(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】基板全体に均一な温度を有する基板支持体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20231124BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528360
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021059455
(87)【国際公開番号】W WO2022108900
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス・ジェレミー・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】マチュシュキン・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】サミュロン・エリック
(72)【発明者】
【氏名】コメンダント・キース
(72)【発明者】
【氏名】ユ・イクサン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004BA04
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA05
5F131BA19
5F131BA37
5F131CA03
5F131EB16
5F131EB18
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
【解決手段】基板処理システムのための基板支持体は、ベースプレートおよびその上に配置されている溶射被膜層を備える。溶射被膜層は、第1の厚さおよび第1の熱伝導率を有する。接着層は、溶射被膜層の上に配置されている。接着層は、第2の厚さおよび第2の熱伝導率を有する。セラミック層は、接着層の上に配置されている。第1の厚さおよび第2の厚さの少なくともいずれか一方は、径方向および方位角方向の少なくともいずれか一方に変化し、その結果、セラミック層とベースプレートとの間の第3の熱伝導率が、径方向および方位角方向の少なくともいずれか一方に変化する。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムのための基板支持体であって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートの上に配置されている溶射被膜層であって、第1の厚さおよび第1の熱伝導率を有する溶射被膜層と、
前記溶射被膜層の上に配置されている接着層であって、第2の厚さおよび第2の熱伝導率を有する接着層と、
前記接着層の上に配置されているセラミック層と、を備え、
前記第1の厚さおよび前記第2の厚さの少なくともいずれか一方は、径方向および方位角方向の少なくともいずれか一方に変化し、その結果、前記セラミック層と前記ベースプレートとの間の第3の熱伝導率が、前記径方向および前記方位角方向の前記少なくともいずれか一方に変化する、基板支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記溶射被膜層の前記第1の厚さは、前記径方向に変化する、基板支持体。
【請求項3】
請求項2に記載の基板支持体であって、
前記ベースプレートは凹状領域を含み、前記溶射被膜層は前記凹状領域に配置されている、基板支持体。
【請求項4】
請求項3に記載の基板支持体であって、
(i)前記溶射被膜層の前記第1の厚さは、前記基板支持体の外縁領域よりも前記凹状領域において大きく、(ii)前記第3の熱伝導率は、前記凹状領域よりも前記外縁領域において大きい、基板支持体。
【請求項5】
請求項4に記載の基板支持体であって、
前記溶射被膜層は、前記凹状領域において第1の材料を含み、前記外縁領域において前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、基板支持体。
【請求項6】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の厚さおよび前記第2の厚さの各々は、前記径方向に変化する、基板支持体。
【請求項7】
請求項6に記載の基板支持体であって、
前記溶射被膜層は凹状領域を含み、前記溶射被膜層および前記接着層の各々は、前記凹状領域に配置されている、基板支持体。
【請求項8】
請求項7に記載の基板支持体であって、
(i)前記溶射被膜層の前記第1の厚さは、前記凹状領域よりも前記基板支持体の外縁領域において大きく、(ii)前記接着層の前記第2の厚さは、前記外縁領域よりも前記凹状領域において大きく、(iii)前記第3の熱伝導率は、前記凹状領域よりも前記外縁領域において大きい、基板支持体。
【請求項9】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記接着層の前記第2の厚さは、前記径方向に変化する、基板支持体。
【請求項10】
