IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中興通訊股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特表2023-550726偏光板構造、端末装置および端末装置の入射光量制御方法
<>
  • 特表-偏光板構造、端末装置および端末装置の入射光量制御方法 図1
  • 特表-偏光板構造、端末装置および端末装置の入射光量制御方法 図2A
  • 特表-偏光板構造、端末装置および端末装置の入射光量制御方法 図2B
  • 特表-偏光板構造、端末装置および端末装置の入射光量制御方法 図3A
  • 特表-偏光板構造、端末装置および端末装置の入射光量制御方法 図3B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】偏光板構造、端末装置および端末装置の入射光量制御方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/01 20060101AFI20231128BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231128BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20231128BHJP
   H10K 59/90 20230101ALI20231128BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20231128BHJP
   H10K 59/50 20230101ALI20231128BHJP
   H10K 59/128 20230101ALI20231128BHJP
   H10K 59/176 20230101ALI20231128BHJP
【FI】
G02F1/01 D
G09F9/30 349E
H10K50/86
H10K59/90
H10K59/80
H10K59/50
H10K59/128
H10K59/176
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528530
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2021129215
(87)【国際公開番号】W WO2022116776
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】202011409767.1
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン シャオリャン
【テーマコード(参考)】
2K102
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2K102BA01
2K102BA05
2K102BB01
2K102BB05
2K102BC04
2K102BD08
2K102DB08
2K102DD10
2K102EA02
2K102EA14
2K102EA16
2K102EA21
2K102EB11
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC32
3K107CC41
3K107EE26
5C094AA06
5C094AA07
5C094BA27
5C094EA05
5C094ED14
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094HA10
5C094JA03
5C094JA11
(57)【要約】
本開示は、第1偏光板、第1電極および第2電極を含み、第1電極および第2電極は、第1偏光板の対向する2つの表面にそれぞれ貼り付けられ、第1電極および第2電極は、印加された電圧に応じて第1偏光板の偏光機能をオンまたはオフするように用いられる、偏光板構造を提供する。本開示は、端末装置および端末装置の入射光量制御方法をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1偏光板、第1電極および第2電極を含み、
前記第1電極および前記第2電極は、前記第1偏光板の対向する2つの表面にそれぞれ貼り付けられ、且つ、
前記第1電極および前記第2電極は、印加された電圧に応じて前記第1偏光板の偏光機能をオンまたはオフするように用いられる、
偏光板構造。
【請求項2】
前記第1電極および前記第2電極に電圧が印加されていない場合、前記第1偏光板の偏光機能をオンにし、
前記第1電極および前記第2電極が同じ大きさの極性が反対の第1電圧を印加する場合、前記第1偏光板の偏光機能をオフにし、前記第1電圧は予め設定された閾値より大きい、
請求項1に記載の偏光板構造。
【請求項3】
前記第1偏光板がカーボンナノチューブ偏光板である、
請求項1に記載の偏光板構造。
【請求項4】
前記第1電極および前記第2電極は透明電極である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の偏光板構造。
【請求項5】
画像を表示する表示ユニットと、
端末装置の外部画像を収集する画像収集ユニットと、
請求項1~4のいずれか一項に記載の偏光板構造とを備え、
