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特表2023-550629バッテリーラック及びそれを含む電力貯蔵装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-04
(54)【発明の名称】バッテリーラック及びそれを含む電力貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20231127BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20231127BHJP
【FI】
H01M50/204 401F
H01M50/289 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530908
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 KR2022010317
(87)【国際公開番号】W WO2023287233
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0093531
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ソク・クォン
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA37
5H040AS01
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC35
5H040NN03
(57)【要約】
本発明の一実施例によるバッテリーラックは、所定の期間や所定の容量が使用された少なくとも一つのバッテリーパックと、少なくとも一つのバッテリーパックを収容し、前記少なくとも一つのバッテリーパックよりも高い高さを有するバッテリーパックフレームと、をふくむことで、所定の期間や所定の容量が使用された再使用のためのバッテリーパックをより安定的に収容すると共に、過熱のような異常状況による火事の発生時にも安全性を確保することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーラックであって、
所定の期間や所定の容量が使用された少なくとも一つのバッテリーパックと、
前記少なくとも一つのバッテリーパックを収容し、前記少なくとも一つのバッテリーパックよりも高い高さを有するバッテリーパックフレームと、を含むことを特徴とする、バッテリーラック。
【請求項2】
前記バッテリーパックフレームには、
前記少なくとも一つのバッテリーパックの異常状況の発生時、前記少なくとも一つのバッテリーパックが所定の高さまで冷却水に浸るように、内部に冷却水が注入されることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーラック。
【請求項3】
前記少なくとも一つのバッテリーパックには、
前記バッテリーパックフレームの内部に冷却水が注入される場合、前記冷却水が前記少なくとも一つのバッテリーパックの内部に直接的に注入されるように、少なくとも一つの冷却水注入孔が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーラック。
【請求項4】
前記冷却水注入孔は、
複数備えられ、
前記複数の冷却水注入孔は、
前記少なくとも一つのバッテリーパックの上面及び下面の少なくとも一面に備えられることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーラック。
【請求項5】
前記複数の冷却水注入孔は、
前記少なくとも一つのバッテリーパックの上面及び下面に各々備えられることを特徴とする、請求項4に記載のバッテリーラック。
【請求項6】
前記少なくとも一つのバッテリーパックは、
前記バッテリーパックフレームの内部に備えられ、前記バッテリーパックフレームの内側下面から所定の距離に離隔して配置されることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーラック。
【請求項7】
前記バッテリーパックフレームの内面には、
前記少なくとも一つのバッテリーパックを前記バッテリーパックフレームの内側下面から所定の距離に離隔するように支持する少なくとも一つのパック支持棒が備えられることを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーラック。
【請求項8】
前記バッテリーパックフレームの上部には、
前記冷却水の注水のための少なくとも一つの注水パイプが配置されることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーラック。
