(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】電子機器及び電子機器の支持部材の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20231128BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20231128BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20231128BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20231128BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
H04M1/02 C
G06F1/16 312G
G03B17/02
H04N23/50
H04N5/222 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528493
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2021132701
(87)【国際公開番号】W WO2022111509
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202011373360.8
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲兪▼ 昌▲國▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 喜明
【テーマコード(参考)】
5C122
5K023
【Fターム(参考)】
5C122EA05
5C122FA18
5C122GD12
5C122GE01
5K023AA07
5K023BB27
5K023LL01
5K023PP02
5K023QQ02
(57)【要約】
本出願は、マザーボードブラケット、マザーボードアッパカバー、第1カメラ、第2カメラ、及び支持部材を含む電子機器であって、マザーボードブラケットとマザーボードアッパカバーとは囲んでキャビティを形成し、第1カメラと第2カメラとは隙間を形成するようにチャンバに設けられ、マザーボードアッパカバーは、第1カメラと第2カメラとの間に位置し隙間に向かって延在する第1支持部を有し、支持部材は、マザーボードブラケットに接続され、支持部材のマザーボードブラケットから離れる少なくとも一部は、形状記憶合金を採用し、第1形態と第2形態との間で変形可能であり、第1形態において、支持部材の一部は隙間内に位置し、第2形態において、支持部材は変形して第2支持部を形成し、第2支持部は第1支持部に当接し、第2支持部の寸法は隙間の寸法よりも大きい電子機器を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マザーボードブラケット(100)、マザーボードアッパカバー(200)、第1カメラ(400)、及び第2カメラ(500)を含む電子機器であって、
前記マザーボードブラケット(100)と前記マザーボードアッパカバー(200)とは囲んでキャビティを形成し、前記第1カメラ(400)と前記第2カメラ(500)とはいずれも前記キャビティに設けられ、前記第1カメラ(400)と前記第2カメラ(500)との間に隙間(M)が形成され、
前記マザーボードアッパカバー(200)は、前記第1カメラ(400)と前記第2カメラ(500)との間に位置し前記隙間(M)に向かって延在する第1支持部(210)を有し、
前記電子機器は、前記マザーボードブラケット(100)に接続された支持部材(600)をさらに含み、前記支持部材(600)の前記マザーボードブラケット(100)から離れる少なくとも一部は、形状記憶合金を採用し、第1形態と第2形態との間で変形可能であり、前記第1形態において、前記支持部材(600)の前記マザーボードブラケット(100)から離れる少なくとも一部は前記隙間(M)内に位置し、前記第2形態において、前記支持部材(600)の前記マザーボードブラケット(100)から離れる少なくとも一部は第2支持部(630)を形成し、前記第2支持部(630)は前記第1支持部(210)に当接し、前記第1カメラ(400)と前記第2カメラ(500)との配置方向において、前記第2支持部(630)の寸法は前記隙間(M)の寸法よりも大きい、電子機器。
【請求項2】
前記支持部材(600)は固定板(610)及び支持板(620)を含み、前記固定板(610)と前記支持板(620)とは一体的に設けられるか又は互いに接続され、前記固定板(610)と前記支持板(620)とは夾角をなして設けられ、
前記固定板(610)は前記マザーボードブラケット(100)に固定接続され、前記支持板(620)は前記隙間(M)内に延在し、前記第2支持部(630)は前記支持板(620)の前記固定板(610)から離れる端部に位置する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記支持板(620)は形状記憶合金を採用し、