前記偏光板構造は、前記表示ユニットにおける正投影と前記画像収集ユニットの前記表示ユニットにおける正投影とが少なくとも部分的に重なる、
端末装置。
【請求項6】
処理ユニットをさらに備え、第1の制御命令を受信すると、前記処理ユニットは、前記画像収集ユニットをオンに制御し、前記第1偏光板の偏光機能をオフに制御するために、前記第1電極と前記第2電極に予め設定された閾値より大きい第1の電圧を印加する、
請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
第2の制御命令を受信すると、前記処理ユニットは、表示される画像を表示するように表示ユニットを制御し、第1偏光板の偏光機能をオンに制御するために、第1電極および第2電極への電圧の印加を停止する、
請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記表示ユニットは、第1の表示領域と、第2の表示領域とを含み、
前記偏光板構造の前記表示ユニットにおける正投影と前記画像収集ユニットの前記表示ユニットにおける正投影とが重なり、前記偏光板構造と前記画像収集ユニットとが前記第1の表示領域に位置する、
請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記第2の表示領域に位置する第2偏光板をさらに備え、
前記第1電極および前記第2電極に電圧が印加されていない場合、前記第1偏光板の偏光度は前記第2偏光板の偏光度と同じである、
請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか一項に記載の端末装置に応用され、
第1の制御命令を受信することに応答して、端末装置外部の画像を収集し、予め設定された閾値より大きい第1電圧を第1電極および第2電極に印加し、
第2の制御命令を受信することに応答して、表示される画像を表示し、第1電極および第2電極への電圧印加を停止する、
端末装置の入射光量制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示技術分野に関するものであり、具体的には偏光板構造、端末装置および端末装置の入射光量制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フルスクリーンまたは高スクリーン占有率は携帯電話端末の重要な発展方向であり、スクリーン下のフロントカメラはスクリーン占有率を最大化する技術案である。
【0003】
現在、AMOLED(Active-matrix Organic Light-emitting Diode、アクティブマトリクス有機発光ダイオード)ディスプレイに表示される画素の陰極には通常、銀線などの抵抗率の小さい金属が使用されており、これらの金属は高い反射率を持っているため、外部環境光がディスプレイに照射されると反射する。反射光が強いと、ディスプレイからの光が遮られ、ディスプレイの表示コントラストが悪くなる。この問題を解決するために、ディスプレイの表面に偏光板と4分の1波板を貼り付けて、反射した環境光を吸収し、ディスプレイのコントラストを高めることができる。しかしながら、スクリーン下のフロントカメラは十分な採光量を必要とし、それにはカメラ領域の光透過率を高める必要があるが、自然光が偏光板を透過すると、通常は偏光方向と吸収軸方向が一致する光が吸収され、透過軸方向と一致する光線だけが偏光板を透過することができ、これにより50%の光が吸収され、光透過率が低くなる。
【0004】
表示画面のコントラストとスクリーン下のフロントカメラ領域の光透過率を両立させるために、現在、スクリーン下のフロントカメラの技術案は偏光板に破壊をもたらし、カメラ領域の環境光に対する反射が強化され、表示コントラストが悪くなり、周囲の環境光輝度が比較的大きい場合、ディスプレイ中のカメラ領域と非カメラ領域のコントラストの差がより明らかになり、表示効果に深刻な影響を与える。
【発明の概要】
【0005】
本開示は偏光板構造、端末装置および端末装置の入光量制御方法を提供する。
【0006】
本開示の実施形態は、第1偏光板、第1電極および第2電極を含み、前記第1電極および前記第2電極は、前記第1偏光板の対向する2つの表面にそれぞれ貼り付けられ、前記第1電極および前記第2電極は、印加された電圧に応じて前記第1偏光板の偏光機能をオンまたはオフするように用いられる、偏光板構造を提供する。
【0007】
本開示の実施形態は、画像を表示する表示ユニットと、端末装置の外部画像を収集する画像収集ユニットと、本開示の偏光板構造とを備え、前記偏光板構造は、前記表示ユニットにおける正投影と前記画像収集ユニットの前記表示ユニットにおける正投影とが少なくとも部分的に重なる、端末装置をさらに提供する。
【0008】
本開示の実施形態は、本開示の端末装置に応用され、第1の制御命令を受信することに応答して、前記端末装置外部の画像を収集し、および前記第1電極および前記第2電極へ電圧を印加する、端末装置の入射光量制御方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態に係る偏光板構造のフロー模式図である。
図2A】本開示の実施の形態に係る端末装置のモジュール概略図である。
図2B】本開示の実施の形態に係る端末装置の表示領域の概略図である。
図3A】本開示の実施の形態に係るカメラ動作状態における端末装置の光路概略図である。
