(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】分割化パラレルディスペンスするための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/288 20060101AFI20231128BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20231128BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20231128BHJP
B05B 1/16 20060101ALI20231128BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20231128BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20231128BHJP
B05D 5/12 20060101ALI20231128BHJP
H05K 3/10 20060101ALI20231128BHJP
H01L 31/0224 20060101ALN20231128BHJP
【FI】
H01L21/288 Z
B05C5/00 101
B05C11/10
B05B1/16
B05D1/26 Z
B05D7/00 C
B05D5/12 B
H05K3/10 D
H01L31/04 260
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526510
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2021080047
(87)【国際公開番号】W WO2022096372
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】102020129305.4
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595014653
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ポスピシル,マキシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】クフラー,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ブライテンビューヒャー,マリアン
(72)【発明者】
【氏名】リーベ,ティム
(72)【発明者】
【氏名】テプナー,ゼバスチアン
(72)【発明者】
【氏名】クレメント,フロリアン
【テーマコード(参考)】
4D075
4F033
4F041
4F042
4M104
5E343
5F251
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC08
4D075AC09
4D075AC88
4D075CA22
4D075CA47
4D075CA48
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4D075EA05
4F033AA01
4F033BA03
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4F033NA01
4F041AA05
4F041AA06
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4F042CB08
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4M104CC01
4M104DD51
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5E343AA22
5E343BB21
5E343BB72
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5E343FF05
5E343GG11
5F251FA10
5F251GA04
(57)【要約】
提案されているのは、特に半導体基板上に一つまたは複数の導電路を製造するための基板上に印刷媒体(10)をパラレルディスペンスするための装置(1)であって、前記印刷媒体(10)を同時に吐出するための複数のディスペンサノズルを有する印刷ユニット(6)および駆動手段(5)を含んでなり、当該駆動手段は、前記印刷ユニット(6)と前記基板(4)との間の相対移動を移動方向(7)に生成するように構成されており、少なくとも一つの第一のディスペンサノズルと第二のディスペンサノズルとが前記移動方向(7)に対して横方向に互いに対して離間して配置されている。前記第一のディスペンサノズルと第三のディスペンサノズルとは、共通の第一の長手方向軸に沿って第一のノズル間隔において互いに離間して配置されており、前記第一の長手方向軸は、前記移動方向(7)に対して平行に延伸している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に半導体基板(4)上に一つまたは複数の導電路を製造するための、基板(4)上に印刷媒体(10)をパラレルディスペンスするための装置(1)であって、前記印刷媒体(10)を同時に吐出するための複数のディスペンサノズル(17,18,19,24,25)を有する印刷ユニット(6)および駆動手段(5)を含んでなり、当該駆動手段は、前記印刷ユニット(6)と前記基板(4)との間の相対移動を移動方向(7)に生成するように構成されており、少なくとも一つの第一のディスペンサノズル(17)と第二のディスペンサノズル(18)とが前記移動方向(7)に対して横方向に互いに対して離間して配置されている装置において、
前記印刷ユニット(6)の前記第一のディスペンサノズル(17)と第三のディスペンサノズル(19)とは、共通の第一の長手方向軸(21)に沿って第一のノズル間隔(23)において互いに離間して配置されており、前記第一の長手方向軸(21)は、前記移動方向(7)に対して平行に延伸していることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第一のディスペンサノズル(17)と前記第二のディスペンサノズル(18)とは、共通の第一の横軸(20)に沿って配置されており、前記第一の横軸(20)は、前記移動方向(7)に対して直交して延伸し、前記第一の横軸(20)は、前記印刷ユニット(6)が前記第一の横軸(20)の片側において他の各ディスペンサノズルを有しないように前記印刷ユニット(6)を画定することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記印刷ユニット(6)は、中央領域(15)を有し、当該中央領域内において前記第一、前記第二および前記第三のディスペンサノズル(17または18または19)を含んでなる複数のディスペンサノズルが複数の互いに対して平行に延伸する列(22)に沿って配置されており、前記第一および前記第三のディスペンサノズル(17または19)は、共通の第一の列に配置されており、前記第二のディスペンサノズル(18)は、他の列に配置され、全てのディスペンサノズルは、前記中央領域(15)の一つの列において前記第一のノズル間隔(23)において規則的に互いに離間していることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記中央領域(15)における各列の数は、少なくとも60、好ましくは少なくとも80、最も好ましくは少なくとも100であることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記中央領域(15)における一つの列は、それぞれ合計二つのディスペンサノズルを含んでなり、当該各ディスペンサノズルは、前記第一のノズル間隔(23)において互いに離間していることを特徴とする、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
