(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】シースの段階的拡張部
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A61M25/00 540
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528691
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 US2021058934
(87)【国際公開番号】W WO2022103932
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523176956
【氏名又は名称】エボリューションメドベンチャーズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】サミール ガフール
(72)【発明者】
【氏名】アハメド エルムエルヒ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB09
4C267BB11
4C267BB12
4C267CC08
4C267GG01
4C267HH08
(57)【要約】
シースアセンブリは、第1のシースと、第2のシースと、取り付け機構と、を含む。第1のシースは、第1のシースの長手方向中心軸に沿って第1のシースの第1の端部分と第1のシースの第2の端部分との間に延在する第1のシース管腔を画定する、第1のシースの内面を含む。第2のシースは、第2のシースの長手方向軸に沿って第2のシースの第1の端部分と第2のシースの第2の端部分との間に延在する第2のシース管腔を画定する、第2のシースの内面を含む。取り付け機構は、第2のシースを第1のシースに結合する。取り付け機構は、取り付け機構のステップアップ拡張部を含む。取り付け機構の少なくとも一部分は、取り付け機構のステップアップ拡張部において第1のシースの長手方向中心軸を中心に非対称である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シースアセンブリであって、
第1のシースの第1の端部分と、前記第1のシースの第1の端部分に対向する第1のシースの第2の端部分と、第1のシースの内面と、前記第1のシースの内面に対向する第1のシースの外面とを含む、第1のシースであって、前記第1のシースの内面が、第1のシースの長手方向中心軸に沿って前記第1のシースの第1の端部分と前記第1のシースの第2の端部分との間に延在する、第1のシース管腔を画定する、第1のシースと、
第2のシースの第1の端部分と、前記第2のシースの第1の端部分に対向する第2のシースの第2の端部分と、第2のシースの内面と、前記第2のシースの内面に対向する第2のシースの外面と、を含む、第2のシースであって、前記第2のシースの内面が、第2のシースの長手方向軸に沿って前記第2のシースの第1の端部分と前記第2のシースの第2の端部分との間に延在する、第2のシース管腔を画定する、第2のシースと、
前記第2のシースを前記第1のシースに結合する取り付け機構であって、前記取り付け機構が、取り付け機構のステップアップ拡張部を含み、前記取り付け機構の少なくとも一部分が、前記取り付け機構のステップアップ拡張部において前記第1のシースの長手方向中心軸を中心に非対称である、取り付け機構と、を備えている、シースアセンブリ。
【請求項2】
前記取り付け機構のステップアップ拡張部が、前記第1のシースの第2の端部分と前記第2のシースの第2の端部分との間に位置付けられる、請求項1に記載のシースアセンブリ。
【請求項3】
前記取り付け機構のステップアップ拡張部が、第1の取り付け機構部分における第1の取り付け機構のステップアップ拡張部と、第2の取り付け機構部分における第2の取り付け機構のステップアップ拡張部と、を含み、前記第2の取り付け機構のステップアップ拡張部が、前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部と異なる、請求項1に記載のシースアセンブリ。
【請求項4】
前記取り付け機構が、前記第1の取り付け機構部分において、前記第1のシースの長手方向中心軸を中心に非対称である第1の長手方向断面プロファイルを含み、前記取り付け機構が、前記第2の取り付け機構部分において、前記第1のシースの長手方向中心軸を中心に対称である第2の長手方向断面プロファイルを含む、請求項3に記載のシースアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の取り付け機構部分及び前記第2の取り付け機構部分が、前記取り付け機構上の共通の長手方向位置に含まれる、請求項4に記載のシースアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の取り付け機構部分が、前記第2のシースの外面と接合し、前記第2の取り付け機構部分が、前記第2のシースに対向する、請求項4に記載のシースアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部が、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ及び第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さによって画定される、第1の傾斜を有し、前記第2の取り付け機構のステップアップ拡張部が、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ及び第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さによって画定される、第2の傾斜を有し、前記第2の傾斜が、前記第1の傾斜と異なる、請求項3に記載のシースアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さが、前記第2のシースに面する前記取り付け機構の側面であり、前記第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さが、前記第2のシースに対向する前記取り付け機構の別の側面であり、前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さが、前記第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さよりも高い、請求項7に記載のシースアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の前記第1の傾斜が、前記取り付け機構と前記第1のシースとの間の最遠位接合部に近接する位置において最も大きくなり、前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の前記第1の傾斜が、前記第2のシースに向かって近位に進む方向において減少する、請求項7に記載のシースアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の前記第1の傾斜が、第1の傾斜領域と、第2の傾斜領域と、を含み、前記第1の傾斜領域が、前記第2の傾斜領域よりも大きい傾斜の大きさを有し、前記第1の傾斜領域が、前記第2の傾斜領域の遠位にあり、前記第1の傾斜領域が、前記取り付け機構と前記第1のシースとの間の前記最遠位接合部から前記第2の傾斜領域まで、前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さの一部分だけ延在する、請求項9に記載のシースアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さが、前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さよりも高い、請求項10に記載のシースアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さが、0.254~1.27cmであり、前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さが、0.254~0.635cmである、請求項10に記載のシースアセンブリ。
【請求項13】
前記取り付け機構が、それに沿って前記取り付け機構の断面直径が一定である前記取り付け機構の一部分を画定する、非拡張領域を含み、前記取り付け機構の前記非拡張領域が、前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部と前記第2のシースの最遠位端との間に長手方向に位置付けられる、請求項3に記載のシースアセンブリ。
【請求項14】
前記非拡張領域が、非拡張領域の長手方向長さに沿って、前記第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の近位端から前記第2のシースの前記最遠位端まで延在し、前記非拡張領域の長手方向長さが、少なくとも5cmである、請求項13に記載のシースアセンブリ。
【請求項15】
前記第2のシースが、第2のシースのステップアップ拡張部を含み、前記第2のシースのステップアップ拡張部が、前記取り付け機構の前記非拡張領域と接合する前記第2のシースの最遠位端に含まれる、請求項13に記載のシースアセンブリ。
【請求項16】
前記第2のシースが、前記取り付け機構に隣接する位置において前記第2のシース管腔の開口部の第1の部分を形成する第1の遠位壁部分を含み、前記第2のシースが、前記取り付け機構に対向する位置において前記第2のシース管腔の前記開口部の第2の部分を形成する第2の遠位壁部分を含み、前記第1の遠位壁部分が、前記シースアセンブリ上で、前記第2の遠位壁部分よりも遠位に位置付けられる、請求項15に記載のシースアセンブリ。
【請求項17】
前記第1のシースの長手方向中心軸に対して画定される角度が、第2のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さにわたって、前記第1の遠位壁部分と前記第2の遠位壁部分との間に延在する傾斜を画定し、前記角度が、15~75度である、請求項16に記載のシースアセンブリ。
【請求項18】
前記第2のシースが、展開状態と収縮状態との間を移行するように構成され、前記第2のシースが、前記展開状態に付勢され、前記第2のシースが、前記第2のシースの外面が血管管腔を画定する血管壁と接触したときに前記展開状態への前記付勢に打ち勝ち、それによって、前記第2のシースを前記収縮状態に移行させるように構成されている、請求項1に記載のシースアセンブリ。
【請求項19】
シースアセンブリを使用する方法であって、
第2のシースの外面の第1の部分が第1のシースの外面と接合するように、取り付け機構を介して第2のシースを第1のシースに固定するステップであって、前記第1のシースが、第1のシースの長手方向中心軸を画定し、前記取り付け機構が、取り付け機構のステップアップ拡張部を含み、前記取り付け機構の少なくとも一部分が、前記取り付け機構のステップアップ拡張部において前記第1のシースの長手方向中心軸を中心に非対称である、固定するステップと、
ガイドワイヤを患者の関心領域に挿入するステップと、
前記第1のシースを前記ガイドワイヤの上に配置して、前記患者の単一のアクセス部位を通して前記第1のシース及び前記第2のシースを前記患者に挿入するステップと、
前記単一のアクセス部位を前記取り付け機構のステップアップ拡張部と接触させ、次いで、前記第2のシースと接触させるステップと、
前記第2のシースを前記患者に挿入した時点で、前記第2のシースを展開状態から収縮状態に移行させるステップであって、前記第2のシースが、前記第1のシースに向かう方向において前記収縮状態に収縮する、移行させるステップと、
前記第2のシースを通して器具を挿入して、前記第2のシースを前記収縮状態から前記展開状態に移行させるステップと、を含む、方法。
【請求項20】
前記単一のアクセス部位を前記取り付け機構のステップアップ拡張部と接触させた後に、かつ前記単一のアクセス部位を前記第2のシースと接触させる前に、前記単一のアクセス部位を取り付け機構の非拡張領域と接触させるステップであって、前記取り付け機構の非拡張領域が、それに沿って前記取り付け機構の断面直径が一定である前記取り付け機構の一部分を画定する、接触させるステップを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月15日に出願された米国仮特許出願第63/113,921号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、一般に、シース、シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び方法に関するものである。特定のかかる実施形態は、シース、シースアセンブリ、並びに関連するシステム及び方法を使用して、例えば血管を通したカテーテル又は他の装置の関心領域への導入を容易にすることができる、例示的なタイプの用途としての医学的な経皮的介入処置及び診断処置の文脈で本明細書に記載されている。
