(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-04
(54)【発明の名称】バルブキャビティキャップ機構
(51)【国際特許分類】
F16K 27/02 20060101AFI20231127BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
F16K27/02
F16L55/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526894
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 US2021057808
(87)【国際公開番号】W WO2022098688
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518337784
【氏名又は名称】スウェージロック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】グライム,ウィリアム,エイチ.,サード
(72)【発明者】
【氏名】キーパー,ブランデン,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】マッコイ,ジェイムス,ジー.
【テーマコード(参考)】
3H025
3H051
【Fターム(参考)】
3H025CB11
3H051AA01
3H051CC12
(57)【要約】
挿入部(110)及びねじ付きキャップ(120)を含むバルブキャビティキャップ機構(100)は、バルブキャビティ(32)を画定するバルブ本体(16)、中央通路(36)、及び少なくとも1つのオフセット通路(38,39)と組み合わせて提供される。挿入部はバルブキャビティで受けられ、中央通路を囲む凹面の部分に接触してシールするようにサイズ決定された内側環状シール面(112)と、オフセット通路(複数可)を囲む凹面の外周に接触してシールするようにサイズ決定された外側環状シール面(114)と、内側環状シール面と外側環状シール面との間に延在する固形ウェブ部(113)と、を含む。ねじ付きキャップは、バルブキャビティの雌ねじ部とねじ係合する雄ねじ部(125)と、第1のシール力を内側環状シール面に加えるように構成された中央端部(122)と、第2のシール力を外側環状シール面に加えるように構成された外側端部と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブキャビティキャップ機構と、中央通路及び少なくとも1つの半径方向オフセット通路が延在する凹面を有するバルブキャビティを画定するバルブ本体との組み合わせであって、前記バルブキャビティキャップ機構は、
前記バルブキャビティで受けられる挿入部であって、前記中央通路を囲む前記凹面の部分に接触してシールするようにサイズ決定された内側環状シール面と、前記少なくとも1つの半径方向オフセット通路を囲む前記凹面の外周に接触してシールするようにサイズ決定された外側環状シール面と、前記内側環状シール面と前記外側環状シール面との間に延在する固形ウェブ部と、を含む、前記挿入部と、
前記バルブキャビティの雌ねじ部とねじ係合する雄ねじ部と、第1のシール力を前記内側環状シール面に加えるように構成された中央端部と、第2のシール力を前記外側環状シール面に加えるように構成された外側端部と、を有する、ねじ付きキャップと、
を備える、前記組み合わせ。
【請求項2】
前記ねじ付きキャップは、前記中央端部を画定する内側キャッププラグと、前記内側キャッププラグとともに組み立てられ、前記外側端部を画定する外側キャップナットとを備え、前記キャッププラグは前記キャップナットに対して軸方向に調整可能である、請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
前記キャッププラグは、前記キャップナットの雌ねじ部とねじ係合する雄ねじ部を含む、請求項2に記載の組み合わせ。
【請求項4】
前記挿入部は金属を含む、請求項1~3のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項5】
前記ウェブ部は軸方向に曲がりやすい、請求項1~4のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項6】
前記ウェブ部は約0.020インチ~約0.060インチの厚さを有する、請求項1~5のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項7】
前記バルブ本体は、複数のバルブキャビティを含むマニホールド本体ブロックを備える、請求項1~6のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項8】
前記挿入部は、前記内側環状シール面によって囲まれた固形中央部を含む、請求項1~7のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項9】
