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特表2023-550560CRACチャネル阻害剤の合成の改善
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】CRACチャネル阻害剤の合成の改善
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/04 20060101AFI20231124BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20231124BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
C07D405/04
A61K31/497
A61P43/00 105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552394
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 IB2020000965
(87)【国際公開番号】W WO2022101654
(87)【国際公開日】2022-05-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510064462
【氏名又は名称】カルシメディカ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタウダーマン,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ダン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】オルムステッド,ケイ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB01
4C063CC81
4C063DD34
4C063EE01
4C086AA04
4C086BC48
4C086GA02
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA20
4C086ZC41
(57)【要約】
CRACチャネル阻害剤を生成する改善された合成方法が、本明細書において提供される。本合成方法は、臨床試験のための非常に純水なCRACチャネル阻害剤を生成する方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のCRACチャネル阻害剤:
【化1】
(式中、
、RおよびRは、水素、ハロゲンおよびC~Cアルキル(水素、ハロゲン、-OH、-OR、-CN、-N(Rおよび-NOから独立して選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換されている)から出現ごとに独立して選択されるか、
または2つのR基は、それらが結合している原子と一緒になって、炭素環を形成し、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2、3、4または5であり、
は、水素;ならびにC1~6アルキル、C2~6アルケニルおよびC2~6アルキニル(それぞれ、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-NHおよびOCHによって出現ごとに任意選択で置換されていてもよい)から出現ごとに独立して選択される)
または薬学的に許容されるその塩を合成するプロセスであって、
塩基、触媒および溶媒の存在下、式(I-A)の化合物
【化2】
を、式(I-B)の化合物
【化3】
(式中、Xは、-B(OH)、-BF
【化4】
から選択され、
Yは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させるステップを含む、プロセス。
【請求項2】
前記塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記塩基が、リン酸カリウムである、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記触媒が、Pd(acac)、[Pd(アリル)Cl]、Pd(MeCN)Cl、Pd(dba)、Pd(TFA)、Pd(dba)、Pd(dba)・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PCyCl、Pd(PPhCl、Pd[P(o-tol)Cl、Pd(amphos)Cl、Pd(dppf)Cl、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(dtbpf)Cl、Pd(MeCN)(BF、PdCl、XPhos-Pd-G3、Pd-PEPPSI(商標)-IPr、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrおよびPd-PEPPSI(商標)-IPentから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記触媒が、Pd(PPhである、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記溶媒が、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記溶媒が、1,4-ジオキサンである、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
式(I-A)の化合物、式(I-B)の化合物、塩基、触媒および溶媒が、
16時間以内の間、
約75℃~約80℃の間の温度で、
撹拌される、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
式(I)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
式(I)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる、請求項1から9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
式(I-A)の化合物
【化5】
が、塩基および溶媒の存在下、式(I-C)の化合物
【化6】
を、ホウ素化剤と反応させることによって合成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
ホウ素化剤が、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランから選択される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記ホウ素化剤が、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、請求項11または12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記塩基が、塩化イソプロピルマグネシウム、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリド、臭化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウムおよびtert-ブチルリチウムから選択される、請求項11から13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記塩基が、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドである、請求項11から14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記溶媒が、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項11から15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
溶媒が、テトラヒドロフランである、請求項11から16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
式(I-C)の化合物、ホウ素化剤、塩基および溶媒が、
2時間以内の間、
約0℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される、請求項11から17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
式(I-A)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む、請求項11から18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
式(I-A)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる、請求項11から19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
式(I-C)の化合物
【化7】
が、酸および溶媒の存在下、式(I-D)の化合物
【化8】
を臭素化剤と反応させることによって合成される、請求項11から20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記臭素化剤が、N-ブロモスクシンイミド、トリブロモイソシアヌル酸、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインおよび臭素から選択される、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
前記臭素化剤が、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである、請求項21または22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記酸が、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、臭化水素酸、リン酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸から選択される、請求項21から23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記酸が、硫酸である、請求項21から24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記溶媒が、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項21から25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記溶媒が、アセトニトリルである、請求項21から26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
式(I-D)の化合物、臭素化剤、酸および溶媒が、
12時間以内の間、
約0℃~約15℃の間の温度で、
撹拌される、請求項21から27のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項29】
式(I-C)の化合物を抽出するステップ、およびこれを濃縮によって単離するステップをさらに含む、請求項21から28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
式(I-C)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる、請求項21から29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
式(I-B)の化合物
【化9】
が、塩基の存在下、式(I-E)の化合物
【化10】
を、式(I-F)の化合物
【化11】
(式中、
Zは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させることによって合成される
請求項1から30のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項32】
前記塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記塩基が、ピリジンである、請求項31または32に記載のプロセス。
【請求項34】
式(I-E)の化合物、式(I-F)の化合物および塩基が、
2時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される、請求項31から33のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項35】
式(I-B)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む、請求項31から34のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項36】
式(I-B)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる、請求項31から35のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項37】
式(I-F)の化合物
【化12】
が、溶媒の存在下、式(I-G)の化合物
【化13】
を、ハロゲン化アシル調製剤と反応させることによって合成される、請求項31から36のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項38】
前記ハロゲン化アシル調製剤が、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンおよび塩化シアヌルから選択される、請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
前記ハロゲン化アシル調製剤が、塩化オキサリルである、請求項37または38に記載のプロセス。
【請求項40】
前記溶媒が、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項37から39のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項41】
前記溶媒が、テトラヒドロフランである、請求項37から40のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項42】
式(I-G)の化合物、ハロゲン化アシル調製剤および溶媒が、
16時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される、請求項37から41のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項43】
式(II)のCRACチャネル阻害剤:
【化14】
または薬学的に許容されるその塩を合成するプロセスであって、
塩基、触媒および溶媒の存在下、式(II-A)の化合物
【化15】
を、式(I-B)の化合物
【化16】
と反応させるステップを含む、プロセス。
【請求項44】
前記塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記塩基が、リン酸カリウムである、請求項43または44に記載のプロセス。
【請求項46】
前記触媒が、Pd(acac)、[Pd(アリル)Cl]、Pd(MeCN)Cl、Pd(dba)、Pd(TFA)、Pd(dba)、Pd(dba)・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PCyCl、Pd(PPhCl、Pd[P(o-tol)Cl、Pd(amphos)Cl、Pd(dppf)Cl、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(dtbpf)Cl、Pd(MeCN)(BF、PdCl、XPhos-Pd-G3、Pd-PEPPSI(商標)-IPr、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrおよびPd-PEPPSI(商標)-IPentから選択される、請求項43から45のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項47】
前記触媒が、Pd(PPhである、請求項43から46のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項48】
前記溶媒が、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項43から47のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項49】
前記溶媒が、1,4-ジオキサンである、請求項43から48のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項50】
