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特表2023-550692スカイフック及びエンドストップ制御を使用する半能動懸架制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】スカイフック及びエンドストップ制御を使用する半能動懸架制御方法
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20231128BHJP
   B60N 2/54 20060101ALI20231128BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20231128BHJP
   B60N 2/16 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
F16F15/02 B
B60N2/54
B60N2/90
B60N2/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525497
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021059711
(87)【国際公開番号】W WO2022109015
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/115,819
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507381329
【氏名又は名称】ロード コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】マシュー,エイブラハム
(72)【発明者】
【氏名】マットソン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クランマー,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
3B087
3J048
【Fターム(参考)】
3B087BB22
3B087DD03
3B087DD12
3B087DE10
3J048AB08
3J048AB11
3J048AC04
3J048BE03
3J048CB21
(57)【要約】
シートと基体との間に配置された流体ダンパの制振力を制御することによって、シート乗員の乗り心地を滑らかにする方法を開示する。方法は、様々なサブ工程の間で選択し、不快な乗り心地を最小化し、シートのピーク加速度及びエンドストップのジャークを最小化する。制御器は、様々なサブ工程からの入力を使用し、即時の動作条件に対する最高の乗り心地をもたらす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートと基体との間に配置されたシート・ダンパの制振力を制御する方法であって、前記シート・ダンパは、前記シート・ダンパに制御をもたらすシート制御器を有し、前記方法は、
複数の入力値を測定、計算することであって、前記複数の入力は、
前記シート又は前記基体の絶対加速度(aabs)を測定し、加速度信号を生成するステップ、
前記基体に対する前記シートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)を測定し、変位信号を生成するステップ、
自動較正サブ工程から最大非スケール化変位(xmax_unscaled)及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled)を計算するステップ、
標準化スケール化サブ工程を使用して、スケール化相対変位(xrel_scaled)、最大スケール化変位(xmax_scaled)及び最小スケール化変位(xmin_scaled)を計算するステップ、
前記絶対加速度(aabs)及び前記スケール化相対変位(xrel_scaled)を使用する信号処理サブ工程から、前記シートの絶対速度(Vabs_seat)及び前記基体に対する前記シートの相対速度(Vrel)を計算するステップ
を含む、測定、計算することと、
最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)を同時に決定する複数の入力値を使用することであって、前記最大エンドストップ制御信号(uES)は、絶対楕円エンドストップ制御(EEC)信号(CtrlEllipse_abs)を生成する絶対EECサブ工程、相対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_rel)を生成する相対EECサブ工程、及びエンドストップ制御信号(CtrlESO2)を生成するESO2エンドストップ制御サブ工程を同時に稼働させることによって決定され、3つのうちの最大が、最大エンドストップ制御信号(uES)として選択され、スカイフック制御信号(uskyhook)は、スカイフック制御サブ工程を稼働させ、スカイフック制御出力(Ctrlskyhook)を生成し、スカイフック制御信号(Ctrlskyhook)に対する立上りエッジ・フィルタサブ工程を稼働させることによって決定される、使用することと、
最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)を集約し、最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)の和が所望のシート性能をもたらすかどうか、又は最大エンドストップ制御信号(uES)若しくはスカイフック制御信号(uskyhook)の間の最大が所望のシート性能をもたらすかどうかを試験することによって所望のシート性能を決定することと、
前記所望のシート性能に基づき、制振力制御信号(uctrl)を生成することと、
前記シート・ダンパを制御することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記自動較正サブ工程は、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)に、最後の電源サイクルサブ工程、パラメータ・データ入力ファイル(PDIF)初期化サブ工程、連続自動較正サブ工程、自動較正漏れサブ工程及び上書きサブ工程からの複数の値を入力するステップを更に含み、RAMに記憶された前記複数の値の一部は、既に記憶してある最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)、最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)、及び前記PDIFの2つ以上の値を含み、前記PDIFは、前記PDIF初期化サブ工程の間に読み出され、前記PDIFの2つ以上の値は、少なくとも、自動較正最大及び最小変位(XACAL_max/min)並びに自動較正許容差アップ又はダウン変位(xACAL_Tolerance_up/dn)を含み、前記PDIFの2つ以上の値は、上緩衝器厚さ(Snubber_up)の値及び下緩衝器厚さ(Snubber_dn)の値を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連続自動較正サブ工程は、
既に記憶してある最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)が有効であるかどうかを決定するステップと、前記最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)及び前記最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)が無効である場合、自動較正範囲を、前記自動較正最大変位(XACAL_max)から前記上緩衝器厚さ(Snubber_up)を引いたPDIF内の値、及び前記自動較正最小変位(XACAL_min)に前記下緩衝器厚さ(Snubber_dn)を足した値にリセットし、前記最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)及び前記最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)が有効である場合、前記最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)の現在値及び前記最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)の現在値をNVRAM内で保持するステップと、
前記上緩衝器厚さ(Snubber_up)を前記シートの前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)から引き、前記差が前記最大非スケール化変位(xmax_unscaled)を超えるかどうかを決定し、及び前記差が前記最大非スケール化変位(xmax_unscaled)を超える場合、前記最大非スケール化変位(xrel_unscaled)が前記自動較正許容差アップ変位(xACAL_Tolerance_up)を超えるかどうかを決定し、前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が前記自動較正許容差アップ変位(xACAL_Tolerance_up)を超えない場合、前記シートの前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)から前記上緩衝器厚さ(Snubber_up)を引いたものを前記NVRAMに書き込み、前記上緩衝器厚さ(Snubber_up)を前記シートの前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)から引いた前記差が前記最大非スケール化変位(xrel_unscaled)以下である場合、前記NVRAM内の前記最大非スケール化変位(xrel_unscaled)の現在の値を保持し、前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が前記自動較正許容差アップ変位(xACAL_Tolerance_up)以上である場合、前記NVRAM内の前記最大非スケール化変位(xrel_unscaled)の現在の値を保持するステップと、
前記下緩衝器厚さ(Snubber_dn)及び前記シートの前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)を足し、和が前記最小非スケール化変位(xmin_unscaled)未満であるかどうかを決定し、和が最大スケール化変位最小スケール化変位(xmin_unscaled)未満である場合、前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が前記自動較正許容差ダウン変位(xACAL_Tolerance_dn)未満であるかどうかを決定し、前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が前記自動較正許容差ダウン変位(xACAL_Tolerance_dn)以上である場合、前記シートの前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)及び前記下緩衝器厚さ(Snubber_dn)の前記和の結果を前記NVRAMに書き込み、前記下緩衝器厚さ(Snubber_dn)を前記シートの前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)に足した前記和が前記最小非スケール化変位(xmin_unscaled)以上である場合、前記最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)の現在の値を前記NVRAM内で保持し、前記非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が前記自動較正許容差ダウン変位(xACAL_Tolerance_dn)以下である場合、前記最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)の現在の値を前記NVRAM内で保持するステップと
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記自動較正漏れサブ工程の方法は、
時間が時間t1に当てはまるかどうかを決定し、前記時間t1に当てはまる場合、前記自動較正漏れサブ工程を開始するステップと、
漏れ値(xACAL_leak)を既に記憶してある最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)から引き、差が前記自動較正許容差アップ変位(xACAL_Tolerance_up)以下であり、前記自動較正最大変位(XACAL_max)から前記上緩衝器厚さ(Snubber_up)を引いたもの以上である場合に前記差を前記NVRAMに書き込むステップと、
前記漏れ値(xACAL_leak)を既に記憶してある最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)に足し、和が前記自動較正許容差ダウン変位(xACAL_Tolerance_dn)以上であり、前記自動較正最小変位(XACAL_min)に前記下緩衝器厚さ(Snubber_dn)を足したもの以下である場合に前記和を前記NVRAMに書き込むステップと
を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記上書きサブ工程は、前記連続自動較正サブ工程及び前記自動較正漏れサブ工程からの入力を使用し、前記最大非スケール化変位(xmax_unscaled)及び前記最小非スケール化変位(xmin_unscaled)の現在の値を前記NVRAM書き込む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記信号処理サブ工程は、
デジタル変位センサ又はアナログ変位センサを使用して前記シートの変位を測定するステップと、
デジタル低域通過フィルタにより前記デジタル変位センサからのデータを処理し、アナログ加速度計と対になっている場合に加速度計アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタと整合させるか、又は前記アナログ加速度計若しくはデジタル加速度計と対になっている場合にアナログ低域通過フィルタにより前記アナログ変位センサからのデータを処理するステップと、
前記デジタル低域通過フィルタからの出力を処理し、帯域幅制限微分器により前記加速度計アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタ又は前記アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタに整合させるステップと、
高域通過フィルタにより前記帯域幅制限微分器からの出力を処理し、加速度計基本ウォッシュアウト・フィルタに整合させるステップと、
第2の高域通過フィルタにより前記高域通過フィルタからの出力を処理し、加速度計漏れ積分器に整合させるステップと
を更に含み、前記第2の高域通過フィルタからの出力は、前記基体に対する前記シートの相対速度(Vrel)である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記信号処理サブ工程は、
前記デジタル加速度計又はアナログ加速度計を使用して前記シートの加速度を測定するステップと、
デジタル低域通過フィルタにより前記デジタル加速度計からのデータを処理し、アナログ変位センサと対になっている場合にアナログ変位センサ低域通過アンチエイリアス・フィルタと整合させるか、又は前記デジタル変位センサ若しくは前記アナログ変位センサと対になっている場合にアナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタにより前記アナログ加速度計からのデータを処理するステップと、
前記デジタル低域通過フィルタからの出力を処理し、基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタによりアナログ変位センサ低域通過アンチエイリアス・フィルタ又は前記アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタと整合させるステップと、
低域通過フィルタにより前記基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタからの出力を処理し、前記変位センサの帯域幅制限微分器に整合させるステップと、