図3B】本開示の実施の形態に係るカメラ非動作状態における端末装置の光路概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して例示的な実施形態をより十分に説明するが、例示的な実施形態は、本明細書で説明する実施形態に限定されると解釈すべきではなく、異なる形式で具現化することができる。むしろ、これらの実施形態を提供する目的は、本開示を完全にし、当業者に本開示の範囲を十分に理解させることである。
【0011】
本明細書で使用されるように、用語「および/または」は、関連する列挙された1つまたは複数のエントリの任意およびすべての組み合わせを含む。
【0012】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述するためにのみ使用され、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「1つ」および「当該」は、文脈が特に明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。また、本明細書で「含む」および/または「~からなる」という用語を使用する場合、そのような特徴、全体、ステップ、操作、要素および/または構成部品の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、構成部品、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことも理解されるであろう。
【0013】
本明細書で説明する実施形態は、本開示の理想的な概略図を用いて平面図および/または断面図を参照して説明することができる。したがって、製造技術および/またはマージンに基づいて例示的な図面を修正することができる。したがって、実施形態は図面に示す実施形態に限定されるものではなく、製造プロセスに基づいて形成された構成の変更を含む。したがって、図面に例示された領域は概略的な属性を有し、図面に示された領域の形状は要素の領域の具体的な形状を例示しているが、限定的なものではない。
【0014】
特に限定されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)の意味は、当業者が通常理解しているものと同じである。また、一般的な辞書に定義されているような用語は、本明細書で明確に限定されない限り、関連する技術および本開示の背景における意味と一致する意味を有すると解釈され、理想的または過度な形式上の意味を有すると解釈されないことも理解されるであろう。
【0015】
本開示の実施形態は、図1に示すように、第1電極11と、第2電極12と、第1偏光板13とを含む偏光板構造を提供する。第1電極11および第2電極12は、それぞれ第1偏光板13の対向する2つの表面に貼り付けられている。第1電極11および第2電極12は、印加された電圧に応じて第1偏光板13の偏光機能をオンまたはオフするために用いられる。
【0016】
本開示の実施形態が提供する偏光板構造によれば、偏光板の偏光機能をオンまたはオフにすることができ、端末装置のスクリーン下のフロントカメラ領域に適用することができ、これにより偏光板を破壊することなくカメラ動作状態で光入射量を増加させることができ、かつカメラヘッド非動作状態でディスプレイ画面中のカメラ領域と非カメラ領域のコントラストの一致性を保証し、表示効果を向上させることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1電極11および第2電極12に電圧が印加されていない場合、第1偏光板13の偏光機能をオンにすることができ、第1電極11と第2電極12に同じ大きさの逆極性の第1電圧を印加すると、第1偏光板13の偏光機能をオフにすることができ、第1電圧は予め設定された閾値より大きい。
【0018】
つまり、第1電極11および第2電極12は、第1偏光板13の「スイッチ」とすることができ、第1偏光板13の偏光機能を使用する必要がある場合、例えば画像を表示する必要がある場合、第1電極11および第2電極12に電圧を印加することなく、第1偏光板13の偏光機能をオンにすることができる。第1偏光板13の偏光機能を使用する必要がない場合、例えば透過量を増加させる必要がある場合、第1偏光板13の偏光機能をオフにし、偏光板構造を介して光を直接透過させるために、第1電極11および第2電極12に予め設定された閾値より大きい電圧を印加することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1偏光板13はカーボンナノチューブ偏光板であってもよい。第1電極11と第2電極12との間の電圧変化は、カーボンナノチューブ材料中の炭素元素の分布を変化させ、それによって第1偏光板13の偏光度を変化させることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1電極11および第2電極12は透明電極であってもよく、これにより、第1偏光板13の偏光機能をオフにする際に、偏光板構造に光が透過することが保証され、スクリーン下のカメラの入射光量の損失を低減することができる。いくつかの実施形態では、第1電極11および第2電極12は、ITO(Indium Tin Oxide、酸化インジウムスズ)材料の電極を選択することができる。
【0021】
