができる。流量は、ステップ356で得られ、失血の体積を判定するために血液濃度に対して乗算される。血液体積計算サブルーチン306は、約5計算/秒(calc/sec)~15calc/secの範囲内、より具体的には約8calc/sec~12calc/secの範囲内、更により具体的には約10calc/secの計算速度で実行することができる。
【0082】
上述したように、センサアセンブリ70が流体の光学特性を測定したときから、その同じ流体が廃棄物容器46に入り、流体測定アセンブリ47を用いて測定されるときまでには、遅延があり得る。ここで図24及び図25を参照すると、流体特性評価モジュール68を用いて流体の光学特性を検出する直前に流体の体積を判定することができる、マニホールド66の別の実施態様が示されている。マニホールド66は、マニホールド66を少なくとも第1のリザーバ232及び第2のリザーバ234に分割する少なくとも1つの障壁230を含む。第1のリザーバ232及び第2のリザーバ234は、互いに流体連通しない。入口継手88は、後述する方法で、第1のリザーバ232及び第2のリザーバ234のうちの一方と選択的に流体連通する。マニホールド66は、第1の出口開口部を画定する第1の出口継手236と、第2の出口開口部を画定する第2の出口継手238とを含むことができ、それぞれは、第1のリザーバ232及び第2のリザーバ234のそれぞれと流体連通する。第1の出口継手236及び第2の出口継手238のそれぞれは、マニホールド66がインライン構成で動作するように、出口吸引管を受けるように構成される。出口吸引管は、流体特性評価モジュール68に連結される。流体の流れが流体特性評価モジュール68に遭遇する前に出口吸引管を合流させるために、アダプタを設けることができる。
【0083】
マニホールド66は、第1のリザーバ232及び第2のリザーバ234のそれぞれに関連付けられた、第1の流体レベルアセンブリ240と第2の流体レベルアセンブリ242とを含む。図25は、第1のリザーバ232内に配置された第1の流体レベルアセンブリ240と、第2のリザーバ234内に配置された第2の流体レベルアセンブリ242とを示す。第1の流体レベルアセンブリ240及び第2の流体レベルアセンブリ242は、入口継手88と第1のリザーバ232及び第2のリザーバ234のうちの一方との間の選択的な流体連通を提供し、さらに、第1のリザーバ232及び第2のリザーバ234のうちの一方とそのそれぞれの出口継手236、238との間の選択的な連通を提供するように、機械的に作動される弁として機能するように構成される。第1の流体レベルアセンブリ240及び第2の流体レベルアセンブリ242は、遠位流れ方向付け部材244及び遠位流れ方向付け部材244に連結された近位流れ方向付け部材246を枢動させる機構に連結されたフロート要素を含む。それぞれの流体レベルを判定するために、電子センサを代わりに設けることができること、及び/又は吸引経路の選択的な交互切替えを行うために、電子作動弁を代わりに設けることができることが企図される。
【0084】
第1の流体レベルアセンブリ240及び第2の流体レベルアセンブリ242は、所定の又は判定可能な流体レベルで第1のリザーバ232と第2のリザーバ234との間の吸引経路を交互に切り替えるように調整される。マニホールド66の寸法が固定されているため、吸引経路は、既知の流体容積で、第1のリザーバ232と第2のリザーバ234との間で効果的に交互に切り替えられる。したがって、吸引経路が交互に切り替えられると、既知の体積の流体が、流体特性評価モジュール68を通して吸引され、それによって、光学測定と体積測定との間の前述の遅延がなくなる。
【0085】
例えば、図25は、第2の障壁248が流体を第2のリザーバ234内へ方向付けるように、遠位流れ方向付け部材244が位置決めされるか又は角度付けられる、第1の構成におけるマニホールド66を示す。近位流れ方向付け部材246は、第2の出口開口部を遮断し、第1の出口開口部を通る流れを許容するように、対応して位置決めされるか、又は角度付けられる。真空が出口吸引管の両方に引かれると、第2のリザーバ234には真空がなくなるが、第1のリザーバ232を通して入口継手88には真空がある。流体の流入は、第2のリザーバ234内に集まり、第2の流体レベルアセンブリ242のフロート要素は、それに応じて上昇する。