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特表2023-550397天然ガスから液化天然ガスを製造するための方法、及び対応するプラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】天然ガスから液化天然ガスを製造するための方法、及び対応するプラント
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/00 20060101AFI20231124BHJP
   F25J 3/06 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
F25J1/00 B
F25J3/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530035
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2021081084
(87)【国際公開番号】W WO2022106260
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】2011752
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522294671
【氏名又は名称】テクニップ エナジーズ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴォヴァード,シルヴァイン
(72)【発明者】
【氏名】ガデール,ドミニク クロード ジーン
【テーマコード(参考)】
4D047
【Fターム(参考)】
4D047AA10
4D047AB08
4D047BA08
4D047CA03
4D047CA12
4D047CA16
4D047CA19
4D047DA01
(57)【要約】
【解決手段】天然ガス(14)からLNG(12)を製造するための方法は、-天然ガス(14)の少なくとも第1の部分(19)を第1の熱交換器(18)で閉サイクル(42)の第1の混合冷媒(44)との熱交換により液化する工程、-液化天然ガス(22)を第2の熱交換器(20)で、第2の冷凍サイクル(60)の第2の冷媒(62)との熱交換により過冷却する工程、-過冷却された液化天然ガスの流れ(26)を膨張させて、フラッシュガス分離器(32)に導入する工程、-フラッシュガス分離器の底部で液化天然ガスを取り出して、塔頂部で気体流(34)を取り出し、この気体流の少なくとも一部を第2の冷凍サイクル(60)に供給する工程を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガス(14)から液化天然ガス(12)を製造するための方法であって、
- 第1の熱交換器(18)で天然ガス(14)の少なくとも第1の部分(19)を、混合冷媒である第1の冷媒(44)との熱交換によって冷却して、液化天然ガスの第1の流れ(22)を得る工程、
- 前記第1の冷媒(44)を第1の閉じた冷凍サイクル(42)で循環させる工程、
- 前記液化天然ガスの第1の流れ(22)を第2の熱交換器(20)で、前記第1の冷媒(44)とは異なる第2の冷媒(62)との熱交換により過冷却して、過冷却された液化天然ガスの第2の流れ(26)を得る工程、
- 過冷却された液化天然ガスの第2の流れ(26)を膨張させて、液化天然ガスの第3の流れ(30)を生成し、液化天然ガスの第3の流れ(30)をフラッシュガス分離器(32)に搬送する工程、
- 前記フラッシュガス分離器(32)の底部で、生成された液化天然ガス(12)を取り出す工程、
- 前記第2の冷媒(62)を第2の冷凍サイクル(60)で循環させ、循環させる際に少なくとも、前記第2の冷媒(62)を少なくとも前記第1の熱交換器(18)で前記第1の冷媒(44)との熱交換によって冷却して、冷却された第2の冷媒の流れ(102) を得て、冷却された第2の冷媒の流れ(102) の少なくとも一部を膨張させ、冷却されて膨張した第2の冷媒の流れ(104) を得て、冷却されて膨張した第2の冷媒の流れ(104) を前記第2の熱交換器(20)で受けて、液化天然ガスの第1の流れ(22)を冷却する工程、
- 前記フラッシュガス分離器(32)の塔頂部で気体流(34)を取り出して、前記気体流(34)の少なくとも一部を前記第2の冷凍サイクル(60)に供給する工程
を有する、方法。
【請求項2】
前記第2の冷凍サイクル(60)から前記第2の冷媒(62)の第1の部分(98)を逸らせて可燃性ガス(16)を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
- 前記第2の冷媒(62)と、前記フラッシュガス分離器(32)の塔頂部から取り出された気体流(34)との熱交換によって前記天然ガス(14)の第2の部分(38)を第3の熱交換器(36)で冷却して、液化天然ガスの第4の流れ(39)を得て、
