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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】カビ改善のための組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 37/44 20060101AFI20231124BHJP
   A01N 37/10 20060101ALI20231124BHJP
   A01N 31/14 20060101ALI20231124BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20231124BHJP
   A01N 31/08 20060101ALI20231124BHJP
   A01N 65/28 20090101ALI20231124BHJP
   A01N 59/00 20060101ALI20231124BHJP
   A01N 43/08 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
A01N37/44
A01N37/10
A01N31/14
A01P3/00
A01N31/08
A01N65/28
A01N59/00 B
A01N43/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528677
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 US2021059089
(87)【国際公開番号】W WO2022104023
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】63/113,442
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523176495
【氏名又は名称】モールド・ガード・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴラディミール・ポドリプスキー
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011BA01
4H011BA06
4H011BB03
4H011BB06
4H011BB08
4H011BB18
4H011BB22
4H011BC19
4H011DA12
4H011DC05
4H011DE15
4H011DH11
(57)【要約】
本技術は、フェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、及び天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を含む抗真菌組成物に関する。本技術の組成物は、真菌に関連する生細胞、胞子、及びマイコトキシンの増殖を消滅させる又は阻害するのに使用するために好適である。また、表面上の真菌に関連する生細胞、胞子及びマイコトキシンの増殖を消滅させる又は阻害するための方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)フェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、
ii)フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、
iii)天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、
iv)天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、
v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、及び
vi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体
を含む抗真菌組成物。
【請求項2】
組成物中のフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、及びフェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体の割合が、約0.01%から約5%w/wの間である、請求項1に記載の抗真菌組成物。
【請求項3】
組成物中の天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、及び天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体の割合が、約0.01%から約5%w/wの間である、請求項1又は2に記載の抗真菌組成物。
【請求項4】
組成物中の少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール及び天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体の割合が、約0.1%から約10%w/wの間である、請求項1から3のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項5】
フェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物が、D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸、クマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、5-ヒドロキシフェルラ酸、シナピン酸、シンナムアルデヒド、ウンベリフェロンカルコン、オイゲノール、カビコール、サフロール、エストラゴール、レスベラトロール、アピオール、アサロン、ジラピオール、エレミシン、エストラゴール、メチルオイゲノール、ミリスチシン、モノリグノール、リグニン、スベリン及びスチルベノイド、並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項6】
フェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物が、D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノール、並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項7】
フェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体が、少なくとも1種の合成フェニルアラニン誘導体、及び少なくとも1種の合成チロシン誘導体から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の合成フェニルアラニン誘導体が、D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、及び2-クロロ-D-フェニルアラニン、並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項7に記載の抗真菌組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の合成チロシン誘導体が、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステル並びにこれらの組み合わせから選択される、請求項7に記載の抗真菌組成物。
【請求項10】
天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体が、D-フェニルアラニン(DPA)、D-トリプトファン、D-チロシン及びD-ヒスチジンから選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項11】
天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体が、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体のメチルエステルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項12】
天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体が、D-チロシンである、請求項1から11のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項13】
天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体が、D-チロシン-メチル-エステルである、請求項12に記載の抗真菌組成物。
【請求項14】
天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体が、DPAである、請求項1から10のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項15】
天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体が、D-フェニルアラニン-メチル-エステルである、請求項14に記載の抗真菌組成物。
【請求項16】
少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノールが、カルバクロール、チモール、ユーカリプトール及びオイゲノールから選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項17】
少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノールが、チモールである、請求項1から16のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項18】
天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体が、4-クロロチモール、4-ヨードチモール、ブロモチモール、クロロカルバクロール、ヨードカルバクロール、ブロモカルバクロール、クロロオイゲノール、ヨードオイゲノール及びブロモオイゲノールから選択される、請求項1から17のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項19】
天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体が、4-クロロチモールである、請求項1から18のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項20】
天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体が、4-ヨードチモールである、請求項1から19のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項21】
フェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物の分子量が、約100g/molから約400g/molの間である、請求項1から20のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項22】
フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体の分子量が、約150g/molから約1400g/molの間である、請求項1から21のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項23】
天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体の分子量が、約150g/molから約250g/molの間である、請求項1から22のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項24】
天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体の分子量が、約160g/molから約700g/molの間である、請求項1から23のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項25】
少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノールの分子量が、約2g/molから約100g/molの間である、請求項1から24のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項26】