【請求項9】
前記少なくとも一つの注水パイプには、
前記少なくとも一つのバッテリーパック側へ前記冷却水を噴射する少なくとも一つのスプリンクラーが備えられることを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーラック。
【請求項10】
前記バッテリーパックフレームには、
前記少なくとも一つのバッテリーパックと電気的に接続するための少なくとも一つのケーブルが貫通する少なくとも一つのケーブル貫通部が形成されることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーラック。
【請求項11】
前記少なくとも一つのケーブル貫通部には、
前記冷却水の流出を防止するための少なくとも一つのケーブル封止部材が取り付けられることを特徴とする、請求項10に記載のバッテリーラック。
【請求項12】
前記バッテリーパックは、
電気自動車またはハイブリッド自動車で使用されたバッテリーパックであることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーラック。
【請求項13】
前記バッテリーパックは、複数備えられ、
前記複数のバッテリーパックは、
相互に電気的に接続するように前記バッテリーラックの高さ方向に沿って相互に積層されることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーラック。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の少なくとも一つのバッテリーラックを含むことを特徴とする、電力貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーラック及びそれを含む電力貯蔵装置に関する。
【0002】
本出願は、2021年7月16日出願の韓国特許出願第10-2021-0093531号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列に接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量に応じて複数のバッテリーセルを並列に接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数は、要求される出力電圧または充放電容量に応じて多様に設定可能である。
【0005】
なお、複数のバッテリーセルを直列・並列に接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールを先に構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いてその他の構成要素を追加してバッテリーパックやバッテリーラックを構成する方法が一般的である。一方、このようなバッテリーラックを少なくとも一つ以上備えてエネルギー源として電力貯蔵装置を構成する。
【0006】
一方、従来の電気自動車などに使用されたバッテリーパックの場合、通常、所定の期間や所定の容量が使用された後には、自動車などの走行性能低下によって廃棄された。廃棄されるバッテリーパックの場合、通常、酸化コバルト、リチウム、マンガン、ニッケルなどを含んでいることから、環境汚染や火事、感電などの問題がある。
【0007】
このように電気自動車などに使用されてから廃棄されるバッテリーパック、即ち、電気車の廃バッテリーパックの約70~80%は、自動車のエネルギー源ではない他の分野ではリサイクルが可能であり得る。特に、このような電気車の廃バッテリーパックをESSと呼ばれる電力貯蔵装置(ESS、Energy Storage System)に再使用され得る。このように再使用される電気車の廃バッテリーパックは、リユースバッテリーパックとも呼ばれる。
【0008】
そこで、所定の期間や所定の容量が使用されたバッテリーパック、即ち、リユースバッテリーパックを電力貯蔵装置などの他の分野においてより安定的に再使用可能な方案が求められる。特に、このような所定の期間や所定の容量が使用されたバッテリーパックの場合、過熱などによる火事などの危険性がより大きいため、このようなバッテリーパックを収容するバッテリーパックフレームのような構造物の設計や火事防止などのメカニズムがより重要な要素となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、所定の期間や所定の容量が使用された再使用のためのバッテリーパックをより安定的に収容すると共に、過熱のような異常状況による火事の発生時にも安全性が確保可能なバッテリーラック及びそれを含む電力貯蔵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するため、本発明は、バッテリーラックであって、所定の期間や所定の容量が使用された少なくとも一つのバッテリーパックと、前記少なくとも一つのバッテリーパックを収容し、前記少なくとも一つのバッテリーパックよりも高い高さを有するバッテリーパックフレームと、を含むことを特徴とするバッテリーラックを提供する。
