(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-04
(54)【発明の名称】内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/008 20060101AFI20231127BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
A61B1/008 512
A61B1/00 632
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530992
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 US2021060615
(87)【国際公開番号】W WO2022109488
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519187827
【氏名又は名称】アダプティブエンドウ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ADAPTIVENDO LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ファンチャー, ハーシェル, イー.
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン, マーク, エー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデンボーゲン, マイケル, ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ファーニッシュ, グレゴリー, アール.
(72)【発明者】
【氏名】カンフィールド, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ, ガレン, アール.
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ, トレヴァー, イー.
(72)【発明者】
【氏名】アダムズ, サムナー, イー.
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161BB04
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF30
4C161GG13
4C161HH32
4C161HH33
4C161JJ11
4C161LL02
4C161QQ06
(57)【要約】
再使用可能なハンドピース、分離可能な使い捨てシャフトアセンブリ、使い捨てカートリッジ、及びコンソールを含む内視鏡を有する内視鏡システムが開示される。摩擦嵌合で取り付けられたアーティキュレーションノブ、多段階回転距離リミッタ、及び/又はエレベータを有する内視鏡アセンブリが開示されている。また、その構成部品、パッケージシステム、及び方法も開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具であって、
該医療器具の第1のアーティキュレーションワイヤに関連付けられ、回転されたときに該医療器具の遠位端を第1の平面内で曲げるようにされた第1のプーリを備え、
該第1のプーリが、回転停止アイドラに対して第1の回転距離を超えない範囲で回転可能であり、
該回転停止アイドラが、内視鏡のハウジングに対して第2の回転距離を超えない範囲で回転可能であり、
該第1のプーリが、該第1の回転距離と該第2の回転距離の和を超えない範囲で、該ハウジングに対して回転可能である、医療器具。
【請求項2】
該回転停止アイドラは、該第1のプーリに接触する第1の側面と、該ハウジングに接触する第2の側面とを有する、請求項1に記載の医療器具。
【請求項3】
該第1の側面が第1の溝を含み、該第2の側面が第2の溝を含み、
該第1のプーリのボスが、該回転停止アイドラの該第1の溝内に摺動可能に受け入れられ、
該ハウジングのボスが、該回転停止アイドラの該第2の溝内に摺動可能に受け入れられている、請求項2に記載の医療器具。
【請求項4】
該医療器具の第2のアーティキュレーションワイヤと関連付けられ、回転されたときに該医療器具の該遠位端を第2の平面内で曲げるようにされた第2のプーリを備え、
該第2のプーリが、第2の回転停止アイドラに対して第3の回転距離を超えない範囲で回転可能であり、
該第2の回転停止アイドラが、該内視鏡の該ハウジングに対して第4の回転距離を超えない範囲で回転可能であり、
該第2のプーリが、該第3の回転距離と該第4の回転距離の和を超えない範囲で、該ハウジングに対して回転可能である、請求項1に記載の医療器具。
【請求項5】
該第2の平面は、該第1の平面と直交している、請求項4に記載の医療器具。
【請求項6】
該第2の回転停止アイドラは、該第2のプーリに接触する第1の側面と、該ハウジングに接触する第2の側面とを有する、請求項4に記載の医療器具。
【請求項7】
該第2の回転停止アイドラの該第1の側面は第1の溝を含み、該第2の側面は第2の溝を含み、
該第2のプーリのボスが、該第2の回転停止アイドラの該第1の溝内に摺動可能に受け入れられ、
該ハウジングのボスが、該第2の回転停止アイドラの該第2の溝内に摺動可能に受け入れられている、請求項6に記載の医療器具。
【請求項8】
該ハウジングが、使い捨てシャフトアセンブリの一部であり、
該使い捨てシャフトアセンブリは、該第1のプーリを回転させるための制御ノブ及びシャフトを有する再使用可能なハンドピースアセンブリに対して選択的に取り付け可能及び取り外し可能である、請求項1に記載の医療器具。
【請求項9】
該医療器具が内視鏡である、請求項1に記載の医療器具。
【請求項10】
医療器具であって、
再使用可能なハンドピースアセンブリと、使い捨てシャフトアセンブリを備え、
該再使用可能なハンドピースアセンブリが、選択的に、該使い捨てシャフトアセンブリに取り付け可能、及び該使い捨てシャフトアセンブリから取り外し可能とされ、
該再使用可能なハンドピースアセンブリが、ハウジング及びアーティキュレーション・ブレーキアセンブリを含み、該アーティキュレーション・ブレーキアセンブリは、第1のアーティキュレーション制御ノブ、第2のアーティキュレーション制御ノブ、及び第1のアーティキュレーションブレーキノブを含み、
該第1のアーティキュレーション制御ノブ、該第2のアーティキュレーション制御ノブ、及び/又は該第1のアーティキュレーションブレーキノブが、該再使用可能なハンドピースアセンブリに対して選択的に取り付け可能及び取り外し可能とされている、医療器具。
【請求項11】
該第1のアーティキュレーション制御ノブ、該第2のアーティキュレーション制御ノブ、及び/又は該第1のアーティキュレーションブレーキノブは、摩擦嵌合にのみによって該再使用可能なハンドピースアセンブリに取り付けられている、請求項10に記載の医療器具。
【請求項12】
該アーティキュレーション・ブレーキアセンブリは、保持クリップによって該再使用可能なハンドピースアセンブリのハウジングに取り付けられている、請求項10に記載の医療器具。
【請求項13】
該保持クリップは、該アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを該再使用可能なハンドピースアセンブリの該ハウジングに取り付けるために、上下アーティキュレーションハブに結合されている、請求項12に記載の医療器具。
【請求項14】
内視鏡であって、
該内視鏡のハウジングに対する第1のアーティキュレーション制御ノブの回転を許容する非係合位置から、該ハウジングに対する該第1のアーティキュレーション制御ノブの回転に抵抗する係合位置まで変位可能な第1のアーティキュレーションブレーキを備え、
該ハウジングに対する該第1のアーティキュレーション制御ノブの回転により、第1のアーティキュレーション制御シャフトが第1の軸の周りで回転するようにされ、
該アーティキュレーションブレーキが、該第1の軸に対して非直交の角度の複数の制動面を含み、
該第1のアーティキュレーションブレーキが該係合形態とされたときに、該制動面は、第1の大きさを有する法線力で互いに向かって押され、
該第1のアーティキュレーションブレーキが該非係合位置とされたときに、該制動面は、互いに離れているか、又は該第1の大きさよりも小さい大きさを有する法線力で互いに接触しているようにされた、内視鏡。
【請求項15】
該ハウジングは、選択的に該内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリに取り付け可能及び該内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリから取り外し可能である再使用可能なハンドピースアセンブリの一部である、請求項14記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概括的には、消化器系などで使用される内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、診断又は治療において人体内の内部空洞又は潜在的(potential)空間を視覚化するために、様々な医療場面において使用されている。
【0003】
内視鏡の設計や使用に影響を与える要因のひとつに感染症伝播がある。再使用可能な内視鏡は、これまでも感染症伝播のリスクはあったが、抗生物質耐性菌の出現により、そのリスクは高まっている。患者間でこれらの細菌が伝播すると、抗生物質耐性によりその感染症の治療が困難になる。ブドウ球菌を含むこれらの細菌の多くは、内視鏡洗浄の際に感染性細菌を保護するバイオフィルムと呼ばれる保護膜を形成する能力を持っている。
【0004】
感染症伝播のリスクを増大させる最近のもう一つの要因は、より小型でより複雑な器具、より長い作業ルーメン、及び内視鏡遠位のアーティキュレーション(関節)シャフトに関連する遠位マニピュレータ、例えばエレベータの使用を必要とする診断法の数が増え続けていることである。さらに、治療が困難な感染症の増加や、より複雑で洗浄が困難な内視鏡の普及により、内視鏡の滅菌と再使用はますます危険を伴うものとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
感染症伝播の可能性を低減又は制限することが望まれる。従って、新しい内視鏡の設計が望まれている。このように、この分野での改良が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は概ね内視鏡に関する。開示された態様の多くは、他の技術分野、特に他の医療器具において適用可能である。
【0007】
本開示は、再使用可能なハンドピースと、使い捨て(シングルユース)シャフトアセンブリとを含む内視鏡アセンブリを提供する。本開示は、内視鏡アセンブリ、カートリッジ、及びコンソールを含み得る。より詳細には、この内視鏡アセンブリは、使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられた再使用可能なハンドピースを含み得る。再使用可能なハンドピースは、使い捨てシャフトアセンブリから取り外すことができる。
【0008】
再使用可能なハンドピースは、使い捨てシャフトアセンブリに対して選択的に取り付け及び取り外しが可能であり、それにより、カートリッジを含む使い捨てシャフトアセンブリを一回の使用後に廃棄及び/又は再調整することができるようにしながら、再使用可能なハンドピースを多数の使い捨てシャフトアセンブリと共に連続的に使用することができるようになっている。再使用可能なハンドピース及び/又は使い捨てシャフトアセンブリは、再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリを互いに選択的にロックするためのロック部を含み得る。再使用可能なハンドピースを使い捨てシャフトアセンブリに連結するラッチ機構を作動させるためのラッチハンドル(例えば、レバー)を、再使用可能なハンドピース及び/又は使い捨てシャフトアセンブリに配置することができる。磁石などの追加のロック機構を、代替的に又は同時に、使用することができる。
【0009】
再使用可能なハンドピースは、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを支持するハンドピースハウジング;発光ダイオードなどの光、及び/若しくはフラッシュ(放出液)及び/若しくは吸引液路を操作するための制御スイッチ;内視鏡アセンブリと通信するコンソールを制御するための1又は複数のナビゲーションスイッチ;並びに/又は再使用可能なハンドピースと使い捨てのシャフトアセンブリを電気的に結合するための電気コネクタ;を有する。
【0010】
使い捨てシャフトアセンブリは、患者の体内に挿入するための挿入管、コンソールに接続された管・電気コネクタ、使い捨てシャフトアセンブリの内腔に選択的にアクセスするための(例えば、生検のようなサンプルを取るための)及び/若しくは使い捨てシャフトアセンブリの内腔を通して流体を送達するためのアクセスポート、並びに/又は使い捨てシャフトアセンブリを再使用可能なハンドピースに対して電気的に結合させる電気コネクタを含み得る。
【0011】
「アンビリカル(umbilical)」とも呼ばれる管・電気コネクタは、内視鏡アセンブリから、内視鏡アセンブリと共に使用するようにされたコンソールに接続可能なカートリッジにまで延びる。管・電気コネクタは、使い捨てシャフトアセンブリから及び/又は再使用可能なハンドピースから延びるようにできる。多くの場合、電気コネクタは、1つ以上の流体経路とともに管内を延びている。
【0012】
コンソールは、電力、流体及び/若しくは流体圧、真空圧を提供し、並びに/又は内視鏡アセンブリに対して電気信号を送信及び/若しくは受信し得る。コンソールは、使い捨てシャフトアセンブリの遠位端にあるカメラからのビデオフィードなどの内視鏡アセンブリから受信した信号を視覚化するためのモニタを含むことができる。
【0013】
使い捨てシャフトアセンブリは、1つ以上のプーリアセンブリを含むことができる。プーリアセンブリは、アーティキュレーションシャフトの端部を受けるように配置された少なくとも1つのプーリを含むことができる。好ましくは、アーティキュレーションシャフトに関連付けられたアーティキュレーションノブの回転により、少なくとも1つのプーリが回転する。好ましくは、少なくとも1つのプーリとアーティキュレーションシャフトの端部は、プーリとアーティキュレーションシャフトを互いに回転可能に結合するための形状(例えば、嵌合構造)を有する。好ましくは、嵌合構造は、アーティキュレーションシャフトとプーリとの間の摩擦のみに依存しない。好ましくは、嵌合構造は、アーティキュレーションシャフトとプーリとの間の幾何学的干渉を含む。プーリアセンブリは、円形プーリ及び/又は非円形プーリ(例えば、カム)を含み得る。
【0014】
少なくとも1つのプーリには、作動時に使い捨てシャフトアセンブリの遠位シャフト部を曲げるように構成されたアーティキュレーションワイヤ又は一対のアーティキュレーションプル(pull)ワイヤ(例えば、プーリ上でループ状に配置され、プーリの相互に対向する側からそれぞれ延びるワイヤセグメントを有する2つの別々のワイヤ又は1つの連続ワイヤ)が関連付けられている。アーティキュレーションワイヤは、プーリに固定され(例えば、結ばれるか又は(図示しない)アンカーによって固定され)、及び/又はプーリの少なくとも一部の周りに延びる(例えば、プーリの周りでループ状にされる)ようにすることができる。好ましくは、1つ又は複数のプーリアセンブリは、2つのプーリ(各アーティキュレーションワイヤに対して1つ)及びアーティキュレーションワイヤ(各プーリに対して少なくとも1つ)を含む。図示された例では、各プーリは、アーティキュレーションワイヤのための1つの溝(合計2つの溝)を含む。あるいは、各プーリが2つの溝(合計4つの溝)を含み、溝ごとに1つのワイヤのみを使用して、ワイヤが重なる可能性を低減することもできる。好ましくは、アーティキュレーションワイヤは、遠位シャフト部を直交する平面内で曲げるように構成される。
【0015】
1つ以上のプーリ及び関連する1つ以上のアーティキュレーションワイヤは、プーリハウジング内に収容することができる。プーリハウジングは、カバーピースやインナーピースなどのハウジング部分から構成され得る。ハウジング部分は、協働して1つ又は複数のプーリを少なくとも部分的に囲むようにすることができる。
【0016】
プーリハウジングは、外側/両端部にある一対のカバーピースと、一方の側で1つのカバーピースにそれぞれ結合され他方の側で互いに結合された一対のインナーピースとで、サンドイッチ状に構築され得る。このようなハウジング部分は、プーリ及び関連するアーティキュレーションワイヤを協働して囲む。好ましくは、ハウジング部分は、アーティキュレーションワイヤがプーリから分離しないようにする。プーリハウジングは、アーティキュレーション制御アセンブリのアーティキュレーションシャフト及び/又はブレーキシャフトを受け入れるための開口部を画定し得る。
【0017】
好ましくは、ハウジング部分は、完全に直線的な突合部に沿っては互いに接触しない。例えば、インナーピース及び/又はカバーピースは、直線的な経路に沿って接触することができる。いくつかの態様において、インナーピース及びカバーピースは、これらのピースの接合部の長さ沿ってキャスタレーション(凹凸)を有するように構成され、インナーピースのキャスタレーションがカバーピースのキャスタレーションと一致するようにして接合するようにされる。有利には、完全に直線的な突合せでの接合を避けることにより、プーリアセンブリの部分間でワイヤが逃げるのを防止するのを補助することができる。他の例では、これらハウジング部分間の接合は、直線状、湾曲状、曲線状、直線状、又は他の所望の構成であってもよい。
【0018】
さらに、プーリアセンブリは、プーリに接続されたそれぞれのアーティキュレーションプルワイヤの周りに巻かれた1つ又は複数のアーティキュレーションコイルを受け入れるアーティキュレーションコイル終端ブロックを含むことができる。アーティキュレーションコイル終端ブロックは、アーティキュレーションプルワイヤの弛みを除去するように調節可能である。言い換えれば、アーティキュレーションコイル終端ブロックは、内視鏡アセンブリの長手方向軸に沿って調節可能であり、アーティキュレーションプルワイヤの張力を制御する。
【0019】
本開示は、「二段階アーティキュレーション制限(two stage articulation limit)」を含む。二段階回転停止アセンブリは、一段階停止を用いた場合よりも、アーティキュレーションノブをさらに回転させることを可能にする。二段階回転停止アセンブリは、プーリハウジング内に完全に囲まれていてもよい。二段階回転停止アセンブリは、2つのプーリと、各プーリの一方の側、例えば、アーティキュレーションワイヤアンカー用の凹部を有する側とは反対の側に配置された2つの回転停止アイドラとを含み得る。一方のプーリは上下(up-down)アーティキュレーションのためのものであり、他方のプーリは左右(left-right)アーティキュレーションのためのものである。各回転停止アイドラは、回転停止アイドラの各側面の円周上に別個の溝(合計2つ)を含むことができる。溝は、停止部(例えば、突起部)で終端し、溝が回転停止アイドラの周囲を360度周回しないようにしている。
【0020】
各プーリは、回転停止アイドラの第1の側面の溝と干渉するボスを、プーリの側面に有する。回転停止アイドラに対するプーリの回転中、プーリ上のボスは、回転停止アイドラ上の停止部によってブロックされるまで、アイドラの溝に沿って進む。プーリのボスが停止部に接触すると、プーリの回転力がアイドラに伝わって、アイドラを回転させることができる。アイドラの回転は、回転停止アイドラとハウジングとの接触状態に応じて許容される。
【0021】
回転停止アイドラの第2の側面では、第2の停止部がプーリハウジングにあるボスと干渉して、ハウジングに対する回転停止アイドラの回転の程度を制限する。例えば、ハウジングに対するアイドラの回転中、ハウジング上のボスは、アイドラの第2の停止部がハウジング上のボスに接触してハウジングに対するアイドラの回転が停止するまで、回転停止アイドラの第2の側面の溝に沿って動くことができる。従って、回転停止アイドラに対するプーリの回転が第1の方向で阻止された後で、且つハウジングに対する回転停止アイドラの回転が第1の方向で阻止された後に、ハウジングに対するアーティキュレーションノブ及びプーリの第1の方向への回転もまた阻止される。
【0022】
回転停止アイドラのぐらつきを防止するために、回転停止アイドラは、アイドラの両側に連続した軸受面を有することができる。連続的な軸受面は、アイドラがプーリハウジング内で及びそれに対して回転する際にバランスを保つための安定したベースを提供する。
【0023】
有利には、回転停止アイドラは、必要とされるアーティキュレーションノブの回転が一段階停止で達成できる回転限界を超える場合に、内視鏡のためのアーティキュレーションノブの回転を制限する機能を有する。回転停止アイドラの一方の側での、アイドラに対するプーリの許容角度回転は、アイドラの溝の角度方向長さからプーリのボスの角度方向長さを差し引いた長さに等しい。回転停止アイドラの反対側では、ハウジングに対するアイドラの許容される回転は、アイドラの溝の角度方向長さからプーリハウジング上のボスの角度方向長さを差し引いた長さに等しい。これら2つの「段階」と回転の度合いを足すと、プーリ(及び/又はアーティキュレーションノブ)がハウジングに対して動ける全角度距離が得られる。例示のために、ボスがそれぞれ45度の角度方向長さを有し、回転停止アイドラの溝がそれぞれ315度の角度方向長さを有する場合、アイドラの各側での回転度は270度に等しく、両側の合計がハウジングに対するプーリの可動角度540度になる。ボス、溝、及び/又は停止部材は、同じ又は異なる角度方向長さを有することができ、ボス、溝、及び/又は停止部材は、45度より大きい又は小さい角度方向長さを有することができる。
【0024】
また、ボスの1つ以上が別個の部品であってもよく、溝が螺旋状の経路をたどるようにしてもよい。従って、ボスは、溝の経路に沿って動くときに、プーリ及び/又はハウジングの表面に沿って並進する。有利には、このような配置は、360度以上の角度方向長さを有する溝を提供することができる。
【0025】
溝及び停止部は回転停止アイドラによって画定されるものとして説明され、ボスはプーリ及び/又はハウジングのものであるものとして説明されてきたが、ここに開示される配置は、そのように限定されるものではない。溝及び停止部は、プーリ及び/又はハウジングによって画定されてもよく、1つ又は複数のボスは、回転停止アイドラの一部であってもよいことが理解されよう。
【0026】
有利には、回転停止アイドラは、アーティキュレーション運動を制限して、内視鏡(例えば、挿入管)の潜在的な損傷の可能性を低減し、及び/又は患者の怪我の可能性を低減する。例えば、胆管鏡のアーティキュレーション運動は、挿入管が胆管に損傷を与える可能性がある程度にまでアーティキュレーション運動する可能性を低減するように、60~80度以下に制限される場合がある。回転停止アイドラは、特定のタイプの内視鏡に対応するように構成されてもよい。従って、第1の使い捨てシャフトアセンブリは、アーティキュレーション運動を第1の角度までに制限するように構成された回転停止アイドラを有するようにでき、また第2の使い捨てシャフトアセンブリは、アーティキュレーション運動を第1の角度とは異なる第2の角度までに制限するように構成された回転停止アイドラを有することができる。しかしながら、再使用可能なハンドルアセンブリが、異なる角度までにアーティキュレーション運動を制限するように構成された回転停止アイドラを有するものを含む、様々なタイプの内視鏡で使用可能であり得る。さらに、回転停止アイドラは、マルチピース内視鏡に限定されるものではない。
【0027】
再使用可能なハンドピースのアーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリは、上下アーティキュレーションノブ、左右アーティキュレーションノブ、上下アーティキュレーションブレーキ、及び左右アーティキュレーションブレーキを含み得る。操作中、再使用可能なハンドピースが使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられると、上下アーティキュレーションノブのアーティキュレーション動作により使い捨てシャフトアセンブリの遠位部分が第1の平面でアーティキュレーション動作し、左右アーティキュレーションノブの作動により第1の平面を横断する第2の平面で使い捨てシャフトアセンブリの遠位部分が作動する。好ましくは、第2の平面は、第1の平面に対して直交する。
【0028】
再使用可能なハンドピースが使い捨てシャフトアセンブリに結合されると、上下アーティキュレーションブレーキレバーの作動により、上下アーティキュレーションブレーキが連動して、再使用可能なハンドピースのハウジングなどの内視鏡アセンブリの一部に対する上下アーティキュレーションノブの回転に抵抗が生じる。左右アーティキュレーションブレーキノブの作動により、左右アーティキュレーションブレーキが連動して、使い捨てシャフトアセンブリのハウジングのような内視鏡アセンブリの一部に対する左右アーティキュレーションノブの回転に抵抗が生じる。
【0029】
