(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】押出ポリスチレン発泡体用発泡剤及び押出ポリスチレン発泡体及び発泡方法
(51)【国際特許分類】
C08J 9/12 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
C08J9/12 CET
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529880
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 US2021072464
(87)【国際公開番号】W WO2022109565
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ヒメノ、ジョセップ
(72)【発明者】
【氏名】ハルス、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】マフモード、サイド ハッサン
【テーマコード(参考)】
4F074
【Fターム(参考)】
4F074AA32
4F074AA33
4F074AC32
4F074AD10
4F074AG10
4F074BA32
4F074BA38
4F074BA53
4F074BA72
4F074BA73
4F074BA75
4F074BA95
4F074BC12
4F074CA22
4F074CC04X
4F074CC05Y
4F074CC22X
4F074CC32Y
4F074CC34Y
4F074DA02
4F074DA07
4F074DA32
(57)【要約】
【解決手段】 低い経時ラムダ及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための方法、発泡体並びに発泡剤であって、発泡剤が、(a)約50重量%~約70重量%の、3個若しくは4個の炭素原子を有するHFO及び/又はHFCOと、(b)約2重量%~約15重量%のギ酸メチルから本質的になる第1の共発泡剤と、(c)約20重量%~約30重量%のジメチルエーテル、イソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、(d)約2重量%~約25重量%の二酸化炭素、アセトン及びこれらの組み合わせから本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、方法、発泡体並びに発泡剤。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低い経時ラムダ及び低い発泡体密度を有する押出ポリスチレン発泡体を生成するための発泡剤であって、前記発泡剤が、
(a)約50重量%~約70重量%の、1234ze(e)、1233zd(Z)及びこれらの組み合わせから選択される、3個の炭素原子を有する1つ以上のHFO及び/又は3個の炭素原子を有するHFCOと、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチル、エタノール及びこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約2重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤。
【請求項2】
第1の共発泡剤が、ギ酸メチルを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項3】
第1の共発泡剤が、エタノールを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項4】
前記第2の共発泡剤が、イソブタンを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項5】
前記第2の共発泡剤が、ギ酸メチルを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項6】
前記発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のエタノールと、
(c)約30重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項7】
前記発泡剤が、
(a1)約40重量%の1234ze(E)と、
(a2)約13重量%の1233zd(E)と、
(b)約10重量%のギ酸メチルと、
(c)約33重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a1)、(a2)、(b)、(c)及び(d)が一緒になって、前記発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項8】
前記発泡剤が、
(a1)約41.5重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%の1233zd(E)と、
(b)約7重量%のエタノールと、
(c)約35重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項9】
前記発泡剤が、
(a1)約40重量%の1234ze(E)と、
(a2)約13重量%の1233zd(E)と、
(b)約10重量%のエタノールと、
(c)約33重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項10】
前記発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチル、エタノール又はこれらの組み合わせと、
(c)約20重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン及びこれらの組み合わせと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a1)、(a2)、(b)、(c)及び(d)が一緒になって、前記発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、請求項1に記載の発泡剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2021年11月17日に出願された米国仮出願第63/114,948号及び2020年4月28日に出願された米国仮出願第63/181,135号に関し、これらの優先権の利益を主張するものであり、これらの出願の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、特に、発泡剤、発泡性組成物、発泡体、及び発泡体で作られた又は発泡体からなる物品を含む、押出熱可塑性発泡体に関連して有用性を有する組成物、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ある特定のフルオロカーボン流体が発泡剤として広く使用されていることが判明した。ハイドロフルオロカーボン(「hydrofluorocarbon、HFC」)などの、これらの用途においてこれまで使用されてきたフルオロカーボン流体のいくつかの使用に関連する、比較的高いオゾン層破壊係数を含む環境問題のために、低いか又は0でさえあるオゾン層破壊係数を有する流体を使用することがますます望ましくなってきている。しかしながら、いくつかのHFC流体は、それに関連する比較的高い地球規模の温暖化係数を有する場合があり、発泡体の所望の性能特性を維持しながら、低いオゾン層破壊係数及び低い地球規模の温暖化係数を有するハイドロフルオロカーボン又は他のフッ素化流体を使用することが望ましい。
【0004】
発泡体の性能特性に関しては、多くの場合、発泡体が発泡剤として使用されるときに優れた断熱性及び他の望ましい発泡体特性を有することが重要であると考えられる。多くの用途において重要である別の発泡体特性は、発泡体の密度である。例えば、多くの断熱発泡体用途においては、低い熱伝導率だけでなく、比較的低い発泡体密度も示す発泡体を有する必要がある。
【0005】
したがって、これら及び他の用途において発泡剤としてこれまで使用されてきた組成物に対する魅力的な代替物である、新規な化合物及び組成物の必要性が増している。したがって、出願人らは、低密度、低熱伝導率の熱可塑性発泡体、具体的には、押出ポリスチレン発泡体を作製するために従来使用されていた発泡剤の有効な代替物を提供し、環境的により安全な代替物であると考えられる新しい発泡剤組成物の必要性を認識した。
【0006】
例えば、本発明の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0305876号に開示されているような、ハイドロフルオロオレフィン(hydrofluoroolefin、HFO)及びハイドロクロロフルオロオレフィン(hydrochlorofluoroolefin、HCFO)を含むハロゲン化オレフィン発泡剤の使用がまた知られている。
【0007】
’876の各々における開示にもかかわらず、出願人らは、ハイドロフルオロオレフィン、具体的には、トランス-HFO-1234ze、トランス-HCFO-1233zd及びシス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブタ-2-エン(HFO-1336mzzm(Z))などの3つ又は4つの炭素を有する1種以上のHFO及び/又はHFCOを、ギ酸メチルからなる第1の共発泡剤、イソブテン及び/又はジメチルエーテルからなる第2の共発泡剤、並びに二酸化炭素及び/又はアセトンからなる少なくとも第3の発泡剤と組み合わせて使用することによって、押出熱可塑性発泡体、特に、押出ポリスチレン発泡体の形成に関連して、予想外の利点が達成され得ることを認識するに至った。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約50重量%~約70重量%の、3個若しくは4個の炭素原子を有する1種以上のHFO及び/又は3個若しくは4個の炭素原子を有するHFCOと、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチル、エタノール及びこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン、及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約2重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約90重量%を構成することを条件とする発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤1Aと称する。