請求項9に記載の基板支持体であって、
前記セラミック層は凹状領域を含み、前記接着層は前記凹状領域に配置されている、基板支持体。
【請求項11】
請求項10に記載の基板支持体であって、
(i)前記接着層の前記第2の厚さは、前記基板支持体の外縁領域よりも前記凹状領域において大きく、(ii)前記第3の熱伝導率は、前記凹状領域よりも前記外縁領域において大きい、基板支持体。
【請求項12】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の熱伝導率および前記第2の熱伝導率は異なる、基板支持体。
【請求項13】
基板処理システムのための基板支持体であって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートの上に配置されている溶射被膜層であって、第1の厚さおよび第1の熱伝導率を有する溶射被膜層と、
前記溶射被膜層の上に配置されている接着層であって、第2の厚さおよび第2の熱伝導率を有する接着層と、
前記接着層の径方向外側で前記溶射被膜層の上に配置されている外側接着層であって、前記第2の熱伝導率とは異なる第3の熱伝導率を有する外側接着層と、
前記接着層の上に配置されているセラミック層と、を備え、
前記セラミック層と前記ベースプレートとの間の第4の熱伝導率は、径方向に変化する、基板支持体。
【請求項14】
請求項13に記載の基板支持体であって、
前記第3の熱伝導率は、前記第2の熱伝導率よりも大きい、基板支持体。
【請求項15】
請求項14に記載の基板支持体であって、
前記第3の熱伝導率は、前記第2の熱伝導率よりも少なくとも1.5倍大きい、基板支持体。
【請求項16】
基板処理システムのための基板支持体であって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートの上に配置されている溶射被膜層であって、第1の厚さおよび第1の熱伝導率を有する溶射被膜層と、
前記溶射被膜層の上に配置されている接着層であって、第2の厚さおよび第2の熱伝導率を有する接着層と、
前記接着層の上に配置されているセラミック層と、
前記ベースプレートおよび前記セラミック層の少なくともいずれか一方の内部に規定されている空洞と、を備え、
前記空洞は、前記セラミック層と前記ベースプレートとの間の第3の熱伝導率が、径方向および方位角方向の前記少なくともいずれか一方に変化するように、真空、空気、および伝熱ガスの1つを取り囲む、基板支持体。
【請求項17】
請求項16に記載の基板支持体であって、
前記ベースプレートは、前記空洞を含む、基板支持体。
【請求項18】
請求項16に記載の基板支持体であって、
前記セラミック層は、前記空洞を含む、基板支持体。
【請求項19】
請求項16に記載の基板支持体であって、
前記空洞は、前記基板支持体の径方向内側領域に配置されている、基板支持体。
【請求項20】
請求項16に記載の基板支持体であって、
前記第3の熱伝導率は、前記基板支持体の内側領域よりも前記基板支持体の外縁領域において大きい、基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2020年11月19日出願の米国仮出願第63/115,988号の利益を主張する。上記出願の全ての開示は、本明細書において参照により援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、基板処理システムにおける基板の温度制御に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲において、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するために用いられてよい。基板上で実施されうるプロセスの例は、化学蒸着(CVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、導体エッチングプロセス、誘電体エッチングプロセス、および/もしくは、他のエッチングプロセス、成膜プロセス、または洗浄プロセスを含むが、これらに限定されない。基板は、基板処理システムの処理チャンバ内で、台座や静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置されてよい。エッチングの間、1つ以上のガスを含むエッチングガス混合物が処理チャンバに導入されてよく、化学反応を生じさせるためにプラズマが用いられてよい。
【0005】
基板支持体は、基板を支持するように配置されているセラミック層を含んでよい。例えば、処理の間、基板はセラミック層にクランプされてよい。基板支持体は、セラミック層上に配置されている基板の裏面に伝熱ガス(例えば、ヘリウム)を提供するために、複数の流路を備えてよい。伝熱ガスは、基板および/またはセラミック層の冷却を容易にする。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムの基板支持体は、ベースプレートおよびその上に配置されている溶射被膜層を備える。溶射被膜層は、第1の厚さおよび第1の熱伝導率を有する。接着層は、溶射被膜層の上に配置されている。接着層は、第2の厚さおよび第2の熱伝導率を有する。セラミック層は、接着層の上に配置されている。第1の厚さおよび第2の厚さの少なくともいずれか一方は、径方向および方位角方向の少なくともいずれか一方に変化し、その結果、セラミック層とベースプレートとの間の第3の熱伝導率が、径方向および方位角方向の少なくともいずれか一方に変化する。
