(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-05
(54)【発明の名称】自動化されたグリッドベースの保管および回収システムにおける温度制御のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F25D 13/04 20060101AFI20231128BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20231128BHJP
F25D 11/02 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
F25D13/04
B65G1/04 555Z
F25D11/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023530993
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2021082371
(87)【国際公開番号】W WO2022112137
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハッデラン, オーレ アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ファーゲルラン, イングヴァル
【テーマコード(参考)】
3F022
3L045
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045EA01
3L045LA03
3L045MA02
3L045NA03
3L045NA07
3L045PA04
(57)【要約】
本発明は、自動化されたグリッドベースの保管および回収システムにおける複数の保管体積温度を制御するシステムおよび方法に関する。複数の保管体積が、水平レールの下方に互いに隣接して配置されており、複数の垂直壁が、複数の保管体積の各々を包囲し、冷却器システムが、冷却器システムの入力から空気を引き込み、空気を冷やし、冷却器システムの出力を通して冷やされた空気を吹き出し、複数の保管体積の各々に関して、第1の空気ダンパが、冷却器システムの出力と保管体積の上方の空気解放エリアとの間に接続されており、第2の空気ダンパが、保管体積の下の空隙と冷却器システムの入力との間に接続されている。コントローラが、空気解放エリア内の過剰圧力および空気温度を制御するために、第1の空気ダンパを通した空気流を調節し、空隙内の過少圧力を制御するために、第2の空気ダンパを通した空気流を調節する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)であって、前記システムは、
-骨格構造(100)であって、前記骨格構造は、直立部材(102)と前記直立部材(102)の上側端部に提供された水平レール(110)のグリッドとを備え、前記骨格構造は、前記水平レール(110)の下方に互いに隣接して配置された複数の保管体積(406a、406b、406c)を画定する、骨格構造(100)と、
-前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々を包囲している複数の垂直壁(402)と、
-冷却器システム(403)であって、前記冷却器システムは、前記冷却器システムの入力(404)から空気を引き込み、前記入力(404)から引き込まれた前記空気を冷やし、前記冷却器システム(403)の出力(405)を通して冷やされた空気を吹き出すように適合され、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、前記システムは、前記冷却器システム(403)の前記出力(405)と前記保管体積(406a、406b、406c)の上方の空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)との間に接続された第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)と、前記保管体積(406a、406b、406c)の下の空隙(411a、411b、411c)と前記冷却器システム(403)の前記入力(404)との間に接続された第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)とをさらに備えている、冷却器システム(403)と、
-コントローラ(414)と
を備え、
前記コントローラは、
前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、独立して、
その保管体積に関連付けられた前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した空気流を調節することによって前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の過剰圧力および空気温度を制御することと、
その保管体積に関連付けられた前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した空気流を調節することによって前記空隙(411a、411b、411c)内の過少圧力を制御することと
を行うように適合され、
それによって、保管体積温度は、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、別個に制御され、前記保管体積温度は、前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記空気温度によって調整され、前記保管体積(406a、406b、406c)の各々における前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力と前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力との間の圧力差を制御することによって調整される、
自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)。
【請求項2】
前記空気解放エリア(409a、409b、409c)は、ある距離を空けて前記水平レール(110)の上方に配置されており、前記距離は、前記水平レール(110)上のコンテナ取り扱い車両(401)が前記空気解放エリア(409a、409b、409c)のすぐ下で移動することを可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記空気解放エリア(609c)は、前記直立部材(102)の前記上側端部に隣接した前記水平レール(110)の下方に配置されている、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記垂直壁(402)は、断熱材料を備えている、請求項1-3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記冷却器システム(403)は、熱交換器を備え、前記熱交換器は、前記入力(404)から引き込まれた前記空気を冷やすように適合されており、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)のうちの少なくとも1つに熱を伝達するようにさらに適合されている、請求項1-4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記空隙(411a、411b、411c)と前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)との間に位置付けられたファン(413a、413b、413c)をさらに備えている、請求項1-5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記冷却器システム(403)は、ファンコイルユニットである、請求項1-6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記保管体積(406a、406b、406c)の各々は、温度センサを備え、前記コントローラ(414)は、前記温度センサによって計測された温度に基づいて、前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した前記空気流を調節し、前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した前記空気流を調節するように適合されている、請求項1-7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、前記保管体積(406a、406b、406c)と前記保管体積(406a、406b、406c)の下の前記空隙(411a、411b、411c)との間に提供される複数の換気孔を伴う床(412)をさらに備え、前記複数の換気孔の各々の総面積は、前記空隙(411a、411b、411c)から前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)まで空気を伝える空気出口からの前記換気孔の水平距離に伴って増加する、請求項1-8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の換気孔は、前記保管体積(406a、406b、406c)と前記保管体積(406a、406b、406c)の下側端部における前記空隙(411a、411b、411c)との間に配置されている前記床(412)を形成しているパネル(500)内の複数の穿孔(501)によって提供されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
