(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-04
(54)【発明の名称】カテーテルシステム挿入部
(51)【国際特許分類】
A61B 5/153 20060101AFI20231127BHJP
A61M 25/06 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
A61B5/153
A61M25/06 550
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526534
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 US2021055599
(87)【国際公開番号】W WO2022093578
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202011175769.9
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーウェイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ボー ヤン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C267
【Fターム(参考)】
4C038TA01
4C038UF11
4C267AA05
4C267AA12
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB10
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB19
4C267BB20
4C267BB25
4C267BB39
4C267BB40
4C267CC08
4C267HH08
(57)【要約】
カテーテルシステム用の挿入部は、末端端部、基端端部、及び末端端部と基端端部との間に配置された中間部分を含んでもよい。挿入部の末端端部は雄ポートを含んでもよく、挿入部の基端端部は雄ポートの反対側の雌ポートを含んでもよい。挿入部は、カテーテルシステムのアダプタ及び/又は針無しコネクタを通って延びて、挿入部の内腔を通って流れてもよい血液に対するアダプタ及び/又は針無しコネクタの露出を低減するように構成されてもよい。挿入部の内腔は、雄ポート、中間部分、及び雌ポートを通って延びていてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムのための挿入部であって、前記挿入部が、
雄ポートを備える末端端部、
前記雄ポートと反対側の雌ポートを備える基端端部、
前記末端端部と前記基端端部との間に配置された中間部分であって、前記中間部分が、細長い管状部分と、前記細長い管状部分に関して基端にあり及び近接するテーパ状又は段差状部分とを備え、前記細長い管状部分の外径が均一であり、前記テーパ状又は段差状部分の外径が基端方向に増大しており、及び
前記雄ポート、前記中間部分、及び前記雌ポートを通って延びる内腔、を備える、挿入部。
【請求項2】
前記雌ポート内に配置されたセプタムを更に備える、請求項1に記載の挿入部。
【請求項3】
前記セプタムは、分割セプタムを備える、請求項2に記載の挿入部。
【請求項4】
前記挿入部が単一ユニットとしてモノリシックに形成されている、請求項1に記載の挿入部。
【請求項5】
前記細長い管状部分が、テーパ状又は段差状部分よりも大きな長さを有する、請求項1に記載の挿入部。
【請求項6】
カテーテルシステムが、
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルアダプタ、
前記カテーテルアダプタから末端に延びるカテーテル、
末端端部及び基端端部を備える延長管であって、前記末端端部が前記カテーテルアダプタに結合されている、延長管、
前記延長管の前記基端端部に結合されたアダプタ、及び
前記アダプタに結合された針無しコネクタ、を備える、カテーテルアセンブリ、並びに
挿入部であって、
雄ポートを備える末端端部、
前記雄ポートと反対側の雌ポートを備える基端端部、
前記末端端部と前記基端端部との間に配置された中間部分であって、前記中間部分は、細長い管状部分と、前記細長い管状部分に関して基端にあり及び近接するテーパ状又は段差状部分とを備え、前記細長い管状部分の外径は均一であり、前記テーパ状又は段差状部分の外径は基端方向に増大している、中間部分、及び
前記雄ポート、前記中間部分、及び前記雌ポートを通って延びる内腔であって、前記挿入部が前記針無しコネクタ及び前記アダプタを通って挿入されて、前記雄ポートが前記延長管内に配置されて前記テーパ状又は段差状部分が前記針無しコネクタの基端にある、内腔、を備える、挿入部、
を備える、カテーテルシステム。
【請求項7】
前記挿入部が、前記雌ポート内に配置されたセプタムを更に備える、請求項6に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記セプタムは、分割セプタムを備える、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記カテーテルシステムの針無しコネクタ及びアダプタを通って前記挿入部を挿入することに応答して、血液が、前記挿入部を通って流れるように構成されるとともに前記針無しコネクタ又は前記アダプタに接触しない、請求項6に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