漏れ積分器により前記低域通過フィルタからの出力を処理するステップと
を更に含み、前記漏れ積分器からの前記出力は、前記シートの絶対速度(Vabs_seat)又は前記基体の絶対速度(Vabs_base)である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記信号処理サブ工程は、
デジタル加速度計と対になっている場合にデジタル変位センサを使用して前記シートの変位を測定するステップと、
帯域幅制限微分器により処理して前記デジタル変位センサからの出力を処理するステップと、
高域通過フィルタにより前記帯域幅制限微分器からの出力を処理し、加速度計基本ウォッシュアウト・フィルタに整合させるステップと、
第2の高域通過フィルタにより前記高域通過フィルタからの出力を処理し、加速度計漏れ積分器に整合させるステップであって、前記第2の高域通過フィルタからの出力は、前記基体に対する前記シートの相対速度(Vrel)である、ステップと、
前記デジタル加速度計を使用して前記シートの加速度を測定するステップと、
基本ウォッシュアウト高域通過フィルタにより前記デジタル加速度計からのデータを処理するステップと、
低域通過フィルタにより前記基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタからの出力を処理し、前記変位センサの帯域幅制限微分器に整合させるステップと、
漏れ積分器により前記低域通過フィルタからの出力を処理するステップと
を更に含み、前記漏れ積分器からの出力は、前記シートの絶対速度(Vabs_seat)又は前記基体の絶対速度(Vabs_base)である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記絶対EECサブ工程及び前記相対EECサブ工程は、
楕円パラメータ選択サブ工程と、
動的速度成分サブ工程と、
動的変位成分サブ工程と、
楕円制御計算サブ工程と
を更に含み、前記楕円制御計算は、前記絶対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_abs)及び/又は相対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_rel)を生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記楕円パラメータ選択サブ工程は、
前記シートの相対速度(Vrel)に基づき、前記シートが拡張しているか又は圧縮しているかを決定するステップと、
パラメータ・データ入力ファイル(PDIF)からの少なくとも1つの記憶値を、前記動的速度成分サブ工程、前記動的変位成分サブ工程及び前記楕円制御計算サブ工程に伝達するステップと
を更に含み、前記動的速度成分サブ工程に伝達される前記記憶値は、変位半径アップ又はダウン(xRadius_up/dn)を含み、
前記動的変位成分サブ工程に伝達される記憶値は、変位半径アップ又はダウン(xRadius_up/dn)、相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn)、及びオフセット変位半径アップ又はダウン(xOffset_up/dn)を含み、
前記楕円制御計算サブ工程に伝達される記憶値は、相対又は絶対速度楕円利得アップ又はダウン(GElliptical_rel/abs_up/dn)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記動的速度成分サブ工程は、
前記変位半径アップ又はダウン(xRadius_up/dn)を2乗し、2乗変位半径(xRadius )値をランダム・アクセス・メモリ(RAM)に書き込むステップと、
前記シートの相対速度(Vrel)又は前記シートの絶対速度(Vabs)を2乗相対又は絶対速度(Vrel/abs )として2乗するステップと、
前記2乗変位半径(xRadius )に前記2乗相対又は絶対速度(Vrel/abs )を掛けることによって、2乗積(xRadius rel/abs )値を生成し、前記2乗積(xRadius rel/abs )値を前記RAMに書き込むステップと、
前記2乗変位半径(xRadius )及び前記2乗積(xRadius rel/abs )値を前記楕円制御計算サブ工程に伝達するステップと
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記動的変位成分サブ工程は、
前記相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn)を2乗し、2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn )値を前記RAMに書き込むステップと、
前記変位半径アップ(xRadius_up)、前記オフセット変位変位アップ(xOffset_up)及び前記スケール化相対変位(xrel_scaled)を前記最大スケール化変位(xmax_scaled)から引き、得られた値を2乗することによって、楕円アップ中心(xElliptical_up)変位からの楕円アップ若しくはダウン中心(xElliptical_up/dn)変位を計算するか、又は前記変位半径ダウン(xRadius_dn)、前記オフセット変位ダウン(xOffset_dn)及び前記最小スケール化変位(xmin_scaled)を前記スケール化相対変位(xrel_scaled)から引くことによって、楕円ダウン中心(xElliptical_dn)変位からの前記楕円アップ若しくはダウン中心(xElliptical_up/dn)変位を計算し、得られた値を2乗し、前記楕円ダウン中心アップ変位の2乗(xElliptical_up )値又は前記楕円中心ダウン変位の2乗(xElliptical_dn )値のいずれかを前記RAMに書き込むステップと、
前記2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn )に前記楕円中心アップの2乗(xElliptical_up )値又は前記楕円中心ダウン(xElliptical_dn )値のいずれかを掛け、2乗楕円変位2乗相対又は絶対速度半径(xElliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn )値を前記RAMに書き込むステップと、
前記2乗楕円変位2乗相対又は絶対速度半径(xElliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn )値を前記楕円制御計算サブ工程に伝達するステップと
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記楕円制御計算サブ工程は、
前記2乗変位半径(xRadius )の2乗積(xRadius rel/abs )値及び相対又は絶対速度の2乗(Vrel/abs )と、前記楕円中心アップ又はダウン(xElliptical_up/dn )及び前記2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn )からの2乗楕円変位の積とを足し、貫入値を決定するステップと、
前記2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn )に前記2乗変位半径(xRadius )を掛け、楕円境界値を決定するステップと、
前記貫入値がゼロを超えるかどうかを決定し、ゼロを超える場合、前記貫入値と前記楕円境界値との間の差を前記RAMに書き込み、ゼロを超えない場合、ゼロを前記RAMに書き込むステップと、
前記貫入値に関連する前記決定ステップの結果に、前記相対又は絶対速度楕円利得アップ又はダウン(GElliptical_rel/abs_up/dn)を掛け、前記絶対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_abs)及び/又は前記相対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_rel)を生成するステップと
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ESO2エンドストップ制御サブ工程は、
前記シートの相対速度(Vrel)に基づき、前記シートが拡張しているか又は圧縮しているかを決定するステップと、
前記相対速度(Vrel)がゼロ以上であるかどうかを決定するステップと、
前記スケール化相対変位(xrel_scaled)を前記最大スケール化変位(xmax_scaled)から引くことによって、反対側のストップまでの変位距離(xdist_to_opp_stop)が、相対速度が(Vrel)ゼロ以下である際の上部エンドストップからの距離を決定していることを決定するか、又は前記最小スケール化変位(xmin_scaled)を前記スケール化相対変位(xrel_scaled)から引くことによって、前記相対速度(Vrel)がゼロを超える際の底部エンドストップからの距離を決定するステップと、
前記相対速度の絶対値(|Vrel|)と相対速度限度アップ(Vlim_up)との間の差を決定し、得られた差に利得値アップ(GESO2_up)を掛けることによって、又は前記相対速度の絶対値(|Vrel|)と相対速度限度ダウン(Vlim_dn)との間の差を決定し、得られた差に利得値ダウン(GESO2_dn)を掛けることによって、ESO2エンドストップ規模(ESO2Magnitude)を決定するステップと、
前記相対速度限度アップ又はダウン(Vlim_up/dn)を前記相対速度の絶対値(|Vrel|)から引き、差がゼロ以上である場合に速度トリガ(VTrigger)値が真であるかどうかを決定し、前記相対速度限度アップ又はダウン(Vlim_up/dn)を前記相対速度の絶対値(|Vrel|)から引き、差がゼロ未満である際に前記速度トリガ(VTrigger)値が偽であるかどうかを決定するステップであって、前記速度トリガ(VTrigger)は、真である場合にイネーブルにされ、偽である場合にディスエーブルにされる、ステップと、
反対側のストップまでの変位距離(xdist_to_opp_stop)を変位限度アップ又はダウン(xlim_up/dn)から引き、差がゼロ以上である場合に変位トリガ(xTrigger)値が真であるかどうかを決定し、反対側のストップまでの変位距離(xdist_to_opp_stop)を変位限度アップ又はダウン(xlim_up/dn)から引き、差がゼロ未満である場合に変位トリガ(xTrigger)値が偽であるかどうかを決定するステップであって、前記変位トリガ(xTrigger)は、真である場合にイネーブルにされ、偽である場合にディスエーブルにされる、ステップと、
前記変位トリガ(xTrigger)と以前のセッションのESO2トリガとの間の最大値を決定することによって、ESO2循環トリガを決定するステップと、
前記ESO2循環トリガに前記速度トリガ(VTrigger)値を掛け、現在のESO2トリガを決定するステップと、
前記現在のESO2トリガに前記ESO2エンドストップ規模(ESO2Magnitude)を掛け、前記ESO2制御信号(CtrlESO2)を決定するステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記スカイフック制御サブ工程は、
前記シートの絶対速度(Vabs_seat)に前記シートの前記相対速度(Vrel)を掛けた積がゼロを超えるかどうかを決定するステップと、
前記積がゼロ以下である場合に前記スカイフック制御信号(Ctrlskyhook)の値をゼロに設定するステップと、
粘性制振係数(Csky)に前記シートの絶対速度(Vabs_seat)を掛け、前記スカイフック制御信号(Ctrlskyhook)の値を決定するステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記立上りエッジ・フィルタサブ工程は、
前記スカイフック制御信号(Ctrlskyhook)を単極低域通過フィルタを通じて処理するステップと、
前記単極低域通過フィルタからの第1の応答(A)が第2の応答(B)以下であるかどうかを決定し、次に、前記スカイフック制御信号(uskyhook)が前記スカイフック制御信号(Ctrlskyhook)の前記単極低域通過フィルタの値に等しいかどうかを決定するステップと、
前記単極低域通過フィルタからの前記第1の応答(A)が前記第2の応答(B)を超えるかどうかを決定し、次に、前記スカイフック制御信号(uskyhook)が前記スカイフック制御サブ工程からの前記スカイフック制御信号(Ctrlskyhook)の値に等しいかどうかを決定するステップと
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月19日出願、名称「IMPROVED SUSPENSION SEMI ACTIVE SKYHOOK CONTROL SYSTEM AND METHOD」の米国仮特許出願第63/115,819号の利益を主張し、当該出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、制御可能シート・ダンパの分野に関する。より詳細には、本発明は、半能動シート・ダンパ・システムを動的に制御する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
シート・ダンパに関する1つ問題は、シート・ダンパが、乗員に対する粗い乗り心地の問題を完全に解決しないことである。シート・ダンパは、長年の間、自動車、大型トラック及びオフロード車両のシート懸架システム等の振動及び/又は衝撃減衰システムにおいて使用されているが、依然として、シートがエンドストップに接近した際にシートがジャークする、又は制振システムがシート・ダンパの実際の移動に追いつこうとした際に先行する/遅れた跳ね返り効果があるという問題がある。
【0004】
シート・ダンパは他の形態を取り得るが、これらは、一般に、オリフィス又は通路によって相互接続された可変容積チャンバを有するピストン・シリンダ組立体を備え、オリフィス又は通路を通じて、油圧流体が変位し、オリフィス又は通路によって、そのような流体は、オリフィスのサイズの関数である範囲まで絞られる。大部分のそのようなダンパは、単純な受動型であり、拡張及び圧縮を受け、制動力を生成させるものであるが、ダンパによって相互接続された(自動車のシート及び基体構成要素等の)離間部材の相対移動に応じるにすぎない。パッシブ・ダンパの制振力は、相対移動に常に対抗し、この制振力は、特定の動作条件下、ダンパによって相互接続されたシートと基体との間の振動及び力の伝達を減衰するのではなく、望ましくなく増幅させる。
【0005】
シート・ダンパには、パッシブ・ダンパ、アクティブ・ダンパ又はセミアクティブ・ダンパがあり得る。本明細書では、セミアクティブ・ダンパを説明する。セミアクティブ・ダンパは、ポンプ又は他の加圧流体供給源を含まないという点で、パッシブ・ダンパに似ている。セミアクティブ・ダンパは、セミアクティブ・ダンパによって相互接続された部材の間の相対移動に応答して、及びこの相対移動に対抗して制振力を生成し得るだけである。
【0006】
セミアクティブ・ダンパは、セミアクティブ・ダンパが、ダンパによって生成される制振力を制御する機構及び制御システムを含むという点で、能動ダンパに似ている。より詳細には、セミアクティブ・ダンパは、動作中にダンパによって相互接続された部材の間の相対移動によって生成された制振力の規模を連続的に変更する。そのような制御は、ダンパの可変容積チャンバを相互接続するオリフィス又は通路と連携する調節可能弁デバイスを、制振動作中に弁を動的に調節する制御器と共に使用することによって実現し得る。
【0007】