各空気解放エリア(409a、409b、409c)は、各近隣の空気解放エリア(409a、409b、409c)から前記空気解放エリア(409a、409b、409c)を遮蔽するように適合されている、請求項1-10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記冷却器システム(403)の前記出力(405)を前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)の各々と接続する第1の共通導管と、前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)の各々を前記冷却器システム(403)の入力(404)に接続する第2の共通導管とをさらに備えている、請求項1-11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の前記自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)において複数の保管体積温度を制御する方法であって、前記方法は、
-前記冷却システム(403)の前記出力(405)を通して冷やされた空気を第1の温度において吹き出すように前記冷却器システム(403)を調節するステップと、
-前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、独立して、
前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した前記空気流を調節することによってその前記保管体積(406a、406b、406c)の上方の前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力および前記空気温度を制御することと、
前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した前記空気流を調節することによって、その保管体積の下方の前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力を制御することと
を行い、
それによって、前記保管体積温度は、その保管体積の上方の前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記空気温度によって調整され、前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力とその保管体積(406a、406b、406c)に関連付けられた前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力との間の前記圧力差を制御することによって調整される、ステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)からの前記空気流を前記直立部材(102)の前記上側端部に隣接した前記水平レール(110)の下方に配置されている空気解放エリア(609c)に方向づけるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記冷却器システム(403)における熱交換器からの熱を前記複数の保管体積(406a、406b、406c)のうちの少なくとも1つに伝達するステップをさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記空隙(411a、411b、411c)と前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)との間に位置付けられたファン(413a、413b、413c)を調節し、前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力を調節するステップをさらに含む、請求項13-15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、所与の保管体積(406a、406b、406c)に関して、その保管体積(406a、406b、406c)内の温度センサによって計測される温度に基づいて、前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)および前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を調節するステップをさらに含む、請求項13-16のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの保管および回収のための自動保管および回収システムに関し、具体的に、自動保管および回収システムを換気するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、骨格構造100を伴う典型的な従来技術の自動保管および回収システム1を開示しており、
図2および3は、そのようなシステム1上で動作するために好適な2つの異なる従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301を開示している。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102および水平部材103間に行に配置されている保管カラム105を備えている保管体積とを備えている。これらの保管カラム105では、ビンとしても公知である保管コンテナ106が、互いの上にスタックされ、スタック107を形成する。部材102、103は、典型的に、金属、例えば、押し出しアルミニウムプロファイルから作製され得る。
【0004】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横切って配置されているレールシステム108を備え、そのレールシステム108上で、複数のコンテナ取り扱い車両201、301が、保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げ、保管コンテナ106をその中に降下させ、また、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するように動作させられる。レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横切る第1の方向Xにおけるコンテナ取り扱い車両201、301の移動を誘導するように配置されている平行レールの第1の組110と、第1の方向Xに対して直角である第2の方向Yにおけるコンテナ取り扱い車両201、301の移動を誘導するためのレールの第1の組110に対して直角に配置されている平行レールの第2の組111とを備えている。カラム105内に保管されているコンテナ106は、コンテナ取り扱い車両によって、レールシステム108内のアクセス開口部112を通してアクセスされる。コンテナ取り扱い車両201、301は、保管カラム105の上方で横に移動することができ、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行である平面内を移動することができる。
【0005】
骨格構造100の直立部材102は、カラム105から外へのコンテナの持ち上げ中、およびその中へのコンテナの降下中に保管コンテナを誘導するために使用され得る。コンテナ106のスタック107は、典型的に、自立型である。
【0006】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、車体201a、301aと、車輪の第1および第2の組201b、301b、201c、301cとを備え、車輪の第1および第2の組は、それぞれ、X方向およびY方向におけるコンテナ取り扱い車両201、301の横移動を可能にする。
図2および3では、各組内の2つの車輪は、完全に見えている。車輪の第1の組201b、301bは、レールの第1の組110の2つの隣接するレールと係合するように配置されており、車輪の第2の組201c、301cは、レールの第2の組111の2つの隣接するレールと係合するように配置されている。車輪201b、301b、201c、301cの組のうちの少なくとも1つは、車輪の第1の組201b、301bおよび/または車輪の第2の組201c、301cがどの時点においてもレールのそれぞれの組110、111と係合され得るように上昇させられ、降下させられることができる。
【0007】
各々の従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、保管コンテナ106の垂直輸送(例えば、保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げ、保管コンテナ106をその中に降下させる)ための昇降デバイス(図示せず)も備えている。昇降デバイスは、保管コンテナ106に係合するように適合されている1つ以上の把持/係合デバイスを備え、その把持/係合デバイスは、車両201、301に対する把持/係合デバイスの位置が第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zにおいて調節され得るように、車両201、301から降下させられることができる。コンテナ取り扱い車両301の把持デバイスの一部が、
図3に示されており、参照番号304で示されている。コンテナ取り扱いデバイス201の把持デバイスは、
図2の車体201a内に位置している。
【0008】
従前のように、本願の目的のためにも、Z=1は、保管コンテナの最上層、すなわち、レールシステム108の直下にある層を識別し、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層を識別し、Z=3は、第3の層を識別し、他も同様である。
図1に開示されている例示的な従来技術では、Z=8は、保管コンテナの最下底部層を識別している。同様に、X=1・・・nおよびY=1・・・nは、水平面における各保管カラム105の位置を識別している。その結果、実施例として、
図1に示されているデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、
図1において106’として識別されている保管コンテナは、保管位置X=10、Y=2、Z=3を占有すると言い得る。コンテナ取り扱い車両201、301は、層Z=0内を走行すると言い得、各保管カラム105は、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