【背景技術】
【0003】
医学的診断処置及び介入処置は、様々な解剖学的場所における1つ以上の状態を評価し、必要に応じて、対処するための措置を講じるために行われる。多くのかかる処置では、カテーテルシースなどの血管内装置は、患者のアクセス部位において患者の血管(例えば、動脈)内に挿入されて、血管を通して特定の関心領域までトラバースされる。
【0004】
心臓領域が関心領域である1つのかかる例では、医学的診断処置及び介入処置は、一般的に、患者に2つの別個のアクセス部位を必要とする。一般に、かかる処置は、1つのアクセス部位を大腿動脈において使用し、もう1つの別個のアクセス部位を橈骨動脈、対側大腿動脈、又は他の同様なサイズの血管(例えば、鎮骨下動脈)において使用する。次いで、これらの別個のアクセス部位を使用して、必要な診断器具及び介入器具を患者に挿入して、これらの器具を別々に心臓の関心領域まで案内する。かかる処置は、一般的に、心臓の関心領域において複数の器具を利用するので、患者の別個のアクセス部位は、器具のペイロードを心臓関心領域までトラバースするための(例えば、大腿動脈及び橈骨動脈の両方を介した)必要な容量を可能にすることができる。
【0005】
更に、動脈への、又は場合によっては静脈へのアクセスを得るために患者のどの特定のアクセス部位が利用されるかにかかわらず、血管新生は困難であり得、既に困難である経皮的処置に追加的な複雑化を加えることになり得る。アクセスの難しさに寄与する因子としては、血管の穿刺の結果としての血管の筋肉層の萎縮、血管壁の厚さ、及び圧力下で配置されたときに血管壁が血管管腔に向かって内向きに転がる傾向、血管自体に到達する前に起こり得る大腿筋膜層の干渉、並びに血管を不安定かつ未固定の標的にする血管の滑り易さ、が挙げられる。長年にわたって、経皮的介入操作者は、Seldinger技術を使用して血管構造にカテーテルを挿入してきた。この方法は、完全に軸対称であり、かつ装置が血管構造に進入するときにいかなる急激な直径の増大も伴うことのない、滑らかで緩やかな軸対称の転換面を含むときにはうまく機能する。その結果、大部分の血管内装置は、滑らかで緩やかな軸対称の転換面を伴って軸対称に設計されてきた。しかしながら、非軸対称(例えば、非対称)の装置が血管構造に挿入される場合では、上記のアクセスの難しさに寄与する因子は、血管新生への非軸対称装置のアクセスを妨げ得る。
【発明の概要】
【0006】
従来の技術では、軸対称装置を血管構造内に導入することができるようになったが、動脈の、又はいくつかの場合では静脈の血管新生への非軸対称装置の効率的なアクセスを容易にすることができる特徴に対する必要性が存在する。例えば、特定の処置は、追加的な装置容量、したがって、複数の装置を送達する能力が必要であり得、その能力によって、単一のアクセス部位において複数のカテーテル又は多管腔非対称カテーテルを使用して、単一のアクセス部位を介して可能な送達容量又はペイロードを増加させるといった利益を得ることができる。本開示は、単一のアクセス部位を介した患者の血管形成への非軸対称(例えば、非対称)装置の効率的なアクセスを容易にするための様々な特徴を記載する。実施例は、互いに離間された(例えば、略「スタック」構成で半径方向に離間された)少なくとも2つのシースを備えたシースアセンブリと、シースアセンブリの断面直径が遠位から近位方向に増加するシースアセンブリの長さに沿って長手方向に離間された一連の2つ以上のステップアップ拡張部と、を含む。
【0007】
概して、本明細書では、シース、シースアセンブリ、アドオンのシースキット、並びに関連するシステム及び方法に関する様々な実施形態が開示される。具体的には、本明細書に開示される実施形態は、非軸対称(例えば、非対称)シース又はシースアセンブリを使用した、患者の単一のアクセス部位を介した医学的診断及び介入処置を容易にすることができる。したがって、本明細書に開示される実施形態は、患者の単一のアクセス部位(例えば、大腿動脈)を使用した経皮的医療介入処置を容易にし、それによって、第2のアクセス部位に対する必要性を排除して(例えば、橈骨動脈のアクセス部位に対する必要性を排除して)かかる処置に必要とされるアクセス部位の数を低減し、その結果、第2のアクセス部位と関連付けられたリスクを排除し、全体的な処置時間を短縮することができる。その結果、本明細書に開示される実施形態は、より少ない侵襲的処置を可能にすることができ、任意の将来的な処置のために第2のアクセス部位を温存することができる。同時に、本明細書に開示される実施形態は、非軸対称(例えば、非対称)シースの効率的なアクセスを容易にし、したがって、追加的なペイロード容量を送達する能力、単一のアクセス部位を介した患者の血管新生能力、更には、通常は第2のアクセス部位を介して提供される機能の保持を容易にしながら、そうした利点を提供することができる。
【0008】
一実施形態は、シースアセンブリを含む。このシースアセンブリの実施形態は、第1のシースと、第2のシースと、取り付け機構と、を含む。第1のシースは、第1のシースの第1の端部分と、第1のシースの第1の端部分に対向する第1のシースの第2の端部分と、第1のシースの内面と、第1のシースの内面に対向する第1のシースの外面と、を含む。第1のシースの内面は、第1のシースの長手方向中心軸に沿って第1のシースの第1の端部分と第1のシースの第2の端部分との間に延在する、第1のシース管腔を画定する。第2のシースは、第2のシースの第1の端部分と、第2のシースの第1の端部分に対向する第2のシースの第2の端部分と、第2のシースの内面と、第2のシースの内面に対向する第2のシースの外面と、を含む。第2のシースの内面は、第2のシースの長手方向軸に沿って第2のシースの第1の端部分と第2のシースの第2の端部分との間に延在する、第2のシース管腔を画定する。取り付け機構は、第2のシースを第1のシースに結合する。取り付け機構は、取り付け機構のステップアップ拡張部を含む。取り付け機構の少なくとも一部分は、取り付け機構のステップアップ拡張部において第1のシースの長手方向中心軸を中心に非対称である。
【0009】
シースアセンブリの更なる実施形態では、取り付け機構のステップアップ拡張部は、第1のシースの第2の端部分と第2のシースの第2の端部分との間に位置付けられる。
【0010】
シースアセンブリの更なる一実施形態では、取り付け機構のステップアップ拡張部は、第1の取り付け機構部分における第1の取り付け機構のステップアップ拡張部と、第2の取り付け機構部分における第2の取り付け機構のステップアップ拡張部と、を含み、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部と異なる。取り付け機構は、第1の取り付け機構部分において、第1のシースの長手方向中心軸を中心に非対称である第1の長手方向断面プロファイルを含み、取り付け機構は、第2の取り付け機構部分において、第1のシースの長手方向中心軸を中心に対称である第2の長手方向断面プロファイルを含む。1つのかかる実施例では、第1の取り付け機構部分及び第2の取り付け機構部分は、取り付け機構上の共通の長手方向位置に含まれ得る。第1の取り付け機構部分は、第2のシースの外面と接合することができ、第2の取り付け機構部分は、第2のシースに対向し得る。第1の取り付け機構のステップアップ拡張部は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ及び第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さによって画定される、第1の傾斜を有することができ、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部は、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ及び第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さによって画定される、第2の傾斜を有することができ、第2の傾斜は、第1の傾斜と異なる。例えば、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さは、第2のシースに面する取り付け機構の側面であり得、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さは、第2のシースに対向する取り付け機構の別の側面であり得、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さは、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さよりも高い。第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の第1の傾斜は、取り付け機構と第1のシースとの間の最遠位接合部に近接する位置において最も大きくなり得、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の第1の傾斜は、第2のシースに向かって近位に進む方向において減少し得る。例えば、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の第1の傾斜は、第1の傾斜領域と、第2の傾斜領域と、を含むことができ、第1の傾斜領域は、第2の傾斜領域よりも大きい傾斜の大きさを有し、第1の傾斜領域は、第2の傾斜領域の遠位にあり、第1の傾斜領域は、取り付け機構と第1のシースとの間の最遠位接合部から第2の傾斜領域まで、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さの一部分だけ延在する。第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さは、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さよりも高くなり得る。いくつかの実施例では、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さは、0.254~1.27cmであり、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さは、0.254~0.635cmである。
【0011】
シースアセンブリの更なる実施形態では、取り付け機構は、それに沿って取り付け機構の断面直径が一定である取り付け機構の一部分を画定する、非拡張領域を含み、取り付け機構の非拡張領域は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部と第2のシースの最遠位端との間に長手方向に位置付けられる。非拡張領域は、非拡張領域の長手方向長さに沿って、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の近位端から第2のシースの最遠位端まで延在し得、非拡張領域の長手方向長さは、少なくとも5cmであり得る。第2のシースは、第2のシースのステップアップ拡張部を含むことができ、第2のシースのステップアップ拡張部は、取り付け機構の非拡張領域と接合する第2のシースの最遠位端に含まれ得る。例えば、第2のシースは、取り付け機構に隣接する位置において第2のシース管腔の開口部の第1の部分を形成する第1の遠位壁部分を含むことができ、第2のシースは、取り付け機構に対向する位置において第2のシース管腔の開口部の第2の部分を形成する第2の遠位壁部分を含むことができ、第1の遠位壁部分は、シースアセンブリ上で、第2の遠位壁部分よりも遠位に位置付けられる。第1のシースの長手方向中心軸に対して画定される角度は、第2のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さにわたって、第1の遠位壁部分と第2の遠位壁部分との間に延在する傾斜を画定することができ、この角度は、15~75度であり得る。
【0012】
シースアセンブリの更なる一実施形態では、第2のシースは、展開状態と収縮状態との間を移行するように構成することができる。第2のシースは、展開状態に付勢することができ、第2のシースは、第2のシースの外面が血管管腔を画定する血管壁と接触したときに展開状態への付勢に打ち勝ち、それによって、第2のシースを収縮状態に移行させるように構成することができる。
【0013】
上述のシースアセンブリ実施形態を含む、本明細書に記載される様々な実施形態は、展開状態と収縮状態との間を移行するように構成されたシースを提供することができる。かかるシースは、例えばシースが血管を通してトラバースされている間、収縮状態において低プロファイルを可能にすることができ、一方でまた、展開状態にあるときには、例えばシースが関心領域に到達した時点で、その中に1つ以上の器具を収容する能力を提供することができる。このシースは、1つ以上の取り付け機構を介して2つのシースを互いに固定することによって、別のシースに加えられるように構成することができる。このようにして、展開状態と収縮状態との間を移行するように構成されたアドオンのシースは、利用可能な空間が制限された1つのアクセス部位での使用を既に意図している別のシースとともに使用することができる。