天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体の分子量が、約5g/molから約130g/molの間である、請求項1から25のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項27】
フェニルプロパノイド系内の少なくとも1種の天然に存在する化合物、フェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、又は天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体が、抗芽胞形成、抗真菌、及び/又は抗マイコトキシン特性を有する、請求項1から26のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項28】
少なくとも1種の界面活性剤を更に含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項29】
組成物中の少なくとも1種の界面活性剤の割合が、約0.1%から約5.0%w/wの間である、請求項28に記載の抗真菌組成物。
【請求項30】
界面活性剤が、ポリエトキシル化非イオン性界面活性剤である、請求項28又は29に記載の抗真菌組成物。
【請求項31】
ポリエトキシル化非イオン性界面活性剤が、6つのエトキシル化基を有する、請求項30に記載の抗真菌組成物。
【請求項32】
少なくとも1種の天然又は合成ポリマーを更に含む、請求項1から31のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項33】
合成ポリマーが、ポリビニルピロリドン(PVP)である、請求項32に記載の抗真菌組成物。
【請求項34】
天然ポリマーが、キトサンである、請求項32に記載の抗真菌組成物。
【請求項35】
希釈剤を更に含む、請求項1から34のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項36】
希釈剤が、水、エステル、乳酸エチル及びこれらの組み合わせから選択される、請求項35に記載の抗真菌組成物。
【請求項37】
真菌に関連する生細胞、胞子、及びマイコトキシンの増殖を消滅させる又は阻害するのに使用するための、請求項1から36のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項38】
真菌が、黒カビ、アスペルギルス・フミガツス、アスペルギルス・フラブス、アスペルギルス・ニゲル、スタキボトリス・チャルタルム、クラドスポリウム種、フザリウム種、及びペニシリウム種のうちの1種又は複数である、請求項34に記載の抗真菌組成物又は乳剤。
【請求項39】
i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、
ii)フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、
iii)天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、
iv)天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、
v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、並びに
vi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体
を含む抗真菌組成物。
【請求項40】
i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、
ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択される、フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、
iii)天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、
iv)天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、
v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、並びに
vi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体
を含む抗真菌組成物。
【請求項41】
i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、
ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択される、フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、
iii)D-チロシン及びD-フェニルアラニンから選択される、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、
iv)天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、
v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、並びに
vi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体
を含む抗真菌組成物。
【請求項42】
i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、
ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択される、フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、
iii)D-チロシン及びD-フェニルアラニンから選択される、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、
iv)D-チロシン-メチル-エステル、及びD-フェニルアラニン-メチル-エステルから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、
v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、並びに
vi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体
を含む抗真菌組成物。
【請求項43】
i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、
ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択される、フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、
iii)D-チロシン及びD-フェニルアラニンから選択される、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、
iv)D-チロシン-メチル-エステル、及びD-フェニルアラニン-メチル-エステルから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、
v)チモール、並びに
vi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体
を含む抗真菌組成物。
【請求項44】
i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、
ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択される、フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、
iii)D-チロシン及びD-フェニルアラニンから選択される、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、
iv)D-チロシン-メチル-エステル、及びD-フェニルアラニン-メチル-エステルから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、
v)チモール、並びに
vi)4-クロロチモール及び4-ヨードチモールから選択される天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体
を含む抗真菌組成物。
【請求項45】
真菌の増殖を消滅させる又は阻害するための方法であって、請求項1から44のいずれか一項に記載の抗真菌組成物を表面に適用する工程を含む、方法。
【請求項46】
保護又は処理を必要とする表面の保護又は処理における、請求項1から44のいずれか一項に記載の抗真菌組成物の使用。
【請求項47】
建物表面の処理のための方法であって、真菌増殖を防止するのに有効な量の、請求項1から44のいずれか一項に記載の組成物と建物表面とを接触させる工程を含む、方法。
【請求項48】
表面が、建物、研究施設、製薬施設、医療機器、植物、製造物品、及び食品のうちのいずれか1つ又は複数の表面である、請求項45に記載の方法又は請求項46に記載の使用。
【請求項49】
抗真菌剤としての、フェニルプロパノイド系の化合物の合成誘導体の使用。
【請求項50】
フェニルプロパノイド系の化合物が、D-チロシンである、請求項48に記載の使用。
【請求項51】
D-チロシンの合成誘導体が、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステル及びこれらの組み合わせから選択される、請求項50に記載の使用。
【請求項52】
フェニルプロパノイド系の化合物が、D-フェニルアラニンである、請求項50に記載の使用。
【請求項53】
D-フェニルアラニンの合成誘導体が、D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項52に記載の使用。
【請求項54】
i)ティーツリー油、
ii)ユーカリ油、
iii)ホウ酸ナトリウム、
iv)イソデシルアルコール、
v)ナイスチン(nystatin)、及び
vi)アルファリポ酸
を含む、抗真菌組成物。
【請求項55】
ティーツリー油が、組成物の全質量の約0.5%の量で組成物中に存在する、請求項54に記載の抗真菌組成物。
【請求項56】
ユーカリ油が、組成物の全質量の約0.5%の量で組成物中に存在する、請求項54又は55に記載の抗真菌組成物。
【請求項57】
ホウ酸ナトリウムが、組成物の全質量の約0.3%の量で組成物中に存在する、請求項54から56のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項58】
イソデシルアルコールが、組成物の全質量の約2%の量で組成物中に存在する、請求項54から57のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項59】
ナイスチン(nystatin)が、組成物の全質量の約0.03%の量で組成物中に存在する、請求項54から58のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【請求項60】
アルファリポ酸が、組成物の全質量の約0.06%の量で組成物中に存在する、請求項54から59のいずれか一項に記載の抗真菌組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月13日に出願された米国仮特許出願第63/113,442号の利益及び優先権を主張し、その内容は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
【0002】
本技術は、一般に、天然抗真菌組成物及びそれらの使用のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、天然の植物ベースの製品に対する消費者の需要が高まってきている。天然製品は今日、合成及び化学製品と同等に効果的でありながら毒性がなく、消費者及び環境に対してより穏やかであり、したがってより優れていると認識されている。より具体的には、市販の抗真菌及び/又は抗カビ組成物は、一般に、発がん性物質として分類されるか、又はヒト、動物及び他の非標的種に対して毒性である化学化合物を使用する。更に、これらの組成物は、一般に、化学的攻撃によって作用し、つまりカビを焼き尽くし(burn off)、製品が乾燥した場合、それ以上の保護を提供しない。
【0004】