再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリは、好ましくは、互いに嵌合するように構成される。例えば、再使用可能なハンドピースアセンブリは、使い捨てシャフトアセンブリの一部を受け入れるように配置された凹部を画定することができ、又はその逆にすることもできる。多くの例では、使い捨てシャフトアセンブリの一部を受け入れるように配置された再使用可能なハンドピースアセンブリの凹部は、再使用可能なハンドピースアセンブリのアーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリのノブを有する側とは反対の側にある。再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリとのうちの一方は、2つ以上の対向する側面で、部分的に及び/又は完全に、他方の少なくとも一部を囲むことができる。
【0030】
使い捨てシャフトアセンブリの一部は、再使用可能なハンドピース又は使い捨てシャフトアセンブリの長手方向軸に平行な又は横断する方向に沿って、再使用可能なハンドピースに受け入れられることができ、又はその逆にすることができる。例えば、再使用可能なハンドピースは、再使用可能なハンドピースの長手方向軸に直交する方向に沿って、使い捨てシャフトアセンブリを受け入れることができる。多くの実施例では、再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリを互いに組み合わせたときに、使い捨てシャフトアセンブリは、再使用可能なハンドピースに対して、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの回転軸に平行な方向に沿って動かされる。
【0031】
再使用可能なハンドピースアセンブリが使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられると、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリは、使い捨てシャフトアセンブリと協働して、使い捨てシャフトアセンブリの遠位セグメントをアーティキュレーション運動させ、及び/又は内視鏡アセンブリに対する一つ又は複数のアーティキュレーションノブの回転に対して抵抗する。例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に述べられるように、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの1つ又は複数のアーティキュレーションシャフト及び/又はブレーキシャフトは、プーリアセンブリ及び/又は使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに係合し得る。アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの1つ又は複数のシャフトは、プーリアセンブリを通って延び、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリから見てプーリアセンブリの反対側で使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに係合する。
【0032】
多くの実施例では、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの一部は、使い捨てシャフトアセンブリの一部を受け入れるように配置された再使用可能なハンドピースの凹部に延在している。
【0033】
アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリによる上下アーティキュレーション制御に関して、上下アーティキュレーションノブは、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングに支持される。上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジング内には、アーティキュレーションブレーキインナーハウジング、アーティキュレーションブレーキ位置デテント、アーティキュレーションブレーキばね、上下アーティキュレーションブレーキキャリパー、及び角度付きアーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクが配置される。アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面は、回転軸に対して非直角であってもよい。
【0034】
アーティキュレーションブレーキインナーハウジングには、上下アーティキュレーションブレーキレバーが接続される。上下アーティキュレーションブレーキレバーを通って、上下アーティキュレーションハブ及び上下アーティキュレーションシャフトが延びる。アーティキュレーションブレーキインナーハウジング内に位置する上下アーティキュレーションハブは、アーティキュレーションブレーキ位置デテント及び上下アーティキュレーションブレーキキャリパーを支持する。上下アーティキュレーションハブの回転は、再使用可能なハンドピースのハウジングに対して固定されており、その結果、再使用可能なハンドピースのハウジングに対するアーティキュレーションブレーキ位置デテントと上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの回転も固定される。
【0035】
上下アーティキュレーションブレーキレバーが上下アーティキュレーションハブに対して回転すると、アーティキュレーションブレーキインナーハウジングは、アーティキュレーションブレーキ位置デテントと上下アーティキュレーションブレーキキャリパーに対して相対的に回転する。第1の方向に回転すると、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングから上下アーティキュレーションブレーキキャリパーに向かって延びるピンが、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの角度付き表面に係合し、アーティキュレーションブレーキキャリパーを軸方向に動かして、アーティキュレーションブレーキばねを圧縮させる。第2の方句に回転すると、ピンが角度付き表面に沿って移動し、アーティキュレーションブレーキばねが上下アーティキュレーションブレーキキャリパーをアーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面と上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングに向かって押圧し、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーとアウターハウジング間でアーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクを圧縮する。この(再使用可能なハンドピースに対して)静止した上下アーティキュレーションブレーキキャリパー、アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面、及び上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングの間の接触により、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングによって支持されている上下アーティキュレーションノブが再使用可能なハンドピースに対して回転する抵抗となる。他の例では、アーティキュレーションブレーキ表面は、回転軸に対して垂直であってもよい。有利には、角度付き制動面は、同等のバネ力を適用した場合に、垂直な制動面と比較して、ブレーキ力を増加させることができる。
【0036】
上下アーティキュレーションブレーキ位置デテントの回転が、上下アーティキュレーションブレーキハブを介して再使用可能なハンドピースのハウジングに対して固定されているときには、このハウジングに対するアーティキュレーションブレーキインナーハウジングの回転により、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテントに対してアーティキュレーションブレーキインナーハウジングも回転する。上下アーティキュレーションブレーキ位置デテントは、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングを、1つ又は複数の位置に保持するようにすることができる。例えば、このデテントは、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーと上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングとの間での上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの相互作用を介して制動抵抗が加えられる第1の位置、及び/又は制動抵抗が加えられない第2の位置に、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングを保持し得る。ブレーキインナーハウジング及び/又はデテントは、アーティキュレーションコントロール(例えば、アーティキュレーションコントロールノブ)に調整可能なレベルの回転抵抗を与えるように、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングを複数の位置のいずれかに保持するようにすることができる。
【0037】
上下アーティキュレーションブレーキハブの中心を通って、上下アーティキュレーションシャフトが延びる。上下アーティキュレーションシャフトは、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングに対して回転方向で固定された第1の端部を有する。上下アーティキュレーションシャフトの第2の端部は、使い捨てシャフトアセンブリのプーリアセンブリと関係づけられる。例えば、上下アーティキュレーションシャフトの第2の端部は、上下アーティキュレーションシャフトの回転により上下アーティキュレーションプーリが回転するように、上下アーティキュレーションプーリに取り付けることができる。このようにして、上下アーティキュレーションノブの回転により、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングが回転し、それにより上下アーティキュレーションシャフトが回転し、それにより上下アーティキュレーションプーリが回転し、そして上下アーティキュレーションワイヤが作動する。
【0038】
左右アーティキュレーションに関して、左右アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの構造及び動作は、左右アーティキュレーションブレーキハブの回転が使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに対して固定されていること、及びそのような回転が左右アーティキュレーションシャフトを通って延びる左右アーティキュレーションブレーキシャフトを介して固定されていることを除いて、上下アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリと同一である。上下アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリと同様に、左右アーティキュレーションノブは、角度付きアーティキュレーションブレーキ摩擦ディスク、左右アーティキュレーションブレーキキャリパー、アーティキュレーションブレーキばね、アーティキュレーションブレーキ位置デテント、及びアーティキュレーションブレーキインナーハウジング、を収納する左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングによって支持されている。
【0039】
左右アーティキュレーションブレーキノブ及び左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングを通って、左右アーティキュレーションシャフトは延びる。左右アーティキュレーションシャフトは、左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングに対して回転方向で固定された第1の端部と、使い捨てシャフトアセンブリのプーリアセンブリに係合する第2の端部(例えば、第2の端部を左右アーティキュレーションプーリに回転方向で固定)を有し、左右アーティキュレーションブレーキノブの回転により、左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングが回転し、それによって左右アーティキュレーションブレーキシャフトが回転し、それによって左右アーティキュレーショプーリーが回転し、そして左右アーティキュレーションワイヤを動かすようにしている。
【0040】
左右アーティキュレーションシャフトを通って延びる左右アーティキュレーションブレーキシャフトは、左右アーティキュレーションブレーキハブに回転方向で固定された第1の端部と、再使用可能なハンドピースアセンブリが使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられたときに使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに対して回転方向で固定される第2の端部とを有する。上下アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの動作と同様に、左右アーティキュレーションブレーキキャリパーに対するアーティキュレーションブレーキインナーハウジングの回転により、左右アーティキュレーションブレーキキャリパーが左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジング及びその間に位置するブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面に向かって又はそこから遠ざかるように動く。左右アーティキュレーションブレーキノブは、左右アーティキュレーションブレーキインナーハウジングに回転方向で固定されており、左右アーティキュレーションブレーキノブの回転により、左右アーティキュレーションブレーキインナーハウジングが、左右アーティキュレーションブレーキハブ、左右アーティキュレーションブレーキキャリパー、及び左右アーティキュレーションブレーキ位置デテントに対して回転するようになっている。したがって、左右アーティキュレーションブレーキの係合時には、左右アーティキュレーションブレーキキャリパーとブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面は、左右アーティキュレーションブレーキシャフト及び使い捨てシャフトアセンブリに対する左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジング及び左右アーティキュレーションノブの回転に抵抗する。
【0041】
左右アーティキュレーションブレーキシャフトの第2の端部は、使い捨てシャフトアセンブリのハウジングと摺動可能に係合し、左右アーティキュレーションブレーキシャフトをそれに対して回転方向で固定するように配置されることができる。左右アーティキュレーションブレーキシャフトの周りには左右アーティキュレーションシャフトが周方向に配置され、その第2の端部が、左右アーティキュレーションワイヤと協働する左右アーティキュレーションプーリに係合した状態にされている。そして、左右アーティキュレーションシャフトの周りには上下アーティキュレーションシャフトが周方向に配置され、その第2の端部が、上下アーティキュレーションワイヤに関連する上下アーティキュレーションプーリに係合するように配置されている。
【0042】
アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリは、組み立てられたときに様々な部品の間にある複数のOリングを含むことができる。また、回転中に生じる摩擦を低減するために、アセンブリ内に配置されたボールベアリングも図示されている。
【0043】
上下アーティキュレーションブレーキレバーは、上下アーティキュレーションブレーキレバーの回転により上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングが再使用可能なハンドピースアセンブリのハウジングに対して回転するように上下アーティキュレーションインナーハウジングの表面と嵌合するようにされた表面を有することができる。好ましくは、表面の幾何学的形状は、回転中に表面の幾何学的形状と干渉する。上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングは、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの角度付き表面に係合する横方向のピンを受け入れるようにされた1つ又は複数の開口部を画定し得る。さらに、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングの内面は、デテントばねに係合するように配置された凹部又は突出部を含むことができる。上下アーティキュレーションブレーキレバー及び上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングは、上下アーティキュレーションハブを受け入れるための開口部を画定している。
【0044】
上下アーティキュレーションハブは、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテント及び上下アーティキュレーションブレーキキャリパーを通って延びる部分を有する。好ましくは、その部分、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテント、及び/又は上下アーティキュレーションブレーキキャリパーは、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテント、上下アーティキュレーションブレーキキャリパー、及び/又は上下アーティキュレーションブレーキハブを互いに対して回転方向で固定する断面形状を有する。
【0045】
上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングは、上下アーティキュレーションシャフトに係合して相対的に回転方向で固定され得る。上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングは、(例えば、上下アーティキュレーションノブの突起を受け入れるようにされた凹部によって、又はその逆によって)上下アーティキュレーションノブをそれに回転方向で固定するようにされた部分を有する。
【0046】
上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングの内側は、上下アーティキュレーションブレーキが係合したときに上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの角度付き/テーパー付き表面と係合するようにされた内側摩擦面を有することができる。
【0047】
上下アーティキュレーションブレーキレバーが再使用可能なハンドピースのハウジングに対して回転すると、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングが上下アーティキュレーションブレーキレバーと共に回転し、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングの開口部から延びるピンを上下アーティキュレーションブレーキキャリパーに対して相対的に動かす。ピンは、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの傾斜面に沿って移動して、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーを上下アーティキュレーションブレーキバネと協働して上下アーティキュレーションハブに沿って移動させる。上下アーティキュレーションブレーキを非係合形態から係合形態にすると、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーは、上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクを上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングに押し付ける(上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクを圧縮する)。上下アーティキュレーションブレーキを係合形態から非係合形態にすると、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーは上下アーティキュレーションブレーキハウジング及び上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクから離れ、上下アーティキュレーションブレーキばねを圧縮する(例えば、さらに圧縮する)。上下アーティキュレーションブレーキは、上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクと上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングの内側摩擦面との間に隙間がある非係合形態とされ得る。
【0048】
上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングは、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテントの1つ又は複数の突起又は凹部に係合するデテント凹部又は突起を有し得る。このような配置は、1つ又は複数の位置における上下アーティキュレーションブレーキレバーの固定を提供し、及び/又は上下アーティキュレーションブレーキが1つ又は複数の形態又は位置となったこと及び/又はそれから離脱したことの触覚表示及び/又は可聴表示を提供し得る。
【0049】
左右アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリは、左右アーティキュレーションブレーキハブが、左右アーティキュレーションシャフト及び上下アーティキュレーションシャフトを通って中央に延びる左右アーティキュレーションブレーキシャフトによって内視鏡アセンブリのハウジングに対して回転方向で固定されることを除いて、上下アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリと同様に動作する。
【0050】
左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングと左右アーティキュレーションシャフトは、組み立てられて、互いに対して回転方向で固定される。
【0051】
左右アーティキュレーションブレーキシャフトは、左右アーティキュレーションブレーキハブ内に受け入れられて回転方向で固定された第1の端部を有する。左右アーティキュレーションブレーキシャフトの第2の端部は、再使用可能なハンドピースアセンブリと使い捨てシャフトアセンブリの取り付け中に使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに係合し、左右アーティキュレーションブレーキシャフトを使い捨てシャフトアセンブリに対して回転方向で固定するようにされる。従って、再使用可能なハンドピースアセンブリが使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられると、左右アーティキュレーションブレーキハブは、使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに対して回転方向で固定される。
【0052】
上下アーティキュレーションノブ、左右アーティキュレーションノブ、及び左右アーティキュレーションブレーキノブは、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの残りの部分から取り外し(又は「スナップオフ」)可能である。上述したように、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングは、上下アーティキュレーションノブを(例えば上下アーティキュレーションノブの突起を受け入れるようにされた凹部によって、又はその逆によって)それに回転方向で固定するようにされた部分を有する。同様に、左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングは、左右アーティキュレーションノブを同じ態様で固定するようにされる。凹部及び突起の配置により、上下アーティキュレーションノブ、左右アーティキュレーションノブ、及び左右アーティキュレーションブレーキノブを、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリに対して容易にスナップオフ又はスナップオンすることができる。スナップオフ構造は、処置と処置の間に再使用可能なハンドピースを洗浄することを容易にするためにノブを取り外すことを可能にする。
【0053】