前記挿入部は、前記キャップの前記中央端部の中央孔を通って延在する管状延在部を含む、請求項1~7のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項10】
前記挿入部は、前記管状延在部から前記内側環状シール面の半径方向内側の前記挿入部の端面まで延在する中央ポートを含む、請求項9に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記挿入部は、前記管状延在部から前記内側環状シール面の半径方向外側の前記挿入部の端面まで半径方向外向きに延在する少なくとも1つのポートを含む、請求項9に記載の組み合わせ。
【請求項12】
前記ねじ付きキャップは少なくとも1つの通気口を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の組み合わせ。
【請求項13】
前記ねじ付きキャップの前記中央端部は前記挿入部の中央軸受面に係合し、前記外側端部は前記挿入部の外側軸受面に係合し、前記ウェブ部は前記外側軸受面と実質的に同一平面上にある、請求項1~12のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項14】
前記ねじ付きキャップの前記中央端部は前記挿入部の中央軸受面に係合し、前記外側端部が前記挿入部の外側軸受面に係合し、前記ウェブ部は、前記中央軸受面と前記外側軸受面との間で及び前記内側環状シール面と前記外側環状シール面との間で、軸方向に配置される、請求項1~12のいずれかに記載の組合せ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの半径方向オフセット通路は第1の半径方向オフセット通路及び第2の半径方向オフセット通路を含み、前記第1の半径方向オフセット通路は前記第2の半径方向オフセット通路と流体連通している、請求項1~14のいずれかに記載の組み合わせ。
【請求項16】
中央通路、及び少なくとも1つの半径方向オフセット通路が延在する凹面を含むバルブキャビティをシールする方法であって、
挿入部を前記バルブキャビティに設置することであって、前記挿入部の内側環状シール面は前記中央通路を囲む前記凹面の部分に係合し、前記挿入部の外側環状シール面は前記少なくとも1つの半径方向オフセット通路を囲む前記凹面の外周に係合する、前記設置することと、
キャップを前記バルブキャビティとともに組み立てることであって、前記キャップの中央端部は第1のシール力を前記内側環状シール面にかけ、前記キャップの外側端部は第2のシール力を前記外側環状シール面にかける、前記組み立てることと、
を含む、前記方法。
【請求項17】
前記キャップを前記バルブキャビティとともに組み立てることは、前記キャップの雄ねじ部を前記バルブキャビティの雌ねじ部に係合させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記キャップは、前記中央端部を画定する内側キャッププラグと、前記内側キャッププラグとともに組み立てられ、前記外側端部を画定する外側キャップナットとを備え、前記キャップを前記バルブキャビティに組み立てることは、前記キャップナットに対して前記キャッププラグを軸方向に調整することを含む、請求項16または17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記キャップナットに対して前記キャッププラグを軸方向に調整することは、前記キャッププラグの雄ねじ部を前記キャップナットの雌ねじ部とねじ込み可能に調整することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの半径方向オフセット通路は第1の半径方向オフセット通路及び第2の半径方向オフセット通路を含み、前記キャップが前記バルブキャビティとともに組み立てられるとき、前記第1の半径方向オフセット通路は前記第2の半径方向オフセット通路と流体連通する、請求項16~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記挿入部は請求項1~15のいずれかに記載の挿入部を含む、請求項16~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記キャップは請求項1~15のいずれかに記載のキャップを含む、請求項16~21のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年11月6日に出願された米国特許仮出願第63/110,443号(VALVE CAVITY CAP ARRANGEMENTS)に対する優先権及び全ての利益を主張し、その開示全体が参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本発明は、流体流動デバイス及び流体送達デバイスと、流体流動方法及び流体送達方法とに関し、より具体的には、流体流動及び流動送達を制御するために使用されるバルブに関する。