式(II-A)の化合物、式(II-B)の化合物、塩基、触媒および溶媒が、
16時間以内の間、
約75℃~約80℃の間の温度で、
撹拌される、請求項43から49のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項51】
式(II)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む、請求項43から50のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項52】
式(II)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる、請求項43から51のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項53】
式(II-A)の化合物
【化17】
が、塩基および溶媒の存在下、式(II-C)の化合物
【化18】
を、ホウ素化剤と反応させることによって合成される、請求項43から52のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項54】
前記ホウ素化剤が、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランから選択される、請求項53に記載のプロセス。
【請求項55】
前記ホウ素化剤が、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、請求項53または54に記載のプロセス。
【請求項56】
前記塩基が、塩化イソプロピルマグネシウム、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリド、臭化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウムおよびtert-ブチルリチウムから選択される、請求項53から55のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項57】
前記塩基が、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドである、請求項53から56のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項58】
前記溶媒が、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項53から57のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項59】
溶媒が、テトラヒドロフランである、請求項53から58のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項60】
式(II-C)の化合物、ホウ素化剤、塩基および溶媒が、
2時間以内の間、
約0℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される、請求項53から59のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項61】
式(II-A)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む、請求項53から60のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項62】
式(II-A)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる、請求項53から61のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項63】
式(II-C)の化合物
【化19】
が、酸および溶媒の存在下、式(II-D)の化合物
【化20】
を、臭素化剤と反応させることによって合成される、請求項53から62のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項64】
前記臭素化剤が、N-ブロモスクシンイミド、トリブロモイソシアヌル酸、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインおよび臭素から選択される、請求項63に記載のプロセス。
【請求項65】
前記臭素化剤が、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである、請求項63または64に記載のプロセス。
【請求項66】
前記酸が、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、臭化水素酸、リン酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸から選択される、請求項63から65のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項67】
前記酸が、硫酸である、請求項63から66のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項68】
前記溶媒が、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項63から67のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項69】
前記溶媒が、アセトニトリルである、請求項63から68のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項70】
式(II-D)の化合物、臭素化剤、酸および溶媒が、
12時間以内の間、
約0℃~約15℃の間の温度で、
撹拌される、請求項63から69のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項71】
式(II-C)の化合物を抽出するステップ、およびこれを濃縮によって単離するステップをさらに含む、請求項63から70のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項72】
式(II-C)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる、請求項63から71のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項73】
式(II-B)の化合物
【化21】
が、式(II-E)の化合物
【化22】
を、塩基の存在下、式(II-F)の化合物
【化23】
(式中、Zは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させることによって合成される、請求項43から72のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項74】
前記塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される、請求項73に記載のプロセス。
【請求項75】
前記塩基が、ピリジンである、請求項73または74に記載のプロセス。
【請求項76】
式(II-E)の化合物、式(II-F)の化合物および塩基が、
2時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される、請求項73から75のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項77】
式(II-B)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む、請求項73から76のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項78】
式(II-B)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる、請求項73から77のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項79】
式(II-F)の化合物
【化24】
が、式(II-G)の化合物
【化25】
を、溶媒の存在下、ハロゲン化アシル調製剤と反応させることによって合成される、請求項73から78のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項80】
前記ハロゲン化アシル調製剤が、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンおよび塩化シアヌルから選択される、請求項79に記載のプロセス。
【請求項81】
前記ハロゲン化アシル調製剤が、塩化オキサリルである、請求項79または80に記載のプロセス。
【請求項82】
前記溶媒が、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される、請求項79から81のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項83】
前記溶媒が、テトラヒドロフランである、請求項79から82のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項84】
式(II-G)の化合物、ハロゲン化アシル調製剤および溶媒が、
16時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される、請求項79から83のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
カルシウムは、細胞機能および生存において必須の役割を果たす。例えば、カルシウムは、細胞および細胞内へのシグナルの伝達における重要な元素である。成長因子、神経伝達物質、ホルモン、および様々な他のシグナル分子に対する細胞応答が、カルシウム依存過程を介して始まる。
【背景技術】
【0002】
実際に、すべての細胞タイプが、ある様式で、細胞質Ca2+シグナルの発生に依存して、細胞機能を調節するか、または特異的応答の引き金となる。細胞質Ca2+シグナルは、収縮および分泌などの短期的な応答から、細胞成長および増殖という長期調節までの範囲に及ぶ幅広い細胞機能を制御する。通常、これらのシグナルは、小胞体(ER)などの細胞内貯蔵からのCa2+放出と、原形質膜を通過するCa2+の流入とのある組合せを含む。一例では、細胞の活性化は、表面膜受容体へのアゴニストの結合から始まり、このアゴニストは、G-タンパク質機構により、ホスホリパーゼC(PLC)に結合する。PLC活性化により、イノシトール1,4,5-トリホスフェート(IP3)の生成がもたらされ、これは、次に、IP3受容体を活性化して、ERからのCa2+の放出を引き起こす。次に、ERのCa2+の低下により、シグナルが発生し、原形質膜ストア作動性カルシウム(SOC)チャネルが活性化される。
【0003】
ストア作動性カルシウム(SOC)流入は、このような多様な機能を制御する、細胞生理学における過程であり、該機能は、限定されるものではないが、例えば、細胞内Ca2+ストアの再充填(非特許文献1)、酵素活性の活性化(非特許文献2)、遺伝子転写(非特許文献3)、細胞増殖(非特許文献4)、およびサイトカイン放出(非特許文献5)などである。一部の非興奮性細胞、例えば、血液細胞、免疫細胞、造血細胞、Tリンパ球および肥満細胞では、SOC流入は、SOCチャネルのタイプである、カルシウム放出活性化カルシウム(CRAC)チャネルにより起こる。
【0004】
カルシウム流入機構は、ストア作動性カルシウム流入(SOCE)と称されてきた。間質相互作用分子(STIM)タンパク質は、SOCチャネル機能の必須構成要素であり、細胞内貯蔵からカルシウムの枯渇を検出し、SOCチャネルを活性化するためのセンサーとして働く。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Putneyら、Cell、75、199~201、1993
【非特許文献2】Faganら、J.Biol.Chem.275:26530~26537、2000
【非特許文献3】Lewis、Annu.Rev.Immunol.19:497~521、2001
【非特許文献4】Nunezら、J.Physiol.571.1、57~73、2006
【非特許文献5】Winslowら、Curr.Opin.Immunol.15:299~307、2003
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、式(I)のCRACチャネル阻害剤:
【0007】
【化1】
(式中、
、RおよびRは、水素、ハロゲンおよびC~Cアルキル(水素、ハロゲン、-OH、-OR、-CN、-N(Rおよび-NOから独立して選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換されている)から出現ごとに独立して選択されるか、
または2つのR基は、それらが結合している原子と一緒になって、炭素環を形成し、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2、3、4または5であり、
は、水素;ならびにC1~6アルキル、C2~6アルケニルおよびC2~6アルキニル(それぞれ、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-NHおよびOCHによって出現ごとに任意選択で置換されていてもよい)から出現ごとに独立して選択される)
または薬学的に許容されるその塩を合成するプロセスであって、
塩基、触媒および溶媒の存在下、式(I-A)の化合物
【0008】
【化2】
を、式(I-B)の化合物
【0009】
【化3】
(式中、Xは、-B(OH)、-BF
【0010】
【化4】
から選択され、
Yは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させるステップを含む、プロセスが、本明細書において提供される。
【0011】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、リン酸カリウムである。
【0012】
一部の実施形態では、触媒は、Pd(acac)、[Pd(アリル)Cl]、Pd(MeCN)Cl、Pd(dba)、Pd(TFA)、Pd(dba)、Pd(dba)・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PCyCl、Pd(PPhCl、Pd[P(o-tol)Cl、Pd(amphos)Cl、Pd(dppf)Cl、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(dtbpf)Cl、Pd(MeCN)(BF、PdCl、XPhos-Pd-G3、Pd-PEPPSI(商標)-IPr、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrおよびPd-PEPPSI(商標)-IPentから選択される。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PPhである。
【0013】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。
【0014】
一部の実施形態では、式(I-A)の化合物、式(I-B)の化合物、塩基、触媒および溶媒は、
16時間以内の間、
約75℃~約80℃の間の温度で、
撹拌される。
【0015】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(I)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0016】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。
【0017】
一部の実施形態では、式(I-A)の化合物
【0018】
【化5】
は、塩基および溶媒の存在下、式(I-C)の化合物
【0019】
【化6】
を、ホウ素化剤と反応させることによって合成される。
【0020】
一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランから選択される。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。
【0021】
一部の実施形態では、塩基は、塩化イソプロピルマグネシウム、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリド(isopropylmagnesium lithium chloride)、臭化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウムおよびtert-ブチルリチウムから選択される。一部の実施形態では、塩基は、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドである。
【0022】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒はテトラヒドロフランである。
