(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0587 20100101AFI20231124BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20231124BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20231124BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20231124BHJP
H01M 50/545 20210101ALI20231124BHJP
H01M 50/56 20210101ALI20231124BHJP
H01M 50/559 20210101ALI20231124BHJP
H01M 50/538 20210101ALI20231124BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20231124BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20231124BHJP
H01M 10/052 20100101ALN20231124BHJP
【FI】
H01M10/0587
H01M10/04 W
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/545
H01M50/56
H01M50/559
H01M50/538
H01M50/536
H01M50/548 201
H01M10/052
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528505
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 KR2022001010
(87)【国際公開番号】W WO2022158862
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0007278
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022897
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022894
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022891
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022881
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0024424
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0030300
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0030291
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0046798
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0058183
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0077046
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0084326
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131225
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131215
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131205
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131208
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131207
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0137001
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0137856
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0142196
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0153472
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0160823
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0163809
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0165866
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0172446
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0177091
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194593
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194610
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194572
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194612
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194611
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0001802
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】リム、ヘ-ジン
(72)【発明者】
【氏名】コン、ジン-ハク
(72)【発明者】
【氏名】リー、スーン-オ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、キュ-ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ド-ギュン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ス-ジ
(72)【発明者】
【氏名】ホワンボ、クァン-ス
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ゲオン-ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、ミン-キ
(72)【発明者】
【氏名】リム、ジェ-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハク-キュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ-ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ-ウーン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン-シク
(72)【発明者】
【氏名】チョエ、ユ-スン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ビョウン-グ
(72)【発明者】
【氏名】リュ、ドゥク-ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、クァン-ヒー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ-ウン
(72)【発明者】
【氏名】カン、ボ-ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ピル-キュ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB03
5H011FF02
5H028AA07
5H028BB04
5H028BB07
5H028CC05
5H028CC07
5H028CC12
5H028CC24
5H028HH05
5H028HH10
5H029AJ14
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL12
5H029BJ02
5H029BJ14
5H029CJ03
5H029CJ04
5H029CJ05
5H029CJ07
5H029DJ02
5H029HJ03
5H029HJ04
5H029HJ20
5H043AA13
5H043AA19
5H043BA15
5H043BA16
5H043BA19
5H043BA20
5H043CA03
5H043CA12
5H043DA03
5H043EA07
5H043EA35
5H043HA02E
5H043HA04E
5H043HA16E
5H043HA17E
5H043JA01E
5H043JA07E
5H043LA02E
5H043LA32
5H043LA35E
(57)【要約】
本発明は、電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車を開示する。電極組立体は、第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが一つの軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義する電極組立体であって、前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、前記無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は、前記電極組立体の巻取軸方向で前記無地部の積層数が10以上である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、
前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、
前記無地部の一部は、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられることで前記無地部の重畳層を含む折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は、前記電極組立体の巻取軸方向で前記無地部の積層数が10以上である、電極組立体。
【請求項2】
前記第1電極の総巻回ターン数をn
1と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n
1の自然数)を総巻回ターン数n
1で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R
1,kと定義すれば、無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
1,kの半径方向区間の長さの比率が、無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
1,kの半径方向区間長さの比率が、無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して30%~85%である、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、
前記無地部の一部は、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられることで前記無地部の重畳層を含む折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は、前記電極組立体の巻取軸方向で前記無地部の積層数が10以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記第2電極の総巻回ターン数をn
2と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n
2の自然数)を総巻回ターン数n
2で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R
2,kと定義すれば、無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%である、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項6】
無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して30%~85%である、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部の高さが、巻回ターン数k*+1の相対半径位置R
1,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低い、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部の高さが、折り曲げられた無地部が重なって形成する前記折曲表面領域よりも低い、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部は、電極組立体のコアに向かって折り曲げられていない、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項10】
第2電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの区間の無地部の高さが、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低い、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項11】
一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの区間の無地部の高さが、折り曲げられた無地部が重なって形成する折曲表面領域よりも低い、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項12】
一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの区間の無地部は、電極組立体のコアに向かって折り曲げられていない、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記第1電極の無地部または前記第2電極の無地部は、独立的に折曲可能な複数の分切片に分割されている、請求項1または4に記載の電極組立体。
【請求項14】
複数の分切片のそれぞれは、折曲線を底辺にする幾何学的な図形の形態を有し、
前記幾何学的な図形は、一つ以上の直線、一つ以上の曲線、またはこれらの組み合わせが連結されたものである、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記幾何学的な図形は、底辺から上部に向かって幅が段階的にまたは連続的に減少する、請求項14に記載の電極組立体。
【請求項16】
前記幾何学的な図形の底辺と前記底辺と交わる側辺とがなす下部内角が60°~85°である、請求項15に記載の電極組立体。
【請求項17】
前記複数の分切片は、前記下部内角が前記電極組立体の巻取方向と平行な一方向に沿って段階的にまたは徐々に増加する、請求項16に記載の電極組立体。
【請求項18】
複数の分切片のそれぞれは、折曲線を底辺にする台形状の形態を有し、
前記電極組立体のコア中心を基準にして分切片が配置された巻回ターンの半径をrとし、分切片の下部に対応する巻回ターンの円弧長さをL
arcとし、半径rの巻回ターンに隣接して配置された分切片対の側辺同士が平行である仮定が適用されるときの分切片の下部内角をθ
assumptionとするとき、前記隣接して配置された分切片対の実際の下部内角θ
realが下記の数式1
[数式1]
θ
real>θ
assumption
θ
assumption=90°-360°×(L
arc/2πr)×0.5
を満たす、請求項14から17のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項19】
前記電極組立体のコア中心を基準にして前記分切片の下部に対応する巻回ターンの円弧長さL
arcに対応する円周角が45°以下である、請求項18に記載の電極組立体。
【請求項20】
前記電極組立体のコア中心を基準にして半径rの巻回ターンに配置されて隣接する分切片同士の重畳率を数式(θ
real/θ
assumption-1)と定義するとき、分切片の重畳率が0超過0.05以下である、請求項18または19に記載の電極組立体。
【請求項21】
前記電極組立体のコア中心を基準にして半径rの巻回ターンに配置されて隣接する分切片対を通る仮想の円を描いたとき、各分切片を通る円弧の対同士が重畳している、請求項14に記載の電極組立体。
【請求項22】
各分切片を通る円弧の長さに対する重畳する円弧の長さの比率を分切片の重畳率と定義するとき、分切片の重畳率は0超過0.05以下である、請求項21に記載の電極組立体。
【請求項23】
前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部の高さが、相対半径位置R
1,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低く、コア側に向かって折り曲げられていない、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項24】
相対半径位置R
1,1からR
1,k*までに対応する前記第1電極の長さが、相対半径位置R
1,k*+1から相対半径位置1までに対応する前記第1電極の長さに対して1%~30%である、請求項23に記載の電極組立体。
【請求項25】
前記第1電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1の無地部折曲長さfd
1,k*+1が、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1からk*番目相対半径位置R
1,k*までの半径方向長さよりも短い、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項26】
前記第1電極の巻回構造において、前記電極組立体のコア半径をr
cと定義するとき、コアの中心から0.90r
c区間がk*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1から1の区間に位置する無地部の折曲部によって閉塞されない、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項27】
k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1の無地部折曲長さfd
1,k*+1、コアの半径r
c、及び相対半径位置R
1,k*+1が電極組立体の中心から離隔した距離d
1,k*+1は、下記の数式2
[数式2]
fd
1,k*+1+0.90×r
c≦d
1,k*+1
を満たす、請求項26に記載の電極組立体。
【請求項28】
前記第2電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの区間の無地部の高さが、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低く、コア側に向かって折り曲げられていない、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項29】
相対半径位置R
2,1からR
2,k*までに対応する前記第2電極の長さが、相対半径位置R
2,k*+1から相対半径位置1までに対応する前記第2電極の長さに対して1%~30%である、請求項28に記載の電極組立体。
【請求項30】
前記第2電極の巻取構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1に位置する無地部の折曲長さfd
2,k*+1が、一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの半径方向長さよりも短い、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項31】
前記第2電極の巻取構造において、前記電極組立体のコア半径をr
cと定義するとき、コアの中心から0.90r
c区間がk*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から相対半径位置1までの区間に位置する第2電極の無地部の折曲部によって閉塞されない、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項32】
k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1の無地部折曲長さfd
2,k*+1、コアの半径r
c、及び相対半径位置R
2,k*+1が電極組立体の中心から離隔した距離d
2,k*+1は、下記の数式3
[数式2]
fd
2,k*+1+0.90×r
c≦d
2,k*+1
を満たす、請求項31に記載の電極組立体。
【請求項33】
前記第1電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1から予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
までの区間の無地部は、複数の分切片に分割されており、その高さが巻取方向と平行な一方向に沿って徐々にまたは段階的に増加する、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項34】
相対半径位置R
1,k*+1から
までの区間の半径方向長さが、コアを除いた第1電極の巻回構造の半径に対して1%~56%である、請求項33に記載の電極組立体。
【請求項35】
前記第1電極の巻回構造において、予め設定された
番目巻回ターンの相対半径位置
から相対半径位置1までの第1電極の無地部は、複数の分切片に分割されており、複数の分切片の高さは相対半径位置
から相対半径位置1まで実質的に同一である、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項36】
前記第2電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
までの区間の無地部は、複数の分切片に分割されており、その高さが巻取方向と平行な一方向に沿って段階的にまたは徐々に増加する、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項37】
相対半径位置R
2,k*+1から
までの区間の半径方向長さが、コアを除いた第2電極の巻回構造の半径に対して1%~56%である、請求項36に記載の電極組立体。
【請求項38】
前記第2電極の巻回構造において、
番目巻回ターンの第2相対半径位置
から相対半径位置1までの第2電極の無地部は、複数の分切片に分割されており、複数の分切片の高さは
番目巻回ターンの相対半径位置
から相対半径位置1まで実質的に同一である、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項39】
前記第1電極の巻回構造において、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられる無地部は独立的に折曲可能な複数の分切片に分割され、
複数の分切片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは、個別的にまたはグループ毎に巻取方向と平行な一方向に沿って徐々にまたは段階的に増加する、請求項1から38のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項40】
前記第2電極の巻回構造において、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられる無地部は独立的に折曲可能な複数の分切片に分割され、
複数の分切片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは、個別的にまたはグループ毎に巻取方向と平行な一方向に沿って徐々にまたは段階的に増加する、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項41】
複数の分切片のそれぞれは、巻取方向で1mm~11mmの幅条件、巻取軸方向で2mm~10mmの高さ条件、及び巻取方向で0.05mm~1mmの離隔ピッチ条件のうちの少なくとも一つの条件を満たす、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項42】
前記複数の分切片同士の間には切断溝が介在され、
前記切断溝の下端と前記第1電極または前記第2電極の活物質層との間に所定のギャップが備えられる、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項43】
前記ギャップの長さは0.2mm~4mmである、請求項42に記載の電極組立体。
【請求項44】
複数の分切片は、前記電極組立体の巻取方向に沿って複数の分切片グループを形成し、同一分切片グループに属した分切片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが互いに実質的に同一である、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項45】
同一分切片グループに属した分切片は、前記電極組立体の巻取方向と平行な一方向に向かって巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが徐々にまたは段階的に増加する、請求項44に記載の電極組立体。
【請求項46】
複数の分切片グループのうちの少なくとも一部は電極組立体の同一巻回ターンに配置されている、請求項44または45に記載の電極組立体。
【請求項47】
前記第1電極の無地部によって形成される折曲表面領域は、前記電極組立体の外周側からコア側に向かって積層数増加区間及び積層数均一区間を含み、
前記積層数増加区間は無地部の積層数が電極組立体のコアに向かって増加する区間で定義され、前記積層数均一区間は前記無地部の積層数増加が止まる位置から前記無地部の折曲が始まる半径位置までの区間で定義され、
前記積層数均一区間の半径方向長さは、無地部の折曲が始まった巻回ターンから無地部の折曲が終わる巻回ターンまでの半径方向長さに対して30%以上である、請求項1から46のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項48】
前記第2電極の無地部によって形成される折曲表面領域は、前記電極組立体の外周側からコア側に向かって積層数増加区間及び積層数均一区間を含み、
前記積層数増加区間は無地部の積層数が電極組立体のコアに向かって増加する区間で定義され、前記積層数均一区間は前記無地部の積層数の増加が止まる位置から前記無地部の折曲が始まる半径位置までの区間で定義され、
前記積層数均一区間の半径方向長さは、無地部の折曲が始まった巻回ターンから無地部の折曲が終わる巻回ターンまでの半径方向長さに対して30%以上である、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項49】
前記第1電極の厚さ及び前記第2電極の厚さは80μm~250μmであり、
前記電極組立体の半径方向で隣接する巻回ターンに位置した無地部同士の間隔は200μm~500μmである、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項50】
前記第1電極の無地部の厚さが10μm~25μmである、請求項1から49のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項51】
前記第2電極の無地部の厚さが5μm~20μmである、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項52】