針アセンブリと、前記針アセンブリに結合された血液収集管ホルダとを更に備え、前記針アセンブリは本体を備えるとともに、末端端部、基端端部、及び前記本体の前記末端端部及び前記本体の前記基端端部を通って延びる内腔とを備え、前記本体の前記末端端部は雄ポートを備え、前記針アセンブリは、前記本体の前記基端端部から延びる針を更に備えていて空にされた血液収集管を受容するように構成されている、請求項6に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記挿入部が単一ユニットとしてモノリシックに形成されている、請求項6に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記細長い管状部分が、テーパ状部分又は段差状部分よりも大きな長さを有する、請求項6に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
血液をサンプリングする方法であって、
カテーテルシステムの針無しコネクタ及びアダプタを通って挿入部を挿入することであって、前記カテーテルシステムが、
カテーテルアダプタ、
前記カテーテルアダプタから末端に延びるカテーテル、
末端端部及び基端端部を備える延長管であって、前記末端端部が前記カテーテルアダプタに結合されている、延長管、
前記延長管の前記基端端部に結合されたアダプタ、及び
前記アダプタに結合された針無しコネクタ、を備え、
前記挿入部は、
雄ポートを備える末端端部、
前記雄ポートと反対側の雌ポートを備える基端端部、
前記末端端部と前記基端端部との間に配置された中間部分であって、前記中間部分は、細長い管状部分と、前記細長い管状部分に関して基端にあり及び近接するテーパ状又は段差状部分とを備え、前記細長い管状部分の外径は均一であり、前記テーパ状又は段差状部分の外径は基端方向に増大しており、及び
前記雄ポート、前記中間部分、及び前記雌ポートを通って延びる内腔であって、前記挿入部が前記針無しコネクタ及び前記アダプタを通って挿入されて、前記雄ポートが前記延長管内に配置されて前記テーパ状又は段差状部分が前記針無しコネクタの基端にあるようになっている、内腔、を備えること、並びに
針アセンブリを前記挿入部の前記雌ポート内に挿入することであって、前記針アセンブリは本体を備え、前記本体は、末端端部、基端端部、及び前記本体の前記末端端部と前記本体の前記基端端部とを通って延びる内腔を備え、前記本体の前記末端端部は雄ポートを備え、前記針アセンブリは、前記本体の前記基端端部から延びる針を更に備えていて空にされた血液収集管を受容するように構成されていることと、及び
前記挿入部を前記針無しコネクタ及び前記アダプタを通って挿入した後、及び前記針アセンブリを前記挿入部の前記雌ポートに挿入した後、前記カテーテルを患者の静脈内に挿入すること、を含む、方法。
【請求項14】
前記カテーテルを前記患者の前記静脈内に挿入した後、前記針を前記空にされた血液収集管内に挿入し、前記空にされた血液収集管内の血液を収集することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記針アセンブリを前記挿入部の前記雌ポートから取り外し、注射器を前記雌ポートに結合させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記雌ポートがねじ形成されており、前記注射器を前記雌ポートに結合することが、前記注射器を前記雌ポートにねじ込むことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記注射器を作動させることにより前記カテーテルを洗浄することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記患者の前記静脈における前記カテーテルの留置期間中に、前記カテーテルシステムから前記挿入部を取り外すことを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記カテーテルシステムの前記針無しコネクタ及びアダプタを通って前記挿入部を挿入することに応答して、血液が、前記挿入部を通って流れるように構成されて、前記針無しコネクタ又は前記アダプタに接触しない、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記挿入部が、前記雌ポート内に配置されたセプタムを更に備える、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
静脈内カテーテルは、様々な輸液療法に一般的に使用されている。例えば、静脈内カテーテルは、通常の生理食塩水、様々な医薬品、及び総非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用されることがある。静脈内カテーテルは、患者から血液を抜き取るために使用されることがある。
【背景技術】
【0002】
