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特表2023-550477エアストリップ構造を有する給電線路を含むアンテナ組立体及びこれを用いたアンテナ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】エアストリップ構造を有する給電線路を含むアンテナ組立体及びこれを用いたアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/06 20060101AFI20231124BHJP
   H01Q 1/52 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01Q21/06
H01Q1/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530795
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 KR2021017545
(87)【国際公開番号】W WO2022114818
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0160429
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0164484
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨン チャン ムン
(72)【発明者】
【氏名】スン ホヮン ソ
(72)【発明者】
【氏名】オ ソン チェ
(72)【発明者】
【氏名】ソン マン カン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン ソク ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ウン セオ
(72)【発明者】
【氏名】ミュン ホヮ キム
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA09
5J021AB03
5J021AB06
5J021CA02
5J021JA02
5J046AA03
5J046AA13
5J046AB03
5J046AB07
5J046AB13
5J046UA07
(57)【要約】
【課題】エアストリップ構造を有する給電線路を含むアンテナ組立体及びこれを用いたアンテナ装置を開示する。
【解決手段】本開示の一実施例によると、ベースと、ベース上に第1の方向に沿って配置された複数の放射素子を含むアンテナ群、及び、複数の放射素子に給電するように構成された給電線路であって、エアストリップ(air-strip)構造を有する給電線路とを含み、線路領域は一端が複数の放射素子の各放射素子とつながるように構成された複数の接続線路領域、及び接続線路領域の他端で所定の角度に折り曲げられ、アンテナ群の側面で第1の方向に沿って形成されたメイン線路領域を含むことを特徴とするアンテナ組立体を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベース上に第1の方向に沿って配置される複数の放射素子を含むアンテナ群、及び、
前記複数の放射素子に給電するように構成された給電線路であって、エアストリップ(air-strip)構造を有する給電線路を含み、
前記給電線路は、
一端が前記複数の放射素子の各放射素子とつながるように構成された複数の接続線路領域、及び、
前記接続線路領域の他端で所定の角度に折り曲げられ、前記アンテナ群の側面にて前記第1の方向に沿って形成されたメイン線路領域を含むことを特徴とする、アンテナ組立体。
【請求項2】
前記接続線路領域は、前記ベースに平行に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項3】
前記メイン線路領域は、前記接続線路領域に垂直な方向に折り曲げられることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のアンテナ組立体。
【請求項4】
前記複数の放射素子は、第1の放射素子及び前記第1の放射素子と隣接する第2の放射素子を含み、
前記複数の接続線路領域は、前記第1の放射素子とつながる第1の接続線路領域及び、前記第2の放射素子とつながる第2の接続線路領域とを含み、
前記メイン線路領域は、
前記第1の接続線路領域及び前記第2の接続線路領域の間をつなぐ前記メイン線路領域の少なくとも一部に形成されたディレイラインを含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項5】
前記ディレイラインは、前記ベースに向かって凹状の形状を有する、もしくは、前記ベースから離れるように凸状の形状を有することを特徴とする、請求項4に記載のアンテナ組立体。
【請求項6】
前記複数の接続線路領域は、前記複数の放射素子と一体に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項7】
前記ベースと一体に形成され、前記ベースから突出される少なくとも1つの第1の支持構造体をさらに含み、
前記メイン線路領域は、少なくとも1つの第1の支持構造体によって支持されることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項8】
前記複数の放射素子の各放射素子の上部に配置される複数のディレクタをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項9】
前記ベースと一体に形成され、前記ベースから突出される複数の第2の支持構造体をさらに含み、
前記複数のディレクタは、前記複数の第2の支持構造体を介して支持されることを特徴とする、請求項8に記載のアンテナ組立体。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の第1のアンテナ組立体及び第2のアンテナ組立体と、
前記第1のアンテナ組立体及び第2のアンテナ組立体を第1の方向に垂直な第2の方向に並ぶように着座させるプレート、及び、
前記第1のアンテナ組立体と前記第2のアンテナ組立体との間で前記プレートから立ち上がる隔壁を含むことを特徴とする、アンテナ装置。
【請求項11】
前記第1のアンテナ組立体の給電線路は、前記第2のアンテナ組立体に隣接する第1のメイン線路領域を含み、
前記第2のアンテナ組立体の給電線路は、前記第1のアンテナ組立体に隣接する第2のメイン線路領域を含み、
前記隔壁は、前記第1のメイン線路領域及び前記第2のメイン線路領域の間に配置されることを特徴とする、請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記隔壁は、前記プレートと一体に形成されることを特徴とする、請求項10に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記隔壁は、前記第1のメイン線路領域及び前記第2のメイン線路領域と離間されて配置されることを特徴とする、請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の少なくとも1つのアンテナ組立体、及び、
前記少なくとも1つのアンテナ組立体を着座させるプレートを含み、
前記少なくとも1つのアンテナ組立体はモジュール化されて前記プレート上に着座されることを特徴とする、アンテナ装置。
