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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ケラチン繊維のための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20231124BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20231124BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/84
A61Q5/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552681
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 JP2021044600
(87)【国際公開番号】W WO2022118979
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】2100339
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】P 2020199434
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アイザック・エン・ティン・リー
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 宜己
(72)【発明者】
【氏名】イ-ユン・ツァオ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC072
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC692
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD492
4C083CC33
4C083EE06
(57)【要約】
本発明は、(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーと、(b)少なくとも1種のアミノシリコーンとを含む、ケラチン繊維を処理するための組成物であって、(b)アミノシリコーンが、2,000未満の重合度を有する、組成物に関する。本発明は、毛髪等のケラチン繊維に、改善したコンディショニング効果、詳細にはより重くない感触及びより少ないべとつきをもたらすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーと、
(b)少なくとも1種のアミノシリコーンと
を含む、ケラチン繊維を処理するための組成物であって、
前記(b)アミノシリコーンが、2,000未満の重合度を有する、組成物。
【請求項2】
前記ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドが、式(A):
【化1】
(式中、
R1は、例えば1~18個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のアルキレン基を表し、
R2は、例えば1~12個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す)
によって表され、
且つ
前記飽和二酸が、式(B):
【化2】
(式中、
X1は、直鎖状又は分枝状のアルキレン基、好ましくは直鎖状のアルキレン基-(CH2)x-(式中、xは、1~30、好ましくは3~15の整数である)である)
によって表される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーが、水素添加ヒマシ油/セバシン酸コポリマーである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーの量が、組成物の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.3質量%~10質量%、より好ましくは0.5質量%~5質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記(b)アミノシリコーンの量が、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
(c)少なくとも1種の、(b)アミノシリコーン以外のシリコーンを更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記(c)シリコーンが、2,000未満の重合度を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記(c)シリコーンの量が、組成物の総質量に対して、0.1質量%~30質量%、好ましくは0.5質量%~25質量%未満、より好ましくは1質量%~20質量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(d)少なくとも1種の、ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルを更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
(e)水を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
(f)少なくとも1種の脂肪アルコールを更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
(g)少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
化粧用組成物、好ましくはリンスオフタイプの化粧用組成物、より好ましくはリンスオフタイプの毛髪化粧用組成物である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
ケラチン繊維、好ましくは毛髪をケアする又はコンディショニングする美容方法であって、
ケラチン繊維上に、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程
を含む、方法。
【請求項15】
ケラチン繊維を処理するための組成物中での、該組成物のケラチン繊維のためのコンディショニング効果を増強する又は改善するための、
(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーと、
(b)少なくとも1種のアミノシリコーンと
の使用であって、
前記(b)アミノシリコーンが、2,000未満の重合度を有する、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪等のケラチン繊維を処理するための、例えばコンディショニングするための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪化粧料の分野において、毛髪コンディショニング効果は非常に重要な特性である。多様なリーブオンタイプ及びリンスオフタイプの毛髪ケア美容製品が、毛髪をコンディショニングするために使用されてきた。
【0003】
上記のコンディショニング効果を増強するために、シリコーン等の疎水性成分を添加することが提案されてきた。シリコーン、詳細にはアミノシリコーンは、毛髪の損傷を効果的に修復することができ、したがって、それらは、毛髪コンディショニング効果をもたらすことができる。
【0004】
JP-B-4754326は、水素添加ヒマシ油/セバシン酸コポリマーを含み、且つ3,000~20,000の高い重合度を有するアミノ変性シリコーン及び/又は3,000~20,000の高い重合度を有する非変性シリコーンを含む、毛髪用化粧用組成物を開示している。
【0005】
しかしながら、毛髪コンディショニング効果を改善する必要性が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】JP-B-4754326
【特許文献2】米国特許第4185087号
【特許文献3】欧州特許第A0530974号
【特許文献4】仏国特許出願公開第8516334号
【特許文献5】米国特許第4957732号
【特許文献6】欧州特許第0186507号
【特許文献7】欧州特許第0750848号
【特許文献8】JP-A-2003-226609
【特許文献9】JP-A-2004-256515
【特許文献10】JP-A-2005-179377
【特許文献11】仏国特許第03/02809号
【特許文献12】米国特許第4874554号
【特許文献13】米国特許第4137180号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Walter NOLL、「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年)、Academic Press
【非特許文献2】Cosmetics and Toiletries、第91巻、1976年1月、27~32頁、TODD & BYERS、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、毛髪等のケラチン繊維に、改善したコンディショニング効果、詳細にはより重くない感触及びより少ないべとつきをもたらすことができる組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的は、
(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーと、
(b)少なくとも1種のアミノシリコーンと
を含む、ケラチン繊維を処理するための組成物であって、
(b)アミノシリコーンが、2,000未満の重合度を有する、組成物によって達成され得る。
【0010】
ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドは、式(A):
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、
R1は、例えば1~18個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のアルキレン基を表し、
R2は、例えば1~12個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す)
によって表されてもよく、
且つ
飽和二酸は、式(B):
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、
X1は、直鎖状又は分枝状のアルキレン基、好ましくは直鎖状のアルキレン基-(CH2)x-(式中、xは、1~30、好ましくは3~15の整数である)である)
によって表されてもよい。
【0015】
(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーは、水素添加ヒマシ油/セバシン酸コポリマーであってもよい。
【0016】
本発明による組成物中の(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.3質量%~10質量%、より好ましくは0.5質量%~5質量%であってもよい。
【0017】
本発明による組成物中の(b)アミノシリコーンの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%であってもよい。
【0018】
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種の、(b)アミノシリコーン以外のシリコーンを更に含んでもよい。
【0019】
(c)シリコーンは、2,000未満の重合度を有してもよい。
【0020】
本発明による組成物中の(c)シリコーンの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.05質量%~25質量%未満、より好ましくは0.1質量%~20質量%であってもよい。
【0021】
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種の、ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステルを更に含んでもよい。
【0022】
本発明による組成物は、(e)水を更に含んでもよい。
【0023】
本発明による組成物は、(f)少なくとも1種の脂肪アルコールを更に含んでもよい。
【0024】
本発明による組成物は、(g)少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を更に含んでもよい。
【0025】
本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくはリンスオフタイプの化粧用組成物、より好ましくはリンスオフタイプの毛髪化粧用組成物であってもよい。
