(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-04
(54)【発明の名称】線形加速器における可変長電極のためのシステム、装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
H05H 9/00 20060101AFI20231127BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
H05H9/00 F
H01J37/317 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526530
(86)(22)【出願日】2021-09-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 US2021051001
(87)【国際公開番号】W WO2022098439
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カールソン, チャールズ ティー.
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, ポール ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】シンクレア, フランク
(72)【発明者】
【氏名】リー, ウィリアム デイヴィス
【テーマコード(参考)】
2G085
5C101
【Fターム(参考)】
2G085AA03
2G085AA18
2G085BA05
2G085BE03
2G085BE04
2G085DA08
2G085EA08
5C101AA25
5C101BB09
5C101EE25
5C101EE28
5C101EE57
5C101EE65
5C101EE68
5C101EE75
(57)【要約】
装置が、RF信号を出力するようにアレンジされたRF電力アセンブリ、及び、イオンビームを伝送するようにアレンジされ、RF電力アセンブリに結合されたドリフトチューブアセンブリを備える。ドリフトチューブアセンブリは、第1の接地電極、第1の接地電極の下流に配置されたACドリフトチューブアセンブリ、及びACドリフトチューブアセンブリの下流に配置された第2の接地電極を含んでよい。その場合、ACドリフトチューブアセンブリは、少なくとも1つの可変長ACドリフトチューブを備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF信号を出力するようにアレンジされたRF電力アセンブリ、並びに
イオンビームを伝送するようにアレンジされ、前記RF電力アセンブリに結合されたドリフトチューブアセンブリ、を備える装置であって、前記ドリフトチューブアセンブリは、
第1の接地電極、
前記第1の接地電極の下流に配置されたACドリフトチューブアセンブリ、及び
前記ACドリフトチューブアセンブリの下流に配置された第2の接地電極を備え、
前記ACドリフトチューブアセンブリは、少なくとも1つの可変長ACドリフトチューブを備える、装置。
【請求項2】
前記ACドリフトチューブアセンブリは、単独のACドリフトチューブカップルを備え、二重間隙構成を規定し、前記二重間隙構成は、前記第1の接地電極と前記ACドリフトチューブアセンブリとの間に第1の間隙を含み、前記ACドリフトチューブアセンブリと前記第2の接地電極との間に第2の間隙を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記単独のACドリフトチューブカップルは、第1の部分と、ドリフトチューブ軸に沿って前記第1の部分に対して摺動可能な第2の部分とを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記単独のACドリフトチューブカップルと第1の接地電極は、互いに共同して可動であり、前記第1の間隙の第1の値及び前記第2の間隙の第2の値は、前記第1の部分が前記ドリフトチューブ軸に沿って前記第2の部分に対して摺動されるときに、変化しない、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ACドリフトチューブアセンブリは、第1のACドリフトチューブカップル及び第2のACドリフトチューブカップルを備え、三重間隙構成を規定し、前記三重間隙構成は、前記第1の接地電極と前記第1のACドリフトチューブカップルとの間に第1の間隙を含み、前記第1のACドリフトチューブカップルと前記第2のACドリフトチューブカップルとの間に第2の間隙を含み、前記第2のACドリフトチューブカップルと前記第2の接地電極との間に第3の間隙を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のACドリフトチューブカップルは、第1の部分と、ドリフトチューブ軸に沿って前記第1の部分に対して摺動可能な第2の部分とを備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のACドリフトチューブカップルの前記第1の部分と前記第