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特表2023-550583向上した有効性を有する白斑病変を処置するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-04
(54)【発明の名称】向上した有効性を有する白斑病変を処置するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20231127BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20231127BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231127BHJP
   A61K 41/00 20200101ALI20231127BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20231127BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20231127BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20231127BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20231127BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20231127BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20231127BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20231127BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20231127BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P17/00
A61P43/00 121
A61K41/00
A61K9/107
A61K9/12
A61K47/20
A61K47/10
A61K47/24
A61K47/18
A61K47/06
A61K47/32
A61K9/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526520
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 US2021057052
(87)【国際公開番号】W WO2022094082
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/106,983
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518194257
【氏名又は名称】アーキュティス・バイオセラピューティクス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】ハイアム,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】バーク,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ワタナベ,フランク
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA07
4C076AA08
4C076AA17
4C076AA24
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD22
4C076DD34
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD45
4C076DD50
4C076DD51
4C076DD55
4C076DD63
4C076EE10
4C076EE16
4C076EE23
4C076EE27
4C076EE30
4C076FF16
4C076FF17
4C076FF39
4C076FF51
4C076FF57
4C076FF70
4C084AA11
4C084MA22
4C084MA28
4C084MA63
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA89
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA07
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA22
4C086MA28
4C086MA63
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZC75
(57)【要約】
白斑病変を有する患者に局所処置および紫外線B(“UVB”)光線療法の組み合わせを施用することを含む白斑病変を処置するための方法。本明細書で開示されるように、本発明の発明者らは、狭帯域UVB光線療法と組み合わせて局所的に適用されたJAK阻害剤SHR0302は顔および首の白斑病変を含む白斑病変を劇的に再着色するという驚くべき発見をした。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする対象における白斑を処置する方法であって、以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、該医薬組成物が、さらに溶媒を含む方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、該医薬配合物が、さらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏または疎水性軟膏からなる群から選択される方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される方法。
【請求項7】
請求項2に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1ヶ月間1日2回投与される方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が、1週間あたり1回~3回該対象に施用される方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が、狭帯域紫外線B光線療法である方法。
【請求項10】
必要とする対象における白斑病変を処置する方法であって、以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、該処置の方法が該対象の白斑病変を再着色する方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、該処置の方法が、該対象の顔の白斑面積および重症度指数(F-VASI)、顔および首の白斑面積および重症度指数(F/N-VASI)ならびに前腕の白斑面積および重症度指数(前腕-VASI)の少なくとも1つを低減する方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、該医薬組成物が、さらに溶媒を含む方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、該医薬配合物が、さらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏または疎水性軟膏からなる群から選択される方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される方法。
【請求項18】
請求項13に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間1日2回投与される方法。
【請求項19】
請求項10に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が1週間に1回~3回該対象に施用される方法。
