(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-04
(54)【発明の名称】高変位圧電材料を備える電界-振動放射トランスデューサ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10N 30/853 20230101AFI20231127BHJP
C04B 35/493 20060101ALI20231127BHJP
H10N 30/40 20230101ALI20231127BHJP
H10N 30/06 20230101ALI20231127BHJP
H10N 30/088 20230101ALI20231127BHJP
【FI】
H10N30/853
C04B35/493
H10N30/40
H10N30/06
H10N30/088
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554773
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 KR2022008824
(87)【国際公開番号】W WO2023017997
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105459
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523194514
【氏名又は名称】セラコンプ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CERACOMP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】70,Sunmoon-ro 221beon-gil,Tangjeong-myeon,Asan-si,Chungcheongnam-do 31460,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ホ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ペク、ウォン ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ムン チャン
(57)【要約】
高変位圧電材料を備える電界-振動放射トランスデューサ及びその製造方法に関し、高い圧電定数(d
33=1,000~6,000pC/N)、高い誘電定数(K
3
T=6,000~15,000)と共に低い誘電損失(tanδ<2%)を有する高変位圧電材料(High Strain Piezoelectrics)を適用することにより、高効率及び低電圧駆動の電界-振動放射トランスデューサにおいて優れた放射特性を実現し、しかも小型化により製造コストを削減することができるので、前記電界-振動放射トランスデューサを、物質の移動、化学的作用および生物学的反応を促進し、ヒト及び動物の腫瘍を治療する目的の医療用装置に適用することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O
3)の圧電材料と、
前記圧電材料の少なくとも一方の面に形成される電極(electrode)と、
を含み、
前記圧電材料の圧電定数(d
33)が1,000~6,000pC/N、
前記圧電材料の誘電定数(K
3
T)が6,000~15,000、及び
前記圧電材料の誘電損失が2%以下を満たすことにより、電界と機械的振動とを同時に放出する
ことを特徴とする電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項2】
前記電極が、前記圧電材料のいずれか一方の面にのみ形成されるか、または、両面に形成されるときに電極の素材、形状または面積を異ならせて非対称的に形成される
請求項1に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項3】
前記圧電材料が、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O
3)の圧電単結晶、または、前記圧電単結晶を含むポリマー-圧電複合体である
請求項1に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項4】
前記圧電単結晶が、固相単結晶成長法により成長した圧電単結晶である
請求項3に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項5】
前記圧電単結晶が、下記化学式1:
化学式1
[A
1-(a+1.5b)B
aC
b][(MN)
1-x-y(L)
yTi
x]O
3-z
(前記式中、
Aは、Pb、Sr、Ba及びBiからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Bは、Ba、Ca、Co、Fe、Ni、Sn及びSrからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Cは、Co、Fe、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Lは、ZrまたはHfから選択される単独または混合形態であり、
Mは、Ce、Co、Fe、In、Mg、Mn、Ni、Sc、Yb及びZnからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Nは、Nb、Sb、Ta及びWからなる群より選択される少なくとも1種であり、
0≦a≦0.10、0≦b≦0.05、0.05≦x≦0.58、0.05≦y≦0.62、及び0≦z≦0.02である)
の組成式を有する
請求項4に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項6】
前記式中、0.01≦a≦0.10及び0.01≦b≦0.05である
請求項5に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項7】
前記式中、a/b≧2である
請求項5に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項8】
前記式中、0.10≦x≦0.58及び0.10≦y≦0.62である
請求項5に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項9】
前記圧電単結晶は、Lが混合形態であるとき、化学式2または化学式3:
化学式2
[A
1-(a+1.5b)B
aC
b][(MN)
1-x-y(Zr
1-w、Hf
w)
yTi
x]O
3
化学式3
[A
1-(a+1.5b)B
aC
b][(MN)
1-x-y(Zr
1-w、Hf
w)
yTi
x]O
3-z
(前記式中、A、B、C、M、N、a、b、x、y及びzは前記化学式1と同一であり、但し、0.01≦w≦0.20を示す)
の組成式を有する
請求項5に記載の電界-振動放射トランスデューサ:
【請求項10】
前記圧電単結晶の組成に、体積比0.1~20%の強化第二相(P)をさらに含ませて機械的特性を付加する
請求項5に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項11】
前記強化第二相が、金属相、酸化物相、または気孔(pore)である
請求項10に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項12】
前記ポリマー-圧電複合体が、10~80体積%のポリマーマトリックスを含む
請求項3に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項13】