1の接地電極は、互いに共同して可動であり、前記第1の間隙の第1の値は、前記第1の部分が前記ドリフトチューブ軸に沿って前記第2の部分に対して摺動されるときに、変化しない、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のACドリフトチューブカップルは、第3の部分と、ドリフトチューブ軸に沿って前記第3の部分に対して摺動可能な第4の部分とを備え、前記第3の間隙の第3の値は、前記第3の部分が前記ドリフトチューブ軸に沿って前記第4の部分に対して摺動されるときに、変化しない、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のACドリフトチューブカップルの前記第1の部分が、前記第2の部分に対して摺動されるとき、又は、前記第2のACドリフトチューブカップルの前記第3の部分が、前記第4の部分に対して摺動されるときに、前記第2の間隙は変化しない、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
イオンビームを生成するためのイオン源、
前記イオンビームを束ねたイオンビームとして出力するためのバンチャ、並びに、
前記束ねたイオンビームを移送及び加速するための線形加速器であって、複数の加速段を備える線形加速器、を備えるイオン注入装置であって、前記複数の加速段の所与の加速段は、
RF信号を出力するようにアレンジされたRF電力アセンブリ、及び
前記イオンビームを伝送するようにアレンジされ、前記RF電力アセンブリに結合されたドリフトチューブアセンブリを備え、前記ドリフトチューブアセンブリは、
第1の接地電極、
前記第1の接地電極の下流に配置されたACドリフトチューブアセンブリ、及び
前記ACドリフトチューブアセンブリの下流に配置された第2の接地電極を備え、
前記ACドリフトチューブアセンブリは、少なくとも1つの可変長ACドリフトチューブを備える、イオン注入装置。
【請求項11】
前記ACドリフトチューブアセンブリは、単独のACドリフトチューブカップルを備え、二重間隙構成を規定し、前記二重間隙構成は、前記第1の接地電極と前記ACドリフトチューブアセンブリとの間に第1の間隙を含み、前記ACドリフトチューブアセンブリと前記第2の接地電極との間に第2の間隙を含む、請求項10に記載のイオン注入装置。
【請求項12】
前記単独のACドリフトチューブカップルは、第1の部分と、ドリフトチューブ軸に沿って前記第1の部分に対して摺動可能な第2の部分とを備える、請求項11に記載のイオン注入装置。
【請求項13】
前記単独のACドリフトチューブカップルと第1の接地電極は、互いに共同して可動であり、前記第1の間隙の第1の値及び前記第2の間隙の第2の値は、前記第1の部分が前記ドリフトチューブ軸に沿って前記第2の部分に対して摺動されるときに、変化しない、請求項12に記載のイオン注入装置。
【請求項14】
前記ACドリフトチューブアセンブリは、第1のACドリフトチューブカップル及び第2のACドリフトチューブカップルを備え、三重間隙構成を規定し、前記三重間隙構成は、前記第1の接地電極と前記第1のACドリフトチューブカップルとの間に第1の間隙を含み、前記第1のACドリフトチューブカップルと前記第2のACドリフトチューブカップルとの間に第2の間隙を含み、前記第2のACドリフトチューブカップルと前記第2の接地電極との間に第3の間隙を含む、請求項10に記載のイオン注入装置。
【請求項15】
前記第1のACドリフトチューブカップルは、第1の部分と、ドリフトチューブ軸に沿って前記第1の部分に対して摺動可能な第2の部分とを備える、請求項14に記載のイオン注入装置。
【請求項16】
前記第1のACドリフトチューブカップルの前記第1の部分と前記第1の接地電極は、互いに共同して可動であり、前記第1の間隙の第1の値は、前記第1の部分が前記ドリフトチューブ軸に沿って前記第2の部分に対して摺動されるときに、変化しない、請求項15に記載のイオン注入装置。
【請求項17】
前記第1のACドリフトチューブカップルと第1の接地電極は、互いに共同して可動であり、前記第1の間隙の第1の値は、前記第1の部分が前記ドリフトチューブ軸に沿って前記第2の部分に対して摺動されるときに、変化しない、請求項16に記載のイオン注入装置。
【請求項18】
線形加速器を動作させる方法であって、
第1のm/q比を有する第1のパルスイオンビームを生成すること、
第1の構成にアレンジされ、第1のドリフトチューブカップル長を有する、可変長ACドリフトチューブアセンブリを通して前記第1のパルスイオンビームを導くこと、
前記第1のm/q比とは異なる第2のm/q比を有する第2のパルスイオンビームを生成すること、及び
第2の構成にアレンジされ、第1のドリフトチューブカップル長とは異なる第2のドリフトチューブカップル長を有する、前記可変長ACドリフトチューブアセンブリを通して前記第2のパルスイオンビームを導くことを含む、方法。
【請求項19】