前記支持板(620)の前記固定板(610)から離れる端部は前記第1形態において平板構造であり、前記第2形態において前記支持板(620)がL字状となるようにフランジ縁に変形する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1カメラ(400)と前記第2カメラ(500)との配置方向において、前記フランジ縁の寸法と前記平板構造の寸法との比は2以上である、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1形態において、前記支持板(620)の前記固定板(610)から離れる端部と前記第1支持部(210)とは部分的に重なる、請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
前記マザーボードブラケット(100)の前記マザーボードアッパカバー(200)から離れる側面に位置決め突起(110)が設けられ、前記固定板(610)に位置決め穴(611)が開けられ、前記位置決め穴(611)は前記位置決め突起(110)への外嵌に適し、
及び/又は、前記固定板(610)は前記マザーボードブラケット(100)に溶接される、請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
前記マザーボードブラケット(100)はSUS304 3/4H材質を採用し、
及び/又は、前記マザーボードブラケット(100)はステンレス鋼でインモールド射出成形され、
及び/又は、前記マザーボードブラケット(100)の前記固定板(610)を固定するための領域はステンレス鋼材質を採用している、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記マザーボードブラケット(100)に貫通穴(120)が開けられ、前記支持板(620)は前記貫通穴(120)を貫通して前記隙間(M)内まで延びるのに適する、請求項6に記載の電子機器。
【請求項9】
前記支持部材(600)は少なくとも一部が、二方向記憶効果を有する形状記憶合金を採用している、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記形状記憶合金の変態温度範囲は-30℃~80℃である、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記形状記憶合金はニッケルチタン記憶合金である、請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記マザーボードアッパカバー(200)は、前記第1カメラ(400)の前記第1支持部(210)から離れる側に設けられた第3支持部(220)、及び前記第2カメラ(500)の前記第1支持部(210)から離れる側に設けられた第4支持部(230)をさらに有し、
前記電子機器は、前記第3支持部(220)上に支持されたマザーボード(300)をさらに含み、前記マザーボードブラケット(100)の一側が前記マザーボード(300)上に支持され、他側が前記第4支持部(230)上に支持される、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の電子機器の支持部材の取り付け方法であって、
前記支持部材(600)を前記マザーボードブラケット(100)に固定するステップと、
前記支持部材(600)の支持領域が平坦形態となるように、前記支持部材(600)を第1所定温度に降温するステップと、
前記マザーボードブラケット(100)を前記マザーボードアッパカバー(200)に組み立て、前記支持部材(600)の支持領域を前記隙間(M)内に延在させるステップと、
前記支持部材(600)を第2所定温度に昇温することで前記支持部材(600)の支持領域が変形して前記第2支持部(630)を形成し、前記第2支持部(630)を前記第1支持部(210)に当接させるステップと、を含む、電子機器の支持部材の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月30日に中国特許局に出願された、出願番号202011373360.8、発明の名称「電子機器及び電子機器の支持部材の取り付け方法」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は通信機器の技術分野に関し、特に電子機器及び電子機器の支持部材の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0003】
市場に出回っている一部の電子機器(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ等)は多くの消費者に人気があり、電子機器は一般的にフロント撮影機能を有する。フロントカメラのより良い、より多くの自撮り機能及び効果を実現するためには、電子機器の前面に2つのフロントカメラ(即ち、フロントメインカメラ及びフロント広角カメラ)を配列する必要があり、結果として画面はノッチ画面になっている。画面ノッチの長さを短くし、電子機器前面の外観効果を改善して極めるために、2つのフロントカメラ間の距離を最大限に短くする必要があり、このように、2つのフロントカメラの間に支持構造を配置することは困難である。しかしながら、2つのフロントカメラの間に支持構造がなければ、転がり、落下信頼性試験では、衝撃力がフロントカメラに伝達しやすくなり、2つのフロントカメラの機能が失われ、ひいては電子機器が破損してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、支持構造を配置できないことによりフロントカメラが変形しやすくて正常に動作しなくなるという問題を解決するために、電子機器及び電子機器の支持部材の取り付け方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の第1側面では、本出願の実施例は、マザーボードブラケット、マザーボードアッパカバー、第1カメラ、及び第2カメラを含む電子機器であって、