前記第1電極の無地部によって形成された折曲表面領域の一部領域は、無地部の重畳層の総積層厚さが100μm~975μmである、請求項1から51のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項53】
前記第1電極の無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%である、請求項52に記載の電極組立体。
【請求項54】
前記第2電極の無地部によって形成された折曲表面領域の一部領域において、無地部の重畳層の総積層厚さが50μm~780μmである、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項55】
前記第2電極の無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13.0%である、請求項54に記載の電極組立体。
【請求項56】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、
前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、
前記第1無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第1折曲表面領域を形成し、前記第1折曲表面領域の一部領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである、電極組立体。
【請求項57】
前記第1電極の第1無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%である、請求項56に記載の電極組立体。
【請求項58】
前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、
前記第2無地部の一部は、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第2折曲表面領域を形成し、
前記第2折曲表面領域の一部領域において、前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmである、請求項56または57に記載の電極組立体。
【請求項59】
前記第2電極の第2無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13.0%である、請求項58に記載の電極組立体。
【請求項60】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一つは、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、前記無地部の少なくとも一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は前記無地部の積層数が10以上である電極組立体と、
前記電極組立体が収納され、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続されて第1極性を有する電池ハウジングと、
前記電池ハウジングの開放端を密封する密封体と、
前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続され、表面が外部に露出して第2極性を有する端子と、
前記折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の一方に電気的に接続される集電体と、を含み、
前記集電体の溶接領域は、前記無地部の積層数が10以上である折曲表面領域と重畳している、バッテリー。
【請求項61】
前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、
前記第1電極の総巻回ターン数をn
1と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n
1の自然数)を総巻回ターン数n
1で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R
1,kと定義すれば、前記第1無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
1,kの半径方向区間の長さの比率が、前記第1無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%である、請求項60に記載のバッテリー。
【請求項62】
前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、
前記第2電極の総巻回ターン数をn
2と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n
2の自然数)を総巻回ターン数n
2で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R
2,kと定義すれば、前記第2無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記第2無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%である、請求項60または61に記載のバッテリー。
【請求項63】
前記集電体の溶接領域は、前記無地部の積層数が10以上である折曲表面領域と50%以上重畳している、請求項60から62のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項64】
前記集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm
2以上である、請求項63に記載のバッテリー。
【請求項65】
前記溶接領域は、前記電極組立体のコア中心を基準にして半径方向で4mm以上及び前記電極組立体の半径の50%以下の距離で離隔している、請求項60から64のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項66】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、前記第1無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第1折曲表面領域を形成し、前記第1折曲表面領域の一部領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである電極組立体と、
前記電極組立体が収納され、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続されて第1極性を有する電池ハウジングと、
前記電池ハウジングの開放端を密封する密封体と、
前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続され、表面が外部に露出して第2極性を有する端子と、
前記第1折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の一方に電気的に接続される第1集電体と、を含み、
前記第1集電体の溶接領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである前記第1折曲表面領域の一部領域と重畳している、バッテリー。
【請求項67】
前記第1電極の第1無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記第1折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する第1折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%である、請求項66に記載のバッテリー。
【請求項68】
第1集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm
2以上である、請求項66に記載のバッテリー。
【請求項69】
前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、前記第2無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第2折曲表面領域を形成し、前記第2折曲表面領域の一部領域は前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmであり、
前記第2折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の他方に電気的に接続される第2集電体を含み、
前記第2集電体の溶接領域は、前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmである前記第2折曲表面領域の一部領域と重畳している、請求項66から68のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項70】
前記第2電極の第2無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記第2折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する第2折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13%である、請求項69に記載のバッテリー。
【請求項71】
前記第2集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm
2以上である、請求項69または70に記載のバッテリー。
【請求項72】
前記第1集電体の溶接領域は、前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである前記第1折曲表面領域の一部領域と50%以上重畳している、請求項66から71のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項73】
前記第2集電体の溶接領域は、前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmである前記第2折曲表面領域の一部領域と50%以上重畳している、請求項69から71のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項74】
前記第1集電体の溶接領域及び前記第2集電体の溶接領域は、前記電極組立体のコア中心を基準にして実質的に同じ距離だけ離隔した位置から前記電極組立体の半径方向に延長されている、請求項69から71のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項75】
前記第1集電体の溶接領域が延長された長さが前記第2集電体の溶接領域が延長された長さよりも長い、請求項74に記載のバッテリー。
【請求項76】
前記バッテリーの抵抗は4mΩ以下である、請求項66に記載のバッテリー。
【請求項77】
請求項60から76のいずれか一項に記載のバッテリーを含む、バッテリーパック。
【請求項78】
請求項77に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極組立体、バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2021年1月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0007278号、2021年2月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0022897号、2021年2月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0022894号、2021年2月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0022891号、2021年2月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0022881号、2021年2月23日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0024424号、2021年3月8日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0030300号、2021年3月8日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0030291号、2021年4月9日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0046798号、2021年5月4日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0058183号、2021年6月14日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0077046号、2021年6月28日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0084326号、2021年10月1日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0131225号、2021年10月1日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0131215号、2021年10月1日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0131205号、2021年10月1日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0131208号、2021年10月1日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0131207号、2021年10月14日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0137001号、2021年10月15日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0137856号、2021年10月22日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0142196号、2021年11月9日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0153472号、2021年11月19日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0160823号、2021年11月24日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0163809号、2021年11月26日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0165866号、2021年12月3日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0172446号、2021年12月10日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0177091号、2021年12月31日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0194593号、2021年12月31日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0194610号、2021年12月31日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0194572号、2021年12月31日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0194612号、2021年12月31日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0194611号、2022年1月5日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0001802号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV:Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。
【0004】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0005】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池、すなわち、単位バッテリーの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーを直列に接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に合わせて、複数のバッテリーを並列に接続してバッテリーパックを構成することもある。したがって、前記バッテリーパックに含まれるバッテリーの個数及び電気的接続形態は、求められる出力電圧及び/または充放電容量によって多様に設定され得る。
【0006】
一方、単位二次電池の種類としては、円筒形、角形及びパウチ型バッテリーが知られている。円筒形バッテリーの場合、正極と負極との間に絶縁体である分離膜を介在し、これを巻き取ってゼリーロール(jelly-roll)型の電極組立体を形成し、これを電池ハウジングの内部に挿入して電池を構成する。そして、前記正極及び負極のそれぞれの無地部にはストリップ状の電極タブが連結され、電極タブは電極組立体と外部に露出する電極端子との間を電気的に接続させる。参考までに、正極端子は電池ハウジングの開放口を密封する密封体のキャップであり、負極端子は電池ハウジングである。しかし、このような構造を有する従来の円筒形バッテリーによれば、正極無地部及び/または負極無地部と結合されるストリップ状の電極タブに電流が集中されるため、抵抗が大きくて発熱が多く、集電効率が良くないという問題がある。
【0007】
1865(直径:18mm、高さ:65mm)や2170(直径:21mm、高さ:70mm)のフォームファクタを有する小型円筒形バッテリーにおいては、抵抗と発熱が大した問題にならない。しかし、円筒形バッテリーを電気自動車に適用するためフォームファクタを増加させる場合、急速充電過程で電極タブの周辺で多量の熱が発生しながら円筒形バッテリーが発火する問題が発生し得る。
【0008】
このような問題を解決するため、ゼリーロール型の電極組立体の上端及び下端にそれぞれ正極無地部及び負極無地部が位置するように設計し、このような無地部に集電体を溶接して集電効率が改善された構造を有する円筒形バッテリー(いわゆる、タブレス(tab-less)円筒形バッテリー)が提示されている。
【0009】
図1~
図3は、タブレス円筒形バッテリーの製造過程を示した図である。
図1は電極の構造を示し、
図2は電極の巻取工程を示し、
図3は無地部の折曲表面領域に集電体が溶接される工程を示している。
【0010】
図1~
図3を参照すると、正極10及び負極11は、シート状の集電体20に活物質21がコーティングされた構造を有し、巻取方向Xに沿って一方の長辺側に無地部22を含む。
【0011】
電極組立体Aは、正極10と負極11とを、
図2に示されたように2枚の分離膜12と一緒に順次に積層させた後、一方向(X軸方向)に巻き取って製作する。このとき、正極10の無地部と負極11の無地部とは反対方向に配置される。正極10及び負極11の位置は図示と反対に変更され得る。
【0012】
巻取工程の後、正極10の無地部10a及び負極11の無地部11aはコア側に折り曲げられて折曲表面領域を形成する。その後、無地部10a、11aに集電体30、31をそれぞれ溶接して結合させる。
【0013】
正極無地部10a及び負極無地部11aには、別途の電極タブが結合されておらず、集電体30、31が外部の電極端子と連結され、電流経路が電極組立体Aの巻取軸方向(矢印を参照)に沿って大きい断面積で形成されるため、バッテリーの抵抗を低減できるという長所がある。抵抗は電流が流れる通路の断面積に反比例するためである。
【0014】
タブレス円筒形バッテリーにおいて、無地部10a、11aと集電体30、31との溶接特性を向上させるためには、無地部10a、11aの溶接地点に強い圧力を加えて最大限に扁平に無地部10a、11aを折り曲げなければならない。
【0015】
無地部10a、11bの折曲時に、電極組立体Aのコアに隣接した無地部32が折り曲げられながら電極組立体Aのコアにある空洞33を全部または相当部分を閉塞する。この場合、電解液注液工程で問題が生じる。すなわち、電極組立体Aのコアにある空洞33は電解液が注入される通路として使用される。しかし、該通路が閉塞されれば、電解液を注入し難い。また、電解液注入器が空洞33に挿入される過程でコア付近において折り曲げられた無地部32と干渉を起こし、無地部32が破れる問題が生じ得る。
【0016】
また、集電体30、31が溶接される無地部10a、11aの折曲部位は多重に重なっており、空いた空間(間隙)が存在してはならない。それによって、十分な溶接強度が得られ、レーザー溶接などの最新技術を使用する際にも、レーザーが電極組立体Aの内部に浸透して分離膜や活物質を溶融させる問題を防止することができる。
【0017】
無地部10a、11aが同じ積層数で重なるためには、それぞれの巻回ターンの位置を基準にして該当位置の無地部10a、11aがコア側に折り曲げられながら、その内側の巻回ターンで折り曲げられた無地部の上面を覆わなければならない。また、巻回ターン間の間隔をdとし、各巻回ターンの無地部10a、11aの折曲長さをeとするとき、折曲長さeはd×n(nは2以上の自然数)以上の長さを持たなければならない。そうでないと、無地部10a、11aが同数で多重に重なる領域が生じない。また、無地部10a、11aが同数で重なる領域を電極組立体の半径方向で十分に形成するためには、無地部10a、11aの長さが十分に長くなければならない。しかし、小型円筒形バッテリーに含まれている電極組立体は半径が小さいため、無地部10a、11aの折曲長さを十分に長く設計する概念に想到する動機付けがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記のような従来技術の背景下で創案されたものであって、電極組立体の両端に露出した無地部を折り曲げるとき、電極組立体の半径方向で無地部が10枚以上重なる領域を十分に確保することで、集電体の溶接時に分離膜や活物質層の損傷を防止できる無地部折曲構造を有する電極組立体を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、無地部が折り曲げられても電解液注入通路が閉塞されない電極組立体を提供することを他の目的とする。
【0020】
また、本発明は、エネルギー密度が向上して抵抗が減少した電極組立体を提供することをさらに他の目的とする。
【0021】
また、本発明は、改善された構造の電極組立体を含むバッテリー、それを含むバッテリーパック、及びバッテリーパックを含む自動車を提供することをさらに他の目的とする。
【0022】
本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に制限されず、他の課題は下記の発明の説明から通常の技術者に明らかに理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様による電極組立体は、第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、前記無地部の一部は、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられることで前記無地部の重畳層を含む折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は、前記電極組立体の巻取軸方向で前記無地部の積層数が10以上である。
【0024】
一形態において、前記第1電極の総巻回ターン数をn1と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n1の自然数)を総巻回ターン数n1で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R1,kと定義すれば、無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR1,kの半径方向区間の長さの比率が、無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%であり得る。
【0025】
望ましくは、無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR1,kの半径方向区間長さの比率が、無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して30%~85%であり得る。
【0026】
他の形態において、前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、前記無地部の一部は、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられることで前記無地部の重畳層を含む折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は、前記電極組立体の巻取軸方向で前記無地部の積層数が10以上であり得る。
【0027】
さらに他の形態において、前記第2電極の総巻回ターン数をn2と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n2の自然数)を総巻回ターン数n2で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R2,kと定義すれば、無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%であり得る。
【0028】
望ましくは、無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して30%~85%であり得る。
【0029】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、相対半径位置R1,1から予め設定された第1相対半径位置R1,k*までの区間の無地部の高さが、巻回ターン数k*+1の相対半径位置R1,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低くなり得る。
【0030】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R1,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R1,k*までの区間の無地部の高さは、折り曲げられた無地部が重なって形成する前記折曲表面領域よりも低くなり得る。
【0031】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R1,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R1,k*までの区間の無地部は、電極組立体のコアに向かって折り曲げられなくてもよい。
【0032】
さらに他の形態において、第2電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部の高さが、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低くなり得る。
【0033】
さらに他の形態において、一番目巻回ターンの相対半径位置R2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部の高さは、折り曲げられた無地部が重なって形成する折曲表面領域よりも低くなり得る。
【0034】
さらに他の形態において、一番目巻回ターンの相対半径位置R2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部は、電極組立体のコアに向かって折り曲げられなくてもよい。
【0035】
望ましくは、前記第1電極の無地部または前記第2電極の無地部は、独立的に折曲可能な複数の分切片に分割され得る。