【0007】
他の特徴では、溶射被膜層の第1の厚さは径方向に変化する。ベースプレートは凹状領域を含み、溶射被膜層は凹状領域に配置されている。溶射被膜層の第1の厚さは、基板支持体の外縁領域よりも凹状領域において大きく、第3の熱伝導率は、凹状領域よりも外縁領域において大きい。溶射被膜層は、凹状領域では第1の材料を含み、外縁領域では第1の材料と異なる第2の材料を含む。
【0008】
他の特徴では、第1の厚さおよび第2の厚さの各々は径方向に変化する。溶射被膜層は凹状領域を含み、溶射被膜層および接着層の各々は凹状領域に配置されている。溶射被膜層の第1の厚さは、凹状領域よりも基板支持体の外縁領域において大きく、接着層の第2の厚さは、外縁領域よりも凹状領域の方が大きく、第3の熱伝導率は、凹状領域よりも外縁領域において大きい。接着層の第2の厚さは、径方向に変化する。
【0009】
他の特徴では、セラミック層は凹状領域を含み、接着層は凹状領域に配置されている。接着層の第2の厚さは、基板支持体の外縁領域よりも凹状領域において大きく、第3の熱伝導率は、凹状領域よりも外縁領域において大きい。第1の熱伝導率および第2の熱伝導率は異なる。
【0010】
基板処理システムの基板支持体は、ベースプレートおよびその上に配置されている溶射被膜層を備える。溶射被膜層は、第1の厚さおよび第1の熱伝導率を有する。接着層は、溶射被膜層の上に配置されている。接着層は、第2の厚さおよび第2の熱伝導率を有する。外側接着層は、接着層の径方向外側の溶射被膜層の上に配置されている。外側接着層は、第2の熱伝導率とは異なる第3の熱伝導率を有する。セラミック層は、接着層の上に配置されている。セラミック層とベースプレートとの間の第4の熱伝導率は、径方向に変化する。
【0011】
他の特徴では、第3の熱伝導率は第2の熱伝導率よりも大きい。第3の熱伝導率は、第2の熱伝導率よりも少なくとも1.5倍大きい。
【0012】
本開示のさらなる適用分野は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、例示のみの目的を意図し、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより深く理解されるだろう。
【0014】
【0015】
【
図2A】本開示による基板支持体の第1の例示的な構成。
【0016】
【
図2B】本開示による基板支持体の第2の例示的な構成。
【0017】
【
図2C】本開示による基板支持体の第3の例示的な構成。
【0018】
【
図2D】本開示による基板支持体の第4の例示的な構成。
【0019】
【
図2E】本開示による基板支持体の第5の例示的な構成。
【0020】
【
図2F】本開示による基板支持体の第6の例示的な構成。
【0021】
【
図2G】本開示による基板支持体の第7の例示的な構成。
【0022】
【0023】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために、参照番号は繰り返し用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
いくつかの基板処理システムにおいて、静電チャック(ESC)などの基板支持体は、所望の基板温度を維持するように制御(例えば、冷却)されてよい。いくつかの例では、基板支持体は、30kWもの熱を放散してよい。不均一な熱放散(例えば、径方向および方位角方向の温度の不均一)は、プロセスおよび基板の不均一をもたらす可能性がある。例えば、基板温度は、6kWのプラズマの存在下では約45℃(例えば、±1℃)上昇するだろう。他の不均一(例えば、基板支持体の熱スタック、基板表面へのイオン束などにおける不均一)は、基板全体の温度を変化させる可能性がある(例えば、5~10℃)。ただし、<1℃の最大変化量が望まれるだろう。
【0025】
いくつかの例では、基板支持体および基板にわたる温度変化は、基板支持体の冷却流路パターンを最適化する、基板支持体のベースプレートとセラミック層との間に設けられた熱接着層の特性(例えば、厚さ)を最適化する、などによって低減されてよい。しかし、利用可能な冷却流路パターンは、ベースプレートの形状的制約および他の構造的制約(電気接続、伝熱ガス流路など)によって制限される。それに伴い、基板支持体特性の最適化にもかかわらず、1℃よりも著しく大きい(例えば、5~10℃の)基板温度変化が生じる可能性がある。いくつかの例では、基板温度は、抵抗発熱体および/または基板支持体に供給された伝熱ガスの圧力を調節することによってさらに制御されてよい。
【0026】