【0011】
前記バッテリーパックフレームには、前記少なくとも一つのバッテリーパックの異常状況の発生時、前記少なくとも一つのバッテリーパックが所定の高さまで冷却水に浸るように、内部に冷却水が注入され得る。
【0012】
前記少なくとも一つのバッテリーパックには、前記バッテリーパックフレームの内部に冷却水が注入される場合、前記冷却水が前記少なくとも一つのバッテリーパックの内部に直接的に注入されるように、少なくとも一つの冷却水注入孔が形成されていることがある。
【0013】
前記冷却水注入孔は、複数備えられ、前記複数の冷却水注入孔は、前記少なくとも一つのバッテリーパックの上面及び下面の少なくとも一面に備えられ得る。
【0014】
前記複数の冷却水注入孔は、前記少なくとも一つのバッテリーパックの上面及び下面に各々備えられ得る。
【0015】
前記少なくとも一つのバッテリーパックは、前記バッテリーパックフレームの内部に備えられ、前記バッテリーパックフレームの内側下面から所定の距離に離隔して配置され得る。
【0016】
前記バッテリーパックフレームの内面には、前記少なくとも一つのバッテリーパックを前記バッテリーパックフレームの内側下面から所定の距離に離隔するように支持する少なくとも一つのパック支持棒が備えられ得る。
【0017】
前記バッテリーパックフレームの上部には、前記冷却水の注水のための少なくとも一つの注水パイプが配置され得る。
【0018】
前記少なくとも一つの注水パイプには、前記少なくとも一つのバッテリーパック側へ前記冷却水を噴射する少なくとも一つのスプリンクラーが備えられ得る。
【0019】
前記バッテリーパックフレームには、前記少なくとも一つのバッテリーパックと電気的に接続するための少なくとも一つのケーブルが貫通する少なくとも一つのケーブル貫通部が形成され得る。
【0020】
前記少なくとも一つのケーブル貫通部には、前記冷却水の流出を防止するための少なくとも一つのケーブル封止部材が取り付けられ得る。
【0021】
前記バッテリーパックは、電気自動車またはハイブリッド自動車で使用されたバッテリーパックであり得る。
【0022】
前記バッテリーパックは、複数備えられ、前記複数のバッテリーパックは、相互に電気的に接続するように前記バッテリーラックの高さ方向に沿って相互に積層され得る。
【0023】
なお、本発明は、電力貯蔵装置であって、前述した実施例による少なくとも一つのバッテリーラックを含むことを特徴とする電力貯蔵装置を提供する。
【発明の効果】
【0024】
以上のような多様な実施例によって、所定の期間や所定の容量が使用された再使用のためのバッテリーパックをより安定的に収容すると共に、過熱のような異常状況による火事の発生時にも安全性が確保可能なバッテリーラック及びそれを含む電力貯蔵装置を提供することができる。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーラックを説明するための図である。
図2図1のバッテリーラックのバッテリーパックを説明するための図である。
図3図2のバッテリーパックの底部を説明するための図である。
図4図1のバッテリーラックのバッテリーパックフレームを説明するための図である。
図5図4のバッテリーパックフレームの他の実施例による支持フレームを説明するための図である。
図6図1のバッテリーラックの主要部を説明するための図である。
図7図1のバッテリーラックのバッテリーパックの過熱による異常状況の発生時、火事の拡散防止のための冷却水の注水メカニズムを説明するための図である。
図8図1のバッテリーラックのバッテリーパックの過熱による異常状況の発生時、火事の拡散防止のための冷却水の注水メカニズムを説明するための図である。
図9図8の冷却水の注水時、異常状況が発生したバッテリーパックの下部に配置されたバッテリーパック側への冷却水の流入防止メカニズムを説明するための図である。
図10図8の冷却水の注水時、異常状況が発生したバッテリーパックの下部に配置されたバッテリーパック側への冷却水の流入防止メカニズムを説明するための図である。