- 液化天然ガスの第4の流れ(39)を膨張させて、
- 液化されて膨張した天然ガスの第4の流れ(110) を前記フラッシュガス分離器(32)で受ける、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
- 前記第2の冷凍サイクル(60)から前記第2の冷媒(62)の第2の部分(124) を逸らせ、
- 前記フラッシュガス分離器(32)の塔頂部から取り出された気体流(34)と、前記第2の熱交換器(20)からの第2の冷媒(62)の気体流(106) との熱交換によって1つの第3の熱交換器又は前記第3の熱交換器(36)で前記第2の冷媒(62)の第2の部分(124) を冷却して、冷却された第2の冷媒の第2の流れ(127) を得て、
- 冷却された第2の冷媒の第2の流れ(127) を膨張させて、冷却されて膨張した第2の冷媒の第2の流れ(130) を得て、
- 冷却されて膨張した第2の冷媒の第2の流れ(130) を前記第2の熱交換器(20)で受けて、液化天然ガスの第1の流れ(22)を冷却する、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
冷却された第2の冷媒の流れ(102) を、膨張バルブ(74)で少なくとも部分的に膨張させる、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
- 冷却された第2の冷媒の流れ(102) は、前記第1の熱交換器(18)の出口でガス状であり、
- 冷却された第2の冷媒の流れ(102) をタービン(202) で少なくとも部分的に膨張させ、
前記第2の冷媒(62)を前記第2の冷凍サイクル(60)で循環させる際、前記タービン(202) に機械的に連結されている少なくとも1つのコンプレッサ(204) によって前記第2の冷媒(62)の少なくとも1つの圧縮を行う、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記第2の冷媒(62)を冷却する際、冷却された第2の冷媒の流れ(102) を膨張させる前に、前記第2の冷媒(62)を前記第2の熱交換器(20)を通して流す、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
冷却された第2の冷媒の流れ(102) の少なくとも別の部分(402; 502)を膨張させて前記フラッシュガス分離器(32)に取り込む、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
- 液化天然ガス(12)を貯蔵部(406; 506)で受けて、
- 前記貯蔵部(406; 506)から蒸発ガス(408; 508)を取り出し、
- 前記蒸発ガス(408; 508)の少なくとも一部を前記第2の冷凍サイクル(60)に供給する、請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
天然ガス(14)から液化天然ガス(12)を製造するためのプラント(10; 120; 200; 300; 400)であって、
- 天然ガス(14)の少なくとも第1の部分(19)を、混合冷媒である第1の冷媒(44)との熱交換によって冷却して、液化天然ガスの第1の流れ(22)を得るのに適した第1の熱交換器(18)と、
- 前記第1の冷媒(44)を循環させるのに適した第1の閉じた冷凍サイクル(42)と、
- 液化天然ガスの第1の流れ(22)を、前記第1の冷媒(44)とは異なる第2の冷媒(62)との熱交換により過冷却して、過冷却された液化天然ガスの第2の流れ(26)を得るのに適した第2の熱交換器(20)と、
- 過冷却された液化天然ガスの第2の流れ(26)を膨張させて、液化天然ガスの第3の流れ(30)を生成するのに適した膨張部品(28)と、
- 液化天然ガスの第3の流れ(30)を受けるのに適したフラッシュガス分離器(32)と、
- 前記フラッシュガス分離器(32)の底部に設けられて、生成された液化天然ガス(12)を取り出すのに適した取出システム(76)と、
- 前記第2の冷媒(62)を循環させて、前記第2の冷媒(62)を少なくとも前記第1の熱交換器(18)で前記第1の冷媒(44)との熱交換によって冷却して、冷却された第2の冷媒の流れ(102) を得て、冷却された第2の冷媒の流れ(102) の少なくとも一部を膨張させ、冷却されて膨張した第2の冷媒の流れ(104) を得て、冷却されて膨張した第2の冷媒の流れ(104) を前記第2の熱交換器(20)に取り入れて、液化天然ガスの第1の流れ(22)を冷却するのに適した第2の冷凍サイクル(60)と、
- 前記フラッシュガス分離器(32)の塔頂部に設けられて、気体流(34)を取り出し、前記気体流(34)の少なくとも一部を前記第2の冷凍サイクル(60)に供給するのに適した取出システム(66)と
を備えている、プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ガスから液化天然ガス(LNG) を製造するための方法に関する。