前記可変長ACドリフトチューブアセンブリは、1つだけの可変長ACドリフトチューブカップルを備え、二重間隙構成を規定する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記可変長ACドリフトチューブアセンブリは、2つの可変長ACドリフトチューブカップルを備え、三重間隙構成を規定し、少なくとも1つの可変長ACドリフトチューブカップルの長さは、第1の構成と第2の構成との間で調整される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、広くは、イオン注入装置に関し、特に、高エネルギービームラインイオン注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] イオン注入は、衝突を介してドーパント又は不純物を基板の中に導入する工程である。イオン注入システムは、イオン源と、一連のビームライン構成要素とを備えてよい。イオン源は、イオンが生成されるチャンバを備えてよい。イオン源は、チャンバの近くに配置された電源及び抽出電極アセンブリも備えてよい。ビームライン構成要素は、例えば、質量分析器、第1の加速又は減速段、コリメータ、及び第2の加速又は減速段を含んでよい。光線を操作するための一連の光学レンズのように、ビームライン構成要素は、特定の種、形状、エネルギー、及び/又は他の性質を有するイオン若しくはイオンビームをフィルタし、集束させ、及び操作することができる。イオンビームは、ビームライン構成要素を通過し、プラテン又はクランプ上に取り付けられた基板又はウエハに向けて誘導されてよい。
【0003】
[0003] 約1MeV以上のイオンエネルギーを生成することができる注入装置は、高エネルギーイオン注入装置又は高エネルギーイオン注入システムと呼ばれることが多い。あるタイプの高エネルギーイオン注入装置は、線形加速器、すなわちリニアック(LINAC)と呼ばれ、チューブとしてアレンジされた一連の電極がイオンビームを導き、且つ、一連のチューブに沿ってますます高いエネルギーにまで加速する。それらの電極は、AC電圧信号を受信する。既知の(RF)リニアックは、13.56MHz~120MHzで印加されるRF電圧によって駆動される。
【0004】
[0004] RFリニアックイオン注入装置の動作上の1つの課題は、最大量のイオンが加速段を通して導かれ得るように、特定の質量/電荷比(M/q)を持つイオンを加速するために加速段がアレンジされることである。特に、所与の加速段を通してイオンを最大限に加速させるために、所与のACドリフトチューブの長さは、ACドリフトチューブに入るイオンの速度に従って最適化されてよい。この長さは、ドリフトチューブに入るイオンエネルギーの要因の他に、m/q比によって特定されることになる。したがって、相対的に低い質量の核種を最適に加速するようにサイズ決定されたACドリフトチューブを持つRFリニアックは、相対的に高い質量の核種を最適に加速しないことになる。これら及び他の考慮事項に関して本開示が提供される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 一実施形態では、装置が、RF信号を出力するようにアレンジされたRF電力アセンブリ、及び、イオンビームを伝送するようにアレンジされ、RF電力アセンブリに結合されたドリフトチューブアセンブリを備える。ドリフトチューブアセンブリは、第1の接地電極、第1の接地電極の下流に配置されたACドリフトチューブアセンブリ、及びACドリフトチューブアセンブリの下流に配置された第2の接地電極を含んでよい。その場合、ACドリフトチューブアセンブリは、少なくとも1つの可変長ACドリフトチューブを備える。
【0006】
[0006] 別の一実施形態では、イオン注入装置が、イオンビームを生成するためのイオン源、イオンビームを束ねたイオンビームとして出力するためのバンチャ、並びに、束ねたイオンビームを移送及び加速するための線形加速器であって、複数の加速段を備える線形加速器を含んでよい。したがって、複数の加速段の所与の加速段は、RF信号を出力するようにアレンジされたRF電力アセンブリ、及び、イオンビームを伝送するようにアレンジされ、RF電力アセンブリに結合されたドリフトチューブアセンブリを含んでよい。ドリフトチューブアセンブリは、第1の接地電極、第1の接地電極の下流に配置されたACドリフトチューブアセンブリ、及びACドリフトチューブアセンブリの下流に配置された第2の接地電極を含んでよい。その場合、ACドリフトチューブアセンブリは、少なくとも1つの可変長ACドリフトチューブを備える。
【0007】
[0007] 更なる一実施形態では、線形加速器を動作させる方法が、第1のm/q比を有する第1のパルスイオンビームを生成すること、及び、第1の構成にアレンジされ、第1のドリフトチューブカップル長を有する、可変長ACドリフトチューブアセンブリを通して第1のパルスイオンビームを導くことを含んでよい。該方法は、第1のm/q比とは異なる第2のm/q比を有する第2のパルスイオンビームを生成すること、及び、第2の構成にアレンジされ、第1のドリフトチューブカップル長とは異なる第2のドリフトチューブカップル長を有する、可変長ACドリフトチューブアセンブリを通して第2のパルスイオンビームを導くことを含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】[0008] 本開示の実施形態による第1の構成にある例示的な装置を示す。
