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特表2023-550508アクティブセンサシステム、および物体検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】アクティブセンサシステム、および物体検出
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/489 20060101AFI20231124BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20231124BHJP
   G01S 13/89 20060101ALI20231124BHJP
   G01S 7/34 20060101ALI20231124BHJP
   B60W 40/00 20060101ALI20231124BHJP
   G01S 17/931 20200101ALN20231124BHJP
   G01S 13/931 20200101ALN20231124BHJP
   G01S 17/10 20200101ALN20231124BHJP
   G01S 13/10 20060101ALN20231124BHJP
【FI】
G01S7/489
G01S17/89
G01S13/89
G01S7/34
B60W40/00
G01S17/931
G01S13/931
G01S17/10
G01S13/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530917
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2021081940
(87)【国際公開番号】W WO2022106447
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】102020130884.1
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】セルヒオ、フェルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】シューユン、クオ
【テーマコード(参考)】
3D241
5J070
5J084
【Fターム(参考)】
3D241BA50
3D241BA62
3D241DC00Z
5J070AB01
5J070AB21
5J070AC01
5J070AC02
5J070AF03
5J070AK22
5J070AK34
5J070BE01
5J070BF16
5J084AA04
5J084AA05
5J084AC02
5J084AD01
5J084BA20
5J084BA36
5J084BA48
5J084BB28
5J084CA03
5J084EA04
5J084EA06
(57)【要約】
センサシステムを動作させるための方法によれば、第1および第2測定期間中に、ポイント群を生成するように放射線が放出される。そのポイントは、空間的位置およびエネルギー特性値により記載される。第1ポイント群(8)の第1部分量(8a)および第2ポイント群(9)の第2部分量(9a)が、それぞれの場合にエネルギー閾値以上であるエネルギー特性値を有して特定される。第1ポイント群(8)の第3部分量(8b、8c)および第2ポイント群(9)の第4部分量(9b、9c)が、第1部分量(8a)および第2部分量(9a)の空間的周囲域内にある位置を有して特定される。第4部分量(9b、9c)の空間的範囲が、第3部分量(8b、8c)と比較され、第3および/または第4部分量(8b、8c、9b、9c)のポイントが、比較結果に応じてアーチファクトとしてマークされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブセンサシステム(2)を動作させるための方法であって、第1測定期間中に第1ポイント群(8)を生成するとともに第2測定期間中に第2ポイント群(9)を生成する前記センサシステム(2)により、電磁放射線(6)が前記センサシステム(2)の周囲域に放射され、放射された前記放射線(6)の反射成分(6’)が検出され、前記第1ポイント群および前記第2ポイント群(9)は、複数のポイントを各々含み、各ポイントは、空間的位置およびエネルギー特性値により記載される方法において、
前記センサシステム(2)の演算ユニット(3)により、
-前記第1ポイント群(8)の第1サブセット(8a)および前記第2ポイント群(9)の第2サブセット(9a)が特定されるステップであって、前記第1サブセット(8a)および前記第2サブセット(9a)の各ポイントのそれぞれの前記エネルギー特性値は、所定の第1エネルギー限界値以上であるステップと、
-前記第1ポイント群(8)の第3サブセット(8b、8c)および前記第2ポイント群(9)の第4サブセット(9b、9c)が特定されるステップであって、前記第3サブセット(8b、8c)の各ポイントのそれぞれの前記位置が、前記第1サブセット(8a)の前記ポイントの所定の空間的周囲域内にあり、前記第4サブセット(9b、9c)の各ポイントのそれぞれの前記位置が、前記第2サブセット(9a)の前記ポイントの所定の空間的周囲域内にあるステップと、
-前記第4サブセット(9b、9c)の空間的範囲を前記第3サブセット(8b、8c)の空間的範囲に対して比較し、前記第3サブセット(8b、8c)および/または前記第4サブセット(9b、9c)の前記ポイントを、比較結果に応じてアーチファクトとしてマークするステップと、
が実施されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記センサシステム(2)を、前記第1測定期間と前記第2測定期間との間において、および/または前記第1測定期間中に、および/または前記第2測定期間中に移動させることにより、前記周囲域における物体(7)に対する前記センサシステム(2)の距離であって、前記第1サブセット(8a)および前記第2サブセット(9a)により表される距離を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
-前記センサシステム(2)の第1感度が、前記第1測定期間中に前記第1ポイント群(8)を生成するように設定され、
-前記センサシステム(2)の第2感度が、前記第2測定期間中に前記第2ポイント群(9)を生成するように設定され、前記第2感度は前記第1感度と異なる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