図11】本発明の一実施例による電力貯蔵装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。ここで説明される実施例は、発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、本発明は、ここで説明する実施例とは相違に多様に変形して実施できることを理解せねばならない。なお、発明の理解を助けるために、添付の図面は、実際の縮尺ではなく一部構成要素が誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。
【0028】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーラックを説明するための図である。
【0029】
図1を参照すると、バッテリーラック10は、少なくとも一つのバッテリーパック100と、前記少なくとも一つのバッテリーパック100を収容する少なくとも一つのバッテリーパックフレーム200と、を含み得る。
【0030】
前記少なくとも一つのバッテリーパック100は、所定の期間や所定の容量が使用されたバッテリーパックであり得る。具体的には、前記少なくとも一つのバッテリーパック100は、電気自動車またはハイブリッド自動車で使用されたバッテリーパックであり得る。このような前記少なくとも一つのバッテリーパックは、リユースバッテリーパックとも呼ばれる。
【0031】
前記バッテリーパック100は、少なくとも一つまたはそれ以上の複数個備えられ得る。以下、本実施例において、前記バッテリーパック100は、複数個備えられることに限定して説明する。
【0032】
以下、前記バッテリーパック100についてより具体的に説明する。
【0033】
図2は、図1のバッテリーラックのバッテリーパックを説明するための図であり、図3は、図2のバッテリーパックの底部を説明するための図である。
【0034】
図2図3及び前述した図1を参照すると、前記バッテリーパック100は、バッテリーセル110、パックケース130及びサービスプラグ150を含み得る。
【0035】
前記バッテリーセル110は、二次電池であって、パウチ型二次電池、角形二次電池または円筒形二次電池として備えられ得る。以下、本実施例において、前記バッテリーセル110は、二次電池であって、パウチ型二次電池であることに限定して説明する。
【0036】
前記バッテリーセル110は、少なくとも一つまたはそれ以上の複数個備えられ得る。以下、本実施例において、前記バッテリーセル110は複数で備えられ、相互に電気的に接続されるバッテリーセル組立体として備えられることに限定して説明する。
【0037】
前記パックケース130は、前記複数のバッテリーセル110及び前記バッテリーパック100を構成する各種電装品及び冷却ユニットなどを収容し得る。このために、前記パックケース130には、前述した前記バッテリーパック100を構成する構成部品などを収容可能な収容空間が設けられ得る。
【0038】
前記サービスプラグ150は、前記バッテリーパック100の点検や管理時、作業者などの感電事故などを防止するために、使用者の操作によって前記バッテリーパック100の電気的接続が遮断可能なものであって、前記パックケース130に取り付けられて前記バッテリーセル110や前記バッテリーパック100の電装品などと電気的に接続され得る。このような前記サービスプラグ150は、具体的には、前記作業者などの使用者操作などの容易さのために、前記パックケース130の上部に備えられ得る。
【0039】
一方、前記バッテリーパック100には、前記バッテリーパックフレーム200の内部に冷却水が注入される場合、前記冷却水C(図8参照)が前記少なくとも一つのバッテリーパック100の内部に直接的に注入されるように少なくとも一つの冷却水注入孔170が形成され得る。
【0040】
前記冷却水注入孔170は、複数で備えられ得る。このような複数の冷却水注入孔170は、前記バッテリーパック100、具体的には、前記パックケース130の上面及び下面の中少なくとも一面に備えられ得る。
【0041】
本実施例の場合、前記冷却水C(図8参照)の注入効率を極大化できるように、前記複数の冷却水注入孔170は、前記バッテリーパック100、具体的には、前記パックケース130の上面及び下面に各々備えられ得る。より具体的には、前記バッテリーパック100は、前記バッテリーパックフレーム200の内部に備えられ、前記バッテリーパック100の下部からの前記冷却水C(図8参照)の前記バッテリーパック100の内部への投入が円滑になるように前記バッテリーパックフレーム200の内側下面から所定の距離に離隔して配置され得る。
【0042】
前記少なくとも一つのバッテリーパックフレーム200は、所定の期間や所定の容量が使用された前記少なくとも一つのバッテリーパック100を収容し、前記少なくとも一つのバッテリーパック100よりも高い高さを有し得る。
【0043】