第四のディスペンサノズル(24)が第二の長手方向軸(26)上に配置されており、前記第一の長手方向軸(21)と前記第二の長手方向軸(26)とは、互いに対して平行に離間して延伸し、前記第一および前記第四のディスペンサノズル(17または24)は、共通の傾斜軸(28)に沿って配置されており、前記傾斜軸(28)は、前記移動方向に対して0度から90度の間の角度において延伸し、前記傾斜軸(28)は、前記印刷ユニット(6)が前記傾斜軸の片側、好ましくは前記第一および前記第二の長手方向軸の間の領域において他の各ディスペンサノズルを有しないように前記印刷ユニット(6)を画定することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
第五のディスペンサノズル(25)が前記第二の長手方向軸(26)上において前記第四のディスペンサノズル(24)に対して第二のノズル間隔(27)をおいて配置されており、前記第二の長手方向軸(26)は、前記印刷ユニット(6)が前記第二の長手方向軸(26)の片側において他の各ディスペンサノズルを有しないように前記印刷ユニット(6)を画定することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記印刷ユニット(6)は、縁領域(16)を有し、当該縁領域内において前記第四および前記第五のディスペンサノズル(24または25)を含んでなる複数のディスペンサノズルが少なくとも一つの第一の縁列に沿って配置されており、少なくとも前記第四および前記第五のディスペンサノズルを含んでなる前記第一の縁列と前記縁領域(16)に配置されている全てのディスペンサノズルとが規則的に第二のノズル間隔(27)において互いに離間していることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記各縁列は、それぞれ合計二つのディスペンサノズルを含んでなり、当該各ディスペンサノズルは、前記第二のノズル間隔(27)において互いに離間しており、前記第一のノズル間隔(23)は、前記第二のノズル間隔(27)よりも大きいことを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記印刷ユニット(6)は、少なくとも一つの第一の対称軸および/または第二の対称軸を有し、前記第一の対称軸は、前記移動方向に対して平行に延伸し、前記第二の対称軸は、前記移動方向と直交して延伸し、前記各ディスペンサノズルは、少なくとも前記第一および前記第二の対称軸との関連において前記印刷ユニット(6)上に軸対称に配置されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
ディスペンサユニット(6)は、少なくとも二つの部分ユニットを含んでなり、第一の部分ユニットと第二の部分ユニットは、それぞれ前記ディスペンサユニット(6)の全てのディスペンサノズルの一部を含んでなり、前記駆動手段(5)は、前記相対移動を生成するために前記第一および前記第二の部分ユニットを互いに独立して駆動するように構成されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記印刷ユニット(6)は、印刷媒体注入口と印刷媒体路とを含んでなり、前記印刷媒体注入口は、中央閉止弁と流体導通的に連結されており、前記印刷媒体路の領域において少なくとも一つのノズルレールが配置可能であり、前記ノズルレールは、前記印刷ユニットの前記各ディスペンサノズルのうち少なくとも一部を含んでなることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
特に半導体基板上に一つまたは複数の導電路を製造するために、印刷ユニット(6)と駆動手段(5)とを用いて印刷媒体(10)を基板(4)上にパラレルディスペンスするための方法であって、
-前記駆動手段(5)は、前記印刷ユニット(6)と前記基板(4)との間の相対移動を移動方向(7)において生成し、
-前記印刷媒体(10)は、前記印刷ユニット(6)に配置されている、第一のディスペンサノズル(17)と第二のディスペンサノズル(18)と第三のディスペンサノズル(19)とを介して同時に吐出されることによって前記基板(4)上に到達し、
-前記第一のディスペンサノズル(17)は、第一の始点と第一の終点を有する第一の印刷ラインを生成し、前記第二のディスペンサノズルは、第二の始点と第二の終点を有する第二の印刷ラインを生成し、前記第一および前記第二の印刷ラインは、互いに対して平行に離間して前記基板上に塗布される方法において、
-前記第三のディスペンサノズル(19)は、第三の始点と第三の終点を有する第三の印刷ラインを生成し、前記第一の印刷ラインは前記第三の印刷ラインに対して同軸状に延伸し、
-前記第一の始点は、前記第三の始点から第一のノズル間隔(23)において離間していることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記相対移動を実施するために相対移動経路が設定され、当該相対移動経路は、第一の方法に関する別途実施例において前記第一のノズル間隔(23)よりも小さく、前記第一および前記第三の印刷ラインの間に隙間(36)が形成されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記相対移動を実施するために相対移動経路が設定され、当該相対移動経路は、第二の方法に関する別途実施例において少なくとも前記第一のノズル間隔(23)に相当し、前記第一の印刷ラインと前記第三の印刷ラインとは、共通の接触領域、特にオーバーラップ領域(35)を有するように構成されることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1による印刷媒体をパラレルディスペンスするための装置、および請求項13による印刷媒体をパラレルディスペンスするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各工業印刷工程において、特に例えば各光起電太陽電池などの各半導体構造を製造する場合、多くの場合は印刷媒体を少なくとも二つの平行な軌道において基板、特に半導体基板上に塗布することが所望される。当該印刷媒体とは、印刷ペーストであり得、当該印刷ペーストは、特に前記半導体基板の一つまたは複数の各領域をドーピングするためのドーパントを含有し、当該ドーパントは、後続の各プロセスステップのためのマスキングを形成するために使用される、および/または金属製の接触構造を形成するための各金属粒子を含む。
【0003】
前記印刷ペーストを前記基板上に塗設するために、印刷ユニットがある移動方向への相対移動において前記基板に対して変位される間、前記印刷媒体がポンプユニットを介して前記印刷ユニットの複数のディスペンサノズルへと供給される。この際、前記印刷媒体は、前記各ディスペンサノズルから前記基板の表面へと吐出され、前記各ディスペンサノズルは、前記相対移動の前記移動方向に相当して前記基板上を延伸する、それぞれ一つの印刷ラインを生成する。複数の平行して延伸する印刷ラインを前記基板上に短期間において塗設するには、印刷ユニットの少なくとも二つのディスペンサノズルを移動方向に対して横方向に互いに対して離間するように配置することが公知である。これにより直線状の相対移動のみを生じさせて同時に一つだけよりも多い印刷ラインが形成される。このような印刷ユニットは、独国特許出願公開第10 2013 223 250号明細書より公知である。
【0004】
各工業印刷工程の生産性を高めるためには全ての印刷ライン、特に合計200本までの印刷ラインを前記基板上に塗布するのに必要な時間を短縮することが望ましい。これを達成するための一つの方法は、前記各印刷ラインが前記基板上に塗布される間に前記印刷ユニットと印刷される前記基板とを互いに対して移動させる速度を増加させる高性能な各駆動手段を構成することにある。しかしながらこのように高性能な各駆動手段は、技術的に非常に複雑でありさらに/あるいは高いコストを伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2013 223 250号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって本発明は、各工業印刷工程の生産性を高め、同時にそのために必要な各コストを低く抑えるという課題に基づくものである。当該課題は、請求項1による印刷媒体をパラレルディスペンスするための装置と請求項13による方法とによって解消される。有利な各実施態様は、各従属請求項から得られる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による、特に半導体基板上に一つまたは複数の導電路を製造するための基板上に印刷媒体をパラレルディスペンスするための装置は、前記印刷媒体を同時に吐出するための複数のディスペンサノズルを有する印刷ユニットを含んでなる。さらに本発明による装置は、駆動手段を含んでなり、当該駆動手段は、前記印刷ユニットと前記基板との間の移動方向への相対移動を生成するように構成されており、少なくとも一つの第一のディスペンサノズルと第二のディスペンサノズルとが前記移動方向に対して横方向に互いに対して離間して配置されている。