骨格構造100の保管体積は、多くの場合、グリッド104と称され、このグリッド内の可能な保管位置は、保管セルと称される。各保管カラムはXおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ番号によって識別され得る。
【0010】
各々の従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、レールシステム108を横切って保管コンテナ106を輸送するとき、保管コンテナ106を受け取り、収容するための保管コンパートメントまたは空間を備えている。
図2に示されているように、および、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、保管空間は、車体201a内の中心に配置されている空洞を備え得る。
【0011】
図3は、カンチレバー構造物を伴うコンテナ取り扱い車両301の代替構成を示している。そのような車両は、例えば、第NO317366号(その内容も、参照によって本明細書に援用される)に詳細に説明されている。
【0012】
図2に示されている中心空洞コンテナ取り扱い車両201は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、概して、保管カラム105の横範囲に等しいXおよびY方向における寸法を伴うエリアを覆うフットプリントを有し得る。本明細書で使用される用語「横」は、「水平」を意味し得る。
【0013】
代替として、中心空洞コンテナ取り扱い車両201は、例えば、第WO2014/090684A1号に開示されているように、保管カラム105によって画定される横面積より大きいフットプリントを有し得る。
【0014】
レールシステム108は、典型的に、車両の車輪が走る溝を伴うレールを備えている。代替として、レールは、上向きに突出している要素を備え得、車両の車輪は、脱線を防止するためのフランジを備えている。これらの溝および上向きに突出している要素は、集合的に、トラックとして公知である。各レールは、1つのトラックを備え得るか、または、各レールは、2つの平行トラックを備え得る。
【0015】
第WO2018/146304号(その内容は、参照によって本明細書に援用される)は、X方向およびY方向の両方におけるレールおよび平行トラックを備えているレールシステム108の典型的構成を図示している。
【0016】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105、すなわち、保管コンテナ106がスタック107で保管されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。
図1では、カラム119および120は、保管コンテナ106がアクセスステーション(図示せず)に輸送され得るようにそれらを荷下ろしするためのおよび/または積み込むためのコンテナ取り扱い車両201、301によって使用されるような専用カラムであり、アクセスステーションでは、保管コンテナ106は、保管コンテナ106が骨格構造100の外側からアクセスされ得るか、または、骨格構造100の外またはその中に移送され得る。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置しているカラムは、「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションへの輸送は、水平、斜め、および/または垂直のいずれの方向であり得る。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に設置され、次いで、任意のコンテナ取り扱い車両によって積み込まれ、アクセスステーションへのさらなる輸送のために、ポートカラム119、120に輸送され得る。用語「斜め」は、水平と垂直との間のどこかに一般的な輸送の向きを有する保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取り扱い車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を荷下ろしし得る専用の荷下ろしポートカラムであり得、第2のポートカラム120は、コンテナ取り扱い車両201、301が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されてきた保管コンテナ106を積み込み得る専用の積み込みポートカラムであり得る。
【0018】
アクセスステーションは、典型的に、製品アイテムが保管コンテナ106から除去されるか、またはその中に位置付けられるピッキングまたはストックステーションであり得る。ピッキングまたはストックステーションでは、保管コンテナ106は、通常、自動保管および回収システム1から除去されないが、アクセスされると再び骨格構造100の中に戻される。別の保管設備(例えば、別の骨格構造に、または別の自動保管および回収システムに)、輸送車両(例えば、電車または大型貨物自動車)、または生産設備に保管コンテナを移送するためにも、ポートが、使用されることができる。
【0019】
ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを輸送するために、コンベヤを備えているコンベヤシステムが、通常、採用される。
【0020】
ポートカラム119、120およびアクセスステーションが異なるレベルに位置している場合、コンベヤシステムは、保管コンテナ106をポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で垂直に輸送するための垂直コンポーネントを伴う昇降デバイスを備え得る。
【0021】
コンベヤシステムは、例えば、第WO2014/075937A1号(特許文献1)(その内容は、参照によって本明細書に援用される)に説明されているように、異なる骨格構造間で保管コンテナ106を移送するように配置され得る。
【0022】
図1に開示されているカラム105のうちの1つの中に保管されている保管コンテナ106がアクセスされるべきであるとき、コンテナ取り扱い車両201、301のうちの1つは、標的保管コンテナ106をその位置から回収し、それを荷下ろしポートカラム119に輸送するように命令される。この動作は、標的保管コンテナ106が位置付けられている保管カラム105の上方の場所にコンテナ取り扱い車両201、301を移動させることと、コンテナ取り扱い車両201、301の昇降デバイス(図示せず)を使用して保管コンテナ106を保管カラム105から回収することと、保管コンテナ106を荷下ろしポートカラム119に輸送することとを伴う。標的保管コンテナ106がスタック107内の深くに位置している場合、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が標的保管コンテナ106の上方に位置付けられた状態である場合、動作は、標的保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させることに先立って、上方に位置付けられている保管コンテナを一時的に移動させることも伴う。時として当技術分野において「掘り出し」と称されるこのステップは、続いて、標的保管コンテナを荷下ろしポートカラム119に輸送するために使用される同一のコンテナ取り扱い車両を用いて実施されることも、1つまたは複数の他の協働するコンテナ取り扱い車両を用いて実施されることもある。代替として、または加えて、自動保管および回収システム1は、保管コンテナ106を保管カラム105から一時的に除去するタスクに特に専用のコンテナ取り扱い車両201、301を有し得る。標的保管コンテナ106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナ106は、元の保管カラム105の中に再び位置付けられることができる。しかしながら、除去された保管コンテナ106は、代替として、他の保管カラム105に位置変更され得る。
【0023】
保管コンテナ106がカラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ取り扱い車両201、301のうちの1つは、保管コンテナ106を積み込みポートカラム120から積み込み、それが保管されるべき保管カラム105の上方の場所にそれを輸送するように命令される。スタック107内の標的位置またはその上方に位置付けられている任意の保管コンテナ106が除去された後、コンテナ取り扱い車両201、301は、保管コンテナ106を所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナ106は、次いで、保管カラム105の中に戻るように降下させられ得るか、または、他の保管カラム105に位置変更され得る。
【0024】
自動保管および回収システム1を監視および制御する(例えば、コンテナ取り扱い車両201、301が互いに衝突することなく、所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所に送達され得るように、骨格構造100内のそれぞれの保管コンテナ106の場所、各保管コンテナ106の内容物、およびコンテナ取り扱い車両201、301の移動を監視および制御する)ために、自動保管および回収システム1は、制御システム121を備え、それは、典型的に、コンピュータ化され、典型的に、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを備えている。
【0025】
上記のシステム1のうちのいくつかが、ある環境を要求する、製品アイテムを保管するために使用され得る。例えば、いくつかのタイプの食品は、低温環境(典型的に、1℃~6℃の温度)を要求し、いくつかのタイプの食品は、さらにより冷たい温度環境(典型的に、-15℃を下回る温度)を要求し、他のタイプの食品は、より高い温度環境(典型的に、10℃を上回る温度)を要求する。
【0026】