【0023】
一部の実施形態では、式(I-C)の化合物、ホウ素化剤、塩基および溶媒は、
2時間以内の間、
約0℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0024】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(I-A)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0025】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-A)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。
【0026】
一部の実施形態では、式(I-C)の化合物
【0027】
【化7】
は、酸および溶媒の存在下、式(I-D)の化合物
【0028】
【化8】
を、臭素化剤と反応させることによって合成される。
【0029】
一部の実施形態では、臭素化剤は、N-ブロモスクシンイミド、トリブロモイソシアヌル酸、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインおよび臭素から選択される。一部の実施形態では、臭素化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである。
【0030】
一部の実施形態では、酸は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、臭化水素酸、リン酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸から選択される。一部の実施形態では、酸は、硫酸である。
【0031】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。
【0032】
一部の実施形態では、式(I-D)の化合物、臭素化剤、酸および溶媒は、
12時間以内の間、
約0℃~約15℃の間の温度で、
撹拌される。
【0033】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(I-C)の化合物を抽出するステップ、およびこれを濃縮によって単離するステップをさらに含む。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-C)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。
【0034】
一部の実施形態では、式(I-B)の化合物
【0035】
【化9】
は、塩基の存在下、式(I-E)の化合物
【0036】
【化10】
を、式(I-F)の化合物
【0037】
【化11】
(式中、Zは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させることによって合成される。
【0038】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、ピリジンである。
【0039】
一部の実施形態では、式(I-E)の化合物、式(I-F)の化合物および塩基は、
2時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0040】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(I-B)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0041】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-B)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。
【0042】
一部の実施形態では、式(I-F)の化合物
【0043】
【化12】
は、溶媒の存在下、式(I-G)の化合物
【0044】
【化13】
を、ハロゲン化アシル調製剤と反応させることによって合成される。
【0045】
一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンおよび塩化シアヌルから選択される。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリルである。
【0046】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒はテトラヒドロフランである。
【0047】
一部の実施形態では、式(I-G)の化合物、ハロゲン化アシル調製剤および溶媒は、
16時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0048】
別の態様では、式(II)のCRACチャネル阻害剤:
【0049】
【化14】
または薬学的に許容されるその塩を合成するプロセスであって、
塩基、触媒および溶媒の存在下、式(II-A)の化合物
【0050】
【化15】
を、式(I-B)の化合物
【0051】
【化16】
と反応させるステップを含む、プロセスが、本明細書において提供される。
【0052】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、リン酸カリウムである。
【0053】
一部の実施形態では、触媒は、Pd(acac)、[Pd(アリル)Cl]、Pd(MeCN)Cl、Pd(dba)、Pd(TFA)、Pd(dba)、Pd(dba)・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PCyCl、Pd(PPhCl、Pd[P(o-tol)Cl、Pd(amphos)Cl、Pd(dppf)Cl、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(dtbpf)Cl、Pd(MeCN)(BF、PdCl、XPhos-Pd-G3、Pd-PEPPSI(商標)-IPr、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrおよびPd-PEPPSI(商標)-IPentから選択される。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PPhである。
【0054】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。
【0055】
一部の実施形態では、式(II-A)の化合物、式(II-B)の化合物、塩基、触媒および溶媒は、
16時間以内の間、
約75℃~約80℃の間の温度で、
撹拌される。
【0056】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(II)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0057】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。
【0058】
一部の実施形態では、式(II-A)の化合物
【0059】
【化17】
は、塩基および溶媒の存在下、式(II-C)の化合物
【0060】
【化18】
を、ホウ素化剤と反応させることによって合成される。
【0061】
一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランから選択される。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。
【0062】
一部の実施形態では、塩基は、塩化イソプロピルマグネシウム、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリド、臭化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウムおよびtert-ブチルリチウムから選択される。一部の実施形態では、塩基は、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドである。
【0063】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒はテトラヒドロフランである。
【0064】
一部の実施形態では、式(II-C)の化合物、ホウ素化剤、塩基および溶媒は、
2時間以内の間、
約0℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0065】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(II-A)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0066】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-A)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。
【0067】
一部の実施形態では、式(II-C)の化合物
【0068】
【化19】
は、酸および溶媒の存在下、式(II-D)の化合物
【0069】
【化20】
を、臭素化剤と反応させることによって合成される。
【0070】
一部の実施形態では、臭素化剤は、N-ブロモスクシンイミド、トリブロモイソシアヌル酸、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインおよび臭素から選択される。一部の実施形態では、臭素化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである。
【0071】
一部の実施形態では、酸は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、臭化水素酸、リン酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸から選択される。一部の実施形態では、酸は、硫酸である。
【0072】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。
【0073】
一部の実施形態では、式(II-D)の化合物、臭素化剤、酸および溶媒は、
12時間以内の間、
約0℃~約15℃の間の温度で、
撹拌される。
【0074】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(II-C)の化合物を抽出するステップ、およびこれを濃縮によって単離するステップをさらに含む。
【0075】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-C)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。
【0076】
一部の実施形態では、式(II-B)の化合物
【0077】
【化21】
は、塩基の存在下、式(II-E)の化合物
【0078】
【化22】
を、式(II-F)の化合物
【0079】
【化23】
(式中、Zは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させることによって合成される。
【0080】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、ピリジンである。
【0081】
一部の実施形態では、式(II-E)の化合物、式(II-F)の化合物および塩基は、
2時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0082】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(II-B)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0083】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-B)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。
【0084】
一部の実施形態では、式(II-F)の化合物
【0085】
【化24】
は、溶媒の存在下、式(II-G)の化合物
【0086】
【化25】
をハロゲン化アシル調製剤と反応させることによって合成される。
【0087】
一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンおよび塩化シアヌルから選択される。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリルである。
【0088】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒はテトラヒドロフランである。
【0089】
一部の実施形態では、式(II-G)の化合物、ハロゲン化アシル調製剤および溶媒は、
16時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0090】
参照による組込み
本明細書において明記されている刊行物、特許および特許出願はすべて、あたかも個々の刊行物、特許または特許出願のそれぞれが、具体的かつ個々に、参照により組み込まれるよう示されているかのごとく、同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0091】
定義
特に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語はすべて、特許請求されている主題が属する分野において一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書における用語に関して複数の定義がある場合、この項目にある定義が優先する。特許、特許出願、刊行物、ならびに本明細書において言及されている公開されたヌクレオチドおよびアミノ酸配列(例えば、GenBankまたは他のデータベースにおいて入手可能な配列)は、参照により組み込まれている。URLまたは他のこのような識別子またはアドレスを参照する場合、このような識別子は、変更することができ、インターネット上の特定の情報は、移り替わり得るが、等価な情報が、インターネットを検索することによって見出されることが理解される。これらへの参照は、利用可能性およびこのような情報が公的に普及していることの証拠となる。
【0092】
上述の一般的な記載および以下の詳細説明は、例示的で説明的なものに過ぎず、特許請求されたいかなる主題も制限するものではないことを理解すべきである。本出願では、単数の使用は、具体的に特に明記されていない限り、複数を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明白に示さない限り、複数の指示物を含むことに留意しなければならない。本出願において、「または」の使用は、特に明記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」、ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」および「含まれた(included)」などの他の形態の使用は、限定ではない。
【0093】
本明細書において使用される項目の見出しは、体系化目的に過ぎず、記載されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0094】
標準的な化学用語の定義は、以下に限定されないが、Carey and Sundberg「ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4TH ED.」、A(2000)およびB(2001)、Plenum Press、New Yorkを含めた参考文献に見出される。特に示さない限り、当分野の技量の範囲内の、質量分光法、NMR、HPLC、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技法および薬理学の従来の方法が使用される。
【0095】
用語「CRACチャネル阻害剤」とは、小胞体における低下したカルシウムレベルをゆっくりと補充する、特殊な原形質膜Ca2+イオンチャネルであるカルシウム放出活性化チャネル(CRAC)を抑制する阻害剤を指す。
【0096】
用語、CRACチャネル活性を「阻害する(inhibits)」、「阻害すること(inhibiting)」またはCRACチャネル活性の「阻害剤(inhibitor)」とは、本明細書において使用する場合、ストア作動されたカルシウムチャネル活性またはカルシウム放出活性化カルシウムチャネル活性の阻害を指す。
【0097】
本明細書において使用する場合、C~Cは、C~C、C~C・・・C~Cを含む。C~Cとは、これが表す(任意選択の置換基を除外する)部分を構成する炭素原子の数を指す。
【0098】