【0008】
本発明による装置にとって重要なのは、前記印刷ユニットの前記第一のディスペンサノズルと第三のディスペンサノズルとが共通の第一の長手方向軸に沿って第一のノズル間隔において互いに離間して配置されており、前記第一の長手方向軸は前記移動方向に対して平行に延伸していることである。
【0009】
本出願人らによる本発明の本質的な見地として、印刷ユニットの前記各ディスペンサノズルを前記相対移動の移動方向に依拠して配置することにより、公知である各装置および各方法に対して各工業印刷工程の生産性を著しく高めることが可能であるということがある。
【0010】
それ自体先行技術より公知であるとおり、前記第一および前記第二のディスペンサノズルが前記印刷ユニット上において前記移動方向に対して横方向に互いに離間して配置されることによって利点が得られる。前記相対移動を実施する際に前記第一のディスペンサノズルと前記第二のディスペンサノズルとから吐出される前記印刷媒体は、第一の印刷ラインまたは第二の印刷ラインを前記基板上に生成する。この際、前記第一の印刷ラインと前記第二の印刷ラインとは、前記第一と前記第二のディスペンサノズルとの間の間隔に相当して互いに対して平行に離間しており、自身の第一または第二の始点と第一または第二の終点とを有する。
【0011】
基本的に前記第一のディスペンサノズルと前記第二のディスペンサノズルとが移動方向に対して同じ高さ、すなわち前記移動方向に対して直交して延伸する各ディスペンサノズルからなる共通の列に配置されているかどうかは重要ではない。むしろ互いに対して横方向に離間している当該各ディスペンサノズルの利点は、それ自体公知であるように前記印刷ユニットと前記基板とが一回の相対移動によって互いに対して変位可能であり、その際に同時に二つの互いに対して平行に離間した印刷ラインが生成されることによって得られる。
【0012】
しかしながら本出願人の本発明の本質的な見地は、前記印刷ユニット上における第三のディスペンサノズルの配置に関する。当該第三のディスペンサノズルは、前記第一の長手方向軸に沿って前記第一のディスペンサノズルの前方または後方に配置される。これにより印刷ユニットと基板との間における前記相対移動の間、前記第一および前記第二の印刷ラインに加えて前記第一の印刷ラインに対して同軸状に延伸する第三の印刷ラインが生成されることになる。
【0013】
当該配置の主な利点は、前記各駆動手段を適切に制御することによって、前述の各印刷ラインが共通の接触点において互いに接触し、両印刷ラインが連続した印刷ラインを生成するか必要に応じて隙間によって互いに離間しているか、あるいは重なり合いさえするように簡単な方法で前記第一および前記第三の印刷ラインが基板上に塗布されることにある。
【0014】
前記第一の長手方向軸は純粋な方位軸であり、当該方位軸は前記印刷ユニットの表面上に固定的に延伸して、特に作成時に少なくとも前記第一および前記第三のディスペンサノズルを前記印刷ユニット上に配置するために使用され得る。前記第一および前記第三のディスペンサノズルの前述の配置は、前記第一および前記第三のディスペンサノズルが、例えば自身のそれぞれのノズル中心点あるいはノズル開口部の縁点などの同一の形状寸法上の各特徴によってそれぞれ前記第一の長手方向軸に沿って配置されることを特徴とすることが可能である。
【0015】
少なくとも前記第一および前記第三のディスペンサノズルが異なる形状寸法上の各特徴を有し、当該各特徴によって当該各ディスペンサノズルが前記第一の長手方向軸に沿って配置されることも本発明の範囲内である。この際、本発明の本質的な見地を具体化するためには、前記第一および前記第三のディスペンサノズルが前記相対移動時に自身のそれぞれのノズル開口部が前記移動方向に沿った視線方向において少なくとも部分的に整列して配置されていることで、前記第一および前記第三のディスペンサノズルによって同時に前記印刷媒体を吐出しながらの前記印刷ユニットの前記基板に対する相対移動によって理論的には連続的な印刷ラインが生成され得るようにすることで十分である。
【0016】
本発明によると、前記相対移動はあらゆる方法で実現され得、当該方法は、それぞれ前記駆動手段の構成や、前記相対移動を生成するために当該各駆動手段がどのような方法で制御可能であるかなどに依拠する。
【0017】
最も簡単な実施形態において、前記駆動手段は、リニアガイドと駆動キャリッジとを有するリニアユニットであり、当該駆動キャリッジを介して前記印刷ユニットあるいは前記基板が互いに対して相対的に直線状に移動される。この際、前記相対移動は、移動方向と相対的な移動経路とを有する。前記移動方向は、前記リニアガイドの配向と当該リニアガイド上を移動される前記キャリッジの開始位置と終了位置とから得られる。前記相対的な移動経路は、前記印刷工程の開始および終了時に前記印刷ユニットが存在する各位置に依拠して得られる。
【0018】
別の実施形態において、前記駆動手段は、複数のリニアユニットまたはその他の位置づけユニットを含んでなり、当該各ユニットを用いて前記相対移動を生成するために前記印刷ユニットのみならず前記基板もが同時にあるいは連続的に互いに対して移動され得る。前記移動方向は、前記相対移動の間にどの方向において前記各ディスペンサノズルが前記基板を塗布するかによって得られる。前記相対的な移動経路は、常に個々のディスペンサノズルによって塗布される領域の長さに相当する。ここで前記各ディスペンサノズルは、前記ディスペンサユニットに対して固定的に配置されており、よって少なくとも一体型として構成されている印刷ユニットの場合は全て同一の相対的な移動経路をたどるため、前記印刷ユニットのどのディスペンサノズルであるかは重要ではない。
【0019】
前記各駆動手段の実施形態にかかわらず、当該各駆動手段は、印刷工程を実施するために前記相対的な移動経路が自身の全長に亘って可変的に設定可能であるように構成されている。この際、前記相対的な移動経路は、前記第一のノズル間隔に相当するか、あるいは当該第一のノズル間隔よりも小さくすることも大きくすることも可能である。
【0020】
前記第一のノズル間隔に相当する、相対的な移動経路を設定することにより、前記第一および前記第三のディスペンサノズルを用いた前記印刷媒体の塗設とさらには得られる第一および第三の印刷ラインとによって、前記相対的な移動経路のちょうど二倍の長さを有する、連続した印刷ラインを生成することが可能である。これにより、少なくとも組み付けられた印刷ラインに関して前記印刷工程の生産性が公知である各装置および各方法と比べて100%向上される。特別な利点は、各低温ペーストを各半導体基板上に塗布する場合の生産性向上によって得られ、当該低温ペーストを最適な方法において約200mm/秒において塗布することにより、これにより得られた各印刷ラインの品質に関して最適な結果を得ることが可能である。少なくとも二つのディスペンサノズルを配置することにより、最適な塗設速度を変えないことにより生産性を大幅に向上させながらも品質低下を招かないようにすることが可能である。
【0021】
前記第一の長手方向軸に沿った前記各ディスペンサノズルの数をさらに二つよりも大きいノズル数に増やすことにより生産性をさらに向上することが可能であるのは、連続した印刷ラインを生成するために必要な相対的な移動経路が、連続して配置される各ディスペンサノズルの数に相当する係数と同じ係数分だけ短くなるためである。
【0022】