【0002】
本発明は更に、対応するプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
天然ガスは、消費圏から遠く離れた地理的地域に置かれることがほとんどである。従って、このような天然ガスを液化して、その体積を約600 分の1にし、LNG 船に積み込み、海上で消費地に運ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
陸上にある大型の液化プラントでは、プロパン、エチレン及びメタンに基づき3つの別個の入れ子式冷凍サイクルを用いてカスケード法を使用する方法が知られている。このようなプラントはエネルギー消費が少ないが、設置面積が大きい。
【0005】
別の既知の方法では、一又は複数の混合冷媒(MR)が複数の軽質炭化水素(特にメタン、エタン、プロパン、ブタン又はペンタン)及び窒素の混合物から形成されているため、一又は複数の混合冷媒(MR)を用いた冷却サイクルを使用する。そのため、良好なエネルギー効率を維持しながら、又はエネルギー効率を高めながら、プラントの小型化を向上させている。産業ユニットでは、混合冷媒を使用するサイクルの数が1~3の範囲内とすることができる。サイクルの数が増えるにつれて、エネルギー効率が高まる。
【0006】
LNG 製造プラントで最も一般的に使用されている方法は、プロパン(C3)冷凍サイクル及び混合冷媒(MR)サイクルを使用する「C3/MR」法である。しかしながら、このような方法は大量の設備を必要とするため、設置面積が比較的大きい。
【0007】
単一混合冷媒(SMR)法があり、前述した2種類の方法より必要な設備が少ないが、エネルギー効率が損なわれる。加えて、主低温熱交換器(MCHE)は(高さ50mを超えて)非常に高く、追加の建設コストを必要とする。
【0008】
より具体的にはLNG の年間生産量が150 万トン/年(MTPA)未満の低容量プラントでは、エネルギー性能又は安全性に如何なる影響を及ぼすことなく、総設置面積(高さ及び土地)を減少させることが望ましい。
【0009】
従って、本発明の目的は、「SMR」法と比較して、製造プラントの設置面積、特に高さを減少させ得る方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、天然ガスから液化天然ガスを製造するための方法であって、
- 第1の熱交換器で天然ガスの少なくとも第1の部分を、混合冷媒である第1の冷媒流体との熱交換によって冷却して、液化天然ガスの第1の流れを得る工程、
- 第1の冷媒流体を第1の閉じた冷凍サイクルで循環させる工程、
- 液化天然ガスの第1の流れを第2の熱交換器で、第1の冷媒とは異なる第2の冷媒との熱交換により過冷却して、過冷却された液化天然ガスの第2の流れを得る工程、
- 過冷却された液化天然ガスの第2の流れを膨張させて、液化天然ガスの第3の流れを生成し、液化天然ガスの第3の流れをフラッシュガス分離器に搬送する工程、
- フラッシュガス分離器の底部で、生成された液化天然ガスを取り出す工程、
- 第2の冷媒流体を第2の冷凍サイクルで循環させ、循環させる際に少なくとも、第2の冷媒流体を少なくとも第1の熱交換器で第1の冷媒流体との熱交換によって冷却して、冷却された第2の冷媒流体の流れを得て、冷却された第2の冷媒の流れの少なくとも一部を膨張させて、冷却されて膨張した第2の冷媒の流れを得て、冷却されて膨張した第2の冷媒流体の流れを第2の熱交換器に取り入れて、液化天然ガスの第1の流れを冷却する工程、
- フラッシュガス分離器の塔頂部で気体流を取り出して、気体流の少なくとも一部を第2の冷凍サイクルに供給する工程
を有する、方法に関する。
【0011】
熱力学的観点から、天然ガスの液化工程及び過冷却工程の分離によって、液化を行う第1の熱交換器の大きさが減少する。このような分離は、過冷却工程専用の第2の熱交換器により、プラントの更なる柔軟性をもたらす。
【0012】
第1の熱交換器の大きさの減少により、特にLNG 生産ユニットに必要な全ての設備を収容するために使用されるモジュール式プラントの高さが減少し、これにより、関連する構造物の体積及び重量、製造時間、LNG 生産現場への運搬要件を減らす。
【0013】
本発明に係る方法は、プラントの性能又は安全性を低下させることなく、液化ユニットの全体的な大きさを減少させる。このような改善によって、特にプラントの建設がモジュール式の方法で海上又は陸上で行われる場合に非常に興味深い節約がもたらされる。
【0014】
本方法は、浮体式生産貯蔵積出(FPSO又はFLNG)ユニット、固定された海上ユニット(海上プラットフォーム、乗り上げた平底荷船など)、及び陸上のモジュール式プラントに完全に適している。
【0015】
本方法は更に、設置面積を減らして生産量を増やすために既存のプラントの改造に適用可能であることが有利である。
【0016】