前記ポリマー-圧電複合体が、ポリマーマトリックスにロッド状の圧電材料を内在させた1-3型または2-2型の複合体構造を有する
請求項12に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項14】
前記圧電複合体が、圧電単結晶に圧電多結晶セラミックを混合してなる
請求項12に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項15】
前記放出される電界の周波数が0.01Hz~500kHzであり、前記電界の強度が0.01~100V/cmである
請求項1に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項16】
前記放出される機械的振動の周波数が0.1Hz~3MHzであり、前記機械的振動の大きさが1%以下である
請求項1に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項17】
前記電極が、導電性金属、カーボン及び導電性セラミックからなる群より選択されるいずれか1種である
請求項1に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項18】
前記圧電材料が、表面に気孔(Pores)または溝(grooves、channelなど)により形成された表面凹凸を有する
請求項1に記載の電界-振動放射トランスデューサ。
【請求項19】
請求項1に記載のペロブスカイト型結晶構造([A][B]O
3)の圧電材料を0.1~100mmの厚さに加工し、
前記圧電材料の両面に外部電極を形成し、
前記外部電極に電圧を印加してポーリングし、
前記両面に形成された外部電極のいずれか一方を一部または全部を除去して非対称構造とする
ことを特徴とする電界-振動放射トランスデューサの製造方法。
【請求項20】
前記圧電材料が、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O
3)の圧電単結晶、または、前記圧電単結晶を含むポリマー-圧電複合体である
請求項19に記載の電界-振動放射トランスデューサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高変位圧電材料を備える電界-振動放射トランスデューサ(Electric Field and Vibration Generating(EFVG)Transducers)及びその製造方法に関し、より詳細には、高い圧電定数(d33=1,000~6,000pC/N)、高い誘電定数(K3
T=6,000~15,000)及び低い誘電損失(tanδ<2%)を有する高変位圧電材料(High Strain Piezoelectrics)を適用して電界と機械的振動とを同時に発生させ、前記発生した電界及び機械的振動を利用して物質の移動、化学的作用、生物学的反応を促進し、ヒト及び動物の腫瘍を治療する目的の医療用装置に適用できる、電界-振動放射トランスデューサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電界放射は、金属電線を用いることにより、または、誘電体(Dielectric)に電圧を印加することにより実施され得る。特に、誘電体に直接電圧を印加して電界を放射させる方法は、一般的な金属板などを用いる方法よりも、より効果的に電界を放射することができる。
【0003】
具体的には、誘電体が2枚の金属板の間に配置される場合、2枚の金属板の間の電界の密度は、誘電体の分極現象(Polarization)により増加するが、前記2枚の金属板の間が真空中である場合、2枚の金属板の間の電界の密度は、分極現象が存在しないことから、加えられた電圧に単純に比例する。
【0004】
したがって、誘電体の分極現象を利用すると、2枚の金属板の間の電界が大きくなり、その結果、より大きな電界を放射することができる。かかる電界放射は、物質移動、化学的作用、生物学的反応などの多様な現象を制御する分野に活用されており、今後、更なる拡大が期待され、医療機器等への適用が期待される。
【0005】
一般に、誘電体を用いた電界放射トランスデューサは、誘電体素子と、前記誘電体素子に電界を印加する外部電極と、外部電極に電圧を印加する電圧供給装置と、を含む。前記誘電体素子は外部電極に電気的に接続され、前記外部電極は電圧供給装置に接続されて誘電体素子に電気的信号を印加する。このとき、前記電界放射トランスデューサから放出される電界の大きさは、一般に、印加された電圧の大きさ及び誘電体の誘電定数に比例する。したがって、誘電定数の大きい素材を使えば、放出される電界の大きさを増加させることができる。
【0006】
一般に、誘電体セラミック素材のうち、強誘電体(Ferroelectric)であるBaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(以下、「PZT」という)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(以下、「PMN」という)、及びPb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3(以下、「PMN-PT」という)系多結晶セラミック(Polycrystalline Ceramics)素材が主に使用されてきた。前記BaTiO3、PZT、PMN及びPMN-PT系多結晶セラミック素材は、誘電定数が大きく、低コストで、製造工程技術がよく知られている材料であって、多様な応用分野で利用されている。
【0007】
しかしながら、現在使用されている前記BaTiO3、PZT、PMN及びPMN-PT系多結晶セラミック素材の誘電/強誘電体は、誘電定数(Dielectric Constant)が5,000以下で、誘電損失(Dielectric Loss、tanδ)が2.0%を超えるという欠点がある。このとき、前記誘電損失が大きいと、電圧印加時、特に、交流電圧が印加される場合、熱発生(Heat Generation)が大きく、誘電体の物性低下が誘導され、結果として電界放射トランスデューサの効率が低くなる。
【0008】
また、熱発生により、周辺温度が変化して、制御すべき化学的作用や生物学的反応を得ることが困難となる。
【0009】
このような誘電体セラミックス素材の限界により、電界放射トランスデューサの性能が制限され、電力消耗が大きくなるためシステム全体が大型化し、携帯製品の製造が困難となる。
【0010】
したがって、電界放射トランスデューサの性能は、誘電体の性能によって決まるため、高い誘電定数で低誘電損失の誘電体又は強誘電体の素材が求められる。
【0011】
これにより、ペロブスカイト型結晶構造(Perovskite Crystal Structure;[A][B]O3)の圧電単結晶(Piezoelectric Single Crystals)は、従来の圧電多結晶体セラミック(Piezoelectric Polycrystalline Ceramics)素材に比べて、遥かに高い誘電定数(K3
T)と圧電定数(d33)を示し、同時に低い誘電損失特性を示す材料として提案され、これを用いた電界放射トランスデューサの開発可能性を提示する。
【0012】