【0036】
望ましくは、複数の分切片のそれぞれは、折曲線の上部領域が折曲線を底辺にする幾何学的な図形の形態を有し、前記幾何学的な図形は、一つ以上の直線、一つ以上の曲線、またはこれらの組み合わせが連結されたものであり得る。
【0037】
一形態において、前記幾何学的な図形は、底辺から上部に向かって幅が段階的にまたは連続的に減少し得る。
【0038】
他の形態において、前記幾何学的な図形の底辺と該底辺と交わる側辺とがなす下部内角は60°~85°であり得る。
【0039】
さらに他の形態において、前記複数の分切片は、前記下部内角が前記電極組立体の巻取方向と平行な一方向に沿って段階的にまたは連続的に増加し得る。
【0040】
さらに他の形態において、複数の分切片のそれぞれは、折曲線の上部領域が折曲線を底辺にする台形状の形態を有し、前記電極組立体のコア中心を基準にして分切片が配置された巻回ターンの半径をr、分切片の下部に対応する巻回ターンの円弧長さをLarc、半径rの巻回ターンに隣接して配置された分切片対の側辺同士が平行である仮定が適用されるときの分切片の下部内角をθassumptionとするとき、前記隣接して配置された分切片対の実際の下部内角θrealは下記の数式1を満たし得る。
[数式1]
θreal>θassumption
θ1=90°-360°×(Larc/2πr)×0.5
【0041】
さらに他の形態において、前記電極組立体のコア中心を基準にして前記分切片の下部に対応する巻回ターンの円弧長さLarcに対応する円周角が45°以下であり得る。
【0042】
さらに他の形態において、前記電極組立体のコア中心を基準にして半径rの巻回ターンに配置されて隣接する分切片同士の重畳率を数式(θreal/θassumption-1)と定義するとき、分切片の重畳率は0超過0.05以下であり得る。
【0043】
さらに他の形態において、前記電極組立体のコア中心を基準にして半径rの巻回ターンに配置されて隣接する分切片対を通る仮想の円を描いたとき、各分切片を通る円弧の対同士が重畳し得る。
【0044】
さらに他の形態において、各分切片を通る円弧の長さに対する重畳する円弧の長さの比率を分切片の重畳率と定義するとき、分切片の重畳率は0超過0.05以下であり得る。
【0045】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R1,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R1,k*までの区間の無地部の高さは、相対半径位置R1,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低く、コア側に向かって折り曲げられなくてもよい。
【0046】
さらに他の形態において、相対半径位置R1,1からR1,k*までに対応する前記第1電極の長さは、相対半径位置R1,k*+1から1までに対応する前記第1電極の長さに対して1%~30%であり得る。
【0047】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R1,k*+1の無地部折曲長さfd1,k*+1は、一番目巻回ターンの相対半径位置R1,1からk*番目相対半径位置R1,k*までの半径方向長さよりも短くなり得る。
【0048】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、前記電極組立体のコア半径をrcと定義するとき、コアの中心から0.9rc区間がk*+1番目巻回ターンの相対半径位置R1,k*+1から1の区間に位置する無地部の折曲部によって閉塞されない。
【0049】
さらに他の形態において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R1,k*+1の無地部折曲長さfd1,k*+1、コアの半径rc、及び相対半径位置R1,k*+1が電極組立体の中心から離隔した距離d1,k*+1は下記の数式2を満たし得る。
[数式2]
fd1,k*+1+0.90×rc≦d1,k*+1
【0050】
さらに他の形態において、前記第2電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R2,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部の高さは、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低く、コア側に向かって折り曲げられなくてもよい。
【0051】
さらに他の形態において、相対半径位置R2,1からR2,k*までに対応する前記第2電極の長さは、相対半径位置R2,k*+1から相対半径位置1までに対応する前記第2電極の長さに対して1%~30%であり得る。
【0052】
さらに他の形態において、前記第2電極の巻取構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R2,k*+1に位置する無地部の折曲長さfd2,k*+1は、一番目巻回ターンの相対半径位置R2,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R2,k*までの半径方向長さよりも短くなり得る。
【0053】
さらに他の形態において、前記第2電極の巻取構造において、前記電極組立体のコア半径をrcと定義するとき、コアの中心から0.90rc区間がk*+1番目巻回ターンの相対半径位置R2,k*+1から相対半径位置1までの区間に位置する第2電極の無地部の折曲部によって閉塞されない。
【0054】
さらに他の形態において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R2,k*+1の無地部折曲長さfd2,k*+1、コアの半径rc、及び相対半径位置R2,k*+1が電極組立体の中心から離隔した距離d2,k*+1は下記の数式3を満たし得る。
[数式3]
fd2,k*+1+0.90×rc≦d2,k*+1
【0055】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1から予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
までの区間の無地部は、複数の分切片に分割されており、その高さが巻取方向と平行な一方向に沿って段階的に増加し得る。
【0056】
さらに他の形態において、相対半径位置R
1,k*+1から
までの区間の半径方向長さは、コアを除いた第1電極の巻回構造の半径に対して1%~56%であり得る。
【0057】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、予め設定された
番目巻回ターンの相対半径位置
から相対半径位置1までの第1電極の無地部は、複数の分切片に分割されており、複数の分切片の高さは相対半径位置
から相対半径位置1まで実質的に同一であり得る。
【0058】
さらに他の形態において、前記第2電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
までの区間の無地部は、複数の分切片に分割されており、その高さが巻取方向と平行な一方向に沿って段階的にまたは徐々に増加し得る。
【0059】
さらに他の形態において、相対半径位置R
2,k*+1から
までの区間の半径方向長さは、コアを除いた第2電極の巻回構造の半径に対して1%~56%であり得る。
【0060】
さらに他の形態において、前記第2電極の巻回構造において、
番目巻回ターンの第2相対半径位置
から相対半径位置1までの第2電極の無地部は、複数の分切片に分割されており、複数の分切片の高さは
番目巻回ターンの相対半径位置
から相対半径位置1まで実質的に同一であり得る。
【0061】
さらに他の形態において、前記第1電極の巻回構造において、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられる無地部は独立的に折曲可能な複数の分切片に分割され、複数の分切片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは個別的にまたはグループ毎に巻取方向と平行な一方向に沿って段階的に増加し得る。
【0062】
さらに他の形態において、前記第2電極の巻回構造において、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられる無地部は独立的に折曲可能な複数の分切片に分割され、複数の分切片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは個別的にまたはグループ毎に巻取方向と平行な一方向に沿って段階的に増加し得る。
【0063】
さらに他の形態において、前記複数の分切片のそれぞれは、巻取方向で1mm~11mmの幅条件、巻取軸方向で2mm~10mmの高さ条件、及び巻取方向で0.05mm~1mmの離隔ピッチ条件のうちの少なくとも一つの条件を満たし得る。
【0064】
さらに他の形態において、前記複数の分切片同士の間には切断溝が介在され、前記切断溝の下端と前記活物質層との間に所定のギャップが備えられ得る。
【0065】
さらに他の形態において、前記ギャップの長さは0.2mm~4mmであり得る。
【0066】
さらに他の形態において、複数の分切片は、前記電極組立体の巻取方向に沿って複数の分切片グループを形成し、同一分切片グループに属した分切片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが互いに実質的に同一であり得る。
【0067】
さらに他の形態において、同一分切片グループに属した分切片は、前記電極組立体の巻取方向と平行な一方向に向かって巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが段階的に増加し得る。
【0068】
さらに他の形態において、複数の分切片グループのうちの少なくとも一部は電極組立体の同一巻回ターンに配置され得る。
【0069】
さらに他の形態において、前記第1電極の無地部によって形成される折曲表面領域は、前記電極組立体の外周側からコア側に向かって積層数増加区間及び積層数均一区間を含み、前記積層数増加区間は無地部の積層数が1から最大値まで増加する区間で定義され、前記積層数均一区間は前記無地部の積層数が最大値に到達した半径位置から前記無地部の折曲が始まる半径位置までの区間で定義され、前記積層数均一区間の半径方向長さは無地部の折曲が始まった巻回ターンから無地部の折曲が終わる巻回ターンまでの半径方向長さに対して30%以上であり得る。
【0070】
さらに他の形態において、前記第2電極の無地部によって形成される折曲表面領域は、前記電極組立体の外周側からコア側に向かって積層数増加区間及び積層数均一区間を含み、前記積層数増加区間は無地部の積層数が1から最大値まで増加する区間で定義され、前記積層数均一区間は前記無地部の積層数が最大値に到達した半径位置から前記無地部の折曲が始まる半径位置までの区間で定義され、前記積層数均一区間の半径方向長さは無地部の折曲が始まった巻回ターンから無地部の折曲が終わる巻回ターンまでの半径方向長さに対して30%以上であり得る。
【0071】
さらに他の形態において、前記第1電極の厚さ及び前記第2電極の厚さは80μm~250μmであり、前記電極組立体の半径方向で隣接する巻回ターンに位置した無地部同士の間隔は200μm~500μmであり得る。
【0072】
さらに他の形態において、前記第1電極の無地部の厚さは10μm~25μmであり得る。
【0073】
さらに他の形態において、前記第2電極の無地部の厚さは5μm~20μmであり得る。
【0074】
さらに他の形態において、前記第1電極の無地部によって形成された折曲表面領域の一部領域は、無地部の重畳層の総積層厚さが100μm~975μmであり得る。
【0075】
さらに他の形態において、前記第1電極の無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%であり得る。
【0076】
さらに他の形態において、前記第2電極の無地部によって形成された折曲表面領域の一部領域において、無地部の重畳層の総積層厚さが50μm~780μmであり得る。
【0077】
さらに他の形態において、前記第2電極の無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13.0%であり得る。
【0078】
上記の課題を達成するため、本発明の他の態様による電極組立体は、第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、前記第1無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第1折曲表面領域を形成し、前記第1折曲表面領域の一部領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである。
【0079】
一形態において、前記第1電極の第1無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%であり得る。
【0080】
他の形態において、前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、前記第2無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第2折曲表面領域を形成し、前記第2折曲表面領域の一部領域において前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmであり得る。
【0081】
さらに他の形態において、前記第2電極の第2無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13.0%であり得る。
【0082】
上記の課題を達成するため、本発明のさらに他の態様によるバッテリーは、第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一つは、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、前記無地部の少なくとも一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は前記無地部の積層数が10以上である電極組立体と、前記電極組立体が収納され、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続されて第1極性を有する電池ハウジングと、前記電池ハウジングの開放端を密封する密封体と、前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続され、表面が外部に露出して第2極性を有する端子と、前記折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の一方に電気的に接続される集電体と、を含み、前記集電体の溶接領域は前記無地部の積層数が10以上である折曲表面領域と重畳する。
【0083】
一形態において、前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、前記第1電極の総巻回ターン数をn1と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n1の自然数)を総巻回ターン数n1で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R1,kと定義すれば、前記第1無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR1,kの半径方向区間の長さの比率が、前記第1無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%であり得る。
【0084】
他の形態において、前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、前記第2電極の総巻回ターン数をn2と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n2の自然数)を総巻回ターン数n2で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R2,kと定義すれば、前記第2無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記第2無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%であり得る。
【0085】
さらに他の形態において、前記集電体の溶接領域は、前記無地部の積層数が10以上である折曲表面領域と50%以上重畳し得る。
【0086】
望ましくは、前記集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm2以上であり得る。
【0087】
望ましくは、前記溶接領域は、前記電極組立体のコア中心を基準にして半径方向で4mm以上、及び前記電極組立体の半径の50%以下の距離で離隔し得る。
【0088】
上記の課題を達成するため、本発明のさらに他の態様によるバッテリーは、第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極は長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、前記第1無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第1折曲表面領域を形成し、前記第1折曲表面領域の一部領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである電極組立体と、前記電極組立体が収納され、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続されて第1極性を有する電池ハウジングと、前記電池ハウジングの開放端を密封する密封体と、前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続され、表面が外部に露出して第2極性を有する端子と、前記第1折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の一方に電気的に接続される第1集電体と、を含み、前記第1集電体の溶接領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである前記第1折曲表面領域の一部領域と重畳する。
【0089】
さらに他の形態において、前記第1電極の第1無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記第1折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する第1折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%であり得る。
【0090】
前記第1集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm2以上であり得る。
【0091】
望ましくは、第1集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm2以上であり得る。
【0092】
さらに他の形態において、前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、前記第2無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第2折曲表面領域を形成し、前記第2折曲表面領域の一部領域は前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmであり、前記第2折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の他方に電気的に接続される第2集電体を含み、前記第2集電体の溶接領域は前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmである前記第2折曲表面領域の一部領域と重畳し得る。
【0093】
さらに他の形態において、前記第2電極の第2無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記第2折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する第2折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13%であり得る。
【0094】
望ましくは、前記第2集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm2以上であり得る。
【0095】
さらに他の形態において、前記第1集電体の溶接領域は、前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである前記第1折曲表面領域の一部領域と50%以上重畳し得る。
【0096】
さらに他の形態において、前記第2集電体の溶接領域は、前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmである前記第2折曲表面領域の一部領域と50%以上重畳し得る。
【0097】
さらに他の形態において、前記第1集電体の溶接領域及び前記第2集電体の溶接領域は、前記電極組立体のコア中心を基準にして実質的に同じ距離だけ離隔した位置から前記電極組立体の半径方向に延長され得る。
【0098】
さらに他の形態において、前記第1集電体の溶接領域が延長された長さが前記第2集電体の溶接領域が延長された長さよりも長くなり得る。
【0099】
上記の課題は、上述したバッテリーを含むバッテリーパック、及びそれを含む自動車によっても達成される。
【発明の効果】
【0100】
本発明の一形態によれば、電極組立体の両端に露出した無地部を折り曲げるとき、電極組立体の半径方向で無地部が10枚以上重なる領域を十分に確保することで、溶接出力を増加させても分離膜や活物質層の損傷を防止することができる。
【0101】
本発明の他の一形態によれば、電極組立体のコアに隣接した無地部の構造を改善することで、無地部の折曲時に電極組立体のコアにある空洞が閉塞されることを防止して、電解液注入工程及び電池ハウジングと集電体との溶接工程を容易に行うことができる。
【0102】
本発明のさらに他の一形態によれば。ストリップ状の電極タブの代わりに、無地部の折曲表面領域を集電体と直接溶接することで、エネルギー密度が向上して抵抗が減少した電極組立体を提供することができる。
【0103】
本発明のさらに他の一形態によれば、内部抵抗が低く、集電体と無地部との溶接強度が向上した構造を有するバッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0104】
他にも本発明は多様な効果を奏し、それについては実施形態を挙げて後述する。但し、通常の技術者が容易に類推可能な効果などについては、該説明を省略することにする。
【0105】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【
図1】従来のタブレス円筒形バッテリーの製造に使用される電極板の構造を示した平面図である。
【
図2】従来のタブレス円筒形バッテリーの電極板巻取工程を示した図である。
【
図3】従来のタブレス円筒形バッテリーにおいて、無地部の折曲表面領域に集電体が溶接される工程を示した図である。
【
図4】本発明の実施形態による電極板の構造を示した平面図である。
【
図5】本発明の実施形態による分切片の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【
図6】本発明の実施形態による分切片の重畳条件を説明するための図である。
【
図7a】本発明の実施形態によって無地部の折曲構造が形成される前の電極組立体の上部断面構造を示した図である。
【
図7b】本発明の実施形態によって無地部の折曲構造が形成される前の電極組立体の下部断面構造を示した図である。
【
図8a】本発明の実施形態によって無地部が折り曲げられながら折曲表面領域が形成された電極組立体の断面図である。
【
図8b】本発明の実施形態によって無地部が折り曲げられながら折曲表面領域が形成された電極組立体の斜視図である。
【
図9a】フォームファクタ4680の円筒形バッテリーに含まれる半径22mmの電極組立体において、円周方向で重ならずに第1電極の分切片が外周側からコア側に折り曲げられたとき、半径方向で分切片が重なりながら形成された折曲表面領域を示した断面図である。
【
図9b】フォームファクタ4680の円筒形バッテリーに含まれる半径22mmの電極組立体において、円周方向で重なりながら第1電極の分切片が外周側からコア側に折り曲げられたとき、半径方向及び円周方向で分切片が重なりながら形成された折曲表面領域を示した断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図11】本発明の他の実施形態による円筒形バッテリーをY軸方向に沿って切断した断面図である。
【
図12】本発明の実施形態による第1集電体の構造を示した平面図である。
【
図13】本発明の実施形態による第2集電体の構造を示した斜視図である。
【
図14】本発明の実施形態によって複数の円筒形バッテリーが電気的に接続された状態を示した平面図である。
【
図15】複数の円筒形バッテリーの電気的接続を詳しく示した
図14の部分拡大図である。
【
図16】本発明の一実施形態による円筒形バッテリーを含むバッテリーパックを示した図である。
【
図17】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを含む自動車を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0108】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0109】
二つの比較対象が同一であるという表現は「実質的に同一である」ことを意味する。したがって、「実質的に同一」とは、当業界において低い水準と見なされる偏差、例えば5%以内の偏差を有する場合を含み得る。また、所定の領域においてあるパラメータが均一であるとは、該当領域において平均的な観点で均一であることを意味する。
【0110】
また、第1、第2などが多様な構成要素を示すために使用されているが、これら用語は構成要素を制限するためのものではない。これら用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものであり、特に言及しない限り、第1構成要素は第2構成要素にもなり得る。
【0111】
明細書の全体において、特に言及しない限り、各構成要素は単数または複数であり得る。
【0112】
構成要素の「上部(または下部)」または構成要素の「上(または下)」に任意の構成が配置されるとは、任意の構成が該構成要素の上面(または下面)に接して配置されることだけでなく、前記構成要素と該構成要素の上に(または下に)配置された任意の構成との間に他の構成が介在され得ることを意味する。
【0113】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されるとするとき、構成要素が相互に直接的に連結されるかまたは接続される場合だけでなく、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」されるか、または、各構成要素が他の構成要素を通じて「連結」、「結合」または「接続」されることも含む。
【0114】
明細書の全体において、「A及び/またはB」とは、特に言及しない限り、A、B、またはA及びBを意味し、「C~D」とは、特に言及しない限り、C以上D以下を意味する。
【0115】
本明細書においては、説明の便宜上、ゼリーロール状に巻き取られる電極組立体の巻取軸の長手方向に沿った方向を軸方向(Y軸方向)と称する。また、前記巻取軸を囲む方向を円周方向または外周方向(X軸方向)と称する。また、前記巻取軸に近くなるかまたは巻取軸から遠くなる方向を半径方向と称する。これらのうち、巻取軸に近くなる方向を求心方向、巻取軸から遠くなる方向を遠心方向と称する。
【0116】
まず、本発明の実施形態による電極組立体について説明する。電極組立体は、シート状の第1電極と第2電極とが分離膜を介在して一方向に巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体である。しかし、本発明は電極組立体の具体的な形態によって限定されないため、前記電極組立体は当業界に周知の如何なる巻取構造を有し得る。
【0117】