【
図1B】[0009] 本開示の実施形態による第2の構成にある
図1Aの例示的な装置を示す。
【
図2A】[0010] 本開示の実施形態による第1の構成にある別の例示的な装置を示す。
【
図2B】[0011] 本開示の実施形態による第2の構成にある
図2Aの例示的な装置を示す。
【
図3】[0012] 本開示の実施形態による例示的なイオン注入システムを示す。
【
図4】[0013] 異なるドリフトチューブアセンブリの位置の関数としての電気特性を示す。
【
図5A】[0014] 本開示の実施形態による別の例示的な装置を示す。
【
図5B】[0015]
図5Aの装置の変形例のドリフトチューブの詳細を示す。
【
図5C】[0016] イオンエネルギーの関数として示される、3つの異なるイオン種(原子質量単位)及び2つの異なるRF電圧周波数に対する理想的なドリフトチューブ長の表を提示する。
【
図6】[0017] 例示的なプロセスフローを提示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0018] 図面は、必ずしも縮尺どおりではない。図面は、単なる表現であり、本開示の特定のパラメータを表すことを意図しない。図面は、本開示の例示的な実施形態を示すことを意図しており、したがって、範囲を限定するものと見なされるべきではない。図面では、同様の番号が同様の要素を表す。
【0010】
[0019] 次に、本開示による装置、システム、及び方法を、システム及び方法の実施形態が示された添付の図面を参照しながら、以下でより完全に説明する。該システム及び方法は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本明細書で説明される実施形態に限定されるものと見做されない。その代わりに、これらの実施形態は、本開示が一貫しており且つ完全となるように提供され、当業者にシステム及び方法の範囲を完全に伝えることになる。
【0011】
[0020] 図面に現れるような半導体製造デバイスの構成要素の形状寸法及び配向に関して、これらの構成要素及びそれらの構成部分の相対的な配置及び配向を記述するために、本明細書では「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「横方向(lateral)」、及び「縦方向(longitudinal)」などの用語が使用され得る。専門用語には、具体的に言及された単語、その派生語、及び同様の意味の単語が含まれる。
【0012】
[0021] 本明細書で使用されるように、単数形で列挙され、単語「1つ(a)」又は「1つ(an)」が前に付いた要素又は操作は、複数の要素又は操作を含む可能性があると理解される。更に、本開示の「一実施形態」への言及は、列挙された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0013】
[0022] ベースラインアーキテクチャに基く改良された高エネルギーイオン注入システム及び構成要素(特に、線形加速器に基くイオン注入装置)のためのアプローチが本明細書で提供される。簡潔さのために、イオン注入システムは、本明細書で「イオン注入装置」とも称されてよい。様々な実施形態は、線形加速器の加速段内の有効ドリフト長を柔軟に調整する能力を提供する新規なアプローチを必然的に伴う。
【0014】
[0023]
図1Aは、本開示の実施形態による第1の構成にある例示的な装置を示す。装置100は、線形加速器の加速段においてイオンビームを加速するためのドリフトチューブアセンブリ102及び関連する構成要素を表している。特に、装置100は、二重間隙加速段アレンジメントを規定する。その場合、イオンビームは、装置100内の2つの加速間隙を通して導かれる。装置100は、RF信号を用いてドリフトチューブアセンブリ102の様々な構成要素を駆動するRF電力アセンブリ110を含んでよい。RF電力アセンブリ110は、詳細なしに概略的に図示されており、電源、共振器、ネットワーク、及び他の知られている構成要素を含んでよい。ドリフトチューブアセンブリ102は、そこを通してイオンビームを導くための一連の中空チューブとしてアレンジされる。イオンビームは、間隙G1と間隙G2を通過するときに加速される。
【0015】
[0024]
図1Aで示されているように、ドリフトチューブアセンブリ102は、第1の接地電極104、第1の接地電極104の下流に配置されたACドリフトチューブアセンブリ108、及びACドリフトチューブアセンブリ108の下流に配置された第2の接地電極106を含んでよい。以下で詳細に説明されるように、ACドリフトチューブアセンブリは、第1の部分108A及び第2の部分108Bから形成された、可変長ACドリフトチューブカップルを備える。したがって、この実施形態及び以下の他の実施形態では、そのような構成がACドリフトチューブカップルと呼ばれてよい。その場合、該構成は、同じ位相の同じRF信号を用いてバイアスされる2つの分離した部分で形成される。別の言い方をすれば、これらの部分は、同時にRF信号の同じ位相を受信するようにRF電力アセンブリ110と電気的に結合されている。したがって、第1の部分108Aと第2の部分108Bにおける静電位は、常に同じである。したがって、第1の部分108Aと第2の部分108Bとの間に電位差及び電界は存在しない。