前記マザーボードブラケットと前記マザーボードアッパカバーとは囲んでキャビティを形成し、前記第1カメラと前記第2カメラとはいずれも前記キャビティに設けられ、前記第1カメラと前記第2カメラとの間に隙間が形成され、
前記マザーボードアッパカバーは、前記第1カメラと前記第2カメラとの間に位置し前記隙間に向かって延在する第1支持部を有し、
前記電子機器は、前記マザーボードブラケットに接続された支持部材をさらに含み、前記支持部材の前記マザーボードブラケットから離れる少なくとも一部は、形状記憶合金を採用し、第1形態と第2形態との間で変形可能であり、前記第1形態において、前記支持部材の前記マザーボードブラケットから離れる少なくとも一部は前記隙間内に位置し、第2形態において、前記支持部材の前記マザーボードブラケットから離れる少なくとも一部は第2支持部を形成し、前記第2支持部は前記第1支持部に当接し、前記第1カメラと前記第2カメラとの配置方向において、前記第2支持部の寸法は前記隙間の寸法よりも大きい、電子機器を開示する。
【0006】
第2側面では、本出願の実施例は、
前記支持部材を前記マザーボードブラケットに固定するステップと、
前記支持部材の支持領域が平坦形態となるように、前記支持部材を第1所定温度に降温するステップと、
前記マザーボードブラケットを前記マザーボードアッパカバーに組み立て、前記支持部材の支持領域を前記隙間内に延在させるステップと、
前記支持部材を第2所定温度に昇温することで前記支持部材の支持領域が変形して前記第2支持部を形成し、前記第2支持部を前記第1支持部に当接させるステップと、を含む、電子機器の支持部材の取り付け方法を開示する。
【発明の効果】
【0007】
本出願で採用された技術的解決手段は、以下の有益な効果を達成することができる。
【0008】
本出願の実施例で開示された電子機器において、支持部材はマザーボードブラケットに接続され、支持部材の前記マザーボードブラケットから離れる少なくとも一部は形状記憶合金を採用することにより、支持部材が変形していない第1形態の前に、支持部材の一部は第1カメラと第2カメラとの間の隙間内に穿設され、支持部材が変形して第2形態になった後、形成された第2支持部はマザーボードアッパカバーの第1支持部に当接できる。このように、第1カメラと第2カメラとの間の隙間をできるだけ小さくしつつ、支持部材の一部を隙間内に入れ込むという要件を満たすことができる。また、支持部材の一部は隙間内に入り込んだ後変形して、マザーボードアッパカバーの第1支持部との接触面積を増やすことができるため、支持の安定性を高めることができる。また、支持部材とマザーボードブラケットとの間の固定、及び、マザーボードブラケットとマザーボードアッパカバーとの組み立てによる累積公差を吸収することもでき、これにより、2つのフロントカメラの間隔が狭い場合でも良好な支持効果が得られ、マザーボードブラケットが力を受けると、2つのフロントカメラが押圧されて正常に動作しなくなるという問題が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】関連技術で開示された電子機器のフロントカメラの部分模式図である。
【
図2】本出願の実施例で開示された電子機器のフロントカメラモジュールの部分模式図である。
【
図3】本出願の実施例で開示された電子機器内の支持部材が第1形態にある場合のフロントカメラモジュールの部分模式図である。
【
図4】本出願の実施例で開示された電子機器内の支持部材が第2形態にある場合のフロントカメラモジュールの部分模式図である。
【
図5】本出願の実施例で開示された電子機器内の支持部材とマザーボードブラケットとの組み立ての正面図である。
【
図6】本出願の実施例で開示された電子機器内の支持部材とマザーボードブラケットとの組み立ての背面図である。
【
図7】本出願の実施例で開示された電子機器内の支持部材が第1形態にある場合の模式図である。
【
図8】本出願の実施例で開示された電子機器内の支持部材が第2形態にある場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記で説明された図面は本出願をさらに理解させ、本出願の一部を構成するためのものであり、本出願の例示的実施例及びその説明は本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定する意図がない。
【0011】
本出願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本出願の具体的な実施例及び対応する図面を参照し、本出願における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本出願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0012】
関連技術の電子機器、例えば、携帯電話等では、2つのフロントカメラの機器全体におけるレイアウトは
