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特表2023-550456ふるい分け道具およびふるい分け装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ふるい分け道具およびふるい分け装置
(51)【国際特許分類】
   B07B 1/28 20060101AFI20231124BHJP
   B07B 1/42 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B07B1/28 B
B07B1/42 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530516
(86)(22)【出願日】2021-11-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2021082184
(87)【国際公開番号】W WO2022106558
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】20209093.2
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21162464.8
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522040001
【氏名又は名称】アー オー イデアス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラスコ、セザール
【テーマコード(参考)】
4D021
【Fターム(参考)】
4D021AA01
4D021AA02
4D021AB01
4D021AB02
4D021AC01
4D021CA07
4D021CB03
4D021CB11
4D021CB18
(57)【要約】
プロセス材料を取り扱うためのスクリーニングツール(10)は、少なくとも1つの第1のスクリーンライニングを備え、これは、電気リード線(32)によって超音波発生器(3)に接続されている超音波トランスデューサ(2)が取り付けられている金属結合要素(16)に結合される。ふるい分け道具(10)は、金属作業プレート(11)を備え、これは、接続領域(118)と、第1の通過開口部(110)を有する少なくとも1つの第1の通過領域(119)を有し、この第1の通過領域(119)は、第1のスクリーンライニングを形成し、これによって通過開口部(110)よりも大きいプロセス材料の粒子が、通過開口部(110)よりも小さいプロセス材料の粒子から分離でき、結合要素(16)は、接続領域(118)に溶接される第1の端部部品(161)と、超音波トランスデューサ(2)に機械的に接続される第2の端部部品(162)とを有する湾曲または直線状ロッドである。ふるい分け装置(1)は、この種のふるい分け道具(10)と、制御ユニット(8)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1のスクリーンライニングを備えた、プロセス材料を処理するためのふるい分け道具(10)であって、前記少なくとも1つの第1のスクリーンライニングは、金属結合要素(16)に結合され、超音波トランスデューサ(2)が前記金属結合要素(16)に接続され、前記超音波トランスデューサ(2)は、電線(32)によって超音波発生器(3)に接続される、前記ふるい分け道具(10)において、
接続領域(118)と、第1の通過開口部(110)を備えた少なくとも1つの第1の通過領域(119)とを備えた金属作業プレート(11)が設けられており、
前記第1の通過領域(119)は、前記第1のスクリーンライニングを形成し、それによって、前記通過開口部(110)よりも大きいプロセス材料の粒子が、前記通過開口部(110)よりも小さいプロセス材料の粒子から分離可能であり、
前記結合要素(16)は、湾曲または直線状ロッドであり、前記接続領域(118)に溶接された第1の端部部品(161)と、前記超音波トランスデューサ(2)に機械的に接続された第2の端部部品(162)とを備えることを特徴とする、ふるい分け道具。(10)
【請求項2】
前記接続領域(118)は、前記第1の通過領域(119)に対して傾斜しており、固定されていないか、または容器の壁またはパイプの壁などの壁(116)に接していることを特徴とする、請求項1に記載のふるい分け道具(10)。
【請求項3】
前記作業プレート(11)は、複数の通過領域(119A、119B、119C、119D)を備え、前記複数の通過領域(119A、119B、119C、119D)は、各々がスクリーンライニングを形成し、各々が通過開口部(110A、110B、110C、119D)を備え、
前記通過領域(119A、119B、119C、119D)のうちの少なくとも2つの前記通過開口部(110A、110B、110C、110D)は、等しいか、または異なる寸法を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のふるい分け道具(10)。
【請求項4】
前記通過領域(119A、119B、119C、119D)は、壁またはパイプなどの分離要素(151、152)によって完全にまたは部分的に分離されていることを特徴とする、請求項3に記載のふるい分け道具(10)。
【請求項5】
前記金属作業プレート(11)は、複数の接続領域(118)および複数の結合要素(16)を備え、
前記結合要素(16)の各々が、関連する接続領域(118)に溶接された第1の端部部品(161)と、関連する超音波トランスデューサ(2)に機械的に接続された第2の端部部品(162)とを備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のふるい分け道具(10)。
【請求項6】
前記作業プレート(11)の前記第1の通過領域の上または下または上下に、第2通過開口部(120;120)を有する少なくとも1つの第2のスクリーンライニング(12;13)、例えば金網または多孔板、が配置され、取り付け要素(18、181;51;52)によって前記作業プレート(11)に接続されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のふるい分け道具(10)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のふるい分け道具(10)の少なくとも1つが保持された取り付け構造体(100)を有するふるい分け装置(1)であって、
各々のふるい分け道具(10)は、結合要素(16)と、金属作業プレート(11)とを備え、
前記金属作業プレート(11)は、接続領域(118)と、第1の通過開口部(110)を有する少なくとも第1の通過領域(119)とを備え、
前記第1の通過領域(119)は、第1のスクリーンライニングを形成し、前記スクリーンライニングを通して前記通過開口部(110)よりも大きい前記プロセス材料の粒子を前記通過開口部(110)よりも小さい前記プロセス材料の粒子から分離することができ、
前記結合要素(16)は、湾曲または直線状ロッドであり、前記接続領域(118)に溶接された第1の端部部品(161)と、前記超音波トランスデューサ(2)に機械的に接続された第2の端部部品(162)とを備え、
前記超音波トランスデューサ(2)は、電線(32)によって超音波発生器(3)に接続される、ふるい分け装置(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのふるい分け道具(10)の前記金属作業プレート(11)は、複数の接続領域(118)を有し、各々が、関連する結合要素(16)の第1の端部部品(161)に溶接され、その第2の端部部品は、関連する超音波トランスデューサ(2)に機械的に接続され、前記超音波トランスデューサ(2)は電線(32)によって前記超音波発生器(3)に接続されることを特徴とする、請求項7に記載のふるい分け装置(1)。