単純なセミアクティブ・ダンパは、極度の拡張及び/又は圧縮中の底打ちを防止する等の特別な目的で、久しく利用されている。これらのセミアクティブ・ダンパは、特定の限定された目的では十分とし得るが、セミアクティブ・ダンパが達成する振動減衰度は、パッシブ・ダンパが実現する減衰とは著しく異なり、アクティブ・ダンパが実現する減衰には匹敵しない。必要とされるのは、ジャークを除去するセミアクティブ・ダンパシステムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、シートと基体との間に配置されたシート・ダンパの制振力を制御する方法が提供され、シート・ダンパは、シート・ダンパに制御をもたらすシート制御器を有する。方法は、シート又は基体の絶対加速度(aabs)を測定し、加速度信号を生成することを含む。方法は、基体に対するシートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)を測定し、変位信号を生成することを含む。方法は、自動較正サブ工程から最大非スケール化変位(xmax_unscaled)及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled)を計算することを含む。方法は、標準化スケール化サブ工程を使用して、相対スケール化変位(xrel_scaled)、最大スケール化変位(xmax_scaled)、及び最小スケール化変位(xmin_scaled)を計算することを含む。方法は、絶対加速度(aabs)及びスケール化相対変位(xrel_scaled)を使用する信号処理サブ工程から、シートの絶対速度(Vabs_seat)及び基体に対するシートの相対速度(Vrel)を計算することを含む。方法は、最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)を同時に決定する複数の入力値を使用することも含み、最大エンドストップ制御信号(uES)は、絶対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_abs)を生成する絶対楕円エンドストップ制御工程、相対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_rel)を生成する相対楕円エンドストップ制御工程、及びエンドストップ制御信号(CtrlESO2)を生成するESO2エンドストップ制御工程を同時に稼働させることによって決定され、3つのうち最大は、最大エンドストップ制御信号(uES)として選択され、スカイフック制御信号(uskyhook)は、スカイフック制御工程を稼働させ、スカイフック制御出力(Ctrlskyhook)を生成し、スカイフック制御出力(Ctrlskyhook)に対して立上りエッジフィルタ工程を稼働させることによって決定される。方法は、最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)を集約し、最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)の和が所望のシート性能をもたらすかどうか、又は最大エンドストップ制御信号(uES)又はスカイフック制御信号(uskyhook)の間の最大が所望のシート性能をもたらすかどうかを試験することによって所望のシート性能を決定することを更に含む。また、方法は、所望のシート性能に基づき、制振力制御信号(uctrl)を生成し、シート・ダンパを制御することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】セミアクティブ・ダンパの例の典型的な断面図である。
図2図1のセミアクティブ・ダンパをシート上に設置した例の概略図である。
図3A図2のシートの拡張と比較される中立相対変位x位置における図2のシートの例の概略図である。
図3B図2のシートの圧縮と比較される中立相対変位x位置における図2のシートの例の概略図である。
図3C図3Aから取られた、拡張におけるシートの上緩衝器及び下緩衝器の詳細図である。
図3D図3Bから取られた、圧縮におけるシートの上緩衝器及び下緩衝器の詳細図である。
図4】本発明の工程のフローチャートである。
図5A】自動較正サブ工程のフローチャートである。
図5B】自動較正サブ工程のフローチャートである。
図5C】自動較正サブ工程のフローチャートである。
図5D】自動較正サブ工程のフローチャートである。
図5E】自動較正サブ工程の概略図である。
図6A】信号処理サブ工程のフローチャートである。
図6B】信号処理サブ工程のフローチャートである。
図6C】信号処理サブ工程のフローチャートである。
図6D】信号処理サブ工程のフローチャートである。
図7A】楕円エンドストップ制御サブ工程のフローチャートである。
図7B】楕円エンドストップ制御サブ工程のフローチャートである。
図7C】楕円エンドストップ制御サブ工程のフローチャートである。
図7D】楕円エンドストップ制御サブ工程のフローチャートである。
図7E】楕円エンドストップ制御サブ工程要素の概略図である。
図8A】ESO2エンドストップ制御サブ工程要素のフローチャートである。
図8B】ESO2エンドストップ制御サブ工程要素の概略図である。
図9】スカイフック制御サブ工程のフローチャートである。
図10】立上りエッジ・フィルタサブ工程のフローチャートである。
図11】パラメータ・データ入力ファイル(PDIF)要素の決定に関連する調整工程のフローチャートである。
図12】振動伝達率対励起周波数のコンピュータ・シミュレーションの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
シート使用者(複数可)の乗り心地を改善するため、シートと取付け基体との間にダンパを組み込む多くの車両がある。パッシブ・ダンパは、シート及びシート使用者(複数可)にかなり多くの高周波基体励振を伝達し始めるまでにシートの自然共鳴に対して反応する能力が限られている。パッシブ・ダンパの設計は、共鳴時シートをどのくらい移動させるかと、どのくらいの多さの高周波運動をシート使用者(複数可)に伝達するかとの間で妥協を必要とする。
【0011】
セミアクティブ・ダンパは、パッシブシートと比較すると、シートの自然共鳴を制動する一方でシート及び乗員に伝達される高周波基礎励振量を依然として最小化することによって、シートの中間動作範囲内でシートの性能を改善し得る。
【0012】
しかし、シートがそのエンドストップの1つ(即ち、完全圧縮又は完全拡張)に接近した際に依然として問題がある。シートがエンドストップに到達すると、激しい衝撃がシート使用者(複数可)に伝達される。本発明は、シートがエンドストップに接近するにつれて累進的に固定される制振係数をシートに適用することによってこの問題を解決し、これにより、シートが堅いエンドストップに到達するのを防止し、したがって、シート乗員(複数可)にその衝撃が伝達されるのを防止する。
【0013】
図1図3Dを参照すると、シート・ダンパ・システムが示され、シート・ダンパ・システム100として全体的に設計される。シート・ダンパ・システム100は、シート102と、基体104と、ダンパ106と、ばね108と、システム制御器110とを有する。ばね108は、シート102に垂直支持をもたらす一方で、シートと基体104との間の垂直移動を可能にする。図2図3Dの非限定的な例では、支持アーム109は、シート102が垂直に移動する際に水平に移動する。システム制御器110は、シート102上、基体104上、又はシート・ダンパ・システム100の制御を可能にする任意の他の場所上に配置し得る。
【0014】
シート102は、シート102に関する垂直加速度データの提供が可能な、シート102上に配置される少なくとも1つのセンサ112、及び/又は基体104に対するシート102の垂直変位データの提供が可能な、シート102上に配置される少なくとも1つのセンサ114を有する。基体104は、基体104の垂直変位の検出が可能な、基体104上に配置される少なくとも1つのセンサ116と、基体104の加速度の検出が可能な、基体104上に配置される少なくとも1つのより多くのセンサ118も有し得る。
【0015】
非限定的な例では、ダンパ106は、制振を制御可能であるセミアクティブ・ダンパである。ダンパ106は、システム制御器110によって制御される。ダンパ106は、ピストン122が中に移動可能に配設されるシリンダ120を有する。ダンパ106は、電気調節可能弁124を更に含み、電気調節可能弁124は、システム制御器110によって制御され、以下で説明する制御ポリシー、並びにセンサ112、114、116及び/又は118から受信される信号データに従って弁124の動作条件を変更する。ダンパ106は、少なくとも1つの第1のチャンバ126と第2のチャンバ128とを有する。流体130は、第1のチャンバ126及び第2のチャンバ128の両方にある。ダンパ106は、流体130を使用するセミアクティブ・ダンパであると説明するが、ダンパ106は、油圧流体を使用する従来の油圧ダンパであっても、第1のチャンバ126及び第2のチャンバ128内に磁気粘性(MR)流体を有するMRダンパであってもよい。ダンパ106がMRダンパである場合、当業者に公知の付随するMR制御システム(図示せず)も、ダンパ106に付随する。
【0016】
図示のように、ダンパ106は、ピストン棒上端部132上でシート102に固着され、シリンダ下端部134上で基体104に固着される。上緩衝器136及び下緩衝器138は、図2図3Bで全体的に示される。緩衝器は、エンドストップを和らげる物理的なバンパである。緩衝器は、完全メタルストップへの先行物である。緩衝器は、多数のシート構成で存在する。いくつかのシートは、圧縮及び拡張の両方における緩衝器を有する一方で、他のシートは、一方のエンドストップにのみ緩衝器を使用し得る。上緩衝器136は、シート102の移動が拡張している場合にダンパ106の最大移動を吸収するように圧縮可能であり、下緩衝器138は、シート102の移動が圧縮している際にダンパ106の最小移動を吸収するように圧縮する。上緩衝器136及び下緩衝器138の実際の場所は、設計上の選択である。
【0017】
シート102と基体104との間の垂直移動により、弁124及び付随する導管140を通じて流体130を変位させ、弁124及び付随する導管140は、第1のチャンバ126及び第2のチャンバ128を相互接続し、第1のチャンバ126及び第2のチャンバ128は、ピストン122がシリンダ120内に移動可能に配設された際にピストン122によって隔てられる。図1に示すように、ピストン122の棒142は、ピストン122を移動させるように配置され、第1のチャンバ126と第2のチャンバ128との間で変位する流体130の量が、変位がダンパ106の圧縮であるか拡張であるかとは無関係に、同じであるようにする。
【0018】
電気調節可能弁124は、少なくとも2つの異なる動作位置又は状態の間を急速に調節可能である。電気調節可能弁124は、その第1の動作状態において、導管140を通る流体流を著しく絞る又は制限する。このことにより、著しい制振力が生成され、任意のパッシブ又はセミアクティブ・ダンパが生成する力と調和して、シート102に起こっている相対的な運動に対抗する。この相対的な運動は、流れを生成する相対的な運動をピストン122とシリンダ120との間に生じさせているものである。電気調節可能弁124は、その第2の動作状態において、完全に開放され、最小制振しかもたらさない。電気調節可能弁124がその第2の状態にある場合、最良に達成可能な結果は、ゼロに接近する最小制振力である。電気調節可能弁124の動作状態の一方からもう一方へのかなり急速な調節移行は、システム制御器110から弁に送信される制御信号によってもたらし得る。
【0019】
図2図3Dを全体的に参照すると、システム制御器110は、センサ114及び/又はセンサ116からのデータを使用し、シート102の非スケール化相対変位xrel_unscaled及び相対速度Vrelについてのデータを受信する。非スケール化相対変位xrel_unscaledは、基体104に対するシート102の未補正デジタル非スケール化単位である。非スケール化相対変位xrel_unscaledは、無次元デジタル単位にある。無次元デジタル単位は、センサの全行程をデジタル解像度によって除算することによって決定される。シート102の絶対速度Vabs_seatは、センサ112の積分を取ることによって、又はセンサ融合サブ工程を通じて決定される。シート102の絶対速度Vabs_seatは、加速度センサ112、118及び/又は変位センサ114、116からの運動データから測定又は計算することもできる。
【0020】
システム制御器110をシート102又は基体104上に設置し、センサ114をシート102上又はシステム制御器110内に設置すると、相対速度Vrelは、センサ114から直接得られる。相対速度Vrelは、非スケール化相対変位xrel_unscaledの微分係数を経時的に取ることによって得られる。
【0021】
システム制御器110を基体104上に設置し、センサ112をシステム制御器内に設置すると、基体の絶対速度Vabs_baseは、センサ112からの加速度出力の積分を取ることによって得られる。シート102の絶対速度Vabs_seatを決定するには、シート相対速度Vrelを基体絶対速度Vabs_baseに加える。
【0022】
シート102の相対速度Vrel及び絶対速度Vabs_seatは、式1~3によって数学的に表される。
rel=d(xrel_scaled)/dt 式1
rel=Vabs_seat-Vabs_base 式2
abs_seat=Vabs_base+Vrel 式3
【0023】
図3A図3Dを参照すると、シート102は、図の左側に中立状態で配置され、シート102に負荷又は移動がない場合の基体104に対する最初の中立相対変位xを有する。図3A及び図3Cにおいて、シート102は、垂直に延在し、最大変位XACAL_maxは、ダンパ106の100%金属拡張最大距離であり、基体104とシート102の下縁部137との間で測定される。最大非スケール化変位xmax_unscaledは、ダンパ106が完全に拡張された際、支持アーム109が上緩衝器136を圧縮し始めた時の、基体104と、支持アーム109による上緩衝器136への最初の接触との間の距離である。図3A及び図3Cは、上緩衝器136の変位厚さである緩衝器厚さSnubber_upを示し、緩衝器厚さSnubber_upは、支持アーム109が上緩衝器136を圧縮し始める最初の接触から、上緩衝器136への支持アームの完全な貫入までを測定したものである。最大変位XACAL_maxも、最大非スケール化変位xmax_unscaledに緩衝器厚さSnubber_upを足したものとして、図3A及び図5Eに示される。図3Cは、シート102の垂直移動及び支持アーム109の水平移動を示す。
【0024】
図3B及び図3Dにおいて、シート102は、最小変位XACAL_minで圧縮している。最小変位XACAL_minは、ダンパ106の100%金属圧縮最小距離である。最小非スケール化変位xmin_unscaledは、ダンパ106が完全に圧縮されている際の、支持アーム109が下緩衝器138を圧縮し始めた時の基体104と、支持アーム109による下緩衝器138の最初の接触との間の距離である。図3B及び図3Dは、下緩衝器138の変位厚さである緩衝器厚さSnubber_dnを示し、緩衝器厚さSnubber_dnは、支持アーム109が下緩衝器138を圧縮し始める最初の接触から、下緩衝器138への支持アームの完全な貫入までを測定したものである。最小変位XACAL_minも、最小非スケール化変位xmin_scaledから緩衝器厚さSnubber_dnを引いたものとして、図3B及び図5Eに示される。図3Dは、シート102の垂直移動及び支持アーム109の水平移動を示す。
【0025】
式4に表されるスケール化相対変位xrel_scaledは、稼働範囲変位xPDIF_Working_range及び稼働最小変位xPDIF_Working_minを更に含み、両方とも、以下の標準化スケール化サブ工程148のセクションで説明する。
【0026】
【0027】
相対変位xrel_scaledの値は、xmax_scaledからxmin_scaledの間にあるが、数学的な値ではない。そうではなく、相対変位xrel_scaledの値は、基準スケールを伴わないポイント量である。
【0028】
図2図3Dを参照すると、センサ112及び118は、加速度計とし得るが、シート102又は基体104の垂直加速度に関するデータを提供可能な任意のセンサが機能する。同様に、センサ114及びセンサ116は、線形可変差動変圧器(LVDT)又は線速度変換器(LVT)とし得るが、シート102又は基体104の垂直変位を提供可能な任意のセンサが機能する。センサ112、114、116、118は、データをシステム制御器110に提供する。変位センサ114、116からの未補正データは、非スケール化相対変位xrel_unscaledをもたらす。
【0029】
図示のシート構成において、システム制御器110は、センサ112及び/又は114並びにセンサ116及び/又は118からのデータも使用し、基体104に対するシート102の変位を決定し、シート102の絶対速度Vabs_seatを決定し得る。しかし、システム制御器110は、同じセンサ112及び/又は114を使用し、基体104の絶対加速度aabsを得ることもできる。
【0030】