図1に示すとおりである。図中、101はフロントメインカメラであり、画素が高く、主にフロント撮影機能を担当する。102はフロント広角カメラであり、主に超広角撮影機能を担当し、ユーザのより高度の要求に応えるためのものである。画面ノッチの長さを最大限に短くし、前面の外観効果を改善して極めるために、2つのフロントカメラ間の距離を最大限に短くする必要があるが、
図1から分かるように、フロントメインカメラとフロント広角カメラとの間の間隔は比較的に小さい。103は2つのフロントカメラを支持及び保護するためのマザーボードブラケットであり、
図1において、マザーボードブラケット103は、左側がマザーボード上に支持され、右側がマザーボードアッパカバー105上に支持されるが、2つのフロントカメラの間の間隔が小さいため、支持構造を配置することができない。104はシート状電池カバーであり、その強度が比較的に低く、変形しやすく、マザーボードアンダーカバーに貼り付けられている。105はマザーボードアッパカバーであり、2つのフロントカメラの固定に用いられるとともに、マザーボード、マザーボードブラケット及びマザーボードアンダーカバーの支持にも用いられる。
【0013】
上記した配置に基づき、シート状電池カバー104が外力を受けると、シート状電池カバー104は強度が低いため大きく変形し、力が直接マザーボードブラケット103に伝達する。2つのフロントカメラの間に支持構造を配置できないため、マザーボードブラケット103は2つのフロントカメラにのみ力を伝達することができ、よって、2つのフロントカメラが力を受けて変形し、感光性チップ及び光学フィルタの割れリスクが急激に高まり、さらには、2つのフロントカメラが正常に動作しなくなってしまう。
【0014】
上記した技術的課題を解決するために、本願発明者は本出願の技術的解決手段を提案した。以下、図面を参照しながら、本出願の各実施例で開示された技術的解決手段を詳細に説明する。
【0015】
図2から
図8に示すように、本出願の実施例は電子機器を開示し、開示された電子機器は、マザーボードブラケット100、マザーボードアッパカバー200、第1カメラ400、第2カメラ500、及び支持部材600を含む。
【0016】
マザーボードブラケット100は電子機器のベース部材であり、電子機器内のいくつかの部材に取り付けベースを提供することができる。本出願の実施例において、第1カメラ400及び第2カメラ500は、いずれもマザーボードブラケット100の内側に設けられ、マザーボードブラケット100によって第1カメラ400及び第2カメラ500を支持及び保護する。
【0017】
マザーボードアッパカバー200は電子機器の固定部材であり、いくつかの部材の固定及び支持に用いることができる。本出願の実施例において、マザーボードアッパカバー200は、第1カメラ400及び第2カメラ500の固定に用いられるとともに、マザーボード300、マザーボードブラケット100、及びマザーボードアンダーカバーの支持にも用いられる。
【0018】
具体的には、マザーボードブラケット100の一側が電子機器のマザーボード300上に支持され、マザーボード300がマザーボードアッパカバー200上に支持され、マザーボードブラケット100の他側がマザーボードアッパカバー200上に直接支持され、このように、マザーボードブラケット100とマザーボードアッパカバー200との間にキャビティが形成され、第1カメラ400と第2カメラ500とがキャビティ内に並列に設けられ、これにより、マザーボードブラケット100及びマザーボードアッパカバー200によって2つのカメラの固定及び取り付けを実現する。
【0019】
さらに、マザーボードアッパカバー200は第1支持部210を有し、該第1支持部210はキャビティ内に延びて、キャビティを2つの小さなキャビティに仕切り、第1カメラ400がそのうちの1つの小さなキャビティ内に嵌着され、第2カメラ500が別の小さなキャビティ内に嵌着され、これにより、2つの小さなキャビティによって2つのカメラをそれぞれ固定して取り付ける。具体的には、第1カメラ400はフロントメインカメラであり、画素が高く、主にフロント撮影機能を担当する。第2カメラ500はフロント広角カメラであり、超広角撮影機能を担当し、ユーザのより高度の要求に応えるためのものである。第1カメラ400と第2カメラ500との間に取り付けの隙間Mが形成されている。
【0020】
マザーボードブラケット100の一側が力を受けてカメラモジュールに作用することによってカメラモジュールが破損するという問題を軽減するために、マザーボードブラケット100に支持部材600を接続し、該支持部材600のマザーボードブラケット100から離れる少なくとも一部は、形状記憶合金材質を採用し、第1形態と第2形態との間で変形可能であり、第1形態において、支持部材600のマザーボードブラケット100から離れる少なくとも一部は隙間M内に延在することができ、第2形態において、支持部材600のマザーボードブラケット100から離れる少なくとも一部は第2支持部630を形成し、第2支持部630はマザーボードブラケット100の第1支持部210に当接し、第1カメラ400と第2カメラ500との配置方向において、第2支持部630の寸法は隙間Mの寸法よりも大きい。これにより、支持部材600によってマザーボードブラケット100とマザーボードアッパカバー200との間の支持作用を実現し、マザーボードブラケット100の中央領域が力を受けることによってカメラモジュールが破損するという問題を効果的に解決することができる。
【0021】