【0009】
本発明は、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約50重量%~約70重量%の、3個若しくは4個の炭素原子を有する1種以上のHFO及び/又は3個若しくは4個の炭素原子を有するHFCOと、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチル、エタノール及びこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン、及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約2重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約95重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤1Bと称する。
【0010】
本発明は、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約50重量%~約70重量%の、3個若しくは4個の炭素原子を有する1種以上のHFO及び/又は3個若しくは4個の炭素原子を有するHFCOと、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチル、エタノール及びこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン、及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約2重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤1Cと称する。
【0011】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約50重量%~約65重量%の、3個若しくは4個の炭素原子を有するHFO及び/又はHFCOと、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチル、エタノール及びこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約35重量%のジメチルエーテル、イソブタン、及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約5重量%未満の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤2Aと称する。
【0012】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約50重量%~約65重量%の、3個若しくは4個の炭素原子を有するHFO及び/又はHFCOと、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチル、エタノール及びこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約35重量%のジメチルエーテル、イソブタン、及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)5重量%未満の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤2Bと称する。
【0013】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約55重量%~約65重量%の1234ze(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルと、
(c)約20重量%~約25重量%のジメチルエーテル、イソブタン及びこれらの組み合わせと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤3Aと称する。
【0014】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約55重量%~約65重量%の1234ze(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約25重量%のジメチルエーテル及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤3Bと称する。
【0015】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約55重量%~約65重量%の1234ze(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約25重量%のジメチルエーテル及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤3Cと称する。
【0016】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1234ze(E)、1233zd(E)及びこれらの組み合わせと、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチル、エタノール又はこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約25重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4A1と称する。
【0017】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1234ze(E)、1233zd(E)及びこれらの組み合わせと、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチル、エタノール又はこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約25重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4A2と称する。
【0018】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1234ze(E)、1233zd(E)及びこれらの組み合わせと、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約25重量%~約40重量%のイソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4Bと称する。
【0019】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1234ze(E)、1233zd(E)及びこれらの組み合わせと、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約30重量%~約40重量%のイソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4Cと称する。
【0020】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約50重量%~約60重量%の1234ze(E)、1233zd(E)及びこれらの組み合わせと、
(b)約5重量%~約15重量%のエタノールから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約25重量%~約40重量%のイソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4Dと称する。
【0021】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約50重量%~約60重量%の1234ze(E)、1233zd(E)及びこれらの組み合わせと、
(b)約5重量%~約15重量%のエタノールから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約25重量%~約35重量%のイソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4E1と称する。
【0022】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約50重量%~約60重量%の1234ze(E)、1233zd(E)及びこれらの組み合わせと、
(b)約5重量%~約15重量%のエタノールから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約25重量%~約35重量%のイソブタン及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4E2と称する。
【0023】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチル、エタノール又はこれらの組み合わせと、