一般的な静脈内カテーテルの種類は、末梢IVカテーテル(「PIVC」)、末梢挿入型中心カテーテル(「PICC」)、及び正中線カテーテルである。静脈内カテーテルには、「オーバーザニードル」カテーテルが含まれてもよく、これは鋭利な末端先端を有する針の上に取り付けられてもよい。鋭利な末端先端は、患者の皮膚及び血管系を穿刺するために使用されてもよい。血管系内への静脈内カテーテルの挿入は、針による血管系の穿刺に続いて行ってもよい。針及び静脈内カテーテルは、一般に、針のベベルが上向きで患者の皮膚から離れた状態で、皮膚を通って患者の血管系内に浅い角度で挿入される。
【0003】
血管系における導入針及び/又は静脈内カテーテルの適切な配置を確認するために、使用者は一般に、血液のフラッシュバックがあることを確認し、これは使用者に見えてもよい。ある実施態様では、導入針は、導入針の末端端部に向けて配置されたノッチを含んでもよく、導入針の末端先端が血管系内に配置されることに応答して、血液が針内腔を通って基端に流れ、ノッチを通って針内腔を出て、導入針の外表面と静脈内カテーテルの内表面との間を基端に移動してもよい。
【0004】
従って、静脈内カテーテルが少なくとも部分的に透明である場合、使用者は少量の血液の「フラッシュバック」を視覚化し、それにより静脈内カテーテルが血管系内に配置されていることを確認してもよい。フラッシュバックのような血管入口インジケータの存在は、静脈内カテーテルの成功裏の配置を促進してもよい。血管内への導入針の配置が確認されると、使用者は血管内の流れを一時的に閉塞し、導入針を引き抜いて、静脈内カテーテルを将来の血液の引き出し及び/又は流体の注入のために所定の位置に残してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
血液の引き出しの間、血液は、延長管を介して静脈内カテーテルと流体連通するアダプタ及び/又は針無しコネクタを通って移動してもよい。血液サンプルが収集された後、血液による汚染を防ぐために、使用者は通常、アダプタを生理食塩水で洗浄し、針無しコネクタを交換する。アダプタの洗浄と針無しコネクタの交換は、使用者に操作の追加的なステップを追加し、使用者の血液曝露のリスクを増加させることがある。更に、血液が針無しコネクタの非平滑で不均一な経路を移動するとき、溶血の危険性がある。
【0006】
ここで主張される主題は、任意の欠点を解決する実施形態、又は上述のような環境でのみ動作する実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景は、ここに記載される幾つかの実施形態が実践され得る一例の技術領域を説明するために提供されるに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
本開示は、一般に、挿入部と、関連するシステム及び方法に関する。幾つかの実施形態では、カテーテルシステムのための挿入部は、末端端部、基端端部、及び末端端部と基端端部との間に配置された中間部分を含んでもよい。幾つかの実施形態では、挿入部の末端端部は雄ポートを含んでもよく、挿入部の基端端部は雄ポートの反対側の雌ポートを含んでもよい。幾つかの実施形態では、挿入部は、カテーテルシステムのアダプタ及び/又は針無しコネクタを通って延びるように構成されて、挿入部の内腔を通って流れてもよい血液に対するアダプタ及び/又は針無しコネクタの露出を低減してもよい。幾つかの実施形態では、挿入部の内腔は、雄ポート、中間部分、及び雌ポートを通って延びていてもよい。
【0008】
幾つかの実施形態では、中間部分は、細長い管状部分及びテーパ状部分又は段差状部分を含んでもよい。幾つかの実施形態では、テーパ状部分又は段差状部分は、細長い管状部分に関して基端にあり及び近接していてもよい。幾つかの実施形態では、細長い管状部分の外径は、均一であってもよい。幾つかの実施形態では、テーパ状部分の外径は、基端方向に増大してもよい。
【0009】
幾つかの実施形態では、挿入部はセプタムを含んでもよく、これは雌ポート内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、セプタムは、雌ポートをシールしてもよい。幾つかの実施形態では、セプタムは、分割セプタムを含んでもよい。幾つかの実施形態では、挿入部は、一体的に形成されてもよく、又は単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。幾つかの実施形態では、細長い管状部分は、テーパ状又は段差状部分よりも大きな長さを有してもよい。
【0010】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステムはカテーテルアセンブリを含んでもよく、これは以下の1以上を含んでもよい:カテーテルアダプタ、カテーテルアダプタから末端に延びるカテーテル、延長管、延長管の基端端部に結合されたアダプタ、及びアダプタに結合された針無しコネクタ。幾つかの実施形態では、延長管は、基端端部及び末端端部を含んでもよく、これはカテーテルアダプタに結合されてもよい。幾つかの実施形態では、挿入部は、針無しコネクタ及びアダプタを通って挿入されて、雄ポートが延長管内に配置され及び/又はテーパ状又は段差状部分が針無しコネクタの基端にあるようになっていてもよい。幾つかの実施形態では、挿入部がカテーテルシステムの針無しコネクタ及びアダプタを通って挿入されることに応答して、血液が、挿入部を通って流れるように構成されてもよく、針無しコネクタ又はアダプタに接触しなくてもよい。