前記ペロブスカイト型結晶構造の圧電単結晶の一例としては、PMN-PT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3)、PZN-PT(Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-PbTiO3)、PInN-PT(Pb(In1/2Nb1/2)O3-PbTiO3)、PYbN-PT(Pb(Yb1/2Nb1/2)O3-PbTiO3)、PSN-PT(Pb(Sc1/2Nb1/2)O3-PbTiO3)、PMN-PInN-PT、PMN-PYbN-PT、及びBiScO3-PbTiO3(BS-PT)などが挙げられる。このような圧電単結晶は、溶融(melting)時に共融(congruent melting)挙動を示し、フラックス法(flux method)やブリッジマン法(Bridgman method)等で製造されていた。
【0013】
一般に、ペロブスカイト型結晶構造の圧電単結晶は、菱面体晶相と正方晶相との間の相境界、すなわち、モルフォトロピック相境界(モルフォトロピックそうきょうかい、morphotropic phase boundary、MPB)の組成の付近領域において、最も高い誘電及び圧電特性を有することが知られている。
【0014】
しかしながら、ペロブスカイト型結晶構造の圧電単結晶は、一般的に菱面体晶相を有する場合に最も良好な誘電及び圧電特性を示すので、菱面体晶相の圧電単結晶の応用が最も活発であるが、菱面体晶相の圧電単結晶は、菱面体晶相と正方晶相との間の相転移温度(TRT)以下でのみ安定した挙動を示すため、菱面体晶相が安定した挙動を示し得る最大温度であるTRT以下でのみ使用が可能である。したがって、TRT相転移温度が低い場合には、菱面体晶相の圧電単結晶の使用温度が低くなり、圧電単結晶応用部品の作製温度と使用温度もTRT以下に制限される。この際、相転移温度(TC、TRT)と抗電界(EC)が低い場合には、機械加工、応力、発熱、及び駆動電圧下で圧電単結晶のポーリングが除去(depoling)され易くなり、優れた誘電及び圧電特性を喪失してしまう。
【0015】
また、圧電多結晶セラミック素材に比べて、圧電単結晶は、高い圧電定数(d33≧1,000~2,000pC/N)を有するが、抗電界が低い(EC≦2~5kV/cm)ことからデポーリング(depoling)され易いので、電気的安定性が低くて実用に限られている。このため、圧電単結晶の抗電界を高める方法が提案されてきているが、抗電界の増加は圧電特性の劣化を伴う問題で、依然として低い実効性が指摘されている。
【0016】
したがって、現在、圧電単結晶について、誘電定数、圧電定数、相転移温度及び抗電界と共に機械的特性などを同時に改善するための研究が持続的に進められており、特に、Sc、In等の高価な元素を主成分とする組成を有する圧電単結晶は、単結晶の製造コストが高いため、単結晶の実用化に実質的な障害となっている。
【0017】
特許文献1は、固相単結晶成長法(Solid-state Single Crystal Growth[SSCG]Method)に関する発明であって、従来の液相単結晶成長法とは異なり、溶融工程を用いず、特別な装置を使用せずに一般的な単純な熱処理工程により、多結晶体で起こる異常粒成長を制御し、各種組成の単結晶を固相単結晶成長法で製造できるようにして、単結晶の製造コストを下げ、再現性が高く経済的な方法で単結晶を大量に生産できる単結晶成長方法を提示している。
【0018】
また、特許文献2は、固相単結晶成長法を用いて、高い誘電定数(K3
T)、高い圧電定数(d33、k33)、高い相転移温度(キュリー温度(Curie temperature、Tc))及び高い抗電界(coercive electric field、Ec)と共に向上した機械的特性を同時に有する圧電単結晶を開示しており、ここで、単結晶の大量生産に適した固相単結晶成長法により製造された圧電単結晶によれば、高価な原料を含まない単結晶組成を開発して圧電単結晶の商用化を実得し、優れた特性の圧電単結晶を用いた圧電応用部品及び誘電応用部品を広い温度範囲で製造及び使用することができる。
【0019】
そこで、本発明者らは、電界放射トランスデューサの性能改善に努め、その結果、高い誘電定数(K3
T)、高い圧電定数(d33、k33)と共に低い誘電損失を有する高変位圧電材料(High Strain Piezoelectrics)を適用することで、電界だけでなく機械的振動を同時に発生させ、前記発生した電界と機械的振動を利用して新規な電界-振動放射トランスデューサを開発でき、高効率、低電圧駆動及び低い熱発生の特性を確認することにより、本発明を完成するに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】韓国特許第0564092号(2006.03.27公告)
【特許文献2】韓国特許第0743614号(2007.07.30公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、電界と機械的振動とを同時に放射および制御できる電界-振動放射トランスデューサを提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、高変位圧電材料として、圧電単結晶、または、前記圧電単結晶を含むポリマー-圧電複合体を用いた電界-振動放射トランスデューサの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するために、本発明は、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)の圧電材料と、前記圧電材料の少なくとも一方の面に形成される電極(electrode)と、を含み、
前記圧電材料の圧電定数(d33)が1,000~6,000pC/N、
前記圧電材料の誘電定数(K3
T)が6,000~15,000、及び
前記圧電材料の誘電損失が2%以下を満たすことにより、電界と機械的振動とを同時に放出する、電界-振動放射トランスデューサを提供する。
【0024】
本発明の電界-振動放射トランスデューサにおいて、前記電極は、前記圧電材料のいずれか一方の面にのみ形成されるか、または、両面に形成されるときに電極の素材、形状または面積を異ならせて非対称的に形成されることを特徴とする。このとき、前記電極は、導電性金属、カーボン及び導電性セラミックからなる群より選択されるいずれか1種である。
【0025】
本発明の電界-振動放射トランスデューサは、圧電材料として、圧電単結晶、または、前記圧電単結晶を含むポリマー-圧電複合体を使用する。
【0026】
前記圧電単結晶は、固相単結晶成長法により成長したもので、より具体的には、下記化学式1の組成式を有する。
【0027】
化学式1
[A1-(a+1.5b)BaCb][(MN)1-x-y(L)yTix]O3-z
【0028】
前記式中、
Aは、Pb、Sr、Ba及びBiからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Bは、Ba、Ca、Co、Fe、Ni、Sn及びSrからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Cは、Co、Fe、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Lは、ZrまたはHfから選択される単独または混合形態であり、
Mは、Ce、Co、Fe、In、Mg、Mn、Ni、Sc、Yb及びZnからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Nは、Nb、Sb、Ta及びWからなる群より選択される少なくとも1種であり、
0≦a≦0.10、0≦b≦0.05、0.05≦x≦0.58、0.05≦y≦0.62、及び0≦z≦0.02である。
【0029】
前記圧電単結晶は、前記式中、0.01≦a≦0.10及び0.01≦b≦0.05を満たし、特に前記式中、a/b≧2である。
【0030】
また、前記圧電単結晶は、0.10≦x≦0.58及び0.10≦y≦0.62を満たすことが好ましい。
【0031】