いくつかの古くからの天然抗真菌製品が現在公知であり、当分野において使用されているが、合成修飾をしなければ、これらの天然化合物は、効果的、徹底的且つコスト効率よく、広範囲のカビを防止する及び死滅させるのに十分に活性ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、少なくとも上述の問題のいくつかを克服する天然抗真菌組成物に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術のある特定の態様及び実施形態は、公知の抗真菌組成物の問題の少なくともいくつかを克服又は軽減する。
【0007】
本技術の一態様は、障壁を形成し、腐食性酸化を使用せずに少なくとも1年間表面を保護する天然抗真菌組成物に関する。
【0008】
本技術の別の態様は、容易に入手可能な天然化合物の合成誘導体を含む天然抗真菌組成物に関し、この合成誘導体は、天然誘導体よりも強力な抗真菌特性を有し、非毒性のままである。
【0009】
本技術の別の態様は、カビに対して高度に特異的で毒性であるが、ヒトにとって安全であり、広範囲の真菌に対して非常に効率的であり、カビの増殖に対して長期的な予防効果を提供する天然抗真菌組成物に関する。
【0010】
本技術の別の態様は、既存の真菌増殖を根絶又は低減し、表面の真菌の蔓延又は再発を防止及び/又は抑制する天然抗真菌組成物に関する。
【0011】
本技術の別の態様は、表面の広範囲の真菌の増殖を防止する増強された抗真菌活性を有する天然抗真菌組成物に関する。
【0012】
本技術の別の態様は、環境的且つ業務上安全である天然抗真菌組成物に関する。
【0013】
本技術の更なる態様は、建物への蔓延の結果としての真菌、胞子及びマイコトキシンへの過度の曝露からヒトを保護することができる天然抗真菌組成物に関する。
【0014】
本技術のなお更なる態様は、黒カビ、アスペルギルス・フミガツス(aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・フラブス(aspergillus flavus)、アスペルギルス・ニゲル(aspergillus niger)、スタキボトリス・チャルタルム(stachybotrys chartarum)、クラドスポリウム(cladosporium)種、フザリウム(fusarium)種、及びペニシリウム(penicillium)種を含む広範囲のカビに関連する生細胞、胞子及びマイコトキシンの増殖を消滅させる又は阻害するのに有効な天然抗真菌組成物に関する。
【0015】
本技術のなお更なる態様は、使用が容易で製造が簡単であり、比較的費用効果が高い天然抗真菌組成物に関する。
【0016】
本開示の他の態様及び特徴は、具体的な実施形態の以下の説明を検討することにより、当業者に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、その適用において、以下の説明に記載される構成要素又は図面に図示される構成要素の構成及び配置の詳細に限定されない。本開示は、他の実施形態が可能であり、さまざまな方法で実行又は実施されることが可能である。また、本明細書で使用される語句及び術語は、説明のためのものであり、限定的とみなされるべきではない。
【0018】
定義
本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、又は「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」及びそれらの変形体は、その後に列挙される項目、及び任意選択で、追加の項目を包含することを意味する。以下の説明において、同一の数値参照は類似の要素を指す。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0020】
本明細書では、所与の値又は範囲の文脈における用語「約」は、所与の値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内である値又は範囲を指す。
【0021】
本明細書では、用語「及び/又は」は、2つの指定された特徴又は構成要素の各々の、他方を伴うか又は伴わない、具体的な開示として解釈されるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、(i)A、(ii)B並びに(iii)A及びBの各々の具体的な開示として、あたかも各々が本明細書に個別に記載されているかのように解釈されるべきである。
【0022】
本明細書における端点による数値範囲の記載は、その範囲内に含まれるすべての数を含むことを意図している(例えば、1~5の記載は、1、1.25、1.33、1.5、2、2.75、3、3.80、4、4.32、及び5を含む)。
【0023】
本明細書では、用語「抗真菌」は、既存の真菌増殖を根絶又は低減する、及び/又は真菌増殖の蔓延又は再発を防止、抑制又は阻害する物質を指す。
【0024】
本明細書では、用語「カビ」は、菌糸と呼ばれる多細胞フィラメントの形態で増殖する微細な真菌を指す。
【0025】
本明細書では、用語「天然」又は「天然に存在する」は、自然界に見られるもの、又は自然界から分離することができるものを指す。
【0026】
本明細書では、用語「合成」は、化学修飾されたものを指す。
【0027】
本明細書では、用語「処理」は、真菌及び真菌物質を含む表面の微生物の増殖及び拡散を制御することを指す。
【0028】
本明細書では、用語「予防(prophylaxis)」又は「予防(prophylactic)」は、真菌増殖の拡散及び/又は発生からの保護又は防止を指す。
【0029】
本明細書では、「真菌物質」という表現は、生細胞、胞子及びマイコトキシンを含む。
【0030】
本明細書では、用語「乳剤」は、通常は非混和性である2種以上の液体の混合物を指す。
【0031】
一実施形態では、本技術は、天然に存在する化合物を含む抗真菌組成物に関し、この抗真菌組成物は、真菌物質の増殖及び拡散に対して増強された抗真菌活性及び長期防止効果を有する。いくつかの例では、本技術の抗真菌組成物は、表面の真菌の増殖及び拡散を制御する際の使用に好適である。
【0032】
一実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、フェニルプロパノイド系(phenylpropanoid family)の少なくとも1種の天然に存在する化合物、フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、及び天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を含む。
【0033】
フェニルプロパノイド類及び合成誘導体
フェニルプロパノイド類は、芳香環及び3個の炭素のプロペン尾部(propene tail)を持つ植物由来の有機化合物の一系列であり、アミノ酸フェニルアラニンから生合成される。フェニルプロパノイド類は、植物界全体に見られ、多くの構造ポリマーの必須成分として機能し、紫外線からの保護を提供し、草食動物及び病原体から防御し、花の色素及び香り化合物として植物と花粉媒介者の相互作用を仲介する。例えば、ケイ皮酸は、酵素であるフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(lysase)(PAL)の作用によってフェニルアラニンから生成される。一連の酵素的ヒドロキシル化及びメチル化は、クマル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、5-ヒドロキシフェルラ酸、及びシナピン酸をもたらす。これらの酸を対応するエステルに変換すると、香草及び花の香りの揮発性成分の一部が生成される。また、シンナムアルデヒドは、ケイ皮酸中のカルボン酸官能基の還元によって形成され得る。更なる還元は、クマリルアルコール、コニフェリルアルコール、及びシナピルアルコールを含むモノリグノール類をもたらす。モノリグノール類は、重合されて植物細胞壁の構造成分として使用されるさまざまな形態のリグニン及びスベリンを生成し得るモノマーである。オイゲノール、カビコール、サフロール及びエストラゴールを含むフェニルプロペン類は、モノリグノール類から誘導され得る。これらの化合物は、さまざまな精油の主成分である。2位のケイ皮酸のヒドロキシル化はp-クマル酸をもたらし、これを更にウンベリフェロン等のヒドロキシル化誘導体に修飾することができる。コエンザイムAとのチオエステルを介したp-クマル酸(すなわち4-クマロイル-CoA)の別の使用は、カルコンの生成である。これは、3つのマロニル-CoA分子の付加及び第2のフェニル基への環化によって達成される(ポリフェノール類を参照されたい)。カルコンは、すべてのフラボノイド類、多様なクラスの植物性化学物質の前駆体である。レスベラトロール等のスチルベノイド類は、スチルベンのヒドロキシル化誘導体である。それらは、シンナモイル(cinammoyl)-CoA又は4-クマロイル-CoAの代替環化によって形成される。本技術の組成物における使用に好適なフェニルプロパノイド系の天然に存在する化合物の他の非限定的な例としては、アピオール、アサロン、ジラピオール、エレミシン、エストラゴール、メチル、オイゲノール、ミリスチシンが挙げられる。ある特定の実装形態では、本技術の組成物に好適なフェニルプロパノイド類は、D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノール、並びにこれらの組み合わせから選択される。
【0034】
他の実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、ii)フェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、iii)天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、iv)天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、及びvi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を含む。
【0035】
一部の実施形態では、フェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物は、約100g/molから約400g/molの間、約100g/molから約350g/molの間、約100g/molから約300g/molの間、約100g/molから約250g/molの間、約100g/molから約200g/molの間、約100g/molから約150g/molの間、約150g/molから約400g/molの間、約150g/molから約350g/molの間、約150g/molから約300g/molの間、約150g/molから約250g/molの間、約150g/molから約200g/molの間、約200g/molから約400g/molの間、約200g/molから約350g/molの間、約200g/molから約300g/molの間、約200g/molから約250g/molの間、約250g/molから約400g/molの間、約250g/molから約350g/molの間、約250g/molから約300g/molの間、約300g/molから約400g/molの間、約300g/molから約350g/molの間、又は約350g/molから約400g/molの間の範囲の分子量(MW)を有する。
【0036】
ある特定の実施形態では、本技術の組成物は、異なる分子量を有するフェニルプロパノイド系の天然に存在する化合物の組み合わせを含んでもよい。
【0037】
一部の実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、フェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体を更に含む。いくつかの例では、フェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体は、少なくとも1種の合成フェニルアラニン誘導体、少なくとも1種の合成チロシン誘導体又はこれらの組み合わせである。他の例では、少なくとも1種の合成フェニルアラニン誘導体は、D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、及び2-クロロ-D-フェニルアラニン、並びにこれらの組み合わせから選択される。更に他の例では、少なくとも1種の合成チロシン誘導体は、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステル並びにこれらの組み合わせから選択される。
【0038】
有利には、本技術の発明者らは、フェニルアラニン及びチロシンの合成誘導体、例えばD-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルが抗真菌特性を有し、したがって、本技術の組成物における活性抗真菌剤として使用することができることを発見した。