機構の相互接続により、第2のリザーバ234内の収集された流体及びフロートが所定のレベルに到達すると、遠位流れ方向付け部材244及び近位流れ方向付け部材246は、交互に切り替えられた位置にシフトされる。換言すれば、マニホールド66は、遠位流れ方向付け部材244が、流体を第1のリザーバ232内へ方向付けるように位置決めされるか、又は角度付けられ、近位流れ方向付け部材246が、第2の出口開口部を通る流れを許容するように位置決めされるか、又は角度付けられる、第2の構成に移動される。第2の構成においては、真空は、流体特性評価モジュール68を通して第2のリザーバ234を空にし始める。エミッタ96、97及びセンサ98、99は、第2のリザーバ234から廃棄物容器46へ方向付けられる廃棄流体の光学特性を検出する。おそらく同時に、追加の廃棄流体が第1のリザーバ232内に蓄積している。マニホールド66は、第1の構成と第2の構成との間で選択的に交互に切り替えられるか又はトグル切替え(toggled)されて、所望の回数又は必要な回数だけプロセスを繰り返すことができる。
【0086】
先に説明したように、光学取得サブルーチン302は、利得調整のステップ330を含む。利得調整は、血液が光を吸収及び散乱させるのに非常に効果的であり、したがって、血液の濃度が増加するにつれて、血液を通過する光の量が非常に急速に減少し、それによって、場合によっては、高濃度でのセンサ98、99の感度及び分解能が不十分になることが認められる。例えば、センサ98、99の高い利得が選択された場合、センサ98、99は、血液濃度レベルが低いときに飽和し、それによって、低濃度での感度及び分解能が不十分となる可能性がある。この問題を克服するために、流体特性評価モジュール68は、有利には、センサ98、99のうちの一方又は双方の利得のオンザフライ調整を提供する。したがって、血液の濃度が増加するにつれて、センサ98、99の利得を増加させることができる。より具体的には、センサ98、99によって検出された光が所定の透過率閾値を下回ると、センサ98、99の利得が増加する。逆に、血液の濃度が減少するにつれて、センサ98、99の利得を減少させることができる。より具体的には、センサ98、99によって検出された光が所定の透過率閾値(又は別の所定の透過率閾値)を超えて上昇すると、センサ98、99の利得は減少する。
【0087】
1つの実施態様においては、光検出器は、第1の利得レベルで流体の第1の光透過率を検出し、透過率信号を生成する。透過率信号は、コントローラ又はプロセッサ60に送信される。プロセッサ60は、透過率信号に基づいて、第1の利得レベルを第2の利得レベルに変更する。コントローラ又はプロセッサ60は、透過率信号と、第1の利得レベル及び第2の利得レベルのうちの少なくとも一方とに基づいて、血液の濃度を判定する。第2の利得レベルは、第1の利得レベルよりも大きくても小さくてもよい。例えば、時間(t)にわたる光透過率(UIN)及び利得(UOUT)を示す図29を参照すると、利得は、第1の利得レベル(U)にあり、光透過率は、最初に、点Aにおいて、所定の透過率閾値(U)を超えるように増加する。コントローラ又はプロセッサ60は、点Cにおける第1の利得レベルから点Dにおける第2の利得レベル(U)に利得レベルを調整するように構成される。第1の利得レベル及び/又は第2の利得レベルは、流体の透過率又は別の検知パラメータに基づく関数として記憶することができる。その後、血液の濃度は更に減少するが、次いで、点Bで所定の透過率閾値を下回るまで光透過率が減少するように増加する。コントローラ又はプロセッサ60は、点Dにおける第2の利得レベルから点Eにおける第1の利得レベルに利得レベルを調整するように構成される。第1の利得レベルと第2の利得レベルとの間の利得レベルの調整は、光透過率が所定の透過率閾値を通過する各インスタンスにおいて行われ得る。3つ以上の異なる利得レベルを実現することができるように、2つ以上の所定の透過率閾値が存在し得ることが理解される。さらに、図28に示すように、マイクロコントローラによって制御されるアナログスイッチと、複数の抵抗器とを用いることによって、利得を必要に応じて選択的に変更することができる。
【0088】