いくつかの例では、基板の外周または外縁に相当する領域または区域の温度は、基板の内側に相当する温度よりも大きくてよい。例えば、基板の外縁は、基板支持体の外縁に重なってよい。ESCにおいて、基板支持体の外縁で基板をクランプすることは、基板上方のプラズマプロファイルを変化させて、基板支持体の外縁と内側との熱流束の差を生じさせるだろう。
【0027】
本開示による基板支持体は、構成部品(溶射被膜層、接着層、ベースプレート、および/またはセラミック層など)の様々な変更を用いて、所望の温度均一性(例えば、径方向および/または方位角方向の均一性)を実現するように構成されている。いくつかの例では、構成部品は、意図的に熱不均一性をもたらすように変更されてよい。この変更は、他の温度制御機構(例えば、冷媒流路、抵抗発熱体、伝熱ガス調整など)を用いてまたは用いることなく実施されてよい。
【0028】
ここで
図1を参照すると、例示的な基板処理システム100が示されている。例えのみで、基板処理システム100は、RFプラズマおよび/または他の適した基板処理を用いてエッチングを実施するために用いられてよい。基板処理システム100は、基板処理システム100の他の構成部品を取り囲み、RFプラズマを含む処理チャンバ102を備える。基板処理チャンバ102は、上部電極104およびESCなどの基板支持体106を備える。動作の間、基板108は基板支持体106の上に配置されている。特定の基板処理システム100および処理チャンバ102が例として示されているが、本開示の原理は、他の種類の基板処理システムおよび処理チャンバ(プラズマをin-situで生成し、リモートプラズマの生成および(例えば、プラズマ管、マイクロ波管を用いる)供給を実施し、堆積を実施する基板処理システムなど)にも適用されてよい。
【0029】
例えのみで、上部電極104は、処理ガスを導入および分配するシャワーヘッド110などのガス分配装置を備えてよい。シャワーヘッド110は、処理チャンバ102の上面に接続されている一端を含むステム部と、一般に円筒状で、処理チャンバ102の上面から離れた位置でステム部の反対端から径方向外向きに延びる基部とを備えてよい。シャワーヘッド110の基部の基板対向面または面板は、処理ガスまたはパージガスが流れる複数の孔を含む。あるいは、上部電極104は導電板を備え、処理ガスは別の方法で導入されてよい。
【0030】
基板支持体106は、下部電極として機能する導電性ベースプレート112を備える。ベースプレート112は、セラミック層114を支持する。接着層116は、セラミック層114とベースプレート112との間に配置されてよい。いくつかの例では、溶射被膜層(
図1には図示されず)は、接着層116とベースプレート112との間に配置されている。ベースプレート112は、そこを通じて冷媒を流すための1つ以上の冷媒流路118を備えてよい。基板支持体106は、基板108の外周を囲むように配置されているエッジリング120を備えてよい。
【0031】
RF生成システム122は、RF電圧を生成し、上部電極104および下部電極(例えば、基板支持体106のベースプレート112)のいずれかに出力する。上部電極104およびベースプレート112のもう一方は、DC接地もしくはAC接地されてよい、または浮遊状態であってよい。この例では、RF電圧は下部電極に供給される。例えのみで、RF生成システム122は、整合分配ネットワーク126によって上部電極104またはベースプレート112に供給されるRF電圧を生成するRF電圧発生器124を備えてよい。他の例では、プラズマは誘導的にまたは遠隔的に生成されてよい。例として示されているように、RF生成システム122は容量結合プラズマ(CCP)システムに相当するが、本開示の原理は、他の適したシステム(例えのみで、トランス結合プラズマ(TCP)システム、CCPカソードシステム、リモートマイクロ波プラズマ生成供給システムなど)に用いられてもよい。
【0032】
ガス供給システム130は、1つ以上のガス源132-1、132-2、・・・、および132-N(総称して、ガス源132)を備える(Nはゼロよりも大きい整数)。ガス源は、1つ以上のエッチングガスおよびその混合物を供給する。ガス源は、キャリアガスおよび/またはパージガスを供給してもよい。ガス源132は、弁134-1、134-2、・・・、および134-N(総称して、弁134)、ならびに、マスフローコントローラ136-1、136-2、・・・、および136-N(総称して、マスフローコントローラ136)によって、マニホールド140に接続される。マニホールド140の出力は、処理チャンバ102に供給される。例えのみで、マニホールド140の出力は、シャワーヘッド110に供給される。
【0033】
温度制御装置142は、流路118を通る冷媒流を制御するために冷媒アセンブリ146と連通してよい。例えば、冷媒アセンブリ146は、冷媒ポンプおよび貯留槽を備えてよい。温度制御装置142は、基板支持体106を冷却するために、流路118を通じて冷媒を選択的に流すように冷媒アセンブリ146を操作する。
【0034】