【0039】
他の実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択されるフェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、iii)天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、iv)天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、及びvi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を含む。
【0040】
一部の実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、約150g/molから約1400g/molの間、約150g/molから約1300g/molの間、約150g/molから約1200g/molの間、約150g/molから約1100g/molの間、約150g/molから約1000g/molの間、約150g/molから約900g/molの間、約150g/molから約800g/molの間、約150g/molから約700g/molの間、約150g/molから約600g/molの間、約150g/molから約500g/molの間、約150g/molから約400g/molの間、約150g/molから約300g/molの間、約300g/molから約1400g/molの間、約300g/molから約1300g/molの間、約300g/molから約1200g/molの間、約300g/molから約1100g/molの間、約300g/molから約1000g/molの間、約300g/molから約900g/molの間、約300g/molから約800g/molの間、約300g/molから約700g/molの間、約300g/molから約600g/molの間、約300g/molから約500g/molの間、約300g/molから約400g/molの間、400g/molから約1400g/molの間、約400g/molから約1300g/molの間、約400g/molから約1200g/molの間、約400g/molから約1100g/molの間、約400g/molから約1000g/molの間、約400g/molから約900g/molの間、約400g/molから約800g/molの間、約400g/molから約700g/molの間、約400g/molから約600g/molの間、約400g/molから約500g/molの間、約500g/molから約1400g/molの間、約500g/molから約1300g/molの間、約500g/molから約1200g/molの間、約500g/molから約1100g/molの間、約500g/molから約1000g/molの間、約500g/molから約900g/molの間、約500g/molから約800g/molの間、約500g/molから約700g/molの間、約500g/molから約600g/molの間、約600g/molから約1400g/molの間、約600g/molから約1300g/molの間、約600g/molから約1200g/molの間、約600g/molから約1100g/molの間、約600g/molから約1000g/molの間、約600g/molから約900g/molの間、約600g/molから約800g/molの間、約600g/molから約700g/molの間、約700g/molから約1400g/molの間、約700g/molから約1300g/molの間、約700g/molから約1200g/molの間、約700g/molから約1100g/molの間、約700g/molから約1000g/molの間、約700g/molから約900g/molの間、約700g/molから約800g/molの間、約800g/molから約1400g/molの間、約800g/molから約1300g/molの間、約800g/molから約1200g/molの間、約800g/molから約1100g/molの間、約800g/molから約1000g/molの間、約800g/molから約900g/molの間、約900g/molから約1400g/molの間、約900g/molから約1300g/molの間、約900g/molから約1200g/molの間、約900g/molから約1100g/molの間、約900g/molから約1000g/molの間、約1000g/molから約1400g/molの間、約1000g/molから約1300g/molの間、約1000g/molから約1200g/molの間、約1000g/molから約1100g/molの間、約1100g/molから約1400g/molの間、約1100g/molから約1300g/molの間、約1100g/molから約1200g/molの間、約1200g/molから約1400g/molの間、約1200g/molから約1300g/molの間、又は約1300g/molから約1400g/molの間の範囲の分子量を有するフェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体を含む。
【0041】
ある特定の実施形態では、フェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体は、本技術の組成物で使用されるフェニルプロパノイド化合物の合成誘導体である。フェニルプロパノイド化合物の組み合わせが使用されるいくつかの例では、本技術の組成物は、組成物中で使用される単一のフェニルプロパノイド化合物の合成誘導体を含んでもよく、又は使用されるフェニルプロパノイド化合物から誘導される合成誘導体の組み合わせを含んでもよい。フェニルプロパノイド化合物の複数の合成誘導体が組成物中で使用される更なる例では、フェニルプロパノイド化合物の合成誘導体は、異なる分子量を有し得る。
【0042】
ある特定の実施形態では、組成物中のフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、及びフェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体の割合は、約0.01%から約5.0%w/wの間、約0.01%から約4.0%w/wの間、約0.01%から約3.0%w/wの間、約0.01%から約2.0%w/wの間、約0.01%から約1.0%w/wの間、約0.01%から約0.5%w/wの間、約0.5%から約5.0%w/wの間、約0.5%から約4.0%w/wの間、約0.5%から約3.0%w/wの間、約0.5%から約2.0%w/wの間、約0.5%から約1.0%w/wの間、約1.0%から約5.0%w/wの間、約1.0%から約4.0%w/wの間、約1.0%から約3.0%w/wの間、約1.0%から約2.0%w/wの間、約2.0%から約5.0%w/wの間、約2.0%から約4.0%w/wの間、約2.0%から約3.0%w/wの間、約3.0%から約5.0%w/wの間、約3.0%から約4.0%w/wの間、約3.0%から約5.0%w/wの間、約3.0%から約4.0%w/wの間、又は約4.0%から約5.0%w/wの間である。
【0043】
天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体及び合成誘導体
アミノ酸のD-異性体(D-芳香族アミノ酸ともいう)では、アミノ基に対する立体中心炭素アルファがD-配置を有する。ほとんどの天然に存在するアミノ酸の場合、この炭素はL配置を有する。L-及びD-アミノ酸は、多くの条件下で同一の特性(色、溶解度、融点)を有する。しかしながら、キラルである生物学的状況では、これらのエナンチオマーは非常に異なる振る舞いをする可能性がある。天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体は、D-フェニルアラニン(DPA)、D-トリプトファン、及びD-チロシン、及びD-ヒスチジンを含む。
【0044】
ある特定の実施形態では、本技術の組成物で使用される天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体は、D-チロシンである。
【0045】
他の実施形態では、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体は、DPAである。
【0046】
他の実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択されるフェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、iii)D-チロシン及びD-フェニルアラニンから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、iv)天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、及びvi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を含む。
【0047】
一部の実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、約150g/molから約250g/molの間、約150g/molから約200g/molの間、又は約200g/molから約250g/molの間の範囲の分子量(MW)を有する天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体を含む。
【0048】
本技術の抗真菌組成物は、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体を更に含む。有利には、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体及びその合成誘導体は、抗真菌特性を有する。理論に束縛されるものではないが、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体及びそれらの合成誘導体は疎水性であるため、処理された表面に長期間留まり、したがって長期間持続する抗真菌予防効果を発揮すると考えられる。ある特定の実施形態では、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の合成誘導体は、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体のメチルエステル誘導体であってもよい。有利には、理論に束縛されるものではないが、メチルエステルは、それらの関連する酸又は他の合成形態と比較してより疎水性であると考えられ、したがって、長期間持続する抗真菌予防効果をもたらし得る。
【0049】
したがって、この実施形態のある特定の実装形態では、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の合成誘導体は、D-チロシン-メチル-エステル、又は任意選択でD-フェニルアラニン-メチル-エステルである。
【0050】
他の実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択されるフェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、iii)D-チロシン及びD-フェニルアラニンから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、iv)D-チロシン-メチル-エステル、及びD-フェニルアラニン-メチル-エステルから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、v)少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、並びにvi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を含む。
【0051】
一部の実施形態では、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体の分子量は、約160g/molから約700g/molの間、約160g/molから約600g/molの間、約160g/molから約500g/molの間、約160g/molから約400g/molの間、約160g/molから約300g/molの間、約300g/molから約700g/molの間、約300g/molから約600g/molの間、約300g/molから約500g/molの間、約300g/molから約400g/molの間、約400g/molから約700g/molの間、約400g/molから約600g/molの間、約400g/molから約500g/molの間、約500g/molから約700g/molの間、約500g/molから約600g/molの間、又は約600g/molから約700g/molの間である。