-前記第1ポイント群(8)のうち、前記エネルギー特性値が所定の第2エネルギー限界値以下であるポイントのみが、前記第3サブセット(8b、8c)の一部として特定され、前記第2エネルギー限界値は前記第1エネルギー限界値よりも小さい、および/または、
-前記第2ポイント群(9)のうち、前記エネルギー特性値が前記第2エネルギー限界値以下であるポイントのみが、前記第4サブセット(9b、9c)の一部として特定される、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
-前記第3サブセット(8b、8c)および/または前記第4サブセット(9b、9c)の前記ポイントは、前記第4サブセット(9b、9c)の前記空間的範囲が前記第3サブセット(8b、8c)の前記空間的範囲と少なくとも所定の閾値だけ異なる場合のみ、アーチファクトとしてマークされる、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
-前記センサシステム(2)により、少なくとも1つのさらなるポイント群が、少なくとも1つの対応するさらなる測定期間中に生成され、少なくとも1つの前記さらなるポイント群のポイントは、空間的位置およびエネルギー特性値により各々記載され、
-少なくとも1つの前記さらなるポイント群の各々について、前記演算ユニット(3)により、
-第5サブセットが特定されるステップであって、前記第5サブセットの各ポイントのそれぞれの前記エネルギー特性値は、前記第1エネルギー限界値以上であるステップと、
-第6サブセットが特定されるステップであって、前記第6サブセットの各ポイントのそれぞれの前記位置が、それぞれの前記さらなるポイント群の前記第5サブセットの前記ポイントの所定の空間的周囲域内にあるステップと、
-前記第4サブセット(9b、9c)の前記ポイントは、前記第6サブセットの空間的範囲に応じて、アーチファクトとしてマークされるステップと、
が実施されることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
-前記空間的位置は、前記センサシステム(2)からのそれぞれの径方向距離に応じて決定され、
-前記第1ポイント群(8)のうち、前記径方向距離が前記第1サブセット(8a)の所定の径方向周囲域にあるポイントのみが、前記第3サブセット(8b、8c)の一部として特定される、および/または、前記第2ポイント群(9)のうち、前記径方向距離が前記第2サブセット(9a)の所定の径方向周囲域にあるポイントのみが、前記第4サブセット(9b、9c)の一部として特定される、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
-前記空間的位置は、対応する前記反射成分(6’)の水平方向の入射角に応じて決定され、
-前記第1ポイント群(8)のうち、前記水平方向の入射角が前記第1サブセット(8a)の所定の水平方向角度周囲域にあるポイントのみが、前記第3サブセット(8b、8c)の一部として特定される、および/または、前記第2ポイント群(9)のうち、前記水平方向の入射角が前記第2サブセット(9a)の所定の水平方向角度周囲域にあるポイントのみが、前記第4サブセット(9b、9c)の一部として特定される、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
物体を自動的に検出するための方法であって、
-請求項1~8のいずれか一項に記載の方法に従ってアクティブセンサシステム(2)を動作させるステップと、
-前記演算ユニット(3)により、前記物体検出が、前記第2ポイント群(9)に応じて実施されるステップであって、前記第3サブセット(8b、8c)の前記ポイントおよび/または前記第4サブセット(9b、9c)の前記ポイントが、それらがアーチファクトとしてマークされていない場合のみ考慮されるステップと、
を特徴とする方法。
【請求項10】
アクティブセンサシステムであって、前記アクティブセンサシステムは、
-電磁放射線(6)を、前記センサシステム(2)の周囲域に、第1測定期間および第2測定期間の各々に亘って放射するように構成された放射ユニット(5)と、
-前記第1測定期間中に、前記放射線(6)の第1反射成分(6’)を検出して、これに基づいて少なくとも1つの第1検出信号を生成するとともに、前記第2測定期間中に、前記放射線(6)の第2反射成分(6’)を検出して、これに基づいて少なくとも1つの第2検出信号を生成するように構成された検出ユニット(4)と、
-少なくとも1つの前記第1検出信号に基づいて第1ポイント群(8)を生成するとともに、少なくとも1つの前記第2検出信号に基づいて第2ポイント群(9)を生成するように構成された演算ユニット(3)であって、前記第1ポイント群(8)および前記第2ポイント群(9)は、複数のポイントを各々含み、各ポイントは、空間的位置およびエネルギー特性値により記載される演算ユニット(3)と、
を含み、
前記演算ユニット(3)は、
-前記第1ポイント群(8)の第1サブセット(8a)および前記第2ポイント群(9)の第2サブセット(9a)を特定するように構成され、前記第1サブセット(8a)および前記第2サブセット(9a)の各ポイントのそれぞれの前記エネルギー特性値は、所定の第1エネルギー限界値以上であり、
-前記第1ポイント群(8)の第3サブセット(8b、8c)および前記第2ポイント群(9)の第4サブセット(9b、9c)を特定するように構成され、前記第3サブセット(8b、8c)の各ポイントのそれぞれの前記位置が、前記第1サブセット(8a)の前記ポイントの所定の空間的周囲域内にあり、前記第4サブセット(9b、9c)の各ポイントのそれぞれの前記位置が、前記第2サブセット(9a)の前記ポイントの所定の空間的周囲域内にあり、
-前記第4サブセット(9b、9c)の空間的範囲を前記第3サブセット(8b、8c)の空間的範囲に対して比較し、前記第3サブセット(8b、8c)の前記ポイントおよび/または前記第4サブセット(9b、9c)の前記ポイントを、比較結果に応じてアーチファクトとしてマークするように構成される、
ことを特徴とするアクティブセンサシステム。
【請求項11】
前記センサシステム(2)は、レーダーセンサシステムまたはライダーセンサシステムとして設計される、
ことを特徴とする請求項10に記載のアクティブセンサシステム。
【請求項12】
前記センサシステム(2)は、レーザースキャナとして設計されるとともに、偏向ユニットを含み、
