(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】動的ウェブコンテンツを用いたビデオ広告補強
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q30/0241 444
G06Q30/0241 446
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529003
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 US2020061350
(87)【国際公開番号】W WO2022108588
(87)【国際公開日】2022-05-27
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519096183
【氏名又は名称】コンテンツ ディレクションズ,インコーポレイテッド ディービーエー リンクストーム
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ロス,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】シャハト,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】シッドマン,デイビッド
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
ウェブブラウザを介して表示されるビデオメディアを補強してインタラクティブ機能を追加するためのシステムおよび方法が開示される。本方法は、要素を構造化メディア定義に追加することから開始して、メディアが再生されるときに、メディアにウェブページ上で、対話型メニューを生成するための命令を含むスクリプトを含む、1つ以上の新しい要素のインスタンスを生成させて、それにより対話型メニューから任意のオプションを選択すると、リモートサーバーによって提供される1つ以上のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)関数を呼び出す。構造化メディア定義はウェブブラウザに送信されて、それにビデオをロードさせて命令を実行させる。サーバーバックエンドは、ウェブブラウザによって実行される場合にスクリプトからAPI呼出しを受信して処理し、API呼出しに対する応答を、スクリプトによって作用されるウェブブラウザに送信する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブブラウザを介して表示されるビデオメディアを補強してインタラクティブ機能を追加するためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサおよび命令を含む持続性メモリを含むネットワーク接続されたサーバーであって、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、前記1つ以上のプロセッサに
補強すべきビデオメディアの識別を受信することと、
前記ビデオメディアが消費者に対して表示されるときに重ね合わされる1つ以上のインタラクティブ要素を有するマルチレベルメニューの定義のためのユーザーインタフェースを提供することと、
前記消費者のウェブブラウザ上のビデオプレイヤーに、前記ウェブブラウザによって実行されて、前記ビデオメディアの表示中に前記ウェブブラウザ内で前記マルチレベルメニューおよび前記1つ以上のインタラクティブ要素のインスタンスを生成するスクリプトをロードするように指示する構造化メディア定義を自動的に生成し、さらに前記ウェブブラウザに、前記1つ以上のインタラクティブ要素が前記消費者によってやり取りされる場合、前記ネットワーク接続されたサーバーに配置されたユニフォームリソースロケーター(URL)に対する1つ以上のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)呼出しを引き起こすスクリプトをロードさせることと、
前記1つ以上のAPI呼出しを受信すると、前記消費者によってどのインタラクティブ要素とやり取りされたかに基づいて消費者挙動のプロファイルを確立または更新することと、
将来のビデオメディア内のコンテンツを、前記消費者が前記インタラクティブ要素とのやり取りを介して以前に興味を示していた製品にフォーカスさせ、かつ/またはデフォルトで追加されているインタラクティブ要素とは異なる将来のビデオメディア内のマルチレベルメニューに追加すべきインタラクティブ要素を選択することにより、前記消費者に配信される前記将来のビデオメディアのターゲットを動的に変えるか、または再最適化することと
を行わせる、ネットワーク接続されたサーバー
を備える、システム。
【請求項2】
ウェブブラウザを介して表示されるビデオメディアを補強してインタラクティブ機能を追加するためのシステムであって、
1つ以上のプロセッサと、
命令を含む持続性メモリであって、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、前記1つ以上のプロセッサに
前記ウェブブラウザから生じるAPI呼出しを受信および処理するサーバーバックエンドを提供すること、
構造化メディア定義に要素を追加して、前記ビデオメディアが再生される場合に、前記ビデオメディアに、対話型メニューを生成するための命令を含むスクリプトを含む、1つ以上の新しいウェブページ要素のインスタンスを生成させ、それによって前記対話型メニューから任意のオプションを選択すると前記APIの1つ以上の関数を呼び出すこと、
前記構造化メディア定義を前記ウェブブラウザに送信させ、それにより前記ウェブブラウザにビデオをロードさせて前記命令を実行させること、
消費者の前記対話型メニューとのやり取りに基づいて前記ウェブブラウザからAPI呼出しを受信すること、ならびに
前記API呼出しに対する応答を前記スクリプトによって作用される前記ウェブブラウザに送信すること
を行わせる、持続性メモリと
を備える、システム。
【請求項3】
前記応答は、前記スクリプトによって作用されると、異なるビデオを再生させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記命令内で、前記消費者が以前の時点において前記ビデオメディアとやり取りしたかどうかを判断し、そうであれば、前記以前のやり取りに従って前記ビデオメディアのユーザーインタフェースを自動的に更新する命令を提供することをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記以前のやり取りに従った前記ビデオメディアの前記ユーザーインタフェースの前記自動更新は、前記ユーザーインタフェースを、前記消費者が前記以前のやり取り中に前記ユーザーインタフェースに取らせた同一状態に戻す、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記構造化メディア定義は、VPAIDに対応したフォーマットであり、前記スクリプトはJavaScriptで書かれている、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の新しいウェブページ要素は、前記スクリプトの動作および前記ユーザーインタフェースの要素を、前記ビデオメディアをホストしているウェブページ内の任意のスクリプトまたは名前の衝突による干渉から遮蔽するためにiFrameを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記対話型メニューは、消費者が一次メニューから異なるオプションを選択する度に、二次メニュー内に異なる視覚的オプションを提示するマルチレベル階層メニューである、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記ビデオの前記ロードの後に前記対話型メニューからオプションを選択すると、既にロードされているビデオの代わりに、異なるビデオの再生を開始させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、前記1つ以上のプロセッサに、
前記ビデオメディアを見ている消費者による製品への以前の興味を示しているデータを第三者から取得することと、
以前の興味を示している前記データに基づいて1つ以上の新しいオプションを含むように前記対話型メニューを動的に更新することと
をさらに行わせる、請求項2に記載のシステム。
【請求項11】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、前記1つ以上のプロセッサに、
前記ビデオメディアを見ている消費者の人口統計学的属性、位置、および購入挙動の1つ以上を示すデータを第三者から取得することと、
人口統計学的属性、位置、および購入挙動の1つ以上を示している前記データに基づいて1つ以上の新しいオプションを含むように前記対話型メニューを動的に更新することと
をさらに行わせる、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
ウェブブラウザを介して表示されるビデオメディアを補強してインタラクティブ機能を追加するためのコンピュータ実装方法であって、
前記ウェブブラウザから生じるAPI呼出しを受信および処理するサーバーバックエンドを提供することと、
構造化メディア定義に要素を追加して、前記ビデオメディアが再生される場合に、前記ビデオメディアに、対話型メニューを生成するための命令を含むスクリプトを含む、1つ以上の新しいウェブページ要素のインスタンスを生成させ、それによって前記対話型メニューから任意のオプションを選択すると前記APIの1つ以上の関数を呼び出すことと、
前記構造化メディア定義を前記ウェブブラウザに送信させ、それにより前記ウェブブラウザにビデオをロードさせて前記命令を実行させることと、