再使用可能なハンドピースは、保持クリップを含むことができる。保持クリップは、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを再使用可能なハンドピースに固定するために使用される。保持クリップは、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを固定するために、上下アーティキュレーションハブと結合され得る。処置と処置の間に、迅速かつ容易に洗浄するために、保持クリップをアーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリから取り外し、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを再使用可能なハンドピースのハウジングから外すことができる。
【0054】
挿入管は、挿入管の少なくとも一部の内部を延びる器具管を含むことができる。器具管は、様々な器具を挿入管を通して挿入及び伸長することを可能にするツールチャネルを画定する。器具管は、共押出プロセスによって作製することができる。内側押出部は、潤滑性のために高密度ポリエチレン(HDPE)で構成することができる。外側押出部は、接着を容易にするために、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリ乳酸(PLA)で形成してもよい。
【0055】
挿入管は、コンソールによって読み取り可能な情報を提供するための光センサモジュールを含むことができ、及び/又は挿入管の端部からのビデオフィードのようなモニタ上の画像を投影する。このビデオフィードは、赤外線、熱、又は可視光などである。挿入管は、挿入管の端部にあるLEDに電力を供給するための発光ダイオード(LED)線を有し得る。
【0056】
挿入管は、吸引管、組織灌流管、カメラフラッシュ管、及び/又は気腹管などの管によって画定される本明細書で論じる流体経路を含むことができる。灌流管により、ユーザは、器具の使用中に、視野内のあらゆる破片を除去することができる。多くの場合、これには、余分な血液を除去して目的の場所を見えるようにすることが含まれる。吸引管は、患者の体内から粒子状物質や様々な分泌物を吸引することを可能にする。カメラ洗浄管と気腹管は、Y継手によって連結することができる。挿入管に必要な管の数を最小限にするために、管の様々な組み合わせが考えられる。
【0057】
さらに、挿入管の可撓性アーティキュレーションセクションに配置されたアーティキュレーションジョイントアセンブリの一例が開示されている。アーティキュレーションジョイントアセンブリは、近位端と遠位端とを有する。近位端と遠位端の間には、複数の連結されたアーティキュレーションリンクが構成される。各リンクは、リンクが隣接するリンクと接続される接触点を有する。隣接するリンクは、互いに対してアーティキュレーション運動するように配置される。例えば、隣接するアーティキュレーションリンクは、互いに相対的にある角度で揺動する。例えば、隣接するリンクは、互いに相対的に2xの角度で揺動することができ、ここで、角度xは、リンクが互いに平行であるときに各隣接リンクの接触点間で測定されるものである。アーティキュレーションジョイントアセンブリの隣接するアーティキュレーションリンクは、アーティキュレーションジョイントアセンブリの他の隣接するアーティキュレーションリンクとは異なる程度で枢動可能であってもよい。好ましくは、隣接するアーティキュレーションリンクは、アーティキュレーションリンクの異なる対の間でアーティキュレーションの角度が異なるように形成することができる。有利には、このような配置は、アーティキュレーション運動中に、可撓性アーティキュレーション部の長さに沿って変化する半径を得るために使用され得る。異なるアーティキュレーション角を有する隣接するリンクの組は、可撓性アーティキュレーション部の長さに沿って変化する曲線を作り出すために使用され得る。
【0058】
さらに、挿入管の遠位端にあるエレベータの高さを調整するためのエレベータ制御アセンブリが開示されている。エレベータ制御アセンブリは、プーリハウジングの2つのインナーピースの間に配置され得る。エレベータ制御アセンブリは、エレベータ制御レバーを含む。エレベータ制御レバーは、曲線トラックによって拘束されたピンを介してアーティキュレーションシャフトの周りでアーティキュレーション運動する。エレベータ制御レバーは、エレベータ駆動ラックに動作可能に接続される。エレベータ駆動ラックは、エレベータピニオンに連結される。エレベータピニオンはまた、エレベータ従動ラックに動作可能に連結される。エレベータ従動ラックは、エレベータアーティキュレーション制御ワイヤに連結されている。さらに、エレベータ制御アセンブリは、エレベータ従動ラックに連結されたそれぞれのエレベータアーティキュレーション制御ワイヤの周りに巻かれた1つ又は複数のエレベータ制御コイルを受け入れるエレベータ制御コイル終端ブロックを含むことができる。
【0059】
エレベータ制御レバーのアーティキュレーション運動は、エレベータ駆動ラックを操作し、その結果、エレベータピニオンを回転させる。エレベータピニオンが回転すると、エレベータ従動ラックを駆動して、エレベータ制御コイルが巻かれたエレベータアーティキュレーション制御ワイヤをアーティキュレーション運動させる。例えば、エレベータ制御レバーを一方向に作動させるとエレベータが上昇し、反対方向にアーティキュレーション運動させるとエレベータが下降する。
【0060】
ユーザ入力がないときにエレベータ制御レバーの位置を維持するために、エレベータ制御アセンブリは圧縮Oリングを利用する。Oリングは、ハウジングカバーの1つから延びる突起の周りに固定されている。Oリングは、エレベータ制御ピニオンに押し付けられ、Oリングとエレベータ制御ピニオンとの間に生じる摩擦を利用して制御レバーの位置を維持する。他の例では、レバーの位置は、ばね要素によって生じる摩擦を利用して維持される。
【0061】
さらに開示されるのは、挿入管先端アセンブリである。挿入管先端アセンブリは、挿入管と、遠位エレベータリンクと、遠位キャップと、エレベータアセンブリと、を含む。挿入管は、遠位端を含む。遠位端は、遠位エレベータリンク、遠位キャップ、及びエレベータアセンブリを含む遠位先端部を含む。
【0062】
遠位キャップは、エレベータアセンブリの上をスライドすることを可能にするための第1の開口部を含む。遠位キャップは、器具が遠位キャップを通って出て、患者の体内で動作することを可能にするための第2の開口部をさらに含む。遠位キャップは、遠位キャップの頂部に設けられたノッチをさらに含む。遠位キャップは、エレベータアセンブリ及び/又は挿入管の遠位部分から取り外し可能とされ得る。いくつかの例では、遠位キャップは含まれない。
【0063】
エレベータアセンブリは、器具管から器具を延出させるための開口部を含む。器具管は、挿入管の一部を通って延びるようにし得る。開口部は、作業チャンバ内に開口している。チャンバは、対向する側壁、挿入管の遠位面、及びエレベータによって画定され得る。挿入管の開口部に隣接して、エレベータがある。エレベータは、処置中に体内の所望の場所にアクセスするために、患者の体内で器具の昇降を調節するために使用され得る。エレベータは、近位端と遠位端とを含む。エレベータは、ピボットピンによってエレベータアセンブリに固定することができる。エレベータのアーティキュレーション運動中、エレベータはピボットピンを中心に回転し、エレベータの遠位端を上下に動かすことができる。エレベータは、その遠位端に、遠位キャップのノッチに対向するノッチを含むことができる。対向するノッチは、ツールチャネルを通過して患者の体内に入る器具の意図しない長手方向又は横方向の動きを制限するために利用され得る。ノッチは、開口部から突出した器具を保持して、器具の制御を高めることができる。
【0064】
エレベータアセンブリは、エレベータ制御ワイヤをさらに含む。エレベータ制御ワイヤは、エレベータをアーティキュレーション運動させるための単一のストランド予備成形ワイヤであってよい。エレベータワイヤは、静止した湾曲ランプの上を並進してエレベータに回転トルクをもたらすようにできる。エレベータワイヤは、エレベータ制御アセンブリによって操作され、エレベータの高さを制御する。
【0065】
エレベータアセンブリは、発光ダイオードからのなどの光がそこを通る光窓をさらに画定し得る。これにより、ユーザは、処置中に患者の体を照らすことができる。エレベータアセンブリは、内視鏡医に画像を提供するための撮像窓をさらに画定してもよい。
【0066】
本開示は、さらに、内視鏡アセンブリと、カートリッジと、コンソールとを含むシステムを提供する。システムは、コンソールの制御バルブアセンブリに挿入されるカートリッジを含むことができる。カートリッジは、アンビリカルによって内視鏡に接続することができる。例えば、カートリッジは、1つ以上の流体管及び/又は電気伝導体によって内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリに接続することができる。
【0067】
カートリッジは、サポート装置に接続され得る。サポート装置は、灌流ポンプ、気腹器、及び/又は真空ポンプ(例えば、スタンドアロン型又は中央型)を含むことができる。カートリッジは、内視鏡とサポート装置との間に配置されることができる。
【0068】
いくつかの例では、コンソールは、ユーザが内視鏡システムの様々な変数を変更することを可能にするユーザインタフェースを含むことができる。一例では、ユーザインタフェースは、電気ビジュアルディスプレイに統合されたタッチスクリーンとすることができる。別の例では、ユーザインタフェースは、キーボード、マウス、トラックボール、及び/又はタッチセンシティブポインティングデバイス等を含むことができる。
【0069】
コンソールは、カートリッジを受け入れて作動させるための制御バルブアセンブリを含むことができる。コンソールは、電力、流体及び/若しくは流体圧、真空圧を提供し、並びに/又は内視鏡アセンブリとの電気信号の送信及び/若しくは受信を提供することができる。コンソールは、使い捨てシャフトアセンブリの遠位端にあるカメラからのビデオフィードなどの、内視鏡アセンブリから受信した信号を視覚化するためのモニタを含むことができる。
【0070】
制御バルブアセンブリは、カートリッジの流体経路の作動可能な部分を選択的に作動させるために使用され得る。制御バルブアセンブリは、アクチュエータと、第1の表面と第2の表面とを有する支持構造体とを含むことができる。
【0071】
アクチュエータは、リニアアクチュエータ又は回転アクチュエータであってもよい。アクチュエータは、ソレノイドであってもよい。1つだけのアクチュエータが出願人には好まれるが、好ましい実施例では、制御バルブアセンブリは4つのアクチュエータを含む。アクチュエータは、カートリッジ内の流体経路のバルブ部分を作動させて、流体経路を選択的に開放及び/又は閉鎖するようにされる。
【0072】
流体経路のバルブ部分は、任意の許容可能なバルブから構成されてもよい。例えば、バルブ部分は、ペットコックから構成されてもよい。また、バルブ部分は、ドアの第1の表面のアンビルと制御バルブアセンブリのアクチュエータ(例えば、ソレノイド)との間の圧縮用に配置された管の部分(例えば、ピンチバルブ)から構成されてもよい。バルブ部分は、アクチュエータに関連する吸引バルブ、アクチュエータに関連するカメラフラッシュバルブ、アクチュエータに関連する気腹バルブ、及び/又はアクチュエータに関連する気腹ベントバルブなど、内視鏡の任意の数の流体機能のためのバルブとして機能し得る。
【0073】
制御バルブアセンブリのアクチュエータは、コンソールによって受け入れられて、アクチュエータをコンソールに電気的に接続する電気コネクタを含む。コンソールに接続されると、コンソールは、カートリッジの流体経路を開放及び/又は閉止するために、電力及びユーザが入力したコマンドをアクチュエータに提供することができる。
【0074】
カートリッジは、制御バルブアセンブリによって読み取り可能及び/又は書き込み可能な識別子を含むことができる。識別子は、カートリッジの種類に関する情報及び/又は使用情報(例えば、カートリッジが以前に使用されたことがあるかどうか)を含むことができる。好ましくは、制御バルブアセンブリは、(例えば、カートリッジの種類及び/又はカートリッジが以前に使用されたかどうかを判断するために)カートリッジの識別子を読み取って処理するように構成される。識別子は、カートリッジの電気コネクタを介して、及び/又は他の手段(例えば、RFID、光学系、及び/又は機械的接触)を介して、読み取り可能及び/又は書き込み可能とすることができる。
【0075】
支持構造体の第1の表面は、カートリッジの電気コネクタとの電気的接続を形成するための電気コネクタを含むことができる。コンソールの制御バルブアセンブリとカートリッジとの間の電気的接続は、内視鏡からカートリッジを通ってコンソールに渡された(バルブ/アクチュエータ及び/又は画像データなどの)画像及び制御データをコンソールが受信することを可能にすることができる。電気的接続は、コンソールが内視鏡アセンブリの発光ダイオード(LED)に電力を供給することを可能にするようにできる。
【0076】
カートリッジは、使い捨てカートリッジとすることができる。使い捨てカートリッジは、再使用可能な内視鏡及び/又はコンソール内に含まれた常設のバルブボディの使用の必要性をなくすことができる。これにより、再使用可能なバルブを使用毎に滅菌する必要がなくなる。
【0077】
カートリッジは、ハウジングを有する。ハウジングは、第1の側面と第2の側面とを含むことができる。ハウジングは、流体がカートリッジハウジングに出入りすることを可能にする第1の流体側及び第2の流体側を更に含む。ハウジングは、1つ又は複数の流体経路、流体コネクタ、及び/又は電気コネクタを有することができる。例えば、カートリッジハウジングは、内視鏡の電気伝導体と電気的に連通する電気コネクタと、任意に、光センサ較正データ又は内視鏡の固有識別子を含む光センサモジュールとを含むことができる。ハウジングは、窓を画定することができる。一例では、ハウジングは、4つの窓を有する。窓は、ハウジングの内面によって画定されてもよい。内面は、ハウジングに概ね円形の開口部を形成することができる。1つの窓の円周は、より大きな流体経路断面を受け入れるために、他の窓よりも大きくてもよい。
【0078】
窓は、コンソールから内面によって画定されたチャンバ内にアクチュエータを受け入れるように構成され得る。上述したように、アクチュエータは、窓を通り、及び/又はコンソールの制御バルブアセンブリのドア上のアンビルに接触して、ドアにピンチバルブを形成することができる。カートリッジが制御バルブアセンブリ上に配置されてドアが閉じられると、窓は、ドア上のアンビル及び制御バルブアセンブリのアクチュエータと整列する。窓は、幾何学的形状を画定するように配置することができる。例えば、図示されているように、窓は、菱形を画定することができる。
【0079】
上述のように、1つ又は複数のアクチュエータは、カートリッジハウジングの窓の中に延び、及び/又は制御バルブアセンブリのドア上のアンビルに接触して、閉じたときにピンチバルブを形成するように構成されたソレノイドであってもよい。
【0080】
ハウジングは、制御バルブアセンブリの電気コネクタに接続するための電気コネクタをさらに含むことができる。カートリッジの電気コネクタは、コンソールの制御バルブアセンブリの対応する数のフラットパッド電気接点に接触するように構成されたばねフィンガー電気接点であってもよいし、構造的にその逆であってもよい。カートリッジハウジングの電気コネクタは、内視鏡によって提供される画像及び制御データをコンソールに送るようにすることができる。ハウジングの電気コネクタは、コンソールから患者の体内で内視鏡によって使用されるLEDに電力を送ることができる。
【0081】
カートリッジは、コンソールの制御バルブアセンブリに挿入することができる。カートリッジは、制御バルブアセンブリの支持構造体の第1の面の間に挿入される。カートリッジの第1の流体側は、アンビリカル内へと続き内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリに至る緩い管を含むことができる。
【0082】
カートリッジの第2の流体側は、サポート装置に接続され得る。サポート装置は、灌流ポンプ、気腹器、及び/又は真空ポンプ(スタンドアロン又は中央)を含むことができる。カートリッジは、内視鏡とサポート装置との間の流体連通を提供することができる。
【0083】
制御バルブアセンブリは、レッジ面とラッチとを含むことができる。カートリッジは、レッジ面とラッチ受け部とを含むことができる。代替例では、制御バルブアセンブリがラッチ受け部を含み、カートリッジがラッチを含むようにできる。カートリッジが制御バルブアセンブリに受け入れられると、ラッチはラッチ受け部分に接触してカートリッジの第1の端部を制御バルブアセンブリに固定する。これとは別に、ラッチ及びラッチ受け部の反対側で、カートリッジのレッジ面と制御バルブアセンブリのレッジ面とが互いに接触してカートリッジの第2の端部を制御バルブアセンブリに固定する。
【0084】
いくつかの例では、カートリッジは、カートリッジの第1の側面に位置する2つ以上の磁石を含むことができる。いくつかの例では、1つの磁石がカートリッジの第1の側面の底部に位置し、第2の磁石がカートリッジの第1の側面の頂部に位置し得る。制御バルブアセンブリの第1の面は、カートリッジ上の磁石の位置に対応した2つ以上の磁気センサ(ホール又はリード)を含むことができる。例えば、一方は第1の面の底部に位置し、他方は第1の面の頂部に位置する。カートリッジの底部の磁石は、制御バルブアセンブリの底部の磁気センサと干渉して、アクチュエータ(例えば、ソレノイド)バルブを引き込むように作動させ、カートリッジを制御バルブアセンブリ内に傾けるのに必要な力を減少させる。頂部の磁石は、制御バルブアセンブリの頂部の磁気センサと干渉して、コンソール上のカートリッジの存在を確認し、適切なアクチュエータを解放して内視鏡検査のためのアクチュエータ動作モードを開始するようにコンソールを作動させる。
【0085】
コンソールは、第1のカートリッジ及び第2のカートリッジと連結されるようにできる。第1のカートリッジが第1の内視鏡に接続され、第2のカートリッジが第2の内視鏡に接続されるようにできる。第1のカートリッジ及び第2のカートリッジは、それぞれコンソールの第1の制御バルブアセンブリ及び第2の制御バルブアセンブリにしっかりと挿入され得る。コンソールは、第1及び第2の制御バルブアセンブリと共に図示されているが、コンソールは、それぞれが独立したカートリッジを受け入れることができる任意の数の制御バルブアセンブリを有することができる。第1の制御バルブアセンブリが第1のカートリッジを受け入れ、第2の制御バルブアセンブリが第2のカートリッジを受け入れるようにできる。すべての医療処置の間に、すべての制御バルブアセンブリがカートリッジを受け入れる必要はない。
【0086】
図示されているように、各カートリッジは、別個のサポート装置のセットと、内視鏡などの独立した医療器具とに接続されるようにすることができる。
【0087】
第1の制御バルブアセンブリ及び第2の制御バルブアセンブリは、独立して及び/又は主/従の通信形態で動作するように構成される。第1の又はマザー内視鏡が主コントローラであり、第2の又はドーター内視鏡が従コントローラであってもよい。そのようにした場合、第1の内視鏡の制御装置は、1つ以上の第2の内視鏡の機能(例えば、画像制御及び/又はLED)を制御することができる。主内視鏡は、(例えば、コンソールに接続された1つ以上のカートリッジを介して)電気信号を第2の制御バルブアセンブリに供給することによって副内視鏡の流体経路の機能を制御して、本明細書に記載のアクチュエータを選択的に作動させるようにできる。第1の内視鏡は、さらに、第1の内視鏡からの電気信号を提供して第2の制御バルブアセンブリの状態を変化させる(例えば、第2の制御バルブアセンブリから第2の内視鏡のカートリッジに提供される電気信号を変化させる)ことにより、第2の内視鏡の機能(例えば、LED及び/又はカメラの動作)を制御するようにできる。例えば、制御バルブアセンブリは、第1の内視鏡から受信した信号に基づいて、第2の内視鏡のLED及び/又はカメラに電気信号を提供することができる。これはさらに、複数の内視鏡を一度にセットアップして処置に用いることを可能にし、1つの内視鏡を別の内視鏡に交換するために通常かかる多くのセットアップ時間を排除又は短縮し、及び/又は複数の制御コンソールなどの追加の機器の必要性を排除又は低減する。
【0088】
コンソールは、タッチスクリーンのユーザインタフェースを備えて示される。ユーザインタフェースは、任意の適切な入力/出力装置とすることができる。
【0089】
使い捨てシャフトアセンブリは、挿入管と、カートリッジに接続されてコンソールに接続されたアンビリカルと、使い捨てシャフトアセンブリの内腔に(例えば、生検のようなサンプルを採取するために)選択的にアクセスするための及び/又は使い捨てシャフトアセンブリの内腔を通して流体を送るためのアクセスポートと、使い捨てシャフトアセンブリを再使用可能なハンドピースに電気的に接続するための電気コネクタと、を含み得る。
【0090】
アンビリカルは、カートリッジから内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリまで延びることができる。アンビリカル内で挿入管の遠位先端部まで、複数の流体経路及び/又は電気配線が延びる。流体経路は、吸引、組織潅注、カメラ洗浄、及び/又は気腹のための経路を含むことができる。流体経路は、内視鏡の遠位先端部からアンビリカルの先端まで、バルブを有さないようにすることができる。流体経路は、カートリッジの境界内においてのみバルブを含むことができる。
【0091】
好ましくは、1つ又は複数の流体経路は、使い捨てシャフトアセンブリからカートリッジまで延びるモノリシック管によって画定される。より好ましくは、モノリシック管は、カートリッジを通って、カートリッジの第2の流体側の外にまで延びる。
【0092】
カメラ洗浄流体経路及び気腹流体経路は、使い捨てシャフトアセンブリのT継手によって、カメラ洗浄流体経路及び気腹流体経路を組み合わせたものにすることができる。これにより、気腹からの圧力を使用して、水源からカメラ洗浄液経路を通って遠位端から水を押し出し、カメラレンズから処置中に集まった破片(デブリス)を取り除くことができる。
【0093】
アンビリカルは、画像データ導体、制御データ導体、及び/又はLED電力導体を更に含むことができる。画像データ導体及び/又はLED電力導体は、使い捨てシャフトアセンブリを通って挿入管の遠位先端部まで延びるようにできる。画像データ導体は、カメラから取り込んだ画像データをコンソールに送ることを可能にする。LED電力導体は、コンソールから挿入管の遠位端のLEDに電力を供給し、処置のための照明を提供することができる。制御データ導体は、再使用可能なハンドピースの制御装置からカートリッジへの制御データの通信を可能にし、その結果、コンソールへの通信を可能にする。
【0094】
さらに、内視鏡アセンブリ又は内視鏡アセンブリの一部のような医療製品の無菌性を維持するためのパッケージシステム及び方法が開示されている。開示されたパッケージングシステムは、多くの医療製品に使用することができるが、本開示では、医療製品を内視鏡アセンブリとして述べる。一例では、パッケージアセンブリは、第1の端部及び第2の端部を有する細長いトレイを含む。トレイは、内視鏡アセンブリを保持するための凹部を画定する。いくつかの例では、トレイは、熱成形によって製造されてもよく、また使用後にトレイをリサイクルすることを可能にするリサイクル可能な材料で作られてもよい。
【0095】
トレイは、医療製品が一形態でトレイ内に単に配置され得るように形成されてもよい。トレイは、熱成形することができる。トレイは、好ましくは、凹部を画定する。凹部は、好ましくは、複数の区画を画定して内視鏡アセンブリの様々な部品を収容するようにできる。凹部は、挿入管区画、使い捨てシャフトアセンブリ区画、アンビリカル区画、及びカートリッジ区画を含むことができる。凹部は、追加の部品がトレイ内に格納される場合には、追加の区画を含むことができる。より少ない部品が同じトレイ内に格納される場合には、凹部は、より少ない区画を含むことができる。例えば、カートリッジは、別個に販売されるか、パッケージシステム内の別個の容器に入れられて販売されることがあり、その場合、トレイ内のカートリッジ区画の必要性はなる。
【0096】
トレイは、トレイの第1の端部にハンガースロット、例えば一対のハンガースロットを含むことができる。ハンガースロットは、別個の部品として取り付けられるか、又はトレイを形成する材料から形成され得る。ハンガースロットは、細長いパッケージが支持アームに吊り下げられることを可能にする。支持アームは、手術室の壁又は天井に取り付けることができる。いくつかの例では、支持アームはカートに取り付けることができる。支持アームに垂直方向に取り付けられると、トレイの一部又は全体が床の上方に吊り下げられる。
【0097】
パッケージシステムは、トレイの凹部を覆って延びて外部の汚染物質から密閉し、内視鏡アセンブリを無菌的に密閉された状態に保持するカバー(例えば、無菌バリア)をさらに含み得る。カバーは、ユーザが内視鏡アセンブリに容易にアクセスすることを可能にする剥離可能なカバーとすることができる。カバーは、タイベック(登録商標)のような高密度ポリエチレン繊維で作られてもよい。
【0098】
いくつかの例では、トレイは、再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリを含む2ピース内視鏡を含むことができる。図示の例では、使い捨てシャフトアセンブリのみがパッケージングシステムに含まれる。使い捨てシャフトアセンブリは、内視鏡の患者側端部に挿入管を含むことができる。使い捨てシャフトアセンブリは、カートリッジにまで延びてカートリッジに接続されるアンビリカルを更に含むことができる。トレイ内の部品の任意の組み合わせが、他の部品と接続されて及び/又は完全に組み立てられて提供され得る。