光透過率が所定の透過率閾値にわたって変動する場合、利得は、おそらく過度に繰り返し調整され得る。利得レベルの過度の切替わりを回避するために、ヒステリシスのレベルを含むことができる。「ノイズ」がより少ない前述の利得調整を提供するための例示的な解決策が図30に示されており、第1の所定の透過率閾値(UT1)及び第2の所定の透過率閾値(UT2)が利用される。より具体的には、第2の所定の透過率閾値は、第1の所定の透過率閾値よりも大きく、その結果、利得レベルを減少させるための閾値よりも利得レベルを増加させるための閾値の方が高い。例えば、利得が第1の利得レベルにあり、光透過率は最初に増加して点Fにおいて第1の所定の透過率閾値を超える。利得レベルの減少は、測定された光透過率が第2の所定の透過率閾値を超えて上昇することに限定されることから、利得レベルは点Fにおいて調整されない。プロットは、点Gにおいて第1の所定の透過率閾値を超えるように更に増加する光透過率を示す。コントローラ又はプロセッサ60は、点Hにおける第1の利得レベルから点Iにおける第2の利得レベルに利得レベルを調整するように構成される。その後、プロットは、血液の濃度が更に増加し、次いで、点Jにおいて第2の所定の透過率閾値を下回るまで減少することを示す。利得レベルの増加は、第1の所定の透過率閾値を下回る測定された光透過率に限定されるため、利得レベルは、点Jにおいて調整されない。プロットは、点Kにおいて第1の所定の透過率閾値を下回るまで更に減少する光透過率を示す。コントローラ又はプロセッサ60は、利得レベルを点Lにおける第2の利得レベルから点Mにおける第1の利得レベルに調整するように構成される。4つ以上の異なる利得レベルを実現することができるように、3つ以上の所定の透過率閾値を設けることができることが理解される。
【0089】
センサアセンブリ70は、検出された光透過率に基づいて選択的に動作する追加のセンサを有することができることが企図される。例えば、センサのうちの1つ以上は、低い光透過率に較正することができ、他のセンサは、高い光透過率に較正することができる。或る特定のセンサは、デフォルトで動作するように設定することができる。検出された光透過率が所定の透過率閾値を下回って減少する場合、コントローラ60は、低い光透過率に較正されたセンサ(複数の場合もある)を選択的に作動させることができる。検出された光透過率が所定の透過率閾値を超えて戻るか又は増加する場合、コントローラ60は、高い光透過率に較正されたセンサ(複数の場合もある)を選択的に作動させることができる。付加的又は代替的に、エミッタ96、97の輝度は、検出された光透過率に基づいて調整することができる。例えば、検出された光透過率が所定の透過率閾値を下回って減少する場合、コントローラ60は、エミッタ96、97から放出される光の輝度を増加させることができる(又は、より明るいエミッタを起動することができる)。逆に、検出された光透過率が所定の透過率閾値を上回って戻るか又は増加する場合、コントローラ60は、エミッタ96、97から放出される光の輝度を減少させることができる(又はより明るいエミッタを起動解除することができる)。
【0090】
ここで図31を参照すると、血液管理システム39は、医療廃棄物収集システム40と、スポンジシステム41と、ユーザインタフェース43とを含むことができる。血液管理システム39は、最も包括的な意味では、システム40、41、43を活用して患者の失血のリアルタイムでの定量化を提供して、血液が手術室にもたらされ得る異なる方法を考慮する。システム40、41、43からのデータの編集は、ユーザインタフェース43上に表示される患者の失血のリアルタイムでの正確な定量化を有利に提供する。データは、任意選択で、患者の電子医療記録(EMR)45に転送することができる。改善された精度は、過度の失血の発生時に医療従事者に提供することができる、より信頼性の高い視覚的及び聴覚的アラームを提供する。
【0091】
血液管理システム39は、本開示全体を通して説明され、引用することにより本明細書の一部をなすものとする、医療廃棄物収集システム40を含む。医療廃棄物収集システム40は、血液を他のバルク流体から分離することができ、後続の体積測定は、失血体積計算のために使用される。付加的又は代替的に、医療廃棄物収集システム40は、血液のみが吸引されているという入力をユーザから受けることができる。例えば、羊水の採取後に流体の体積を計ることが知られている。流体特性評価モジュール68は、マニホールド66と一体化されるか、又はマニホールド66に取外し可能に連結されるかのいずれかであり、及び/又は本明細書において説明される実施態様のうちのいずれか1つ以上を通して医療廃棄物収集システム40と一体化される。