【0011】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステムは、針アセンブリ及び/又は針アセンブリに結合された血液収集管ホルダを含んでもよい。幾つかの実施形態では、針アセンブリは本体を含んでもよく、これは末端端部、基端端部、本体の末端端部及び本体の基端端部を通って延びる内腔を含んでもよい。幾つかの実施形態では、本体の末端端部は、雄ポートを含んでもよい。幾つかの実施形態では、針アセンブリは、本体の基端端部から延びていて空にされた血液収集管を受容するように構成された針を含んでもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、血液サンプリングの方法は、カテーテルシステムの針無しコネクタ及びアダプタを通って挿入部を挿入することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、挿入部が針無しコネクタ及びアダプタを通って挿入されて、雄ポートが延長管内に配置されるとともにテーパ状部分又は段差状部分の少なくとも一部が針無しコネクタの基端にあるようになっていてもよい。
【0013】
幾つかの実施形態において、方法は、針アセンブリを挿入部の雌ポート内に挿入することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、針無しコネクタ及びアダプタを通って挿入部を挿入した後、及び針アセンブリを挿入部の雌ポート内に挿入した後、カテーテルが患者の静脈内に挿入されてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルアセンブリは導入針を含んでもよく、これは、カテーテルを通って延びていてもよくカテーテルを静脈内に挿入するために使用されてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルが静脈内に挿入された後、導入針は、カテーテルシステム及び患者から取り外されてもよい。
【0014】
幾つかの実施形態では、カテーテルを患者の静脈内に挿入した後、針は空にされた血液収集管内に挿入されてもよく、血液が空にされた血液収集管に収集されてもよい。幾つかの実施形態では、血液が空にされた血液収集管内に収集された後、針アセンブリが挿入部の雌ポートから取り外されてもよく、注射器が雌ポートに結合されてもよい。
【0015】
幾つかの実施形態では、雌ポートは、ねじ形成されていてもよい。幾つかの実施形態では、注射器を雌ポートに結合することは、注射器を雌ポートにねじ込むことを含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル及びカテーテルアセンブリは、注射器を作動させ又は押し下げて注射器内の流体をカテーテルアセンブリ内に放出することにより、洗浄されてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルが洗浄された後、挿入部は、患者の静脈内におけるカテーテルの留置期間中、又はカテーテルが患者の静脈内に残されている間、カテーテルシステムから取り外されてもよい。
【0016】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方が説明的な例であり、特許請求の範囲に概説された発明を制限するものではないことが理解される。様々な実施形態は、図面に描かれているものに限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせることができ、他の実施形態を使用することができ、そして、構造的な変更は、そう主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で取られるべきものではない。
【0017】
図面の幾つかの図の簡単な説明
例示的な実施形態は、以下の添付図面の使用を通じて、さらなる具体性及び詳細性をもって説明及び解説される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】
図1Aは、幾つかの実施形態による例示的な挿入部の上方斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、幾つかの実施形態による挿入部の断面図である。
【
図2】
図2は、幾つかの実施形態による、例示的なカテーテルシステムの部分分解図である。
【
図3A】
図3Aは、幾つかの実施形態による、カテーテルシステムの上方斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、幾つかの実施形態による、カテーテルシステムの断面図である。
【
図4】
図4は、幾つかの実施形態による、カテーテルシステムに結合された例示的な血液収集装置を示す、カテーテルシステムの上方斜視図である。
【
図5】
図5は、幾つかの実施形態による、カテーテルシステムに結合された例示的な注射器を示す、カテーテルシステムの上方斜視図である。
【
図6】
図6は、幾つかの実施形態による、挿入部の取り外し後のカテーテルシステムを示す、カテーテルシステムの上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態の説明