そのような保管システムが位置している建物では、換気システムが、典型的に、所望の環境を提供するために使用される。しかしながら、空間効率がコンテナを互いに隣接してスタックで保管することによって取得されている場合、より少ない空気が、保管されている製品の温度制御のために保管エリア内で利用可能になる。
【0027】
第WO2015/124610A1号は、保管体積が、断熱によって相互から分離される、いくつかの区画へ細分化され、いくつかの区画内の温度が、コンテナ取り扱い車両が保管体積の上方のレールシステム上で移動する場所の温度より低い、自動保管および回収システムを開示している。区画は、例えば、冷却ユニットを区画のうちの1つに接続することによって、異なる温度に冷やされ得る。
【0028】
第WO2016/7193419号では、コンテナがグリッド内での保管中に冷やされる、保管システムが、開示されている。冷却システムは、空気を冷やすためのグリッドの上方の急冷機と、ファンとを有し、ファンは、システムを通して、管コンテナのスタックの下の空き空間の中に空気を引き込むことによって、冷やされた空気を保管システムを通して循環させ、それによって、空気は、スタックを通して循環され、それらの温度を調整する。ファンは、グリッドの外側で、グリッドの側面において、多数のスタックから空気を引き込む限られた体積の上方に、位置付けられている。空気がグリッドの外側から引き込まれるとき、空気流は、ファンの近傍(すなわち、グリッド)で最高であり、グリッドの中央に向かって減少するであろう。
【0029】
従来技術の解決策に関する問題は、それが、各温度区域のための別個の冷却器要素に依拠していることである。
【0030】
上記に照らして、従来技術の保管および回収システムの使用に関連する前述の問題のうちの1つ以上のものを解決または少なくとも軽減するシステム等の自動保管および回収システムおよび動作の方法を提供することが、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】国際公開第2014/075937号
【特許文献2】国際公開第2015/124610号
【特許文献3】国際公開第2018/146304号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明は、独立請求項において述べられ、特徴付けられる一方、従属請求項は、本発明の他の特性を説明する。
【0033】
本発明は、自動化されたグリッドベースの保管および回収システムであって、システムは、
-直立部材と、直立部材の上側端部に提供される水平レールのグリッドとを備えている骨格構造であって、水平レールの下方に互いに隣接して配置された複数の保管体積を画定する、骨格構造と、
-複数の保管体積の各々を包囲している複数の垂直壁と、
-冷却器システムの入力から空気を引き込み、入力から引き込まれた空気を冷やし、冷却器システムの出力を通して冷やされた空気を吹き出すように適合されている冷却器システムであって、
-複数の保管体積の各々に関して、システムは、冷却器システムの出力と保管体積の上方の空気解放エリアとの間に接続された第1の空気ダンパと、保管体積の下の空隙と冷却器システムの入力との間に接続された第2の空気ダンパとをさらに備えている、冷却器システムと、
-コントローラであって、複数の保管体積の各々に関して独立して、空気解放エリア内の過剰圧力および空気温度を制御するために、その保管体積に関連付けられた第1の空気ダンパを通した空気流を調節し、空隙内の過少圧力を制御するために、その保管体積に関連付けられた第2の空気ダンパを通した空気流を調節するように適合されているコントローラと
を備え、
それによって、保管体積温度が、複数の保管体積の各々に関して別個に制御され、保管体積温度は、空気解放エリア内の空気温度によって、および空気解放エリア内の過剰圧力と保管体積の各々の中の空隙内の過少圧力との間の圧力差を調節することによって調整される、自動化されたグリッドベースの保管および回収システムに関する。
【0034】
ある実施形態において、空気解放エリアは、ある距離を空けて水平レールの上方に配置されており、その距離は、水平レール上のコンテナ取り扱い車両が、空気解放エリアのすぐ下で移動することを可能にし得る。
【0035】
ある実施形態において、空気解放エリアは、直立部材の上側端部に隣接した水平レールの下方に配置され得る。
【0036】
ある実施形態において、垂直壁は、断熱材料を備え得る。
【0037】
ある実施形態において、冷却器システムは、熱交換器を備え得、熱交換器は、入力から引き込まれた空気を冷やすように適合されており、さらに、複数の保管体積のうちの少なくとも1つに熱を伝達するように適合されている。
【0038】
ある実施形態において、システムは、空隙と第2の空気ダンパとの間に位置付けられたファンをさらに備え得る。
【0039】
ある実施形態において、冷却器システムは、ファンコイルユニットであり得る。
【0040】
ある実施形態において、保管体積の各々は、温度センサを備え得、コントローラは、温度センサによって計測された温度に基づいて、第1の空気ダンパを通した空気流を調節し、第2の空気ダンパを通した空気流を調節するように適合されている。
【0041】
ある実施形態において、システムは、保管体積と保管体積の下の空隙との間に提供される複数の換気孔を伴う床をさらに備え得、複数の換気孔の各々の総面積は、空隙から第2の空気ダンパまで空気を伝える空気出口からの換気孔の水平距離に伴って増加する。
【0042】
ある実施形態において、複数の換気孔は、保管体積と保管体積の下側端部における空隙との間に配置されている床を形成しているパネル内の複数の穿孔によって提供され得る。
【0043】
ある実施形態において、各空気解放エリアは、各近隣の空気解放エリアから空気解放エリアを遮蔽するように適合され得る。
【0044】
ある実施形態において、システムは、冷却器システムの出力を第1の空気ダンパの各々と接続する第1の共通導管と、第2の空気ダンパの各々を冷却器システムの入力に接続する第2の共通導管とをさらに備え得る。
【0045】
本発明はまた、自動化されたグリッドベースの保管および回収システム内で複数の保管体積温度を制御する方法に関し、方法は、
-冷却システムの出力を通して冷やされた空気を第1の温度において吹き出すように冷却器システムを調節するステップと、
-保管体積の各々に関して、保管体積温度が、その保管体積の上方の空気解放エリア内の空気温度によって、および空気解放エリア内の過剰圧力とその保管体積に関連付けられた空隙内の過少圧力との間の圧力差を制御することによって調整されるように、複数の保管体積の各々に関して独立して、その保管体積の上方の空気解放エリア内の過剰圧力および空気温度を制御するために、第1の空気ダンパを通した空気流と、その保管体積の下方の空隙内の過少圧力を制御するために、第2の空気ダンパを通した空気流とを調節するステップと
を含む。
【0046】
ある実施形態において、方法は、第1の空気ダンパからの空気流を直立部材の上側端部に隣接した水平レールの下方に配置されている空気解放エリアに方向づけるステップをさらに含み得る。
【0047】
ある実施形態において、方法は、冷却器システム内の熱交換器からの熱を複数の保管体積のうちの少なくとも1つに伝達するステップをさらに含み得る。
【0048】
ある実施形態において、方法は、空隙と第2の空気ダンパとの間に位置付けられたファンを調節し、空隙内の過少圧力を調節することをさらに含み得る。
【0049】
ある実施形態において、方法は、所与の保管体積に関して、その保管体積内の温度センサによって計測される温度に基づいて、第1の空気ダンパおよび第2の空気ダンパを調節することをさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
以下の図面は、本発明の理解を促進するために付属している。図面は、ここでは実施例のみとして説明される本発明の実施形態を示している。
【0051】
【
図1】
図1は、従来技術の自動保管および回収システムの骨格構造の斜視図である。
【
図2】
図2は、中心に配置されている空洞を有する従来技術のコンテナ取り扱い車両の斜視図であり、空洞は、その中の保管コンテナを運ぶためである。
【
図3】
図3は、下に保管コンテナを保有するためのカンチレバーを有する従来技術のコンテナ取り扱い車両の斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による例示的な自動保管および回収システムの概略図である。
【
図5A】
図5aは、本発明の実施形態による例示的な底部パネルの側面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による例示的な自動保管および回収システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下において、本発明の実施形態が、付属の図面を参照して、さらに詳細に議論される。しかしながら、図面が、図面に描写される主題に本発明を限定することを意図されていないことを理解されたい。
【0053】
自動保管および回収システム1の骨格構造100は、
図1-3に関連して上で説明された従来技術の骨格構造100、すなわち、いくつかの直立部材102と、直立部材102とによって支持される、いくつかの水平部材103とに従って構築され、さらに、その骨格構造100は、X方向およびY方向における、第1の上側レールシステム108を備えている。
【0054】
骨格構造100は、部材102、103間に提供される保管カラム105の形態にある保管コンパートメントをさらに備え、保管コンテナ106は、保管カラム105でスタック107においてスタック可能である。
【0055】
骨格構造100は、任意のサイズであることができる。具体的に、骨格構造が、
図1に開示されているものより大幅に広く、および/または長く、および/または深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個より大きいカラムの水平範囲と、12個より大きいコンテナの保管深度とを有し得る。
【0056】
本発明による自動保管および回収システムの1つの実施形態が、ここで、
図4-6を参照してより詳細に議論されるであろう。
【0057】