弁150およびポンプ152は、処理チャンバ102から反応物を排出するために用いられてよい。システム制御装置160は、基板処理システム100の構成部品を制御するために用いられてよい。ロボット170は、基板支持体106の上に基板を供給し、そこから基板を取り除くために用いられてよい。例えば、ロボット170は、基板支持体106とロードロック172との間で基板を搬送してよい。別々の制御装置として示されているが、温度制御装置142はシステム制御装置160の内部に実装されてよい。いくつかの例では、セラミック層114とベースプレート112との間の接着層116の周囲に、保護シール176が設けられてよい。
【0035】
いくつかの例では、基板支持体106は、ヘリウムなどの伝熱ガスを伝熱ガス源182から基板108の裏面に提供するように配置されている複数の流路180を備える。伝熱ガスは、基板108および/またはセラミック層114の冷却を容易にする。別々に示されているが、伝熱ガス源182は、ガス供給システム130の内部に実装されてよい。さらに、基板支持体106は、簡素化のために3つの流路180を備えるように示されているが、任意の数の流路180を備えてよい。
【0036】
本開示による基板支持体106において、以下により詳しく説明されるように、所望の温度の均一性を実現するため、および/または、所望の温度の不均一性をもたらすために、異なる構成の接着層116、ベースプレート112、セラミック層114、および/または、溶射被膜層が用いられる。
【0037】
本開示の原理による基板支持体200の例示的な構成は、
図2A、2B、2C、2D、2E、2F、および2Gに示されている。
図2Aに示されたように、基板支持体200は、セラミック層208を支持する導電性(例えば、アルミニウム製)ベースプレート204を含む。接着層212および溶射被膜層216は、ベースプレート204とセラミック層208との間に配置されている。例えば、溶射被膜層216はベースプレート204の上に配置され、接着層212は溶射被膜層216の上に配置されている。
【0038】
接着層212および溶射被膜層216は、同じまたは異なる厚さを有し、同じまたは異なる熱伝導率(すなわち、k係数またはk値などの熱伝導率値(W/mK))を有してよい。例えば、接着層212は、熱エポキシ、シリコーンなどの熱接着剤を含む。溶射被膜層216は、酸化アルミニウム(AlO2)、イットリア(例えば、酸化イットリウム(Y2O3))などの、溶射被膜法を用いて堆積された材料である。接着層212および溶射被膜層216の各々は、ベースプレート204の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有してよい。
【0039】
図2Aに示されるように、接着層212および溶射被膜層216のそれぞれの厚さは、基板支持体200全体で変化しない(すなわち、均一である)。つまり、接着層212および溶射被膜層216の厚さは、径方向または方位角方向に変化しない。他の例では、接着層212および溶射被膜層216の相対厚さは、径方向および/または方位角(すなわち、回転)方向に変化してよい。
【0040】
図2Bに示されるように、ベースプレート204は段差を有し、切り欠き領域または凹状領域220を含む。溶射被膜層216は凹状領域220に配置され、そこを満たす。それに伴い、セラミック層208とベースプレート204との間の距離および熱伝導率は、凹状領域220に対応する基板支持体200の領域と基板支持体200の外縁領域224とで異なる。このようにして、基板支持体200は、熱不均一性を補償するために、異なる径方向領域において異なる熱伝導率を有するように構成されうる。例えば、外縁領域224における溶射被膜層216の厚さは、凹状領域200における溶射被膜層216の厚さよりも(例えば、25~75%)小さいため、外縁領域224の熱伝導率は、凹状領域220の熱伝導率よりも大きい。他の例では、凹状領域220は、溶射被膜層216ではなく異なる材料で満たされてよい。例えば、ハードポリマ(例えば、ポリイミド)が凹状領域220に配置されてよい。
【0041】
図のように、ベースプレート204は、上面228から凹状領域220への下向きの一段のみを有するが、他の例では、複数の凹状領域を規定するために2つ以上の下向きの段差を有してよい。つまり、凹状領域220は複数の深さを有してよい。いくつかの例では、ベースプレート204は、複数の径方向の凹状領域220を含んでよい。さらに、凹状領域220の側壁232は、(図のように)垂直ではなく傾斜または曲線であってよい。他の例では、凹状領域220は外縁領域224に相当してよい。つまり、ベースプレート204は、外縁領域224において下向きの段差を有してよい。いくつかの例では、溶射被膜層216は、凹状領域220において外縁領域224とは異なる材料(例えば、異なる熱伝導率を有する材料)を含む。
【0042】