更に、システム制御器110は、ダンパ106に半能動制御をもたらす制御ポリシーを有する。図1図3Dに示すように、システム制御器は、シート102の相対非スケール化変位xrel_unscaled、最大非スケール化変位xmax_unscaled、最小非スケール化変位xmin_unscaled、相対スケール化変位xrel_scaled、最大スケール化変位xmax_scaled、最小スケール化変位xmin_scaled、絶対速度Vabs_seat、及び相対速度Vrelを含むデータを計算及び/又は記憶し得る。システム制御器110は、シート102の絶対加速度aabsも計算及び/又は記憶し得る。
【0031】
センサ112、114、116及び/又は118によって測定されたデータ、及びシステム制御器110で実行された計算は、フラッシュ・メモリ(図示せず)及び/又は不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)(図示せず)内に記憶される。更に、フラッシュ・メモリ又はNVRAMは、以前のシート・ダンパ・システム100の動作からのデータ、及び以下で説明する様々なサブ工程で計算されたデータも記憶する。更なるデータは、相手先商標製造業者(OEM)によって、フラッシュ・メモリ又はNVRAM内に記憶されたパラメータ・データ項目ファイル(PDIF)に入力し得る。以下の複数の種類の記憶データは、個々の工程又はサブ工程で説明されるように測定、計算及び/又は記憶される。
【0032】
図4を参照すると、上位レベルの工程フローチャートが図示される。図4に示される工程は、システム制御器110内で全て実行される。サブ工程のそれぞれを以下で詳述する。
【0033】
図4で示される工程フローチャートにおいて、シート102の非スケール化相対変位xrel_unscaledは、自動較正サブ工程146に伝達される。自動較正サブ工程146からの出力は、シート102の最大非スケール化変位xmax_unscaled及び最小非スケール化変位xmin_unscaledである。
【0034】
シート102の非スケール化相対変位xrel_unscaledも、シート102の最大非スケール化変位xmax_unscaled及び最小非スケール化変位xmin_unscaledと共に標準化スケール化サブ工程148に伝達される。標準化スケール化サブ工程148からの出力は、シート102のスケール化相対変位xrel_scaled、最大スケール化変位xmax_scaled、及び最小スケール化変位xmin_scaledである。
【0035】
シート102又は基体104の絶対加速度aabsは、標準化スケール化サブ工程148から伝達されるものとして示したシート102のスケール化相対変位xrel_scaledと共に、信号処理サブ工程150に伝達される。シート102のスケール化相対変位xrel_scaledは、信号処理サブ工程150に直接伝達し得る。信号処理サブ工程150からの出力は、シート102の絶対速度Vabs_seat及びシート102の相対速度Vrelである。
【0036】
最大スケール化変位xmax_scaled、最小スケール化変位xmin_scaled、及びスケール化相対変位xrel_scaledは全て、標準化スケール化サブ工程から、絶対楕円エンドストップ制御サブ工程152、相対楕円エンドストップ制御サブ工程154及びESO2エンドストップ制御サブ工程156に伝達される。更に、シート102の絶対速度Vabs_seatは、絶対楕円エンドストップ制御サブ工程152に伝達され、相対速度Vrelは、絶対楕円エンドストップ制御サブ工程152、相対楕円エンドストップ制御サブ工程154及びESO2エンドストップ制御サブ工程156に伝達される。
【0037】
絶対楕円エンドストップ制御サブ工程152の出力は、エンドストップ制御信号CtrlEllipse_absである。相対楕円エンドストップ制御サブ工程154の出力は、エンドストップ制御信号CtrlEllipse_relである。また、ESO2エンドストップ制御サブ工程156の出力は、エンドストップ制御信号CtrlESO2である。絶対楕円エンドストップ制御サブ工程152、相対楕円エンドストップ制御サブ工程154及びESO2エンドストップ制御サブ工程156からのエンドストップ制御信号は、最大エンドストップ制御サブ工程158に伝達される。最大エンドストップ制御サブ工程158からの出力は、最大エンドストップ制御信号uESであり、エンドストップ制御信号CtrlEllipse_abs、CtrlEllipse_rel及び/又はCtrlESO2の最大値である。
【0038】
シート102の絶対速度Vabs_seat及び相対速度Vrelは、スカイフック制御サブ工程160に伝達される。スカイフック制御サブ工程160からの出力は、スカイフック制御信号Ctrlskyhookである。スカイフック制御信号Ctrlskyhookは、立上りエッジ・フィルタサブ工程162に伝達される。立上りエッジ・フィルタサブ工程162からの出力は、スカイフック制御信号uskyhookである。
【0039】
最大エンドストップ制御信号uES及びスカイフック制御信号uskyhookは、制御集約サブ工程164に伝達される。制御集約サブ工程164からの出力は、ダンパ制御信号uctrlであり、制御入力をダンパ106に提供するために使用される。個々のサブ工程を以下で更に説明する。
【0040】
自動較正サブ工程
自動較正サブ工程146は、図5A図5Eに示される。自動較正サブ工程146内に、図5B図5Dに示される4つの更なるサブ工程があり、最後の電源サイクル値サブ工程166、PDIF初期化サブ工程168、連続自動較正サブ工程170、自動較正漏れサブ工程172及び上書きサブ工程174からのRAMへの入力を含む。図5Eは、自動較正サブ工程146で使用された要素に対する自動較正許容差の関係を示す。
【0041】
PDIF初期化サブ工程168は、システム制御器110を起動した際に初期化される。このサブ工程は、フラッシュ・メモリ内に記憶したPDIFからの自動較正PDIF要素を使用し、自動較正最大及び最小変位XACAL_max/min並びに自動較正許容差アップ又はダウン変位xACAL_Tolerance_up/dnを入力する。フラッシュ・メモリに言及しているが、自動較正PDIF要素を記憶可能な任意のメモリ記憶装置デバイスが機能する。自動較正許容差アップ又はダウン変位xACAL_Tolerance_up/dnは、未補正非スケール化値であり、100%メタルストップに、OEMによってPDIF内で規定された許容差パーセンテージを加えたものの組合せを示す。
【0042】
自動較正最大及び最小変位XACAL_max/minは、OEMがPDIFに入力した100%メタル拡張/圧縮ストップに対する170最大及び最小未補正非スケール化値である。自動較正許容差AutoCAL_Toleranceは、センサからの最大及び最小許容可能非スケール化相対変位の入力である。これらの境界外側の値は、無効と見なされ、システムの何らかの欠陥を示す。
【0043】
更に、システム制御器110の不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)は、以前の/最後の電源サイクルから記憶された値を有する。以前に記憶された最大非スケール化変位xmax_unscaled_old及び最小非スケール化変位xmin_unscaled_old、整合対の値は、NVRAMから読み出され、連続自動較正サブ工程170及び自動較正漏れサブ工程172に伝達される。整合対の値とは、コードが、これらの値のために保存したNVRAM空間を見て、NVRAM内に同じ値の重複コピーがある場合にのみNVRAM内の値を使用することを意味する。このことにより、NVRAM内の値が有効であり、NVRAMへの良好な過去の書込みからのものであることを保証する。有効性を保証するため、区分のチェックサム又はCRCを使用することもできる。
【0044】
図5Cを参照すると、連続自動較正170は、サブ判定ブロックを中に有する判定ブロックである。例示のためにすぎないが、図5Cは、長方形として連続自動較正170判定ブロックを示す。連続自動較正サブ工程170において、NVRAM値が無効かどうかに関して決定が行われる。即ち、NVRAM値が書き込まれていないか又は等しいかどうかについて、質問が尋ねられる。この決定は、以前のセッションからの最大非スケール化変位xmax_unscaled_old及び最小非スケール化変位xmin_unscaled_oldを使用する。NVRAM値が有効である場合、最大非スケール化変位xmax_unscaled_old及び最小非スケール化変位xmin_unscaled_oldは保持され、最大非スケール化変位xmax_unscaled_oldは、最大非スケール化変位xmax_unscaledに割り当てられ、最小非スケール化変位xmin_scaled_oldは、最小非スケール化変位xmin_unscaledに割り当てられる。NVRAM値が無効である場合、自動較正範囲は、OEMがロードした値にリセットされる。これらの値は、自動較正最大変位XACAL_maxから上緩衝器136厚さSnubber_up値を引いた値、及び自動較正最小変位XACAL_minに下緩衝器138厚さSnubber_dn値を足した値である。上緩衝器136厚さSnubber_up及び下緩衝器138厚さSnubber_dn値は、OEMが入力した線形変位デジタル単位であり、エラストマ緩衝器の厚さに基づく。リセット自動較正範囲は、NVRAMに書き直される。
【0045】
標準化スケール化サブ工程において以下で説明するように、標準化範囲は、物理的移動の両端の間でわずかな移動を捕捉するのに十分な解像度を提供する任意の範囲である。PDIF内に記憶された標準化範囲値は、稼働最小変位及び稼働範囲変位を含む。非限定的な一例では、稼働最小変位は、4,000単位として設定され、稼働範囲変位は、24,000単位として設定される。これらの単位を使用すると、最小スケール化変位xmin_scaledは、4,000となり、最大スケール化変位xmax_scaledは、28,000となる。
【0046】
連続自動較正サブ工程170は、NVRAM及びPDIFからの情報も使用し、非スケール化相対変位xrel_unscaledを含む。緩衝器の上の状態に関し、入力を決定した後、上緩衝器136厚さSnubber_up値は、非スケール化相対変位xrel_unscaledから引かれる。数学的に例示するにすぎないが、このことをValueCA1と呼ぶ。次に、非スケール化相対変位xrel_unscaledから上緩衝器136厚さSnubber_up値を引いたものが、最大非スケール化変位xmax_unscaledより大きいかどうかを決定する。答えがいいえである場合、最大非スケール化変位xmax_unscaled_oldが最大非スケール化変位xmax_unscaledであるように割り当てる。答えがはいである場合、工程を継続し、非スケール化相対変位xrel_unscaledが自動較正許容差アップ変位xACAL_Tolerance_upより大きいかどうかについて、質問が尋ねられる。答えがいいえである場合、非スケール化相対変位xrel_unscaledの値から上緩衝器136厚さSnubber_up値を引いたものをNVRAMに書き直す。答えがはいである場合、最大非スケール化変位xmax_unscaled_oldが最大非スケール化変位xmax_unscaledであるように割り当てる。
【0047】
緩衝器の下の状態に関し、連続自動較正サブ工程170は、下緩衝器138厚さSnubber_dnも非スケール化相対変位xrel_unscaledに追加する。数学的に例示する目的で、このことをValueCA2と呼ぶ。次に、非スケール化相対変位xrel_unscaledに下緩衝器138厚さSnubber_dn値を足したものが最小非スケール化変位xmax_unscaled未満であるかどうかを決定する。答えがいいえである場合、最小非スケール化変位xmin_unscaled_oldが最小非スケール化変位xmin_unscaledであるように割り当てる。答えがはいである場合、工程を継続し、非スケール化相対変位xrel_unscaledが自動較正許容差ダウン変位xACAL_Tolerance_dn未満であるかどうか、質問が尋ねられる。答えがいいえである場合、非スケール化相対変位xrel_unscaledの値に下緩衝器138厚さSnubber_dn値を足したものをNVRAMに書き直す。答えがはいである場合、最小非スケール化変位xmin_unscaled_oldが最小非スケール化変位xmin_unscaledであるように割り当てる。
【0048】
連続自動較正の式は、
ValueCA1=xrel_unscaled-Snubber_up 式5
ValueCA1>xmax_unscaledであるか? 式6
rel_unscaled>xACAL_Tolerance_upであるか? 式7
ValueCA2=xrel_unscaled+Snubber_dn 式8
ValueCA2<xmin_unscaledであるか? 式9
rel_unscaled<xACAL_Tolerance_dnであるか? 式10
【0049】
図5Dを参照すると、自動較正漏れサブ工程172は、時間=t1に当てはまる際に開始される。時間t1は、システム制御器110の電源をオンにした際に開始される内部コード・カウンタである。時間t1は、65,000までカウントすると停止し、初期化イベント・スケジューリングのために使用される。初期化されると、以前のセッションからの最大非スケール化変位xmax_unscaled_old及び最小非スケール化変位xmin_unscaled_oldは、漏れ値xACAL_leakによって修正される。漏れ値xACAL_leakは、最大非スケール化変位xmax_unscaled_oldから引かれる。数学的に説明する目的で、この値をValueAL1と呼ぶ。漏れ値は、広すぎる誤った較正を調節するために使用される非スケール化デジタル値であり、電源サイクルの開始ごとに適用される。
【0050】
漏れ値xACAL_leakは、以前のセッションからの最小非スケール化変位xmin_unscaled_oldにも追加される。数学的に説明する目的にすぎないが、この値をValueAL2と呼ぶ。自動較正最大変位XACAL_maxの漏れ値は、漏れ値が自動較正許容差アップ変位xACAL_Tolerance_up以下であって、自動較正最大変位XACAL_maxから上緩衝器厚さSnubber_upを引いたもの以上である場合にのみ、NVRAMに書き込まれる。自動較正最小変位XACAL_minの漏れ値は、漏れ値が自動較正許容差ダウン変位xACAL_Tolerance_dn以上であって、自動較正最小変位XACAL_minに下緩衝器138厚さSnubber_dnを足したもの以下である場合にのみ、NVRAMに書き込まれる。
【0051】
自動較正漏れの式は、
ValueAL1=xmax_unscaled_old-xACAL_leak 式11
飽和=xACAL_Tolerance_up,XACAL_max-Snubber_up 式12
ValueAL2=xmin_unscaled_old+xACAL_leak 式13
飽和=XACAL_min+Snubber_dn,xACAL_Tolerance_dn 式14
【0052】
連続自動較正サブ工程170及び自動較正漏れサブ工程172からの入力から、上書きサブ工程174は、最大非スケール化変位xmax_unscaledの最大値及び最小非スケール化変位xmin_unscaledの最小値を選択する。連続自動較正サブ工程170のために上記した様々な判定により、最大非スケール化変位xmax_unscaled_old及び最小非スケール化変位xmin_unscaled_oldを、最大非スケール化変位xmax_unscaled及び最小非スケール化変位xmin_unscaledに割り当て得る。これが行われた場合、上書きサブ工程174は飛び越される。それ以外の場合、連続自動較正サブ工程170の上記した様々な判定からの出力は、決定論理経路を辿り、上書きサブ工程174に提供される。値は、NVRAM又は他の指定メモリに書き込まれる。
【0053】
標準化スケール化サブ工程
図4を参照すると、標準化スケール化サブ工程148は、自動較正サブ工程146から最大非スケール化変位xmax_unscaled及び最小非スケール化変位xmin_unscaledを受信する。標準化スケール化サブ工程148からの出力は、スケール化相対変位xrel_scaled、最大スケール化変位xmax_scaled、及び最小スケール化変位xmin_scaledを含む。
【0054】
標準化範囲は、変位移動範囲であり、ダンパが移動する最大端部及び最小端部は、未補正変位センサ範囲値とは無関係に特定のハードコーディング値に割り当てられる。このことにより、アルゴリズム及びフィルタの内部に同じデジタル解をもたらし、したがって、値は、センサ112、114、116及び/又は118の入力解とは無関係である。