前記偏向ユニットは、放出された前記放射線(6)の水平方向の放射角を規定するために放出された前記放射線(6)を偏向させるように構成されるとともに、前記反射成分(6’)の水平方向の入射角を規定するために前記反射成分(6’)を偏向させるように構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載のアクティブセンサシステム。
【請求項13】
-前記演算ユニット(3)は、前記第1ポイント群(8)の各ポイントについて、少なくとも1つの前記第1検出信号の信号パルスのパルス幅に応じて前記エネルギー特性値を決定するように構成される、および/または
-前記演算ユニット(3)は、前記第2ポイント群(9)の各ポイントについて、少なくとも1つの前記第2検出信号の信号パルスのパルス幅に応じて前記エネルギー特性値を決定するように構成される、
ことを特徴とする請求項12に記載のアクティブセンサシステム。
【請求項14】
自動車(1)の電子車両制御システムであって、請求項10~13のいずれか一項に記載のアクティブセンサシステム(2)を含む、車両制御システム。
【請求項15】
請求項10~13のいずれか一項に記載のアクティブセンサシステム(2)による実行時に、前記アクティブセンサシステム(2)に請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実施させるコマンドを有する、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブセンサシステムを動作させるための方法に関する。本方法において、第1測定期間中に第1ポイント群を生成するとともに第2測定期間中に第2ポイント群を生成するセンサシステムにより、電磁放射線がセンサシステムの周囲域に放射され、放射された放射線の反射成分が検出され、第1および第2ポイント群は、複数のポイントを各々含み、各ポイントは、空間的位置およびエネルギー特性値により記載される。また、本発明は、物体を自動的に検出するための方法、自動車を少なくとも部分的に自動制御するための方法、アクティブセンサシステム、電子車両制御システム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブセンサシステムは、電磁波信号を放射するための放射ユニットと、電磁放射線の反射成分を取得するための少なくとも1つの検出器と、を含んでいる。検出器は、反射されて検出された成分に基づいて、対応するセンサ信号を生成する。ライダーシステムおよびレーダーシステムは、アクティブセンサシステムの一例である。
【0003】
電磁放射線のビームが周囲域を伝搬する間、一般に、電磁放射線の一部が吸収されることにより、屈折率の変動が生じ得る。この結果、ビームの乱れが生じ得る。ブルーミングとも称されるこの影響は、特に、強力に反射する物体、およびこれに対応する高い反射放射パワーで観察される。この影響により、最終的に、アクティブセンサシステムが検出した物体が実際よりも大きく見えるという結果がもたらされ得る。
【0004】
画素ブルーミングを低減するための方法が、文書US10,593,029B2に記載されている。この目的のために、最初に、周囲域を照明することなく周囲域の画像が記録される。この画像は、赤外光を使用して周囲域を照明しながら記録されたさらなる画像から減算される。減算画像において、飽和領域が特定され、ブルーミングの影響を低減するよう除去される。
【0005】
このような方法の1つの欠点は、特に非常に反射的な物体の場合、ブルーミングの影響に起因するアーチファクトと、実際の物体またはその一部とを明確に識別することができないということである。この結果、ブルーミングアーチファクトが確実に特定されなかったり、実際の物体がブルーミングアーチファクトとして誤って処理されたりする。
【発明の概要】
【0006】
このような背景に対して、本発明の目的は、アクティブセンサシステムに対する改良されたコンセプトを規定することであり、これにより、ブルーミングの影響によるアーチファクトが確実に特定され得ると同時に、アーチファクトの偽陽性特定が低減され得る。
【0007】
この目的は、独立請求項のそれぞれの主題により達成される。有利な改良点および好適な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
改良されたコンセプトは、複数の測定期間のブルーミングの影響による潜在的なアーチファクトに対応するエリアの空間的範囲を互いに比較し、比較結果に応じてアーチファクトを特定するという発想に基づいている。
【0009】
改良されたコンセプトによれば、アクティブセンサシステムを動作させるための方法が規定される。ここで、第1測定期間中に第1ポイント群を生成するとともに、特に第1測定期間の後の第2測定期間中に第2ポイント群を生成するためのセンサシステムにより、各場合に電磁放射線がセンサシステムの周囲域に放射され、放射された放射線の反射成分が検出される。前記第1ポイント群および前記第2ポイント群は、複数のポイントを各々含み、各ポイントは、空間的位置およびエネルギー特性値により記載される。前記センサシステムの演算ユニットにより、前記第1ポイント群の第1サブセットおよび前記第2ポイント群の第2サブセットが特定され、前記第1サブセットの各ポイントおよび前記第2サブセットの各ポイントのそれぞれの前記エネルギー特性値は、所定の第1エネルギー限界値以上である。前記演算ユニットにより、前記第1ポイント群の第3サブセットおよび前記第2ポイント群の第4サブセットが特定されるステップであって、前記第3サブセットの各ポイントのそれぞれの前記位置が、前記第1サブセットの前記ポイントの所定の空間的周囲域内にあり、前記第4サブセットの各ポイントのそれぞれの前記位置が、前記第2サブセットの前記ポイントの所定の空間的周囲域内にある。演算ユニットにより、前記第4サブセットの空間的範囲が前記第3サブセットの空間的範囲に対して比較され、前記第3サブセットの前記ポイントおよび/または前記第4サブセットの前記ポイントが、比較結果に応じてアーチファクトとしてマークされる。
【0010】
特にセンサシステムがレーダーシステムとして設計されている場合、電磁波は、例えば電波として放射され得る。または、特にアクティブセンサシステムがライダーシステムとして設計されている場合、電磁波は、光として、例えば赤外光として放射され得る。
【0011】