【請求項20】
請求項10に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が狭帯域紫外線B光線療法である方法。
【請求項21】
必要とする対象の白斑病変を再着色する方法であって、以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含み、該処置の方法が、該対象の白斑病変を再着色する方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、該処置の方法が、該対象の顔の白斑面積および重症度指数(F-VASI)、顔および首の白斑面積および重症度指数(F/N-VASI)ならびに前腕の白斑面積および重症度指数(前腕-VASI)の少なくとも1つを低減する方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、該医薬組成物がさらに溶媒を含む方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、該医薬配合物がさらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏、または疎水性軟膏からなる群から選択される方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される方法。
【請求項28】
請求項23に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1ヶ月間1日2回投与される方法。
【請求項29】
請求項21に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が、該対象に1週間あたり1~3回施用される方法。
【請求項30】
請求項21に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が、狭帯域紫外線B光線療法である方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本出願は、2020年10月29日に出願された米国仮出願第63/106,983号に対する優先権を主張し、その開示は、参照によりそのまま本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
[0002] 本明細書で開示される主題は、一般に、白斑病変を有する患者に局所処置および紫外線B(“UVB”)光線療法の組み合わせを施用(administer)することを含む、白斑病変を処置するための方法に関する。本明細書で開示されるように、本発明の発明者らは、狭帯域UVB光線療法と組み合わせられた局所的に適用されるJAK阻害剤SHR0302は、顔および首の白斑病変を含め、白斑病変を劇的に再着色する(repigments)という驚くべき発見をした。
【背景技術】
【0003】
[0003] 白斑は、世界人口の0.5%~2%を冒している一般的な自己免疫疾患である。一般により濃い皮膚のタイプを有する患者においてより顕著であるが、白斑はすべての人種および両方の性別を冒す。白斑は、しばしば後天性の小さな非対称の病変として現れ、それは、時間の経過に伴い大きさが増大し、より多くなり、合体してより大きな領域になる傾向がある。白斑は、身体のあらゆる領域に発生し得るが、一般的には顔が冒される。
【0004】
[0004] 白斑は、疾患の大きな負担と関係し、患者の生活の質に大きな影響を及ぼし、それは乾癬およびアトピー性皮膚炎で見られるものと類似している(Linthorst 2009)。白斑は、それが顔および首を冒した場合、これらの領域は目につきやすくカモフラージュが困難であり得るため、特に厄介で外観を損い得る(Elbuluk 2017)。数多くの研究が、顔および他の目に見える領域に白斑がある患者では生活の質および精神的な健康がよりネガティブな影響を受けることを実証している(Elbuluk 2017, Amer 2016, Eleftheraidou 2012)。顔/頭/首の生活の質へのネガティブな影響は、疾患の程度とは無関係であることが報告されている(Bhandarkar 2012)。白斑の影響は、他人による否定的な扱いにまで及び、職業的な見通しおよび関係に影響を及ぼす可能性がある。処置に関して、患者および提供者からの調査データは、特に顔および手の再着色を特に重要であるものとして同定している(Eleftheriadou 2012年)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Linthorst 2009
【非特許文献2】Elbuluk 2017
【非特許文献3】Amer 2016
【非特許文献4】Eleftheraidou 2012
【非特許文献5】Bhandarkar 2012
【発明の概要】
【0006】
[0005] 現在、白斑の再着色に関するFDAに認可された局所処置は存在しない。患者の生活の質に大きく影響するこの一般的な疾患をよりよく処置するために、白斑に関する新規化合物、療法的戦略および併用療法に関する満たされていない必要性が存在する。患者にその深刻な影響を与える顔の白斑に関するよりよい処置が、特に必要とされている。
【0007】
[0006] 本発明は、白斑病変を有する患者に局所処置および紫外線B(“UVB”)光線療法の組み合わせを施用することを含む、白斑病変を処置するための方法に関する。本明細書に開示されるように、本発明の発明者らは、狭帯域UVB光線療法と組み合わせて局所的に適用されるJAK阻害剤SHR0302は、顔および首の白斑病変を含め、白斑病変を劇的に再着色するという驚くべき発見をした。本発明の一態様によれば、狭帯域UVB光線療法と組み合わせて局所的に適用されるJAK阻害剤SHR0302は、顔、首、前腕、肘および手の白斑病変を含むがそれらに限定されない白斑病変を劇的に再着色することが、驚くべきことに発見された。好ましい態様において、狭帯域UVB光線療法と組み合わせて局所的に適用されるJAK阻害剤SHR0302は、顔および首の白斑病変を再着色する。
【0008】
[0007] 本発明の特定の態様において、それを必要とする対象において白斑を処置する方法が、提供される。その方法は、対象に療法上有効量のSHR0302またはその塩を局所的に投与することを含む。その方法は、さらに対象に紫外線B光線療法を施用することを含む。
【0009】
[0008] 特定の態様において、療法上有効量のSHR0302は、局所医薬組成物中で投与される。局所医薬組成物は、SHR0302を遊離塩基または薬学的に許容可能な塩として含むことができる。医薬組成物は、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含むことができる。医薬組成物は、さらに溶媒を含むことができる。医薬組成物は、さらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含むことができる。特定の態様において、医薬組成物は、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏または疎水性軟膏からなる群から選択される。
【0010】
[0009] 特定の態様において、医薬組成物は、少なくとも1週間少なくとも1日1回局所的に投与される。他の態様において、医薬組成物は、少なくとも1週間1日2回投与される。
【0011】
[00010] 特定の態様において、白斑を有する対象は、UVB光線療法を施用される。好ましい態様において、UVB光線療法は、狭帯域UVB光線療法である。UVB光線療法は、1週間あたり1~3回対象に施用され得る。
【0012】
[00011] 本発明の方法は、さらに、顔、首、前腕および/または手の白斑病変を有する患者を処置することを含むがそれに限定されない白斑病変の処置を含み得る。その方法は、療法上有効量のSHR0302またはその塩を対象に局所的に投与することを含む。本方法は、さらに対象に紫外線B光線療法を施用することを含む。本明細書で記載される方法は、対象の白斑病変の再着色を含め、白斑の症状を軽減することができる。本明細書で記載される方法は、さらに対象の白斑面積および重症度指数(VASI)を低減することができる。VASIスコアは、特定の解剖学的領域を指定し得る(例えば顔の白斑面積及び重症度指数(F-VASI)、顔および首の白斑面積及び重症度指数(F/N-VASI)、前腕の白斑面積および重症度指数(FOREARM-VASI))。