【請求項9】
前記ふるい分け道具(10)の前記作業プレート(11)は、少なくとも1つの取り付け部(119、1190)を備え、前記取り付け部品(119、1190)によって、前記プロセス材料の搬送、混合、または分離などの追加の処理に使用される少なくとも1つの電動式または非電動式作業ユニット(19)が保持されることを特徴とする、請求項7または8に記載のふるい分け装置(1)。
【請求項10】
前記取り付け部(119、1190)は、前記作業プレート(11)に設けられたベアリング開口部またはベアリングブッシュであり、前記作業ユニット(19)は、ロータシャフト(192)を備え、前記ロータシャフト(192)は、前記取り付け部(1190)内に回転可能に保持され、前記作業プレート(11)の上または下または上下で少なくとも1つのロータ(191A、191B、191C)を保持することを特徴とする、請求項9記載のふるい分け装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのふるい分け道具(10)の前記作業プレート(11)の上または下または上下に、金網または多孔板などの、第2の通過開口部(120;130)を有する少なくとも1つの第2のスクリーンライニング(12;13)が隣接していることを特徴とする、請求項7~10のいずれか一項に記載のふるい分け装置(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのふるい分け道具(10)の前記作業プレート(11)は、通過開口部(110A、110B、110C、110D)を備えた複数の通過領域(119A、119B、119C、119D)を備え、前記通過領域(119A、119B、119C、119D)は、各々がスクリーンライニングを形成することを特徴とする、請求項7~11のいずれか一項に記載のふるい分け装置(1)。
【請求項13】
前記通過領域(119A、119B、119C、119D)は、隔壁または管などの少なくとも1つの分離要素(116)によって分離されているか、または管または容器などの分離要素(116)が、前記作業プレート(11)の下または上で、前記第1の通過領域(119)または1つまたは複数の前記通過領域(119A、119B、119C、119D)に隣接していることを特徴とする、請求項12に記載のふるい分け装置(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのふるい分け道具(10)、または前記少なくとも1つのふるい分け道具(10)および前記少なくとも1つの第2のスクリーンライニング(12;13)は、フランジプレートなどの機械的取り付け要素(51、52)によって、またはホースまたはタイヤなどの少なくとも1つの空気圧で作動可能な取り付け要素(51、52)によって、前記取り付け構造体(100)に固定されることを特徴とする、請求項7~13のいずれか一項に記載のふるい分け装置(1)。
【請求項15】
制御ユニット(8)が設けられ、それによって、選択されたレベルおよび選択された周波数の超音波エネルギーが、設置されたふるい分け道具(10)または複数の設置されたふるい分け道具(10)の接続された超音波トランスデューサ(2)に共同でまたは個別に伝達され得るように、前記超音波発生器(3)は制御可能であることを特徴とする、請求項9~14のいずれか一項に記載のふるい分け装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を使用することによってプロセス材料を作業するためのふるい分け道具、および少なくとも1つのそのようなふるい分け道具を備えたふるい分け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体の混合物などのプロセス材料を異なる粒径の画分に分割するために機能するふるい分け装置は、例えば、原材料の処理、食品産業、化学産業、および建材産業で使用される。
【0003】
非特許文献1によると、ふるい分け装置は、分離媒体として同じサイズの開口部を多数含むスクリーンライニングを備える。スクリーンライニングは、金属(穴あきシート、金網、金属グリッド、または金属ロッド)、プラスチック、様々な硬度のゴム、またはシルクガーゼのいずれかで構成される。開口部のサイズは、メッシュサイズと呼ばれ、ふるいの目開きを定義する。大きな粒子は、開口部の上に残り(ふるいオーバーフロー)、小さな粒子は下に落ちる(ふるい通過物)。メッシュサイズと略同じサイズの粒子は、境界粒子と呼ばれる。スクリーンは、1つ以上の重ね合わされたスクリーンライニングで構成され、最大メッシュサイズのスクリーンライニングがスクリーンスタックの最上部にある。スクリーンライニングの清浄度は、ふるいの効率にとって重要である。特に、境界粒子によるスクリーン開口部の詰まりは、適切な手段(例えば、スクリーンの上または下を「走る」ブラシ、ボール、チェーン、ゴムキューブ)によって、または例えば、円錐形または二重円筒形のドリル穴の場合のように穴の直径を下方に大きくすることによって防止する必要がある。
【0004】
特許文献1は、スクリーンライニングを保持するスクリーンフレームを有するふるい分け道具を備えたふるい分け装置を開示している。ふるい性能を向上させるために、超音波エネルギーがスクリーンフレームに結合され、スクリーンフレームからスクリーンライニングに分配される。
【0005】
この構成には、重大な欠点がある。スクリーンライニングは通常、溶接または接着によってスクリーンフレームにしっかりと接続され、ており、欠陥が発生した場合には、多額の費用をかけて、つまりスクリーンフレーム全体と一緒にのみ交換することができる。
【0006】
超音波エネルギーの周辺結合により、スクリーンライニング上で超音波エネルギーが不均一に分布し、スクリーンライニングまたはその一部が望ましくない加熱を受けることが多く、これがかなりの機械的応力および熱応力を引き起こす可能性がある。超音波エネルギーの周辺結合により、スクリーンライニングの結合ゾーンとその要素のスクリーンライニングの中央領域で温度が発生し、それらの温度は大きく異なり、高い機械的応力を引き起こす可能性がある。時間の経過により高温が発生すると、スクリーンライニング、その周囲、またはその作業領域(例えば、金網の接合部または個々のワイヤー)に損傷を引き起こす可能性がある。
【0007】
溶融による熱的な材料損傷に加えて、機械的応力によってさらなる材料損傷が発生する可能性がある。機械的応力により、スクリーンライニングまたは金網の一部が裂ける可能性があるため、相応の費用をかけてふるい分け道具を交換する必要がある。
【0008】
プロセス材料は特定の時点で許容できない高温に加熱される可能性があることに留意することも重要である。医薬品粉末または粉末状の食品であっても、加熱によって構造が変化し、必要な特性が失われる可能性がある。一方、部分的に損傷した場合は、被処理材料全体が使用できなくなる可能性がある。
【0009】
特許文献2は、スクリーンライニングが設けられ、振動発生器に接続されたスクリーンフレームを備える別のふるい分け装置を開示している。
【0010】
特許文献3は、外側フレームから中央部品まで延びる複数のアームを有する金属プレート上にスクリーンライニングが配置された外側取り付けフレームを有するふるい分け装置を開示している。中央部品の下側は、超音波トランスデューサに結合されており、これによって超音波エネルギーが中央部品を介してアームに伝送される。この装置には、スクリーンライニングが金属プレートで部分的に覆われているという欠点があり、そのためプロセス材料がこの領域のスクリーンライニングを通過する可能性がある。また、結合は、依然としてスクリーンライニングの一部のエッジで発生するため、結合は依然として最適ではない。
【0011】