【0055】
信号処理サブ工程
図6A図6Dを参照すると、シート102又は基体104の絶対加速度aabs及びスケール化相対変位xrel_scaledの入力を伴う信号処理サブ工程150が示される。工程は、デジタル変位センサ又はアナログ変位センサ114及び/又はセンサ116のいずれかからのデータを使用でき、工程は、デジタル加速度計又はアナログ加速度計112及び/又は118のいずれかからのデータを使用できる。
【0056】
図6Aを参照すると、デジタル変位センサ114及び/又はセンサ116は、アナログ加速度計112及び/又は118と対にしたものとして示される。この構成において、まず、デジタル変位センサ114及び/又はセンサ116からの信号を、デジタル低域通過フィルタ176を通じて処理し、加速度計のアナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタ178に整合させる。デジタル変位センサ114及び/又はセンサ116から得られた信号は、帯域幅制限微分器180を通じて処理される。帯域幅制限微分器180から得られた信号は、高域通過フィルタ182を通じて処理され、加速度計基本ウォッシュアウト・フィルタ186に整合させる。高域通過フィルタ182からの出力は、第2の高域通過フィルタ184を通じて処理され、加速度計漏れ積分器190に整合させる。第2の高域通過フィルタ184からの出力は、シート102の相対速度Vrelである。
【0057】
図6Aをまた参照すると、信号処理サブ工程150は、アナログ加速度計112及び/又は118からのデータを使用する。アナログ加速度計112及び/又は118からの信号は、アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタ178で信号を処理することを含む。アナログ加速度計112及び/又は118から得られた信号は、基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタ186を通じて処理される。基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタ186から得られた信号は、低域通過フィルタ188を通じて処理され、変位センサ114、116の帯域幅制限微分器180と整合させる。次に、得られた信号は、漏れ積分器190によって処理され、シート102の絶対速度Vabs_seat及び/又は基体104の絶対速度Vabs_baseを生成する。
【0058】
図6Bを参照すると、デジタル変位センサ114及び/又はセンサ116は、デジタル加速度計112及び/又は118と対にしたものとして示される。中間アナログ信号処理はない。デジタル変位センサ114及び/又はセンサ116から得られた信号は、帯域幅制限微分器180を通じて処理される。帯域幅制限微分器180から得られた信号は、高域通過フィルタ182を通じて処理され、加速度計基本ウォッシュアウト・フィルタ186に整合させる。高域通過フィルタ182からの出力は、第2の高域通過フィルタ184を通じて処理され、加速度計漏れ積分器190に整合させる。第2の高域通過フィルタ184からの出力は、シート102の相対速度Vrelである。
【0059】
図6Bをまた参照すると、信号処理サブ工程150は、デジタル加速度計112及び/又は118からのデータを使用する。中間アナログ信号処理はない。デジタル加速度計センサ112及び/又は118から得られた信号は、基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタ186を通じて処理される。基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタ186から得られた信号は、低域通過フィルタ188を通じて処理され、変位センサ114、116の帯域幅制限微分器180と整合させる。得られた信号は、次に、漏れ積分器190によって処理され、シート102の絶対速度Vabs_seat又は基体104の絶対速度Vabs_baseを生成する。
【0060】
図6Cを参照すると、アナログ変位センサ114及び/又はセンサ116は、アナログ加速度計112及び/又は118と対にしたものとして示される。この構成において、まず、アナログ変位センサ114及び/又はセンサ116からの信号を、アナログ低域通過フィルタ178を通じて処理する。アナログ変位センサ114及び/又はセンサ116から得られた信号は、帯域幅制限微分器180を通じて処理される。帯域幅制限微分器180から得られた信号は、高域通過フィルタ182を通じて処理され、加速度計の基本ウォッシュアウト・フィルタ186に整合させる。高域通過フィルタ182からの出力は、第2の高域通過フィルタ184を通じて処理され、加速度計の漏れ積分器190に整合させる。第2の高域通過フィルタ184からの出力は、シート102の相対速度Vrelである。
【0061】
図6Cをまた参照すると、信号処理サブ工程150は、アナログ加速度計112及び/又は118からのデータを使用する。アナログ加速度計112及び/又は118からの信号は、アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタ178で信号を処理することを含む。アナログ加速度計112及び/又は118から得られた信号は、基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタ186を通じて処理される。基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタ186から得られた信号は、低域通過フィルタ188を通じて処理され、変位センサ114、116の帯域幅制限微分器180と整合させる。得られた信号は、次に、漏れ積分器190によって処理され、シート102の絶対速度Vabs_seat及び/又は基体104の絶対速度Vabs_baseを生成する。
【0062】
図6Dを参照すると、アナログ変位センサ114及び/又はセンサ116は、デジタル加速度計112及び/又は118と対にしたものとして示される。この構成において、まず、アナログ変位センサ114及び/又はセンサ116からの信号を、アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタ178を通じて処理する。アナログ変位センサ114及び/又はセンサ116から得られた信号は、帯域幅制限微分器180を通じて処理される。帯域幅制限微分器180から得られた信号は、高域通過フィルタ182を通じて処理され、加速度計の基本ウォッシュアウト・フィルタ186に整合させる。高域通過フィルタ182からの出力は、第2の高域通過フィルタ184を通じて処理され、加速度計の漏れ積分器190に整合させる。第2の高域通過フィルタ184からの出力は、シート102の相対速度Vrelである。
【0063】
図6Dをまた参照すると、信号処理サブ工程150は、デジタル加速度計112及び/又は118からのデータを使用する。まず、デジタル加速度計112及び/又は118からの信号を、デジタル低域通過フィルタ176を通じて処理し、変位センサのアナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタ178に整合させる。デジタル加速度計112及び/又は118から得られた信号は、基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタ186を通じて処理される。基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタ186から得られた信号は、低域通過フィルタ188を通じて処理され、変位センサ114、116の帯域幅制限微分器180と整合させる。得られた信号は、次に、漏れ積分器190によって処理され、シート102の絶対速度Vabs_seat及び/又は基体104の絶対速度Vabs_baseを生成する。
【0064】
帯域幅制限微分器180及び整合低域通過フィルタ188を参照すると、限定微分器に対する帯域幅の限定は、ステップ入力を受ける際に信号処理機能の態様が無限利得を有さないようにするために必要とされる。帯域幅制限微分器180及び整合低域通過フィルタ188に関し、帯域幅制限微分器/低域通過フィルタの周波数は、変位が、ダンパの制御可能帯域幅内の最小位相偏移誤差で速度に対して正確に微分されるように、シート・ダンパの制御可能な帯域幅をはるかに十分に上回らなければならない。例えば、低域通過フィルタの周波数は、シート・ダンパの制御可能帯域幅の少なくとも約10倍とし得る。また、低域通過フィルタは、有意なフィルタを実施するため、制御器サンプル・レートをはるかに十分に下回らなければならない。例えば、低域通過フィルタは、制御器のサンプル・レートの約0.1倍以下とし得る。
【0065】
高域通過フィルタに言及すると、基本ウォッシュアウト・フィルタ及び漏れ積分器182、184、186、190は全て、好ましくは、シート102の共鳴周波数を十分に下回るもの(例えば、約0.1)から、ダンパ106の制御可能帯域幅を十分に上回る(例えば、約10倍)ものまでの理想積分器である。この場合、理想積分器は、ラプラス変換がVout/Vin=1/秒の積分器である。理想積分器は、直流電流(DC)下で望ましくない無限利得を有する。漏れ積分器は、かなり低い周波数で高域通過フィルタを追加し、これにより、わずかなDCオフセット値のために積分器の項の出力が飽和値の1つまで増大するのを防止する。基本ウォッシュアウト整合フィルタ、及び漏れ積分器のための高域通過フィルタの周波数は、フィルタの制御可能帯域幅内で最小位相偏移誤差をもたらす(例えば、制御される領域より小さく、約<10度等のサンプルの領域内である)ように、シート102の共鳴周波数をかなり十分に下回らなければならない。好ましくは、周波数は、シート102の共鳴周波数の約0.1倍以下である。
【0066】
漏れ積分器は、理想積分器と低カットオフ周波数高域通過フィルタとの組合せである。この高域通過フィルタ要素は、理想積分器の関数がゼロヘルツで無限利得を有さないようにするために追加される。このための数式は、当業者に公知である。本発明において、約0.0773HZという高域通過ロール・オフ周波数の非限定的な例が使用される。しかし、この非限定的な値は、特定のハードウェアとソフトウェアとの組合せに基づく。異なるハードウェアとソフトウェアとの組合せの場合、非限定的な値も異なる。この限定は、デジタル固定点プロセッサの解像度及びサンプル・レートであり、各構成で変更し得る。
【0067】
絶対及び相対楕円エンドストップ制御サブ工程
楕円エンドストップ制御サブ工程152、154は、図7A図7Eに示される。絶対楕円エンドストップ制御サブ工程152は、入力データが2つの間でわずかに異なることを除き、相対楕円エンドストップ制御サブ工程154とほぼ同一である。絶対楕円エンドストップ制御サブ工程152は、最大スケール化変位xmax_scaled、最小スケール化変位xmin_scaled、スケール化相対変位xrel_scaled、シート102の絶対速度Vabs_seat及び相対速度Vrelを使用する。相対楕円エンドストップ制御サブ工程154は、最大スケール化変位xmax_scaled、最小スケール化変位xmin_scaled、スケール化相対変位xrel_scaled、及び相対速度Vrelを使用する。
【0068】
図7Aを参照すると、楕円エンドストップ制御サブ工程152、154内に、4つのサブ工程、即ち、楕円パラメータ選択サブ工程192、動的速度成分194、動的変位成分196及び楕円制御計算198がある。出力は、楕円制御信号CtrlEllipse_rel/absである。図7Bを参照すると、楕円パラメータ選択サブ工程192は、まず、相対速度Vrel入力を受信する。シートが拡張している場合、サブ工程は、変位半径アップxRadius_up、相対又は絶対速度半径アップVrel/abs_Radius_up、オフセット変位アップxOffset_up、及び利得楕円アップGElliptical_rel/abs_upの記憶したパラメータを、動的速度成分サブ工程194、動的変位成分サブ工程196及び楕円制御サブ工程198に伝達する。シートが拡張していない場合、サブ工程は、変位半径ダウンxRadius_dn、相対又は絶対速度半径ダウンVrel/abs_Radius_dn、オフセット変位ダウンxOffset_dn、及び利得楕円ダウンGElliptical_rel/abs_dnの記憶したパラメータを、動的速度成分サブ工程194、動的変位成分サブ工程196及び楕円制御サブ工程198に伝達する。相対速度Vrel又は絶対速度Vabsのいずれかの解に応じて、利得は、絶対楕円エンドストップ制御サブ工程152と相対楕円エンドストップ制御サブ工程154との間で、利得楕円アップGElliptical_rel/abs_up又はダウンGElliptical_rel/abs_dnが異なり得る。
【0069】
変位半径アップxRadius_up及び変位半径ダウンxRadius_dnは、図7Eに示される。同様に、相対速度半径アップVrel_Radius_up又は絶対速度半径アップVabs_Radius_up及び相対速度半径ダウンVrel_Radius_dn又は絶対速度半径ダウンVabs_Radius_dn、並びにオフセット・アップ変位xOffset_up及びオフセット変位ダウンxOffset_dnの両方は、図7Eに示される。楕円制御のパラメータ値は、エンドストップ衝突を引き起こさない入力下、シートのスケール化変位移動を測定することによって決定される。変位半径アップxRadius_up又はダウンxRadius_dn値は、示される移動方向でエンドストップに衝突しない最大行程の間の合計移動の半分である(拡張=up、圧縮=dn)。Vrel/abs_Radius値は、中間行程で観察される最大速度であり、(ばね、パッシブ制振及びスカイフック制御によって)エンドストップ衝突を伴わずに軽減できる。変位オフセット・アップ又はダウンxOffset_up/dnパラメータは、所与の方向での変位移動で測定される非対称性のために使用される(例えば、中間行程に対する多量の拡張は、圧縮方向における圧縮より許容可能である場合がある)。このパラメータを有効に使用し、エンドストップ位置における変位に完全に基づく固定量の制御を生成し得る。利得楕円アップ又はダウンGElliptical_rel/abs_up/dnは、ダンパ106が取り付けられるシート102の調整中、各シート製造業者によって決定される。これらの量は、確立された変位半径アップ又はダウンxRadius_up/dnを越えたシート102の逸脱と、相対若しくは絶対速度半径アップ又はダウンVrel/abs_Radius_up/dnと、ダンパ106の出力との間の比例定数である。利得は、(値の増大によって)エンドストップの衝突を防止する一方で、(値の減少によって)過制御による加速度の平衡を保つように調整される。エンドストップの衝突及び過制御の両方は、加速度の増大及びシート振動のハーシュネスをもたらす可能性があるものである。
【0070】
動的速度成分サブ工程194は、半径変位アップxRadius_up又はダウンxRadius_dn値及び相対Vrel又は絶対速度Vabs値を使用する。変位半径アップxRadius_up又はダウンxRadius_dn値は、NVRAMから引き出される。相対速度Vrel又は絶対速度Vabs値は、2乗され、次に、2乗変位半径xRadius 値を掛ける。結果は、2乗変位半径2乗相対速度xRadius rel 又は絶対速度xRadius abs 値である。変位半径アップxRadius_up又はダウンxRadius_dn値は、それぞれ拡張[Vrel>0]又は圧縮[Vrel<0]であるシートの移動方向に基づく、OEMが入力した適切な変位半径アップxRadius_up又は変位半径ダウンxRadius_dnの選択によって決定される。2乗変位半径xRadius 値、及び2乗相対又は絶対速度2乗変位半径xRadius rel/abs 値の両方は、楕円制御計算サブ工程198に伝達される。
【0071】
動的速度成分194は、以下の式:
Radius rel/abs =xRadius ×Vrel/abs 式15
によって数学的に表される。
【0072】