本開示の実施形態によれば、カーボンナノチューブ偏光板の2つの表面に透明導電層(例えばITO)を貼り付け、透明導電層に電圧を印加することにより、カーボンナノチューブ偏光板は一時的に失効し、偏光機能を持たなくなり、そのため、カーボンナノチューブ偏光板はその偏光方向が吸収軸と平行な光を吸収しなくなり、従って、スクリーン下のフロントカメラに入る光はカーボンナノチューブ偏光板の影響を受けなくなり、これにより、光線の入射量が増加する。
【0022】
同様の技術的発想に基づいて、本開示の実施形態は、図2Aおよび図2Bを参照すると、偏光板構造1と、画像を表示するための表示ユニット2と、端末装置の外部画像を収集するための画像収集ユニット3とを含む端末装置をさらに提供する。偏光板構造1は、本開示の実施形態に係る偏光板構造であり、表示ユニット2における偏光板構造1の正投影と画像収集ユニット3の正投影とが少なくとも部分的に重なる。
【0023】
表示ユニット2はディスプレイであってもよく、画像収集ユニット3はスクリーン下のフロントカメラであってもよい。スクリーン下のフロントカメラとは、フロントカメラがディスプレイの下に完全に内蔵されており、ディスプレイはカメラを露出するために穴を掘るのではなく、本格的なフルスクリーンである。偏光板構造1と画像収集ユニット3とは、表示ユニット2の少なくとも一部と同じ領域に位置し、即ち、偏光板構造1は、画像収集ユニット3を少なくとも部分的に覆っている。なお、偏光板構造1は、表示ユニット2の画像収集ユニット3から離れた側、即ち、表示ユニット2に対して偏光板構造1が端末装置の使用者により近くなるように設けてもよい。
【0024】
本開示の実施形態では、端末装置が携帯電話機である場合を例として説明するが、表示機能と画像収集機能を有する全画面端末装置がいずれも本開示の請求範囲内にあることは当業者には自明である。
【0025】
本開示の実施形態による端末装置によれば、偏光板構造は、端末装置のスクリーン下のフロントカメラが設置された領域に位置し、その偏光機能をオンまたはオフにすることができ、これにより、偏光板を破壊することなくカメラ動作状態における光入射量を増加させ、カメラ非動作状態においてディスプレイにおけるカメラ領域と非カメラ領域のコントラストの一致を保証し、端末装置の表示効果を高めことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、偏光板構造1の表示ユニット2への正投影は、画像収集ユニット3の表示ユニット2への正投影を完全に覆い、即ち、偏光板構造1は画像収集ユニット3を完全に覆い、これは、画像収集ユニット3の入光量を増加させ、表示ユニット2の表示効果を向上させるのに最適である。
【0027】
本開示の実施例では、表示ユニット2がAMOLEDディスプレイであることを例に説明する。図3Aに示すように、表示ユニット2は、陰極21、有機発光層22、陽極23および基板24を含む。有機発光層22は陰極21と陽極23との間に位置し、陽極23は基板24上に形成されている。陰極21および陽極23はいずれも透明導電性材料であり、例えばITO材料であってもよい。基板24は透明材料であり、例えばガラス、プラスチックなどであってもよい。陰極21は有機発光層22に電子を供給し、陽極23は有機発光材料層22に正孔を提供し、有機発光層22は有機発光材料分子から構成され、外部電圧の駆動下で陰極21に注入された電子と陽極23に注入された正孔は有機発光層22で励起子を複合形成し、励起子放射退励起(de-excitation of exciton radiation)が光子を放出して可視光を発生する。有機発光層22は表示ユニット2の発光層であり、陰極21および陽極23に一定電圧を印加した後、有機発光層22からの光が陰極21を透過して画像表示を実現する。表示ユニット2の金属配線および端末装置の内部装置を遮蔽するために、表示ユニット2は遮光発泡体25をさらに含むことができる。遮光発泡体25は、ガラス基板24の陽極23から離れた側に配置することができ、遮光発泡体25には穴が設けられ、画像収集ユニット3はその穴のある領域に位置する。
【0028】
なお、表示ユニット2は、PMOLED(Passive Matrix OLED、受動行列有機励起光ダイオード)ディスプレイであってもよいことは当業者にとって自明である。
【0029】
いくつかの実施形態では、端末装置は、図2Aおよび図1に関連して、処理ユニット4を含むこともできる。第1の制御命令を受信すると、処理ユニット4は、画像収集ユニット3のオンを制御し、第1偏光板13の偏光機能をオフにするために、第1電極11および第2電極12に予め設定された閾値より大きい第1の電圧を印加するように制御することができる。処理ユニット4は、CPU(Central Processing Unit)などの端末装置のコアプロセッサであってもよく、第1の制御命令は、撮影、撮像などの画像収集ユニット3の動作が必要とする制御命令であってもよい。
【0030】
なお、第1電極11および第2電極12は、リード線を介して端末装置のマザーボードに接続され、マザーボードから第1電圧を供給することができる。
【0031】
次に、図3Aに基づいて、画像収集ユニット3の動作状態における光路について詳細に説明する。
【0032】