【0014】
追加的な一実施形態は、シースアセンブリを使用する方法を含む。この方法の実施形態は、第2のシースの外面の第1の部分が第1のシースの外面と接合するように、取り付け機構を介して第2のシースを第1のシースに固定するステップを含む。第1のシースは、第1のシースの長手方向中心軸を画定し、取り付け機構は、取り付け機構のステップアップ拡張部を含み、取り付け機構の少なくとも一部分は、取り付け機構のステップアップ拡張部において第1のシースの長手方向中心軸を中心に非対称である。この方法の実施形態はまた、ガイドワイヤを患者の関心領域に挿入するステップと、第1のシースをガイドワイヤの上に配置して、患者の単一のアクセス部位を通して第1のシース及び第2のシースを患者に挿入するステップと、を含む。この方法は、単一のアクセス部位を取り付け機構のステップアップ拡張部と接触させ、次いで、第2のシースと接触させるステップと、第2のシースを患者に挿入した時点で、第1のシースに向かう方向において第2のシースを収縮状態に収縮させながら、第2のシースを展開状態から収縮状態に移行させるステップと、を更に含む。また、この方法の実施形態は、第2のシースを通して器具を挿入して、第2のシースを収縮状態から展開状態に移行させるステップを含む。
【0015】
本方法の更なる実施形態では、本方法は、単一のアクセス部位を取り付け機構のステップアップ拡張部と接触させた後に、かつ単一のアクセス部位を第2のシースと接触させる前に、単一のアクセス部位を取り付け機構の非拡張領域と接触させるステップを追加的に含むことができる。取り付け機構の非拡張領域は、それに沿って取り付け機構の断面直径が一定である取り付け機構の一部分を画定することができる。
【0016】
1つ以上の実施例の詳細は、添付図面及び下の説明に記載されている。説明及び図面から他の特徴、目的、及び利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下の図面は、本発明の特定の実施形態の例証となるものであり、したがって、本発明の範囲を限定するものではない。図面は、以下の説明において説明と併せて使用することを意図するものである。本発明の実施形態は、以下、添付図面と併せて説明され、同様の符号は、同様の要素を表す。図面は、必ずしも縮尺通りではないが、特定の実施形態は、示される尺度で1つ以上の構成要素を含み得る。
【
図1】シースアセンブリの一実施形態の側立面図である。
【
図2】血管管腔に挿入されている
図1のシースアセンブリの実施形態の一部分の側立面図である。
【
図3】血管管腔の関心領域における
図1のシースアセンブリ実施形態の一部分の側立面図である。
【
図4】例示的な段階的拡張特徴を例示する、
図1のシースアセンブリの一部分の拡大側立面図である。
【
図5】シースアセンブリの第2のシースが展開状態にある、
図4の線A-Aに沿って切断した
図1のシースアセンブリの断面図である。
【
図6】
図1のシースアセンブリの実施形態の第2のシース及び取り付け機構の分離斜視図である。
【
図7】シースアセンブリを使用する方法の一実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、いかなる形であれ本発明の範囲、適用性、又は構成を限定することを意図するものではない。むしろ、以下の説明は、本発明の実施形態を実施するためのいくつかの実用的な具体例を提供する。構造、材料、及び/又は寸法の実施例は、選択された要素のために提供される。当業者は、述べられる実施例の多くが様々な適切な代替物を有することを認識するであろう。
【0019】
図1は、シースアセンブリ100の例示的な実施形態の側立面図を示す。シースアセンブリ100は、第1のシース105と、第2のシース110と、を含む。この例示される実施形態に示されるように、第1のシース105及び第2のシース110は、第1のシース105及び第2のシース110がそれらのそれぞれの外面を互いに接合した状態で横並びに配置されるように、取り付け機構115によって積層配置で一緒に固定される。同じく例示される実施形態に示されるように、取り付け機構115は、第1のシース105の外面の少なくとも一部分の上に延在する。この積層配置では、第1のシース105の第1のシースの長手方向中心軸106は、第2のシース110の第2のシースの長手方向中心軸111からオフセットされ、かつそれに略平行である。
【0020】
シースアセンブリ100では、第1のシース105は、第1のシースの第1の端部分120と、第1のシースの第2の端部分121と、第1のシースの内面122と、第1のシースの外面123と、を含む。第1のシースの第2の端部分121は、第1のシースの第1の端部分120に対向する。第1のシースの外面123は、第1のシースの内面122に対向する。第1のシースの内面122は、第1のシースの長手方向軸106に沿って第1のシースの第1の端部分120と第1のシースの第2の端部分121との間に延在する、第1のシース管腔124を画定する。第1のシースの第2の端部分121は、例えば、第1のシース管腔124内に挿入された器具及び/又はガイドワイヤが第1のシース開口部129において第1のシース105から外へ延在することを可能にするために、第1のシース開口部129を含むことができる。
【0021】
第1のシースにおいて、第1の端部分120は、近位ハブ125である。近位ハブ125は、第1のシース管腔124に開口し、かつそれと連通することができる。このように、近位ハブ125は、第1のシース管腔124へのアクセスを容易にするように構成することができる。例えば、近位ハブ125は、処置のために使用されて第1のシース管腔124を通して送達される1つ以上の診断器具又は介入器具(例えば、カテーテル)を受容するように構成することができる。ここで示されるように、近位ハブ125は、フラッシュポート126と、クリップ取り付け接合部127と、を含む。フラッシュポート126は、第1のシース管腔124並びに/又は第1のシース管腔124内の診断器具及び/若しくは介入器具との流体連通を容易にするように構成されている。クリップ取り付け接合部127は、シース105、110の近位端部分を固定するためのクリップ130を受容するように構成されている。
【0022】
また、シースアセンブリ100では、第2のシース110は、第2のシースの第1の端部分135と、第2のシースの第2の端部分136と、第2のシースの内面137と、第2のシースの外面138と、を含む。第2のシースの第2の端部分136は、第2のシースの第1の端部分135に対向する。第2のシースの外面138は、第2のシースの内面137に対向する。第2のシースの内面137は、第2のシースの長手方向中心軸111に沿って第2のシースの第1の端部分135と第2のシースの第2の端部分136との間に延在する、第2のシース管腔139を画定する。第2のシースの第2の端部分136は、例えば、第2のシース管腔139内に挿入された器具及び/又はガイドワイヤが第2のシース開口部149において第2のシース110から外へ延在することを可能にするために、第2のシース開口部149を含むことができる。
図1に示されるように、第1のシース105及び第2のシース110は、それらのそれぞれの端部分120、135と端部分121、136との間で実質的に同様の長さであり得る。具体的には、第1のシースの第1の端部分120及び第2のシースの第1の端部分135は、同様の近位位置で終端し得、第1のシースの第2の端部分121及び第2のシースの第2の端部分136は、同様の遠位位置で終端し得る(例えば、
図1では、第2のシースの第2の端部分136は、第1のシースの第2の端部分121よりもわずかに短いか、又はそのわずかに近位で終端する(例えば、第1のシースの第2の端部分121よりも、3~6cmなど、1~10cm短い))。
【0023】
第2のシースにおいて、第1の端部分135は、近位ハブ140である。近位ハブ140は、第2のシース管腔139に開口し、かつそれと連通することができる。このように、近位ハブ140は、第2のシース管腔139へのアクセスを容易にするように構成することができる。例えば、近位ハブ140は、処置のために使用されて第2のシース管腔139を通して送達される1つ以上の診断器具又は介入器具(例えば、カテーテル)を受容するように構成することができる。ここで示されるように、近位ハブ140は、フラッシュポート141と、クリップ取り付け接合部142と、器具挿入ポート143と、を含む。フラッシュポート141は、器具挿入ポート143から離間され、かつ第2のシース管腔139と連通する。このように、フラッシュポート141は、第2のシース管腔139並びに/又は第2のシース管腔139内の診断器具及び/若しくは介入器具との流体連通を容易にするように構成されている。クリップ取り付け接合部142は、シース105、110の近位端部分を固定するためのクリップ130を受容するように構成されている。例示される実施形態に示されるように、クリップ取り付け接合部142は、近位ハブ140に形成され、かつクリップ130と締まり嵌めを作成するように構成された凹設スロットを含むが、他の実施形態では、クリップ取り付け接合部142は、クリップ130を受容するように構成された他のタイプの構造体を含むことができる。器具挿入ポート143は、第2のシース管腔139と連通し、器具挿入ポート143は、そこで診断器具及び/又は介入器具(例えば、ガイドワイヤ及びカテーテル)を受容して、この器具を第2のシース管腔139内に通すように構成されている。
【0024】
クリップ130は、第2のシース110を第1のシース105に固定するように構成されている。具体的には、クリップ130は、ハブ125をハブ140に固定するように構成されている。クリップ130は、第2のシース110を受容するように構成された第1のクリップ固定部分131と、第1のクリップ固定部分131から離間されて、第1のシース105を受容するように構成された第2のクリップ固定部分132と、を含むことができる。クリップ取り付け接合部142は、第1のクリップ固定部分131を受容するように構成され、クリップ取り付け接合部127は、第2のクリップ固定部分132を受容して、近位ハブ140を近位ハブ125に固定するように構成されている。例示される実施形態では、第1のクリップ固定部分131は、第2のクリップ固定部分132に非平行であり、第1のクリップ固定部分131は、第2のクリップ固定部分132が存在する平面から15~85度(例えば、25~75度、40~60度)の角度で延在する。各クリップ固定部分131、132は、それぞれのクリップ取り付け接合部142、127の少なくとも一部分(例えば、全ての)の周りに固定するアパーチャを含むことができる。
【0025】
図2及び
図3は、患者の血管(例えば、動脈)などの血管150内で展開されるシースアセンブリ100の一部分を示す。ここで示されるように、シースアセンブリ100は、第1のシース105及び第2のシース110の両方とともに、単一のアクセス部位155を介して血管150に挿入される。1つの例示的な用途では、血管150は、大腿動脈であり得、シースアセンブリ100は、単一のアクセス部位155を介して大腿動脈内に挿入することができる。このようにして、第1のシース105及び第2のシース110は、単一のアクセス部位155を使用した経皮的診断処置及び/又は介入処置を容易にすることができ、それによって、シースのうちの1つを展開するための第2のアクセス部位と関連付けられたリスク及び複雑化を排除することができる。
【0026】
単一のアクセス部位155を介したシースアセンブリ100の展開を容易にするために、第2のシース110は、展開状態と収縮状態との間を移行するように構成することができる。このようにして、第2のシース110は、第2のシース110が収縮状態にあるとき、例えば、シースアセンブリ100が血管150に挿入されて、当該血管を通してトラバースされている間、シースアセンブリ100が低プロファイルを有することを可能にすることができる。また、このようにして、第2のシース110はまた、第2のシース110が展開状態にあるとき、例えばシースが関心領域152に到達した時点で、1つ以上の診断器具及び/又は介入器具(例えば、診断カテーテル又は補助カテーテル)を第2のシース110内に収容する能力を提供することもできる。
図2は、第2のシース110が略収縮状態にある、血管150の血管管腔151に挿入されているシースアセンブリ100の一部分の側立面図を例示する。
図3は、血管管腔151の関心領域152に到達し、現在、第2のシース110が略展開状態にある、シースアセンブリ100の一部分の側立面図を例示する。
【0027】