【背景技術】
【0003】
バルブは、ガス及び液状流体の送達のための流量制御デバイスとして使用されることでよく知られている。半導体産業及びその他の産業では、様々な処理作業中のプロセス化学物質の送達は、バルブ、例えば高純度バルブを使用して制御される。半導体産業で使用されるバルブの用途の例は、化学気相堆積(CVD)及び原子層堆積(ALD)を含む。多くの用途では、供給される流体の量を速く正確に制御する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示で提示される1つ以上の発明の例示的な態様によれば、バルブキャビティキャップ機構は、中央通路及び少なくとも1つの半径方向オフセット通路が延在する凹面を有するバルブキャビティを画定する弁本体と組み合わせて提供される。バルブキャビティキャップ機構は、挿入部及びねじ付きキャップを含む。挿入部はバルブキャビティで受けられ、中央通路を囲む凹面の部分に接触してシールするようにサイズ決定された内側環状シール面と、少なくとも1つの半径方向オフセット通路を囲む凹面の外周に接触してシールするようにサイズ決定された外側環状シール面と、内側環状シール面と外側環状シール面との間に延在する固形ウェブ部と、を含む。ねじ付きキャップは、バルブキャビティの雌ねじ部とねじ係合する雄ねじ部と、第1のシール力を内側環状シール面に加えるように構成された中央端部と、第2のシール力を外側環状シール面に加えるように構成された外側端部と、を含む。
【0005】
本開示で提示される発明の1つ以上の例示的な態様によれば、バルブキャビティをシールする方法が想到され、バルブキャビティは、中央通路及び少なくとも1つの半径方向オフセット通路が延在する凹面を含む。例示的な方法では、挿入部がバルブキャビティに設置されることによって、挿入部の内側環状シール面は中央通路を囲む凹面の部分に係合し、挿入部の外側環状シール面は少なくとも1つの半径方向オフセット通路を囲む凹面の外周に係合する。キャップがバルブキャビティとともに組み立てられることにより、キャップの中央端部は第1のシール力を内側環状シール面にかけ、キャップの外側端部は第2のシール力を外側環状シール面にかける。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的なダイヤフラム弁マニホールドアセンブリの部分断面の分解斜視図である。
【
図2】
図1のマニホールドアセンブリのバルブキャビティに設置されたバルブサブアセンブリの部分側断面図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、マニホールド本体のバルブキャビティとともに組み立てられた例示的なバルブキャビティキャップ機構の側断面図である。
【
図4】
図3のバルブキャビティキャップ機構の上面図である。
【
図5】本開示の例示的な別の実施形態による、マニホールド本体のバルブキャビティとともに組み立てられた例示的な別のバルブキャビティキャップ機構の側断面図である。
【
図6】
図5のバルブキャビティキャップ機構の上面図である。
【
図7】本開示の例示的な別の実施形態による、マニホールド本体のバルブキャビティとともに組み立てられた例示的な別のバルブキャビティキャップ機構の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この発明を実施するための形態では、単に例示的な実施形態を説明するものであり、いかなる方法で特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。実際、特許請求される本発明は、例示的な実施形態よりも広く、その実施形態により限定されず、特許請求の範囲で使用される用語はごく通常の意味がある。
【0008】
本発明の様々な発明の態様、概念、及び特徴は、例示的な実施形態で組み合わせて具現化されるものとして本明細書で説明及び図示され得るが、これらの様々な態様、概念、及び特徴は、多くの代替の実施形態で、個別に、または様々な組み合わせ及びそのサブコンビネーションで使用され得る。本明細書で明示的に除外されない限り、そのような組み合わせ及びサブコンビネーションの全ては、本発明の範囲内にあることが意図される。さらには、本発明の様々な態様、概念、及び特徴に関する様々な代替の実施形態、例えば、代替の材料、構造、構成、方法、回路、デバイス、及び構成要素、そして、形態、適合性及び機能に関する代替手段等が本明細書に説明され得るが、そのような説明は、現在知られているか、または今後開発されるかどうかに関わらず、利用可能な代替の実施形態の完全または網羅的な一覧であることを意図していない。当業者は、そのような実施形態が本明細書に明示的に開示されていなくても、本発明の態様、概念、または特徴の1つ以上を、本発明の範囲内の追加の実施形態及び用途に容易に採用し得る。