(c)約20重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン及びこれらの組み合わせと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4F1と称する。
【0024】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチル、エタノール又はこれらの組み合わせと、
(c)約20重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン及びこれらの組み合わせと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4F2と称する。
【0025】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチルと、
(c)約20重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4G1と称する。
【0026】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチルと、
(c)約20重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4G2と称する。
【0027】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約40重量%の1234ze(E)と、
(a2)約13重量%の1233zd(E)と、
(b)約10重量%のギ酸メチルと、
(c)約33重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4Hと称する。
【0028】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のエタノールと、
(c)約30重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4I1と称する。
【0029】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のエタノールと、
(c)約30重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4I2と称する。
【0030】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約10重量%のエタノールと、
(c)約30重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4J1と称する。
【0031】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約10重量%のエタノールと、
(c)約30重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4J2と称する。
【0032】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約41.5重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%の1233zd(E)と、
(b)約7重量%のエタノールと、
(c)約35重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4K1と称する。
【0033】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約41.5重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%の1233zd(E)と、
(b)約7重量%のエタノールと、
(c)約35重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4K2と称する。
【0034】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約7重量%~約15重量%のエタノールと、
(c)約30重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4L1と称する。
【0035】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約30重量%~約50重量%の1234ze(E)と、
(a2)約10重量%~約20重量%の1233zd(E)と、
(b)約7重量%~約15重量%のエタノールと、
(c)約30重量%~約40重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4L2と称する。
【0036】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a1)約40重量%の1234ze(E)と、
(a2)約13重量%の1233zd(E)と、
(b)約10重量%のエタノールと、
(c)約33重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤4Mと称する。
【0037】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルと、
(c)約15重量%~約35重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤5A1と称する。
【0038】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1233zd(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルと、
(c)約15重量%~約35重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤5A2と称する。
【0039】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約61.5重量%の1233zd(E)と、
(b)約11.5重量%のギ酸メチルと、
(c)約23重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤5Bと称する。
【0040】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1234ze(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルと、
(c)約15重量%~約35重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤6A1と称する。
【0041】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1234ze(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルと、
(c)約15重量%~約35重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含み、ただし、(a)、(b)、(c)及び(d)の合計が、発泡剤の少なくとも約97重量%を構成することを条件とする、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤6A2と称する。
【0042】
本発明はまた、優れた断熱特性(好ましくは、低い経時ラムダを含む)及び低い発泡体密度を有する熱可塑性発泡体を生成するための発泡剤であって、当該発泡剤が、
(a)約61.5重量%の1234ze(E)と、
(b)約11.5重量%のギ酸メチルと、
(c)約23重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡剤を、発泡剤6Bと称する。
【0043】
本発明はまた、発泡剤1~6を含む本発明の発泡剤を使用する発泡体を形成する方法を含み、本発明はまた、本明細書において詳細に説明されるように、発泡剤1~6を含む本発明の発泡剤を含有し、かつ/又はそれを使用する方法によって作製される、発泡体を含む。本明細書中で使用される場合、例えば、発泡剤1~6などの、定義された発泡剤又は定義された発泡剤の範囲への言及は、例えば、発泡剤2A及び発泡剤2Bを意味する発泡剤2、並びに発泡剤6A1、発泡剤6A2及び6Bを意味する発泡剤6などの接尾辞を含む任意に番号付けされた発泡剤などを含む、そのように定義された発泡剤の全てを含む。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態及び本明細書の実施例による押出システム及びプロセスの概略図である。
【
図2】
図2は、比較例1A及び1Bからの試験結果を示すグラフである。
【
図3】
図3は、実施例1からの試験結果を示すグラフである。
【
図4】
図4は、実施例2からの試験結果を示すグラフである。
【
図5】
図5は、実施例3からの試験結果を示すグラフである。
【
図6A】
図6Aは、実施例6(A)からの試験結果を示すグラフである。
【
図6B】
図6Bは、実施例6(B)からの試験結果を示すグラフである。
【0045】
定義
1234zeは、1,1,1,3-テトラフルオロプロペンを意味し、異性体形態に関して限定されない。
【0046】
トランス1234ze及び1234ze(E)は各々、トランス1,3,3,3-テトラフルオロプロペンを意味する。
【0047】
1234yfは、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを意味する。
【0048】