特定の実施形態によれば、本発明に係る方法は、単独で又は技術的に可能なあらゆる組み合わせに応じて、以下の特徴の1又は複数を有する。
【0017】
- 第2の冷凍サイクルから第2の冷媒流体の第1の部分を分岐させて、可燃性ガスを生成する。
【0018】
- 第2の冷媒流体(62)と、フラッシュガス分離器の塔頂部から取り出された気体流との熱交換によって天然ガスの第2の部分を第3の熱交換器で冷却して、液化天然ガスの第4の流れを得て、液化天然ガスの第4の流れを膨張させ、膨張した液化天然ガスの第4の流れをフラッシュガス分離器に取り入れる。
【0019】
- 第2の冷凍サイクルから第2の冷媒流体の第2の部分を分岐させて、フラッシュガス分離器の塔頂部から取り出された気体流と、第2の熱交換器からの第2の冷媒の気体流との熱交換によって1つの第3の熱交換器又は前記第3の熱交換器で第2の冷媒の第2の部分を冷却して、冷却された第2の冷媒の第2の流れを得て、冷却された第2の冷媒の第2の流れを膨張させて、冷却されて膨張した第2の冷媒の第2の流れを得て、冷却されて膨張した第2の冷媒液体の流れを第2の熱交換器に取り入れて、液化天然ガスの第1の流れを冷却する。
【0020】
- 冷却された第2の冷媒流体の流れを膨張バルブで少なくとも部分的に膨張させる。
【0021】
- 冷却された第2の冷媒流体の流れは、第1の熱交換器の出口でガス状であり、冷却された第2の冷媒流体の流れをタービンで少なくとも部分的に膨張させ、第2の冷媒流体を第2の冷凍サイクルで循環させる際、前記タービンに機械的に連結されている少なくとも1つのコンプレッサによって第2の冷媒流体の少なくとも1つの圧縮を行う。
【0022】
- 第2の冷媒流体を冷却する際、冷却された第2の冷媒流体の流れを膨張させる前に第2の冷媒流体を第2の熱交換器を通して流す。
【0023】
- 冷却された第2の冷媒の流れの少なくとも別の部分を膨張させて、フラッシュガス分離器に取り込む。
【0024】
- 液化天然ガスを貯蔵部に取り入れて、貯蔵部から蒸発ガスを取り出し、蒸発ガスの少なくとも一部を第2の冷凍サイクルに供給する。
【0025】
本発明の更なる主題は、天然ガスから液化天然ガスを製造するためのプラントであって、
- 天然ガスの少なくとも第1の部分を、混合冷媒である第1の冷媒流体との熱交換によって冷却して、液化天然ガスの第1の流れを得るのに適した第1の熱交換器と、
- 第1の冷媒流体を循環させるのに適した第1の閉じた冷凍サイクルと、
- 液化天然ガスの第1の流れを、第1の冷媒とは異なる第2の冷媒との熱交換により過冷却して、過冷却された液化天然ガスの第2の流れを得るのに適した第2の熱交換器と、
- 過冷却された液化天然ガスの第2の流れを膨張させて、液化天然ガスの第3の流れを生成するのに適した膨張部品と、
- 液化天然ガスの第3の流れを受けるのに適したフラッシュガス分離器と、
- フラッシュガス分離器の底部に設けられて、生成された液化天然ガスを取り出すのに適した取出システムと、
- 第2の冷媒流体を循環させて、第2の冷媒流体を少なくとも第1の熱交換器で第1の冷媒流体との熱交換によって冷却して、冷却された第2の冷媒流体の流れを得て、冷却された第2の冷媒の流れの少なくとも一部を膨張させ、冷却されて膨張した第2の冷媒の流れを得て、冷却されて膨張した第2の冷媒の流れを第2の熱交換器に取り入れて、液化天然ガスの第1の流れを冷却するのに適した第2の冷凍サイクルと、
- フラッシュガス分離器の塔頂部に設けられて、気体流を取り出し、前記気体流の少なくとも一部を第2の冷凍サイクルに供給するのに適した取出システムと
を備えている、プラントである。
【0026】
本発明は、添付図面を参照して、単に一例として挙げられる以下の説明を読むと更に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る方法を行うプラントを示す図である。
図2】本発明に係る方法の変形例を行う、図1に示されているプラントの変形例を示す図である。
図3】本発明に係る方法の変形例を行う、図1に示されているプラントの変形例を示す図である。
図4】本発明に係る方法の変形例を行う、図1に示されているプラントの変形例を示す図である。
図5】本発明に係る方法の変形例を行う、図1に示されているプラントの変形例を示す図である。
図6】本発明に係る方法の変形例を行う、図1に示されているプラントの変形例を示す図である。
図7】本発明に係る方法の変形例を行う、図1に示されているプラントの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に全体を通して、同一の参照番号が、パイプを通って流れる流れ及び流れを運ぶパイプを特定する。「上流」及び「下流」という用語は一般に、流体の流れの通常の方向に関して表す。
【0029】
更に、特に示されていない場合、記載されているパーセントはモルパーセントであり、圧力は絶対バールで与えられる。
【0030】