前記少なくとも一つのバッテリーパックフレーム200には、前記少なくとも一つのバッテリーパック100の過熱による異常状況の発生時、前記少なくとも一つのバッテリーパック100が所定の高さまで冷却水に浸るように、内部に冷却水C(図8参照)が満たされ得る。
【0044】
前記少なくとも一つのバッテリーパックフレーム200は、前記所定の期間や所定の容量が使用された前記少なくとも一つのバッテリーパック100をより安定的に収容すると共に、前記少なくとも一つのバッテリーパック100の過熱などによる異常状況による火事などの危険状況の発生時、前記内部に満たされる冷却水Cによって前記火事などの危険状況をより迅速に鎮圧可能である。
【0045】
前記バッテリーパックフレーム200は複数で備えられ、前記複数のバッテリーパックフレーム200は、前記バッテリーラック10の高さ方向に沿って相互に積層されるように配置され得る。
【0046】
以下、このような前記少なくとも一つのバッテリーパックフレーム200について具体的に接続する。
【0047】
図4は、図1のバッテリーラックのバッテリーパックフレームを説明するための図である。
【0048】
図4を参照すると、前記バッテリーパックフレーム200は、上部が露出しており、内部に前記少なくとも一つのバッテリーパック100を収容できる収容空間を備え得る。
【0049】
前記バッテリーパックフレーム200の上部には、前記冷却水C(図7参照)の注水のための少なくとも一つの注水パイプ400(図6参照)が配置され得る。前記少なくとも一つの注水パイプ400については、下記の関連説明でより具体的に説明する。
【0050】
また、前記バッテリーパックフレーム200の上部には、前記少なくとも一つのバッテリーパック100の過熱による異常状況の発生時、煙を感知できる少なくとも一つの煙感知センサー500(図6参照)が備えられ得る。前記少なくとも一つの煙感知センサー500については、下記の関連説明でより具体的に説明する。
【0051】
また、前記前記バッテリーパックフレーム200の上部には、前記少なくとも一つの煙感知センサー500(図6参照)が取り付けられ、前記少なくとも一つの煙感知センサー500を支持するためのセンサー支持台600が備えられ得る。前記センサー支持台600については、下記の関連説明でより具体的に説明する。
【0052】
前記バッテリーパックフレーム200は、水槽フレーム210及び支持フレーム250を含み得る。
【0053】
前記水槽フレーム210は、前記少なくとも一つのバッテリーパック100を収容し、上部が露出しており、内部に前記冷却水C(図8参照)が満たされる収容空間が設けられ得る。
【0054】
前記水槽フレーム210は、少なくとも一つのケーブル貫通部212と、少なくとも一つのケーブル封止部材214と、クーリングインレット貫通部215と、クーリングアウトレット貫通部216と、インレット封止部材217と、アウトレット封止部材218と、を含み得る。
【0055】
前記少なくとも一つのケーブル貫通部212は、前記バッテリーパックフレーム200の一側、具体的には、前記水槽フレーム210の一側に形成され、前記前記少なくとも一つのバッテリーパック100と電気的に接続するための少なくとも一つのケーブル700が貫通され得る。
【0056】
前記少なくとも一つのケーブル封止部材214は、前記少なくとも一つのケーブル貫通部212による前記冷却水Cの流出を防止するためのものであって、前記少なくとも一つのケーブル貫通部212に取り付けられ得る。
【0057】
また、前記少なくとも一つのケーブル封止部材214は、前記少なくとも一つのケーブル貫通部212に取り付けられ得る。前記少なくとも一つのケーブル封止部材214は、前記水槽フレーム210内に冷却水C(図8参照)が満たされるとき、前記冷却水Cが前記ケーブル貫通部212から前記水槽フレーム210の外部へ流出されることを防止することができる。
【0058】
前記クーリングインレット貫通部215は、前記バッテリーパックフレーム200の一側、具体的には、前記水槽フレーム210の一側に形成され、前記バッテリーパック100の冷却のためのクーリングインレット800が貫通され得る。
【0059】
前記クーリングアウトレット貫通部216は、前記バッテリーパックフレーム200の一側、具体的には、前記水槽フレーム210の一側に形成され、前記バッテリーパック100の冷却のためのクーリングアウトレット900が貫通され得る。
【0060】
前記インレット封止部材217は、前記クーリングインレット貫通部215に取り付けられ得る。前記インレット封止部材217は、前記水槽フレーム210内に冷却水C(図8参照)が満たされるとき、前記冷却水Cが前記クーリングインレット貫通部215から前記水槽フレーム210の外部への流出されることを防止することができる。
【0061】