望ましくは、第1電極及び第2電極の少なくとも一つは、巻取方向の長辺端部に活物質がコーティングされていない無地部を含む。無地部の少なくとも一部はそれ自体が電極タブとして使用される。
【0118】
図4は、本発明の実施形態による電極40の構造を示した平面図である。
【0119】
図4を参照すると、電極40は、金属ホイルからなる集電体41、及び活物質層42を含む。金属ホイルはアルミニウムまたは銅であり得、電極40の極性に合わせて適切に選択される。活物質層42は、集電体41の少なくとも一面に形成され、巻取方向Xの長辺端部に無地部43を含む。無地部43は、活物質がコーティングされていない領域である。活物質層42と無地部43との境界には絶縁コーティング層44が形成され得る。絶縁コーティング層44は、少なくとも一部が活物質層42と無地部43との境界と重なるように形成される。絶縁コーティング層44は高分子樹脂を含み、Al
2O
3のような無機物フィルターを含み得る。絶縁コーティング層44が形成された無地部43の領域も活物質層42がないため、無地部43に該当する。
【0120】
望ましくは、電極40の無地部43において折り曲げられる部分は複数の分切片61を含み得る。複数の分切片61は、コア側から外周側に向かって高さが段階的に増加し得る。高さが段階的に増加する区間は、電極組立体のコア側に隣接した無地部領域(コア側無地部A)を除いた残りの領域である。望ましくは、コア側無地部Aは高さが他の部分よりも相対的に低い。
【0121】
分切片61は、レーザーでノッチングされたものであり得る。分切片61は、超音波カッティングや打ち抜きなどの公知の金属箔カッティング工程で形成し得る。
【0122】
電極40が巻き取られたとき、各分切片61は、折曲線62地点で電極組立体の半径方向、例えばコア側に折り曲げられ得る。コアは、電極組立体の巻取中心にある空洞(cavity)を指す。各分切片61は、折曲線62を底辺にする幾何学的な図形の形態を有する。幾何学的な図形において、下部の幅が上部の幅よりも広くなり得る。また、幾何学的な図形において、下部の幅が上部に向かって徐々にまたは段階的に(図示せず)増加し得る。望ましくは、幾何学的な図形は台形状であり得る。
【0123】
変形例において、幾何学的な図形は、少なくとも一つの直線、少なくとも一つの曲線、またはこれらの組み合わせが連結された形態を有し得る。一例として、幾何学的な図形は三角形、方形、平行四辺形などの多角形であり得る。他の例として、幾何学的な図形は半円形、半楕円形などのように円弧状を有し得る。
【0124】
分切片61の折曲加工の際、活物質層42及び/または絶縁コーティング層44が損傷されることを防止するため、分切片61同士の間の切断溝の下端(
図5のD4)と活物質層42との間に所定のギャップを設けることが望ましい。無地部43が折り曲げられるとき、切断溝の下端付近に応力が集中されるためである。ギャップは0.2mm~4mmであることが望ましい。ギャップを上記の数値範囲に調節することで、分切片61の折曲加工時に生じる応力によって切断溝の下端付近の活物質層42及び/または絶縁コーティング層44が損傷されることを防止することができる。また、ギャップは、分切片61のノッチングまたはカッティング時の公差による活物質層42及び/または絶縁コーティング層44の損傷を防止する。
【0125】
複数の分切片61は、コア側から外周側に向かって複数の分切片グループを成し得る。同一分切片グループに属した分切片の幅、高さ及び離隔ピッチは実質的に同一であり得る。
【0126】
図5は、本発明の実施形態による分切片61の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【0127】
図5を参照すると、分切片61同士の間には切断溝63が形成される。切断溝63下部の角部分はラウンド形状を有する。すなわち、切断溝63は、実質的に直線状である底部63a、及びラウンド部63cを含む。ラウンド部63cは底部63aと分切片61の側辺63bとを連結する。変形例として、切断溝63の底部63aは円弧形状で代替されてもよい。この場合、分切片61の側辺63bは、底部63aの円弧形状によって滑らかに連結され得る。
【0128】
望ましくは、ラウンド部63cの曲率半径は、0超過0.5mm以下、望ましくは0超過0.1mm以下であり得る。より望ましくは、ラウンド部63cは、0.01mm~0.05mmの曲率半径を有し得る。ラウンド部63cの曲率半径が上記の数値範囲を満たすと、電極40が巻取工程などで走行する間に切断溝63の下部でクラックが発生することを防止することができる。
【0129】
分切片61の幅D1、高さD2及び離隔ピッチD3は、無地部43の折曲加工時に無地部43が破れることを防止し且つ溶接強度を向上させるため、無地部43の積層数を十分に増加させるとともに無地部43の異常な変形を防止できるように設計される。異常な変形とは、折曲地点の下部の無地部が直線状態を維持できずに崩れて不規則に変形されることを言う。折曲地点は参照符号D4で示された切断溝63の下端から2mm以下、望ましくは1mm以下だけ離隔した地点であり得る。
【0130】
分切片61の幅D1は、分切片61の両側の側辺63bから延びた二つの直線と切断溝63の底部63aから延びた直線とが交わる二つの地点間の長さで定義される。分切片61の高さは、分切片61の最上端辺と切断溝63の底部63aから延びた直線との間の最短距離で定義される。分切片61の離隔ピッチD3は、切断溝63の底部63aから延びた直線と、前記底部63aと連結された二つの側辺63bから延びた直線とが交わる二つの地点間の長さで定義される。側辺63b及び/または底部63aが曲線であるとき、直線は、側辺63b及び/または底部63aから延びる接線で代替可能である。
【0131】
望ましくは、分切片61の幅D1は1mm~11mmの範囲で調節され得る。D1が1mm未満であると、分切片61がコア側に折り曲げられたとき、溶接強度を十分に確保可能な程度に重ならない領域または空いた空間(間隙)が発生する。一方、D1が11mmを超えると、分切片61が折り曲げられるとき、折曲地点D4付近の無地部43が応力によって破れるおそれがある。折曲地点D4は切断溝63の底部63aから離隔し得る。離隔距離は2mm以下、望ましくは1mm以下であり得る。また、分切片61の高さは2mm~10mmの範囲で調節し得る。D2が2mm未満であると、分切片61がコア側に折り曲げられたとき、溶接強度を十分に確保可能な程度に重ならない領域または空いた空間(間隙)が発生する。一方、D2が10mmを超えると、無地部の巻取方向Xにおける平坦度を均一に維持しながら電極板を製造することが困難である。すなわち、無地部が高くなってうねり(swell)が生じる。また、分切片61の離隔ピッチD3は0.05mm~1mmの範囲で調節し得る。D3が0.05mm未満であると、電極40が巻取工程などで走行するとき、応力によって切断溝63の下端付近で無地部43にクラックが生じるおそれがある。一方、D3が1mmを超えると、分切片61が折り曲げられたとき、溶接強度を十分に確保可能な程度に分切片61が重ならないか、または、空いた空間(間隙)が発生するおそれがある。
【0132】
一方、電極40の集電体41がアルミニウムからなる場合、離隔ピッチD3は0.5mm以上に設定することがより望ましい。D3が0.5mm以上である場合、電極40が巻取工程などにおいて300gf以上の張力(tension)下で100mm/sec以上の速度で走行しても、切断溝63の下部でクラックが発生することを防止することができる。
【0133】
実験結果によれば、電極40の集電体41が15μm厚さのアルミニウムホイルであり、D3が0.5mm以上である場合、上記のような走行条件下で電極40が走行したとき、切断溝63の下部でクラックが発生しない。
【0134】
図4をさらに参照すると、コア側無地部Aの幅d
Aは、分切片61をコア側に折り曲げたとき、電極組立体のコアを90%以上塞がない条件を適用して設計する。
【0135】
一例として、コア側無地部Aの幅d
Aは、グループ1の分切片61の折曲長さに比例して増加し得る。折曲長さは、折曲地点(
図4の62)を基準にした分切片61の高さに該当する。
【0136】
具体的な例において、電極40がフォームファクタ4680の円筒形バッテリーの電極組立体を製造するのに使用される場合、コア側無地部Aの幅dAは電極組立体のコアの直径によって180mm~350mmに設定し得る。
【0137】
望ましくは、電極40の長辺長さLeに対するコア側無地部Aの幅dAの比率dA/Leは1%~30%であり得る。直径が46mm水準である大型(large size)円筒形バッテリーは、電極40の長さが3000mm~5000mmとかなり長いため、コア側無地部Aを十分に長く設計することができる。1865や2170のフォームファクタを有する円筒形バッテリーは、電極板の長さが600mm~1200mm水準である。通常の円筒形バッテリーでは比率dA/Leを上記の数値範囲内に設計し難い。
【0138】
一例において、それぞれの分切片グループの幅は、電極組立体の同一巻回ターンを構成するように設計され得る。
【0139】
他の例において、それぞれの分切片グループの幅は、電極組立体の複数の巻回ターンを構成するように設計され得る。
【0140】
変形例において、同一分切片グループに属した分切片61の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチは、グループ内でまたはグループの間で徐々に及び/または段階的に及び/または不規則的に増加または減少し得る。
【0141】
グループ1~グループ7は分切片グループの一例に過ぎない。グループの個数及び各グループに含まれる分切片61の個数は、無地部43の折曲過程で応力を最大限に分散させ、溶接強度を十分に確保し、分切片61の側辺63b同士の間のギャップを最小化し、分切片61が互いに干渉せずに電極組立体の半径方向に沿って多重に重なるように調節され得る。
【0142】
一変形例において、一部グループの分切片は除去され得る。この場合、分切片が除去された部分の無地部の高さはコア側無地部Aの高さと同一であり得る。
【0143】
望ましくは、電極40は、長辺方向に沿って分切片61の高さが変化する高さ可変区間と、分切片61の高さが均一な高さ均一区間とに区分され得る。
【0144】
電極40において、高さ可変区間は、グループ1~グループ7に対応する区間であり、高さ均一区間はグループ7よりも外周側に位置する区間である。
【0145】
具体的な例において、コア側無地部Aの幅dAは180~350mmであり得る。グループ1の幅はコア側無地部Aの幅対比35~55%であり得る。グループ2の幅はグループ1の幅対比120~150%であり得る。グループ3の幅はグループ2の幅対比110~135%であり得る。グループ4の幅はグループ3の幅対比75~90%であり得る。グループ5の幅はグループ4の幅対比120~150%であり得る。グループ6の幅はグループ5の幅対比100~120%であり得る。グループ7の幅はグループ6の幅対比90~120%であり得る。
【0146】
グループ1~グループ7の幅が一定の増加または減少パターンを見せない理由は、分切片の幅はグループ1からグループ7に行くほど徐々に増加するが、グループ内に含まれる分切片の個数は整数個に制限され、電極40の厚さが巻取方向Xに沿って偏差を有するためである。したがって、特定の分切片グループでは分切片の個数が減少し得る。したがって、グループの幅は、コア側から外周側に向かって上記の例示のように不規則な変化様相を示し得る。
【0147】
電極組立体の半径方向において、連続して隣接する三つの分切片グループのそれぞれに対する巻取方向の幅をそれぞれW1、W2及びW3としたとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分切片グループの組み合わせを含み得る。
【0148】
上述した具体的な例において、グループ4~グループ6がこれに該当する。グループ4に対するグループ5の幅比率は120~150%であり、グループ5に対するグループ6の幅比率は100~120%であって、その値が120~150%よりも小さい。
【0149】
望ましくは、複数の分切片61は、コア側から外周側に向かって下部内角θが増加し得る。下部内角θは、折曲線(
図4の62)を通る直線と分切片61の側辺63bから延びた直線(または接線)とがなす角度に該当する。分切片61が左右非対称である場合、左側内角と右側内角とは異なり得る。
【0150】
電極組立体の半径が増加すれば、曲率半径が増加する。分切片61の下部内角θが電極組立体の半径の増加とともに増加すれば、分切片61が折り曲げられるとき半径方向及び円周方向で生じる応力を緩和させることができる。また、下部内角θが増加すれば、分切片61が折り曲げられたとき内側の分切片61と重なる面積及び分切片61の積層数もともに増加することで、半径方向及び円周方向で溶接強度を均一に確保でき、折曲表面領域を平坦に形成することができる。
【0151】
望ましくは、電極組立体の半径の増加とともに下部内角θの角度を調節すると、分切片61が折り曲げられたとき、電極組立体の半径方向だけでなく、円周方向においても分切片61が重なり得る。
【0152】
図6の(a)及び(b)は、コア中心を基準にして半径rの任意の巻回ターンにおいて、電極組立体のコア側に折り曲げられた分切片61の側辺同士が平行に離隔した例、及び折り曲げられた分切片61の側辺同士が交差する例をそれぞれ示している。
【0153】
図6を参照すると、電極組立体のコア中心Oを基準にして半径rの巻回ターンに隣接する分切片61の対が配置されている。隣接する分切片61の幅と高さは実質的に同一である。
【0154】
図6の(a)において、下部内角θ
assumptionは、分切片61の側辺が実質的に平行であると仮定したときの角度である。下部内角θ
assumptionは、分切片61の下部に対応する円弧長さL
arcによって固有に決定される角度である。一方、θ
realは、隣接する分切片61の側辺同士が交差する場合の実際の下部内角である。
【0155】
望ましくは、下部内角θassumption及びθrealが下記の数式1を満たすとき、コア中心Oを基準にして半径rに位置した巻回ターンに配置された分切片61が円周方向に互いに重なり得る。
[数式1]
θreal>θassumption
θassumption=90°-360°×(Larc/2πr)×0.5
θreal>90°-360°×(Larc/2πr)×0.5
ここで、rは、電極組立体のコア中心を基準にして分切片61が配置された巻回ターンの半径である。
Larcは、rを半径にする円において分切片の下部(点線)に対応する円弧(実線)の長さであって、分切片61の幅D1から固有に決定される。
「360°×(Larc/2πr)」は、分切片61の下部(点線)に対応する円弧(実線)の円周角αである。
「360°×(Larc/2πr)×0.5」は、直角三角形OABにおいて線分OBと線分OAとがなす角度である。
「90°-360°×(Larc/2πr)×0.5」は、直角三角形OABにおいて線分OAと線分ABとがなす角度であって、分切片61の下部内角θassumptionに近似的に対応する。
【0156】
望ましくは、任意の巻回ターン半径rにおいて、Larcの円周角αは45°以下であり得る。それぞれの円周角αが45°を超えると、分切片61が円滑に折曲されない。したがって、任意の半径rにおいて、LarcはD1の下限である1mmよりも大きく、(45/360)×(2πr)以下の長さを有する。
【0157】
円周角αは、分切片61が位置する巻回ターンの半径に応じて変わり得る。一形態において、分切片61の円周角αは、上記の数値範囲条件を満たしながら電極組立体の半径方向に沿って徐々にまたは段階的に増加するか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。他の形態において、分切片61の円周角αは、上記の数値範囲条件を満たしながら電極組立体の半径方向に沿って徐々にまたは段階的に増加してから徐々にまたは段階的に減少するか、若しくはその反対(vice versa)であり得る。さらに他の形態において、分切片61の円周角αは、上記の数値範囲条件を満たしながら電極組立体の半径方向に沿って実質的に同一に維持され得る。
【0158】
望ましくは、分切片61の巻取方向の幅D1が巻取方向に沿って変化するとき、分切片61の円周角αは45°以下であり、分切片61の巻取方向の幅D1は1m~11mmの範囲であり得る。
【0159】
一例として、rが20mmであって、円周角αが30°である場合、Larcは10.5mmであり、θassumptionは約75°である。他の例として、rが25mmであって、円周角αが25°である場合、Larcは10.9mmであり、θassumptionは約77.5°である。
【0160】
望ましくは、任意の巻回ターン半径rにおいて、(θreal/θassumption-1)は円周方向における分切片61の重畳率として定義され得る。分切片61の重畳率は0超過0.05以下であることが望ましい。θassumptionは、巻回ターン半径rで円弧Larcによって固有に決定される角度である。分切片61の重畳率が0.05より大きくなると、分切片61の折曲時に側辺同士が干渉しながら円滑に折り曲げられないおそれがある。
【0161】
分切片61の重畳程度は重畳率に比例して大きくなる。分切片61が巻回ターンの円周方向に沿って互いに重なれば、分切片61が折り曲げられたときの分切片61の積層数がさらに増加し得る。これについての実施形態は後述する。
【0162】
望ましくは、電極40がフォームファクタ4680の円筒形バッテリーの電極組立体を製造するのに使用され、コアの半径が4mmであり、コアと最も隣接した分切片の高さが3mmである場合、電極組立体の半径が7mmから22mmまで増加するとき、分切片61の下部内角は60°~85°区間で段階的に増加し得る。
【0163】
前記半径範囲及び下部内角範囲は、フォームファクタ、コアの直径、コアと最も隣接した分切片の高さ、分切片61の幅D1、及び重畳率の設計仕様から決定され得る。
【0164】
一方、分切片が重なる条件は、以下のように変更され得る。すなわち、
図6の(b)のように、電極40のコア中心Oを基準にして隣接する分切片61の対を通る仮想の円を描いたとき、各分切片を通る円弧e
1-e
2及びe
3-e
4が互いに重なれば、隣接する分切片61同士が重なり得る。分切片61の重畳率は、半径が異なる複数の仮想円を描いたとき、円弧e
1-e
2(またはe
3-e
4)の長さに対する重なった円弧e
2-e
3の比率のうちの最大値で定義され得る。分切片61の重畳率は0超過0.05以下であり得る。
【0165】
分切片61の形状は、位置に応じて異なるように変更してもよい。一例として、応力が集中される区間には応力分散に有利なラウンド形状(例えば、半円形、半楕円形など)を適用し、応力が相対的に低い区間には面積が最大限に広い多角形状(例えば、方形、台形、平行四辺形など)を適用し得る。
【0166】
無地部の分切構造はコア側無地部Aにも適用可能である。但し、コア側無地部Aに分切構造が適用されれば、コアの曲率半径によって、分切片が折り曲げられるときコア側無地部Aの端部が外周側に曲がる逆フォーミング(reverse forming)現象が発生するおそれがある。したがって、コア側無地部Aには分切構造を適用しないか、または、分切構造を適用してもコアの曲率半径を考慮して分切片61の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチを逆フォーミングが発生しない水準に調節することが望ましい。
【0167】
上述した実施形態(変形例)の電極板構造は、ゼリーロール型の電極組立体に含まれた極性の異なる第1電極及び/または第2電極に適用され得る。また、第1電極及び第2電極の一方に実施形態(変形例)の電極板構造が適用される場合、他方には従来の電極板構造が適用され得る。また、第1電極及び第2電極に適用された電極板構造は同じではなく、相異なり得る。
【0168】
一例として、第1電極及び第2電極がそれぞれ正極及び負極であるとき、第1電極には実施形態(変形例)のいずれか一つが適用され、第2電極には従来の電極構造(
図1を参照)が適用され得る。
【0169】
他の例として、第1電極及び第2電極がそれぞれ正極及び負極であるとき、第1電極には実施形態(変形例)のいずれか一つが選択的に適用され、第2電極には実施形態(変形例)のいずれか一つが選択的に適用され得る。
【0170】
本発明において、正極にコーティングされる正極活物質及び負極にコーティングされる負極活物質は、当業界に公知の活物質であれば制限なく使用可能である。
【0171】
一例として、正極活物質は、一般化学式A[AxMy]O2+z(AはLi、Na及びKのうちの少なくとも一つの元素を含む;MはNi、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Al、Mo、Sc、Zr、Ru及びCrから選択された少なくとも一つの元素を含む;x≧0、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;化学量論計数x、y及びzは化合物が電気的中性を維持するように選択される)で表されるアルカリ金属化合物を含み得る。
【0172】
他の例として、正極活物質は、米国特許第6,677,082号明細書、米国特許第6,680,143号明細書などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM1O2.(1-x)Li2M2O3(M1は平均酸化状態3を有する少なくとも一つの元素を含む;M2は平均酸化状態4を有する少なくとも一つの元素を含む;0≦x≦1)であり得る。
【0173】
さらに他の例として、正極活物質は、一般化学式LiaM1
xFe1-xM2
yP1-yM3
zO4-z(M1はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも一つの元素を含む;M2はTi、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Al、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V及びSから選択された少なくとも一つの元素を含む;M3はFを選択的に含むハロゲン族元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;化学量論計数a、x、y及びzは化合物が電気的中性を維持するように選択される)、またはLi3M2(PO4)3[MはTi、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Al、Mg及びAlから選択された少なくとも一つの元素を含む]で表されるリチウム金属ホスフェートであり得る。
【0174】
望ましくは、正極活物質は、1次粒子及び/または1次粒子が凝集された2次粒子を含み得る。
【0175】
一例として、負極活物質としては、炭素材、リチウム金属またはリチウム金属化合物、ケイ素またはケイ素化合物、スズまたはスズ化合物などを使用し得る。電位が2V未満であるTiO2、SnO2のような金属酸化物も負極活物質として使用可能である。炭素材としては、低結晶性炭素、高結晶性炭素などがいずれも使用され得る。
【0176】
分離膜としては、多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムを、単独でまたはこれらを積層して使用し得る。他の例として、分離膜は通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を使用し得る。
【0177】
分離膜の少なくとも一面には、無機物粒子のコーティング層を含み得る。また、分離膜自体が無機物粒子のコーティング層からなってもよい。コーティング層を構成する粒子は、隣接する粒子同士の間にインタースティシャル・ボリューム(interstitial volume)が存在するようにバインダーと結合された構造を有し得る。
【0178】
無機物粒子は、誘電率が5以上である無機物からなり得る。非制限的な例として、前記無機物粒子は、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)、BaTiO3、ハフニア(HfO2)、SrTiO3、TiO2、Al2O3、ZrO2、SnO2、CeO2、MgO、CaO、ZnO及びY2O3からなる群より選択された少なくとも一つの物質を含み得る。
【0179】
本発明の実施形態による電極組立体は、実施形態の電極40を第1電極(正極)及び第2電極(負極)に適用したゼリーロール型の電極組立体80である。しかし、本発明が電極組立体の具体的な形態によって限定されることはない。
【0180】
図7a及び
図7bは、それぞれ本発明の実施形態によって無地部43a、43a'の折曲構造が形成される前の電極組立体80の上部断面構造及び下部断面構造を示した図である。また、
図8a及び
図8bは、それぞれ本発明の実施形態によって無地部43a、43a'が折り曲げられながら折曲表面領域Fが形成された電極組立体80の断面図及び斜視図である。
【0181】
電極組立体80は、
図2を参照して説明した巻取工法で製造可能である。説明の便宜上、分離膜の外側に延長された無地部43a、43a'の突出構造を詳細に示し、分離膜の巻回構造の詳細な図示は省略した。電極組立体80の上側に突出した無地部43aは第1電極40から延長されたものである。電極組立体80の下側に突出した無地部43a'は第2電極40'から延長されたものである。分離膜の端部位置は点線で示した。
【0182】
無地部43a、43a'の高さが変化するパターンは概略的に図示した。すなわち、断面の切断位置によって無地部43a、43a'の高さは不規則に変化し得る。一例として、台形状の分切片61の側辺が切断されれば、断面における無地部の高さは分切片61の高さ(
図4のD2)よりも低くなる。また、切断溝(
図5の63)が切断された地点では無地部43a、43a'が図示されていない。
【0183】
以下、図面を参照して、第1電極40の無地部43aの構造的特徴を詳細に説明する。望ましくは、第2電極40'の無地部43a'も第1電極40の無地部43aと実質的に同じ特徴を有し得る。
【0184】
図7a、
図7b、
図8a及び
図8bを参照すると、第1電極40及び第2電極40'の無地部43a、43a'は、半径方向に折り曲げられて折曲表面領域Fを形成する。
【0185】
第1電極40の巻回構造において、第1電極40の総巻回ターン数をn1とし、k番目巻回ターンの巻回ターン数インデックスk(1~n1の自然数)を総巻回ターン数n1で除した値をk番目巻回ターンの相対半径位置R1,kと定義するとき、無地部43aの積層数が10以上である相対半径位置R1,k区間の半径方向長さは、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さに対して30%以上である。
【0186】
参考までに、一番目巻回ターンの相対半径位置は、巻回ターン数インデックスが1であるため、1/n1である。k番目巻回ターンの相対半径位置はk/n1である。最後のn1番目巻回ターンの相対半径位置は1である。すなわち、相対半径位置は、電極組立体80のコア側から外周に向かって1/n1から1まで増加する。
【0187】
第2電極40'の巻回構造において、第2電極40'の総巻回ターン数をn2とし、k番目巻回ターン数位置における巻回ターン数インデックスk(1~n2の自然数)を総巻回ターン数n2で除した値をk番目巻回ターンの相対半径位置R2,kと定義するとき、無地部の折曲部の積層数が10以上である相対半径位置R2,k区間の半径方向長さは、分切片が配置された巻回ターンの半径方向長さに対して30%以上である。
【0188】
参考までに、一番目巻回ターンの相対半径位置は、巻回ターン数インデックスが1であるため、1/n2である。k番目巻回ターンの相対半径位置はk/n2である。最後のn2番目巻回ターンの相対半径位置は1である。すなわち、相対半径位置は、電極組立体80のコア側から外周に向かって1/n2から1まで増加する。
【0189】
望ましくは、第1電極40の巻回ターン数インデックスkと第2電極40'の巻回ターン数インデックスkとは、相異なる値が割り当てられ得る変数として理解しなければならない。
【0190】
無地部43a、43a'が半径方向に折り曲げられれば、
図8a及び
図8bに示されたように、電極組立体80の上部及び下部に折曲表面領域Fが形成される。
【0191】
図8a及び
図8bを参照すると、複数の分切片61が電極組立体80のコアC側に折り曲げられながら半径方向に沿って多重に重なる。
【0192】
分切片61の積層数は、折曲表面領域F上の任意の半径地点で巻取軸方向(Y軸方向)から仮想の線を引いたとき、仮想の線と交わる分切片61の個数で定義され得る。
【0193】
望ましくは、分切片61の積層数は、折曲表面領域Fと集電体との溶接強度を十分に増加させ、溶接工程時の分離膜及び活物質層の損傷を防止するため、分切片61が含まれた巻回ターンの半径方向長さR1を基準にして少なくとも30%の半径区間において10枚以上であり得る。
【0194】