図2Cに示されるように、基板支持体200は、内側接着層234と、その径方向外側に配置されている外側接着層236とを含む。外側接着層236は、内側接着層234とは異なる熱伝導率を有する(例えば、外側接着層236は、内側接着層234とは異なる材料または材料混合物で構成される)。例えば、外側接着層236の熱伝導率は、内側接着層234の熱伝導率よりも大きい。いくつかの例では、外側接着層236の熱伝導率は、内側接着層234の熱伝導率よりも1.5~5倍大きい。他の例では、内側接着層234の熱伝導率は、外側接着層236の熱伝導率よりも大きい。このようにして、外側接着層236は、熱の不均一を補償するために外縁領域224に異なる熱伝導率を提供する。
【0043】
内側接着層234および外側接着層236のいずれかまたは両方は、それらそれぞれの材料の混合を防ぐために、溶射被膜層216の上に配置される前に、完全にまたは部分的に予備処理されてよい。例えば、外側接着層236は、内側接着層234の塗布前に予備処理されて、溶射被膜層216の上に配置されてよい。他の例では、内側接着層234および/または外側接着層236は、シルクスクリーン、シート接着などを用いて塗布される。いくつかの例では、内側接着層234および外側接着層236を塗布する前に異なる領域を規定するために、(例えば、予備処理された接着材料で構成されている)ダムまたはバリアが溶射被膜層216の上に配置されてよい。
【0044】
図のように、基板支持体200は、内側接着層234および外側接着層236(すなわち、2つの接着層)のみを含むが、他の例では、基板支持体200は、それぞれの径方向領域に配置されている同じまたは異なる熱伝導率を有する3つ以上の接着層を有してよい。いくつかの例では、それぞれの径方向領域の接着層は、上記のようにバリアによって分離されてよい。
【0045】
図2Dに示されるように、溶射被膜層216は段差を有し、切り欠き領域または凹状領域240を含む。接着層212は凹状領域240に配置され、そこを満たす。従って、セラミック層208とベースプレート204との間の熱伝導率は、凹状領域240に対応する基板支持体200の領域において基板支持体200の外縁領域224とは異なる。例えば、接着層212および溶射被膜層216の熱伝導率は異なってよい。いくつかの例では、接着層212の熱伝導率は、溶射被膜層216の熱伝導率よりも小さい。それに伴い、凹状領域240の接着層212の厚さの増加(例えば、25~200%の増加)は、外縁領域224に対する凹状領域240の熱伝導率を低減する。
【0046】
図のように、溶射被膜層216は、凹状領域240への下向きの一段のみを有するが、他の例では、複数の凹状領域を規定するために2つ以上の下向きの段差を有してよい。つまり、凹状領域240は複数の深さを有してよい。さらに、凹状領域240の側壁は、(図のように)垂直ではなく傾斜または曲線であってよい。他の例では、凹状領域240は外縁領域224に相当してよい。つまり、溶射被膜層216は、外縁領域224において下向きの段差を有してよい。凹状領域240が外縁領域224に相当する例では、接着層212の熱伝導率は、溶射被膜層216の熱伝導率よりも大きくてよい。従って、外縁領域224の溶射被膜層216に対して接着層212の厚さを増加することは、外縁領域224の熱伝導率を増加させる。いくつかの例では、溶射被膜層216および/または接着層212は、凹状領域240において外縁領域224とは異なる材料(例えば、異なる熱伝導率を有する材料)を含む。
【0047】
図2Eに示されるように、ベースプレート204は、上面228の下方にプレナムまたは空洞244を規定してよい。つまり空洞244は、ベースプレート204に埋設される。例えば、空洞244はベースプレート204の上面228に加工されてよく、空洞244を取り囲むように金属層(例えば、ベースプレート204と同じ材料を含む真鍮層)248が配置されている。空洞244は、ベースプレート204とは異なる熱伝導率を有する材料で満たされる。例えば、空洞244は真空までポンプダウンされ、空気または伝熱ガスで満たされ、接着材料で満たされ、ポリイミドなどのハードプラスチックで満たされてよい。それに伴い、空洞244に対応する領域の熱伝導率は、外縁領域224に対して低減される。
【0048】
図のように、ベースプレート204は、基板支持体200の径方向内側領域に空洞244を1つだけ有するが、他の例では、2つ以上の空洞244を有してよい。例えば、ベースプレート204は、同じまたは異なる厚さおよび深さを有する複数の径方向空洞を含んでよい。他の例では、空洞244は外縁領域224に配置されてよい。
【0049】
セラミック層208は、
図2Fに示されるようにプレナムまたは空洞252を規定してよい。つまり空洞252は、セラミック層208に埋設される。例えば空洞252は、セラミック層208の製造中(例えば、グリーンシートを層にする間)に形成されてよい。空洞252は、セラミック層208とは異なる熱伝導率を有する材料で満たされる。例えば、空洞252は真空までポンプダウンされ、空気または伝熱ガスで満たされ、接着材料で満たされ、ポリイミドなどのハードプラスチックで満たされてよい。それに伴い、空洞244に対応する領域の熱伝導率は、外縁領域244に対して低減される。図のように、セラミック層208は、基板支持体200の径方向内側領域に空洞252を1つだけ有するが、他の例では2つ以上の空洞252を有してよい。例えば、セラミック層208は、同じまたは異なる厚さおよび深さを有する複数の径方向空洞を含んでよい。他の例では、空洞252は外縁領域224に配置されてよい。