「アルキル」基は、脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基は、不飽和単位を含んでもよく、または含まなくてもよい。アルキル部分は、「飽和アルキル」基であってもよく、これは、アルキル部分が、不飽和単位(すなわち、炭素-炭素二重結合または炭素-炭素三重結合)をなんら含有しないことを意味する。アルキル基はまた、「不飽和アルキル」部分であってもよく、これは、このアルキル基が不飽和単位を少なくとも1つ含有することを意味する。アルキル部分は、飽和または不飽和いずれについても、分岐状、直鎖状または環式であってもよい。
【0099】
「アルキル」基は、1~6個の炭素原子を有することができる(本明細書において、「アルキル」基が現れる場合は常に、「1~6」などの数値範囲は、所与の範囲の各整数を指す;例えば、「1~6個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、最大で6個(6個を含む)の炭素原子からなることができることを意味するが、本明細書での定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキル」が出現することも包含する)。本明細書において記載されている化合物のアルキル基は、「C~Cアルキル」または類似の表示として表すことができる。単なる例として、「C~Cアルキル」は、アルキル鎖中に、1~6個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルキル鎖は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、ヘキシル、プロペン-3-イル(アリル)、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルからなる群から選択される。アルキル基は、置換され得るか、または置換され得ない。アルキル基は、構造に依存して、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アルキレン基)とすることができる。
【0100】
用語「アルケニル」とは、アルキル基の最初の2個の原子が、芳香族基の部分ではない二重結合を形成する、アルキル基のタイプを指す。すなわち、アルケニル基は、原子-C(R)=CRから始まり、Rは、アルケニル基の残りの部分を指し、これらは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。アルケニル基の非限定例には、-CH=CH、-C(CH)=CH、-CH=CHCH、-CH=C(CHおよび-C(CH)=CHCHが含まれる。アルケニル部分は、分岐状、直鎖状または環式(この場合、「シクロアルケニル」基としても知られている)であってもよい。アルケニル基は、2~6個の炭素を有することができる。アルケニル基は、置換され得るか、または置換され得ない。アルケニル基は、構造に依存して、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アルケニレン基)とすることができる。
【0101】
用語「アルキニル」とは、アルキル基の最初の2個の原子が、三重結合を形成する、アルキル基のタイプを指す。すなわち、アルキニル基は、原子-C≡C-Rから始まり、ここで、Rは、アルキニル基の残りの部分を指す。アルキニル基の非限定例には、-C≡CH、-C≡CCH、-C≡CCHCHおよび-C≡CCHCHCHが含まれる。アルキニル部分の「R」部分は、分岐状、直鎖状または環式であってもよい。アルキニル基は、2~6個の炭素を有することができる。アルキニル基は、置換され得るか、または置換され得ない。アルキニル基は、構造に依存して、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アルキニレン基)とすることができる。
【0102】
「炭素環」とは、環の各原子が炭素である、飽和環、不飽和環または芳香族環を指す。炭素環は、単環式であってもよく、または多環式であってもよく、3~10員の単環式環、6~12員の二環式環および6~12員の架橋環を含むことができる。二環式炭素環の各環は、飽和環、不飽和環および芳香族環から選択することができる。一部の実施形態では、炭素環は、アリールである。一部の実施形態では、炭素環は、シクロアルキルである。一部の実施形態では、炭素環は、シクロアルケニルである。例示的な実施形態では、芳香族環、例えばフェニルは、飽和環または不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタンまたはシクロヘキセンに縮合していてもよい。価数が許容する場合、飽和、不飽和および芳香族二環式環の任意の組合せが、炭素環式の定義に含まれる。例示的な炭素環には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アダマンチル、フェニル、インダニルおよびナフチルが含まれる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、炭素環は、本明細書に記載されているそのような置換基などの1つまたは複数の置換基によって、任意選択で置換されている。
【0103】
用語「ハロ」または代替的に「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0104】
本明細書において開示されている化合物は、一部の実施形態では、例えば、H、H、11C、13Cおよび/または14Cの含有率に富む、様々な富化同位体で使用される。特定の一実施形態では、本明細書に記載されている化合物は、少なくとも1つの位置において重水素化されている。このような重水素化形態は、米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載されている手順によって作製され得る。米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載されている通り、重水素化は、代謝安定性およびまたは効力を改善し、こうして、薬物の作用期間を増大することができる。
【0105】
特に明記しない限り、本明細書において図示されている構造は、1個または複数個の同位体性富化原子が存在することしか違いのない化合物を含むことが意図される。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置き換えまたは13Cもしくは14C富化炭素による炭素の置き換えを除いては、提示されている構造を有している化合物が、本開示の範囲内にある。
【0106】
本開示の化合物は、このような化合物を構成する1個または複数個の原子において、原子同位体を非天然の比率で任意選択で含有する。例えば、本化合物は、重水素(H)、トリチウム(H)、ヨウ素-125(125I)または炭素-14(14C)などの同位体により標識されていてもよい。H、11C、13C、14C、15C、12N、13N、15N、16N、16O、17O、14F、15F、16F、17F、18F、33S、34S、35S、36S、35Cl、37Cl、79Br、81Br、125Iによる同位体置換のすべてが企図される。放射活性があるか、または否かに関わらず、本明細書において記載されている化合物のすべての同位体変形体が、本開示の範囲内に包含される。
【0107】
ある種の実施形態では、本明細書において開示されている化合物は、H原子の一部またはすべてがH原子により置き換えられている。重水素含有化合物の合成方法は、当分野で公知であり、非限定例に過ぎない、以下の合成方法を含む。
【0108】
重水素置換化合物は、Dean、Dennis C.;編、Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development.[In:Curr.,Pharm.Des.、2000;6(10)]2000、110;George W.;Varma,Rajender S.、The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates、Tetrahedron、1989、45(21)、6601~21;およびEvans,E.Anthony.Synthesis of radiolabeled compounds、J. Radioanal.Chem.、1981、64(1~2)、9~32に記載されているものなどの、様々な方法を使用して合成される。
【0109】
重水素化されている出発原料は、容易に入手可能であり、本明細書に記載されている合成方法を施すと、重水素含有化合物の合成をもたらす。多数の重水素含有試薬およびビルディングブロックが、Aldrich Chemical Co.などの化学品供給業者から商業的に入手可能である。
【0110】
ヨードメタン-d(CDI)などの求核置換反応に使用するのに好適な重水素移動試薬が容易に入手可能であり、求核置換反応条件下で、反応基質に重水素置換炭素原子を移動させるために使用することができる。CDIの使用は、単なる例として、以下の反応スキーム中に例示される。
【0111】
【化26】
【0112】
重水素化リチウムアルミニウム(LiAlD)などの重水素移動試薬を使用して、還元条件下、重水素を反応基質に移動させる。LiAlDの使用は、単なる例として、以下の反応スキーム中に例示される。
【0113】
【化27】
【0114】
以下の反応スキームに単なる例として例示されている通り、重水素ガスおよびパラジウム触媒を使用して、不飽和炭素-炭素連結基を還元する、およびアリール炭素-ハロゲン結合の還元的置換を行う。
【0115】
【化28】
【0116】
用語「非極性溶媒」とは、大きな電気双極子モーメントのない溶媒を指す。本明細書において使用する場合、「非極性溶媒」の例には、以下に限定されないが、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、四塩化炭素、トルエン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテルおよびクロロホルムが含まれる。
【0117】
用語「非プロトン性極性溶媒」とは、酸性水素原子のない溶媒を指す。本質的に、「非プロトン性極性溶媒」は、S2型反応を補助する、水素結合相互作用を促進しない。「極性非プロトン性溶媒」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、クロロホルム、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネートおよびジクロロメタンが含まれる。
【0118】
用語「プロトン性極性溶媒」とは、分離しやすい(labile)水素原子、または酸性の水素原子を有する溶媒を指す。「プロトン性極性溶媒」は、水素結合相互作用を促進する。「極性非プロトン性溶媒」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、水、酢酸、ギ酸、メタノール、エタノール、n-プロパノールおよびt-ブタノールが含まれる。
【0119】
用語「酸」とは、分離しやすい水素原子、または酸性の水素原子を有する分子を指す。「酸」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、トリフルオロ酢酸、2,2,2-トリフルオロエタノール、硫酸、硝酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸、リン酸、塩素酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、ギ酸および塩酸が含まれる。
【0120】
用語「塩基」とは、別の分子から水素原子を引き抜くことができる分子を指す。「塩基」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸三カリウム、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウムおよびトリエチルアミンが含まれる。
【0121】
用語「カップリング反応」とは、2つの断片が、金属触媒、「触媒」または「カップリング触媒」により、一緒になる化学反応を指す。「カップリング反応」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、Suzuki、Negishi、StilleまたはLiebeskind-Sroglカップリング反応が含まれる。「カップリング触媒」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、銅、パラジウム、ニッケルまたは鉄から誘導される触媒を含む。用語「パラジウムをベースとする触媒」とは、カップリング反応に使用される、パラジウムにより誘導されるカップリング触媒を指す。「パラジウムをベースとする触媒」には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(dppf)Cl、Pd(dtpbf)Cl、Pd(dba)、Pd(PCy、Pd(dppe)Cl、Pd(t-BuP)、PdCl[P(o-Tol)、塩化ベンジルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、(A-Phos)ClPd、NaPdClおよびPdCl(PPhが含まれる。
【0122】
用語「臭素化剤」とは、通常、有機反応剤に臭素原子を付与するために使用される化学試薬を指す。「臭素化剤」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、臭素、臭素1,4-ジオキサン錯体、ブロモトリクロロメタン、1,2-ジブロモ-1,1,2,2-テトラクロロエタン、四臭化炭素、三臭化テトラブチルアンモニウム、三臭化トリメチルフェニルアンモニウム、三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、ピリジニウムブロミドペルブロミド、4-ジメチルアミノピリジニウムブロミドペルブロミド、三臭化1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン三臭化水素酸塩、N-ブロモスクシンイミド、N-ブロモフタルイミド、N-ブロモサッカリン、N-ブロモアセトアミド、2-ブロモ-2シアノ-N,N-ジメチルアセトアミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン、ジブロモイソシアヌル酸、ブロモイソシアヌル酸一ナトリウム水和物、三臭化ホウ素、三臭化リン、臭化ブロモジメチルスルホニウム、5,5-ジブロモメルドラム酸、2,4,4,6-テトラブロモ-2,5-シクロヘキサジエノン、ビス(2,4,6-トリメチルピリジン)-ブロモニウムヘキサフルオロホスフェートおよび臭化トリメチルシリルが含まれる。
【0123】
用語「ホウ素化剤」とは、通常、有機反応剤にホウ素含有官能基を付与するために使用される化学試薬を指す。「ホウ素化剤」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、テトラヒドロキシジボロン、カテコールボラン、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、4,6,6-トリメチル-1,3,2-ジオキサボリナン、ジイソプロピルアミンボラン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(カテコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス[(ピナコラト)ボリル]メタン、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、HB(trip)、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランが含まれる。
【0124】
用語「ハロゲン化アシル調製剤」とは、通常、有機反応剤にハロゲン化アシル官能基を付与するために使用される化学試薬を指す。「ハロゲン化アシル調製剤」の例には、本明細書において使用する場合、以下に限定されないが、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンおよび塩化シアヌルが含まれる。
【0125】
本明細書に記載されている化合物は、薬学的に許容される塩として形成されてもよく、および/または薬学的に許容される塩として使用されてもよい。薬学的に許容される塩のタイプには、以下に限定されないが:(1)遊離塩基形態の化合物を、薬学的に許容される無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタリン酸など);または有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸など)と反応させることによって形成される、酸付加塩;(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えば、マグネシウムまたはカルシウム)またはアルミニウムイオンによって置き換えられると形成される塩が含まれる。一部の場合、本明細書に記載されている化合物は、以下に限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基と配位物を形成してもよい。他の場合、本明細書に記載されている化合物は、以下に限定されないが、アルギニン、リシンなどのアミノ酸と塩を形成することができる。酸性プロトンを含む化合物と塩を形成させるために使用される許容される無機塩基には、以下に限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが含まれる。