示されるように、シースアセンブリ100は、血管管腔151内に挿入し、ガイドワイヤ160を使用して血管150を通して関心領域152までトラバースすることができる。第1のシース105は、ガイドワイヤ160が第1のシース管腔124内で受容されるように、ガイドワイヤ160上へ配置することができる。次いで、シースアセンブリ100を、第1のシース105のガイドワイヤ160の上を単一のアクセス部位155を通して血管管腔151内に前進させることができる。いくつかの実施形態では、第1のシース105は、シースアセンブリ100を血管管腔151内に展開し、そこを通すのを支援するために、第1のシースの第2の端部分121に導入器161を含むことができる。
【0028】
述べたように、第2のシース110は、展開状態と収縮状態との間を移行するように構成することができる。例示される実施形態では、第2のシース110は、展開状態に付勢することができ、第2のシース110は、第2のシースの外面138が、例えば単一のアクセス部位155及び血管管腔151を画定する、血管壁153と接触したときに、展開状態から収縮状態に移行するように構成することができる。このようにして、第2のシース110は、第2のシースの外面138が血管壁153と接触したときに、展開状態への付勢に打ち勝つように構成することができる。したがって、かかる実施形態では、
図2にあるように、シースアセンブリ100が血管管腔151内に挿入されて、トラバースされているときに、第2のシース110は、一般に、血管壁153と接触し、したがって、収縮状態にすることができる。また、かかる実施形態では、シースアセンブリ100は、第1のシース105が第1のシースの展開状態に維持されている間、第2のシース110を展開状態から収縮状態に移行させて、収縮状態に維持されるように構成されるように構成することができる。これは、例えば、第1のシース105が、シースアセンブリ110を関心領域152まで前進させるためのガイドワイヤ160を受容する場合に有用であるように、第1のシース管腔124をその設計容量に維持することができる。場合によっては、第1のシース105は、収縮不可能であり得るが、特定の実施形態は、収縮状態と展開状態との間を移行するように構成された第1のシースを含むことができる。
【0029】
第2のシース110は、展開状態と収縮状態との間の移行を容易にするために、1つ以上の特徴を含むことができる。例えば、第1のシース105は、第1の硬度Xを有することができ、第2のシース110は、第2の硬度Yを有することができ、第1のシース105の第1の硬度Xは、第2のシース110の第2の硬度Yよりも高い。例として、第1のシース105は、80A~90Aなどの70A~100Aのロックウェル硬度を有することができ、第2のシース110は、40A~60Aなどの30A~70Aのロックウェル硬度を有することができる。このようにして、第2のシース110は、より硬い第1のシース105及び血管壁153の各々によって第2のシース110に力が付与された時点で収縮できるように構成することができる。より具体的には、第2のシース110が血管壁153と接触したときに、血管壁153は、第1の方向の力156を第2のシースの外面138に付与することができ、一方で、より硬い第1のシース105は、第2の対向する方向の力157を第2のシースの外面138に付与し、第1の力156と第2の力157との間で第2のシースを収縮させることができる。この場合、第2のシース110は、第1のシース105に向かう方向に収縮する。したがって、第2のシース110は、展開状態から収縮状態に移行し、それによって、シースアセンブリ100を血管管腔151内でよりコンパクトにすることができる。
【0030】
述べたように、第2のシース110は、血管管腔151に挿入され、それを通してトラバースされるときに収縮することを可能にする(例えば、第2のシース110の硬度又は剛性に寄与する)、1つ以上の寸法を有することができ、及び/又は1種以上の材料を含むことができる。例えば、第2のシース110は、第2のシースの外面138と第2のシースの内面137との間に画定された壁厚を含むことができ、当該壁厚は、第1のシースの外面123と第1のシースの内面122との間に画定された第1のシース105の壁厚よりも薄い。1つの実施例として、第2のシースの壁厚は、0.15mm~0.75mm(例えば、0.15mm~0.5mm)又は0.25mm~0.5mmなど、0.1mm~1.5mmとすることができる。別の実施例として、第2のシース110は、血管壁153(例えば、大腿動脈の血管壁)によって力が及ぼされた状態で収縮するように構成された、収縮可能なポリマー又はメッシュ材料で作製することができる。例えば、第2のシース110は、生体適合性ポリウレタン(例えば、Pellethane(商標))を含むことができる。特定のアプリケーションに応じて、第1のシース105に対する第2のシース110の硬度及び/又は壁厚とともに、生体適合性ポリウレタンを含む材料の組み合わせは、第2のシース110が、血管壁153との接触の結果として、血管管腔151に挿入されて、それを通してトラバースされたときに、展開状態から収縮状態に移行することを可能にすることができる。
【0031】
第2のシース110がその最大限まで収縮することを可能にするには、
図2のように、シースアセンブリ100が血管管腔151に挿入されて、それを通してトラバースされるときに、いかなるハードウェア(例えば、器具、ガイドワイヤ、など)も第2のシース管腔139内に存在し得ない。次いで、
図3のように、シースアセンブリ100が関心領域152に到達した時点で、1つ以上のハードウェア構成要素(例えば、ガイドワイヤ、並びに/又は診断カテーテル又は補助カテーテルなどの診断器具及び/若しくは介入器具)を第2のシース管腔139内に挿入することができる。
【0032】
第2のシース110は、第2のシース110が血管壁153と接触したときに、
図2のような収縮状態から、ハードウェア構成要素(例えば、剛性ハードウェア構成要素)の第2のシース管腔139内の挿入に応じて、
図3のような展開状態に向かって移行するように構成することができる。
図3は、第2のシース管腔139内に挿入されて、関心領域152において第2のシース開口部149から外へ延在する、カテーテル165(例えば、ピグテールカテーテル)を示す。カテーテル165などのハードウェア構成要素の第2のシース管腔139内への挿入は、第2のシース110に第2の方向の力158を付与し、第2のシース110を収縮状態から展開させることができる。したがって、カテーテル165によって第2のシース110に付与されるこの第2の方向の力158は、血管壁153によって印加される力156の一部又は全てに対抗し、第2のシース110が血管壁153と接触したときに、第2のシース110が、
図2のような収縮状態から、
図3のような展開状態に向かって又は展開状態に移行することを可能にすることができる。
【0033】
ハードウェアを第2のシース管腔139に挿入させるなどの特定の用途に応じて、第2のシース110は、ハードウェア構成要素が第2のシース管腔139内に存在するときに、収縮状態から
図3のような展開状態に部分的にだけ移行し得る(例えば、第2のシース110は、シースアセンブリ100が血管150内に存在しないときよりも少ない程度で、第1のシース105から外へ延在する)。第2のシース110は、血管壁153と接触したときに収縮するように構成することができるので、カテーテル165などのハードウェア構成要素が第2のシース管腔139内に存在するときに、血管壁153によって印加される力156は、力158に対抗し、それによって、第2のシース110の展開を抑制し続けることができる。したがって、第2のシース110は、ハードウェア構成要素を第2のシース管腔139内に収容するために必要な程度だけ、収縮状態から展開状態に向かって移行させ、それによって、処置中に第2のシース110が能動的に使用されているときであっても、シースアセンブリ100の最低限必要なプロファイルを保つように構成することができる。このようにして、展開状態と収縮状態との間を移行するように構成されている第2のシース110は、挿入及び配置中、並びに処置中の第2のシース110の使用中の両方で、シースアセンブリ100の低プロファイルを容易にすることができる。その結果、シースアセンブリ100は、アクセス部位155を介して使用することが可能であり得る。
【0034】
収縮状態と展開状態との間を移行するように構成されている第2のシース110に関する追加的な詳細は、米国特許出願第16/871,299号に見出すことができ、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
また、単一のアクセス部位155を介したシースアセンブリ100の展開を容易にするために、シースアセンブリ100は、単一のアクセス部位155を介したシースアセンブリ100の血管150内への効率的な挿入を容易にするために1つ以上の特徴を含むことができ、当該特徴の一部又は全ては、段階的拡張特徴と称することができる。
図4及び
図5は、単一のアクセス部位155を介したシースアセンブリ100の血管150への効率的な挿入を容易にするのに有用であり得る例示的な特徴を備えた、シースアセンブリ100の一部分を示す。具体的には、
図4は、かかる例示的な特徴を例示するシースアセンブリ100の一部分の拡大側立面図であり、
図5は、かかる例示的な特徴を備え、第2のシース110が展開状態にある、
図4の線A-Aに沿って切断したシースアセンブリ100の断面図である。
【0036】
図4及び
図5に例示されるように、シースアセンブリ100は、非軸対称(例えば、非対称)装置であり得る。例えば、
図5に最も良く見られるように、シースアセンブリ100は、シースアセンブリ100の長手方向中心軸を中心に非対称に構成されている。より具体的には、例示される実施形態では、シースアセンブリ100は、第1のシース管腔124において受容されるガイドワイヤ160を中心に非対称であり、したがって、第1のシースの長手方向軸106を中心に非対称であるように構成されている。
【0037】
例示される実施形態に示されるように、シースアセンブリ100は、導入器161、第1のシース105、第2のシース110、取り付け機構115(述べられ、例示されるように、取り付け機構115は、第1のシース105の少なくとも一部分の上に、及びその周りに位置決めされ得る)、及び/又は第2のシース110に、1つ以上のプロファイルステップアップ拡張部を含むことができる。具体的には、いくつかの実施形態では、シースアセンブリ100は、シースアセンブリ100の遠位端から近位端に向かって進んで、長手方向断面直径が順次的に増加する、2つ以上の段階的拡張部を含むことができる。したがって、1つ以上のプロファイルステップアップ拡張部は、シースアセンブリ100に沿って遠位方向から近位方向に進んで、シースアセンブリ100のプロファイル(例えば、長手方向断面直径)が増加するように作用し得る。
【0038】
例示される実施形態では、シースアセンブリ100の一部分は、第1のシースの長手方向軸106を中心に対称であり得、シースアセンブリ100の別の一部分は、第1のシースの長手方向軸106を中心に非対称であり得る。具体的には、例示される実施形態では、シースアセンブリ100は、シースアセンブリ100の遠位端(例えば、導入器161の遠位端)から、取り付け機構115が存在する(例えば、取り付け機構115が第1のシース105と接合する)最遠位位置まで近位に進んで、第1のシースの長手方向軸106を中心に対称である。示される実施形態では、取り付け機構115が存在する(例えば、取り付け機構115が第1のシース105と接合する)最遠位位置において、シースアセンブリ100は、第1のシースの長手方向軸106を中心に非対称になる。より具体的には、例示される実施形態では、シースアセンブリ100は、取り付け機構115が存在する(例えば、取り付け機構115が第1のシース105と接合する)最遠位位置から、第2のシース110が存在する(例えば、第2のシース110が取り付け機構115と接合する)最遠位位置まで、シースアセンブリ100に沿って長手方向長さ240にわたって、第1のシースの長手方向軸106を中心とする第1の非対称の構成230を有することができる。また、シースアセンブリ100は、第2のシース110が存在する(例えば、第2のシース110が取り付け機構115と接合する)最遠位位置から、第2のシース110が終端する位置(例えば、第2のシース第1の端部分135)まで、シースアセンブリ100に沿って長手方向長さ242にわたって、第1のシースの長手方向軸106を中心とする、第1の非対称の構成230と異なる第2の非対称の構成232を有することができる。
【0039】