消費者の前記対話型メニューとのやり取りに基づいて前記ウェブブラウザからAPI呼出しを受信することと、
前記API呼出しに対する応答を前記スクリプトによって作用される前記ウェブブラウザに送信することと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記応答は、前記スクリプトによって作用されると、異なるビデオを前記ビデオメディア内で再生させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記命令内で、前記消費者が以前の時点において前記ビデオメディアとやり取りしたかどうかを判断し、そうであれば、前記以前のやり取りに従って前記ビデオメディアのユーザーインタフェースを自動的に更新する命令を提供することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記以前のやり取りに従った前記ビデオメディアの前記ユーザーインタフェースの前記自動更新は、前記ユーザーインタフェースを、前記消費者が前記以前のやり取り中に前記ユーザーインタフェースに取らせた同一状態に戻す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記構造化メディア定義は、VPAIDに対応したフォーマットであり、前記スクリプトはJavaScriptで書かれている、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の新しいウェブページ要素は、前記スクリプトの動作および前記ユーザーインタフェースの要素を、前記ビデオメディアをホストしているウェブページ内の任意のスクリプトまたは名前の衝突による干渉から遮蔽するためにiFrameを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記対話型メニューは、消費者が一次メニューから異なるオプションを選択する度に、二次メニュー内に異なる視覚的オプションを提示するマルチレベル階層メニューである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記ビデオの前記ロードの後に前記対話型メニューからオプションを選択すると、既にロードされているビデオの代わりに、異なるビデオの再生を開始させる、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記ビデオメディアを見ている消費者による製品への以前の興味を示しているデータを第三者から取得することと、
以前の興味を示している前記データに基づいて1つ以上の新しいオプションを含むように前記対話型メニューを動的に更新することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記ビデオメディアを見ている消費者の人口統計学的属性、位置、および購入挙動の1つ以上を示すデータを第三者から取得することと、
人口統計学的属性、位置、および購入挙動の1つ以上を示している前記データに基づいて1つ以上の新しいオプションを含むように前記対話型メニューを動的に更新することと
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術革新は一般に、クロスドメイン通信を備えた対話型メニューを作成するためのコードを含む、実行可能コードを追加するためにオンラインビデオ広告を補強するためのシステムおよび方法に対処する。
【背景技術】
【0002】
事実上、テレビ、ラジオ、および印刷物などの、21世紀より前の全ての通信媒体では、広告は制限された有効性しか有していない。放送または出版物は、全ての受け取り手にとって同じであり、受け取り手によって受動的に見られるか、または聞かれて、一方向通信に限られており、広告されているものを購入するために別の媒体の使用を必要とし、広告主に対して受け取り手がその広告を見たか、または聞いたという確証を提供しない。慣例的に、たとえ最新式の特徴および双方向通信がコンピュータネットワークによって可能にされても、消費者のオンライン広告との関与の測定は、消費者がその広告に触れていること、および恐らく、ビデオの第1、第2、および第3の四分位(quartile)などの、ビデオ広告のある部分が消費者に示されていることの確認に制限されている。消費者がその広告に注意を払ったことを確認するための報告は存在せず、消費者が偶然、その広告をクリック、タップするか、または他の方法でやり取りしてその広告を通ってオンラインストアに行って同時に購入を完了しない限り、販売または他の消費者活動が広告に繋がっていることを確認する方法もない。
【0003】
デジタル広告業界は、主にその業界団体、インタラクティブ広告協議会(IAB)を通して、インターネット上のデジタル広告の配信を容易にするためにいくつかの事実上の業界標準を広めている。ビデオ広告では、2つのかかる標準はVAST(動画広告掲出テンプレート)およびVPAID(動画プレイヤー広告インタフェース定義)であり、モバイルアプリケーション広告に対する標準、MRAID(モバイルリッチメディア広告インタインタフェース定義)がそれに先行した。IABの意図は、これらの標準の全てを新しい標準、SIMID(Secure Interactive Media Interface Definition:セキュアインタラクティブメディアインタフェース定義)に統合することであり、それは、前述の標準を統合および簡素化することに加えて、それらにセキュリティを追加することを意図している。これらの標準は、HTML5ベースまたは他のビデオ再生ソフトウェアによって採用される場合、広告が、外部ファイルがビデオプレイヤーによってロードされて実行されるのを可能にすることを含む、追加の特徴で定義されるのを可能にする。
【0004】
従って、広告を購入にもっと直接的に結びつけて、消費者の自己表現された「第一者」データ(それは、単に消費者が何に興味があるかに関する推測よりも、高品質で広告主にとってより大きな関心である)を捕捉して数値化し、ビデオ広告のより機能的で人を引き付ける形のために双方向性を提供してクロスドメイン通信を容易にするビデオ広告を作成できるシステムに対する利点がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の方法およびシステムは、広告を見る経験を、広告内に示されているか、または示されている品目に関連した品目の直接購入を可能にする対話型メニューなどの、メッセージを強化する追加のコンテンツで一次ビデオメッセージを補完し、それを追加の態様で補強することによって、遥かに豊かで、深く、より多面的なレベルに引き上げる。これは、広告主が、熱心な消費者に、1つだけの代わりに多くのビデオを表示するのを可能にできるように、一次ビデオを置き換えるか、または補完する複数の追加のビデオの形を取るのさえ可能にする。
【0006】
補強されたビデオ広告は、「フルファネル」マーケティング戦略を達成できる。従来型の広告戦略は多くの場合、消費者が購入へと「漏斗を通るように送り込まれる(funnel)」ときに、3つの階層:消費者をその競合企業と比べてそのブランドへ送り込むためにブランドを広告するだけの「上流」または「広い」ファネル、ブランドに興味がある消費者をそのブランド内で入手可能な商品の特定のクラスの認知度を高める中間ファネル、および広告を見た後に取引を固めて消費者に特定の商品の購入を促す「下流」または「狭い」ファネルを伴う。補強されたビデオ広告は、ブランドを宣伝するビデオを開始するが、そのブランド内の製品をブラウズするメニューも提供し、消費者が、広告自体内に留まりながら、オンラインショッピングカートに品目を入れるのさえ可能にすることにより、3つの役割の全てを果たすことができる。
【0007】
ビデオ広告を真に対話型のナビゲーションメニューで補完すると、消費者経験を、広告を著しく遥かに有用で有益にする「前のめり」で、積極的に関与する消費者経験に変え、これは、それを、広告を通して購入するためのクリックまたはタップなどの動作に繋げる。ビデオ広告を再生している間、メニューは消費者が同時にブラウズし、クリックもしくはタップして直接より深いレベルの製品情報および特定の製品自体に、またはそれらに最も関連するものであれば何であれ他の情報に行くのを可能にする。例えば、ビデオは製品のカテゴリを表示しているマルチレベルメニューを重ね合わされ得、任意のカテゴリをクリックすると、そのカテゴリ内で入手可能な製品のセットをさらに表示し得る。
【0008】
ナビゲートが容易なカスケードメニューフォーマットを使用することにより、消費者は、自分が興味がありそうなメニューの全ての可能な項目を予めプレビューし、次いで一度、クリック、タップ、または他の方法で選択するだけで、自分が所望する特定の製品、情報、取引または他の目的に直接行くことができる。インタフェースは、広告主のウェブサイトに合致するように適合でき、そのためそれはウェブサイトを広告内の人のところに連れて行くかのようになる。
【0009】
ビデオ広告内に含まれているコードは、消費者がメニューのどの分岐を、どれくらいの間(まさにその瞬間に至るまで)探索したか、彼らがどのビデオをどれくらいの間消費したか、彼らがどの特定の製品を見、かつ/またはまたクリックし、かつ/または購入したかなど、の追跡も可能にする。この消費者相互作用データは、極めて粒度が細かくて正確なだけでなく、それは消費者が興味および意図の自己宣言表示として何を実際に選択したかを記録するので、従来の広告評価基準よりも遥かに有用でもある。
【0010】