【0126】
薬学的に許容される塩を述べる場合、溶媒付加形態、またはその結晶形態、特に溶媒和物または多形を含むことが理解されるべきである。溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶媒のどちらかを含有し、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との結晶化の過程の間に形成されることがある。水和物は、溶媒が水である場合に形成されるか、または溶媒がアルコールである場合にはアルコレートが形成される。本明細書に記載されている化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されているプロセスの間に、都合良く調製され得るか、または形成され得る。さらに、本明細書において提供される化合物は、非溶媒和形態および溶媒和物形態で存在することができる。一般に、溶媒和物形態は、本明細書において提供されている化合物および方法の場合、非溶媒和物形態と等価であると考えられる。
【0127】
さらに、本明細書に記載されている化合物は、多形としても知られている結晶形態を含む。多形は、化合物の同じ元素組成からなる異なる結晶充填配列を含む。多形は、通常、異なるX線回折パターン、融点、密度、硬度、結晶形状、光学特性、安定性および溶解度を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度および保管温度などの様々な因子により、単結晶形態の優位となることがある。
【0128】
本明細書に開示されている合成方法は、CRACチャネル阻害剤を生成する方法である。一部の実施形態では、この方法は、キログラムの量を生成する。本方法は、複数の望ましくない不純物の存在を排除することによって、これまでの合成経路を改善することができる。
【0129】
CRACチャネル阻害剤を合成する改善プロセス
CRACチャネル阻害剤およびその中間体を調製するのに有用なプロセスが、本明細書において提供される。特に、例えば、スキーム1に示されている、N-(5-(6-クロロ-2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)ピラジン-2-イル)-2-フルオロ-6-メチルベンズアミド(化合物3.1)または薬学的に許容されるその塩の製造のプロセスおよび方法が、本明細書において提供される。
【0130】
【化29】
【0131】
一部の実施形態では、本プロセスは、以前に開示されたプロセスよりも改善をもたらす。一部の実施形態では、スキーム1に示されている本開示のプロセスは、スキーム2に示されているPCT/US2020/031506に開示されたプロセスよりも改善をもたらす。
【0132】
【化30】
【0133】
本開示のプロセスにより、PCT/US2020/031506のプロセスに関する7合成工程とは対照的に、6合成工程で、化合物1.1および2.1から化合物3.1が得られる。総工程数が少ないことにより、溶媒の使用量の低下、ならびに廃棄物および環境影響の最小化をもたらす。特に、本開示のプロセスは、ジクロロメタンなどの、懸念されるいくつかの溶媒および試薬を回避する。
【0134】
PCT/US2020/031506のプロセスでは、化合物2.1からの化合物2.2の調製は、二臭化不純物をもたらす過剰臭素化を受けた。したがって、このプロセスでは、75%収率および87%の純度で化合物2.2が得られた。反対に、本開示のプロセスでは、82%収率および97%純度で化合物2.2が得られ、二臭素化不純物の生産が回避される。さらに、本プロセスは、PCT/US2020/031506のプロセスが3日間の反応であることとは対照的に、12時間で完了する。
【0135】
PCT/US2020/031506のプロセスでは、ホウ素化Suzukiカップリングパートナー化合物4.3の調製は、廃棄物が多い保護および脱保護スキームを必要とし、脱ハロゲン化不純物の生産をもたらした。反対に、本開示のプロセスは、脱ハロゲン化不純物の生産を回避すると同時に、ホウ素化Suzukiカップリングパートナー化合物2.3をもたらす。この改善により、化合物3.1の精製が大幅に単純になり、化合物3.1の定量的純度での取得をもたらした。
【0136】
さらに、本開示のプロセスにより、トリフルオロ酢酸などの非常に望ましくない試薬の使用が回避され、本開示のプロセスの環境影響をさらに最小化する。さらに、本開示のプロセスは、カラムクロマトグラフィーを必要とせず、したがって、シリカゲルの使用が回避される。
【0137】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているプロセスにより、一層高い総収率で化合物3.1が得られる(例えば、PCT/US2020/031506のプロセスの場合、総収率33%に比べて総収率は45%となる)。
【0138】
一態様では、式(I)のCRACチャネル阻害剤:
【0139】
【化31】
(式中、
、RおよびRは、水素、ハロゲンおよびC~Cアルキル(水素、ハロゲン、-OH、-OR、-CN、-N(Rおよび-NOから独立して選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換されている)から出現ごとに独立して選択されるか、
または2つのR基は、それらが結合している原子と一緒になって、炭素環を形成し、
nは、0、1、2または3であり、
mは、0、1、2、3、4または5であり、
は、水素;およびC1~6アルキル、C2~6アルケニルおよびC2~6アルキニル(それぞれ、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-NHおよびOCHによって出現ごとに任意選択で置換されていてもよい)から出現ごとに独立して選択される)
または薬学的に許容されるその塩を合成するプロセスが、本明細書において提供される。
【0140】
別の態様では、式(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IE)、(IF)および(IG)のCRACチャネル阻害剤:
【0141】
【化32】
またはそれらのいずれか1つの塩を合成するプロセスが、本明細書において提供される。
【0142】
ある種の実施形態では、式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IE)、(IF)および(IG)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、R、RおよびRは、水素、ハロゲンおよびC~Cアルキル(水素、ハロゲン、-OH、-OR、-CN、-N(Rおよび-NOから独立して選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換されている)から出現ごとに独立して選択される。
【0143】
ある種の実施形態では、式(I)、(IA)、(IB)、(IC)および(ID)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、nは、0、1、2または3である。ある種の実施形態では、式(I)、(IA)、(IB)、(IC)および(ID)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、nは、0、1または2である。ある種の実施形態では、式(I)、(IA)、(IB)、(IC)および(ID)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、nは、0または1である。ある種の実施形態では、式(I)、(IA)、(IB)、(IC)および(ID)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、nは、1である。
【0144】
ある種の実施形態では、式(I)、(IA)および(IB)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、mは、0、1、2、3または4である。ある種の実施形態では、式(I)、(IA)および(IB)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、mは、0、1、2または3である。ある種の実施形態では、式(I)、(IA)および(IB)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、mは、0、1または2である。ある種の実施形態では、式(I)、(IA)および(IB)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、mは、2である。
【0145】
ある種の実施形態では、式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IE)、(IF)および(IG)のいずれか1つの化合物または塩に関すると、Rは、水素;およびC1~6アルキル、C2~6アルケニルおよびC2~6アルキニルから出現ごとに独立して選択され、これらはそれぞれ、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-NHおよび-OCHによって出現ごとに任意選択で置換されていてもよい。
【0146】
別の態様では、式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)、(IE)、(IF)および(IG)のCRACチャネル阻害剤を合成するプロセスであって、
塩基、触媒および溶媒の存在下、式(I-A)の化合物
【0147】
【化33】
を、式(I-B)の化合物
【0148】
【化34】
(式中、
Xは、-B(OH)、-BF
【0149】
【化35】
から選択され、
Yは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させるステップを含む、プロセスが本明細書において提供される。
【0150】
一部の実施形態では、Xは、-B(OH)、-BF
【0151】
【化36】
から選択される。一部の実施形態では、Xは、-B(OH)である。一部の実施形態では、Xは、-BFKである。一部の実施形態では、Xは、
【0152】
【化37】
である。一部の実施形態では、Xは、
【0153】
【化38】

である。一部の実施形態では、Xは、
【0154】
【化39】
である。
【0155】
一部の実施形態では、Yは、Cl、BrおよびIから選択される。一部の実施形態では、Yは、Clである。一部の実施形態では、Yは、Brである。一部の実施形態では、Yは、Iである。
【0156】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、ピペリジンである。一部の実施形態では、塩基は、ピリジンである。一部の実施形態では、塩基は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。一部の実施形態では、塩基は、ナトリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸セシウムである。一部の実施形態では、塩基は、リン酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。一部の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0157】
一部の実施形態では、触媒は、Pd(acac)、[Pd(アリル)Cl]、Pd(MeCN)Cl、Pd(dba)、Pd(TFA)、Pd(dba)、Pd(dba)・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PCyCl、Pd(PPhCl、Pd[P(o-tol)Cl、Pd(amphos)Cl、Pd(dppf)Cl、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(dtbpf)Cl、Pd(MeCN)(BF、PdCl、XPhos-Pd-G3、Pd-PEPPSI(商標)-IPr、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrおよびPd-PEPPSI(商標)-IPentから選択される。一部の実施形態では、触媒は、Pd(acac)である。一部の実施形態では、触媒は、[Pd(アリル)Cl]である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(MeCN)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(TFA)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)・CHClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PPhである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(OAc)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PCyClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PPhClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd[P(o-tol)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(amphos)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dppf)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dppf)Cl・CHClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dtbpf)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(MeCN)(BFである。一部の実施形態では、触媒は、PdClである。一部の実施形態では、触媒は、XPhos-Pd-G3である。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-IPrである。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrである。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-IPentである。
【0158】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0159】
一部の実施形態では、式(I-A)の化合物、式(I-B)の化合物、塩基、触媒および溶媒は、
16時間以内の間、
約75℃~約80℃の間の温度で、
撹拌される。
【0160】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(I)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0161】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I)の化合物が約60%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I)の化合物が約65%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。
【0162】
一部の実施形態では、式(I-A)の化合物
【0163】
【化40】
は、塩基および溶媒の存在下、式(I-C)の化合物
【0164】
【化41】
を、ホウ素化剤と反応させることによって合成される。
【0165】
一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランから選択される。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。
【0166】
一部の実施形態では、塩基は、塩化イソプロピルマグネシウム、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリド、臭化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウムおよびtert-ブチルリチウムから選択される。一部の実施形態では、塩基は、塩化イソプロピルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドである。一部の実施形態では、塩基は、臭化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、塩化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、ヨウ化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、塩化エチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、臭化エチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、臭化イソプロピルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、メチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、エチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、イソプロピルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、n-ブチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、tert-ブチルリチウムである。