【請求項15】
ベースプレートと、
前記ベースプレートと対面するカバープレートであって、前記ベースプレートと離間されて配置されたカバープレートと、
前記カバープレート上に第1の方向に沿って配置される複数の放射素子を含むアンテナ群、及び、
前記複数の放射素子に給電するように構成された給電線路を含み、
前記給電線路は、
前記ベースプレートと前記カバープレートとの間に配置される第1の線路領域であって、前記ベースプレート及び前記カバープレートとそれぞれ離間されたエアストリップ(air strip)構造を有する第1の線路領域、及び、
前記カバープレートを貫通し、前記第1の線路領域と前記複数の放射素子の各放射素子をつなぐ第2の線路領域を含むことを特徴とする、アンテナ装置。
【請求項16】
ベースプレートと、
前記ベースプレート上に配置される支持構造体と、
前記支持構造体上に第1の方向に沿って配置される複数の放射素子を含むアンテナ群、及び、
前記複数の放射素子に給電するように構成された給電線路を含み、
前記給電線路は、
前記ベースプレート及び前記アンテナ群と離間されたエアストリップ(air strip)構造を有し、前記複数の放射素子をカップリング(coupling)方式で給電することを特徴とする、アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアストリップ構造を有する給電線路を含むアンテナ組立体及びそれを用いたアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記載されている内容は、単に本開示の背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
アレイアンテナの構成は、主に放射素子と、放射素子を給電する給電線路(feed line)で構成される。放射素子の大きさは使用周波数に応じて変わり得る。例えば、動作周波数が大きくなるほど放射素子の大きさは小さくなる。
【0004】
給電線路は主にRFケーブルとPCB形態に分けることができる。RFケーブルとPCB形態の伝送線路は動作周波数によってその大きさが変わらない。すなわち、動作周波数が大きくなっても給電線路の大きさは同様である。
【0005】
一方、給電線路における損失は、信号が流れる導体における導体損失と導体周辺を囲む誘電体による誘電体損失に分けることができる。このような損失はアンテナの利得(gain)を直接低下させる。アンテナの利得を改善するためには損失部分を改善しなければならず、媒体の変更又は変形が有利な誘電体損失部分を改善することがより効果的である。
【0006】
誘電体損失部分を改善するために使用されるPCB形態の伝送線路のうちの代表的なものは、エアストリップ(air-strip)構造である。エアスクリプ構造とは、一般的なストリップライン(stripline)構造にて、誘電体部分が空気(air)で具現された構造を意味する。
【0007】
エアストリップ構造の伝送線路は、導体周辺が空気であるため、誘電体損失が「0」に近い。したがって、伝送線路をエアストリップで具現する場合、誘電体損失を低減させることができ、これを通じてアンテナの利得を増加させることができる。
【0008】
しかし、エアストリップ構造は、同一インピーダンスで設計する場合、伝送線路の幅が広くなる。したがって、エアストリップ構造の伝送線路は、放射素子の大きさと比較して、相対的に大きな面積を有することになる。また、動作周波数が大きくなるほど放射素子の大きさは小さくなり、伝送線路の大きさは同じであるので、動作周波数が大きくなるほど相対的な伝送線路の面積はさらに大きくなる。
【0009】
伝送線路の面積が大きくなると、伝送線路と放射素子との間の干渉量が大きくなることがあり、この場合、アンテナの放射特性及び二重偏波アンテナにおける分離度(isolation)も劣化することがある。また、水平配列が適用されたアンテナ、例えば、多入出力アンテナ(Massive MIMO Antenna)の場合、各列のアンテナが水平方向に通常0.5λに配列されるが、伝送線路の面積が大きくなるとこのような配置が難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本開示は、エアストリップ構造を有する給電線路と放射素子との間の干渉量を低減しながら、同時にアンテナの水平配置が可能になるアンテナ組立体を提供することに主な目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一実施例によると、ベースと、ベース上に第1の方向に沿って配置される複数の放射素子を含むアンテナ群と、及び、複数の放射素子に給電するように構成された給電線路であって、エアストリップ(air-strip)構造を有する給電線路を含み、線路領域は、一端が複数の放射素子の各放射素子とつながるように構成された複数の接続線路領域、及び、接続線路領域の他端で所定の角度に曲げられ、アンテナ群の側面で第1の方向に沿って形成されたメイン線路領域を含むことを特徴とするアンテナ組立体を提供する。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本実施例によると、エアストリップ構造を有する給電線路と放射素子との間の干渉量を低減しながら、アンテナの水平配置が可能となるアンテナ組立体を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の一実施例に係るアンテナ装置の斜視図である。
図2図2は、本開示の一実施例に係るアンテナ装置の分解斜視図である。
図3図3は、本開示の一実施例に係るアンテナ組立体の斜視図である。
図4図4は、本開示の一実施例に係るアンテナ組立体の分解斜視図である。
図5図5は、図2のV-V '方向に切断された本開示の一実施例に係るアンテナ装置の断面図である。
図6図6は、本開示の他実施例に係るアンテナ装置の斜視図である。
図7図7は、図6の一部の領域を拡大して示すものである。
図8図8は、本開示のまた別の実施例に係るアンテナ装置の断面図である。
図9図9は、本開示のまた別の実施例に係るアンテナ装置の上面図である。
図10図10は、本開示のさらにまた別の実施例に係るアンテナ装置の断面図である。
図11図11は、本開示のさらにまた別の実施例に係るアンテナ装置の上面図である。
図12図12は、図11の一部の領域を拡大図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の一部の実施例を例示的な図面を通して詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面に表示されても、できるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意されたい。なお、本開示を説明するにあたり、関連された公知の構成又は機能についての具体的な説明が本開示の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳しい説明は省く。
【0015】
本開示による実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、i)、ii)、a)、b)などの符号を用いる場合がある。このような符号は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その符号によって当該構成要素の本質又は順番や順序等が限定されない。本明細書にてある部分がある構成要素を「含む」又は「備える」と言うとき、これは、明示的に逆の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0016】