本開示の一態様では、ウェブブラウザを介して表示されるビデオメディアを補強してインタラクティブ機能を追加するためのシステムが開示される。本システムは、1つ以上のプロセッサおよび、命令を含む持続性メモリを有するネットワーク接続されたサーバーを含み、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行される場合に、その1つ以上のプロセッサに一連のステップを実行させる。まず、サーバーは、補強すべきビデオメディアの識別を受信し、そのビデオメディアが消費者に対して表示されるときに重ね合わされる1つ以上のインタラクティブ要素を有するマルチレベルメニューの定義のためのユーザーインタフェースを提供する。次に、サーバーは自動的に、消費者のウェブブラウザ上のビデオプレイヤーに、そのウェブブラウザによって実行されて、ビデオメディアの表示中にウェブブラウザ内でマルチレベルメニューおよび1つ以上のインタラクティブ要素のインスタンスを生成するスクリプトをロードするように指示する構造化メディア定義を生成する。ウェブブラウザは、1つ以上のインタラクティブ要素が消費者によってやり取りされる場合、ネットワーク接続されたサーバーに配置されたユニフォームリソースロケーター(URL)への1つ以上のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)呼出しを引き起こすスクリプトをロードする。1つ以上のAPI呼出しを受信すると、サーバーは、消費者によってどのインタラクティブ要素とやり取りされたかに基づいて消費者挙動のプロファイルを確立または更新する。サーバーはまた、将来のビデオメディア内のコンテンツを、消費者がインタラクティブ要素とのやり取りを介して以前に興味を示していた製品にフォーカスさせ、かつ/またはデフォルトで追加されているインタラクティブ要素とは異なる将来のビデオメディア内のマルチレベルメニューに追加すべきインタラクティブ要素を選択することにより、消費者に配信される将来のビデオメディアのターゲットを動的に変えるか、または再最適化もする。
【0011】
本開示の別の態様では、ウェブブラウザを介して表示されるビデオメディアを補強してインタラクティブ機能を追加するためのシステムおよび方法が開示される。本システムによって実行される方法は、要素を構造化メディア定義に追加して、スクリプトを含む、ビデオメディアが再生される場合に、ビデオメディアに1つ以上の新しいウェブページ要素のインスタンスを生成させることを含む。スクリプトは、対話型メニューを生成するための命令を含み、そのため対話型メニューから任意のオプションを選択すると、リモートサーバーに配置された1つ以上のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)関数を呼び出す。構造化メディア定義はウェブブラウザに送信されて、それにビデオをロードさせて命令を実行させる。APIバックエンドを提供するサーバーは、スクリプトがウェブブラウザによって実行されて、消費者が対話型メニューとやり取りするとき、スクリプトからのAPI呼出しを受信して処理する。API呼出しに対する応答が次いで、スクリプトによって作用されるウェブブラウザに送信される。この双方向通信サイクルは、消費者および広告主に対して等しく価値を生み出す無数のやり取りを可能にするために使用でき、表示されるビデオを動的に変更すること、ユーザーインタフェースを動的に更新すること、ならびにショッピング、ソーシャルネットワーキング、ゲーム、および他のやり取りを、全てビデオ広告内から可能にすることを含む。
【0012】
他の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明、添付のクレーム、および、いずれの実施形態の範囲も制限せず、説明だけを目的として提供されている、付随する図面からさらに完全に明らかになるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1A~
図1G。様々なスタイルおよび機能のマルチレベルメニューを備えたいくつかの例示的なビデオ広告を示す。
【
図2】双方向クロスドメイン通信機能を備えたインタラクティブビデオ広告を含むウェブページを提供するためのシステム内で使用される代表的なコンピューティング装置のネットワークを示す。
【
図3】広告で補強されたビデオを組み込んでいる代表的なウェブベースのインタフェースを示す。
【
図4】補強されたビデオ広告を消費者に提供する方法を、単純化した形で示す。
【
図5】補強されたビデオ広告から通信を受信して消費者と関連付けられたプロファイルまたはカートを更新する方法を、単純化した形で示す。
【
図6A】消費者の以前の入力または広告もしくは類似の広告との関与に基づきその広告のターゲットを動的に変える方法を、単純化した形で示す。
【
図6B】それぞれ、ターゲットを変える前または後の、動的にターゲットを変えられた広告の例を示す。
【
図6C】それぞれ、ターゲットを変える前または後の、動的にターゲットを変えられた広告の例を示す。
【
図7A】所与のビデオ広告と関連付けられる対話型メニューを定義するためのユーザーインタフェースを示す。
【
図7B】所与のビデオ広告と関連付けられる対話型メニューを定義するためのユーザーインタフェースを示す。
【
図8】消費者の広告関与経験をレビューおよび再現するための方法を示す。
【
図9】本明細書で説明される様々な特徴およびプロセスを実装するために利用され得る代表的なコンピューティング装置の高レベルブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
前述の問題に対処するために、スクリプトをビデオの定義に組み込み、それによりスクリプトがネイティブHTML5ビデオプレイヤーまたは他のビデオプレイヤーによって実行されて、対話型メニューオーバーレイまたは他のユーザーインタフェースを作成し、消費者が広告を見ている間に、その対話型メニューもしくはインタフェースが様々な消費者入力をリモートサーバーに伝達し、それに応じて通信を受信するのを可能にすることにより、ビデオ広告の補強を容易にするための方法およびシステムが提供される。A/Bテストは、消費者が広告内の対話型ナビゲーションメニューに出くわすと、たとえ広告がその他の点で高度に魅力があるか、または対話式であっても、ナビゲーションメニューを欠いている広告と比べて、遥かに高いレートでクリックスルーして転換する(すなわち、品目を購入する、アカウントを登録する、セールスリードとしてサインアップする、または広告主が求めている可能性がある動作であれば何でも)ことが示されている。以前のA/Bテストは、かかる広告は、非インタラクティブビデオ広告と比べて、クリックスルーレートにおいて最大で15倍および転換率において最大で17倍、より良好な成績を収めたことを示している。
【0015】
本明細書を通して、いくつかの特定の業界標準が言及され、好ましい実施形態は、消費者がコンテンツ、およびそのコンテンツに差し挟まれている広告にアクセスするために使用するシステムとの最大限の相互運用性のために、今日使用されている最も一般的な技術の多くを使用する。しかし、ここで説明される特徴および機能の多くは、ソフトウェア開発者による過度の実験なしで、他の技術プラットフォームまたは文脈に適用できる。例えば、以前に言及したHTML5ビデオプレイヤーは好ましいが、Adobe Flash、QuickTime等の、コンテンツを表示するための廃止予定の標準、またはHTML6など、それが最終的に確立される場合になるであろう、将来の標準の他の形式は、最新のウェブブラウザ間での低い相互運用性およびサポートにもかかわらず、本明細書で説明される方式内で動作するように修正され得る。本明細書の他の態様は、HTTPプロトコルを介しインターネットを通したウェブサイトの配信にフォーカスするが、異なるネットワーク(ケーブルテレビ、衛星ネットワーク、ローカルエリアネットワークまたはイーサネット、ワイドエリアネットワークなど)、コンテンツ(ストリーミングビデオ、電子書籍、オンラインマガジン、ブログ、電子メール、ソーシャルメディア掲示、コンピュータゲーム、モバイルアプリ、他のソフトウェア、または個々の、もしくはエピソードコンテンツの任意の他の要素)、またはプロトコル(ケーブルテレビで使用されるQAM[quadrature amplitude modification]、またはFTP、IMAP、もしくはXMPPなどの、他のアプリケーションレベルのコンテンツ配信プロトコル)が、補強されたビデオ広告を消費者に配信するために使用され得る。
【0016】
さらに、説明される好ましい実施形態は、ウェブページ内に埋め込まれた広告の、コンピューティング装置のウェブブラウザ上での表示のための配信であるが、全く異なる形のコンテンツ配信が同じ原理から恩恵を受け得る。例えば、ケーブルテレビ上のテレビ番組中、またはテレビ上でのビデオストリーミング前の広告は、テレビのリモコンを介して、およびリモート上のボタン押下を通して、または音声コマンドインタフェースおよびリモコンのマイクロホンを通して、やり取りされ得る。同様に、ディスプレイ上に示される広告は、Amazon EchoのAlexa、Google Home、AppleのSiri、または類似のインタフェースなどの、自宅内の自動パーソナルアシスタント装置の音声インタフェースによってナビゲートまたは制御され得る。広告は、バーチャルリアリティ(VR)ヘッドセット内にさえ配信されて、ヘルドコントローラ内のモーションキャプチャ加速度計によって、またはVRシステムと関連付けられたモーションキャプチャカメラによって獲得される手の動きを介してやり取りされ得る。これらおよびヒューマンマシンインタフェースの任意の他の形式は、オプションの選択、オプションリストのトラバース、情報もしくは他の入力の入力、およびビデオ広告の出力の消費者への表示を行うために使用され得る。
【0017】
明細書の残りを通して説明される核心概念の導入として、
図1A~
図1Gは、様々なスタイルおよび機能のマルチレベルメニューを備えたいくつかの例示的なビデオ広告を示す。
【0018】
ビデオ広告100が消費者に対して最初に表示される場合(