【0167】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0168】
一部の実施形態では、式(I-C)の化合物、ホウ素化剤、塩基および溶媒は、
2時間以内の間、
約0℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0169】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(I-A)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0170】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-A)の化合物が約60%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-A)の化合物が約65%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-A)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-A)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。
【0171】
一部の実施形態では、式(I-C)の化合物
【0172】
【化42】
は、酸および溶媒の存在下、式(I-D)の化合物
【0173】
【化43】
を臭素化剤と反応させることによって合成される。
【0174】
一部の実施形態では、臭素化剤は、N-ブロモスクシンイミド、トリブロモイソシアヌル酸、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインおよび臭素から選択される。一部の実施形態では、臭素化剤は、N-ブロモスクシンイミドである。一部の実施形態では、臭素化剤は、トリブロモイソシアヌル酸である。一部の実施形態では、臭素化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである。一部の実施形態では、臭素化剤は、臭素である。
【0175】
一部の実施形態では、酸は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、臭化水素酸、リン酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸から選択される。一部の実施形態では、酸は、塩酸である。一部の実施形態では、酸は、硫酸である。一部の実施形態では、酸は、硝酸である。一部の実施形態では、酸は、酢酸である。一部の実施形態では、酸は、臭化水素酸である。一部の実施形態では、酸は、リン酸である。一部の実施形態では、酸は、ギ酸である。一部の実施形態では、酸は、トリフルオロ酢酸である。
【0176】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0177】
一部の実施形態では、式(I-D)の化合物、臭素化剤、酸および溶媒は、
12時間以内の間、
約0℃~約15℃の間の温度で、
撹拌される。
【0178】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(I-C)の化合物を抽出するステップ、およびこれを濃縮によって単離するステップをさらに含む。
【0179】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-C)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-C)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-C)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-C)の化合物が約85%を超える合成収率で得られる。
【0180】
一部の実施形態では、式(I-B)の化合物
【0181】
【化44】
は、塩基の存在下、式(I-E)の化合物
【0182】
【化45】
を、式(I-F)の化合物
【0183】
【化46】
(式中、
Zは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させることによって合成される。
【0184】
一部の実施形態では、Zは、Cl、BrおよびIから選択される。一部の実施形態では、Zは、Clである。一部の実施形態では、Zは、Brである。一部の実施形態では、Zは、Iである。
【0185】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、ピペリジンである。一部の実施形態では、塩基は、ピリジンである。一部の実施形態では、塩基は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。一部の実施形態では、塩基は、ナトリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸セシウムである。一部の実施形態では、塩基は、リン酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。一部の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0186】
一部の実施形態では、式(I-E)の化合物、式(I-F)の化合物および塩基は、
2時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0187】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(I-B)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0188】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-B)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-B)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-B)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I-B)の化合物が約85%を超える合成収率で得られる。
【0189】
一部の実施形態では、式(I-F)の化合物
【0190】
【化47】
は、溶媒の存在下、式(I-G)の化合物
【0191】
【化48】
をハロゲン化アシル調製剤と反応させることによって合成される。
【0192】
一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンおよび塩化シアヌルから選択される。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化チオニルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化ホスホリルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、三塩化リンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、五塩化リンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、ホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、ジホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、トリホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化シアヌルである。
【0193】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0194】
一部の実施形態では、式(I-G)の化合物、ハロゲン化アシル調製剤および溶媒は、
16時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0195】
一態様では、式(IE)のCRACチャネル阻害剤:
【0196】
【化49】
(式中、
、RおよびRは、水素、ハロゲンおよびC~Cアルキル(水素、ハロゲン、-OH、-OR、-CN、-N(Rおよび-NOから独立して選択される1つまたは複数の置換基により任意選択で置換されている)から出現ごとに独立して選択されるか、
または2つのR基は、それらが結合している原子と一緒になって、炭素環を形成し、
は、水素;ならびにC1~6アルキル、C2~6アルケニルおよびC2~6アルキニル(それぞれ、ハロゲン、-CN、-NO、-OH、-NHおよびOCHによって出現ごとに任意選択で置換されていてもよい)から出現ごとに独立して選択される)
または薬学的に許容されるその塩を合成するプロセスであって、
塩基、触媒および溶媒の存在下、式(IE-A)の化合物
【0197】
【化50】
を、式(IE-B)の化合物
【0198】
【化51】
(式中、Xは、-B(OH)、-BF
【0199】
【化52】
から選択され、
Yは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させるステップを含む、プロセスが、本明細書において提供される。
【0200】
一部の実施形態では、Xは、-B(OH)、-BF
【0201】
【化53】

から選択される。一部の実施形態では、Xは、-B(OH)である。一部の実施形態では、Xは、-BFKである。一部の実施形態では、Xは、
【0202】
【化54】

である。一部の実施形態では、Xは、
【0203】
【化55】

である。一部の実施形態では、Xは、
【0204】
【化56】

である。
【0205】
一部の実施形態では、Yは、Cl、BrおよびIから選択される。一部の実施形態では、Yは、Clである。一部の実施形態では、Yは、Brである。一部の実施形態では、Yは、Iである。
【0206】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、ピペリジンである。一部の実施形態では、塩基は、ピリジンである。一部の実施形態では、塩基は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。一部の実施形態では、塩基は、ナトリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸セシウムである。一部の実施形態では、塩基は、リン酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。一部の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0207】
一部の実施形態では、触媒は、Pd(acac)、[Pd(アリル)Cl]、Pd(MeCN)Cl、Pd(dba)、Pd(TFA)、Pd(dba)、Pd(dba)・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PCyCl、Pd(PPhCl、Pd[P(o-tol)Cl、Pd(amphos)Cl、Pd(dppf)Cl、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(dtbpf)Cl、Pd(MeCN)(BF、PdCl、XPhos-Pd-G3、Pd-PEPPSI(商標)-IPr、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrおよびPd-PEPPSI(商標)-IPentから選択される。一部の実施形態では、触媒は、Pd(acac)である。一部の実施形態では、触媒は、[Pd(アリル)Cl]である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(MeCN)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(TFA)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)・CHClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PPhである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(OAc)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PCyClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PPhClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd[P(o-tol)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(amphos)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dppf)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dppf)Cl・CHClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dtbpf)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(MeCN)(BFである。一部の実施形態では、触媒は、PdClである。一部の実施形態では、触媒は、XPhos-Pd-G3である。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-IPrである。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrである。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-IPentである。
【0208】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0209】
一部の実施形態では、式(IE-A)の化合物、式(IE-B)の化合物、塩基、触媒および溶媒は、
16時間以内の間、
約75℃~約80℃の間の温度で、
撹拌される。
【0210】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(IE)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0211】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE)の化合物が約60%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE)の化合物が約65%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。
【0212】
一部の実施形態では、式(IE-A)の化合物
【0213】
【化57】
は、塩基および溶媒の存在下、式(IE-C)の化合物
【0214】
【化58】
を、ホウ素化剤と反応させることによって合成される。
【0215】
一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランから選択される。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。
【0216】