周囲温度より高い温度の流れが、空気冷却器によって冷却されると記載される。変形例では、水熱交換器、例えば真水又は海水の熱交換器を使用することが可能である。
【0031】
例えばHYSYS ソフトウェアを使用して行う以下のシミュレーション計算では、冷却する空気又は水の温度は15℃である。
【0032】
プラントの周りの周囲温度は本発明に関しては重要ではなく、特には15℃~35℃の範囲内とすることができる。
【0033】
以下では、全てのコンプレッサが82%のポリトロープ効率を有し、全てのタービンが86%の断熱効率を有すると仮定されている。
【0034】
図1を参照して、天然ガス14から液化天然ガス12を製造するのに適した本発明に係るプラント10を記載する。この例では、プラント10は、例えばプラントのガスタービン又は他の設備に供給するための可燃性ガス16を更に生成する。
【0035】
図1では、太線の流れは液化のための天然ガスに関する一方、より細い線は冷媒流体の流れに関する。
【0036】
この例では、天然ガス14は、プラント10での液化中に凝固し得る化合物を含まない前処理されたガスである。このような前処理は、それ自体で知られており、詳細には説明されない。前処理では、特に未加工の天然ガスから水、二酸化炭素及び硫黄化合物を除去し得る。
【0037】
変形例(不図示)によれば、天然ガス14は前処理されない。そのため、プラント10は、前処理を行って天然ガス14を供給するためにアルミナ台又は分子ふるい台などの設備(不図示)を一体化する。
【0038】
天然ガス14は主にメタンから構成されており、例えば以下のモル組成を有する。
-メタン:92.0%
-エタン:5.00%
-プロパン:2.20%
-窒素:0.80%
-i-C4,n-C4,i-C5:0.00%
【0039】
プラント10は、天然ガス14の少なくとも第1の部分19を液化して、液化天然ガスの第1の流れ22を生成するように構成されている第1の熱交換器18と、液化天然ガスの第1の流れを過冷却して過冷却された液化天然ガスの第2の流れ26を生成するように構成されている第2の熱交換器20とを備えている。プラント10は、過冷却されて膨張した液化天然ガスの第3の流れ30を生成するための膨張部品28(バルブ又は動的膨張タービン)と、過冷却されて膨張した液化天然ガスの第3の流れ30を受けて気体流34及び液化天然ガス12に分離するためのフラッシュガス分離器32、ここではドラムとを更に備えている。
【0040】
「過冷却」とは、液化温度より厳密に低い温度まで冷却することを意味する。
【0041】
プラント10は、天然ガス14の第2の部分38を冷却して液化して過冷却し、液化天然ガスの第4の流れ39を得るための第3の熱交換器36と、液化天然ガスの第4の流れ39を膨張させるための膨張部品40とを有利には備えている。
【0042】
第1の熱交換器18は、天然ガス14の第1の部分19に対して向流で第1の冷媒流体44を循環させるのに適した第1の冷凍サイクル42によって冷却される。
【0043】
第1の冷凍サイクル42は閉じている。つまり、通常の動作中、外部と材料を交換しない。他方、第1の冷凍サイクル42は、完全に又は部分的に充填又はパージされるときに外部と材料を交換し得る。第1の冷凍サイクル42は、例えば、第1の熱交換器18を通過する3つのループ46A, 46B, 46C を有している。
【0044】
第1の冷媒流体44は混合冷媒である。例えば、第1の冷媒流体44は、窒素、メタン、エタン及び/又はエチレン、プロパン、ブタン及びペンタンを含む。
【0045】
例えば、第1の冷媒44のモル組成は以下の通りである。
-メタン:26.27%
-エタン:39.22%
-プロパン:19.41%
-窒素:0.00%
-i-C4,n-C4:0.00%
-i-C5:15.10%
【0046】
第1の冷凍サイクル42は、例えば2つのコンプレッサ48A, 48B、2つの冷却器50A, 50B、2つの分離タンク52A, 52B、3つの膨張バルブ54A, 54B, 54C 、及び第1の熱交換器18に設けられている2つの分配プレート56, 58を有している。
【0047】
冷却器50A, 50Bは、関連する流れを周囲の気温又は水温に近い温度に冷却するのに適した、例えば空冷熱交換器又は水冷熱交換器である。
【0048】
コンプレッサ48A, 48Bは、1つのモータ(又はガスタービン)と同一の機械に一体化され得る。
【0049】
第1のループ46A は、コンプレッサ48A 、冷却器50A 、分離ドラム52A の底部、膨張バルブ54A 及び分配プレート56を順に通過する。
【0050】
第2のループ46B は、コンプレッサ48A 、冷却器50A 、分離ドラム52A の最上部、コンプレッサ48B 、冷却器50B 、分離ドラム52B の底部、膨張バルブ54B 及び分配プレート56を順に通過する。
【0051】
第3のループ46C は、コンプレッサ48A 、冷却器50A 、分離ドラム52A の最上部、コンプレッサ48B 、冷却器50B 、分離ドラム52B の最上部、膨張バルブ54C 及び分配プレート58を順に通過する。