【0026】
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくは毛髪をケアする又はコンディショニングする美容方法であって、
ケラチン繊維上に、本発明による組成物を適用する工程
を含む、方法にも関する。
【0027】
本発明はまた、ケラチン繊維を処理するための組成物中での、該組成物のケラチン繊維のためのコンディショニング効果を増強する又は改善するための、
(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーと、
(b)少なくとも1種のアミノシリコーンと
の使用であって、
(b)アミノシリコーンが、2,000未満の重合度を有する、使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
鋭意検討の結果、発明者らは、毛髪等のケラチン繊維に、改善したコンディショニング効果、詳細にはより重くない感触及びより少ないべとつきをもたらすことができる組成物を提供することが可能であることを発見した。
【0029】
そのため、本発明は、
(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーと、
(b)少なくとも1種のアミノシリコーンと
を含む、ケラチン繊維を処理するための組成物であって、
(b)アミノシリコーンが、2,000未満の重合度を有する、組成物に主に関する。
【0030】
本発明は、毛髪等のケラチン繊維に、改善したコンディショニング効果、詳細にはより重くない感触及びより少ないべとつきをもたらすことができる。
【0031】
本発明による組成物はまた、ケラチン繊維に、良好な管理容易性も付与することができる。
【0032】
そのため、本発明は、ケラチン繊維の美容処理のために、好ましくはケラチン繊維をコンディショニングするために、より好ましくは軽い触感及び滑らかさをケラチン繊維に付与するために、有用である。
【0033】
本発明による組成物はまた、ケラチン繊維に、過剰に重い/脂っぽい触感を付与することなく、ケラチン繊維上の均質なコーティングも付与することができる。
【0034】
「ケラチン繊維」は、本明細書では、少なくとも1種のケラチン物質を含む繊維を意味する。ケラチン繊維の表面の少なくとも一部がケラチン物質によって形成されていることが好ましい。ケラチン繊維の例には、毛髪、眉毛、睫毛等が挙げられる。本発明が、毛髪を処理するために使用されることが好ましい。
【0035】
これ以降、本発明は、詳細に説明されることになる。
【0036】
[組成物]
本発明の一態様は、
(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーと、
(b)少なくとも1種のアミノシリコーンと
を含む、毛髪等のケラチン繊維を処理するための組成物であって、
(b)アミノシリコーンが、2,000未満の重合度を有する、組成物に関する。
【0037】
(ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマー)
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーを含む。2種以上の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーが使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0038】
用語「オリゴマー」は、本明細書では、そこで比較的少ない数のモノマーが結合されているポリマーを意味する。オリゴマー中のモノマーの数が、100以下、より好ましくは50以下、更により好ましくは20以下であることが好ましい。
【0039】
(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーは、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリド(例えば水素添加ヒマシ油)と飽和二酸との反応によって得ることができる。この反応は、エステル化であってもよい。そのため、(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーは、ヒドロキシ化脂肪酸と飽和二酸とのオリゴエステルであってもよい。
【0040】
本発明によれば、二酸は、それからそれが構成されている炭化水素系鎖が、不飽和基、すなわち炭素-炭素二重結合を有していないときに、飽和であると言われる。用語「二酸」は、本明細書では、2つの-COOHカルボキシル官能基を含む炭化水素系化合物を意味する。二酸は、単一の二酸であってもよく、又はいくつかの異なる二酸の混合物であってもよい。
【0041】
同様に、本発明の意味において、オリゴマーは、いくつかの異なるオリゴマーの混合物であることができる。
【0042】
使用されうる飽和二酸の中で、セバシン酸(又は1,10-デカン二酸)、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、オクタデカメチレンジカルボン酸及びエイコサジカルボン酸を挙げることができる。
【0043】
より詳細には、オリゴマーは、そのモノマーが、トリグリセリドの式(A)、及び二酸の式(B):
【0044】
【化3】
【0045】
(式中、
R1は、例えば1~18個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のアルキレン基を表し、好ましくは-(CH2)l-基(式中、「l」は、1~20、特に3~16、例えば6~12で変化しうる)を表し、
R2は、例えば1~12個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、好ましくは-(CH2)m-CH3基(式中、「m」は、0~11、特に2~11、例えば3~9で変化しうる)を表し、
且つ
式中、
X1は、直鎖状又は分枝状のアルキレン基を表し、好ましくは直鎖状のアルキレン基-(CH2)x-(式中、「x」は、1~30、好ましくは3~15の整数である)を表す)
によって表される、オリゴマーであってもよい。
【0046】
一実施形態では、l=10であり、m=5であり、且つ上記式(A)中の基:
【0047】
【化4】
【0048】
は、12-ヒドロキシステアリン酸(水素添加ヒマシ油の主要な成分)のアルキル残基を表す。
【0049】
二酸がセバシン酸であるとき、X1は、直鎖状のアルキレン基-(CH2)x-(式中、「x」は8である)を表す。
【0050】
オリゴマーの平均重合度は、3から12の間で、好ましくは4から10の間で多様であってもよい。
【0051】
そのため、(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーは、式(C):
【0052】
【化5】
【0053】
(式中、
R1、R2及びX1のそれぞれは、上に説明した意味を有し、
nは、3から12の間、好ましくは4から10の間の平均重合度を意味する)
によって表されてもよい。
【0054】
上記式(C)中の以下の基:
【0055】
【化6】
【0056】
が、12-ヒドロキシステアリン酸のアルキル残基を表すことが好ましく、且つX1が、-(CH2)8-を表すことが好ましい。
【0057】
(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーが、水素添加ヒマシ油とセバシン酸とのオリゴマー、すなわち水素添加ヒマシ油とセバシン酸とから形成された水素添加ヒマシ油/セバシン酸コポリマーであることが、より好ましい。
【0058】
水素添加ヒマシ油/セバシン酸コポリマーは、特にクローダ株式会社により、重合度に応じて様々な名称で販売されている。
【0059】
水素添加ヒマシ油/セバシン酸コポリマーの中で、約4.6の重合度を有するものが商品名「CROMADOL CWS-5」で入手可能であり、約9.5の重合度を有するものが商品名「CROMADOL CWS-10」で入手可能であり、クローダジャパン株式会社により販売されている。
【0060】
クローダ株式会社により名称CRODABOND CSA(MW=3,500)で販売されている、水素添加ヒマシ油とセバシン酸とのオリゴマーもまた挙げることができる。
【0061】
(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上の量で存在してもよい。
【0062】
(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下の量で存在してもよい。
【0063】
(a)ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.3質量%~10質量%、より好ましくは0.5質量%~5質量%の範囲の量で存在してもよい。
【0064】
(アミノシリコーン)
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種のアミノシリコーンを含む。単一のタイプのアミノシリコーンを使用してもよく、又は2種以上の異なるタイプのアミノシリコーンを組み合わせて使用してもよい。
【0065】
本発明によれば、(b)アミノシリコーンは、2,000未満の重合度を有する。
【0066】
重合度は、ポリマーを形成している繰り返し単位の数である。重合度は、本明細書では、重合度の平均値、好ましくは重合度の数平均値を表す。
【0067】
(b)アミノシリコーンとして、化粧の分野における任意のアミノシリコーン化合物を使用することができる。
【0068】
用語「アミノシリコーン」は、本明細書では、少なくとも1つの第一級、第二級若しくは第三級アミン基、又は少なくとも1つの第四級アンモニウム基を含むシリコーンを意味する。
【0069】
本発明において使用されうる(b)アミノシリコーンとして、以下を引用することができる:
(i)式(A)に相当するポリシロキサン
【0070】
【化7】
【0071】
(式中、x'及びy'は、独立して、x'とy'との和が2,000未満となるような整数である)
(ii)式(B)に相当するアミノシリコーン
R'aG(3-a)-Si(OSiG2)n-(OSiGbR'(2-b))m-O-SiG(3-a')R'a' (B)
(式中、
Gは、独立して、水素原子、又はフェニル、OH、又はC1~C8アルキル基、例えばメチル、又はC1~C8アルコキシ基、例えばメトキシを指し、
a及びa'は、独立して、数0、又は1~3の整数、とりわけ0を示し、
bは、0又は1、とりわけ1を示し、
m及びnは、和(n+m)が、1~2,000未満、とりわけ50~150の範囲となるような数であり、nが、0~1,999未満、とりわけ49~149の数を示すこと、mが、1~2,000未満、とりわけ1~10の数を示すことが可能であり、
R'は、独立して、式-CqH2qL(式中、qは、2~8の範囲の数であり、Lは、基:
-NR''-Q-N(R'')2
-N(R'')2
-N+(R'')3 A-
-N+H(R'')2 A-
-N+H2(R'') A-
-NR''-Q-N+R''H2 A-
-NR''-Q-N+(R'')2H A-
-NR''-Q-N+(R'')3 A-
(式中、
R''は、独立して、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和の一価の炭化水素系基、例えばC1~C20アルキル基を示し、
Qは、直鎖状又は分枝状のCrH2r基を示し、rは、2~6、好ましくは2~4の範囲の整数であり、
A-は、化粧用として許容されるイオン、具体的にはフッ素イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオンを表す)
から選ばれる、任意選択で四級化されたアミノ基である)
を有する一価の基を示す)
【0072】
この定義(B)に相当するアミノシリコーンの群は、式(C):
【0073】
【化8】
【0074】
(式中、n及びmは、上に式(B)中で付与された意味を有する)
を有する、「トリメチルシリルアモジメチコン」と呼ばれるシリコーンによって表される。
【0075】
この定義に相当するアミノシリコーンの別の群は、以下の式(D)又は(E)を有するシリコーンによって表される。
【0076】
【化9】
【0077】
(式中、
m及びnは、和(n+m)が、1~1,000、とりわけ50~250、よりとりわけ100~200の範囲となることができるような数であり、nが、0~999、とりわけ49~249、よりとりわけ125~175の数を示すこと、mが、1~1,000、とりわけ1~10、よりとりわけ1~5の数を示すことが可能であり、
R1、R2及びR3は、独立して、ヒドロキシ基又はC1~C4アルコキシ基を表し、式中、R1~R3基のうちの少なくとも1つはアルコキシ基を示す)
アルコキシ基は、好ましくはメトキシ基である。
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは0.2:1~0.4:1、好ましくは0.25:1~0.35:1の範囲であり、よりとりわけ0.3:1に等しい。