1233zdは、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを意味し、異性体形態に関して限定されない。
【0049】
トランス1233zd及び1233zd(E)は各々、トランス1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを意味する。
【0050】
シス1224ydは、シス1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロパンを意味する。
【0051】
シス1336mzz及び1336mzz(Z)は各々、シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブテンを意味し、異性体形態に関して限定されない。
【0052】
トランス1336mzz及び1336mzz(E)は各々、トランス1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブテンを意味する。ギ酸メチルは、下記化合物
【0053】
【0054】
メチラールは、ジメトキシメタン((CH3O)2CH2)を意味する。
【0055】
ジメチルエーテルは、以下の化合物
【0056】
【0057】
イソブタン並びにiC4及びisoC4は各々、2-メチルプロパンを意味する。
【0058】
エタノール及びEtOHは各々、CH3CH2OHを意味する。
【0059】
独立気泡発泡体は、発泡体中の気泡の実質的な体積百分率、例えば、約20体積%以上が独立していることを意味する。
【0060】
PS PEFホモポリマーは、少なくとも99重量%のエチレンフラノエート部分を有するポリマーを意味する。
【0061】
PEFコポリマーは、少なくとも50重量%のエチレンフラノエート部分及び1%超のエチレン以外のポリマー部分を有するポリマーを意味する。
【0062】
スチレン部分は、以下の構造
【0063】
【化3】
を有する化合物及び1つ以上の水素が置換されている全ての化合物を意味する。
【0064】
ポリスチレン、ポリスチレン樹脂、及びPSは各々、スチレン部分を含むモノマーから作製されるポリマーを意味し、そのホモポリマー、コポリマー、並びにそのようなホモポリマー及び/又はコポリマーを含むポリマーのブレンドを含む。
【0065】
XPS発泡体は、押出プロセスで発泡体に形成されたポリスチレンを意味する。
【0066】
経時熱伝導率及び経時ラムダは各々、実施例に記載されるように、測定された熱伝導率を意味する。
【0067】
密度は、実施例において測定されるように、発泡体密度を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0068】
発泡剤
発泡剤1~6の各々を含む本発明の発泡剤は、それらが、本発明の態様として本明細書に記載される密度及び熱伝導率特性を有するポリスチレン発泡体、具体的には、XPS発泡体を形成するように使用される発泡剤の能力を損なわないタイプ及び量であるという条件で、特定されたもの以外の1つ以上の共発泡剤を含んでもよい。このパラメータの範囲内で、かつほんの一例として、発泡剤1~6の各々を含む本発明の本発泡剤の発泡剤は、発泡剤の具体的に特定された成分に加えて、以下の1つ以上を含んでもよい:プロパン、ノルマルブタン、シクロペンタンなどの3~5個の炭素原子を有する飽和炭化水素類、エチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル及び塩化エチルなどの塩化アルキル類、メタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、アリールアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルアルコールなどのアルコール類、ケトン類、並びにエステル類。
【0069】
他の添加剤もまた、更には本発明の態様として本明細書に記載される密度及び熱伝導率特性を有するポリスチレン発泡体、具体的には、XPS発泡体を形成するのに使用される発泡剤の能力をタイプ及び量が損なわない程度に、含まれ得る。このパラメータ内で、かつほんの一例として、発泡剤1~6の各々を含む本発明の本発泡剤の発泡剤は、以下の1つ以上を含んでもよい:加工助剤、難燃剤、着色剤、安定剤、界面活性剤、ポリマー改質剤、強化剤、着色剤、染料、溶解度向上剤、レオロジー改質剤、可塑剤、燃焼抑制剤、抗菌剤、粘度低減改質剤、充填剤、蒸気圧改質剤、核形成剤、触媒など。
【0070】
発泡体
本発明はまた、PS樹脂と、発泡剤1~6の各々を含む本発明の発泡剤とを含む、好ましくはXPS発泡体を含む、熱可塑性発泡体を含む。
【0071】
本発明は、XPS発泡体であって、
(a)独立気泡を形成するPS気泡壁を含む熱可塑性ポリマー気泡と、
(b)独立気泡中に含有する発泡剤1と、を含む、XPS発泡体を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体1と称する。
【0072】
本発明は、XPS発泡体であって、
(a)独立気泡を形成するPS気泡壁を含む熱可塑性ポリマー気泡と、
(b)独立気泡中に含有する発泡剤2と、を含む、XPS発泡体を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体2と称する。
【0073】
本発明は、XPS発泡体であって、
(a)独立気泡を形成するPS気泡壁を含む熱可塑性ポリマー気泡と、
(b)独立気泡中に含有する発泡剤3と、を含む、XPS発泡体を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体3と称する。
【0074】
本発明は、XPS発泡体であって、
(a)独立気泡を形成するPS気泡壁を含む熱可塑性ポリマー気泡と、
(b)独立気泡中に含有する発泡剤4と、を含む、XPS発泡体を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体4と称する。
【0075】
本発明は、XPS発泡体であって、
(a)独立気泡を形成するPS気泡壁を含む熱可塑性ポリマー気泡と、
(b)独立気泡中に含有する発泡剤5と、を含む、XPS発泡体を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体5と称する。
【0076】
本発明は、XPS発泡体であって、
(a)独立気泡を形成するPS気泡壁を含む熱可塑性ポリマー気泡と、
(b)独立気泡中に含有する発泡剤6と、を含む、XPS発泡体を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体6と称する。
【0077】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、36kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体7Aと称する。
【0078】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、35kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体7Bと称する。
【0079】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、34kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体7Cと称する。
【0080】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、33kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体7Dと称する。
【0081】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、32kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体7Eと称する。
【0082】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、36kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体8Aと称する。
【0083】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、35kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体8Bと称する。
【0084】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、34kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体8Cと称する。
【0085】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、33kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体8Dと称する。
【0086】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、32kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体8Eと称する。
【0087】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、36kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体9Aと称する。
【0088】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、35kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体9Bと称する。