特許文献4は、トナーを使用して画像情報を視覚化する装置用のふるい分け装置を開示している。ふるい分け装置によって大きなトナー粒子が分離され、小さなトナー粒子によって画像が正確に実現される。この目的のために、ふるい分け装置は、その下側にフィルタを備えた円筒形の本体を備えている。フィルタの上にはブレードが回転可能に取り付けられており、これによってトナーが巻き上げられる。この装置には、大きなトナー粒子をフィルタから遠ざけるために複雑な機械装置が必要であるという欠点がある。しかしながら、フィルタを通過するトナー材料のスループットは、回転可能に取り付けられたブレードによってほとんど改善されない。
【0012】
特許文献5は、スクリーン開口部を備え、互いに対して移動および固定できる2つのスクリーンプレートを備えたふるい分け装置を開示している。スクリーンプレートを相互に移動させることにより、得られるスクリーンライニングの開口部のサイズを調整することができる。しかしながら、ふるい分け装置を通過するふるい通過物は改善されない。
【0013】
特許文献6は、ベース上に取り付けられ、スクリーンライニングを保持するスクリーンフレームと、ベースに対してスクリーンフレームを移動させるバイブレータと、ふるい分けされる材料の流れを制御できる、スクリーンライニングの上にあるガイド部分と、スクリーンライニングの開口部の閉塞を防ぐために、運動エネルギー(任意選択で超音波エネルギー)をガイド部分に伝送させるさらなる振動源とを備えたふるい分け装置を開示している。円形または螺旋形とすることができるガイド部分は、スクリーンライニングと接触していることが好ましい。このふるい分け装置には、ガイド部分によってスクリーンライニングの断面積が減少し、スクリーンライニングへの運動エネルギーの伝達が最適ではないという欠点もある。
【0014】
特許文献7は、バネによってベース上に支持され、重しが偏心して取り付けられた駆動シャフトを有するモータを備えたバイブレータが設けられたモータハウジングに接続されたスクリーンライニングを有するふるい分け装置を開示している。駆動シャフトの回転により、スクリーンライニングが配置されているスクリーンハウジングが振動する。このふるい分け装置は、複雑な設計になっており、スクリーンの通過を最適化することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2018219840号
【特許文献2】独国特許第102015114076号明細書
【特許文献3】特許出願公開第2011-245446号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2012234735号明細書
【特許文献5】米国特許第2315651号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2006043006号明細書
【特許文献7】米国特許第5226546号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】https://en.wikipedia.org/wiki/Sieve
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明は、超音波エネルギーを使用する改良されたふるい分け道具およびそのようなふるい分け道具を備えるふるい分け装置を提供するという目的に基づいている。
【0018】
ふるい分け装置は、単純な設計であり、コストを削減して生産でき、同時に作業結果が向上する必要がある。
【0019】
ふるい分け装置は、他の媒体の作用により、製品またはプロセス材料を効率的に処理、ふるい、混合、投与、または変更できる必要がある。
【0020】
ふるい分け装置は、メンテナンスをできる限り最小限またはまったく必要としない必要がある。ふるい分け装置のメンテナンスが必要な場合、これはほとんど労力をかけずに迅速に実行され、ふるい分け装置のメンテナンス費用とダウンタイムは、少なくて済む必要がある。
【0021】
さらに、ふるい分け装置は、変更された作業プロセスに迅速かつ最小限の労力で適応できる必要がある。
【0022】
ふるい分け道具は、プロセス材料の効率的な処理を確保し、プロセス材料または被処理製品を最適にふるい、混合、投与、またはその他の方法で変更できる必要がある。
【0023】
プロセス材料をふるい分けする際、材料のスループットの向上が達成される必要がある。さらに、非常に少量であっても、プロセス材料を正確に混合または投与することが可能である必要がある。プロセス材料の他の処理が意図されている場合、プロセス材料の粒子は、例えば他の媒体で確実に分離され、処理される必要がある。
【0024】
ふるい分け道具は、超音波エネルギーをスクリーンライニングとプロセス材料に最適に伝達することを保証することが必要である。ふるい分け道具またはその一部の熱的および機械的過負荷、およびプロセス材料または被処理製品の許容できない加熱は回避する必要がある。
【0025】
ふるい分け道具は、ほとんどメンテナンスフリーで動作する必要がある。しかしながら、メンテナンスが必要になった場合、おそらくスクリーンライニングの交換など、最小限の労力で迅速にメンテナンス作業を実行できる必要がある。
【0026】
単一のふるい分け道具を使用して、複数のふるいプロセスを同時に実行するなど、様々な作業プロセスを同時にサポートすることも可能である必要がある。したがって、ふるい分け装置によって、1つのふるいプロセスまたはいくつかのふるいプロセスを実行することが可能であり、好ましくは個別に制御可能である必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
この課題は、それぞれ請求項1および請求項7に特定された構成を備えるふるい分け道具およびふるい分け装置によって解決される。本発明の有利な実施形態は、他の請求項で定義される。
【0028】
プロセス材料の作業のために設けられるふるい分け道具は、電線によって超音波発生器に接続される超音波トランスデューサが接続される金属結合要素に結合される少なくとも1つの第1のスクリーンライニングを備える。プロセス材料は、例えば、化学産業、製薬産業、または食品産業からの材料である。プロセス材料には通常、粉末または顆粒が含まれ、場合によってはスクリーン通過物とスクリーンオーバーフローに分離される他の成分も含まれる。スクリーン通過物は、第1のスクリーンライニングを通過する粉末または顆粒とその他の成分で構成される。スクリーンライニングを通過しないスクリーンオーバーフローは、取り除かれる。
【0029】
本発明によれば、ふるい分け道具は、接続領域と、第1の通過(transfer)開口部を備えた少なくとも1つの通過領域とを有する金属作業プレートを備え、この通過領域は、第1のスクリーンライニングを形成し、それを通して、通過開口部よりも大きいプロセス材料の粒子が、通過開口部よりも小さいプロセス材料の粒子から分離可能であり、結合要素は、湾曲または直線状ロッドであり、接続領域に溶接された第1の端部部品と、超音波トランスデューサに機械的に接続された第2の端部部品とを有する。ふるい分け装置は、1つまたは複数のそのようなふるい分け道具と、好ましくは、超音波発生器を制御可能な制御ユニットとを備える。
【0030】
したがって、ふるい分け道具は、超音波エネルギーを直接結合できる一体型スクリーンライニングを備えた金属作業プレートと、第1の端部部品で作業プレートに溶接され、第2の端部部品で超音波トランスデューサに機械的に接続される結合要素とを備える。溶接結合要素または複数の溶接結合要素とスクリーンライニングまたはスクリーンライニングのすべての要素との間には、流入する超音波エネルギーは克服する必要がある、スクリーンライニングの周囲に設けられる、例えば、クランプ点、溶接点、接着点などのさらなる移行部は存在しない。このような移行を回避することで、そのような移行時に発生する可能性のあるエネルギー損失と加熱が回避される。
【0031】