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000~230,000、よりとりわけ3,500~150,000の範囲である。
【0078】
【化10】
【0079】
(式中、
p及びqは、和(p+q)が、1~1,000、とりわけ50~350、よりとりわけ150~250の範囲となるような数であり、pが、0~999、とりわけ49~349、よりとりわけ159~239の数を示すこと、qが、1~1,000、とりわけ1~10、よりとりわけ1~5の数を示すことが可能であり、
R1及びR2は、独立して、ヒドロキシ基又はC1~C4アルコキシ基を表し、式中、R1又はR2基のうちの少なくとも1つはアルコキシ基を示す)
アルコキシ基は、好ましくはメトキシ基である。
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、一般に、1:0.8~1:1.1、好ましくは1:0.9~1:1の範囲であり、よりとりわけ1:0.95に等しい。
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000~200,000、更によりとりわけ5,000~100,000、よりとりわけ10,000~50,000の範囲である。
【0080】
構造(D)又は(E)を有するこれらのシリコーンに相当する市販製品は、それらの組成物中に、その構造が式(D)又は(E)とは異なる1種又は複数の他のアミノシリコーンを含むことができる。
【0081】
構造(D)を有するアミノシリコーンを含有する製品は、Wacker社により名称Belsil ADM 652で販売されている。
【0082】
構造(E)を有するアミノシリコーンを含有する製品は、Wacker社により名称Fluid WR 1300(登録商標)で販売されている。
【0083】
この定義に相当するアミノシリコーンの別の群は、式(F):
【0084】
【化11】
【0085】
(式中、
m及びnは、和(n+m)が、1~2,000未満、とりわけ50~150の範囲となるような数であり、nが、0~1,999未満、とりわけ49~149の数を示すこと、mが、1~2,000未満、とりわけ1~10の数を示すことが可能であり、
Aは、4~8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含有する、直鎖状又は分枝状のアルキレン基を示す。この基は、好ましくは直鎖状である)
によって表される。
【0086】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000~1,000,000、更によりとりわけ3,500~200,000の範囲である。
【0087】
式(F)の好ましいシリコーンは、Dow Corning社により商品名XIAMETER(登録商標)MEM-8299 Cationic Emulsionで販売されているアモジメチコンである。
【0088】
この定義に相当するアミノシリコーンの別の群は、式(G):
【0089】
【化12】
【0090】
(式中、
m及びnは、和(n+m)が、1~2,000未満、とりわけ50~150の範囲となるような数であり、nが、0~1,999未満、とりわけ49~149の数を示すこと、mが、1~2,000未満、とりわけ1~10の数を示すことが可能であり、
Aは、4~8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含有する、直鎖状又は分枝状のアルキレン基を示す。この基は、好ましくは分枝状である)
によって表される。
【0091】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは500~1,000,000、更によりとりわけ1,000~200,000の範囲である。
【0092】
この式を有するシリコーンは、例えばDow Corning社によるDC2-8566 Amino Fluidである。
【0093】
(iii)式(H)に相当するアミノシリコーン
【0094】
【化13】
【0095】
(式中、
R5は、独立して、1~18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、具体的にはC1~C18アルキル基又はC2~C18アルケニル基、例えばメチルを表し、
R6は、SiC結合を通してSiに連結している二価の炭化水素系基、具体的にはC1~C18アルキレン基、又は二価のC1~C18、例えばC1~C8アルキレンオキシ基を表し、
Q-は、ハロゲン化物イオン等のアニオン、具体的には塩化物イオン、又は有機酸塩(例えば酢酸塩)であり、
rは、2~20、とりわけ2~8の平均統計値を表し、
sは、20~200、とりわけ20~50の平均統計値を表す)
【0096】
このようなアミノシリコーンは、より詳細には米国特許第4185087号に記載されている。
【0097】
(iv)式(I)を有する第四級アンモニウムシリコーン
【0098】
【化14】
【0099】
(式中、
R7は、独立して、1~18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、具体的にはC1~C18アルキル基、C2~C18アルケニル基、又は5個若しくは6個の炭素原子を含有する環、例えばメチルを表し、
R6は、独立して、SiC結合を通してSiに連結している二価の炭化水素系基、具体的にはC1~C18アルキレン基又は二価のC1~C18、例えばC1~C8アルキレンオキシ基を表し、
R8は、独立して、水素原子、1~18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、具体的にはC1~C18アルキル基、C2~C18アルケニル基、又は-R6-NHCOR7基を表し、
X-は、ハロゲン化物イオン等のアニオン、具体的には塩化物イオン、又は有機酸塩(例えば酢酸塩)であり、
rは、2~200、とりわけ5~100の平均統計値を表す)
【0100】
これらのシリコーンは、例えば欧州特許第A0530974号に記載されている。
【0101】
(v)式(J)を有するアミノシリコーン
【0102】
【化15】
【0103】
(式中、
R1、R2、R3及びR4は、独立して、C1~C4アルキル基又はフェニル基を示し、
R5は、C1~C4アルキル基又はヒドロキシ基を示し、
mは、1~5の範囲の整数であり、
nは、1~5の範囲の整数であり、
且つ式中、xは、アミン価が0.01meq/gから1meq/gの間であるように選ばれる)
【0104】
(vi)タイプ(AB)n(Aはポリシロキサンブロックであり、Bはポリオキシアルキレン化ブロックであり、これらは少なくとも1つのアミン基を含有している)のマルチブロックのポリオキシアルキレン化アミノシリコーン
【0105】
前記シリコーンは、一般式:
[-(SiMe2O)xSiMe2-R-N(R'')-R'-O(C2H4O)a(C3H6O)b-R'-N(H)-R-]
或いは
[-(SiMe2O)xSiMe2-R-N(R'')-R'-O(C2H4O)a(C3H6O)b-]
(式中、
aは、1以上の、好ましくは5~200の範囲の、よりとりわけ10~100の範囲の整数であり、
bは、0から200の間の、好ましくは4~100の範囲の、よりとりわけ5から30の間からなる整数であり、
xは、1~10,000、よりとりわけ10~5,000の範囲の整数であり、
R''は、水素原子又はメチルであり、
Rは、独立して、1個又は複数の、酸素等のヘテロ原子を任意選択で含む二価の直鎖状又は分枝状のC2~C12炭化水素系基を表し、好ましくは、Rは、独立して、エチレン基、直鎖状若しくは分枝状のプロピレン基、直鎖状若しくは分枝状のブチレン基、又は-CH2CH2CH2OCH(OH)CH2-基を示し、
優先的には、Rは、独立して、-CH2CH2CH2OCH(OH)CH2-基を示し、
R'は、独立して、1個又は複数の、酸素等のヘテロ原子を任意選択で含む二価の直鎖状又は分枝状のC2~C12炭化水素系基を表し、好ましくは、R'は、エチレン基、直鎖状若しくは分枝状のプロピレン基、直鎖状若しくは分枝状のブチレン基、又は-CH2CH2CH2OCH(OH)CH2-基を示し、優先的には、R'は、-CH(CH3)-CH2-を示す)
を有する繰り返し単位から好ましくは構成される。
【0106】
シロキサンブロックは、シリコーンの総質量の50mol%から95mol%の間、よりとりわけ70mol%から85mol%の間を好ましくは占める。
【0107】
アミン含有量は、好ましくは、ジプロピレングリコール中30%溶液中コポリマーの0.02meq/gから0.5meq/gの間であり、よりとりわけ0.05meq/gから0.2meq/gの間である。
【0108】
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000から1,000,000の間、よりとりわけ10,000から200,000の間である。
【0109】
特に挙げることができるのは、Momentive社により名称Silsoft A-843又はSilsoft A+で販売されているシリコーンである。
【0110】
(vii)以下の式(K')及び式(K)に相当するアルキルアミノシリコーン
【0111】
【化16】
【0112】
(式中、
R、R'及びR''は、独立して、C1~C4アルキル基又はヒドロキシ基を表し、
Aは、C3アルキレン基を表し、m及びnは、m+nの和がおよそ2,000未満、好ましくは1,500未満、より好ましくは1,000未満となるようなものである)
【0113】
【化17】
【0114】
(式中、
x及びyは、xとyとの和が1~2,000未満の範囲であるような数であり、好ましくは、xは、10~1,500未満、特に100~1,000の範囲であり、好ましくは、yは、1~100の範囲であり、
R1及びR2は、好ましくは独立して同一であり、6~30個の炭素原子、好ましくは8~24個の炭素原子、特に12~20個の炭素原子を含む、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキル基であり、
Aは、2~8個の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状のアルキレン基を示す。
好ましくは、Aは、3~6個の炭素原子、特に4個の炭素原子を含み、好ましくは、Aは、分枝状である)
【0115】
特に、二価基-CH2CH2CH2-及び-CH2CH(CH3)CH2-が挙げられる。
【0116】
好ましくは、R1及びR2は、独立して、6~30個の炭素原子、好ましくは8~24個の炭素原子、特に12~20個の炭素原子を含む、飽和の直鎖状のアルキル基であり、特に挙げることができるのは、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルの各基であり、優先的には、R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよく、ヘキサデシル(セチル)基及びオクタデシル(ステアリル)基から選ばれる。
【0117】
優先的には、シリコーンは、式(K):
(式中、
xは、10~2,000、特に100~1,000の範囲であり、
yは、1~100の範囲であり、
Aは、3~6個の炭素原子、特に4個の炭素原子を含み、好ましくは、Aは、分枝状であり、よりとりわけ、Aは、二価基CH2CH2CH2及び-CH2CH(CH3)CH2-から選ばれ、
R1及びR2は、独立して、6~30個の炭素原子、好ましくは8~24個の炭素原子、特に12~20個の炭素原子を含む、直鎖状の飽和のアルキル基であり、具体的にはドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルの各基から選ばれ、優先的には、R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよく、ヘキサデシル(セチル)基及びオクタデシル(ステアリル)基から選ばれる)
のものである。
【0118】
式(K)の好ましいシリコーンは、ビス-セテアリルアモジメチコンである。
【0119】
特に挙げることができるのは、Momentive社により名称Silsoft AXで販売されているシリコーンである。
【0120】
本開示のアミノシリコーンはまた、鎖の末端に又は側鎖上に、例えばアミノプロピル末端基に又は側鎖基上に、第一級アミン基を含む、ポリジメチルシロキサンから選ばれてよく、例としては式(A)、(B)又は(C)のものである:
【0121】
【化18】
【0122】
式(A)中、nの値は、2,000未満、好ましくは1,500未満、より好ましくは1,000未満である。アミノシリコーン(A)の例として挙げることができるのは、Gelest社により名称DMS-A11、DMS-A12、DMS-A15、DMS-A21、DMS-A31、DMS-A32及びDMS-A35で販売されているものである。