【0013】
[00012] 本発明の方法は、さらに前記の病変を示す対象の顔および首における白斑病変を含む白斑病変を再着色することを含み得る。その方法は、療法上有効量のSHR0302またはその塩を対象に局所的に投与することを含む。その方法は、さらに対象に紫外線B光線療法を施用することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[00013] 本発明が以下で詳細に記載される前に、本発明は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコルおよび試薬に(これらは変動し得るため)限定されないことは、理解されるべきである。本明細書で使用される用語法は、特定の態様を記載する目的のためだけのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるであろう本発明の範囲を限定することは意図されていないことも、理解されるべきである。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。
【0015】
[00014] 本明細書で引用された全ての刊行物、特許および特許出願は、別途記載されない限り、参照によりそのまま本明細書に援用される。同じ用語が、刊行物、特許または特許出願および参照により本明細書に援用される本開示において定義されている場合、本開示における定義が、支配的な定義を表す。特定のタイプの化合物、化学等を記載するために参照される刊行物、特許および特許出願に関して、そのような化合物、化学等に関連する部分が、参照により本明細書に援用される文献の部分である。
【0016】
[00015] 本明細書で使用される際、単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈がそうではないことを明らかに指示しない限り、複数の参照語を含むことを特筆する。従って、例えば、“有効成分”は、単一の成分および2以上の異なる成分を含み、“溶媒”は、単一の溶媒および2以上の異なる溶媒または溶媒の複合混合物を指し、“硫酸塩”は、単一の硫酸塩ならびに2以上の異なる硫酸塩を含む。
【0017】
[00016] 用語“約”は、数値に関連して使用される場合、示された数値より5%小さい下限を有し、示された数値より5%大きい上限を有する範囲内の数値を包含することが意味されている。
【0018】
[00017] “薬学的に許容可能な”は、ヒトまたは動物への投与に関して一般的に安全であることを意味する。好ましくは、薬学的に許容可能な構成要素は、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって承認されたものまたは動物、より詳細にはヒトにおける使用に関して米国薬局方会議(メリーランド州ロックビル)により発行される米国薬局方または他の一般に認められた薬局方に列挙されているものである。
【0019】
[00018] 本発明に従う“医薬組成物”は、異なる有効成分ならびに希釈剤および/もしくはキャリヤーが互いに混合されている組成物の形態で存在することができ、または有効成分が部分的にもしくは全く異なる形態で存在する組み合わせ調製物の形態をとることもできる。そのような組み合わせまたは組み合わせ調製物の例は、部品のキット(kit-of-parts)である。
【0020】
[00019] 本明細書で使用される用語“光線療法”は、療法的利益を得るために患者のある領域または体全体への光の制御および/または処方された適用を指す。用語“光線療法”は、体の太陽光への故意の、または意図的な曝露を含むが、通常の光の過程の間に起こる光への曝露は、この用語の範囲内ではない。
【0021】
[00020] 本明細書で使用される際、用語“対象”“または患者”は、最も好ましくはヒトを指す。用語“対象”または“患者”は、本明細書に記載される化合物から利益を得ることができるあらゆる哺乳類を含むことができる。
【0022】
[00021] “療法量”または“療法上有効量”は、意図された目的を達成するのに十分な療法剤の量である。所与の療法剤の有効量は、薬剤の性質、投与経路、療法剤を受けるべき対象の大きさおよび投与の目的のような要因によって変動するであろう。それぞれの個々の症例における有効量は、当業者によって、当技術分野における確立された方法に従って経験的に決定され得る。
【0023】
[00022] 薬物または組成物の投与に関する“局所的”という用語は、皮膚または角膜を含む体外の上皮表面へのそのような薬物または組成物の適用を指す。この適用に関して、口、鼻または耳のような体の開口部の内側への適用は、局所適用とは見なされない。
【0024】
[00023] 本明細書で使用される際、疾患または障害を“処置する”、“処置すること”またはその“処置”は、以下の1つ以上を成し遂げることを意味する:(a)障害の重症度および/または期間を低減すること;(b)処置されている障害(単数または複数)に特徴的な症状の発生を制限または予防すること;(c)処置されている障害(単数または複数)に特徴的な症状の悪化を抑制すること;(d)以前にその障害(単数または複数)を有していた患者においてその障害(単数または複数)の再発を制限または予防すること;ならびに(e)以前にその障害(単数または複数)に関して症状があった患者において症状の再発を制限または予防すること。
【0025】
[00024] 本明細書で使用される場合、“紫外線”または“UV”という用語は、紫外線B(UVB、280~320nm)および紫外線A(UVA、320~400nm)ならびにその狭い領域、例えば狭帯域紫外線B(nbUVB、311~312nm)およびUVA1(340~400nm)を含むがそれらに限定されない10~400nmの波長を有する光であって、あらゆる強度を有する、または製造されたデバイスもしくは太陽を含むあらゆる源からの光を指す。
【0026】
[00025] 略語“w/w”は、組成物中の構成要素の相対濃度を、体積または他の量に基づくのではなく“重量対重量”として表す(すなわち、百分率は総重量の百分率を指す)。
【0027】
[00026] 本発明は、白斑病変を有する患者に局所処置および紫外線B(“UVB”)光線療法の組み合わせを施用することを含む、白斑病変を処置するための方法に関する。本明細書で開示されるように、本発明の発明者らは、狭帯域UVB光線療法と組み合わせられた局所的に適用されるJAK阻害剤SHR0302は白斑病変を劇的に再着色するという驚くべき発見をした。本発明の一態様によれば、狭帯域UVB光線療法と組み合わせられた局所的に適用されるJAK阻害剤SHR0302は顔および首の白斑病変を劇的に再着色することが、驚くべきことに発見された。
【0028】
[00027] 白斑は、インターフェロン(IFN)-γおよびケモカインC-X-Cモチーフケモカインリガンド(CXCL)9およびCXCL10の発現増加を伴うTヘルパー1型(Th1)媒介免疫反応によって特徴付けられ、それは、メラニン形成細胞の正常な機能を障害して皮膚に色素脱失の領域を生じさせる。重要なことは、IFN-γがその細胞表面受容体(IFNGR)に結合した後、シグナル伝達がJanusキナーゼ(JAK)、特にJAK1およびJAK2を通じて行われることである。JAK1は、白斑に強く関与しているIL-15経路のシグナル伝達の重要なメディエーターでもある。従って、JAK阻害は、INF-γシグナル伝達および下流のケモカイン発現を減少させることによる白斑の処置に関する有効な戦略に相当する。JAK阻害剤の経口投与よりも局所投与によって提供される、予想されるより低い全身曝露、向上した安全性プロファイルおよびより直接的な皮膚送達を考慮すると、局所的JAK阻害剤は白斑の処置に特によく適している。局所的JAK阻害は、白斑の処置にも有効である。特に、局所的JAK阻害は顔の白斑に関して実証された有効性を有し、体の他の部分の白斑と比較してさらにもっと有効である。