前記アウトレット封止部材218は、前記クーリングアウトレット貫通部216に取り付けられ得る。前記アウトレット封止部材218は、前記水槽フレーム210内に冷却水C(図8参照)が満たされるとき、前記冷却水Cの前記クーリングアウトレット貫通部216による前記水槽フレーム210の外部への流出を防止することができる。
【0062】
前記支持フレーム250は、前記水槽フレーム210の底部に備えられ、前記水槽フレーム210の底面の縁より外側へ突出した縁部を有し得る。即ち、前記支持フレーム250は、前記水槽フレーム210の底部の面積よりも広い面積を有するように形成され得る。
【0063】
なお、前記支持フレーム250は、前記バッテリーパックフレーム200の剛性を確保できる。また、前記支持フレーム250は、前記水槽フレーム210の外部へ前記冷却水C(図9参照)が溢れたとき、隣接するバッテリーパックフレーム200の水槽フレーム210の内部への前記冷却水Cの浸透などを防止できる。
【0064】
また、前記バッテリーパックフレーム200の内面には、前記バッテリーパック100を前記バッテリーパックフレーム200の内側下面、即ち、前記水槽フレーム210の底面から所定の距離H(図8参照)だけ離隔するように支持する少なくとも一つのパック支持棒270が備えられ得る。本実施例では、前記パック支持棒270が一対で備えられることに限定して説明する。
【0065】
前記一対のパック支持棒270は、前記バッテリーパック100が前記バッテリーパックフレーム200の内部に収容されるとき、前記バッテリーパック100の底面を前記バッテリーパックフレーム200の内側下面、即ち、前記水槽フレーム210の底面から所定の高さH(図8参照)だけ離隔させ、前記冷却水C(図8参照)が前記バッテリーパック100の底面側からも前記バッテリーパック100の内部へより効果的に投入されるようにガイドし得る。
【0066】
図5は、図4のバッテリーパックフレームの他の実施例による支持フレームを説明するための図である。
【0067】
図5を参照すると、バッテリーパックフレーム205は、水槽フレーム210及び支持フレーム255を含み得る。
【0068】
前記水槽フレーム210は、前述した実施例と実質的に同一または類似であるので、以下、重複する説明を省略する。
【0069】
前記支持フレーム255の縁部には、前記水槽フレーム210から冷却水C(図10参照)が流出する場合、前記冷却水Cが流れ落ちることを防止するように所定の高さを有する立ち上がり部257が形成され得る。
【0070】
前記立ち上がり部257によって、前記支持フレーム255の縁部には、前記冷却水Cを所定の高さに二次に収容可能な冷却水追加収容空間が形成され得る。また、前記支持フレーム255の縁部に形成される冷却水追加収容空間の一側には、前記冷却水Cの排水のための排水パイプが連結され得る。
【0071】
以下、前記バッテリーラック10のその他の主要構成について具体的に説明する。
【0072】
図6は、図1のバッテリーラックの主要部を説明するための図である。
【0073】
図6を参照すると、前記バッテリーラック10は、ラックフレーム300と、注水パイプ400と、煙感知センサー500と、センサー支持台600と、少なくとも一つのケーブル700と、クーリングインレット800と、クーリングアウトレット900と、をさらに含み得る。
【0074】
前記ラックフレーム300は、前記複数のバッテリーパックフレーム200を支持すると共に前記複数のバッテリーパックフレーム200の垂直方向への積層をガイドし得る。
【0075】
前記注水パイプ400は、複数で備えられ、各々のバッテリーパックフレーム200の上部に配置され得る。前記注水パイプ400は、前記バッテリーラック10の外部に備えられる冷却水タンク(図示せず)に連結され得る。
【0076】
各々の注水パイプ400には、前記少なくとも一つのバッテリーパック100側へ前記冷却水C(図7参照)を噴射する少なくとも一つのスプリンクラー450が備えられ得る。
【0077】
前記少なくとも一つのスプリンクラー450は、前記バッテリーパックフレーム200の上部において前記バッテリーパック100の上部に配置され得る。前記スプリンクラー450は、少なくとも一つまたはそれ以上の複数個備えられ得る。以下、本実施例では、前記スプリンクラー450が複数で備えられることに限定して説明する。
【0078】
前記煙感知センサー500は、前記バッテリーパック100の過熱などによる火事状況の発生時、火事状況を感知するために前記バッテリーパック100から出る煙を感知し得る。
【0079】
前記煙感知センサー500は、前記バッテリーパック100の外部へ最も先に煙が漏れる可能性の高い前記バッテリーパック100の前記サービスプラグ150の上部に配置され得る。
【0080】