【0099】
パッケージシステムは、第1のカバーを含むことができ、いくつかの例では、パッケージシステムは、複数のカバーを含むことができる。図示の例では、第1のカバーは、トレイ(例えば、カートリッジ区画)内にカートリッジを保持するために使用される。パッケージシステムは、使い捨てシャフトアセンブリをトレイ(例えば、使い捨てシャフトアセンブリ区画)内に保持するための第2のカバーを含んでもよい。
【0100】
処置の準備中に、ユーザは、カバーを剥がして内視鏡アセンブリへのアクセスを可能にすることができる。本明細書おいてユーザは、内視鏡医、看護師、技術者、医師、又は処置にかかわり得る他の任意の個人を意味する。いくつかの例では、セットアップ中に、カバーを一度に一部だけ剥がすことができる。ユーザは、カバー(例えば、無菌バリア)を部分的にだけ剥がすことにより、処置のために内視鏡をセットアップしつつ、内視鏡アセンブリの残りの部分を無菌に保ち及び/又は汚染のリスクを低減させることができる。第1のカバーを剥がしてカートリッジを露出させることができる。カートリッジとアンビリカルは、カートリッジをコンソールに取り付けるために取り外すことができる。
【0101】
有利には、カバー(例えば、無菌バリア)の一部のみ及び/又はカバーの全部よりも少なく剥がすことによって、ハンドル及び挿入管は依然として様々な汚染物質から保護される。多くの場合、パッケージシステムは支持アームに吊り下げられる。パッケージが開けられると、セットアップ/準備中に挿入管が揺れて、挿入管がカート、カートの車輪、又は室内を動くユーザとぶつかることがある。挿入管をカバー(例えば、無菌バリア)で覆っておくことで、無菌密閉は破られていても、カバーは、周囲のあらゆるものとの接触による様々な汚染物質の付着から挿入管を保護する。
【0102】
次に、第2のカバーを引っ張って、使い捨てシャフトアセンブリ区画内の使い捨てシャフトアセンブリへのアクセスを可能にすることができる。ユーザがカバーを一度に一部ずつ剥がすか又は一度に全てを剥がすかに応じて、このステップを完了するために、第2のカバー(例えば、無菌バリア)をさらに剥がすことができる。いくつかの例では、第2のカバーを引き剥がす前に第1のカバーを引き剥がす必要があり、ユーザは同じセットアップ手順に従うことを要求される。他の例では、第2のカバーは第1のカバーから独立しており、両方のカバーに別々にアクセスすることができる。第2のカバーが引き剥がされると、使い捨てシャフトアセンブリをセットアップのために取り外すことができる。使い捨てシャフトアセンブリ及び挿入管を容易に取り外すために、カバーをトレイの側面に沿って垂直にスライドして挿入管をより大きく露出させるようにすることができる。
【0103】
再使用可能なハンドピースは、支持アームによって保持されるようにできる。使い捨てシャフトアセンブリがパッケージシステムから取り出されると、ユーザは、使い捨てシャフトアセンブリを再使用可能なハンドピースに結合することができる。
【0104】
第2の例は、湾曲した可撓性内視鏡のパッケージである。パッケージアセンブリは、トレイを含む。トレイは、内視鏡アセンブリを保持するための凹部を画定する。いくつかの例では、トレイは、熱成形によって製造されてもよく、使用後にトレイをリサイクルすることを可能にするリサイクル可能な材料で作られてもよい。
【0105】
トレイは、医療製品が一形態でトレイ内に単に配置され得るように形成されてもよい。トレイは、熱成形されてもよい。トレイは、好ましくは、凹部を画定する。凹部は、好ましくは、内視鏡アセンブリの様々な部品を収容するための複数の区画/トラックを画定する。凹部は、挿入管トラック、使い捨てシャフトアセンブリ区画、アンビリカルトラック、及びカートリッジ区画を含むことができる。湾曲パッケージシステムは、吸引管を保持するための吸引管区画をさらに含むことができる。上述の細長いトレイとは異なり、挿入管及びアンビリカルのための区画は、トレイの中心を取り囲む。アンビリカルと挿入管は、パッケージの中心を取り囲むように巻かれる。アンビリカルと挿入管のトラックは重なるようにできる。トラックが重なる場合、アンビリカルは挿入管の上に位置するようにできる。凹部は、追加の部品がトレイ内に格納される場合には、追加の区画を含むことができる。より少ない部品が同じトレイ内に格納される場合には、凹部はより少ない区画を含むことができる。例えば、カートリッジは、別個に販売されるか、パッケージシステム内の別の容器に入れられて販売されるようにすることができ、その場合には、トレイ内にカートリッジ区画を設ける必要はなくなる。
【0106】
トレイは、トレイの上端にハンガースロット、例えば、一対のハンガースロットを含むことができる。ハンガースロットは、別個の部分として取り付けられ、及び/又はトレイを形成する材料によって画定され得る。ハンガースロットは、細長いパッケージが支持アームから吊り下げられることを可能にする。支持アームは、手術室の壁又は天井に取り付けることができる。いくつかの例では、支持アームはカートに取り付けることができる。支持アームに取り付けられると、トレイの全体が床の上方に吊り下げられる。湾曲パッケージシステムのコンパクトな構成のため、トレイは、支持アームから吊り下げるのではなく、カートに載せることができる。
【0107】
パッケージシステムは、トレイの凹部を覆って延び及び/又は外部の汚染物質から密閉して内視鏡アセンブリを無菌状態に保持するカバー(例えば、無菌バリア)を更に含むことができる。カバーは、ユーザが内視鏡アセンブリに容易にアクセスすることを可能にする剥離可能なカバーとすることができる。カバーは、タイベック(登録商標)のような高密度ポリエチレン繊維で作ることができる。
【0108】
細長いパッケージングシステムと同様に、湾曲パッケージングシステムは、第1のカバーを含むことができ、いくつかの例では、パッケージングシステムは、2つ以上のカバーを含むことができる。図示の例では、第1のカバーは、トレイ/カートリッジ区画内にカートリッジを保持するために使用される。パッケージシステムは、トレイ/使い捨てシャフトアセンブリ区画内に使い捨てシャフトアセンブリを保持するための第2のカバーを含むことができる。
【0109】
細長いパッケージングシステムと同様に、湾曲したパッケージングシステムは、ユーザが内視鏡アセンブリを所望の順序で取り外すことを促すように設計できる。セットアップ中、内視鏡アセンブリの全体にアクセスするために、カバー(例えば、無菌バリア)を部分的に及び/又は完全に除去(例えば、剥離)されるようにする。このパッケージシステムの構成により、パッケージシステム内の汚染物質が存在する危険性が低減される。
【0110】
まず、カートリッジを保持する第1のカバーを動かして、カートリッジにアクセスできるようにすることができる。カートリッジとアンビリカルを取り外して、カートリッジをコンソールに取り付けることができる。次に、第2のカバーを動かして使い捨てシャフトアセンブリにアクセスすることができるようにする。使い捨てシャフトアセンブリをトレイから取り外して、再使用可能なハンドピースアセンブリに取り付けることができる。最後に、挿入管を取り外して、患者に挿入するか又は処置が開始されるまで無菌表面に置いておくことができる。
【0111】
有利には、このパッケージシステムは、一個人又は複数の個人が、処置の準備のために、セットアップ中に周囲の環境からの汚染からパッケージ内にある部品を保護しながら、医療器具を順番に開梱することを可能にする。
【0112】
さらに、T継手を組み込んだ吸引管の延長部を有するカートリッジが開示されている。この構成は、インラインのT継手を有する吸引管を組み込んだ柔軟な使い捨て観察内視鏡と共に使用することができる。T継手は、取り外し可能なキャップを含むことができる。取り外し可能なキャップは、T継手が使用されていないときにT継手のサイドポートを汚染物質の混入から保護し、使用が望まれるときに取り外し可能とされている。T継手のサイドポートは、胆管鏡吸引管のコネクタに嵌合することができる。
【0113】
さらに、内視鏡処置中にモニタに表示する1つ以上の内視鏡の撮像装置を選択する方法が開示されている。多くの場合、内視鏡処置中には、複数の内視鏡が処置を行うために利用される。本方法は、どの内視鏡の画像をモニタに表示するべきであるかを特定することに関する。いくつかの実施形態では、複数のモニタが使用され得る。他の実施形態では、1つのモニタを使用して、それに全ての内視鏡の画像を表示するようにすることができる。1つのモニタを使用する場合、使用されている内視鏡は、同じ画面/モニタ上の他の小さい画像の中で最も支配的な画像又は最も大きい画像として識別されて表示されるようにできる。
【0114】
本方法は、処置中のある時点で使用されている内視鏡を識別することを含むことができる。内視鏡は、例えば機械スイッチ、誘導スイッチ、又は容量性スイッチ(例えば、タッチスイッチ)のようなスイッチを用いて識別するようにできる。スイッチは、センサであってもよい。いくつかの実施形態では、スイッチはタッチスイッチであり、内視鏡が内視鏡医によってピックアップされると、スイッチが作動して、処置において現在使用されている内視鏡を識別する。スイッチが作動すると、どの内視鏡が使用されているかを識別するために、信号がスイッチからコントローラにリレーされる。コントローラは、関連する内視鏡からの信号/画像をモニタにリレーする。識別された画像は、内視鏡が使用されている間、スクリーン上の支配的な画像となる。いくつかの例では、複数の内視鏡が同時に使用されることがある。複数の内視鏡が同時に使用される場合、使用中の内視鏡からの画像は、同じ大きさとしてモニタに表示されるようにできる。他の例では、支配的な内視鏡が識別されるようにできる。支配的な内視鏡が他の内視鏡と同時に使用されている場合、支配的な内視鏡からの画像が、モニタ上で最大の画像とされるようにできる。
【0115】
さらに、様々な種類の内視鏡、例えば胃カメラ、大腸カメラ、十二指腸カメラ又は胆管鏡、に使用される画像センサセンブリの3つの実施形態が開示される。大まかに言えば、カメラ・LEDボードが挿入管の遠位端に配置され、電気コネクタを有するケーブルが、挿入管の遠位端から挿入管の近位端まで、及びカートリッジ内の電気コネクタ/回路基板まで延びるようにされる。上述したように、カートリッジの電気コネクタは、コンソールと接続され、カートリッジとコンソールとの間で電気信号を通す。いくつかの実施形態では、カートリッジの電気コネクタは、コンソール上のばねフィンガーと接触するためのばねフィンガー電気コネクタを含むことができる。
【0116】
画像センサセンブリは、カメラ・LEDボードを含む。カメラ・LEDボードの一側がケーブルに接着される。ケーブルは、当該技術分野で知られている任意の方法、例えば接着剤でボードに接着するようにできる。複数のワイヤ(図示せず)が、ケーブルの遠位端から延びてボードにはんだ付けされる。このワイヤは、カートリッジとカメラ・LEDボードとの間で信号を伝送するためにボードにはんだ付けされる。同じワイヤの他端は、ケーブルの近位部分から延び、フレックス回路の表面にはんだ付けされている。ワイヤは、フレックス回路の表面にわたって適切に間隔をあけて配置されるようにできる。
【0117】
フレックス回路は、マイクロコネクタに動作可能に取り付けられる。マイクロコネクタは、カートリッジの電気コネクタに配置された反対側の部分を持つ雄部分又は雌部分のいずれかとすることができる。雄部分及び雌部分は、カメラ及び/又はLEDとカートリッジとの間の電気経路を完成させるために接続される。いくつかの実施形態では、マイクロコネクタは、メザニンコネクタであってもよい。
【0118】
組み立てにおいて、フレックス回路及びマイクロコネクタを含むワイヤの近位端は、挿入管の遠位端内に通されて、挿入管の近位端に向かって挿入管に通される。その後、フレックス回路及びマイクロコネクタは、内視鏡及びアンビリカルを通されて、アンビリカルの端部に動作可能に接続されたカートリッジに通される。そして、フレックス回路に配置されたマイクロコネクタの雌部分又は雄部分が、カートリッジの電気コネクタに配置されたマイクロコネクタの対応する部分と接続される。有利には、この製造方法では、カメラとLEDボードをケーブルに接続する前にケーブルを挿入管に通すという、困難で時間がかかる可能性があることを避けることができる。さらに、この方法は、カメラを挿入管に通すという、カメラが損傷する可能性があり及び/又はカメラを収容するためにより大きな挿入管が必要となる可能性のあることを避けることができる。
【0119】
フレックス回路及びマイクロコネクタは、好ましくは、1mm未満の組み合わせの高さを有する。より好ましくは、フレックス回路とマイクロコネクタの組み合わせの高さは、0.8mm未満である。このような配置では、0.6mmから0.8mmの範囲の組み合わせの高さを有することができる。フレックス回路自体は、約0.2mmの高さを有していてもよい。
【0120】
回路基板は、カメラからの撮像データを記憶するための記憶装置をさらに含んでもよい。
【0121】
画像センサセンブリは、カートリッジ電気コネクタ上に第2のマイクロコネクタをさらに含んでもよい。第2のマイクロコネクタはまた、上記の説明における配置と同様に、フレックス回路に取り付けられる。フレックス回路は、カートリッジ回路基板上のフレックス回路から使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタにまで延びるワイヤを含む。使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタは、2つの内視鏡ピースの間で電気信号/コマンドを伝送するために、再使用可能なハンドピースの電気コネクタに接続可能である。
【0122】
本明細書に説明される発明の特徴及び実施例のいずれもが、独立して又は互いに組み合わせて使用され得る。単一の医療器具は、本明細書に開示された任意の及び/又は全ての態様を含むことができる。
【0123】
本開示の他の特徴、目的、及び利点は、添付の図面と併せて考慮した場合、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。本開示のさらなる形態、目的、特徴、側面、利益、利点、及び実施例は、本明細書で提供される詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【
図1】
図1は、内視鏡アセンブリ、カートリッジ、及びコンソールを示す図である。
【
図5】
図5は、内視鏡アセンブリの使い捨てシャフトアセンブリを示す。
【
図6】
図6は、プーリアッセンブリーハウジングの斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、ハウジングカバーが取り外された状態のプーリアセンブリの斜視図である。
【
図10】
図10は、プーリハウジングカバーに干渉した回転停止アイドラの拡大図である。
【
図11】
図11は、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの断面図である。
【
図12】
図12は、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの斜視図である。
【
図13】
図13は、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの側面図である。
【
図14】
図14は、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの分解図である。
【
図15】
図15は、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの上下アーティキュレーションノブとブレーキ部分の断面図である。
【
図16】
図16は、上下アーティキュレーションブレーキレバー及び上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングの斜視分解図である。
【
図17】
図17は上下アーティキュレーションハブ、上下アーティキュレーションブレーキデテント、及び上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの分解図である。
【
図18】
図18は上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジング及び上下アーティキュレーションシャフトの斜視図である。
【
図19】
図19は、
図18の上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングの斜視図である。
【
図20】
図20は、アーティキュレーションノブ、アウターハウジング、上下アーティキュレーションブレーキレバーを有さず、アーティキュレーションブレーキインナーハウジングを有さない、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの側面図である。
【
図21】
図21は、左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジング及び左右アーティキュレーションシャフトの斜視図である。
【
図22】
図22は、左右アーティキュレーションブレーキシャフト及び左右アーティキュレーションブレーキハブの斜視図である。
【
図23】
図23は、
図22の左右アーティキュレーションブレーキシャフト及び左右アーティキュレーションブレーキハブの斜視図である。
【
図24】
図24は上下アーティキュレーションノブ、左右アーティキュレーションノブ、及び左右アーティキュレーションブレーキノブが、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリから分解された状態の、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの部分分解図である。
【
図25】
図25は、内視鏡アセンブリの再使用可能なハンドピースアセンブリを示す斜視図である。
【
図29】
図29は、アーティキュレーションリンクアセンブリの側面図である。
【
図32】
図32は、使い捨てシャフトアセンブリの部分分解斜視図である。
【
図33】
図33は、エレベータ制御アセンブリを露出するプーリアセンブリの部分分解図である。
【
図36】
図36は、遠位キャップが取り外された状態の
図34の挿入管先端アセンブリの斜視図である。
【
図37】
図37は、エレベータアセンブリの部分分解斜視図である。
【
図38】
図38は、制御バルブアセンブリを含むカートリッジ及びコンソールの一例の斜視図である。
【
図40】
図40は、医療用パッケージング設計の周囲図である。
【
図41】
図41は、カバーが取り外された状態の医療用パッケージング設計の周囲図である。
【
図42】
図42は、複数のカバーが取り外された状態の医療用パッケージング設計の周囲図である。
【
図43】
図43は、カートリッジが取り外され、コンソールに固定された状態の医療用パッケージング設計の周囲図である。
【
図44】
図44は、使い捨てシャフトアセンブリのハンドルが取り外され、再使用可能なハンドピースアセンブリに固定された状態の医療用パッケージング設計の周囲図である。
【
図45】
図45は、医療製品用のためパッケージングシステムの斜視図である。
【
図48】
図48は、カバーが取り外された状態の
図45のパッケージングシステムの斜視図である。
【
図49】
図49は、第1及び第2のカバーが取り外された状態の
図45のパッケージングシステムの斜視図である。
【
図50】
図50は、医療製品のためのパッケージングシステムの他の例の斜視図である。
【
図53】
図53は、T継手を有する吸引管を有するカートリッジを例示する図である。
【
図54】
図54は、1つ又は複数の内視鏡の撮像デバイスの間で選択する方法のフローチャートである。
【
図59A】
図59Aは、
図55A-
図55Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードフレックス回路及びマイクロコネクタ、並びに、使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタフレックス回路及びマイクロコネクタを示す。
【
図59B】
図59Bは、
図55A-
図55Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードフレックス回路及びマイクロコネクタ、並びに、使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタフレックス回路及びマイクロコネクタを示す。
【
図59C】
図59Cは、
図55A-
図55Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードフレックス回路及びマイクロコネクタ、並びに、使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタフレックス回路及びマイクロコネクタを示す。
【
図59D】
図59Dは、
図55A-
図55Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードフレックス回路及びマイクロコネクタ、並びに、使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタフレックス回路及びマイクロコネクタを示す。
【
図60B】
図60Bは、画像センサセンブリの第2の実施形態を示す図である。
【
図60C】
図60Cは、画像センサセンブリの第2の実施形態を示す図である。
【
図60D】
図60Dは、画像センサセンブリの第2の実施形態を示す図である。
【
図61A】
図61Aは、
図60A-Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードの様々な拡大図のうちの1つである。
【
図62D】
図62Dは、
図60A-Dに示される実施形態のカートリッジの電気コネクタの様々な図のうちの1つである。
【
図63A】
図63Aは、
図60A-Dに示される実施形態の使い捨てシャフトアセンブリの電気コネクタの様々な図のうちの1つである。
【
図63B】
図63Bは、
図60A-Dに示される実施形態の使い捨てシャフトアセンブリの電気コネクタの様々な図のうちの1つである。
【
図63C】
図63Cは、
図60A-Dに示される実施形態の使い捨てシャフトアセンブリの電気コネクタの様々な図のうちの1つである。
【
図63D】
図63Dは、
図60A-Dに示される実施形態の使い捨てシャフトアセンブリの電気コネクタの様々な図のうちの1つである。
【
図64A】
図64Aは、
図60A-Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードフレックス回路及びマイクロコネクタ、並びに、使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタフレックス回路及びマイクロコネクタを示す図である。
【
図64B】
図64Bは、
図60A-Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードフレックス回路及びマイクロコネクタ、並びに、使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタフレックス回路及びマイクロコネクタを示す図である。
【
図64C】
図64Cは、
図60A-Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードフレックス回路及びマイクロコネクタ、並びに、使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタフレックス回路及びマイクロコネクタを示す図である。
【
図64D】
図64Dは、
図60A-Dに示される実施形態のカメラ及びLEDボードフレックス回路及びマイクロコネクタ、並びに、使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタフレックス回路及びマイクロコネクタを示す図である。
【
図68A】
図68Aは、
図65A-Cに示された実施形態のカメラ及びLEDボードのフレックス回路及びマイクロコネクタを示す図である。
【
図68B】
図68Bは、
図65A-Cに示された実施形態のカメラ及びLEDボードのフレックス回路及びマイクロコネクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0125】
本開示の原理の理解のために、図面に例示された実施例を参照し、以下において説明する。しかし、それによって本開示の範囲が限定されるものでないことは理解されるであろう。記載された実施例における任意の変更及びさらなる修正、並びに本明細書に記載された本開示の原理の任意のさらなる応用が、本開示が関連する技術分野の当業者において通常行われるであろうことが考えられる。本開示の例示的な実施例をより詳細に示すが、関連する技術分野の当業者には、本開示に関連しないいくつかの特徴が、本明細書における説明の明瞭化のために示されないことがあることは明らかであろう。
【0126】
本開示は、再使用可能なハンドピース及び使い捨て(シングルユース)シャフトアセンブリを含む内視鏡アセンブリを提供する。
図1-
図4は、内視鏡アセンブリを示す。