【0052】
第2の熱交換器20は、液化天然ガスの第1の流れ22に対して向流で第2の冷媒流体62を循環させるのに適した第2の冷凍サイクル60によって冷却される。
【0053】
図示されている例では、第3の熱交換器36も、第2の冷凍サイクル60によって、有利にはフラッシュガス分離器32からの気体流34によって冷却される。
【0054】
第2の冷凍サイクル60は半開であることが有利である。この例では、第2の冷凍サイクル60は1つのループ64のみを有している。第2の冷凍サイクル60は、フラッシュガス分離器32の塔頂部に設けられた取出システム66からの気体流34によって供給されるのに適している。図示されている例では、分岐部分68を使用して、ループ64内を循環する第2の冷媒流体から可燃性ガス16を生成する。
【0055】
更に図示されている例では、ループ64は、コンプレッサ70、冷却器72、第1の熱交換器18、膨張バルブ74、第2の熱交換器20及び第3の熱交換器36を順に通過する。
【0056】
第2の冷媒流体62は、第1の冷媒流体44とは異なる組成を有する。原則として、第2の冷媒流体62は気体流34の組成、すなわち天然ガスの液化によって得られたフラッシュガスの組成を有する。
【0057】
フラッシュガス分離器32の底部に設けられた取出システム76が、プラント10によって生成される液化天然ガス12を供給するように構成されている。
【0058】
プラント10で行われる本発明に係る第1の方法を記載する。
【0059】
天然ガス14は、例えば約25℃の温度、及び30バールより高く、例えば約70バールの圧力を有する。天然ガス14の流量は、上記で特定された組成に関して例えば3,015 kmols/時、すなわち54,205kg/時である。
【0060】
図示されている例では、前処理された天然ガス14を第1の部分19及び第2の部分38に分離する。
【0061】
第1の部分19を第1の熱交換器18で例えば-126 ℃に冷却して凝縮し、第1の液化天然ガス流22を生成する。第1の液化天然ガス流22は、第2の熱交換器20で、例えば-150 ℃に過冷却されて、過冷却された液化天然ガスの第2の流れ26を生成する。過冷却された液化天然ガスの第2の流れ26を膨張部品28で、例えば1.25バールに膨張させて、過冷却されて膨張した第3の液化天然ガス流30を生成する。
【0062】
過冷却されて膨張した第3の液化天然ガス流30をフラッシュガス分離器32に取り込む。液化天然ガス12を、例えば49,588kg/時の生産流量で取出システム76を介してフラッシュガス分離器32の底部から取り出す。
【0063】
第1の冷媒流体44は、第1の冷凍サイクル42のループ46A, 46B, 46C を通って循環する。その組成は、分離ドラム52A, 52Bで行う分留に応じて変わり得る。
【0064】
より正確には、第1の冷媒流体44の流れ78を第1の熱交換器18の底部で、例えば2.85バール及び23℃で回収する。流れ78をコンプレッサ48A によって例えば20バールに圧縮し、次に冷却器50A で例えば25℃に冷却して部分的に凝縮し、分離ドラム52A に取り込み、分離ドラム52A から液体留分80及び気体留分82を抽出する。
【0065】
液体留分80は、(液化される天然ガスの第1の部分19と)並流で第1の熱交換器18に入って過冷却され、その後、膨張バルブ54A で膨張して流れ84を生成する。流れ84を、分配器56を介して向流で第1の熱交換器18に取り込む。
【0066】
気体留分82をコンプレッサ48B によって例えば40バールに圧縮し、次に冷却器50B で例えば25℃に冷却して部分的に凝縮し、分離ドラム52B に取り込み、分離ドラム52B から液体留分86及び気体留分88を抽出する。
【0067】
液体留分86は、並流で第1の熱交換器18に入って過冷却され、その後、膨張バルブ54B で膨張して流れ90を生成する。流れ90を、例えば分配器56を介して向流で第1の熱交換器18に取り込む。流れ90は流れ84と実質的に同一の圧力であることが有利である。特定の実施形態によれば、流れ90及び流れ84を互いに混合して、その後、第1の熱交換器18に取り入れる。
【0068】
気体留分88は、並流で第1の熱交換器18に入って液化されて過冷却され、その後、膨張バルブ54C で膨張して流れ92を生成する。流れ92を、分配器58を介して向流で第1の熱交換器18に取り込む。
【0069】
主に液体の流れ84, 90, 92を第1の熱交換器18で混合して蒸発させ、その後、略周囲温度で回収して流れ78を生成する。流れ78の流量は、例えば5,115 kmol/hである。
【0070】
コンプレッサ48A, 48Bによる消費電力は、例えば11,669kWである。
【0071】