図1Aに示されるように)、対話型メニュー105が、その下で再生しているビデオの上に重ね合わせて、見えており、メニュー105は、消費者がやり取りできる複数のオプションまたは要素110A~110Dを含む。オプション110Aの1つをクリックもしくはマウスオーバーするか、または他の方法で選択すると、新しいサブメニュー115が出現して、クリックされた要素110Aに関連したコンテンツを含むように生成され得る(
図1Bに示されるように)。このコンテンツは、画像120、テキスト125、またはハイパーリンク130、この事例では、売り物の車両の画像、その車両に関する情報、およびクリックされると、詳細を確認し、かつ/または購入するために消費者を広告主のウェブサイトに連れて行くリンク、を含み得る。異なる要素110Bとやり取りすると、サブメニュー115は異なるコンテンツを含むように再生成される(
図1Cに示されるように)。「出口(exit)」ボタン135をクリックすると、サブメニュー115が消えて、メニュー105だけを表示しながら、ビデオの再生を継続する。
【0019】
図1D~
図1Fは、以前に説明した「フルファネル」広告戦略を例示する広告100を示す。ビデオ広告100がまず、再生し始めると(
図1Dに示されるように)、ビデオは、
「探索(Explore)」とラベル付けされた控えめなメニューオプション110Aを除いて、いかなるインタフェース要素によっても妨げられない。たとえ消費者が「探索」ボタン110Aとやり取りしようと試みなくても、消費者は、広告されているブランドに曝されて、所望の「上流」ファネル効果が達成されている。「探索」ボタン110Aをクリックまたはタップすると、メニュー105の残りが見えるようになって(
図1Eに示されるように)、消費者をいくつかのブランドオプション110B~110Fとさらに親しませ、潜在的に消費者を駆り立ててもっと調査して消費者がオプションの1つをクリックまたはタップすると何が起こるかを見るようにさせる。「探索」ボタン110Aはまた、ビデオだけの表示に戻るために消費者によってクリックまたはタップできる「閉じる」ボタン135と置き換えられる。消費者がメニューオプション110Cを選択すると(
図1Fに示されるように)、ビデオ広告自体が新しいビデオに変わってメニューオプション110Cに示されたブランドを強調して、サブメニュー115が、消費者が示された製品を直ちに購入するのを可能にするハイパーリンク130を伴う画像プロンプト120で生成される。このように、ファネルの各段階は、消費者の興味をさらに前に駆り立てることができ、消費者は、自分が望む限りファネルを通して、購入するまでに進むことができ、恐らく広告が最初に示された時点では、消費者は広告されているブランドと関連付けられたオプションを知らなかった。
【0020】
図1Gは、メニュー105およびサブメニュー115の両方がブランドオプション110A~110Dの画像および各ブランド内の特定のオプションを表している画像-この事例では、スタジオまたはシネマティックユニバース、および相互に関連付けられた映画に対する予告編、で占められている広告100を示す。サブメニュー115からオプションが選択されるたびに、新しい予告編が広告100の本体内で再生を開始して、消費者が利用可能な予告編のいずれか、または全てを見るのを可能にする。
図1A~
図1Fのインタフェースとは異なり、ほとんどのメニューオプションは、消費者をビデオ広告から離れてナビゲートさせず、代わりに、ビデオ再生に関して制御を行使するだけである。しかし、最後のメニューオプション110Eはクリックまたはタップされて、消費者を、宣伝されているサービスに対してサインアップするか、または1つ以上の商品を購入するための外部ウェブページに連れて行き得る。
【0021】
本文書を通して、および様々な
図1A~
図1Gで「ビデオ広告」として説明されているが、本明細書で説明される技術は、特定の商品およびサービスを宣伝せず、金融取引も提案しないビデオコンテンツに対しても使用できる。「ビデオ広告」は、受け取り手が必ずしもそのメッセージを探し求めていたか否かに関わらず、最終受け取り手にメッセージを伝達することを意図した任意の形式のビデオメディアを含むと解釈すべきである。例えば、様々な政府、非営利、または他の組織は、公共サービス情報、悪天候警報およびアラート、寄付もしくはチャリティの懇願、陳情書への署名の依頼、ならびに/またはアンバーアラート(Amber alert)もしくは「投票推進運動」奨励などの公共の警戒(public vigilance)もしくは行動の要請を含む双方向メディアコンテンツから等しく恩恵を受け得る。
【0022】
図2は、双方向クロスドメイン通信機能を備えたインタラクティブビデオ広告を含むウェブページを提供するためのシステム内で使用される代表的なコンピューティング装置のネットワークを示す。
【0023】
ウェブブラウザを含むソフトウェアを備えた消費者コンピューティング装置200は、インターネット205または様々なリモート装置に接続するための別の類似のネットワークに接続するために使用される。消費者コンピューティング装置200は、ラップトップもしくはデスクトップなどのパーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、ゲーム機、またはウェブページを消費者に表示するためにウェブブラウザを使用可能な任意の他の装置であり得る。
【0024】
消費者コンピューティング装置200上で動作しているウェブブラウザは、ウェブサーバー210によって提供された特定のドメインにおけるURLをリクエストするか、またはそこにナビゲートするために使用される。そのURLにおけるウェブページ(
図3に要素300として示されている)は、
図4に関連してさらに以下で説明される、消費者のウェブブラウザに対する命令を組み込んで、広告がロードされる瞬間に動的に挿入されるビデオコンテンツまたは他の情報を格納する広告コンテンツサーバー220または他のコンテンツサーバーによって供給されたビデオ広告または他の動的コンテンツをロードする。
【0025】
広告管理サーバー215は、広告を生成するための情報をウェブサーバー210に配信するため、および一旦、消費者が広告を見てやり取りをし始めると、消費者のコンピューティング装置200から通信を受信するためのAPIを提供するために使用される。広告管理サーバー215は、
図7Aおよび
図7Bに示され、それらに関連して更に以下で説明されるように、広告を作成するためのユーザーインタフェースも提供し得る。
【0026】
サーバー210および215はおそらく、それらの機能に必要な全ての情報をサーバー自体上にローカルに格納し得るが、好ましい実施形態では、それらはそれぞれ、ウェブサーバーデータベース225および広告管理データベース230に通信可能に結合される。ウェブサーバーデータベース225は、消費者がリクエストし得るウェブサイトに関連したコンテンツだけでなく、以下の図の記述でさらに説明される、そのウェブサイト内に埋め込むために生成された補強された広告の指定された定義も格納し得る。広告管理データベース230は、
図7Aおよび
図7Bで説明されるユーザーインタフェースを使用して生成された全ての広告に関する情報、ならびに以下で、
図4~
図6に関連してさらに説明されるように、既に提供された広告の消費者印象および広告とのやり取りのログを格納する。
【0027】
装置間での機能の特定の分割が前述のシステムで説明されているが、機能が装置間で異なって分割される他の構成が可能である。例えば、ウェブサーバー210、広告管理サーバー215、広告コンテンツサーバー220、ならびにデータベース225および230の機能のいずれかまたは全部は、論理上は1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを同時に実行する単一の装置によって実行できる。さらに、第1のウェブサーバー210、広告管理サーバー215、広告コンテンツサーバー220、ならびにデータベース225および230は各々、あたかもそれらが各々1つのコンピューティング装置またはデータベースであるかのように説明されているが、それらのデータを同期化して、相互に対するバックアップとして全てが利用可能な類似のシステムに対する複数のアクセスポイントを備えたクラウドベースのソリューションが、1つの位置に全て保管されたコンピューティング装置の唯一のセットよりも好ましい。特定のコンピューティング装置数およびそれらの間の通信が別個のコンピューティング装置間のネットワーク通信か、または単一コンピューティング装置のローカルメモリのアクセスかは、各部分が全体的な体系内で有する機能ほど重要ではない。
【0028】
図3は、広告で補強されたビデオを組み込んでいる代表的なウェブベースのインタフェースを示す。
【0029】
ウェブページ300は、複数のコンテンツ領域305および広告領域310を含み得る。好ましい実施形態では、iFrameが広告領域310内に作成されてビデオおよび任意の他の要素をiFrame内にロードし、それによりiFrameは広告をウェブページ300の機能の残り、およびウェブページ300上で実行している任意のスクリプトから遮蔽する。結果として、ウェブページ300上で実行している任意のスクリプトが特定の名前もしくはIDを有している要素に影響を及ぼそうと試みるか、またはウェブページの要素一般に影響を及ぼそうとしても、名前の競合がない。
【0030】
いくつかの実施形態では、広告領域310は、
図3に示されるように、ウェブページの一方の側に対するバナーまたはフローティング要素に制限される。他の実施形態では、モーダルボックスまたは他の要素310が作成されてウェブページの全部またはかなりの部分を占め得、そのためウェブページ300の残りは、ビデオ広告が完了して消費者がウェブページの残りに進むのが可能になるまで、やり取りできない。
【0031】