したがって、より高い超音波エネルギーの入力が必要となり、次いでエネルギー損失の増加と加熱の増加につながる接合部でのエネルギー損失はない。エネルギー損失が回避されるため、本発明のふるい分け道具は、効率が向上して動作し、必要な超音波エネルギーが少なくなり、結合要素の溶接部で発生する損失と加熱がさらに低減される。したがって、結合要素を作業プレートに接続する溶接点にかかる応力が少なくなる。
【0032】
スクリーンライニングの加熱の増加、特にスクリーンライニング内またはスクリーンライニングの周縁内および周縁部における時間通りの加熱増加またはいわゆるホットスポットが排除されるため、ふるい分け道具またはその部品の機械的損傷につながる可能性があるスクリーンライニング内の熱膨張もまた回避される。したがって、本発明のふるい分け道具は、ほとんど摩耗せず、メンテナンスフリーで操作することができる。
【0033】
スクリーンライニングの加熱および特定箇所の加熱が増加しないため、被処理材料に悪影響を及ぼさない。
【0034】
超音波エネルギーが注入されると、ふるい分け道具内の加熱とホットスポットが大幅に回避されるため、ふるい分け道具では、従来のふるい分け道具では効率的に処理できない材料を処理するために、より多くの超音波エネルギーを注入することもできる。したがって、本発明のふるい分け道具は、少量のエネルギーでも非常に大量のエネルギーでも動作させることができ、したがって高い活動性を有する。
【0035】
最適に結合された超音波エネルギーが作業プレート全体、つまりスクリーンライニング全体にわたって均一に分配されることが特に重要である。したがって、材料の分離は、スクリーンライニングの断面全体にわたって最適に行われる。
【0036】
プロセス材料を処理する(特に、ふるい分けする)場合、ふるい分け道具の効率が高いため、プロセス材料がふるい分け道具に供給され、処理プロセス中に再びふるい分け道具から取り出される、プロセス材料のスループットが向上する。プロセス材料は、必ずしもスクリーンライニングを通過する必要はない。代わりに、プロセス材料を処理する役割を果たす媒体を、スクリーンライニングを通して案内することができる。例えば、プロセス材料は、超音波エネルギーの影響下でスクリーンライニングの上で分離された状態に保たれ、一方で媒体は、ふるい分け道具のスクリーンライニングを通して案内され、それによってプロセス材料の分離された粒子が衝突する。例えば、空気、ガス、水分、蒸気、または粉末状のプロセス材料が、第1のふるい分け道具またはさらなるふるい分け道具を通して供給される。処理中、プロセス材料の粒子は、例えば、コーティングされ、および/または構造が変化し、および/または圧縮され、および/またはプロセス材料または供給された粉末のさらなる粒子と結合する。
【0037】
対応して安定した作業プレートの使用により、ふるい分け道具を、プロセス材料を前処理または後処理できる少なくとも1つのさらなる道具または作業ユニットと有利に結合することもできる。例えば、プロセス材料を搬送および/または混合および/または分離および/または旋回および/またはさらなる材料成分と混合または衝突させることができる作業ユニットが提供される。作業ユニットは、特に、1つまたは複数の道具を備えた道具ユニットである。
【0038】
作業ユニットには、可動部分および/または非可動部分を有し得る。好ましくは、可動部品を駆動できる駆動モータが設けられる。例えば、ふるい分け道具の作業プレートの片側には、少なくとも1つのロータが設けられ、これによって、供給されたプロセス材料を分割および/または旋回および/または作業プレートに対して案内または押し付けることができる。もう一方の側には、スクリーンライニングを通過したプロセス材料が均一に分配されて排出され得るように旋回させるロータを設けることができる。
【0039】
好ましくは、作業プレートは、少なくとも1つの追加の作業ユニットを保持できる少なくとも1つの取り付け部分を有する。安定した作業プレートは、一方ではスクリーンライニングとして機能し、他方ではさらなる道具と接続するためのベースプレートとして機能する。
【0040】
好ましい一実施形態では、作業プレートは、ロータシャフトが通って案内され、好ましくは、例えばベアリングブッシュによって取り付けまたは保持される開口部またはベアリング開口部を備え、その結果、作業プレートの上にある少なくとも1つのロータおよび/または作業プレートの下にある少なくとも1つのロータが、ロータシャフトによって駆動され得る。
【0041】
ふるい分け道具は、その寸法とスクリーンライニングの構造を現在のプロセスとプロセス材料に適合させることができる。例えば製薬産業では、少量のプロセス材料を、それに応じて小さな寸法のふるい分け道具、例えばわずか1cmの範囲のスクリーンライニング表面を使用して処理できる。食品産業では、数平方メートルの範囲の表面を持つスクリーンライニングを使用できる。例えば、作業プレートは、0.5mm~20mmの範囲、より好ましくは1mm~5mmの範囲の厚さと、1cm~16mの範囲の表面積を有する。
【0042】
好ましい実施形態では、結合要素または作業プレートは、その接続領域または通過領域において湾曲している。好ましくは、結合要素および接続領域は湾曲している。このようにして、作業プレートの通過領域への超音波エネルギーの最適な結合が達成される。通過領域はまた、適切に選択された超音波エネルギーの周波数およびプロセス材料の所与の粒子サイズにより、改善された作業結果、特にプロセス材料の粒子の最適な分離を生み出す表面うねりを有することができる。
【0043】
作業プレートおよび少なくとも1つの結合要素は、同じ材料で作られることが好ましい。ふるい分け道具の製造には、ステンレス鋼、クロム鋼、アルミニウム、銅、チタンなどの高品質の金属が使用されることが好ましい。
【0044】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの第2のスクリーンライニングが、作業プレートの上側および/または作業プレートの下側に配置される。例えば、金網または多孔板の形態の第2、第3、またはさらなるスクリーンライニングが作業プレート上に配置される。典型的には、この少なくとも1つの第2のスクリーンライニングの通過開口部、メッシュ開口部、または穴開口部は、作業プレートの通過開口部よりも小さい。金属製の第2およびさらなるスクリーンライニングが特に好ましい。しかしながら、プラスチック製のスクリーンライニングも使用できる。
【0045】
さらなるスクリーンライニングを使用すると、多くの利点が得られる。第2のまたは第2およびさらなるスクリーンライニングは、作業プレートによって構造的に支持されているため、本質的に安定している必要はない。したがって、スクリーンライニングは、簡単な方法で最小限の労力で製造できる。例えば、細いワイヤーまたは薄い金属板もしくは箔を備えた金網を使用することができ、これらは、例えば、パンチング技術、エッチング技術、またはレーザ技術によって簡単な方法で製造または処理することができる。スクリーンカバーは、低コストで製造でき、使用者のプロセスに理想的に適合する。
【0046】
第2のまたはさらなるスクリーンライニングは、いくつかの簡単な手順でふるい分け道具に取り付け、交換できる。ふるい分け道具を交換することなく、第2のまたはさらなるスクリーンライニングを交換するだけでプロセス変更に対応できる。したがって、ふるい分け道具は、あらゆるプロセスに迅速に適応できる。
【0047】
結果として、超音波エネルギーは、周囲で第2のまたはさらなるスクリーンライニングに結合されるだけでなく、その表面全体にわたって均一に結合される。これにより、追加で付けられたスクリーンライニング内に加熱およびホットスポットが発生しなくなる。スクリーンライニングの表面全体にわたる超音波エネルギーの最適な結合により、最適な作業結果が得られ、スクリーンライニングへの応力は最小限に抑えられる。超音波エネルギーの最適な結合により、次いで結合された超音波エネルギーを低減することができる。一方、超音波エネルギーの結合が必要な場合は、最適な結合により、加熱やスクリーンライニングへの損傷は発生しない。
【0048】