集電体は、無地部43a、43a'の折曲表面領域Fにレーザーで溶接され得る。代案的には、抵抗溶接などの他の公知の溶接技術が適用され得る。レーザー溶接が適用されるとき、溶接強度を十分に確保するため、レーザーの出力を増強することが望ましい。レーザーの出力が増強されれば、レーザーが無地部43a、43a'の重畳領域を貫通して電極組立体80の内部まで浸透し、分離膜及び活物質層を損傷させるおそれがある。したがって、レーザーの貫通を防止するためには、溶接領域において無地部43a、43a'の積層数を一定水準以上に増やすことが望ましい。無地部43a、43a'の積層数を増やすためには、分切片61の高さを高めなければならない。しかし、分切片61の高さを高めれば、電極40の製造過程で無地部43a、43a'にうねり(swell)が生じるおそれがある。したがって、分切片61の高さは、適切な水準、望ましく2mm~10mmに調節することが望ましい。
【0195】
折曲表面領域Fにおいて分切片61の積層数が10以上である半径区間をR1対比30%以上に設計し、分切片61が10枚以上重なった領域と集電体とをレーザー溶接すれば、レーザーの出力を増強しても無地部の重畳部位がレーザーを十分にマスキングして、レーザーによる分離膜及び活物質層の損傷を防止することができる。また、レーザーが照射される領域で分切片61の積層数が多いため、溶接ビーズが十分なボリューム及び厚さで形成される。したがって、溶接強度が十分に確保され、溶接界面の抵抗も低めることができる。
【0196】
集電体の溶接時のレーザー出力は、折曲表面領域Fと集電体との間の所望の溶接強度によって決定され得る。溶接強度は、無地部43a、43a'の積層数に比例して増加する。無地部43a、43a'の積層数が増加するほど、レーザーによって形成される溶接ビーズのボリュームが大きくなるためである。
【0197】
望ましくは、溶接強度は2kgf/cm2以上、より望ましくは4kgf/cm2以上であり得る。溶接強度が上記の数値範囲を満たす場合、巻取軸方向及び/または半径方向に沿って電極組立体80に激しい振動が加えられても溶接界面の物性が低下せず、溶接ビーズのボリュームが十分であるため溶接界面の抵抗も減少させることができる。上記の溶接強度条件を具現するためのレーザー出力は、レーザー装置によって異なるが、250W~320Wの範囲またはレーザー最大出力仕様の40%~100%範囲で適切に調節され得る。
【0198】
溶接強度は、集電体が折曲表面領域Fから分離し始めるときの集電体の単位面積当たり引張力(kgf/cm2)として定義され得る。具体的には、集電体の溶接を完了した後、集電体に引張力を加え、その大きさを徐々に増加させる。引張力が大きくなると、溶接界面から無地部43a、43a'が分離し始める。このとき、集電体に加えられた引張力を集電体の面積で除した値が溶接強度である。
【0199】
望ましくは、第1電極40は、集電板(ホイル)41、及びその少なくとも一面に形成された活物質コーティング層42を含み、電極集電体41の厚さは10μm~25μmであり、電極組立体80の半径方向において隣接する巻回ターン同士の間隔は200μm~500μmであり得る。望ましくは、集電板41はアルミニウムからなり得る。
【0200】
第2電極40'は、集電板(ホイル)、及びその少なくとも一面に形成された活物質コーティング層を含み、集電板の厚さは5μm~20μmであり、電極組立体80の半径方向において隣接する巻回ターン同士の間隔は200μm~500μmであり得る。集電板は銅からなり得る。
【0201】
図4、
図7a及び
図7bを参照すると、第1電極40の巻回構造において、第1電極40の相対半径位置R
1,1から予め設定された第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部の高さが、巻回ターン数k*+1の相対半径位置R
1,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低くなり得る。相対半径位置R
1,1から予め設定された第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部の高さは、コア側無地部Aの無地部の高さに対応する(
図4を参照)。
【0202】
第1電極40の巻回構造において、外周側に分切片61が含まれていない巻回ターンが存在すれば、相対半径位置1は分切片61を含む最外郭巻回ターンの相対半径位置に対応し得る。
【0203】
望ましくは、第1電極40の巻回構造において、相対半径位置R1,1から第1相対半径位置R1,k*までの区間の無地部は、その高さが折り曲げられた無地部が重なって形成される折曲表面領域Fよりも低くなり得る。
【0204】
望ましくは、第1電極40の巻回構造において、相対半径位置R1,1から第1相対半径位置R1,k*までの区間の無地部は、電極組立体80のコアに向かって折り曲げられなくてもよい。
【0205】
第1電極40と同様に、第2電極40'の巻回構造において、相対半径位置R2,1から予め設定された第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部の高さが、巻回ターンk*+1の相対半径位置R2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低くなり得る。
【0206】
第2電極40'の巻回構造において、外周側に分切片61が含まれていない巻回ターンが存在すれば、相対半径位置1は分切片61を含む最外郭巻回ターンの相対半径位置に対応し得る。
【0207】
また、相対半径位置R2,1から予め設定された第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部は、その高さが折り曲げられた無地部が重なって形成される折曲表面領域Fよりも低くなり得る。
【0208】
望ましくは、相対半径位置R2,1から第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部は、電極組立体のコアに向かって折り曲げられなくてもよい。
【0209】
望ましくは、第2電極40'の巻回構造において、相対半径位置R2,1から第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部は、その高さが相対半径位置R2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低く、コア側に向かって折り曲げられなくてもよい。
【0210】
第1電極40の巻回構造において、相対半径位置R1,k*+1の無地部折曲長さfd1,k*+1は、相対半径位置R1,1から相対半径位置R1,k*までの半径方向長さよりも短くなり得る。したがって、電極組立体80のコアCが相対半径位置R1,k*+1から相対半径位置1までの区間に位置する無地部43aの折曲部によって閉塞されない。
【0211】
代案的には、電極組立体80のコアCは、その半径rcを基準にして90%以上が相対半径位置R1,k*+1から相対半径位置1までの区間に位置する無地部43aの折曲部によって閉塞されない。すなわち、コアCは、少なくとも0~0.9rcに該当する半径区間が無地部43aの折曲部によって閉塞されない。
【0212】
望ましくは、相対半径位置R1,k*+1に位置した無地部43aの折曲長さfd1,k*+1、コアの半径rc、及び相対半径位置R1,k*+1がコアCの中心から離隔した距離d1,k*+1は、下記の数式2を満たし得る。
[数式2]
fd1,k*+1+0.9×rc≦d1,k*+1
【0213】
望ましくは、第2電極40'の巻回構造において、相対半径位置R2,1から第1相対半径位置R2,k*までの区間の無地部は、その高さが相対半径位置R2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低く、コア側に向かって折り曲げられなくてもよい。
【0214】
第2電極40'の巻取構造において、相対半径位置R2,k*+1に位置する無地部の折曲長さfd2,k*+1は、相対半径位置R2,1から第1相対半径位置R2,k*までの長さよりも短くなり得る。したがって、電極組立体80のコアCが相対半径位置R2,k*+1から相対半径位置1までの区間に位置する無地部の折曲部によって閉塞されない。
【0215】
代案的には、電極組立体80のコアCは、それの半径rcを基準にして90%以上が相対半径位置R2,k*+1に位置する無地部43a'の折曲部によって閉塞されない。
【0216】
望ましくは、相対半径位置R2,k*+1に位置した無地部43a'の折曲長さfd2,k*+1、コアの半径rc、及び相対半径位置R2,k*+1がコアCの中心から離隔した距離d2,k*+1は、下記の数式3を満たし得る。
[数式3]
fd2,k*+1+0.9×rc≦d2,k*+1
【0217】
望ましくは、第1電極40の巻回構造において、予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
から相対半径位置1までの第1電極40の無地部は、複数の分切片61に分割されており、複数の分切片61の高さは相対半径位置
から相対半径位置1まで実質的に同一であり得る。
【0218】
一方、第1電極40の巻回構造において、相対半径位置R
1,k*+1から予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
までの区間の無地部43aは、複数の分切片61に分割されており、その高さが外周側に向かって段階的にまたは徐々に増加し得る。したがって、相対半径位置R
1,k*+1から
までの区間は高さ可変区間に該当する。
【0219】
例えば、半径22mmの第1電極40の巻回構造において、分切片の高さ可変区間の半径方向長さをH1と定義し、コアCを除いた第1電極40の巻回構造の半径(R-rc)に対するH1の比率を高さ可変区間の比率(H1/(R-rc))と定義するとき、高さ可変区間の比率は少数第1位で四捨五入して以下のように計算され得る。
【0220】
実施例1において、Rは22mm、コア半径rcは5mm、R-rcは17mmであり得る。分切片61の高さは、半径7mm~15mmの区間で2mmから10mmまで8段階で変化し得る。半径15mm以後、分切片61の高さは10mmに維持される。H1が8mmであるため、高さ可変区間の比率は47%(8mm/17mm)であり得る。
【0221】
実施例2において、R及びrcは実施例1と同一である。分切片61の高さは、半径7mm~14mmの区間で2mmから9mmまで7段階で変化し得る。半径14mm以後、分切片61の高さは9mmに維持される。H1が7mmであるため、高さ可変区間の比率は41%(7mm/17mm)であり得る。
【0222】
実施例3において、R及びrcは実施例1と同一である。分切片61の高さは、半径7mm~13mmの区間で2mmから8mmまで6段階で段階的に変化し得る。半径13mm以後、分切片61の高さは8mmに維持される。H1が6mmであるため、高さ可変区間の比率は35%(6mm/17mm)であり得る。
【0223】
実施例4において、R及びrcは実施例1と同一である。分切片61の高さは、半径7mm~12mmの区間で2mmから7mmまで5段階で段階的に変化し得る。半径12mm以後、分切片61の高さは7mmに維持される。H1が5mmであるため、高さ可変区間の比率は29%(5mm/17mm)であり得る。
【0224】
実施例5において、R及びrcは実施例1と同一である。分切片61の高さは、半径7mm~11mmの区間で2mmから6mmまで4段階で段階的に変化し得る。半径11mm以後、分切片61の高さは6mmに維持される。H1が4mmであるため、高さ可変区間の比率は24%(4mm/17mm)であり得る。
【0225】
実施例6において、R及びrcは実施例1と同一である。分切片61の高さは、半径7mm~10mmの区間で2mmから5mmまで3段階で段階的に変化し得る。半径10mm以後、分切片61の高さは5mmに維持される。H1が3mmであるため、高さ可変区間の比率は18%(3mm/17mm)であり得る。
【0226】
実施例7において、R及びrcは実施例1と同一である。分切片61の高さは、半径7mm~9mmの区間で2mmから4mmまで2段階で段階的に変化し得る。半径9mm以後、分切片61の高さは4mmに維持される。H1が2mmであるため、高さ可変区間の比率は12%(2mm/17mm)であり得る。
【0227】
実施例8において、R及びrcは実施例1と同一である。分切片61の高さは、半径7mm~8mmの区間で2mmから3mmまで1段階で段階的に変化し得る。半径8mm以後、分切片61の高さは3mmに維持される。H1が1mmであるため、高さ可変区間の比率は6%(1mm/17mm)であり得る。
【0228】
まとめると、Rが22mm、rcが5mmであるとき、半径7mm~15mmの区間で分切片の高さが2mm~10mmの範囲で1段階~8段階のうちのいずれか一つの段階で変化するとき、高さ可変区間の比率は6%~47%であり得る。
【0229】
高さ可変区間の比率の数値範囲は、コアCの半径rcの大きさに応じて変わり得る。計算方式は、上記と類似であるため、結果のみを記載する。
【0230】
一例として、Rが22mm、rcが4mmであるとき、半径6mm~14mmの区間において分切片の高さが2mm~10mmの範囲で1段階~8段階のうちのいずれか一つの段階で段階的に変化するとき、高さ可変区間の比率は6%~44%であり得る。
【0231】
他の例として、Rが22mm、rcが3mmであるとき、半径5mm~13mmの区間において分切片の高さが2mm~10mmの範囲で1段階~8段階のうちのいずれか一つの段階で段階的に変化するとき、高さ可変区間の比率は5%~42%であり得る。
【0232】
さらに他の例として、Rが22mm、rcが2mmであるとき、半径4mm~12mmの区間において分切片の高さが2mm~10mmの範囲で1段階~8段階のうちのいずれか一つの段階で段階的に変化するとき、高さ可変区間の比率は5%~40%であり得る。
【0233】
上記の計算例から、コアCの半径rcが2mm~5mmの範囲で変化するとき、高さ可変区間の比率は5%~47%である。電極組立体80の半径が一定であるとき、高さ可変区間の比率の下限及び上限はコアCの半径rcが減少するほど減少する。
【0234】
一方、高さ可変区間の比率の下限及び上限は、半径1mm増加当たりの分切片61の高さ変化幅及び高さ変化回数によって変わり得る。
【0235】
一例として、半径1mmの増加に当たり分切片61の高さが0.2mmずつ変化するとき、高さ可変区間の比率の下限及び上限はそれぞれ1%及び9%である。
【0236】
他の例として、半径1mmの増加に当たり分切片61の高さが1.2mmずつ変化するとき、高さ可変区間の比率の下限及び上限はそれぞれ6%及び56%である。
【0237】
上述した例示から高さ可変区間の比率は、1%~56%であることが望ましい。分切片61の高さ可変区間の比率が上記の数値範囲を満たすと、無地部の積層数が10枚以上である相対半径位置の半径方向長さの比率が、分切片61を含む巻回ターンの半径方向長さR1対比少なくとも30%になり得る。後述するが、このような構成は集電体の溶接強度と抵抗の面で有用な効果を提供する。
【0238】
図4及び
図7bをさらに参照すると、第2電極40'の巻回構造においても、相対半径位置R
2,k*+1から予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
までの区間の無地部は、複数の分切片61に分割されており、その高さが外周側に向かって段階的にまたは徐々に増加し得る。したがって、相対半径位置R
2,k*+1から
までの区間は高さ可変区間に該当する。
【0239】
第2電極40'の巻回構造において、高さ可変区間の半径方向長さをH2と定義し、コアCを除いた第2電極40'の巻回構造の半径(R-rc)に対するH2の比率を高さ可変区間の比率(H2/(R-rc))と定義するとき、高さ可変区間の比率は、第1電極と同様に1%~56%であることが望ましい。
【0240】
無地部43a'の分切片61に対する高さ可変区間の比率が上記の数値範囲を満たすと、無地部の積層数が10枚以上である相対半径位置の比率が、分切片61を含む巻回ターンの半径方向長さR2対比少なくとも30%になり得る。
【0241】
第2電極40'の巻回構造において、
番目巻回ターンの相対半径位置
から相対半径位置1までの第2電極40'の無地部は、複数の分切片61に分割されており、複数の分切片61の高さは相対半径位置
から相対半径位置1まで実質的に同一であり得る。
【0242】
望ましくは、第1電極40の巻回構造において、コア側に折り曲げられる無地部43aは複数の分切片61に分割され、複数の分切片61の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは、個別的にまたはグループ毎にコア側から外周側に向かって徐々にまたは段階的に増加し得る。
【0243】
同様に、第2電極40'の巻回構造において、コア側に折り曲げられる無地部43a'は複数の分切片61に分割され、複数の分切片61の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは、個別的にまたはグループ毎にコア側から外周側に向かって徐々にまたは段階的に増加し得る。
【0244】
望ましくは、無地部43a、43a'の折曲部分が複数の分切片61に分割されるとき、複数の分切片61のそれぞれは、巻取方向で1mm~11mmの幅(
図5のD1)条件、巻取軸方向で2mm~10mmの高さ(
図5のD2)条件、及び巻取方向で0.05mm~1mmの離隔ピッチD3条件のうちの少なくとも一つの条件を満たし得る。
【0245】
望ましくは、分切片61の切断溝の底部(
図5のD4)と活物質層42との間には所定のギャップが備えられ得る。望ましくは、ギャップは0.2mm~4mmであり得る。
【0246】
図4を参照すると、無地部43a、43a'の折曲部分が複数の分切片61に分割されるとき、複数の分切片61はコア側から外周側に向かって複数の分切片グループを形成し、同一分切片グループに属した分切片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが互いに同一であり得る。
【0247】
望ましくは、複数の分切片グループのうちの少なくとも一部は、電極組立体80の同一巻回ターンに配置され得る。一例として、各グループに含まれた分切片は、電極組立体80の巻回構造において少なくとも一つの巻回ターンを構成し得る。他の例として、各グループに含まれた分切片は、電極組立体80の巻回構造において少なくとも二つの巻回ターンを構成し得る。
【0248】
図9aは、フォームファクタ4680の円筒形バッテリーに含まれる半径22mmの電極組立体において、複数の分切片61に分割されている第1電極40の無地部43aが外周側からコア側に折り曲げられながら折曲表面領域Fを形成し、折曲表面領域Fの一部は半径方向に沿って無地部43aが10枚以上重なり、電極組立体80の半径方向に沿って積層数増加区間及び積層数均一区間が現れた様子を示した部分断面図である。
【0249】
図9aを参照すると、折曲表面領域Fにおいて無地部43aの積層数は、電極組立体80の外周からコア側に向かって順次に増加した後、最大値に到達し、最大値が所定の半径区間に亘って維持されてから、コア付近で1~2枚ほど減少する。コア付近の半径区間は、積層数減少区間と称される。
【0250】
以下、無地部43aの積層数が電極組立体80の外周からコア側に向かって最大値まで順次に増加する半径区間を積層数増加区間と定義し、無地部43aの積層数が最大値に維持される区間とコア付近の残りの区間とを合わせて積層数均一区間と定義する。積層数均一区間は、無地部43aの積層数が最大値に維持される区間を含むため、折曲表面領域Fが他の部分よりも平坦であることから、溶接最適領域に該当する。
【0251】
図9aにおいて、無地部43aは、
図5に示されたように台形状の分切片に分割されており、切断溝63の底部63aを基準にして無地部43aの上部のみを示している。切断溝63の断面に対応する部分は無地部43aが示されていない。
【0252】
分切片61が実際に折り曲げられる地点は完全に同一ではなく、切断溝63の下端から所定の距離だけ離隔している。コア側に向かって無地部43aの重畳数が増加しながら重畳に対する抵抗が生じるため、切断溝63の下端から所定の距離だけ離隔した地点で折り曲げを行うことが望ましい。離隔距離は2mm以下、望ましくは1mm以下である。離隔距離が存在すれば、半径方向における分切片61の重畳がより円滑に行われる。
【0253】
折曲表面領域Fは、相異なる巻回ターンに位置した分切片が電極組立体80の半径方向に重なりながら形成されたものである。
図9aに示された実施形態において、円周方向には分切片61が重なっていない。すなわち、
図6の(a)のように、分切片61の側辺同士の間にギャップが存在する。ギャップの存在条件は、分切片の幅、高さ、離隔ピッチ、下部内角などを調節して満たし得る。分切片が円周方向に重なるときの折曲表面領域Fについては、
図9bを参照して後述する。
【0254】
本実施形態において、電極組立体80のコアの半径rcは4mmである。また、分切片の高さは3mmから始まる。電極組立体の半径を基準にして4mmから7mmまでは無地部43aに分切片が存在しない。すなわち、電極組立体の総半径22mmのうち、半径7mmから22mmまでの区間に分切片が存在し、分切片61が存在する半径区間の幅は15mmである。もし、コアの半径rcを基準にして最大10%が分切片によって塞がれば、分切片の配置が始まる地点がコア側に移動され得る。
【0255】
巻回構造において、半径約7mm地点の巻回ターンから3mmの高さを有する分切片が配置される。分切片の高さは、巻回構造の半径7mmから外周側に向かって半径1mm増加当たり1mmずつ増加する。分切片の高さが増加する周期は、単位半径(1mm)当たり0.2mm~1.2mmの範囲で変更可能である。
【0256】
図9aの(a)は分切片の最大高さが8mmである場合である。この場合、電極組立体の半径がコア中心から7mmになる地点から分切片が配置される。それにより、3mmの高さを有する分切片がコア側に折り曲げられたときに半径4mmのコアを塞ぐことがない。分切片の高さは、半径が7mmから12mmまで増加するとき、3mmから8mmまで5段階で増加する。また、分切片の高さは半径12mmから22mmまで8mmに維持される。このような実施形態において、分切片の高さ可変区間は半径7mmから12mmまでであり、高さ可変区間の比率は28%(5/18、少数第1位で四捨五入、以下同様)である。
【0257】
図9aの(b)は分切片の最大高さが7mmである場合である。この場合も、電極組立体の半径がコア中心から7mmになる地点から分切片が配置される。それにより、3mmの高さを有する分切片がコア側に折り曲げられたときに半径4mmのコアを塞ぐことがない。分切片の高さは半径が7mmから11mmまで増加するとき、3mmから7mmまで4段階で増加する。また、分切片の高さは半径11mmから22mmに亘って7mmに維持される。このような実施形態において、分切片の高さ可変区間は半径7mmから11mmまでであり、高さ可変区間の比率は22%(4/18)である。
【0258】
図9aの(c)は分切片の最大高さが6mmである場合である。この場合も、電極組立体の半径がコア中心から7mmになる地点から分切片が配置される。それにより、3mmの高さを有する分切片がコア側に折り曲げられたときに半径4mmのコアを塞ぐことがない。分切片の高さは、半径が7mmから10mmまで増加するとき、3mmから6mmまで3段階で増加する。また、分切片の高さは半径10mmから22mmまで6mmに維持される。このような実施形態において、分切片の高さ可変区間は半径7mmから10mmまでであり、高さ可変区間の比率は17%(3/18)である。
【0259】
図9aの(a)、(b)及び(c)に示した実施形態において、分切片の高さ可変区間は半径7mmから始まる。そして、高さ可変区間の比率は17%~28%である。このような比率の範囲は、上述した望ましい範囲1%~56%に含まれる。
【0260】
図9aを参照すると、外周側からコア側に向かって無地部43aの積層数は順次に増加し、分切片の最小長さが3mmと同一であっても、分切片の最大長さが6mm、7mm及び8mmに増加するほど、積層数の最大値が12、15、18に増加することが分かる。また、折曲表面領域Fの厚さは積層数に応じて比例的に増加する。
【0261】
一例として、分切片の最大高さが8mmであるとき、無地部43aの積層数は、電極組立体80の外周表面からコア側に向かって半径7mmの区間で18枚まで増加し、積層数の増加が止まる半径地点からコア側に半径8mmの区間では無地部43aの積層数が18枚水準で均一に維持される。本例において、積層数均一区間は積層数が少なくとも16枚であり、半径方向の幅は8mmである。積層数均一区間の幅は、分切片を含む巻回ターンの半径方向長さ(15mm)対比53%(8/15、少数第1位で四捨五入、以下同様)である。
【0262】
他の例として、分切片の最大高さが7mmであるとき、無地部43aの積層数は、電極組立体80の外周表面からコア側に向かって半径6mmの区間で15枚まで増加し、積層数の増加が止まる半径地点からコア側に半径9mmの区間では無地部43aの積層数が15枚水準で均一に維持される。したがって、積層数均一区間の半径方向の幅は9mmであり、積層数均一区間の積層数は少なくとも13枚である。積層数均一区間の幅は、分切片を含む巻回ターンの半径方向長さ(15mm)対比60%(9/15)である。
【0263】
さらに他の例として、分切片の最大高さが5mmであるとき、無地部43aの積層数は、電極組立体80の外周表面からコア側に向かって半径5mmの区間で12枚まで増加し、積層数の増加が止まる半径地点からコア側に半径10mmの区間では無地部43aの積層数が12枚水準で均一に維持される。したがって、積層数均一区間の半径方向の幅は10mmであり、積層数均一区間の積層数は少なくとも11枚である。積層数均一区間の幅は、分切片を含む巻回ターンの半径方向長さ(15mm)対比67%(10/15)である。
【0264】
図9aに示された実施形態によれば、分切片の最小長さが3mmであって、分切片の最大長さが6mm、7mm及び8mmであるとき、積層数が徐々に増加する積層数増加区間の長さはそれぞれ5mm、6mm及び7mmに増加し、無地部43aの積層数が10枚以上である積層数均一区間の比率は53%~67%であることが確認できる。
【0265】
一方、折曲表面領域Fの厚さは、無地部43aの積層数に比例して増加する。高さ可変区間における分切片の最小高さ及び最大高さに応じて無地部43aの積層数は10まで低くなり得るため、無地部43aの積層数は10~18である。一例として、無地部43aがアルミニウムからなり、その厚さが10μm~25μmであるとき、折曲表面領域Fの厚さは100μm~450μmであり得る。他の例として、無地部43aが銅からなり、その厚さが5μm~20μmであるとき、折曲表面領域Fの厚さは50μm~360μmであり得る。折曲表面領域Fの厚さが上記の数値範囲の条件を満たすと、レーザーを用いて折曲表面領域Fに集電体を溶接するとき、折曲表面領域Fがレーザーのエネルギーを十分に吸収する。その結果、折曲表面領域Fに溶接ビーズが十分なボリュームで形成されて溶接強度が増加する。また、溶接部位がレーザーによって穿孔されて折曲表面領域Fの下部にある分離膜などが損傷されることを防止することができる。
【0266】
望ましくは、集電体は、折曲表面領域Fに溶接され得る。集電体の溶接領域は、少なくとも一部が半径方向を基準にして積層数均一区間と重畳し得る。
【0267】
望ましくは、電極組立体の半径方向において、集電体の溶接領域の50%~100%が積層数均一区間と重畳し得る。溶接領域の重畳比率が増加するほど、溶接強度の向上及び溶接ビーズボリュームの増加の面で望ましい。集電体の溶接領域のうちの積層数均一区間と重畳しない他の領域は、積層数増加区間と重畳し得る。
【0268】
一方、
図6を参照して説明したように、無地部43aの分切片61が折り曲げられて折曲表面領域Fを形成する際、それぞれの分切片グループに含まれた分切片の下部内角が数式1の条件を満たせば、同一巻回ターンに位置して隣接する分切片61の側辺同士が交差しながら円周方向に互いに重なり得る。このような場合、電極組立体の半径方向における無地部43aの積層数がさらに増加する。
【0269】
図9bは、分切片が円周方向に重なるときの積層数増加区間及び積層数均一区間を例示的に示した折曲表面領域Fの断面図である。
【0270】
図9bを参照すると、外周側からコア側に向かって無地部43aの重畳数は順次に増加する。分切片の高さ可変区間は、
図9aの実施形態と同様に、半径7mmからである。分切片の高さは3mmから始まり、半径1mm増加当たり1mmずつ増加する。分切片高さの最大値が6mm、7mm、8mm、9mm及び10mmに増加するほど、積層数均一区間が始まる半径位置の積層数が18、22、26、30及び34に増加する。分切片高さの最大値が6mm、7mm、8mmである同一条件下において、
図9aの実施形態よりも積層数が6枚~8枚だけさらに多い。これは分切片が円周方向に重なっているためである。
【0271】