前記第一のノズル間隔よりも大きい相対的な移動経路を設定することによって、少なくとも前記第一および前記第三の印刷ラインによってオーバーラップ領域を有する、連続した印刷ラインを生成することが可能である。二つの印刷ラインをこのように組み付けることは、前記各印刷ラインが半導体基板の電気配線のための各接触フィンガーである場合に特に有利であり得る。本出願人の各研究により、二つの同軸状に延伸する印刷ライン間にオーバーラップ領域を形成することによって、オーム抵抗が低減されることにより得られる組み付けられた印刷ラインの電導特性が向上することが判明した。前記半導体基板が製造される太陽電池である場合、電導特性の向上は後の太陽電池の電気性能の向上をももたらす。
【0023】
前記第一のノズル間隔よりも小さい相対的な移動経路を設定することによって、前記相対移動終了後の前記第一および前記第三の印刷ラインは互いに同軸状に離間して配置される。このことは、前記第一および前記第三の印刷ラインがそれぞれ前記第一の長手方向軸に沿って配向されているものの、相当する各印刷ラインの前記第一の終点と前記第三の始点が前記設定された相対的な移動経路と前記第一のノズル間隔との間の差に相当する間隔分、互いに対して離間していることを意味する。前記基板が半導体基板である場合、少なくとも前記第一および前記第三の印刷ラインのこのような配置によって前記第一および前記第三の印刷ラインが互いに別々に電気的に接触される、太陽電池の簡単な分割を得ることが可能である。
【0024】
なお、前記印刷ユニットおよび前記各ディスペンサノズルの構成方法は、基本的に重要ではない。簡単な実施形態において、前記印刷ユニットは、それ自体公知である方法で好ましくは立方体の基本形状を有する金属製の印刷ヘッドとして構成され得る。この際、前記各ディスペンサノズルは、それぞれ円筒形あるいは非円筒形の各穴として直接前記印刷ヘッドに形成されていても、あるいはこのような穴に挿入可能なブッシングとして配置されていてもよい。ポンプ装置は、前記印刷媒体を前記各ディスペンサノズル内に供給するために使用され、当該各ディスペンサノズルを通って前記印刷媒体が前記基板の表面に到達する。
【0025】
有利である発展態様において前記第一のディスペンサノズルと前記第二のディスペンサノズルとが共通の第一の横軸に沿って配置されており、前記第一の横軸は、前記移動方向に直交して延伸し、前記第一の横軸は、前記印刷ユニットが前記第一の横軸の片側において他の各ディスペンサノズルを有しないような形で前記印刷ユニットを画定する。
【0026】
前記第一の横軸は、前記第一の長手方向軸と同様、構造的な方位軸であり、当該方位軸は前記印刷ユニット上において前記相対移動の前記移動方向に対する前記第一および前記第二のディスペンサノズルの配置を表す。
【0027】
前記第一の横軸に沿って前記第一および前記第二のディスペンサノズルを配置することによって得られる利点は、前記第一および前記第二の印刷ラインがそれぞれ前記基板上において前記移動方向において同じ高さに塗布される始点と終点とを有することにある。特に各半導体基板に金属製の各接触構造を製造する場合、このことが有利であるのは、特にこのように配置される複数の始点および終点を共通の直線状のバスバーを用いて電気的に接触することが可能であるためである。
【0028】
さらに前記第一の横軸の延伸は、前記印刷ユニットの構造のみならずパラレルディスペンスするための装置への組み付けにとっても有利である。構造における利点は、特に前記第一の横軸が基準軸となり、当該基準軸を用いて前記印刷ユニットのその他の各ディスペンサノズルを整列させることが可能であり、一義的に画定された構造空間を定義することによって得られる。組み付けに関して前記第一の横軸の延伸が有利なのは、経験の浅い各組み付け作業者であっても前記第一および前記第二のディスペンサノズルの延伸を見るだけで前記印刷ユニットを前記装置に対してどの方向に取り付けて固定すべきかを判断することが可能であるからである。
【0029】
有利である発展態様において、前記印刷ユニットは、中央領域を有し、当該中央領域内において前記第一、前記第二および前記第三のディスペンサノズルを含んでなる複数のディスペンサノズルが複数の互いに対して平行に延伸する列に沿って配置されており、前記第一および前記第三のディスペンサノズルは共通の第一の列に配置されており、前記第二のディスペンサノズルは他の列に配置され、全てのディスペンサノズルは、前記中央領域の一つの列において前記第一のノズル間隔において規則的に互いに離間している。
【0030】
印刷ユニットの前記各ディスペンサノズルが、少なくとも領域毎(ここでは中央領域と称される)に互いに対して規則的な配置において配置される場合に有利であるというのが本出願人の本質的な見地である。これにより移動方向に連続して配置された二つのディスペンサノズルの本発明による利点が倍増する。
【0031】
ここで前記中央領域は、少なくとも二つの列を有し、前記第一および前記第三のディスペンサノズルは、前記第一の列において前記第一のノズル間隔をおいて互いに対して配置されている。前記第一の列に対して平行に離間している他の列は、前記第二のディスペンサノズルと少なくとももう一つのディスペンサノズルとを含んでなり、少なくとも前記第二のディスペンサノズルを含んでなる列は、前記第一の列と同一の構造を有する。
【0032】
前記第一のディスペンサノズルと前記第二のディスペンサノズルとが共通の前記第一の横軸上に配置されている場合、一列におけるそれぞれ二つの隣接するディスペンサノズルの間における均一な前記間隔によって各ディスペンサノズルのマトリックス状配置が得られる。
【0033】
このようなマトリックス状の配置の利点は、複数の互いに対して平行に延伸する印刷ラインが選択的にそれぞれ一つの連続した印刷ラインあるいは複数の同軸状に互いに離間した部分セグメントとして生成され得ることにある。このことは前記第一のノズル間隔に対して前記相対的な移動経路がどう選択されるかに依拠する。前記第一のノズル間隔よりも小さい相対的な移動経路を設定した場合、前記各ディスペンサノズルの前記マトリックス状の配置によって前記中央領域において前記印刷工程によって複数の平行に延伸する印刷ライン群が得られ、当該各印刷ラインはそれぞれ少なくとも一つの隙間によって中断されている。前記第一のノズル間隔に相当するかこれより大きい相対的な移動経路を設定した場合、前記各ディスペンサノズルの前記マトリックス状の配置によって前記中央領域において前記印刷工程によって複数の平行に延伸する印刷ライン群が得られ、当該各印刷ラインは、それぞれ連続的に前記基板の印刷される領域上を延伸し、必要に応じてオーバーラップ領域を有する。
【0034】
前記中央領域が二つ以上のディスペンサノズル列を含んでなり、当該各列のうち一つがそれぞれ二つ以上のディスペンサノズルを含んでなることも当該有利である発展態様の範囲内にある。前記中央領域に配置されている全ての列が互いに対して規則的に離間していることで、前記各ディスペンサノズルが配置されている連続的なマトリックスグリッドによって前記中央領域が特徴づけられることが有利である。このようなマトリックスグリッドは、特に各自動加工工程を用いた前記印刷ユニットの製造にとって有利である。
【0035】
有利な発展態様において前記中央領域における各列の数は、少なくとも60、好ましくは少なくとも80、最も好ましくは少なくとも100である。
【0036】
本出願人の各研究は、公知であるパラレルディスペンスするための各装置および各方法に対して平均以上の生産性の向上を得るためには、一般的な寸法の印刷される各基板、特に各半導体基板における各列の総数は少なくとも60であるべきであることを示した。特に前記各列は、少なくとも領域毎に均一な各間隔において前記印刷ユニットの全幅に亘って分配され得る。有利である発展態様において前記中央領域の一つの列は全部でちょうど二つのディスペンサノズルを有し、当該各ディスペンサノズルは前記第一のノズル間隔において互いに離間している。
【0037】
本出願人の各研究は、前記中央領域の一つの列における前記各ディスペンサノズルの数が二という数を超えない場合、印刷ユニットの製造コストと駆動手段のコストの間の良好な妥協点を見出すことが可能であることを示した。特にこのことは一つの列の前記各ディスペンサノズル間における前記第一のノズル間隔が印刷される基板寸法の約半分から場合によっては各縁間隔を差し引いた値である場合に有利である。
【0038】