図1は、内視鏡アセンブリ100、カートリッジ500、及びコンソール1000を示す。より詳細には、
図1-
図4は、再使用可能なハンドピース200が使い捨てシャフトアセンブリ400に取り付けられている内視鏡アセンブリを示す。
図4は、再使用可能なハンドピースが使い捨てシャフトアセンブリから取り外された状態の内視鏡アセンブリを示している。
【0127】
再使用可能なハンドピースは、使い捨てシャフトアセンブリに対して選択的に取り付け及び取り外しが可能であり、それにより、カートリッジを含む使い捨てシャフトアセンブリを一回の使用後に廃棄及び/又は再調整することができるようにしながら、再使用可能なハンドピースを多数の使い捨てシャフトアセンブリとともに連続的に使用することができるようになっている。再使用可能なハンドピース及び/又は使い捨てシャフトアセンブリは、再使用可能なハンドピース及び使い捨てシャフトアセンブリを互いに選択的にロックするためのロック部を含み得る。再使用可能なハンドピースを使い捨てシャフトアセンブリに連結するラッチ機構を作動させるためのラッチハンドル600(例えば、レバー)を、再使用可能なハンドピース及び/又は使い捨てシャフトアセンブリに配置することができる。磁石などの追加のロック機構を、代替的に又は同時に、使用することができる。
【0128】
再使用可能なハンドピースは、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリ300を支持するハンドピースハウジング210、発光ダイオードなどの光、及び/若しくはフラッシュ水及び/若しくは吸引液路を操作するための制御スイッチ202、内視鏡アセンブリと通信するコンソールを制御するための1又は複数のナビゲーションスイッチ204、並びに/又は再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリを電気的に結合するための電気コネクタ205(
図25参照)を有するようにできる。
【0129】
使い捨てシャフトアセンブリは、患者の体内に挿入するための挿入管401、コンソールに接続された管・電気コネクタ402、使い捨てシャフトアセンブリの内腔に選択的にアクセスするため(例えば、生検のようなサンプルを取るため)及び/若しくは使い捨てシャフトアセンブリの内腔を通して流体を送るためのアクセスポート403、並びに/又は使い捨てシャフトアセンブリを再使用可能なハンドピースに対して電気的に結合させる電気コネクタ404、を備え得る。
【0130】
「アンビリカル(umbilical)」とも呼ばれる管・電気コネクタ402は、内視鏡アセンブリから、内視鏡アセンブリと共に使用するようにされたコンソールに接続可能なカートリッジにまで延びる。管・電気コネクタは、使い捨てシャフトアセンブリから及び/又は再使用可能なハンドピースから延びることができる。いくつかの実施形態では、アンビリカルは、コンソールに直接接続して、カートリッジの必要性をなくすことができる。
【0131】
コンソールは、電力、流体及び/若しくは流体圧、真空圧を提供し、並びに/又は内視鏡アセンブリに対して電気信号を送信及び/若しくは受信することができる。コンソールは、使い捨てシャフトアセンブリの遠位端にあるカメラからのビデオフィードなどの内視鏡アセンブリから受信した信号を視覚化するためのモニタ(図示せず)を含むことができる。
【0132】
使い捨てシャフトアセンブリは、
図5-
図7Bに示されるような1つ又は複数のプーリアセンブリ700を含むことができる。プーリアセンブリは、アーティキュレーションシャフトの端部を受けるように配置された少なくとも1つのプーリ750を含むことができる。好ましくは、アーティキュレーションシャフトに関連するアーティキュレーションノブの回転により、少なくとも1つのプーリが回転する。好ましくは、この少なくとも1つのプーリ及びアーティキュレーションシャフトの端部は、プーリとアーティキュレーションシャフトを互いに回転可能に結合するための幾何学的形状(例えば、嵌合構造)を有する。好ましくは、嵌合構造は、アーティキュレーションシャフトとプーリとの間の摩擦のみに依存しない。好ましくは、嵌合構造は、アーティキュレーションシャフトとプーリとの間の幾何学的干渉を含む。
【0133】
上記少なくとも1つのプーリには、作動時に使い捨てシャフトアセンブリの遠位シャフト部を曲げるように構成されたアーティキュレーションワイヤ753又は一対のアーティキュレーションプル(pull)ワイヤ(例えば、プーリ上でループ状に配置され、プーリの相互に対向する側からそれぞれ延びるワイヤセグメントを有する2つの別々のワイヤ又は1つの連続ワイヤ)が関連付けられている。アーティキュレーションワイヤは、プーリに取り付けられ(例えば、結ばれるか又はアンカー(図示せず)によって固定され)、及び/又はプーリの少なくとも一部の周りに延びる(例えば、プーリの周りでループ状にされる)ようにすることができる。好ましくは、プーリアセンブリは、2つのプーリ(各アーティキュレーションワイヤに対して1つ)及びアーティキュレーションワイヤ(各プーリに対して少なくとも1つ)を含む。図示された例では、各プーリは、アーティキュレーションワイヤのための1つの溝(合計2つの溝)を含む。あるいは、各プーリは、2つの溝(合計4つの溝)を含み、溝ごとに1つのワイヤのみを使用して、ワイヤが重なること、及び重なりによる摩擦が性能に影響することの可能性を低減することができる。好ましくは、アーティキュレーションワイヤは、遠位シャフト部を直交する平面内で曲げるように構成される。
【0134】
プーリ及び関連するアーティキュレーションワイヤは、プーリハウジング460内に収容することができる。プーリハウジングは、カバーピース462及びインナーピース464などのハウジング部分から構成され得る。これらのハウジング部分は、協働してプーリを少なくとも部分的に囲むようにすることができる。
【0135】
プーリハウジングは、外側/端部にある一対のカバーピースと、一方の側で1つのカバーピースにそれぞれ結合され他方の側で互いに結合された一対のインナーピースとで、サンドイッチ状に構成され得る。本実施形態では、プーリハウジングは、少なくとも2つのプーリを収容するように構成されている。このようなハウジング部分は、プーリ及び関連するアーティキュレーションワイヤを協働して包囲するようにできる。好ましくは、ハウジング部分は、アーティキュレーションワイヤがプーリから分離しないようにする。プーリハウジングは、アーティキュレーション制御アセンブリのアーティキュレーションシャフト及び/又はブレーキシャフトを受け入れるための開口部を有し得る。
【0136】
好ましくは、ハウジング部分は、完全に直線的な突合せ部に沿っては互いに接合しない。例えば、インナーピース及び/又はカバーピースは、直線的な経路に沿って接合され得る。いくつかの態様において、インナーピース及びカバーピースはキャスタレーション(凹凸)466を有し、インナーピースのキャスタレーションがカバーピース上のキャスタレーションと一致するようにして接合するようにされる。有利には、完全に直線的な突合せでの接合を避けることにより、プーリアセンブリの部分間でワイヤが逃げるのを防止するのを補助することができる。他の例では、ハウジング部分間の接合は、直線状、湾曲状、曲線状、直線状、又は他の所望の構成であってもよい。
【0137】
さらに、プーリアセンブリは、プーリに接続されたそれぞれのアーティキュレーションプルワイヤの周りに巻かれた1つ又は複数のアーティキュレーションコイル756を受け入れるアーティキュレーションコイル終端ブロック505を含み得る。アーティキュレーションコイル終端ブロックは、アーティキュレーションプルワイヤの弛みを除去するように調節可能である。言い換えれば、アーティキュレーションコイル終端ブロックは、内視鏡アセンブリの長手方向軸に沿って調節可能であり、アーティキュレーションプルワイヤの張力を制御する。
【0138】
図8-
図10には、「二段階アーティキュレーション制限(two stage articulation limit)」が示されている。この二段階回転停止アセンブリ760は、一段階停止(single stage stop)を用いた場合よりも、アーティキュレーションノブをさらに回転させることができる。二段階回転停止アセンブリは、プーリハウジング内に完全に収納されていてもよい。二段階回転停止アセンブリは、2つのプーリと、各プーリの一方の側、例えば、アーティキュレーションワイヤアンカー用の凹部を有する側とは反対の側に配置された2つの回転停止アイドラ762とを有するようにできる。一方のプーリは上下アーティキュレーションのためのものであり、他方のプーリは左右アーティキュレーションのためのものである。各回転停止アイドラは、回転停止アイドラの各側面の円周上に個別の溝764(合計2つ)を含むことができる。溝は、停止部766a(例えば、突出部)で終端し、溝が回転停止アイドラの周りを360度周回しないようにしている。
【0139】
各プーリは、回転停止アイドラの第1の側面768の溝と干渉するボス752を、プーリの側面に有する。回転停止アイドラに対するプーリの回転中、プーリ上のボスは、回転停止アイドラ上の停止部によってブロックされるまで、アイドラの溝に沿って進む。プーリのボスが停止部に接触すると、プーリの回転力がアイドラに伝わって、アイドラを回転させることができる。アイドラの回転は、回転停止アイドラとハウジングとの接触状態に応じて許容される。
【0140】
回転停止アイドラの第2の側面769では、第2の停止部766bがプーリハウジング上に位置するボス754と干渉して、ハウジングに対する回転停止アイドラの回転の程度を制限する。例えば、ハウジングに対するアイドラの回転中、ハウジング上のボスは、アイドラの第2の停止部がハウジング上のボスに接触してハウジングに対するアイドラの回転が停止するまで、回転停止アイドラの第2の側面の溝766に沿って動く。したがって、回転停止アイドラに対するプーリの回転が第1の方向で阻止された後で、且つハウジングに対する回転停止アイドラの回転が第1の方向で阻止された後に、ハウジングに対するアーティキュレーションノブ及びプーリの第1の方向への回転もまた阻止される。プーリは、第1の方向とは反対の第2の方向に回転させることができる。第1の方向への回転に関する説明は、第2の方向にも適用される。
【0141】
回転停止アイドラのぐらつきを防止するために、回転停止アイドラは、アイドラの両側で連続した軸受面770を有するようにできる。連続的な軸受面は、アイドラがプーリハウジング内で及びプーリハウジングに対して回転する際にバランスを保つための安定したベースを提供する。
【0142】
有利には、この実施例は、必要とされるアーティキュレーションノブ回転が、一段階停止(single stage stop)で達成できる回転限界を超える場合に、内視鏡のためのアーティキュレーションノブの回転を制限する機能を有する。回転停止アイドラの一方の側での、アイドラに対するプーリの許容角度回転は、アイドラの溝の角度方向長さからプーリ上のボスの角度方向長さを差し引いた長さに等しい。回転停止アイドラの反対側では、ハウジングに対するアイドラに許容される回転は、アイドラの溝の角度方向長さからプーリハウジング上のボスの角度方向長さを差し引いた長さに等しい。これら2つの「段階」での回転の度合いを足すと、プーリ(及び/又はアーティキュレーションノブ)がハウジングに対して動くことができる全角度距離が得られる。例示のために、ボスがそれぞれ45度の角度方向長さを有し、回転停止アイドラの溝がそれぞれ315度の角度方向長さを有する場合、アイドラの各側での回転度は270度に等しくなり、2つの側の合計の回転度はハウジングに対するプーリの可動角度540度になる。ボス、溝、及び/又は停止部材は、同じ又は異なる角度方向長さを有することができ、ボス、溝、及び/又は停止部材は、45度より大きい又は小さい角度方向長さを有することができることが理解される。
【0143】
また、ボスの1つ以上が別個の部品であってもよく、溝が螺旋状の経路をたどるようにしてもよい。従って、ボスは、溝の経路に沿って動くとき、プーリ及び/又はハウジングの表面に沿って並進する。有利には、このような配置は、360度以上の角度方向長さを有する溝を提供することができる。
【0144】
溝及び停止部は回転停止アイドラによって画定されるものとして説明され、ボスはプーリ及び/又はハウジングのものであるものとして説明されてきたが、ここに開示される配置は、そのように限定されるものではない。溝及び停止部は、プーリ及び/又はハウジングによって画定されてもよく、1つ又は複数のボスは、回転停止アイドラの一部であってもよい。
【0145】
ここで
図11-
図23を例示的に参照すると、再使用可能なハンドピースのアーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリは、上下アーティキュレーションノブ313、左右アーティキュレーションノブ314、上下アーティキュレーションブレーキ330、及び左右アーティキュレーションブレーキ340を含み得る。操作中、再使用可能なハンドピースが使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられた状態において、上下アーティキュレーションノブの作動により使い捨てシャフトアセンブリの遠位部分が第1の平面でアーティクレーション動作し、左右アーティキュレーションブレーキノブの作動により、第1の平面を横断する第2の平面で使い捨てシャフトアセンブリの遠位部分が作動する。好ましくは、第2の平面は、第1の平面に対して直交する。
【0146】
再使用可能なハンドピースが使い捨てシャフトアセンブリに結合されると、上下アーティキュレーションブレーキレバーの作動により、上下アーティキュレーションブレーキが連動して、再使用可能なハンドピースのハウジングなどの内視鏡アセンブリの一部に対する上下アーティキュレーションノブの回転に抵抗が生じる。左右アーティキュレーションブレーキノブ319の作動により、左右アーティキュレーションブレーキが連動して、使い捨てシャフトアセンブリのハウジング440のような内視鏡アセンブリの一部に対する左右アーティキュレーションノブの回転に抵抗が生じる。
【0147】
再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリは、好ましくは、互いに嵌合するように構成される。例えば、再使用可能なハンドピースアセンブリは、使い捨てシャフトアセンブリの一部を受け入れるように配置された凹部220を画定することができ、又はその逆にすることもできる。多くの例では、使い捨てシャフトアセンブリの一部を受け入れるように配置された再使用可能なハンドピースアセンブリの凹部は、使い捨てアーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリのノブを有する側とは反対の側にある。再使用可能なハンドピースアセンブリと使い捨てシャフトアセンブリとのうちの一方は、2つ以上の対向する側面で、他方の少なくとも一部を部分的及び/又は完全に囲むようにすることができる。他の実施形態では、再使用可能なハンドピースアセンブリと使い捨てシャフトアセンブリとのうちの一方は、他方を囲むようにすることができる。
【0148】
使い捨てシャフトアセンブリの一部は、再使用可能なハンドピース又は使い捨てシャフトアセンブリの長手方向軸に平行な又は横断する方向に沿って、再使用可能なハンドピースに受け入れられるようにすることができ、又はその逆にすることができる。例えば、再使用可能なハンドピースは、再使用可能なハンドピースの長手方向軸250に直交する方向に沿って、使い捨てシャフトアセンブリを受け入れることができる。多くの実施例では、再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリを互いに組み合わせたときに、使い捨てシャフトアセンブリは、再使用可能なハンドピースに対して、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの回転軸350と平行な方向に沿って動かされる。
【0149】
再使用可能なハンドピースアセンブリが使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられると、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリは、使い捨てシャフトアセンブリと協働して、使い捨てシャフトアセンブリの遠位セグメントをアーティキュレーション運動(関節運動)させ、及び/又は内視鏡アセンブリに対する一つ又は複数のアーティキュレーションノブの回転に対して抵抗する。例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に述べられるように、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの1つ又は複数のアーティキュレーションシャフト302、303及び/又はブレーキシャフト301は、プーリアセンブリ及び/又は使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに係合し得る。アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの1つ又は複数のシャフトは、プーリアセンブリを通って延び、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリから見てプーリアセンブリの反対側で使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに係合する。
【0150】
多くの実施例では、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの一部は、使い捨てシャフトアセンブリの一部を受け入れるように配置された再使用可能なハンドピースの凹部に延在している。
【0151】
アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリによる上下アーティキュレーション制御に関して、上下アーティキュレーションノブは、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジング312に支持される。上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジング内には、アーティキュレーションブレーキインナーハウジング307、アーティキュレーションブレーキ位置デテント308、アーティキュレーションブレーキばね309、上下アーティキュレーションブレーキキャリパー310、及び角度付きアーティキュレーションブレーキ摩擦ディスク311が配置されている。アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面351は、回転軸に対して非直角とすることができる。
【0152】
アーティキュレーションブレーキインナーハウジングには、上下アーティキュレーションブレーキレバーが接続されている。上下アーティキュレーションブレーキレバーを通って、上下アーティキュレーションハブ304と上下アーティキュレーションシャフトが延びている。アーティキュレーションブレーキインナーハウジング内に位置する上下アーティキュレーションハブは、アーティキュレーションブレーキ位置デテント及び上下アーティキュレーションブレーキキャリパーを支持する。上下アーティキュレーションハブの回転は、再使用可能なハンドピースのハウジングに対して固定されており、その結果、再使用可能なハンドピースのハウジングに対するアーティキュレーションブレーキ位置デテントと上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの回転も固定される。
【0153】
上下アーティキュレーションブレーキレバーが上下アーティキュレーションハブに対して回転すると、アーティキュレーションブレーキインナーハウジングが、アーティキュレーションブレーキ位置デテントと上下アーティキュレーションブレーキキャリパーに対して相対的に回転する。第1の方向へ回転すると、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングから上下アーティキュレーションブレーキキャリパーに向かって延びるピン318が、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの角度付き表面360に係合し、アーティキュレーションブレーキキャリパーをアーティキュレーションブレーキばねの方へ軸方向に動かして、アーティキュレーションブレーキばねを圧縮させる。第2方向に回転すると、ピンが角度付き表面に沿って移動し、アーティキュレーションブレーキばねが上下アーティキュレーションブレーキキャリパーをアーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面と上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングとに向かって押圧し、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーとアウターハウジング間でアーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクを圧縮する。この(再使用可能なハンドピースに対して)静止した上下アーティキュレーションブレーキキャリパー、アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面、及び上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングの間の接触により、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングによって支持されている上下アーティキュレーションノブが再使用可能なハンドピースに対して回転する抵抗となる。他の例では、アーティキュレーションブレーキ表面は、回転軸に対して垂直であってもよい。有利には、角度付き制動面は、同等のバネ力を適用した場合に、垂直な制動面と比較して、ブレーキ力を増加させることができる。
【0154】
上下アーティキュレーションブレーキ位置デテントの回転が、上下アーティキュレーションブレーキハブを介して再使用可能なハンドピースのハウジングに対して固定されているときには、このハウジングに対するアーティキュレーションブレーキインナーハウジングの回転により、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテントに対してアーティキュレーションブレーキインナーハウジングも回転する。上下アーティキュレーションブレーキ位置デテントは、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングを、1つ又は複数の位置に保持するようにすることができる。例えば、デテントは、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーと上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングとの間での上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの相互作用を介して制動抵抗が加えられる第1の位置、及び/又は制動抵抗が加えられない第2の位置に、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングを保持し得る。ブレーキインナーハウジング及び/又はデテントは、アーティキュレーションコントロール(例えば、アーティキュレーションコントロールノブ)に調整可能なレベルの回転抵抗を与えるように、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングを複数の位置のいずれかに保持するようにすることができる。
【0155】
上下アーティキュレーションブレーキハブの中心を通って、上下アーティキュレーションシャフトが延びる。上下アーティキュレーションシャフトは、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングに対して回転方向で固定された第1の端部370を有する。上下アーティキュレーションシャフトの第2の端部372は、使い捨てシャフトアセンブリのプーリアセンブリと関係づけられる。例えば、上下アーティキュレーションシャフトの第2の端部は、上下アーティキュレーションシャフトの回転により上下アーティキュレーションプーリが回転するように、上下アーティキュレーションプーリに取り付けることができる。このように、上下アーティキュレーションノブの回転により、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングが回転し、それにより上下アーティキュレーションシャフトが回転し、それにより上下アーティキュレーションプーリが回転し、そして上下アーティキュレーションワイヤが作動する。
【0156】