【0052】
ある特定の実施形態では、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体は、組成物中で使用されるD-芳香族アミノ酸の合成誘導体である。D-芳香族アミノ酸の組み合わせが使用される他の実施形態では、組成物は、組成物中で使用される単一のD-芳香族アミノ酸の合成誘導体を含んでもよく、又は使用されるさまざまなD-芳香族アミノ酸から誘導される合成誘導体の組み合わせを含んでもよい。D-芳香族アミノ酸の複数の合成誘導体が組成物中で使用される更なる実施形態では、D-芳香族アミノ酸の合成誘導体は、異なる分子量を有し得る。
【0053】
他の実施形態では、組成物中の天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体及び天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体の割合は、約0.01%から約5%w/wの間、約0.01%から約4.0%w/wの間、約0.01%から約3.0%w/wの間、約0.01%から約2.0%w/wの間、約0.01%から約1.0%w/wの間、約0.01%から約0.5%w/wの間、約0.5%から約5.0%w/wの間、約0.5%から約4.0%w/wの間、約0.5%から約3.0%w/wの間、約0.5%から約2.0%w/wの間、約0.5%から約1.0%w/wの間、約1.0%から約5.0%w/wの間、約1.0%から約4.0%w/wの間、約1.0%から約3.0%w/wの間、約1.0%から約2.0%w/wの間、約2.0%から約5.0%w/wの間、約2.0%から約4.0%w/wの間、約2.0%から約3.0%w/wの間、約3.0%から約5.0%w/wの間、約3.0%から約4.0%w/wの間、約3.0%から約5.0%w/wの間、約3.0%から約4.0%w/wの間、又は約4.0%から約5.0%w/wの間である。
【0054】
天然モノテルペノイドフェノール類及び合成誘導体
天然モノテルペノイドフェノール類は、一般に植物油抽出物から分離及び精製される。本技術の組成物における使用に好適なモノテルペノイドフェノール類の非限定的な例としては、チモール、カルバクロール、ユーカリプトール、オイゲノール等が挙げられる。チモール(イソプロピル-クレゾール)は、特に好適なモノテルペンフェノールの1種であり、大気圧で約238℃の沸点を有する結晶性物質である。チモールの異性体であるカルバクロール(イソプロピル-o-クレゾール)は、別の好適な化合物である。カルバクロールは、大気圧で沸点が約233℃の液体である。
【0055】
本技術の組成物のある特定の実施形態では、天然モノテルペノイドフェノールは、チモールである。
【0056】
他の実施形態では、本技術の抗真菌組成物は、i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択されるフェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、iii)D-チロシン及びD-フェニルアラニンから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、iv)D-チロシン-メチル-エステル、及びD-フェニルアラニン-メチル-エステルから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、v)チモール、並びにvi)天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を含む。
【0057】
分離された形態で採用されることに加えて、モノテルペンフェノール類の最終濃度が、本明細書で提供される範囲内で、モノテルペンフェノール類を主成分として含む精油も採用することができる。用語「主成分」は、概して、精油が約50質量%を超える量のモノテルペンフェノール類を有するものを指す。このような精油は、非芳香族テルペン化合物等の他の成分も少量含み得ることは、当該技術分野において周知である。モノテルペノイドフェノール類を主成分として含む精油は、限定するものではないが、アニス油、テルペンレスのベイ油、クローブ芽、クローブ葉、クローブ油、クローブ茎、オリガナム油、ペルーバルサム、ピメント油、ユーカリ油、タイム油及びこれらの混合物を含み得る。
【0058】
一部の実施形態では、本技術の抗真菌組成物に使用される少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノールの分子量(MW)は、約2g/molから約100g/molの間、約2g/molから約80g/molの間、約2g/molから約60g/molの間、約2g/molから約40g/molの間、約2g/molから約20g/molの間、約2g/molから約10g/molの間、約10g/molから約100g/molの間、約10g/molから約80g/molの間、約10g/molから約60g/molの間、約10g/molから約40g/molの間、約10g/molから約20g/molの間、約20g/molから約100g/molの間、約20g/molから約80g/molの間、約20g/molから約60g/molの間、約20g/molから約40g/molの間、約40g/molから約100g/molの間、約40g/molから約80g/molの間、約140g/molから約60g/molの間、約60g/molから約100g/molの間、約60g/molから約80g/molの間、又は約80g/molから約100g/molの間である。
【0059】
ある特定の実施形態では、本技術の組成物は、異なる分子量を有する天然モノテルペノイドフェノール類の組み合わせを含んでもよい。
【0060】
他の実施形態では、組成物は、それらの主成分として天然モノテルペノイドフェノール類の単一又は組み合わせを有する精油の混合物を含んでもよい。これらの実施形態では、天然モノテルペノイドフェノール類はまた、異なる分子量を有し得る。
【0061】
本技術の抗真菌組成物は、天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を更に含む。フェノール類のハロゲン化誘導体は、一般に増強された生物活性を示す。ある特定の実施形態では、天然モノテルペノイドフェノールは、フェノール上の単一の位置でハロゲン化されていてもよい。他の実施形態では、天然モノテルペノイドフェノールは、フェノール上の複数の位置でハロゲン化されていてもよい。ハロゲンは、実施形態に応じてフッ素、塩素、臭素、ヨウ素及びアスタチン又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。モノテルペノイドフェノールが複数の位置でハロゲン化されている実施形態では、ハロゲンは、フェノール上のさまざまな位置において同一でも異なっていてもよい。ある特定の実施形態では、天然モノテルペノイドフェノールのハロゲン化誘導体は合成であってもよい。更に他の実施形態では、天然モノテルペノイドフェノールのハロゲン化誘導体は、海洋生物又は昆虫等の天然資源から分離されてもよい。本技術の組成物での使用に好適な天然モノテルペノイドフェノール類のハロゲン化誘導体の非限定的な例としては、クロロチモール、ヨードチモール、ブロモチモール、クロロカルバクロール、ヨードカルバクロール、ブロモカルバクロール、クロロオイゲノール、ヨードオイゲノール及びブロモオイゲノールが挙げられる。
【0062】
ある特定の実施形態では、天然モノテルペノイドフェノール類のハロゲン化誘導体の任意の組み合わせを、組成物中で使用してもよい。他の実施形態では、本技術の組成物で使用される天然モノテルペノイドフェノールのハロゲン化誘導体は、4-クロロチモール、又は任意選択で4-ヨードチモールである。他の実施形態では、本技術の組成物は、i)D-フェニルアラニン、D-チロシン、ケイ皮酸及びオイゲノールから選択されるフェニルプロパノイド系の少なくとも1種の天然に存在する化合物、ii)D-フェニルアラニンメチルエステル、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、ペンタフルオロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、N-アセチル-D-チロシン、D-チロシンメチルエステル、及びD-チロシンエチルエステルから選択されるフェニルプロパノイド系の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、iii)D-チロシン及びD-フェニルアラニンから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、iv)D-チロシン-メチル-エステル、及びD-フェニルアラニン-メチル-エステルから選択される天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、v)チモール、並びにvi)4-クロロチモール及び4-ヨードチモールから選択される天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体を含む。
【0063】
一部の実施形態では、本技術の抗真菌組成物に使用される天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体の分子量(MW)は、約5g/molから約130g/molの間、約5g/molから約120g/molの間、約5g/molから約100g/molの間、約5g/molから約80g/molの間、約5g/molから約60g/molの間、約5g/molから約40g/molの間、約5g/molから約20g/molの間、約5g/molから約10g/molの間、約10g/molから約130g/molの間、約10g/molから約120g/molの間、約10g/molから約100g/molの間、約10g/molから約80g/molの間、約10g/molから約60g/molの間、約10g/molから約40g/molの間、約10g/molから約20g/molの間、約20g/molから約130g/molの間、約20g/molから約120g/molの間、約20g/molから約100g/molの間、約20g/molから約80g/molの間、約20g/molから約60g/molの間、約20g/molから約40g/molの間、約40g/molから約130g/molの間、約40g/molから約120g/molの間、約40g/molから約100g/molの間、約40g/molから約80g/molの間、約40g/molから約60g/molの間、約60g/molから約130g/molの間、約60g/molから約120g/molの間、約60g/molから約100g/molの間、約60g/molから約80g/molの間、約80g/molから約130g/molの間、約80g/molから約120g/molの間、約80g/molから約100g/molの間、約100g/molから約130g/molの間、約100g/molから約120g/molの間、又は約120g/molから約130g/molの間である。
【0064】
ある特定の実施形態では、天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体は、組成物中で使用されるモノテルペノイドフェノールのハロゲン化誘導体である。天然モノテルペノイドフェノール類の組み合わせが使用される他の実施形態では、組成物は、単一の天然モノテルペノイドフェノールのハロゲン化誘導体を含んでもよく、又は組成物中で使用されるさまざまな天然モノテルペノイドフェノールから誘導されるハロゲン化誘導体の組み合わせを含んでもよい。天然モノテルペノイドフェノールの複数のハロゲン化誘導体が組成物中で使用される更なる実施形態では、天然モノテルペノイドフェノール類のハロゲン化誘導体は、異なる分子量を有し得る。
【0065】