通常、印刷される各基板、特に各半導体基板は、底面積を有する長方形あるいは正方形の基本形状を有する。当該各基板には、個々の各ディスペンサノズルが前記基板からはみ出る可能性があることを考慮することなく、印刷ユニットの中央領域に配置されている複数のディスペンサノズルによって前述の基本形状の二つの平行に延伸する縁の間に各印刷ラインを印刷することが可能である。これにより前記基板の前記各縁が意図せず印刷されたり前記装置が汚れたりする可能性がある。
【0039】
しかしながら塗布すべき各印刷ラインの方向において領域毎に異なる各寸法を有する印刷される各基板も存在する。特に各半導体基板は、長方形あるいは正方形の基本形状に加えていわゆる疑似正方形形状を有し得る。前記疑似正方形形状とは、面取り(丸められたとも称する)各角を有する長方形の基本形状のことである。面取りされた前記各角によって前記印刷される半導体基板が少なくとも二つの領域を有し、当該各領域内において前記各接触フィンガーが異なる各長さおよび/または異なる各領域において塗布される必要が生じる。
【0040】
公知である各装置および各方法は、印刷工程の間、前記基板を越えて突出する印刷ユニットの個々のディスペンサノズルが、例えば相当する前記各ディスペンサノズルに割り当てられている弁によって印刷媒体流から能動的に遮断されることにより当該技術上の問題を解消する。別法としてまたはさらに加えてステンシルが用いられ、当該ステンシルは、前記基板の縁および/または前述の縁を越えて配置されることによって印刷ユニットの選択された前記各ディスペンサノズルからの前記印刷媒体の吐出が領域毎に妨げられる。不利なことに各閉止弁は高価であり大きな制御労力を伴うのに対して、各ステンシルは大きな洗浄労力を必要とする。
【0041】
本発明の好ましい発展態様において当該各欠点は、少なくとも一つの第四のディスペンサノズルが第二の長手方向軸上に配置されることによって克服され、前記第一の長手方向軸と前記第二の長手方向軸とは、互いに対して平行に離間して延伸し、前記第一および前記第四のディスペンサノズルは、共通の傾斜軸に沿って配置されており、前記傾斜軸は、前記移動方向に対して0度から90度の間の角度において延伸し、前記傾斜軸は、前記印刷ユニットが前記傾斜軸の片側、好ましくは前記第一および前記第二の長手方向軸の間の領域において他の各ディスペンサノズルを有しないように前記印刷ユニットを画定する。
【0042】
前記第二の長手方向軸ならびに前記傾斜軸は、前記第一の長手方向軸および前記第一の横軸と同様、各仮想方位軸であり、当該各方位軸に沿って少なくとも前記第四のディスペンサノズルが配置される。
【0043】
ここで前記第二の長手方向軸の配向は、前記第四のディスペンサノズルが前記相対移動の間に前記印刷媒体を吐出することによって前記第一の印刷ラインに対して平行に延伸する第四の印刷ラインを生成することを保証する。この際、前記第四のディスペンサノズルの配置は、前記第一のディスペンサノズルに対する前記第二のディスペンサノズルの配置と基本的には変わらない。しかしながら前記傾斜軸の配向によって前記第一あるいは前記第四のディスペンサノズルが前記移動方向において同じ高さにないことが保証される。前記傾斜軸は、前記印刷ユニットを前記各ディスペンサノズルの配置に関して前記第一の横軸と同様に画定するため、有利な形において前記第一および前記第二の長手方向軸の間の領域において前記印刷ユニットを印刷される基板の各輪郭に適合させることが可能である。前記相対移動の実施および完了時において前記第一および前記第四のディスペンサノズルは、前記基板のそれぞれ印刷される領域の端部に正確に位置する。
【0044】
有利なことに、前記傾斜軸の延伸とこれに伴って前記第一および前記第四のディスペンサノズルの配置をも前記基板の面取りされた各角の延伸に適合させるために、どの角度において疑似正方形形状を有する基板の各角が前記基板の残りの各縁に対して面取りされているかを、前記印刷ユニットの作成時に考慮することが可能である。さらに、前記パラレルディスペンスするための装置の組み付け時に、経験の浅い各組み立てスタッフであっても印刷される基板の助けを得て前記印刷ユニットを配置するために前記第一および前記第四のディスペンサノズルの配置を利用することが可能である。この際、少なくとも前記傾斜軸を用いて前記印刷ユニットを前記基板の一つの縁に適合させることが可能である。
【0045】
有利である発展態様において、第五のディスペンサノズルが前記第二の長手方向軸上において前記移動方向に前記第四のディスペンサノズルに対して第二のノズル間隔をおいて配置されており、前記第二の長手方向軸は、前記印刷ユニットが前記第二の長手方向軸の片側において他の各ディスペンサノズルを有しないように前記ディスペンサユニットを画定する。
【0046】
前記印刷媒体を前記第四および前記第五のディスペンサノズルから吐出することにより、前記第一および前記第三のディスペンサノズルの各実施形態と同様、前記相対移動の相対的な移動経路に応じて連続する、オーバーラップするあるいは同軸状に互いに対して離間するように構成され得る各印刷ラインが生成される。
【0047】
基本的に前記第一および前記第二のノズル間隔は、同一であることも異なっていることも可能である。
【0048】
前記第一および前記第二のノズル間隔が同一であるように前記印刷ユニットが構成されている場合、前記印刷媒体を前記第四および前記第五のディスペンサノズルによって吐出すると、前記印刷媒体を前記第一および前記第三のディスペンサノズルによって吐出した場合と同一の印刷ラインパターンを生成することが可能である。
【0049】
前記第一および前記第二のノズル間隔が異なるように前記印刷ユニットが構成されている場合、場合によっては前記第一および前記第三のディスペンサノズルによって生成される印刷ラインパターンとは異なる印刷ラインパターンが、前記第四および前記第五のディスペンサノズルによって得られる。このことは特に設定された相対的な移動経路が前記第一および前記第二のノズル間隔に対してどのような関係性において選択されるかに依拠する。
【0050】
前記第一および前記第二のノズル間隔のうち小さい方よりも小さい相対的な移動経路を設定することによって、それぞれ両ディスペンサノズル対が二つの同軸状の印刷ラインであって当該各印刷ラインの間に隙間が形成されている二つの印刷ライン対を形成する。
【0051】
前記第一および前記第二のノズル間隔のうち小さい方に相当する相対的な移動経路を設定することによって、より小さい間隔を有する前記ディスペンサノズル対は、二つの印刷ラインからなる連続した印刷ラインを生成するのに対して、より大きい間隔を有する前記ディスペンサノズル対は、二つの同軸状に互いに離間した各印刷ラインを生成する。
【0052】
前記第一および前記第二のノズル間隔のうち小さい方よりも大きいものの前記第一および前記第二のノズル間隔のうち大きい方よりも小さい相対的な移動経路を設定することによって、より小さい間隔を有する前記ディスペンサノズル対は、オーバーラップ領域を有する二つの連続した印刷ラインを生成するのに対して、より大きい間隔を有する前記ディスペンサノズル対は、二つの同軸状に互いに離間した各印刷ラインを生成する。
【0053】
前記第一および前記第二のノズル間隔のうち小さい方よりも大きく、少なくとも前記第一および前記第二のノズル間隔のうち大きい方に相当する相対的な移動経路を設定することによって、両ディスペンサノズル対が二つの連続した印刷ラインを生成し、当該各印刷ラインはそれぞれオーバーラップ領域を有し、当該各オーバーラップ領域のうち一方のオーバーラップ領域が他方よりも長い。
【0054】
前記第四および前記第五のディスペンサノズルが当該第二の長手方向軸に沿って配置される前記第二の長手方向軸は、前記印刷工程において前記第二の長手方向軸の片側において他の各印刷ラインが生成されないように前記印刷ユニット上の前記各ディスペンサノズルの配置を画定する。
【0055】
有利である発展態様において、前記印刷ユニットは、縁領域を有し、当該縁領域内において前記第四および前記第五のディスペンサノズルを含んでなる複数のディスペンサノズルが少なくとも一つの第一の縁列に沿って配置されており、前記第四および前記第五のディスペンサノズルを含んでなる前記第一の縁列と前記第一の縁列の全てのディスペンサノズルとが、規則的に第二のノズル間隔において互いに離間している。
【0056】