前記圧電単結晶は、Lが混合形態であるとき、化学式2または化学式3の組成式を有する。
【0032】
化学式2
[A1-(a+1.5b)BaCb][(MN)1-x-y(Zr1-w、Hfw)yTix]O3
【0033】
化学式3
[A1-(a+1.5b)BaCb][(MN)1-x-y(Zr1-w、Hfw)yTix]O3-z
【0034】
前記式中、A、B、C、M、N、a、b、x、y及びzは前記化学式1と同一であり、但し、0.01≦w≦0.20を示す。
【0035】
本発明において、圧電単結晶の組成に、体積比0.1~20%の強化第二相(P)をさらに含ませてもよく、前記強化第二相Pは、金属相、酸化物相、または気孔(pore)である。
【0036】
前記強化第二相Pは、Au、Ag、Ir、Pt、Pd、Rh、MgO、ZrO2及び気孔(pore)からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記強化第二相Pは、圧電単結晶中に粒子の形態で均一に分布するか、または一定のパターンで規則的に分布する。
【0037】
また、本発明の電界-振動放射トランスデューサでは、圧電材料としてポリマー-圧電複合体を使用して柔軟性を持たせてもよい。
【0038】
前記ポリマー-圧電複合体は、ポリマーマトリックスに圧電多結晶または圧電単結晶を含ませてもよく、具体的には、10~80体積%のポリマーマトリックスを含んでもよい。
【0039】
具体的に、前記ポリマー-圧電複合体は、ポリマーマトリックスにロッド状の圧電材料を内在させた1-3型または2-2型の複合体構造を有し、前記圧電複合体は、圧電単結晶に圧電多結晶セラミックが混合されたものである。
【0040】
前記電界-振動放射トランスデューサは、前記放出される電界の周波数が0.01Hz~500kHzであり、前記電界の強度が0.01~100V/cmである。
【0041】
また、前記放出される機械的振動の周波数が0.1Hz~3MHzであり、前記機械的振動の大きさが最大1%である。
【0042】
また、本発明の電界-振動放射トランスデューサにおいて、圧電材料は、表面に気孔(Pores)または溝(grooves、channelなど)により形成された表面凹凸を有していてもよい。
【0043】
さらに、本発明は、電界-振動放射トランスデューサの製造方法であって、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)の圧電材料を0.1~100mmの厚さに加工し、前記圧電材料の両面に外部電極を形成し、前記外部電極に電圧を印加してポーリングすることにより前記圧電材料の誘電及び圧電特性を最大化し、前記両面に形成された外部電極のいずれか一方を一部または全部を除去して非対称構造とする、電界-振動放射トランスデューサの製造方法を提供する。
【0044】
前記圧電材料は、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)の圧電単結晶、または、前記圧電単結晶を含むポリマー-圧電複合体である。
【発明の効果】
【0045】
本発明による電界-振動放射トランスデューサによれば、高い圧電定数(d33=1,000~6,000pC/N)、高い誘電定数(K3
T=6,000~15,000)と共に低い誘電損失(tanδ<2%)を有する高変位圧電材料を含むことにより、高い特性を保持し、電界と機械的振動とを同時に発生させる、電界-振動放射トランスデューサを提供することができる。
【0046】
本発明に用いられる圧電特性を有する圧電単結晶によれば、固相単結晶成長法により高い誘電定数および圧電定数を保持することができ、低コストで大量生産が可能であるため、それを用いた物質の移動、化学的作用、生物学的反応を促進し、ヒト及び動物の腫瘍を治療する目的の医療用装置の性能改善及び価格競争力を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の電界-振動放射トランスデューサの断面模式図である。
【
図2】本発明の電界-振動放射トランスデューサを医療用装置として適用される場合を示す図である。
【
図3】本発明のポリマー-圧電複合体に対する曲げ評価結果である。
【
図4】前記ポリマー-圧電複合体構造の模式図である。
【
図5】本発明の1-3型複合体構造についてのイメージである。
【
図6】前記ポリマー-圧電複合体を用いた電界-振動放射トランスデューサの製造工程を段階別に示すものである。
【
図7】本発明の[Pb
0.965Sr
0.02La
0.01][(Mg
1/3Nb
2/3)
0.4Zr
0.25Ti
0.35]O
3の組成の圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサへの電圧印加による誘導電界の強度を示すものである。
【
図8】
図7の電界-振動放射トランスデューサへの電圧印加による機械的振動の大きさを示すものである。
【
図9】本発明の[Pb
0.965Sr
0.02Sm
0.01][(Mg
1/3Nb
2/3)
0.25(Ni
1/3Nb
2/3)
0.10Zr
0.30Ti
0.35]O
3の組成の圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサへの電圧印加による誘導電界の強度を示すものである。
【
図10】
図9の電界-振動放射トランスデューサへの電圧印加による機械的振動の大きさを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0049】
本発明は、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)の圧電材料と、前記圧電材料の少なくとも一方の面に形成された電極(electrode)と、を含む電界-振動放射トランスデューサを提供する。
【0050】
前記電界-振動放射トランスデューサにおいて、圧電材料は、(1)圧電定数(d33)1,000~6,000pC/N、(2)誘電定数(K3
T)6,000~15,000、及び(3)誘電損失2%以下を満たす高変位圧電材料であり、電圧印加時に電界と機械的振動とを同時に放出して電界-振動放射トランスデューサを製造することができ、前記放出される電界及び機械的振動の周波数、大きさ及び方向を同時に制御できる電界-振動放射トランスデューサを提供する。
【0051】
前記放出される電界の周波数は0.01~500kHzであり、電界の強度は0.01~100V/cmである。
【0052】
また、前記放出される機械的振動の周波数は0.1Hz~3MHzであり、機械的振動の大きさは最大1%である。
【0053】
本発明の電界-振動放射トランスデューサにおいて、前記電極は、前記圧電材料のいずれか一方の面にのみ形成されるか、または、両面に形成されるときに電極の素材、形状または面積を異ならせて非対称的に形成される。このとき、前記電極は、導電性金属、カーボン及び導電性セラミックからなる群より選択されるいずれか1種を使用できる。
【0054】
図1は、本発明の電界-振動放射トランスデューサの断面模式図を示すものであり、好ましい実施形態として、圧電材料11の一方の面にのみ電極12が形成された非対称構造の電界-振動放射トランスデューサであり、これを医療用装置に適用した場合、前記圧電材料の面を皮膚に直接接触させて、電圧印加時に電界と機械的振動とを同時に放出することでターゲット腫瘍の治療効果を提供する。
【0055】
前記圧電材料の表面に気孔(Pores)と溝(grooves、channel等)などを人為的に設けて表面凹凸を形成することが好ましく、表面凹凸の形成は、圧電材料内部の気孔を用いるか、機械的および化学的な加工の中から1一つ以上を選択して実施することができる。前記圧電材料の表面凹凸の形状は、局部的に、電界と振動の分布に影響を与える。表面凹凸の形状を変化させることにより、局部的な電界と振動の分布を制御し、その効果を最大化することができる。