【0029】
[00028] 本発明の方法は、顔および首の白斑病変を含む白斑病変を示す対象を含む白斑を有する対象に局所的JAK阻害剤を投与することを含む。本発明において、JAK1阻害剤は、参照により本明細書に援用される米国特許第9,527,851号において開示されたJAK1阻害剤である。特に好ましい態様において、JAK1阻害剤は、SHR0302またはARQ-250としても知られている(3aR,5S,6aS)-N-(3-メトキシル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5-(メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキサミドである。SHR0302およびARQ-250という用語は、本明細書において互換的に使用される。SHR0302の構造は、以下の通りである:
【0030】
【化1】
【0031】
[00029] SHR0302は、JAK2よりもJAK1に関して高い選択性(selectively)を有することが示されているJAK1の強力な低分子阻害剤であり、従って、JAK2阻害と関係する貧血、血小板減少および好中球減少のような造血系の有害な作用を引き起こすことなく炎症性疾患を処置する可能性を有している。
【0032】
[00030] 本発明の方法において、SHR0302は、局所用医薬組成物において投与されることができる。医薬組成物は、SHR0302を遊離塩基または薬学的に許容可能な塩として含むことができる。特許請求される発明の特定の態様において、医薬組成物は、SHR0302の硫酸塩を含む。他の適切な薬学的に許容可能な塩類は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版, Mack Publishing Company (1985)において見出されることができ、それは、参照により本明細書に援用される。
【0033】
[00031] 理論により束縛されることを意味するものではないが、局所的なJAK阻害の有効性は、身体の他の部分と比較して顔の毛包単位の高い密度によるものであると信じられている。色素沈着した毛包は、毛包の免疫特権および毛包のバルジ領域に存在するメラニン形成細胞幹細胞により、再着色のためのメラニン形成細胞の重要なリザーバーであると考えられている。本明細書で開示されるように、本発明者らは、狭帯域UVB光線療法と組み合わせられた局所的に適用されるJAK阻害剤SHR0302が、顔および首の白斑病変を含め、白斑病変を劇的に再着色するという驚くべき発見をしている。この組み合わせられたアプローチに関する理論的根拠は、疾患に寄与する局所炎症を抑制するJAK阻害およびメラノサイトを刺激して病変を再着色する紫外線療法を含む2工程戦略が必要であるということである。実際、狭帯域紫外線B(NB-UVB)と組み合わせられた局所的SHR0302の本組み合わせは、顔の白斑に関して特に有効である。狭帯域UVB光線療法と組み合わせられたJAK阻害の、特に局所的SHR0302との組み合わせは、JAK阻害単独および光線療法単独と比較して、より完全かつ迅速な再着色を促進すると信じられている。
【0034】
[00032] 本発明において、SHR0302は局所的に投与される。医薬組成物は、SHR0302を遊離塩基または薬学的に許容可能な塩として含むことができる。局所医薬組成物は、例えば溶液、液体、スプレー、フォーム、ローション、ゲル等を含む多くの異なる形態であり得る。好ましくは、SHR0302は、以下の形態の1つで局所医薬組成物において投与される:
[00033] 水中油型エマルジョン:製品は、疎水性構成要素の分離した相ならびに水および場合により1種類以上の極性親水性賦形剤ならびに溶媒、共溶媒、塩類、界面活性剤、乳化剤および他の構成要素を含む連続した水相を含むエマルジョンであることができる。これらのエマルジョンは、エマルジョンを安定化するのを助ける水溶性または水膨潤性ポリマーを含むことができる。
【0035】
[00034] 油中水型エマルジョン:組成物は、疎水性構成要素の連続相ならびに水および場合により1種類以上の極性親水性キャリヤー(単数または複数)ならびに塩類または他の構成要素を含む水相を含むエマルジョンであることができる。これらのエマルジョンは、エマルジョンの安定化を助ける油溶性または油膨潤性ポリマーおよび1種類以上の乳化剤(単数または複数)を含み得る。
【0036】
[00035] 親水性または疎水性軟膏:組成物は、疎水性基剤(例えばワセリン、増粘またはゲル化水不溶性油等)と共に配合され、場合により微量の水溶性相を有する。親水性軟膏は、一般に1種類以上の界面活性剤または湿潤剤を含有する。
【0037】
[00036] マイクロエマルジョン:これらは、油、水および界面活性剤をしばしば補助界面活性剤との組み合わせで含有する透明で熱力学的に安定な等方性液体系である。マイクロエマルジョンは、水連続、油連続または双連続の混合物であることができる。配合物は、場合により60重量%までの水を含有することもできる。一部の組成物ではより高いレベルが適切であり得る。
【0038】
[00037] ナノエマルジョン:これらは、水、油、および乳化剤を含有する等方性分散系である。その系は、ナノメートルサイズの液滴または油性相を形成する水性系に分散した油性系または油性系に分散した水性系であることができる。ナノエマルジョンは、しばしばマイクロエマルジョンよりも親油性有効成分に関するより高い装填容量を有する。疎水性および親水性有効成分も、ナノエマルジョンに配合されることができる。ナノエマルジョンは、高圧ホモジナイゼーション、マイクロ流体化および相転移温度を含む当技術分野で知られているあらゆる適切な方法によって形成されることができる。
【0039】
[00038] エアロゾルフォームまたはスプレー:製品は、乳化ワックスを含有するアルコール/溶媒ベースの溶液または疎水性構成要素の離散相ならびに水および場合により1以上の極性親水性賦形剤ならびに溶媒、共溶媒、界面活性剤、乳化剤および他の構成要素を含む連続した水相を含むエマルジョンであることができる。これらの溶媒またはエマルジョンフォーム濃縮物は、エマルジョンの安定化を助ける水溶性または水膨潤性ポリマーならびに配合物とパッケージとの間の適合性を向上させるための腐食阻害剤を含むことができる。炭化水素、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)またはクロロフルオロカーボン(CFC)エアロゾル噴射剤が、フォームまたはスプレー製品が適用のために分配されるまで圧力を維持するように設計されたパッケージ化において溶媒またはエマルジョンフォーム濃縮物に添加されることができる。
【0040】
[00039] 溶媒
[00040] 本発明における使用のための組成物は、皮膚透過または配合物に含有される他の賦形剤の活性を改変する1以上の溶媒または共溶媒を含むことができる。溶媒は、アセトン、エタノール、ベンジルアルコール、ブチルアルコール、セバシン酸ジエチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アジピン酸ジイソプロピル、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、N-メチルピロリドン(N-methyl pyrrolidione)、ポリエチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコールおよびSDアルコールを含むが、それらに限定されない。
【0041】
[00041] 界面活性剤
[00042] 本発明における使用のための組成物は、1種類以上の界面活性剤または補助界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、短鎖アルコール類、アルカンジオール類およびトリオール類、アルキルリン酸エステル類、ポリエチレングリコール類およびグリコールエーテル類、ピロリジン誘導体、胆汁酸塩類、ソルビタン脂肪酸エステル類およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含むが、それらに限定されない。