気体流34を、フラッシュガス分離器32の塔頂部から取出システム66を介して、例えば4,617 kg/時の流量で取り出す。取り出された気体流34は、第2の冷凍サイクル60のループ64に取り込まれる、つまり第2の冷凍サイクル60のループ64で再循環する再加熱された流れ94を生成するように、例えば天然ガス14の第2の部分38に対して向流で第3の熱交換器36で再加熱されることが有利である。
【0072】
加熱された流れ94を流れ96と混合して、コンプレッサ70で圧縮し、その後、冷却器72で冷却する。流れ96の一部98は分岐部分68を通って流れて可燃性ガス16を生成する。別の部分100 はループ64を通って流れ続けて、第2の冷媒流体62を生成する。
【0073】
別の部分100 を、例えば天然ガス14の一部19と並流で第1の熱交換器18で冷却して液化し、冷却された第2の冷媒流体の流れ102 を生成する。
【0074】
冷却された第2の冷媒流体の流れ102 を膨張バルブ74内で膨張させて、例えば2.7 バール及び-152 ℃に冷却されて膨張した第2の冷媒流体の流れ104 を生成する。
【0075】
冷却されて膨張した第2の冷媒流体の流れ104 を、例えば液化天然ガスの第1の流れ22に対して向流で第2の熱交換器20に取り込んで、液化天然ガスの第1の流れを過冷却することにより蒸発させる。第2の冷媒流体の気体流106 を第2の熱交換器20の出口で回収して、例えば気体流34と並流で第3の熱交換器36に送り、加熱された気体流108 を生成する。
【0076】
加熱された気体流108 及び加熱された流れ94を互いに混合して、流れ96を生成する。
【0077】
天然ガス14の第2の部分38を第3の熱交換器36で冷却して、気体流34及び気体流106 を加熱する液化天然ガスの第4の流れ39を得る。液化天然ガスの第4の流れ39を膨張バルブ40で、例えば1.25バールに膨張させて、フラッシュガス分離器32に取り込まれる流れ110 を生成する。
【0078】
この方法のエネルギー消費は、例えば以下の通りである。
- コンプレッサ70:2.8MW
- コンプレッサ48A:9.7MW
- コンプレッサ48B:1.9MW
- 合計:14.4MW
【0079】
上述した特徴により、この方法は、高さを10~15メートル上昇させることで、特に「SMR」法と比較してプラント10の設置面積を減少させ得る。第1の熱交換器18の大きさは大幅に減少する。第2の熱交換器20が過冷却工程専用であるため、プラント10は更なる柔軟性を有し、冷媒42の組成は、熱交換器18内で達成される温度差の減少により更に最適化される。この方法は、性能又は安全性を低下させることなく、プラント10の全体的な大きさを減少させる。
【0080】
第1の熱交換器18の大きさの減少により、特にLNG 生産ユニットに必要な全ての設備を収容するために使用されるモジュール式プラントの高さが減少する。
【0081】
図2を参照して、プラント10の変形例であるプラント120 について述べる。プラント120 は図1に示されているプラント10と同様である。同一の要素には同一の参照符号が付されており、再び説明しない。差異のみを以下に詳細に説明する。
【0082】
プラント120 では、天然ガス14を第1の部分19及び第2の部分38に分離しない。全ての天然ガス14が第1の熱交換器18に送られて液化される。
【0083】
第2の冷凍サイクル60は、ループ64から第2の冷媒流体の第2の部分124 を抽出するための第2の分岐部分122 を有している。
【0084】
第2の分岐部分122 は、例えば冷却器72の下流側であって分岐部分68の上流側に配置されている。変形例(不図示)では、第2の分岐部分122 は第1の分岐部分68の下流側に配置されている。
【0085】
図示されている例では、ループ64を通って循環する流れ96は、第2の部分124 及び流れ126 に分離され、流れ126 から、可燃性ガス16を生成する流れ98が抽出される。残りの部分100 はループ64を通って流れ続ける。
【0086】
第2の部分124 を、例えば気体流34及び気体流106 に対して向流で第3の熱交換器36で冷却して、冷却された第2の冷媒液体の第2の流れ127 を生成する。
【0087】
冷却された第2の冷媒液体の第2の流れ127 を膨張部品128 で、例えば2.7 バールに膨張させて、冷却されて膨張した第2の冷媒液体の第2の流れ130 を生成する。
【0088】
冷却されて膨張した第2の冷媒液体の第2の流れ130 を第2の熱交換器20に取り込んで、液化天然ガスの第1の流れ22を冷却する。例えば、冷却されて膨張した第2の冷媒液体の第2の流れ130 を冷却されて膨張した第2の冷媒液体の流れ104 と混合して、その後、第2の熱交換器20に取り込む。
【0089】
プラント120 では、第2の冷凍サイクル60は、第2の冷媒流体の最初の冷却が第1の熱交換器18で行われるループ64、及び第2の冷媒流体の最初の冷却が第3の熱交換器36で行われる新たなループ132 を有していると言える。
【0090】
図3を参照して、プラント10の変形例であるプラント200 について述べる。プラント200 は図1に示されているプラント10と同様である。同一の要素には同一の参照符号が付されており、再び説明しない。差異のみを以下に詳細に説明する。