【0056】
本発明の電界-振動放射トランスデューサにおいて、圧電材料としてのBaTiO3、PZT、PMN及びPMN-PT系多結晶セラミック素材は、圧電定数(Pieoelectric constant、d33)が600pC/N以下であるため、低い印加電圧では変位が比例的に増加するが、特定の印加電圧(または電界)以上では変位がこれ以上増加できない非線形的な挙動を示し、一般的に最大変位は0.3%以下となる。 そのため、多結晶セラミック素材を単独で使用した場合、各応用部品で許容可能な電圧以下では最大変位1%を発生できないので、実際応用に必要な十分な機械的振動を発生することが困難である。
【0057】
特に、電界放射トランスデューサにおける誘電体の一方の面にのみ電極が形成される構造に起因して、発生可能な機械的振動の大きさはさらに減少する。したがって、本発明の電界-振動放射トランスデューサにおける圧電材料としての、BaTiO3、PZT、PMN及びPMN-PT系多結晶セラミック素材の単独使用は除外される。
【0058】
また、通常の誘電定数の高い誘電体セラミックの場合にも、誘電損失が大きいため、交流電圧が印加される場合、熱発生が大きくなり、結果として電界放射トランスデューサの効率が低下するので、実際の応用価値も低い。
【0059】
上記のことから、本発明の電界-振動放射トランスデューサでは、(1)圧電材料の圧電定数(d33)が1,000~6,000pC/N、(2)前記圧電材料の誘電定数(K3
T)が6,000~15,000で誘電及び圧電特性に優れ、かつ、(3)前記圧電材料の誘電損失2%以下と低いことを、圧電材料の必須条件とし、前記必須条件を満たす高変位圧電材料を適用することにより、高効率、低電圧駆動及び低い熱発生の特性を有する、新規な電界-振動放射トランスデューサを実現することができる。
【0060】
本発明の電界-振動放射トランスデューサに用いられる圧電材料としては、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)の圧電単結晶、または、前記圧電単結晶を含むポリマー-圧電複合体を使用し、前記圧電単結晶の場合、印加電圧が増加すると、それに比例して変位(または振動)が増加し、これにより最大1%の変位を達成することができる。
【0061】
以下、各材料について詳しく説明する。
【0062】
1.圧電単結晶
本発明の電界-振動放射トランスデューサに用いられる圧電単結晶は、(1)圧電定数(d33)1,000~6,000pC/N、(2)誘電定数(K3
T)6,000~15,000、及び(2)誘電損失2%以下の特性を同時に示す圧電特性を満たす圧電材料である。
【0063】
このような特性を満たす圧電単結晶は、固相単結晶成長法により成長した圧電単結晶であり、より具体的には、下記化学式1で表されるペロブスカイト型構造([A][B]O3)の組成式を有する圧電単結晶である。
【0064】
化学式1
[A1-(a+1.5b)BaCb][(MN)1-x-y(L)yTix]O3-z
【0065】
前記式中、
Aは、Pb、Sr、Ba及びBiからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Bは、Ba、Ca、Co、Fe、Ni、Sn及びSrからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Cは、Co、Fe、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Lは、ZrまたはHfから選択される単独または混合形態であり。
Mは、Ce、Co、Fe、In、Mg、Mn、Ni、Sc、Yb及びZnからなる群より選択される少なくとも1種であり、
Nは、Nb、Sb、Ta及びWからなる群より選択される少なくとも1種であり、
0≦a≦0.10、0≦b≦0.05、0.05≦x≦0.58、0.05≦y≦0.62、及び0≦z≦0.02である。
【0066】
具体的には、ジルコニウム(Zr)を含むペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)の圧電単結晶(a=0、b=0)であり、その一例としては、[Pb(1-a-b)SraBab][((Mg,Zn)1/3Nb2/3)(1-x-y)TixZry]O3、[Pb][((Mg1-aZna)1/3Nb2/3)(1-x-y)TixZry]O3、[Pb][(Mg1/3Nb2/3)(1-x-y)TixZry]O3、[BaxBi(1-x)][Fe(1-x)Ti(x-y)Zry]O3が挙げられる。
【0067】
また、本発明は、固相単結晶成長法により複合した化学組成であっても、組成勾配なしに均一で圧電特性を向上させることができる圧電単結晶を含み、具体的には、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)において、[A]サイトイオンの複合組成により(a≠0、b≠0)、高い誘電定数(K3
T)、高い圧電定数(d33、k33)、高い相転移温度(TC、TRT)及び高い抗電界(EC)の誘電特性を改善する。
【0068】
したがって、化学式1の組成式を有する圧電単結晶において、[A]サイトイオンの複合組成を具体的に説明すると、[A1-(a+1.5b)BaCb]で構成されてもよく、前記Aの組成は有鉛または無鉛元素を含み、本発明の実施例ではAがPbである有鉛系圧電単結晶に限定して説明するが、これに限定されるものではない。
【0069】
前記[A]サイトイオンにおいて、B組成は金属2価元素、好ましくはBa、Ca、Co、Fe、Ni、Sn及びSrからなる群より選択される少なくとも1種であり、C組成は金属3価の元素であれば使用可能である。
【0070】
好ましくは、Co、Fe、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群より選択される少なくとも1種であり、より好ましくは、ランタン系元素を1種または2種混合形態で使用することである。
【0071】
本発明の実施例では、[A]サイトイオンにおいて、Cの組成はSmを含む単独または2種以上の混合組成で説明しているが、これに限定されるものではない。
【0072】
前記化学式1または化学式2の組成式を有する圧電単結晶において、[A]サイトイオンの複合組成において、[A]サイトイオンに該当する[A1-(a+1.5b)BaCb]の組成は、目的の物性を実現するための必須条件であり、Aが有鉛系または無鉛系圧電単結晶である場合、金属2価元素及び金属3価元素を組み合わせて構成されることを特徴とする。
【0073】
前記式中、0.01≦a≦0.10及び0.01≦b≦0.05を満たし、特に、前記式中、a/b≧2である。ここで、aが0.01未満であれば、ペロブスカイト相が不安定であるという問題があり、aが0.10を超えると、相転移温度が低すぎて実際に用いることができないため、好ましくない。
【0074】
また、a/b≧2の要件を満たしていない場合には、誘電特性及び圧電特性が最大にならないし、または単結晶成長が制限されるため、好ましくない。この際、化学式1の組成式を有する圧電単結晶において、[A]サイトイオンの複合組成では、金属3価元素または金属2価元素の単独で構成された場合に比べて、複合組成である場合、優れた誘電定数を実現することができる。
【0075】
前記化学式1において、xは、好ましくは0.05≦x≦0.58、より好ましくは0.10≦x≦0.58である。その理由は、xが0.05未満の場合には、相転移温度(TcとTRT)、圧電定数(d33、k33)または抗電界(Ec)が低く、xが0.58を超える場合には、誘電定数(K3