これらの1つ以上のプロファイルのステップアップ拡張部は、単一のアクセス部位を介した非軸対称装置の血管構造への挿入と関連する問題点を低減するように順序付け及び構成することができる。例えば、これらの1つ以上のプロファイルのステップアップ拡張部は、相対的に小さい断面直径(例えば、0.0762cm~0.1016cm)のガイドワイヤ160から、第2のシース110が位置付けられる相対的に大きい断面直径(例えば、第2のシース110が収縮状態にあるときに、又はより大きい、第2のシースが展開状態にあるときなどに、0.508cm~0.889cm)のシースアセンブリ100への移行の直接性を低減するのを補助することができる。
【0040】
示されるように、導入器161(「拡張器」とも称される)は、シースアセンブリ100の遠位端に存在し得る。ガイドワイヤ160が対象の血管構造に配置された時点で、シースアセンブリ100は、ガイドワイヤ160の上に送達されることができる。導入器161は、シースアセンブリ100の第1の構成要素が単一のアクセス部位155に接するように構成することができる。例示される実施形態に示されるように、導入器161は、導入器遠位端部分162と、導入器近位端部分163と、を有することができる。導入器161は、導入器遠位端部分162において最小断面直径(例えば、長手方向断面直径164)を有し、導入器近位端部分163において最大断面直径(例えば、長手方向断面直径164)を有することができる。シースアセンブリ100は、導入器161の長手方向中心軸を中心に軸対称であり得る。本明細書に示されるようないくつかの実施例では、導入器161は、導入器遠位端部分162から導入器近位端部分163まで一定の比率で断面直径が増加し得る。かかる実施例では、導入器161は、例えば、導入器の遠位端部分162に円錐形状の先端部を備え、導入器の近位端部分163に円錐形状の基部を備えた、略円錐形状とすることができる。導入器161が血管内に導入されるときに、遠位から近位への方向における導入器161の断面直径のこの増加は、単一のアクセス部位155においてガイドワイヤ160のプロファイルから第1のシース105のプロファイルまで血管を段階的に広げるように構成することができる。
【0041】
導入器161から近位に進んで、第1のシース105は、シースアセンブリ100のプロファイルが導入器161のプロファイルから増加し得る。第1のシース105は、シースアセンブリ100を血管内に導入し続けたときに単一のアクセス部位155に接する、導入器161の後のシースアセンブリ100の次の構成要素になるように構成することができる。例示される実施形態に示されるように、第1のシースの第2の端部分121は、第1のシース遠位端部分を画定することができる。第1のシース105は、第1のシースの第2の端部分121に第1のシースのステップアップ拡張部250を含むことができ、第1のシースのステップアップ拡張部250は、近位方向に進んで、第1のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さ248に沿って断面直径(例えば、長手方向断面直径246)が増加するように構成することができる。具体的には、第1のシース105は、第1のシース105が導入器161と接合する第1のシース105の最遠位端において最小断面直径(例えば、長手方向断面直径246)を有することができ、第1のシースのステップアップ拡張部250は、取り付け機構115に向かう近位方向に第1のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さ248に沿って第1のシース105が導入器161と接合する第1のシース105の最遠位端でのこの最小断面直径(例えば、長手方向断面直径246)から、第1のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さ248に沿って延在することができる。
【0042】
第1のシースのステップアップ拡張部250が終端する場所で、したがって、第1のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さ248が終端する場所で、第1のシース105は、第1のシースのステップアップ拡張部250の端部から、取り付け機構115との接合部まで、長手方向長さ244だけ延在することができる。この長手方向長さ244は、単一のアクセス部位155において、シースアセンブリ100の導入中の十分な時間を通じて、血管を弛緩し、安定させ、任意のひだを真っすぐにすることを可能にするのに十分な長さとすることができ、このひだは、単一のアクセス部位155での第1のシースのステップアップ拡張部250の導入中に血管壁に形成され得、シースアセンブリ100の導入開始時に有していた初期形状に復元し得る。様々な実施形態では、長手方向長さ244は、少なくとも5cm、少なくとも8cm、少なくとも10cm、少なくとも12cm、少なくとも15cm、少なくとも20cm、少なくとも25cm、又は少なくとも30cmであり得る。
【0043】
第1のシースのステップアップ拡張部250は、第1のシース105を、第1のシース105の最遠位端でのその最小断面直径(例えば、長手方向断面直径246)から、第1のシース105に沿ったより近位の位置でのその最大断面直径(長手方向断面直径246)まで移行するように構成することができる。したがって、第1のシースのステップアップ拡張部250は、第1のシース105と導入器161との最遠位接合部から始まり得る。例示される実施形態では、第1のシースのステップアップ拡張部250は、第1のシースの長手方向軸106を中心として軸対称であり得、第1のシース105自体は、第1のシースの長手方向軸106を中心として軸対称であり得る。
【0044】
第1のシース105から近位に進んで、取り付け機構115は、シースアセンブリ100のプロファイルを第1のシース105のプロファイルから更に増加させることができる。取り付け機構115は、シースアセンブリ100を血管内に導入し続けたときに単一のアクセス部位155に接する、第1のシース105の後のシースアセンブリ100の次の構成要素になるように構成することができる。取り付け機構115は、取り付け機構115が第1のシース105と接合する最遠位長手方向位置から始まる、取り付け機構のステップアップ拡張部252を含むことができる。取り付け機構のステップアップ拡張部252は、取り付け機構115が第1のシース105と接合する最遠位長手方向位置から近位に進んで、取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ249に沿って、断面直径(例えば、長手方向断面直径246)が増加するように構成することができる。具体的には、取り付け機構115は、取り付け機構115が第1のシース105と接合する取り付け機構115の最遠位端において、最小断面直径(例えば、長手方向断面直径246)を有することができ、取り付け機構のステップアップ拡張部252は、第2のシース110に向かう近位方向に取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ249に沿って取り付け機構115が第1のシース105と接合する取り付け機構115の最遠位端でのこの最小断面直径(例えば、長手方向断面直径246)から、取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ249に沿って延在することができる。
【0045】
述べたように、及び例示される実施形態に示されるように、取り付け機構115において、シースアセンブリ100は、取り付け機構115の遠位の軸対称構成から、取り付け機構115に存在する(例えば、第1のシースの長手方向軸106を中心とした)第1の非対称構成230に移行することができる。具体的には、取り付け機構のステップアップ拡張部252は、シースアセンブリ100が、取り付け機構115の遠位の軸対称構成から、取り付け機構115に存在する(例えば、第1のシースの長手方向中心軸106を中心とした)第1の非対称構成230に移行するように構成することができる。
【0046】
そうするために、取り付け機構のステップアップ拡張部252は、第1のシースの長手方向軸106を中心として非対称であり得る。例えば、取り付け機構のステップアップ拡張部252は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aと、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aと異なる第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bと、を含むことができる。このように、例えば
図5に見られるように、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aは、第1のシース105を中心に非対称(例えば、第1のシースの長手方向中心軸106を中心に非対称)である第1の取り付け機構部分114aを含む、取り付け機構115の長手方向断面プロファイルを画定することができ、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bは、第1のシース105を中心に対称(例えば、第1のシースの長手方向中心軸106を中心に対称)である第2の取り付け機構部分114bを含む、取り付け機構115の長手方向断面プロファイルを画定することができる。第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252a及び第1の取り付け機構部分114aは、第2のシースに面する側面257に存在し得、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252b及び第2の取り付け機構部分114bは、第2のシース110に面しない取り付け機構115の1つ以上の側面に存在し得る。
【0047】
例示される実施形態では、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aは、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bと異なる傾斜を有することができる。例えば、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aは、(例えば、第1のシース105において、取り付け機構115の最遠位接合部から始まる)第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255と、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aの第1の傾斜を画定する(例えば、第1のシース105の外面から外へ延在する)第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ258と、を有することができる。また、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bは、(例えば、第1のシース105において、取り付け機構115の最遠位接合部から始まる)第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ256と、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bの第2の傾斜を画定する(例えば、第1のシース105の外面から外へ延在する)第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ259と、を有することができる。第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252a及び第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bに異なる傾斜を作成するために、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255は、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ256と異なり得、及び/又は第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ258は、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ259と異なり得る。示される実施形態では、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255は、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ256と異なり(例えば、より大きく)、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ258は、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ259と異なる(例えば、より大きい)。
【0048】