具体的には、分切片高さの最大値が10mmであるとき、無地部43aの積層数は、電極組立体80の外周表面からコア側に向かって半径9mmの区間(積層数増加区間)で34枚まで増加し、積層数の増加が止まる半径地点からコア側に半径6mmの区間では34枚に維持されてから、コア付近で積層数が39枚までさらに増える。コア付近で積層数がさらに増加することは、円周方向での分切片の重畳がコア側に行くほどさらに増えるためである。積層数がさらに増加するコア付近の半径区間は、積層数追加増加区間と定義し得る。本例において、積層数均一区間は積層数が少なくとも34枚であり、半径方向の幅は6mmである。積層数均一区間は半径7mmから始まり、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さ(15mm)対比40%(6/15、少数第1位で四捨五入、以下同様)である。
【0272】
他の例として、分切片高さの最大値が9mmであるとき、無地部43aの積層数は、電極組立体80の外周表面からコア側に向かって半径8mmの区間で30枚まで増加し、積層数の増加が止まる半径地点からコア側に半径7mmの区間では30枚に維持されてから、コア付近で36枚までさらに増える。したがって、積層数均一区間は、半径方向の幅が7mmであり、積層数が少なくとも30枚である。積層数均一区間は半径7mmから始まり、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さ(15mm)対比47%(7/15)である。
【0273】
さらに他の例として、分切片高さの最大値が8mmであるとき、無地部43aの積層数は、電極組立体80の外周表面からコア側に向かって半径7mmの区間で26枚まで増加し、積層数の増加が止まる半径地点からコア側に半径8mmの区間では26枚に維持されてから、コア付近で28枚までさらに増える。したがって、積層数均一区間は、半径方向の幅が8mmであり、積層数が少なくとも26枚である。積層数均一区間は半径7mmから始まり、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さ(15mm)対比53%(8/15)である。
【0274】
さらに他の例として、分切片高さの最大値が7mmであるとき、無地部43aの重畳数は、電極組立体80の外周表面からコア側に向かって半径6mmの区間で22枚まで増加し、積層数の増加が止まる半径地点からコア側に半径9mmの区間では22枚に維持されてから、コア付近で23枚までさらに増える。したがって、積層数均一区間は、半径方向の幅が9mmであり、積層数が少なくとも22枚である。積層数均一区間は半径7mmから始まり、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さ(15mm)対比60%(9/15)に該当する区間である。
【0275】
さらに他の例として、分切片高さの最大値が6mmであるとき、無地部43aの重畳数は、電極組立体80の外周表面からコア側に向かって半径5mmの区間で18枚まで増加し、積層数の増加が止まる半径地点からコア側に半径10mmの区間では18枚に維持されてから、コア付近で20枚までさらに増える。したがって、積層数均一区間は、半径方向の幅が10mmであり、積層数が少なくとも18枚である。積層数均一区間は半径7mmから始まり、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さ(15mm)対比67%(10/15)に該当する区間である。
【0276】
図9bに示した実施形態によれば、分切片高さの最小値が3mであって、分切片高さの最大値が6mm、7mm、8mm、9mm及び10mmであるとき、積層数が徐々に増加する積層数増加区間の長さは5mm、6mm、7mm、8mm及び9mmまで増加する。そして、積層数が10枚以上である積層数均一区間の比率は40%~67%であることが確認できる。
【0277】
一方、
図9bの実施形態において、折曲表面領域Fの厚さは無地部43aの積層数に比例して増加する。無地部43aの積層数は18~39である。一例として、無地部43aがアルミニウムからなり、その厚さが10μm~25μmであるとき、折曲表面領域Fの厚さは180μm~975μmであり得る。他の例として、無地部43aが銅からなり、その厚さが5μm~20μmであるとき、折曲表面領域Fの厚さは90μm~780μmであり得る。折曲表面領域Fの厚さが上記の数値範囲の条件を満たすと、レーザーを用いて折曲表面領域Fに集電体を溶接するとき、折曲表面領域Fがレーザーのエネルギーを十分に吸収する。その結果、折曲表面領域Fに溶接ビーズが十分なボリュームで形成されて溶接強度が増加する。また、溶接部位がレーザーによって穿孔されて折曲表面領域Fの下部にある分離膜などが損傷されることを防止することができる。
【0278】
望ましくは、集電体の溶接領域は、少なくとも一部が半径方向を基準にして積層数均一区間と重畳し得る。望ましくは、電極組立体80の半径方向において、集電体の溶接領域の50%~100%が積層数均一区間と重畳し得る。溶接領域の重畳比率が増加するほど、溶接強度の面で望ましい。集電体の溶接領域のうちの積層数均一区間と重畳しない領域は、積層数増加区間と重畳し得る。
【0279】
図9a及び
図9bに示された実施形態において、無地部43aの積層数均一区間が電極組立体の半径R、コアの半径r
c、分切片の高さ可変区間における分切片高さの最小値と最大値、及び電極組立体の半径方向における分切片の高さ増加幅に応じて増減可能なことは当業者に自明に理解されるであろう。
【0280】
積層数均一区間の比率はコアrcの半径に反比例する。また、積層数均一区間の比率は、分切片の最小高さが同一であるとき、高さ可変区間の幅が狭いほど増加する。また、積層数均一区間の比率は、分切片の最大高さが同一であるとき、高さ可変区間の幅が狭いほど増加する。
【0281】
一例として、電極組立体の直径Rが22mm、コアの半径rcが2mm、分切片の高さ可変区間において半径9mmから12mmまで分切片の高さが7mmから10mmまで変わるとき、積層数均一区間の比率は30%水準まで減少し得る。
【0282】
他の例として、電極組立体の直径Rが22mm、コアの半径rcが2mm、分切片の高さ可変区間において半径5mmから6mmまで分切片の高さが3mmから4mmまで変わるとき、積層数均一区間の比率は85%水準まで増加し得る。
【0283】
したがって、積層数均一区間の半径方向長さは、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さに対して30%以上であり、望ましくは30%~85%であり得る。
【0284】
一方、
図9a及び
図9bを参照して上述したように、分切片の高さ均一区間における分切片の最大高さが6mm~10mmであるとき、分切片の最小高さ及び半径方向での分切片の高さ増加量を変化させることで、積層数均一区間における無地部43aの積層数を10~39の範囲に調節し得る。折曲表面領域Fの積層数均一区間は、高さ均一区間に含まれた分切片が折り曲げられて形成された区間を含む。折曲表面領域Fの厚さは、無地部43aを構成する材質の厚さに応じて変わる。無地部43aがアルミニウムからなり、その厚さが10μm~25μmであるとき、折曲表面領域Fの無地部積層厚さは100μm(0.1mm)~975μm(0.975mm)である。この場合、高さ均一区間に含まれている高さ6mm~10mmの分切片が折り曲げられて形成された折曲表面領域Fの部分において、分切片の高さに対する折曲表面領域Fの無地部積層厚さの比率は1.0%(0.1mm/10mm)~16.3%(0.975mm/6mm)である。他の例として、無地部43aが銅からなり、その厚さが5μm~20μmであるとき、折曲表面領域Fの無地部積層厚さは50μm(0.05mm)~780μm(0.780mm)である。この場合、高さ均一区間に含まれている高さ6mm~10mmの分切片が折り曲げられて形成された折曲表面領域Fの部分において、分切片の高さに対する折曲表面領域Fの無地部積層厚さの比率は0.5%(0.05mm/10mm)~13.0%(0.780mm/6mm)である。高さ均一区間に含まれている分切片の高さに対する折曲表面領域Fの厚さの比率が上記の数値範囲を満たすと、該当折曲表面領域Fに集電体を溶接したときに望ましい溶接強度を達成することができる。
【0285】
本発明の実施形態(変形例)による多様な電極組立体の構造は、ゼリーロール型の円筒形バッテリーだけでなく、当業界に公知の如何なるバッテリーにも適用され得る。
【0286】
望ましくは、円筒形バッテリーは、例えばフォームファクタの比(円筒型バッテリーの直径を高さで除した値、すなわち高さ(H)対比直径(Φ)の比で定義される)が約0.4よりも大きい円筒形バッテリーであり得る。
【0287】
ここで、フォームファクタ(form factor)とは、円筒形バッテリーの直径及び高さを示す値を意味する。本発明の一実施形態による円筒形バッテリーのフォームファクタは、例えば46110、4875、48110、4880、4680などであり得る。フォームファクタを示す数値において、前方の二桁はバッテリーの直径を示し、残り数字はバッテリーの高さを示す。
【0288】
フォームファクタの比が0.4を超過する円筒形バッテリーにタブレス構造を有する電極組立体を適用する場合、無地部の折り曲げ時に半径方向に加えられる応力が大きく、無地部が破れ易い。また、無地部の折曲表面領域に集電体を溶接するとき、溶接強度を十分に確保して抵抗を下げるためには、無地部の積層数を十分に増加させなければならない。このような要求条件は、本発明の実施形態(変形例)による電極板と電極組立体によって達成され得る。
【0289】
本発明の一実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約46mmであり、高さが約110mmであり、フォームファクタの比が0.418である円筒形バッテリーであり得る。
【0290】
他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約48mmであり、高さが約75mmであり、フォームファクタの比が0.640である円筒形バッテリーであり得る。
【0291】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約48mmであり、高さが約110mmであり、フォームファクタの比が0.436である円筒形バッテリーであり得る。
【0292】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約48mmであり、高さが約80mmであり、フォームファクタの比が0.600である円筒形バッテリーであり得る。
【0293】
さらに他の実施形態によるバッテリーは、略円柱状であって、その直径が約46mmであり、高さが約80mmであり、フォームファクタの比が0.575である円筒形バッテリーであり得る。
【0294】
従来、フォームファクタの比が約0.4以下のバッテリーが用いられている。すなわち、従来は、例えば1865バッテリー、2170バッテリーなどが用いられている。1865バッテリーの場合、直径が約18mmであり、高さが約65mmであり、フォームファクタの比が0.277である。2170バッテリーの場合、直径が約21mmであり、高さが約70mmであり、フォームファクタの比が0.300である。
【0295】
以下、本発明の実施形態による円筒形バッテリーについて詳しく説明する。
【0296】
図10は、本発明の一実施形態による円筒形バッテリー190をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0297】
図10を参照すると、本発明の一実施形態による円筒形バッテリー190は、第1電極、分離膜及び第2電極を含む電極組立体110、電極組立体110を収納する電池ハウジング142、並びに電池ハウジング142の開放端部を密封する密封体143を含む。
【0298】
電池ハウジング142は、上方に開口部が形成された円筒形の容器である。電池ハウジング142は、アルミニウムまたは鋼鉄のような導電性を有する金属材質からなる。電池ハウジング142は、上端開口部を通って内側空間に電極組立体110を収容し、電解質も一緒に収容する。
【0299】
電解質は、A+B-のような構造の塩であり得る。ここで、A+は、Li+、Na+、K+のようなアルカリ金属陽イオン、またはこれらの組み合わせからなるイオンを含む。そして、B-は、F-、Cl-、Br-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、AlO4
-、AlCl4
-、PF6
-、SbF6
-、AsF6
-、BF2C2O4
-、BC4O8
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、C4F9SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-及び(CF3CF2SO2)2N-からなる群より選択されたいずれか一つ以上の陰イオンを含む。
【0300】
また、電解質は、有機溶媒に溶解させて使用し得る。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ-ブチロラクトンまたはこれらの混合物が使用され得る。
【0301】
電極組立体110は、ゼリーロール構造または当業界に公知の構造を制限なく有し得る。電極組立体110は、
図2に示されたように、下部分離膜、第1電極、上部分離膜及び第2電極を順次に少なくとも1回積層して形成された積層体を巻取中心Cを基準にして巻き取ることで製造され得る。
【0302】
第1電極と第2電極とは極性が異なる。すなわち、一方が正の極性を有すれば、他方は負の極性を有する。第1電極及び第2電極の少なくとも一つは、上述した実施形態(変形例)による電極構造を有し得る。また、第1電極及び第2電極の他方は、従来の電極構造または実施形態(変形例)による電極構造を有し得る。
【0303】
電極組立体110の上部及び下部からは、それぞれ第1電極の第1無地部146a及び第2電極の無地部146bが突出する。
【0304】
密封体143は、キャップ143a、キャップ143aと電池ハウジング142との間に気密性を提供し、絶縁性を有する第1ガスケット143b、及び前記キャップ143aと電気的に及び機械的に結合された連結プレート143cを含み得る。
【0305】
キャップ143aは、伝導性を有する金属材質からなる部品であり、電池ハウジング142の上端開口部を覆う。キャップ143aは、第1電極の第1無地部146aと電気的に接続され、電池ハウジング142とは第1ガスケット143bを通じて電気的に絶縁される。したがって、キャップ143aは、円筒形バッテリー140の第1電極端子として機能することができる。
【0306】
キャップ143aは、電池ハウジング142に形成されたビーディング(beading)部147上に載置され、クリンピング(crimping)部148によって固定される。キャップ143aとクリンピング部148との間には、電池ハウジング142の気密性を確保し、電池ハウジング142とキャップ143aとの間の電気的絶縁のため、第1ガスケット143bが介在され得る。キャップ143aは、その中心部から上方に突出して形成された突出部143dを備え得る。
【0307】
電池ハウジング142は、第2電極の無地部146bと電気的に接続される。したがって、電池ハウジング142は第2電極と同じ極性を有する。もし、第2電極が負の極性を有すれば、電池ハウジング142も負の極性を有する。
【0308】
電池ハウジング142は、上端にビーディング部147及びクリンピング部148を備える。ビーディング部147は、電池ハウジング142の外周面の周りを押し込んで形成する。ビーディング部147は、電池ハウジング142の内部に収容された電極組立体110が電池ハウジング142の上端開口部から抜け出ないようにし、密封体143が載置される支持部としても機能できる。
【0309】
クリンピング部148は、ビーディング部147の上部に形成される。クリンピング部148は、ビーディング部147上に配置されるキャップ143aの外周面、そしてキャップ143aの上面の一部を包むように延長されて折り曲げられた形態を有する。
【0310】
円筒形バッテリー140は、第1集電体144及び/または第2集電体145及び/または絶縁体146をさらに含み得る。
【0311】
第1集電体144は、プレート形状であって、電極組立体110の上部に結合される。第1集電体144は、アルミニウム、銅、ニッケルなどのような導電性を有する金属材質からなり、第1電極の第1無地部146aが折り曲げられながら形成された折曲表面領域F1に電気的に接続される。
【0312】
第1集電体144にはリード149が連結され得る。リード149は、電極組立体110の上方に延長されて連結プレート143cに結合されるか、または、キャップ143aの下面に直接結合され得る。リード149と他の部品との結合は溶接を通じて行われ得る。
【0313】
望ましくは、第1集電体144は、リード149と一体的に形成され得る。この場合、リード149は、第1集電体144の中心部から外側に延長された長いプレート形状を有し得る。
【0314】
第1無地部146aの折曲表面領域F1と第1集電体144との結合は、例えばレーザー溶接によって行われ得る。レーザー溶接は、集電体の母材を部分的に溶融させる方式で行われ得る。レーザー溶接は、抵抗溶接、超音波溶接などで代替可能である。
【0315】
望ましくは、第1無地部146aは複数の分切片に分割されており、折曲表面領域F1は複数の分切片がコアC側に折り曲げられながら形成されたものである。折曲表面領域F1は、第1無地部146aの積層数が10枚以上である半径方向長さが、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さに対して30%以上、より望ましくは30%~85%であり得る。
【0316】
第1無地部146aの折曲表面領域F1と第1集電体144との溶接領域は、折曲表面領域F1の積層数均一区間W1と少なくとも50%重畳し得、重畳の比率が高いほどさらに望ましい。
【0317】
第1無地部146aの折曲表面領域F1と第1集電体144とがレーザーで溶接されるとき、溶接強度は、望ましくは2kgf/cm2以上、より望ましくは4kgf/cm2以上であり得る。溶接強度の上限はレーザー溶接装置の仕様によって決定され得る。一例として、溶接強度は8kgf/cm2以下、または6kgf/cm2以下であり得る。溶接強度を具現するためのレーザー出力はレーザー装置によって異なる。一例として、レーザー出力は250W~320Wであり得る。他の例として、レーザー出力はレーザー溶接装置の最大出力仕様対比40%~100%の範囲で適切に調節され得る。
【0318】
溶接強度が上記の数値範囲を満たす場合、巻取軸方向及び/または半径方向に沿って電極組立体110に激しい振動が加えられても溶接界面の物性が低下せず、溶接ビーズのボリュームが十分であるため溶接界面の抵抗も減少させることができる。
【0319】
電極組立体110の下面にはプレート形状の第2集電体145が結合され得る。第2集電体145の一面は第2電極の無地部146bが折り曲げられながら形成された折曲表面領域F2に溶接によって結合され、他面は電池ハウジング142の内側底面上に溶接によって結合され得る。
【0320】
望ましくは、無地部146bは複数の分切片に分割されており、折曲表面領域F2は複数の分切片がコアC側に折り曲げられながら形成されたものである。折曲表面領域F2は、無地部146bの積層数が10枚以上である半径方向長さが、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さに対して30%以上、より望ましくは30%~85%であり得る。
【0321】
第2集電体145と第2電極の無地部146bとの結合構造は、第1集電体144と第1電極の第1無地部146aとの結合構造と実質的に同一であり得る。
【0322】
無地部146bの折曲表面領域F2と第2集電体145との溶接領域は、積層数均一区間W2と少なくとも50%重畳し得、重畳の比率が高いほどさらに望ましい。
【0323】
無地部146bの折曲表面領域F2と第2集電体145とがレーザーで溶接されるとき、溶接強度は、望ましくは2kgf/cm2以上、より望ましくは4kgf/cm2以上であり得る。溶接強度の上限はレーザー溶接装置の仕様によって決定され得る。一例として、溶接強度は8kgf/cm2以下、または6kgf/cm2以下であり得る。溶接強度を具現するためのレーザー出力はレーザー装置によって異なる。一例として、レーザー出力は250W~320Wであり得る。他の例として、レーザー出力はレーザー溶接装置の最大出力仕様対比40%~100%の範囲で適切に調節され得る。
【0324】
溶接強度が上記の数値範囲を満たす場合、巻取軸方向及び/または半径方向に沿って電極組立体110に激しい振動が加えられても溶接界面の物性が低下せず、溶接ビーズのボリュームが十分であるため溶接界面の抵抗も減少させることができる。
【0325】
絶縁体146は、第1集電体144を覆い得る。絶縁体146は、第1集電体144の上面で第1集電体144を覆うことで、第1集電体144と電池ハウジング142の内周面との間の直接接触を防止することができる。
【0326】
絶縁体146は、第1集電体144から上方に延長されるリード149が引き出されるように、リード孔151を備える。リード149は、リード孔151を通って上方に引き出され、連結プレート143cの下面またはキャップ143aの下面に結合される。
【0327】
絶縁体146の周縁領域は、第1集電体144とビーディング部147との間に介在され、電極組立体110と第1集電体144との結合体を固定し得る。これにより、電極組立体110と第1集電体144との結合体は、円筒形バッテリー140の高さ方向の移動が制限され、円筒形バッテリー140の組み立て安定性を向上させることができる。
【0328】
絶縁体146は、絶縁性のある高分子樹脂からなり得る。一例として、絶縁体146は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドまたはポリブチレンテレフタレートからなり得る。
【0329】
電池ハウジング142は、その下面に形成されたベンティング(venting)部152をさらに備え得る。ベンティング部152は、電池ハウジング142の下面において周辺領域と比べてより薄い厚さを有する領域に該当する。ベンティング部152は、周辺領域と比べて構造的に脆弱である。したがって、円筒形バッテリー190に異常が発生して内圧が一定水準以上に増加すれば、ベンティング部152が破裂して電池ハウジング142の内部に発生したガスが外部に排出され得る。
【0330】
ベンティング部152は、電池ハウジング142の下面に円を描きながら連続的にまたは不連続的に形成され得る。変形例として、ベンティング部152は、直線パターンまたはその外の他のパターンで形成され得る。
【0331】
図11は、本発明の他の実施形態による円筒形バッテリー200をY軸方向に沿って切断した断面図である。
【0332】
図11を参照すると、円筒形バッテリー200は、
図10に示された円筒形バッテリー190と比べて、電極組立体の構造は実質的に同一であり、電極組立体を除いた他の構造が変更された点で相違する。
【0333】
具体的には、円筒形バッテリー200は、端子172が貫設された電池ハウジング171を含む。端子172は、電池ハウジング171の閉鎖面(図面の上面)に取り付けられる。端子172は、絶縁性を有する第2ガスケット173が介在された状態で電池ハウジング171の貫通孔にリベッティングされる。端子172は、重力方向と反対方向に向かって外部に露出する。
【0334】
端子172は、端子露出部172a及び端子挿入部172bを含む。端子露出部172aは、電池ハウジング171の閉鎖面の外側に露出する。端子露出部172aは、電池ハウジング171の閉鎖面の略中心部に位置し得る。端子露出部172aの最大直径は、電池ハウジング171に形成された貫通孔の最大直径よりもさらに大きく形成され得る。端子挿入部172bは、電池ハウジング171の閉鎖面の略中心部を貫通して第1電極の第1無地部146aと電気的に接続され得る。端子挿入部172bは、電池ハウジング171の内側面上にリベット(rivet)結合され得る。すなわち、端子挿入部172bの底縁部は、電池ハウジング171の内側面に向かって折り曲げられた形態を有し得る。端子挿入部172bの底部の最大直径は、電池ハウジング171の貫通孔の最大直径よりもさらに大きくなり得る。
【0335】
端子挿入部172bの下端面は、実質的に扁平であり、第1電極の第1無地部146aに連結された第1集電体144の中央部に溶接され得る。第1集電体144と電池ハウジング171の内側面との間には絶縁物質からなる絶縁体174が介在され得る。絶縁体174は、第1集電体144の上部と電極組立体110の上端周縁部分を覆う。これにより、電極組立体110の外周側に露出した第1無地部146aが反対極性を有する電池ハウジング171の内側面と接触して短絡を起こすことを防止することができる。
【0336】
絶縁体174は、電池ハウジング171の閉鎖部の内側面と接触し、第1集電体144の上面と接触する。そのため絶縁体174は、電池ハウジング171の閉鎖部の内側面と第1集電体144の上面との間の離隔距離に対応する厚さまたは離隔距離よりも少し(slightly)大きい厚さを有する。
【0337】
望ましくは、第1集電体144は、第1無地部146aの折曲表面領域F1にレーザー溶接され得る。このとき、溶接は、第1無地部146aの折曲表面領域F1において第1無地部146aの積層数が10枚以上である積層数均一区間を含む領域で行われる。
【0338】
第1無地部146aの積層数が10枚以上である積層数均一区間の半径方向長さは、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さに対して30%以上、より望ましくは30%~85%であり得る。
【0339】
第1無地部146aの折曲表面領域F1と第1集電体144との溶接領域は、積層数均一区間W1と少なくとも50%重畳し得、重畳の比率が高いほどさらに望ましい。
【0340】
第1無地部146aの折曲表面領域F1と第1集電体144とがレーザーで溶接されるとき、溶接強度は、望ましくは、2kgf/cm2以上、より望ましくは4kgf/cm2以上であり得る。溶接強度の上限はレーザー溶接装置の仕様によって決定され得る。一例として、溶接強度は8kgf/cm2以下、または6kgf/cm2以下であり得る。溶接強度を具現するためのレーザー出力はレーザー装置によって異なる。一例として、レーザー出力は250W~320Wであり得る。他の例として、レーザー出力はレーザー溶接装置の最大出力仕様対比40%~100%の範囲で適切に調節され得る。
【0341】
溶接強度が上記の数値範囲を満たす場合、巻取軸方向及び/または半径方向に沿って電極組立体110に激しい振動が加えられても溶接界面の物性が低下せず、溶接ビーズのボリュームが十分であるため溶接界面の抵抗も減少させることができる。
【0342】
第2ガスケット173は、電池ハウジング171と端子172との間に介在され、反対極性を有する電池ハウジング171と端子172とが電気的に接触することを防止する。これにより、略扁平な形状を有する電池ハウジング171の上面が円筒形バッテリー200の第2電極端子として機能することができる。
【0343】
第2ガスケット173は、ガスケット露出部173a及びガスケット挿入部173bを含む。ガスケット露出部173aは、端子172の端子露出部172aと電池ハウジング171との間に介在される。ガスケット挿入部173bは、端子172の端子挿入部172bと電池ハウジング171との間に介在される。ガスケット挿入部173bは、端子挿入部172bのリベッティング(reveting)時に一緒に変形されて電池ハウジング171の内側面に密着され得る。第2ガスケット173は、例えば絶縁性を有する高分子樹脂からなり得る。
【0344】
第2ガスケット173のガスケット露出部173aは、端子172の端子露出部172aの外周面を覆うように延びた形態を有し得る。第2ガスケット173が端子172の外周面を覆う場合、バスバーなどの電気的接続部品を電池ハウジング171の上面及び/または端子172に結合させる過程で短絡が発生することを防止することができる。図示していないが、ガスケット露出部173aは、端子露出部172aの外周面だけでなく、上面の一部も一緒に覆うように延びた形態を有してもよい。
【0345】
第2ガスケット173が高分子樹脂からなる場合において、第2ガスケット173は熱融着によって電池ハウジング171及び端子172と結合され得る。この場合、第2ガスケット173と端子172との結合界面及び第2ガスケット173と電池ハウジング171との結合界面における気密性が強化される。一方、第2ガスケット173のガスケット露出部173aが端子露出部172aの上面まで延びた場合において、端子172はインサート射出によって第2ガスケット173と一体に結合されてもよい。
【0346】