前記縁領域は、前記各ディスペンサノズルが前記中央領域と同様に遠隔配置において配置され得る前記印刷ユニットにおける領域を表す。当該遠隔配置は、前記縁領域に配置される前記各ディスペンサノズルが前記中央領域の構成と同様、一つまたは複数の縁列において配置されることによって得られる。よって前記縁領域は、少なくとも前記第一の列を含んでなり、当該第一の列の前記各ディスペンサノズルは、前記第二の長手方向軸に沿って配置され、当該第一の列の前記印刷ユニット上の配置は、前記傾斜軸によって制限されている。
【0057】
印刷される基板が疑似正方形形状を有する半導体基板である場合、縁領域の構成によって特別な各利点がもたらされる。この際、前記相対移動の際に前記印刷ユニットの前記縁領域が前記面取りされた各角が存在する前記半導体基板の部分を塗布し、前記印刷ユニットの前記中央領域が前記移動方向において、均一且つ好ましくは前記面取りされた各角を含む領域よりも大きな寸法を有する前記半導体基板の部分を塗布するように、前記装置において前記半導体基板が配置され得る。
【0058】
前記縁領域の一つの縁列に配置されている前記各ディスペンサノズルの数は、前記中央領域の一つの列に配置されている前記各ディスペンサノズルの数と異なることが有利である。しかしながら、この際、前記第一のディスペンサ間隔は前記第二のノズル間隔に相当するため、前記中央領域と前記縁領域との間の差は、一つの列と一つの縁列との間の各ディスペンサノズルの数によってのみ生じることが有利である。これにより、前記中央領域と前記縁領域とで前記各ディスペンサノズルの製造や後の配置のために、同じ各機械加工パラメータを利用することが可能であるため、前記印刷ユニットの機械製造が簡素化される。
【0059】
有利である発展態様において、前記各縁列はそれぞれ合計二つのディスペンサノズルを含んでなり、当該各ディスペンサノズルは、前記第二のノズル間隔において互いに離間しており、前記第一のノズル間隔は、前記第二の間隔よりも大きい。
【0060】
本出願人の各研究は、前記縁領域の一つの縁列における各ディスペンサノズルの数が二という数を超えない場合、印刷ユニットの製造コストと駆動手段のコストの間の良好な妥協点を見出すことが可能であることを示した。
【0061】
前記第一のノズル間隔と前記第二のノズル間隔との差によって、簡単な方法で前記基板上を領域毎に二つの異なる印刷ラインパターンによって分割しつつも印刷ユニットと基板の間において同一の相対移動経路を設定することが可能である。
【0062】
前述の発展態様によって、前記印刷ユニットの前記縁領域を利用して、前記基板に前記第四および前記第五のディスペンサノズルから生成される各印刷ラインが組み付けられた、連続した印刷ラインを印刷することが可能である。同時に、印刷工程終了後にそれぞれ隙間の形における中断部分を有する、複数の印刷ラインを生成するために前記印刷ユニットの前記中央領域を使用することが可能である。前述の隙間は、データマトリックスコードの設置や印刷された半導体基板の場合にハーフセルを生成するための設定ギャップとして用いられ得ることが有利である。
【0063】
有利である発展態様において、前記印刷ユニットは、少なくとも一つの第一の対称軸および/または第二の対称軸を有し、前記第一の対称軸は、前記移動方向に対して平行に延伸し、前記第二の対称軸は、前記移動方向と直交して延伸し、前記各ディスペンサノズルは、少なくとも前記第一または前記第二の対称軸との関連において前記印刷ユニット上に軸対称に配置されている。
【0064】
前記各ディスペンサノズルを前記印刷ユニット上に軸対称に配置する利点は、前記印刷ユニットの容易な作成と製造効率とにある。作成時において当該利点は、前記各ディスペンサノズルの各位置に関して好ましくは前記印刷ユニットの一方の半分だけを作成するだけでよく、他方の半分は前記第一の半分に応じて構成されるということで発揮される。前記印刷ユニットが前記第二の対称軸を有する場合、作成労力はさらに軽減される。
【0065】
前記各ディスペンサノズルを対称的に配置することは、印刷される基板が同様に軸対称に形成されている場合にさらなる各利点を伴う。このことは特に印刷される半導体基板が疑似正方形形状を有する場合に該当する。自身のディスペンサノズル配置が前記第一の横ユニットおよび/または前記第二の長手方向軸および/または前記傾斜軸によって画定されている前記印刷ユニットは、複数の印刷ラインを塗布するために完全に基板の上方に配置され得る。前記印刷ユニットが対称的に構成されているため、同様に対称的に構成された基板に印刷をする場合、全体の寸法を適切に選択することによって全相対移動に亘って前記基板を越えてディスペンサノズルが突出しないことを保証することが可能である。
【0066】
有利である発展態様において、前記印刷ユニットは、少なくとも二つの部分ユニットを含んでなり、第一の部分ユニットと第二の部分ユニットがそれぞれ前記ディスペンサユニットの全てのディスペンサノズルの一部を含んでなり、前記駆動手段は、前記相対移動を生成するために前記第一および前記第二の部分ユニットを互いに独立して駆動するように構成されている。
【0067】
前記ディスペンサユニットは、基本的に互いに独立して駆動可能な任意の数の部分ユニットへと細分化することが可能であり得る。この場合、前記相対移動は、対応する部分ユニットが前記基板に対して変位されるあるいはその逆である、複数の部分移動から構成される。ここでの前記各部分移動は、それぞれ前記移動方向において実施される。
【0068】
前記印刷ユニットが中央領域と縁領域とを有する場合、前記第一の部分ユニットが前記印刷ユニットの前記中央領域を、また前記第二の部分ユニットが前記縁領域を含んでなり得る。さらに前記中央領域および/または前記縁領域のみがそれぞれ少なくとも二つの部分ユニットに細分化されていることも可能である。
【0069】
さらに、少なくとも前記第一および前記第二の部分ユニットが前記印刷ユニットの対称軸によって分割されていることも有利である本発展態様の範囲内にある。このことは、一方の部分ユニットだけを作成するだけでよく、それぞれ他方の部分ユニットを既に作成した部分ユニットと対称的に実施するだけでよいため、前記各部分ユニットの作成時における利点を伴う。
【0070】
有利である発展態様において、前記印刷ユニットは、印刷媒体注入口と少なくとも一つの印刷媒体路とを含んでなり、前記印刷媒体注入口は、中央閉止弁と流体導通的に連結されており、前記印刷媒体路の領域において少なくとも一つのノズルレールが交換可能に配置されており、前記ノズルレールは、前記印刷ユニットの前記各ディスペンサノズルのうち少なくとも一部を含んでなる。
【0071】
前記印刷媒体注入口は、前記印刷ユニットを印刷媒体供給ユニットと流体導通的に連結して前記印刷媒体を少なくとも一つの印刷媒体路を介して複数のディスペンサノズルへと案内するために使用され、当該各ディスペンサノズルを通って前記印刷媒体は前記基板上に到達する。
【0072】
前記中央閉止弁は、電気的に作動可能な弁の形として構成され得、前記弁は前記基板に複数の印刷ラインが印刷される、前記相対移動の開始時に開放されて前記相対移動の終了時に閉止される。
【0073】
前記ノズルレールは、前記各ディスペンサノズルの少なくとも一部を含んでなり、前記印刷媒体路の領域において交換可能に配置されている。前述の交換可能性は、例えばスナップ接続などによって相補係合的、あるいは例えばクランプ接続によって摩擦係止的に前記印刷媒体路の領域において配置され得る。これにより前記ノズルレールをわずかな労力で別のノズルレールと交換することが可能となる。容易な交換可能性により、各基板、特に各半導体基板の工業印刷において前記印刷装置の高い利用可能性が得られる。
【0074】
本発明はさらに、特に半導体基板上に一つまたは複数の導電路を製造するために、印刷ユニットと駆動手段とを用いて印刷媒体を基板上へパラレルディスペンスするための方法に関し、前記駆動手段は、前記印刷ユニットと前記基板との間の相対移動を移動方向において生成し、前記印刷媒体は、前記印刷ユニットに配置されている、第一のディスペンサノズルと第二のディスペンサノズルと第三のディスペンサノズルとを介して同時に吐出されることによって前記基板上に到達し、前記第一のディスペンサノズルは、第一の始点と第一の終点を有する第一の印刷ラインを生成し、前記第二のディスペンサノズルは、第二の始点と第二の終点を有する第二の印刷ラインを生成し、前記第一および前記第二の印刷ラインは、互いに対して平行に離間して前記基板上に塗布される。