広告領域310は、CSS、JavaScript、または他の方法を使用して、レスポンシブデザインの一部としても適合されて、視聴装置で利用可能な寸法、広告を組み込んでいるウェブページの寸法、および/または広告を組み込んでいるウェブページのレイアウトに基づいて広告領域のサイズを動的に変更できる。
【0032】
図4は、補強されたビデオ広告を消費者に提供する方法を、単純化した形で示す。
【0033】
最初に、消費者は自分のコンピューティング装置200を介してウェブページを見ることをリクエストし(ステップ400)、ウェブサーバー210はそのリクエストを受信する(ステップ405)。
【0034】
ウェブサーバー210は、ウェブサイトに対するHTMLデータでリクエストに応答し、さらに、VPAID仕様の広告をその応答と共に含む(ステップ410)。VPAIDは、ビデオの消費者に対する表示、消費者のビデオとの関与の追跡、およびJavaScriptまたは他の実行可能コードなどの追加のコンテンツの包含を可能にすることに関連したいくつかの要素またはタグを含むXMLベースの仕様である。ここで説明されるシステムおよび方法と共に動作するように設計されたVPAID仕様の広告例が以下に提供される:
【数1】
【0035】
代替実施形態では、VPAID以外の仕様が使用できる。例えば、将来、広告は、セキュリティのためにVPAIDではなくSIMIDに従って指定されそうであるが、SIMIDは同じ動的ローディングプロセスが可能である。ビデオプレイヤーに、ウェブページのコンテンツを変更可能な一連の命令をロードするように指示する任意の形式の広告定義が代わりに使用され得、VPAIDはこれ以降、各インスタンス内でより一般的な形の広告定義が等しく使用できることが明らかであるからではなく、本明細書を通して便宜上のために、使用される。
【0036】
前述のコードでは、XML要素
【数2】
は、ビデオフィルムに「vpaid.js」というタイトルの特定のJavaScriptファイルをロードさせて、広告を再生している間にそれの実行を開始する。
【0037】
前述のコードは、消費者が広告を見ている間に生じ得る1つ以上の考えられるイベントを各々指定する「<Error>」、「<Impression>」、および「<TrackingEvents>」などのタグも含む(すなわち、それぞれ、ビデオのロードおよび再生の失敗、広告が表示されたことの確認、ならびにビデオを見ている間の様々な時間的チェックポイントまたは消費者動作)。前述した例の各事例では、タグは、イベントが生じた場合にHTTPリクエストが送信される広告管理サーバー215におけるURLを指定する。URLは、各別個のHTTPリクエストがURL自体内に、生じたイベント、そのイベントをトリガーした消費者、および任意の他の関連情報を符号化するRESTful(representational state transfer)APIとして機能できる。他の実施形態では、特定のURLへのHTTPリクエストに依存しないか、またはRESTful APIではない、別の形の通信が使用され得るが、それにもかかわらずメッセージが広告管理サーバー215に届くことを確実にする。
【0038】
これは広告管理サーバー215が消費者と関連付けられたイベントを格納し、それらに対していくつかの方法で反応するのを可能にする。広告管理サーバー215は、消費者がより長時間にわたってどの広告と関与するか、または消費者が、広告を以前に一時停止もしくはミュートにした後に再開するか、もしくはミュートを解除することを選ぶことに基づき、将来より良くターゲットを絞って広告を出し得る。イベントは、広告を見ている間に消費者によって取られた動作に基づき、広告を見ている間の消費者の考えられる思考プロセスを理解するための事後評価中に消費者の経験(
図8の説明を参照、以下で詳述)を再現するためにも使用できる。
【0039】
消費者のブラウザは、ウェブページおよびVPAID広告定義を受信して(ステップ415)、ウェブページによって呼び出されると、広告を表示するためにHTML5ビデオプレイヤーまたは他のビデオプレイヤーのインスタンスを生成する。インスタンス生成を達成するためのコードであって、VPAID定義を解析して、それに適合可能なコードが、例えば、Googleによって提供されるInteractive Media Ads Software Development Kits内で見られ得る。
【0040】
消費者のブラウザ内のHTML5ビデオプレイヤーまたは他のビデオプレイヤーは、広告コンテンツサーバー220からのビデオのロードおよびVPAID命令の「<MediaFile>」タグ内に指定されたJavaScriptの実行を含む、VPAID命令の実行を開始する(ステップ420)。
【0041】
JavaScriptは、新しいiFrame要素を作成するための命令をそのページのHTML内に含む(ステップ425)。前述のとおり、iFrameは、ページ上で実行し得る他のスクリプトによる干渉からコンテンツを保護するより良い方法として好ましい。iFrameの使用は、HTTPリクエストを広告管理サーバー215に向けるスクリプトが一見したところウェブサーバー210によって対応されたドメインからそれを行うとしたら、ウェブブラウザのセキュリティ設定によってブロックされ得るクロスドメイン通信も可能にできる。しかし、他の実施形態では、他のHTML要素をその中に格納可能な「<div>」または他のHTML要素が代わりに使用され得る。
【0042】
iFrameは次いで、それらの要素の消費者操作に応答するために必要なユーザーインタフェース要素およびJavaScriptを投入される(ステップ430)。これは、最も明らかには、
図1A~
図1Cに示された種類のメニューを含み得る。しかし、代替形式のビデオ広告では、多数の他の形式のインタラクティブコンテンツが含まれ得る、例えば:
・サービスの新しいユーザーの登録、サービスの既存のユーザーとしてのログイン、または連絡先情報およびクーポンもしくは特価提供のためのメーリングリストなどの将来の伝達に対する同意の提供目的を含む、フォームの記入および提出、
・追加のコンテンツ、文書、または他のファイルの選択を通したブラウズおよびこれらのファイルの1つ以上をダウンロードするリクエストの提出、
・サーベイの記入または世論調査の投票、およびサーベイまたは世論調査の結果のリアルタイムでの表示、
・オンラインオークションの入札、オークションの現在状況の表示、またはユーザー提出コンテンツを備えた他の対話型マーケットプレイスのブラウズおよびそれへの参加、
・ローカルもしくは多人数参加型ゲームの状態の表示、およびログインによるゲームへの参加、オプションの選択、および/または移動の選択もしくはゲーム内の自分のキャラクタもしくは自分のアセットを制御するための入力の提供、
・Facebook、Instagram、Linkedlnなどの、テキストコンテンツ、画像コンテンツ、または「いいね」もしくはそれらのソーシャルネットワークによって容易にされた他のやり取りを含む、消費者がアカウントを有する1つ以上のソーシャルメディアネットワークに投稿すべき情報の入力、および他の人によってソーシャルメディアネットワークに提出されたコンテンツの表示、
・インスタントメッセージ、テキスト/SMS、電子メール、もしくは他の形式の電子通信の表示または送信、
・マイクロホン、カメラ、指紋読み取り装置などの、消費者のコンピュータ200の追加の入力装置への接続、
・自分の識別の確認、パスワードの提供、一時的もしくはアドホックアクセスコードの供給、識別確認トークンもしくはファイルのアップロード、またはサーバーへの任意の他の形式のログインもしくはサービスの2要素認証における第2の要素の提供、
・オンラインストア内でのブラウズもしくはショッピング、オンラインショッピングカートへの品目の追加、ならびに/または広告内からチェックアウトして購入を完了するための支払いおよび配送情報の提供-2020年9月21日に出願された「METHODS AND SYSTEMS FOR CROSS-DOMAIN TWO-WAY COMMUNICATION BY DYNAMIC WEB CONTENT」というタイトルの係属中の米国特許出願第63/081,157号における他の広告文脈で説明されている機能、参照により全体として本明細書に組み込まれる-ならびに/または
・以下で更に完全に説明される、特に、動的なターゲットの変更および動的な最適化を容易にするための、広告への、もしくは広告からの任意の他の形式の通信。
【0043】
ビデオプレイヤーは広告の再生を開始し(ステップ435)、そのため消費者は現在、基礎となるビデオ再生および、基礎となるビデオの再生中にブラウズできる永続的な、対話型メニュー(または、前述のパラグラフで説明したような、他の機能)の両方を見る。
【0044】
消費者が任意の時点において、メニューオプション110の1つをクリックすることによるなど、入力を提供すると(ステップ440)、iFrame内で実行しているJavaScriptはメニューもしくは他のユーザーインタフェース要素をそれに応じて、サブメニューにオプションを投入すること、異なるビデオを表示すること、イベントが異なるウェブサイト上で記録されていることの確認(ショッピングカートが現在、品目を含んでいることの表示、または新しいユーザー名が作成されていることの確認など)を表示すること、またはユーザーの入力に対する任意の他の反応によって更新する(ステップ445)。いずれにしても、ビデオは、消費者によって一時停止されるか、閉じられるまで、再生を続行し(ステップ435に戻る)、その挙動が広告主によって望まれる場合に再生を終えて自分で閉じるか、またはビデオは消費者入力に応答して動的にロードされた別のビデオで置き換えられる。
【0045】
図5は、補強されたビデオ広告から通信を受信して消費者と関連付けられたプロファイルまたはカートを更新する方法を、単純化した形で示す。
【0046】
最初に、サーバーは、特定の広告およびその広告と関連付けられた特定のイベントもしくは動作を指定する特定の予め定められたURLに対するHTTPリクエストの形での入力を受動的に待つ(ステップ500)。