他の実施形態では、組成物中の少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール及び天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体の割合は、約0.1%から約10%w/wの間、約0.1%から約9.0%w/wの間、約0.1%から約8.0%w/wの間、約0.1%から約7.0%w/wの間、約0.1%から約6.0%w/wの間、約0.1%から約5.0%w/wの間、約0.1%から約4.0%w/wの間、約0.1%から約3.0%w/wの間、約0.1%から約2.0%w/wの間、約0.1%から約1.0%w/wの間、約1.0%から約10%w/wの間、約1.0%から約9.0%w/wの間、約1.0%から約8.0%w/wの間、約1.0%から約7.0%w/wの間、約1.0%から約6.0%w/wの間、約1.0%から約5.0%w/wの間、約1.0%から約4.0%w/wの間、約1.0%から約3.0%w/wの間、約1.0%から約2.0%w/wの間、約2.0%から約10%w/wの間、約2.0%から約9.0%w/wの間、約2.0%から約8.0%w/wの間、約2.0%から約7.0%w/wの間、約2.0%から約6.0%w/wの間、約2.0%から約5.0%w/wの間、約2.0%から約4.0%w/wの間、約2.0%から約3.0%w/wの間、約3.0%から約10%w/wの間、約3.0%から約9.0%w/wの間、約3.0%から約8.0%w/wの間、約3.0%から約7.0%w/wの間、約3.0%から約6.0%w/wの間、約3.0%から約5.0%w/wの間、約3.0%から約4.0%w/wの間、約4.0%から約10%w/wの間、約4.0%から約9.0%w/wの間、約4.0%から約8.0%w/wの間、約4.0%から約7.0%w/wの間、約4.0%から約6.0%w/wの間、約4.0%から約5.0%w/wの間、約5.0%から約10%w/wの間、約5.0%から約9.0%w/wの間、約5.0%から約8.0%w/wの間、約5.0%から約7.0%w/wの間、約5.0%から約6.0%w/wの間、約6.0%から約10%w/wの間、約6.0%から約9.0%w/wの間、約6.0%から約8.0%w/wの間、約6.0%から約7.0%w/wの間、約7.0%から約10%w/wの間、約7.0%から約9.0%w/wの間、約7.0%から約8.0%w/wの間、約8.0%から約10%w/wの間、約8.0%から約9.0%w/wの間、又は約9.0%から約10%w/wの間である。
【0066】
追加の成分
ある特定の実施形態では、本技術の組成物は、追加の成分を含む。組成物中に存在し得る追加の成分の例は、界面活性剤である。界面活性剤は、一般に、2つの液体の間、気体と液体の間、又は液体と固体の間の表面張力を低下させるために使用され、洗剤、湿潤剤、乳化剤、発泡剤、又は分散剤として作用し得る。界面活性剤は通常、両親媒性の有機化合物であり、つまりそれらは、疎水性基(尾部)及び親水性基(頭部)の両方を含み、頭部基の組成に応じてアニオン性、カチオン性、双性イオン性又は非イオン性に分類される。
【0067】
ある特定の実施形態では、本技術の組成物の少なくとも1種の界面活性剤の割合は、約0.1%から約5.0%w/wの間、約0.1%から約4.0%w/wの間、約0.1%から約3.0%w/wの間、約0.1%から約2.0%w/wの間、約0.1%から約1.0%w/wの間、約0.1%から約0.5%w/wの間、約0.5%から約5.0%w/wの間、約0.5%から約4.0%w/wの間、約0.5%から約3.0%w/wの間、約0.5%から約2.0%w/wの間、約0.5%から約1.0%w/wの間、約1.0%から約5.0%w/wの間、約1.0%から約4.0%w/wの間、約1.0%から約3.0%w/wの間、約1.0%から約2.0%w/wの間、約2.0%から約5.0%w/wの間、約2.0%から約4.0%w/wの間、約2.0%から約3.0%w/wの間、約3.0%から約5.0%w/wの間、約3.0%から約4.0%w/wの間、又は約4.0%から約5.0%w/wの間であってもよい。
【0068】
ある特定の実施形態では、本技術の組成物で使用される界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であってもよい。これらの界面活性剤は電荷を帯びていないため、硬水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンと相互作用しない。非イオン性界面活性剤の主要な群は、長鎖アルコールとエポキシエタンを縮合させてエーテルを形成することによって作製されたエトキシレートである。長鎖アルコールは、合成又は天然資源のいずれかに由来し得る。エトキシレートの親水性は、一般に、水と水素結合を形成する分子内の多数の酸素原子の存在によって付与される。一般に、非イオン性界面活性剤は、同様の濃度のアニオン性界面活性剤よりも界面活性が高く、優れた乳化剤であると考えられている。これらの実施形態のある特定の実装形態では、非イオン性界面活性剤は、ポリエトキシル化非イオン性界面活性剤である。これらの実施形態の更なる実装形態では、ポリエトキシル化非イオン性界面活性剤は、6個のエトキシル化基を含む。他の好適な非イオン性界面活性剤としては、限定するものではないが、アルコキシル化アルコール又はエーテル;アルキルエトキシレート;アルキルアミドエトキシレート;アルキルグルコシド;アルコキシル化カルボン酸;アルキル鎖長が8から24までであるソルビタン誘導体等、例えば、ノニルフェノールエトキシレート-3;アルキルエトキシレート-3;オレイルカルボン酸ジエチルアミド等;及びこれらの混合物が挙げられる。
【0069】
他の実施形態では、本技術の組成物は、少なくとも1種のポリマーを含む。本技術の組成物での使用に好適なポリマーは、合成由来のものでも天然由来のものでもよい。この実施形態のある特定の実装形態では、ポリマーは、界面活性剤として作用し得る。高分子界面活性剤は、頭部基及び尾部基の両方においてポリマーからなる界面活性剤である。有利には、高分子界面活性剤は、他の低分子界面活性剤よりもはるかに低い濃度でミセルを形成する。更に、高分子界面活性剤は、油/水乳剤中の油と水の間の界面張力を低下させるのに効果的であり、したがって、より小さな液滴の形成を促進し、それによって水性及び非水性乳剤を安定化させる。本技術の組成物での使用に好適な合成ポリマーの非限定的な例としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、PEG-アルキド、A-B-Aトリ-ブロックコポリマー、オリゴマー、櫛型グラフトコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。この実施形態の好ましい実装形態では、PVPが、合成高分子界面活性剤として使用される。
【0070】
これらの実施形態の他の実装形態では、天然ポリマーは、本技術の組成物において界面活性剤として使用され得る。本技術の組成物での使用に好適な天然ポリマーの非限定的な例としては、アルギン酸塩、ペクチン、タンパク質ベースの生成物、キトサン等が挙げられる。この実施形態の好ましい実装形態では、キトサンが、天然高分子界面活性剤として使用される。他の実施形態では、天然及び合成ポリマー界面活性剤の組み合わせが、組成物において使用され得る。例えば、一部の実装形態では、PVP及びキトサンの混合物が使用され得る。
【0071】
他の実施形態では、本技術の組成物は、少なくとも1種の植物油抽出物を更に含んでもよい。この実施形態のある特定の実装形態では、植物油抽出物は、界面活性剤として作用し得る。本技術の組成物における界面活性剤としての使用に好適な植物油の非限定的な例としては、ティーツリー油、ユーカリ油、キャノーラ油、ひまし油、大豆油等が挙げられる。更なる実施形態では、本技術の組成物は、共界面活性剤として共に作用する、上に列挙した界面活性剤の任意の組み合わせを含んでもよい。任意選択で、界面活性剤は、生分解性であってもよい。
【0072】
一部の実施形態では、本技術の組成物は、鉱物、乳化剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、安定剤、懸濁化剤、補助剤、防腐剤、ポリマー、酸、塩基、染料、不凍液、殺生物剤、充填剤、湿潤剤、又は溶媒/希釈剤から選択される少なくとも1種の添加剤を更に含んでもよい。好適な物質は、表面の処理に典型的には使用でき、組成物と相溶性のものである。
【0073】
組成物中の添加剤の割合は、フェニルプロパノイド系内の少なくとも1種の天然に存在する化合物、フェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、又は特定の実施形態に存在する天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体の各々の割合に応じて、約5%から約90%の間であってもよい。一部の実施形態では、添加剤は、希釈剤であってもよい。本実施形態の一部の実装形態では、希釈剤は、水であってもよい。更なる実装形態では、希釈剤は、エステル又は乳酸エチルであってもよい。エステルは、合成でも天然でもよい。一実施形態では、希釈剤は、天然に存在するエステル、例えば乳酸エチル、クエン酸エチル、クエン酸トリエチル等である。
【0074】
ある特定の実施形態では、フェニルプロパノイド系内の少なくとも1種の天然に存在する化合物、フェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、又は天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体のうちのいずれか1種又は複数は、抗真菌特性を有し得る。
【0075】
他の実施形態では、フェニルプロパノイド系内の少なくとも1種の天然に存在する化合物、フェニルプロパノイド系内の化合物の少なくとも1種の合成誘導体、天然に存在する芳香族アミノ酸の少なくとも1種のD-異性体、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体の少なくとも1種の合成誘導体、少なくとも1種の天然モノテルペノイドフェノール、又は天然モノテルペノイドフェノールの少なくとも1種のハロゲン化誘導体のうちのいずれか1種又は複数は、抗芽胞形成及び/又は抗マイコトキシン特性を含む抗カビ特性を有し得る。
【0076】
カビは、特定の分類学的又は系統発生的分類を形成しないが、接合菌門、不完全菌門、及び子嚢菌門の門に見られる。何千もの公知の種のカビがあり、日和見病原体、排他的な腐生生物、水生種、好熱菌を含む。すべての真菌と同様に、カビは光合成ではなく、それらが生息する有機物からエネルギーを得る。繁殖するために、カビは気流によって運ばれ得る胞子を生成する。カビからの胞子の形成及び放出は、芽胞形成と称される。これらの胞子が表面に到達した場合、カビに成長するためには、栄養素、水分、及び時間の3つのことだけが必要となる。それらの大きさのために、いくつかの胞子は無期限に空中に浮遊し続けることができ、カビ胞子は、家庭及び職場のほこりの一般的な成分である。カビ胞子が大量に存在する場合、ヒトに健康被害をもたらす可能性がある。多くのカビはまた、競合する微生物の増殖を阻害するためにマイコトキシンを分泌する。重要なことに、いくつかのマイコトキシンは、ヒト及び動物に深刻な健康上のリスクをもたらす。
【0077】
ある特定の実施形態では、本技術の組成物の抗真菌及び/又は抗カビ特性は、生真菌細胞の増殖、真菌への胞子の成長のうちのいずれか1つ又は複数を阻害する能力、又は生真菌細胞を直接死滅させる能力と関連し得る。組成物の抗真菌性及び/又は抗カビ特性はまた、芽胞形成を阻害する能力、及び/又はカビ又は真菌からのマイコトキシンの放出を阻害する能力と関連し得る。
【0078】
ある特定の実施形態では、本技術の組成物の抗カビ特性は、アスペルギルス(Aspergillus)属の真菌に対するものである。アスペルギルス属の真菌はカビであり、そのうちアスペルギルス・フミガツス、アスペルギルス・フラブス、及びアスペルギルス・ニゲルは、ヒトにとって最も危険であることが公知である。アスペルギルス・フミガツスからの胞子への曝露は、ヒトに重度のアレルギー反応を引き起こす。更に、アスペルギルス・フラブスは、人間に知られている最も強力な発がん物質の1つであるマイコトキシンアフラトキシンを生成する。また、アスペルギルス・ニゲルは、しばしばヒトの肺で活発に増殖し、真菌球を形成する。ある特定の実装形態では、組成物の抗カビ特性は、アスペルギルス・フミガツス、アスペルギルス・フラブス、アスペルギルス・ニゲル又はアスペルギルス属の他の任意の種のうちのいずれか1種又は複数に対するものであってもよい。
【0079】
更に他の実施形態では、本技術の組成物の抗カビ特性は、極めて毒性で、発がん性であり免疫抑制性のマイコトキシンを産生するスタキボトリス・チャルタルムに対するものである。更なる実施形態では、本技術の組成物の抗カビ特性は、黒カビ、スラドスポリウム(Sladosporium)、クラドスポリウム、フザリウム又はペニシリウム種のいずれか1種又は複数に対するものであってもよい。
【0080】
別の態様から、本技術は、真菌増殖を防止する表面を処理するための方法に関する。処理方法は、表面の真菌増殖の除去、防止及び/又は予防的処理、低減、及び/又は再発に対する耐性にまで及ぶ。概して、この方法は、本明細書に記載の抗真菌組成物のいずれか1種又は複数の有効量と表面とを接触させる工程を含む。
【0081】