左右アーティキュレーションに関して、左右アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの構造及び動作は、左右アーティキュレーションブレーキハブ317の回転が使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに対して固定されていること、及びそのような回転が左右アーティキュレーションシャフトを通って延びる左右アーティキュレーションブレーキシャフトを介して固定されていることを除いて、上下アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリと同一である。上下アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリと同様に、左右アーティキュレーションノブは、角度付きアーティキュレーションブレーキ摩擦ディスク311、左右アーティキュレーションブレーキキャリパー316、アーティキュレーションブレーキばね、アーティキュレーションブレーキ位置デテント、及びアーティキュレーションブレーキインナーハウジング、を収納する左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジング315によって支持されている。
【0157】
左右アーティキュレーションブレーキノブ及び左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングを通って、左右アーティキュレーションシャフトは延びる。左右アーティキュレーションシャフトは、左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングに対して回転方向で固定された第1の端部380と、使い捨てシャフトアセンブリのプーリアセンブリに係合する第2の端部382(例えば、第2の端部を左右アーティキュレーションプーリに回転方向で固定)を有し、左右アーティキュレーションブレーキノブの回転により左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングが回転し、それにより左右アーティキュレーションブレーキシャフトが回転し、それにより左右アーティキュレーションプーリが回転し、そして左右アーティキュレーションワイヤ(複数可)が動くようにしている。
【0158】
左右アーティキュレーションシャフトを通って延びる左右アーティキュレーションブレーキシャフトは、左右アーティキュレーションブレーキハブに回転方向で固定された第1の端部390と、再使用可能なハンドピースアセンブリが使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられたときに使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに対して回転方向で固定される第2の端部392を有する。上下アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの動作と同様に、左右アーティキュレーションブレーキキャリパーに対するアーティキュレーションブレーキインナーハウジングの回転により、左右アーティキュレーションブレーキキャリパーが左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジング及びその間に位置するブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面に向かって又はそこから遠ざかるように動く。左右アーティキュレーションブレーキノブは、左右アーティキュレーションブレーキインナーハウジングに回転方向で固定されており、左右アーティキュレーションブレーキノブの回転により、左右アーティキュレーションブレーキインナーハウジングが、左右アーティキュレーションブレーキハブ、左右アーティキュレーションブレーキキャリパー、及び左右アーティキュレーションブレーキ位置デテントに対して回転するようになっている。したがって、左右アーティキュレーションブレーキの係合時には、左右アーティキュレーションブレーキキャリパーとブレーキ摩擦ディスクの角度付き表面は、左右アーティキュレーションブレーキシャフト及び使い捨てシャフトアセンブリに対する左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジング及び左右アーティキュレーションノブの回転に抵抗する。
【0159】
左右アーティキュレーションブレーキシャフトの第2の端部は、使い捨てシャフトアセンブリのハウジングと摺動可能に係合し、左右アーティキュレーションブレーキシャフトをそれに対して回転方向で固定するように配置される。左右アーティキュレーションブレーキシャフトの周りには左右アーティキュレーションシャフトが周方向に配置され、その第2の端部が、左右アーティキュレーションワイヤと協働する左右アーティキュレーションプーリに係合した状態にされている。そして、左右アーティキュレーションシャフトの周りには上下アーティキュレーションシャフトが周方向に配置され、その第2の端部が、上下アーティキュレーションワイヤに関連する上下アーティキュレーションプーリに係合するように配置されている。
【0160】
図14に示されるように、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリは、組み立てられたときに様々な部品の間にある複数のOリングを含み得る。また、回転中に生じる摩擦を低減するために、アセンブリ内に配置されたボールベアリングも図示されている。
【0161】
ここで
図16を参照すると、上下アーティキュレーションブレーキレバーは、上下アーティキュレーションブレーキレバーの回転により上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングが再使用可能なハンドピースアセンブリのハウジングに対して回転するように上下アーティキュレーションインナーハウジングの表面902と嵌合するようにされた表面900を有することができる。好ましくは、表面の幾何学的形状は、回転の間、表面902の幾何学的形状と干渉する。上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングは、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの角度付き表面に係合する横方向のピンを受け入れるようにされた1又は複数の開口部906を画定し得る。さらに、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングの内面910は、デテントばね(図示せず)に係合するように配置された凹部又は突起を含むことができる。上下アーティキュレーションブレーキレバー及び上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングは、上下アーティキュレーションハブを受け入れるための開口部920を画定する。
【0162】
図17に示されるように、上下アーティキュレーションハブは、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテント及び上下アーティキュレーションブレーキキャリパーを通って延びる部分930を有する。好ましくは、その部分、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテント、及び/又は上下アーティキュレーションブレーキキャリパーは、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテント、上下アーティキュレーションブレーキキャリパー、及び/又は上下アーティキュレーションブレーキハブを互いに対して回転方向で固定する断面形状を有する。
【0163】
次に
図18には、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングが、上下アーティキュレーションシャフトと係合して相対的に回転方向で固定されて示されている。上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングは、(例えば、上下アーティキュレーションノブの突起を受け入れるようにされた凹部によって、又はその逆によって)上下アーティキュレーションノブをそれに回転方向で固定するようにされた部分940を有する。
【0164】
次に
図19には、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングの内側が、上下アーティキュレーションブレーキが係合したときに上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクの角度付き/テーパー付き表面と係合するようにされた内側摩擦面950を有するものとして示されている。
【0165】
図20に示されるように、上下アーティキュレーションブレーキレバーが再使用可能なハンドピースのハウジングに対して回転すると、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングが上下アーティキュレーションブレーキレバーと共に回転し、上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングの開口部から延びるピンを上下アーティキュレーションブレーキキャリパーに対して相対的に動かす。ピンは、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーの傾斜面に沿って移動して、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーを上下アーティキュレーションブレーキバネと協働して上下アーティキュレーションハブに沿って移動させる。上下アーティキュレーションブレーキを非係合形態から係合形態にすると、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーは、上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクを上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングに押し付ける(上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクを圧縮する)。上下アーティキュレーションブレーキを係合形態から非係合形態にすると、上下アーティキュレーションブレーキキャリパーは上下アーティキュレーションブレーキハウジング及び上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクから離れ、上下アーティキュレーションブレーキばねを圧縮する(例えば、更に圧縮する)。
図11は、上下アーティキュレーションブレーキ摩擦ディスクと上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングの内側摩擦面950との間に隙間394がある、非係合形態における上下アーティキュレーションブレーキを示す。
【0166】
上下アーティキュレーションブレーキインナーハウジングは、上下アーティキュレーションブレーキ位置デテントの1つ又は複数の突起又は凹部に係合するデテント凹部又は突起を有することができる。このような配置は、1つ又は複数の位置における上下アーティキュレーションブレーキレバーの固定を提供し、及び/又は上下アーティキュレーションブレーキが1つ又は複数の形態又は位置となったこと及び/又はそれから離脱したことの触覚表示及び/又は可聴表示を提供し得る。
【0167】
左右アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリは、左右アーティキュレーションブレーキハブが、左右アーティキュレーションシャフト及び上下アーティキュレーションシャフトを通って中央に延びる左右アーティキュレーションブレーキシャフトによって内視鏡アセンブリのハウジングに対して回転方向で固定されることを除いて、上下アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリと同様に動作する。
【0168】
図21を参照すると、左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングと左右アーティキュレーションシャフトが、組み立てられて、互いに対して回転方向で固定された状態で示されている。
【0169】
図22及び
図23は、左右アーティキュレーションブレーキハブ内の左右アーティキュレーションブレーキシャフトを示す。左右アーティキュレーションブレーキシャフトは、左右アーティキュレーションブレーキハブ内に受け入れられて回転方向で固定された第1の端部を有する。左右アーティキュレーションブレーキシャフトの第2の端部は、再使用可能なハンドピースアセンブリと使い捨てシャフトアセンブリの取り付け中に使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに係合し、左右アーティキュレーションブレーキシャフトを使い捨てシャフトアセンブリに対して回転方向で固定するようにされている。従って、再使用可能なハンドピースアセンブリが使い捨てシャフトアセンブリに取り付けられると、左右アーティキュレーションブレーキハブは、使い捨てシャフトアセンブリのハウジングに対して回転方向で固定される。
【0170】
次に
図24-
図26に示すように、上下アーティキュレーションノブ313、左右アーティキュレーションノブ314、及び左右アーティキュレーションブレーキノブ319は、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリの残りの部分から取り外し(又は「スナップオフ」)可能である。上述したように、上下アーティキュレーションブレーキアウターハウジングは、上下アーティキュレーションノブを、(例えば上下アーティキュレーションノブの突起を受け入れるように配置された凹部によって又はその逆によって)それに回転方向で固定するようにされた部分を有する。同様に、左右アーティキュレーションブレーキアウターハウジングは、同じ態様で左右アーティキュレーションノブを固定するようにされる。凹部及び突起の配置により、上下アーティキュレーションノブ、左右アーティキュレーションノブ、及び左右アーティキュレーションブレーキノブを、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリに対して容易にスナップオフ又はスナップオンすることができる。有利には、スナップオフ構造は、処置と処置の間に再使用可能なハンドピースを洗浄することを容易にするためにノブを取り外すことを可能にする。
【0171】
図25及び
図26に示されるように、再使用可能なハンドピースは、保持クリップ320を含むことができる。保持クリップは、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを再使用可能なハンドピースに固定するために使用される。保持クリップは、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを固定するために、上下アーティキュレーションハブと結合され得る。処置と処置の間に、洗浄を容易にする必要があれば、保持クリップをアーティキュレーションノブとブレーキアセンブリから取り外し、アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを再使用可能なハンドピースのハウジングから外すことができる。洗浄が完了したら、保持クリップを使用してアーティキュレーション・ブレーキアセンブリをハウジングに再び取り付けることができる。
【0172】
図27及び
図28に示すように、挿入管は、挿入管の少なくとも一部の内部を延びる器具管437を含むことができる。器具管は、様々な器具を挿入管を通して挿入及び伸長させることができるツールチャネル430を画定する。器具管は、共押出プロセスによって作製することができる。内側押出部432は、潤滑性のために高密度ポリエチレン(HDPE)で構成することができる。外側押出部434は、接着を容易にするために、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリ乳酸(PLA)で形成してもよい。
【0173】
挿入管は、コンソールによって読み取り可能な情報を提供するための光センサモジュールを含むことができ、及び/又は挿入管の端部からのビデオフィードのようなモニタ上の画像を映し出すことができる。このビデオフィードは、赤外線、熱又は可視光によるものであり得る。挿入管401は、挿入管の端部にあるLEDに電力を供給するための発光ダイオード(LED)線を含んでいてもよい。
【0174】
挿入管は、吸引管、組織灌流管、カメラフラッシュ管、及び/又は気腹管などの管によって画定される本明細書で論じる流体経路を含んでもよい。灌流管により、ユーザは、器具の使用中に、視野内のあらゆる破片を除去することができる。多くの場合、これには、余分な血液を除去して目的の場所を見えるようにすることが含まれる。吸引管は、患者の体内から粒子状物質や様々な分泌物を吸引することを可能にする。カメラ洗浄管と気腹管は、Y継手によって連結することができる。挿入管に必要な管の数を最小限にするために、管の様々な組み合わせが考えられる。
【0175】
図29は、挿入管の可撓性アーティキュレーション部802に配置されたアーティキュレーションジョイントアセンブリ800の一例を示す図である。アーティキュレーションジョイントアセンブリは、近位端と遠位端を有する。近位端と遠位端の間には、複数の連結されたアーティキュレーションリンク801が構成されている。各リンクは、リンクが隣接するリンクと接続される接触点803を有する。隣接するリンクは、互いに対してアーティキュレーション運動するように配置される。例えば、隣接するアーティキュレーションリンクは、互いに相対的にある角度で揺動するようにすることができる。例えば、隣接するリンクは、互いに相対的に2xの角度で揺動するようにすることができ、ここで、角度xは、リンクが互いに平行であるときに各隣接リンクの接触点間で測定されるものである。アーティキュレーションジョイントアセンブリの隣接するアーティキュレーションリンクは、アーティキュレーションジョイントアセンブリの他の隣接するアーティキュレーションリンクとは異なる程度で枢動可能であってもよい。好ましくは、隣接するアーティキュレーションリンクは、アーティキュレーションリンクの異なる対の間でアーティキュレーションの角度が異なるように形成することができる。有利には、このような配置は、アーティキュレーション運動中に、可撓性アーティキュレーション部の長さに沿って変化する半径を得るために使用され得る。異なるアーティキュレーション角を有する隣接するリンクの組は、可撓性アーティキュレーション部の長さに沿って変化する曲線を作り出すために使用され得る。
【0176】
図30-
図33には、挿入管の遠位端407にあるエレベータ680の高さを調節するためのエレベータ制御アセンブリ650が示されている。エレベータ制御アセンブリは、プーリハウジングの2つのインナーピースの間に配置することができる。エレベータ制御アセンブリは、エレベータ制御レバー652を含む。エレベータ制御レバーは、曲線トラックによって拘束されたピンを介してアーティキュレーションシャフトの周りでアーティキュレーション運動する。エレベータ制御レバーは、エレベータ駆動ラック654に動作可能に接続される。エレベータ駆動ラックは、エレベータピニオン656に連結されている。エレベータピニオンはまた、エレベータ従動ラック658に動作可能に連結されている。エレベータ従動ラックは、エレベータアーティキュレーション制御ワイヤ660に連結されている。さらに、エレベータ制御アセンブリは、エレベータ従動ラックに連結されたそれぞれのエレベータアーティキュレーション制御ワイヤの周りに巻かれた1つ又は複数のエレベータ制御コイル664を受け入れるエレベータ制御コイル終端ブロック662を含み得る。
【0177】
エレベータ制御レバーのアーティキュレーション運動は、エレベータ駆動ラックを操作し、その結果、エレベータピニオンを回転させる。エレベータピニオンが回転すると、エレベータ従動ラックを駆動して、エレベータ制御コイルが巻かれたエレベータアーティキュレーション制御ワイヤをアーティキュレーション運動させる。例えば、エレベータ制御レバーを一方向に作動させると、エレベータが上昇し、反対方向に作動させるとエレベータが下降する。
【0178】
ユーザ入力がないときにエレベータ制御レバーの位置を維持するために、エレベータ制御アセンブリは、圧縮Oリング668を利用する。Oリングは、ハウジングカバーの1つから延びる突出部670の周りに固定される。Oリングは、エレベータ制御ピニオンに押し付けられ、Oリングとエレベータ制御ピニオンとの間に生じる摩擦を利用して制御レバーの位置を維持する。他の例では、レバーの位置は、ばね要素によって生じる摩擦を利用して維持される。
【0179】
図34-
図37には、挿入管先端アセンブリ850が示されている。挿入管先端アセンブリは、挿入管、遠位エレベータリンク852、遠位キャップ854、及びエレベータアセンブリ681を含む。挿入管は、遠位端407を含む。遠位端は、遠位エレベータリンク、遠位キャップ、及びエレベータアセンブリを含む遠位先端部856を含む。
【0180】
遠位キャップは、キャップがエレベータアセンブリの上をスライドすることを可能にする第1の開口部858を含む。遠位キャップは、器具が遠位キャップを通って出て、患者の体内で動作することを可能にするための第2の開口部860をさらに含む。遠位キャップは、遠位キャップの頂部864に設けられたノッチ862をさらに含む。遠位キャップは、エレベータアセンブリ及び/又は挿入管の遠位部分から取り外し可能とすることができる。いくつかの例では、遠位キャップは含まれない。
【0181】
エレベータアセンブリは、器具を器具管から延出させるための器具管開口部866を含む。器具管437は、挿入管の一部を通って延びるようにすることができる。開口部は、作業チャンバ868に開口する。チャンバは、対向する側壁869、挿入管の遠位面、及びエレベータによって画定されるようにできる。挿入管の開口部に隣接して、エレベータ680がある。エレベータは、処置中に体内の所望の場所にアクセスするために、患者の体内の器具の昇降を調節するために使用することができる。エレベータは、近位端682と遠位端684を含むことができる。エレベータは、ピボットピン686によってエレベータアセンブリに固定することができる。エレベータのアーティキュレーション運動中、エレベータはピボットピンを中心に回転し、エレベータの遠位端を上下に動かすことができる。エレベータを動かすことで、ユーザは、器具を同時に動かすことができる。エレベータは、エレベータの遠位端に、遠位キャップのノッチに対向するノッチ688を含み得る。対向するノッチは、ツールチャネルを通過して患者の体内に入る器具の意図しない長手方向又は横方向の動きを制限するために利用され得る。ノッチ688は、開口部から突出した器具を保持して、器具の制御を高めることができる。
【0182】
エレベータアセンブリは、エレベータ制御ワイヤ870をさらに含む。エレベータ制御ワイヤは、エレベータのアーティキュレーションのための単一のストランド予備成形ワイヤであってよい。エレベータ制御ワイヤは、静止した湾曲ランプ上を並進してエレベータに回転トルクをもたらすことができる。エレベータ制御ワイヤは、エレベータ制御アセンブリによって操作され、エレベータの高さを制御する。
【0183】
エレベータアセンブリは、発光ダイオードからなどの光がそこを通る光窓872をさらに画定するようにできる。これにより、ユーザは、処置中に患者の体を照らすことができる。エレベータアセンブリは、内視鏡医に画像を提供するための撮像窓874をさらに画定してもよい。
【0184】
本開示は、内視鏡アセンブリと、カートリッジと、コンソールとを含むシステムをさらに提供する。
図38は概して、好ましくは医療専門家による使用のために、操作可能に接続されたシステムを示している。システムは、コンソールの制御バルブアセンブリ1100に挿入されるカートリッジを含み得る。カートリッジは、アンビリカルによって内視鏡に接続することができる。例えば、カートリッジは、1つ以上の流体管及び/又は電気伝導体によって内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリに接続されるようにできる。
【0185】
カートリッジは、サポート装置に接続されるようにすることができる。サポート装置は、灌流ポンプ、気腹器、及び/又は真空ポンプ(例えば、スタンドアロン型又は中央型)を含むことができる。カートリッジは、内視鏡とサポート装置との間に配置されるようにできる。
【0186】
いくつかの例では、コンソールは、ユーザが内視鏡システムの様々な変数を変更することを可能にするユーザインタフェース(図示せず)を含むことができる。一例では、ユーザインタフェースは、電気ビジュアルディスプレイに統合されたタッチスクリーンとすることができる。別の例では、ユーザインタフェースは、キーボード、マウス、トラックボール、及び/又はタッチセンシティブポインティングデバイス等を含むことができる。
【0187】
コンソールは、カートリッジを受け入れて作動させるための制御バルブアセンブリを含むことができる。コンソールは、電力、流体及び/若しくは流体圧、真空圧、並びに/又は内視鏡アセンブリとの電気信号の送信及び/若しくは受信を提供することができる。コンソールは、使い捨てシャフトアセンブリの遠位端にあるカメラからのビデオフィードなどの、内視鏡アセンブリから受信した信号を視覚化するためのモニタ(図示せず)を含むことができる。
【0188】
図39を参照すると、制御バルブアセンブリがより詳細に示されている。制御バルブアセンブリは、カートリッジの流体経路の作動可能な部分を選択的に作動させるために使用することができる。制御バルブアセンブリは、アクチュエータ1130と、第1の表面1152及び第2の表面1154を有する支持構造体1150とを含むことができる。
【0189】