さらに、本発明のいくつかの特徴、概念、または態様が好ましい配置または方法であるとして本明細書に説明され得るとしても、そのような説明は、明示的に述べられない限り、そのような特徴が必要または必須であることを示唆することを意図していない。さらには、本開示の理解を助けるために、例示的または代表的な値及び範囲が含まれ得るが、そのような値及び範囲は、限定的な意味で解釈するべきではなく、そのように明示的に述べられている場合だけ、臨界値または臨界範囲であることを意図している。規定値の「おおよそ」または「約」として識別されるパラメータは、特に明記されていない限り、規定値、規定値の5%以内の値、及び規定値の10%以内の値を含むことを意図している。さらに、本開示に付随する図面は、必須ではないが、縮尺どおりであり得ることが理解され、したがって、図面において明らかな様々な比率及び割合を教示するものとして理解され得る。さらに、様々な態様、特徴、及び概念が発明に関するものとして、または発明の一部を形成するものとして、本明細書で明示的に識別され得るが、そのような識別は排他的であることを意図するものではなく、むしろそのような特定の発明として、または特定の発明の一部として明示的に識別されることなく、本明細書で完全に説明される発明的な態様、概念、及び特徴が存在し得、代わりに、発明は添付の特許請求の範囲に規定されている。例示的な方法またはプロセスの説明は、全ての場合に必要であるとして全てのステップを含めるものに限定されず、明示的に述べられていない限り、ステップが提示される順序が必要または必須であると解釈されるわけでもない。
【0009】
ダイヤフラム弁は、ガス及び液状流体の流量制御デバイスとして使用される。例えば、半導体産業では、プロセスシステムガスはダイヤフラム弁を使用して制御される。ダイヤフラム弁は、表面実装技術を使用するマニホールドまたは基板に取り付ける等、多くの異なる方法でプロセスシステムに設置され得る。共有の米国特許第9,863,542号(「’542特許」、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる)に示され及び説明され、本明細書の
図1及び
図2に再現される、そのような例示的な表面実装構成の1つでは、マニホールド本体ブロック16は複数の雌ねじ付きバルブキャビティ32を含み、複数の雌ねじ付きバルブキャビティ32はそれぞれ、中央通路36及び少なくとも1つの半径方向オフセット通路38が延在する凹面34を画定する。シートキャリアサブアセンブリ42は、各バルブキャビティ32に設置され、中央通路36と整列した中央開口部56を画定するシートキャリア44と、少なくとも1つのオフセット通路38と実質的に整列した(例えば、少なくとも部分的に半径方向に整列した)外側開口部92と、を含む。シートキャリア44の外側リム46は、ダイヤフラム26を支持し(ダイヤフラム26に溶接され得)、ダイヤフラム及び外側リムは、バルブキャビティ凹面34と、バルブキャビティ32にねじ込まれたボンネットナット78との間に締められ、シートキャリアサブアセンブリ78を保持し、アクチュエータアセンブリ14のねじ込み式アセンブリを提供する。本体シール70は中央開口部56を囲み、中央通路36の周りの凹面34に接触してシールし、弁座40(本体シール70と一体であり得る)は、中央開口部56を囲み、ダイヤフラム26に接触してシールして、ダイヤフラムが閉位置(例えば、下向位置)にあるとき、中央通路36とオフセット通路38との間の流動をブロックする。2つ以上のオフセット通路を有するバルブ機構では、オフセット通路は、ダイヤフラムの閉位置で互いに開いて、例えば、流体システムを通る流動を維持し得、ダイヤフラムが開位置にあるとき、中央通路は流体のサンプリングまたは注入を提供する。
【0010】
マルチバルブの表面実装マニホールドシステムでは、同じ数のバルブ位置またはバルブキャビティを伴うマニホールドのアレイを提供することにより、各マニホールドアセンブリが同じ実装面積に収まり、単一のマニホールド本体構成の製造に関連するスケールメリットも考慮しながら、システムのニーズに基づいて、マニホールドを可変数のバルブで構成することを可能にすることが望ましくなり得る。1つ以上のバルブ位置でのバルブ作動式流量制御が不要なマニホールド用途では、バルブの代わりにキャップを設置し得る。1つの例示的な配置では、フロースルーキャップは、バルブキャビティ/位置に常に開位置にあるバルブが設けられているかのように、流動が設置場所を連続的に通過するための手段を提供し得る。
【0011】
本願の例示的な態様によれば、いくつかの用途では、例えばマニホールドアセンブリにおける1つ以上のバルブ位置を通る流動が望ましくない場合がある。例示的な実施形態では、バルブキャビティキャップ機構は、中央通路と1つ以上の外側半径方向通路との間の流動をブロックするためにバルブキャビティまで延在する中央通路の周りに第1のシール部(例えば、金属間シール)と、バルブキャビティの外周の周りの独立した第2のシール部とを提供して、外側半径方向通路(複数可)の流体のシェル漏れを防止し得る。
【0012】