図7Cを参照すると、動的変位成分サブ工程196は、2乗楕円変位2乗相対半径xElliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn を計算し、xElliptical_up/dn は、2乗楕円アップ又はダウン中心変位であり、Vrel/abs_Radius_up/dn は、2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウンである。このサブ工程における1つのステップは、相対又は絶対速度半径Vrel/abs_Radius_up/dnを2乗し、この値を2乗相対又は絶対速度半径Vrel/abs_Radius_up/dn として出力することである。このサブ工程における別のステップは、シート102の拡張又は圧縮に関する楕円中心から変位を計算することである。相対速度Vrelは、シート102が拡張しているか又は圧縮しているかどうかを規定するために使用される。シート102が拡張している場合、楕円アップ中心xElliptical_upからの上方変位は、最大スケール化変位xmax_scaled、変位半径アップxRadius_up、オフセット・アップ変位xOffset_up、及びスケール化相対変位xrel_scaledを使用する。シート102が圧縮している場合、楕円ダウン中心xElliptical_dnからの下方変位は、最小スケール化変位xmin_scaled、変位半径ダウンxRadius_dn、オフセット変位ダウンxOffset_dn、及びスケール化相対変位xrel_scaledを使用する。
【0073】
拡張しているシート102の楕円アップ中心xElliptical_upからの変位を計算するには、変位半径アップxRadius_up、オフセット変位アップxOffset_up及びスケール化相対変位xrel_scaledの全てを、最大スケール化変位xmax_scaledから引く。圧縮しているシート102の楕円ダウン中心xElliptical_dnからの変位を計算するには、変位半径ダウンxRadius_dn、オフセット変位ダウンxOffset_dn及び最小スケール化変位xmin_scaledを全て、スケール化相対変位xrel_scaledから引く。シート102が拡張しているか又は圧縮しているかに応じて、楕円アップ中心xElliptical_up変位又は楕円ダウン中心xElliptical_dn変位を2乗する。
【0074】
2乗相対又は絶対速度半径Vrel/abs_Radius_up/dn に、2乗楕円アップ中心xElliptical_up 変位又は2乗楕円ダウン中心xElliptical_dn 変位のいずれかを掛ける。出力は、2乗楕円変位2乗相対又は絶対速度半径xElliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn であり、記憶され、楕円制御計算サブ工程198に伝達される。
【0075】
これらの動的制御成分194は、以下の式:
Elliptical_up =(xmax_scaled-xRadius_up-xOffset_up-xrel_scaled 式16
Elliptical_dn =(xrel_scaled-xRadius_dn-xOffset_dn-xmin_scaled 式17
Elliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn =Vrel/abs_Radius_up/dn ×xElliptical_up/dn 式18
によって数学的に表される。
【0076】
図7Dを参照すると、相対又は絶対楕円制御信号CtrlEllipse_rel/absが計算される。1つのステップは、2乗半径変位2乗相対又は絶対速度xRadius rel/abs を2乗楕円変位2乗相対又は絶対速度半径xElliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn と共に追加し、貫入成分を決定することを伴う。別のステップでは、2乗相対又は絶対速度半径Vrel/abs_Radius_up/dn に2乗変位半径xRadius を掛け、楕円境界を決定する。楕円境界は、貫入成分から引かれる。貫入成分と楕円境界との間の差の値がゼロを超える場合、値に楕円アップ又はダウン利得GElliptical_rel/abs_up/dn値を掛ける。得られた値は、楕円制御信号CtrlEllipse_rel/absである。貫入成分と楕円境界との間の差の値がゼロ以下である場合、楕円制御信号CtrlEllipse_rel/absはゼロである。楕円アップ又はダウン利得GElliptical_rel/abs_up/dn値は、シート調整行程の間、特定のシートのためにシート製造業者によって確立される値である。調整工程を以下で説明する。
【0077】
これらの楕円制御計算198は、以下の式:
貫入=xElliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn +xRadius rel/abs 式19
楕円境界=Vrel/abs_Radius_up/dn ×xRadius 式20
貫入>0である場合、CtrlEllipse_rel/abs=GElliptical_rel/abs_up/dn×(貫入-楕円境界) 式21
貫入が≦0である場合、CtrlEllipse_rel/abs=0 式22
によって数学的に表される。
【0078】
ESO2エンドストップ制御サブ工程
図8A及び図8Bを参照すると、ESO2エンドストップ制御サブ工程156が示される。このサブ工程において、相対速度Vrel、最大スケール化変位xmax_scaled、最小スケール化変位xmin_scaled、及びスケール化相対変位xrel_scaledは、入力である。相対速度限度アップVlim_up、相対速度限度ダウンVlim_dn、変位限度アップxlim_up及び変位限度ダウンxlim_dnは、測定値に相関されたOEM入力パラメータである。図8Aを参照すると、サブ工程の最初の開始は、相対速度Vrelがゼロを超えるかゼロ未満であるかを決定することによって、シートが拡張しているか又は圧縮しているかを決定することである。相対速度の絶対値|Vrel|も、相対速度Vrelの絶対値を取ることによって、この時点で決定される。
【0079】
相対速度Vrelがゼロを超える場合、サブ工程は、シート102が拡張していることを示すパラメータ及び利得の「アップ」セットを使用する。パラメータ及び利得の「アップ」セットは、相対速度限度アップVlim_up、相対変位限度アップxlim_up及びOEM提供利得値アップGESO2_upである。相対変位限度アップxlim_upは、スケール化相対変位xrel_scaled基準系における量である。相対変位限度アップxlim_upは、変位閾値であり、変位閾値は、ESO2制御判定工程をトリガするダンパ106の圧縮を超える必要がある。図8Bに示すように、相対変位限度アップxlim_upは、最小スケール化変位xmin_scaledである圧縮移動端部への近接度として測定される。シート102がこの値を下回って圧縮している場合、相対変位限度アップxlim_upは、ばね108及び下緩衝器138の蓄えられた位置エネルギーによる、差し迫った拡張エンドストップの衝突を示す。変位トリガxTriggerは、反対側のストップに対する変位距離xdist_to_opp_stopが相対変位限度アップxlim_up以下である場合に当てはまるように設定される。
【0080】
相対速度限度アップVlim_upパラメータは、拡張速度が十分な規模であることを示す相対速度Vrel基準系における量であり、エンドストップによる衝突を防止するための追加制御の必要性を示す。速度トリガVTriggerは、相対速度の絶対値|Vrel|が相対速度限度アップVlim_upを超える場合に当てはまるように設定される。
【0081】
速度トリガVTrigger及び変位トリガxTriggerが同時に当てはまる場合、ESO2制御は、相対速度の絶対値|Vrel|が、相対速度限度アップVlim_up値を下回って戻るまで、有効なままである。相対速度限度アップVlim_up値を下回って戻ることは、シート102が制御レベルまで遅くされていることを示す。
【0082】
OEM提供の利得値アップGESO2_upは、相対速度の絶対値|Vrel|の規模と、ダンパ106の制御出力との間のスカラー関係であり、ダンパ106の全行程を使用しながら拡張エンドストップの衝突を防止するのに、十分なものである。このことは、エンドストップ衝突のハーシュネスと、可能性のあるダンパ106の過制御との間の平衡を効果的に取る。次に、OEMが提供する利得値アップGESO2_upに、速度限度アップVlim_upを超える相対速度の絶対値|Vrel|の規模を掛け、ESO2Magnitude項をもたらす。このことにより、ダンパ106の全行程を使用しながら、拡張エンドストップ衝突を防止するために十分な制御をもたらす。
【0083】
同様に、シート102が圧縮していることを決定した場合、サブ工程は、シート102が圧縮していることを示すパラメータ及び利得の「ダウン(dn)」セットを使用する。パラメータ及び利得の「dn」セットは、相対速度限度ダウンVlim_dn、相対変位限度ダウンxlim_dn及びOEMが提供する利得値ダウンGESO2_dnである。相対変位限度ダウンxlim_dnは、スケール化相対変位xrel_scaled基準系における量である。相対変位限度ダウンxlim_dnは、変位閾値であり、変位閾値は、ESO2制御判定工程をトリガするダンパ106の拡張を超える必要がある。相対変位限度ダウンxlim_dnは、移動最大スケール化変位xmax_scaledの拡張端部への近接度として測定される。シート102がこの値を上回って拡張している場合、相対変位限度ダウンxlim_dnは、ばね108及び上緩衝器136の蓄えられた位置エネルギーによる、差し迫った圧縮エンドストップの衝突を示す。この場合、変位トリガxTriggerは、反対側のストップに対する変位距離xdist_to_opp_stopが相対変位限度ダウンxlim_dn以下である場合、真に設定される。
【0084】
相対速度限度ダウンVlim_dnパラメータは、相対速度Vrel基準系における量であり、エンドストップによる衝突を防止するために追加制御の必要性を示すのに圧縮速度が十分な規模であることを示す。速度トリガVTriggerは、相対速度の絶対値|Vrel|が相対速度限度ダウンVlim_dnを超える場合に当てはまるように設定される。
【0085】
前述のように、速度トリガVTrigger及び変位トリガxTriggerが同時に当てはまる場合、ESO2制御は、相対速度の絶対値|Vrel|が相対速度限度ダウンVlim_dn値を下回って戻るまで、有効なままである。相対速度の絶対値|Vrel|が相対速度限度ダウンVlim_dn値を下回ることは、シート102が制御レベルまで遅くなっていることを示す。
【0086】
OEMが提供する利得値ダウンGESO2_dnは、相対速度の絶対値|Vrel|の規模と、ダンパ106の制御出力との間のスカラー関係であり、ダンパ106の全行程を使用しながら圧縮エンドストップの衝突を防止するのに十分なものである。利得値ダウンGESO2_dnも、エンドストップ衝突のハーシュネスと可能性のあるダンパ106の過制御との平衡を効果的に取る。次に、OEMが提供する利得値ダウンGESO2_dnに、速度限度ダウンVlim_dnを超える相対速度の絶対値|Vrel|の規模を掛け、ESO2Magnitude項をもたらす。このことにより、ダンパ106の全行程を使用しながら、拡張エンドストップ衝突を防止するために十分な制御をもたらす。
【0087】
速度トリガ計算の決定は、シート102が拡張しているか又は圧縮しているかを決定することにより開始する。シート102の状態に応じて、相対速度限度アップVlim_upを相対速度の絶対値|Vrel|から引くか、又は相対速度限度ダウンVlim_dnを相対速度の絶対値|Vrel|から引く。得られた値に、OEM提供の利得値アップGESO2_up又はOEM提供の利得値ダウンGESO2_dnのいずれかを掛け、ESO2エンドストップの規模ESO2Magnitudeを決定する。このESO2エンドストップの規模ESO2Magnitudeは、以下の式:
ESO2Magnitude=|Vrel|-Vlim_up/dn×GESO2_up/dn 式23
によって表される。
【0088】
相対速度限度アップ又はダウンVlim_up/dnの得られた値から相対速度の絶対値|Vrel|を引き、結果がゼロ以上である場合、速度トリガVTriggerは1に等しく設定される。得られた値がゼロ未満である場合、速度トリガVTriggerはゼロに等しく設定される。速度トリガVTriggerは、以下の式:
Trigger=|Vrel|-Vlim_up/dn≧0である場合、1 式24
Trigger=|Vrel|-Vlim_up/dn<0である場合、0 式25
によって表される。
【0089】
変位トリガ計算の決定は、シート102が拡張しているか又は圧縮しているかを決定することにより開始する。シート102の状態に応じて、反対側のストップへの変位距離xdist_to_opp_stopを相対変位限度アップxlim_upから引くか、又は反対側のストップxdist_to_opp_stopを相対変位限度ダウンxlim_dnから引く。得られた値がゼロ以上である場合、変位トリガxTriggerを1に等しく設定し、得られた値がゼロ未満である場合、変位トリガxTriggerをゼロに等しく設定する。変位トリガxTriggerは、以下の式:
Trigger=xlim_up/dn-xdist_to_opp_stop≧0である場合、1 式26
Trigger=xlim_up/dn-xdist_to_opp_stop<0である場合、0 式27
によって表される。
【0090】
反対側のストップまでの変位距離xdist_to_opp_stopの決定は、シート102が拡張しているか又は圧縮しているかを知ることにより開始する。圧縮している場合、上部エンドストップからの距離は、スケール化相対変位xrel_scaledを最大スケール化変位xmax_scaledから引くことによって決定する。拡張している場合、圧縮エンドストップからの距離は、最小スケール化変位xmin_scaledをスケール化相対変位xrel_scaledから引くことによって決定する。この結果は、反対側のストップまでの変位距離xdist_to_opp_stopである。この変位距離xdist_to_opp_stopは、以下の式:
rel≦0である場合、xdist_to_opp_stop=xmax_scaled-xrel_scaled 式28
rel>0である場合、xdist_to_opp_stop=xrel_scaled-xmin_scaled 式29
によって表される。
【0091】
次のステップは、最後のシステム制御器プロセッサ(図示せず)クロック・サイクルから変位トリガxTriggerとESO2トリガとの間の最大値を決定することによって、ESO2循環トリガESO2_Cyclic_Triggerの決定することである。ESO2_Triggerは、ESO2制御信号出力を判定するESO2制御の判定イネーブラである。このブール出力は、速度及び変位トリガ判定工程から計算される。ESO2循環トリガESO2_Cyclic_Triggerに速度トリガVTriggerを掛け、ESO2トリガESO2_Triggerを決定する。ESO2トリガESO2_Trigger値にESO2エンドストップ規模ESO2Magnitude値を掛け、ESO2制御信号CtrlESO2を決定する。
【0092】
図8Bを参照すると、ESO2エンドストップ制御サブ工程156が更に示される。図8Bは、衝突停止を生じさせる衝撃事象(例えば、窪み又はスピード抑止帯)の間、シート102の経時的に測定される相対変位xrelを示す。図8Bで明白であるのは、サブ工程の拡張(又は「アップ」)論理の条件である。スケール化相対変位200は、シート102が最初、圧縮方向で移動端部付近まで圧縮していることを示す。この初期の事象の間、ESO2制御サブ工程156は有効ではなく、このことは、制御が、楕円エンドストップ制御サブ工程152、154及び/又はスカイフック制御サブ工程160によってカバーされることを意味する。
【0093】
スケール化相対変位トレース200が示される。スケール化相対変位トレース200は、最小スケール化変位xmin_scaledに近接する相対変位限度アップxlim_upに接近している。相対変位限度アップxlim_upは、後続の拡張エンドストップの衝突を生じさせる可能性がある十分に蓄えられたエネルギーとの圧縮事象を示すように測定されるパラメータの組合せである。相対速度Vrelがゼロを超え、シートが拡張していることを示すと、「アップ」パラメータが選択され、変位トリガxTriggerが起動される。
【0094】
極端な圧縮時、相対速度Vrelは、点Vrel=0においてマイナス(圧縮)からプラス(拡張)に切り替わる。このことにより、アルゴリズムの「アップ」パラメータを起動し、変位トリガxTriggerを「真」に設定する(ボックス202で示される)。時間が進むにつれて、相対速度Vrel(測定値は図示せず)は、相対速度限度アップVlim_upパラメータを超えるまで増大し続ける。このことは、蓄えられたエネルギーが、拡張エンドストップの衝突を防止するように十分に制御されていないことを示し、蓄えられた位置エネルギー及び運動エネルギーが、差し迫った圧縮エンドストップ衝突の早期の指標を示していることを意味する。これにより、速度トリガVTrigger論理を真に設定する。