【0089】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、34kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体9Cと称する。
【0090】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、33kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体9Dと称する。
【0091】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、32kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体9Eと称する。
【0092】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、36kg/m3以下の密度及び29mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体10Aと称する。
【0093】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、35kg/m3以下の密度及び29mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体10Bと称する。
【0094】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、34kg/m3以下の密度及び29mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体10Cと称する。
【0095】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、33kg/m3以下の密度及び29mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体10Dと称する。
【0096】
本発明は、発泡体1~6の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、32kg/m3以下の密度及び29mW/mk以下の経時熱伝導率を有する。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体10Eと称する。
【0097】
本発明は、独立気泡発泡体である発泡体1~10の各々を含むXPS発泡体を含む。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体10Fと称する。
【0098】
本発明は、発泡体1~10の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、少なくとも50体積%の独立気泡を有する独立気泡発泡体である。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体10Gと称する。
【0099】
本発明は、発泡体1~10の各々を含むXPS発泡体を含み、発泡体は、少なくとも90体積%の独立気泡を有する独立気泡発泡体である。便宜上、本明細書では、本段落による発泡体を、発泡体10Hと称する。
【0100】
発泡体1~10の各々及び方法1~11の各々を含む本発明で使用するスチレン系樹脂としては、特に限定されず、スチレン系樹脂の例としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンなどのスチレンモノマーのホモポリマー、又は、スチレンモノマーの、ジビニルベンゼン、ブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸などのモノマーの少なくとも1種若しくは2種以上との共重合によって得られたモノマー、コポリマーの2種以上のコポリマーが挙げられる。アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのスチレンモノマーと共重合されるモノマーは、生成される押出ポリスチレン発泡体の圧縮強度の物性を損なわない範囲で使用され得る。本発明で使用するスチレン系樹脂は、スチレンモノマーのホモポリマー又はコポリマーに限定されず、スチレンモノマーのホモポリマー又はコポリマーの他のモノマーのホモポリマー又はコポリマーとのブレンドであってもよく、ジエン系ゴム強化ポリスチレン又はアクリル系ゴム強化ポリスチレンをブレンドすることができる。
【0101】
発泡体1~10の各々及び方法1~11の各々を含む本発明で使用するスチレン系樹脂としては、特に限定されず、スチレン系樹脂の例としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンなどのスチレンモノマーのホモポリマー、又は、スチレンモノマーの、ジビニルベンゼン、ブタジエン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、及び無水イタコン酸などのモノマーの少なくとも1種若しくは2種以上との共重合によって得られたモノマー、コポリマーの2種以上のコポリマーが挙げられる。アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのスチレンモノマーと共重合させるモノマーは、生成される押出ポリスチレン発泡体の圧縮強度などの物性を損なわない範囲で使用され得る。本発明で使用するスチレン系樹脂は、スチレンモノマーのホモポリマー又はコポリマーに限定されず、スチレンモノマーのホモポリマー又はコポリマーの他のモノマーのホモポリマー又はコポリマーとのブレンドであってもよく、ジエン系ゴム強化ポリスチレン又はアクリル系ゴム強化ポリスチレンをブレンドすることができる。本発明で使用するスチレン系樹脂は、メルトボリュームレート(以下、MVRとも称する)、成形時の溶融粘度及び溶融張力などを調整する目的で、分岐構造を有するスチレン系樹脂であってもよい。
【0102】
好ましい実施形態によれば、発泡体1~10の各々を含む本発明の発泡体は、好ましくは、0.1~50g/10分のMVRを有する汎用スチレン系樹脂から形成される。そのような樹脂は、押出発泡成形における成形性に優れ、かつ成形における吐出量、得られる押出ポリスチレン発泡体の厚さ及び幅見掛け密度又は独立気泡率を所望の値に調整できる、熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる点で好ましく使用される。スチレン樹脂のMVRは、0.3~30g/10分、又は0.5~25g/10を含んでもよい。本発明において、MVRは、ISO 1133により測定される。
【0103】
本発明において、上記スチレン系樹脂の中でも、ポリスチレン系樹脂は、経済性、加工性の点から好適である。より高い耐熱性が押出発泡体に要求される場合、スチレン-アクリロニトリルコポリマー、(メタ)アクリル酸コポリマーポリスチレン、無水マレイン酸修飾ポリスチレンを使用することが好ましい。より高い耐衝撃性が押出発泡体に要求される場合、ゴム強化ポリスチレンを使用することが好ましい。スチレン系樹脂は、単独で使用してもよいし、又は、共重合成分、分子量及び分子量分布、分岐構造、MVRなどが異なる2種以上のスチレン系樹脂が、混合物として使用されてもよい。
【0104】
発泡体1~10の各々を含む本発泡体を形成するように使用され、方法1~11の各々を含む本方法に従って使用されるPSは、以下の表で特定される広い範囲、中間の範囲及び狭い範囲の各々内の特性を有することができる。
【0105】
【0106】
方法
本出願人らは、発泡体形成プロセスにおいて本発明の発泡剤を使用することによって、発泡体1~発泡体10Eの各々を含む熱可塑性発泡体の調製に関して予想外の利点が達成され得ることを見出した。
【0107】
特定の態様において、本発明は、熱可塑性XPS発泡体を作製するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることと、を含む、方法を含む。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法1と称する。
【0108】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)熱可塑性材料を提供することと、
(ii)熱可塑性材料を押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、熱可塑性材料を発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法2と称する。
【0109】
本発明はまた、XPSを発泡させる方法であって、
(i)熱可塑性ポリスチレンを提供することと、
(ii)熱可塑性ポリスチレンを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、ポリスチレン発泡体を発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法3と称する。
【0110】
本発明はまた、XPS発泡体を作製するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約36kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法4Aと称する。
【0111】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約35kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法4Bと称する。