支持部材600のマザーボードブラケット100から離れる少なくとも一部は形状記憶合金を採用し、ここでいう記憶合金は、原子配列が規則的で、体積が0.5%未満になるマルテンサイト変態合金である。このような合金は、外力によって変形するが、外力がなくなると、一定の温度条件下で元の形状に戻ることができる。百万回以上の回復機能を有するため、「記憶合金」や「形状を記憶する合金」と呼ばれ、即ち形状記憶合金である。該形状記憶合金は、非磁性、耐摩耗、耐食、無毒等の利点を有し、広く応用されている。現在、例えば、温度制御装置の温度制御回路、航空機の空中給油用インタフェースの製造等、電子機器、自動車工業、医療機器、宇宙開発技術、エネルギー開発等の分野で広く利用されている。現在、ニッケル-チタン合金、金-カドミウム合金、銅-亜鉛合金等、異なる記憶機能を持つ合金が数十種類発見されている。
【0022】
形状記憶合金(Shape Memory Alloys,SMA)は、加熱昇温すると低温で発生した変形が完全になくなり、変形前の元の形状に回復することができる合金材料、即ち、「記憶」効果を有する合金で、航空宇宙分野で広く応用されており、例えば、人工衛星上の巨大なアンテナは形状記憶合金で製造することができる。人工衛星の打ち上げ前には、パラボラアンテナを折り畳んで衛星内に入れ、ロケットが打ち上げられて人工衛星を所定の軌道に投入した後、加温するだけで、折り畳まれた衛星アンテナは「記憶」機能を有するため自然に展開し、パラボラ形状に回復する。例えば、曲がった形状記憶合金のスプーンは、お湯に入れるとまっすぐになり、冷水に再度入れると再び曲がる。
【0023】
図3に示すように、形状記憶合金自体の特性から、低温で支持部材600は第1形態であり、この形態において、支持部材600は隙間M内に入り込み、第1支持部210に向かって延在することができることが分かり、これにより、支持部材600が第1カメラ400又は第2カメラ500の側壁に衝突することなく隙間M内にスムーズに入り込むことを保証することができ、良好な組み立て効果が達成される。
図4に示すように、高温で支持部材600の一部は変形して第2形態となり、つまり、支持部材600のマザーボードブラケット100から離れる端部に第2支持部630が形成され、且つ第1カメラ400と第2カメラ500との配置方向において、第2支持部630の寸法が第1カメラ400と第2カメラ500との間の隙間Mの寸法よりも大きく、これにより、第2支持部630がマザーボードアッパカバー200の第1支持部210に当接する時、支持部材600と第1支持部210との接触面積は増大し、且つ、部分的な変形により支持部材600の寸法がある程度変化したため、支持部材600とマザーボードブラケット100との間の接続、及び、マザーボードブラケット100とマザーボードアッパカバー200との組み立てによる公差を効果的に吸収することができ、支持部材600の支持効果が大幅に高められる。
【0024】
本出願の実施例で開示された電子機器において、画面ノッチの長さ寸法を小さくするために、第1カメラ400と第2カメラ500との間の隙間Mが比較的に小さく、この場合、支持部材600は第1形態にあって隙間M内にスムーズに入り込むことができ、支持部材600が隙間Mに入り込むと、一部が変形して第2支持部630を形成して第2形態となり、この時、支持部材600は第2支持部630により第1支持部210に当接し、これにより支持面積が増大し、良好な支持効果が得られる。
【0025】
ここで説明すべきことは、第1カメラ400と第2カメラ500との間の隙間Mは、第1形態の支持部材600のみが入り込むことができ、第2形態の支持部材600が入り込むことができない点である。つまり、第1カメラ400と第2カメラ500との配置方向において、支持部材600が第1形態にある場合の寸法は隙間Mの寸法以下であり、支持部材600が第2形態にある場合の寸法は隙間Mの寸法よりも大きい。また、支持部材600は、全体が形状記憶合金を採用してもよく、隙間M内まで延びる部分が形状記憶合金を採用してもよく、当然ながら、第1支持部210に当接するための領域が形状記憶合金を採用してもよい。支持部材600の変形は複数回の冷熱サイクルトレーニングに基づいて決定されるものであり、その具体的な原理は関連技術を参照することができ、ここでは詳細に説明しない。
【0026】
具体的な一実施形態において、
図5から
図8を参照すると、支持部材600は板金プレス品を採用し、具体的には固定板610及び支持板620を含む。固定板610と支持板620とは一体的に設けられるか又は互いに接続され、且つ支持板620と固定板610とは夾角をなして設けられる。固定板610がマザーボードブラケット100に固定接続され、第2支持部630が支持板620の固定板610から離れる端部に位置する。具体的には、固定板610をマザーボードブラケット100に直接溶接してもよく、例えば、スポット溶接によって固定板610とマザーボードブラケット100とを一体として溶接してもよい。当然ながら、溶接精度、溶接堅牢性、溶接効率の向上等の要素を考慮すると、マザーボードブラケット100のマザーボードアッパカバー200から離れる側面に位置決め突起110を設けてもよく、位置決め突起110の形状は任意で、例えば、円筒状、角柱状、半球状等あってもよい。これに応じて、形状が位置決め突起110に適合する位置決め穴611を固定板610に開ける。このように、固定板610を取り付ける際に、まず、固定板610上の位置決め穴611をマザーボードブラケット100上の位置決め突起110に外嵌し、その後、スポット溶接により固定接続を実現する。また、位置決め突起110の数は、実際の要件を満たす限り任意であり、ここでは具体的に限定されない。