T)、圧電定数(d33、k33)または相転移温度(TRT)が低いためである。なお、yは、好ましくは0.050≦y≦0.62、より好ましくは0.10≦y≦0.62を満たす。その理由は、yが0.05未満の場合には、相転移温度(TcとTRT)、圧電定数(d33、k33)または抗電界(Ec)が低く、0.62を超える場合には、誘電定数(K3
T)または圧電定数(d33、k33)が低いためである。
【0076】
本発明の化学式1の組成式を有する圧電単結晶は、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)における[B]サイトイオンに金属4価元素を含み、特にL組成に対して、ZrまたはHfから選択される単独または混合形態に限定される。
【0077】
前記混合形態であれば、下記化学式2または化学式3の組成式を有する圧電単結晶を提供する。
【0078】
化学式2
[A1-(a+1.5b)BaCb][(MN)1-x-y(Zr1-w、Hfw)yTix]O3
【0079】
化学式3
[A1-(a+1.5b)BaCb][(MN)1-x-y(Zr1-w、Hfw)yTix]O3-z
【0080】
前記式中、A、B、C、M及びN、並びに、a、b、x、y及びzは、前記化学式1と同一であり、但し、0.01≦w≦0.20である。
【0081】
この際、前記wが0.01未満であれば、誘電特性及び圧電特性が最大にならないし、0.20を超えると、誘電及び圧電特性が急激に低下するため、好ましくない。
【0082】
以上の化学式2または化学式3の組成式を有する圧電単結晶は、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)において、[A]サイトイオンの複合組成と[B]サイトイオンの組成とを組み合わせることで、キュリー温度(Curie temperature、Tc)が180℃以上であり、かつ、菱面体晶相と正方晶相との間の相転移温度(phase transition temperature between rhombohedral phase and tetragonal phase、TRT)が100℃以上である。このとき、キュリー温度が180℃未満であれば、抗電界(Ec)を5kV/cm以上、または相転移温度(TRT)を100℃以上に上昇させることが困難である。
【0083】
また、本発明の化学式1の組成式を有する圧電単結晶は、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)において、[O]サイトの酸素空孔(Oxygen vacancy)が0≦z≦0.02に制御されていることを特徴とする。この際、前記zが0.02を超えると、誘電特性及び圧電特性が急激に低下するという問題があるため好ましくない。
【0084】
酸素空孔(Oxygen vacancy)が前記範囲に誘導されると、抗電界(Corecive Electric Field)及び内部電界(Internal Electric Field)が効果的に増大し、電界駆動時及び機械的荷重の条件下で圧電単結晶の安定性が向上する。したがって、圧電特性を最大化するとともに安定性をも高めることができる。
【0085】
本発明による化学式1の組成式を有する圧電単結晶は、電気機械結合係数(k33)が0.85以上であり、ここで、前記電気機械結合係数が0.85未満であれば、圧電多結晶体セラミックスと類似の特性となり、エネルギー変換効率が下がってしまうため、好ましくない。
【0086】
本発明による圧電単結晶は、抗電界(EC)が4~12kV/cmであることが好ましく、前記抗電界が4kV/cm未満であれば、圧電単結晶の加工時や圧電単結晶応用部品の製造時や使用時にポーリング(poling)が除去され易くなるという問題がある。
【0087】
また、本発明の化学式1の組成式を有する圧電単結晶は、単結晶内部に0.2~0.5モル%の組成勾配を有するので、均一な単結晶を提供することができる。
【0088】
ジルコン酸鉛(PbZrO3)は、230℃という高い相転移温度を有するのみならず、MPBを温度軸に対してより垂直にすることができるという効果を有するため、高いキュリー温度を維持するとともに、菱面体晶相と正方晶相との間の高い相転移温度(TRT)を得ることができ、その結果、高いTcとTRTを同時に有する組成を開発することができる。
【0089】
これは、従来の圧電単結晶の組成にジルコン酸鉛を配合しても、ジルコン酸鉛の含有量に比例して相転移温度が上昇するためである。したがって、ジルコニウム(Zr)またはジルコン酸鉛を含むペロブスカイト型結晶構造の圧電単結晶は、既存の圧電単結晶の問題点を克服することができる。また、ジルコニア(ZrO2)又はジルコン酸鉛は、既存の圧電多結晶材料の主成分として使用されており、しかも安価な原料であるため、単結晶の原料コストを上げることなく、本発明の目的を達成することができる。
【0090】
一方、ジルコン酸鉛を含むペロブスカイト型圧電単結晶は、溶融時に、PMN-PTやPZN-PTなどとは異なり、共融(congruent melting)挙動を示さず、非共融(incongruent melting)挙動を示す。したがって、非共融挙動を示す場合、固相の溶融時に液相と固相ジルコニア(solid phase ZrO2)に分離され、液相内の固相ジルコニア粒子が単結晶成長を妨害するため、溶融工程を用いる一般的な単結晶成長法であるフラックス法やブリーマン法などでは製造できない。
【0091】
また、溶融工程を用いる一般的な単結晶成長法では、強化第二相を含む単結晶の製造が難しく、まだ報告されていない。これは、溶融温度以上で強化第二相が液相と化学的に不安定で反応するので、独立した第二相の形状を維持できず消滅してしまうからである。また、液相中の第二相と液相との密度差により第二相と液相が分離するため、第二相を含む単結晶の製造が困難となり、さらに単結晶内における強化第二相の体積分率(volume fraction)、大きさ(size)、形状(shape)、配列(arrangement)及び分布(distribution)などを調整することができない。
【0092】
よって、本発明は、溶融工程を用いない固相単結晶成長法を用いて強化第二相(reinforcing second phase)を含む圧電単結晶を製造する。
【0093】
前記強化第二相としては、金属相(例えば、Au、Ag、Ir、Pt、Pd、またはRh)、酸化物相(例えば、MgOまたはZrO2)または気孔(pores)からなる群より選択される少なくとも1種を使用してもよい。
【0094】
また、強化第二相を含む多結晶体中に単結晶成長が起こり、単結晶成長中に強化第二相の体積分率、大きさ、形状、配列及び分布などが変化しない。したがって、強化第二相を含む多結晶体を作製する工程において、多結晶の内部における強化第二相の体積分率、大きさ、形状、配列及び分布などを調整して単結晶を成長させると、結果として所望の形状の強化第二相を含む単結晶、すなわち、強化圧電単結晶(second phase-reinforced single crystals)を製造することができる。前記強化第二相(P)が粒子(particle)の形態で均一に分布したり、または所定のパターンで規則的に分布したりするなど、第二相の分布形態によって圧電単結晶の誘電、圧電および機械的特性が向上する特徴を実現する。
【0095】
したがって、本発明によれば、ジルコン酸鉛を含むペロブスカイト型圧電単結晶を固相単結晶成長法によって提供することにより、特別な装置を必要とせず、一般的な熱処理工程により、単結晶の製造コストを低減し、従来のフラックス法やブリーマン法に比べて安価なコストで大量生産することができる。
【0096】