図3Aに示すように、処理ユニット4は、表示ユニット2における画像収集ユニット3が位置する領域(即ち、遮光発泡体25の開口領域)が表示されないように画像収集ユニット3のオンを制御することができ、また、処理ユニット4は、第1電極11と第2電極12に予め設定する閾値より大きい電圧を印加することにより、第1偏光板13の偏光機能をオフにする(即ち、偏光板構造1を一時的に失効させることができる)ように制御することができ、偏光板構造1は、環境光を直接透過することができる。環境光線は陰極21に反射されずに画像収集ユニット3に入ることができ、それによって画像収集ユニット3の入光量を増加させ、画像収集ユニット3の撮影効果を保証する。
【0033】
いくつかの実施形態では、処理ユニット4は、第2の制御命令を受信すると、表示ユニット2を制御して表示される画像を表示し、第1電極11および第2電極12への電圧の印加を停止することができる。第2の制御命令は、表示ユニット2の表示機能を使用して画像を表示するなどの制御命令であってもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、図2Bに示すように、表示ユニット2は、第1の表示領域201と、第2の表示領域202とを含むことができ、偏光板構造1の表示ユニット2における正投影と画像収集ユニット3の表示ユニット2における正投影とが重なり、偏光板構造1と画像収集ユニット3とが第1の表示領域201に位置する。第1の表示領域201は、図2Bにおける円形領域、即ち、スクリーン下のフロントカメラが位置する領域であり、同時に偏光板構造1が位置する領域であり、この領域はスクリーン下のフロントカメラの透光領域である。図2A図3A、および図3Bに関連して、端末装置は、第2の表示領域202に位置する第2偏光板5をさらに含むことができる。第1電極11および第2電極12に電圧が印加されていない場合、第1偏光板13の偏光度は第2偏光板5の偏光度と同じである。
【0035】
いくつかの実施形態では、図3Bに示すように、端末装置は、偏光板構造1と表示ユニット2との間に位置し、表示ユニット2全体を覆う(即ち、第1の表示領域201と第2の表示領域202を覆う)4分の1波長板6をさらに含むことができる。4分の1波長板6は、偏光構造1から出射された直線偏光を円偏光に変換することができる。
【0036】
本開示の実施形態では、表示ユニット2の外側には2種類の偏光板が設けられ、1つは、第2領域202に位置する通常の偏光板(即ち、第2偏光板5)であり、第2偏光板5は常に偏光機能を有し、もう1つは、第1領域201に位置する偏光機能をオン/オフ可能な偏光板(即ち、偏光板構造1)である。端末装置が表示機能を使用する場合、偏光板構造1の偏光機能をオンにし、表示ユニット2の全領域における偏光度が一致し、ディスプレイ全体の表示コントラストの一致を保証する。
【0037】
次に、画像収集ユニット3の非動作状態における光路について、図1図2を用いて詳細に説明する。
【0038】
図3Bに示すように、画像を表示する必要がある場合、処理ユニット4は、第1電極11および第2電極12への電圧の印加を停止する(即ち、第1電極11および第2電極12に印加された第1電圧を除去する)。第1電極11および第2電極12にそれ以上電圧を印加しないことにより、第1偏光板13の偏光機能がオンとなり、偏光板構造1は偏光状態に復帰する。環境光は各方向に偏光し、各方向の偏光は均一であり、環境光は偏光機能がオンされた偏光板構造1を通過した後、偏光方向が吸収軸に垂直な光のみが偏光板構造1を通過し、直線偏光となる。直線偏光は、4分の1波長板6を介して円偏光に変換され、表示ユニット2の陰極21に入射する。陰極21は、入射した環境光(円偏光)を反射することができ、4分の1波長板6は円偏光を直線偏光に変換して偏光板構造1に入る。反射した環境光は90度回転しているため、偏光板構造1に吸収され、環境光への反射を減少させ、表示コントラストを高め、表示効果を高めることができる。
【0039】
同じ技術的発想に基づいて、本開示の実施形態はまた、本開示の実施形態による端末装置に適用される端末装置の入光量制御方法を提供し、前記方法は、第1の制御命令を受信したことに応答して、端末装置外部の画像を収集し、第1電極と第2電極に第1の電圧を印加し、前記第1の電圧は予め設定された閾値より大きい。
【0040】
本ステップでは、処理ユニット4は、第1の制御命令を受信すると、画像収集ユニット3を制御してオンにし、端末装置外部の画像を収集し、第1電極11と第2電極12に第1の電圧を印加して、第1偏光板13の偏光機能をオフにし、それによって画像収集ユニット3の入射量を増加させ、画像収集ユニット3の撮影効果を保証する。
【0041】
いくつかの実施形態では、端末装置の光量制御方法は、第2の制御命令を受信したことに応答して、表示される画像を表示し、第1電極および第2電極への電圧の印加を停止することをさらに含むことができる。
【0042】
本ステップでは、処理ユニット4は、第2の制御命令を受信すると、表示ユニット2を制御して表示される画像を表示し、第1偏光板13の偏光機能をオンにするために第1電極11と第2電極12への電圧印加を停止し、環境光の反射を低減し、表示コントラストを高め、表示効果を高める。
【0043】