例示的な実施形態では、
図3に示されるように、バルブキャビティキャップ機構100は、バルブ本体(例えば、マニホールド本体16)のバルブキャビティ32で受けられるようにサイズ決定されたシールカートリッジまたは挿入部110と、バルブキャビティの雌ねじ部82とねじ係合可能な雄ねじ部129を有するねじ付きキャップ120と、を含む。例示的な挿入部110は、中央通路に入る及び/または中央通路から出る流体流動をブロックするために、中央通路36を囲む凹面34の中央通路シール部34aに接触してシールするようにサイズ決定された内側環状シール面(例えば、ビード)112によって囲まれた固形中央部111を含む。2つ以上のオフセット通路を有する実施形態では、挿入部110の固形ウェブ部113は、内側環状シール面112と、オフセット通路(複数可)38、39を囲む凹面34の外周シール部34bに接触してシールするようにサイズ決定された外側環状シール面(例えば、ビード)114との間に延在し、オフセット通路38とオフセット通路39との間の流体連通を維持しながら、オフセット通路(複数可)の周りにシールを提供する。他の材料が使用され得るが、いくつかの実施形態では、挿入部110は金属(例えば、ステンレス鋼)であり、バルブキャビティと挿入部との間に金属間シールを提供し得る。本明細書で使用される「環状」は、円形または任意の他の適切な囲み形状(例えば、長方形、楕円形等)を含み得る。
【0013】
ねじ付きキャップ120は、第1のシール力を内側環状シール面112に加えるために挿入部110の中央軸受面117に係合するように構成された中央端部122と、挿入部の外側軸受面118に係合して、第2のシール力を外側環状シール面114に加えるように構成された外側端部124(例えば、環状シール面)と、を含む。これは単一部品のキャップ構成で達成され得るが、図示の実施形態では、キャップ120は、例えば、キャッププラグ121の雄ねじ部125とキャップナット123の雌ねじ部126との間のねじ係合によって、外側端部124を画定する外側キャップナット123とともに組み立てられた中央端部122を画定する内側キャッププラグ121を有するツーピース構成である。そのような配置では、キャッププラグ121は、第1のシール力及び第2のシール力を独立して調整するために、キャップナット123の内部で、ねじで調整され得る。キャッププラグ121及びキャップナット123の締め付け調整は、例えば、締め付けトルクまたはぴったり締まった状態からの増分回転に基づいて行われ得る。
図4に示されるように、キャッププラグ121及びキャップナット123は、ツール(例えば、レンチフラット121a)またはユーザー用ハンドグリップ(例えば、成形ハンドグリップ部分123a)による締め付けを容易にする外側把持可能部121a、123aを含み得、キャップナット123は、例えば、挿入部110を通過する漏れを検出するために、1つ以上の通気口127が設けられ得る。
【0014】
さらに、本開示の別の態様によれば、挿入部110のウェブ部113は、外側シールビードと内側シールビードとの間の屈曲度の増加をもたらすのに十分な程度に薄くなり得、これにより、バルブキャビティ凹面の差に対応し得、外側シールから内側シールへの荷重伝達が最小になる。適切な厚さは、中央通路シール部34aと外周シール部34bとの間の潜在的なシール面オフセット、及び/または許容され得る(ウェブたわみから生じる)荷重損失の量の関数として選択され得る。例示的な実施形態では、約0.020インチ~約0.060インチ、または約0.030インチの厚さを有するウェブ部113を使用して、約0.010インチまで、シールオフセット(例えば、バルブキャビティシール面及び/または環状シール面の寸法公差による)に対応するのに十分なウェブたわみを提供し得る。他の実施形態では、さらに厚いウェブ部は、キャップナット123及びキャッププラグ121による外側環状シール面114及び内側環状シール面112の独立した荷重をさらに可能にし得る。
【0015】
図示の実施形態では、2つ以上のオフセット通路を有する実施形態において、ウェブ部113は、例えば、オフセット通路38とオフセット通路39との間の流動を最大にするために、バルブキャビティ凹面34とウェブ部113との間に拡大された空間を提供するために、挿入部軸受面117、118と実質的に同一平面上にある。他の実施形態では、
図3Aに示されるように、挿入部110’は、例えば、上部軸受面117’、118’と下部環状シール面112’、114’との間で、軸方向においてより中央に位置付けられたウェブ部113’を含み得、これにより、例えば、流動容量がさほど重要でない実施形態では、またはオフセット通路が1つだけ提供される実施形態では、外側シールビードと内側シールビードとの間で柔軟性の増加をもたらす。
【0016】