可撓性スクリーンライニングの作業プレートへの結合は、好ましくは取り付け要素によって行われ、作業領域に適用されたプロセス材料によって支持される。さらに、一方の側に大気圧の過圧を与えることができ、それによって少なくとも1つの第2のスクリーンライニングが、作業プレートに対して押し付けられるか、または引っ張られる。
【0049】
好ましくは、少なくとも1つの第2のスクリーンライニングを作業プレートに押し付け、必要に応じて張力を与えるための取り付け要素が設けられる。取り付け要素は、ふるい分け道具に形状嵌めまたは圧入することができるか、またはふるい分け装置内にふるい分け道具を取り付けるプロセス中に接続することができる。
【0050】
好ましくは、作業プレートは、少なくとも片面に1つまたは複数の凹部を有し、その中に少なくとも1つの第2のスクリーンライニングまたは取り付け要素が保持される。したがって、ふるい分け道具は、さらなるスクリーンライニングの装備を使用して平らで薄く設計することもでき、あらゆるプロセスで有利に使用できる。
【0051】
好ましくは、少なくとも1つの第2のスクリーンライニングは、金属またはプラスチックで作られた取り付けフレームによって保持される。取り付けフレームは、金属またはプラスチック製のネジなどのさらなる取り付け要素、または膨張可能なタイヤなどの空気圧要素を使用して作業プレートに接続される。好ましくは、プラスチック製の取り付けフレームが使用され、プラスチック製ネジによって固定される。取り付けフレームは、任意の幾何学的形状(例えば、円形または長方形)を有することができる。
【0052】
空気圧要素を使用すると、例えば新しい第2のまたはさらなるスクリーンライニングを適用するために、ふるい分け道具の取り付けと取り外しが簡単になる。
【0053】
好ましい実施形態では、周方向溝または周方向リングなどの少なくとも1つの周方向にエンボス加工または成形された要素が、作業プレートの上側および/または下側に設けられる。この成形された要素に対応して、少なくとも1つの第2のスクリーンライニングは、成形またはエンボス加工された対向要素を有する。形状要素と対向要素の形状嵌め接続により、第2のまたはさらなるスクリーンライニングが自動的に正しく取り付けられることが保証される。
【0054】
好ましい実施形態では、第2のスクリーンライニングと少なくとも1つの第3のスクリーンライニングは、好ましくは同一であり、組み合わせられたスクリーンライニングが得られるように互いに移動される。このようにして、第2および第3のスクリーンライニングを移動させることによって、通過開口部を備えた組み合わされたスクリーンライニングを任意選択で作り出すことができ、その寸法は、スクリーンライニングの相互移動によって規定される。
【0055】
好ましい実施形態では、第2のスクリーンライニングを作業プレートに対して移動させて、組み合わされたスクリーンライニングを有する作業プレートを作り出すこともできる。
【0056】
さらに好ましい実施形態では、作業プレートは、通過開口部を備えたいくつかの通過領域を備える。通過領域は、異なる寸法を有することができ、および/または通過開口部は、異なる寸法を有することができ、それにより、任意のサイズの通過領域に任意のサイズの通過開口部を設けることができる。個々の通過領域は、好ましくは、壁、場合によっては容器または管の壁などの分離要素によって、分離プレートの上側および/または下側で互いに分離される。各々の通過領域には、管または容器を割り当てることもできる。1つのふるい分け道具だけでいくつかのプロセスを実行できる。各々の通過領域は、作業プロセス内で他の通過領域とは別に使用できる。
【0057】
隔壁、通過管、または容器を、作業プレートの下側および/または上側の単一の通過領域または1つまたは複数の通過領域に接続することができる。例えば、仕切板上部の通過領域の1つに通過管が接続され、通過領域の底部に被処理材料を保持する容器が設けられる。
【0058】
好ましい実施形態では、ふるい分け道具の接続領域は、通過領域に対して傾斜している。したがって、ふるい分け道具は、任意の設計にすることができ、作業プロセスを目的としたプラントのインフラストラクチャに適合させることができる。接続領域は、隔壁または容器壁などの壁の一部であってもよい。
【0059】
ふるい分け装置は、1つまたは複数のふるい分け道具を備えることができ、その各々は、少なくとも1つの結合要素および超音波トランスデューサを介して超音波発生器に接続される。個々の超音波トランスデューサは、ふるい分け道具およびその部品を各々のプロセス段階に個別に適合させることができるように、個別に制御可能であることが好ましい。
【0060】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】様々な作業プロセスに使用できる本発明のふるい分け装置1であり、一例として示されるふるい分け道具10を備え、ふるい分け道具10は、第1の通過開口部110および2つの接続領域118を有するスクリーンライニング119として機能する通過領域を備える作業プレート11を有し、接続領域118内には湾曲した結合要素16が溶接されており、湾曲した結合要素16に、各々の超音波エネルギーが、超音波トランスデューサ2を介して超音波発生器3によって供給され得る。
図2図1のふるい分け道具10の分解図であり、作業プレート11が、第1の通過開口部110を有する通過領域119内に第1のスクリーンライニングを形成し、任意選択の第2のスクリーンライニング12および任意選択の第3のスクリーンライニング13が、取り付けフレーム18によって作業プレート11に固定可能である。
図3図2の作業プレート11を備えたふるい分け道具10の分解図であり、この実施形態では、任意選択の第2のスクリーンライニング12を下側に、任意選択の第3のスクリーンライニング13を上側に、それぞれ取り付けフレーム18によって固定することができる。
図4a】結合要素16に溶接された接続領域118を1つだけ有し、さらなるスクリーンライニング12なしで、または任意選択でさらなるスクリーンライニング12を備えて、空気圧要素51、52によって取り付けることができる、作業プレート11を備えた本発明のふるい分け道具10である。
図4b】スクリーンライニングとして機能する通過領域119の第1の通過開口部110を備えた図4aの作業プレート11の一部である。
図4c】任意選択の第2のスクリーンライニング12を備えた図4aのふるい分け道具10の分解図である。
図5】異なる寸法を有する第1の通過開口部110A、110B、110C、110Dを有する、したがって異なるスクリーンライニングを形成する、いくつかの通過領域119A、119B、119C、119Dを有する作業プレート11を備えた好ましい一実施形態における図4aに係るふるい分け道具10である。
図6】概略的に示される取り付け構造体100によって保持される、図4aに係る2つのふるい分け道具10を備えた本発明のふるい分け装置1を示す。
図7】互いに向かって傾斜した接続領域118および通過領域119と、管または容器の壁のうちの1つなどの隣接する壁116とを有するふるい分け道具10である。
図8a】取り付け構造体100によって支持され、供給されたプロセス材料を前処理するための作業ユニット19に接続されたふるい分け道具10を備えるふるい分け装置1であり、作業プレート11の通過領域119の上方のロータシャフト192によって支持されるロータまたはプロペラ191を備える。
図8b】作業プレート11の通過領域119の上方にロータ191Aを保持し、下方に2つのロータ191B、191Cを保持する、好ましくは設計された作業ユニット19を備えた図8aのふるい分け装置1の一部である。
図8c】コンベヤ装置9を備えた図8aのふるい分け装置1であり、これによってプロセス材料を供給し、取り出すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1は、取り付け構造体100を備えた本発明のふるい分け装置1を示し、それによってふるい分け道具10が保持されるか、または互いに直列もしくは並列に配置された、いくつかのふるい分け道具10が保持される。いくつかのふるい分け道具10が存在する場合、それらは同じまたは異なるスクリーンライニングを有することができる。