【0042】
[00043] ポリマー性乳化剤
[00044] 本発明における使用のための組成物は、1種類以上のポリマー性乳化剤を含み得る。ポリマー性乳化剤は、アリルペンタエリスリトールで架橋されたアクリル酸およびC10~30アルキルアクリレートの高分子量コポリマーを含むことができる。本発明の方法で使用するのに特に適したポリマー性乳化剤は、Pemulen(商標)TR-1 NFおよびPemulen(商標)TR-2 NFを含む、商品名Pemulen(商標)の下で市販されLubrizolによって販売されているものを含む。
【0043】
[00045] 保湿剤
[00046] 本発明における使用のための組成物は、水和のレベルを増大させるために、1種類以上の保湿剤を含むことができる。保湿剤は、湿潤剤を含む親水性材料であることができ、またはそれは、軟化薬を含む疎水性材料であることができる。適切な保湿剤は、以下の保湿剤を含むが、それらに限定されない:1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール200~8000、ステアリン酸ブチル、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルエステル類ワックス、パルミチン酸セチル、ココアバター、ヤシ油、シクロメチコン、ジメチコン、ドコサノール、エラストマー、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、脂肪酸、イソステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ジステアリン酸グリコール、ステアリン酸グリコール、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸、イソステアリルアルコール、ラノリン、鉱油、リモネン、中鎖トリグリセリド、メントール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、オレイン酸、オレイルアルコール、オレイン酸オレイル、オリーブ油、パラフィン、ピーナッツ油、ワセリン、Plastibase-50Wおよびステアリルアルコール。
【0044】
[00047] ポリマーおよび増粘剤
[00048] 特定の適用に関して、可溶性、膨潤性または不溶性の有機ポリマー性増粘剤、例えば天然ポリマーおよび合成ポリマーまたは無機増粘剤、例えばアクリレートコポリマー、カルボマー1382、カルボマーコポリマータイプB、カルボマーホモポリマータイプA、カルボマーホモポリマータイプB、カルボマーホモポリマータイプC、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、カルボキシビニルコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシポリメチレン、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性ワックスおよびメチルセルロースで増粘された製品を配合することが望ましい可能性がある。
【0045】
[00049] 追加の構成要素
[00050] 本発明における使用のための組成物は、化粧用および医薬的局所製品に従来見られる追加の構成要素、例えば増量剤、キャリヤーおよび賦形剤と共に配合されることができる。消泡剤、保存剤(例えばp-ヒドロキシ安息香酸エステル類、ベンジルアルコール、フェニル水銀塩類、クロロクレゾール)、抗酸化剤(例えばBHT、BHA、アスコルビン酸、トコフェロール、クエン酸、没食子酸プロピル、メタ重亜硫酸ナトリウム)、封鎖剤、安定剤、緩衝剤、pH調整剤(好ましくはグルコノラトン、クエン酸、乳酸およびアルファヒドロキシ酸を含むがそれらに限定されない結果として酸性pHをもたらす薬剤)、皮膚浸透増強剤、皮膚保護剤(ワセリン、パラフィンワックス、ジメチコン、モノイソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、セチルアルコール、セチルリン酸カリウム、ベヘン酸セチルおよびベヘン酸を含むが、それらに限定されない)、キレート剤、フィルム形成剤、染料、顔料、希釈剤、増量剤、香料、エアロゾル生成剤および安定性または美観を向上させるための他の賦形剤を含むがそれらに限定されない追加の構成要素が、組成物に添加されることができる。
【0046】
[00051] 本発明における使用のための組成物は、処置されている病気に応じて追加の有効薬剤と共に配合されることができる。組み合わせ局所薬物製品に関する例示的な追加の有効薬剤は、以下の薬剤を含む:コルチコステロイド類(例えばクロベタゾール、ベタメタゾン、ハロベタゾールまたはトリアムシノロン)、ベータアンドレナリン拮抗薬(例えばチモロール)、カルシニューリン阻害剤(例えばタクロリムスまたはピメクロリムス)、メトトレキサートまたはシクロスポリン。
【0047】
[00052] 特定の態様において、局所用医薬組成物は、皮膚浸透増進剤として機能し得るラウレス-4を含むことができる。
【0048】
[00053] 投与および投与量
[00054] 本発明は、有効量の本明細書に記載の組成物を人体の外上皮表面に局所適用することを含む、それを必要とする患者に対して白斑を処置する方法を含む。特定の態様において、有効成分SHR0302が療法上有効量で投与されることができる。特定の態様において、SHR0302の量は、約0.01%w/w~約5%w/wまたは約0.1%w/w~約3%w/wの範囲であり得る。例示的な範囲は、約0.01%w/w~約2%w/wまたは約0.01%w/w~約1.5%w/wまたは約0.1%w/w~約1.0%w/wまたは0.1%w/w~約0.5%w/wである。例えば、局所配合物は、以下のSHR0302のw/wパーセントのいずれかを含む:0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、7%、1.8%、1.9%、1.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%等。
【0049】
[00055] 特定の態様において、医薬組成物は、レジメンとして、例えば規則的な間隔で局所投与される。例えば、局所医薬組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、1週間あたり1回、1週間あたり2回、1週間あたり3回または1週間あたり4回投与されることができる。医薬組成物は、処方された期間の間投与されることができる。例えば、局所医薬組成物は、約2週間~少なくとも約6ヶ月の期間、または皮膚の状態もしくは疾患における改善が視覚的に観察されるまで投与されることができる。処置レジメンに関する例示的な期間は、2週間、1ヶ月、6週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月または1年を含む。好ましい態様において、局所医薬組成物は、少なくとも3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月または6ヶ月の期間の間毎日2回または3回投与される。
【0050】
[00056] 本発明の方法は、白斑を有する対象にUVB光線療法を施用することをさらに含むことができる。好ましい態様において、光線療法は、狭帯域UVBである。光線療法は、The Vitiligo Working Group recommendations for narrowband ultraviolet B light phototherapy treatment of vitiligo. J. Am. Acad. Dermatol. 2017 May;76(5):879-888に従って施用されることができる。
【0051】
[00057] 光線療法は、顔、首、前腕および/または手の病変を含む対象の白斑病変に施されることができる。様々な態様において、光線療法は、少なくとも手、前腕、顔、肘および/または首の白斑病変を含む白斑に罹患している対象の皮膚部分に適用される。様々な態様において、光線療法は、白斑に罹患している対象の皮膚部分に実質的に制限される。特定の態様において、白斑に罹患している対象の皮膚は、狭帯域UVBの非活性化または透過の妨害の可能性があるため、例えば光線療法セッションを開始する前の30分間は局所医薬組成物、日焼け止め剤、保湿剤、化粧品を含む(必要に応じて鉱油を除く)全ての局所用製品が除去された状態にある。