図4は、骨格構造100を参照して上で説明されたような骨格構造400を備えている自動保管および回収システムの概略図である。骨格構造400は、複数の保管体積406a、406b、406cへ細分化され、各保管体積406a、406b、406cは、水平レールの下方に互いに隣接して配置されている複数の保管カラム105を備えている。したがって、保管体積406a、406b、406cの各々は、保管コンテナが互いの上にスタックされ、スタック407を形成している1つ以上の保管カラム105を備え得る。骨格構造400は、複数の保管体積406a、406b、406cの各々を包囲し、保管体積406a、406b、406cを近隣の保管体積406a、406b、406cおよび外部周囲状態から分離する複数の垂直壁402を備えている。保管体積を包囲する複数の壁402は、実質的に気密のチャネルを提供し、気密のチャネルは、水平レール110の下方から複数の保管体積406a、406b、406cの各々の下の空隙または複数の空隙411a、411b、411cまで延びている。保管体積406a、406b、406cは、レールに対して開放しており、それによって、保管コンテナ車両401は、保管コンテナ106を保管体積の中に降下させること、および、コンテナ106を保管体積の中から持ち上げることを行い得る。
【0058】
自動保管および回収システムは、冷却器システム403を備え冷却器システム403は、冷却器システム403の入力404から空気を引き込み、入力404から引き込まれた空気を冷やし、冷却器システム403の出力405を通して冷やされた空気を吹き出すように適合されている。冷却器システム403は、熱交換器(例えば、コイルおよびファン)を備えているファンコイルユニットであり得るが、しかしながら、任意の好適な冷却器システムも、使用され得る。冷却器システム403が、ファンコイルユニットであるとき、冷却器システム403を通した空気の流動は、ファンコイルユニット内のファンによって駆動される。複数の保管体積406a、406b、406cの各々に関して、システムは、冷却器システム403の出力405と保管体積406a、406b、406cの上方の空気解放エリア409a、409b、409cとの間に接続された第1の空気ダンパ408a、408b、408cと、保管体積406a、406b、406cの下の空隙411a、411b、411cと冷却器システム403の入力404との間に接続された第2の空気ダンパ410a、410b、410cとを備えている。
【0059】
故に、各保管体積406a、406b、406cは、独自の第1の空気ダンパ408a、408b、408cと、独自の空気解放エリア409a、409b、409cと、独自の空隙411a、411b、411cと、独自の第2の空気ダンパ410a、410b、410cとを含む空気回路の一部である。空気回路は、冷却器システム403の出力405から、それらが(異なる第1の空気ダンパ408a、408b、408cへの冷やされた空気の供給の中に給送するために)複数の第1の空気ダンパ408a、408b、408cの上流で別れる点までの共通導管を共有し得る。空気回路は、それらが(空気を冷却器システム403の入力404へ戻すために)第2の空気ダンパ410a、410b、410cの下流で結合する点からの共通導管も共有し得る。
【0060】
空気が、空隙411a、411b、411cからそれぞれの第2の空気ダンパ410a、410b、410cを通して引き込まれるとき、過少圧力、すなわち、真空が、空隙内で生成される。空隙411a、411b、411c内の過少圧力の大きさは、空気を冷却器システム403の中に引き込む力と、第2の空気ダンパ410a、410b、410cを通した空気流とによって制御される。第2の空気ダンパ410a、410b、410cは、第2の空気ダンパ410a、410b、410cを通した空気流を制御するように個々に調節可能である。空気を冷却器システム403の中に引き込み、および第2の空気ダンパ410a、410b、410cの下流で探知される力は、第2の空気ダンパ410a、410b、410cの各々に関して同一である。空隙411a、411b、411cの各々の中の過少圧力は、それぞれの第2の空気ダンパ410a、410b、410cを通した空気流を調節することによって制御される。例えば、第2の空気ダンパのうちの1つ410aを通した空気流を第2の空気ダンパのうちの別のもの410bに対して増加させることは、空隙411a内の過少圧力を空隙411bに対して増加させるであろう。
【0061】
冷やされた空気が、冷却器システム403の出力405を通して、第1の空気ダンパ408a、408b、408cを通して吹き出されると、過剰圧力が、保管体積406a、406b、406cの上方の空気解放エリア409a、409b、409c内に生成される。空気解放エリア409a、409b、409c内の過剰圧力の大きさおよび温度は、冷却器システム403から退出する空気の温度、冷却器システムの出力405を通して空気を吹き出す力、および第1の空気ダンパ408a、408b、408cの各々を通した空気流によって制御される。空気解放エリア409a、409b、409c内の温度は、空気解放エリアの形状および/または体積にある程度依存し得る。第1の空気ダンパ408a、408b、408cは、空気流を制御するように個々に調節可能である。空気を冷却器システム403の出力405から外に吹き出す力は、第1の空気ダンパ408a、408b、408cの各々に関して同一である。空気解放エリア409a、409b、409cの各々の中の過剰圧力および空気温度は、それぞれの第1の空気ダンパ408a、408b、408cを通した空気流を調節することによって制御される。例えば、第1の空気ダンパのうちの1つ408aを通した空気流を第1の空気ダンパのうちの別のもの408bに対して増加させることは、空気解放エリア409a内の過剰圧力を空気解放エリア409bに対して増加させるであろう。
【0062】
システムは、コントローラ414をさらに備え、コントローラ414は、保管体積406a、406b、406cに関連付けられた空気解放エリア409a、409b、409c内の過剰圧力および空気温度を制御するために特定の保管体積406a、406b、406cの第1のダンパ408a、408b、408cを通した空気流を調節し、保管体積406a、406b、406cの下方の空隙411a、411b、411c内の過少圧力を制御するためにその保管体積406a、406b、406cの第2の空気ダンパ410a、410b、410cを通した空気流を調節することによって、複数の保管体積406a、406b、406cの各々の中の温度を制御するために適合されている。空気解放エリア409a、409b、409c内の過剰圧力と空隙411a、411b、411c内の過少圧力との間の圧力差は、それぞれの保管体積406a、406b、406cを通した空気の速度を決定する。より高い圧力差が、空気の速度を増加させ、保管体積406a、406b、406cを通過する空気の冷却効果を増加させる。より低い圧力差が、空気の速度を低減させ、保管体積406a、406b、406cを通過する空気の冷却効果を低減させる。
【0063】
第1および第2の空気ダンパを通した空気流を調節することによって、コントローラ414は、複数の保管体積406a、406b、406cの各々に関して、保管体積温度を制御し得、保管体積温度は、空気解放エリア409a、409b、409c内の空気温度によって、および空気解放エリア409a、409b、409c内の過剰圧力と空隙411a、411b、411c内の過少圧力との間の圧力差を制御することによって調整される。
【0064】
保管体積406a、406b、406cの各々は、少なくとも1つの温度センサを備え得、コントローラ414は、少なくとも1つの温度センサによって計測される温度に基づいて、第1の空気ダンパ408a、408b、408cおよび第2の空気ダンパ410a、410b、410cを調節するように適合され得る。温度センサは、保管体積の壁内のどこかに位置付けられ得る。
【0065】
コントローラ414は、1つが保管体積406a、406b、406cの各々における温度を制御するためのものである複数の制御ユニットを備え得る。
【0066】
システムは空隙411a、411b、411cと第2の空気ダンパ410a、410b、410cとの間に位置付けられたファン413a、413b、413cをさらに備え得る。ファン413a、413b、413cは、差圧を維持することが必要であるとき、空隙411a、411b、411c内の過少圧力を増加させるために使用され得る。図示されている実施形態において、ファン413a、413b、413cは、各保管体積406a、406b、406cのために、各保管体積406a、406b、406cのために要求されるような空気流を押し進めるために提供される。別の実施形態において、ファン413a、413b、413cは、全ての保管体積406a、406b、406cのための共通ファンであり得る。本実施形態は、各保管体積における空気流制御を伴わないという代償を払って、実装することがより容易である。
【0067】
一実施形態において、保管体積のうちの1つ406aは、果物、野菜、花等のために好適である保管体積温度、例えば、10℃を保持し、保管体積の別のもの406bは、肉、魚、乳製品等の容易に腐敗し易い食品のために好適な保管体積温度、例えば、1~4℃を保持し、第3の保管体積406cは、凍結温度、すなわち、0℃を下回る温度、典型的に、-20℃を保持する。当然ながら、3つより多くの保管体積が、存在し得、各保管体積は、異なる保管体積温度を有し得る。類似している保管体積温度を有する、いくつかの保管体積も、存在し得る。コントローラ414は、現在または将来の保管ニーズに応じて、周囲温度から凍結温度へ、または反対に、保管体積内における保管体積温度を調節し得る。
【0068】
一実施形態において、自動保管および回収システム1は、作物が垂直スタック407内で成長させられる、垂直農法のために使用され得る。垂直スタック407は、空気および光が、作物のための保管コンテナまたは他の好適なスタックされた垂直農法システムの中に入ることを可能にするように適合されている特殊な保管コンテナ406を備え得る。本実施形態において、各保管体積は、異なる作物のために最適な成長状態のために異なる制御された環境を有し得る。