前記センサー支持台600は、前記煙感知センサー500をより安定的に支持するためのものであって、所定の長さの棒状で備えられ、前記バッテリーパックフレーム200の前記水槽フレーム210に取り付けられ得る。
【0081】
前記少なくとも一つのケーブル700は、前記バッテリーパック100内の電装品などと外部の電装ユニットとの接続のためのものであって、前記バッテリーパック100と接続され得る。
【0082】
前記少なくとも一つのケーブル700は、前記バッテリーパックフレーム200の前記水槽フレーム210の前記ケーブル貫通部212を貫通して前記水槽フレーム210内で前記バッテリーパック100と接続され得る。
【0083】
前記少なくとも一つのケーブル700の外面は、前記水槽フレーム210内に前記冷却水C(図8参照)が満たされるとき、電気的ショート防止のために防水シーリング材がコーティングされ得る。
【0084】
前記クーリングインレット800は、前記バッテリーパック100の冷却のためのものであって、外部冷却ユニットと前記バッテリーパック100を接続し得る。前記クーリングインレット800は、前記水槽フレーム210の前記クーリングインレット貫通部215を貫通して前記水槽フレーム210内で前記バッテリーパック100と接続され得る。
【0085】
前記クーリングアウトレット900は、前記バッテリーパック100の冷却のためのものであって、外部冷却ユニットと前記バッテリーパック100を接続し得る。前記クーリングアウトレット900は、前記水槽フレーム210の前記クーリングインレット貫通部215を貫通して前記水槽フレーム210内で前記バッテリーパック100と接続され得る。
【0086】
以下では、本実施例による前記バッテリーラック10のバッテリーパック100の過熱による異常状況の発生時、火事拡散防止メカニズムについて具体的に説明する。
【0087】
図7及び図8は、図1のバッテリーラックのバッテリーパックの過熱による異常状況の発生時、火事の拡散防止のための冷却水注水メカニズムを説明するための図である。
【0088】
図7及び図8を参照すると、前記バッテリーラック10において、前記バッテリーパック100において少なくとも一つの特定のバッテリーパック100で異常状況が発生し得る。前記バッテリーパック100の場合、所定の期間や所定の容量が使用されたリユースバッテリーパック100であることから、過熱などによる異常状況が発生することがあり、これによって、火事などにつながる危険がある。
【0089】
本実施例の場合、特定のバッテリーパック100、例えば、前記バッテリーラック10の最上層に配置されたバッテリーパック100で過熱などによる異常状況によって火事などが発生したとき、このような火事状況が発生した特定のバッテリーパック100に対してより迅速に火事鎭圧を行うと共に、隣接するバッテリーパック100側への熱伝播をより速やかに遮断することができる。
【0090】
具体的には、異常状況によって、前記バッテリーパック100が過熱して煙や火炎などが発生する場合、前記煙感知センサー500は煙などを感知し、異常状況を迅速に感知し得る。前記煙感知センサー500で前記煙などが感知されると、前記異常状況が発生したバッテリーパック100の上部に配置された前記注水パイプ400の前記スプリンクラー450から冷却水Cが前記異常状況の発生したバッテリーパック100側へ迅速に噴射され得る。
【0091】
前記スプリンクラー450による前記冷却水Cの噴射は、前記バッテリーパック100の火事状況をより確実に遮断できるように前記バッテリーパック100が前記バッテリーパックフレーム200の前記水槽フレーム210内に浸るまで持続され得る。
【0092】
前記冷却水Cの噴射時、本実施例の場合、前記複数の冷却水注入孔170によって前記冷却水Cが前記バッテリーパック100のパックケース130の内部へ直接的に投入され得る。これによって、本実施例では、前記異常状況が発生したバッテリーパック100の内部へ前記冷却水Cが直接的に注入されるので、前記異常状況が発生したバッテリーパック100の火事状況などの鎭圧をより迅速に行うことができる。
【0093】
また、前記バッテリーパック100の下部も、前記バッテリーパックフレーム200から所定の高さ(H)離隔しているので、前記バッテリーパック100の下部に備えられる冷却水注入孔170側からも前記冷却水Cの前記パックケース130の内部への投入がより効果的に行われることが可能にある。
【0094】
図9及び図10は、図8の冷却水の注水時、異常状況が発生したバッテリーパックの下部に配置されたバッテリーパック側への冷却水流入防止メカニズムを説明するための図である。
【0095】
図9を参照すると、前記スプリンクラー450による前記冷却水Cの噴射時、前記冷却水Cが前記バッテリーパックフレーム200の前記水槽フレーム210の外部へあふれ得る。