【0016】
[0025] 様々な実施形態によれば、第1の部分108Aと第2の部分108Bは、イオンビームの伝搬の方向に沿って互いに可動である。それは、ドリフトチューブ軸(破線で示されている)に沿って互いに可動であることを意味する。したがって、第1の部分108Aと第2の部分108Bは、長さD1が変化してよいという点で、可変長ACドリフトチューブを形成するとみなされてよい。
図1Bは、第2の構成にあるACドリフトチューブアセンブリ108を示している。その場合、D1の値は、
図1Aの構成に対して増加している。
【0017】
[0026] ACドリフトチューブカップルの長さを変えることは、イオンのパケットが無電界の領域内で時間を費やす距離を変化させることになる。したがって、そのようなACドリフトチューブカップルは、2つの分離した部分で形成されるが、可変長を有する仮想ACドリフトチューブを形成する。異なるm/q比を有するイオンが、ACドリフトチューブアセンブリ108の上流側に入ってよく、所与のイオンエネルギーに対して異なる速度を有するので、ACドリフトチューブアセンブリの長さを変える能力は、ACドリフトチューブアセンブリ108の出口でイオンビーム101によって見られるRF信号の位相が、イオンビーム101の加速のために最適化されるようなやり方で、長さD1を調整することを可能にする。別の言い方をすれば、所与のRF周波数に対して、ACドリフトチューブアセンブリ108の出口(下流側)におけるRF信号の位相は、イオンパケットの飛行時間を比較的一定の値に維持するようにACドリフトチューブアセンブリ108の長さを変えることによって、m/q比に依存せずに比較的一定に保たれてよい。この状況は、
図1Aで示されており、イオンビーム101は、一連のパケットに束ねたイオンビームとして、所与の速度でドリフトチューブアセンブリ102に入る。イオンビーム101は第1の質量を有してよく、
図1Bのシナリオにおけるイオンビーム103は、イオンビーム103がより高い速度を有するような第2の質量を有する。したがって、ACドリフトチューブカップル(ACドリフトチューブアセンブリ108を意味する)は、イオンビーム103のより高い速度を考慮して長くされてよい。それによって、イオンビーム103の個々のイオンパケットは、印加されるRF信号に従って最適の加速を実現するために、適正な時間においてACドリフトチューブアセンブリ108を出る。
【0018】
[0027]
図1Aの特定の一実施例では、ACドリフトチューブアセンブリ108が、単独のACドリフトチューブカップルを備える。その場合、第1の間隙G1は、第1の接地電極104とACドリフトチューブアセンブリ108との間にある。第2の間隙G2は、ACドリフトチューブアセンブリ108と第2の接地電極106との間にある。
【0019】
[0028]
図1A及び
図1Bの一実施形態の別の複数の変形例では、ドリフトチューブアセンブリ102が、間隙G1及び間隙G2を一定の値に固定するようにアレンジされてよい。言い換えると、第1の接地電極104と第1の部分108Aは、第2の部分108Bに対して互いに共同して可動であってよい。それによって、D1が変更されるときに間隙G1は変化しない。同様に、第2の接地電極106と第2の部分108Bは、第1の部分108Aに対して互いに共同して可動であってよい。それによって、D1が変更されるときに、間隙G2は変化しない。幾つかの実施形態では、イオン処理の柔軟性、ならびに設計の複雑さの懸念に応じて、間隙G1だけが固定されたままであってよく、一方で、他の複数の実施形態では、間隙G2だけが固定されたままであってよい。
【0020】
[0029] 本開示の他の複数の実施形態では、ACドリフトチューブアセンブリが、第1のACドリフトチューブカップル及び第2のACドリフトチューブカップルで形成されてよい。そのような実施形態は、
図2Aで示されている。装置200は、三重間隙構成を規定する。三重間隙構成は、第1の接地電極104と第1のACドリフトチューブカップル202との間の間隙G1で図示されている第1の間隙、第1のACドリフトチューブカップル202と第2のACドリフトチューブカップル204との間の間隙G2で図示されている第2の間隙、及び第2のACドリフトチューブカップル204と第2の接地電極106との間の間隙G3で図示されている第3の間隙を含む。
【0021】
[0030] 知られている三重間隙加速器構成では、2つの異なるACドリフトチューブが、RF信号を所与の周波数で供給する共振器の両端に結合されてよい。したがって、第1のACドリフトチューブに供給される第1の電圧信号は、第2のACドリフトチューブに同時に供給される第2の電圧信号と位相が180度ずれていてよい。
図2A及び