【0095】
変位トリガxTrigger及び速度トリガVTriggerの両方が真であるので、ESO2エンドストップ制御サブ工程156は有効であり、制御の出力は、量GESO2_upによる速度に比例し、量GESO2_upは、エンドストップ衝突を防止するのに十分な制御をもたらす一方で、懸架行程を可能なかぎり多く利用するように調整される。このことは、領域206の開始点204によって示される。ESO2制御が有効になると、変位トリガxTriggerは、もはや必要ではなく、制御は、相対速度Vrelが相対速度限度アップVlim_up値を下回って遅くなるまで有効のままであり、このことは、シートが制御下に戻り、ESO2エンドストップ制御サブ工程156がもはや必要ではないことを示す(このことは、領域206の終了点208でプロット上に示される)。上記は、ESO2エンドストップ制御サブ工程15の半分のサイクルを示す。ESO2エンドストップ制御サブ工程156は、可能性として、後続の圧縮サイクルの間、再度有効であるが、このことは図8Bに詳述しない。
【0096】
最大エンドストップ制御サブ工程
最大エンドストップ制御サブ工程158において、絶対楕円制御信号CtrlEllipse_abs、相対楕円制御信号CtrlEllipse_rel及びESO2制御信号CtrlESO2の値が互いに比較される。最大値は、エンドストップ制御信号uESとして選択される。
【0097】
スカイフック制御サブ工程
図9を参照すると、スカイフック制御サブ工程160が示される。このサブ工程は、シート102の絶対速度Vabs_seatに相対速度Vrelを掛けた積がゼロを超えるかどうかを決定することにより開始する。答えがいいえの場合、スカイフック制御サブ工程160は、ゼロの値を有するスカイフック制御信号Ctrlskyhookを出力する。答えがはいの場合、スカイフック制御サブ工程160は、粘性制振係数Cskyにシート102の絶対速度Vabs_seatを掛けたものに等しいスカイフック制御信号Ctrlskyhookを出力する。粘性制振係数Cskyは、シート乗員によって行われる堅さの選択であり、柔らかいから堅いまでの間の範囲に及び得る。例えば、柔らかい、中間若しくは堅いという3つの位置選択があり得る、又は柔らかいから堅いの間で変更可能な区分があり得る。スカイフック制御信号Ctrlskyhookは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等のメモリ内に記憶される。スカイフック制御サブ工程160の式は、
abs_seat×Vrel>0である場合、制御をイネーブルにする、Ctrlskyhook=Csky×Vabs_seat 式30
abs_seat×Vrel≦0である場合、制御をイネーブルにしない、Ctrlskyhook=0 式31
【0098】
立上りエッジ・フィルタサブ工程
図10を参照すると、立上りエッジ・フィルタサブ工程162が示される。立上りエッジ・フィルタサブ工程162は、スカイフック制御サブ工程160からのスカイフック制御信号Ctrlskyhookを使用する。スカイフック制御信号Ctrlskyhookは、単極低域通過フィルタを通じて処理される。応答Aが応答B以下である場合、スカイフック制御信号Ctrlskyhookの値は、低域通過フィルタからの制御出力である。それ以外の場合、非修正制御値がスカイフック制御信号uskyhookに出力される。スカイフック制御信号uskyhookは、RAM等のメモリ内に記憶される。
【0099】
制御集約サブ工程
図4を参照すると、制御集約サブ工程164は、エンドストップ制御信号uES及びスカイフック制御信号uskyhookを使用する。これらの信号の集約は、2つの制御出力の最大又は和のいずれかを取ることによって組み合わせ得る。この選択肢は、OEMによって提供されるPDIFパラメータ選択である。エンドストップ制御信号uESとスカイフック制御信号uskyhookとの間で最大値を取ると、大部分の条件を満たす。というのは、スカイフック制御サブ工程は、シート102の絶対速度Vabs_seatを考慮し、3つのエンドストップ制御サブ工程は、相関するが比較的独立した量である相対移動を考慮するためである。しかし、OEMは、(スカイフック制御サブ工程によって軽減することによって)シート102内に蓄えられた運動エネルギーが、エンドストップ制御サブ工程の相対制御を圧倒し得ることを発見する可能性がある。この場合、これらの項の合計は、シートの姿勢の全体制御を支援し得る。制御集約サブ工程164の出力は、ダンパ制御信号uctrlである。この値は、制御可能な入力をダンパ106に提供するようにシステム制御器110によって使用される。
【0100】
調整工程
調整工程を説明するため、非限定的なシーケンス例を使用する。他のOEM調整工程が使用でき、調整工程に対して異なる動作順序を有し得る。この非限定的な例では、第1のステップは、懸架装置を働かせ、スケール化変位限度xmax/min_scaledが自動較正サブ工程146からの有効な予想に整合することを保証することである。次に、工程は、スカイフック制御サブ工程160を調整し、エンドストップの衝突をもたらさない入力による懸架を実行することによって不快な乗り心地を最小化する。次に、工程は、楕円エンドストップ制御サブ工程152、154を調整し、エンドストップの衝突をもたらす入力により懸架装置を訓練することによってシートのピーク加速度及び不快な乗り心地を最小化する。工程の次のステップは、ESO2エンドストップ制御サブ工程156を調整し、推進力により駆動されるエンドストップの衝突により懸架装置を訓練することによってシートのピーク加速度を最小化する。判定は、不快な乗り心地及びシートのピーク加速度の最小化に基づき、制御集約サブ工程164の最大又は合計に対して行われる。図11を参照すると、図示の調整工程は、非限定的な例に続く。
【0101】
実施例
図12は、請求する発明の伝達率プロットを示す。図12において、3つの例示的伝達率を伴うプロットのトレースが示され、3つの異なるシート102懸架構成を表す。伝達率は、シート加速度aseat対基体加速度abaseの比率である(即ち、シートのaabs対基体のaabs)。伝達率の値が低いほど、シート乗員が受ける加速度はより低い。図12に示すように、0dB未満の伝達率の値は、シート102が基本入力を減衰していることを示す。この減衰により、シート乗員は、シート基体104で見られるよりも少ない加速度を受ける。0dBを超える伝達率の値は、シート102が基本入力を増幅していることを示す。この増幅により、シート乗員は、シート基体104で見られるよりも大きいレベルの加速度を受ける。
【0102】
構成Aにおいて、シート102は、柔らかいパッシブ・ダンパ106(即ち、運動に対する抵抗が低いダンパ)を使用して制御される。許容可能なシート乗員の乗り心地に関し、構成Aにおけるダンパ106の伝達率は、シート・システムの共鳴周波数を上回る場合に許容可能である。別様に言うと、シート102は、高周波数の基本入力を受けた際に良好に機能する。しかし、シート102の共鳴周波数周辺の基本入力周波数は、著しく増幅される。増幅された基本入力周波数の結果により、より低い周波数の基本入力に応答して大きなシート102の運動がもたらされる。この増幅された基本入力は、不快なエンドストップ衝突の確率が高い。
【0103】
構成Bにおいて、シート102は、堅いパッシブ・ダンパ106(即ち、運動に対する抵抗が高いダンパ)を使用して制御される。許容可能なシート乗員の乗り心地に関し、構成Bにおけるダンパ106の伝達率は、シートの共鳴周波数周辺である場合、許容可能である。この構成では、シート102は、共鳴周波数周辺では基本入力をそれほど増幅させない。しかし、基本入力がより高い周波数(特にこの例では2~6Hzの範囲内)であるほど、著しく増幅される。この基本入力の増幅は、シート乗員により不快な乗り心地をもたらす。
【0104】
構成Cにおいて、シート102は、スカイフック・アルゴリズムを使用するセミアクティブ・ダンパによって制御される。構成Cの場合、シート102の伝達率は、シート共鳴周波数の周辺で許容可能であり、低い周波数の基本入力の場合の堅い制振パッシブ・ダンパ106の性能より良好である。このことは、シート102が、シート102の自然共鳴応答を弱め、不快なエンドストップの衝突の可能性を低減することを示す。更に、シート102の高周波数での性能は、高周波数の基本入力の場合の柔らかいパッシブ・ダンパ106でも同様に機能する。スカイフック制御セミアクティブ・ダンパ106は、シート共鳴効果をなくす堅いパッシブ・ダンパ、及び高周波数の基本入力に対して最小伝達率を提供する柔らかいパッシブ・ダンパの両方に最高の性能の組合せを提供する。このことにより、堅い又は柔らかいパッシブ・ダンパ106のいずれかよりシート乗員に快適な乗り心地をもたらす。
【0105】
シートと基体との間に配置されたシート・ダンパの制振力を制御する方法であって、シート・ダンパは、シートに制御をもたらすシート制御器を有し、方法は、シート又は基体の絶対加速度(aabs)を測定し、加速度信号を生成する。方法は、基体に対するシートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)を測定し、変位信号を生成することを含む。方法は、自動較正サブ工程から最大非スケール化変位(xmax_unscaled)及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled)を計算することを含む。方法は、標準化スケール化サブ工程を使用して、相対スケール化変位(xrel_scaled)、最大スケール化変位(xmax_scaled)、及び最小スケール化変位(xmin_scaled)を計算することを含む。方法は、絶対加速度(aabs)及びスケール化相対変位(xrel_scaled)を使用する信号処理サブ工程から、シートの絶対速度(Vabs_seat)及び基体に対するシートの相対速度(Vrel)を計算することを含む。方法は、複数の入力値を使用し、最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)を同時に決定することも含み、最大エンドストップ制御信号(uES)は、絶対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_abs)を生成する絶対楕円エンドストップ制御工程、相対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_rel)を生成する相対楕円エンドストップ制御工程、及びエンドストップ制御信号(CtrlESO2)を生成するESO2エンドストップ制御工程を同時に稼働させることによって決定され、3つのうちの最大は、最大エンドストップ制御信号(uES)として選択され、スカイフック制御信号(uskyhook)は、スカイフック制御工程を稼働させ、スカイフック制御出力(Ctrlskyhook)を生成し、スカイフック制御出力(Ctrlskyhook)に対して立上りエッジフィルタ工程を稼働させることによって決定される。方法は、最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)を集約し、最大エンドストップ制御信号(uES)及びスカイフック制御信号(uskyhook)の和が所望のシート性能をもたらすかどうか、又は最大エンドストップ制御信号(uES)又はスカイフック制御信号(uskyhook)の間の最大が所望のシート性能をもたらすかどうかを試験することによって所望のシート性能を決定することを更に含む。また、方法は、所望のシート性能に基づき、制振力制御信号(uctrl)を生成し、シート・ダンパを制御することを含む。
【0106】
自動較正サブ工程は、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM)に、最後の電源サイクルサブ工程、パラメータ・データ入力ファイル(PDIF)初期化サブ工程、連続自動較正サブ工程、自動較正漏れサブ工程及び上書きサブ工程からの複数の値を入力するステップを更に含み、RAMに記憶される複数の値の一部は、既に記憶してある最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)、最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)、及びPDIF初期化サブ工程の間に読み出されるPDIFの2つ以上の値を含み、PDIFの2つ以上の値は、少なくとも、自動較正最大及び最小変位(XACAL_max/min)並びに自動較正許容差アップ又はダウン変位(xACAL_Tolerance_up/dn)を含み、上記PDIFの2つ以上の値は、上緩衝器厚さ(Snubber_up)の値及び下緩衝器厚さ(Snubber_dn)の値を更に含む。
【0107】
自動較正サブ工程の方法は、既に記憶してある最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)が有効であるかどうかを決定するステップであって、最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)が無効である場合、自動較正範囲を、自動較正最大変位(XACAL_max)から上緩衝器厚さ(Snubber_up)を引いたPDIF内の値、及び自動較正最小変位(XACAL_min)に下緩衝器厚さ(Snubber_dn)を足した値にリセットし、最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)が有効である場合、最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)の現在の値及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)の現在の値をNVRAM内で保持するステップを更に含む。
【0108】
連続自動較正サブ工程の方法は、上緩衝器厚さ(Snubber_up)をシートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)から引き、差が最大非スケール化変位(xmax_unscaled)を超えるかどうかを決定し、差が最大非スケール化変位(xmax_unscaled)を超える場合、非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が自動較正許容差アップ変位(xACAL_Tolerance_up)を超えるかどうかを決定することを含み、非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が自動較正許容差アップ変位(xACAL_Tolerance_up)を超えない場合、シートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)から上緩衝器厚さ(Snubber_up)を引いたものをNVRAMに書き込み、上緩衝器厚さ(Snubber_up)をシートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)から引いたもの差が最大非スケール化変位(xmax_unscaled)以下である場合、NVRAM内の最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)の現在の値を保持し、非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が自動較正許容差アップ変位(xACAL_Tolerance_up)以上である場合、NVRAM内の最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)の現在の値を保持することも含む。
【0109】