図1は、本開示の一実施例に係るアンテナ装置1の斜視図である。
【0017】
図2は、本開示の一実施例に係るアンテナ装置1の分解斜視図である。
【0018】
図1及び図2を参照すると、アンテナ装置1は、上部ハウジング11、下部ハウジング12、アンテナ組立体13、プレート14、及び隔壁15を含む。
【0019】
上部ハウジング11及び下部ハウジング12は互いに係合することができ、アンテナ装置1の外形を形成する。上部ハウジング11及び下部ハウジング12は内部に収容空間を画定することができ、その収容空間内にはアンテナ組立体13などの部品が収容される。
【0020】
上部ハウジング11は、アンテナ組立体13の正面に配置される。これにより、外部の衝撃からアンテナ組立体13を保護し、さらに、外部の異物がアンテナ組立体13に流入するのを遮断することができる。すなわち、上部ハウジング11は、アンテナ装置1のレドーム(radome)として機能する。
【0021】
少なくとも1つのアンテナ組立体13はモジュール化されてプレート14上に着座される。アンテナ組立体13はモジュール化される場合、各アンテナ組立体13に対するメンテナンスが容易になることはもちろん、アンテナ装置1の設計変更も容易になる。
【0022】
複数のアンテナ組立体13は、第1の方向に沿って一列に配置される。この場合、複数のアンテナ組立体13は1つのアンテナ列(antenna column)を形成することができる。ここで、第1の方向はアンテナ装置1の長手方向を指す。例えば、第1の方向は、図1及び図2を基準にしてX軸と平行な方向である。
【0023】
複数のアンテナ組立体13は複数の放射素子(図4の1321)を含むので、1つのアンテナ列も複数の放射素子1321を含むことができる。
【0024】
一方、動作周波数帯域の中間周波数をλとすると、1つのアンテナ列内で、1つの放射素子1321とこれに隣接する放射素子1321との間隔が1λ以上になる場合、放射パターン(radiation pattern)では、望ましくないグレーティングローブ(grating lobe)が発生する。
【0025】
したがって、1つの放射素子1321とこれに隣接する放射素子1321との間の第1の方向間隔は、0.8λないし0.9λであることが好ましい。しかしながら、本開示はこれに限定されず、2つの放射素子1321の間の第1の方向間隔は、上述の範囲以外の値を有してもよい。
【0026】
アンテナ装置1は、複数のアンテナ列を含む。複数のアンテナ列は、プレート14上で第1の方向に垂直な第2の方向に沿って配置される。ここで、第2の方向はアンテナ装置1の幅方向を指す。例えば、第2の方向は、図1及び図2を基準にしてY軸と平行な方向である。
【0027】
動作周波数帯域の中間周波数をλとすると、1つのアンテナ列とこれに隣接するアンテナ列との間の第2の方向間隔は0.5λであるが、本開示はこれに限定されない。
【0028】
プレート14上には少なくとも1つのアンテナ組立体13が配置される。プレート14は金属材料からなり、アンテナ組立体13の放射素子(図4の1321)にグランドプレーン(ground plane)を提供する。
【0029】
隔壁15は、プレート14からプレート14と垂直な方向に立ち上がる。具体的には、隔壁15は、プレート14から垂直な方向、すなわち、図1及び図2のZ軸と平行な方向に立ち上がる。
【0030】
隔壁15は、2つのアンテナ列の間で第1の方向に沿って長く延びる。隔壁15は金属材料からなり、隔壁15の両側面に隣接する2つのメイン線路領域(図3の1331)にグラウンドプレーンを提供する。これに関された詳しい説明は、図5に関連して記述される。
【0031】
プレート14と隔壁15は一体に形成される。例えば、プレート14と隔壁15は、単一の金型を介して一体型で製造される。しかし、本開示はこれに限定されず、プレート14と隔壁15は、熱融着(heat welding)方式を介して一体に形成されてもよい。
【0032】
プレート14と隔壁15が一体に形成されることにより、異種金属間の接合等を原因とするPIMD(passive intermodulation distortion)成分の発生が最小化される。
【0033】
一方、図1及び図2では、下部ハウジング12とプレート14が別個の部材であることが図示されているが、本開示はこれに限定されない。
【0034】
例えば、アンテナ装置1は、下部ハウジング12に対応される別途の部材なしに、プレート14が下部ハウジング12として機能するように構成されてもよい。この場合、上部ハウジング11はプレート14と係合することによって内部に収容空間を画定することができる。
【0035】
図3は、本開示の一実施例に係るアンテナ組立体13の斜視図である。
【0036】
図4は、本開示の一実施例に係るアンテナ組立体13の分解斜視図である。
【0037】
図3及び図4を参照すると、アンテナ組立体13は、ベース131、アンテナ群132、給電線路133、及びディレクタ136を含む。
【0038】
ベース131はプレート14上に着座され、ベース131上にアンテナ群132、給電線路133などが係合される。
【0039】
ベース131は、誘電体、例えばプラスチック材質からなる。放射素子1321は、放射特性を確保するためにプレート14から一定間隔で離間される必要がある。ベース131は放射素子1321とプレート14との間に配置されることで、放射素子1321をプレート14から離隔させることができる。
【0040】
アンテナ群132は、ベース131上に第1の方向に沿って配置される複数の放射素子1321を含む。例えば、アンテナ群132は、3つの放射素子1321A、1321B、1321Cを含む。しかしながら、本開示はこれに限定されず、アンテナ群132は2つ又は4つ以上の放射素子1321を含んでもよい。
【0041】
複数の放射素子1321の各放射素子1321は、二重偏波を具現するように構成される。例えば、1つの放射素子1321から+45度及び-45度の2種類の偏波信号が放射される。しかしながら、本開示はこれに限定されず、放射素子1321は単一偏波又は4重偏波を具現するように構成されてもよい。
【0042】
給電線路133は、アンテナ群132に含まれた複数の放射素子1321に給電するように構成される。すなわち、複数の放射素子1321は、給電線路133を介して信号の送受信や電力供給を受けることができる。
【0043】
給電線路133は、エアストリップ(air-strip)構造を有する。エアストリップ構造は、一般的なストリップライン(stripline)構造にて、誘電体部分が空気(air)で具現された構造を意味する。
【0044】
エアストリップ構造を有する伝送線路は、導体周辺が空気であるため、誘電体損失が「0」に近い。したがって、伝送線路をエアストリップで具現する場合、誘電体損失を低減することができ、これによりアンテナの利得(gain)を増加させることができる。
【0045】
給電線路133は、メイン線路領域1331、複数の接続線路領域1332、及び入出力領域1334を含む。
【0046】
メイン線路領域1331は、アンテナ群132の側面、例えばアンテナ群132の両側面に配置され、第1の方向に沿って長く延びる。
【0047】