図2Bの装置200は、同様な原理の下で動作してよい。その場合、構成要素210Aは、第2のACドリフトチューブカップル204に対して第2の構成要素210Bによって供給される電圧信号(-Vで示されている)と位相が180度ずれている電圧信号(+Vで示されている)を供給する。例えば、第1のACドリフトチューブカップル202は、共振器の一端に結合されてよく、第2のACドリフトチューブカップル204は、共振器の他端に結合される。それは、2つのACドリフトチューブカップルの間で位相が180度ずれて受信されるRF電圧信号を供給するようなやり方である。
【0022】
[0031] 様々な実施形態によれば、第1のACドリフトチューブカップル202の第1の部分202Aと第2の部分202Bは、イオンビームの伝搬の方向に沿って互いに可動である。それは、ドリフトチューブ軸(破線で示されている)に沿って互いに可動であることを意味する。したがって、第1の部分202Aと第2の部分202Bは、長さD1が変化してよいという点で、可変長ACドリフトチューブを形成するとみなされてよい。
図2Bは、D1の値が増加している第2の構成にあるACドリフトチューブアセンブリ208を示している。
【0023】
[0032] 第1の部分202Aと第2の部分202Bの互いに対する可動性の代わりに又はそれに加えて、更なる様々な実施形態によれば、第2のACドリフトチューブカップル204の第1の部分204Aと第2の部分204Bが、ドリフトチューブ軸に沿って互いに可動である。
図2Bはまた、D2の値が増加している第2の構成にあるACドリフトチューブアセンブリ208も示している。
【0024】
[0033]
図2A及び
図2Bの一実施形態の別の複数の変形例では、ドリフトチューブアセンブリ208が、間隙G1、間隙G2、及び間隙G3を一定の値に固定するようにアレンジされてよい。或いは、これらの間隙が一定値にある任意の組み合わせであってよい。言い換えると、第1の接地電極104と第1の部分202Aは、ドリフトチューブアセンブリ208の任意の他の構成要素に対して互いに共同して可動であってよい。それによって、D1、D2、又はD1とD2の両方が変更されるときに間隙G1は変化しない。同様に、第2の接地電極106と第2の部分204Bは、第1の部分204Aに対して互いに共同して可動であってよい。それによって、D2が変更されるときに間隙G3は変化しない。幾つかの実施形態では、第2の部分202Bと第1の部分204Aが、D1及び/又はD2が変化しても間隙G2が変化しないようなやり方で、互いに機械的に結合されてよい。幾つかの実施形態では、必要とされるイオン処理の柔軟性、ならびに設計の複雑さの懸念に応じて、間隙G1だけが固定されたままであってもよく、一方で、他の複数の実施形態では、間隙G2だけが固定されたままであってもよく、若しくは間隙G3だけが固定されたままであってもよく、若しくは間隙G1及び間隙G2だけが固定されたままであってもよく、若しくは間隙G1及び間隙G3だけが固定されたままであってもよく、又は間隙G2及び間隙G3だけが固定されたままであってもよい。
【0025】
[0034]
図3は、本開示の実施形態による装置の概略図を示している。イオン注入装置300は、線形加速器314として図示されているリニアック(LINAC)の加速段314‐A、314‐Bを含む。イオン注入装置300は、ビームラインイオン注入装置を表してよく、幾つかの要素は、説明を明瞭にするために図示されていない。イオン注入装置300は、当該技術分野で知られているようなイオン源302及びガスボックス307を含んでよい。イオン源302は、第1のエネルギーでイオンビーム306を生成するための抽出構成要素及びフィルタ(図示せず)を含む抽出システムを含んでよい。第1のイオンエネルギー向けの適切なイオンエネルギーの例は、5keVから100keVの範囲であるが、複数の実施形態は、この文脈に限定されない。高エネルギーイオンビームを生成するために、イオン注入装置300は、イオンビーム306を加速させるための様々な追加の構成要素を含む。
【0026】
[0035] イオン注入装置300は、図示されているように、イオンビーム306の軌道を変更することによって、知られている装置のようにイオンビーム306を分析するように機能する分析器310を含んでよい。イオン注入装置300はまた、バンチャ312と、バンチャ312の下流に配置された線形加速器314(破線で示されている)とを含んでよい。その場合、線形加速器314は、イオンビーム306を加速して、線形加速器314に入る前のイオンビーム306のイオンエネルギーよりも高い、高エネルギーイオンビーム315を生成するようにアレンジされる。バンチャ312は、イオンビーム306を連続的なイオンビームとして受け取ってよく、イオンビーム306を束ねたイオンビームとして線形加速器314に出力してよい。線形加速器314は、図示されているように、直列にアレンジされた複数の加速段(314‐Aから314‐N(図示せず))を含んでよい。様々な実施形態では、高エネルギーイオンビーム315のイオンエネルギーが、イオンビーム306のための最終イオンエネルギー又は略最終イオンエネルギーを表してよい。様々な実施形態では、イオン注入装置300が、フィルタ磁石316、スキャナ318、コリメータ320などの更なる構成要素を含んでよい。その場合、スキャナ318及びコリメータ320の一般的な機能は周知であり、本明細書ではこれ以上詳細に説明しない。したがって、高エネルギーイオンビーム315によって表される高エネルギーイオンビームは、基板324を処理するための最終ステーション322に供給されてよい。高エネルギーイオンビーム315の非限定的なエネルギー範囲は、500keV~10MeVを含む。その場合、イオンビーム306のイオンエネルギーは、線形加速器314の様々な加速段を通して段階的に高められる。本開示の様々な実施形態によれば、線形加速器314の加速段の1以上は、