【0052】
[00058] 特定の態様において、光線療法は、全身サイズのユニット、またはより小さいユニット、または手持ち式デバイスによって送達される。さらに他の態様において、光線療法は、Daavlin Series 1 NBUVB Home Phototherapy Unitのような家庭用光線療法ユニットを使用して施用される。特定の態様において、患者は、約10~1,000mJ/cmの線量のnbUVBを施用される。特定の態様において、光線療法は、10~5000mJ/cmのnbUVBの線量で施用される。特定の態様において、光線療法は、25~1,000mJ/cmのnbUVBの線量で施用される。特定の態様において、光線療法は、25~500mJ/cmのnbUVBの線量で施用される。特定の態様において、光線療法は、25~250mJ/cmのnbUVBの線量で施用される。特定の態様において、光線療法は、200mJ/cmの線量で施用される。特定の態様において、対象は、一度彼らが処置領域の完全な再着色を達成した後、経時的に漸減する線量の光線療法を施用される。例えば、第1の月の間、光線療法は週2回施用され、第2の月の間、光線療法は週1回施用され、第3および第4の月の間、光線療法は隔週で施用される。
【0053】
[00059] 特定の態様において、光線療法は、処置される各領域に関して1秒~16分30秒間適用され得る。例えば、光線療法は、1秒、30秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、16分および10秒、または16分および30秒間適用され得る。処置線量は、患者のフィードバック(例えば、皮膚感受性)ならびに手当て(dressing)の特徴(例えば、どれだけ多くのUVが皮膚に浸透すると考えられるか、処置領域のサイズ等)およびUV源の特徴(例えば、デバイスがどれだけ多くのエネルギーを送達すると考えられるか、または送達することができるか)に基づいて決定され得る。
【0054】
[00060] 特定の態様において、光線療法は、レジメンとして、例えば、規則的な間隔で施用される。例えば、光線療法は、1日1回、1週間あたり1回、1週間あたり2回、1週間あたり3回、1週間あたり4回、2週間に1回または1ヶ月に1回施用されることができる。特定の態様において、光線療法は、処置の間に少なくとも1日おいて1週間に3回施用される。例えば、光線療法は、月曜日-水曜日-金曜日、または火曜日-木曜日-土曜日に施用される。光線療法は、約2週間~少なくとも約6ヶ月の期間、または皮膚の状態もしくは疾患における改善が視覚的に観察されるまでを含む、処方された期間の間施用されることができる。処置レジメンのための例示的な期間は、2週間、1ヶ月、6週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月または1年を含む。好ましい態様において、光線療法は、1~4カ月の期間、週に2回または3回施用される。
【0055】
[00061] 本発明の方法は、さらに顔の白斑病変を有する患者を含む顔の白斑の処置を含むことができる。本明細書に記載される方法は、顔の病変を含む対象の白斑病変を再着色することを含め、白斑の症状を軽減することができる。本明細書に記載される方法は、対象の顔の白斑面積および重症度指数(F-VASI)、顔および首の白斑面積および重症度指数(F/N-VASI)、前腕の白斑面積および重症度指数(前腕-VASI)をさらに低減することができる。
【0056】
[00062] 以下の実施例は、本発明の特定の態様を限定することなく説明する。
【実施例
【0057】
[00063] 様々な態様が上で記載されてきたが、それらは例としてのみ提示されており、限定としてではないことは、理解されるべきである。従って、本開示の広さおよび範囲は、上記の例示的な態様のいずれかによって限定されるべきでは決してない。さらに、その全ての可能なバリエーションにおける上記の要素のあらゆる組み合わせは、本明細書で別途示されない限り、または文脈によって別途明らかに矛盾しない限り、本開示によって包含される。
【0058】
[00064] 実験例1
[00065] 35kgバッチのARQ-252クリーム0.3%(SHR0302遊離塩基当量)を製造し、密封アルミニウム管(3/4”×3 3/4”#16キャップ)中に充填した。クリームの調製における第1の工程は、後でクリームの製造の間に使用するためのクリーム構成要素の3つのブレンドまたは“相”を作製することであった。3つの調製物は、ARQ-252クリームの“25%トロラミンストック溶液”、“内部相”および“API相”である。1リットルのガラスビーカーにおいて、375.97グラムの水を125.00グラムのトロラミン、NFと組み合わせ、混合した。この“25%トロラミンストック溶液”をラベル付けし、後にクリームのpHを調整するために使用するために確保した。7リットルのステンレス鋼ストックポットにおいて、クリームの“内部相”を調製し、ラベル付けし、製品製造の間の主反応容器への後の添加のために確保した。“内部相”は、2471.87グラムのシクロメチコン、NF、700.61グラムのDow Corning ST-Elastomer 10、35.22グラムのD-リモネンおよび349.77グラムのジメチコン、350cstを組み合わせて混合することによって作製された。“API相”は、10.56kgのジメチルスルホキシド、USP、701.77グラムのベンジルアルコール、NFおよび17.60グラムのブチル化ヒドロキシトルエン、NFを20リットルのステンレス鋼ストックポットにおいてブレンドし、次いで132.25グラムのSHR0302硫酸塩を溶解させることによって作製された。
【0059】
[00066] 36リットルのステンレス鋼ストックポットにおいて、5257.89グラムのプロピレングリコール(PG)、5253.18グラムのポリエチレングリコール200(PEG 200)、279.57グラムのカルボマーコポリマー(Pemulen(商標)TR-1)および528.17グラムのカルボマーホモポリマー(Carbopol 974P)を組み合わせ、混合した。20リットルのステンレス鋼ストックポット側(side)容器において、8884.65グラムの水を17.48グラムのエデト酸二ナトリウム二水和物(Diydrate)USPと組み合わせ、均一に混合した。この20リットルステンレス鋼ストックポットの全内容物を、PG、PEG 200および2種のカルボマーの36リットルステンレス鋼ストックポットに、絶えず混合しながら添加した。次いで、PG、PEG 200、カルボマーコポリマー、カルボマーホモポリマー、水およびエデト酸二ナトリウム二水和物を、アンカー混合を備えた50リットルのジャケット付き主反応容器中に移す。
【0060】
[00067] “内部相”を主反応容器に添加し、5分間以上の期間連続混合する。均一になった後、“API相”を、API相が十分に組み込まれるまで、かつ5分間以上の期間連続混合しながら主反応容器にゆっくりと添加する。API相の添加および混合が完了した後、ホモジナイザーを挿入し、少なくとも60分間ホモジナイズして均一な白色クリームを形成する。pH試料を採取し、“25%トロラミンストック溶液”の適量を計算し、添加して5.5の目標pH値に調整する。必要に応じて、クリームのpHを試験し、クリームのpH値が5.5 ± 0.4pH単位になるまで25%トロラミンを添加するこのプロセスを繰り返す。
【0061】
[00068] 表1は、本明細書において開示される方法で使用するための例示的な局所医薬組成物およびビヒクルを提供する。
【0062】
【表1】
【0063】
[00069] 実施例2
[00070] 実施例2は、本明細書に記載される方法で使用するための2つの追加の例示的な局所医薬組成物を提供する。
【0064】
【表2】
【0065】
[00071] 実施例3
[00072] 実施例3は、本明細書に記載される方法で使用するための3つの追加の例示的な局所医薬組成物を提供する。