【0069】
一実施形態において、空気解放エリア409a、409b、409cの各々は、コンテナ取り扱い車両401の上方に位置付けられており、コンテナ取り扱い車両が、水平レール110上で移動し、保管コンテナ106を降下させ、持ち上げ、保管コンテナを保管システム1の周囲で移動させることを可能にする。空気解放エリア409a、409b、409cは、1つの空気解放エリア内の空気温度および過剰圧力が、近隣の空気解放エリア内の空気温度および過剰圧力から実質的に独立しているように、任意の近隣の空気解放エリアから空気解放エリア409a、409b、409cの各々を遮蔽するように適合され得る。任意の好適な遮蔽方法論が、使用され得る。一実施形態において、空気解放エリア409a、409b、409cは、空気解放エリアをコンテナ取り扱い車両401の上方に分離するフードの形状にあり得る。別の実施形態において、空気解放エリア409a、409b、409cは、コンテナ取り扱い車両401の上方の方向性ノズルの形状にあり得る。エアカーテン等が、エリアを分離することに役立つように使用され得る。
【0070】
大型の自動保管および回収システム1は、1つの冷却システム403によって提供されることが可能であるよりも多くの冷却を要求することを必要とし得る。この要件を満たすために、大型の自動保管および回収システムは、複数の冷却システム403を具備し得、複数の冷却システム403の各々は、上で説明されたように、複数の保管体積を冷やす。冷却システムまたは冷却システム403は、自動保管および回収システム全体またはその一部のみを占め得る。
【0071】
図6は、空気解放エリアのうちの1つ609cが、直立部材102の上側端部に隣接した水平レール110の下方に配置されている代替実施形態に関する概略図である。本実施形態において、第1の空気ダンパ408cの出力は、直接、保管体積406cの中に放出される。空気解放エリア409は、保管体積406cの上側端部を包囲する複数の通気孔を備え得る。
【0072】
空気解放エリア609cを水平レール110の下方に配置することの1つの利点は、グリッドに進入する冷気が、空気がコンテナ取り扱い車両環境と保管体積環境との間を自由に移動することを防止する「冷カーテン」を生成することである。これは、コンテナ取り扱い車両環境温度が0℃を下回ることを防止し、したがって、コンテナ取り扱い車両がそれらの正常な動作窓内で稼働することを可能にする。
【0073】
一実施形態において、冷却器システム403は、入力から引き込まれた空気を冷やす熱交換器を備え得、熱または熱の一部は、保管体積406a、406b、406cのうちの1つへ伝達され得る。これは、より温かい保管体積のために、または変化する保管システムニーズに起因して凍結区域を急速に加熱することが要求される場合、有用であり得る。
【0074】
一実施形態において、複数の垂直壁402は、断熱材料を備えている。壁は、断熱材料から作製され得る、壁は、絶縁材料によって被覆され得るか、または、断熱材料は、サンドイッチ壁構造物の一部であり得る。断熱材料を備えている垂直壁403は、2つの近隣する保管体積間の保管体積温度の差異があまりにも高く、空気流のみによって制御することができないとき、特に有用である。
【0075】
ここで、
図4、
図5a、および5bを参照すると、システムは、保管体積406a、406b、406cと保管体積406a、406b、406cの下の空隙411a、411b、411cとの間に提供される複数の換気孔を伴う床412をさらに備え得、複数の換気孔の各々の総面積は、空隙411a、411b、411cから第2の空気ダンパ410a、410b、410cまで空気を伝える空気出口からの換気孔の水平距離に伴って増加する。複数の換気孔の各々の総面積は、換気孔の数および/またはサイズによって変動され得る。空気出口に近接する小さいおよび/または少ない換気孔、および空気出口から離れるようにさらに遠いより大きいおよび/またはより多くの換気孔は、各保管体積内でのより均一な空気流と、より均一な冷却とを生成するであろう。複数の換気孔の各々の総面積は、例えば、別の開口プレートの上を覆う開口プレートを使用することによって調節可能であり得、2つの開口プレートは、互いに対して移動させられる。
【0076】
複数の換気孔は、保管体積406a、406b、406cと保管体積406a、406b、406cの下側端部における空隙411a、411b、411cとの間に配置されている床412を形成しているパネル500内の複数の穿孔501によって提供され得る。
【0077】
上記に詳細に説明された自動化されたグリッドベースの保管および回収システム1の複数の保管体積内の保管体積温度は、以下のステップを含む方法によって制御され得る:
-冷却システムの出力405を通して冷やされた空気を第1の温度において吹き出すように冷却器システム403を調節するステップと、
-保管体積406a、406b、406cの各々に関して、保管体積温度がその保管体積の上方の空気解放エリア409a、409b、409c、609c内の空気温度によって、および空気解放エリア409a、409b、409c、609c内の過剰圧力とその保管体積に関連付けられた空隙411a、411b、411c内の過少圧力との間の圧力差を制御することによって調整されるように、複数の保管体積406a、406b、406cの各々に関して独立して、その保管体積406a、406b、406cの上方の空気解放エリア409a、409b、409c、609c内の過剰圧力および空気温度を制御するための第1の空気ダンパ408a、408b、408cを通した空気流と、その保管体積の下方の空隙411a、411b、411c内の過少圧力を制御するための第2の空気ダンパ410a、410b、410cを通した空気流とを調節するステップ。
【0078】
第1の空気ダンパ408a、408b、408cおよび第2の空気ダンパ410a、410b、410cは、所与の保管体積に関して、その保管体積406a、406b、406c内の温度センサによって計測される温度に基づいて調節され得る。
【0079】
第1の空気ダンパ408a、408b、408cからの空気流は、直立部材102の上側端部に隣接した水平レール110の下方に配置されている空気解放エリアに方向づけられ得る。
【0080】
冷却器システム403内の熱交換器からの熱が、複数の保管体積406a、406b、406cのうちの少なくとも1つに伝達され得る。
【0081】
空隙411a、411b、411cと第2の空気ダンパ410a、410b、410cとの間に位置付けられたファン413a、413b、413cが、空隙411a、411b、411c内の過少圧力を調節するように調節され得る。
【0082】
前述の説明では、本発明による送達車両および自動保管および回収システムの種々の局面が、例証的実施形態を参照して説明されてきた。解説の目的のために、特定の数値、システム、および構成が、システムおよびその作用の徹底的な理解を提供するために述べられた。しかしながら、本説明は、限定する意味において解釈されることを意図されていない。開示される主題が関連する当業者に明白である例証的実施形態の種々の修正例および変形例、およびシステムの他の実施形態は、本発明の範囲内に存在すると見なされる。
【0083】
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)であって、前記システムは、
-骨格構造(100)であって、前記骨格構造は、直立部材(102)と前記直立部材(102)の上側端部に提供された水平レール(110)のグリッドとを備え、前記骨格構造は、前記水平レール(110)の下方に互いに隣接して配置された複数の保管体積(406a、406b、406c)を画定
し、
前記保管体積(406a、406b、406c)は、前記水平レール(110)に対して開放しており、それによって、保管コンテナ車両(401)は、保管コンテナ(106)を前記保管体積の中に降下させること、および前記コンテナ(106)を前記保管体積の中から外へ持ち上げることが可能である、骨格構造(100)と、
-前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々を包囲している複数の垂直壁(402)と、
-冷却器システム(403)であって、前記冷却器システムは、前記冷却器システムの入力(404)から空気を引き込み、前記入力(404)から引き込まれた前記空気を冷やし、前記冷却器システム(403)の出力(405)を通して冷やされた空気を吹き出すように適合され、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、前記システムは、前記冷却器システム(403)の前記出力(405)と前記保管体積(406a、406b、406c)の上方の空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)との間に接続された第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)と、前記保管体積(406a、406b、406c)の下の空隙(411a、411b、411c)と前記冷却器システム(403)の前記入力(404)との間に接続された第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)とをさらに備えている、冷却器システム(403)と、
-コントローラ(414)と
を備え、
前記コントローラは、
前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、独立して、
その保管体積に関連付けられた前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した空気流を調節することによって前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の過剰圧力および空気温度を制御することと、
その保管体積に関連付けられた前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した空気流を調節することによって前記空隙(411a、411b、411c)内の過少圧力を制御することと