処理ユニット4は、第1の制御命令(例えば、スクリーン下のフロントカメラ命令を起動する)を受信した後、画像収集ユニット3(即ち、スクリーン下のフロントカメラ)を起動し、その時、表示ユニット2(即ち、ディスプレイ)のスクリーン下のフロントカメラ領域は表示されず、その領域は局所的に透明であり、この領域を通じて光がスクリーン下のフロントカメラに入ることができる。処理ユニット4は、偏光板構造1の第1電極11および第2電極12(即ち、2つの透明電極)に第1電圧を印加し、第1偏光板13(即ち、カーボンナノチューブ偏光板)は一時的に失効し、偏光機能を持たなくなり、第1偏光板13の吸収軸に平行な方向の光線が偏光板構造1を透過する際に吸収されない。スクリーン下のフロントカメラによる画像の収集が完了したら、収集された画像を処理ユニット4に送信し、処理ユニット4はその画像をディスプレイに送信して表示することができ、このとき、処理ユニット4は第1電極11と第2電極12への電圧の印加を停止し、第1偏光板13の偏光機能が回復し、吸収軸と平行な方向の光を吸収し、ディスプレイ全体のコントラストを一致させることができる。
【0044】
表示効果の劣化を防止するために、本開示の実施例は、端末装置の正常表示時に偏光板構造1の偏光度を変更することなく、偏光板構造1は周囲の反射光を吸収し、ディスプレイの正常なコントラストを保証することができ、フロントスクリーン下のフロントカメラを使用する場合、第1偏光板13の上下両側に電圧を印加することにより、第1偏光板13の偏光度を変化させて透光率を増加させ、より多くの光をフロントスクリーン下のフロントカメラに入れ、その採光量を増加させ、写真撮影効果を強化する。
【0045】
カーボンナノチューブ偏光板の両側のITO層に電圧を印加することにより、カーボンナノチューブ偏光板の偏光状態を変化させて、カーボンナノチューブ偏光板に撮影状態と非撮影状態で異なる偏光度を持たせることができる。撮影時には、偏光板の偏光機能が失効し、より多くの光がスクリーン下のフロントカメラに入ることができ、非撮影時に偏光板が偏光機能を回復することで、反射光を吸収し、表示コントラストを改善することができる。ディスプレイ表示時の表示コントラストを非常に良好に保つことができる一方で、スクリーン下のフロントカメラの入射量を大幅に増加させ、スクリーン下のフロントカメラの撮影効果を改善することもできる。
【0046】
当業者は、上記に開示された方法のすべてまたはいくつかのステップ、装置内の機能モジュール/ユニットをソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、およびそれらの適切な組み合わせとして実装することができることを理解するであろう。ハードウェアの実施形態では、上述した機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理コンポーネントの区分に対応していない、例えば、1つの物理コンポーネントが複数の機能を有していてもよいし、1つの機能またはステップが複数の物理コンポーネントによって協働して実行されてもよい。ある物理コンポーネントまたはすべての物理コンポーネントは、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、またはマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェア、またはハードウェアとして実装されるか、専用集積回路などの集積回路として実装されることができる。そのようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(または非一時的媒体)と通信媒体(または一時的媒体)とを含むことができるコンピュータ可読媒体上に分散することができる。当業者に周知のように、コンピュータ記憶媒体という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術において実施される揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多機能ディスク(DVD)または他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用され、コンピュータによってアクセスされ得る他の任意の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は、一般にコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波または他の送信メカニズムなどの変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含むことができることが当業者には周知である。
【0047】
本明細書では、例示的な実施形態が開示されており、具体的な用語が用いられているが、それらは一般的な例示的な意味としてのみ使用され解釈されるべきであり、限定的な目的のために使用されない。いくつかの例では、特定の実施形態に関連して説明された特徴、特性、および/または要素を単独で使用してもよく、または他の実施形態に関連して説明された特徴、特性、および/または要素を組み合わせて使用してもよいことは、当業者には明らかである。したがって、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって明らかにされた本発明の範囲を逸脱することなく、様々な形態および詳細な変更が可能であることを理解するであろう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【国際調査報告】