また、本発明は、固相単結晶成長法により、ジルコン酸鉛を含むペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)において、[A]サイトイオンの複合組成及び[B]サイトイオン間の組み合わせが複雑な組成であっても、圧電単結晶を均一に成長させることにより、誘電定数(K3
T=6,000~15,000)、圧電定数(d33=1,000~6,000pC/N)及び誘電損失(tanδ<2%)が従来の圧電単結晶に比べて顕著に改善された新規な圧電単結晶を提供することができる。
【0097】
以上の誘電及び圧電特性を有する圧電単結晶を誘電材料として用いた電界-振動放射トランスデューサは、前記圧電材料の大きさ、形状、及び入力電圧の周波数と強度を調整することにより、電界と機械的振動とを同時に放射する。この際、(1)放射される電界の周波数は0.01Hz~500kHzで、放射される電界の強度は0.01V/cm~100V/cmであり、(2)放射される機械的振動の周波数は0.1Hz~3MHzで、放射される機械的振動の大きさは最大1%の範囲を満足する。
【0098】
2.ポリマー-圧電複合体
図2は、本発明の電界-振動放射トランスデューサを医療用装置として適用する場合を示すものである。
【0099】
本発明の電界-振動放射トランスデューサ10は、誘電特性を有する誘電材料11と、前記誘電材料に電界を印加する外部電極12と、外部電極に電圧を印加する電圧供給装置20と、を含む。前記誘電材料11は外部電極12に電気的に接続され、前記外部電極は電圧供給装置20に接続されて誘電材料に電気的信号を印加する。このとき、複数の前記電界-振動放射トランスデューサを頭部や皮膚などの身体部位30に取り付けてもよく、標的腫瘍(ターゲット腫瘍)に隣接する身体部位に取り付けてもよい。
【0100】
前記誘電材料の高い圧電定数(d33=1,000~6,000pC/N)と高い誘電定数(K3
T=6,000~15,000)と低い誘電損失(tanδ<2%)の誘電特性により、電圧印加時の電界及び機械的振動を同時に放射することで治療効果を最大化することができ、機械的振動によってマッサージ効果を提供することができる。このとき、平らな表面ではなく屈曲した面に適用しなければならないので、電界-振動放射トランスデューサの柔軟性を必要とする。
【0101】
そこで、本発明の電界-振動放射トランスデューサでは、圧電材料としてポリマー-圧電複合体を用いることで、電界-振動放射トランスデューサに柔軟性を持たせることができる。
【0102】
前記ポリマー-圧電複合体は、10~80体積%のポリマーマトリックスを含むもので、前記ポリマーは、エポキシ素材(Epotek Epoxies 301及び301-2)の商用製品であってもよく、前記エポキシ素材は、水に比べて粘性が低いため、クラックや隙間に自然に浸透し、熱を加えるかどうかに関係なく硬化し、強固な結合力を発揮することができ、このような特性は、ガラス、セラミック、クオーツ(quartz)、金属及びほとんどのプラスチックにも適用される。したがって、前記ポリマー-圧電複合体におけるポリマーの使用は、強い結合による柔軟性を提供することができる。
【0103】
前記ポリマー-圧電複合体は、ポリマーマトリックスにロッド状の圧電材料を内在させた1-3型または2-2型の複合体構造を有し、前記圧電複合体は、圧電特性を満たした圧電単結晶に圧電多結晶セラミック素材を複合化することにより、圧電単結晶の使用量を下げて価格競争力を持たせることができる。
【0104】
ここで、本発明の圧電単結晶に複合化される素材には、BaTiO3、PZT、PMN及びPMN-PT系多結晶セラミックだけでなく、本発明の圧電単結晶に比べて性能が低い公知の圧電単結晶も含まれてもよい。
【0105】
例えば、常温で高い誘電及び圧電特性(K3
T>4,000、d33>1,400pC/N、k33>0.85)を示す利点も有する一方、低い相転移温度(TC、TRT)、低い抗電界(EC)及び脆性(brittleness)の欠点も有する圧電単結晶を用いてもよい。具体的には、PMN-PT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3)、PZN-PT(Pb(Zn1/3Nb2/3)O3-PbTiO3)、PInN-PT(Pb(In1/2Nb1/2)O3-PbTiO3)、PYbN-PT(Pb(Yb1/2Nb1/2)O3-PbTiO3)、PSN-PT(Pb(Sc1/2Nb1/2)O3-PbTiO3)、PMN-PInN-PT、PMN-PYbN-PT、及びBiScO3-PbTiO3(BS-PT)などを含む。
【0106】
図3は、本発明によるポリマー-圧電複合体の曲げ評価の結果としての柔軟性を示し、
図4は、前記ポリマー-圧電複合体110構造の模式図であり、ポリマーマトリックス111に、単結晶を切断したロッド状の圧電材料112を内在させた複合体(1-3型複合体)構造である。
【0107】
図5は、本発明による1-3型複合体構造の写真であり、左側の上面写真及び側面写真
に示すように、多結晶セラミックを横×縦に切断し、右側の写真に示すように、前記切断後に結晶成長した単結晶中にポリマーを充填して硬化させて完成することができる。この方法は、単結晶を直接切断するよりも経済的で大量生産に有利である。
【0108】
図6は、前記ポリマー-圧電複合体を用いた電界-振動放射トランスデューサの製造工程を段階別に示すものである。
【0109】
さらに、本発明は、電界-振動放射トランスデューサの製造方法であって、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)の圧電材料を0.1~100mmの厚さに加工し、前記圧電材料の両面に外部電極を形成し、前記外部電極に電圧を印加してポーリングすることにより前記圧電材料の誘電及び圧電特性を最大化し、前記両面に形成された外部電極のいずれか一方を一部または全部を除去して非対称構造とする、電界-振動放射トランスデューサの製造方法を提供する。
【0110】
前記圧電材料は、ペロブスカイト型結晶構造([A][B]O3)の圧電単結晶、または、前記圧電単結晶を含むポリマー-圧電複合体であってもよい。また、上記と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0111】
前記圧電材料加工時の厚さは振動の大きさと周波数により決定され、好ましくは0.1~100mmである。この場合、前記厚さが0.1mm未満であれば、電界及び振動の大きさが小さすぎて実際の効果が制限され、前記厚さが100mmを超えると、電界及び振動を誘導する電圧の大きさが大きすぎて実際の使用が制限されるという問題がある。
【0112】
前記製造方法により製造された電界-振動放射トランスデューサは、
(1)放射される電界の周波数は0.01Hz~500kHzで、放射される電界の強度は0.01V/cm~100V/cmであり、
(2)放射される機械的振動の周波数は0.1Hz~3MHzで、放射される機械的振動の大きさは最大1%の範囲を満足する。
【0113】
前記電界-振動放射トランスデューサに放射する機械的振動の周波数と大きさは、圧電材料の大きさ、形状、及び入力電圧の周波数と強度を調整する方法を利用して制御することができる。
【0114】
以上の電界-振動放射トランスデューサは、高変位圧電材料を使用することにより、圧電材料に電圧が印加されれば機械的変形と振動が発生し、前記電界及び機械的振動を利用して物質の移動、化学的作用、生物学的反応を促進し、ヒト及び動物の腫瘍を治療する目的の医療用装置にも適用される。
【0115】
特に、電界-振動放射トランスデューサを医療用装置として適用する場合、皮膚や頭面などの屈曲の多い部位に柔軟に取り付けることができ、皮膚や頭面に取り付けた後、機械的振動によるマッサージ効果と皮膚呼吸に有用である。