一部の実施形態では、塩基は、塩化イソプロピルマグネシウム、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリド、臭化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウムおよびtert-ブチルリチウムから選択される。一部の実施形態では、塩基は、塩化イソプロピルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドである。一部の実施形態では、塩基は、臭化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、塩化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、ヨウ化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、塩化エチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、臭化エチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、臭化イソプロピルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、メチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、エチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、イソプロピルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、n-ブチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、tert-ブチルリチウムである。
【0217】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0218】
一部の実施形態では、式(IE-C)の化合物、ホウ素化剤、塩基および溶媒は、
2時間以内の間、
約0℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0219】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(IE-A)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0220】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-A)の化合物が約60%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-A)の化合物が約65%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-A)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-A)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。
【0221】
一部の実施形態では、式(IE-C)の化合物
【0222】
【化59】
は、酸および溶媒の存在下、式(IE-D)の化合物
【0223】
【化60】
を臭素化剤と反応させることによって合成される。
【0224】
一部の実施形態では、臭素化剤は、N-ブロモスクシンイミド、トリブロモイソシアヌル酸、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインおよび臭素から選択される。一部の実施形態では、臭素化剤は、N-ブロモスクシンイミドである。一部の実施形態では、臭素化剤は、トリブロモイソシアヌル酸である。一部の実施形態では、臭素化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである。一部の実施形態では、臭素化剤は、臭素である。
【0225】
一部の実施形態では、酸は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、臭化水素酸、リン酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸から選択される。一部の実施形態では、酸は、塩酸である。一部の実施形態では、酸は、硫酸である。一部の実施形態では、酸は、硝酸である。一部の実施形態では、酸は、酢酸である。一部の実施形態では、酸は、臭化水素酸である。一部の実施形態では、酸は、リン酸である。一部の実施形態では、酸は、ギ酸である。一部の実施形態では、酸は、トリフルオロ酢酸である。
【0226】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0227】
一部の実施形態では、式(IE-D)の化合物、臭素化剤、酸および溶媒は、
12時間以内の間、
約0℃~約15℃の間の温度で、
撹拌される。
【0228】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(IE-C)の化合物を抽出するステップ、およびこれを濃縮によって単離するステップをさらに含む。
【0229】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-C)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-C)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-C)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-C)の化合物が約85%を超える合成収率で得られる。
【0230】
一部の実施形態では、式(IE-B)の化合物
【0231】
【化61】
は、塩基の存在下、式(I-E)の化合物
【0232】
【化62】
を、式(IE-F)の化合物
【0233】
【化63】
(式中、Zは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させることによって合成される。
【0234】
一部の実施形態では、Zは、Cl、BrおよびIから選択される。一部の実施形態では、Zは、Clである。一部の実施形態では、Zは、Brである。一部の実施形態では、Zは、Iである。
【0235】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、ピペリジンである。一部の実施形態では、塩基は、ピリジンである。一部の実施形態では、塩基は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。一部の実施形態では、塩基は、ナトリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸セシウムである。一部の実施形態では、塩基は、リン酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。一部の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0236】
一部の実施形態では、式(I-E)の化合物、式(IE-F)の化合物および塩基は、
2時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0237】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(IE-B)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0238】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-B)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-B)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-B)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(IE-B)の化合物が約85%を超える合成収率で得られる。
【0239】
一部の実施形態では、式(IE-F)の化合物
【0240】
【化64】
は、溶媒の存在下、式(IE-G)の化合物
【0241】
【化65】
をハロゲン化アシル調製剤と反応させることによって合成される。
【0242】
一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンおよび塩化シアヌルから選択される。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化チオニルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化ホスホリルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、三塩化リンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、五塩化リンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、ホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、ジホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、トリホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化シアヌルである。
【0243】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0244】
一部の実施形態では、式(IE-G)の化合物、ハロゲン化アシル調製剤および溶媒は、
16時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0245】
別の態様では、式(II)のCRACチャネル阻害剤:
【0246】
【化66】
または薬学的に許容されるその塩を合成するプロセスであって、
塩基、触媒および溶媒の存在下、式(II-A)の化合物
【0247】
【化67】
を、式(I-B)の化合物
【0248】
【化68】
と反応させるステップを含む、プロセスが、本明細書において提供される。
【0249】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、ピペリジンである。一部の実施形態では、塩基は、ピリジンである。一部の実施形態では、塩基は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。一部の実施形態では、塩基は、ナトリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸セシウムである。一部の実施形態では、塩基は、リン酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。一部の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0250】
一部の実施形態では、触媒は、Pd(acac)、[Pd(アリル)Cl]、Pd(MeCN)Cl、Pd(dba)、Pd(TFA)、Pd(dba)、Pd(dba)・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)、Pd(PCyCl、Pd(PPhCl、Pd[P(o-tol)Cl、Pd(amphos)Cl、Pd(dppf)Cl、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(dtbpf)Cl、Pd(MeCN)(BF、PdCl、XPhos-Pd-G3、Pd-PEPPSI(商標)-IPr、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrおよびPd-PEPPSI(商標)-IPentから選択される。一部の実施形態では、触媒は、Pd(acac)である。一部の実施形態では、触媒は、[Pd(アリル)Cl]である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(MeCN)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(TFA)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dba)・CHClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PPhである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(OAc)である。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PCyClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(PPhClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd[P(o-tol)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(amphos)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dppf)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dppf)Cl・CHClである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(dtbpf)Clである。一部の実施形態では、触媒は、Pd(MeCN)(BFである。一部の実施形態では、触媒は、PdClである。一部の実施形態では、触媒は、XPhos-Pd-G3である。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-IPrである。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-SIPrである。一部の実施形態では、触媒は、Pd-PEPPSI(商標)-IPentである。
【0251】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0252】
一部の実施形態では、式(II-A)の化合物、式(II-B)の化合物、塩基、触媒および溶媒は、
16時間以内の間、
約75℃~約80℃の間の温度で、
撹拌される。
【0253】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(II)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0254】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II)の化合物が約60%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II)の化合物が約65%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(I)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。
【0255】
一部の実施形態では、式(II-A)の化合物
【0256】
【化69】
は、塩基および溶媒の存在下、式(II-C)の化合物
【0257】
【化70】
を、ホウ素化剤と反応させることによって合成される。
【0258】
一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランから選択される。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-メトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。一部の実施形態では、ホウ素化剤は、2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである。
【0259】
一部の実施形態では、塩基は、塩化イソプロピルマグネシウム、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリド、臭化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウムおよびtert-ブチルリチウムから選択される。一部の実施形態では、塩基は、塩化イソプロピルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリドである。一部の実施形態では、塩基は、臭化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、塩化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、ヨウ化メチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、塩化エチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、臭化エチルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、臭化イソプロピルマグネシウムである。一部の実施形態では、塩基は、メチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、エチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、イソプロピルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、n-ブチルリチウムである。一部の実施形態では、塩基は、tert-ブチルリチウムである。