図1A~
図2Bの実施形態に関して詳述されたように、少なくとも1つの可変長ACドリフトチューブカップルを有するドリフトチューブアセンブリを含んでよい。イオン注入装置300によって提供される利点は、線形加速器314内のACドリフトチューブカップルの長さが、線形加速器314の加速段を通して移送されるときに、種々のm/q比したがって種々の速度を有する種々のイオン種に従って調整されてよいことである。
【0027】
[0036]
図4は、異なるドリフトチューブアセンブリの位置の関数としての電気特性を示している。
図4では、パラメータのデルタt/qが、m/qの関数としてプロットされている。その場合、t/qは、所与の加速段内の所与のACドリフトチューブアセンブリによって生成されるエネルギーの増加を表している。エネルギーのシミュレートされた増加は、80kVの振幅を有するRF信号の印加に基く。内側の曲線(太いライン)は、固定された三重間隙ドリフトチューブアセンブリの挙動を表し、一方で、中間の曲線は、固定された二重間隙ドリフトチューブアセンブリの特性を表している。固定された三重間隙ドリフトチューブアセンブリは、250keVの加速を表す15から20m/qの間の比較的一定なピークを生成する。固定された二重間隙構成は、12から17m/qの値の間で、より広い範囲にわたり比較的一定なピークを生成する一方で、値の落ち込みはより高い又はより低い値で少なくなっている。しかし、加速のピークは、125keVに過ぎない。本開示による可変長三重間隙ドリフトチューブ構成は、外側の曲線によって表されている。その場合、長さは変更されてよい。この後者の構成では、デルタt/qの値が、250keVのピーク値に到達し、9と29amu/qの間で一定のままであり、最大限加速され得る質量の広い範囲を示している。
【0028】
[0037]
図5Aは、本開示の実施形態による別の例示的な装置を示している。装置500は、
図2A及び
図2Bに関連して概して上述されたように、間隙G1、間隙G2、及び間隙G3として示されている、三重間隙ドリフトチューブ構成を有するドリフトチューブアセンブリ502を伴ってアレンジされている。
図5Bは、
図5Aの装置の変形例のドリフトチューブの詳細を示している。装置500は、支持体構造504、支持体構造506、及び支持体構造508を含み、これらの支持体構造は、共通の支持体501に沿って配置されてよい。支持体構造504は、第1のアーム504‐A及び第2のアーム504‐Bを含む。第1のアーム504‐Aは、第1の接地ドリフトチューブ512と機械的に結合されている。一方で、第2のアーム504‐Bは、第1のACドリフトチューブカップル516の第1の部分516‐Aと機械的に結合されている。このやり方では、第1の接地ドリフトチューブ512が、第1の部分516‐Aと機械的に固く結合されている。
【0029】
[0038] 支持体構造506は、第1のアーム506‐A及び第2のアーム506‐Bを含む。第1のアーム506‐Aは、第2のACドリフトチューブカップル518の第2の部分518‐Bと機械的に結合されている。一方で、第2のアーム506‐Bは、第2の接地ドリフトチューブ514と機械的に結合されている。このやり方では、第2の接地ドリフトチューブ514が、第2の部分518‐Bと機械的に固く結合されている。
【0030】
[0039] 支持体構造506は、第1のアーム506‐A及び第2のアーム506‐Bを含む。第1のアーム506‐Aは、第2のACドリフトチューブカップル518の第1の部分518‐Aと機械的に結合されている。一方で、第2のアーム506‐Bは、第2の接地ドリフトチューブ514と機械的に結合されている。このやり方では、第2の接地ドリフトチューブ514が、第1の部分518‐Aと機械的に固く結合されている。
【0031】
[0040] 支持体構造508は、第1のアーム508‐A及び第2のアーム508‐Bを含む。第1のアーム508‐Aは、第1のACドリフトチューブカップル516の第2の部分516‐Bと機械的に結合されている。一方で、第2のアーム508‐Bは、第2のACドリフトチューブカップル518の第2の部分518‐Bと機械的に結合されている。このやり方では、第1のACドリフトチューブカップル516の第2の部分516‐Bが、第2のACドリフトチューブカップル518の第2の部分518‐Bと機械的に結合されている。
【0032】