【0123】
式(B)中、nとmとの和は、それが2,000未満、好ましくは1,500未満、より好ましくは1,000未満となるようなものである。シリコーン(B)の例として挙げることができるのは、Gelest社により名称AMS-132、AMS-152、AMS-162、AMS-163、AMS-191及びAMS-1203で、並びに信越化学工業株式会社によりKF-8015で販売されているものである。
【0124】
式(C)中、nの値は、2,000未満、好ましくは1,500未満、より好ましくは1,000未満である。シリコーン(C)の例として挙げることができるのは、Gelest社により名称MCR-A11及びMCR-A12で販売されているものである。
【0125】
好ましくは、本発明による(b)アミノシリコーンは、アミノジメチコンである。一実施形態では、(b)アミノシリコーンは、ビス-セテアリルアモジメチコンである。別の実施形態では、(b)アミノシリコーンは、アミノプロピルジメチコンである。
【0126】
本発明による使用に好適なアミノシリコーンには、25℃にて5×10-6~2.5m2/秒、例えば1×10-5~1m2/秒の範囲の粘度を有する、揮発性及び不揮発性の、環状、直鎖状及び分枝状のアミノシリコーンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0127】
本発明による組成物中の(b)アミノシリコーンの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
【0128】
本発明による組成物中の(b)アミノシリコーンの量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
【0129】
本発明による組成物中の(b)アミノシリコーンの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の範囲であってもよい。
【0130】
(シリコーン)
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種の、(b)アミノシリコーン以外のシリコーンを更に含んでもよい。単一のタイプのシリコーンを使用してもよく、又は2種以上の異なるタイプのシリコーンを組み合わせて使用してもよい。
【0131】
(c)シリコーンが、シリコーン油から選択されることが好ましい。
【0132】
本明細書では、「シリコーン油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)にて、液体又はペーストの形態にある、シリコーン化合物又はシリコーン物質を意味する。シリコーン油として、化粧料中で一般に使用されるものを、単独で又はそれらの組み合わせで使用することができる。
【0133】
シリコーン又はオルガノポリシロキサンは、例としては、Walter NOLLにより「Chemistry and Technology of Silicones」(1968年)、Academic Pressにおいて定義されている。これらは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0134】
そのため、シリコーン油は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0135】
そのため、シリコーン油は、少なくとも1種の揮発性シリコーン油若しくは少なくとも1種の不揮発性シリコーン油のいずれかを含んでもよく、又は少なくとも1種の揮発性シリコーン油と少なくとも1種の不揮発性シリコーン油との両方を含んでもよい。
【0136】
揮発性又は不揮発性シリコーンは、少なくとも1つの有機官能性部分又は基で任意選択で変性された、直鎖状、分枝状又は環状シリコーンから選択することができる。
【0137】
例えば、シリコーン油は、ポリジアルキルシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリアルキルアリールシロキサン、例えばフェニルトリメチコン、ポリジアリールシロキサン;並びにポリ(オキシアルキレン)部分又は基、アルコキシ又はアルコキシアルキル部分又は基、ヒドロキシ又はヒドロキシ化部分又は基、アシルオキシ又はアシルオキシアルキル部分又は基、カルボン酸又はカルボキシレート部分又は基、アクリル部分又は基、並びにオキサゾリン部分から選ばれる、少なくとも1つの有機官能性部分又は基を含む、有機変性されたポリシロキサンからなる群から選択することができる。
【0138】
シリコーン油が揮発性である場合、シリコーン油は、沸点が60℃~260℃の範囲のものから選ばれてよく、例えば以下である:
(i)3~7個の、例としては4~5個のケイ素原子を含むポリジアルキルシロキサン等の環状シリコーン。このようなシロキサンの非限定的な例には、例としてはUNION CARBIDE社により商品名VOLATILE SILICONE(登録商標)7207で、及びRHODIA社によりSILBIONE(登録商標)70045 V2で市販されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、UNION CARBIDE社により商品名VOLATILE SILICONE(登録商標)7158で、及びRHODIA社によりSILBIONE(登録商標)70045 V5で、信越化学工業株式会社によりKF-995で市販されているデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物が挙げられる。シクロメチコンもまた使用されてもよく、例えばDOW CORNING社により参照名DC 244、DC 245、DC 344、DC 345及びDC 246で市販されているものである。ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンのタイプのシクロコポリマーもまた使用されてもよく、例えば式:
【0139】
【化19】
【0140】
(式中、
【0141】
D''は、-Si(CH3)2-O-であり、且つ、D'は、-Si(CH3)(C8H17)-O-である)
【0142】
の、UNION CARBIDE社により市販されているSILICONE VOLATILE(登録商標)FZ 3109である。ポリジアルキルシロキサン等の環状シリコーンの、ケイ素由来の有機化合物との組み合わせもまた使用されてもよく、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの(50/50)混合物、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-(ヘキサ-2,2,2',2',3,3'-トリメチルシリルオキシ)ビス-ネオペンタンとの混合物である;並びに
(ii)2~9個のケイ素原子を含む直鎖状の揮発性ポリジアルキルシロキサン。このような化合物の非限定的な例は、例としては東レ・シリコーン株式会社により商品名「SH-200」で市販されているデカメチルテトラシロキサンである。この部類に属するシリコーンもまた、例えば、Cosmetics and Toiletries、第91巻、1976年1月、27~32頁、TODD & BYERS、「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」に記載されている。
【0143】
シリコーン油が揮発性である場合、シリコーン油は、環状シリコーンから選ぶことができる。
【0144】
他方、シリコーン油は、不揮発性シリコーン、例えばポリジアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリジアリールシロキサン、及び上に説明した有機変性ポリシロキサンから選ぶこともできる。
【0145】
(c)シリコーン、好ましくはトリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンの分子量は、300,000以上、好ましくは350,000以上、より好ましくは400,000以上の質量平均分子量(Mw)を有し、且つ好ましくは3,000,000以下、より好ましくは2,000,000以下、更により好ましくは1,000,000以下の質量平均分子量(Mw)を有する。
【0146】
一実施形態によれば、(c)シリコーン、好ましくはシリコーン油は、不揮発性ポリジアルキルシロキサン、例えば、ジメチコンの商品名で知られる、トリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンから選ぶことができる。
【0147】
本発明によって好ましい(c)シリコーンは、1,000,000cSt(mm2/秒)超の、25℃における粘度、更により優先的には2,000,000cSt超、更によりとりわけ5,000,000cSt超、なおもより良好には10,000,000cSt超の粘度、且つ好ましくは50,000,000cSt未満、なおもより良好には30,000,000cSt未満、なおも更により良好には15,000,000cSt未満の粘度を有する油等の、トリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンであってもよい。
【0148】
本発明によれば、全てのポリジメチルシロキサンは、そのままで、又は溶液、エマルション、ナノエマルション又はマイクロエマルションの形態で、使用することができる。
【0149】
このようなポリジアルキルシロキサンに相当する市販製品の非限定的な例には、BY22-029(東レ・ダウコーニング株式会社の製品、ジメチコン油の非イオン性エマルション)、BY22-060(東レ・ダウコーニング株式会社の製品、高重合ジメチコンを低粘度シリコーンで希釈して得られた溶液を含有するカチオン性エマルション)、BY22-019(東レ・ダウコーニング株式会社の製品、高重合ジメチコンを環状シリコーンで希釈して得られた溶液を含有する非イオン性及びカチオン性エマルション)、BY22-020(東レ・ダウコーニング株式会社の製品、高重合ジメチコンを軽質液状イソパラフィンで希釈して得られた溶液を含有するカチオン性エマルション)、KM902(信越化学工業株式会社の製品、高重合ジメチコンの非イオン性エマルション)、KM903(信越化学工業株式会社の製品、高重合ジメチコンを低粘度シリコーンで希釈して得られた溶液を含有するカチオン性エマルション)、X-52-2127(信越化学工業株式会社の製品、高重合ジメチコンを低粘度シリコーンで希釈して得られた溶液を含有するカチオン性エマルション)、X-52-2162(信越化学工業株式会社の製品、高重合ジメチコンを低粘度シリコーンで希釈して得られた溶液を含有する非イオン性エマルション、EMU101(Momentive Performance Materials, Inc.社の製品、高重合ジメチコンを低粘度シリコーンで希釈して得られた溶液を含有する非イオン性エマルション)、XS65-B3803(Momentive Performance Materials, Inc.社の製品、高重合ジメチコンを低粘度シリコーンで希釈して得られた溶液を含有する非イオン性エマルション)、DC 7-3100(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社の製品)が挙げられる。
【0150】
ポリアルキルアリールシロキサンは、ポリジメチル/メチルフェニルシロキサン、直鎖状及び/又は分枝状のポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選ぶことができる。
【0151】
このようなポリアルキルアリールシロキサンの非限定的な例には、以下の商品名で市販されている製品が挙げられる:
RHODIA社からのSILBIONE(登録商標)液の70 641シリーズ、RHODIA社からのRHODORSIL(登録商標)液の70 633シリーズ及び763シリーズ、
DOW CORNING社により参照名DOW CORNING 556 COSMETIC GRADE FLUIDで市販されているフェニルトリメチコン液、
BAYER社からのPKシリーズのシリコーン、例えばPK20製品、
BAYER社からのPNシリーズ、PHシリーズのシリコーン、例えばPN1000製品及びPH1000製品、並びに
GENERAL ELECTRIC社からのいくつかのSFシリーズの液、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
【0152】
本発明に従って使用されうる有機変性シリコーンには、先に定義し、それらの構造内に、直接結合された、又は炭化水素基の手段により結合された少なくとも1つの有機官能性部分又は基を含むもの等のシリコーンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0153】
有機変性シリコーンには、例えば、