【0092】
医療廃棄物収集システム40は、QBL分析を実行することができ、血液体積データをユーザインタフェース43に無線で送信する。付加的又は代替的に、ユーザインタフェース43、モバイル装置等の別の装置、又は遠隔サーバ等が、本明細書において説明されるデータを受信し、アルゴリズムを実行して、QBL分析を行うことができる。医療廃棄物収集システム40は、ユーザインタフェース43と電子通信する。電子通信の例示的な形態は、Bluetooth低エネルギープロトコル、並びに医療廃棄物収集システム40及びユーザインタフェース43のそれぞれが無線で接続されるローカルエリアネットワーク(LAN)を含む。
【0093】
スポンジシステム41は、外科用スポンジ等の吸収性物品内に含まれる失血体積を判定するように構成される。1つの例示的なスポンジシステムは、Stryker Corporation(ミシガン州カラマズー)によってSurgiCountの商品名で販売されている。スポンジシステム41は、失血のパラメータを計算するためのオンボード構成要素を有するスタンドを含む。スタンドは、1つ以上の検出装置と、1つ以上の質量測定装置とを含む。例示的な実施態様においては、検出装置はコードリーダであり、質量測定装置はロードセルである。
【0094】
別の実施態様においては、質量測定装置は、吸収性物品を計量するための埋込み型ロードセルを有する吸収性物品用の容器アセンブリとすることができる。この容器アセンブリはまた、容器アセンブリ内の吸収性物品を検出するように構成された電子機器を含むことができる。吸収性物品が検出されると、予めプログラムされたデータセットから部品番号及び乾燥重量によってそれらを識別するために、情報がプロセッサに送信される。
【0095】
失血体積データが示された時点で、バッグ又は他の貯蔵用品が、質量測定装置上に又は質量測定装置によって物理的に支持され得る。バッグは、その部品番号及びその乾燥重量に関連するスキャン可能なコードを含むことができる。吸収性物品(複数の場合もある)がバッグ内に導入されると、吸収性物品上に配置されたスキャン可能なコードが、コードリーダによってスキャンされる。データベースは、吸収性物品の部品番号及び乾燥重量を含む。質量測定装置は総重量を測定し、吸収性物品の乾燥重量(複数の場合もある)を差し引いて、吸収された流体の重量を計算する。血液の重量及び既知の密度から、吸収された失血体積を計算することができる。スポンジシステム41は、ユーザインタフェース43と電子通信し、スポンジシステム41は、失血体積を無線で又は有線接続を介してユーザインタフェース43に送信することができる。
【0096】
別の実施態様においては、乾燥重量の精度は、製造中にバッグ又は吸収性物品の質量を測定することによって改善することができ、測定された質量(複数の場合もある)は、例えば、RFIDタグ216の事前にプログラムされたデータセット内に記憶される。測定された質量は、測定されたロット又はパック平均質量に基づくものとすることができる。
【0097】
ユーザインタフェース43は、医療従事者に急性期患者情報を提供するためのハブとして機能する。失血の体積は、処置全体を通してリアルタイムで制御パネル58及び/又はユーザインタフェース43上に表示することができる。失血の体積はまた、処置が開始されてからの時間にわたるグラフプロットとして表示することができる。例示的な実施態様においては、ユーザインタフェース43は、吸引された失血体積、吸収された失血体積、アラーム、警告、及び全ての他の重要情報等の全ての好適な情報を表示するタッチスクリーンディスプレイを伴うタブレットである。例えば、失血速度を使用して、アラームをトリガし、高い失血速度、ひいては分娩後出血の可能性をヘルスケアスタッフに警告することができる。ユーザインタフェース43は、全ての関連データを組み合わせることによって、患者の総失血を表示する。アラーム又は警告は、ユーザインタフェース43に無線でプッシュされる閾値又はガイドラインに基づくものとすることができる。閾値は、製造業者が事前に決定するか、医療施設プロトコルに基づいて実装するか、又は臨床若しくは他のガイドラインを通して取得することができる。ガイドラインは、外部臨床組織、臨床データマイニングからの人工知能による決定、又は他のソースに基づくものとすることができる。失血速度に基づいて追加のアラートを生成することができる。また、タッチスクリーンディスプレイは、ユーザ入力、特に、失血に関連する医療従事者からの定性的な入力を受けるように構成される。定性的な入力は、床又は追加の吸収性物品上で可視化された失血体積の推定値を含むことができる。