ポイント群を生成するために、アクティブセンサシステム、特にアクティブセンサシステムの放射ユニットは、電磁放射線を、センサシステムの周囲域に放射する。電磁放射線は、周囲域の単数または複数の物体により、少なくとも部分的に反射する。反射成分は、センサシステムにより、特にセンサシステムの検出ユニットにより検出される。そして、単数または複数の検出信号が、これに応じて検出された成分に基づいて生成される。演算ユニットは、検出信号に基づいてポイント群のポイントを生成する。演算ユニットは、特に、それぞれのポイントの三次元座標を決定してポイントのそれぞれの空間的位置を決定することができる。例えば、センサシステムからのそれぞれのポイントの径方向距離が、飛行測定とも称される信号飛行測定に基づいて実施され得る。さらに、演算ユニットは、検出信号に基づいて、それぞれの検出信号をもたらす反射して検出された成分のエネルギーを定量化するそれぞれのエネルギー特性値を決定する。
【0012】
径方向距離の他に、それぞれの点の座標は、例えばフラッシュライダーシステムにおいて、検出ユニットの検出アレイにおけるそれぞれの検出器の位置により、および/または、例えばレーザースキャナにおいて、電磁放射線の反射成分を検出ユニットに向けて偏向させる偏向ユニットの位置と偏向ユニットに対する検出器の位置との組み合わせに基づいて決定され得る。
【0013】
第1ポイント群または第2ポイント群のポイントの空間的周囲域は、使用される座標系に応じて、または使用されるセンサシステムの技術に応じて、異なった態様で規定され得る。あるポイントの空間的位置が、例えば、画素アレイおよび径方向距離上の二次元位置により規定される場合、空間周囲域は、対応する径方向距離範囲と、画素アレイ上でそれぞれのサブセットに隣接する二次元エリアとにより与えられ得る。例えばレーザースキャナにおけるように、ポイントの空間的位置が、径方向距離および2つの角度により規定される場合、周囲域は、径方向距離範囲および対応する角度範囲により与えられ得る。
【0014】
第1および第2サブセットのポイントは、所定の第1エネルギー限界値以上であるエネルギー特性値を有する。第1および第2サブセットのポイントは、センサシステムの周囲域における高い反射力を有する物体に割り当てられ得る。したがって、ブルーミングの影響が生じる確率は、潜在的に増加する。第3および第4サブセットのポイントは、高い反射力を有する物体に空間的に隣接して位置するため、潜在的なアーチファクトとして考慮されるようになる。
【0015】
ここで、センサシステムが、測定期間中に、または測定期間と測定期間との間に物体に対して移動した場合、物体の実際の範囲は変わらないため、第1および第2サブセットの範囲は、本質的に一定であるはずである。しかしながら、このことは、ブルーミングアーチファクトには該当しない。アーチファクトの範囲は、センサシステムの高い反射力の物体からの距離とともに変化し、特に、対応するエリアの空間的範囲は、距離が短くなるにつれて大きくなる。
【0016】
第1測定期間中のセンサシステムの感度が第2測定期間中のセンサシステムの感度とは異なる場合、同様のふるまいが見られる。第1および第2サブセットの範囲は本質的に一定のままであるが、ブルーミングアーチファクトに対応するエリアの範囲は変化する。
【0017】
ここで、第3および第4サブセットの空間的範囲は、対応するポイントが占めるそれぞれの空間的エリアとして理解され得る。空間的エリアは、一次元、二次元、または三次元であり得る。
【0018】
第1および第2測定期間は、必ずしも互いに直接的に連続するものではない。第1測定期間と第2測定期間との間にさらなる期間があってもよい。しかしながら、種々の実施形態において、第1および第2測定期間は、互いに直接的に連続し得る。
【0019】
第4サブセットの空間的範囲を第3サブセットの空間的範囲に対して比較することにより、対応するエリアの見かけ上の範囲が変化するかどうかが推定され得る。変化すれば、これらがブルーミングアーチファクトである可能性が高いということである。これに対して、第4サブセットの範囲が第3サブセットの範囲と実質的に同一であれば、これらは、アーチファクトではなく、実際の物体である可能性が高い。
【0020】
第3または第4サブセットのポイントを比較結果に応じてアーチファクトとしてマークすることで、対応するポイント群の品質が、それらのさらなる使用に関して向上する。したがって、アーチファクトとしてマークすること、すなわち改良されたコンセプトによる方法は、ポイント群のフィルタリングとしてみなすことができる。第3または第4サブセットのポイントがアーチファクトとマークされたか否かに応じて、これらのポイントを、後続の処理ステップにおいて考慮してもよいし、考慮しなくてもよいし、あるいは対応して低減させた信頼値を以て考慮してもよい。したがって、例えば、物体検出の文脈において、アーチファクトとしてマークされたポイントを削除することができることにより、物体検出がより確実に実施され得る。この結果、物体検出に基づいて、より信頼性の高い電子地図資料を作製することができる、および/または、ポイント群に基づいて、自動車をより確実または安全に、自動制御、または部分的に自動制御することができる。
【0021】
少なくとも1つの実施形態によれば、前記センサシステムを、前記第1測定期間と前記第2測定期間との間において、および/または前記第1測定期間中に、および/または前記第2測定期間中に移動させることにより、前記周囲域における物体に対する前記センサシステムの距離であって、前記第1サブセットおよび前記第2サブセットにより表される距離を変化させる。
【0022】
上述のように、このようにして、ブルーミングによるアーチファクトに対応するポイントの空間的範囲が変化することで、第3サブセットの空間的範囲と第4サブセットの空間的範囲との対応する差を検出可能とすることができる。
【0023】
特に、センサシステムは、センサシステムとともに移動する自動車に装着され得る。
【0024】
少なくとも1つの実施形態によれば、例えば演算ユニットにより、第1測定期間中に第1ポイント群を生成するようにセンサシステムの第1感度が設定され、第2測定期間中に第2ポイント群を生成するようにセンサシステムの第2感度が設定される。第1感度は、第2感度と異なる。
【0025】
特に、最初に第1感度が設定され、次いで設定された第1感度を使用して第1ポイント群が生成される。そして、第2感度が設定され、次いで設定された第2感度を使用して第2ポイント群が生成される。
【0026】
センサシステムの感度は、特に検出ユニット感度に対応する。例えば、検出ユニットは、単数または複数の光学検出器、例えばフォトダイオード、特にアバランシェフォトダイオードを含み得る。そして、例えば、光学検出器の動作電圧により、例えばフォトダイオードまたはアバランシェフォトダイオードが動作するブロッキング電圧により、感度が規定される。