を行うように適合され、
それによって、保管体積温度は、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、別個に制御され、前記保管体積温度は、前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記空気温度によって調整され、前記保管体積(406a、406b、406c)の各々における前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力と前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力との間の圧力差を制御することによって調整される、
自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)。
【請求項2】
前記空気解放エリア(409a、409b、409c)は、ある距離を空けて前記水平レール(110)の上方に配置されており、前記距離は、前記水平レール(110)上のコンテナ取り扱い車両(401)が前記空気解放エリア(409a、409b、409c)のすぐ下で移動することを可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記空気解放エリア(609c)は、前記直立部材(102)の前記上側端部に隣接した前記水平レール(110)の下方に配置されている、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記垂直壁(402)は、断熱材料を備えている、請求項1-3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記冷却器システム(403)は、熱交換器を備え、前記熱交換器は、前記入力(404)から引き込まれた前記空気を冷やすように適合されており、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)のうちの少なくとも1つに熱を伝達するようにさらに適合されている、請求項1-4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記空隙(411a、411b、411c)と前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)との間に位置付けられたファン(413a、413b、413c)をさらに備えている、請求項1-5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記冷却器システム(403)は、ファンコイルユニットである、請求項1-6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記保管体積(406a、406b、406c)の各々は、温度センサを備え、前記コントローラ(414)は、前記温度センサによって計測された温度に基づいて、前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した前記空気流を調節し、前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した前記空気流を調節するように適合されている、請求項1-7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、前記保管体積(406a、406b、406c)と前記保管体積(406a、406b、406c)の下の前記空隙(411a、411b、411c)との間に提供される複数の換気孔を伴う床(412)をさらに備え、前記複数の換気孔の各々の総面積は、前記空隙(411a、411b、411c)から前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)まで空気を伝える空気出口からの前記換気孔の水平距離に伴って増加する、請求項1-8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の換気孔は、前記保管体積(406a、406b、406c)と前記保管体積(406a、406b、406c)の下側端部における前記空隙(411a、411b、411c)との間に配置されている前記床(412)を形成しているパネル(500)内の複数の穿孔(501)によって提供されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
各空気解放エリア(409a、409b、409c)は、各近隣の空気解放エリア(409a、409b、409c)から前記空気解放エリア(409a、409b、409c)を遮蔽するように適合されている、請求項1-10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記冷却器システム(403)の前記出力(405)を前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)の各々と接続する第1の共通導管と、前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)の各々を前記冷却器システム(403)の入力(404)に接続する第2の共通導管とをさらに備えている、請求項1-11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の前記自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)において複数の保管体積温度を制御する方法であって、前記方法は、
-前記冷却システム(403)の前記出力(405)を通して冷やされた空気を第1の温度において吹き出すように前記冷却器システム(403)を調節するステップと、
-前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、独立して、
前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した前記空気流を調節することによってその前記保管体積(406a、406b、406c)の上方の前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力および前記空気温度を制御することと、
前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した前記空気流を調節することによって、その保管体積の下方の前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力を制御することと
を行い、
それによって、前記保管体積温度は、その保管体積の上方の前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記空気温度によって調整され、前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力とその保管体積(406a、406b、406c)に関連付けられた前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力との間の前記圧力差を制御することによって調整される、ステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)からの前記空気流を前記直立部材(102)の前記上側端部に隣接した前記水平レール(110)の下方に配置されている空気解放エリア(609c)に方向づけるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、前記冷却器システム(403)における熱交換器からの熱を前記複数の保管体積(406a、406b、406c)のうちの少なくとも1つに伝達するステップをさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記空隙(411a、411b、411c)と前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)との間に位置付けられたファン(413a、413b、413c)を調節し、前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力を調節するステップをさらに含む、請求項13-15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、所与の保管体積(406a、406b、406c)に関して、その保管体積(406a、406b、406c)内の温度センサによって計測される温度に基づいて、前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)および前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を調節するステップをさらに含む、請求項13-16のいずれかに記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
ある実施形態において、方法は、所与の保管体積に関して、その保管体積内の温度センサによって計測される温度に基づいて、第1の空気ダンパおよび第2の空気ダンパを調節することをさらに含み得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)であって、前記システムは、
-骨格構造(100)であって、前記骨格構造は、直立部材(102)と前記直立部材(102)の上側端部に提供された水平レール(110)のグリッドとを備え、前記骨格構造は、前記水平レール(110)の下方に互いに隣接して配置された複数の保管体積(406a、406b、406c)を画定する、骨格構造(100)と、
-前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々を包囲している複数の垂直壁(402)と、