【0050】
図2Gに示されるように、セラミック層208は段差を有し、切り欠き領域または凹状領域256を含む。接着層212は凹状領域256に配置され、そこを満たす。それに伴い、セラミック層208とベースプレート204との間の熱伝導率は、凹状領域256に対応する基板支持体200の領域において基板支持体200の外縁領域224とは異なる。例えば、外縁領域224における接着層212の厚さは、凹状領域256における接着層212の厚さよりも小さいため、外縁領域224の熱伝導率は、凹状領域256の熱伝導率よりも大きい。他の例では、凹状領域256は、接着層212とは異なる材料で満たされてよい。例えば、ハードポリマ(例えば、ポリイミド)が凹状領域256に配置されてよい。
【0051】
図のように、セラミック層208は、下面260から凹状領域256への上向きの一段のみを有するが、他の例では、複数の凹状領域を規定するために2つ以上の上向きの段差を有してよい。つまり、凹状領域256は複数の深さを有してよい。いくつかの例では、セラミック層208は、複数の径方向凹状領域256を含んでよい。他の例では、凹状領域256は外縁領域224に相当してよい。つまり、セラミック層208は、外縁領域224において上向きの段差を有してよい。いくつかの例では、接着層212は、凹状領域256において外縁領域224とは異なる材料(例えば、異なる熱伝導率を有する材料)を含む。
【0052】
図2A~2Gで上記されたように、基板支持体200は径方向に(例えば、異なる径方向領域または区域で)異なる熱伝導率を提供するように構成されている。例えば基板支持体200は、外縁領域224において基板支持体200の内側領域とは異なる熱伝導率を提供するように構成されている。しかし、
図2A~2Gに記載の同じ原理は、異なる径方向領域に加えてまたはその代わりに、基板支持体204の方位角方向に(例えば、異なる方位角領域または区域で)異なる熱伝導率を提供するために用いられてもよい。
【0053】
ここで、引き続き
図2A~2Gを参照しながら
図3を参照すると、複数の径方向区域(例えば、内側区域304、外縁区域308、および複数の方位角区域312)を有する例示的な基板支持体300の平面図が示されている。2つの径方向区域のみが示されているが、基板支持体300は2つ以上の径方向区域を含んでよい。同様に、8つの方位角区域312が示されているが、基板支持体300は8つ未満または8つよりも多い方位角区域312を含んでよい。さらに、全体に均一なサイズおよび形状を有する方位角区域312が示されているが、方位角区域312は不均一であってよい。
【0054】
図2A~2Gで上記されたように、基板支持体200の様々な構成部品(例えば、ベースプレート204、セラミック層208、接着層212、溶射被膜層216など)の相対厚さおよび熱伝導率は、内側区域304および外縁区域308の相対熱伝導率を調節するために変更される。
図3に示されるように、方位角区域312の相対熱伝導率を調節するために、同じ原理がこれらの構成部品に適用されてよい。
【0055】
例えば、ベースプレート204は、
図2Bで説明したように、選択された方位角区域312においてのみ凹状領域220を備えてよい、または、凹状領域220は、異なる方位角区域312で異なる深さを有してよい。(
図2Cで説明したような)外側接着層236は、選択された方位角区域312においてのみ設けられてよい、または、異なる方位角区域の外側接着層236に異なる材料が用いられてよい。溶射被膜層216は、選択された方位角区域312においてのみ(例えば、2Dで説明したような)凹状領域240を備えてよい、または、凹状領域240は、異なる方位角区域312で異なる深さを有してよい。
【0056】
(
図2Eで説明したようなベースプレート204内の)空洞244は、選択された方位角区域312にのみ設けられてよい、または、異なる方位角区域312で異なる深さを有してよい、もしくは異なる材料で満たされてよい。(
図2Fで説明したようなセラミック層208内の)空洞252は、選択された方位角区域312にのみ設けられてよい、または、異なる方位角区域312で異なる深さを有してよい、もしくは異なる材料で満たされてよい。セラミック層208は、選択された方位角区域312においてのみ
図2Gで説明したような凹状領域256を備えてよい、または、凹状領域256は、異なる方位角区域312で異なる深さを有してよい。
【0057】