[0041] 本開示の実施形態によれば、支持体構造504及び/又は支持構造506は、支持構造508に対して(矢印の方向に沿って)摺動可能であってよい。したがって、支持構造508に対して支持構造504を移動させることによって、D1として図示されている第1のACドリフトチューブカップル516の長さの値が調整される。同様に、支持体構造508に対して支持構造506を移動させることによって、D2として図示されている第2のACドリフトチューブカップル518の長さの値が調整される。同時に、支持構造に対するドリフトチューブアセンブリの異なる部分の前述された機械的な結合は、支持構造504と支持構造506のうちの一方又は両方が、支持構造508に対して移動されたときに、間隙G1、間隙G2、及び間隙G3が変化しないことを保証する。
【0033】
[0042] 可変長ドリフトチューブを生成することの利点を示すために、
図5Cは、10MeVまでのイオンエネルギー上昇の関数として示されている、種々のイオン種、水素、ホウ素、及びリンについての理想的なチューブ長のリストを提供する。この長さは、指定されたイオンがAC電圧の180度又はπラジアンに相当する時間において移動する距離である。チューブ長はまた、信号周波数の関数でもあり、線形加速器において一般的に使用される13.56MHzについて、ならびに40MHzについて図示されている。注目すべきことに、どのイオンエネルギーについても、図示されている両方の周波数でも、リン酸イオンからホウ素イオンへの切り替えが、理想的なドリフトチューブ長を2倍を超えて増加させることをもたらす。更に、所与の核種においてイオンエネルギーを増加させると、理想的なドリフトチューブ長が増加する。例えば、40MHzのRF共振器を使用してホウ素イオンを加速する場合、イオンエネルギーを500keVから2MeVにすると、理想的なドリフトチューブ長が3.7cmから7.4cmになる。
【0034】
[0043] 上記の考察に鑑みると、本明細書で開示されるような可変長ドリフトチューブアセンブリは、理想的なドリフトチューブ長で様々なイオンを処理する有用なアプローチを提供する。
【0035】
[0044]
図6は、例示的なプロセスフロー600を描いている。ブロック602では、パルスイオンビームとして、第1のm/q比を有する第1のイオンビームが生成される。パルスイオンビームは、線形加速器の先頭に配置されたバンチャによって生成されてよい。バンチャは、連続的なイオンビームを受け取り、一連のパケット又はパルスとして束ねたイオンビームを出力する。
【0036】
[0045] ブロック604では、第1の構成にアレンジされたときに、第1のドリフトチューブ長を有する可変長ACドリフトチューブアセンブリを通して、第1のイオンビームが導かれる。可変長ドリフトチューブアセンブリは、1つの可変長ドリフトチューブカップルが存在する二重間隙構成であってよく、又は、1つ若しくは2つの可変長ドリフトチューブカップルが存在する三重間隙構成であってよい。
【0037】
[0046] ブロック606では、パルスイオンビームとして、第2のm/q比を有する第2のイオンビームが生成される。パルスイオンビームは、線形加速器の先頭に配置されたバンチャによって生成されてよい。バンチャは、連続的なイオンビームを受け取り、一連のパケット又はパルスとして束ねたイオンビームを出力する。
【0038】
[0047] ブロック608では、第2の構成で、第2のドリフトチューブ長を有する可変長ACドリフトチューブアセンブリを通して、第2のイオンビームが導かれる。可変長ドリフトチューブアセンブリは、1つの可変長ドリフトチューブカップルが存在する二重間隙構成であってよく、又は、1つ若しくは2つの可変長ドリフトチューブカップルが存在する三重間隙構成であってよい。二重間隙構成の場合では、第2のドリフトチューブカップル長を規定するように、1つの可変長ドリフトチューブカップルが調整される。同様に、三重間隙構成の場合では、第2のドリフトチューブカップル長を規定するように、1つの可変長ドリフトチューブカップルが調整される。加えて、ブロック604における第3の長さとは異なる第4の長さを規定するように、第2の可変長ドリフトチューブカップルが調整されてもよいし又はされなくてもよい。
【0039】
[0048] 上記の観点から、本開示は、少なくとも以下の利点を提供する。第1の利点として、本実施形態の可変長ドリフトチューブアセンブリは、任意の所与のイオンについて特定のm/qに適合する最適なドリフトチューブ長を設定する能力を提供する。第2の利点は、可変長ドリフトチューブアセンブリを有するイオン注入装置が、特定のm/q比を有する1つのイオン種だけに特化する必要がなく、したがって、ハードウェア費用が削減されてよく、注入のための柔軟性が高められてよいことである。
【0040】
[0049] 本開示の特定の実施形態が本明細書に記載されているが、本開示は、当該技術分野が許す限り広い範囲内にあり、本明細書を同様に読むことができるため、本開示はこれに限定されない。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではない。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲及び精神の範囲内での他の修正を想定することになる。
【国際調査報告】