【0112】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約34kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法4Cと称する。
【0113】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約33kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法4Dと称する。
【0114】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約32kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法4Eと称する。
【0115】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約31kg/m3以下の密度及び32mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法4Fと称する。
【0116】
本発明はまた、XPS発泡体を作製するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約36kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法5Aと称する。
【0117】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約35kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法5Bと称する。
【0118】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約34kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法5Cと称する。
【0119】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約33kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法5Dと称する。
【0120】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約32kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法5Eと称する。
【0121】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約31kg/m3以下の密度及び31mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法5Fと称する。
【0122】
本発明はまた、XPS発泡体を作製するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約36kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法6Aと称する。
【0123】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約35kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法6Bと称する。
【0124】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約34kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法6Cと称する。
【0125】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約33kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法6Dと称する。
【0126】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約32kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法6Eと称する。
【0127】
本発明はまた、押出熱可塑性発泡体を形成するための方法であって、
(i)PSを提供することと、
(ii)PSを押し出すことと、
(iii)発泡剤1~発泡剤6の各々を含む本発明の発泡剤のいずれか1つを使用して、PSを発泡させることであって、発泡体が、約31kg/m3以下の密度及び30mW/mk以下の経時熱伝導率を有する、発泡させることと、を含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法6Fと称する。
【0128】
本発明はまた、方法1~方法6の各々を含む熱可塑性発泡体を作製するための方法であって、当該発泡剤が、熱可塑性樹脂材料100部当たり約4部(以下、「pph」又は「pphr」)~約10pphrの量で使用される、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法7と称する。
【0129】
本発明はまた、方法1~方法6の各々を含む熱可塑性発泡体を作製するための方法であって、当該発泡剤が、約5pphr~約9pphrの量で使用される、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法8Aと称する。
【0130】
本発明はまた、方法1~方法6の各々を含む熱可塑性発泡体を作製するための方法であって、当該発泡剤が、5pphr~9pphrの量で使用される、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法8Aと称する。
【0131】
本発明はまた、方法1~方法6の各々を含む熱可塑性発泡体を作製するための方法であって、当該発泡剤が、約6pphr~約8pphrの量で使用される、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法9Aと称する。
【0132】
本発明はまた、方法1~方法6の各々を含む熱可塑性発泡体を作製するための方法であって、当該発泡剤が、6pphr~8pphrの量で使用される、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法9Bと称する。
【0133】
本発明はまた、方法1~方法6の各々を含む熱可塑性発泡体を作製するための方法であって、当該発泡剤が、約6.5pphからの量で使用される、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法10Aと称する。
【0134】
本発明はまた、方法1~方法6の各々を含む熱可塑性発泡体を作製するための方法であって、当該発泡剤が、約7pphからの量で使用される、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法10Bと称する。
【0135】
本発明はまた、方法1~方法10の各々を含む熱可塑性発泡体を作製するための方法であって、当該熱可塑性材料又はPSを提供する当該工程が、界面活性剤、ポリマー改質剤、強化剤、着色剤、染料、溶解度向上剤、レオロジー改質剤、可塑剤、燃焼抑制剤、抗菌剤、粘度低減改質剤、充填剤、蒸気圧改質剤、核形成剤、触媒などから選択される1つ以上の任意成分を当該熱可塑性材料に含めるステップを含む、方法を提供する。便宜上、本明細書では、本段落による方法を方法11と称する。
【0136】
好ましくは、0.1~50g/10分、より好ましくは、10~40g/10分、より好ましくは、10~30g/10分のMVRを有する、汎用スチレン樹脂を含む任意のPS樹脂から形成され得る、方法1~10の各々を含む本発明の方法。
【0137】
本方法は、例として、
図1に開示される一般的なタイプの押出装置を使用して実施され得、これは、実施例に関連して以下により詳細に説明される。
図1は、押出プロセスに発泡剤を導入するための単一の供給点のみを示しているが、発泡剤を導入する複数の供給点の使用が使用されてもよいことが理解されるであろう。更に、発泡剤1~4の各々を含む、本明細書で使用される「発泡剤」という用語は、単一の導入点がある場合に押出機に導入される成分の定義されたセットだけでなく、押出機又は他の発泡装置に複数の点で導入され得る成分の集合的な組み合わせも含むことが理解されるであろう。
【実施例】
【0138】
以下の実施例は、本発明を例示する目的で提供されるが、その範囲を限定するものではない。
【0139】
実施例では、実質的に
図1に示す押出装置を使用した。具体的には、この装置は、ポリスチレン供給材料15を保持するための原材料供給ホッパー10を、いずれかの任意の構成要素(使用者の特定の必要性に応じて、ポリスチレンとともに、又は任意選択でプロセスにおける他の場所に添加されてもよい)とともに含んでいた。本明細書の実施例の場合、ポリスチレン供給物は、商品名Styrolution 156FでIneosによって販売され、以下の特性を有する汎用ポリスチレンペレットの形態にある。
【0140】
【0141】
供給材料はまた、商品名Apryos 5PB12HTで販売されている難燃剤、核形成剤(GRANIC2281)及び加工助剤(ステアリン酸亜鉛)を含んでいた。発泡体を形成するために使用され、一軸スクリュー押出機20に導入される原材料供給流15の合計は、以下の成分濃度に基づく。
【0142】
【0143】