【実施例】
【0116】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
【0117】
本実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0118】
<実施例1>圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサの製造1
固相単結晶成長法により[Pb][(Mg1/3Nb2/3)0.4Zr0.26Ti0.34]O3の組成の圧電単結晶を製造した。また、粉末合成工程で過量のMgOを添加して、製造された単結晶内部にMgO第二相と気孔強化相2体積%を含ませた。このとき、前記製造された圧電単結晶の圧電定数、誘電定数及び誘電損失特性を評価し、その結果、圧電定数(d33)2,007[pC/N]、誘電定数6,560及び誘電損失(tanδ)0.9%であることが分かった。
【0119】
前記製造された圧電単結晶を(001)面に切断し、両面に銀ペースト(Ag paste)電極を塗布し、ポーリングした後、一方の面のAg電極を除去して切断することにより、板状の[20(L)×20(L)×1(T)mm]電界-振動放射トランスデューサを製造した。
【0120】
前記製造された電界-振動放射トランスデューサについて、放射される電界の強度(大きさ)および機械的振動の変位を測定して下記表1に示した。
【0121】
【0122】
上記の結果から、[Pb][(Mg1/3Nb2/3)0.4Zr0.26Ti0.34]O3の組成の圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサは、実際に応用可能なレベルの電界と変位(振動)が誘導された。
【0123】
<実施例2>圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサの製造2
固相単結晶成長法により[Pb0.965Sr0.02La0.01][(Mg1/3Nb2/3)0.4Zr0.25Ti0.35]O3の組成の圧電単結晶を製造して用いることを除いては、前記実施例1と同様にして電界-振動放射トランスデューサを製造した。
【0124】
このとき、前記[Pb0.965Sr0.02La0.01][(Mg1/3Nb2/3)0.4Zr0.25Ti0.35]O3の組成の圧電単結晶の圧電定数(d33)は2,650[pC/N]であり、誘電定数は8,773であり、誘電損失(tanδ)は0.5%であった。
【0125】
図7は、[Pb
0.965Sr
0.02La
0.01][(Mg
1/3Nb
2/3)
0.4Zr
0.25Ti
0.35]O
3の組成の圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサへの電圧印加時の誘導電界の強度を示すものであり、
図8は、
図7の同一の電界-振動放射トランスデューサへの電圧印加時の機械的振動の大きさを示すものである。
【0126】
その結果、[Pb0.965Sr0.02La0.01][(Mg1/3Nb2/3)0.4Zr0.25Ti0.35]O3の組成の圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサについて、放射される電界の強度(大きさ)及び機械的振動の変位を測定した結果、実際に応用可能なレベルでの電界と変位(振動)が誘導されることが確認された。
【0127】
<実施例3>圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサの製造3
固相単結晶成長法により[Pb0.965Sr0.02Sm0.01][(Mg1/3Nb2/3)0.25(Ni1/3Nb2/3)0.10Zr0.30Ti0.35]O3の組成の圧電単結晶を製造した。また、単結晶成長中に多結晶体マトリックス上の気孔が単結晶中に捕捉され、製造された単結晶は、約1.5体積%の気孔強化相を含んでいた。前記製造された圧電単結晶の圧電定数(d33)は4,457[pC/N]であり、誘電定数は14,678であり、誘電損失(tanδ)は1.0%であった。
【0128】
前記製造された圧電単結晶を(001)面に切断し、両面にスパッタリング(Sputtering)工程により金(Au)電極を形成し、ポーリングした後、一方の面のAu電極を除去して切断し、板状[20(L)×20(L)×1(T)mm]の電界-振動放射トランスデューサを製造した。
【0129】
図9は、[Pb
0.965Sr
0.02Sm
0.01][(Mg
1/3Nb
2/3)
0.25(Ni
1/3Nb
2/3)
0.10Zr
0.30Ti
0.35]O
3の組成の圧電単結晶を用いた電界-振動放射トランスデューサへの電圧印加時の誘導電界の強度を示すものであり、
図10は、電圧印加時の機械的振動の大きさを示すものである。
【0130】
前記製造された電界-振動放射トランスデューサについて、放射される電界の強度(大きさ)および機械的振動の変位を測定した結果、実際に応用可能なレベルの電界と変位(振動)が誘導されることが確認された。
【0131】
<実施例4>圧電単結晶-エポキシ複合体を用いた電界-振動放射トランスデューサの製造4
前記実施例3の[Pb0.965Sr0.02Sm0.01][(Mg1/3Nb2/3)0.25(Ni1/3Nb2/3)0.10Zr0.30Ti0.35]O3の組成の圧電単結晶は、圧電定数(d33)4,457[pC/N]、誘電定数14,678、誘電損失(tanδ)1.0%)を有する板状のものであり、前記板状の圧電単結晶をダイシング工程で切断し、切断された部分にエポキシ(Epotek 301、Epoxy Technology Inc.(米国))を1:1の体積比で注ぎ、硬化させて1-3型複合体を製造した。
【0132】
前記複合体の両面[(001)面]にスパッタリング工程で金(Au)電極を形成し、ポーリングした後、一方の面のAu電極を除去して切断することにより、板状[20(L)×20(L)×1(T)mm]の複合体の電界-振動放射トランスデューサを製造した。
【0133】
前記製造された複合体の電界-振動放射トランスデューサについて、放射される電界の強度(大きさ)および機械的振動の変位を測定した結果を表2に示した。
【0134】
【0135】
前記製造された圧電単結晶-エポキシ複合体を用いた電界-振動放射トランスデューサについて、放射される電界の強度(大きさ)及び機械的振動の変位を測定した結果、実施例3の圧電単結晶単独(100%の場合)に比べて、複合体内のエポキシの含有量に比例して誘電定数は減少したが、変位(振動)は約50%増加した。したがって、複合体の電界-振動放射トランスデューサは、柔軟性があり、耐破壊性が向上し、変位(振動)特性が向上することが確認された。
【0136】
したがって、本発明の誘電及び圧電特性を満たす圧電単結晶を誘電材料として用いた電界-振動放射トランスデューサは、物質の移動、化学的作用、生物学的反応を促進し、ヒト及び動物の腫瘍を治療する目的の医療用装置に適用することができる。
【0137】
以上、本発明では記載された具体例についてのみ詳細に説明されたが、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明らかなものであり、かかる変形および修正が添付の特許請求の範囲に属するということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0138】
10 電界-振動放射トランスデューサ
11 圧電材料
12 電極
20 電圧供給装置
21 電気的接続線
30 頭部や皮膚などの身体部位
40 組織
41 腫瘍
42 電界
110 ポリマー-圧電複合体
111 ポリマー
112 圧電複合体
【国際調査報告】