第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aに関して、例えば、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aの第1の傾斜は、第1のシース105との最遠位接合部に近接した位置において最大になり得、第2のシース110に向かって近位に進む方向において減少し得る。例えば、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aの第1の傾斜は、第1の傾斜領域260aと、当該第1の傾斜領域と異なる第2の傾斜領域260bと、を含むことができる。第1の傾斜領域260aは、第2の傾斜領域260bの遠位にあり得、第1のシース105の取り付け機構115の最遠位接合部から第2の傾斜領域260bまで、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255だけ延在することができる。第1の傾斜領域260aは、第2の傾斜領域260bよりも大きい傾斜を有することができる。1つのかかる特定の実施例では、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aを形成する第1の傾斜領域260a及び第2の傾斜領域260bはともに、側面視点から「ブルノーズ」ジオメトリに類似し得、第1の傾斜領域260aは、「ブルノーズ」のより大きい傾斜部分を形成し、第2の傾斜領域260bは、「ブルノーズ」のより小さい傾斜部分を形成する。例えば、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aは、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ258が第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255よりも高くなるように、(例えば、第1の傾斜領域260aと第2の傾斜領域260bとの組み合わせによって)画定することができる。すなわち、様々な実施形態では、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ258は、0.254~1.27cm、0.508~1.016cm、又は0.635~0.889cm(例えば、0.635cm)であり得、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255は、0.254~0.635cm、0.3175~0.5715cm、又は0.381~0.508cm(例えば、0.4445cm)であり得る。
【0049】
第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bに関して、例えば、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bの第2の傾斜は、第1のシース105との最遠位接合部に近接した位置において最大になり得、第2のシース110に向かって近位に進む方向において減少し得る。例えば、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bの第2の傾斜は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255未満であり得る、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ256、及び第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ258未満であり得る、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部の半径方向高さ259によって定義することができる。特定の実施例では、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aが「ブルノーズ」に類似して構成される場合、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bは、放物線状、線状、又は面取り縁部構成などの異なる構成を有することができる。いくつかの実施例では、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bは、第1のシース105を中心に対称である、取り付け機構のステップアップ拡張部252の一部分を形成することができ、一方で、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aは、第1のシース105を中心に非対称である、取り付け機構のステップアップ拡張部252の残りの部分を形成することができる。
【0050】
第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252a及び/又は第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bを含む取り付け機構のステップアップ拡張部252は、取り付け機構115において(例えば、取り付け機構115の最遠位部分において)略剛性の外面を形成することができる。例えば、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252a及び/又は第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bを含む取り付け機構のステップアップ拡張部252は、取り付け機構115において、30~100、40~95、40~90、50~95、50~90、又は80~85のショアA硬度を有する外面を形成することができる。取り付け機構のステップアップ拡張部252を含む取り付け機構115の外面は、述べられるショアの硬度範囲を有する様々な材料のうちの1種以上で作製することができる。一実施例として、取り付け機構のステップアップ拡張部252を含む取り付け機構115の外面は、30~100、40~95、40~90、50~95、50~90、又は80~85のショアA硬度を有するポリウレタンを含むことができる。取り付け機構115に略剛性の外面を形成するように取り付け機構のステップアップ拡張部252を構成することで、取り付け機構115の外面において材料が「フィッシュマウシング」又は伸長する事例を低減するのを補助することができる。これは、次に、シースアセンブリ100の構成要素の間に間隙を形成する(例えば、第1のシース105と取り付け機構115との間に間隙を形成する)事例を低減するのを補助することができ、この間隙は、シースアセンブリ100が血管内に導入されるときに単一のアクセス部位155において血管壁を捕らえる、又はそれに干渉し得る。
【0051】
取り付け機構のステップアップ拡張部252は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255の近位端で終端し得、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255の近位端の終端の近位は、取り付け機構115の取り付け機構非拡張領域261であり得る。取り付け機構の非拡張領域261は、それに沿って取り付け機構115の断面直径(例えば、長手方向断面直径246)が略一定である取り付け機構115の領域を画定することができる。取り付け機構の非拡張領域261は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aが終端する第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255の近位端から、第2のシース110に向かって延在する、取り付け機構の非拡張領域の長手方向長さ262を有することができる。取り付け機構115の断面直径(例えば、長手方向断面直径246)は、取り付け機構の非拡張領域の長手方向長さ262に沿って略一定であり得る。いくつかのかかる実施例では、取り付け機構の非拡張領域261の取り付け機構の非拡張領域の長手方向長さ262は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aが終端する第1の取り付け機構のステップアップ拡張部の長手方向長さ255の近位端から、第2のシース110の最遠位端まで延在することができる。様々な実施形態では、取り付け機構の非拡張領域の長手方向長さ262は、例えば、少なくとも5cm、少なくとも8cm、少なくとも10cm、少なくとも12cm、少なくとも15cm、少なくとも20cm、少なくとも25cm、又は少なくとも30cmであり得る。取り付け機構の非拡張領域261、したがって、述べられる取り付け機構の非拡張領域の長手方向長さ262の存在は、単一のアクセス部位155において、シースアセンブリ100の導入中の十分な時間を通じて、血管を弛緩し、安定させ、任意のひだを真っすぐにすることを可能にするのに十分な長さとすることができ、このひだは、単一のアクセス部位155での取り付け機構のステップアップ拡張部252の導入中に血管壁に形成され得、血管が単一のアクセス部位155において第2のシース110に面する前の、シースアセンブリ100の導入開始時に有していた初期形状に復元し得る。
【0052】
述べたように、取り付け機構115の取り付け機構の非拡張領域261は、第2のシース110の最遠位端につながり得る。例示される実施形態に示されるように、第2のシース110は、第2のシースのステップアップ拡張部265を含むことができる。第2のシースのステップアップ拡張部265は、例えば、取り付け機構の非拡張領域261が終端する場所から第2のシースのステップアップ拡張部265が始まるように、第2のシース110の第2のシース110の最遠位端に含まれ得る。取り付け機構の非拡張領域261から近位に進んで、第2のシースのステップアップ拡張部265は、シースアセンブリ100のプロファイルを取り付け機構115のプロファイルから更に増加させるように構成することができる。第2のシースのステップアップ拡張部265は、シースアセンブリ100を血管に導入し続けたときに単一のアクセス部位155に接する、取り付け機構の非拡張領域261の後のシースアセンブリ100の次の構成要素になるように構成することができる。第2のシース110は、第2のシースが取り付け機構115と接合する第2のシース110の最遠位端から始まる、第2のシースのステップアップ拡張部265を含むことができる。第2のシースのステップアップアップ拡張部265は、第2のシース110が取り付け機構115と接合する最遠位長手方向位置から近位に進んで、第2のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さ266に沿って、断面直径(例えば、長手方向断面直径246)が増加するように構成することができる。具体的には、第2のシース110は、第2のシース110が取り付け機構115と接合する第2のシース110の最遠位端において最小断面直径(例えば、長手方向断面直径246)を有することができ、第2のシースのステップアップアップ拡張部265は、近位ハブ125に向かう近位方向に第2のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さ266に沿って第2のシース110が取り付け機構115と接合する第2のシース110の最遠位端でのこの最小断面直径(例えば、長手方向断面直径246)から、第2のシースのステップアップアップ拡張部長手方向長さ266に沿って延在することができる。
【0053】
第2のシースのステップアップ拡張部265は、第2のシース開口部149のオフセットされた壁の配置を介して、第2のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さ266に沿って、断面直径(例えば、長手方向断面直径246)が増加するように構成することができる。例えば、例示される実施形態に示されるように、第2のシース110は、取り付け機構115に隣接した位置に第2のシース開口部149の第1の部分を形成する第1の遠位壁部分267と、取り付け機構115に対向する位置に第2のシース開口部149の第2の部分を形成する第2の遠位壁部分268と、を有することができる。第1の遠位壁部分267は、例えば第1の遠位壁部分267が第2の遠位壁部分268よりも導入器161に近くなり得るように、第2の遠位壁部分267よりも遠位にシースアセンブリ100に位置付けることができる。第2のシースのステップアップ拡張部265は、第1の遠位壁部分267と第2の遠位壁部分268との間で、第2のステップアップ拡張部の長手方向長さ266に沿って、断面直径が増加するように構成することができる。第1の遠位壁部分267及び第2の遠位壁部分268の長手方向にオフセットされた壁配置は、比較的に段階的な様式で、第2のシースのステップアップアップ拡張部265によって作成された第1の遠位壁部分267と第2の遠位壁部分268との間の断面直径の増加を容易にすることができる。例えば、角度θは、第1のシースの長手方向中心軸106に対して画定することができ、角度θは、第2のシースのステップアップ拡張部の長手方向長さ266にわたる第1の遠位壁部分267と第2の遠位壁部分268との間の断面直径の傾斜又は率又は増加を画定することができる。様々な実施例では、角度θは、10度~80度、15度~70度、20~60度、又は25~50度であり得る。