発泡剤を除く供給材料15をホッパーに装入し、約3.3キログラム/時の公称速度でスクリュー押出機10に供給し、スクリューを公称85rpmで作動させた。押出機20は、その長さに沿って3点に位置する熱電対(図示せず)と、押出機の排出端20Aにおける圧力センサ(図示せず)とを有していた。ミキサーセクション30は、1つ以上の計量ポンプ40A及び40Bを介して発泡剤成分を受容し、これらの発泡剤をミキサーセクション内のポリスチレン溶融物中に混合するために、押出機の排出端20Aに位置していた。ミキサーセクション30の温度及び圧力を監視するためにセンサ(図示せず)を含まれていた。ミキサーセクション30は、直列に方向付けられた一対の溶融物冷却器50中に発泡剤を含む溶融物を排出し、温度センサ(図示せず)が各冷却器に位置しており、溶融物温度を監視した。次いで、溶融物を、ダイにおける圧力及び温度を監視するための温度センサ及び圧力センサ(図示せず)も有するダイ60を通して押し出した。ダイ圧力を、各発泡剤の密度を最小化するように70~100バールに変化させ、ダイ温度を128℃に保った。コンベヤベルト80によって押出装置から搬出されるポリスチレンの発泡されたシート70がダイから出た。
【0144】
図1に示され、上述された装置が、発泡体を形成するために、以下の実施例に記載される実験的試験の各々に使用された。発泡体が形成された後、密度及び経時熱伝導率(「経時ラムダ」とも呼ばれる)を測定した。経時ラムダ値を、ISO11561:199(欧州規格BS EN13164:2012+A1:2015と同様の結果を提供する)に従って測定し、以下の説明に従って修正した。
【0145】
0日目-発泡体を押し出す。
【0146】
1日目-ブロック(スキン、120×120mm、厚さ15~20mm)の初期熱伝導率を10℃+/-2℃で決定する。
【0147】
4日目-ブロックの6mmの厚さのスライスへのスライシングを実行して(スキンを除去して)、幅23mm、長さ120mmの押出試料当たり1つのスライスを得、次いで、少なくとも4つのスライスを積み重ねる。スタックの熱伝導率を10℃+/-2℃で測定し、次いで、スライスを分離し、約23℃及び相対湿度50%で保持する。
【0148】
6~36日目-約28日に達するまで4日目の手順を2日又は3日毎に繰り返して、ラムダ値を時間に対してプロットし、次いで、経時熱伝導率(経時λ)を計算することを含む方法Aによって経時熱伝導率を得る。
【0149】
比較実施例1-1234ze(E)及びギ酸メチルからなる発泡剤からのXPS発泡体
【0150】
上述し、
図1に示した装置及び材料を使用して、押出ポリスチレン発泡体を生成した。約6.5pphrの発泡剤(以下の表においてBA-C1Aと称される)は、以下の表C1Aに報告される密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0151】
【0152】
上記の結果から分かるように、成分のこの組み合わせは、30未満の望ましい経時ラムダを有するが、32以下の望ましい密度よりもはるかに大きい望ましくない密度を有する発泡体を生成した。発泡剤を改質して密度が低減された発泡体を生成する試みにおいて、0.75pphrのCO2を発泡剤の組み合わせに添加したことを除いて、比較実施例C1Aに関連して上述したものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、第2の発泡体押出を実行した。ブレンド成分(以下の表においてBA-C1Bとして識別される)及び発泡体の結果を以下の表C1Bに報告する。
【0153】
【0154】
上記の比較実施例から分かるように、発泡剤ブレンドへのCO2の添加は、発泡体の密度を減少させる予想された結果を有していた。具体的には、発泡体密度は43.5から41に減少し、これは約6相対パーセントの減少である。しかしながら、この低減は、約32以下の濃度をもたらすにはとうてい十分な減少ではなかった。CO2の添加はまた、発泡体の熱伝導率を増加させるという予想された欠点を有していた。この実施例の特定の場合において、経時ラムダは約3%増加し、これは望ましくない結果である。この実施例の特定の場合において、経時ラムダはほぼ5%増加しており、これは非常に望ましくない結果である。この予想される有害な影響を、
図2に示す。更に、経時ラムダは、最も望ましい場合のように、30未満ではない。
【0155】
比較実施例2-1233zd(E)、1234ze(E)、イソブタン及びギ酸メチルからなる発泡剤からのXPS発泡体
【0156】
上述し、
図1に示した装置及び材料を使用して、押出ポリスチレン発泡体を生成した。約7.25pphrの発泡剤(以下の表においてBA-C2と称される)は、以下の表C2に報告される密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0157】
【0158】
上記の結果から分かるように、成分のこの組み合わせは、30未満の望ましい経時ラムダを有するが、約32以下の望ましい密度よりもはるかに大きい望ましくない密度を有する発泡体を生成したが、密度は、比較実施例1におけるBA-C1Aで達成された密度よりも実質的にはるかに低かった。
【0159】
実施例1-1233zd(E)、1234ze(E)、イソブタン、ギ酸メチル及びCO2からなる発泡剤からのXPS発泡体
【0160】
比較実施例C2において使用された発泡剤を改質して、低減された密度を有する発泡体を達成する試みにおいて、0.75pphrのCO2が発泡剤の組み合わせに添加されたことを除いて、比較実施例C2に関連して上述されるものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、第2の発泡体押出を実行した。ブレンド成分及び発泡体結果を、以下の表E1に報告する。
【0161】
【0162】
上で報告した結果から分かるように、発泡剤ブレンドへのCO2の添加は、発泡体の密度を約11%(37.8から34へと)減少させるという予想外の結果を有し、これは、比較実施例C1における発泡剤ブレンドに関連して同量のCO2を使用することによって達成される低減(6.1%の低減に対して、43.5から41へと)の約2倍である。発泡体が約34以下の密度を有することが種々の商業的用途にとって非常に望ましいために、この予想外の結果は非常に重要である。更に、CO2の添加はまた、発泡体の熱伝導率を著しく低下させるという予想外の利点も有していた。これは、CO2なしで達成される予想外に低い経時ラムダと組み合わされて、非常に望ましい予想外の結果をもたらし、これは
図3に示されている。
【0163】
比較実施例C3-トランス-HFO-1234ZE、イソブタン及びギ酸メチルからなる発泡剤からのXPS発泡体
【0164】
上述し、
図1に示した装置及び材料を使用して、押出ポリスチレン発泡体を生成した。約6.5pphrの発泡剤(以下の表においてBA-C3と称される)は、示された密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0165】
【0166】
上記の比較実施例から分かるように、示される相対量の1234ze(E)、イソブタン及びギ酸メチルの組み合わせは、依然として31未満ではないが、比較的低い経時ラムダ値を達成することができた。密度に関して、発泡体は、38という望ましくない高い密度を有していた。
【0167】
比較実施例C4-トランス-HFO-1234ZE、イソブタン及びアセトンからなる発泡剤からのXPS発泡体
【0168】
以下の表C4に示される成分からなる7pphの発泡剤を使用することを除いて、比較実施例3に関連して上述したものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、発泡体押出実行を実行して、示される密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0169】
【0170】
上記の比較実施例から分かるように、示される相対量の1234ze(E)、イソブタン及びアセトンの組み合わせは、比較実施例C3よりも更に高い経時ラムダ値を有する発泡体を生成したが、36.3のわずかに低減した密度を有していた。したがって、この発泡剤の使用は、35kg/m3未満の密度を有し、同時に31mW/mk未満の熱伝導率を有するポリスチレン発泡体を提供することができなかった。
【0171】
実施例2-トランス-HFO-1234ZE、イソブタン、ギ酸メチル及びCO2からなる発泡剤からのXPS発泡体
【0172】
以下の表E2に示される成分からなる7pphの発泡剤を使用することを除いて、比較実施例C3及びC4に関連して上述したものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、発泡体押出実行を実行して、示される密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0173】
【0174】
上記実施例から分かるように、本発明の範囲内の発泡剤を使用して、驚くべき非常に有益な結果が達成される。具体的には、比較実施例C2及びC3に関連して上述されるように、1234ze(E)、イソブタン及びギ酸メチルの組み合わせも、1234ze(E)、イソブタン及びアセトンの組み合わせも、31未満の経時ラムダ値又は約36の発泡体密度を達成することができなかった。比較実施例C2の共発泡剤ブレンドとしてのCO2の添加は、発泡体の経時ラムダにおける増加を引き起こすことが予想されるが、出願人らは、驚くべきことに、1234ze(E)、イソブタン及びギ酸メチルと組み合わせた比較的少量のCO2の使用が、発泡体密度の予想される減少だけでなく、予期せぬことに、経時ラムダにおいて、比較実施例のいずれによっても達成されなかった、31.3未満の値から30未満の値への実質的な低減をもたらすことができることを見出した。
【0175】
しかしながら、予期せぬことに、本発明による1234ze(E)、イソブタン、ギ酸メチル及びCO2を含む発泡剤は、驚くべきことに、比較実施例のいずれによっても達成されなかった、36.6未満の発泡体密度及び30未満の経時ラムダ値を生成することができた。この結果は驚くべきものであり、非常に有益であり、その結果を
図4に示す。
【0176】
比較実施例C5-1234ze(E)及びジメチルエーテル(DME)及びギ酸メチルを用いて作製されたXPS発泡体