ある特定の実施形態では、表面は建物の任意の表面であり、好適な表面の例としては、限定するものではないが、学校、病院、ホテル、住宅、アパート、マンション、商業用不動産、搬出口、オフィス、モジュール式建物(modular building)、輸送システム(例えば、メトロ、空港、バス停)、及び産業の仕事場での表面が挙げられる。この処理方法はまた、クルーズ船の場合のような居住区域を含む船舶及び航空機に適用され得る。さまざまな表面を、本技術の方法及び組成物を使用して処理することができ、例えば、以下を含む:金属表面、例えば、鋼、アルミニウム及びアルミニウム合金、銅及び銅合金、亜鉛及び亜鉛合金;プラスチック、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリオレフィン、エポキシド、ナイロン並びに他の非金属表面、例えば木材、セラミック、ガラス、コンクリート等。本明細書に記載の実施形態のいずれか1種又は複数に従って処理され得る建築材料の他の例としては、壁板、換気装置及びエアハンドリング装置の表面領域、ACコイル、下張り床、木製パネル、レンガ、コンクリート、OSBボード、カーペット、シートロック等が挙げられる。
【0082】
本技術の組成物は、完成した構造物又は建設中の構造物に適用され得る。この組成物は、汚染表面の処理及び将来の汚染を回避又は抑制するための非汚染表面の予防処理に有用である。理論に束縛されることを望まないが、非感染表面の予防処理において、組成物は表面に吸収され、カビに関連する生細胞、胞子、及びマイコトキシン等の真菌物質の増殖を阻害する。例えば、真菌物質を有しない表面を組成物で処理した場合、何百万もの胞子及び/又は生細胞が表面に接種されたとしても、前記表面はカビに対して抵抗性になる。本技術の組成物は、壁板及びシートロックの後ろの表面領域、通気口、空調ダクト、及びフィルター内の表面領域等、完成した建物に隠れる表面領域への接近及び前処理が容易である場合に、建設中の建物の予防処理に特に有用である。
【0083】
他の実施形態では、組成物は、雨の漏る屋根、屋内配管、又は一般的なビルメンテナンスの問題に起因する浸水後の表面の処理に有用である。建物内で水害が一度発生した後、カビは壁の内側で増殖し、その後高湿度となるまで休眠状態になる。このような状況では、本技術の組成物による汚染された表面の処理は、水分源の遮断、日光への暴露、換気、非多孔質建築材料の設置等の他の一般的な対応策と組み合わせてもよい。
【0084】
他の実施形態では、表面は、手術室又は患者治療室等の病院内の任意の表面、及びカビに対してゼロトレランスである研究施設、又は製薬産業の施設、例えば、製造領域における他の表面であってもよい。他の実施形態では、表面は、医療機器又は埋め込み医療機器、例えば、カテーテル、呼吸管及び人工装具等の表面であってもよい。このような実施形態では、本技術の組成物は、埋め込み前に医療機器に適用され得る。代替的に、本技術の組成物は天然のものであり、ヒト及び動物に対して無毒性であるので、組成物が埋め込み後に制御された様式で放出され得るように、医療機器は、組成物を含有するリザーバーを含むことができる。
【0085】
更なる実施形態では、表面は、植物(例えば、根、茎、葉又は枝葉、新芽(originating shoot)等)及び/若しくは種子、及び/若しくは土壌の表面、植物が成長するか、又は成長する可能性のある領域及び環境、並びに/又は植物に有害な1種又は複数の真菌による攻撃又は侵入から保護されるべき材料、植物、種子、土壌、表面、及び/若しくは空間であり得る。このような実施形態では、方法は、このような表面、又は真菌増殖から保護するための表面に存在する有害な真菌を、本明細書に記載の組成物のいずれか1種又は複数の有効量と接触させる工程を含む。ある特定の実施形態では、真菌増殖に対して処理又は保護される表面は、限定するものではないが、農業植物に関連するものを含む。農業植物とは、その一部(例えば種子)又はすべてが、商業規模で収穫又は栽培されている植物、又は飼料、食物、繊維(例えば、綿、リネン)、可燃物(例えば、木材、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオマス)又は他の化学化合物の重要な供給源として機能する植物を意味する。農業植物の例としては、穀物、例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、カラスムギ、ソルガム又はコメ、ビート、例えば、テンサイ又は飼料用ビート;果物、例えば、ナシ状果、核果(stone fruit)又はソフトフルーツ(soft fruit)、例えば、リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、又はグーズベリー;マメ科植物、例えば、ヒラマメ、エンドウ、アルファルファ、又は大豆;油性植物、例えば、ナタネ、セイヨウアブラナ、カノーラ、アマニ、カラシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、カカオ豆、ヒマ、アブラヤシ、ラッカセイ又は大豆;ウリ科植物、例えば、カボチャ、キュウリ、又はメロン;繊維植物、例えば、綿、アマ、アサ、又はジュート;柑橘系の果物、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、又はみかん;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ科植物又はパプリカ;クスノキ科植物、例えば、アボカド、シナモン、又はシヨウノウ;エネルギー及び原材料植物、例えば、トウモロコシ、大豆、ナタネ、カノーラ、サトウキビ、又はアブラヤシ;タバコ;ナッツ;コーヒー;チャ;バナナ;ブドウ(食用ブドウ及びブドウジュース用ブドウ(grape juice grape vine));ホップ;芝草;天然ゴム植物が挙げられる。他の実施形態では、農業植物は、圃場作物、例えばジャガイモ、テンサイ、穀物、例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、カラスムギ、ソルガム、コメ、トウモロコシ、綿、ナタネ、セイヨウアブラナ及びカノーラ、マメ科植物、例えば、大豆、エンドウ及びソラマメ、ヒマワリ、サトウキビ、野菜、例えばキュウリ、トマト、タマネギ、リーキ、レタス及びカボチャであってもよい。
【0086】
なお更なる実施形態では、真菌増殖に対して処理又は保護される表面は、園芸植物に関連するものを含む。「園芸植物」とは、園芸、例えば観賞植物の栽培で一般的に使用されている植物、並びにガーデニングで、例えば、公園、庭園、及びバルコニーで一般的に使用されている植物を意味する。観賞植物の例は、芝草、ゼラニウム、テンジクアオイ、ペチュニア、ベゴニア、及びフクシアである。
【0087】
他の実施形態では、真菌増殖に対して処理又は保護される表面は、造林植物に関連するものを含む。「造林植物」とは、樹木、より具体的には森林再生又は産業植林で使用される樹木を意味する。産業植林は、一般に、林産物、例えば、木材、パルプ、紙、ゴムの木、クリスマスツリー、又はガーデニング目的の若木の商業生産に役立つ。造林植物の例は、マツのような針葉樹、特にマツ種(Pinus spec)、モミ及びトウヒ、ユーカリ、チーク、ゴムの木、アブラヤシのような熱帯の木、ヤナギ(ヤナギ属(Salix))、特にヤナギ種(Salix spec)、ポプラ(ハコヤナギ)、特にポプラ種(Populus spec)、ブナ、特にブナ種(Fagus spec)、カバノキ、アブラヤシ及びオークである。
【0088】
更に他の実施形態では、表面は、真菌増殖を支持し得る任意の製造物品の表面であり得る。有利には、本技術の組成物は、無毒であり、したがってヒト(子供を含む)にとって安全であり、したがって、ヒト及び/又は動物が占める家庭又は他の環境に一般的に存在する製造物品での使用に好適である。製造物品の例としては、例えば衣服、玩具、家具及びペット物品、例えばブラシ、スポンジ、櫛等が挙げられる。
【0089】
本技術の組成物は、噴霧、霧化、コーティング、浸漬、水浸超音波(immersion ultrasonic)、又はディップ等の適用技術を使用することを含む、任意の公知又は好適な方法で表面に適用され得る。一実施形態によれば、標準的な噴霧適用技術を採用して、本明細書に記載の実施形態のいずれか1種又は複数を建物表面に適用する。標準的な噴霧装置が使用され得る。組成物は、これらの実施形態では、細菌及び真菌の増殖及び胞子発芽の発生を防止するために、大きさが15ミクロンを超える粒子を含んでもよい。別の実施形態によれば、霧化燻蒸技術が組成物の適用のために採用される。霧化燻蒸適用は、組成物を約7ミクロン~約15ミクロンの大きさの粒子にミスト化し、粒子を建物表面に接触させることを含む。市販の装置が、建物表面に組成物を噴霧又は霧化するために使用され得る。市販の装置の特に有用な例としては、フロリダ州Deerfield BeachのFogmasters, Inc.社製のModel 7808 NOZ-L-JET噴霧器及びアーカンソー州North Little RockのLafferty Equipment Manufacturing, Inc社製の534 Specialty Fogger/atomizerが挙げられる。
【0090】
ある特定の実施形態では、本技術の組成物は、表面上で放置乾燥させてもよい。他の実施形態では、組成物は、所定の期間表面に接触させるために放置しておいてもよい。組成物と清浄にする表面との接触時間は、少なくとも24時間、より好ましくは約24時間~約48時間であってもよいが、より短い又はより長い接触時間が選択されてもよい。接触時間は、真菌の量及び種類、並びに清浄にする表面の他の汚染、表面の材料構成及び多孔性、並びに採用される特定の適用技術及び装置の有効性を含む、いくつかの相互依存変動要素に応じる。これらの実施形態では、接触期間に続く組成物の除去は、水ですすぐ等の公知の技術を使用して達成することができる。処理は、所望により又は必要に応じて繰り返してもよい。更に、具体化された処理は、他の製品及び薬剤と組み合わせてもよい。例えば、表面は、所望により、本発明組成物の適用前に過剰な汚れ及び染みを除去するために前処理されてもよい。任意選択で、表面は、前処理又は後処理手順に供されてもよく、又は組成物の除去の前又は後に他の抗菌性又は洗浄製品で更に処理されてもよい。複数の異なる抗菌組成物を、同時に又は連続して適用してもよい。
【0091】
他の実施形態では、本技術は、食品中の真菌の増殖を予防及び/又は阻害するための方法に関する。概して、この方法は、本明細書に記載の抗真菌組成物のいずれか1種又は複数の有効量と食品の表面とを接触させる工程を含む。食品の表面の例としては、缶、瓶、乾燥ソーセージの皮等の表面が含まれる。これらの実施形態において、抗カビ効果は、食品の腐敗又は食品を媒介する疾患に関連する真菌又はカビ、例えば、カンジダ(Candida)(例えば、C.クルセイ(C. krusei)、C.パラプシローシス(C. parapsilosis)、C.ユチリス(C. utilis)、C.ヴァリダ(C. valida))、デッケラ(Dekkera)(例えばD.ブルクセレンシス(D. bruxellensis))、デバリオミセス(Debaryomyces)(例えばD.ハンセニー(D. hansenii))、ハンセニアスポラ(Hanseniaspora)(例えば、H.ウバルム(H. uvarum))、クルイベロミセス(Kluyveromyces)(例えば、K.ロクチス(K. loctis))、ピチア(Pichia)(P.メンブラネファシエンス(P. membranaefaciens))、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、ロドトルア(Rhodotorula)(Rhムシラギノサ(Rh mucilaginosa))、サッカロミセス(Saccharomyces)(例えば、S.バヤヌス(S. bayanus)、S.ブラルジ(S. boulardi)、S.カールスベルゲンシス(S. carlsbergensis)、S.セレビシアエ(S. cerevisiae)、S.エクシグウス(S. exiguus)、S.フロレンチヌス(S. florentinus)、S.ユニスポルス(S. unisporus))、ジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)(例えば、Z.ロウキシー(Z. rouxii)、Z.バイリ(Z baili))及びカビ、特にアスペルギルスの種のカビ(例えばA.ニゲル(A. niger)、A.レストリクツス(A. restrictus)、A.ベルシコロル(A. versicolor)、A.フラブス(A. flavus))、ビソクラミス(Byssochlamys)(例えば、B.フルバ(B. fulva)、B.ニベア(B. nivea))、エウペニシリウム(Eupenicillium)、エウロチウム(Eurotium)、フサリウム(Fusarium)(F.オキシスポルム(F. oxysporum)、F.グラミネアルム(F. graminearum)、F.ソラニ(F. solani))、ゲオトリクム(Geotrichum)、ムコル(Mucor)、ネオサフトルヤ(Neosaftorya)(例えばN.フィスケリフィスケリ(N. fischer var. fischerl))、ペニシリウム(例えば、P.イスランジクム(P. islandicum)、P.シトリヌム(P. citrinum)、P.クリソゲヌム(P. chrysogenum)、P.アウランチオグリセム(P. aurantiogriseum)、P.ブレビオコンパクツム(P. brevicompactum)、P.カメンベルティ(P. camembertii)、P.カンジズム(P. candidum)、P.クリソゲヌム(P. chrysogenum)、P.コミュヌ(P. commune)、P.コリロフィルム(P. corylophilum)、P.シクロピウム(P. cyclopium)、P.ジスコロル(P. discolor)、P.ナルギオベンス(P. nalgiovense)、P.ログエホルチ(P. rogueforti))、タラロミセス(Talaromyces)(例えば、T.マクロスポルス(T. macrosporus))に関する。好ましい実施形態では、本技術の組成物の抗カビ特性は、黒カビ、スラドスポリウム、クラドスポリウム、フザリウム又はペニシリウム種のいずれか1種又は複数に対するものであってもよい。代替的に、本技術の組成物は、飲料等の食品(ヒト又は愛玩動物及び/若しくは動物)に組み込まれてもよい。