前述は本質的に単なる説明であり、本開示、その適用、または使用を限定する意図はない。本開示の広義の教示は、様々な形態で実施されうる。よって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更が明らかになるため、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきではない。方法における1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または、同時に)実行されてよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有すると上述されているが、本開示の実施形態に関して説明されたそれらの特徴の任意の1つ以上は、他の実施形態において実施されうる、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていない場合でも)実施されうる。つまり、記載の実施形態は互いに排他的でなく、1つ以上の実施形態の相互の並べ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0058】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的関係および機能的関係は、「接続されている」、「係合されている」、「結合されている」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置されている」を含む様々な用語を用いて説明される。上記の開示において第1要素と第2要素との関係が説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、第1要素と第2要素との間に他の介在要素が存在しない直接的関係でありうるが、第1要素と第2要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。本明細書で用いられる、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いる論理(A OR B ORC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0059】
いくつかの実施形態では、制御装置は、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理構成部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を備える半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と統合されてよい。この電子機器は「制御装置」と呼ばれ、システムの様々な構成部品または副部品を制御してよい。制御装置は、処理条件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールに対するウエハ搬入出、ならびに/または、特定のシステムに接続もしくは結合されているロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示されたあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0060】
概して制御装置は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式で制御装置に伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、制御装置は、システムと統合もしくは結合されている、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、制御装置は、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブ・ホストコンピュータ・システムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査して、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、制御装置は、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、制御装置が接続または制御するように構成されているツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって上述のように、制御装置は、例えば互いにネットワーク接続する1つ以上の別々の制御装置を含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されている制御装置の例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0062】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0063】
上述のように、ツールによって実施される処理工程に応じて、制御装置は、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されているツール、メインコンピュータ、別の制御装置、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
【国際調査報告】