【0047】
入力が、以前に説明されたURL APIを介して提供される場合(ステップ505)、様々な動作がサーバー側上で行われ得る(ステップ510)。入力は、クリック、タップ、または消費者意図の他の指標などのアクティブな消費者決定を含み得るが、
消費者が異なるユーザーインタフェース要素に移る前の特定のメニュー項目の総表示時間などの他の情報も含み得る。補強されたVPAID広告は従って、表示の全秒、各メニュー内でのクリック、およびメニューの各分岐上で費やした時間を追跡することが可能であり-前述の、補強されていないVPAID広告が制限されていたような、四分位レベルにおける統計だけでない。
【0048】
情報のこのより細かい粒状性の結果として、広告プラットフォームは、印象当たりの費用(またはより一般的には、千印象当たりの費用(cost per thousand impressions))またはクリック当たりの費用(ビデオ広告上でのクリックスルーの驚くほどの低レートのために滅多に提供されない)以外の広告に対する代替支払いモデルを提供することができる。クリック当たりの費用を実現可能にする改善されたクリックスルーレートに加えて、ここで説明される補強されたビデオ広告は、表示されたビデオの秒当たりの費用、関与の秒当たりの費用(例えば、消費者がメニューとやり取りし、従って、ウェブページの異なる部分ではなくビデオを見ていると保証された期間に対して)、および/または消費者による特定の動作の各インスタンスに対する定額の計算および評価を可能にする。かかる動作は、ビデオの完了、ビデオの四分位の完了、または、例えば、サブメニューを開くためにメニュー上でクリックすること、ショッピングカートに品目を追加すること、もしくはインタフェースを通してウェブサイトにログインすることによるなど、対話型インタフェースとの関与を含み得る。消費者の追跡は、広告内に表示されたか、または消費者が広告の間にメニュー内でやり取りした品目の消費者の後の購入に基づき、広告によって引き起こされた売上高率として費用が評価されるのも可能にし得る。
【0049】
入力が応答を要求する場合(ステップ515)、広告管理サーバー215は適切な応答を送信する(ステップ520)。応答は、単なる確認、または新しいメニュー要素のロード、消費者に第三者ウェブサイトもしくはシングルサインオンシステムへのログインの促進、品目がショッピングカートに追加されているという表示などの、ユーザーインタフェースの態様を更新するためのより詳細な指示を含み得る。
【0050】
一旦、動作が開始されて応答が提供されると、システムは、サーバーが実行していて広告に関連した考えられる入力を予期している限り、周期的に入力の待機に戻る(ステップ500)。
【0051】
図6Aは、消費者の以前の入力または広告もしくは類似の広告との関与に基づきその広告のターゲットを動的に変える方法を、単純化した形で示す。
【0052】
広告が2度目に表示される場合、
図4に示されるような、ステップ400~430が、消費者の観点から見れば以前と同様に繰り返される。
【0053】
サーバー215に対するJavaScript呼出しは、広告管理サーバー215に、検出されている消費者の識別を通知する(または、クッキー内に格納された情報、トラッキングピクセル、もしくはその消費者のウェブブラウザと関連付けられた他のトラッキングアセットを提供する)(ステップ600)。
【0054】
次に、広告管理サーバー215は、消費者がその広告を最初に見た時に以前に捕捉された任意のイベントをレビューするために、そのローカル記憶またはその広告およびその消費者に関連したデータベース内を調べる(ステップ605)。
【0055】
消費者がその広告とやり取りしたと判断すると(ステップ610)、広告管理サーバー215は、ユーザーインタフェースまたは広告の態様のターゲットを動的に変更するための指示を送信する(例えば、異なるビデオを示す、またはメニュー分岐を下る)。
【0056】
いくつかの実施形態では、この動的にターゲットを変えられた態様は、例えば、ユーザーが以前に開いていたメニュー分岐を自動的に開く、または消費者が一次ビデオの代わりに表示させていた二次ビデオを自動的に表示する等、広告を、消費者が以前にそのままにした状態に自動的に戻すくらい単純であり得る。
【0057】
他の実施形態では、消費者と関連付けられた第三者データを含む、他のデータが参考にされ得る。例えば、広告管理サーバー215は、消費者が広告主自身のウェブサイト上でどの製品を見ていたかを記録している情報にアクセスし、次いで、製品名、画像、価格、カテゴリ等を含む、それらの製品を記述するコンテンツ(典型的には、SKUまたはUPCまたはISBNなどの製品固有の識別子に基づく)製品データベースから情報を取り出して、その後そのコンテンツを、消費者に提供される対話型メニュー内に配置し、そのため消費者は、自分が以前に興味を示した製品を提示され得る。メニューは、消費者によって見られた全ての製品を表示するように拡張して、消費者の注意を消費者が最も関与しそうな品目に向ける「最近表示された」品目に対する新しいメニュー分岐も有し得る。
【0058】
他の用途は、例えば、消費者が検討していた潜在的なデート候補のプロフィールおよび/または写真を示すようにカスタマイズされている出会い系サービスに対する広告、消費者が探索している目的地を示すようにカスタマイズされている旅行サービスに対する広告、消費者がサイト上で検索もしくはブラウズした音楽レコードの参照もしくはオーディオクリックさえ含むようにカスタマイズされているオンラインミュージックサービスに対するか、または消費者が検索もしくはブラウズしたミュージックアーティストからの、広告、消費者の以前の検索によって決定されるような、疾病、症状もしくは薬剤に対する参照を示すようにカスタマイズされている医療情報もしくは装置の情報源に対する広告、または、消費者が見たサービスプロバイダもしくは同一分野の他のサービスプロバイダを示すようにカスタマイズされている医療もしくは法務もしくは他のサービスの情報収集サイトに対する広告を含み得る。
【0059】
広告を最適化する他の形式は、たとえ消費者がホテルまたは旅行パッケージを具体的に見ていなくても、それらの場所に対するホテルもしくは旅行パッケージが示されている旅行情報を見ている消費者、たとえ消費者が具体的に実体をオンラインで見ていなくても、彼らの位置に近いレストランもしくは小売店もしくはオフィスもしくは銀行の支店を表示するようにカスタマイズされた広告が示されているジオロケーション機構を介して位置が決定された消費者、消費者の位置とその消費者に関する他のオンラインもしくはオフラインデータとの組合せに基づく他の最適化、または位置関連データ、人口統計学的属性データ、クレジットカード購入データ、もしくは、広告で個人をターゲットにするための基礎として使用できる任意の他のデータソースに基づく任意の他のカスタマイズを含み得る。
【0060】
代わりに、その消費者に関連して考慮する関係のある以前のイベントがない場合、サーバーは追加の命令なしで送信を確認する(ステップ620)。
【0061】
いずれにしても、広告管理サーバー215は次いで、追加の入力を待つ(ステップ500~520に戻って繰り返す)。
【0062】
図6Bおよび
図6Cは、それぞれ、ターゲットを変える前または後の、動的にターゲットを変えられた広告の例を示す。
【0063】
広告650が最初に表示される時(
図6Bのように)、広告は「フルファネル」概念に従って特定のブランドを一般的にサポートしており、消費者はメニュー655をブラウズするように促進され、階層を下って特定のモデルが広告されているサブメニュー660に達する。サブメニュー660に達するための消費者のクリックまたはタップは、たとえ消費者が決してその特定のモデルを購入しなくても、広告管理サーバーで記録される。
【0064】
しかし、2回目に広告650が表示される時(
図6Cのように)、いくつかの別個の変化がある。第1に、広告650の主要コンテンツが異なる、すなわち、消費者は、ブランドおよびそのブランド内の少なくとも1つのモデルに関して馴染みがあり、少なくとも知りたがっていることが既に分かっているので、この広告表示に対して「フルファネル」戦略はもはや追求されていない。広告の主要コンテンツは、過去に消費者の目を引いたことが分かっている特定のモデルを中心とする。メニュー655は現在、「最近表示された」オプション665を追加しており、そのコンテンツは、消費者が過去にその広告を繰り返し見たか、または消費者が広告主のウェブサイト上で直接見た品目で動的にロードされ、その情報は、広告主のウェブサイトから直接チャネルを介して、または消費者のウェブブラウザ上に格納されたクッキーもしくは他のトラッキングマーカーを介して、広告主に提供されている。広告は従ってハイパーターゲットにされて、第1に消費者が以前に調査したモデルに、第2に最近表示された興味のある他の品目に、そして第3にようやく消費者の興味を正確に測定するデータがほとんどない広告からの他の品目にフォーカスする。消費者に対するより高い密度の興味を起こさせるオファーは、インタラクティブであるがターゲットを絞っていない広告と比べても、遥かに高いクリックスルーレートを引き起こす可能性がある。
【0065】
図7Aおよび
図7Bは、所与のビデオ広告と関連付けられる対話型メニューを定義するためのユーザーインタフェースを示す。
【0066】
ユーザーインタフェース700は、最初から、または既存のキャンペーン上のクローン作成ツール705の使用によるかにかかわらず、新しい広告キャンペーンを作成するために使用できる。
【0067】