-冷却器システム(403)であって、前記冷却器システムは、前記冷却器システムの入力(404)から空気を引き込み、前記入力(404)から引き込まれた前記空気を冷やし、前記冷却器システム(403)の出力(405)を通して冷やされた空気を吹き出すように適合され、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、前記システムは、前記冷却器システム(403)の前記出力(405)と前記保管体積(406a、406b、406c)の上方の空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)との間に接続された第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)と、前記保管体積(406a、406b、406c)の下の空隙(411a、411b、411c)と前記冷却器システム(403)の前記入力(404)との間に接続された第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)とをさらに備えている、冷却器システム(403)と、
-コントローラ(414)と
を備え、
前記コントローラは、
前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、独立して、
その保管体積に関連付けられた前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した空気流を調節することによって前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の過剰圧力および空気温度を制御することと、
その保管体積に関連付けられた前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した空気流を調節することによって前記空隙(411a、411b、411c)内の過少圧力を制御することと
を行うように適合され、
それによって、保管体積温度は、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、別個に制御され、前記保管体積温度は、前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記空気温度によって調整され、前記保管体積(406a、406b、406c)の各々における前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力と前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力との間の圧力差を制御することによって調整される、
自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)。
(項目2)
前記空気解放エリア(409a、409b、409c)は、ある距離を空けて前記水平レール(110)の上方に配置されており、前記距離は、前記水平レール(110)上のコンテナ取り扱い車両(401)が前記空気解放エリア(409a、409b、409c)のすぐ下で移動することを可能にする、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記空気解放エリア(609c)は、前記直立部材(102)の前記上側端部に隣接した前記水平レール(110)の下方に配置されている、項目1または2に記載のシステム。
(項目4)
前記垂直壁(402)は、断熱材料を備えている、項目1-3のいずれかに記載のシステム。
(項目5)
前記冷却器システム(403)は、熱交換器を備え、前記熱交換器は、前記入力(404)から引き込まれた前記空気を冷やすように適合されており、前記複数の保管体積(406a、406b、406c)のうちの少なくとも1つに熱を伝達するようにさらに適合されている、項目1-4のいずれかに記載のシステム。
(項目6)
前記システムは、前記空隙(411a、411b、411c)と前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)との間に位置付けられたファン(413a、413b、413c)をさらに備えている、項目1-5のいずれかに記載のシステム。
(項目7)
前記冷却器システム(403)は、ファンコイルユニットである、項目1-6のいずれかに記載のシステム。
(項目8)
前記保管体積(406a、406b、406c)の各々は、温度センサを備え、前記コントローラ(414)は、前記温度センサによって計測された温度に基づいて、前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した前記空気流を調節し、前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した前記空気流を調節するように適合されている、項目1-7のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
前記システムは、前記保管体積(406a、406b、406c)と前記保管体積(406a、406b、406c)の下の前記空隙(411a、411b、411c)との間に提供される複数の換気孔を伴う床(412)をさらに備え、前記複数の換気孔の各々の総面積は、前記空隙(411a、411b、411c)から前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)まで空気を伝える空気出口からの前記換気孔の水平距離に伴って増加する、項目1-8のいずれかに記載のシステム。
(項目10)
前記複数の換気孔は、前記保管体積(406a、406b、406c)と前記保管体積(406a、406b、406c)の下側端部における前記空隙(411a、411b、411c)との間に配置されている前記床(412)を形成しているパネル(500)内の複数の穿孔(501)によって提供されている、項目9に記載のシステム。
(項目11)
各空気解放エリア(409a、409b、409c)は、各近隣の空気解放エリア(409a、409b、409c)から前記空気解放エリア(409a、409b、409c)を遮蔽するように適合されている、項目1-10のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
前記システムは、前記冷却器システム(403)の前記出力(405)を前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)の各々と接続する第1の共通導管と、前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)の各々を前記冷却器システム(403)の入力(404)に接続する第2の共通導管とをさらに備えている、項目1-11のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
項目1に記載の前記自動化されたグリッドベースの保管および回収システム(1)において複数の保管体積温度を制御する方法であって、前記方法は、
-前記冷却システム(403)の前記出力(405)を通して冷やされた空気を第1の温度において吹き出すように前記冷却器システム(403)を調節するステップと、
-前記複数の保管体積(406a、406b、406c)の各々に関して、独立して、
前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)を通した前記空気流を調節することによってその前記保管体積(406a、406b、406c)の上方の前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力および前記空気温度を制御することと、
前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を通した前記空気流を調節することによって、その保管体積の下方の前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力を制御することと
を行い、
それによって、前記保管体積温度は、その保管体積の上方の前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記空気温度によって調整され、前記空気解放エリア(409a、409b、409c、609c)内の前記過剰圧力とその保管体積(406a、406b、406c)に関連付けられた前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力との間の前記圧力差を制御することによって調整される、ステップと
を含む、方法。
(項目14)
前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)からの前記空気流を前記直立部材(102)の前記上側端部に隣接した前記水平レール(110)の下方に配置されている空気解放エリア(609c)に方向づけるステップをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記方法は、前記冷却器システム(403)における熱交換器からの熱を前記複数の保管体積(406a、406b、406c)のうちの少なくとも1つに伝達するステップをさらに含む、項目13または14に記載の方法。
(項目16)
前記方法は、前記空隙(411a、411b、411c)と前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)との間に位置付けられたファン(413a、413b、413c)を調節し、前記空隙(411a、411b、411c)内の前記過少圧力を調節するステップをさらに含む、項目13-15のいずれかに記載の方法。
(項目17)
前記方法は、所与の保管体積(406a、406b、406c)に関して、その保管体積(406a、406b、406c)内の温度センサによって計測される温度に基づいて、前記第1の空気ダンパ(408a、408b、408c)および前記第2の空気ダンパ(410a、410b、410c)を調節するステップをさらに含む、項目13-16のいずれかに記載の方法。
【国際調査報告】