複数の接続線路領域1332は、一端が複数の放射素子1321につながり、他端がメイン線路領域1331につながる。メイン線路領域1331は、接続線路領域1332の他端で所定の角度に曲げられる。例えば、メイン線路領域1331は、ベース131に対して垂直な方向、すなわち図3及び図4を基準にZ軸に平行な方向に形成される。しかしながら、本開示はこれに限定されず、メイン線路領域1331はベース131に対して斜めに形成されてもよい。
【0048】
メイン線路領域1331は隔壁15から離隔される。メイン線路領域1331はエアストリップ構造を有するので、メイン線路領域1331と隔壁15との間には空きスペースが形成される。
【0049】
一方、エアストリップ構造は、同一インピーダンスで設計した場合、伝送線路の幅が広くなる。したがって、エアストリップ構造の伝送線路は、放射素子のサイズと比較して相対的に大きな面積を有することになり、これにより、放射素子間の水平方向間隔を狭くすることが困難な問題点がある。
【0050】
本開示による給電線路133は、このようなエアストリップ構造の欠点を克服するために、ベース131に対して垂直又は所定の角度で形成された領域、すなわち、メイン線路領域1331を含むように構成したことに技術的特徴がある。
【0051】
具体的には、本開示の一実施例に係る給電線路133は、エアストリップ構造の給電線路1331の一部を折り曲げて(bending)メイン線路領域1331を形成し、これを通じて、ベース131上で給電線路133が占める領域を最小化したことに技術的特徴がある。これにより、放射素子1321に対する給電線路133の面積が大きくなっても、放射素子1321間の第2の方向間隔は十分に狭くすることができる。
【0052】
複数の接続線路領域1332は、メイン線路領域1331と、複数の放射素子1321の各放射素子1321をつなぐ。
【0053】
複数の接続線路領域1332は、メイン線路領域1331から分岐され、各接続線路領域1332は、それに対応される放射素子1321とつながる。例えば、第1、第2、第3の接続線路領域1332A、1332B、1332Cは、第1、第2、第3の放射素子1321A、1321B、1321Cにそれぞれつながる。
【0054】
複数の接続線路領域1332は、メイン線路領域1331から折り曲げられた(bending)状態で延びる。この場合、複数の接続線路領域1332はベース131と平行である。
【0055】
入出力領域1334は、RF回路とメイン線路領域1331をつなぐ。
【0056】
具体的に、入出力領域1334の一端はメイン線路領域1331につながり、入出力領域1334の他端はフィルタ(filter)、電力増幅器(power amplifier)、電力供給部(power supply unit)などが備えられたRF回路とつながる。
【0057】
RF回路はアンテナ装置1の内部に備えられてもよいが、アンテナ装置1の外部の装置、例えばRRH(remote radio head)に備えられてもよい。RF回路がRRHなどの外部装置に備えられた場合、アンテナ装置1とRF回路が備えられた外部装置は、RFケーブル又はコネクタなどを介してつながる。
【0058】
入出力領域1334は、メイン線路領域1331及び接続線路領域1332を介し、RF回路から送信された信号を複数の放射素子1321に伝達したり、複数の放射素子1321から受信された信号をRF回路に伝達したりすることができる。また、入出力領域1334は、メイン線路領域1331及び接続線路領域1332を介し、複数の放射素子1321に電力を供給することができる。
【0059】
伝送線路の長さが長くなることによって生じ得る位相差ないし電力損失を最小化するために、入出力領域1334はメイン線路領域1331の中間領域付近に配置される。
【0060】
一方、エアストリップ構造は誘電体部分が空気で具現されるため、複数の放射素子1321に同じ位相を入力するための給電線路133の長さは相対的に長くなる。
【0061】
例えば、動作周波数帯域の中間周波数をλとすると、第1の放射素子1332Aと第2の放射素子1332Bに同じ位相の信号を入力するために必要な給電線路133の長さは1λである。すなわち、第1の接続線路領域1332Aから第2の接続線路領域1332Bまでの給電線路133の長さは1λである。
【0062】
しかしながら、図1及び図2で上述したように、グレーティングローブ(grating lobe)の発生を最小化するために、2つの放射素子1321間の第1の方向間隔は0.8λないし0.9λの値を有する。この場合、2つの放射素子1321間をつなぐ給電線路の長さが2つの放射素子1321間の間隔よりも長くなり問題となり得る。
【0063】
この問題を解決するために、メイン線路領域1331はディレイライン1333を含む。ディレイライン1333は、メイン線路領域1331の一部を折り曲げて形成された領域であり、長くなった給電線路133の長さを一部補償することができる。
【0064】
ディレイライン1333は、第1の接続線路領域1332A及び第2の接続線路領域1332Bとの間をつなぐメイン線路領域1331の少なくとも一部に形成される。
【0065】
ディレイライン1333は、ベース131に向かって凹状の形状を有するか、ベース131から離れるように凸状の形状を有するかである。例えば、ディレイライン1333は「コ」字形状を有するが、本開示はこれに限定されない。
【0066】
メイン線路領域1331はディレイライン1333を含むことで、2つの放射素子1321の間の第1の方向間隔がやむを得ず離れることを防止することができる。これにより、アンテナ装置1をよりコンパクトになり、望ましくないグレーティングローブの発生を最小化することができる。
【0067】
一方、複数の放射素子1321はパッチアンテナ(patch antenna)構造を有する。パッチアンテナは相対的に薄い厚さを有するので、アンテナ装置1の全体の厚さを減少させるのに有利である。
【0068】
しかしながら、本開示はこれに限定されず、複数の放射素子1321はパッチアンテナ以外の構造、例えばダイポールアンテナ(dipole antenna)構造を有してもよい。
【0069】
複数の放射素子1321がパッチアンテナ構造を有する場合、複数の接続線路領域1332は、パッチアンテナ構造を有する複数の放射素子1321と一体に形成される。
【0070】
しかしながら、本開示はこれに限定されず、接続線路領域1332と放射素子1321は別個の部材として構成されてもよい。この場合、接続線路領域1332と放射素子1321は別途の接続線路(図示せず)を介してつながる。
【0071】
複数のディレクタ136の各ディレクタ136は、複数の放射素子1321の各放射素子1321の上部に配置される。ディレクタ136は、放射素子1321の放射方向前面に配置されることで、動作周波数帯域を広げることができ、さらにアンテナ利得を改善することができる。
【0072】
アンテナ組立体13は追加で、第1の支持構造体134及び第2の支持構造体135を含む。
【0073】
メイン線路領域1331は、少なくとも1つの第1の支持構造体134によって支持される。
【0074】
少なくとも1つの第1の支持構造体134は、ベース131と一体に形成され、ベース131から突出される。具体的には、複数の第1の支持構造体134は、ベース131の両側領域で、第1の方向に沿って配置される。すなわち、複数の第1の支持構造体134は、ベース131の両側領域で2つの列を形成する。
【0075】