アクチュエータは、リニアアクチュエータ又は回転アクチュエータであってもよい。アクチュエータは、ソレノイドであってもよい。1つだけのアクチュエータが出願人には好まれているが、好ましい実施例では、制御バルブアセンブリは4つのアクチュエータを含む。アクチュエータは、カートリッジ内の流体経路のバルブ部分を作動させて、流体経路を選択的に開放及び/又は閉鎖するようにされる。
【0190】
流体経路のバルブ部分は、任意の許容可能なバルブから構成され得る。例えば、バルブ部分は、ペットコックから構成されてもよい。また、バルブ部分は、ドアの第1の表面のアンビルと制御バルブアセンブリのアクチュエータ(例えば、ソレノイド)との間の圧縮用に配置された管の部分(例えば、ピンチバルブ)から構成されてもよい。バルブ部分は、アクチュエータ1132に関連する吸引バルブ、アクチュエータ1134に関連するカメラフラッシュバルブ、アクチュエータ1136に関連する気腹バルブ、及び/又はアクチュエータ1138に関連する気腹ベントバルブなど、内視鏡の任意の数の液体機能のためのバルブとして機能するようにできる。
【0191】
制御バルブアセンブリのアクチュエータは、コンソールによって受け入れられて、アクチュエータをコンソールに電気的に接続する電気コネクタを含む。コンソールに接続されると、コンソールは、カートリッジの流体経路を開放及び/又は閉止するために、電力とユーザが入力したコマンドをアクチュエータに提供することができる。
【0192】
カートリッジは、制御バルブアセンブリによって読み取り可能及び/又は書き込み可能な識別子を含むことができる。識別子は、カートリッジの種類に関する情報及び/又は使用情報(例えば、カートリッジが以前に使用されたことがあるかどうか)を含むことができる。好ましくは、制御バルブアセンブリは、(例えば、カートリッジの種類及び/又はカートリッジが以前に使用されたかどうかを判断するために)カートリッジの識別子を読み取って処理するように構成される。識別子は、カートリッジの電気コネクタを介して、及び/又は他の手段(例えば、RFID、光学系、及び/又は機械的接触)を介して、読み取り可能及び/又は書き込み可能とすることができる。
【0193】
支持構造体の第1の表面は、カートリッジの電気コネクタとの電気的接続を形成するための電気コネクタを含むことができる。コンソールの制御バルブアセンブリとカートリッジとの間の電気的接続は、内視鏡からカートリッジを通ってコンソールに渡された(バルブ/アクチュエータ及び/又は画像データなどの)画像及び制御データをコンソールが受信することを可能にするようにすることができる。電気的接続は、コンソールが内視鏡アセンブリの発光ダイオード(LED)に電力を供給するようにすることができる。
【0194】
カートリッジは、使い捨てカートリッジとすることができる。使い捨てカートリッジは、再使用可能な内視鏡及び/又はコンソール内に含まれた常設のバルブボディの使用の必要性をなくすことができる。これにより、再使用可能なバルブを使用毎に滅菌する必要がなくなる。
【0195】
カートリッジは、ハウジング1210を有する。ハウジングは、第1の側面1212及び第2の側面1214を含むことができる。ハウジングは、流体がカートリッジハウジングに出入りすることを可能にする第1の流体側1220及び第2の流体側1224をさらに含む。ハウジングは、1つ又は複数の流体経路、流体コネクタ、及び/又は電気コネクタを有し得る。例えば、カートリッジハウジングは、内視鏡の電気伝導体と電気的に通信する電気コネクタ1244と、任意に、光センサ較正データ又は内視鏡の固有識別子を含む光センサモジュールとを含むことができる。ハウジングは、窓1270a-1270dを画定することができる。一例では、ハウジングは、4つの窓を含む。窓は、ハウジングの内面によって画定されてもよい。この内面は、ハウジングに概ね円形の開口部を形成することができる。1つの窓の円周は、より大きな流体経路断面を受け入れるために、他の窓よりも大きくてもよい。
【0196】
窓は、コンソールから内面によって画定されたチャンバ1272内にアクチュエータを受け入れるように構成され得る。上述のように、アクチュエータは、窓を通り、及び/又はコンソールの制御バルブアセンブリのドア上のアンビルに接触して、ドアにピンチバルブを形成し得る。カートリッジが制御バルブアセンブリ上に配置されてドアが閉じられると、窓は、ドア上のアンビル及び制御バルブアセンブリのアクチュエータと整列する。窓は、幾何学的形状を画定するように配置することができる。例えば、図示されているように、窓は菱形を画定することができる。
【0197】
上述のように、1つ又は複数のアクチュエータは、カートリッジハウジングの窓の中に延び、及び/又は制御バルブアセンブリのドア上のアンビルに接触して、閉じたときにピンチバルブを形成するように構成されたソレノイドであってもよい。
【0198】
ハウジングは、制御バルブアセンブリの電気コネクタに接続するための電気コネクタをさらに含むことができる。カートリッジの電気コネクタは、コンソールの制御バルブアセンブリの対応する数のフラットパッド電気接点に接触するように構成されたばねフィンガー電気接点であってもよいし、その逆であってもよい。カートリッジハウジングの電気コネクタは、内視鏡によって提供される画像及び制御データをコンソールに送るようにすることができる。ハウジングの電気コネクタは、コンソールから患者の体内で内視鏡によって使用されるLEDに電力を送るようにすることができる。
【0199】
図38には、コンソールの制御バルブアセンブリに挿入されたカートリッジの図が示されている。図示のように、カートリッジは、制御バルブアセンブリの支持構造体の第1の表面の間に挿入される。カートリッジの第1の流体側は、アンビリカル内へと続き内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリ(図示せず)に至る緩い管を含むことができる。
【0200】
カートリッジの第2の流体側は、サポート装置に接続される。サポート装置は、灌流ポンプ、気腹器、及び/又は真空ポンプ(スタンドアロン型又は中央型)を含むことができる。カートリッジは、内視鏡とサポート装置との間の流体連通を提供することができる。
【0201】
制御バルブアセンブリは、レッジ面1110及びラッチ1120を含むことができる。カートリッジは、レッジ面及びラッチ受け部を含んでもよい。代替例では、制御バルブアセンブリがラッチ受け部分を含み、カートリッジがラッチを含んでいてもよい。カートリッジが制御バルブアセンブリによって受け入れられると、ラッチはラッチ受け部に接触してカートリッジの第1の端部を制御バルブアセンブリに固定する。これとは別に、ラッチ及びラッチ受け部の反対側で、カートリッジのレッジ面と制御バルブアセンブリのレッジ面とが互いに接触してカートリッジの第2の端部を制御バルブアセンブリに固定する。
【0202】
いくつかの例では、カートリッジは、カートリッジの第1の側面に位置する2つ以上の磁石1250を含むことができる。いくつかの例では、1つの磁石がカートリッジの第1の側面の底部に位置し、第2の磁石がカートリッジの第1の側面の頂部に位置する。制御バルブアセンブリの第1の面は、カートリッジ上の磁石の位置に対応した2つ以上の(ホール又はリード)磁気センサ1180を含むことができる。例えば、一方は第1の表面の底部に位置し、他方は第1の表面の頂部に位置する。カートリッジの底部の磁石は、制御バルブアセンブリの底部の磁気センサと干渉して、アクチュエータ(例えば、ソレノイド)バルブを引き込むように作動させ、カートリッジを制御バルブアセンブリ内に傾けるのに必要な力を低減させる。頂部の磁石は、制御バルブアセンブリの頂部の磁気センサと干渉して、コンソール上のカートリッジの存在を確認し、適切なアクチュエータを解放して内視鏡検査のためのアクチュエータ動作モードを開始するようにコンソールを作動させる。
【0203】
図38は、第1のカートリッジ500a、第2のカートリッジ500bを有するコンソールを示している。第1のカートリッジは第1の内視鏡(図示せず)に接続され、第2のカートリッジは第2の内視鏡(図示せず)に接続されるようにできる。第1のカートリッジ及び第2のカートリッジは、それぞれ、コンソールの第1の制御バルブアセンブリ及び第2の制御バルブアセンブリにしっかりと挿入されるようにできる。コンソールは、第1及び第2の制御バルブアセンブリと共に図示されているが、コンソールは、それぞれが独立したカートリッジを受け入れることができる任意の数の制御バルブアセンブリを有することができる。第1の制御バルブアセンブリは第1のカートリッジを受け入れ、第2の制御バルブアセンブリは第2のカートリッジを受け入れるようにすることができる。すべての医療処置の間に、すべての制御バルブアセンブリがカートリッジを受け入れる必要はない。
【0204】
図示されるように、各カートリッジは、別個のサポート装置のセットと、内視鏡などの独立した医療器具とに接続されるようにすることができる。
【0205】
第1の制御バルブアセンブリ及び第2の制御バルブアセンブリは、独立して及び/又は主/従の通信形態で動作するように構成される。第1の又はマザー内視鏡が主コントローラであり、第2の又はドーター内視鏡が従コントローラであってもよい。そのようにした場合、第1の内視鏡の制御装置は、1つ以上の副内視鏡の機能(例えば、画像制御及び/又はLED)を制御することができる。主内視鏡は、(例えば、コンソールに接続された1つ以上のカートリッジを介して)電気信号を第2の制御バルブアセンブリに供給することによって副内視鏡の流体経路の機能を制御して、本明細書に記載のアクチュエータを選択的に作動させるようにすることができる。第1の内視鏡は、さらに、第1の内視鏡からの電気信号を提供して第2の制御バルブアセンブリの状態を変化させる(例えば、第2の制御バルブアセンブリから第2の内視鏡のカートリッジに提供される電気信号を変化させる)ことにより、第2の内視鏡の機能(例えば、LED及び/又はカメラの動作)を制御するようにすることができる。例えば、制御バルブアセンブリは、第1の内視鏡から受信した信号に基づいて、第2の内視鏡のLED及び/又はカメラに電気信号を提供することができる。さらに、複数の内視鏡を一度にセットアップして処置に利用することを可能にし、1つの内視鏡を別の内視鏡に交換するために通常かかる多くのセットアップ時間を排除又は短縮し、及び/又は複数の制御コンソールなどの追加の機器の必要性を排除又は低減する。
【0206】
コンソールは、タッチスクリーンのユーザインタフェースを備える。ユーザインタフェースは、任意の適切な入力/出力装置であってよい。
【0207】
使い捨てシャフトアセンブリは、挿入管と、カートリッジに接続されてコンソールに接続されたアンビリカルと、使い捨てシャフトアセンブリの内腔に(例えば、生検のようなサンプルを採取するために)選択的にアクセスするための及び/又は使い捨てシャフトアセンブリの内腔を通して流体を送るためのアクセスポートと、使い捨てシャフトアセンブリを再使用可能なハンドピースに電気的に接続するための電気コネクタと、を含み得る。
【0208】
アンビリカルは、カートリッジから内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリまで延びることができる。アンビリカル内で挿入管の遠位先端部まで、複数の流体経路及び/又は電気配線が延びる。流体経路は、吸引、組織潅注、カメラ洗浄、及び/又は気腹のための経路を含むことができる。流体経路は、内視鏡の遠位先端部からアンビリカルの先端まで、バルブを有さないようにすることができる。流体経路は、カートリッジの境界内においてのみバルブを含むことができる。
【0209】
好ましくは、1つ又は複数の流体経路は、使い捨てシャフトアセンブリからカートリッジまで延びるモノリシック管によって画定される。より好ましくは、モノリシック管は、カートリッジを通って、カートリッジの第2の流体側の外にまで延びる。
【0210】
カメラ洗浄流体経路及び気腹流体経路は、使い捨てシャフトアセンブリのT継手によって、それら経路を組み合わせたものにすることができる。これにより、気腹からの圧力を使用して、水を水源からカメラ洗浄流体経路を通して遠位端から押し出し、カメラレンズから処置中に集まった破片(デブリス)を取り除くことができる。
【0211】
アンビリカルは、画像データ導体、制御データ導体、及び/又はLED電力導体を更に含むことができる。画像データ導体及び/又はLED電力導体は、使い捨てシャフトアセンブリを通って挿入管の遠位先端部まで延びるようにできる。画像データ導体は、カメラから取り込んだ画像データをコンソールに送ることを可能とする。LED電力導体は、コンソールから挿入管の遠位端のLEDに電力を供給し、処置のための照明を提供することができる。制御データ導体は、再使用可能なハンドピースの制御装置からカートリッジへの制御データの通信を可能にし、その結果、コンソールへの通信を可能にする。
【0212】
図40-
図52は、内視鏡アセンブリ又は内視鏡アセンブリの一部のような医療製品の無菌性を維持するためのパッケージシステム及び方法を示す図である。開示されたパッケージシステムは、多くの医療製品に使用することができるが、本開示では説明の目的でのみ、医療製品を内視鏡アセンブリとして述べる。一例では、パッケージアセンブリ2000は、第1の端部2204及び第2の端部2206を有する細長いトレイ2202を含む。トレイは、内視鏡アセンブリを保持するための凹部2208を画定している。いくつかの例では、トレイは、熱成形によって製造されてもよく、また使用後にトレイをリサイクルすることを可能にするリサイクル可能な材料で作られてもよい。
【0213】
トレイは、医療製品が一形態でトレイ内に単に配置され得るように形成されてもよい。トレイは、単一の材料又は複数の材料から熱成形されてもよい。トレイは、好ましくは、凹部2208を画定する。凹部は、好ましくは、複数の区画を画定して内視鏡アセンブリの様々な部分をトレイに収容するようにできる。凹部は、挿入管区画2210、使い捨てシャフトアセンブリ区画2212、アンビリカル区画2214、及びカートリッジ区画2216を含むことができる。凹部は、追加の部品がトレイ内に格納される場合には、追加の区画を含むことができる。より少ない部品が同じトレイ内に格納される場合には、凹部はより少ない区画を含むことができる。例えば、カートリッジは、別個に販売されるか、又はパッケージシステム内の別個の容器に入れられて販売されることがあり、その場合、トレイ内のカートリッジ区画の必要性はなくなる。
【0214】
トレイは、トレイの第1の端部にハンガースロット2218、例えば一対のハンガースロットを含むことができる。ハンガースロットは、別個の部分として取り付けられるか、又はトレイを形成する材料から形成され得る。ハンガースロットは、細長いパッケージが支持アーム2220から吊り下げられることを可能にする。支持アームは、手術室の壁又は天井に取り付けることができる。いくつかの例では、支持アームは、カート2222に取り付けることができる。支持アームに垂直方向に取り付けられると、トレイの一部又は全体が床の上方に吊り下げられる。このような配置は、汚染物質がトレイに入ることを回避し、及び/又は医療従事者の使い勝手を向上させ得る。
【0215】
パッケージシステムは、トレイの凹部を覆って延びて外部の汚染物質から密閉し、内視鏡アセンブリを無菌的に密閉された状態に保持するカバー2224(例えば、無菌バリア)をさらに含むことができる(分解
図47に示す)。カバーは、ユーザが内視鏡アセンブリに容易にアクセスすることを可能にする剥離可能なカバーであってもよい。カバーは、タイベック(登録商標)のような高密度ポリエチレン繊維で作られてもよい。
【0216】
いくつかの例では、トレイは、再使用可能なハンドピースと使い捨てシャフトアセンブリを含む2ピース内視鏡を含むことができる。図示の例では、使い捨てシャフトアセンブリのみがパッケージングシステムに含まれている。再使用可能なハンドピースがパッケージングシステムに含まれてもよい。使い捨てシャフトアセンブリは、内視鏡の患者側の端部に挿入管を含むことができる。使い捨てシャフトアセンブリは、カートリッジにまで延びてカートリッジに接続されるアンビリカルを更に含むことができる。トレイ内の部品の任意の組み合わせが、他の部品と接続されて及び/又は完全に組み立てられて提供され得る。
【0217】
図45~49に例示されているように、パッケージシステムは、第1のカバー2226を含むことができ、いくつかの例では、パッケージシステムは、複数のカバーを含むことができる。図示の例では、第1のカバーは、トレイ(例えば、カートリッジ区画)内にカートリッジを保持するために使用される。パッケージシステムは、トレイ(例えば、使い捨てシャフトアセンブリ区画)内に使い捨てシャフトアセンブリを保持するための第2のカバー2228を含むことができる。
【0218】
処理の準備中に、ユーザは、カバー(例えば、無菌バリア)を剥がして内視鏡アセンブリへのアクセスを可能にすることができる。本明細書において、ユーザは、内視鏡医、看護師、技術者、医師、又は処理にかかわり得る他の任意の個人を意味する。いくつかの例では、セットアップ中に、カバーを一度に一部だけ剥がすことができる。ユーザは、カバー(例えば、無菌バリア)を部分的にだけ剥がすことにより、処置のために内視鏡をセットアップしつつ、内視鏡アセンブリの残りの部分を無菌に保ち及び/又は汚染のリスクを低減させることができる。
図41、
図42及び
図48では、第1のカバーを剥がしてカートリッジを露出させることができる。処置のために内視鏡アセンブリの残りの部分を準備する前に又は準備するのと同時に、(
図39に示すように)カートリッジをコンソールに取り付けるために、カートリッジ及びアンビリカルを取り外すことができる。
【0219】
有利には、カバー(例えば、無菌バリア)の一部のみ及び/又はカバーの全部よりも少なく剥がすことによって、ハンドル及び挿入管は依然として様々な汚染物質から保護される。多くの場合、
図40に示されるように、パッケージシステムは支持アームから吊り下げられている。パッケージが開けられると、セットアップ/準備中に挿入管が揺れて、カート、カートの車輪、床、又は室内を動くユーザにぶつかることがある。挿入管をカバー(例えば、無菌バリア)で覆っておくことで、無菌密閉は破られていても、カバーは、周囲のあらゆるものとの接触を防ぐことで、挿入管を様々な汚染物質の付着から保護する。
【0220】
次に、第2のカバーを引っ張って、使い捨てシャフトアセンブリ区画内の使い捨てシャフトアセンブリへのアクセスを可能にするようにできる。ユーザがカバーを一度に一部だけ剥がすのか又は一度に全てを剥がすのかに応じて、第2のカバー(例えば、無菌バリア)を、このステップを完了するためにさらに剥がすことができる。いくつかの例では、第2のカバーを引き剥がす前に第1のカバーを引き剥がす必要があり、ユーザは同じセットアップ手順に従うことを要求される。他の例では、第2のカバーは第1のカバーから独立しており、両方のカバーに別々にアクセスすることができる。第2のカバーが引き剥がされると、使い捨てシャフトアセンブリをセットアップのために取り外すことができる。使い捨てシャフトアセンブリ及び挿入管を容易に取り外すために、カバーをトレイの側面に沿って垂直にスライドして挿入管を(
図49に見られるように)より大きく露出させるようにすることができる。
【0221】
図40-
図44に示すように、再使用可能なハンドピースは、支持アームによって保持されるようにできる。使い捨てシャフトアセンブリがパッケージシステムから取り出されると、使用者は、使い捨てシャフトアセンブリを再使用可能なハンドピースに結合することができる。
【0222】
パッケージシステムの第2の例が、
図40、
図50、
図51及び
図52に示されている。この実施例は、湾曲した可撓性内視鏡のパッケージング2300である。パッケージアセンブリはトレイ2302を含む。トレイは、内視鏡アセンブリを保持するための凹部2304を画定している。いくつかの例では、トレイは熱成形によって製造され、また使用後にトレイをリサイクルすることを可能にするリサイクル可能な材料で作ることができる。
【0223】
トレイは、医療製品が一形態でトレイ内に単に配置され得るように形成することができる。トレイは、熱成形することができる。トレイは好ましくは凹部を画定する。凹部は、好ましくは、内視鏡アセンブリの様々な部品を収容するための複数の区画/トラックを画定する。凹部は、挿入管トラック2306、使い捨てシャフトアセンブリ区画2308、アンビリカルトラック2310、及びカートリッジ区画2312を含んでよい。湾曲パッケージシステムは、吸引管を保持するための吸引管区画2314をさらに含んでもよい。上述の細長いトレイとは異なり、挿入管及びアンビリカルのための区画は、トレイの中心を取り囲んでいる。アンビリカルと挿入管は、パッケージの中心を囲むように巻かれる。アンビリカルと挿入管のトラックは重るようにできる。トラックが重なる場合、アンビリカルは挿入管の上とすることができる。凹部は、追加の部品がトレイ内に格納される場合には、追加の区画を含むことができる。より少ない部品が同じトレイ内に格納される場合には、凹部はより少ない区画を含むようにできる。例えば、カートリッジは、別個に販売されるか、又はパッケージシステム内の別の容器に入れられて販売されるようにすることができ、その場合、トレイ内にカートリッジ区画を設ける必要はなくなる。
【0224】
トレイは、トレイの上端にハンガースロット2316(
図52)、例えば一対のハンガースロットを含むことができる。ハンガースロットは、別個の部分として取り付けられ、及び/又はトレイを形成する材料によって画定され得る。ハンガースロットは、パッケージが支持アーム2220から吊り下げられることを可能にする。支持アームは、手術室の壁又は天井に取り付けることができる。いくつかの例では、支持アームは、カートに取り付けることができる。支持アームに取り付けられると、トレイの全体が床の上方に吊り下げられる。湾曲パッケージシステムのコンパクトな構成のため、トレイは、必要ならば、支持アームから吊り下げるのではなく、カートに載せることができる。
【0225】
パッケージシステムは、トレイの凹部を覆って延び及び/又は外部の汚染物質から密閉して内視鏡アセンブリを無菌状態に保持するカバー(例えば、無菌バリア)を更に含むことができる。カバーは、ユーザが内視鏡アセンブリに容易にアクセスすることを可能にする剥離可能なカバーとすることができる。カバーは、タイベック(登録商標)のような高密度ポリエチレン繊維で作ることができる。
【0226】
細長いパッケージシステムと同様に、湾曲パッケージシステムは、第1のカバー2340(
図52に図示)を含むことができ、いくつかの例では、パッケージシステムは、2つ以上のカバーを含むことができる。図示された例では、第1のカバーは、トレイ/カートリッジ区画内にカートリッジを保持するために使用される。パッケージシステムは、トレイ/使い捨てシャフトアセンブリ区画内に使い捨てシャフトアセンブリを保持するための第2のカバー2342を含むことができる。
【0227】
細長いパッケージングシステムと同様に、湾曲したパッケージングシステムは、ユーザが内視鏡アセンブリを所望の順序で取り外すことを促すように設計することができる。セットアップ中、カバー(例えば、無菌バリア)は、内視鏡アセンブリの全体にアクセスするために、部分的に及び/又は完全に除去(例えば、剥離)され得る。このパッケージシステムの構成により、パッケージシステム内に汚染物質が存在する危険性が低減される。
【0228】
まず、カートリッジを保持する第1のカバーを動かして、カートリッジにアクセスできるようにする。カートリッジとアンビリカルを取り外して、カートリッジをコンソールに取り付けることができる。次に、第2のカバーを動かして使い捨てシャフトアセンブリにアクセスすることができるようにする。使い捨てシャフトアセンブリをトレイから取り外して、再使用可能なハンドピースアセンブリに取り付けることができる。最後に、挿入管を取り外して、患者に挿入するか又は処置の開始まで無菌表面に置いておくことができる。
【0229】
図53は、コネクタ、例えばT継手5302、を組み込んだ吸引管5300の延長部を有するカートリッジ500を示す。この構成は、インラインのT継手を有する吸引管を組み込んだ柔軟な使い捨ての観察内視鏡と共に使用することができる。T継手は、取り外し可能なキャップ5304を含むことができる。取り外し可能なキャップは、T継手が使用されていないときにT継手のサイドポート5306を汚染物質の混入から保護し、使用が望まれるときに取り外し可能とされている。T継手のサイドポートは、胆管鏡の吸引管のコネクタに嵌合することができる。
【0230】
図54は、内視鏡処置中にモニタに表示する1つ以上の内視鏡の撮像装置を選択する方法を示す図である。多くの場合、内視鏡処置中には、複数の内視鏡がその処置の実行のために利用される。本方法は、どの内視鏡の画像をモニタに表示するべきであるかを特定することに関する。いくつかの実施形態では、複数のモニタが使用され得る。他の実施形態では、1つのモニタを使用して、それに全ての内視鏡の画像を表示するようにすることができる。1つのモニタを使用する場合、使用されている内視鏡は、同じ画面/モニタ上の他の小さな画像の中で最も支配的な画像又は最大の画像として識別されて表示されるようにすることができる。
【0231】