C6~C24アルキル部分を任意選択で含む、ポリエチレンオキシ部分及び/又はポリプロピレンオキシ部分を含むポリオルガノシロキサン、例えば、DOW CORNING社により商品名DC 1248及び商品名DC Q2-5220で市販されているジメチコンコポリオール、及びUNION CARBIDE社により市販されているSILWET(登録商標)L 722、L 7500、L 77及びL 711液、並びにDOW CORNING社により商品名Q2 5200で市販されている(C12)アルキル-メチコンコポリオールと呼ばれる製品;
アルコキシル化部分を含むポリオルガノシロキサン、例えばSWS SILICONES社により商品名「SILICONE COPOLYMER F-755」、並びにGOLDSCHMIDT社により商品名ABIL WAX(登録商標)2428、2434及び2440で市販されている製品;
ヒドロキシ化部分含有ポリオルガノシロキサン、例としては仏国特許出願公開第8516334号に記載されているヒドロキシアルキル官能基含有ポリオルガノシロキサン;
アシルオキシアルキル部分を含むポリオルガノシロキサン、例えば米国特許第4957732号に記載されているポリオルガノシロキサン;
カルボン酸型のアニオン性部分を含むポリオルガノシロキサン、例えばチッソ株式会社により市販されている、欧州特許第0186507号に記載されている製品、並びにカルボキシルアルキルのアニオン性部分を含むポリオルガノシロキサン、例えば信越化学工業株式会社により市販されているX-22-3701E製品中に存在するもの;スルホン酸2-ヒドロキシアルキルを含むポリオルガノシロキサン;及びチオスルホン酸2-ヒドロキシアルキルを含むポリオルガノシロキサン、例えばGOLDSCHMIDT社により商品名「ABIL(登録商標)S201」及び「ABIL(登録商標)S255」で市販されている製品;
アクリル部分を含むポリオルガノシロキサン、例えば、3M社により名称VS80及びVS70で市販されている製品が挙げられ、且つ本発明に従って使用されうるオキサゾリン部分
【0154】
【化20】
【0155】
シリコーンは、1つ又は2つのオキサゾリン基、例えばポリ(2-メチルオキサゾリン-b-ジメチルシロキサン-b-2-メチルオキサゾリン)及びポリ(2-エチル-2-オキサゾリン-ジメチルシロキサン)を含んでもよい。花王株式会社により参照名OX-40、OS-51、OS-96及びOS-88で市販されている製品もまた使用することができる。
【0156】
ジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサンもまた使用することができ、例えば商品名ジメチコノール(CTFA)で販売されているもの、例えばRHODIA社により市販されている48シリーズの液がある。
【0157】
シリコーン油が不揮発性である場合、シリコーン油は、ポリジメチルシロキサン及び有機変性ポリジメチルシロキサンから選ぶことができる。
【0158】
シリコーン油が、揮発性若しくは不揮発性のシリコーン油、例えば室温にて液状又はペースト状である直鎖状又は環状のシリコーン鎖を含有する揮発性又は不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、具体的にはシクロペンタシロキサン及びシクロヘキサシロキサン等のシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコン);ペンダントである及び/又はシリコーン鎖の末端にある、アルキル、アルコキシ又はフェニルの各基を含有するポリジメチルシロキサン(これらの基は、2~24個の炭素原子を有する);フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、シロキシケイ酸2-フェニルエチルトリメチル及びポリメチルフェニルシロキサン等のフェニルシリコーン;並びにジメチコノール等の有機変性シリコーンから選択されることが好ましい。
【0159】
シリコーン油として、少なくとも1種の揮発性シリコーンと少なくとも1種の不揮発性シリコーンとの組み合わせを使用することが可能である。このような組み合わせの非限定的な例には、例としてはDow Corning社により商品名Xiameter PMX-1501 Fluidで市販されている、シクロペンタシロキサンとジメチコノールとの混合物が挙げられる。
【0160】
(c)シリコーンの重合度が、2000未満、より好ましくは1,500未満、更により好ましくは1,000未満であることが好ましい。
【0161】
本発明による組成物中の(c)シリコーンの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
【0162】
本発明による組成物中の(c)シリコーンの量は、組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であってもよい。
【0163】
本発明による組成物中の(c)シリコーンの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.05質量%~25質量%、より好ましくは0.1質量%~20質量%の範囲であってもよい。
【0164】
本発明の特定の一実施形態によれば、(b)アミノシリコーン/(c)シリコーンの質量比は、0.01~5、好ましくは0.1~1、より好ましくは0.2~0.5であってもよい。
【0165】
(ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステル)
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種の、ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルを更に含んでもよい。2種以上の、ポリオールと脂肪二酸ダイマーのエステル、又はこれらのエステルが使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0166】
「ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステル」という表現において、用語「又はこれらのエステル」は、二酸ダイマーの酸官能基を有するエステルタイプの結合に関与しないポリオールのアルコール官能基の、1種又は複数の、二酸ダイマー以外の酸分子のカルボン酸官能基との反応によって;或いはポリオールのアルコール官能基を有するエステルタイプの結合に関与しない二酸ダイマーの酸官能基の、ポリオール以外のアルコール分子のアルコール官能基との反応によって、のいずれかで得られた、これらの、ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステルの誘導体のうちの1種を意味する。
【0167】
有利には、本発明における使用に好適なポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルは、約1,500mPa.s以上の、約25℃にて測定した粘度を有することができる。
【0168】
本発明によるポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルの粘度は、当業者に既知の任意の方法に従って、且つ例えば本明細書で以下に記載される従来の方法に従って、測定することができる。
【0169】
粘度は、Ares型(TA-Instrument社)の円錐/小板又は平行小板の粘度計を用いて測定することができ、約1~1,000s-1の剪断範囲にわたり動力掃引モードにおいて操作して、約1,000Paの流れ張力を誘起する。
【0170】
円錐/小板又は平行小板は、ステンレス鋼、アクリル樹脂又はポリフェニレンスルフィド(PPS樹脂)からなる群から選択される材料からなってよい。
【0171】
円錐/小板の直径は、25mm(円錐角度0.10ラジアン)であってもよい。
【0172】
測定は、約25℃にて行われる。
【0173】
任意の測定の前に、サンプルの安定性が、サンプルそれ自体が安定であるかどうかを決定することを可能にする動的掃引期間試験の手段によってチェックされる。
【0174】
剪断粘度は、流れに応じて、プラトー領域中、ETA値を用いて決定される。
【0175】
動的掃引期間は、600秒の期間にわたり1.0Hzの周波数において決定される。
【0176】
定速掃引における測定は、1.0~1,000s-1、例えば1.0~100s-1の範囲の速度を用いて実施される。
【0177】
本発明における使用に好適なポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルの粘度は、約1,500mPa.s~約150,000mPa.s、又は例えば約2,000mPa.s~約150,000mPa.s、又は例えば約15,000mPa.s~約100,000mPa.s、又は例えば約30,000mPa.s~約80,000mPa.sの範囲であってもよい。
【0178】
一実施形態によれば、本発明における使用に好適なポリオールは、ジオールダイマーであってもよい。
【0179】
本発明の関連で使用されうるジオールダイマーと脂肪二酸ダイマーとのエステルは、市販されている又は従来の方法で調製することができる。それらは、植物起源のものであってもよく、二酸ダイマーの、ジオールダイマーとのエステル化によって得られてもよい。
【0180】
二酸ダイマーとのエステル化反応において、ジカルボン酸ポリオールが得られ、これは、2,000~25,000g/molの範囲の、又は例えば2,000g/molから4,000g/molの間の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定される質量平均分子量を有してもよい。
【0181】
二酸ダイマー:
脂肪二酸ダイマー又は二酸ダイマーは、重合反応によって、例えば少なくとも1種の不飽和脂肪酸の分子間二量化によって、従来、得ることができる。
【0182】
それらは、少なくとも2つのカルボン酸基を含有しうる。
【0183】
先に示した通り、ポリオール残基とのエステル結合に関与しない脂肪二酸ダイマーのカルボン酸官能基は、ポリオール以外のアルコール分子の他のアルコール官能基との他のエステル結合に関与しうる。
【0184】
これらのアルコール分子又は残基は、モノアルコール又はポリオールであってもよい。
【0185】
本発明における使用に好適であるアルコール残基の例として、ヒドロキシ官能基を含み、且つ4~40個の炭素原子、又は例えば6~36個の炭素原子、又は例えば8~32個の炭素原子、又は例えば16~28個の炭素原子、又は例えば18~24個の炭素原子を含有する、炭化水素系化合物を挙げることができる。
【0186】
本発明に好適であるモノアルコールの例として、ブタノール、ペンタノール、プロパノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エイコサデカノール、フィトステロール、イソステアロール、ステアロール、セトール、ベヘノールなどを、非限定的に挙げることができる。
【0187】
脂肪二酸ダイマーは、例えば不飽和脂肪酸の、例えばC8~C34、又は例えばC12~C22、とりわけC16~C20、及び例えばC18の二量化から誘導されうる。
【0188】
これらの不飽和脂肪酸の例として、例えば、ウンデセン酸、リンデリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、エライジン酸、ガドレイン酸、エイコサペンタン酸、ドコサヘキサン酸、エルカ酸、ブラシジン酸及びアラキドン酸、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0189】
一実施形態の変形によれば、それは、そこからエステル化されることになるジオールダイマーがまた誘導されうる二酸ダイマーであってもよい。それは、その水素添加された形態であってもよい。
【0190】
二酸ダイマーの水素添加形態は、部分的であっても全体的であってもよく、例えば、酸化に向けてより安定である飽和形態に相当してもよい。
【0191】
別の実施形態の変形によれば、それは、リノール酸の二量化から誘導された二酸ダイマーであってもよい。
【0192】
一実施形態によれば、二酸ダイマーは、約36個の炭素原子を含有するジカルボン酸からなる市販製品でありうる。この製品はまた、製品の純度に応じた割合において、三量体の酸及びモノマーの酸も含有しうる。
【0193】
その二酸ダイマー含有量が70%超でありうる製品、及びその二酸ダイマー含有量が90%以上に調整された他の製品が、従来、市販で見出されている。
【0194】
二酸ダイマー、及び例えば酸化に向けたその安定性が二量化反応後に残っている二重結合の水素添加によって改善されたジリノール二酸がまた、商業的に見出されうる。
【0195】
本発明では、現在市販されている任意の二酸ダイマーを使用することができる。
【0196】
二酸ダイマーとのエステル化反応において、得られたエステルの平均エステル化度及び平均分子量は、ジオールダイマーの二酸ダイマーに対する比を多様にすることによって調整することができる。
【0197】
ポリオール:
用語「ポリオール」は、少なくとも2つのヒドロキシ官能基を含み、且つ4~40個の炭素原子、又は例えば6~36個の炭素原子、又は例えば8~32個の炭素原子、又は例えば16~28個の炭素原子、及び例えば18~24個の炭素原子を含有する、任意の炭化水素系化合物を示すことが意図される。
【0198】
炭化水素系鎖は、適当な場合、少なくとも1個のヘテロ原子、例えば酸素原子の存在によって割り込まれてよい。
【0199】
本発明における使用に好適であるポリオール又はポリオールエステルは、例えば、2~12のヒドロキシ官能基、又は例えば2~8つのヒドロキシ官能基、又は例えば4~6つのヒドロキシ官能基を含んでもよい。
【0200】
適当な場合、二酸ダイマーとのエステル結合において既に利用されたもの以外のヒドロキシ官能基は、二酸ダイマー以外の酸分子との反応を介した他のエステル結合においても、全体的に又は部分的に利用されうる。
【0201】
本発明における使用に好適であるポリオール又はそのエステルは、直鎖状、分枝状、環状又は多環式の、飽和又は不飽和アルコールからなる群から選択することができる。
【0202】
そのため、ポリオールは、例えば、ジオール、トリオール、テトラオール若しくはペンタオール、又はこれらのエステルからなる群から選択することができる。
【0203】
ポリオールは、例えば、脂肪アルコールダイマー、モノグリセロール又はポリグリセロール、C2~C4モノアルキレン又はポリアルキレングリコール、1,4-ブタンジオール及びペンタエリスリトールからなる群から選択される、ジオール又はそのエステルであってもよい。
【0204】
これもまた本発明における使用に好適であるジオールの例として、ブタンジオール、ペンタンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、1-デカンジオール、ドデカンジオール、トリデカンジオール、テトラデカンジオール、ペンタデカンジオール、ヘキサデカンジオール、ノナデカンジオール、オクタデカンジオール、シクロヘキサンジオール、ジグリセロール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、エチレングリコール及びキシレングリコール、並びにこれらの異性体を、非徹底的に挙げることができる。
【0205】
一変形によれば、本発明における使用に好適であるジオールの例として、ジオールダイマーを挙げることができる。
【0206】
本発明の目的のために、用語「ジオールダイマー」は、対応する二酸ダイマー(上に定義したものである)の水素添加から誘導された飽和ジオール、例えば少なくとも1種の不飽和脂肪酸の二酸ダイマーを意味すると意図される。
【0207】
工業的に製造されたジオールダイマーに関して、それはまた、酸ダイマー及び/又はその低級アルコールエステルの純度の程度に応じて、一般に他の成分、例えばトリオール三量体、モノアルコール及び出発材料として使用されるエーテルタイプの化合物を一般に含有する。
【0208】
一般に、そのジオールダイマー含有量が70%超である製品が、本発明において使用されうる。しかしながら、そのジオールダイマー含有量が90%超である化合物等の、高い純度のジオールダイマーを使用することができる。
【0209】
そのため、ジオールダイマーは、水素添加によって、例えばそれ自体が少なくとも1種の不飽和脂肪酸の二量化によって得られる二酸ダイマーの接触的水素添加によって製造することができる。
【0210】
好適な脂肪酸は、先に挙げられたもの等であってよく、例えばC8~C34のもの、又は例えばC12~C22のもの、又は例えばC16~C20のもの、よりとりわけC18のものであってもよい。
【0211】
一実施形態によれば、ジオールダイマーは、ジリノール二酸の水素添加から誘導することができる。
【0212】
ジオールダイマーは、例えばジリノールオールであってもよい。
【0213】
ジオールダイマーは、一般に、飽和された形態にあってもよい。
【0214】
本発明における使用に好適であるジオールダイマーの別の例として、例えばジグリセロールを挙げることができる。
【0215】
この化合物は、グリセロールの2つの分子を縮合し、水分子をとって生じたグリセロールダイマーである。
【0216】
用語「ジグリセロール」は、このような縮合から生じうる任意の異性体の組み合わせ、例としては直鎖状の異性体、分枝状の異性体、且つ適当な場合、ジグリセロール分子の分子間脱水から生じる環状の異性体を示す。
【0217】
ジグリセロールは、当業者に既知の任意の方法を介して、且つ特に欧州特許第0750848号に記載されている方法を介して得ることができる。
【0218】
二酸ダイマーとのエステル結合に関与しないポリオールの1つ又は複数のヒドロキシ官能基と相互作用することができる酸分子の例として、イソステアリン酸、ベヘン酸、フィトステアリン酸、ステアリン酸又はセチル酸から誘導された分子を、非限定的に挙げることができる。
【0219】
本発明における使用に好適であるエステルは、ポリオール又はそのエステルを、二酸ダイマー、例えばダイマージリノール酸と、約1.0:0.2-1のモル比で反応させることによって得ることができる。
【0220】
本発明における使用に好適でありうるエステルは、ダイマージリノール酸を、ジリノレノールオールと、且つ適当な場合は、例えばベヘノール、イソステアロール、フィトステロール、ステアロール及びセトール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加のモノアルコールと反応させることによって得ることができる。
【0221】
そのため、本発明の関連で使用されるエステルは、例えば、多種のエステルの混合物の形態で使用することができる。
【0222】
本発明における使用に好適であるエステルは、例えば、グリセロール、イソステアリン酸及びダイマージリノール酸を、1.0:0.2-1.0:0.5-0.9のモル比において反応させることによって得ることができる。
【0223】
本発明に好適なダイマージリノール酸とポリオールとのエステル、又はこれらのエステルの例として、特許出願JP-A-2003-226609、JP-A-2004-256515及びJP-A-2005-179377に記載されているエステルを挙げることができる。
【0224】
本発明における使用に好適なポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルは、約2,000~約25,000g/mol、例えば約4,000~約20,000g/mol、例えば約5,000~約20,000g/mol、例えば約7,000~約15,000g/mol、及び例えば約8,000~約10,000g/molの範囲の分子量を有することができる。
【0225】
一実施形態によれば、本発明によるエステルは、二酸ダイマー残基と、前記ポリオールに関連する残基及び例えば前記ジオールに関連する残基との、交互の配列を含んでよく、前記ポリオール又はジオールは、例えば上に定義したものである。
【0226】
そのため、このような立体配置において、前記配列の2つの末端のそれぞれは、単位OR'及びOR''(式中、R'及びR''は、互いに独立して、水素原子を表す)をそれぞれ保有してよく、又はOR'及びOR''は、互いに独立して、C2~C36、例えばC8~C24、例えばC12~C20、及び例えばC16~C18炭化水素系モノアルコール残基を表す。
【0227】
一実施形態によれば、R'とR''とは両方とも、水素原子を表しうる。
【0228】
一実施形態によれば、OR'とOR''とは両方とも、同一の又は異なる炭化水素系モノアルコール残基を表しうる。
【0229】
本発明に好適でありうる炭化水素系モノアルコール残基OR'及びOR''の例として、脂肪アルコール残基を挙げることができる。
【0230】
本発明における使用に好適であるエステルは、以下に記載する一般式(I)、(II)又は(IV)のエステル、又はこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0231】
一実施形態によれば、本発明における使用に好適でありうるポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルは、以下の一般式(I):
R3-OCO-R1(-COO-R2-OCO-R1)n-COO-R3 (I)
(式中、
COR1COは、脂肪二酸ダイマー残基を表し、
OR2Oは、脂肪アルコールダイマー残基を表し、
OR3は、炭化水素系モノアルコール残基を表し、
nは、1~15、例えば2~10、又は例えば5~7の範囲の整数である)
を有しうる。
【0232】
一実施形態の変形によれば、COR1COは、ダイマージリノール酸残基を表すことができる。
【0233】
一実施形態の変形によれば、OR2Oは、ダイマージリノレイル残基を表すことができる。
【0234】
その上、OR3は、例えばベヘニル、イソステアリル及びフィトステアリルの各残基、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、炭化水素系モノアルコール残基を表すことができる。
【0235】
別の実施形態によれば、本発明における使用に好適でありうるダイマージリノール酸とポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルは、例えば以下の式(II):
【0236】
【化21】
【0237】
(式中、
nは、1~15、例えば2~10、とりわけ5~7の範囲の整数であり、
COR'1COは、脂肪二酸ダイマー残基を表し、
OR'2Oは、一般式(III):
【0238】
【化22】
【0239】
(式中、
R'3は、Hを表し、又はOR'3は脂肪酸残基を表す)
のジグリセリル残基を表す)
を有しうる。
【0240】
一実施形態の変形によれば、COR'1COは、ダイマージリノールエート残基を表すことができる。
【0241】
一実施形態の変形によれば、OR'3によって特徴づけられる脂肪酸残基は、イソステアリル残基であってもよい。
【0242】
一実施形態によれば、本発明における使用に好適でありうるダイマージリノール酸とポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルは、式(IV):
HO-R1'-(-OCO-R2''-COO-R1''-)h-OH(IV)
(式中、
a)OR1''Oは、ダイマージリノール酸の水素添加によって得られたジオールダイマー残基を表し、
b)COR2''COは、脂肪二酸ダイマー残基を表し、
c)hは、1~9、例えば2~8、例えば4~6の範囲の整数を表す)
のものであってもよい。
【0243】
一実施形態によれば、COR2''COは、ダイマージリノール酸残基を表すことができる。
【0244】
本発明に好適であるエステルは、例えば以下のINCI命名を有するエステル: (イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0245】
このような化合物は、参照名Hailuscent ISDA(高級アルコール工業株式会社)、並びにPlandool-G、Plandool-G7、Lusplan DD-DA5、Lusplan DD-DA7、PHY/IS-DA及びLusplan DD-DAS(日本精化株式会社)で得ることができる。
【0246】
例えば、Lusplan DD-DA5及びLusplan DD-DA7は、仏国特許第03/02809号に記載されている。
【0247】
本発明による組成物中の(d)ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルの量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更により好ましくは2.0質量%以上であってもよい。
【0248】
本発明による組成物中の(d)ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルの量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更により好ましくは5質量%以下であってもよい。
【0249】
本発明による組成物中の(d)ポリオールと脂肪二酸ダイマーとのエステル、又はこれらのエステルの量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%~20質量%、好ましくは1.0質量%~15質量%、より好ましくは1.5質量%~10質量%、更により好ましくは2.0質量%~5質量%の範囲であってもよい。
【0250】
(水)
本発明による組成物は、(e)水を更に含んでもよい。
【0251】
(e)水の量は、組成物の総質量に対して、65質量%、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上であってもよい。
【0252】
(e)水の量は、組成物の総質量に対して、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下であってもよい。