【0092】
他の実施形態では、本技術の組成物は、天然モノテルペノイドフェノール類の単一又は組み合わせを有する精油の混合物を含む。この組成物は、製薬産業、建設産業、ヘルスケア産業、製造業及び他の産業において使用され得る。このような実施形態では、組成物は、2種の精油を含み、第1の精油はティーツリー油であり、第2の精油はユーカリ油である。ティーツリー油は、組成物の全質量の0.5質量%プラス/マイナス0.1質量%の量で組成物中に存在する。ユーカリ油は、組成物の全質量の0.5質量%プラス/マイナス0.1質量%の量で組成物中に存在する。一部の実施形態では、組成物は、鉱物、乳化剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、安定剤、懸濁化剤、補助剤、防腐剤、ポリマー、酸、塩基、染料、不凍液、殺生物剤、充填剤、湿潤剤、及び溶媒/希釈剤から選択される少なくとも1種の添加剤を更に含む。好適な物質は、表面の処理に典型的には使用でき、組成物と相溶性のものである。
【0093】
一部の実施形態では、本技術の組成物は、ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7)を更に含み、このホウ酸ナトリウムは、組成物の全質量の0.3%プラス/マイナス組成物の全質量の0.2%の量で組成物中に存在する。一部の実装形態では、本技術の組成物は、乳化剤を更に含み、例えば、組成物の全質量の2質量%プラス/マイナス0.5質量%の濃度を有する6~9モルのエチレングリコールでエトキシル化されたイソデシルアルコールを更に含む。本技術の組成物は、天然ポリエン殺生物剤ナイスタチンを更に含んでもよく、ナイスタチンの濃度は、組成物の全質量の0.03%プラス/マイナス0.02%である。組成物は、アルファリポ酸(ALA)と呼ばれるカプリル酸(オクタン酸)から誘導される有機硫黄酸を更に含んでもよい。組成物中のALA濃度は、組成物の全質量の0.06%プラス/マイナス0.01%である。組成物は、乳酸エチル等の乳酸のエチルエステルを更に含んでもよい。乳酸エチルの濃度は、組成物の全質量の5.0%プラス/マイナス1.0%である。本技術の組成物は、防腐剤を含んでもよく、例えば、天然モノテルペノイドフェノール誘導体チモールを含んでもよく、このチモールは、組成物の全質量の0.5%プラス/マイナス0.1%の濃度で組成物中に存在する。本技術の組成物中に存在し得る別の成分は、天然アミノ酸フェニルアラニン(D-Phe)のD異性体である。組成物中のD-Pheの濃度は、0.01%プラス/マイナス0.002%である。
【実施例
【0094】
(実施例1)
カビ改善のための抗真菌組成物の調製
カビ改善のための抗真菌組成物を、
好適な量のフェニルプロパノイド及びその合成誘導体、
好適な量の天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体及びそのメチルエステル誘導体、
好適な量の天然モノテルペノイドフェノール及びそのヨード誘導体、
好適な量の植物油抽出物、並びに
好適な量の天然ポリマー及び水を工業用ミキサーで混合することによって、
フェニルプロパノイド及びその合成誘導体、天然に存在する芳香族アミノ酸のD-異性体及びそのメチルエステル誘導体、天然モノテルペノイドフェノール及びそのヨード誘導体、植物油抽出物並びに天然ポリマーの各々の最終割合が、それぞれ約0.01%から約5%w/wの間、約0.01%から約5%w/wの間、約0.1%から約10%w/wの間、約0.1%から約10%w/wの間、及び約0.1%から約5%の間となるように調製した。
【0095】
食品(Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラ)及び医薬品(Mold Guard(登録商標)ファルマフォーミュラ)用途の抗真菌組成物の微生物試験を、カリフォルニア州San DiegoのExpert Chemical Analysis社で行った。両方の組成物を、一般的な真菌種に対して試験し、両方とも処理された表面の真菌増殖を停止させることに成功したことが証明された。
【0096】
食品組成物を、滅菌ソーセージケーシングで試験した。試験した真菌種は、以下を含んでいた。ペニシリウム・クリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)ATCC 10106;ペニシリウム・フニクロスム(Penicillium funiculosum)ATCC 8725;アスペルギルス・ブラシリエンシス(Aspergillus brasiliensis)SN26 ATCC 9642;トリコデルマ・ビレンス(Trichoderma virens);T-1 ATCC 9645;アウレオバシヅム・プルランス・メラニゲヌム(Aureobasidium pullulans; var.Melanigenum);QM 279c ATCC 15233;テラロミセス・ピノフィルス(Telaromyces pinophilus)ATCC 9644;及びカエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum);QM 459 ATCC 6205。
【0097】
各試料を、滅菌栄養塩類寒天(pH6.5)を含むペトリ皿(150mm)、及び組成物(Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラ)で処理した滅菌ソーセージケーシングを使用して試験した。陰性対照は、Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラで処理していない2片の滅菌ソーセージケーシングであった。ソーセージケーシングを固化した基礎塩類寒天に包埋し、100マイクロリットルの真菌懸濁液を接種した。2片のソーセージケーシングを使用して、ケーシングの内面及び外面を試験した。対照試料についても同じ処理を使用した。7種の真菌株を別々に試験した。接種された試験片を、28~30℃(82~86°F)にて相対湿度85%以上でインキュベートした。試験の長さは、ASTM G21真菌汚損試験で推奨されているように、28日間のインキュベーションであった。対照試料は、広範な増殖を示したために20日目に終了させた。試料は、真菌増殖の目に見える影響について、接種後4、12、20、及び28日目に調査した。以下が観察された。
1.Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラで処理したソーセージケーシングは、接種後28日目に真菌増殖の兆候を示さなかった。
2.Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラで処理せず、ペニシリウム・クリソゲヌム及びペニシリウム・フニクロスムを接種したソーセージケーシング対照試料は、4日目までに60%未満が真菌で覆われ、12日目までに100%が覆われた。
3.Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラで処理せず、アスペルギルス・ブラシリエンシス及びトリコデルマ・ビレンスを接種したソーセージケーシング対照試料は、4日目までに100%が真菌で覆われた。
4.Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラで処理せず、アウレオバシヅム・プルランス・メラニゲヌム、テラロミセス・ピノフィルス、及びカエトミウム・グロボスムを接種したソーセージケーシング対照試料は、4日目までに30%、12日目までに100%が覆われた。
【0098】
Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラで処理したソーセージケーシング試料は、28~30℃(82~86°F)にて、相対湿度85%以上で(ASTM G21真菌汚損試験で要求される)28日間真菌増殖を防いだ。我々のデータは、Mold Guard(登録商標)フードフォーミュラが、処理された表面での真菌増殖を防止できることを示した。
【0099】
医薬品配合物(Mold Guard(登録商標)ファルマフォーミュラ)を、乾式壁片で試験した。試験した真菌種は、以下を含んでいた。ペニシリウム・クリソゲヌムATCC 10106;トリコデルマ・ビレンス;T-1 ATCC 9645;アウレオバシヅム・プルランス・メラニゲヌム;QM 279c ATCC 15233;テラロミセス・ピノフィルスATCC 9644;カエトミウム・グロボスム;QM 459 ATCC 6205。
【0100】
各試料を、滅菌栄養塩類寒天(pH6.5)を含むペトリ皿(150mm)、及び組成物(Mold Guard(登録商標)ファルマフォーミュラ)で処理した滅菌乾式壁(直径2フィート)を使用して試験した。陰性対照は、Mold Guard(登録商標)ファルマフォーミュラで処理していない2片の滅菌乾式壁であった。2インチの乾式壁片を固化した基礎塩類寒天に包埋し、100マイクロリットルの真菌懸濁液を接種した。対照試料についても同じ処理を使用した。5種の真菌株を別々に試験した。接種された試験片を、28~30℃(82~86°F)にて相対湿度85%以上でインキュベートした。試験の長さは、ASTM G21真菌汚損試験で推奨されているように、28日間のインキュベーションであった。対照試料は、広範な増殖を示したために20日目に終了させた。試料は、真菌増殖の目に見える影響について、接種後4、12、20、及び28日目に調査した。以下が観察された。
1.Mold Guard(登録商標)ファルマフォーミュラで処理した乾式壁は、接種後28日目に真菌増殖の兆候を示さない。
2.Mold Guard(登録商標)ファルマフォーミュラで処理せず、ペニシリウム・クリソゲヌム、テラロミセス・ピノフィルス及びカエトミウム・グロボスムを接種した乾式壁対照試料は、4日目までに60%未満が真菌で覆われ、12日目までに100%が覆われた。
3.Mold Guard(登録商標)ファルマフォーミュラで処理せず、トリコデルマ・ビレンスを接種した乾式壁対照試料は、4日目までに100%が真菌で覆われた。
4.Mold Guard(登録商標)ファルマフォーミュラで処理せず、アウレオバシヅム・プルランス・メラニゲヌムを接種した乾式壁対照試料は、4日目までに60%未満、12日目までに90%以上が覆われた。
【0101】
Mold Guardで処理した乾式壁試料は、28~30℃(82~86°F)にて、相対湿度85%以上で(ASTM G21真菌汚損試験で要求される)28日間真菌増殖を防いだ。このデータは、本技術の組成物が、処理された表面での真菌増殖を防止できることを示している。
【0102】
変形形態及び修正形態は、本開示を検討した後には当業者に思い浮かぶであろう。開示された特徴は、本明細書に記載の1つ又は複数の他の特徴と共に、任意の組み合わせ及び部分的組み合わせ(複数の従属的組み合わせ及び部分的組み合わせを含む)で実装され得る。上記に記載又は例示されたさまざまな特徴は、その任意の構成要素を含めて、他の系に組み合わされるか、又は統合されてもよい。更に、ある特定の特徴が省略されても、実装されなくてもよい。変化形態、置換形態、及び変更形態の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書に開示される情報の範囲から逸脱することなく行うことができる。
【0103】
本技術は、本明細書に記載及び例示される特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義される本技術の範囲内にあるすべての修正形態及び変形形態を含むことを理解されたい。
【国際調査報告】