【0098】
処置中に使用される灌注流体の体積も、既知である場合、タッチスクリーンディスプレイに入力することができる。付加的又は代替的に、灌注流体は、使用される流体の質量又は体積を測定及び/又は通信することが可能なシステムのサポートを受け、重力供給することができる。灌注流体の初期体積を、入力、測定、及び/又は走査することができる。灌注システムは、使用される灌注流体の体積の計算のために現在の質量を測定するロードセルを含むことができる。付加的又は代替的に、灌注流体を送達するために電子ポンプが利用される場合、電子ポンプは、使用される灌注流体の体積を示すデータを生成及び送信することができる。
【0099】
いくつかの実施形態について、前述の説明において論じた。しかしながら、本明細書において論じた実施形態は、網羅的であること、又は本発明を任意の特定の形態に限定することを意図するものではない。使用された用語は、限定ではなく、説明の言葉としての性質を有するものであることが意図される。上記の教示に照らして多くの変更及び変形が可能であり、本発明は、詳細に説明されたものとは別様に実施することができる。
【0100】
或る特定の実施態様は、以下の例示的な項目を参照して説明することができる。
【0101】
項目1-流体特性評価モジュールのセンサアセンブリと、流体の吸引経路を生成するように構成された真空源とを含む医療廃棄物収集システムのレシーバと取外し可能に連結されるように構成されたマニホールドであって、出口開口部及び検出窓を画定する第1の脚部と、空隙を画定するように第1の脚部から離間した第2の脚部と、吸引管と取外し可能に連結されるように構成された入口継手とを含む、ハウジングを備え、検出窓は、マニホールドがレシーバに取外し可能に挿入された状態で、センサアセンブリと光通信して配置されるように構成される、マニホールド。
【0102】
項目2-検出窓は、第1の脚部の上面に配置された第1の窓と、第1の脚部の下面に配置された第2の窓とから構成される、項目1に記載のマニホールド。
【0103】
項目3-出口開口部は、検出窓の近位にある、項目1又は2に記載のマニホールド。
【0104】
項目4-第1の脚部から外向きに延在するアームを更に備え、第1の脚部の近位方向に向けられた面は、検出窓の遠位にある、項目1~3のいずれか一つに記載のマニホールド。
【0105】
項目5-第2の脚部上に配置されたキャッチを更に備え、キャッチの遠位方向に向けられた面は、検出窓の近位に位置決めされる、項目1~4のいずれか一つに記載のマニホールド。
【0106】
項目6-キャッチ及び検出窓は、空隙によって分離される、項目5に記載のマニホールド。
【0107】
項目7-検出窓は、医療廃棄物収集システムのレシーバに挿入するためにマニホールドが方向付けされたときに第2の脚部の下方に位置決めされるように構成される、項目1~6のいずれか一つに記載のマニホールド。
【0108】
項目8-第1の脚部から延在するスパインを更に備え、スパインの近位方向に向けられた面は、検出窓の遠位に位置決めされる、項目1~7のいずれか一つに記載のマニホールド。
【0109】
項目9-第2の脚部上に少なくとも部分的に配置され、データを記憶するメモリを含む、無線周波数識別(RFID)タグを更に備える、項目1~8のいずれか一つに記載のマニホールド。
【0110】
項目10-医療廃棄物収集システムによって生成された吸引経路を通して収集された流体から失血の体積を判定する方法であって、光検出器から信号を受信するステップと、流体中の血液の濃度が信号に基づいて判定される光学取得サブルーチンを実行するステップと、収集された流体の体積が測定又は判定される体積取得サブルーチンを実行するステップと、失血の体積が血液濃度及び収集された流体の体積に基づいて判定される血液体積計算サブルーチンを実行するステップとを含む、方法。
【0111】
項目11-光学取得サブルーチンと、体積取得サブルーチンと、血液体積計算サブルーチンとを含むメインルーチンを実行するステップを更に含み、メインルーチンは、光検出器が光の少なくとも2つの異なる波長に基づいて較正される較正サブルーチンを更に含む、項目10に記載の方法。
【0112】