【0027】
上述のように、このようにして、ブルーミングによるアーチファクトに対応するポイントの空間的範囲が変化することで、第3サブセットの空間的範囲と第4サブセットの空間的範囲との対応する差を検出可能とすることができる。
【0028】
感度を変化させることは、測定期間と測定期間との間にセンサシステムを移動させることに代えることができる、または、これと組み合わせることができる。この目的は、より明確な効果を得てアーチファクトをより確実に検出することである。
【0029】
少なくとも1つの実施形態によれば、前記第1ポイント群のうち、前記エネルギー特性値が所定の第2エネルギー限界値以下であるポイントのみが、前記第3サブセットの一部として特定され、前記第2エネルギー限界値は前記第1エネルギー限界値よりも小さい。
【0030】
少なくとも1つの実施形態によれば、前記第2ポイント群のうち、前記エネルギー特性値が前記第2エネルギー限界値以下であるポイントのみが、前記第4サブセットの一部として特定される。
【0031】
換言すれば、ポイントのうち、エネルギー特性値が第2エネルギー限界値以下であるポイントのみが、アーチファクトとしてマークされる。したがって、ブルーミングによりアーチファクトの原因となる電磁放射線の反射成分のエネルギーは、一般に、最終的にブルーミングの原因となる隣接する非常に反射的な物体から反射するエネルギーよりも著しく小さいという事情が考慮される。第2エネルギー限界値に基づいて制限することにより、アーチファクトの偽陽性検出のリスクがさらに低減され得る。
【0032】
例えば、第2エネルギー限界値は、第1エネルギー限界値の50%以下、例えば第1エネルギー限界値の30%以下、または20%以下であり得る。
【0033】
第2エネルギー限界値を変更することにより、ポイント群のさらなる使用における特定の要件に応じて、アーチファクトの偽陰性検出と偽陽性検出とのそれぞれのリスク間での妥協点を得ることもできる。
【0034】
少なくとも1つの実施形態によれば、前記第3サブセットの前記ポイントおよび/または前記第4サブセットの前記ポイントは、前記第4サブセットの前記空間的範囲が前記第3サブセットの前記空間的範囲と少なくとも所定の閾値だけ異なる場合のみ、アーチファクトとしてマークされる。
【0035】
これにより、アーチファクトの偽陽性検出のリスクがさらに低減され得る。1つの特定実施形態において、閾値の絶対値は、測定期間が各々どの程度続くか、または第1測定期間と第2測定期間との間でどの程度時間が経過するかにも依存し得る。
【0036】
少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つのさらなるポイント群が、第1測定期間の後の少なくとも1つの対応するさらなる測定期間中に、前記センサシステムにより生成され、少なくとも1つの前記さらなるポイント群のポイントは、空間的位置およびエネルギー特性値により各々記載される。少なくとも1つの前記さらなるポイント群の各々について、第5サブセットが前記演算ユニットにより特定される。前記第5サブセットの各ポイントのそれぞれの前記エネルギー特性値は、前記第1エネルギー限界値以上である。少なくとも1つの前記さらなるポイント群の各々について、第6サブセットも特定される。前記第6サブセットの各ポイントのそれぞれの前記位置が、それぞれの前記さらなるポイント群の前記第5サブセットの前記ポイントの所定の空間的周囲域内にある。少なくとも1つの前記さらなるポイント群の各々について、前記第4サブセットの前記ポイントは、前記第6サブセットの空間的範囲に応じて、アーチファクトとしてマークされる。
【0037】
少なくとも1つのさらなる測定期間は、例えば、第1測定期間と第2測定期間との間である。第3サブセット、第6サブセット、および第4サブセットの空間的範囲を互いに比較することで、対応する物体からのセンサシステムの距離が連続的に縮小または拡大している場合、潜在的なアーチファクトに対応するポイントが占めるスペースが連続的に拡大しているか縮小しているかが判定され得る。特に、第3サブセット、第6サブセット、および第4サブセットの空間的範囲の時間曲線から、より正確な評価を実施することができる。これにより、アーチファクトの検出が、より高い信頼性で、および/またはアーチファクトの偽陽性検出に関してより低いリスクで実施され得る。
【0038】
少なくとも1つの実施形態によれば、それぞれの前記ポイント群の前記ポイントの前記空間的位置は、前記センサシステムからのそれぞれの径方向距離に応じて決定される。前記第1ポイント群のうち、前記径方向距離が前記第1サブセットの所定の径方向周囲域にあるポイントのみが、前記第3サブセットの一部として特定される、および/または、前記第2ポイント群のうち、前記径方向距離が前記第2サブセットの所定の径方向周囲域にあるポイントのみが、前記第4サブセットの一部として特定される。
【0039】
したがって、ブルーミングの影響によるアーチファクトに対応するポイントは、実際の非常に反射的な物体の距離に少なくともおおよそ相当するセンサシステムからの距離に位置するように見える見かけ上の物体に属するという状況が考慮される。径方向周囲域エリアを考慮することにより、アーチファクトの偽陽性検出に関するリスクがさらに低減され得る。
【0040】
少なくとも1つの実施形態によれば、それぞれの前記ポイント群の前記ポイントの前記空間的位置は、対応する前記反射成分の水平方向の入射角または方位角に応じて決定される。前記第1ポイント群のうち、前記水平方向の入射角が前記第1サブセットまたは前記第1サブセットの前記ポイントの所定の水平方向角度周囲域にあるポイントのみが、前記第3サブセットの一部として特定される、および/または、前記第2ポイント群のうち、前記水平方向の入射角が前記第2サブセット又は前記第2サブセットの前記ポイントの所定の水平方向角度周囲域にあるポイントのみが、前記第4サブセットの一部として特定される。
【0041】
このような実施形態は、アクティブセンサシステムがスキャンセンサシステム、例えばレーザースキャナとしての実施形態におけるライダーシステムである場合に特に関連する。回転可能または枢動可能に装着される偏向ユニット、例えば偏向ミラーが、このようなシステムに設けられる。これにより、特定の水平方向の入射角からの電磁波放射線の反射成分のみが、検出ユニットに向けて所定回数偏向される。このため、位置分解能が、水平方向において実施され得る。