【0096】
本実施例の場合、前記バッテリーパックフレーム200の前記支持フレーム250が前記水槽フレーム210より外側へ突出するように設けられることで、前記冷却水Cが前記水槽フレーム210の外部へあふれても、隣接するバッテリーパック100、具体的には、下部に配置されるバッテリーパック100側へ前記冷却水Cが入れないようにすることができる。
【0097】
これによって、本実施例の場合、前記支持フレーム250によって、前記火事状況などが発生していない他のバッテリーパック100などの前記冷却水Cによって発生し得る破損などを効果的に防止可能である。
【0098】
図10を参照すると、前記バッテリーパックフレーム205の前記支持フレーム255に前記立ち上がり部257が備えられる場合、前記冷却水Cが前記水槽フレーム210の外部へあふれる場合、前記立ち上がり部257による内部空間へ前記冷却水Cが二次的に収容され得る。
【0099】
これによって、前記冷却水Cが前記水槽フレーム210の外部へあふれても、前記立ち上がり部257による前記内部空間内に前記冷却水Cが所定の高さにさらに収容されることで、前記冷却水Cが流れ落ちる時間をより遅延させることができる。また、前記遅延時間の間、前記スプリンクラー450の冷却水Cの噴射を中断することによって、前記冷却水Cが流れ落ちること等をより確実に防止することができる。
【0100】
ここで、前記立ち上がり部257による内部空間には、別の追加排水パイプなどがさらに連結されることが可能であり、この際、前記冷却水Cは、追加排水パイプなどによって排出されることで、より確実に下方のバッテリーパック100側への浸透危険を防止することができる。
【0101】
図11は、本発明の一実施例による電力貯蔵装置を説明するための図である。
【0102】
電力貯蔵装置1は、前述した実施例の少なくとも一つのバッテリーラック10と、前記少なくとも一つのバッテリーラック10を収容するラックコンテナ50と、を含み得る。
【0103】
前記バッテリーラック10は、少なくとも一つまたはそれ以上の複数個備えられ得る。以下、本実施例においては、前記バッテリーラック10が複数備えられることに限定して説明する。
【0104】
また、前記複数のバッテリーラック10は、前記所定の期間や所定の容量が使用されたバッテリーパック100から構成されたバッテリーラック10と通常のバッテリーパックから構成されたバッテリーラックとの組立体として備えられることも可能である。
【0105】
前記ラックコンテナ50は、前記複数のバッテリーラック10を収容するためのものであって、前記複数のバッテリーラック10を収容するための収容空間を備え得る。
【0106】
このように、本実施例による前記電力貯蔵装置1は、所定の期間や所定の容量が使用された前記バッテリーパック100(図1参照)、即ち、電気自動車やハイブリッド自動車などに使用されたバッテリーパック100からも前記電力貯蔵装置1を構成し得る。
【0107】
このように、本実施例による前記電力貯蔵装置1は、通常廃棄される前記自動車などに使用されたバッテリーパック100を活用して前記電力貯蔵装置1が構成可能であるので、資源の再使用によってコストを節減することができ、廃棄されるバッテリーパック100による環境汚染などの問題を解決することができる。
【0108】
以上のような多様な実施例によって、所定の期間や所定の容量が使用された再使用のためのバッテリーパック100をより安定的に収容すると共に、過熱のような異常状況による火事の発生時にも安全性の確保が可能なバッテリーラック10及び電力貯蔵装置1を提供することができる。
【0109】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはいけない。
【符号の説明】
【0110】
1 電力貯蔵装置
10 バッテリーラック
50 ラックコンテナ
100 バッテリーパック
110 バッテリーセル
130 パックケース
150 サービスプラグ
170 冷却水注入孔
200 バッテリーパックフレーム
205 バッテリーパックフレーム
210 水槽フレーム
212 ケーブル貫通部
214 ケーブル封止部材
215 クーリングインレット貫通部
216 クーリングアウトレット貫通部
217 インレット封止部材
218 アウトレット封止部材
250 支持フレーム
255 支持フレーム
257 上がり部
270 パック支持棒
300 ラックフレーム
400 注水パイプ
450 スプリンクラー
500 煙感知センサー
600 センサー支持台
700 ケーブル
800 クーリングインレット
900 クーリングアウトレット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】