項目12-血液体積計算サブルーチンは、所定の透過率閾値に対する光の透過率に基づいて光検出器の利得を調整するステップを更に含む、項目10又は11に記載の方法。
【0113】
項目13-血液体積計算サブルーチンは、吸引経路の流量を計算するステップを更に含む、項目10~12のいずれか一つに記載の方法。
【0114】
項目14-項目10~13のいずれか一つに記載の方法を実行するように構成されたコンピュータプログラム製品。
【0115】
項目15-マニホールドを通して流体を収集する医療廃棄物収集システムであって、廃棄物容器と、吸引経路を生成するように構成された真空源と、廃棄物容器に連結され、マニホールドが取外し可能に挿入されるように構成された開口部を画定するレシーバと、吸引経路内の流体の光学特性を検出するように配置されたセンサアセンブリを含む流体特性評価モジュールと、センサアセンブリと通信し、流体中の血液体積損失を判定するための信号とともに、センサアセンブリから血液濃度信号を受信するように構成されたプロセッサと、廃棄物容器に連結され、プロセッサと通信する流体測定アセンブリであって、収集された流体の体積を測定するように構成される、流体測定アセンブリとを備え、プロセッサは、流体測定アセンブリから流体体積信号を受信するように構成され、血液濃度信号及び流体体積信号と関連付けられる値は、失血体積を定量化することを容易にする、医療廃棄物収集システム。
【0116】
項目16-コントローラと通信する流量センサであって、収集された流体の流量を測定するように構成される、流量センサを更に備え、コントローラは、流体測定アセンブリから流量信号を受信するように構成され、血液濃度信号及び流量信号と関連付けられる値は、失血体積を定量化することを容易にする、項目15に記載の医療廃棄物収集システム。
【0117】
項目17-プロセッサを含むモバイル装置を更に備える、項目15又は16に記載の医療廃棄物収集システム。
【0118】
項目18-マニホールドを通して廃棄流体材料を収集する医療廃棄物収集システムであって、廃棄物容器と、廃棄物容器に真空を提供するように構成された真空源と、廃棄物容器に連結され、マニホールドが取外し可能に挿入されるように構成される開口部を画定するレシーバであって、近位方向及び遠位方向に移動可能な入口機構を含む、レシーバと、入口機構に連結されたセンサアセンブリであって、マニホールドを通過する流体の光学特性を検出するように配置されるように構成される、センサアセンブリとを備える、医療廃棄物収集システム。
【0119】
項目19-センサアセンブリと通信し、特性を示すセンサアセンブリからの信号を受信するように構成され、信号から流体中の血液濃度を判定するように更に構成されたプロセッサを更に備える、項目18に記載の医療廃棄物収集システム。
【0120】
項目20-入口機構は、吸引入口から離間した第1の支持要素を更に含み、センサアセンブリは、第1の支持要素上に配置された第1のエミッタを含む、項目18又は19に記載の医療廃棄物収集システム。
【0121】
項目21-入口機構は、吸引入口から離間し、第1の支持要素に対向して位置決めされた第2の支持要素を更に含み、センサアセンブリは、第2の支持要素上に配置された第1のセンサを含む、項目20に記載の医療廃棄物収集システム。
【0122】
項目22-センサアセンブリは、第2の支持要素上に配置された第2のエミッタを含む、項目21に記載の医療廃棄物収集システム。
【0123】
項目23-センサアセンブリは、第1の支持要素上に配置された第2のセンサを含む、項目22に記載の医療廃棄物収集システム。
【0124】
項目24-入口機構は、マニホールドをレシーバに挿入する間及びマニホールドをレシーバから取り外す間、近位から遠位の方向に移動するように構成される、項目18~23のいずれか一つに記載の医療廃棄物収集システム。
【0125】
項目25-マニホールドを通して廃棄流体材料を収集する医療廃棄物収集システムであって、廃棄物容器と、廃棄物容器に真空を提供するように構成された真空源と、レシーバであって、廃棄物容器に連結され、マニホールドが取外し可能に挿入されるように構成された開口部、及び、レシーバ出口を画定し、近位方向及び遠位方向に移動可能な入口機構を備える、レシーバと、レシーバに連結され、マニホールドを通過する流体の特性を検出するようにマニホールドに対して配置されるセンサアセンブリであって、特性は流体中の血液濃度を示す、センサアセンブリと、を備える、医療廃棄物収集システム。