【0042】
ブルーミングの影響によるアーチファクトについて、高い反射力を有する物体の直近の周縁域に位置するエリアが最初に考慮されるため、水平方向角度周囲域を画定することにより、アーチファクトの偽陽性検出に関するリスクがさらに低減される。
【0043】
少なくとも1つの実施形態によれば、空間的位置は、対応する反射成分の鉛直方向の入射角または極角に応じて決定される。第1ポイント群のうち、鉛直方向の入射角が第1サブセットの所定の鉛直方向角度周囲域にあるポイントのみが、第3サブセットの一部として決定される、および/または、第2ポイント群のうち、鉛直方向の入射角が第2サブセットの所定の鉛直方向角度周囲域にあるポイントのみが、第4サブセットの一部として決定される。
【0044】
鉛直方向の入射角は、水平方向の入射角について説明したように、枢動可能または回転可能な偏向ユニットにより同様に規定され得る。代替的に、複数の検出器を、鉛直方向に互いに隣接して配置してもよい。これにより、異なる鉛直方向角度範囲からの電磁放射線の反射成分を、異なる検出器により検出することができる。したがって、鉛直方向分解能が同様に達成され得る。本例において、同一の検出器に検知されたすべてのポイントは、一地点とも称される。第2サブセットの鉛直方向角度周囲域は、例えば、一地点により規定され、第1ポイント群のうち、第1サブセットポイントとしての同一地点に属するポイントのみが、第3サブセットの一部として特定される。さらなる実施形態において、鉛直方向角度周囲域は、例えば2つ以上の連続する地点により規定され得る。これは、第2ポイント群の第4サブセットのポイントについても同様に適用される。
【0045】
また、改良されたコンセプトによる物体を自動的に検出するための方法が規定される。この目的のために、改良されたコンセプトによるアクティブ光学センサシステムを動作させるための方法が実施される。したがって、アクティブセンサシステムを、改良されたコンセプトによる方法に従って動作させる。前記演算ユニットにより、前記物体検出が、前記第2ポイント群に応じて実施される、および/または、前記第1ポイント群に応じて実施される。前記第3サブセットの前記ポイントが、それらがアーチファクトとしてマークされていない場合のみ考慮される、および/または、前記第4サブセットの前記ポイントが、それらがアーチファクトとしてマークされていない場合のみ考慮される。
【0046】
換言すれば、第3または第4サブセットのポイントは、それらがアーチファクトとしてマークされる場合、その限りにおいて物体検出において考慮されない。
【0047】
演算ユニットは、物体検出自体のために、ポイント群を処理する既知のアルゴリズムを実行できる。演算ユニットは、特に、物体の位置および/または範囲および/またはタイプを、第1および/または第2ポイント群に基づいて判定することができる。物体検出には、物体分類、物体のバウンディングボックスの決定、および/または物体追跡も含まれ得る。
【0048】
改良されたコンセプトによれば、自動車を少なくとも部分的に自動制御するための方法も規定される。この目的のために、改良されたコンセプトによる物体を自動的に検出するための方法が実施され、自動車は少なくとも部分的に、特に自動車の電子車両制御システムにより、物体検出の結果に応じて自動的に制御される。
【0049】
これ以降、電子車両ガイドシステムは、特にドライバーによる制御介入を必要とせずに、自動車を完全に自動的または完全に自律的にガイドまたは制御するように構成された電子システムとして理解され得る。自動車または電子車両制御システムは、必要とされるであろうステアリング操作、ブレーキ操作、および/または加速操作、道路交通の観測および取得、およびこれらに関連する必要な反応等のすべての必要な機能を、独立して完全に自動で実施する。特に、電子車両ガイドシステムは、SAE J3016による分類のレベル5に従う自動車の完全自動運転モードまたは完全自律運転モードを実施するために使用され得る。電子車両ガイドシステムは、自動車の部分自動運転または部分自律運転の最中にドライバーを支援する先進運転支援システム(ADAS)としても理解され得る。特に、電子車両ガイドシステムは、SAE J3016の分類に従うレベル1~4のうちの1つに従って、自動車の部分自動運転モードまたは部分自律運転モードを実施するために使用され得る。これ以降、「SAE J3016」は、2018年6月のバージョンにおける対応する規格を指す。
【0050】
したがって、少なくとも部分的に自動で車両をガイドすることは、SAE J3016によるレベル5に従う完全自動運転モードまたは完全自律運転モードに従って自動車をガイドすることを含み得る。少なくとも部分的に車両をガイドすることは、SAE J3016によるレベル1~4のうちの1つに従う部分自動または部分自律運転モードに従って自動車をガイドすることも含み得る。
【0051】
改良されたコンセプトによれば、アクティブセンサシステムも規定される。アクティブセンサシステムは、電磁放射線を、前記センサシステムの周囲域に、第1測定期間および第2測定期間の各々に亘って放射するように構成された放射ユニットを含む。前記センサシステムは、特に前記センサシステムの制御ユニットにより起動されて、前記第1測定期間中に、前記第1測定期間に亘って放射された前記電磁放射線の第1反射成分を検出して、これに基づいて少なくとも1つの第1検出信号を生成する検出ユニットを含む。前記センサユニットは、前記第2測定期間中に、前記第2測定期間に亘って放射された前記電磁放射線の第2反射成分を検出して、これに基づいて少なくとも1つの第2検出信号を生成するように構成される。
【0052】
前記センサシステムは、少なくとも1つの前記第1検出信号に基づいて第1ポイント群を生成するとともに、少なくとも1つの前記第2検出信号に基づいて第2ポイント群を生成するように構成された演算ユニットであって、前記第1ポイント群および前記第2ポイント群は、複数のポイントを各々含み、各ポイントは、空間的位置およびエネルギー特性値により記載される演算ユニットを含む。前記演算ユニットは、前記第1ポイント群の第1サブセットを特定するとともに前記第2ポイント群の第2サブセットを特定するように構成され、前記第1サブセットの各ポイントのそれぞれの前記エネルギー特性値、および前記第2サブセットの各ポイントのそれぞれの前記エネルギー特性値は、所定の第1エネルギー限界値以上である。前記演算ユニットは、前記第1ポイント群の第3サブセットおよび前記第2ポイント群の第4サブセットを特定するように構成され、前記第3サブセットの各ポイントのそれぞれの前記位置が、前記第1サブセットの前記ポイントの所定の空間的周囲域内にあり、前記第4サブセットの各ポイントのそれぞれの前記位置が、前記第2サブセットの前記ポイントの所定の空間的周囲域内にある。前記演算ユニットは、前記第4サブセットの空間的範囲を前記第3サブセットの空間的範囲に対して比較し、前記第3サブセットおよび/または前記第4サブセットの前記ポイントを、比較結果に応じてアーチファクトとしてマークするように構成される。