ここで援用される全ての例及び条件付きの言語は、読者が本発明者によって貢献された概念を理解して本発明及び技術を促進するためにするのを助けることを意図している。したがって、例及び言語は、このような具体的に援用された例及び条件に限定されないものとして解釈される。本発明の実施形態が詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がここになされ得ることを理解されたい。
【0020】
ここで
図1A~1Bを参照すると、幾つかの実施形態では、カテーテルシステムのための挿入部10は、末端端部12、基端端部14、及び末端端部12と基端端部14との間に配置された中間部分16を含んでもよい。幾つかの実施形態では、挿入部10の末端端部12は、雄ポート18を含んでもよく、挿入部10の基端端部14は、雄ポート18の反対側の雌ポート20を含んでもよい。幾つかの実施形態では、挿入部10は、カテーテルシステムのアダプタ及び/又は針無しコネクタを通って延びるように構成されて、挿入部10の内腔22を通って流れてもよい血液に対するアダプタ及び/又は針無しコネクタの露出を低減するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、挿入部10の内腔22は、雄ポート18、中間部分16、及び雌ポート20を通って延びていてもよい。幾つかの実施形態では、雌ポート20は、ネジ形成されていてもよく、これはフラッシュ装置への結合を容易にしてもよい。
【0021】
幾つかの実施形態では、中間部分16は、細長い管状部分24と、テーパ状部分又は段差状部分を含んでもよい拡大直径部分26とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、拡大直径部分26は、細長い管状部分24に関して基端にあり及び近接していてもよい。幾つかの実施形態では、細長い管状部分24の外径は、均一であってもよい。幾つかの実施形態では、細長い管状部分24及びそれを通って延びる内腔22の一部は、直線状であって、これが針無しコネクタと比較して、挿入部10における溶血のリスクを低減させてもよい。幾つかの実施形態では、拡大直径部分26がテーパ状部分を含むとき、テーパ状部分の外径は基端方向に増大してもよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、挿入部10は、セプタム27を含んでもよく、これは雌ポート20内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、セプタム27は、雌ポート20をシールしてもよい。幾つかの実施形態では、セプタム27は、分割セプタムを含んでもよく、これは分割膜を含んでもよい。幾つかの実施形態では、挿入部10は、一体的に形成されてもよく又は単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。幾つかの実施形態では、細長い管状部分24は、拡大直径部分26よりも大きな長さを有してもよい。
【0023】
ここで
図2~3Bを参照すると、幾つかの実施形態では、カテーテルシステム28は、カテーテルアセンブリ30を含んでもよく、これは以下の1以上を含んでもよい:カテーテルアダプタ31、カテーテルアダプタ31から末端に伸びるカテーテル32、延長管34、延長管34の基端端部38に結合されたアダプタ36、及び針無しコネクタ40。幾つかの実施形態では、針無しコネクタ40は、アダプタ36に結合されてもよい。
【0024】
幾つかの実施形態では、延長管34は、基端端部38と、カテーテルアダプタ31に結合されてもよい末端端部42とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、延長管34は、カテーテルアダプタ31の側部ポート又は特定のカテーテルアダプタの別の部分に結合され又は一体化されてもよい。幾つかの実施形態では、針無しコネクタ40は、BD Q-SYTE(商標)コネクタ又は別の適切な針無しコネクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、アダプタ36は、Yアダプタ、ストレートアダプタ、又は別の適切なアダプタを含んでもよい。
【0025】
幾つかの実施形態では、挿入部10は、針無しコネクタ40及び/又はアダプタ36を通って挿入されて、雄ポート18が延長管34内に配置されるようになっていてもよい。幾つかの実施形態では、雄ポート18は、アダプタ36内の延長管34内に配置されてもよく、アダプタ36の末端に延びなくてもよい。幾つかの実施形態では、アダプタ36及び/又は延長管34の内部形状が、挿入部10が末端方向に更に移動することを妨げることがあるまで、挿入部10は、アダプタ36内に押し込まれ又は挿入されてもよい。幾つかの実施形態では、雄ポート18は、延長管34に近接したアダプタ36内に配置されてもよい。これら及び他の実施形態では、血液がアダプタ36及び/又は針無しコネクタ40に接触することが防止されてもよい。幾つかの実施形態では、挿入部10の外径は、延長管34及び/又はアダプタ36の内径と同じ又はほぼ同じであって、シールが挿入部10と延長管34及び/又はアダプタ36との間に形成されて、血液がアダプタ36に入る又は接触するのを防ぐようになっていてもよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、挿入部10は、針無しコネクタ40及び/又はアダプタ36を通って挿入されて、拡大直径部分26が針無しコネクタ40の基端にあり及び/又はこれに近接していてもよい。幾つかの実施形態では、挿入部10がカテーテルシステム28の針無しコネクタ40及びアダプタ36を通って挿入されることに応答して、血液が挿入部10を通って流れるように構成されてもよく、針無しコネクタ40及び/又はアダプタ36に接触しないようになっていてもよい。