【0260】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0261】
一部の実施形態では、式(II-C)の化合物、ホウ素化剤、塩基および溶媒は、
2時間以内の間、
約0℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0262】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(II-A)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0263】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-A)の化合物が約60%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-A)の化合物が約65%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-A)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-A)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。
【0264】
一部の実施形態では、式(II-C)の化合物
【0265】
【化71】
は、酸および溶媒の存在下、式(II-D)の化合物
【0266】
【化72】
を臭素化剤と反応させることによって合成される。
【0267】
一部の実施形態では、臭素化剤は、N-ブロモスクシンイミド、トリブロモイソシアヌル酸、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインおよび臭素から選択される。一部の実施形態では、臭素化剤は、N-ブロモスクシンイミドである。一部の実施形態では、臭素化剤は、トリブロモイソシアヌル酸である。一部の実施形態では、臭素化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである。一部の実施形態では、臭素化剤は、臭素である。
【0268】
一部の実施形態では、酸は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、臭化水素酸、リン酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸から選択される。一部の実施形態では、酸は、塩酸である。一部の実施形態では、酸は、硫酸である。一部の実施形態では、酸は、硝酸である。一部の実施形態では、酸は、酢酸である。一部の実施形態では、酸は、臭化水素酸である。一部の実施形態では、酸は、リン酸である。一部の実施形態では、酸は、ギ酸である。一部の実施形態では、酸は、トリフルオロ酢酸である。
【0269】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0270】
一部の実施形態では、式(II-D)の化合物、臭素化剤、酸および溶媒は、
12時間以内の間、
約0℃~約15℃の間の温度で、
撹拌される。
【0271】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(II-C)の化合物を抽出するステップ、およびこれを濃縮によって単離するステップをさらに含む。
【0272】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-C)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-C)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-C)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-C)の化合物が約85%を超える合成収率で得られる。
【0273】
一部の実施形態では、式(II-B)の化合物
【0274】
【化73】
は、式(II-E)の化合物
【0275】
【化74】
を、塩基の存在下、式(II-F)の化合物
【0276】
【化75】
(式中、Zは、Cl、BrおよびIから選択される)
と反応させることによって合成される。
【0277】
一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、塩基は、炭酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸水素ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、ピペリジンである。一部の実施形態では、塩基は、ピリジンである。一部の実施形態では、塩基は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンである。一部の実施形態では、塩基は、ナトリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、塩基は、炭酸セシウムである。一部の実施形態では、塩基は、リン酸カリウムである。一部の実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。一部の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0278】
一部の実施形態では、式(II-E)の化合物、式(II-F)の化合物および塩基は、
2時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【0279】
一部の実施形態では、本プロセスは、式(II-B)の化合物を沈殿させるステップ、およびこれをろ過によって単離するステップをさらに含む。
【0280】
一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-B)の化合物が約70%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-B)の化合物が約75%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-B)の化合物が約80%を超える合成収率で得られる。一部の実施形態では、本プロセスにより、式(II-B)の化合物が約85%を超える合成収率で得られる。
【0281】
一部の実施形態では、式(II-F)の化合物
【0282】
【化76】
は、溶媒の存在下、式(II-G)の化合物
【0283】
【化77】
をハロゲン化アシル調製剤と反応させることによって合成される。
【0284】
一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリル、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リン、五塩化リン、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンおよび塩化シアヌルから選択される。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化オキサリルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化チオニルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化ホスホリルである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、三塩化リンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、五塩化リンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、ホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、ジホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、トリホスゲンである。一部の実施形態では、ハロゲン化アシル調製剤は、塩化シアヌルである。
【0285】
一部の実施形態では、溶媒は、水、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルから選択される。一部の実施形態では、溶媒は、水である。一部の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。一部の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフランである。一部の実施形態では、溶媒は、ジエチルエーテルである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミドである。一部の実施形態では、溶媒は、ジメチルスルホキシドである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、アセトニトリルである。一部の実施形態では、溶媒は、1,4-ジオキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、ヘキサンである。一部の実施形態では、溶媒は、メチルtert-ブチルエーテルを含む。
【0286】
一部の実施形態では、式(II-G)の化合物、ハロゲン化アシル調製剤および溶媒は、
16時間以内の間、
約20℃~約25℃の間の温度で、
撹拌される。
【実施例
【0287】
これらの実施例は、例示目的のためだけに提示されており、本明細書において提示される特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書において記載されている化合物の合成に使用される出発原料および試薬は、合成されるか、または以下に限定されないが、Sigma-Aldrich、Acros Organics、FlukaおよびFischer Scientificなどの市販源から得られる。
【実施例1】
【0288】
N-(5-ブロモピラジン-2-イル)-2-フルオロ-6-メチルベンズアミド(化合物1.3)の合成
【0289】
【化78】
【0290】
工程1:塩化2-フルオロ-6-メチルベンゾイル(化合物1.2)の調製
下、100mLの3つ口丸底フラスコ中で、化合物1.1(5.00g、32.4mmol、1.00当量)およびDMF(23.7mg、324.3μmol、0.01当量)を25℃で無水THF(50mL)に溶解した。この溶液を極低温循環浴によって10~15℃に冷却し、塩化オキサリル(4.32g、34.0mmol、1.05当量)を滴下して加えた。得られた反応混合物を20~25℃で16時間、撹拌した。化合物1.1が完全に変換されたら、反応溶液を精製することなく、次の合成工程へと持ち越した。
【0291】
工程2:N-(5-ブロモピラジン-2-イル)-2-フルオロ-6-メチルベンズアミド(化合物1.3)の調製
化合物1.1のTHF溶液に、25℃で5-ブロモピラジン-2-アミン(5.08g、29.2mmol、0.9当量)を加えた。この反応混合物を極低温循環浴によって0~5℃に冷却し、ピリジン(5.13g、64.9mmol、2.00当量)を0~5℃で滴下して加えた。得られた反応混合物を20~25℃で2時間、撹拌した。化合物1.2が完全に変換されたら、この反応溶液に20~25℃で撹拌しながら氷水(50mL)を加え、この混合物をEtOAc(20mL、10mL)により2回、抽出した。合わせた有機相をNaSOで脱水し、ろ過して減圧下で濃縮すると、粗製化合物1.3が15.4g得られた。粗製化合物1.3(15.4g)を25℃で3時間、MTBE(60mL)と共にすり潰し、懸濁液をろ過し、フィルターケーキを減圧下で乾燥すると、化合物1.3(9.1g、26.4mmol、81%収率、90%純度)が灰色固体として得られた。
【実施例2】
【0292】
2-(6-クロロ-2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(化合物2.3)の合成
【0293】
【化79】
【0294】
工程1:5-ブロモ-6-クロロ-2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール(化合物2.2)の調製
100mLの3つ口丸底フラスコ中で、化合物2.1(3.00g、15.5mmol、1.00当量)をACN(30mL)に溶解し、25℃でDBDMH(4.90g、17.1mmol、1.10当量)を加えた。この溶液を極低温循環浴によって0~5℃に冷却し、HSO(6.8g、70.1mmol、4.50当量)を滴下して加えた。得られた反応混合物を10~15℃で12時間、撹拌した。化合物2.1が完全に変換されたら、10~15℃で撹拌しながらこの反応溶液に氷水(30mL)を滴下して加え、この混合物をMTBEにより2回(10mL、5mL)抽出した。合わせた有機相を1M NaOH(20mL)により洗浄した。有機相をNaSOで脱水し、ろ過して減圧下で濃縮すると、化合物2.2(3.60g、12.8mmol、82%収率、97%純度)が淡黄色液体として得られた。化合物2.2を精製することなく、次の合成工程へと持ち越した。
【0295】
工程2:2-(6-クロロ-2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(化合物2.3)の調製
下、100mLの3つ口丸底フラスコ中で、化合物2.2(3.60g、12.8mmol、1.00当量)および2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(3.11g、16.7mmol)を25℃で無水THF(21mL)に溶解した。この溶液を極低温循環浴によって0~5℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムリチウムクロリド(1.30M溶液、12.8mL、1.30当量)を滴下して加えた。得られた反応混合物を20~25℃で2時間、撹拌した。化合物2.2が完全に変換されたら、この反応溶液に20~25℃で撹拌しながら、氷水(50mL)を加えた。混合物をセライトのパッドに通してろ過し、フィルターケーキをMTBEにより2回(20mL、10mL)洗浄し、ろ液をMTBE(10mL、5mL)により2回、抽出した。合わせた有機相をNaSOで脱水し、ろ過して減圧下で濃縮すると、化合物2.3(3.87g、9.84mmol、76%収率、81%純度)が淡黄色ワックス状固体として得られた。化合物2.3を精製することなく、次の合成工程へと持ち越した。
【実施例3】
【0296】
N-(5-(6-クロロ-2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)ピラジン-2-イル)-2-フルオロ-6-メチルベンズアミド(化合物3.1)の合成
【0297】
【化80】
【0298】
100mLの3つ口丸底フラスコ中で、N下、化合物2.3(3.87g、9.84mmol、1.00当量)および化合物1.3(3.56g、10.3mmol、1.05当量)を25℃で1,4-ジオキサン(38mL)に溶解した。KPO(6.27g、29.5mmol、3.00当量)およびPd(PPh(568mg、492μmol、0.05当量)を25℃にて1回で加えた。得られた反応混合物を脱気し、75~80℃において16時間、撹拌した。化合物2.3が完全に変換されたら、この溶液を濃縮し、得られた残留物をMTBE(30mL)および水(30mL)に加え、40℃で30分間、撹拌した。この混合物をMTBE(50mL、20mL)により2回、抽出した。合わせた有機相をNaSOで脱水し、ろ過して減圧下で濃縮すると、粗製化合物3.1が4.10g得られた。粗製化合物3.1を25℃で6時間、IPA/n-ヘキサン(V/V=1:8、50mL)と共にすり潰し、得られた懸濁液をろ過し、フィルターケーキを減圧下で乾燥すると、化合物3.1(3.3g、7.82mmol、79%収率、100%純度)がオフホワイト色の固体として得られた。
【0299】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され記載されているが、このような実施形態が単なる例として提示されていることは、当業者に明白である。当業者は、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更および置き換えを想到するであろう。本発明の実施に、本明細書に記載されている本発明の実施形態への様々な代替を使用することができることを理解すべきである。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定すること、ならびにこれらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が、これらにより包含されることが意図される。
【国際調査報告】