本願の別の例示的な態様によれば、いくつかの流体システムでは、例えば、1つ以上の位置で中央通路に流動を追加または迂回するために新しい流体接続を追加して、パージもしくは化学物質の流動を導入する、圧力測定値を取得する、または化学物質をシステムの別の部分に迂回することが望ましくなり得る。例示的な実施形態では、バルブキャビティキャップ機構は、例えば流動ループまたは他の流動制御機構と接続するために、キャップを通って延在する中央通路を有する流動迂回カートリッジまたは挿入部を含み得る。
【0017】
例示的な実施形態では、
図5に示されるように、バルブキャビティキャップ機構200は、マニホールド本体16のバルブキャビティ32で受けられるようにサイズ決定された流動迂回カートリッジまたは挿入部210と、バルブキャビティの雌ねじ部82とねじ係合可能な雄ねじ部229を有するねじ付きキャップ220と、を含む。例示的な挿入部210は、開口中央部211から延在する管状延在部215を含み、開口中央部211は、中央通路36を囲む凹面34のシール部34aに接触してシールするようにサイズ決定された内側環状シール面212によって囲まれる。開口中央部211は、管状延在部215から、内側環状シール面212の半径方向内側の挿入部の端面まで延在する中央ポート216を含み、中央通路36と管状延在部215との間に流体通路が提供される。2つ以上のオフセット通路を有する実施形態では、挿入部210の固形ウェブ部213は、内側環状シール面212と、オフセット通路(複数可)38、39を囲む凹面34の外周34bに接触してシールするようにサイズ決定された外側環状シール面214との間に延在し、オフセット通路38とオフセット通路39との間の流体連通を維持しながら、オフセット通路(複数可)の周りにシールを提供する。他の材料が使用され得るが、いくつかの実施形態では、挿入部210は金属(例えば、ステンレス鋼)であり、バルブキャビティ32と挿入部210との間に金属間シールを提供し得る。
【0018】
ねじ付きキャップ220は、第1のシール力を内側環状シール面212に加えるように構成された環状端面222aによって囲まれた、中央孔228を通して挿入部210の管状延在部215を受ける中央孔228を画定する中央端部222と、第2のシール力を外側環状シール面214に加えるように構成された外側端部224と、を含む。これは単一部品のキャップ構成で達成され得るが、図示の実施形態では、キャップ220は、例えば、キャッププラグ221の雄ねじ部225とキャップナット223の雌ねじ部226との間のねじ係合によって、外側端部224を画定する外側キャップナット223とともに組み立てられ、外側キャップナット223に対して軸方向に調整可能である中央端部222を画定する内側キャッププラグ221を有するツーピース構成である。そのような配置では、キャッププラグ221は、第1のシール力及び第2のシール力を独立して軸調整するために、キャップナット223の内部で、ねじで調整され得る。キャッププラグ221及びキャップナット223の締め付け調整は、例えば、締め付けトルクまたはぴったり締まった状態からの増分回転に基づいて行われ得る。
図6に示されるように、キャッププラグ221及びキャップナット223は、ツール(例えば、レンチフラット221a)またはユーザー用ハンドグリップ(例えば、成形ハンドグリップ部分223a)による締め付けを容易にする外側把持可能部221a、223aを含み得、キャップナット223は、例えば、挿入部210を通過する漏れを検出するために、1つ以上の通気口227が設けられ得る。
【0019】
さらに、本開示の別の態様によれば、上記に説明したように、例えば、
図3の挿入部110のウェブ部113と同様に、挿入部210のウェブ部213は、外側シールビードと内側シールビードとの間の軸方向の屈曲度を提供するのに十分な程度に薄くなり得、これにより、バルブキャビティ凹面の差に対応し得、外側シールから内側シールへの荷重伝達が最小になる。
【0020】
図示の実施形態では、ウェブ部213は、例えば、オフセット通路38とオフセット通路39との間の流動を最大にするために、バルブキャビティ凹面34とウェブ部213との間に拡大された空間を提供するために、外側軸受面218と実質的に同一平面上にある。他の実施形態では、
図5Aに示されるように、挿入部210’は、例えば、上部軸受面217’、218’と下部環状シール面212’、214’との間で、より中央に位置付けられたウェブ部213’を含み得、これにより、例えば、流動容量がさほど重要でない実施形態では、またはオフセット通路が1つだけ提供される実施形態では、外側シールビードと内側シールビードとの間で柔軟性の増加をもたらす。
【0021】
本願の別の例示的な態様によれば、いくつかの流体システムでは、例えば、1つ以上の位置で半径方向オフセット通路(複数可)に流動を追加または迂回するために新しい流体接続を追加して、パージもしくは化学物質の流動を導入する、圧力測定値を取得する、または化学物質をシステムの別の部分に迂回することが望ましくなり得る。例示的な実施形態では、バルブキャビティキャップ機構は、例えば流動ループまたは他の流動制御機構と接続するために、キャップを通って延在する半径方向オフセット通路を有する流動迂回カートリッジまたは挿入部を含み得る。