編集する特定の広告を選択した後、ポップアップウィンドウ750は、多層を有するメニューツリー755の作成を可能にする(一次メニュー105およびサブメニュー115の両方、ならびに潜在的に三次メニューまたは他の階層構造を生成する)。メニューツリー上の各オプションは、さらなるサブメニューと関連付けることができ、各メニューまたはサブメニュー項目は、テキストラベル760、画像または潜在的にビデオでも、もしくはメニューのその部分内の他のインタラクティブコンテンツ等のコンテンツ765、およびオプションをハイパーリンクして、消費者がそれをクリックすると異なるウェブページへ連れて行くURL770を備え得る。
【0068】
ユーザーインタフェースは、広告が、JavaScriptまたは他のスクリプト言語がメニューを作成するためにブラウザ上で実行される場合に生成されるトラッキングピクセルと関連付けられるのも可能にする。これは、消費者関与の制限された追跡が、メニューを介した一次関与と並行して生じるのを可能にして、たとえ消費者が決してメニューをクリックしなくても、画像を広告管理サーバー215または広告コンテンツサーバー220からロードすることにより、広告主はその広告がロードされていることを通知される。トラッキングピクセルの使用は、広告主と連携している第三者が、消費者にその広告が表示されていることを通知されるのも可能にする。
【0069】
公開(publish)ボタン710をクリックすると、対話型メニューを生成するために必要なJavaScriptまたは他のスクリプト言語が自動的に作成されて広告管理サーバー215または広告コンテンツサーバー220のいずれか上に格納される。広告に対するVPAIDまたは他の定義も生成されて、ウェブサーバー210に配信され、そのサーバーによって配信されるウェブページと共に含まれる。インタフェースの他の特徴は、編集中の広告のライブレンダリングのプレビュー、ライブキャンペーンの他のクライアントレビュー用および/またはデモ目的のデモページの生成、ならびに分析または他の目的のためのスクリプトなどの、トラッキングピクセル以外のトラッキングアセットの追加を含み得る。
【0070】
図8は、消費者の広告関与経験をレビューおよび再現するための方法を示す。
【0071】
広告主が消費者の特定の広告での経験をレビューしたい場合、ユーザーインタフェースが提供されて、第1に広告の選択(ステップ800)に基づき、次いでその広告を見た消費者のセットから特定の消費者の選択(ステップ805)に基づいて、それらのやり取りをブラウズし得る。全ての消費者イベントのストレージからその消費者とその広告の交わりにおける受信された全てのイベントを取得した後(ステップ810)、イベントは、消費者の経験のログを確立するために時間的に順序付けできる(ステップ815)。
【0072】
このログは、理解を容易にするために2つの方法で視覚的に構造化され得る。1つの視覚化において、ビデオを見て過ごした時間の長さおよび消費者がビデオのどの時点でメニューまたは他のユーザーインタフェース要素とやり取りを始めたかを示すためにタイムラインが作成され得る(ステップ820)。例えば、広告主は、消費者が、メニュー項目をクリックしてサブメニューを開く前に、ビデオを7秒間見て、次いで1秒間だけ小休止した後にそのサブメニューの特定の項目をクリックし、一旦、その項目が消費者に見えるようになると、躊躇のない関与に基づきその1つの項目への特別な興味を示しているのを見ることが可能であり得る。消費者はその項目をビデオが始まってから8秒でクリックしたというデータだけを有することは、消費者の興味の実証において到底役立たない。
【0073】
いくつかの実施形態では、ログデータは、消費者の経験をほぼ正確に再現するアニメーションを生成するために使用され得る(ステップ825)。例えば、ビデオは、画面上で見える消費者自身のカーソルを表しているカーソルと共に広告主に対して再生を開始し得る。ビデオ再生において消費者がユーザーインタフェース要素とやり取りしたその瞬間に、表示されたカーソルは同じ要素に移動でき、アニメーション内のユーザーインタフェースは、その消費者がその瞬間にそれを見たとおりにユーザーインタフェースを示すように更新した。この情報は、消費者がどのように広告とやり取りしているかに関して直感を得るため、および基礎となるビデオが、ユーザーインタフェースが表示されている同じ瞬間に同じ領域内で類似の彩色を使用する場合に見るのが困難であるか、または判読できないユーザーインタフェースの選択された色彩設計など、広告とユーザーインタフェースとの間のやり取りに関連する任意の予期せぬ問題のトラブルシューティングを支援するために、非常に有益であり得る。
【0074】
図2は、前述したソフトウェア実装方法を達成するためのコンピューティング装置の好ましい構成を示しているが、それらの方法は本質的に、標準的なデスクトップコンピュータおよび/またはウェブサーバーとは対照的に、任意の特定の専用コンピューティング装置の使用に依存しない。考えられるかかるコンピューティング装置を例示する目的のために、
図9は、本明細書で説明される様々な特徴およびプロセスを実装するためにコンピューティング装置および/またはシステムの各々に対して利用され得る代表的なコンピューティング装置の高レベルブロック図である。コンピューティング装置は、コンピュータシステムによって実行される、プログラムモジュールなどの、コンピュータシステム実行可能命令の一般的な文脈で説明され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、論理、データ構造などを含み得る。
【0075】
図9に示されるように、コンピューティング装置の構成要素は、1つ以上のプロセッサまたは処理装置500、システムメモリ510、およびメモリ510を含む様々なシステム構成要素をプロセッサ500に結合するバス515を含み得る(が、それらの制限されない)。
【0076】
バス515は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺機器用バス、アクセラレイティッドグラフィックスポート、および様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するプロセッサまたはローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれかの1つ以上を表す。例として、制限ではなく、かかるアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、VESA(Video Electronics Standards Association)ローカルバス、およびPCI(Peripheral Component Interconnect)バスを含む。
【0077】
処理装置(複数可)500は、メモリ510内に格納されたコンピュータプログラムを実行し得る。C、C++、Java、アセンブリ言語等を含む、任意の適切なプログラミング言語が、特定の実施形態のルーチンを実装するために使用できる。手続き型またはオブジェクト指向などの異なるプログラミング技法が採用できる。ルーチンは、単一のコンピューティング装置または複数のコンピューティング装置上で実行できる。さらに、複数のプロセッサ500が使用され得る。
【0078】
コンピューティング装置は典型的には、様々なコンピュータシステム可読媒体を含む。かかる媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の利用可能な媒体でもよく、それは揮発性および不揮発性媒体、取外し可能および固定型媒体の両方を含む。
【0079】
システムメモリ510は、コンピュータシステム可読媒体を、ランダムアクセスメモリ(RAM)520および/またはキャッシュメモリ530などの、揮発性メモリの形で含むことができる。コンピューティング装置は、他の取外し可能/固定型、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体をさらに含み得る。ほんの一例として、記憶システム540は、固定型、不揮発性磁気媒体(図示されておらず、典型的には「ハードドライブ」と呼ばれる)からの読み取りおよびそれに対する書き込みのために提供できる。図示されていないが、取外し可能、不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピィディスク」)からの読み取りおよびそれに対する書き込み用の磁気ディスクドライブ、ならびにCD-ROM、DVD-ROMまたは他の光媒体などの取外し可能、不揮発性光ディスクからの読み取りもしくはそれに対する書き込み用の光ディスクドライブが提供できる。かかる事例では、各々は、1つ以上のデータ媒体インタフェースによってバス515に接続できる。以下でさらに示されて説明されるように、メモリ510は、本開示で説明される実施形態の機能を実行するように構成されるプログラムモジュールのセット(例えば、少なくとも1つ)を有する少なくとも1つのプログラム製品を含み得る。
【0080】
プログラムモジュール555のセット(少なくとも1つ)を有する、プログラム/ユーティリティ550、一例として、制限ではなく、同様にオペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションソフトウェア、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータは、メモリ510内に格納され得る。オペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータの各々、またはそれらの何らかの組合せは、ネットワーキング環境の実装を含み得る。
【0081】
コンピューティング装置は、キーボード、ポインティングディバイス、ディスプレイなどの、1つ以上の外部装置570、ユーザーがコンピューティング装置とやり取りするのを可能にする1つ以上の装置、および/またはコンピューティング装置が1つ以上の他のコンピューティング装置と通信するのを可能にする任意の装置(例えば、ネットワークカード、モデムなど)とも通信し得る。かかる通信は、入力/出力(I/O)インタフェース(複数可)560を介して生じ得る。