【0053】
改良されたコンセプトによるアクティブセンサシステムの少なくとも1つの実施形態によれば、前記センサシステムは、レーダーセンサシステムまたはライダーセンサシステムとして、特にレーザースキャナまたはフラッシュライダーセンサシステムとして設計される。
【0054】
少なくとも1つの実施形態によれば、前記センサシステムは、レーザースキャナとして設計されるとともに、偏向ユニットを含み、前記偏向ユニットは、放出された前記放射線の水平方向の放射角を規定するために放出された前記放射線を偏向させるように構成されるとともに、前記反射成分の水平方向の入射角を規定するために前記反射成分を偏向させるように構成される。
【0055】
少なくとも1つの実施形態によれば、前記演算ユニットは、前記第1ポイント群の各ポイントについて、少なくとも1つの前記第1検出信号の信号パルスのパルス幅に応じて前記エネルギー特性値を決定するように構成される、および/または、前記演算ユニットは、前記第2ポイント群の各ポイントについて、少なくとも1つの前記第2検出信号の信号パルスのパルス幅に応じて前記エネルギー特性値を決定するように構成される。
【0056】
レーザースキャナの文脈において、パルス幅は、エコーパルス幅と称されることもある。
【0057】
改良されたコンセプトによるアクティブセンサシステムのさらなる実施形態が、改良されたコンセプトによるアクティブセンサシステムを動作させるための方法、改良されたコンセプトによる物体を自動的に検出するための方法、および、改良されたコンセプトによる自動車を少なくとも部分的に自動制御するための方法から得られ、それぞれにつきその逆も得られる。特に、改良されたコンセプトによるアクティブセンサシステムは、改良されたコンセプトによる方法を実施するように構成され得る、またはこのような方法を実施する。
【0058】
改良されたコンセプトによれば、改良されたコンセプトによるアクティブセンサシステムを含む電子車両制御システムも規定される。
【0059】
改良されたコンセプトによれば、コマンドを有するコンピュータプログラム製品が規定される。前記コマンドは、改良されたコンセプトによる前記コンピュータプログラムまたは前記コマンドのアクティブセンサシステムによる実行時に、前記アクティブセンサシステムに、改良されたコンセプトによるアクティブセンサシステムを作動させるための方法を実施させる。
【0060】
改良されたコンセプトによれば、さらなるコマンドを有するさらなるコンピュータプログラムも規定される。さらなるコマンドは、改良されたコンセプトによる電子車両制御システムによるさらなるコマンドまたはさらなるコンピュータプログラムの実行時に、車両制御システムに、改良されたコンセプトによる自動車を少なくとも自動制御するための方法を実施させる。
【0061】
改良されたコンセプトによれば、改良されたコンセプトによるコンピュータプログラムおよび/またはさらなるコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読取可能な記憶媒体も規定される。
【0062】
コンピュータプログラム、さらなるコンピュータプログラム、およびコンピュータ読取可能な記憶媒体は、コマンドまたはさらなるコマンドを有するコンピュータプログラム製品として各々みなされ得る。
【0063】
本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲、図面、および図面の説明から明瞭である。本明細書に上述した特徴および特徴の組み合わせ、ならびに後述の図面の説明および/または図面にのみ示す特徴および特徴の組み合わせは、各例で特定された組み合わせにおいてだけでなく、他の組み合わせにおいても改良されたコンセプトに含まれる。したがって、図面に明示的に示された、および/または説明されないが特徴の別の組み合わせにより説明した実施形態から出現するとともに生成され得る改良されたコンセプトの実施形態も、含まれるとともに開示される。したがって、特に、当初記載した請求項のすべてを有していない実施形態および特徴の組み合わせも、含まれるとともに開示される。さらには、特許請求の範囲、および背景技術参考に記載された特徴の組み合わせを超える、または異なる実施形態または特徴の組み合わせも、含まれるとともに開示される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1図1は、改良されたコンセプトによる電子車両制御システムの例示的な実施形態を有する自動車の概略図を示す。
図2図2は、改良されたコンセプトによる物体を自動的に検出するための方法の例示的な実施形態のフローチャートを示す。
図3図3は、ライダーポイント群の概略図を示す。
図4図4は、さらなるライダーポイント群の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1は、改良されたコンセプトによるアクティブセンサシステム2を含む自動車1を概略的に示している。センサシステム2は、例えばライダーシステムとして具現化されている。
【0066】
センサシステム2は、演算ユニット3と、放射ユニット5と、検出ユニット4と、を含み、放射ユニット5および検出ユニット4は、演算ユニット3に各々接続している。検出ユニット4および放射ユニット5は、例えば制御ユニットのタスクも担い得る演算ユニット3により起動され得る。
【0067】
放射ユニット5は、例えば赤外光である電磁放射線6を、センサシステム2の周囲域に放射する。ここで、電磁放射線6は、少なくとも部分的に物体7から反射し得る。これにより、反射成分6’が検出ユニット4により検出され得る。検出された成分6’に基づいて、検出ユニット4は、少なくとも1つの検出信号を生成し得るとともに、これを演算ユニット3に送信し得る。
【0068】
センサシステム2の機能について、改良されたコンセプトによる物体を自動的に検出するための方法の例示的な実施形態を、特に図2図4に関してより詳細に以下に説明する。
【0069】