【0054】
第2のシース110の(例えば、取り付け機構115の外面から外へ延在する)第2のシースのステップアップ拡張部の半径方向高さ269は、第1の遠位壁部分267と第2の遠位壁部分268との間に形成され得る。述べたように、第1の遠位壁部分267及び第2の遠位壁部分268の長手方向にオフセットされた壁配置は、第2のシースのステップアップ拡張部265によって作成された断面直径の第2のシースのステップアップアップ拡張部の半径方向高さ269までの比較的に段階的な増加を容易にすることができる。第2のシースのステップアップ拡張部の半径方向高さ269は、第2のシース110が展開状態であるか、収縮状態であるかに依存して変化し得る。
図4及び
図5に示されるように第2のシース110が展開状態にあるときに、第2のシースのステップアップ拡張部の半径方向高さ269は、1mm~5mm、例えば1.5mm~4.5mm、2mm~4.5mm、又は2.5mm~4.0mmであり得る。第2のシース110が収縮状態にあるときに、第2のシースのステップアップ拡張部の半径方向高さ269は、0.75mm未満、0.67mm未満、0.5mm未満、又は0.3mm未満など、1mm未満であり得る。第1の遠位壁部分267及び第2の遠位壁部分268の長手方向にオフセットされた壁配置は、第2のシース110が拡張構成にあるとき、及び第2のシース110が収縮構成にあるときの両方において存在し得る第2のシースのステップアップアップ拡張部265によって作成される断面直径の比較的に段階的な増加を容易にすることができる。展開構成と収縮構成との間を移行する第2のシース110の能力を容易にするために、第2のシース110は、第2の硬度を有することができ、取り付け機構115及び/又は第1のシース105は、例えば本明細書において上で説明されるように、第2の硬度よりも高い第1の硬度を有することができる。第2のシース110は、展開状態に付勢されるように構成することができ、また、第2のシースが血管壁と接触したときに、展開状態から収縮状態に移行するように構成することができる。展開状態でのより大きい第2のシースのステップアップ拡張部の半径方向高さ269から、収縮状態でのより小さい第2のシースのステップアップ拡張部の半径方向高さ269に移行するための第2のシース110のこの構成は、シースアセンブリが単一のアクセス部位155に挿入されたときに血管壁を捕らえ易く又は血管壁に引っ掛かり易くし得る、第2のシースの最遠位端の領域を低減するのを補助することができ、それによって、より効率的なシースアセンブリ導入プロセスを容易にするのを補助することができ、同時に、単一のアクセス部位155での挿入後に展開状態に移行されるときに、第2のシース110を介した追加的な装置のペイロードを送達する能力を提供するのを補助することができる。
【0055】
具体的に
図5を参照すると、例示される実施形態は、第1のシースの長手方向軸106を中心に対称であり得るシースアセンブリ100の一部分を示し、シースアセンブリ100の別の部分は、第1のシースの長手方向軸106を中心に非対称であり得る。例えば、導入器161及び第1のシース105は、第1のシースの長手方向軸106を中心に対称であり得、一方で、取り付け機構115及び第2のシース110の少なくとも一部分は、第1のシースの長手方向軸106を中心に非対称であり得る。より具体的には、取り付け機構115の取り付け機構のステップアップ拡張部252の第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bは、第1のシースの長手方向軸106を中心に対称であり得、一方で、取り付け機構115の取り付け機構のステップアップ拡張部252の第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aは、第1のシースの長手方向軸106を中心に非対称であり得る。これは、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aを、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252bを含む取り付け機構115の他の部分に対して「真円でなくなる」ように構成することができる。第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aに加えて、第2のシース110は、第1のシースの長手方向軸106を中心に非対称であり得る。より具体的には、第2のシースのステップアップ拡張部265は、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252aが位置付けられるシースアセンブリ100の同じ側面において、第1のシースの長手方向軸106から離れて延在することができる。したがって、
図5の実施例に見られるように、第1のシースの長手方向軸106に対して非対称である第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252a及び第2のシースのステップアップ拡張部265は、シースアセンブリ100の同じ側面にあり得る。更に、取り付け機構のステップアップ拡張部252及び第2のシースのステップアップ拡張部265を有するシースアセンブリ100の側面からオフセットされたシースアセンブリの1つ以上の側面を含むシースアセンブリ100の他の部分は、第1のシースの長手方向軸106に対して対称であり得る。
【0056】
図5の実施例には、取り付け機構115と第2のシース110との間の接続接合部270も例示されている。シースアセンブリ100は、取り付け機構115と第2のシース110との間にいかなる間隙も存在しないように、取り付け機構115と第2のシース110との間に接続接合部270を含むことができる。より具体的には、取り付け機構115は、外側取り付け機構表面271を含むことができ、第2のシース110は、外面272を含むことができる。外面271、272は、接続接合部270において取り付け機構115と第2のシース110との間の空隙を排除する様式で、ともに結合することができる。これは、単一のアクセス部位155でのシースアセンブリの挿入中に血管壁が引っ掛かり得る事例を低減することができるので、これは、第2のシース10の第1の遠位壁部分267と外側取り付け機構表面271との間の接続接合部での取り付け機構115と第2のシース110との間の空隙が排除される場合に、特に有用であり得る。
【0057】
更に、第2のシース110でのかかる血管壁の引っ掛かりを防止するのを補助するために、第1のシースの長手方向軸106から離れて延在する一部分272aなどの第2のシースの外面272の少なくとも一部分272aは、外側取り付け機構表面271に接することができる。例えば、取り付け機構115は、第1のシースの長手方向軸106に垂直に延在する平面275の上に画定された上半部分115aを含むことができる。第1のシースの長手方向軸106から離れて延在する第2のシースの外面272の一部分272aは、外側取り付け機構表面271及び上半部分115aの両方に位置付けられた点271aに接することができる。いくつかのかかる実施例では、第1のシースの長手方向軸106から離れて延在する第2のシースの外面272の一部分272aは、外側取り付け機構表面271及び上半部分115aの両方に位置付けられた点271aの曲率半径に等しい曲率半径を有することができる。このように、一部分272aは、外側取り付け機構表面271と第2のシースの外面272との間の接続接合部270において間隙のない接合部を維持する構成で、外側取り付け機構表面271から離れて延在することができる。更なるかかる実施例では、一部分272aは、述べられる構成の外側取り付け機構表面271から離れて、第2のシース110の上半部分に位置付けられた点273まで延在し続けることができ、第2のシース110の上半部分は、取り付け機構115から最も離れた展開状態において、第2のシースのステップアップ拡張部の半径方向高さ269の上半部として画定することができる。
【0058】
また、単一のアクセス部位155を介したシースアセンブリ100の送達を容易にするのを補助するために、第2のシース110は、第1のシース105、取り付け機構115、並びに/又は第1のシース105及び取り付け機構115の組み合わせよりも小さくすることができる。例えば、第2のシース110は、展開状態にあるときに、第1のシース105、取り付け機構115、並びに/又は第1のシース105及び取り付け機構115の組み合わせによって画定された断面積の半分未満である断面積を画定することができる。更なる特定のかかる事例では、第2のシース110は、展開状態にあるときに、第1のシース105、取り付け機構115、並びに/又は第1のシース105及び取り付け機構115の組み合わせによって画定された断面積の1/3未満の断面積である断面積を画定することができる。
【0059】
図6は、シースアセンブリ100の第2のシース110及び取り付け機構115の分離斜視図を例示する。第2のシース110は、取り付け機構115に結合することができ、取り付け機構115は、第2のシース110外面の第1の部分が第1のシースの外面の一部分と接合するように、第2のシース110を第1のシースに固定することができる。例示の実施形態では、取り付け機構115は、積層配置で第2のシース110を第1のシースに固定するように構成されていると言うことができる。この例示される実施形態では、取り付け機構115は、第2のシース110の上を通過するのではなく、取り付け機構115は、第1のシースの外面と接合する第2のシースの外面の第1の部分だけにおいて第2のシース110と略接触している。この取り付け機構115の配置は、展開状態と収縮状態との間を移行する第2のシース110の能力を抑制しないようにしながら、第2のシース110を第1のシースに固定する際に有用であり得る。
【0060】
例示される実施形態では、取り付け機構115は、弾性バンドの形態である。示されるように、第2のシースの外面の第2の部分は、弾性バンドを含まないことができ、これは、述べたように、第2のシース110が展開状態と収縮状態との間を移行するのを容易にすることができる。例示される実施形態では、弾性バンドは、第1のシースの長手方向軸106に沿った特定の長手方向長さにわたって第1のシースの外面の全周に延在するように構成されている。弾性バンドは、伸長して、弾性バンド内に画定された領域(例えば、取り付け機構115の内面206によって画定された内部管腔)が増加するように構成することができる。これは、第1のシースの外面が1つ以上の幾何学的な凹凸を有し得、かかる凹凸の上を通過するために弾性バンドを展開することを必要とする場合があるので、第2のシース110を第1のシース105に固定する際に有用であり得る。このように、弾性バンドの展開可能な性質は、様々な第1のシースに第2のシース110を加えることを可能にし、一方でまた、第2のシース110を第1のシース105に対して適所に維持するための十分な固定力を提供するのに有用であり得る。
【0061】
述べたように、取り付け機構115は、取り付け部材内面206を含む。取り付け部材内面206は、第1のシースを受容する管腔を画定することができる。取り付け部材内面206は、第1のシースと第2のシース110との間の相対的な動きを制止するのに十分な摩擦力を第1のシースの外面に付与するように構成することができる。例えば、取り付け機構内面206は、最大15lbf(重量ポンド)、最大12lbf、最大10lbf、最大8lbf、最大5lbf、又は最大3lbfの挿入力がシースアセンブリ100に印加された時点で、第1のシースと第2のシース110との間の相対的な動きを制止するのに十分な摩擦力を第1のシースの外面に付与するように構成することができる。シースアセンブリ100に印加される挿入力は、用途(例えば、第1のシース105及び/又は第2のシース110のサイズ、アクセス部位155の解剖学的場所、シースアセンブリがその中を前進する血管150)に応じて変化させることができ、取り付け機構内面206は、特定の用途において特定の挿入力がシースアセンブリ100に印加されることが予測された時点で、第1のシースと第2のシース110との間の相対的な動きを制止するのに十分な摩擦力を第1のシースの外面で付与するように構成することができる。
【0062】
取り付け機構115はまた、取り付け機構外面205も含む。取り付け機構外面205は、第2のシース110の接合外面138に結合することができる。1つの実施例として、取り付け機構外面205は、取り付け機構外面205が第2のシース110の外面138と接合する溶接接続を介して、第2のシース110の接合外面138に接合することができる。