【0066】
【表3】
【0067】
[00073] 実施例4
[00074] 実施例1の0.3%SHR0302局所クリーム(ARQ-252クリーム0.3%)の安全性および有効性の概念実証並行群二重盲検ビヒクル対照試験を、非分節型顔白斑を有する対象に関して設計した。非分節型顔白斑を有する対象は、顔、首、手、前腕および肘の白斑の全ての罹患領域にARQ-252 0.3%クリーム1日2回またはビヒクルクリーム1日2回のどちらかを適用した。全ての罹患した脱色領域に製品を適用し、解剖学的に可能であれば、処置は全周にわたり境界からおおよそ3cmに及んだ。これらの同じ対象はまた、標準化された光線療法プロトコルに従って、顔全体ならびに首、手、前腕および肘上の罹患した領域にDaavlin Series 1 NBUVB Home Phototherapy Unitを最大3回/週まで使用した。1人の患者は、Daavlin Series 1 NBUVB Home Phototherapy Unitを使用する光線療法と組み合わせて、ARQ-252クリーム0.3%を1日2回適用した。1人の患者は、Daavlin Series 1 NBUVB Home Phototherapy Unitを用いた光線療法と組み合わせて、1日2回のビヒクルクリーム(SHR0302有効物質が水で置き換えられていることを除いてARQ-252クリームと同じ組成物)を適用した。
【0068】
[00075] 2人の患者を、顔の白斑面積および重症度指数(F-VASI)、顔体表面積(F-BSA)、顔/首BSA(F/N-BSA)、BSA(手、前腕、肘)、顔/首VASI(F/N-VASI)、前腕および肘のVASI(FOREARM-VASI)ならびに手のみのVASI(HAND-VASI)を含む尺度によって評価した。“顔”領域は、前額部では当初の髪の生え際まで、頬~下顎の輪郭では下顎の輪郭に対して垂直に、側方には口の角から耳珠までの領域を含むものとして定義される。“顔”領域は、唇、頭皮、耳、または首の表面領域を含まないが、まぶたおよび鼻を含むであろう。VASIは、ベースラインでの白斑パッチの全体的な面積およびこれらのパッチ内の経時的な斑状再着色の程度の複合推定値に基づく定量的臨床ツールである。処置の有効性の尺度としてのF-VASI手段の信頼性および妥当性が、確認されている。(Rosmarin,2020)。白斑に罹患したBSAは、総BSAの百分率として評価され、ガイドとして手のひらに5本の指を加え、指(親指を除く)を押し合わせ、親指を横に押し開いた形(手形)を、1%BSAとして、親指を0.1%BSAとして、最も近い0.01%単位まで決定されるであろう。各白斑関与部位に関する色素脱失の程度を決定し、以下の百分率:0、10%、25%、50%、75%、90%または100%の最も近いものに推定した。100%の色素脱失では、色素は存在せず;90%では色素の小さい点々が存在し;75%では色素脱失面積が色素面積を超え;50%では色素脱失面積および色素面積は等しく;25%では色素面積が色素脱失面積を超え;10%では色素脱失の小さい点々のみが存在する。次いで、VASIは、白斑の関与に関して評価された値に顔の上の各部位に関する罹患皮膚の百分率を乗算し、全ての部位の値を一緒に合計することによって導出された。白斑関与の百分率は、試験の全過程の間、同じ研究者によって手の単位で推定された。表4に見られるように、JAK阻害剤SHR0302が狭帯域UVB光線療法と組み合わせて局所適用される場合、白斑病変は、狭帯域UVB光線療法と組み合わせたビヒクルクリーム(SHR0302なし)の局所処置と比較して劇的に再着色される。この改善された療法レジメンは、顔および首の白斑病変の処置において最も有効であった。
【0069】
【表4】
【0070】
[00076] 前記の記載は、例示および記載の目的で提示されたものである。この記載は、本発明を開示された正確な形態に限定することは意図されていない。当業者は、基本的な発明の記載の修正および置換がなされ得ることを理解するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする対象における白斑を処置する方法で使用するためのSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、当該方法が以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含む医薬組成物
【請求項2】
請求項1に記載の医薬組成物であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される医薬組成物
【請求項3】
請求項2に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、さらに溶媒を含む医薬組成物
【請求項4】
請求項2に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、さらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む医薬組成物
【請求項5】
請求項2に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏または疎水性軟膏からなる群から選択される医薬組成物
【請求項6】
請求項2に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される医薬組成物
【請求項7】
請求項2に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、少なくとも1ヶ月間1日2回投与される医薬組成物
【請求項8】
請求項1に記載の医薬組成物であって、該紫外線B光線療法が、1週間あたり1回~3回該対象に施用される医薬組成物
【請求項9】
請求項1に記載の医薬組成物であって、該紫外線B光線療法が、狭帯域紫外線B光線療法である医薬組成物
【請求項10】
必要とする対象における白斑病変を処置する方法で使用するためのSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、当該方法が以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含む医薬組成物
【請求項11】
請求項10に記載の医薬組成物であって、該処置の方法が該対象の白斑病変を再着色する医薬組成物
【請求項12】
請求項10に記載の医薬組成物であって、該処置の方法が、該対象の顔の白斑面積および重症度指数(F-VASI)、顔および首の白斑面積および重症度指数(F/N-VASI)ならびに前腕の白斑面積および重症度指数(前腕-VASI)の少なくとも1つを低減する医薬組成物
【請求項13】
請求項10に記載の医薬組成物であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される医薬組成物
【請求項14】
請求項13に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、さらに溶媒を含む医薬組成物
【請求項15】
請求項13に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、さらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む医薬組成物
【請求項16】
請求項13に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏または疎水性軟膏からなる群から選択される医薬組成物
【請求項17】
請求項13に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される医薬組成物
【請求項18】
請求項13に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間1日2回投与される医薬組成物
【請求項19】
請求項10に記載の医薬組成物であって、該紫外線B光線療法が1週間に1回~3回該対象に施用される医薬組成物
【請求項20】
請求項10に記載の医薬組成物であって、該紫外線B光線療法が狭帯域紫外線B光線療法である医薬組成物