【0027】
支持板620は、スポット溶接によって固定板610に固定接続されてもよく、且つ支持板620と固定板610とは夾角をなして設けられる。隙間Mの長手延在方向が、マザーボードブラケット100と対向するか又は略垂直であるため、固定板610がマザーボードブラケット100に溶接して固定されている場合、支持板620が隙間M内に入り込むことができるように、支持板620と固定板610とは互いに垂直になるように設計され、このように、固定板610とマザーボードブラケット100との固定接続を保証するとともに、支持板620が2つのフロントカメラの側壁に接触することなく隙間M内にスムーズに入り込むことができる。さらに、固定板610はL字状プレート材であり、支持板620は、L字状プレート材の外側縁の1つに固定接続され、且つ支持板620と固定板610とは互いに垂直である。
【0028】
第2支持部630は支持板620の固定板610から離れる端部に位置し、マザーボードブラケット100とマザーボードアッパカバー200とが一体に組み立てられた場合、支持板620の一部は隙間M内に位置し、支持板620の固定板610から離れる端部が変形して第2支持部630を形成する。第2支持部630がマザーボードアッパカバー200の第1支持部210上に支持され、これにより、接触面積が増大し、マザーボードブラケット100の中央領域に対する良好な支持効果が保証される。
【0029】
形状記憶合金は、以下のように分類することができる。
【0030】
第1のタイプは一方向記憶効果を有するものである。形状記憶合金は低温で変形し、加熱されると、変形前の形状に回復することができ、このような加熱プロセスにのみ存在する形状記憶現象は一方向記憶効果と呼ばれる。
【0031】
第2のタイプは二方向記憶効果を有するものである。形状記憶合金は、加熱されると高温相形状に回復し、冷却されると低温相形状に回復することができ、これは二方向記憶効果と呼ばれる。
【0032】
第3のタイプは全方向記憶効果を有するものである。形状記憶合金は、加熱されると高温相形状に回復し、冷却されると形状が同じであるが向きが逆となる低温相形状になり、これは全方向記憶効果と呼ばれる。
【0033】
本出願の実施例において、支持部材600は二方向記憶効果を有する形状記憶合金を採用し、該種類の形状記憶合金は、加熱されると高温相形状に回復することができ、冷却されると低温相形状に回復することができる。具体的には、支持板620が低温状態にある場合は、
図7に示すように、形状記憶合金自体の特性から、支持板620が低温相形状にあり、支持板620が平坦形態(即ち上記第1形態)であることが分かる。マザーボードブラケット100をマザーボードアッパカバー200に組み立てる時に、平坦形態にある支持板620は第1カメラ400と第2カメラ500との間の隙間M内にスムーズに入り込むことができ、これにより、支持板620が入り込む時に第1カメラ400又は第2カメラ500の側壁に衝突することが効果的に避けられ、良好な組み立て効果が達成される。支持板620が高温状態にある場合は、
図8に示すように、形状記憶合金自体の特性から、支持板620が変形して折り曲げられてフランジ縁を形成する(即ち上記の第2形態)ことが分かり、この時、支持板620が一側に折り曲げられてフランジ縁を形成したため、フランジ縁が第1支持部210に当接する時に、第1支持部210との接触面積を大幅に増やすことができ、且つ、支持板620が部分的に折り曲げられて変形するため、支持部材600全体がマザーボードブラケット100に接続されることによる公差を吸収することができ、これにより、支持部材600とマザーボードアッパカバー200の第1支持部210との間の支持効果が高められ、支持の安定性が保証される。さらに、支持板620は折り曲げられた後にL字状となり、第1支持部210との接触面積が増大する。
【0034】
ここで説明すべきことは、携帯電話等の電子機器は、一般的に機器全体として-30℃~80℃の温度で機能及び外観上の問題が発生しないことが要求されているため、形状記憶合金の変態温度は-30℃~80℃の間に制御する必要がある点である。-30℃、-10℃、0℃、20℃、40℃、60℃、80℃等が含まれるが、当然ながら、他の温度が含まれてもよく、ここでは具体的に限定しない。上記の変態温度範囲に基づき、形状記憶合金はニッケルチタン記憶合金を選択することができ、ニッケルチタン記憶合金は低温相温度が-15℃程度であり、高温相が30℃~55℃であり、実際の要件を満たしている。当然ながら、ニッケルチタン記憶合金のみに限らず、実際の要件を満たす他の形状記憶合金を選択してもよい。
【0035】
具体的な一実施形態において、
図7及び
図8を引き続き参照すると、支持板620は低温状態で平坦状態であり、この時、支持板620は平板構造である。支持板620は高温状態で変形して、固定板610から離れる端部にフランジ縁が形成され、この時、第1カメラ400と第2カメラ500との配置方向において、フランジ縁の寸法と平板構造の寸法との比は2以上であり、上記したフランジ縁の寸法はフランジ縁の延在幅寸法であり、平板構造の寸法は平板構造の厚さ寸法である。具体的には、低温状態で、支持板620は平坦形態であり、この時、支持板620を1つの材料厚さと見なすことができ、第1カメラ400と第2カメラ500との間の隙間Mは1つの材料厚さよりもわずかに大きく、これにより、画面ノッチの長さをできるだけ小さくすることを保証するとともに、マザーボードブラケット100とマザーボードアッパカバー200との間に支持構造を配置するという要件をも満たしている。高温状態で、支持板620の固定板610から離れる端部は折り曲げられてフランジ縁を形成し、この時、フランジ縁の寸法は2つの材料厚さ以上であり、例えば、2つの材料厚さ、3つの材料厚さ等であり、これにより、第1支持部210との接触面積を増大させ、支持効果を高める。