【0063】
ふるい分け装置1を用いて、好ましくは、スクリーン材料61の作業のためのいくつかのプロセスを、互いに並行または連続して配置されたプロセスステージで実行することができる。ふるい分け道具10は、取り付け要素51、52によって取り付け構造体100に保持または接続される。取り付け構造体100および取り付け要素51、52は、破線によって概略的に示されている。取り付け要素51、52は、全体的にまたは部分的にプラスチックで作られることが好ましい。好ましい一実施形態では、拡張可能または膨張可能なホースまたはタイヤなどの少なくとも1つの空気圧要素が、取り付け要素51、52として提供され、それによってふるい分け道具10を取り付け構造体100に固定することができる。空気圧要素51によって、ふるい分け道具10は、例えば上方から、取り付け構造体100に向かって移動させることができる。あるいはまた、図4aに示されるように、2つの空気圧要素51、52が取り付け構造体100によって保持される。好ましくは制御ユニット8によって制御可能な空気圧要素51、52を膨張させることによって、ふるい分け道具10を固定し、再び解放することができる。したがって、ふるい分け道具10の交換は数秒以内に容易に行うことができる。
【0064】
プラスチック製の取り付け要素51、52を使用することによって、超音波エネルギーが作業プレート111から取り付け構造体100の部品に伝達されることが防止される。
【0065】
図1は、一例として、第1のスクリーンライニングを形成する2つの接続領域118および中間通過領域119を有する作業プレート11を有する、ふるい分け道具10、またはふるい分け装置1のふるい分け道具10のうちの1つを示す。
【0066】
金属製の屈曲したまたは湾曲したロッド状結合要素16の各々の第1の端部部品161が接続領域118に溶接され、その第2の端部部品162は、関連する超音波トランスデューサ2に機械的に接続(例えば、溶接またはクランプ)される。
【0067】
超音波トランスデューサ2では、例えば圧電素子を保持する結合ロッドによって結合要素16に機械的に安定して接続される圧電素子が設けられることが好ましい。超音波トランスデューサ2には、超音波発生器3によって接続線31および32を介して超音波範囲の交流電圧が供給され、この交流電圧は、超音波トランスデューサ2の圧電素子によって機械的振動に変換され、少なくとも1つ以上の結合要素16に伝送される。湾曲した結合要素16により、超音波エネルギーは作業プレート11内に最適に結合され、一体型作業プレート11内に均一に分配することができる。したがって、共に溶接される金属結合要素および金属作業プレート11は、超音波エネルギーが妨げられることなく広がることができる均一な媒体を形成する。比較的少量の超音波エネルギーを注入することで、作業プレート全体および第1のスクリーンライニング全体にほぼ均一に超音波エネルギーを供給することができる。
【0068】
任意選択に2つの結合要素16を介して超音波エネルギーを注入することにより、熱的または機械的に過負荷をかけることなく、対応する高振幅の機械的振動を作業プレート11に伝送することができる。さらに、機械的振動は、結合要素16の各々に対して個別にオン、オフに切り替えられるか、または周波数および振幅を変更することができる。
【0069】
結合要素16を介して作業プレート11に結合された超音波エネルギーは、第1のスクリーンライニングを形成する通過領域119全体にわたって実質的に損失なく広がる。作業プレート11と、通過開口部110を有する通過領域119が、作業プロセスに適合している場合、最小限の超音波エネルギーでプロセス材料61を最適に処理することができる。超音波エネルギーが直接かつ均一に分配されるため、スクリーンライニングまたはプロセス材料61に応力を与える可能性のある加熱およびホットスポットが、作業プレート11上に発生することはない。したがって、作業プレート11を備えたふるい分け道具10は、摩耗の兆候なしに最大の効率で動作することができる。
【0070】
超音波発生器3は、制御線81を介して制御ユニット8によって制御される。超音波発生器3を適切に制御することによって、選択された周波数および振幅を有する超音波範囲の交流電圧信号を、好ましくは選択的に、線31、32を介して、1つまたは複数のふるい分け道具10の接続された超音波トランスデューサ2に伝送することができる。好ましくは、超音波エネルギーは、選択可能なレベルおよび/または周波数で、各々のふるい分け道具10に供給することができる。さらに好ましくは、2つ以上の結合要素16および超音波トランスデューサ2を介して超音波発生器3に接続されるふるい分け道具10は、超音波トランスデューサ2の各々を介して選択可能なレベルおよび/または周波数で超音波エネルギーを個別に供給することができる。
【0071】
このようにして、ふるい分け装置1内のふるい分け道具10の挙動を個別に制御することができる。ふるい分け道具10を通るプロセス材料のスループットは、増加または減少させることができ、その結果、プロセス材料を定量的に分配すること、またはプロセス材料の異なる成分を混合し、必要に応じてそれらを定量的に分配することが可能となる。
【0072】
ふるい分け装置1がいくつかのふるい分け道具10を備えている場合、ふるい分け道具10は、互いに直列または並列に配置することができる。したがって、プロセス材料は、いくつかのふるい分け道具10を連続して通過することができる。1つまたはいくつかのプロセス材料がふるい分け装置1を並行して通過することもできる。さらに、いくつかのふるい分け道具10を直列に配置し、他のふるい分け道具10を並列に配置することも可能である。
【0073】
超音波発生器3によって放射される信号の周波数は、好ましくは、作業プレート11内の定在波を避けるためにシフトまたはキーイングすることができる。結合要素16を介して作業プレート11の両側からの超音波エネルギーの影響を変えることによって、プロセス材料61に作用してそれを移動させ、好ましくは均等に分配することも可能である。作業プロセスを(好ましくは、プロセス材料61も)監視するために、少なくとも1つのセンサ7(例えば、カメラ)が設けられることが好ましく、その信号は測定ライン82を介して制御ユニット8に伝送される。したがって、制御ユニット8は、センサ信号の評価に基づいて、2つの結合要素16への超音波エネルギーの送出を制御することができる。制御ユニット8によって、プロセス材料を投与するプロセスも制御することができる。例えば、スクリーンライニング11、12、13の通過開口部110、120、130は、超音波エネルギーが注入されていない期間中にプロセス材料で満たされる。続いて、超音波エネルギーが供給され、通過開口部110、120、130が空になる。
【0074】
プロセス材料61は、種々の方法で処理され得る。例えば、プロセス材料61は、ふるい分け道具11の作業プレート11を通過し、ふるい分けされて、受け入れ容器4またはコンベヤベルト40に送られる。処理されたプロセス材料62は、他のプロセスステップでさらに処理することもできる。プロセス材料61は、例えば、作業プレート11を通過することなく媒体71、72を供給することによってふるい分け道具10の上で処理することができる。その代わりに、空気、ガス、または蒸気などの少なくとも1つの媒体71を作業プレート11に通過させて、プロセス材料61またはプロセス材料61の分離された粒子を処理または衝突させることができる。例えば、作業プレート11に一定温度の空気71を通過させて作業プレート11を旋回させ、上方から蒸気またはミスト72を吹き込んでプロセス材料61の粒子に衝突させる。次いで、処理されたプロセス材料62を作業プレート11の上で除去することができる。
【0075】