図2は、改良されたコンセプトによる物体を自動的に検出するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0070】
ステップS1において、放射ユニット5は、電磁放射線6を、センサシステム2の周囲域に、第1測定期間に亘って放射する。検出ユニット4は、対応する反射成分6を検出して、これに基づいて少なくとも1つの第1検出信号を生成する。図3に概略的に示すように、演算ユニット3は、少なくとも1つの第1検出信号に基づいて、第1ポイント群8を生成する。図3において右側を向く矢印は、自動車1の進行方向を表す。
【0071】
図3において、第1ポイント群のポイントは、道路平面における二次元投影として表されている。対応する検出信号のエコーパルス幅に対応する直線が、各ポイントに割り当てられている。図3から明瞭なように、センサシステム2の周囲域に、比較的高い反射力を有する物体が位置している。この結果、それぞれの前記エネルギー特性値の値が高くなっている。第1ポイント群8の対応するポイントは、そのエネルギー特性値が所定の第1エネルギー限界値以上である場合、ステップS2においてサブセット8aとして演算ユニット3に特定される。
【0072】
さらに、ステップS1において、放射ユニット5は、電磁放射線6を、センサシステム2の周囲域に、第1測定期間の後である第2測定期間に亘って放射する。検出ユニット4は、対応する反射成分6を再び検出して、これに基づいて少なくとも1つの第2検出信号を生成する。図4に概略的に示すように、演算ユニット3は、少なくとも1つの第2検出信号に基づいて、第2ポイント群9を生成する。
【0073】
ステップS2において、第1エネルギー限界値以上であるエネルギー特性値を有する第2ポイント群9のポイントが、サブセット9aとして演算ユニット3に特定される。
【0074】
ステップS3において、演算ユニット3は、例えば、ポイント群8、9の残りすべてのポイントを、非常に反射的な物体に関連しないポイントとして特定する。
【0075】
ステップS4において、演算ユニット3は、サブセット8aに直接的に隣接するポイントを潜在的なアーチファクトとして考慮するかどうかのチェックを実施する。この目的のために、第1ポイント群8のポイントのうち、サブセット8aのポイントの周囲の所定の空間的エリアにあるとともに、そのエネルギー特性値が、第1エネルギー限界値よりも小さい第2エネルギー限界値以下であるポイントが特定される。したがって、非常に反射的な物体の近傍にあるように見えるが、より低い高エネルギー反射に由来するポイントが特定される。このようなポイントは、サブセット8b、8cとして特定される。同様のチェックが、第2ポイント群9についても実施され、対応するサブセット9b、9cが特定される。
【0076】
ステップS5において、演算ユニット3は、例えば、サブセット8b、8c、9b、9cのすべてのポイントを、潜在的なアーチファクトとして、例えば対応するフラグを設定してマークし得る。選択的に、ステップS6において、ポイント群8、9の残りのポイントが、非アーチファクトとして、例えば対応するフラグによりマークされる。
【0077】
ステップS7において、演算ユニット3は、サブセット8bのポイントの空間的範囲をサブセット9bのポイントの空間的範囲に対して比較する、または、サブセット8cのポイントの空間的範囲をサブセット9cのポイントの空間的範囲に対して比較する。ブルーミングの影響に起因するアーチファクトに関して、非常に反射的な物体とセンサシステム2との距離が減少すると、対応する空間的エリアが増大する。したがって、ステップS7において、演算ユニット3は、例えば、サブセット9bの空間的範囲が、サブセット8bの空間的範囲よりも少なくとも閾値だけ大きいかどうかチェックする、または、サブセット9cの空間的範囲が、サブセット8cの空間的範囲よりも少なくとも閾値だけ大きいかどうかチェックする。閾値は、例えば、40ms等毎に少なくとも10%または少なくとも20%だけ当該ポイントの空間的範囲の増大に対応するものが選択され得る。
【0078】
この場合、サブセット8b、8c、9b、9cのそれぞれのポイントが、例えば対応するフラグによりアーチファクトとしてマークされる。そうでない場合、対応するポイントは、実際の物体を表すポイントとして特定され得る。ステップS8において、演算ユニット3は、例えば、アーチファクトとしてマークしたすべてのポイントを破棄する、またはこれらのポイントを、特に以降の物体検出アルゴリズムについてさらに考慮しない。
【0079】
ステップS9において、演算ユニット3は、アーチファクトとしてマークされていないポイントに基づいて、物体検出アルゴリズムを実施する。
【0080】
したがって、特に図面を参照して説明した改良されたコンセプトによれば、アーチファクトの偽陽性検出の確率を増加させることなく、あるいはアーチファクトの偽陽性検出の確率を低減させつつ、ブルーミングの影響によるアーチファクトをより確実に特定することができる。
【0081】
改良されたコンセプトによれば、例えば、ブルーミングの影響によるアーチファクトを実際の物体を表すポイントから識別することを可能とする物理的制約が定義される。種々の実施形態において、この目的のために、非常に反射的な物体の近傍にある潜在的なアーチファクトが、最初に特定される。次いで、これらの潜在的なアーチファクトポイントは、クラスタ化され、専用の態様で処理され得る。偽陽性アーチファクト検出を回避するため、アーチファクトクラスタの空間的範囲を、経時的に観察することができる。実際の物体では空間的範囲が拡大することはないため、場合により、対応するクラスタがアーチファクトとして特定され得る。
【0082】
種々の実施形態において、したがって、非常に反射的な物体に対応するポイントが、最初に特定され、クラスタ化される。例えば同様の径方向距離範囲にある隣接するポイントが、特定されクラスタ化される。ここで、種々の実施形態において、水平方向および/または鉛直方向の入射角の制約が考慮され得る。隣接するポイントのエネルギー特性値をアーチファクトとして考慮するのに十分小さいかどうかがチェックされ得る。これらの基準を満たすクラスタを経時的にモニタリングして、空間的範囲が時間の経過とともに所定の最大サイズの増加を超えるかどうかを定めることができる。そのような場合、これらのポイントは、アーチファクトとして処理され得るとともに、物体検出または物体追跡アルゴリズムでさらに使用されないものとする。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】