【0036】
支持板620が高温状態で折り曲げられて変形した後、第1支持部210との間に大きな隙間が形成されないようにするために、本出願の実施例において、
図3に示すように、低温状態での支持板620の固定板610から離れる端部と第1支持部210との間にはわずかな重なり領域がある。具体的には、低温状態で、支持板620は平坦形態であり、この時、支持部材600が接続されているマザーボードブラケット100をマザーボードアッパカバー200に組み立てると、支持板620の固定板610から離れる端部は第1支持部210に当接し、支持部材600がわずかに高く押し上げられ、つまり、支持板620は一定の余裕代を有する。高温状態で、支持板620が折り曲げられて変形すると、自体の全長が短くなるが、平坦形態の支持板620が第1支持部210に対して一定の余裕代を有するため、支持板620が折り曲げられて変形しても、折り曲げられてから形成されたフランジ縁により第1支持部210に当接することができ、これにより、大きな隙間が生じて支持の役割を果たさないことはない。
【0037】
具体的な一実施形態において、マザーボードブラケット100はステンレス鋼材質を採用し、具体的には、マザーボードブラケット100はSUS304 3/4H材質を採用し、このようなステンレス鋼材質は良好な耐食性を有するとともに、第1カメラ400及び第2カメラ500に対する支持及び保護を実現するための十分な硬度及び強度を有する。さらに、マザーボードブラケット100はステンレス鋼でインモールド射出成形され、つまり、ステンレス鋼のプレス成形及びプラスチック型による射出成形によって形成される。当然ながら、固定板610とマザーボードブラケット100とが溶接によって固定されることを考慮すると、マザーボードブラケット100上の固定板610を固定接続するための領域はステンレス鋼材質を採用し、これにより、固定板610とマザーボードブラケット100との間のスポット溶接による固定接続を保証することができる。
【0038】
具体的な一実施形態において、
図5及び
図6に示すように、支持部材600の固定板610はマザーボードブラケット100のマザーボードアッパカバー200から離れる側面に固定接続され、支持板620が隙間M内に入り込むことができるように、マザーボードブラケット100に貫通穴120を開け、支持板620は貫通穴120を貫通して隙間M内まで延びることができ、これにより、支持板620の固定板610から離れる端部は第1支持部210に当接できる。
【0039】
当然ながら、他の実施例において、支持部材600は、マザーボードブラケット100のマザーボードアッパカバー200に向かう側面に固定接続されてもよく、この時、支持部材600はマザーボードブラケット100に対して、隙間Mとマザーボードブラケット100の同じ側に位置するため、マザーボードブラケット100に貫通穴120を開けなくても、実際の組み立て要件を満たすことができる。
【0040】
具体的な一実施形態において、マザーボードアッパカバー200は、マザーボードアッパカバー200の左右両側にそれぞれ設けられた第3支持部220及び第4支持部230をさらに有し、第3支持部220と第1支持部210とはそれぞれ第1カメラ400の両側に位置し、第3支持部220と第1支持部210によって第1カメラ400の両側の位置を規制し、そしてマザーボードブラケット100及びマザーボードアッパカバー200をも組み合わせて、共同で第1カメラ400の支持及び取り付けを実現する。第4支持部230と第1支持部210とはそれぞれ第2カメラ500の両側に位置し、第4支持部230と第1支持部210とによって第2カメラ500の両側の位置を規制し、そしてマザーボードブラケット100及びマザーボードアッパカバー200をも組み合わせて、共同で第2カメラ500の支持及び取り付けを実現する。また、マザーボードブラケット100の一側はマザーボード300上に支持され、マザーボード300は第3支持部220上に支持され、マザーボードブラケット100の他側は第4支持部230上に支持され、中部は支持部材600により第1支持部210に支持され、このように、マザーボードアッパカバー200、マザーボード300及び支持部材600によってマザーボードブラケット100に対する支持作用を実現し、これにより、マザーボードブラケット100が力を受けると、フロントカメラモジュールが押圧されて破損することが効果的に防止され、フロントカメラモジュールの正常な使用が保証される。
【0041】
具体的な一実施形態において、マザーボードブラケット100のマザーボードアッパカバー200から離れる側に電池カバー700が設けられる。電池カバー700はシート状部材であり、強度が比較的に低く、材質が柔らかくて変形しやすく、マザーボードアンダーカバーに接着されている。電池カバー700が外力を受けると、強度が低いため変形が大きく、付勢力は直接マザーボードブラケット100に伝達され、マザーボードブラケット100を介して支持部材600に伝達され、支持部材600を介してマザーボードアッパカバー200に伝達される。付勢力は第1カメラ400又は第2カメラ500に伝達されることがなく、これにより、第1カメラ400及び第2カメラ500が破損しないことが保証される。