図示の実施形態では、作業プレート11には、第2の通過開口部120を有する第2のスクリーンライニング12が任意選択に設けられる。したがって、通過領域119および第1の通過開口部110によって形成される作業プレート11の第1のスクリーンライニングは、ほとんど見えない。典型的には、第2のスクリーンライニング12が取り付けられ、通過開口部が低減された複合スクリーンライニングが達成される。
【0076】
第2のスクリーンライニング12は、取り付けフレーム18によって周囲が保持されており、取り付けフレーム18は、取り付けネジ181によって作業プレート11に接続されている。取り付けフレーム18によって、第2のスクリーンライニング12は、作業プレート11に保持され、押し付けられるだけであり、そのため、取り付けフレーム18および取り付けネジ181は、プラスチック製であることが好ましく、したがって超音波エネルギーを吸収しない。
【0077】
図2は、一体型作業プレート11を備えた図1のふるい分け道具10を分解図で示す。接続領域118の間にある長方形の通過領域119は、通過開口部110を備えた穴の列を有し、作業プレート11にわずかにザグリ加工されている。通過開口部110は、拡大して示されており、粉末プロセス材料の場合は数ミクロンの範囲、他のプロセス材料の場合は1~2mm以上の範囲であるプロセス材料に適合した直径を有する。
【0078】
作業プレート11または通過領域119は、通過開口部110と共に第1のスクリーンライニングを形成し、それ自体でプロセス材料61の処理に十分である可能性があり、プロセス材料61に適合する。この目的のために、通過領域119には、必要に応じて選択された寸法を有する任意の数の通過開口部110を設けることができる。通過開口部110は、対応して設けられた表面上に等間隔に配置されることが好ましい。この表面は、使用者の要求に応じて規則的であっても不規則であってもよく、例えば、任意のスクリーンライニングを形成するためにいくつかの翼部、円、長方形などを含んでもよい。作業プレート11は、プロセスプラントのインフラストラクチャに(例えば、パイプまたはダクトに)適合することが好ましく、また、任意の規則的または不規則な形状(例えば、長方形または円形)を有することもできる。
【0079】
通過開口部110は、例えば機械工具またはレーザ装置によって任意の方法で作業プレート11に加工することができる。作業プレート11が通過領域119において比較的薄い場合には、レーザビームによって開口部が打ち抜かれるか、挿入されることが好ましい。
【0080】
図1に示すように、任意の直線状または湾曲した結合要素16を作業プレート11の接続領域118に接続することができる。
【0081】
図2に示すように、通過領域119は、任意選択で、第2のスクリーンライニング12、またはさらなる任意選択のスクリーンライニング(例えば、第3のスクリーンライニング13)で覆うことができる。第2またはさらなるスクリーンライニング12、13を選択することにより、ふるい分け道具10を任意のプロセス材料61に適合させることができる。任意選択の追加のスクリーンライニング12、13は、好ましくは金属で作られる。
【0082】
図2に示すように、追加のスクリーンライニング12、13は、非常に薄くすることができ、したがって製造が特に容易である。スクリーンライニング12、13は、簡単に取り付けることができ、また、迅速かつ容易に交換することもできる。
【0083】
超音波エネルギーは作業プレート11全体にわたって均一に分配されるため、超音波エネルギーは、追加のスクリーンライニング12、13にも均一に伝送される。第2のスクリーンライニング12または追加のスクリーンライニング12、13の中央領域では、これらは、プロセス材料61によって作業プレート11に押し付けられ、その結果、この領域でも超音波エネルギーの最適かつ均一な結合が起こる。したがって、他のスクリーンライニング12、13は、隣接する作業プレート11によって機械的に保護されるだけでなく、望ましくない影響から熱的にも保護される。作業プレート11は、スクリーンライニング12、13が加熱した場合のヒートシンクとしても機能する。したがって、作業プレート11は、追加のスクリーンライニング12または追加のスクリーンライニング12、13の最適な動作も保証する。
【0084】
通過領域119は、好ましくはわずかに凹んでおり、取り付けフレーム18を受け入れる役割を果たす周方向取り付けチャネルまたは周方向くぼみ111によって囲まれている。
【0085】
取り付けチャネル111内には、周方向形成要素112(この実施形態では、周方向溝)が設けられ、その中に対応する形成された対向要素122、132が挿入可能であり、少なくとも1つの任意選択の第2のスクリーンライニング上に設けられる。また、第2のスクリーンライニング12が作業プレート11に対して移動できるようにする、または第2および第3のスクリーンライニング12、13が互いに対して移動できるようにする、いくつかの形状要素112または形状要素112の一部があってもよい。
【0086】
図2の実施形態では、第2のスクリーンライニング12および第3のスクリーンライニング13は、それぞれ、異なる寸法を有する第2および第3の通過開口部120、130を備える。同一の第2および第3またはさらなるスクリーンライニング12、13も設けることができ、必要に応じて互いに対して移動させて通過開口部120、130を閉じることができる。
【0087】
図3は、図2の作業プレート11を備えたふるい分け道具10の分解図を示しており、作業プレート11に対して、この実施形態では、図2の任意選択の第2のスクリーンライニング12を下側に、図2の任意選択の第3のスクリーンライニング13を上部に、いずれの場合も取り付けフレーム18によって固定することができる。したがって、作業プレート11は、追加のスクリーンライニング12、13なしで使用することができるか、または下側および上側に任意の数の同一または異なるスクリーンライニング12、13を取り付けることができる。
【0088】
図4aは、結合要素16に溶接された接続領域118を1つだけ有し、空気圧要素51、52によって取り付けることができる、本発明のふるい分け道具10を備えたふるい分け装置1を示す。接続領域118に隣接する通過領域119は円形であり、取り付け構造体100によって保持される2つのタイヤ形状の空気圧要素51、52の間に保持される。ふるい分け道具10を取り外すには、空気圧要素51、52を排気する。ふるい分け道具10を固定するには、空気圧要素51、52を再び膨張させる。同時に、図示の取り付けリング18を作業プレート11に押し付けて、任意選択で設けられた少なくとも1つのスクリーンライニング12を固定することができる。したがって、ふるい分け道具10および/または任意選択のスクリーンライニングは、プロセスの変更に適応するために短時間で交換することができる。
【0089】
図4bは、第1の通過開口部110を備えた図4aの作業プレート11の通過領域119の一部を示す。
【0090】
図4cは、図4aのふるい分け道具10の分解図を示す。任意選択の第2のスクリーンライニング12は、作業プレート11の上部に配置される。
【0091】
図5は、異なる寸法を有する第1の通過開口部110A、110B、110C、110Dを有するいくつかの通過領域119A、119B、119C、119Dを有する作業プレート11を備えた好ましい一実施形態における図4aに係るふるい分け道具10を示す。個々の通過領域119A、119B、119C、119Dは、隔壁151、152によって互いに分離されており、同一のふるい分け道具10を用いて4象限で異なるふるいプロセスを行うことができるようになっている。ふるいプロセスは、互いに独立していることも、任意選択で互いに連携していることも可能である。通過領域119A、119B、119C、および119Dは、対応する断面を有するパイプまたは容器を接続できるように、異なる形状の表面(例えば、長方形または円形の表面)上に配置することもできる。