【0091】
第1の熱交換器18は、冷却された第2の冷媒流体の流れ102 が、第1の熱交換器18の出口で液体ではなく気体であるように構成されている。冷却された第2の冷媒流体の流れ102 を、図1に示されている膨張バルブ74ではなくタービン202 で膨張させる。
【0092】
第2の冷媒流体が第2の冷凍サイクル60を通って循環する際、タービン202 に機械的に連結されているコンプレッサ204 によって第2の冷媒流体の圧縮を更に行う。
【0093】
プラント200 は、コンプレッサ204 及び第1の熱交換器18間に設けられた冷却器206 をループ64内に有していることが有利である。
【0094】
図4を参照して、プラント10の変形例であるプラント300 について述べる。プラント300 は図1に示されているプラント10と同様である。同一の要素には同一の参照符号が付されており、再び説明しない。差異のみを以下に詳細に説明する。
【0095】
冷却された第2の冷媒流体の流れ102 は、第1の熱交換器18を通る部分100 の流れだけでなく、第2の熱交換器20を通る流れによっても得られる。
【0096】
より正確には、第2の流体の部分100 は第1の熱交換器18を通って流れて、冷却された流れ302 を生成する。次に、冷却された流れ302 を、例えば第1の液化天然ガスの流れ22と並流で第2の熱交換器20で過冷却して、第2の冷却された冷媒流体の流れ102 を生成する。
【0097】
図5を参照して、プラント300 の変形例であるプラント400 について述べる。プラント400 は図4に示されているプラント300 と同様である。同一の要素には同一の参照符号が付されており、再び説明しない。差異のみを以下に詳細に説明する。
【0098】
冷却された第2の冷媒流体の流れ102 の一部のみを膨張バルブ74で膨張させて、冷却されて膨張した第2の冷媒流体の流れ104 を生成する。
【0099】
冷却された第2の冷媒流体の流れ102 の別の部分402 は膨張バルブ404 で膨張してフラッシュガス分離器32に取り込まれる。
【0100】
プラント400 は、フラッシュガス分離器32からの液化天然ガス12を受ける貯蔵部406 を備えていることが有利である。
【0101】
蒸発ガス408 (ボイルオフガス、つまりBOG )が貯蔵部406 から取り出されて第2の冷凍サイクル60に供給される。より正確には、蒸発ガス408 を、加熱された流れ94に、例えばコンプレッサ70の上流側で追加する。
【0102】
図6を参照して、プラント120 の変形例であるプラント500 について述べる。プラント500 は図2に示されているプラント120 と同様である。同一の要素には同一の参照符号が付されており、再び説明しない。差異のみを以下に詳細に説明する。
【0103】
図5と同様に、冷却された第2の冷媒流体の流れ102 の別の部分502 は膨張バルブ504 で膨張してフラッシュガス分離器32に取り込まれる。
【0104】
プラント500 は、フラッシュガス分離器32からの液化天然ガス12を受ける貯蔵部506 を備えていることが有利である。
【0105】
蒸発ガス508 (ボイルオフガス)が貯蔵部506 から取り出されて第2の冷凍サイクル60に供給される。より正確には、蒸発ガス508 を図5のように、加熱された流れ94に、例えばコンプレッサ70の上流側で追加する。
【0106】
図7を参照して、プラント300 の変形例であるプラント600 について述べる。プラント600 は図4に示されているプラント300 と同様である。同一の要素には同一の参照符号が付されており、再び説明しない。差異のみを以下に詳細に説明する。
【0107】
脱窒素カラムのリボイラが第2の熱交換器20に一体化されている。このような構成は、過冷却された液化天然ガスの第2の流れ26への液化天然ガスの第1の流れ22の過冷却に寄与する。フラッシュガス分離器32から、窒素が豊富な液体流602 を抽出して、リボイラとして機能する第2の熱交換器20に導く。液体流602 は、第2の熱交換器20で部分的に蒸発して二相流604 を生成し、二相流604 を脱窒素カラム32に戻す。
【0108】
図2図7を参照して上述した変形例は、プラント10の利点と同様の利点を有する。適切な場合、技術的に可能であれば、このような変形例は互いに組み合わされて他の変形例を形成する。
【0109】
【表1】
【0110】
上記の表は、第1の冷媒流体の組成及び消費電力を示す。この表は、最後の2行にLNG の流れ12を生成するために消費される特定電力を示す。
【0111】
消費される特定電力は、先行技術の特定電力と実質的に等しいことが分かる。従って、プラント10の設置面積の減少は、LNG の生成で消費されるエネルギーを犠牲にしてなされるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】