メイン線路領域1331は、第1の方向に沿って長く延びた形状を有する。したがって、メイン線路領域1331は、第1の方向に沿って一列に配置された複数の第1の支持構造体134と係合する。
【0076】
第1の支持構造体134の一端には、メイン線路領域1331が係合するための溝(groove)が形成される。メイン線路領域1331は、第1の支持構造体134の溝に嵌合することによって第1の支持構造体134と係合することができる。
【0077】
メイン線路領域1331はエアストリップ構造を有するため、固定に脆弱である。このような側面から、第1の支持構造体134は、メイン線路領域1331をベース131上にしっかりと固定させる役割を果たす。
【0078】
複数のディレクタ136は、第2の支持構造体135を介して支持される。
【0079】
複数の第2の支持構造体135は、ベース131と一体に形成され、ベース131から突出される。
【0080】
複数の第2の支持構造体135は、放射素子1321に隣接したり、放射素子1321と重なって(overlap)配置されたりする。第2の支持構造体135が放射素子1321と重なる場合、第2の支持構造体135は放射素子1321を貫通する。
【0081】
図5は、図2のV-V '方向に切断した本開示の一実施例に係るアンテナ装置1の断面図である。
【0082】
図5を参照すると、アンテナ装置1は、第1のアンテナ組立体13A及び第2のアンテナ組立体13Bを含む。ここで、第1のアンテナ組立体13A及び第2のアンテナ組立体13Bは、説明の便宜上、互いに隣接する2つのアンテナ組立体13を任意に指定したものである。したがって、後述する内容は、特定の位置のアンテナ組立体13にのみ限定されて適用されるものではない。
【0083】
第1のアンテナ組立体13A及び第2のアンテナ組立体13Bは、プレート14上で第2の方向に並ぶように着座される。
【0084】
第1のアンテナ組立体13Aの給電線路133は、第2のアンテナ組立体13Bに隣接する第1のメイン線路領域1331Aを含み、第2のアンテナ組立体13Bの給電線路133 は、第1のアンテナ組立体13Aに隣接する第2のメイン線路領域1331Bを含む。
【0085】
隔壁15は、第1のアンテナ組立体13Aと第2のアンテナ組立体13Bとの間でプレート14から立ち上がる。また、隔壁15Aは、第1のメイン線路領域1331Aと第2のメイン線路領域1331Bとの間に配置される。
【0086】
第1のメイン線路領域1331A及び第2のメイン線路領域1331Bはエアストリップ構造を有するため、隔壁15Aと、第1、第2のメイン線路領域1331A、1331Bとの間には空きスペースが形成される。
【0087】
隔壁15Aは、第1のメイン線路領域1331Aと第2のメイン線路領域1331Bとの間に配置されることで、第1のメイン線路領域1331A及び第2のメイン線路領域1331Bに同時にグランドプレーンを提供できる。
【0088】
本開示の一実施例に係るアンテナ装置1は、1つの隔壁15Aを介して隔壁15Aの両側面に隣接する2つのメイン線路領域1331A、1331Bに同時にグランドプレーンを提供できるという効果がある。
【0089】
これにより、2つの隔壁15を用いて2つのメイン線路領域1331のそれぞれにグランドプレーンを提供する場合と比べ、より高い隔離度(isolation)を提供できるという効果がある。
【0090】
後述される図6ないし図7に図示された本開示の他の実施例は、アンテナ組立体がモジュール化されていないという点で、図1ないし図5に図示された本開示の一実施例と相違する。以下では、本開示の他の実施例との差別的な特徴を中心に説明し、本開示の一実施例と実質的に同じ構成についての繰り返しの説明は省かれる。
【0091】
図6は、本開示の他の実施例に係るアンテナ装置2の斜視図である。
【0092】
図6を参照すると、アンテナ装置2は、アンテナ組立体23、プレート24、及び隔壁25を含む。
【0093】
少なくとも1つのアンテナ組立体23は、複数の放射素子(図7の2321)を含む。例えば、少なくとも1つのアンテナ組立体23は、10個の放射素子2321を含むが、本開示はこれに限定されない。
【0094】
本開示の他の実施例に係るアンテナ装置2は、本開示の一実施例に係るアンテナ装置1とは異なり、1つのアンテナ組立体23が1つのアンテナ列(antenna column)を形成する。
【0095】
動作周波数帯域の中間周波数をλとするとき、1つのアンテナ列内で、1つの放射素子2321と、これに隣接する放射素子2321との間の第1の方向間隔は0.8λ~0.9λである。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0096】
アンテナ装置2は、複数のアンテナ列を含む。複数のアンテナ列は、プレート24上で第1の方向に垂直な第2の方向に沿って配置される。
【0097】
動作周波数帯域の中間周波数をλとするとき、1つのアンテナ列と、これに隣接するアンテナ列との間の第2の方向間隔は0.5λであるが、本開示はこれに限定されない。
【0098】
プレート24上には少なくとも1つのアンテナ組立体23が配置される。プレート24は金属材質からなり、アンテナ組立体23の放射素子(図7の2321)にグランドプレーン(ground plane)を提供する。
【0099】
隔壁25は、プレート24からプレート24に垂直な方向に立ち上がる。具体的には、隔壁25は、プレート24から図6のZ軸と平行な方向に立ち上がる。
【0100】
隔壁25は、アンテナ列間で第1の方向に沿って長く延びる。隔壁25は金属材質からなり、その隔壁25の両側面に隣接する2つのメイン線路領域(図7の2331)にグランドプレーンを提供する。
【0101】
プレート24と隔壁25は一体に形成される。例えば、プレート24と隔壁25は、単一の金型を介して一体型に製造される。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0102】
図7は、図6の一部の領域を拡大して図示したものである。
【0103】
図7を参照すると、アンテナ組立体23は、ベース231、アンテナ群232、給電線路233、及びディレクタ236を含む。
【0104】
本開示の他の実施例に係るベース231は、プレート24上に射出(injection)されて形成される。このとき、ベース231は誘電体、例えばプラスチック材質からなる。
【0105】
複数のベース231は、第1の方向に沿って一列に配置される。この場合、複数のベース231は1つのベース列(base column)を形成する。複数のベース231は、第2の方向に並ぶように配置される複数のベース列を形成する。
【0106】
ベース231上には、アンテナ群232、給電線路233などが配置される。複数のベース231の各ベース231上には1つの放射素子2321が配置される。しかしながら、本開示はこれに限定されず、1つのベース231上に2つ以上の放射素子2321が配置されてもよい。
【0107】
ベース231は放射素子2321とプレート24との間に配置されることで、放射素子2321をプレート24から離間させることができる。
【0108】
アンテナ群232は、ベース231上に第1の方向に沿って配置される複数の放射素子2321を含む。例えば、アンテナ群232は10個の放射素子2321を含むが、本開示はこれに限定されない。
【0109】
複数の放射素子2321の各放射素子2321は、二重偏波を具現するように構成される。例えば、1つの放射素子2321から+45度及び-45度の2種類の偏波信号が放射される。