図5の実施形態に最も良く見られるように、取り付け機構外面205と第2のシース110の外面138との間の溶接接続は、第2のシース110が取り付け機構115に結合される所与の断面位置において、第2のシース110の外面138の外周の約50%未満、40%未満、35%未満、30%未満、又は25%未満存在し得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、取り付け機構115への第2のシース110の溶接結合は、第1のシースの長手方向中心軸106に対する取り付け機構115の非対称断面プロファイルを容易にするのを補助することができる。例えば、第2のシース110を取り付け機構115外面205に溶け込ませることで、取り付け機構115の外面205における表面張力を増加させることができる。取り付け機構115の外面205における表面張力の増加は、第1のシースの長手方向中心軸106から離れて第2のシース110と接続する取り付け機構115の一部分を引っ張るのに十分な力の大きさであり得る。したがって、この表面張力の増加は、第1のシースの長手方向中心軸106に対して「真円でない」状態で第2のシース110と接続する取り付け機構115の一部分を引っ張ることができ、それによって、
図4及び
図5に示されているような、非対称断面プロファイルの取り付け機構115を構成することができる。取り付け機構115の外面205の接合部分のこの結合は、場合によっては、リフロー製造プロセスと称することができる。
【0064】
例示される実施形態では、取り付け機構115は、穿孔222を含むことができる。取り付け機構115は、第1のシースを展開するときなどに、穿孔222に沿って破断するように構成することができる。穿孔222は、例えば、第2のシース110と接合する外面205の一部分に対向する外面205の位置において、取り付け機構115の外面205に沿って含むことができ、多くの場合、穿孔222はまた、取り付け機構115の非対称部分にも対向し得る。また、穿孔222は、外面206に沿って第2のシースの長手方向中心軸111に平行な方向に延在することができる。穿孔222を破断させたときに、取り付け機構115は、連続ループ形状から略「C字」形状のバンドに変化することができ、取り付け機構115が、第1のシースのサイズの増加に適応し、それでも第2のシース110を第1のシースに固定した状態に維持することを可能にする。
【0065】
シースアセンブリ100の実施形態は、1つの第2のシース110を含むように例示されている。他の追加的な実施形態では、シースアセンブリ100は、2つ以上の第2のシース110を含むことができる。例えば、1つのかかる追加的な実施形態では、シースアセンブリ100は、例えば、取り付け機構115の外周の周りに離間された(例えば、取り付け機構115の外周の周りの互いの対向する位置に)、2つの第2のシース110を含むことができる。別の実施例として、別のそのような追加的な実施形態では、シースアセンブリ100は、取り付け機構115の外周の周りに分配された複数の第2のシース110を含むことができる。
【0066】
2つ以上の第2のシース110を含むこれらの追加的な実施形態では、例示されるシースアセンブリ100の単一の第2のシース110の実施形態に関して本明細書に開示される1つ以上の様々な特徴(例えば、様々な特徴の各々)が、第2のシース110及び取り付け機構115に含まれ得る。例えば、シースアセンブリが2つ以上の第2のシース110を含む追加的な実施形態では、第1のシース105は、第1のシースのステップアップ拡張部250を含むことができ、取り付け機構115は、各第2のシース110の位置と位置合わせされた取り付け機構のステップアップ拡張部252及び取り付け機構の非拡張領域261を含むことができ、各第2のシース110は、第2のシースのステップアップアップ拡張部265を含むことができる。具体的には、述べたように、これらの追加的な実施形態では、取り付け機構のステップアップ拡張部252及び取り付け機構の非拡張領域261が、取り付け機構115の外面の周りに円周方向に、第2のシース110の各々の円周方向位置と位置合わせされた位置において取り付け機構115に含まれ得る。例えば、シースアセンブリが、取り付け機構115の外周の周りの対向する位置に2つの第2のシース110を含む一実施形態では、取り付け機構のステップアップ拡張部252及び取り付け機構の非拡張領域261が、これらが対向する取り付け機構115の外面の円周方向位置に含まれ得る。同様に、シースアセンブリが、取り付け機構115の外周に互いに隣接して位置決めされた2つの第2のシース110を含む一実施形態では、取り付け機構のステップアップ拡張部252及び取り付け機構の非拡張領域261は、(例えば、取り付け機構のステップアップ拡張部252及び取り付け機構の非拡張領域261は、取り付け機構115の外周に沿ってこれらの隣接した位置の周りに連続するように)取り付け機構115の外面のこれらの隣接する円周方向位置に含まれ得る。
【0067】
図7は、シースアセンブリを使用する方法700の一実施形態のフロー図である。例えば、方法900において参照されるシースアセンブリは、本明細書の他の場所で開示されるシースアセンブリ100と同様又は同一であり得る。
【0068】
ステップ710で、方法700は、第2のシースを第1のシースに固定して、シースアセンブリを形成するステップを含む。方法700の第2のシースは、本明細書に開示される第2のシース110と同様又は同一であり得る。方法700の第1のシースは、本明細書に開示される第1のシース105と同様又は同一であり得る。ステップ710は、第2のシースを包装材容器から取り出して、取り付け機構115などの1つ以上の取り付け部材を介して第2のシースを第1のシースに固定することを含むことができる。これは、第2のシースの外面の大部分が取り付け部材を含まない状態を維持しながら、取り付け部材を第1のシースの外面の周りに固定することを含むことができる。ステップ710はまた、取り付け部材を使用して、第2のシースを第1のシースに固定することを含むこともでき、取り付け部材は、(例えば、第1のシースの長手方向中心軸を中心に対称である)対称断面部分、及び(例えば、第1のシースの長手方向中心軸を中心に非対称である)非対称断面部分を含む。第2のシースは、取り付け機構の対称断面部分が第2のシースから離間される(例えば、対向して位置する)ように第1のシースに固定することができ、取り付け機構の非対称断面部分は、第2のシースとの接合部に位置付けられる。
【0069】
ステップ720で、方法700は、ガイドワイヤを患者に挿入するステップを含む。ガイドワイヤは、血管管腔内に挿入して、患者の単一のアクセス部位を介して関心領域まで前進させることができる。ガイドワイヤは、介入技術を行って対象の血管を穿刺して、単一のアクセス部位にガイドワイヤを挿入するための開口部を作成した後に、ステップ720で血管管腔内に挿入することができる。
【0070】
ステップ730で、方法700は、単一のアクセス部位を通してシースアセンブリ-例えば、述べられる取り付け機構を介してともに結合された第1及び第2のシース-を患者に挿入するステップを含む。例えば、第1のシースは、ガイドワイヤ上へ配置することができ、第1及び第2のシースは一緒に、単一のアクセス部位を通して、取り付け機構とともに血管管腔に挿入して、血管管腔を通して関心領域まで前進させることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、ステップ730でシースアセンブリを挿入することは、血管壁に接触することと、単一のアクセス部位に、最初に、第1のシースのステップアップアップ拡張部(例えば、第1のシースのステップアップ拡張部250)によって、続いて、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部(例えば、第1の取り付け機構のステップアップ拡張部252a)の後に第2の取り付け機構のステップアップ拡張部(例えば、第2の取り付け機構のステップアップ拡張部252b)が続くなどの、取り付け機構のステップアップ拡張部(例えば、取り付け機構のステップアップ拡張部252によって、続いて、取り付け機構の非拡張領域(例えば、取り付け機構の非拡張領域261)によって、続いて、第2のシースのステップアップ拡張部(例えば、第2のシースのステップアップ拡張部265)によって、血管管腔を画定することと、を含むことができる。本明細書の他の場所に記載されるように、シースアセンブリの構成によって容易にされる単一のアクセス部位におけるこの挿入順序は、(例えば、単一のアクセス部位において、シースアセンブリの導入中の十分な時間を通じて、血管を弛緩し、安定させ、任意のひだを真っすぐにすることを可能にすることであって、このひだは、シースアセンブリの一部分の導入中に血管壁に形成され得、別のより大きい断面直径部分を導入する前の、シースアセンブリの導入開始時に有していた初期形状に復元する、可能にすることによって)単一のアクセス部位でのシースアセンブリのより効率的な挿入プロセスを可能にするのを補助することができる。
【0072】
ステップ740で、方法700は、第2のシースを展開状態から収縮状態に移行させるステップを含む。例えば、第2のシースは、第2のシースが血管壁と接触して、第1及び第2のシースがその中に挿入されて前進される血管管腔を画定するときに、展開状態から収縮状態に移行させることができる。第2のシースは、第2のシースの外面上の血管壁によって第1の方向に付与される力、及び第1のシースの外面によって第2の反対方向に付与される力の結果として、収縮状態に移行させることができる。第2のシースを収縮状態に移行させることで、血管管腔内のシースアセンブリのプロファイルの低減(及び、例えば、取り付け機構の非対称部分により近づけるなどの、第2のシースの少なくとも一部分を取り付け機構により近づけること)をもたらし得る。これは、シースアセンブリを、患者の単一のアクセス部位を介して使用することを可能にする際に有用であり得る。
【0073】
ステップ750で、方法700は、第2のシースを通して器具を挿入するステップを含む。器具は、第2のシース管腔を通して挿入することができる。器具は、例えば、診断カテーテル及び/又は介入カテーテル(例えば、第2のシース内のピグテールカテーテル及び関連するガイドワイヤ)などの、診断器具及び/又は介入器具であり得る。第2のシースを通して器具を挿入するステップは、第2のシースを収縮状態から展開状態に向かって移行させることができる。すなわち、第2のシース管腔内に器具を挿入することで、第2のシースの内面に力を付与することができ、この力は、血管壁によって第2のシースの外面に付与される力に対抗して、第2のシースを、第1のシースから離れて、かつ血管壁に向かって外向きに展開する。特に、このようにして、第2のシースは、第2のシース管腔内に器具を収容するのに必要な範囲だけ、収縮状態から展開状態に向かって移行させ、それによって、処置中に器具が第2のシース管腔内で能動的に使用されているときであっても、シースアセンブリの最低限必要なプロファイルを保つことができる。したがって、第2のシースに展開状態と収縮状態との間を移行させることは、挿入及び配置中、並びに処置中の第2のシースの使用中の両方で、シースアセンブリの低プロファイルを容易にすることができ、その結果、シースアセンブリを単一のアクセス部位を介して使用できることを可能にする。
【0074】
場合によっては、方法700は、ステップ750の後に、第2のシース管腔から器具を取り出し、次いで、患者からシースアセンブリを取り出すステップを更に含むことができる。例えば、第2のシース管腔から器具を取り出すステップは、第2のシースを展開状態から収縮状態に移行させることができる。すなわち、上で説明したように、第2のシースの管腔内に器具がない状態で、第2のシースは、血管壁及び第1のシースの各々によって第2のシースの外面に力が付与された結果として、血管壁と接触したときに収縮するように構成することができる。次いで、第2のシースが収縮状態にある状態で、シースアセンブリを血管から取り出すことができる。シースアセンブリを血管から取り出すことは、ガイドワイヤを通じて、第1のシース及び第2のシースの両方、並びに取り付け機構を一緒に取り出すことを含むことができる。第2のシースが収縮状態にある状態で、シースアセンブリが関心領域にあるとき及び器具が第2のシースの管腔内にあるときに対して、より低減されたコンパクトなプロファイルにある間に、シースアセンブリを血管から取り出すことができる。
【0075】
様々な非限定的で例示的な実施形態を説明してきた。本明細書に記載される実施例の範囲から逸脱することなく、適切な代替物が可能であることが認識されるであろう。これらの及び他の実施例は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
【国際調査報告】