【0042】
本出願の実施例は、上記した電子機器内の支持部材600の取り付け方法を開示し、該取り付け方法は、
支持部材600をマザーボードブラケット100に固定するステップと、
支持部材600の支持領域が平坦形態となるように、支持部材600を第1所定温度に降温するステップと、
マザーボードブラケット100をマザーボードアッパカバー200に組み立てることで支持部材600の支持領域が隙間M内に入り込むステップと、
支持部材600を第2所定温度に昇温することで支持部材600の支持領域が変形して第2支持部630を形成し、第2支持部630を第1支持部210に当接させるステップと、を含む。
【0043】
具体的には、固定板610上の位置決め穴611をマザーボードブラケット100上の位置決め突起110に外嵌した後、スポット溶接を行い、支持部材600をマザーボードブラケット100に固定する。
【0044】
支持部材600を冷却するには、支持部材600を液体窒素に入れるか、又は低温源との接触により低温を伝達させて第1所定温度に降温させることで、支持部材600を低温相にすることができ、この時、支持部材600の支持領域は後続の組み立てに備えて第1形態、即ち、平坦形態である。ここでの第1所定温度は、具体的に選択された形状記憶合金の種類に応じて決定することができ、例えば、ニッケルチタン合金を選択した場合、組み立て前の支持部材600の支持領域が平坦形態であるように、該第1所定温度は-15℃前後とする。
【0045】
支持部材600の支持領域が平坦形態にある状態で、支持部材600が接続されているマザーボードブラケット100をマザーボードアッパカバー200に組み立て、組み立てプロセスでは、支持部材600の支持領域が平坦形態であるため、支持領域は第1カメラ400と第2カメラ500との間に形成された狭い隙間M内にスムーズに入り込むことができ、支持部材600が第1カメラ400又は第2カメラ500の側壁に衝突することが効果的に避けられ、良好な組み立て効果が達成される。
【0046】
支持部材600の支持領域が第1カメラ400と第2カメラ500との間の隙間M内に入り込むと、支持部材600を加熱し、支持部材600を熱源との接触により高温を伝達させて第2所定温度に昇温させることで、支持部材600を高温相にすることができ、この時、支持部材600の支持領域は第2形態となり、つまり、折り曲げられて変形して第2支持部630を形成し、折り曲げ形態にある支持部材600の支持領域は第1支持部210に当接し、これにより、支持部材600と第1支持部210との接触面積が増大し、良好な支持効果が達成される。ここでの第2所定温度は具体的に選択された形状記憶合金の種類に応じて決定することができ、例えば、ニッケルチタン合金を選択した場合、組み立て後の支持部材600とアッパカバーを支持する第1支持部210との接触面積を増大させ、支持の安定性を高めるように、該第2所定温度は30℃から55℃とする。
【0047】
以上より、本出願の実施例において、支持部材600の少なくとも一部は形状記憶合金材質を採用し、形状記憶合金は異なる温度で形状が変化し、異なる効果を実現することができる。低温状態で、マザーボードブラケット100に接続された支持部材600の支持領域は低温相形状にあり、その厚さが比較的に小さく、よって、第1カメラ400と第2カメラ500との間の間隔が狭い場合でも良好な組み立て効果を実現することができる。室温又は高温状態で、マザーボードブラケット100に接続された支持部材600の支持領域は高温相形状にあるため、その厚さが比較的に大きく、よって、アッパカバーを支持する第1支持部210との接触面積が増大するとともに、支持部材600の固定及び組み立てによる累積公差も吸収され、これにより、第1カメラ400と第2カメラ500との間の間隔が狭い場合でも良好な支持効果が得られる。
【0048】
本出願の実施例における電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ等を含むが、具体的なタイプは限定されない。
【0049】
本出願の上記実施例において各実施例の相違点を重点として説明しており、各実施例間の異なる最適化特徴は矛盾しない限り、任意に組み合わせてより好ましい実施例にすることができ、簡潔にするために、ここでは説明を省略する。
【0050】
以上、図面を参照しながら本出願の実施例を説明したが、本出願は上記の具体的な実施形態に限定されず、上記の具体的な実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、本出願の示唆をもとに、当業者が本出願の趣旨及び特許請求の保護範囲から逸脱することなくなし得る多くの形態は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0051】
100 マザーボードブラケット
110 位置決め突起
120 貫通穴
200 マザーボードアッパカバー
210 第1支持部
220 第3支持部
230 第4支持部
300 マザーボード
400 第1カメラ
500 第2カメラ
600 支持部材
610 固定板
611 位置決め穴
620 支持板
630 第2支持部
700 電池カバー
M 隙間
【国際調査報告】