【0126】
項目26-失血を定量化する医療廃棄物収集システムであって、廃棄物容器と、廃棄物容器に真空を提供するように構成された真空源と、第1の利得レベルで流体の第1の光透過率を検出し、透過率信号を生成するように構成された光検出器を備える流体特性評価モジュールと、光検出器と通信し、光検出器から透過率信号を受信し、透過率信号に基づいて第1の利得レベルを第2の利得レベルに変更し、透過率信号、並びに、第1の利得レベル及び第2の利得レベルのうちの少なくとも一方、に基づいて流体中の血液の濃度を判定するように構成されたプロセッサと、を備える、医療廃棄物収集システム。
【0127】
項目27-透過率信号は、第1の所定の透過率閾値を上回り、第2の利得レベルは、第1の利得レベルよりも小さい、請求項26に記載の医療廃棄物収集システム。
【0128】
項目28-透過率信号は、第1の所定の透過率閾値を下回り、第2の利得レベルは、第1の利得レベルよりも大きい、項目26又は27に記載の医療廃棄物収集システム。
【0129】
項目29-プロセッサは、透過率信号が第1の所定の透過率閾値よりも小さい第2の所定の透過率閾値を上回るか下回るかを判定し、透過率信号が第2の所定の透過率閾値を下回る場合に、第2の利得レベルを第1の利得レベル又は第3の利得レベルに変更するように更に構成される、項目27又は28に記載の医療廃棄物収集システム。
【0130】
項目30-医療廃棄物収集システムのセンサアセンブリ及び真空源と流体連通して配置されるように構成された、流体中の血液を定量化するマニホールドであって、第1の流体リザーバ及び第2の流体リザーバを分離する障壁と、入口継手とを備える、ハウジングであって、第1の流体リザーバと流体連通する第1の出口開口部と、第2の流体リザーバと流体連通する第2の出口開口部とを画定する、ハウジングと、第1の流体リザーバ内に配置された第1の流体レベルアセンブリと、第2の流体リザーバ内に配置された第2の流体レベルアセンブリと、遠位流れ方向付け部材と、近位流れ方向付け部材とを備え、遠位流れ方向付け部材及び近位流れ方向付け部材は、第1の流体リザーバ及び第2の流体リザーバのうちの一方の中に流体を選択的に向け、第1の流体リザーバ及び第2の流体リザーバのうちの同じ1つを通して流体が引き込まれることを選択的に遮断するように切り替えられるように構成される、マニホールド。
【0131】
項目31-遠位流れ方向付け部材は、第1の流体レベルアセンブリ及び第2の流体レベルアセンブリに連結される、項目30に記載のマニホールド。
【0132】
項目32-近位流れ方向付け部材は、遠位流れ方向付け部材に動作可能に連結される、項目30又は31に記載のマニホールド。
【0133】
項目33-遠位流れ方向付け部材及び近位流れ方向付け部材は、電子的に制御される弁である、項目30に記載のマニホールド。
【0134】
項目34-真空源を含む医療廃棄物収集システムのマニホールドレシーバに取外し可能に挿入されるように構成された、流体中の血液を定量化するマニホールドであって、ハウジングであって、真空源からの真空の影響下でマニホールドを通して流体を引き込む吸引管と取外し可能に連結されるように構成された入口継手を備えるヘッドと、ヘッドに連結され、マニホールドの長手方向軸からオフセットした出口開口部を画定することを含むトランクとを備えるハウジングと、ハウジング内に配置されたフィルタ要素とを備え、ヘッドの少なくとも一部は、光学センサアセンブリのエミッタと検出器との間に位置決めされるように構成された検出窓を備えるように、光学的に透明である、マニホールド。
【0135】
項目35-ハウジングは、マニホールド容積部を画定し、マニホールド容積部の下方に液溜め部を画定する突出部を更に備え、突出部は検出窓を備える、項目34に記載のマニホールド。
【0136】
項目36-突出部は、光学センサアセンブリを含む流体特性評価モジュールに取外し可能に連結されるように構成された連結特徴部を備え、任意選択で、連結特徴部は、流体特性評価モジュールのスロットに摺動可能に係合するように構成された少なくとも1つのレールを備える、項目34又は35に記載のマニホールド。
図1
図2
図3
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図5
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【国際調査報告】