連続自動較正サブ工程方法は、下緩衝器厚さ(Snubber_dn)及びシートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)を追加し、その和が最小非スケール化変位(xmin_unscaled)未満であるかどうかを決定し、和が最大非スケール化変位(xmin_unscaled)未満である場合、非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が自動較正許容差ダウン変位(xACAL_Tolerance_dn)未満であるかどうかを決定し、非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が自動較正許容差ダウン変位(xACAL_Tolerance_dn)以上である場合、シートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)及び下緩衝器厚さ(Snubber_dn)の和の結果をNVRAMに書き込み、下緩衝器厚さ(Snubber_dn)をシートの非スケール化相対変位(xrel_unscaled)に足した和が最小非スケール化変位(xmin_unscaled)以上である場合、最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)の現在の値をNVRAM内で保持し、非スケール化相対変位(xrel_unscaled)が自動較正許容差ダウン変位(xACAL_Tolerance_dn)以下である場合、最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)の現在の値をNVRAM内で保持することを更に含む。
【0110】
自動較正漏れサブ工程の方法は、時間が時間t1に当てはまるかどうかを決定し、当てはまる場合、自動較正漏れサブ工程を開始するステップと、漏れ値(xACAL_leak)を、既に記憶してある最大非スケール化変位(xmax_unscaled_old)から引き、差が自動較正許容差アップ変位(xACAL_Tolerance_up)以下であって、自動較正最大変位(XACAL_max)から上緩衝器厚さ(Snubber_up)を引いたもの以上である場合に差をNVRAMに書き込むステップと、漏れ値(xACAL_leak)を、既に記憶してある最小非スケール化変位(xmin_unscaled_old)に足し、和が自動較正許容差ダウン変位(xACAL_Tolerance_dn)以上であって、自動較正最小変位(XACAL_min)に下緩衝器厚さ(Snubber_dn)を足したもの以下である場合に和をNVRAMに書き込むステップとを含む。
【0111】
方法であって、上書き工程は、連続自動較正サブ工程及び自動較正漏れサブ工程からの入力を使用し、最大非スケール化変位(xmax_unscaled)及び最小非スケール化変位(xmin_unscaled)の現在の値をNVRAMに書き込む。
【0112】
方法であって、信号処理サブ工程は、デジタル変位センサ又はアナログ変位センサを使用してシートの変位を測定するステップと、デジタル変位センサからのデータを低域通過フィルタにより処理し、アナログ加速度計と対になっている場合に加速度計アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタに整合させるか、又はアナログ変位センサからのデータを処理し、アナログ加速度計若しくはデジタル加速度計と対になっている場合に加速度計アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタに整合させるステップと、デジタル低域通過フィルタからの出力を処理し、加速度計アナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタ、又は帯域幅制限微分器を有するアナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタに整合させるステップと、高域通過フィルタにより帯域幅制限微分器からの出力を処理し、加速度計基本ウォッシュアウト・フィルタに整合させるステップと、第2の高域通過フィルタにより高域通過フィルタからの出力を処理し、加速度計漏れ積分器に整合させるステップとを更に含み、第2の高域通過フィルタからの出力は、基体に対するシートの相対速度(Vrel)である。
【0113】
方法であって、信号処理サブ工程は、デジタル加速度計又はアナログ加速度計を使用してシートの加速度を測定するステップと、デジタル低域通過フィルタによりデジタル加速度計からのデータを処理し、アナログ変位センサと対になっている場合にアナログ変位センサ低域通過アンチエイリアス・フィルタと整合させるか、又はデジタル変位センサ若しくはアナログ変位センサのいずれかと対になっている場合にアナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタによりアナログ加速度計を処理するステップと、デジタル低域通過フィルタからの出力を処理し、アナログ変位センサ低域通過アンチエイリアス・フィルタ、又は基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタを有するアナログ低域通過アンチエイリアス・フィルタと整合させるステップと、低域通過フィルタにより基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタからの出力を処理し、変位センサの帯域幅制限微分器に整合させるステップと、漏れ積分器により低域通過フィルタからの出力を処理するステップとを更に含み、漏れ積分器からの出力は、シートの絶対速度(Vabs_seat)又は基体の絶対速度(Vabs_base)である。
【0114】
方法であって、信号処理サブ工程は、デジタル加速度計と対になっている場合にデジタル変位センサを使用してシートの変位を測定するステップと、帯域幅制限微分器で処理するデジタル変位センサからの出力を処理するステップと、高域通過フィルタにより帯域幅制限微分器からの出力を処理し、加速度計基本ウォッシュアウト・フィルタに整合させるステップと、第2の高域通過フィルタにより高域通過フィルタからの出力を処理し、加速度計漏れ積分器に整合させるステップであって、第2の高域通過フィルタからの出力は、基体に対するシートの相対速度(Vrel)である、ステップと、デジタル加速度計を使用してシートの加速度を測定するステップと、基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタによりデジタル加速度計からのデータを処理するステップと、低域通過フィルタにより基本ウォッシュアウト・デジタル高域通過フィルタからの出力を処理し、変位センサ帯域幅制限微分器に整合させるステップと、漏れ積分器により低域通過フィルタからの出力を処理するステップとを更に含み、漏れ積分器からの出力は、シートの絶対速度(Vabs_seat)又は基体の絶対速度(Vabs_base)である。
【0115】
方法であって、絶対EECサブ工程及び相対EECサブ工程は、楕円パラメータ選択サブ工程と、動的速度成分サブ工程と、動的変位成分サブ工程と、楕円制御計算サブ工程とを更に含み、楕円制御計算サブ工程は、絶対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_abs)及び/又は相対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_rel)を生成する。
【0116】
方法であって、楕円パラメータ選択サブ工程は、シートの相対速度(Vrel)に基づきシートが拡張しているか又は圧縮しているかを決定するステップと、パラメータ・データ入力ファイル(PDIF)からの少なくとも1つの記憶してある値を動的変位成分サブ工程、動的変位成分サブ工程及び楕円制御計算サブ工程に伝達するステップを更に含み、動的速度成分サブ工程に伝達される記憶値は、変位半径アップ又はダウン(xRadius_up/dn)を含み、動的変位成分サブ工程に伝達される記憶値は、変位半径アップ又はダウン(xRadius_up/dn)、相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn)、オフセット変位アップ又はダウン(xOffset_up/dn)を含み、楕円制御計算サブ工程に伝達される記憶値は、相対又は絶対速度楕円利得アップ又はダウン(GElliptical_rel/abs_up/dn)を含む。
【0117】
方法であって、動的速度成分サブ工程は、変位半径アップ又はダウン(xRadius_up/dn)を2乗するステップと、2乗変位半径(xRadius )値をランダム・アクセス・メモリ(RAM)に書き込むステップと、シートの相対速度(Vrel)又はシートの絶対速度(Vabs)を2乗相対又は絶対速度(Vrel/abs )として2乗するステップと、2乗変位半径(xRadius )に2乗相対又は絶対速度(Vrel/abs )を掛けることによって2乗積(xRadius rel/abs )値を生成するステップと、2乗積(xRadius rel/abs )値をRAMに書き込むステップと、2乗変位半径(xRadius )及び2乗積(xRadius rel/abs )値を楕円制御計算サブ工程に伝達するステップとを更に含む。
【0118】
方法であって、動的変位成分サブ工程は、相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn)を2乗するステップと、2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn )値をRAMに書き込むステップと、変位半径アップ(xRadius_up)、オフセット変位アップ(xOffset_up)及びスケール化相対変位(xrel_scaled)を、最大スケール化変位(xmax_scaled)から引き、得られた値を2乗することによって、楕円アップ中心(xElliptical_up)変位から楕円アップ又はダウン中心(xElliptical_up/dn)変位を計算するか、又は変位半径ダウン(xRadius_dn)、オフセット変位ダウン(xOffset_dn)、及び最小スケール化変位(xmin_scaled)をスケール化相対変位(xrel_scaled)から引くき、得られた値を2乗することによって、楕円ダウン中心(xElliptical_dn)変位から楕円アップ又はダウン中心(xElliptical_up/dn)変位を計算するステップと、楕円中心アップ変位(xElliptical_up )値の2乗又は楕円中心ダウン変位(xElliptical_dn )値の2乗のいずれかをRAMに書き込むステップと、2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn )に楕円中心アップ値の2乗(xElliptical_up )又は楕円中心ダウン値の2乗(xElliptical_dn )のいずれかを掛けるステップと、2乗楕円変位2乗相対又は絶対速度半径(xElliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn )値をRAMに書き込むステップと、2乗楕円変位2乗相対又は絶対速度半径(xElliptical_up/dn rel/abs_Radius_up/dn )値を楕円制御計算サブ工程に伝達するステップとを更に含む。
【0119】
方法であって、楕円制御計算サブ工程は、2乗変位半径(xRadius )の2乗積(xRadius rel/abs )値及び相対又は絶対速度の2乗(Vrel/abs )と、楕円中心アップ又はダウン(xElliptical_up/dn )及び2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn )からの2乗楕円変位の積とを足し、貫入値を決定するステップと、2乗相対又は絶対速度半径アップ又はダウン(Vrel/abs_Radius_up/dn )に2乗変位半径(xRadius )を掛け、楕円境界値を決定するステップと、貫入値がゼロを超えるかどうかを決定し、ゼロを超える場合、貫入値と楕円境界値との間の差をRAMに書き込み、ゼロを超えない場合、ゼロをRAMに書き込むステップと、貫入値に関連する決定ステップの結果に相対又は絶対速度楕円利得(GElliptical_rel/abs_up/dn)を掛け、絶対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_abs)及び/又は相対EECエンドストップ制御信号(CtrlEllipse_rel)を生成するステップとを更に含む。
【0120】
請求項1に記載の方法であって、ESO2エンドストップ制御サブ工程は、シートの相対速度(Vrel)に基づきシートが拡張しているか又は圧縮しているかを決定するステップと、相対速度(Vrel)がゼロ以上であるかどうかを決定するステップと、スケール化相対変位(xrel_scaled)を最大スケール化変位(xmax_scaled)から引くことによって、反対側のストップまでの変位距離(xdist_to_opp_stop)が、相対速度が(Vrel)ゼロ以下である際の上部エンドストップからの距離を決定していることを決定するか、又は最小スケール化変位(xmin_scaled)をスケール化相対変位(xrel_scaled)から引くことによって、相対速度(Vrel)がゼロを超える際の底部エンドストップからの距離を決定するステップと、相対速度の絶対値(|Vrel|)と相対速度限度アップ(Vlim_up)との間の差を決定し、得られた差に利得値アップ(GESO2_up)を掛けることによって、又は相対速度の絶対値(|Vrel|)と相対速度限度ダウン(Vlim_dn)との間の差を決定し、得られた差に利得値ダウン(GESO2_dn)を掛けることによって、ESO2エンドストップ規模(ESO2Magnitude)を決定するステップと、相対速度限度アップ又はダウン(Vlim_up/dn)を相対速度の絶対値(|Vrel|)から引き、差がゼロ以上である場合に速度トリガ(VTrigger)値が真であるかどうかを決定し、相対速度限度アップ又はダウン(Vlim_up/dn)を相対速度の絶対値(|Vrel|)から引き、差がゼロ未満である際に速度トリガ(VTrigger)値が偽であるかどうかを決定するステップであって、速度トリガ(VTrigger)は、真である場合にイネーブルにされ、偽である場合にディスエーブルにされる、ステップと、反対側のストップまでの変位距離(xdist_to_opp_stop)を変位限度アップ又はダウン(xlim_up/dn)から引き、差がゼロ以上である場合に変位トリガ(xTrigger)値が真であるかどうかを決定し、反対側のストップまでの変位距離(xdist_to_opp_stop)を変位限度アップ又はダウン(xlim_up/dn)から引き、差がゼロ未満である場合に変位トリガ(xTrigger)値が偽であるかどうかを決定するステップであって、変位トリガ(xTrigger)は、真である場合にイネーブルにされ、偽である場合にディスエーブルにされる、ステップと、変位トリガ(xTrigger)と以前のセッションのESO2トリガとの間の最大値を決定することによって、ESO2循環トリガを決定するステップと、ESO2循環トリガに速度トリガ(VTrigger)値を掛け、現在のESO2トリガを決定するステップと、現在のESO2トリガにESO2エンドストップ規模(ESO2Magnitude)を掛け、ESO2制御信号(CtrlESO2)を決定するステップとを更に含む。
【0121】
方法であって、スカイフック制御サブ工程は、シートの絶対速度(Vabs_seat)にシートの上記相対速度(Vrel)を掛けた積がゼロを超えるかどうかを決定するステップと、積がゼロ以下である場合にスカイフック制御信号(Ctrlskyhook)の値をゼロに設定するステップと、粘性制振係数(Csky)にシートの絶対速度(Vabs_seat)を掛け、スカイフック制御信号(Ctrlskyhook)の値を決定するステップとを更に含む。
【0122】
方法であって、立上りエッジ・フィルタサブ工程は、スカイフック制御信号(Ctrlskyhook)を、単極低域通過フィルタを通じて処理するステップと、単極低域通過フィルタからの第1の応答(A)が第2の応答(B)以下であるかどうかを決定し、次に、スカイフック制御信号(uskyhook)がスカイフック制御信号(Ctrlskyhook)の単極低域通過フィルタの値に等しいかどうかを決定するステップと、単極低域通過フィルタからの第1の応答(A)が第2の応答(B)を超えるかどうかを決定し、次に、スカイフック制御信号(uskyhook)がスカイフック制御サブ工程からのスカイフック制御信号(Ctrlskyhook)の値に等しいかどうかを決定するステップとを更に含む。
【0123】
本発明の他の実施形態は、当業者に明らかであろう。したがって、上記の説明は、本発明の一般的な使用及び方法を可能にし、説明するにすぎない。したがって、以下の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲を規定する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】