電池ハウジング171の上面において端子172及び第2ガスケット173が占める領域を除いた他の領域175が端子172と反対極性を有する第2電極端子に該当する。
【0347】
第2集電体176は、電極組立体110の下部に結合される。第2集電体176は、アルミニウム、鋼鉄、銅、ニッケルなどの導電性を有する金属材質からなり、第2電極の無地部146bと電気的に接続される。
【0348】
望ましくは、第2集電体176は、電池ハウジング171と電気的に接続される。そのため、第2集電体176は、外側縁の少なくとも一部が電池ハウジング171の内側面と第1ガスケット178bとの間に介在されて固定され得る。
【0349】
一例として、第2集電体176の外側縁の少なくとも一部は、電池ハウジング171の下端に形成されたビーディング部180の下端面に支持された状態で溶接によってビーディング部180に固定され得る。変形例において、第2集電体176の外側縁の少なくとも一部は、電池ハウジング171の内壁面に直接溶接され得る。
【0350】
望ましくは、第2集電体176と無地部146bの折曲表面領域F2とは溶接、例えばレーザー溶接によって結合され得る。このとき、溶接は、無地部146bの折曲表面領域F2において無地部146bの積層数が10枚以上である積層数均一区間を含む領域で行われる。
【0351】
無地部146bの積層数が10枚以上である半径方向長さは、分切片が含まれた巻回ターンの半径方向長さに対して30%以上、より望ましくは30%~85%であり得る。
【0352】
無地部146bの折曲表面領域F2と第2集電体176との溶接領域は、積層数均一区間W2と少なくとも50%重畳し得、重畳の比率が高いほどさらに望ましい。
【0353】
無地部146bの折曲表面領域F2と第2集電体176とがレーザーで溶接されるとき、溶接強度は、望ましくは、2kgf/cm2以上、より望ましくは4kgf/cm2以上であり得る。
【0354】
溶接強度が上記の数値範囲を満たす場合、巻取軸方向及び/または半径方向に沿って電極組立体110に激しい振動が加えられても溶接界面の物性が低下せず、溶接ビーズのボリュームが十分であるため溶接界面の抵抗も減少させることができる。
【0355】
電池ハウジング171の下部開放端を密封する密封体178は、キャップ178a及び第1ガスケット178bを含む。第1ガスケット178bは、キャップ178aと電池ハウジング171とを電気的に分離させる。クリンピング部181は、キャップ178aの周縁と第1ガスケット178bとを一緒に固定させる。キャップ178aにはベント部179が備えられる。ベント部179の構成は、上述した実施形態(変形例)と実質的に同一である。
【0356】
望ましくは、キャップ178aは、導電性を有する金属材質からなる。しかし、キャップ178aと電池ハウジング171との間に第1ガスケット178bが介在されているため、キャップ178aは電気的極性を持たない。密封体178は、電池ハウジング171下部の開放端を密封し、バッテリー200の内圧が臨界値以上増加したときにガスを排出させる機能をする。
【0357】
望ましくは、第1電極の第1無地部146aと電気的に接続された端子172は第1電極端子として使用される。また、第2集電体176を通じて第2電極の無地部146bと電気的に接続された電池ハウジング171の上面のうち、端子172を除いた部分175は、第1電極端子と反対極性の第2電極端子として使用される。このように、二つの電極端子が円筒形バッテリー200の上部に位置する場合、バスバーなどの電気的接続部品を円筒形バッテリー200の一側のみに配置させることが可能である。これは、バッテリーパック構造の単純化及びエネルギー密度の向上をもたらすことができる。また、第2電極端子として使用される部分175は略扁平な形態を有するため、バスバーなどの電気的接続部品を接合させるのに十分な接合面積を確保することができる。これにより、円筒形バッテリー200は、電気的接続部品の接合部位における抵抗を望ましい水準に下げることができる。
【0358】
本発明において、無地部146a、146bをコア側に向かって折り曲げても、電極組立体110のコアCは閉塞されず、上側に開放され得る。
【0359】
すなわち、
図4に示されたように、第1電極及び第2電極の無地部の高さ、特にコア側無地部Aの高さを低く設計し、コア側無地部Aに隣接して分切片61の高さ可変区間を配置し、コア側無地部Aに最も隣接した分切片61の高さを調節することで、電極組立体110のコア付近にある無地部が折り曲げられても電極組立体110のコアCが閉塞されないようにする。
【0360】
コアCが閉塞されないと、電解質注液工程に差し支えがなく、電解液注液の効率が向上する。また、コアCに溶接治具を挿入して集電体145と電池ハウジング142の底面との溶接または集電体144と端子172との溶接工程を容易に行うことができる。
【0361】
無地部146a、146bが分切構造を有する場合、分切片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチを上述した実施例の数値範囲を満たすように調節すると、分切片が折り曲げられるとき、分切片が溶接強度を十分に確保可能な程度に多重に重なり、折曲表面領域F1、F2上に空いた空間(間隙)を形成しない。
【0362】
本発明において、第1集電体144及び第2集電体176の溶接領域は、電極組立体110のコアC中心を基準にして半径方向で4mm以上離隔しており、前記電極組立体110半径の50%以下の距離で離隔し得る。4mmの離隔距離は、コアCの最小半径(2mm)及び分切片61の最小高さ(2mm)を考慮して決定されたものである。前記電極組立体110半径の50%以下の距離は、十分な溶接領域の確保という面を考慮して設定したものである。
【0363】
また、前記第1集電体144の溶接領域及び前記第2集電体176の溶接領域は、前記電極組立体110のコアC中心を基準にして実質的に同じ距離だけ離隔した位置から前記電極組立体の半径方向に延長され得る。このとき、前記第1集電体の溶接領域が延長された長さが前記第2集電体の溶接領域が延長された長さよりも長いことが望ましい。
【0364】
一方、第1集電体144及び第2集電体176は、
図12及び
図13に示されたような新たな構造を有し得る。
【0365】
図12は、本発明の実施形態による第1集電体144の構造を示した上面図である。
【0366】
図12を参照すると、第1集電体144は、周縁部144a、第1無地部結合部144b、及び端子結合部144cを含み得る。前記周縁部144aは、電極組立体110の上部に配置される。前記周縁部144aは、その内部に空いた空間Sが形成された略リム(rim)形態を有し得る。図面には前記周縁部144aが略円形のリム形態である場合のみを示しているが、これによって本発明が限定されることはない。前記周縁部144aは、図示と異なって、略四角のリム形態、六角のリム形態、八角のリム形態、またはその他のリム形態であってもよい。
【0367】
前記端子結合部144cは、端子172の底面に形成された平坦部との結合のための溶接面積を確保するため、前記端子172の底面に形成された平坦部の直径と同一であるかまたはより大きい直径を有し得る。
【0368】
前記第1無地部結合部144bは、周縁部144aから内側に延長されて第1無地部146aと結合される。前記端子結合部144cは、第1無地部結合部144bと離隔して周縁部144aの内側に位置する。前記端子結合部144cは、端子172と溶接によって結合され得る。前記端子結合部144cは、例えば周縁部144aによって囲まれた内側空間の略中心部に位置し得る。前記端子結合部144cは、電極組立体110のコアCに形成された孔と対応する位置に備えられ得る。前記端子結合部144cは、電極組立体110のコアCに形成された孔が端子結合部144cの外側に露出しないように、電極組立体110のコアCに形成された孔を覆い得る。そのため、前記端子結合部144cは、電極組立体110のコアCに形成された孔よりもさらに大きい直径または幅を有し得る。
【0369】
前記第1無地部結合部144bと端子結合部144cとは、直接的に連結されず離隔して配置され、周縁部144aによって間接的に連結され得る。このように前記第1集電体144は、第1無地部結合部144bと端子結合部144cとが直接連結されておらず、周縁部144aを通じて連結された構造を有することで、円筒形バッテリー200に衝撃及び/または振動が発生する場合、第1無地部結合部144bと第1無地部146aとの間の結合部位及び端子結合部144cと端子172との間の結合部位に加えられる衝撃を分散させることができる。図面には四つの前記第1無地部結合部144bが図示されているが、これによって本発明が限定されることはない。前記第1無地部結合部144bの個数は、形状の複雑性による製造の難易度、電気抵抗、電解液含浸性を考慮した周縁部144aの内側空間などを考慮して多様に決定され得る。
【0370】
前記第1集電体144は、周縁部144aから内側に延長されて端子結合部144cと連結されるブリッジ部144dをさらに含み得る。前記ブリッジ部144dは、少なくともその一部の断面積が第1無地部結合部144b及び周縁部144aと比べて小さく形成され得る。例えば、前記ブリッジ部144dは、少なくともその一部が第1無地部結合部144bと比べて幅及び/または厚さがさらに小さく形成され得る。この場合、前記ブリッジ部144dで電気抵抗が増加し、それによって前記ブリッジ部144dを通って電流が流れるとき、相対的に大きい抵抗がブリッジ部144dの一部で過電流ヒーティング(heating)による溶融を起こし、それは過電流を非可逆的に遮断する。前記ブリッジ部144dは、このような過電流遮断機能を考慮してその断面積を適切な水準に調節し得る。
【0371】
前記ブリッジ部144dは、周縁部144aの内側面から端子結合部144cに向かってその幅が徐々に狭くなるテーパー部144eを備え得る。前記テーパー部144eが備えられる場合、ブリッジ部144dと周縁部144aとの連結部位で部品の剛性が向上する。前記テーパー部144eが備えられる場合、円筒形バッテリー200の製造工程において、例えば移送装置及び/または作業者がテーパー部144eを把持することで、第1集電体144及び/または第1集電体144と電極組立体110との結合体を容易且つ安全に移送することができる。すなわち、前記テーパー部144eが備えられる場合、第1無地部結合部144b及び端子結合部144cのように他の部品と溶接される部分を把持することで発生する製品の不良を防止することができる。
【0372】
前記第1無地部結合部144bは、複数個備えられ得る。複数の前記第1無地部結合部144bは、周縁部144aの延長方向に沿って互いに同一間隔に配置され得る。複数の前記第1無地部結合部144bのそれぞれが延長された長さは互いに略同一であり得る。前記第1無地部結合部144bは、第1無地部146aの折曲表面領域F1と溶接によって結合され得る。第1無地部結合部144bと折曲表面領域W1との溶接によって形成される溶接パターン144fは、電極組立体110の半径方向に沿って延在される構造を有し得る。溶接パターン144fは、ラインパターンまたは点パターンの配列であり得る。
【0373】
前記端子結合部144cは、複数の前記第1無地部結合部144bによって囲まれるように配置され得る。前記端子結合部144cは、端子172と溶接によって結合され得る。前記ブリッジ部144dは、互いに隣接した一対の第1無地部結合部144b同士の間に位置し得る。この場合、前記ブリッジ部144dから周縁部144aの延長方向に沿って一対の第1無地部結合部144bの一方に至る距離は、ブリッジ部144dから周縁部144aの延長方向に沿って一対の第1無地部結合部144bの他方に至る距離と略同一であり得る。複数の前記第1無地部結合部144bそれぞれの断面積は、略同一に形成され得る。複数の前記第1無地部結合部144bそれぞれの幅及び厚さは略同一に形成され得る。
【0374】
図示していないが、前記ブリッジ部144dは、複数個備えられ得る。複数のブリッジ部144dはそれぞれ、隣接した一対の第1無地部結合部144b同士の間に配置され得る。複数の前記ブリッジ部144dは、周縁部144aの延長方向に沿って互いに略同一間隔で配置され得る。複数の前記ブリッジ部144dのそれぞれから周縁部144aの延長方向に沿って隣接した一対の第1無地部結合部144bの一方に至る距離は、他方の第1無地部結合部144bに至る距離と略同一であり得る。
【0375】
上述したように、第1無地部結合部144b及び/またはブリッジ部144dが複数個備えられる場合において、第1無地部結合部144b同士の距離及び/またはブリッジ部144d同士の距離及び/または第1無地部結合部144bとブリッジ部144dとの間の距離が一定に形成されれば、第1無地部結合部144bからブリッジ部144dに向かう電流またはブリッジ部144dから第1無地部結合部144bに向かう電流の流れが円滑に形成される。
【0376】
一方、前記第1集電体144と第1無地部146aの折曲表面領域F1との結合は溶接によって行われ得る。この場合、例えばレーザー溶接、超音波溶接、スポット溶接などが適用され得る。望ましくは、溶接領域は、折曲表面領域F1の積層数均一区間W1と少なくとも50%重畳し得る。
【0377】
ブリッジ部144dは、ブリッジ部144dの断面積を部分的に減少させるように形成されるノッチング部Nを備え得る。ノッチング部Nの断面積の調節は、例えばブリッジ部144dの幅及び/または厚さの部分的な減少を通じて実現し得る。ノッチング部Nが備えられる場合、ノッチング部Nが形成された領域における電気抵抗が増加し、これによって過電流の発生時に迅速な電流遮断が可能になる。
【0378】
ノッチング部Nは、破断時に発生する異物が電極組立体110の内部に流入することを防止するため、電極組立体110の積層数均一区間と対応する領域に備えられることが望ましい。この領域では、第1無地部146aにおいて分切片の積層数が最大に維持され、これによって重なった分切片がマスク(mask)として機能できるためである。例えば、ノッチング部Nは、積層数均一区間において第1無地部146aの積層数が最大である領域に備えられ得る。
【0379】
図13は、本発明の実施形態による第2集電体176の構造を示した上面図である。
【0380】
図13を参照すると、第2集電体176は、電極組立体110の下部に配置される。また、前記第2集電体176は、電極組立体110の無地部146bと電池ハウジング171とを電気的に接続させるように構成され得る。第2集電体176は導電性を有する金属材質からなり、無地部146bと連結される。また、前記第2集電体176は、電池ハウジング171と電気的に接続される。前記第2集電体176は、電池ハウジング171の内側面と第1ガスケット178bとの間に介在されて固定され得る。具体的には、前記第2集電体176は、電池ハウジング171のビーディング部180の下面と第1ガスケット178bとの間に介在され得る。但し、これによって本発明が限定されることはなく、これと異なり、前記第2集電体176は、ビーディング部180が形成されていない領域で電池ハウジング171の内壁面に溶接されてもよい。
【0381】
前記第2集電体176は、電極組立体110の下部に配置される支持部176a、前記支持部176aから略電極組立体110の半径方向に沿って延在されて無地部146bの折曲表面領域F2に結合される第2無地部結合部176b、及び前記支持部176aから電極組立体110の半径方向に沿って延在されて電池ハウジング171の内側面上に結合されるハウジング結合部176cを含み得る。前記第2無地部結合部176bとハウジング結合部176cとは、支持部176aを通じて間接的に連結され、互いに直接的に連結されない。したがって、本発明の円筒形バッテリー200に外部衝撃が加えられたとき、第2集電体176と電極組立体110との結合部位及び第2集電体176と電池ハウジング171との結合部位に発生する損傷を最小化できる。但し、本発明の第2集電体176は、このように第2無地部結合部176bとハウジング結合部176cとが間接的に連結された構造を有する場合のみに限定されない。例えば、前記第2集電体176は、第2無地部結合部176bとハウジング結合部176cとを間接的に連結させる支持部176aを備えない構造及び/または無地部146bとハウジング結合部176cとが直接連結された構造を有してもよい。
【0382】
前記支持部176a及び第2無地部結合部176bは、電極組立体110の下部に配置される。前記第2無地部結合部176bは、無地部146bの折曲表面領域F2と結合される。前記第2無地部結合部176bだけでなく、前記支持部176aも無地部146bと結合され得る。前記第2無地部結合部176bと無地部146bとは溶接によって結合され得る。前記支持部176a及び第2無地部結合部176bは、電池ハウジング171にビーディング部180が形成された場合、ビーディング部180よりも上部に位置する。
【0383】
前記支持部176aは、電極組立体110のコアCに形成される孔と対応する位置に形成される集電板孔176dを備える。互いに連通される前記電極組立体110のコアCと集電板孔176dとは、端子172と第1集電体144の端子結合部144cとの間の溶接のための溶接棒の挿入またはレーザービームの照射のための通路として機能することができる。前記集電板孔176dは、電極組立体110のコアCに形成された孔と略等しいかまたはさらに大きい直径を有し得る。前記第2無地部結合部176bが複数個備えられる場合、複数の第2無地部結合部176bは第2集電体176の支持部176aから略放射状に電池ハウジング171の側壁に向かって延びた形態を有し得る。前記複数の第2無地部結合部176bのそれぞれは、支持部176aの周りに沿って相互に離隔して位置し得る。
【0384】
前記ハウジング結合部176cは複数個備えられ得る。この場合、複数のハウジング結合部176cは、第2集電体176の中心部から略放射状に電池ハウジング171の側壁に向かって延びた形態を有し得る。これにより、前記第2集電体176と電池ハウジング171との間の電気的接続は複数の地点で行われ得る。このように複数の地点で電気的接続のための結合が行われることで、結合面積を極大化して電気抵抗を最小化できる。前記複数のハウジング結合部176cのそれぞれは、支持部176aの周りに沿って相互に離隔して位置し得る。隣接する第2無地部結合部176b同士の間には、少なくとも一つのハウジング結合部176cが位置し得る。前記複数のハウジング結合部176cは、電池ハウジング171の内側面のうち、例えばビーディング部180に結合され得る。前記ハウジング結合部176cは、特にビーディング部180の下面に溶接を通じて結合され得る。溶接は、例えばレーザー溶接、超音波溶接またはスポット溶接などが適用され得る。このようにビーディング部180上にハウジング結合部176cを溶接結合させることで、円筒形バッテリー200の抵抗水準を約4mΩ以下に制限することができる。また、ビーディング部180の下面を電池ハウジング171の上面に略平行な方向、すなわち電池ハウジング171の側壁に略垂直な方向に沿って延びた形態にし、ハウジング結合部176cも同じ方向、すなわち半径方向及び円周方向に沿って延びた形態にすることで、ハウジング結合部176cをビーディング部180上に安定的に接触させるようにできる。また、このように前記ハウジング結合部176cがビーディング部180の平坦部上に安定的に接触することで、二つの部品間の溶接が円滑に行われ得、これによって二つの部品間の結合力が向上し、結合部位における抵抗増加が最小化される。
【0385】
前記ハウジング結合部176cは、電池ハウジング171の内側面上に結合される接触部176e、及び支持部176aと接触部176eとの間を連結する連結部176fを含み得る。
【0386】
前記接触部176eは、電池ハウジング171の内側面上に結合される。前記電池ハウジング171にビーディング部180が形成される場合、前記接触部176eは、上述したようにビーディング部180上に結合され得る。より具体的には、前記接触部176eは、電池ハウジング171に形成されたビーディング部180の下面に形成された平坦部に電気的に接続され得、ビーディング部180の下面と第1ガスケット178bとの間に介在され得る。この場合、安定的な接触及び結合のため、接触部176eはビーディング部180において電池ハウジング171の円周方向に沿って所定の長さだけ延びた形態を有し得る。
【0387】
一方、前記第2集電体176の中心部から電極組立体110の半径方向に沿って第2無地部結合部176bの端部に至る最大距離は、ビーディング部180が形成された領域における電池ハウジング171の内径、すなわち電池ハウジング171の最小内径と等しいかまたはより小さく形成されることが望ましい。これは、電池ハウジング171を高さ方向に沿って圧縮するサイジング工程時に、ビーディング部180によって第2集電体176との間で干渉が発生し、それによって第2集電体176によって電極組立体110が押し付けられる現象を防止するためである。
【0388】
第2無地部結合部176bは孔176gを含む。孔176gは、電解液が移動する通路として使用され得る。第2無地部結合部176bと折曲表面領域F2との溶接によって形成される溶接パターン176hは、電極組立体110の半径方向に沿って延在される構造を有し得る。溶接パターン176hは、ラインパターンまたは点パターンの配列であり得る。
【0389】
本発明の実施形態による円筒形バッテリー200は、上部で電気的接続を行うことができるという利点がある。
【0390】
図14は複数の円筒形バッテリー200が電気的に接続された状態を示した上面図であり、
図15は
図14の部分拡大図である。
【0391】
図14及び
図15を参照すると、複数の円筒形バッテリー200は、バスバー210を用いて円筒形バッテリー200の上部で直列及び並列に連結され得る。円筒形バッテリー200の個数はバッテリーパックの容量を考慮して増減可能である。
【0392】
各円筒形バッテリー200において、端子172は正の極性を有し、電池ハウジング171の端子172周辺の扁平面171aは負の極性を有し得る。勿論、その反対も可能である。
【0393】
望ましくは、複数の円筒形バッテリー200は複数の列と行で配置され得る。図面において、列は上下方向であり、行は左右方向である。また、空間効率性を最大化するため、円筒形バッテリー200は最密パッキング構造(closest packing structure)で配置され得る。最密パッキング構造は、電池ハウジング171の外部に露出した端子172の中心同士を連結したとき、正三角形が描かれる場合に形成される。望ましくは、バスバー210は、同一列に配置された円筒形バッテリー200を互いに並列に連結し、隣接する二つの列に配置された円筒形バッテリー200同士を直列に連結する。
【0394】
望ましくは、バスバー210は、直列及び並列接続のため、ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び複数の第2バスバー端子213を含み得る。前記ボディ部211は、隣接する端子172同士の間で円筒形バッテリー200の列に沿って延長され得る。代案的には、前記ボディ部211は、円筒形バッテリー200の列に沿って延びるが、ジグザグ状のように規則的に折り曲げられてもよい。
【0395】
複数の第1バスバー端子212は、ボディ部211の一側から延長され、延長方向に位置した円筒形バッテリー200の端子172と電気的に結合され得る。第1バスバー端子212と端子172との間の電気的結合は、レーザー溶接、超音波溶接などで行われ得る。
【0396】
複数の第2バスバー端子213は、ボディ部211の他側から延長され、延長方向に位置した端子172周辺の扁平面171aに電気的に接続され得る。第2バスバー端子213と扁平面171aとの電気的結合は、レーザー溶接、超音波溶接などで行われ得る。
【0397】
望ましくは、前記ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び複数の第2バスバー端子213は、一つの導電性金属板から構成され得る。金属板は、例えばアルミニウム板または銅板であり得るが、本発明がこれに限定されることはない。変形例として、前記ボディ部211、複数の第1バスバー端子212、及び第2バスバー端子213は別個のピース単位で製作した後、それぞれを溶接などによって結合してもよい。
【0398】
上述した本発明の円筒形バッテリー200は、折曲表面領域F1、F2を通じる溶接面積の拡大、第2集電体176を用いた電流経路(path)の多重化、電流経路長さの最小化などを通じて抵抗が最小化された構造を有する。正極と負極との間、すなわち端子172とその周辺の扁平面171aとの間で抵抗測定器によって測定される円筒形バッテリー200のAC抵抗は、急速充電に適した0.5mΩ~4mΩ、望ましくは1mΩ~4mΩであり得る。
【0399】
本発明による円筒形バッテリー200は、正の極性を有する端子172と負の極性を有する扁平面171aとが同じ方向に位置しているため、バスバー210を用いて円筒形バッテリー200同士の電気的接続を容易に具現することができる。
【0400】
また、円筒形バッテリー200の端子172及びその周辺の扁平面171aは面積が広いため、バスバー210の結合面積を十分に確保して円筒形バッテリー200を含むバッテリーパックの抵抗を十分に下げることができる。
【0401】
上述した実施形態(変形例)による円筒形バッテリーは、バッテリーパックの製造に使用される。
【0402】
図16は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【0403】
図16を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300は、円筒形バッテリー301が電気的に接続された集合体、及びそれを収容するパックハウジング302を含む。円筒形バッテリー301は、上述した実施形態(変形例)によるバッテリーのうちのいずれか一つであり得る。図示の便宜上、円筒形バッテリー301の電気的接続のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品は示されていない。
【0404】
バッテリーパック300は、自動車に搭載される。自動車は、一例として、電気自動車、ハイブリッド自動車またはプラグインハイブリッド自動車であり得る。自動車は、四輪自動車または二輪自動車を含む。
【0405】
図17は、
図16のバッテリーパック300を含む自動車を説明するための図である。
【0406】
図17を参照すると、本発明の一実施形態による自動車Vは、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300を含む。自動車Vは、本発明の一実施形態によるバッテリーパック300から電力の供給を受けて動作する。
【0407】
本発明の一形態によれば、電極組立体の両端に露出した無地部を折り曲げるとき、電極組立体の半径方向で無地部が10枚以上重なる領域を十分に確保することで、集電体の溶接時に分離膜や活物質層の損傷を防止することができる。
【0408】
本発明の他の一形態によれば、電極組立体のコアに隣接した無地部の構造を改善することで、無地部の折曲時に電極組立体のコアにある空洞が閉塞されることを防止して、電解液注入工程及び電池ハウジングと集電体との溶接工程を容易に行うことができる。
【0409】
本発明のさらに他の一形態によれば。ストリップ状の電極タブの代わりに、無地部の折曲表面領域を集電体と直接溶接することで、エネルギー密度が向上して抵抗が減少した電極組立体を提供することができる。
【0410】
本発明のさらに他の一形態によれば、内部抵抗が低く、集電体と無地部との溶接強度が向上した構造を有する円筒形バッテリー、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0411】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、
前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、
前記無地部の一部は、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられることで前記無地部の重畳層を含む折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は、前記電極組立体の巻取軸方向で前記無地部の積層数が10以上である、電極組立体。
【請求項2】
前記第1電極の総巻回ターン数をn
1と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n
1の自然数)を総巻回ターン数n
1で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R
1,kと定義すれば、無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
1,kの半径方向区間の長さの比率が、無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