【0110】
給電線路233は、アンテナ群232に含まれた複数の放射素子2321に給電するように構成される。すなわち、複数の放射素子2321は、給電線路233を介して信号の送受信や電力供給を受けることができる。
【0111】
給電線路233は、エアストリップ(air-strip)構造を有する。
【0112】
給電線路233は、メイン線路領域2331、複数の接続線路領域2332、及び入出力領域(図6の2334)を含む。
【0113】
メイン線路領域2331は、アンテナ群232の側面、例えばアンテナ群232の両側面に配置され、第1の方向に沿って長く延びる。
【0114】
複数の接続線路領域2332は、一端が複数の放射素子2321につながり、他端がメイン線路領域2331につながる。メイン線路領域2331は、接続線路領域2332の他端で所定の角度に折り曲げられる。例えば、メイン線路領域2331はベース231に対して垂直な方向、すなわち、図7を基準にZ軸と平行な方向に形成される。しかしながら、本開示はこれに限定されず、メイン線路領域2331はベース231に対して斜めに形成されてもよい。
【0115】
メイン線路領域2331は隔壁25から離間される。メイン線路領域2331はエアストリップ構造を有するので、メイン線路領域2331と隔壁25との間に空きスペースが形成される。
【0116】
ただし、メイン線路領域2331の固定のために、隔壁25とメイン線路領域2331との間に絶縁支持体(図示せず)が一部形成されてもよい。
【0117】
複数の接続線路領域2332は、メイン線路領域2331から分岐され、各接続線路領域2332は、それに対応される放射素子2321とつながる。
【0118】
これにより、複数の接続線路領域2332は、メイン線路領域2331と複数の放射素子2321の各放射素子2321をつなぐ。
【0119】
複数の接続線路領域2332は、メイン線路領域2331から折り曲げられた(bending)状態で延びる。この場合、複数の接続線路領域2332はベース231と平行である。
【0120】
入出力領域2334は、RF回路とメイン線路領域2331をつなぐ。
【0121】
具体的には、入出力領域2334の一端はメイン線路領域2331につながり、入出力領域2334の他端はフィルタ、電力増幅器、電源供給部などが備えられたRF回路につながる。
【0122】
RF回路はアンテナ装置2の内部に備えられてもよいが、アンテナ装置2の外部の装置、例えばRRH(remote radio head)に備えられてもよい。RF回路がRRHなどの外部装置に備えられた場合、アンテナ装置2とRF回路が備えられた外部装置は、RFケーブル又はコネクタなどを介してつながる。
【0123】
入出力領域2334は、メイン線路領域2331及び接続線路領域2332を介してRF回路から送信された信号を複数の放射素子2321に伝達したり、複数の放射素子2321から受信された信号をRF回路に伝達したりすることができる。また、入出力領域2334は、メイン線路領域2331及び接続線路領域2332を介して複数の放射素子2321に電力を供給することができる。
【0124】
伝送線路の長さが長くなることによって生じ得る位相差ないし電力損失を最小化するために、入出力領域2334はメイン線路領域2331の中間領域付近に配置される。
【0125】
メイン線路領域2331はディレイライン2333を含む。ディレイライン2333は、メイン線路領域2331の一部を折り曲げて形成された領域であり、長くなった給電線路233の長さを一部補償することができる。
【0126】
ディレイライン2333は、隣接する2つの接続線路領域2332の間をつなぐメイン線路領域2331の少なくとも一部に形成される。
【0127】
ディレイライン2333は、ベース231に向かって凹状の形状を有する、もしくは、ベース231から離れるように凸状の形状を有することができる。例えば、ディレイライン2333は「コ」字形状を有することができるが、本開示はこれに限定されない。
【0128】
複数の放射素子2321は、パッチアンテナ(patch antenna)構造を有する。複数の接続線路領域2332は、パッチアンテナ構造を有する複数の放射素子2321と一体に形成される。
【0129】
複数のディレクタ236の各ディレクタ236は、複数の放射素子2321の各放射素子2321の上部に配置される。
【0130】
アンテナ組立体23はさらに第2の支持構造体235を含む。
【0131】
複数のディレクタ236は、第2の支持構造体235を介して支持される。
【0132】
複数の第2の支持構造体235は、ベース231と一体として形成され、ベース231から突出される。
【0133】
複数の第2の支持構造体235は、放射素子2321と重なって配置される。この場合、第2の支持構造体235は放射素子2321を貫通する。
【0134】
複数のディレクタ236は、第2の支持構造体235に着座した状態で融着(welding)されるが、本開示はこれに限定されない。
【0135】
アンテナ装置2は、レドームとして機能する上部ハウジング(図示せず)及び、上部ハウジングと係合する下部ハウジング(ハウジング)を追加的に含む。
【0136】
上部ハウジング及び下部ハウジングは、アンテナ装置2の外形を形成する。上部ハウジング及び下部ハウジングは内部に収容空間を画定することができ、その収容空間内にはアンテナ組立体23などの部品が収容される。
【0137】
一方、アンテナ装置2は、別途の下部ハウジングなしで、プレート24が下部ハウジングとして機能してもよい。この場合、上部ハウジングはプレート24と係合することによって内部に収容空間を形成することができる。
【0138】
後述される図8ないし図9に図示された本開示のまた別の実施例は、エアストリップ構造を有する給電線路がベースプレートとカバープレートとの間に配置されるという点で、図1ないし図5に図示された本開示の一実施例と相違点を有する。以下では、本開示のまた別の実施例との差別的な特徴を中心に説明し、本開示の一実施例と実質的に同じ構成についての繰り返しの説明は省かれる。
【0139】
図8は、本開示のまた別の実施例に係るアンテナ装置3の断面図である。
【0140】
図9は、本開示のまた別の実施例に係るアンテナ装置3の上面図である。図9では、説明の便宜上、カバープレート337を省略して図示した。
【0141】
図8及び図9を参照すると、アンテナ装置3は、ベースプレート331、カバープレート337、アンテナ群332、給電線路333、及びディレクタ336を含む。
【0142】
ベースプレート331上にはアンテナ群332が配置される。ベースプレート331は金属材質からなり、放射素子3321及び給電線路333の第1の線路領域3331にグランドプレーン(ground plane)を提供することができる。
【0143】
カバープレート337は、ベースプレート331と対面するカバープレート337であり、ベースプレート331と離間されて配置される。
【0144】
カバープレート337は金属材質からなり、ベースプレート331と共に、放射素子3321及び給電線路333の第1の線路領域3331にグランドプレーンを提供することができる。
【0145】
アンテナ群332は、カバープレート337上に第1の方向に沿って配置される複数の放射素子3321を含む。例えば、アンテナ群332は10個の放射素子3321を含むが、本開示はこれに限定されない。
【0146】