【0092】
図6は、図4aに係る2つのふるい分け道具10を備えたふるい分け装置1を示しており、これらは組み合わせて2段階ふるい分け道具100を形成する。その代わりに、図1または図5に係る2つ以上のふるい分け道具を組み合わせて機械的に結合することもできる。下部ふるい分け道具10の通過領域119は、接続領域118に対して低くなっており、その結果、任意選択の第2のスクリーンライニング12を容易に挿入することができる。2つのふるい分け道具10を保持する取り付け構造体100は、破線で概略的に示されている。
【0093】
図7は、互いに向かって傾斜している接続領域118および通過領域119を有するふるい分け道具10を示す。接続領域118は、管または容器の壁などの壁116に隣接している。例えば、接続領域118は、モジュール式であるか、壁116と一体である。
【0094】
図8aは、取り付け構造体100内に配置されたふるい分け道具10を備えたふるい分け装置1を示す。
【0095】
ふるい分け道具10は、ホルダー92によって支持され、保持リング921によって部分的に囲まれている。通過領域119の上方には、断面図で示されるカップ状の入口チャネル91が配置され、これは通過領域119を取り囲み、その中に1つ以上の異なるプロセス材料が導入される。入口チャネル91の一部は、ふるい分け道具10を露出させるために切り取られている。通過領域119の下方では、漏斗状の出口チャネル93が作業プレート11に接続されており、その4分の1も切除されている。したがって、プロセス材料は、入力チャネル91を介してふるい分け道具10に供給され、出力チャネル93を介して除去することができる。カップ状の入力チャネル91と漏斗状の出力チャネル93とが案内装置9を形成する。
【0096】
この好ましい実施形態では、ふるい分け道具10は、供給されたプロセス材料の前処理のために機能する作業ユニット19に任意選択に接続される。ロータシャフト192は、通過領域119においてふるい分け道具10の作業プレート11を通して案内され、駆動モータ193によって駆動され、2つのロータブレード1911を備えたロータ191を駆動する。ロータ191の回転中、供給されたプロセス材料は通過領域119の上に均一に分散され、必要に応じて作業プレート11に押し付けられる。
【0097】
したがって、作業プレート11は、作業ユニット19の少なくとも一部を保持するために有利に使用することができ、そのため、ふるい分け道具10および作業ユニット19を互いに有利に組み合わせるおよび/または接続することができる。
【0098】
任意選択で、取り付け構造体100に接続され、機械的振動をふるい分け道具10に伝達させるバイブレータ14が提供される。したがって、ふるい分け道具10およびプロセス材料は、超音波トランスデューサ2からの超音波、任意選択でバイブレータ14の機械的振動、および任意選択でロータ191によって引き起こされる空気の動きによって影響を受ける。
【0099】
図8bは、ロータシャフト192を有する好ましく設計された作業ユニット19を備えた図8aのふるい分け装置1の一部を示し、ロータシャフト192は、作業プレート11の通過領域119の上にロータ191Aを保持し、下に2つのロータ191B、191Cを保持する。ロータシャフト192は、ベアリングブッシュとして設計された取り付け部199内に保持される。ベアリングブッシュ199は、作業プレート11の通過領域119の中央にあるベアリング開口部1190に挿入される。作業プレート11の下の2つのロータ191B、191Cは、同じ方向または反対方向に動作することができるため、例えば、2つの矢印で示すように、プロセス材料が吸い込まれる、および/または渦巻く。
【0100】
さらに、作業プレート11の上下に別個の作業ユニット19を配置することも可能である。したがって、作業プレート11は、道具プレートとしてだけでなく、追加の作業ユニット19を組み立てるためのベースプレートとしても機能する。これにより、ふるい分け道具とさらなる作業ユニット19の簡単でコンパクトな組み立てが可能になる。
【0101】
ふるい分け道具10は、取り付け構造体100に接続された2つのリング状取り付け要素51、52の間に保持される。取り付け構造体100は、例えば、コンベヤ装置9の機能要素として機能し得る管とすることができる。取り付け構造体100は、例えば、互いに接続された柱および/またはロッドから構成される骨格構造であってもよい。
【0102】
図8cは、取り付け構造体100と、プロセス材料を供給および取り出すことができるコンベヤ装置9とを備えた、フレーム90上に配置された図8aのふるい分け装置1を示す。上述したように、取り付け構造体100の要素は、コンベヤ装置9の要素でもあり得る。
【0103】
コンベヤ装置9は、入力チャネル91および出力チャネル93、ならびに弾性ケーブル95によって出力チャネル93の下に吊り下げられた輸送装置94を備える。輸送装置94は、上部が開いたV字形プロファイルを有する輸送フレームまたはコンベヤチャネルとして設計される。
【0104】
輸送フレーム94は、分配プレート161、好ましくは湾曲したロッド状の結合要素16、および超音波発生器3を備えた超音波トランスデューサ2を介して接続されており、それらを通して超音波エネルギーが金属輸送フレーム94に伝送させることができる。
【0105】
図1および図8cの超音波発生器3は、例えば25kHz~45kHzの超音波範囲でAC電圧信号を発生する。交流電圧信号は、超音波トランスデューサ2内で、例えば結合バーによって結合ロッド16にしっかりと接続された圧電素子に供給される。AC電圧信号は、圧電素子によって機械振動に変換され、結合ロッド16および分配プレート161を介して輸送フレーム94に伝送される。
【0106】
分配プレート161は、輸送フレーム94に溶接されてもよいし、図8cに示されるように一体的に接続されてもよい。
【0107】
結合ロッド16および分配プレート161を介した結合により、超音波エネルギーは点ごとに結合されるのではなく、分配プレート161の接続側に沿って輸送フレーム94内に結合される。接続点を破壊する可能性のある過熱および材料応力などの、超音波エネルギーの従来の点結合に起因する問題が回避される。超音波エネルギーは、より広い領域にわたって輸送フレーム94内に結合され、これにより、一方では結合損失が低減され、他方では、輸送フレーム94内での超音波エネルギーの最適な分布および効果が達成される。図示された分配プレート161と輸送フレーム94との一体接続は、特に有利である。全体として、輸送フレーム94と分配プレート161を1つの作業ステップで製造できるため、製造労力が低減される。分配プレート161の溶接はもはや必要ではない。同様に、溶接接合部の転移抵抗と材料応力が排除される。さらに、熱エネルギーをより迅速に分配できるため、接合部への熱負荷が排除され、常に最適な動作条件が存在する。同様に、分配プレート161は、結合ロッド16が点で接続されている場合に起こり得る、プロセス材料から超音波装置、特に超音波トランスデューサ2への好ましくない反応を防止する。例えば、プロセス材料の温度が200°の範囲にある場合、分配プレート161は、超音波トランスデューサ2をかなり冷却し、したがって超音波トランスデューサ2に対する熱の影響を低減することになる。
【0108】
弾性ロープ95は、輸送フレーム94を実質的に吊り下げた状態に保つ。装置の一部を介した結合された超音波エネルギーの流出が回避される。超音波エネルギーは、輸送フレーム94全体に均一に分配され、最適な効果を生み出すことができる。プロセス材料は、有利には、分散されて摩擦のない方法で傾斜した輸送フレーム94を滑り降りることができる。プロセス材料の搬送速度は、超音波エネルギーの供給を制御することによって制御できるため、定量供給が可能になる。
図1
図2
図3
図4a-4b】
図4c
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
【国際調査報告】