【請求項21】
必要とする対象の白斑病変を再着色する方法で使用するためのSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、当該方法が以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含み、該処置の方法が、該対象の白斑病変を再着色する医薬組成物
【請求項22】
請求項21に記載の医薬組成物であって、該処置の方法が、該対象の顔の白斑面積および重症度指数(F-VASI)、顔および首の白斑面積および重症度指数(F/N-VASI)ならびに前腕の白斑面積および重症度指数(前腕-VASI)の少なくとも1つを低減する医薬組成物
【請求項23】
請求項21に記載の医薬組成物であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される医薬組成物
【請求項24】
請求項23に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物がさらに溶媒を含む医薬組成物
【請求項25】
請求項23に記載の医薬組成物であって、該医薬配合物がさらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む医薬組成物
【請求項26】
請求項23に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏、または疎水性軟膏からなる群から選択される医薬組成物
【請求項27】
請求項23に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される医薬組成物
【請求項28】
請求項23に記載の医薬組成物であって、該医薬組成物が、少なくとも1ヶ月間1日2回投与される医薬組成物
【請求項29】
請求項21に記載の医薬組成物であって、該紫外線B光線療法が、該対象に1週間あたり1~3回施用される医薬組成物
【請求項30】
請求項21に記載の医薬組成物であって、該紫外線B光線療法が、狭帯域紫外線B光線療法である医薬組成物
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
[00076] 前記の記載は、例示および記載の目的で提示されたものである。この記載は、本発明を開示された正確な形態に限定することは意図されていない。当業者は、基本的な発明の記載の修正および置換がなされ得ることを理解するであろう。
本明細書は以下の発明の開示を包含する。
[項目1] 必要とする対象における白斑を処置する方法であって、以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含む方法。
[項目2] 項目1に記載の方法であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される方法。
[項目3] 項目2に記載の方法であって、該医薬組成物が、さらに溶媒を含む方法。
[項目4] 項目2に記載の方法であって、該医薬配合物が、さらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む方法。
[項目5] 項目2に記載の方法であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏または疎水性軟膏からなる群から選択される方法。
[項目6] 項目2に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される方法。
[項目7] 項目2に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1ヶ月間1日2回投与される方法。
[項目8] 項目1に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が、1週間あたり1回~3回該対象に施用される方法。
[項目9] 項目1に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が、狭帯域紫外線B光線療法である方法。
[項目10] 必要とする対象における白斑病変を処置する方法であって、以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含む方法。
[項目11] 項目10に記載の方法であって、該処置の方法が該対象の白斑病変を再着色する方法。
[項目12] 項目10に記載の方法であって、該処置の方法が、該対象の顔の白斑面積および重症度指数(F-VASI)、顔および首の白斑面積および重症度指数(F/N-VASI)ならびに前腕の白斑面積および重症度指数(前腕-VASI)の少なくとも1つを低減する方法。
[項目13] 項目10に記載の方法であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される方法。
[項目14] 項目13に記載の方法であって、該医薬組成物が、さらに溶媒を含む方法。
[項目15] 項目13に記載の方法であって、該医薬配合物が、さらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む方法。
[項目16] 項目13に記載の方法であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏または疎水性軟膏からなる群から選択される方法。
[項目17] 項目13に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される方法。
[項目18] 項目13に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間1日2回投与される方法。
[項目19] 項目10に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が1週間に1回~3回該対象に施用される方法。
[項目20] 項目10に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が狭帯域紫外線B光線療法である方法。
[項目21] 必要とする対象の白斑病変を再着色する方法であって、以下の工程:
(a)療法上有効量のSHR0302またはその薬学的に許容可能な塩を該対象に局所投与すること;および
(b)該対象に紫外線B光線療法を施用すること;
を含み、該処置の方法が、該対象の白斑病変を再着色する方法。
[項目22] 項目21に記載の方法であって、該処置の方法が、該対象の顔の白斑面積および重症度指数(F-VASI)、顔および首の白斑面積および重症度指数(F/N-VASI)ならびに前腕の白斑面積および重症度指数(前腕-VASI)の少なくとも1つを低減する方法。
[項目23] 項目21に記載の方法であって、該SHR0302またはその塩が、約0.10%w/w~約0.50%w/wのSHR0302を含む医薬組成物中で投与される方法。
[項目24] 項目23に記載の方法であって、該医薬組成物がさらに溶媒を含む方法。
[項目25] 項目23に記載の方法であって、該医薬配合物がさらに抗酸化剤、保存剤、乳化剤、保湿剤または増粘剤を含む方法。
[項目26] 項目23に記載の方法であって、該医薬組成物が、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、フォーム、スプレー、親水性軟膏、または疎水性軟膏からなる群から選択される方法。
[項目27] 項目23に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1週間少なくとも1日1回投与される方法。
[項目28] 項目23に記載の方法であって、該医薬組成物が、少なくとも1ヶ月間1日2回投与される方法。
[項目29] 項目21に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が、該対象に1週間あたり1~3回施用される方法。
[項目30] 項目21に記載の方法であって、該紫外線B光線療法が、狭帯域紫外線B光線療法である方法。
【国際調査報告】