動作周波数帯域の中間周波数をλとするとき、1つのアンテナ列内で、1つの放射素子3321とこれに隣接する放射素子3321との間の第1の方向間隔は0.8λないし0.9λである。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0147】
アンテナ装置3は、複数のアンテナ列を含む。複数のアンテナ列は、カバープレート337上で第1の方向に垂直な第2の方向に沿って配置される。
【0148】
動作周波数帯域の中間周波数をλとするとき、1つのアンテナ列とこれに隣接するアンテナ列との間の第2の方向間隔は0.5λであるが、本開示はこれに限定されない。
【0149】
複数の放射素子3321の各放射素子3321は、二重偏波を具現するように構成される。例えば、1つの放射素子3321から+45度及び-45度の2種類の偏波信号が放射される。
【0150】
給電線路333は、複数の放射素子3321に給電するように構成される。すなわち、複数の放射素子3321は、給電線路333を介して信号の送受信や電力供給を受けることができる。
【0151】
給電線路333は、第1の線路領域3331、第2の線路領域3332、及び入出力領域3334を含む。
【0152】
第1の線路領域3331は、ベースプレート331とカバープレート337との間に配置される。具体的には、2つの第1の線路領域3331がベースプレート331とカバープレート337との間に互いに並ぶように配置され、2つの第1の線路領域3331は第1の方向に沿って長く延びる。
【0153】
第1の線路領域3331は、ベースプレート331及びカバープレート337とそれぞれ離間されたエアストリップ(air strip)構造を有する。
【0154】
したがって、第1の線路領域3331は、ベースプレート331とカバープレート337にそれぞれ離間され、第1の線路領域3331と各プレート331、337との間には空きスペースが形成される。
【0155】
本開示のまた別の実施例に係るアンテナ装置3は、ベースプレート331及びカバープレート337の間に第1の線路領域3331を配置することで、第1の線路領域3331の少なくとも一部を放射素子3321と重畳させることができる。
【0156】
これにより、放射素子3321に対する給電線路333の面積が大きくなっても、放射素子3321間の第2の方向間隔は十分に狭くすることができる。
【0157】
本開示のまた別の実施例に係るアンテナ装置3は、放射素子3321と第1の線路領域3331との間にカバープレート337を配置することで、放射素子3321と第1の線路領域3331を空間的に分離することができる。これにより、放射素子3321と第1の線路領域3331との間の干渉量を低減させることができる。
【0158】
第2の線路領域3332はカバープレート337を貫通し、第1の線路領域3331と、複数の放射素子3321の各放射素子3321をつなぐ。
【0159】
入出力領域3334は、RF回路と第1の線路領域3331をつなぐ。
【0160】
入出力領域3334の一端は第1の線路領域3331につながり、入出力領域3334の他端はフィルタ、電力増幅器、電源供給部などが備えられたRF回路につながる。
【0161】
RF回路はアンテナ装置3の内部に備えられてもよいが、アンテナ装置3の外部の装置、例えばRRH(remote radio head)に備えられてもよい。RF回路がRRHなどの外部装置に備えられた場合、アンテナ装置3とRF回路が備えられた外部装置は、RFケーブル又はコネクタなどを通じてつながる。
【0162】
入出力領域3334は、第1の線路領域3331及び第2の線路領域3332を通じ、RF回路から送信された信号を複数の放射素子3321に伝達したり、複数の放射素子3321から受信された信号をRF回路に伝達したりすることができる。また、入出力領域3334は、第1の線路領域3331及び第2の線路領域3332を通じ、複数の放射素子3321に電力を供給することができる。
【0163】
伝送線路の長さが長くなることによって生じ得る位相差ないし電力損失を最小化するために、入出力領域3334は第1の線路領域3331の中間領域付近に配置される。
【0164】
動作周波数帯域の中間周波数をλとするとき、第1の方向に隣接する2つの放射素子3321に同じ位相の信号を入力するのに必要な給電線路333の長さは1λである。すなわち、隣接する2つの第2の線路領域3332までの給電線路333の長さは1λである。
【0165】
しかしながら、上述したように、2つの放射素子3321間の第1の方向間隔は0.8λないし0.9λの値を有し、この場合、2つの放射素子3321間をつなぐ給電線路の長さが2つの放射素子 3321間の間隔よりも長くなって問題になり得る。
【0166】
この問題を解決するために、第1の線路領域3331はディレイライン3333を含む。ディレイライン3333は、第1の線路領域1331の一部を折り曲げて形成された領域であり、長くなった給電線路333の長さを一部補償することができる。
【0167】
ディレイライン3333は、隣接する2つの接続線路領域3332の間をつなぐ第1の線路領域3331の少なくとも一部に形成される。
【0168】
ディレイライン3333は、内側に凹状の形状を有してもよく、外側に凸の形状を有してもよい。例えば、ディレイライン3333は「コ」字形状を有するが、本開示はこれに限定されない。
【0169】
複数の放射素子3321はパッチアンテナ(patch antenna)構造を有するが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数の放射素子3321は、パッチアンテナ以外の構造、例えばダイポールアンテナ(dipole antenna)構造を有してもよい。
【0170】
複数のディレクタ336の各ディレクタ336は、複数の放射素子3321の各放射素子3321の上部に配置される。ディレクタ336は、放射素子3321の放射方向前面に配置されることで、動作周波数帯域を広げることができ、さらにアンテナ利得を改善することができる。
【0171】
アンテナ装置3は、レドームとして機能する上部ハウジング(図示せず)及び、上部ハウジングと係合する下部ハウジング(ハウジング)を追加で含む。
【0172】
上部ハウジング及び下部ハウジングは、アンテナ装置3の外形を形成する。上部ハウジング及び下部ハウジングは内部に収容空間を画定することができ、その収容空間内にはベースプレート331、カバープレート337、アンテナ群332、給電線路333、ディレクタ336等の部品が収容される。
【0173】
一方、アンテナ装置3は、別途の下部ハウジングなしで、ベースプレート331が下部ハウジングとして機能してもよい。この場合、上部ハウジング(図示せず)はベースプレート331と係合することで、内部に収容空間を画定することができる。
【0174】
後述される図10ないし図12に図示された本開示のまた別の実施例は、エアストリップ構造を有する給電線路が放射素子と物理的につながらずに、カップリング方式を利用するという点で、図1ないし図5に図示された本開示の一実施例と相違点を有する。以下では、本開示のまた別の実施例との差別的な特徴を中心に説明し、本開示の一実施例と実質的に同じ構成についての繰り返しの説明は省かれる。
【0175】
図10は、本開示のさらにまた別の実施例に係るアンテナ装置4の断面図である。
【0176】
図11は、本開示のさらにまた別の実施例に係るアンテナ装置4の上面図である。
【0177】
図12は、図11の一部の領域を拡大図示したものである。