【0253】
(e)水の量は、組成物の総質量に対して、65質量%~95質量%、好ましくは70%~90質量%、より好ましくは75質量%~85質量%であってもよい。
【0254】
(脂肪アルコール)
本発明による組成物は、(f)少なくとも1種の脂肪アルコールを更に含んでもよい。2種以上のタイプの脂肪アルコールを組み合わせて使用することができる。
【0255】
用語「脂肪」は、本明細書では、比較的大きい数の炭素原子の包含を意味する。そのため、6個以上、好ましくは8個以上、より好ましくは10個以上の炭素原子を有するアルコールが、脂肪アルコールの範囲内に包含される。脂肪アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪アルコールは、直鎖状であっても分枝状であってもよい。2種以上のタイプの脂肪アルコールを組み合わせて使用することができる。
【0256】
脂肪アルコールは、構造R-OH(式中、Rは、8~40個の炭素原子、例えば8~30個の炭素原子を含有する、飽和及び不飽和の、直鎖状及び分枝状の基から選ばれる)を有してもよい。少なくとも1つの実施形態では、Rは、C12~C24アルキル基及びC12~C24アルケニル基から選ばれる。Rは、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0257】
挙げることができる脂肪アルコールの非限定的な例には、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、リノレイルアルコール、ウンデシレニルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、セテアリルアルコール、及びこれらの混合物がある。
【0258】
好適な脂肪アルコールの例には、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0259】
脂肪アルコールは、脂肪アルコールの混合物を表すこともあり、これは、数種の脂肪アルコールが市販製品中に混合物の形態において共存することができることを意味する。
【0260】
少なくとも1つの実施形態によれば、本発明による組成物中で使用される脂肪アルコールは、セチルアルコール及びセテアリルアルコールから選ばれる。
【0261】
本発明による組成物中の(f)脂肪アルコールの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
【0262】
本発明による組成物中の(f)脂肪アルコールの量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下であってもよい。
【0263】
本発明による組成物中の(f)脂肪アルコールの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~20質量%、好ましくは0.5質量%~15質量%、より好ましくは1質量%~10質量%の範囲であってもよい。
【0264】
(カチオン性界面活性剤)
本発明による組成物は、(g)少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を更に含んでもよい。2種以上のタイプのカチオン性界面活性剤を組み合わせて使用することができる。
【0265】
カチオン性界面活性剤は、任意選択でポリオキシアルキレン化された、第一級、第二級又は第三級脂肪アミン塩、第四級アンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0266】
挙げることができる第四級アンモニウム塩の例には、以下:
以下の一般式(V)のもの
【0267】
【化23】
【0268】
(式中、
R1、R2、R3及びR4は、同一であっても異なっていてもよく、1~30個の炭素原子を含み、且つ任意選択で酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を含む、直鎖状及び分枝状の脂肪族基から選ばれる)
脂肪族基は、例えば、アルキル、アルコキシ、C2~C6ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、(C12~C22)アルキルアミド(C2~C6)アルキル、(C12~C22)アルキルアセテート及びヒドロキシアルキルの各基;並びに芳香族基、例えばアリール及びアルキルアリールから;好ましくはアルキル基から選ぶことができ;X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C1~C6)アルキル硫酸イオン、及びアルキルスルホン酸イオン又はアルキルアリールスルホン酸イオンから選ばれる;
イミダゾリンの第四級アンモニウム塩、例としては以下の式(VI)のもの
【0269】
【化24】
【0270】
(式中、
R5は、8~30個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基、例えば、獣脂の若しくはココナツの脂肪酸誘導体から選ばれ、
R6は、水素、C1~C4アルキル基、及び8~30個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基から選ばれ、
R7は、C1~C4アルキル基から選ばれ、
R8は、水素及びC1~C4アルキル基から選ばれ、
X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン及びアルキルアリールスルホン酸イオンから選ばれる)
一実施形態では、R5及びR6は、例えば、獣脂の脂肪酸誘導体等の、12~21個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基から選ばれる基の混合物であり、R7はメチルであり、R8は水素である。このような製品の例には、Witco社により名称「Rewoquat(登録商標)」W75、W90、W75PG及びW75HPGで販売されているクオタニウム-27(CTFA 1997年)及びクオタニウム-83(CTFA 1997年)が挙げられるが、これらに限定されない;
式(VII)のジ四級アンモニウム塩
【0271】
【化25】
【0272】
(式中、
R9は、16~30個の炭素原子を含む脂肪族基から選ばれ、
R10、R11、R12、R13及びR14は、同一であっても異なっていてもよく、水素、及び1~4個の炭素原子を含むアルキル基から選ばれ、
X-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、エチル硫酸イオン及びメチル硫酸イオンから選ばれる)
1種のこのようなジ四級アンモニウム塩の例は、プロパンタロウジアンモニウムジクロリドである;
並びに
少なくとも1つのエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩、例えば以下の式(VIII)のもの
【0273】
【化26】
【0274】
(式中、
R22は、C1~C6アルキル基、並びにC1~C6ヒドロキシアルキル基及びジヒドロキシアルキル基から選ばれ、
R23は、以下の基:
【0275】
【化27】
【0276】

直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC1~C22炭化水素系基R27、並びに水素から選ばれ、
R25は、以下の基:
【0277】
【化28】
【0278】

直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC1~C6炭化水素系基R29、並びに水素から選ばれ、
R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC7~C21炭化水素系基から選ばれ、
r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2~6の範囲の整数から選ばれ、
r1及びt1のそれぞれは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1であり、且つr2+r1=2r及びt1+2t=2tであり、
yは、1~10の範囲の整数から選ばれ、
x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0~10の範囲の整数から選ばれ、
X-は、単一の及び錯体の、有機及び無機のアニオンから選ばれ、ただし条件として、和x+y+zは1~15の範囲であり、xが0である場合、R23はR27を示し、zが0である場合、R25はR29を示す。R22は、直鎖状及び分枝状のアルキル基から選ぶことができる)があるがこれらに限定されない。一実施形態では、R22は、直鎖状のアルキル基から選択される。別の実施形態では、R22は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル及びジヒドロキシプロピルの各基から選択され、例えば、メチル基及びエチル基から選択される。一実施形態では、和x+y+zは、1~10の範囲である。R23が炭化水素系基R27である場合、これは長鎖であって、12~22個の炭素原子を含んでもよく、又は短鎖であって、1~3個の炭素原子を含んでもよい。R25が炭化水素系基R29である場合、これは、例えば、1~3個の炭素原子を含んでもよい。非限定的な例として、一実施形態では、R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11~C21炭化水素系基から選ばれ、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11~C21アルキル基及びアルケニル基から選ばれる。別の実施形態では、x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1である。一実施形態では、yは、1に等しい。別の実施形態では、r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2又は3に等しく、例えば2に等しい。アニオンX-は、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオン;並びにC1~C4アルキル硫酸イオン、例えばメチル硫酸イオンから選ぶことができる。しかしながら、メタンスルホン酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン、トシル酸アニオン、有機酸に由来するアニオン、例えば酢酸アニオン及び乳酸アニオン、並びにエステル官能基を含むアンモニウムと適合性のある任意の他のアニオンが、本発明により使用されうるアニオンの他の非限定的な例である。一実施形態では、アニオンX-は、塩化物イオン及びメチル硫酸イオンから選ばれる。
【0279】
別の実施形態では、式(VIII)のアンモニウム塩が使用されてもよく、式中、
R22は、メチル基及びエチル基から選ばれ、
x及びyは、1に等しく、
zは、0又は1に等しく、
r、s及びtは、2に等しく、
R23は、以下の基:
【0280】
【化29】
【0281】

メチル、エチル、及びC14~C22炭化水素系基、並びに水素から選ばれ、
R25は、以下の基:
【0282】
【化30】
【0283】

及び水素から選ばれ、
R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13~C17炭化水素系基、例えば直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13~C17アルキル基及びアルケニル基から選ばれる。
【0284】
一実施形態では、炭化水素系基は、直鎖状である。
【0285】
挙げることができる式(VIII)の化合物の非限定的な例には、塩、例えば、ジアシルオキシエチル-ジメチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、ジアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ジヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、トリアシルオキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-ジメチル-アンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、アシル基は、14~18個の炭素原子を含んでよく、且つ例えば植物油、例としてはパーム油及びヒマワリ油に由来しうる。化合物がいくつかのアシル基を含むとき、これらの基は、同一であっても異なっていてもよい。
【0286】