1,kの半径方向区間長さの比率が、無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して30%~85%である、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、
前記無地部の一部は、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられることで前記無地部の重畳層を含む折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は、前記電極組立体の巻取軸方向で前記無地部の積層数が10以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記第2電極の総巻回ターン数をn
2と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n
2の自然数)を総巻回ターン数n
2で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R
2,kと定義すれば、無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%である、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項6】
無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して30%~85%である、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部の高さが、巻回ターン数k*+1の相対半径位置R
1,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低い、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部の高さが、折り曲げられた無地部が重なって形成する前記折曲表面領域よりも低い、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部は、電極組立体のコアに向かって折り曲げられていない、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項10】
第2電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの区間の無地部の高さが、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低い、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項11】
一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの区間の無地部の高さが、折り曲げられた無地部が重なって形成する折曲表面領域よりも低い、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項12】
一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1から予め設定されたk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの区間の無地部は、電極組立体のコアに向かって折り曲げられていない、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記第1電極の無地部または前記第2電極の無地部は、独立的に折曲可能な複数の分切片に分割されている、請求項1または4に記載の電極組立体。
【請求項14】
複数の分切片のそれぞれは、折曲線を底辺にする幾何学的な図形の形態を有し、
前記幾何学的な図形は、一つ以上の直線、一つ以上の曲線、またはこれらの組み合わせが連結されたものである、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項15】
前記幾何学的な図形は、底辺から上部に向かって幅が段階的にまたは連続的に減少する、請求項14に記載の電極組立体。
【請求項16】
前記幾何学的な図形の底辺と前記底辺と交わる側辺とがなす下部内角が60°~85°である、請求項15に記載の電極組立体。
【請求項17】
前記複数の分切片は、前記下部内角が前記電極組立体の巻取方向と平行な一方向に沿って段階的にまたは徐々に増加する、請求項16に記載の電極組立体。
【請求項18】
複数の分切片のそれぞれは、折曲線を底辺にする台形状の形態を有し、
前記電極組立体のコア中心を基準にして分切片が配置された巻回ターンの半径をrとし、分切片の下部に対応する巻回ターンの円弧長さをL
arcとし、半径rの巻回ターンに隣接して配置された分切片対の側辺同士が平行である仮定が適用されるときの分切片の下部内角をθ
assumptionとするとき、前記隣接して配置された分切片対の実際の下部内角θ
realが下記の数式1
[数式1]
θ
real>θ
assumption
θ
assumption=90°-360°×(L
arc/2πr)×0.5
を満たす、請求項14から17のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項19】
前記電極組立体のコア中心を基準にして前記分切片の下部に対応する巻回ターンの円弧長さL
arcに対応する円周角が45°以下である、請求項18に記載の電極組立体。
【請求項20】
前記電極組立体のコア中心を基準にして半径rの巻回ターンに配置されて隣接する分切片同士の重畳率を数式(θ
real/θ
assumption-1)と定義するとき、分切片の重畳率が0超過0.05以下である、請求項18または19に記載の電極組立体。
【請求項21】
前記電極組立体のコア中心を基準にして半径rの巻回ターンに配置されて隣接する分切片対を通る仮想の円を描いたとき、各分切片を通る円弧の対同士が重畳している、請求項14に記載の電極組立体。
【請求項22】
各分切片を通る円弧の長さに対する重畳する円弧の長さの比率を分切片の重畳率と定義するとき、分切片の重畳率は0超過0.05以下である、請求項21に記載の電極組立体。
【請求項23】
前記第1電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
1,k*までの区間の無地部の高さが、相対半径位置R
1,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低く、コア側に向かって折り曲げられていない、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項24】
相対半径位置R
1,1からR
1,k*までに対応する前記第1電極の長さが、相対半径位置R
1,k*+1から相対半径位置1までに対応する前記第1電極の長さに対して1%~30%である、請求項23に記載の電極組立体。
【請求項25】
前記第1電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1の無地部折曲長さfd
1,k*+1が、一番目巻回ターンの相対半径位置R
1,1からk*番目相対半径位置R
1,k*までの半径方向長さよりも短い、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項26】
前記第1電極の巻回構造において、前記電極組立体のコア半径をr
cと定義するとき、コアの中心から0.90r
c区間がk*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1から1の区間に位置する無地部の折曲部によって閉塞されない、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項27】
k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1の無地部折曲長さfd
1,k*+1、コアの半径r
c、及び相対半径位置R
1,k*+1が電極組立体の中心から離隔した距離d
1,k*+1は、下記の数式2
[数式2]
fd
1,k*+1+0.90×r
c≦d
1,k*+1
を満たす、請求項26に記載の電極組立体。
【請求項28】
前記第2電極の巻回構造において、一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの区間の無地部の高さが、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から相対半径位置1までの区間の無地部の高さよりも低く、コア側に向かって折り曲げられていない、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項29】
相対半径位置R
2,1からR
2,k*までに対応する前記第2電極の長さが、相対半径位置R
2,k*+1から相対半径位置1までに対応する前記第2電極の長さに対して1%~30%である、請求項28に記載の電極組立体。
【請求項30】
前記第2電極の巻取構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1に位置する無地部の折曲長さfd
2,k*+1が、一番目巻回ターンの相対半径位置R
2,1からk*番目巻回ターンの第1相対半径位置R
2,k*までの半径方向長さよりも短い、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項31】
前記第2電極の巻取構造において、前記電極組立体のコア半径をr
cと定義するとき、コアの中心から0.90r
c区間がk*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から相対半径位置1までの区間に位置する第2電極の無地部の折曲部によって閉塞されない、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項32】
k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1の無地部折曲長さfd
2,k*+1、コアの半径r
c、及び相対半径位置R
2,k*+1が電極組立体の中心から離隔した距離d
2,k*+1は、下記の数式3
[数式2]
fd
2,k*+1+0.90×r
c≦d
2,k*+1
を満たす、請求項31に記載の電極組立体。
【請求項33】
前記第1電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
1,k*+1から予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
までの区間の無地部は、複数の分切片に分割されており、その高さが巻取方向と平行な一方向に沿って徐々にまたは段階的に増加する、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項34】
相対半径位置R
1,k*+1から
までの区間の半径方向長さが、コアを除いた第1電極の巻回構造の半径に対して1%~56%である、請求項33に記載の電極組立体。
【請求項35】
前記第1電極の巻回構造において、予め設定された
番目巻回ターンの相対半径位置
から相対半径位置1までの第1電極の無地部は、複数の分切片に分割されており、複数の分切片の高さは相対半径位置
から相対半径位置1まで実質的に同一である、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項36】
前記第2電極の巻回構造において、k*+1番目巻回ターンの相対半径位置R
2,k*+1から予め設定された
番目巻回ターンの第2相対半径位置
までの区間の無地部は、複数の分切片に分割されており、その高さが巻取方向と平行な一方向に沿って段階的にまたは徐々に増加する、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項37】
相対半径位置R
2,k*+1から
までの区間の半径方向長さが、コアを除いた第2電極の巻回構造の半径に対して1%~56%である、請求項36に記載の電極組立体。
【請求項38】
前記第2電極の巻回構造において、
番目巻回ターンの第2相対半径位置
から相対半径位置1までの第2電極の無地部は、複数の分切片に分割されており、複数の分切片の高さは
番目巻回ターンの相対半径位置
から相対半径位置1まで実質的に同一である、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項39】
前記第1電極の巻回構造において、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられる無地部は独立的に折曲可能な複数の分切片に分割され、
複数の分切片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは、個別的にまたはグループ毎に巻取方向と平行な一方向に沿って徐々にまたは段階的に増加する、請求項1から38のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項40】
前記第2電極の巻回構造において、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられる無地部は独立的に折曲可能な複数の分切片に分割され、
複数の分切片の巻取軸方向の高さ及び巻取方向の幅の少なくとも一つは、個別的にまたはグループ毎に巻取方向と平行な一方向に沿って徐々にまたは段階的に増加する、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項41】
複数の分切片のそれぞれは、巻取方向で1mm~11mmの幅条件、巻取軸方向で2mm~10mmの高さ条件、及び巻取方向で0.05mm~1mmの離隔ピッチ条件のうちの少なくとも一つの条件を満たす、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項42】
前記複数の分切片同士の間には切断溝が介在され、
前記切断溝の下端と前記第1電極または前記第2電極の活物質層との間に所定のギャップが備えられる、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項43】
前記ギャップの長さは0.2mm~4mmである、請求項42に記載の電極組立体。
【請求項44】
前記切断溝の底部は円弧形状であり、前記円弧形状の曲率半径は0超過0.5mmである、請求項43に記載の電極組立体。
【請求項45】
前記複数の分切片のそれぞれが折り曲げられる地点は前記切断溝の下端から所定の距離だけ離隔しており、
前記所定の距離は2mm以下である、請求項44に記載の電極組立体。
【請求項46】
複数の分切片は、前記電極組立体の巻取方向に沿って複数の分切片グループを形成し、同一分切片グループに属した分切片は、巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが互いに実質的に同一である、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項47】
同一分切片グループに属した分切片は、前記電極組立体の巻取方向と平行な一方向に向かって巻取方向の幅、巻取軸方向の高さ、及び巻取方向の離隔ピッチのうちの少なくとも一つが徐々にまたは段階的に増加する、請求項
46に記載の電極組立体。
【請求項48】
複数の分切片グループのうちの少なくとも一部は電極組立体の同一巻回ターンに配置されている、請求項
46または47に記載の電極組立体。
【請求項49】
前記第1電極の無地部によって形成される折曲表面領域は、前記電極組立体の外周側からコア側に向かって積層数増加区間及び積層数均一区間を含み、
前記積層数増加区間は無地部の積層数が電極組立体のコアに向かって増加する区間で定義され、前記積層数均一区間は前記無地部の積層数増加が止まる位置から前記無地部の折曲が始まる半径位置までの区間で定義され、
前記積層数均一区間の半径方向長さは、無地部の折曲が始まった巻回ターンから無地部の折曲が終わる巻回ターンまでの半径方向長さに対して30%以上である、請求項1から
48のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項50】
前記第2電極の無地部によって形成される折曲表面領域は、前記電極組立体の外周側からコア側に向かって積層数増加区間及び積層数均一区間を含み、
前記積層数増加区間は無地部の積層数が電極組立体のコアに向かって増加する区間で定義され、前記積層数均一区間は前記無地部の積層数の増加が止まる位置から前記無地部の折曲が始まる半径位置までの区間で定義され、
前記積層数均一区間の半径方向長さは、無地部の折曲が始まった巻回ターンから無地部の折曲が終わる巻回ターンまでの半径方向長さに対して30%以上である、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項51】
前記第1電極の厚さ及び前記第2電極の厚さは80μm~250μmであり、
前記電極組立体の半径方向で隣接する巻回ターンに位置した無地部同士の間隔は200μm~500μmである、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項52】
前記第1電極の無地部の厚さが10μm~25μmである、請求項1から
51のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項53】
前記第2電極の無地部の厚さが5μm~20μmである、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項54】
前記第1電極の無地部によって形成された折曲表面領域の一部領域は、無地部の重畳層の総積層厚さが100μm~975μmである、請求項1から
53のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項55】
前記第1電極の無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%である、請求項
54に記載の電極組立体。
【請求項56】
前記第2電極の無地部によって形成された折曲表面領域の一部領域において、無地部の重畳層の総積層厚さが50μm~780μmである、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項57】
前記第2電極の無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13.0%である、請求項
56に記載の電極組立体。
【請求項58】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、
前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、
前記第1無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第1折曲表面領域を形成し、前記第1折曲表面領域の一部領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである、電極組立体。
【請求項59】
前記第1電極の第1無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%である、請求項
58に記載の電極組立体。
【請求項60】
前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、
前記第2無地部の一部は、前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第2折曲表面領域を形成し、
前記第2折曲表面領域の一部領域において、前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmである、請求項
58または59に記載の電極組立体。
【請求項61】
前記第2電極の第2無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13.0%である、請求項
60に記載の電極組立体。
【請求項62】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一つは、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した無地部を含み、前記無地部の少なくとも一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて折曲表面領域を形成し、前記折曲表面領域の一部領域は前記無地部の積層数が10以上である電極組立体と、
前記電極組立体が収納され、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続されて第1極性を有する電池ハウジングと、
前記電池ハウジングの開放端を密封する密封体と、
前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続され、表面が外部に露出して第2極性を有する端子と、
前記折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の一方に電気的に接続される集電体と、を含み、
前記集電体の溶接領域は、前記無地部の積層数が10以上である折曲表面領域と重畳している、バッテリー。
【請求項63】
前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、
前記第1電極の総巻回ターン数をn
1と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n
1の自然数)を総巻回ターン数n
1で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R
1,kと定義すれば、前記第1無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
1,kの半径方向区間の長さの比率が、前記第1無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%である、請求項
62に記載のバッテリー。
【請求項64】
前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、
前記第2電極の総巻回ターン数をn
2と定義し、k番目巻回ターン位置における巻回ターンインデックスk(1~n
2の自然数)を総巻回ターン数n
2で除した値を巻回ターンインデックスkに対する相対半径位置R
2,kと定義すれば、前記第2無地部の積層数が10以上であるとの条件を満たすR
2,kの半径方向区間の長さの比率が、前記第2無地部が折り曲げられた相対半径位置区間に対して少なくとも30%である、請求項
62または63に記載のバッテリー。
【請求項65】
前記集電体の溶接領域は、前記無地部の積層数が10以上である折曲表面領域と50%以上重畳している、請求項
62から64のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項66】
前記集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm
2以上である、請求項
65に記載のバッテリー。
【請求項67】
前記溶接領域は、前記電極組立体のコア中心を基準にして半径方向で4mm以上及び前記電極組立体の半径の50%以下の距離で離隔している、請求項
62から66のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項68】
第1電極と第2電極とこれらの間に介在された分離膜とが軸を中心に巻き取られてコア及び外周面を定義した電極組立体であって、前記第1電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第1無地部を含み、前記第1無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第1折曲表面領域を形成し、前記第1折曲表面領域の一部領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである電極組立体と、
前記電極組立体が収納され、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続されて第1極性を有する電池ハウジングと、
前記電池ハウジングの開放端を密封する密封体と、
前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続され、表面が外部に露出して第2極性を有する端子と、
前記第1折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の一方に電気的に接続される第1集電体と、を含み、
前記第1集電体の溶接領域は前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである前記第1折曲表面領域の一部領域と重畳している、バッテリー。
【請求項69】
前記第1電極の第1無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第1電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記第1折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する第1折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が1.0%~16.3%である、請求項
68に記載のバッテリー。
【請求項70】
第1集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm
2以上である、請求項
68に記載のバッテリー。
【請求項71】
前記第2電極は、長辺端部に前記電極組立体の巻取軸方向に沿って前記分離膜の外部に露出した第2無地部を含み、前記第2無地部の一部は前記電極組立体の半径方向に折り曲げられて第2折曲表面領域を形成し、前記第2折曲表面領域の一部領域は前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmであり、
前記第2折曲表面領域に溶接され、前記電池ハウジング及び前記端子の他方に電気的に接続される第2集電体を含み、
前記第2集電体の溶接領域は、前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmである前記第2折曲表面領域の一部領域と重畳している、請求項
68から70のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項72】
前記第2電極の第2無地部は互いに独立可能な複数の分切片に分割され、前記第2電極は分切片の高さが変わる高さ可変区間及び分切片の高さが均一な高さ均一区間を含み、前記第2折曲表面領域のうちの前記高さ均一区間に含まれた分切片が前記電極組立体の半径方向に沿って折り曲げられることで形成された領域において、分切片の高さに対する第2折曲表面領域の無地部積層厚さの比率が0.5%~13%である、請求項
71に記載のバッテリー。
【請求項73】
前記第2集電体の溶接領域は、溶接強度が2kgf/cm
2以上である、請求項
71または72に記載のバッテリー。
【請求項74】
前記第1集電体の溶接領域は、前記第1無地部の積層厚さが100μm~975μmである前記第1折曲表面領域の一部領域と50%以上重畳している、請求項
68から73のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項75】
前記第2集電体の溶接領域は、前記第2無地部の積層厚さが50μm~780μmである前記第2折曲表面領域の一部領域と50%以上重畳している、請求項
71から73のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項76】
前記第1集電体の溶接領域及び前記第2集電体の溶接領域は、前記電極組立体のコア中心を基準にして実質的に同じ距離だけ離隔した位置から前記電極組立体の半径方向に延長されている、請求項
71から73のいずれか一項に記載のバッテリー。
【請求項77】
前記第1集電体の溶接領域が延長された長さが前記第2集電体の溶接領域が延長された長さよりも長い、請求項
76に記載のバッテリー。
【請求項78】
前記バッテリーの抵抗は4mΩ以下である、請求項
68に記載のバッテリー。
【請求項79】
請求項
62から78のいずれか一項に記載のバッテリーを含む、バッテリーパック。
【請求項80】
請求項
79に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【国際調査報告】