【0178】
図10ないし図12を参照すると、アンテナ装置4は、ベースプレート431、アンテナ群432、給電線路433、及び第2の支持構造体435を含む。
【0179】
ベースプレート431上にはアンテナ群432が配置される。ベースプレート331は金属材質からなり、放射素子4321及び給電線路433にグランドプレーンを提供することができる。
【0180】
アンテナ群432は、ベースプレート431上に第1の方向に沿って配置される複数の放射素子4321を含む。例えば、アンテナ群432は10個の放射素子4321を含むが、本開示はこれに限定されない。
【0181】
動作周波数帯域の中間周波数をλとするとき、1つのアンテナ列内で、1つの放射素子4321と、これに隣接する放射素子4321との間の第1の方向間隔は0.8λないし0.9λである。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0182】
アンテナ装置4は、複数のアンテナ列を含む。複数のアンテナ列は、ベースプレート431上で第1の方向に垂直な第2の方向に沿って配置される。
【0183】
動作周波数帯域の中間周波数をλとするとき、1つのアンテナ列と、これに隣接するアンテナ列との間の第2の方向間隔は0.5λであるが、本開示はこれに限定されない。
【0184】
複数の放射素子4321の各放射素子4321は、二重偏波を具現するように構成される。例えば、1つの放射素子3321から+45度及び-45度の2種類の偏波信号が放射される。
【0185】
給電線路433は、複数の放射素子4321に給電するように構成される。すなわち、複数の放射素子4321は、給電線路433を通じ、信号の送受信や電力供給を受けることができる。図12を参照すると、複数の放射素子4321は、支持構造体435上に配置されるが給電線路433と物理的につながらず、カップリング(coupling)方式で給電されるように構成される。
【0186】
給電線路433は、ベースプレート431とアンテナ群432との間に配置される。具体的には、2つの給電線路433は、ベースプレート431とアンテナ群432との間に互いに並ぶように配置され、2つの給電線路433は第1の方向に沿って長く延びる。
【0187】
支持構造体435は、給電線路433及びアンテナ群432を支持することができる。支持構造体435は、ベースプレート431上に係合されてもよく、ベースプレート431と一体に形成されてもよい。支持構造体435は、アンテナ群432及び給電線路433につながる複数の突起部を含む。支持構造体435は、給電線路433を支持する階段状の第1の支持部及び、アンテナ群432を支持する円筒状の第2の支持部を含む。
【0188】
給電線路433は、支持構造体435によって支持され、ベースプレート431及びアンテナ群432とそれぞれ離間されたエアストリップ(air strip)構造を有する。給電線路433は、支持構造体435によって支持されるように支持構造体435の形状に対応するように折り曲げられた部分を含む。
【0189】
本開示のさらにまた別の実施例に係るアンテナ装置4は、ベースプレート431及びアンテナ群432の間に給電線路433を配置することで、給電線路433の少なくとも一部を放射素子4321と重量させることができる。
【0190】
これにより、放射素子4321に対する給電線路433の面積が大きくなっても、放射素子4321間の第2の方向間隔は十分に狭くすることができる。
【0191】
本開示のさらにまた別の実施例に係るアンテナ装置4は、放射素子4321は給電線路433と物理的につながらず、カップリング(coupling)方式で給電されるように構成することで、放射素子4321と給電線路433を空間的に分離することができる。これにより、放射素子4321と給電線路433との間の干渉量を低減させることができる。
【0192】
入出力領域4334は、RF回路と給電線路43をつなぐ。
【0193】
入出力領域4334の一端は給電線路433につながり、入出力領域4334の他端はフィルタ、電力増幅器、電源供給部などが備えられたRF回路につながる。
【0194】
RF回路はアンテナ装置4の内部に備えられてもよいが、アンテナ装置4の外部の装置、例えばRRH(remote radio head)に備えられてもよい。RF回路がRRHなどの外部装置に備えられた場合、アンテナ装置4とRF回路が備えられた外部装置は、RFケーブル又はコネクタなどを通じてつながる。
【0195】
入出力領域4334は、給電線路433を介してRF回路から送信された信号を複数の放射素子4321に伝達する、もしくは、複数の放射素子4321から受信された信号をRF回路に伝達することができる。また、入出力領域4334は、給電線路433を介して複数の放射素子4321に電力を供給することができる。
【0196】
伝送線路の長さが長くなることによって生じ得る位相差ないし電力損失を最小化するために、入出力領域4334は給電線路433の中間領域付近に配置される。
【0197】
動作周波数帯域の中間周波数をλとするとき、第1の方向に隣接する2つの放射素子4321に同じ位相の信号を入力するのに必要な給電線路433の長さは1λである。
【0198】
複数の放射素子4321はパッチアンテナ(patch antenna)構造を有するが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数の放射素子4321は、パッチアンテナ以外の構造、例えばダイポールアンテナ(dipole antenna)構造を有してもよい。
【0199】
アンテナ装置4は、レドームとして機能する上部ハウジング(図示せず)及び上部ハウジングと係合する下部ハウジング(ハウジング)を追加で含む。
【0200】
上部ハウジング及び下部ハウジングは、アンテナ装置4の外形を形成する。上部ハウジング及び下部ハウジングは内部に収容空間を画定することができ、その収容空間内にはベースプレート431、アンテナ群432、給電線路433の部品が収容される。
【0201】
一方、アンテナ装置4は、別途の下部ハウジングなしで、ベースプレート431が下部ハウジングとして機能してもよい。この場合、上部ハウジング(図示せず)はベースプレート431と係合することで、内部に収容空間を画定することができる。以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施例の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0202】
[CROSS-REFERENCE TO RELATED APPLICATION]
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2020年11月25日付で韓国に出願した特許出願番号第10-2020-0160429号及び2021年11月25日付で韓国に出願した特許出願番号第10-2021-0164484号に対して優先権を主張する。
【符号の説明】
【0203】
1 アンテナ装置 13 アンテナ組立体
14 プレート 15 隔壁
131 ベース 132 アンテナ群
133 給電線路 134 第1の支持構造体
135 第2の支持構造体 136 ディレクタ
1321 放射素子 1331 メイン線路領域
1332 接続線路領域 1333 ディレイライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】