【0177】
上述し、
図1に示した装置及び材料を使用して、押出ポリスチレン発泡体を生成した。発泡剤(以下の表においてBA-C5と称される)は、1234ze(E)、DME及びギ酸メチルからなる成分の組み合わせであった。発泡剤を6.25pphrの量で溶融物に添加した(本明細書で使用される場合、「pphr」は、重量基準でポリマー樹脂100部当たりの部数を意味する)。発泡体密度を最小化するダイ圧力を、決定し、発泡体を生成するために使用した。結果を、以下のC5に報告する。
【0178】
【0179】
上記の比較実施例から分かるように、示される量の1234ze(E)、DME及びギ酸メチルの組み合わせは、38.1の望ましくない高い密度及び比較的低い経時ラムダ値を有する発泡体を生成したが、31以下の最も好ましい値を依然として下回らなかった。
【0180】
実施例3-トランス-HFO-1234ZE、DME、ギ酸メチル及びCO2からなる発泡剤からのXPS発泡体
【0181】
0.25のCO2を発泡剤に添加した(6.5pphrの総発泡剤量に対して)ことを除いて、比較実施例C5に関連して上述したのと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、発泡体押出実行を実行した。発泡剤(以下の表において、BA-E3と称する)は、示された密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0182】
【0183】
上記実施例から分かるように、本発明の範囲内の発泡剤を使用して、驚くべき非常に有益な結果が達成される。具体的には、比較実施例5に関連して上述されるように、1234ze(E)、DME及びギ酸メチルの組み合わせは、31未満の経時ラムダ値又は38.1未満の発泡体密度を達成することができなかった。共発泡剤としてのCO2の添加は、発泡体の経時ラムダの増加を引き起こすことが予想されるが、出願人らは、驚くべきことに、1234ze(E)、DME及びギ酸メチルと組み合わせた比較的少量のCO2の使用が、比較実施例のいずれによっても達成されなかった、35未満の発泡体密度及び31未満の経時ラムダ値を生成することができることを見出し、これを
図5に示す。
【0184】
比較例C6-トランス-HFCO-1233ZD、イソブタン及びギ酸メチルからなる発泡剤からのXPS発泡体
【0185】
以下の表C6に示される成分からなる6.5pphの発泡剤を使用することを除いて、比較実施例C1~C5に関連して上述したものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、発泡体押出実行を実行して、示される密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0186】
【0187】
上記の比較例から分かるように、示される相対量の1233zd(E)、イソブタン及びギ酸メチルの組み合わせは、依然として31未満ではないが、比較的低い経時ラムダ値を達成することができたが、それは、望ましくないほど高い、ほぼ35の密度を有する発泡体を生成した。
【0188】
実施例4-トランス-HFCO-1233ZD、イソブタン、ギ酸メチル及びCO2からなる発泡剤からのXPS発泡体
【0189】
以下の表E4に示される成分からなる6.5pphの発泡剤を使用することを除いて、比較実施例C6に関連して上述したものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、発泡体押出実行を実行して、示される密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0190】
【0191】
上記実施例から分かるように、本発明の範囲内の発泡剤を使用して、驚くべき非常に有益な結果が達成される。具体的には、比較実施例C6に関連して上述されるように、1233zd(E)、イソブタン及びギ酸メチルの組み合わせは、34未満の発泡体密度を達成することができなかった。比較実施例C6の共発泡剤ブレンドとしてのCO2の添加は、発泡体の経時ラムダの実質的な増加を引き起こすことが予想されるが、出願人らは、驚くべきことに、1233zd(E)、イソブタン及びギ酸メチルと組み合わせた比較的少量のCO2の使用が、32に近い値への発泡体密度の予想される低減をもたらすことができるだけでなく、予期せぬことに、経時ラムダの実質的な低減なしに密度のこの栄元が達成されることを見出した。この結果は驚くべきことであり、非常に有益である。
【0192】
比較実施例7-1234ze(E)、1233zd(E)及びイソブタンを含有する発泡剤からのXPS発泡体
【0193】
以下の表C6に示される成分からなる7.5pphの発泡剤を使用することを除いて、比較例C1~C6に関連して上述されるものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、発泡体押出実行を実行して、示される密度及び経時ラムダを有する発泡体を生成した。
【0194】
【0195】
上記の比較例から分かるように、示される相対量での成分のこの組み合わせは、35を超える望ましくない高い密度を有する発泡体を生成したが、生成された密度は28.7の望ましい値を有していた。
【0196】
比較例8-1234ze(E)、1233zd(E)、イソブタン、及びエタノールからなる発泡剤からのXPS発泡体
【0197】
以下の表C8に示すように、0.5及び0.75pphのエタノールを共発泡剤として添加して(BA-C8A及びBA-C8Bと称する発泡剤を生成するために)、示される密度及び経時ラムダを有する発泡体(C8発泡体1及びC8発泡体2として示す)を生成した以外は、比較実施例7の表C7に報告する実験に関連して上述されるものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、発泡体押出実行を実行した。
【0198】
【0199】
上記の比較例から分かるように、示される相対量での共発泡剤としてのエタノールの添加は、約35の非常に望ましくない密度をはるかに下回る値まで密度を実質的に低減させることなく発泡体を生成した。しかしながら、出願人らは、これらのブレンドへのエタノールの添加が、発泡体の経時熱伝導率を実質的に減少させる望ましい結果を有することに注目した。
【0200】
実施例5A及び5B-トランス-HFO=1234ZE、トランス-HFCO-1233ZD、イソブタン、エタノール及びCO2からなる発泡剤からのXPS発泡体
【0201】
以下の表E5に報告されるように、CO2を共発泡剤として2つの異なる濃度(BA-E5A及びBA-E5Bとして識別される)で添加したことを除いて、比較実施例8に関連して上述されたものと同じ装置、同じ作動基準、及び同じ原材料を使用して、発泡体押出実行を実行し、示される密度及び経時ラムダを有する2つの発泡体(発泡体E5A及び発泡体E5Bとして識別される)を生成した。
【0202】
【0203】
上記実施例から分かるように、本発明の範囲内の発泡剤を使用して、驚くべき非常に有益な結果が達成される。具体的には、比較例C8に関連して上述されるように、1234ZE(e)、1233zd(E)、エタノール及びイソブタンの組み合わせは、34未満の発泡体密度を達成することができなかった。比較実施例C8の共発泡剤ブレンドとしてのCO2の添加は、発泡体の経時ラムダの実質的な増加を引き起こすことが予想されるが、出願人らは、驚くべきことに、1234ZE(e)、1233zd(E)、エタノール及びイソブタンと組み合わせた比較的少量のCO2の使用が、32に近いか又はそれ未満の値への発泡体密度の予想される低減をもたらすことができるだけでなく、予期せぬことに、経時ラムダの実質的な低減なしに密度のこの低減が達成されることを見出した。この結果は、
図6A及び6Bに示されるように、驚くべきことであり、非常に有益である。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低い経時ラムダ及び低い発泡体密度を有する押出ポリスチレン発泡体を生成するための発泡剤であって、前記発泡剤が、
(a)約50重量%~約70重量%の、3個若しくは4個の炭素原子を有する1種以上のHFO及び/又は3個若しくは4個の炭素原子を有するHFCOと、
(b)約5重量%~約20重量%のギ酸メチル、エタノール及びこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約20重量%~約40重量%のジメチルエーテル、イソブタン、及びこれらの組み合わせから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約2重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤。
【請求項2】
低い経時ラムダ及び低い発泡体密度を有する押出ポリスチレン発泡体を生成するための発泡剤であって、前記発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1234ze(E)及び1233zd(E)の組み合わせと、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチル、エタノール又はこれらの組み合わせから本質的になる第1の共発泡剤と、
(c)約25重量%~約40重量%のイソブタンから本質的になる第2の共発泡剤と、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素から本質的になる第3の共発泡剤と、を含む、発泡剤。
【請求項3】
低い経時ラムダ及び低い発泡体密度を有する押出ポリスチレン発泡体を生成するための発泡剤であって、前記発泡剤が、
(a)約45重量%~約65重量%の1234ze(E)と、
(b)約5重量%~約15重量%のギ酸メチルと、
(c)約15重量%~約35重量%のイソブタンと、
(d)約3重量%~約5重量%の二酸化炭素と、を含む、発泡剤。
【国際調査報告】