【0027】
幾つかの実施形態では、カテーテルシステム28は、針アセンブリ44及び/又は針アセンブリ44に結合された血液収集管ホルダ(図示せず)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、針アセンブリ44は、本体48を含んでもよく、これは末端端部50、基端端部52、及び本体48の末端端部50及び本体48の基端端部52を通って延びる内腔54を含んでもよい。幾つかの実施形態では、本体48の末端端部50は、雄ポート56を含んでもよい。幾つかの実施形態では、針アセンブリ44は、本体48の基端端部から延びていて排出された血液収集管を受容するように構成された針58を含んでもよい。
【0028】
幾つかの実施形態では、エラストマー鞘49が、針アセンブリ44の本体48に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、針58の基端端部は、エラストマー鞘49内に包まれていてもよい。幾つかの実施形態では、エラストマー鞘49は、開放末端端部と閉鎖基端端部とを含んでもよい。幾つかの実施形態では、排出された血液収集管がエラストマー鞘49を末端に押すことに応答して、針58がエラストマー鞘49を穿刺してもよく、針58が排出された血液収集管のキャビティ内に挿入されてもよい。
【0029】
幾つかの実施形態では、血液サンプリングの方法は、カテーテルシステム28の針無しコネクタ40及び/又はアダプタ36を通して挿入部10を挿入することを含んでもよい。幾つかの実施形態では、方法は、針アセンブリ44を挿入部10の雌ポート20に結合させることを含んでもよい。更に詳細には、幾つかの実施形態では、方法は、針アセンブリ44を挿入部10の雌ポート20内に挿入することを含んでもよい。例えば、本体48の末端端部50は、雌ポート20内に挿入されてもよい。幾つかの実施形態では、針無しコネクタ40及び/又はアダプタ36を通って挿入部10を挿入した後、及び針アセンブリ44を挿入部10の雌ポート20内に挿入した後、カテーテル32は患者の静脈内に挿入されてもよい。
【0030】
図2に示されるように、幾つかの実施形態では、カテーテルシステム28は、導入針60を含んでもよく、これはカテーテル32を通って延びてもよく、カテーテル32を静脈内に挿入するために使用されてもよい。幾つかの実施形態では、導入針60の基端端部は、針ハブ62内に固定されてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル32が静脈内に挿入された後、導入針60は、カテーテルシステム28及び患者から取り外されてもよい。
【0031】
次に
図4を参照すると、幾つかの実施形態では、カテーテル32を患者の静脈内に挿入した後、針58が排出された血液収集管64に挿入されてもよく、血液が、排出された血液収集管64に収集されてもよい。患者の血液が幾つかの実施形態に従って挿入部10を介して収集されるとき、アダプタ36及び針無しコネクタ40の両方がバイパスされ、それにより汚染を回避してもよい。
【0032】
次に
図5を参照すると、幾つかの実施形態では、血液が、排出された血液収集管64に収集された後、針アセンブリ44が挿入部10の雌ポート20から取り外されてもよく、注射器66又は別の洗浄装置が雌ポート20に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、注射器66を雌ポート20に結合することは、注射器66を雌ポート20にねじ込むことを含んでもよい。幾つかの実施形態では、注射器66は、別の適切な機構を介して雌ポート20に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル32及びカテーテルアセンブリ30は、注射器66を作動又は押し下げて注射器66内の流体をカテーテルアセンブリ30内に放出することにより洗浄されてもよい。
【0033】
次に
図6を参照すると、幾つかの実施形態では、カテーテル32が洗浄された後、挿入部10は、患者の静脈内のカテーテル32の留置期間中又はカテーテル32が患者の静脈内に残されている間に、カテーテルシステム28から取り外されてもよい。
【0034】
本発明は、ここで広く説明され、以下に請求されるようなその構造、方法、又は他の本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化することができる。記載された実施形態は、全ての点で例示的なものとしてのみ考慮され、制限的なものではないものとする。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味及び同等性の範囲内に入るすべての変更は、その範囲内に包含されることになる。
【国際調査報告】