本方法は、処置中のある時点で使用されている内視鏡を識別することを含むことができる。内視鏡は、例えば機械スイッチ、誘導スイッチ、又は容量性スイッチ(例えば、タッチスイッチ)のようなスイッチを用いて識別されるようにすることができる(5400)。スイッチは、センサであってもよい。いくつかの実施形態では、スイッチはタッチスイッチであり、内視鏡が内視鏡医によってピックアップされると、スイッチが作動して、処置において現在使用されている内視鏡を識別する。スイッチが作動すると、どの内視鏡が使用されているかを識別するために、スイッチからコントローラに信号がリレーされる(5402)。コントローラは、関連する内視鏡からモニタに信号/画像をリレーする(5404)。識別された画像は、内視鏡が使用されている間、スクリーン上の支配的な画像となる。いくつかの例では、複数の内視鏡が同時に使用されることがある。複数の内視鏡が同時に使用される場合、使用中の内視鏡からの画像は、同じ大きさとしてモニタに表示されるようにできる。他の例では、1つの支配的な内視鏡が識別されるようにできる。支配的な内視鏡が他の内視鏡と同時に使用されている場合、支配的な内視鏡からの画像が、モニタ上で最大の画像とされるようにすることができる。
【0232】
図55~
図68は、様々なタイプの内視鏡、例えば胃カメラ、大腸カメラ、十二指腸カメラ又は胆管鏡、に使用される画像センサセンブリ5500の3つの実施形態を示している。大まかに言えば、カメラ・LEDボード5502が挿入管の遠位端に配置され、電気コネクタを有するケーブル5504が、挿入管の遠位端から挿入管の近位端まで、及びカートリッジ内の電気コネクタ/回路基板1244まで延びるようにすることができる。上述したように、カートリッジの電気コネクタは、コンソールと接続され、カートリッジとコンソールとの間で電気信号を通す。いくつかの実施形態では、カートリッジの電気コネクタは、コンソール上のばねフィンガーと接触するためのばねフィンガー電気コネクタ5506を含み得る。
【0233】
画像センサセンブリは、カメラ・LEDボードを含む。カメラ・LEDボードの一側は、ケーブルに接着される。ケーブルは、当技術分野で知られる任意の方法、例えば接着剤でボードに接着され得る。複数のワイヤ(図示せず)が、ケーブルの遠位端から延びてボードにはんだ付けされる。ワイヤは、カートリッジとカメラ5508及びLED5510との間で信号を送るためにボードにはんだ付けされる。同じワイヤの他端は、ケーブルの近位部分から延び、フレックス回路5512の表面上にはんだ付けされる。ワイヤは、フレックス回路の表面にわたって適切に間隔を空けて配置されるようにできる。
【0234】
フレックス回路は、マイクロコネクタ5514に動作可能に取り付けられる。マイクロコネクタは、カートリッジの電気コネクタに配置された反対側の部分5518を有する雄又は雌部分5516のいずれかであってもよい。雄部分及び雌部分が、カメラ及び/又はLEDとカートリッジとの間の電気経路を完成させるために接続される。いくつかの実施形態では、マイクロコネクタは、メザニンコネクタであってもよい。
【0235】
フレックス回路及びマイクロコネクタは、好ましくは、1mm未満の組み合わせの高さを有する。より好ましくは、フレックス回路とマイクロコネクタの組み合せの高さは、0.8mm未満である。この配置は、0.6mmから0.8mmの範囲の組み合わせの高さを有することができる。フレックス回路自体の高さは、約0.2mmを有することができる。
【0236】
組み立てにおいて、フレックス回路及びマイクロコネクタを含むワイヤの近位端は、挿入管の遠位端内に通されて、挿入管の近位端に向かって挿入管に通される。その後、フレックス回路及びマイクロコネクタは、内視鏡及びアンビリカルを通され、アンビリカルの端部に動作可能に接続されたカートリッジに通される。そして、フレックス回路に配置されたマイクロコネクタの雌部分又は雄部分が、カートリッジの電気コネクタに配置されたマイクロコネクタの対応する部分と接続される。有利には、この製造方法では、カメラ・LEDボードをケーブルに接続する前にケーブルを挿入管に通すという、困難で時間がかかる可能性があることを避けることができる。さらに、この方法は、カメラを挿入管に通すという、カメラを損傷する可能性があり及び/又はカメラを収容するためにより大きな挿入管が必要となる可能性のあることを避けることができる。
【0237】
回路基板は、カメラからの撮像データを記憶するための記憶装置5520をさらに含んでもよい。
【0238】
画像センサセンブリは、カートリッジ内の電気コネクタ/回路基板1244の第2のコネクタ5523に接続可能な、カートリッジ電気コネクタ上の第2のマイクロコネクタ5522をさらに含んでもよい。第2のマイクロコネクタはまた、上記の説明における配置と同様に、フレックス回路5524に取り付けられる。フレックス回路は、カートリッジ回路基板上のフレックス回路から使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタ5526にまで延びるワイヤを含む。使い捨てシャフトアセンブリ電気コネクタは、2つの内視鏡ピースの間で電気信号/コマンドを伝送するために、再使用可能なハンドピースの電気コネクタに接続可能である。
【0239】
明細書及び特許請求の範囲に関して、単数形の「a」、「an」、「the」等に対応する文言は、明示的に別の議論がない限り、複数の場合を含むことに留意されたい。例示として、初めて言及される「装置」又はそれを受けて言及される「装置」の文言は、そのような装置及びその等価物の1つ又は複数を含む。また、「上」、「下」、「頂部」、「底部」、「左」、「右」等の方向性用語は、図示された実施例の読者の理解を助けるために読者の便宜のためにのみ本明細書で使用されており、これらの方向性用語の使用が、いかなる態様でも、説明され、図示され、及び/又は特許請求された特徴を特定の方向及び/又は向きに制限することを意図するものではない。
【0240】
特許請求の範囲及びの明細書で使用される言葉は、以下に明示的に定義される用語を除き、その平易かつ通常の意味のみを有するものである。このような平易かつ通常の意味は、ここでは、(本書の出願日において)最近発行された汎用メリアム-ウェブスター辞書(Merriam-Webster dictionary)のすべての一貫した辞書の定義を含むものとする。
【0241】
特許請求の範囲及び明細書において使用される場合、以下の用語は、以下の定義された意味を有する。
【0242】
本明細書で使用する「摩擦嵌合」という用語は、部品が一緒に押された後、摩擦によって一緒に保持されることを意味する。この用語は、ファスナー(例えば、ネジ、ボルト)又は接着剤による固定を意味するものではない。
【0243】
本開示は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されているが、これらは例示的なものであり、制限的な性格のものではなく、好ましい実施例のみが図示及び説明されており、以下の請求項によって定義される開示内容に入るすべての変更、同等物、及び改変が保護されることが望まれる。本明細書において引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれ、その全体が本明細書に記載されることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照によりここに組み込まれる。
【0244】
本開示を理解する上で有用な具体例を以下に番号を付けて示す。
1. 複数の部品を有する医療製品のためのパッケージシステムであって、
無菌環境下で医療製品の複数の部品を保持するための凹部を画定するトレイと、
該トレイに結合された第1のカバーであって、該複数の部品のうちの第1の部品を該凹部の第1の部分内に保持する第1のカバーと、
該トレイに結合された第2のカバーであって、該第1のカバーが少なくとも部分的に取り外されるまでは該トレイから取り外し不可能であり、該複数の部品のうちの第2の部品を該凹部の第2の部分内に保持する第2のカバーと、
該第1のカバー及び該第2のカバーを覆い、該トレイの該凹部に無菌バリアを提供する第3のカバーと、
を有する、パッケージシステム。
2. 内部に、該トレイと、該第1、第2及び第3のカバーとが配置される医療品箱を更に有する、上記1に記載のパッケージシステム。
3. 該トレイの第1の端部に設けられ、該トレイを垂直方向に吊り下げるための支持体を受け入れるように構成されたスロットを更に有する、上記1又は2に記載のパッケージシステム。
4. 該第1のカバーは、該トレイが垂直方向に吊り下げられているときに、該凹部の第1の部分内に該医療製品の該第1の部品を保持するようにされた、上記1乃至3のいずれかに記載のパッケージシステム。
5. 該第2部品が、内視鏡システムの再使用可能なハンドピースに選択的に取り付け可能な使い捨てシャフトアセンブリである、上記1乃至4のいずれかに記載のパッケージシステム。
6. 該第1の部品が、ポンプに取り付け可能なカートリッジである、上記1乃至5のいずれかに記載のパッケージシステム。
7. 該トレイに結合され、該トレイの凹部内に吸引管を保持する第4のカバーを更に有する、上記1乃至6のいずれかに記載のパッケージシステム。
8. 該第4のカバーは、該第3のカバーの下に配置されている、上記7に記載のパッケージシステム。
9. 医療用パッケージの第1のカバーの少なくとも一部を取り外して、医療用パッケージの凹部の第1の部分を露出させ、該医療用パッケージの第2のカバーを露出させることと、
流体ポンプに取り付けられるように構成されたカートリッジを該第1の部分から取り外すことと、
該第1のカバーを取り外した後に、該医療用パッケージの該第2のカバーの少なくとも一部を取り外して、該医療用パッケージの該凹部の第2の部分を露出させることと、
内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリのハンドル部分を該凹部の該第2の部分から取り外すことと、
を有する方法。
10.該ハンドル部分を取り外した後に、該凹部の該第2の部分から該使い捨てシャフトアセンブリの挿入部分を取り外すことをさらに含む、上記9に記載の方法。
11.該医療用パッケージの挿入部分を取り外すことが、該第1のカバーを取り外して該挿入部分を露出させることを含む、上記10に記載の方法。
12. 該第1のカバー及び該第2のカバーの上に無菌バリアを形成する第3のカバーを取り外すことをさらに含む、上記9乃至11のいずれかに記載の方法。
13.該第3のカバーを取り外すことが、該第1のカバー及び該第2のカバーを取り外す前に行われる、上記12に記載の方法。
14.医療器具をパッケージングする方法であって、
医療器具の第2の部品を、トレイによって画定された凹部の第2の部分内に配置することと、
該第2の部品を第2のカバーで覆うことと、
該医療器具の第1の部品を、該トレイによって画定された該凹部の第1の部分内に配置することと、
該第1の部品と該第2のカバーの少なくとも一部とを第1のカバーで覆うことと、
少なくとも該第1のカバーと該第2のカバーを第3のカバーで覆い、該凹部内に無菌環境を画定することと、
を有する、医療器具をパッケージングする方法。
15.該医療器具の第3の部品を該凹部の第3の部分内に配置することを更に有する、上記14に記載の医療器具をパッケージングする方法。
16.遠位先端部を含む遠位端を有する挿入管と、
該遠位先端部の表面の開口部であって、該挿入管内に延びる器具管を通して挿入された器具が延出する開口部と、
エレベータアセンブリであって、
近位端と遠位端とを有するエレベータ、
該エレベータアセンブリの少なくとも一部を覆う遠位キャップ、及び
該開口部から延出する器具の動きを制限するための一対の対向するノッチ、を有し、
該一対の対向するノッチの第1のノッチは、該エレベータの遠位端によって画定され、
該一対の対向するノッチの第2のノッチは、遠位キャップによって画定されている、
エレベータアセンブリと、
を有する内視鏡。
17.該エレベータアセンブリが、該エレベータに動作可能に結合されたエレベータ制御ワイヤであって、加えられる力によって該エレベータの高さを調節するエレベータ制御ワイヤを更に有する、上記16に記載の内視鏡。
18.該エレベータ制御ワイヤが、単一のストランド予備成形ワイヤである、上記17に記載の内視鏡。
19.該エレベータ制御ワイヤが、静止した湾曲ランプ上を並進し、エレベータに回転トルクをもたらす、上記16又は17に記載の内視鏡。
20.該遠位キャップが、該エレベータアセンブリから取り外し可能である、上記16乃至19のいずれかに記載の内視鏡。
21.再使用可能なハンドピースアセンブリ及び使い捨てシャフトアセンブリを有し、
該再使用可能なハンドピースアセンブリは、選択的に、該使い捨てシャフトアセンブリに取り付け可能、及び該使い捨てシャフトアセンブリから取り外し可能とされ、
該使い捨てシャフトアセンブリは、ハウジングと挿入管を含み、
該ハウジングが、該挿入管の遠位端のエレベータの動作を制御するためのエレベータ制御アセンブリを含み、
該エレベータ制御アセンブリが、該ハウジングから延出する作動可能なレバーを有し、該レバーが、一つのエレベータ駆動ラックを作動させるように動作可能に連結され、該エレベータ駆動ラックがピニオンを作動させるように動作可能に連結され、該ピニオンがエレベータ従動ラックを作動させるように動作可能に連結され、該エレベータ従動ラックがエレベータ制御ワイヤを作動させるように動作可能に連結され、該エレベータ制御ワイヤに作用する力により該エレベータの高さを調整するようにされている、医療器具。
22.医療器具であって、
該医療器具の第1のアーティキュレーションワイヤに関連付けられ、回転されたときに該医療器具の遠位端を第1の平面内で曲げるようにされた第1のプーリを備え、
該第1のプーリが、回転停止アイドラに対して第1の回転距離を超えない範囲で回転可能であり、
該回転停止アイドラが、内視鏡のハウジングに対して第2の回転距離を超えない範囲で回転可能であり、
該第1のプーリが、該第1の回転距離と該第2の回転距離の和を超えない範囲で、該ハウジングに対して回転可能である、医療器具。
23.該回転停止アイドラは、該第1のプーリに接触する第1の側面と、該ハウジングに接触する第2の側面とを有する、上記22に記載の医療器具。
24.該第1の側面が第1の溝を含み、該第2の側面が第2の溝を含み、
該第1のプーリのボスが、該回転停止アイドラの該第1の溝内に摺動可能に受け入れられ、
該ハウジングのボスが、該回転停止アイドラの該第2の溝内に摺動可能に受け入れられている、上記23に記載の医療器具。
25.
該医療器具の第2のアーティキュレーションワイヤと関連付けられ、回転されたときに該医療器具の該遠位端を第2の平面内で曲げるようにされた第2のプーリを備え、
該第2のプーリが、第2の回転停止アイドラに対して第3の回転距離を超えない範囲で回転可能であり、
該第2の回転停止アイドラが、該内視鏡の該ハウジングに対して第4の回転距離を超えない範囲で回転可能であり、
該第2のプーリが、該第3の回転距離と該第4の回転距離の和を超えない範囲で、該ハウジングに対して回転可能である、上記22乃至24のいずれかに記載の医療器具。
26.該第2の平面は、該第1の平面と直交している、上記25に記載の医療器具。
27.該第2の回転停止アイドラは、該第2のプーリに接触する第1の側面と、該ハウジングに接触する第2の側面とを有する、上記25又は26に記載の医療器具。
28.該第2の回転停止アイドラの該第1の側面は第1の溝を含み、該第2の側面は第2の溝を含み、
該第2のプーリのボスが、該第2の回転停止アイドラの該第1の溝内に摺動可能に受け入れられ、
該ハウジングのボスが、該第2の回転停止アイドラの該第2の溝内に摺動可能に受け入れられている、上記27に記載の医機器。
29.該ハウジングが、使い捨てシャフトアセンブリの一部であり、
該使い捨てシャフトアセンブリは、該第1のプーリを回転させるための制御ノブ及びシャフトを有する再使用可能なハンドピースアセンブリに対して選択的に取り付け可能及び取り外し可能である、上記22乃至28のいずれかに記載の医療器具。
30.該医療器具が内視鏡である、上記22-30のいずれかに記載の医療器具。
31.医療器具であって、
再使用可能なハンドピースアセンブリと、使い捨てシャフトアセンブリを備え、
該再使用可能なハンドピースアセンブリが、選択的に、該使い捨てシャフトアセンブリに取り付け可能、及び該使い捨てシャフトアセンブリから取り外し可能とされ、
該再使用可能なハンドピースアセンブリが、ハウジング及びアーティキュレーション・ブレーキアセンブリを含み、該アーティキュレーション・ブレーキアセンブリは、第1のアーティキュレーション制御ノブ、第2のアーティキュレーション制御ノブ、及び第1のアーティキュレーションブレーキノブを含み、
該第1のアーティキュレーション制御ノブ、該第2のアーティキュレーション制御ノブ、及び/又は該第1のアーティキュレーションブレーキノブが、該再使用可能なハンドピースアセンブリに対して選択的に取り付け可能及び取り外し可能とされている、医療器具。
32.該第1のアーティキュレーション制御ノブ、該第2のアーティキュレーション制御ノブ、及び/又は該第1のアーティキュレーションブレーキノブは、摩擦嵌合にのみによって該再使用可能なハンドピースアセンブリに取り付けられている、上記31に記載の医療器具。
33.該アーティキュレーション・ブレーキアセンブリは、保持クリップによって該再使用可能なハンドピースアセンブリのハウジングに取り付けられている、上記31又は32に記載の医療器具。
34.該保持クリップは、該アーティキュレーションノブ・ブレーキアセンブリを該再使用可能なハンドピースアセンブリの該ハウジングに取り付けるために、上下アーティキュレーションハブに結合されている、上記33の医療器具。
35.内視鏡であって、
該内視鏡のハウジングに対する第1のアーティキュレーション制御ノブの回転を許容する非係合位置から、該ハウジングに対する該第1のアーティキュレーション制御ノブの回転に抵抗する係合位置まで変位可能な第1のアーティキュレーションブレーキを備え、
該ハウジングに対する該第1のアーティキュレーション制御ノブの回転により、第1のアーティキュレーション制御シャフトが第1の軸の周りで回転するようにされ、
該アーティキュレーションブレーキが、該第1の軸に対して非直交の角度の複数の制動面を含み、
該第1のアーティキュレーションブレーキが該係合形態とされたときに、該制動面は、第1の大きさを有する法線力で互いに向かって押され、
該第1のアーティキュレーションブレーキが該非係合位置とされたときに、該制動面は、互いに離れているか、又は該第1の大きさよりも小さい大きさを有する法線力で互いに接触しているようにされた、内視鏡。
36.該ハウジングは、選択的に該内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリに取り付け可能及び該内視鏡の使い捨てシャフトアセンブリから取り外し可能である再使用可能なハンドピースアセンブリの一部である、上記35に記載の内視鏡。
37.医療器具であって、
プーリと、
該プーリに連結され、該プーリから離れる方向に沿って延びるアーティキュレーションワイヤと、
該プーリ及び該アーティキュレーションワイヤを囲むプーリハウジングであって、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とを有するプーリハウジングと、
を備え、
該第1のハウジング部分は第1のエッジを有し、該第2のハウジング部分は該第1のエッジと嵌合して該アーティキュレーションワイヤの方向に沿って延びる非直線経路を画定する第2のエッジを有するようにされた、医療器具。
38.該非直線経路は、該アーティキュレーションワイヤを含み該プーリの回転軸に平行な平面上に投影されたときに非直線である、上記37に記載の医療器具。
39.該非直線経路は、直線状である、上記37に記載の医療器具。
40.該非直線経路がキャスタレーションを画定する、上記39に記載の医療器具。
41.挿入管と、
該挿入管内に配置された器具管と、
を有し、
該器具管は、高密度ポリエチレンを含む第1の組成物を有する第1の部分と、ポリ塩化ビニル又はポリ乳酸からなる群から選択された材料を含む第2の組成物を有する第2の部分とを有し、
該第1の組成物が、ツールチャネルを画定する該器具管の内面を画定し、
該第2の組成物が、該器具管の外面を画定する、内視鏡。
42.該器具管が、該第1の組成物と該第2の組成物の共押出しによって形成されたものである、上記41に記載の内視鏡。
43.患者の体内に挿入するための挿入管と、
該挿入管内に配置され、近位端から遠位端まで延びる長さを有するアーティキュレーションジョイントアセンブリと、
を有し、
該アーティキュレーションジョイントアセンブリは、複数のアーティキュレーションリンクを有し、
各アーティキュレーションリンクが、隣接するアーティキュレーションリンクに接点で接続され、該隣接するアーティキュレーションリンクに対してある枢動角度だけ枢動可能とされ、
該アーティキュレーションジョイントアセンブリの第1の対のアーティキュレーションリンク間の枢動角度は、該アーティキュレーンショジョイントアセンブリの第2の対のアーティキュレーションリンク間の枢動角度と同じでないようにされている、内視鏡。
44.該アーティキュレーションジョイントアセンブリの遠位端に近接する一対のアーティキュレーションリンク間の枢動角度が、該遠位端に近接する該一対のアーティキュレーションリンクの近位に位置する一対のアーティキュレーションリンク間の枢動角度より大きい、上記43に記載の内視鏡。
45.該アーティキュレーションジョイントアセンブリの遠位端に近接する一対のアーティキュレーションリンク間の枢動角度が、該遠位端に近接する該一対のアーティキュレーションリンクの近位に位置する一対のアーティキュレーションリンク間の枢動角度より小さい、上記43に記載の内視鏡。
46.該枢動角度が、少なくとも4つのアーティキュレーションリンクの長さに沿って連続的に増加する、上記43に記載の内視鏡。
47.コンソールであって、
カートリッジを受け入れるようにされた制御バルブアセンブリを有し、
該制御バルブアセンブリが、該カートリッジの流体経路を作動させるための複数のアクチュエータを含み、
該カートリッジは、磁石を含み、
該制御バルブアセンブリが、該カートリッジが該コンソールに接続されたときに、該カートリッジ上の磁石を感知するように配置された磁気センサを含み、
該コンソールの複数のアクチュエータの伸長及び/又は引き込みが、該磁気センサからの信号に基づいて決定されるようにした、コンソール。
48.コンソールであって、
カートリッジを受け入れるようにされた制御バルブアセンブリを有し、
該制御バルブアセンブリが、該カートリッジの流体経路を作動させるための複数のアクチュエータを含み、
該複数のアクチュエータが、引き込み位置から伸長位置まで移動可能とされ、
該カートリッジが少なくとも2つの磁石を有し、
該制御バルブアセンブリが、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを含み、該第1及び第2の磁気センサが、該カートリッジが該コンソールに接続されたときに、該カートリッジ上の該少なくとも2つの磁石を感知するようにされており、
該少なくとも2つの磁石が該第1及び第2の磁気センサによって感知されない場合に、該コンソールの該アクチュエーターバルブが引き込まれ、
該少なくとも2つの磁石が該第1及び第2の磁気センサによって感知された場合に、該コンソールの該アクチュエーターバルブが伸長されるようにした、コンソール。
49.ハウジング及び、該ハウジングを貫通して延びて第1の流体経路を画定する第1の管と、
該第1の管とインラインで接続されたコネクタと、
を有し、
該コネクタが、第2の流体経路を画定する第2の管と接続され、該第2の流体経路が該第1の流体経路に合流するようにした、カートリッジ。
50.該コネクタがT継手である、上記49に記載のカートリッジ。
51.該コネクタが取り外し可能なキャップを含む、上記49に記載のカートリッジ。
52.第1及び第2の医療器具を使用した処置に、医療従事者による第1の医療器具の操作を第1のスイッチによって検出することと、
該第1のスイッチからの信号から、該第1の医療器具が操作されていることを特定することと、
該第1の医療器具から生成された画像を画像表示デバイスに表示させることと、
を有する方法。
53.該第1のスイッチが機械スイッチである、上記52に記載の方法。
54.該第1のスイッチがタッチスイッチである、上記53に記載の方法。
55.該第1のスイッチが、該医療器具がピックアップされたときに作動される、上記52に記載の方法。
56.該生成される画像が、前記特定された医療器具の遠位端のカメラからの画像である、上記52に記載の方法。
57.該処置中の医療従事者による第2の医療器具の操作を第2のスイッチによって検出することと、
該第2のスイッチからの信号から、第2の医療器具が操作されていることを特定することと、
該第2の医療器具から生成された画像を該画像表示デバイスに表示させるステップと、
を有する、上記52に記載の方法。
58.該画像表示デバイスが、該第1の医療器具と該第2の医療器具の両方からの画像を同時に表示するが、使用されているとして特定された医療器具からの画像の方が該画像表示デバイス上で大きくなるようにした、上記57に記載の方法。
59.該第1又は第2の医療器具からの1つの画像のみが一度に該画像表示デバイスに表示される、上記52に記載の方法。
60.挿入管と
遠位端と近位端とを有する複数のワイヤを有する電気ケーブルと、
を有し、
該遠位端がカメラを有するカメラボードに接続され、該電気ケーブルが挿入管を通って近位に延び、
該複数のワイヤが該電気ケーブルの該遠位端で該カメラボードにはんだ付けされ、
該複数のワイヤが前記遠位端でマイクロコネクタを有するフレックス回路にはんだ付けされている、内視鏡の挿入管アセンブリ。
61.該マイクロコネクタを、該挿入管の遠位端から該挿入管の近位端に延びる方向に沿って、該挿入管の内腔に通すことを含む、上記60の挿入管アセンブリを組み立てる方法。
62.該マイクロコネクタを該内視鏡のハンドル内の電気コネクタに接続することを含む、上記61に記載の方法。
【国際調査報告】