【0022】
例示的な実施形態では、
図7に示されるように、バルブキャビティキャップ機構300は、マニホールド本体16のバルブキャビティ32で受けられるようにサイズ決定された流動迂回カートリッジまたは挿入部310と、バルブキャビティの雌ねじ部82とねじ係合可能な雄ねじ部329を有するねじ付きキャップ320と、を含む。例示的な挿入部310は、中央通路36を囲む凹面34のシール部34aに接触してシールするようにサイズ決定された内側環状シール面312によって囲まれた固形中央部311から延在する管状延在部315を含み、中央通路36に入る及び/または中央通路36から出る流動がブロックされる。挿入部310は、管状延在部315から、内側環状シール面312の半径方向外側の挿入部の端面まで半径方向外向き及び軸方向下向きに延在する1つ以上のポート316を含み、オフセット通路(複数可)38、39と管状延在部315の間に1つ以上の流体通路が提供される。2つ以上のオフセット通路を有する実施形態では、挿入部310の固形ウェブ部313は、ポート316と、オフセット通路(複数可)38、39を囲む凹面34の外周34bに接触してシールするようにサイズ決定された外側環状シール面314との間に延在し、オフセット通路38とオフセット通路39との間の流体連通を維持しながら、オフセット通路(複数可)の周りにシールを提供する。他の材料が使用され得るが、いくつかの実施形態では、挿入部310は金属(例えば、ステンレス鋼)であり、バルブキャビティと挿入部との間に金属間シールを提供し得る。
【0023】
ねじ付きキャップ320は、第1のシール力を内側環状シール面312に加えるように構成された環状端面322aによって囲まれた、中央孔328を通して挿入部310の管状中央部311を受ける中央孔328を画定する中央端部322と、第2のシール力を外側環状シール面314に加えるように構成された外側端部324と、を含む。これは単一部品のキャップ構成で達成され得るが、図示の実施形態では、キャップ320は、例えば、キャッププラグ321の雄ねじ部325とキャップナット323の雌ねじ部326との間のねじ係合によって、外側端部324を画定する外側キャップナット323とともに組み立てられ、外側キャップナット323に対して軸方向に調整可能である中央端部322を画定する内側キャッププラグ321を有するツーピース構成である。そのような配置では、キャッププラグ321は、第1のシール力及び第2のシール力を独立して軸調整するために、キャップナット323の内部で、ねじで調整され得る。キャッププラグ321及びキャップナット323の締め付け調整は、例えば、締め付けトルクまたはぴったり締まった状態からの増分回転に基づいて行われ得る。
図4及び
図6の実施形態に示される特徴と同様に、キャッププラグ321及びキャップナット323は、ツール(例えば、レンチ)による締め付けを容易にする外側平坦部を含み得、キャップナット323は、例えば、挿入部310を通過する漏れを検出するために、1つ以上の通気口が設けられ得る。
【0024】
図7A及び
図7Bは、例示的な挿入部310の上面図及び下面図を示す。
図7Bに示されるように、挿入部310は、例えば、オフセット通路(複数可)38、39と管状延在部315との間の流動の増加をもたらすために、挿入部の周りに円周方向に離間した複数のポート316を含み得る。挿入部310は複数のポート構成で機械加工され得るが、挿入部310(及び本明細書で説明される他の構成要素のいずれか)は、積層造形(例えば、3D印刷)及び/または溶接構成(例えば、ポート付き基部に溶接された管状延在部から形成された挿入部)を使用して製造され得る。
【0025】
さらに、本開示の別の態様によれば、上記に説明したように、例えば、
図3の挿入部110のウェブ部113と同様に、挿入部310のウェブ部313は、外側シールビードと内側シールビードとの間の軸方向の屈曲度を提供するのに十分な程度に薄くなり得、これにより、バルブキャビティ凹面の差に対応し得、外側シールから内側シールへの荷重伝達が最小になる。
【0026】
図示の実施形態では、ウェブ部313は、例えば、オフセット通路38とオフセット通路39との間の流動を最大にするために、バルブキャビティ凹面34とウェブ部313との間に拡大された空間を提供するために、外側軸受面318と実質的に同一平面上にある。他の実施形態(図示せず)では、挿入部は、例えば、上部軸受面と下部環状シール面との間で、より中央に位置付けられたウェブ部を含み得、これにより、例えば、流動容量がさほど重要でない実施形態では、またはオフセット通路が1つだけ提供される実施形態では、外側シールビードと内側シールビードとの間で柔軟性の増加をもたらす。
【0027】
例示的な実施形態を参照して、本発明の態様を説明してきた。本明細書を読んで理解することで、他のものに対する修正及び改変が発生する。添付の特許請求の範囲またはその均等物の範囲内に入る限り、そのような修正及び変更の全てを含むことを意図している。
【国際調査報告】