これらの生成物は、例えば、任意選択でオキシアルキレン化されたトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン又はアルキルジイソプロパノールアミンを、脂肪酸に又は植物若しくは動物起源の脂肪酸の混合物に直接エステル化することによって、又はそれらのメチルエステルをエステル交換することによって、得ることができる。このエステル化の後に、アルキル化剤を使用して四級化してもよく、該アルキル化剤は、ハロゲン化アルキル、例えばハロゲン化メチル及びハロゲン化エチル;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル及び硫酸ジエチル;メタンスルホン酸メチル:パラ-トルエンスルホン酸メチル;グリコールクロロヒドリン;及びグリセロールクロロヒドリンから選ばれる。
【0287】
このような化合物は、例えば、Cognis社により名称Dehyquart(登録商標)で、Stepan社により名称Stepanquat(登録商標)で、Ceca社により名称Noxamium(登録商標)で、及びRewo-Goldschmidt社により名称「Rewoquat(登録商標)WE 18」で販売されている。
【0288】
本発明による組成物中で使用されうるアンモニウム塩の他の非限定的な例には、米国特許第4874554号及び第4137180号に記載されている、少なくとも1つのエステル官能基を含むアンモニウム塩が挙げられる。
【0289】
本発明による組成物中で使用されうるカチオン性界面活性剤の中で、第四級アンモニウム塩及びジアンモニウム塩には、例えば、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(例えば、Cognis社により商品名Dehyquart Aで、又は花王株式会社によりQuartamin 60 W25で、又はClariant社によりGenamin CTAC 25で販売されている製品)、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(例えばClariant社により商品名Genamin KDMP若しくはGenamin BTLFで、又はEvonik Goldschmidt社により名称Varisoft BT 85で販売されている製品)、ベヘントリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、オレオセチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、ベヘノイルヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(例えば花王株式会社により名称Quartamin BTC 131で販売されている製品)、ステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩、例えばジ-パルミトイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトスルフェート[INCI名、セテアリルアルコール(及び)ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート](例えばCognis社による製品Dehyquart F 30)、ジ(CrC2アルキル)(C12~C22アルキル)ヒドロキシ(CrC2アルキル)アンモニウム塩、例えばジアルキルジメチルアンモニウム塩又はアルキルトリメチルアンモニウム塩(アルキル基は、12~24個の炭素原子を好ましくは含む)、プロパンタロウジアンモニウムジクロリド、ベヘントリモニウムメトスルフェート、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0290】
挙げることができる脂肪アミン塩の例には、酸性化剤との組み合わせを伴う、以下の一般式(IX):
RCONHR'N(R'')2 (IX)
(式中、
Rは、少なくとも6個の炭素原子、好ましくは8~30個の炭素原子、より好ましくは12~24個の炭素原子を含有する炭化水素基である。加えて、Rは、直鎖状又は分枝状、非環状又は環状、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族、置換又は非置換であってもよい。典型的には、Rは、直鎖状若しくは分枝状、非環状の、アルキル基若しくはアルケニル基、又はアルキルフェニル基であり、
R'は、6個未満の炭素原子、好ましくは2個又は3個の炭素原子を含有する二価炭化水素基であり、
R''は、H、又は6個未満の炭素原子を含有する炭化水素基である。加えて、R''は、直鎖状又は分枝状、非環状又は環状、飽和又は不飽和、置換又は非置換である。典型的には、R''は、直鎖状又は分枝状の、非環状のアルキル基又はアルケニル基である。好ましくは、R''は、H又はメチル基である)
のものがあるが、これらに限定されない。
【0291】
特定の実施形態では、カチオン性界面活性剤は、ベヘントリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトスルフェート、セトリモニウムメトスルフェート、オレアミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、ラウラミドプロピルジメチルアミン、ミリスタミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ジリノールアミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、リシノールアミドプロピルジメチルアミン、ダイズアミドプロピルジメチルアミン、コムギ胚芽アミドプロピルジメチルアミン、ヒマワリ種子アミドプロピルジメチルアミン、アーモンドアミドプロピルジメチルアミン、アボカドアミドプロピルジメチルアミン、ババッスアミドプロピルジメチルアミン、コカミドプロピルジメチルアミン、ミンクアミドプロピルジメチルアミン、エンバクアミドプロピルジメチルアミン、セサミドプロピルジメチルアミン、タラミドプロピルジメチルアミン、ブラッシカアミドプロピルジメチルアミン、オリバミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、及びこれらの混合物から選択される。
【0292】
本発明による組成物中の(g)カチオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
【0293】
本発明による組成物中の(g)カチオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
【0294】
本発明による組成物中の(g)カチオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.5質量%~10質量%、より好ましくは1質量%~5質量%の範囲であってもよい。
【0295】
(任意選択の成分)
本発明による組成物は、前述の必須の/任意選択の成分に加えて、化粧料に典型的に用いられる更なる任意の成分、具体的には、非イオン性、アニオン性又は両性界面活性剤、油、染料、フィラー、ポリオール、例えばグリコール及びグリセロール、親水性又は親油性増粘剤、UV遮蔽剤、動物又は植物に由来する天然抽出物、保存剤などを、本発明の効果を損なわない範囲内で更に含んでもよい。
【0296】
本発明による組成物は、上記の更なる任意選択の成分を、組成物の総質量に対して、0.001質量%~30質量%、好ましくは0.01質量%~20質量%、より好ましくは0.1質量%~10質量%の量で含んでもよい。
【0297】
(調製)
本発明による組成物は、当業者に周知である方法のいずれかに従って、上記の必須成分と任意選択の成分とを混合することによって調製することができる。
【0298】
本発明による組成物は、流体、好ましくは液体又はペースト、より好ましくは液体の形態にあることができる。本発明による組成物は、エマルションの形態にあることが好ましい。
【0299】
(用途)
本発明による組成物は、ケラチン繊維を処理するために、例えばケアする又はコンディショニングするために使用することができる。
【0300】
本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくはリンスオフタイプの化粧用組成物、より好ましくはリンスオフタイプの毛髪化粧用組成物であってもよい。
【0301】
例えば、本発明による組成物は、シャンプー、コンディショナーなど等の毛髪ケア美容製品中で使用されてよい。
【0302】
[美容方法及び使用]
本発明はまた、ケラチン繊維、好ましくは毛髪をケアする又はコンディショニングする美容方法であって、
ケラチン繊維上に、本発明による組成物を適用する工程
を含む、方法にも関する。
【0303】
本発明による美容方法は、ケラチン繊維上に本発明による組成物を適用する工程の後に、ケラチン繊維を加熱する工程を更に含んでもよい。
【0304】
本発明はまた、ケラチン繊維上に本発明による組成物を適用する工程を含む、毛髪等のケラチン繊維に軽い触感及び滑らかさを付与する方法にも関することができる。
【0305】
適用する工程は、アプリケータ、例えばブラシ等の任意の従来の手段によって実施することができる。
【0306】
本発明はまた、ケラチン繊維を処理するための組成物中での、該組成物のケラチン繊維のためのコンディショニング効果を増強する又は改善するための、
(a)少なくとも1種の、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマーと、
(b)少なくとも1種のアミノシリコーンと
の使用であって、
(b)アミノシリコーンが、2,000未満の重合度を有する、使用にも関する。増強した又は改善したコンディショニング効果には、毛髪等のケラチン繊維についての、より重くない触感及びより少ないべたつきが挙げられる。
【0307】
本発明による組成物のための、成分(a)及び(b)並びに他の任意選択の成分についての説明は、上記使用のための組成物中の成分(a)及び(b)並びに可能な任意選択の成分に当てはめることができる。
【0308】
本発明による美容方法及び使用はまた、ケラチン繊維に、良好な管理容易性を付与することができる。
【実施例
【0309】
本発明は、実施例によって、より詳細な方法で記載されることになる。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0310】
(実施例1並びに比較例1及び2)
[調製]
実施例1並びに比較例1及び2による毛髪用処理組成物のそれぞれを、に示す成分を混合して調製した。成分の量の数値は、全て、原料の「質量%」に基づく。
【0311】
【表1】
【0312】
[評価]
3つの毛髪の房(毛髪束)(2.7g、27cm)を各実験ごとに用意した。毛髪の房のそれぞれを清浄用シャンプーで1回洗浄した。シャンプーした後、毛髪の房を水で濯いだ。実施例1並びに比較例1及び2による組成物それぞれ1.1gを各毛髪の房に適用した。毛髪の房を5分間放置した。毛髪の房を流水下で濯ぎ、次いで周囲条件下で自然に乾かして、処理済みの毛髪の房を得た。
【0313】
実施例1並びに比較例1及び2による組成物のそれぞれでの、毛髪の房上への上記処理後に、管理容易性、重さ及びべとつきを、3人のパネリストが以下の評価基準に従って評価した。ベンチマークは、毛髪の房それ自体、すなわち組成物を一切適用していない毛髪の房についての評価結果を意味する。
5:ベンチマークよりはるかに高い
4:ベンチマークより高い
3:ベンチマークと等価
2:ベンチマークより低い
1:ベンチマークよりはるかに低い
【0314】
このようにして得たスコアを平均した。結果を表1に示す。
【0315】
(結果)
表1に示す結果から見られる通り、低い重合度を有する、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマー並びにアミノシリコーンを含む実施例1による組成物は、改善したコンディショニング効果、具体的にはより重くない触感及びより少ないべとつきをもたらすことができた。更に、実施例1による組成物は、毛髪に、良好な管理容易性を付与することができた。
【0316】
低い重合度を有する、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマー並びにアミノシリコーンを含む比較例1による組成物は、より重い触感及びより多いべとつきの点で、劣ったコンディショニング効果をもたらした。比較例1による組成物中にアミノシリコーンを含む原材料の量は、実施例1による組成物中にアミノシリコーンを含む原材料の量と同じであった。他方、比較例1による組成物は、毛髪に、良好な管理容易性を付与することができた。
【0317】
低い重合度を有する、ヒドロキシ化脂肪酸のトリグリセリドと飽和二酸とのオリゴマー並びにアミノシリコーンを含む比較例2による組成物は、より重い触感及びより多いべとつきの点で、劣ったコンディショニング効果をもたらした。比較例2による組成物中の活性成分(アミノシリコーン)の量は、実施例1による組成物中の活性成分(アミノシリコーン)の量と同じであった。他方、比較例2による組成物は、毛髪に、良好な管理容易性を付与することができた。
【国際調査報告】