【0075】
本発明による方法において重要なのは、前記第三のディスペンサノズルは、第三の始点と第三の終点を有する第三の印刷ラインを生成し、前記第一の印刷ラインが前記第三の印刷ラインに対して同軸状に延伸し、前記第一の始点と前記第三の始点とは、第一のノズル間隔において互いに離間していることである。
【0076】
本発明による装置または当該装置の有利である各発展態様は、本発明による方法を実施するように構成されていることが有利である。
【0077】
本発明による方法によって、基板、特に半導体基板の印刷における生産性を著しく向上することが可能である。
【0078】
有利である発展態様において、前記相対移動を実施するために相対移動経路が設定され、当該相対移動経路は、第一の方法に関する別途実施例において前記第一のノズル間隔よりも小さく、前記第一および前記第三の印刷ラインの間に隙間が形成される。
【0079】
前記第一および前記第三の印刷ラインの間の前記隙間は、印刷された基板に例えばデータマトリックスコードなどの標示を塗布するために使用され得る。前記印刷媒体は、導電性ペーストであることが好ましく、当該導電性ペーストは、導電性を有する各接触フィンガーを形成するために半導体基板上に塗布される。前記隙間を形成することによって、前記半導体基板を前記第一および前記第三の印刷ラインの各領域において分割することが可能である。
【0080】
有利である発展態様において、前記相対移動を実施するために相対移動経路が設定され、当該相対移動経路は、第一の方法に関する別途実施例において、少なくとも前記第一のノズル間隔に相当し、前記第一の印刷ラインと前記第三の印刷ラインとは、共通の接触領域、特にオーバーラップ領域を有するように構成される。
【0081】
前記第一および前記第三の印刷ラインの間の接触領域は、前記第一および前記第三の印刷ラインが組み付けられた、連続した印刷ラインを生成することを可能にする。これにより、このような組み付けられた印刷ラインを生成するのに必要な時間が半分に短縮される。前記各印刷ラインが各電気接触ラインである場合、前記オーバーラップ領域が生成された、組み付けられた印刷ラインの導電性を増加させる。
【0082】
以下、本発明による装置および本発明の方法のさらなる好ましい各特徴および各実施形態について、各実施形態例および各図面を用いて説明する。前記各実施形態例は、本発明の有利な各実施態様にすぎず、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【
図1】パラレルディスペンスするための装置の側面図である。
【
図2】印刷ユニットの第一の変形例を有する、パラレルディスペンスするための装置の上面図である。
【
図3】印刷ユニットの第二の変形例を示す図である。
【
図4】前記印刷ユニットの前記第二の変形例を用いて異なる方法で印刷されている二つの基板を示す図である。
【
図5】印刷ユニットの第三の変形例を示す図である。
【
図6】印刷ユニットの前記第三の変形例を用いて印刷されている基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
図1は、パラレルディスペンスするための装置1を図示している。前記装置1は、機械ベッド2とその上に配置された基板支持体3を含んでなり、当該基板支持体は、印刷される基板4を支えて印刷工程のために所定の位置および向きに固定するために使用される。リニアユニット5の形における駆動手段が、前記基板支持体3とその上に設けられた基板4の上方のフレームに配置されている。前記リニアユニット5は、可動であるキャリッジを有し、当該キャリッジを用いて交換可能な第一の印刷ユニット6を前記基板支持体3および前記基板4に対して移動させることが可能である。前記基板4とは、半導体基板であって、ここでは光起電太陽電池を形成するための半導体構造である。
【0085】
前記装置1は、さらに図示されない供給ユニットを有する印刷媒体貯蔵器8を有し、当該印刷媒体貯蔵器は、供給管9を介して前記第一の印刷ユニット6と流体導通的に連結されている。前記供給ユニットは、例えばピストンポンプなどのポンプ装置として構成され得、当該ポンプ装置は、前記印刷媒体貯蔵器8内にある印刷媒体10を前記第一の印刷ユニット6へと供給する。この際、前記印刷媒体10は、前記第一の印刷ユニット6の(図示されない)複数のディスペンサノズルへと到達し、当該各ディスペンサノズルを通って前記印刷媒体が前記基板4の表面上と到達する。この際、複数の印刷ラインが生成され、当該各印刷ラインのうち少なくとも二つが互いに対して同軸状に延伸する。前記印刷媒体10は、前記基板4上に導電性を有する各接触フィンガーを生成するための金属製の印刷ペーストである。
【0086】
図2は、
図1における前記第一の印刷ユニット6と前記基板4の上面図を図示している。見やすくするために
図1における前記装置1のその他の各構成要素は図示されていない。
【0087】
図1の実施形態において前記第一の印刷ユニット6は、前記基板4の上方に位置して前記基板に対して移動方向7に移動される。
【0088】
前記基板4は、疑似正方形形状を有する。当該疑似正方形形状は、前記基板4を第一の領域11と第二の領域12に分割することを可能にする。前記第一の領域11において前記基板4は、直線状の縁13によって画定されており、当該縁は、図示される前記基板4の配置において前記移動方向7に直交して延伸する。前記第二の領域12において、前記第一の領域11の前述の直線状の縁は、前記直線状の縁13に対して45度の角度をなす面取り14へとつながる。
【0089】
前記印刷ユニット6は、中央領域15と縁領域16とを有するように構成されている。前記印刷ユニット6が相対変位されると当該印刷ユニットは、前記中央領域15において前記基板4の前記第一の領域11を塗布する一方、前記縁領域16が前記基板4の前記第二の領域12を塗布する。
【0090】
前記印刷ユニット6は、前記中央領域15において第一のディスペンサノズル17、第二のディスペンサノズル18および第三のディスペンサノズル19を有する。前記第一のディスペンサノズル17と前記第二のディスペンサノズル18は、前記移動方向7に直交して延伸する、共通の第一の横軸20に沿って配置されている。前記第一のディスペンサノズル17と前記第三のディスペンサノズル19は、前記移動方向7に平行して延伸する、共通の第一の長手方向軸21に沿って配置されている。
【0091】
前述の各ディスペンサノズル17,18および19の他に、前記中央領域15においてその他の各ディスペンサノズルが複数の列22に沿って配置されている。前述の各列22において前記各ディスペンサノズルは、第一のノズル間隔23において規則的に互いに対して離間している。
【0092】
前記縁領域16において、第四のディスペンサノズル24と第五のディスペンサノズル25とが共通の第二の長手方向軸26に沿って配置されている。前記第二の長手方向軸26は、前記移動方向7に平行して前記第一の長手方向軸21と同様に延伸する。
図2の実施形態例において、前記第四および前記第五のディスペンサノズル24または25は、前記縁領域16の縁列30において第二のノズル間隔27において互いに離間して配置されている、唯一の各ディスペンサノズルである。
【0093】
さらに前記第一のディスペンサノズル17と前記第四のディスペンサノズル24とは、前記移動方向7に対して鋭角29において延伸する、共通の傾斜軸28に沿って配置されている。
【0094】
前記印刷ユニット6が前記移動方向7に沿って前記基板4に対して変位されると、前記中央領域15に配置されている前記各ディスペンサノズルが、少なくとも部分的に前記縁領域16に配置されている前記各ディスペンサノズルに対して上流にある。これにより、前記縁領域16に配置されている前記各ディスペンサノズルが、前記第一の印刷ユニット6と前記基板4との間の前記相対移動の終了後に前記基板4を越えて突出しないため、印刷媒体が無駄にならないという利点が得られる。
【0095】
図3は、第二の印刷ユニット31の形における、印刷ユニットのための別途実施例を図示しているが、当該第二の印刷ユニットは、
図2の前記第一の印刷ユニット6と同様の形状寸法上の各規則性で構成されている。前記形状寸法上の各規則性同士の同一性を明確にするために、少なくとも部分的に
図2と同一の各符号が使用されている。