【0082】
加えて、前述のとおり、コンピューティング装置は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、一般的なワイドエリアネットワーク(WAN)および/または公衆ネットワーク(例えば、インターネット)などの、1つ以上のネットワークとネットワークアダプタ580を介して通信できる。示されるとおり、ネットワークアダプタ580は、コンピューティング装置の他の構成要素とバス515を介して通信する。図示されていないが、他のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素が、コンピューティング装置と共に使用できることが理解されるべきである。例は、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長な処理装置、外部ディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライブ、およびデータアーカイブ記憶システムなどを含む(がそれらの制限されない)。
【0083】
本発明は、統合の任意の可能な技術的詳細レベルにおけるシステム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含み得る。
【0084】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置による使用のための命令を保持および格納できる有形的装置にできる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または前述の任意の適切な組合せであり得るが、それらに制限されない。コンピュータ可読記憶媒体のさらに具体的な例の包括的でないリストは、以下を含む:携帯型コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピィディスク、パンチカードまたはその上に記録された命令を有する溝内の隆起構造などの機械的符号化装置、および前述の任意の適切な組合せ。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書では、電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体(例えば、光ファイバーケーブルを通過する光パルス)を通して伝搬する電磁波、またはワイヤーを通って伝送される電気信号などの、本質的に一時的信号であると見なされない。
【0085】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理装置へ、または外部コンピュータもしくは外部記憶装置へネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークおよび/または無線ネットワークを介して、ダウンロードできる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ケーブル、無線伝送、ルーター、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバーを使用し得る。
各コンピューティング/処理装置内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインタフェースは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信して、そのコンピュータ可読プログラム命令をそれぞれのコンピューティング/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体内に格納のために転送する。
【0086】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令集合アーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ(statesetting data)、集積回路用の構成データ、またはSmalltalk、C++、もしくは同様のものなどのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソースコードもしくはオブジェクトコードであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザーのコンピュータ上で完全に、ユーザーのコンピュータ上で部分的に、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、ユーザーのコンピュータ上で部分的に、かつリモートコンピュータ上で部分的に、またはリモートコンピュータもしくはサーバー上で完全に実行し得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意のタイプのネットワークを通してユーザーのコンピュータに接続され得るか、または接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通して)外部コンピュータに対して行われ得る。いくつかの実施形態では、例えば、プログラム可能論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、電子回路をパーソナライズするためのコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによりコンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0087】
本発明の態様は、本発明の実施形態に従った方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図内のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解される。
【0088】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を作製するための他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供され得、そのため、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行する、命令は、フローチャートおよび/またはブロック図ブロックもしくは複数のブロック内に指定された機能/動作を実装するための手段を作成する。コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、および/または他の装置に特定の方法で機能するように指示できる、これらのコンピュータ可読プログラム命令はコンピュータ可読記憶媒体内にも格納され得、そのためその中に格納された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図ブロックもしくは複数のブロック内に指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製品を含む。
【0089】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、またはコンピュータ実装プロセスを生じるために一連の操作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能装置もしくは他の装置上で実行させる他の装置にもロードされ得、そのためコンピュータ、他のプログラム可能装置、もしくは他の装置上で実行する命令は、フローチャートおよび/またはブロック図ブロックもしくは複数のブロック内に指定された機能/動作を実装する。
【0090】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態に従い、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、および操作を例示する。これに関して、フローチャートまたはブロック図内の各ブロックは、命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得、それは、指定された論理関数(複数可)を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む。いくつかの代替実施態様では、ブロック内に記載された関数は、図に記載された順序から逸れて生じ得る。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行され得るか、またはブロックは、関与する機能に応じて、逆の順序で実行され得る。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組合せは、指定された機能もしくは動作を実行するか、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する専用ハードウェアベースシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0091】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示目的で提示されているが、網羅的であることも、開示される実施形態に限定されることも意図していない。多くの修正および変形は、説明される実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実際の適用または市場で見られる技術に対する技術的な改善を最も良く説明するため、および当業者が本明細書で開示される実施形態を理解するのを可能にするために選択された。
【国際調査報告】