【0096】
前記第二の印刷ユニット31は、
図2の前記第一の印刷ユニット6と同様に中央領域15を有し、当該中央領域内に第一のディスペンサノズル17、第二のディスペンサノズル18および第三のディスペンサノズル19を含んでなる複数のディスペンサノズルが各列22において互いに対して規則的に離間して配置されている。前記中央領域15の一つの列22内に配置されている、二つの隣接するディスペンサノズルの各間隔は、それぞれ第一のノズル間隔23に相当する。
【0097】
さらに前記第二の印刷ユニット31は、それぞれ前記中央領域15に隣接する、二つの縁領域16および16’を有する。前記各縁領域16および16’において前記各ディスペンサノズルは、互いに対して鏡面対称に配置されている。この際、一つの縁領域の前記各ディスペンサノズルは、複数の縁列30(縁領域16に関連してのみ図示されている)に配列されており、当該各縁列において当該各ディスペンサノズルは、それぞれ規則的に第二のノズル間隔27において互いに対して離間されて配置されており、前記第一および前記第二のノズル間隔23または27は、同一である。
【0098】
前記中央領域15の一つの列22における各ディスペンサノズルの数は、前記縁領域16および16’の一つの縁列30における各ディスペンサノズルの数よりも大きい。
【0099】
前記第一のディスペンサノズル17は、前記第二のディスペンサノズル18とともに前記移動方向7に直交して延伸する、共通の第一の横軸20上に配置されている。さらに前記第一のディスペンサノズル17は、前記第三のディスペンサノズル19とともに前記移動方向7に平行して延伸する、共通の第一の長手方向軸21に沿って配置されている。前記第四のディスペンサノズル24は、前記第五のディスペンサノズル25とともに前記移動方向7に平行して延伸する、第二の長手方向軸26に沿って配置されている。加えて前記第一のディスペンサノズル17は、前記第四のディスペンサノズル24とともに共通の傾斜軸28上に配置されている。
【0100】
前記第一の横軸20、第二の長手方向軸24および前記傾斜軸28は、前述の各軸のそれぞれ片側において各ディスペンサノズルが配置されないように前記第二の印刷ユニット21を画定する。
【0101】
前記第二の印刷ユニット31は、前記各ディスペンサノズルが自身の上に配置されているような配置において、前記移動方向に対して平行に延伸する第一の対称軸と前記移動方向7に対して直交して延伸する第二の対称軸とに沿って完全に対称的に構成されている。
【0102】
前記第二の印刷ユニット31が前記移動方向7への相対移動において印刷される基板に対して移動されて印刷媒体が前記各ディスペンサノズルを通して吐出されると、前記第二の印刷ユニット31と基板との間に設定された相対移動経路に応じて、
図4Aおよび
図4Bに図示される各印刷画像が得られる。
【0103】
図4Aは、前記第二の印刷ユニット31(
図3に相当)との間の相対移動が前記第一のノズル間隔23および前記第二のノズル間隔27よりも大きい相対移動経路において実施された装置を用いて印刷された、第一の半導体基板32を図示している。この際、前記印刷の間に前記第二の印刷ユニット31の前記各ディスペンサノズルから吐出されて前記半導体基板32の表面に到達した前記印刷媒体は、複数の互いに対して平行に延伸する印刷ライン34を生成した。前述の各印刷ライン34は、自身の各延伸においてそれぞれ複数のオーバーラップ領域35を有する。前記各オーバーラップ領域35は、印刷媒体の塗設時に少なくとも二つの前記移動方向において連続的に配置されたディスペンサノズルが前記半導体基板32の同一の領域を塗布することによって得られる。前記各印刷ライン34は、導電性を有する各接触フィンガーであるため、前記各オーバーラップ領域35は、二つの同軸状に互いに隣接する印刷ライン間に低いオーム抵抗を生じさせる上で役立つ。
【0104】
図4Bは、同様に前記第二の印刷ユニット31(
図2に相当)との間の相対移動が前記第一のノズル間隔23および前記第二のノズル間隔27よりも小さい相対移動経路において実施された装置を用いて印刷された、第二の半導体基板33を図示している。この際、前記印刷の間に前記第二の印刷ユニット31の前記各ディスペンサノズルから吐出されて前記半導体基板33の表面に到達した前記印刷媒体は、
図4Aの各実施例に相当して複数の互いに対して平行に延伸する印刷ライン34を生成したが、当該各印刷ラインは、前記
図4Aの前記半導体基板32に比べて複数の隙間36によって中断されている。
【0105】
前記各隙間36は、中断された各接触フィンガーセグメントを互いに独立して一つまたは複数のバスバーを用いて電気的に接触させるか、あるいは例えばデータマトリックスコードの形における標示を塗布するのに使用され得る。
【0106】
図5は、第三の印刷ユニット37の形における印刷ユニットの別途実施形態例を図示しており、当該印刷ユニットは、
図2の前記第一の印刷ユニット6と
図3の前記第二の印刷ユニット31と同一の形状寸法上の各規則性に相当して構成されている。前記形状寸法上の各規則性同士の同一性を明確にするために、特に説明しない限り
図2および
図3と同一の各符号が使用されている。
【0107】
図2の前記第一の印刷ユニット6と同様に且つ
図3の前記第二の印刷ユニット31と同様に前記第三の印刷ユニット37は、中央領域15を有し、当該中央領域内に第一のディスペンサノズル17、第二のディスペンサノズル18および第三のディスペンサノズル19を含んでなる複数のディスペンサノズルが、各列において互いに対して規則的に離間して配置されている。前記中央領域15の一つの列内に配置されている、二つの隣接するディスペンサノズルの各間隔は、第一のノズル間隔23に相当する。
【0108】
さらに前記第三の印刷ユニット37は、前記第二の印刷ユニット21と同様、それぞれ前記中央領域15に隣接する、二つの縁領域16および16’を有する。前記各縁領域16および16’は、両縁領域16および16’に対して鏡面対称に配置されている各ディスペンサノズルを有する。一つの縁領域16または16’の前記各ディスペンサノズルは、複数の縁列30(縁領域16に関連してのみ図示されている)に配列されており、当該各縁列において当該各ディスペンサノズルは、
図3の前記第二の印刷ユニット31とは対照的に不規則的に前記第一のノズル間隔23よりも小さい、様々な間隔において配置されている。
【0109】
前記第一のディスペンサノズル17は、前記第二のディスペンサノズル18とともに前記移動方向7に直交して延伸する、共通の第一の横軸20上に配置されている。さらに前記第一のディスペンサノズル17は、前記第三のディスペンサノズル19とともに前記移動方向7に平行して延伸する、共通の第一の長手方向軸21に沿って配置されている。前記第四のディスペンサノズル24は、前記第五のディスペンサノズル25とともに前記移動方向7に平行して延伸する、第二の長手方向軸26に沿って配置されている。加えて前記第一のディスペンサノズル17は、前記第四のディスペンサノズル24とともに共通の傾斜軸28上に配置されている。
【0110】
前記第一の横軸20、第二の長手方向軸24および前記傾斜軸28は、前述の各軸のそれぞれ片側において各ディスペンサノズルが配置されないように前記第三の印刷ユニット37を画定する。
【0111】
前記第三の印刷ユニット37が、前記移動方向7への相対移動において印刷される基板に対して移動されて印刷媒体が前記各ディスペンサノズルを通して前記基板上に塗設されると、前記第一のノズル間隔よりも小さいものの前記各縁領域における前記各ディスペンサノズルの前記間隔よりも大きい相対移動経路の場合、
図6に図示される印刷画像が得られる。
【0112】
図6は、前記相対移動が前記第三の印刷ユニット37(
図5に相当)との間において実施された装置によって印刷された半導体基板38を図示している。この際、印刷時に前記第三の印刷ユニット37の前記各ディスペンサノズルから前記半導体基板38上に塗布された前記印刷媒体は、複数の互いに対して平行に延伸する印刷ライン39を生成した。前述の各印刷ライン39は、自身の各延伸において一つの工程ステップにおいて前記半導体基板38と前記第三の印刷ユニット37との間における一つの相対移動のみによって生成された、複数のオーバーラップ領域35のみならず複数の隙間36をも有する。
【国際調査報告】